特許第6503213号(P6503213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6503213
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】印刷機
(51)【国際特許分類】
   B41F 3/20 20060101AFI20190408BHJP
   B41F 33/00 20060101ALI20190408BHJP
   B41F 17/14 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   B41F3/20 D
   B41F33/00 290
   B41F17/14 E
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-68138(P2015-68138)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-187890(P2016-187890A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2018年1月12日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発/次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000184735
【氏名又は名称】株式会社小森コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】杉本 郁男
【審査官】 中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−188741(JP,A)
【文献】 特開2008−012736(JP,A)
【文献】 特開2011−110889(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0005415(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 3/20
B41F 17/14
B41F 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスの機能層となる機能性溶液がインキとしてインキ供給装置によって供給される版と、
前記版を着脱可能に保持する版保持機構を有する版胴と、
前記版胴の軸方向の角度を変える角度変更装置と、
前記版胴の軸方向の位置を変える位置変更装置と、
前記版胴に取付けられた版の前記角度および前記位置を検知する検知装置と、
前記検知装置の検知結果に基づいて前記角度変更装置および前記位置変更装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記版保持機構は、前記版胴の切欠き部分の中に設けられ、
前記位置変更装置は、
前記版胴を前記軸方向の移動可能な範囲の一端である移動開始端から前記移動可能範囲の他端である移動終了端に向けて移動させる前進動作と、
前記版胴を前記移動終了端側から前記移動開始端に戻す復帰動作とを実行する機能を有し、
前記制御装置は、
前記版胴が回転するとともに前記インキ供給装置から前記版にインキが供給される状態で前記位置変更装置に前記前進動作を実施させる機能と、
前記切り欠き部分が前記インキ供給装置と対向する時期に、前記位置変更装置に前記復帰動作を実施させる機能を有し、
電子デバイスの基材に機能層を設けることを特徴とする印刷機。
【請求項2】
請求項1記載の印刷機において、
前記版は凹版であり、
前記インキ供給装置は、前記版の凹部にインキを噴射して供給するインクジェットヘッドを有するインクジェット装置であることを特徴とする印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスやフィルムなどの基材に高精細なパターンの配線等の機能層を印刷により形成する印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガラスやフィルムなどのフレキシブルな基材に高精細なパターンの配線等の機能層を印刷によって形成し、フレキシブル電子デバイスを製造する技術が開発されている。この種のフレキシブル電子デバイスとしては、例えば、薄膜トランジスタがある。このような印刷を行うことが可能な従来の印刷機としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。
【0003】
この特許文献1に開示された印刷機は、フレキソ版を使用して基材に機能層となる機能性溶液を印刷するものである。この印刷機においては、基材を搬送するステージで基材の位置を調整する機能を有している。このため、この印刷機においては、印刷版が版胴にずれたり曲がったりした状態で取付けられた場合や、版胴の駆動軸が傾いて組付けられた場合であっても、ステージで基材の位置を調整できるから、設計通りの転写を行うことができる。
ところで、フレキシブルな基材に機能層を印刷することが可能な印刷機としては、版胴に取付けられた凹版の凹部にインクジェットヘッドでインキを充填し、このインキを基材に転写するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−19059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インクジェットヘッドで凹版の凹部にインキを充填させる印刷機においては、版がずれたり曲がったりした状態で版胴に取付けられると、特許文献1に記載された技術で基材の位置を調整したとしても、正しく印刷を行うことはできない。この理由は、インクジェットヘッドの移動方向、移動距離には制約があり、ずれたり曲がったりした凹版の凹部にインキを充填させることが困難だからである。インクジェットヘッドを版のずれや曲がりに対応させてインキを充填することは、機械構成を複雑にするばかりでなく、複雑な動作制御も必要になり望ましくない。
【0006】
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、版が版胴にずれたり曲がった状態で取付けられたとしても、版にインキを正しく供給することが可能な印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明に係る印刷機は、電子デバイスの機能層となる機能性溶液がインキとしてインキ供給装置によって供給される版と、前記版を着脱可能に保持する版保持機構を有する版胴と、前記版胴の軸方向の角度を変える角度変更装置と、前記版胴の軸方向の位置を変える位置変更装置と、前記版胴に取付けられた版の前記角度および前記位置を検知する検知装置と、前記検知装置の検知結果に基づいて前記角度変更装置および前記位置変更装置の動作を制御する制御装置とを備え、前記版保持機構が、前記版胴の切欠き部分の中に設けられ、前記位置変更装置が、前記版胴を前記軸方向の移動可能な範囲の一端である移動開始端から前記移動可能範囲の他端である移動終了端に向けて移動させる前進動作と、前記版胴を前記移動終了端側から前記移動開始端に戻す復帰動作とを実行する機能を有し、前記制御装置が、前記版胴が回転するとともに前記インキ供給装置から前記版にインキが供給される状態で前記位置変更装置に前記前進動作を実施させる機能と、前記切り欠き部分が前記インキ供給装置と対向する時期に、前記位置変更装置に前記復帰動作を実施させる機能を有し、電子デバイスの基材に機能層を設けるものである。
【0009】
本発明は、前記印刷機において、前記版は凹版であり、前記インキ供給装置が、前記版の凹部にインキを噴射して供給するインクジェットヘッドを有するインクジェット装置であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、版胴に取付けられた版の実際の軸方向の角度および位置を検知装置によって検知することができる。制御装置は、この実際の軸方向の角度および位置と、予め定めた目標角度および目標位置との差が0になる状態を目標として、角度変更装置および位置変更装置の動作を制御することが可能なものである。このため、版が版胴に対してずれたり曲がったりしている状態で、前記ずれや前記曲がりが解消される方向に版胴の軸方向の角度および位置が変更される。
したがって、本発明によれば、版が版胴にずれたり曲がった状態で取付けられたとしても、版にインキを正しく供給することが可能な印刷機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る印刷機の構成を示す側面図である。
図2】角度変更装置と位置変更装置の構成を説明するための断面図である。
図3図2における軸受部分のIII-III線断面図である。
図4】版胴の一部を拡大して示す側面図である。
図5】版保持機構の一部を拡大して示す側面図である。
図6】版保持機構と版供給装置およびカメラを示す斜視図である。
図7】版を版保持機構に挿入した状態を示す側面図である。
図8】制御系の構成を示すブロック図である。
図9】版胴に正しく取付けられた版と版胴とを示す図で、図9(A)は、取付状態における版が取付けられた版胴の斜視図、図9(B)は、版胴と版を模式的に示す展開図、図9(C)はインクジェットヘッドの移動後の状態を示す展開図である。
図10】版胴にずれて取付けられた版と版胴とを示す図で、図10(A)は、版が取付けられた版胴の斜視図、図10(B)は、初期状態における版胴と版を模式的に示す展開図、図10(C)は、版胴をX方向に移動させた傾斜させた後の状態を示す展開図である。
図11】版胴に曲がって取付けられた版と版胴とを示す図で、図11(A)は、版が取付けられた版胴の斜視図、図11(B)は、初期状態における版胴と版を模式的に示す展開図、図11(C)は、版胴を傾斜させた後の状態を示す展開図、図11(D)は、版胴を回転させたときの版の位置を説明するための展開図、図11(E)は、版胴をX方向に移動させた後の状態を示す展開図である。
図12】版胴のX方向への変位量の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る印刷機の一実施の形態を図1図12によって詳細に説明する。
図1に示す印刷機1は、いわゆるデジタルインキング方式の印刷機で、版胴2の上方に後述するインクジェットヘッド3を備えている。
版胴2は、基台4の上に設けられた支持装置5に軸線が水平方向を指向する状態で回転自在に支持されている。なお、以下においては、図1において左右方向を便宜上、Y方向といい、このY方向とは直交する水平方向をX方向という。また、上下方向に延びる軸線を中心として回転する方向をθ方向という。
【0013】
版胴2を支持する支持装置5は、図2に示すように、版胴2の軸方向(図2においては左右方向)の両側に位置する第1のフレーム6および第2のフレーム7を有している。図2において左側に位置する第1のフレーム6は、版胴2の軸方向の一端部に設けられた第1の回転軸8を後述する外メタル11と内メタル12とを介して回転自在かつ軸方向へ移動自在に支持しているとともに、図示していない昇降機構を介して昇降可能に支持している。他方の第2のフレーム7は、版胴2の他端部に設けられた第2の回転軸13を軸受メタル14によって回転自在かつ軸方向へ移動自在に支持しているとともに、図示していない昇降機構を介して昇降可能に支持している。
【0014】
第2の回転軸13は、回転駆動装置15(図8参照)に接続されており、この回転駆動装置15によって駆動されて回転する。第2の回転軸13が回転することにより、第1の回転軸8を含めて版胴2が回転する。回転駆動装置15の動作は、後述する制御装置16によって制御される。
上述した昇降機構は、昇降機構用モータ17(図8参照)の動力によって版胴2を図1に示す版取付位置と、この版取付位置より低い印刷位置との間で昇降させる機能を有している。
【0015】
第1のフレーム6に設けられた外メタル11と内メタル12は、版胴2の軸方向の角度を調整する角度変更装置18の一部を構成するものである。図2に示す角度変更装置18は、機能を理解し易くするために模式的に描いてあり、実際のものとは構造が異なっている。
この実施の形態による外メタル11は、円筒状に形成されている。外メタル11の内周部には内メタル12が回転自在かつ軸方向に移動自在に嵌合している。内メタル12は、外メタル11に嵌合した軸受19と、この軸受19に接続されたカップリング20とによって構成されている。
【0016】
軸受19は、貫通穴19aを有する円筒状に形成されている。貫通穴19aには、第1の回転軸8が回転自在に嵌合している。貫通穴19aの軸心C1(図3参照)は、軸受19の外周部分の軸心C2とは長さtだけ偏心している。図3に示す軸心C1は、軸心C2の下方に位置付けられている。このため、内メタル12が外メタル11に対して回動することによって、第1の回転軸8が図3に示す位置から軸心C2を中心として時計方向あるいは反時計方向に揺動する。すなわち、第1の回転軸8は、内メタル12の回動に連動してY方向に移動する。
【0017】
内メタル12のカップリング20は、筒状を呈する形状に形成されており、第1の回転軸8と、この第1の回転軸8と同一軸線上に位置するねじ軸21とを2つの条件が満たされる状態として連結している。2つの条件のうち、第1の条件は、第1の回転軸8とねじ軸21とが軸方向に一体に移動することである。第2の条件は、第1の回転軸8に対してねじ軸21が回転自在になることである。
【0018】
カップリング20の外周部には、内メタル12を回動させるためのセグメントギア22が設けられている。このセグメントギア22は、カップリング20の軸方向から見て、上述した軸心C2を中心とする形状に形成されている。このセグメントギア22には、ラック23が噛合しているとともに、このラック23に螺合するねじ軸24を介して角度変更用モータ25が接続されている。ねじ軸24が角度変更用モータ25によって駆動されて回転することにより、ラック23が図2の紙面と直交する方向に移動し、セグメントギア22ととともにカップリング20(内メタル12)が回る。
【0019】
このようにカップリング20が回ることにより、第1の回転軸8を含む版胴2が第2のフレーム7に支持される部位を中心として傾斜する。すなわち、版胴2の軸線C3が上方から見てX方向に対して傾斜する。
角度変更用モータ25の動作は、後述する制御装置16によって制御される。この実施の形態による角度変更装置18は、上述した外メタル11および内メタル12と、セグメントギア22と、ラック23と、ねじ軸24と、角度変更用モータ25などによって構成されている。
【0020】
ねじ軸21は、版胴2の軸方向の位置を変える位置変更装置26の一部を構成するものである。図2に示す位置変更装置26は、機能を理解し易くするために模式的に描いてあり、実際のものとは構造が異なっている。
ねじ軸21の一端部は、上述したように、カップリング20に回転自在かつ軸方向への移動が規制される状態に連結されている。また、このねじ軸21の中間部は、第1のフレーム6に支持用ブラケット27を介して回転自在かつ軸方向へ移動自在に支持されている。ねじ軸21の他端部には、雄ねじ21aが形成されており、ウォームホイール28が螺合している。このウォームホイール28は、支持用ブラケット27に回転自在かつ軸方向への移動が規制される状態に連結されている。
【0021】
このウォームホイール28には、ウォーム29が噛合しているとともに、このウォーム29と一体に回転する回転軸30を介して位置変更用モータ31が接続されている。回転軸30が位置変更用モータ31によって駆動されて回転することにより、ウォーム29とウォームホイール28とが回転し、ねじ軸21が軸方向に移動する。ねじ軸21が軸方向に移動すると、内メタル12と、第1の回転軸8を含む版胴2とが同一方向に移動する。このとき、版胴2は、X方向に平行移動する。すなわち、位置変更装置26によって、版胴2の軸方向の位置が変えられる。ここでいう軸方向の位置は、版胴2の軸線C3と平行な方向を含んでいる。位置変更用モータ31の動作は、後述する制御装置16によって制御される。
【0022】
この実施の形態による位置変更装置26は、上述した内メタル12と、ねじ軸21と、ブラケット27と、ウォームホイール28と、ウォーム29と、回転軸30と、位置変更用モータ31などによって構成されている。この位置変更装置26は、版胴2を図2中に二点鎖線Aで示す移動開始端と、二点鎖線Bで示す移動終了端との間で軸方向に移動可能である。移動開始端Aは、軸方向の移動可能な範囲の一端であり、移動終了端Bは、軸方向の移動可能な範囲の他端である。以下においては、位置変更装置26が版胴2を移動開始端から移動終了端に向けて移動させる動作を「前進動作」という。位置変更装置26が版胴2を移動終了端側から移動開始端に戻す動作を「復帰動作」という。
【0023】
版胴2は、図4に示すように、版クランプ機構41を備えている。この版クランプ機構41は、本発明でいう「版を着脱可能に保持する版保持機構」を構成するものである。版クランプ機構41は、版胴2の外周面に開口する切り欠き部分42の中に収容されている。この版クランプ機構41は、複数の前側爪部材43および後側爪部材44と、これらの前側および後側爪部材42,43を個別に駆動可能な駆動装置45などによって構成されている。
【0024】
前側爪部材43と後側爪部材44は、図5中に実線で示すクランプ位置と、図5中に二点鎖線で示す非クランプ位置との間で揺動可能である。駆動装置45は、前側爪部材43と後側爪部材44をクランプ位置と非クランプ位置との間でそれぞれ揺動させる。クランプ位置に位置する前側爪部材43と後側爪部材44は、版胴2の爪台46に向けて付勢されている。この版胴2による印刷は、クランプ位置にある前側爪部材43および後側爪部材44と爪台46との間に後述する版47(図1および図4参照)が挟まれて保持された状態で行われる。
この実施の形態による爪台46は、版47を吸着して保持する吸着装置48(図5参照)を備えている。この吸着装置48は、爪台46の上面に開口する空気吸引口49から空気を吸引する構成のものである。
【0025】
基台4の上には、図1に示すように、版胴2の他に複数の機能装置が設けられている。これらの機能装置とは、版胴2と基台4との間に一部が臨む定盤駆動装置51と、第1〜第3のカメラ52〜54と、インクジェット装置55などである。
定盤駆動装置51には印刷定盤61が設けられている。この印刷定盤61は、電子デバイス(図示せず)となる基材62を保持するものである。この基材62とは、例えばガラス板や、フィルム基板などである。
【0026】
定盤駆動装置51は、印刷定盤61を図1中に実線で示す基材受け渡し位置と、版胴2の下方に二点鎖線で示す印刷位置との間でY方向に移動させる機能と、後述する第1のカメラ52の下方で印刷定盤61を停止させ、基材62の位置合わせを行う機能とを有している。この定盤駆動装置51は、印刷時には、印刷定盤61を版胴2の下方で版胴2の回転と同期させてY方向に移動させる。この定盤駆動装置51の動作は、後述する制御装置16によって制御される。
【0027】
基材62の位置合わせは、詳細は後述するが、定盤駆動装置51が印刷定盤61をX方向と、Y方向と、θ方向とに移動させて行われる。
この実施の形態による印刷定盤61は、基材62を吸着する吸着機構(図示せず)を備えている。この吸着機構は、印刷定盤61の上面に開口する多数の空気吸引口から空気を吸引する構成のものである。
【0028】
印刷定盤61が基材受け渡し位置と印刷位置との間で移動するときの移動経路の上方には、第1のカメラ52が配置されている。
第1のカメラ52は、図示していない支持部材によって基台4に対して固定されており、印刷定盤61の上に載せられた基材62の複数の位置決め用マーク(図示せず)を上方から撮像する。第1のカメラ52によって位置決め用マークを撮像し、画像処理することにより、印刷定盤61の基準位置に対する基材62のずれ量を検出することができる。定盤駆動装置51は、印刷定盤61をX方向と、Y方向と、θ方向とに移動させ、位置決めマークに基づく基材62の実際の基準位置を、定盤駆動装置51の予め定めた真の基準位置に一致させ、ずれ量を0にする。このように実際の基準位置が真の基準位置と一致することにより、基材62の版胴2に対する位置が調整される。
【0029】
図1において第1のカメラ52の上方には、版保持装置63が配置されている。版保持装置63は、版胴2に取付けられる版47を一時的に保持するためのもので、版胴2の外周面の近傍に位置付けられる状態で版供給装置64(図6参照)によって移動可能に支持されている。版保持装置63は、図1に示すように、版47を水平状態として版胴2の上端部と並べて保持する。
版保持装置63は、図6に示すように、版胴2に取付けられる以前の版47が載置される平坦な版載置面65を有している。
【0030】
この実施の形態による印刷機1に使用する版47は、デジタルインキングに用いられるシリコンゴム製の凹版である。版載置面65には、吸着装置66の多数の空気吸引口67が開口している。この吸着装置66は、空気吸引口67から空気を吸引する構成のものである。版載置面65に載置された版47は、この吸着装置66によって版保持装置63に吸着されて保持される。すなわち、版保持装置63は、版47を吸着して保持する機能を有している。版47は、図6に示すように、版胴2に近接する一端部47aが版保持装置63から版胴2側に突出する状態で版保持装置63に保持される。
【0031】
版保持装置63の上方には、図1に示すように、第2のカメラ53が配置されている。この第2のカメラ53は、図示していない支持部材によって基台4に対して固定されており、版保持装置63に保持された版47を上方から撮像する。この第2のカメラ53は、版47の位置決め用マーク68(図6参照)が撮像範囲内に入る状態で撮像する。位置決めマーク68は、版47におけるX方向に離間した2箇所に設けられている。この実施の形態による第2のカメラ53は、一度に2つの位置決めマーク68,68を撮像可能なものが用いられている。なお、少なくとも2個の第2のカメラ53を使用し、各カメラでカメラ毎の位置決め用マーク68を撮像する構成を採ることもできる。
第2のカメラ53によって版47の位置決め用マーク68を撮像し、画像処理することにより、版保持装置63に対する版47の位置を検出することができる。
【0032】
版保持装置63を支持する版供給装置64は、後述する第1および第2の機能を有している。
第1の機能は、第2のカメラ53によって撮像された版47の画像に基づいて版保持装置63を版載置面65に沿う方向に移動させ、版胴2に対する版47の位置を調整する機能である。ここでいう版載置面65に沿う方向とは、X方向と、Y方向と、θ方向である。版供給装置64は、版47の位置を調整するにあたって、版保持装置63をX方向と、Y方向と、θ方向とに移動させ、位置決めマーク68に基づく版47の実際の基準位置を、版供給装置64の予め定めた真の基準位置に一致させる。この実際の基準位置が真の基準位置と一致することにより、版47が版胴2に対して所定の位置に位置決めされる。この位置決め状態における版47のX方向およびY方向の位置と、θ方向の角度は、位置決め状態の版47を版胴2に向けて移動させることにより版47が版胴2に正しく装着される位置および角度である。
【0033】
第2の機能は、版胴2に対する版47の位置が調整された状態で版保持装置63を版胴2に向けてY方向に移動させ、版47を版胴2によって保持可能な供給位置に供給する機能である。版保持装置63が移動するY方向とは、版胴2の外周面の最上部に近接する方向であって、版胴2の外周面の最上端に接する接線に沿う方向である。上述した供給位置とは、版47の一端部が版胴2の前側爪部材43と爪台46との間に挿入される位置である。前側爪部材43は、版保持装置63が版胴2に向けて移動するときには、図7に示すように、予め非クランプ位置に揺動され、版保持装置63が停止した後にクランプ位置に揺動する。版保持装置63が供給位置に停止することによって、版47がX方向およびY方向と、θ方向とにおいて、前側爪部材43と爪台46との間で位置決めされる。この版供給装置64の動作は、後述する制御装置16によって制御される。
【0034】
版胴2の上方近傍には、インクジェット装置55のインクジェットヘッド3が配置されている。インクジェット装置55は、インクジェットヘッド3から本発明でいう「機能性溶液」を構成する導電溶液(図示せず)をインキとして版47の凹部に供給するものである。導電溶液が版47の凹部から基材62に転写されて固化することによって、基材62上の機能層となる。この実施の形態においては、このインクジェット装置55によって、本発明でいう「インキ供給装置」が構成されている。
【0035】
インクジェットヘッド3は、版胴2との間の距離と、X方向の位置とを変更可能な状態で版胴2の上方に設けられている。このインクジェットヘッド3は、図示してはいないが、X方向に所定の間隔をおいて並ぶ状態で複数設けられている。このインクジェット装置55の動作は、後述する制御装置16によって制御される。
インクジェットヘッド3の近傍には、版胴2に取付けられた版47を撮像するための第3のカメラ54が配置されている。この第3のカメラ54は、図示していない支持部材によって基台4に対して固定されており、版胴2に装着された版47を上方から撮像する。この第3のカメラ54によって撮像された画像は、画像データとして後述する制御装置16に送られる。制御装置16は、詳細は後述するが、この画像データに基づいて上述した角度変更装置18と位置変更装置26とを動作させ、版胴2の軸方向における版47の角度と位置とをそれぞれ調整する。この実施の形態においては、この第3のカメラ54によって、本発明でいう「検知装置」が構成されている。
【0036】
制御装置16は、図8に示すように、複数の機能部を有しており、上述した各種の装置やモータに接続されている。複数の機能部とは、角度変更装置制御部71と、位置変更装置制御部72と、定盤駆動装置制御部73と、版供給装置制御部74と、版クランプ機構制御部75と、インクジェット装置制御部76と、印刷動作制御部77である。
角度変更装置制御部71は、角度変更装置18の動作を制御するもので、2つの機能を有している。第1の機能は、第3のカメラ54によって撮像された版47の画像データに基づいて、版胴2の軸方向における版47の実際の角度を求める機能である。第2の機能は、この実際の角度と、予め定めた目標角度との差が0になる状態を目標として、角度変更装置18を動作させる機能である。
【0037】
位置変更装置制御部72は、位置変更装置26の動作を制御するもので、4つの機能を有している。第1の機能は、第3のカメラ54によって撮像された版47の画像データに基づいて、版胴2の軸方向における版47の実際の位置を求める機能である。第2の機能は、この実際の位置と、予め定めた目標位置との差が0になる状態を目標として、位置変更装置26を動作させる機能である。第3の機能は、インクジェットヘッド3によって版47にインキが供給される状態で位置変更装置26に前進動作を実施させる機能である。第4の機能は、インキ供給時に版胴2の切り欠き部分42がインクジェットヘッド3と対向する時期に、位置変更装置26に復帰動作を実施させる機能である。
【0038】
定盤駆動装置制御部73は、定盤駆動装置51の動作を制御するもので、2つの機能を有している。第1の機能は、第1のカメラ52によって撮像された基材62の画像データに基づいて、版胴2に対する版47の位置調整が行われるように定盤駆動装置51の動作を制御する機能である。第2の機能は、印刷定盤61が基材受け渡し位置と印刷位置との間で移動するように定盤駆動装置51を動作させる機能である。
【0039】
版供給装置制御部74は、版供給装置64の動作を制御するもので、2つの機能を有している。第1の機能は、第2のカメラ53によって撮像された版47の画像データに基づいて、版胴2に対する版47の位置調整が行われるように版供給装置64の動作を制御する機能である。第2の機能は、位置調整が行われた版47が供給位置に移動するように版供給装置64の動作を制御する機能である。
【0040】
版クランプ機構制御部75は、版クランプ機構41の動作を制御するもので、版供給装置64によって版47が版胴2に供給されたときに版クランプ機構41の駆動装置45を動作させる。
インクジェット装置制御部76は、版47が版胴2に取付けられて角度変更装置18と位置変更装置26とによって版47の位置調整が行われた後の所定の時期に、版胴2を予め定めた回転速度で回転させるとともに、インクジェットヘッド3のそれぞれにインキを噴出させる。
印刷動作制御部77は、基材62に印刷を行うもので、2つの機能を有している。第1の機能は、インキが供給された版胴2を版47が基材62と接触するまで下降させ、その後に版47を所定の回転速度で回転させる機能である。第2の機能は、版47が基材62に接触した後に基材62を印刷定盤61とともに版胴2の回転と同期させてY方向に移動させる機能である。
【0041】
このように構成されたデジタルインキング方式の印刷機1においては、版保持装置63に版47が載せられて保持され、版供給装置64の上述した第1の機能によって版47のX方向およびY方向の位置と、θ方向の角度とが版胴2に正しく装着できる位置、角度に調整される。そして、版供給装置64の上述した第2の機能によって版保持装置63が版胴2に向けて移動することにより、版47が版胴2の版クランプ機構41に挿入される。
【0042】
版47は、一端部47aが版クランプ機構41の前側爪部材43と爪台46とに挟まれた状態で版胴2が回転することにより版胴2に巻き付けられる。そして、版47は、他端部が後側爪部材44と爪台46とに挟まれることによって、版胴2に外れることができない状態で装着される。ところで、版クランプ機構41の複数の前側爪部材43が版47をクランプするときに版47を押す力の大きさは、全ての前側爪部材43で等しいとは限らない。すなわち、版47が版クランプ機構41によって保持されるときに版47の位置が正しい位置から僅かにずれることが考えられる。
【0043】
このため、この印刷機1においては、版47が版胴2に取付けられた後に版47の位置ずれの有無を検出する。この位置ずれの有無は、第3のカメラ54によって版47を撮像し、画像処理によって行う。すなわち、版47が版胴2に装着された後、第3のカメラ54によって版47が版胴2とともに上方から撮像される。第3のカメラ54によって撮像された画像の画像データは、制御装置16に送られる。第3のカメラ54によって撮像された画像の中には、例えば図9(B)に示すように、版47の凹部81が写っている。この図9(B)に示す凹部81は、複数の横溝81a〜81gと複数の縦溝81h〜81lとによって構成されている。
【0044】
制御装置16は、上述した画像データに基づいて版47の実際の軸方向の角度および位置を求め、この実際の角度および位置と、目標角度および目標位置との差が0になるように、角度変更装置18と位置変更装置26とを動作させる。目標角度および目標位置とは、版胴2に正しく取付けられた版47の角度および位置である。
版47が版胴2に正しく取付けられている場合は、図9(A),(B)に示すように、上方から見て版胴2の軸線C3と版47の横溝81a〜81gとが平行になるとともに、版胴2を上方から見たときの版胴2の回転方向{図9(B)においては上下方向}と版47の縦溝81h〜81lとが平行になる。
【0045】
図9(B)中には、1つのインクジェットヘッド3のみが図示されている。版47が版胴2に正しく取付けられていると、インクジェットヘッド3をX方向に移動させることによって、図9(C)に示すように、インクジェットヘッド3と例えば第1の縦溝81hとを版胴2の軸方向において同一位置に位置付けることができる。このため、この状態で版胴2が回転するとともにインクジェットヘッド3からインキが噴出することによって、縦溝81hの全域にインキを供給することができる。
【0046】
その後、インクジェットヘッド3をX方向に移動させ、縦溝81iがインクジェットヘッド3と軸方向において同一位置に位置する状態とする。そして、この状態で版胴2が回転するとともにインクジェットヘッド3からインキが噴出することによって、この縦溝81iにもインキが供給される。このような動作を繰り返すことによって、全ての縦溝81h〜81lにインキを供給することができる。横溝81a〜81gへのインキの供給は、例えば、版胴2を停止させた状態で、インクジェットヘッド3をX方向に移動させるとともにインクジェットヘッド3からインキを噴出させて行うことができる。
【0047】
版47が版胴2に軸方向へずれて取付けられた場合は、図10(A),(B)に示すように、版47の縦溝81h〜81lの位置が軸方向において正しい位置からずれる。このような場合は、位置変更装置26によって版胴2を軸方向に移動させて版47の位置を修正することができる。例えば、図10(B)で示したように版47が正規の位置P0より左側に偏って取付られている場合は、図10(C)に示すように、版胴2を初期位置P1から右に移動させることによって修正することができる。このように版47の位置が修正されることによって、図9(B)〜(C)に示した場合と同様に、全ての縦溝81h〜81la〜eと横溝81a〜81gにインキを供給することができる。
【0048】
さらに、版47が版胴2に曲がった状態で取付けられた場合は、図11(A),(B)に示すように、版47の横溝81a〜81gが版胴2の軸線C3に対して傾斜するとともに、版47の縦溝81h〜81lが版胴2の回転方向に対して傾斜する。このような場合は、先ず、図11(C)に示すように、角度変更装置18を動作させて版胴2の軸線C3の角度を変更する。この場合、上方から見た状態で版47の横溝81a〜81gとX方向とが平行になるように、版胴2を傾斜させる。
【0049】
このように版胴2が傾斜することにより、横溝81a〜81gにインクジェットヘッド3によってインキを供給することが可能になる。しかし、この状態で版胴2が軸線C3を中心にして回転すると、図11(D)中に二点鎖線で示すように、X方向において、版47の縦溝81h〜81lの位置がインクジェットヘッド3に対してずれてしまう。図11(D)は、版胴2の回転により縦溝81h〜81lが長さL1だけずれている状態を示している。なお、縦溝81h〜81lの位置が変わってしまうという不具合を、インクジェットヘッド3をX方向に移動させて縦溝81h〜81lに追従させることによって解消することはできない。この理由は、インクジェットヘッド3は、高い精度で位置決めする必要があるために、X方向への移動速度が縦溝81h〜81lの移動速度に較べて著しく低いからである。
【0050】
この実施の形態による印刷機1は、このような縦溝81h〜81lの位置が変わってしまうという不具合を、版胴2をX方向へ移動させることによって解消している。すなわち、この実施の形態による印刷機1は、図11(D)に示すずれ量L1が0になる状態を目標として、位置変更装置26に例えば前進動作を実施させる。このときに版胴2が進む方向は、版47の傾斜する方向に応じて変わる。図11(D)に示す場合は、位置変更装置26による前進動作により版胴が同図において左側に移動する。ずれ量L1は、版胴の回転角度が増えるに伴って増大するから、前進動作は、連続して実施される。すなわち、版胴2が回転するとともにインクジェットヘッド3から版47にインキが供給される状態で、位置変更装置26に前進動作を連続して実施させる。このように位置変更装置26が動作することにより、図11(E)に示すように、版胴2が回転するにもかかわらず、版47の縦溝81h〜81lがインクジェットヘッド3と対向する状態を維持することができる。
【0051】
位置変更装置26の前進動作は、版胴2が移動終了端に移動するまで実施される。版胴2が移動終了端まで移動した後は、版胴2の切り欠き部分42がインクジェットヘッド3と対向する時期に位置変更装置26によって版胴2が移動開始端Aに戻される。すなわち、版胴2のX方向の位置は、図12に示すように変化する。図12に示すように、版胴2は、移動開始端Aから移動終了端Bまで一定の速度で移動し、切り欠き部分42がインクジェットヘッド3と対向する切り欠き区間Tにおいて版胴2が移動終了端Bから移動開始端Aに戻る。インクジェットヘッド3は、切り欠き部分42と対向している切り欠き区間Tの間に、次にインキを供給する縦溝81h〜81lとX方向において一致する位置に移動する。
【0052】
インクジェットヘッド3が版胴2にインキを供給しているときには、基材62の準備が行われる。基材62は、印刷定盤61に保持されて版胴2に対する位置調整が行われた状態で、印刷定盤61とともに版胴2の下方に送られる。
この印刷機1による印刷は、版47に導電溶液からなるインキが供給された後に版胴2を下降させて版47を基材62に接触させ、この状態で版胴2が回転するとともに基材62がY方向に移動することにより行われる。すなわち、版47の凹部81内に充填されていた導電溶液からなるインキが基材62の上面に転写される。この導電溶液からなるインキは、図示していない乾燥装置で固化させられることによって、基材62に印刷によって形成された機能層になる。
【0053】
この印刷機においては、版胴2に取付けられた版47の実際の軸方向の角度および位置を第3のカメラ54によって撮像して検知することができる。制御装置16は、この実際の軸方向の角度および位置と、予め定めた目標角度および目標位置との差が0になる状態を目標として、角度変更装置18および位置変更装置26の動作を制御するものである。このため、版47が版胴2に対してずれたり曲がったりしている状態で、ずれや曲がりが解消される方向に版胴2の軸方向の角度および位置が変更される。
したがって、この実施の形態によれば、版47が版胴2にずれたり曲がった状態で取付けられたとしても、版47にインキを正しく供給することが可能な印刷機を提供することができる。
【0054】
この実施の形態による版クランプ機構41は、版胴2の切欠き部分42の中に設けられている。位置変更装置26は、版胴2を移動可能な範囲の一端である移動開始端Aから移動可能範囲の他端である移動終了端Bに向けて移動させる前進動作と、版胴2を移動終了端B側から移動開始端Aに戻す復帰動作とを実行する機能を有している。制御装置16は、版胴2が回転するとともにインクジェットヘッド3から版47にインキが供給される状態で位置変更装置26に前進動作を実施させる機能と、版胴2の切り欠き部分42がインクジェットヘッド3と対向する時期に、位置変更装置26に復帰動作を実施させる機能を有している。この実施の形態によれば、インクジェットヘッド3においてインキ供給動作が停止している間に版胴2が移動開始位置Aに戻される。このため、位置変更装置26が復帰動作を実施するにあたってインクジェットヘッド3のインキ供給動作が終了しているか否かを確認する必要がないから、位置変更装置26の制御を容易に行うことができる。
【0055】
この実施の形態による版47は凹版である。本発明でいうインキ供給装置は、版47の凹部81にインキを噴射して供給するインクジェットヘッド3を有するインクジェット装置55である。このため、この実施の形態によれば、版47の凹部にインキを確実に供給でき、製造される電子デバイスの品質が高くなる印刷機を提供することができる。
【0056】
上述した実施の形態においては本発明をデジタルインキング方式の印刷機に適用する例を示した。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはなく、版が着脱可能に取付けられる版胴を用いて電子デバイスに機能層を印刷する印刷機であれば、どのような印刷機にも適用可能である。例えば、本発明は、ダイレクトグラビア印刷機にも適用可能である。
【0057】
さらに、上述した実施の形態においては版胴から基材へ印刷する構成で示したが、それに限るわけではなく、版胴と基材の間にゴム胴などの中間転写材が構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…印刷機、2…版胴2、3…インクジェットヘッド、16…制御装置、18…角度変更装置、22…基材、26…位置変更装置、47…版、54…第3のカメラ。
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