(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記共通電極に電位調整信号を与え、前記第1回路及び前記第2回路の駆動を制御し、前記駆動信号により前記第1検出スイッチを前記第1接続状態に切替えた状態にて、前記第2回路、前記第1信号線及び前記第1検出スイッチを介して前記第1検出電極に書込み信号を書込み前記第1検出電極から前記書込み信号の変化を示す読取り信号を読取る第1検出ユニットをさらに備え、
センシングを行うセンシング駆動時に、前記電位調整信号は、前記書込み信号と同期し、位相及び振幅に関して前記書込み信号と同一である、請求項1に記載のセンサ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係るセンサSE及びセンサSEの駆動方法について説明する。
図1は、第1の実施形態に係るセンサSEを示す平面図である。
図1に示すように、センサSEは、平板状の第1基板SUB1、制御モジュールCM、フレキシブル配線基板FPC1などを備えている。第1基板SUB1は、アクティブエリアAAを備えている。本実施形態において、アクティブエリアAAは、被検出部を検出する検出領域である。アクティブエリアAAの形状は、ここでは正方形であるが、特に限定されるものではなく、長方形などの矩形状や、円形であってもよい。そして、ここでは、第1基板SUB1は、アクティブエリアAAの外側に矩形枠状の非検出領域を備えている。また、上記被検出部としては、指などの導電性を有する物体を挙げることができる。
【0010】
第1基板SUB1は、ガラス基板や樹脂基板などの第1絶縁基板10を備えている。第1絶縁基板10の上方には、複数の制御線Cと、複数の信号線Sと、複数の補助配線Aと、が形成されている。
ここで、第1部材の上方の第2部材と言う場合、第2部材は、第1部材より第1絶縁基板10側に位置しているのではなく、第1部材より後述するカバー部材CG側に位置している。第2部材は、第1部材に接していてもよく、第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間には第3部材が介在していてもよい。
複数の制御線Cは、第1制御線C1、第2制御線C2、…第j制御線Cjのj本の制御線である。制御線Cは、第1方向Xに延在し、第1方向Xに交差する第2方向Yに互いに間隔を置いて並んでいる。各制御線Cは、一行分の複数の画素にて共用される。
複数の信号線Sは、第1信号線S1、第2信号線S2、…第i信号線Siのi本の信号線である。信号線Sは、第2方向Yに延在し、第1方向Xに互いに間隔を置いて並んでいる。ここでは、信号線Sは、アクティブエリアAAにて制御線Cと交差している。各信号線Sは、一列分の複数の画素にて共用される。
複数の補助配線Aは、第1補助配線A1、…第k補助配線Akのk本の補助配線である。補助配線Aは、信号線Sと並んで第2方向Yに延在し、第1方向Xに互いに間隔を置いて並んでいる。ここでは、補助配線Aは、アクティブエリアAAにて制御線Cと交差している。各補助配線Aは、隣合う二列分の複数の画素にて共用される。
【0011】
本実施形態において、第1方向Xを行方向、第2方向Yを列方向と言い換えることができる。また、第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交しているが、90°以外の角度で交差していてもよい。また、制御線C、信号線S及び補助配線Aの本数は、特に限定されるものではなく、種々変形可能である。ここでは、j=120、i=120、k=60、である。このため、制御線Cの本数と信号線Sの本数とは同数であり、補助配線Aの本数は信号線Sの本数の半分である。
また、制御線Cと信号線Sとの各交差部近傍には、検出スイッチDSが形成されている。各検出スイッチDSは、制御線Cと、信号線Sと、補助配線Aと、に接続されている。
【0012】
共通電極CEは、第1絶縁基板10、制御線C、信号線S、補助配線A、及び検出スイッチDSの上方に位置し、制御線C、信号線S、補助配線A、及び検出スイッチDSと対向している。共通電極CEは、アクティブエリアAAだけではなく、アクティブエリアAAの外側まで拡張して形成されている。この実施形態において、共通電極CEは単個の電極であるが、共通電極CEの形状やパターンは特に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、共通電極CEは、ストライプ状に並べられた複数の電極で形成されていてもよく、又は、マトリクス状に並べられた複数の電極で形成されていてもよい。
【0013】
複数の検出電極DEは、共通電極CEの上方に位置している。図示した例では、検出電極DEは、それぞれ矩形状に形成され、アクティブエリアAAにて第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。言い換えると、アクティブエリアAAは検出電極DEが設けられているエリアである。検出電極DEの個数は、i×j個である。検出電極DEは、例えば、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに50μmのピッチで配列している。この場合、アクティブエリアAAは、大まかに一辺が6mmの正方形である。
【0014】
第1回路としての制御線駆動回路CDは、第1絶縁基板10と共通電極CEとの間に位置している。制御線駆動回路CDは、共通電極CEの下方に位置し、共通電極CEと対向している。制御線駆動回路CDは、アクティブエリアAAの外側にて複数の制御線Cに接続されている。一方で、制御線駆動回路CDは、アクティブエリアAAの外側にて、第1絶縁基板10の一端部に配置されたOLB(Outer Lead Bonding)パッド群PGに接続されている。制御線駆動回路CDは、検出スイッチDSを第1接続状態及び第2接続状態の何れか一方に切替える駆動信号を制御線Cに与える。上記第1接続状態とは、信号線Sと検出電極DEとを接続し、補助配線Aと検出電極DEとを絶縁する状態である。また、上記第2接続状態とは、信号線Sと検出電極DEとを絶縁し、補助配線Aと検出電極DEとを接続する状態である。
ここで、第1部材の下方の第2部材と言う場合、第2部材は、第1部材よりカバー部材CG側に位置しているのではなく、第1部材より第1絶縁基板10側に位置している。第2部材は、第1部材に接していてもよく、第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間には第3部材が介在していてもよい。
【0015】
第2回路としてのマルチプレクサMUは、第1絶縁基板10と共通電極CEとの間に位置している。マルチプレクサMUは、共通電極CEの下方に位置し、共通電極CEと対向している。マルチプレクサMUは、アクティブエリアAAの外側にて複数の信号線Sに接続されている。一方で、マルチプレクサMUは、アクティブエリアAAの外側にて、OLBパッド群PGに接続されている。この実施形態において、マルチプレクサMUは、1/4マルチプレクサである。但し、マルチプレクサMUは、1/4マルチプレクサに限定されるものではなく種々変形可能であり、例えば1/3マルチプレクサであってもよい。
なお、本実施形態において、第2回路はマルチプレクサMUであるため、補助配線AはマルチプレクサMUを介すること無しにOLBパッド群PGに接続されている。但し、第2回路の構成次第では、補助配線Aは第2回路を介してOLBパッド群PGに接続されていてもよい。
【0016】
上記のように、共通電極CEは、OLBパッド群PGと対向していないが、第1絶縁基板10の上方に形成された各種の配線、スイッチ、回路などと対向している。又は、共通電極CEは、各種の配線、スイッチ、回路などを覆っている。このため、共通電極CEは、アクティブエリアAAの内側だけではなく、アクティブエリアAAの外側においても、検出電極DEを電気的にシールドすることができる。すなわち、検出電極DEに寄生容量を生じ難くすることができるため、センサ感度の低下を抑制することができる。
【0017】
制御モジュールCMは、フレキシブル配線基板FPC1を介して第1絶縁基板10のOLBパッド群PGに接続されている。ここで、制御モジュールCMをアプリケーションプロセッサと言い換えることができる。制御モジュールCMは、フレキシブル配線基板FPC1などを介して制御線駆動回路CD及びマルチプレクサMUなどと接続されている。制御モジュールCMは、制御線駆動回路CD及びマルチプレクサMUなどの駆動を制御し、制御線駆動回路CDとマルチプレクサMUとの同期化を図ることができる。
【0018】
なお、第1基板SUB1の上方には、後述するカバー部材が設けられていてもよい。カバー部材は、第1基板SUB1と対向している。X−Y平面視において、例えば、カバー部材の寸法は、第1基板SUB1の寸法より大きい。
【0019】
図2は、
図1に示したセンサSEの4個の画素と各種配線との電気的な接続関係を示す等価回路図である。
図2に示すように、各画素は、検出スイッチDS、検出電極DEなどを備えている。検出スイッチDSは、それぞれ直列に接続された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子を有している。第1及び第2スイッチング素子は、例えば互いに導電型の異なる薄膜トランジスタで形成されている。本実施形態において、第1スイッチング素子はNチャネル型の薄膜トランジスタで形成され、第2スイッチング素子はPチャネル型の薄膜トランジスタで形成されている。第1及び第2スイッチング素子は、トップゲート型あるいはボトムゲート型のいずれであってもよい。また、第1及び第2スイッチング素子の半導体層は、例えば、多結晶シリコン(polycrystalline silicon:poly-Si)によって形成されているが、非晶質シリコンや酸化物半導体などによって形成されていてもよい。
【0020】
第1検出スイッチDS1は、第1スイッチング素子DS1a及び第2スイッチング素子DS1bを有している。第1スイッチング素子DS1aは、第1制御線C1に電気的に接続された第1電極と、第1信号線S1に電気的に接続された第2電極と、第1検出電極DE1に電気的に接続された第3電極と、を有している。第2スイッチング素子DS1bは、第1制御線C1に電気的に接続された第1電極と、第1補助配線A1に電気的に接続された第2電極と、第1検出電極DE1に電気的に接続された第3電極と、を有している。
【0021】
ここで、第1スイッチング素子DS1a及び第2スイッチング素子DS1bの各々において、上記第1電極がゲート電極として機能し、第2及び第3電極の一方がソース電極として機能し、第2及び第3電極の他方がドレイン電極として機能する。第1スイッチング素子DS1aの第3電極と、第2スイッチング素子DS1bの第3電極とは、電気的に接続されている。なお、これら第1乃至第3電極の機能に関しては、後述する第2検出スイッチDS2、第3検出スイッチDS3及び第4検出スイッチDS4においても同様である。
【0022】
第2検出スイッチDS2は、第1スイッチング素子DS2a及び第2スイッチング素子DS2bを有している。第1スイッチング素子DS2aは、第1制御線C1に電気的に接続された第1電極と、第2信号線S2に電気的に接続された第2電極と、第2検出電極DE2に電気的に接続された第3電極と、を有している。第2スイッチング素子DS2bは、第1制御線C1に電気的に接続された第1電極と、第1補助配線A1に電気的に接続された第2電極と、第2検出電極DE2に電気的に接続された第3電極と、を有している。
【0023】
第3検出スイッチDS3は、第1スイッチング素子DS3a及び第2スイッチング素子DS3bを有している。第1スイッチング素子DS3aは、第2制御線C2に電気的に接続された第1電極と、第1信号線S1に電気的に接続された第2電極と、第3検出電極DE3に電気的に接続された第3電極と、を有している。第2スイッチング素子DS3bは、第2制御線C2に電気的に接続された第1電極と、第1補助配線A1に電気的に接続された第2電極と、第3検出電極DE3に電気的に接続された第3電極と、を有している。
【0024】
第4検出スイッチDS4は、第1スイッチング素子DS4a及び第2スイッチング素子DS4bを有している。第1スイッチング素子DS4aは、第2制御線C2に電気的に接続された第1電極と、第2信号線S2に電気的に接続された第2電極と、第4検出電極DE4に電気的に接続された第3電極と、を有している。第2スイッチング素子DS4bは、第2制御線C2に電気的に接続された第1電極と、第1補助配線A1に電気的に接続された第2電極と、第4検出電極DE4に電気的に接続された第3電極と、を有している。
なお、信号線S及び補助配線Aに対する検出スイッチDSの接続関係は上述した例に限定されるものではない。例えば、各検出スイッチDSの第1スイッチング素子の第2電極が補助配線Aに接続され、各検出スイッチDSの第2スイッチング素子の第2電極が信号線Sに接続されていてもよい。
【0025】
第1制御線C1、第2制御線C2などの複数の制御線Cは上記の制御線駆動回路CDによって駆動され、各々の制御線Cには制御線駆動回路CDから駆動信号CSが与えられる。検出スイッチDSは、駆動信号CSにより、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子の何れか一方がオン状態となり他方がオフ状態となる。上記のことから、検出スイッチDSは、第1接続状態及び第2接続状態の何れか一方に切替えられる。
【0026】
第1信号線S1、第2信号線S2などの複数の信号線Sは、上記のマルチプレクサMUを介し、上記の制御モジュールCMによって駆動され得る。ここで、制御モジュールCMは、第1モード及び第2モードの一方に切替えて第1基板SUB1を制御し、センシングを行う。詳しくは、制御モジュールCMの第1検出ユニットDU1にてセンシングを行う。本実施形態では、上記センシングにより、例えば、指紋(指の表面の凹凸パターン)を検出することができる特長を有している。なお、第1モードは自己容量(Self-Capacitive Sensing)モードと、第2モードは相互容量(Mutual-Capacitive Sensing)モードと、それぞれ称される場合がある。
【0027】
まず、第1モードによるセンシングについて説明する。ここでは、例えば、上記カバー部材に人間の指の表面が接触し、第1基板SUB1のアクティブエリアAAに指の表面が近接していると仮定する。
第1モードでは、各々の検出電極DEに書込み信号Vwを書込み、各々の検出電極DEから読取り信号Vrを読取ることにより、指紋を検出する。第1検出電極DE1に注目すると、第1検出ユニットDU1は、第1制御線C1に駆動信号CSを与え、第1検出スイッチDS1を第1接続状態に切替えた状態にて、マルチプレクサMU、第1信号線S1及び第1検出スイッチDS1(第1スイッチング素子DS1a)を介して第1検出電極DE1に書込み信号Vwを書込み、第1検出電極DE1から書込み信号Vwの変化を示す読取り信号Vrを第1検出スイッチDS1(第1スイッチング素子DS1a)、第1信号線S1及びマルチプレクサMUを介して読取る。第1検出電極DE1に指紋の凸部が対向する場合に第1検出電極DE1に生じるカップリング容量の値と、第1検出電極DE1に指紋の凹部が対向する場合に第1検出電極DE1に生じるカップリング容量の値と、が異なることを利用するものである。
【0028】
上述したように、第1モードによるセンシングにより、指紋を検出することができる。センシングする際、上述したように共通電極CEは、検出電極DEを電気的にシールドすることができるため、センサ感度の低下を抑制することができる。
【0029】
さらに、第1モードによるセンシングにおいて、補助配線Aには電位調整信号Vaが与えられている。上記共通電極CEには、例えば補助配線Aを介して電位調整信号Vaを与えることができる。ここで、電位調整信号Vaは、書込み信号Vwと同期し、位相及び振幅に関して書込み信号Vwと同一である。このため、書込み信号Vwと電位調整信号Vaとで、ハイレベルの電位に切替るタイミングや、ローレベルの電位に切替るタイミングに関して同一である。なお、電位調整信号Vaのハイレベルの電位及びローレベルの電位は、特に限定されるものではない。例えば、書込み信号Vwの振幅(書込み信号Vwのハイレベルの電位とローレベルの電位との差)がVp[V]である場合、電位調整信号Vaのローレベルの電位を0[V]とすることができ、電位調整信号Vaのハイレベルの電位を+Vp[V]とすることができる。また、上記の電位調整信号Vaを共通電極CEに与えることを、書込み信号Vwの電位の変動分を共通電極CEに与えること、に言い換えることができる。
【0030】
例えば、書込み信号Vwにより検出電極DEの電位を3V上昇させるタイミングと電位調整信号Vaにより共通電極CEの電位を3V上昇させるタイミングとを一致させることができ、また、書込み信号Vwにより検出電極DEの電位を3V降下させるタイミングと電位調整信号Vaにより共通電極CEの電位を3V降下させるタイミングとを一致させることができる。
センシング期間において、書込み信号Vwを書込んだ検出電極DEと共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができる。また、書込み信号Vwを与えた信号線Sと共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができる。このため、センサ感度の低下を、一層、抑制することができる。
【0031】
さらに、第1制御線C1に接続された第1検出スイッチDS1などが第1接続状態に切替えられる期間に、第2制御線C2に接続された第3検出スイッチDS3、第4検出スイッチDS4などが第2接続状態に切替えられることにより、第3検出電極DE3、第4検出電極DE4などに電位調整信号Vaを与えることができる。電位調整信号Vaが与えられた検出電極DEと共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができる。検出電極DEに結合され得る寄生容量の値を小さくすることができるため、センサ感度の低下を、一層、抑制することができる。
【0032】
また、第1モードによるセンシングにおいて、第1検出ユニットDU1は、第1基板SUB1に与える信号や電源電圧を調整することができる。
例えば、第1検出ユニットDU1は、上記制御線駆動回路CDに電源電圧を与えるが、センシング駆動時に、上記電源電圧及び駆動信号CSにそれぞれ重畳信号を重畳してもよい。また、第1検出ユニットDU1は、上記マルチプレクサMUに制御信号を与えるが、センシング駆動時に、上記制御信号に重畳信号を重畳してもよい。上記重畳信号は、書込み信号Vwと同期し、位相及び振幅に関して書込み信号Vwと同一である。
【0033】
このため、書込み信号Vwと上記重畳信号とで、ハイレベルの電位に切替るタイミングや、ローレベルの電位に切替るタイミングに関して同一である。なお、上記の重畳信号を重畳することを、書込み信号Vwの電位の変動分を重畳すること、に言い換えることができる。
【0034】
例えば、書込み信号Vwにより検出電極DEの電位を3V上昇させるタイミングと駆動信号CSにより制御線Cの電位を3V上昇させるタイミングとを一致させることができ、また、書込み信号Vwにより検出電極DEの電位を3V降下させるタイミングと駆動信号CSにより制御線Cの電位を3V降下させるタイミングとを一致させることができる。
センシング期間において、さらに、駆動信号CSを与えた制御線Cと共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができる。その他、制御線駆動回路CDと共通電極CEとの電位差の変動を抑制したり、マルチプレクサMUと共通電極CEとの電位差の変動を抑制したり、することができる。共通電極CEに結合され得る寄生容量の値を小さくすることができ、ひいては、検出電極DEに結合され得る寄生容量の値を小さくすることができるため、センサ感度の低下を、一層、抑制することができる。
【0035】
次に、第2モードによるセンシングについて説明する。ここでも、例えば、上記カバー部材に人間の指の表面が接触し、第1基板SUB1のアクティブエリアAAに指の表面が近接していると仮定する。
第2モードでは、アクティブエリアAAの外側に位置する図示しない導電部材に書込み信号Vwを書込み、上記導電部材と検出電極DEとの間にセンサ信号を発生させ、検出電極DEからセンサ信号(例えば、検出電極DEに生じる静電容量)の変化を示す読取り信号Vrを読取る。これにより、指紋を検出する。上記導電部材としては、例えば、第1基板SUB1の外部に位置し、アクティブエリアAAを取囲むように環状に設けられ、金属で形成された部材を例示的に挙げることができる。
【0036】
ここでも、第1検出電極DE1に注目すると、制御モジュールCMは、第1制御線C1に駆動信号CSを与え、第1検出スイッチDS1を第1接続状態に切替えた状態にて、上記導電部材に書込み信号Vwを書込み、第1検出電極DE1から読取り信号Vrを第1検出スイッチDS1(第1スイッチング素子DS1a)、第1信号線S1及びマルチプレクサMUを介して読取る。
上述したように、第2モードによるセンシングにより、指紋を検出することができる。センシングする際、上述したように共通電極CEは、検出電極DEを電気的にシールドすることができるため、センサ感度の低下を抑制することができる。
【0037】
さらに、第2モードによるセンシングにおいて、共通電極CEを電気的フローティング状態に切替えることができる。例えば、全ての補助配線Aを電気的フローティング状態に切替えることにより、共通電極CEを電気的フローティング状態に切替えることができる。これにより、例えば、共通電極CEをハイインピーダンス(Hi-Z)にすることができる。
センシング期間において、検出電極DEと共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができる。また、書込み信号Vwを与えた信号線Sと共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができる。検出電極DEに結合され得る寄生容量の値を小さくすることができるため、センサ感度の低下を、一層、抑制することができる。
【0038】
又は、第2モードによるセンシングにおいて、共通電極CEを接地電位(GND)に設定することができる。例えば、全ての補助配線Aを接地電位に固定することにより、共通電極CEを接地電位に設定することができる。この場合においても、検出電極DEに結合され得る寄生容量の値を小さくすることができるため、センサ感度の低下を、一層、抑制することができる。
【0039】
図3は、
図1に示した第1基板SU1の一部を示す拡大平面図であり、
図2に示した4個の画素と各種配線とを示す平面図である。
図3には、第1制御線C1、第2制御線C2、第1半導体層SC1、第2半導体層SC2、第3半導体層SC3、第4半導体層SC4、第1信号線S1、第2信号線S2、第1補助配線A1、第1導電層CL1、第2導電層CL2、第3導電層CL3、第4導電層CL4、第1シールド電極SH1、第2シールド電極SH2、第3シールド電極SH3、第4シールド電極SH4、第1検出電極DE1、第2検出電極DE2、第3検出電極DE3、第4検出電極DE4、などを示している。なお、
図3において、共通電極CEの図示は省略している。
【0040】
図3に示すように、第1制御線C1及び第2制御線C2は、第1方向Xに延在し、第2方向Yに間隔を置いて位置している。第1制御線C1及び第2制御線C2には、それぞれ複数の突出部が形成されている。これらの突出部は、第1制御線C1の一側縁又は第2制御線C2の一側縁から第2方向Yに突出している。本実施形態において、第1制御線C1が上側、第2制御線C2が下側となるX−Y平面視において、突出部は、L字の形状又はL字を左右反転した形状に形成されている。
第1乃至第4半導体層SC1乃至SC4は、第2方向Yに延出している。第1及び第2半導体層SC1及びSC2は、第1制御線C1と2個所で交差し、第3及び第4半導体層SC3及びSC4は、第2制御線C2と2個所で交差している。各々の半導体層SCは、制御線Cと交差する2個所にチャネル領域を有している。ここでは、各々の半導体層SCは、制御線Cの本線部と突出部との交差部分にチャネル領域を有している。なお、第1検出スイッチDS1は第1半導体層SC1を有し、第2検出スイッチDS2は第2半導体層SC2を有し、第3検出スイッチDS3は第3半導体層SC3を有し、第4検出スイッチDS4は第4半導体層SC4を有している。
【0041】
第1及び第2信号線S1及びS2は、第2方向Yに延在し、第1方向Xに間隔を置いて位置している。第1及び第2信号線S1及びS2には、それぞれ複数の突出部が形成されている。これらの突出部は、第1信号線S1の一側縁から第1方向Xに突出し、又は、第2信号線S2の一側縁から第1方向Xの逆の方向に突出している。例えば、第1信号線S1は、第1半導体層SC1の一端部と対向しこの一端部に接続された突出部と、第3半導体層SC3の一端部と対向しこの一端部に接続された突出部と、を有している。また、第2信号線S2は、第2半導体層SC2の一端部と対向しこの一端部に接続された突出部と、第4半導体層SC4の一端部と対向しこの一端部に接続された突出部と、を有している。
【0042】
第1補助配線A1は、第2方向Yに延在している。第1補助配線A1には、複数の突出部が形成されている。第1補助配線A1の突出部のうち、第1の突出部は、第1補助配線A1の一側縁から第1方向Xの逆の方向に突出し、第1半導体層SC1の他端部と対向しこの他端部に接続されている。第2の突出部は、第1補助配線A1の他の側縁から第1方向Xに突出し、第2半導体層SC2の他端部と対向しこの他端部に接続されている。第3の突出部は、第1補助配線A1の一側縁から第1方向Xの逆の方向に突出し、第3半導体層SC3の他端部と対向しこの他端部に接続されている。第4の突出部は、第1補助配線A1の他の側縁から第1方向Xに突出し、第4半導体層SC4の他端部と対向しこの他端部に接続されている。
【0043】
第1導電層CL1は、第1半導体層SC1のチャネル領域の間にて、第1半導体層SC1と対向し、第1半導体層SC1に接続されている。第2導電層CL2は、第2半導体層SC2のチャネル領域の間にて、第2半導体層SC2と対向し、第2半導体層SC2に接続されている。第3導電層CL3は、第3半導体層SC3のチャネル領域の間にて、第3半導体層SC3と対向し、第3半導体層SC3に接続されている。第4導電層CL4は、第4半導体層SC4のチャネル領域の間にて、第4半導体層SC4と対向し、第4半導体層SC4に接続されている。
【0044】
ここで、共通電極CEは、複数個所で補助配線Aに接続されている。例えば、共通電極CEは、コンタクトホールCHa(CHa1,CHa2,CHa3,CHa4)を通り第1補助配線A1の第1乃至第4の突出部の各々に接続されている。このように、共通電極CEは、画素毎に補助配線Aに接続されていてもよく、これにより、共通電極CEの全域にわたる共通電極CEの電位の均一化に寄与することができる。
【0045】
第1乃至第4シールド電極SH1乃至SH4は、それぞれ第2方向Yに延出し、第1補助配線A1に接続されている。ここでは、第1乃至第4シールド電極SH1乃至SH4は、それぞれ、第1補助配線A1の突出部と対向し、上記突出部に接続されている。第1シールド電極SH1は、第1信号線S1の一部に対向し、第1半導体層SC1側に突出した第1信号線S1の突出部にも対向している。第2シールド電極SH2は、第2信号線S2の一部に対向し、第2半導体層SC2側に突出した第2信号線S2の突出部にも対向している。第3シールド電極SH3は、第1信号線S1の一部に対向し、第3半導体層SC3側に突出した第1信号線S1の突出部にも対向している。第4シールド電極SH4は、第2信号線S2の一部に対向し、第4半導体層SC4側に突出した第2信号線S2の突出部にも対向している。
【0046】
第1乃至第4検出電極DE1乃至DE4は、それぞれ矩形状に形成され、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。
第1検出電極DE1は、第1制御線C1、第1半導体層SC1、第1信号線S1、第1補助配線A1の突出部、第1導電層CL1、第1シールド電極SH1、第3シールド電極SH3などと対向し、第1導電層CL1に接続されている。
第2検出電極DE2は、第1制御線C1、第2半導体層SC2、第2信号線S2、第1補助配線A1の突出部、第2導電層CL2、第2シールド電極SH2、第4シールド電極SH4などと対向し、第2導電層CL2に接続されている。
第3検出電極DE3は、第2制御線C2、第3半導体層SC3、第1信号線S1、第1補助配線A1の突出部、第3導電層CL3、第3シールド電極SH3などと対向し、第3導電層CL3に接続されている。
第4検出電極DE4は、第2制御線C2、第4半導体層SC4、第2信号線S2、第1補助配線A1の突出部、第4導電層CL4、第4シールド電極SH4などと対向し、第4導電層CL4に接続されている。
第1制御線C1が上側、第2制御線C2が下側となるX−Y平面視において、第1補助配線A1は、左側の画素と右側の画素との間に位置している。上記の左側の画素と右側の画素とは、第1補助配線A1を共用している。上記の左側の画素と右側の画素を第1補助配線A1に関して対称に形成することができ、画素の高精細化に寄与することができる。
【0047】
図4は、
図3の線IV−IVに沿って示す第1基板SUB1の概略断面図である。なお、
図4には、第1基板SUB1だけではなく、カバー部材CGも示している。
図4に示すように、第1制御線C1及び第1シールド電極SH1は、第1絶縁基板10の上方に形成されている。この実施形態において、第1制御線C1及び第1シールド電極SH1は第1絶縁基板10の上に形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第1制御線C1及び第1シールド電極SH1は、第1絶縁基板10の上に設けられた絶縁膜の上に形成されていてもよい。第1制御線C1及び第1シールド電極SH1は、共通電極CEに対して第1検出電極DE1の反対側に位置している。第1制御線C1及び第1シールド電極SH1は、同一の導電材料で形成され、例えば金属で形成されている。
【0048】
第1絶縁膜11は、第1絶縁基板10、第1制御線C1及び第1シールド電極SH1の上に形成されている。第1半導体層SC1は、第1絶縁膜11の上に形成されている。第1半導体層SC1は、第1制御線C1と対向した2個のチャネル領域を有している。第1半導体層SC1は、共通電極CEに対して第1検出電極DE1の反対側に位置している。第1半導体層SC1は、例えば多結晶シリコンで形成されている。第2絶縁膜12は、第1絶縁膜11及び第1半導体層SC1の上に形成されている。
【0049】
第1信号線S1、第1導電層CL1及び第1補助配線A1は、第2絶縁膜12の上に形成されている。第1信号線S1、第1導電層CL1及び第1補助配線A1は、共通電極CEに対して第1検出電極DE1の反対側に位置している。第1信号線S1、第1導電層CL1及び第1補助配線A1は、同一の導電材料で形成され、例えば金属で形成されている。
第1信号線S1は、第1シールド電極SH1の上方に位置し、第1シールド電極SH1と対向している。このため、第1シールド電極SH1は、第1信号線S1に対して共通電極CEの反対側に位置している。また、第1信号線S1は、第2絶縁膜12に形成されたコンタクトホールを通って第1半導体層SC1の一端部に接続されている。
第1信号線S1の上方に共通電極CEを配置する一方で、第1信号線S1の下方に第1シールド電極SH1を配置することができる。第1シールド電極SH1を設けることにより、検出電極DEを、一層、電気的にシールドすることができるため、センサ感度の低下を抑制することができる。
第1検出ユニットDU1は、第1シールド電極SH1に第1補助配線A1を介して電位調整信号Vaを与えることができる。第1シールド電極SH1と共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができるため、センサ感度の低下を、一層、抑制することができる。
第1導電層CL1は、第2絶縁膜12に形成されたコンタクトホールを通って第1半導体層SC1のチャネル領域の間に接続されている。第1補助配線A1は、第2絶縁膜12に形成されたコンタクトホールを通って第1半導体層SC1の他端部に接続されている。
【0050】
第3絶縁膜13は、第2絶縁膜12、第1信号線S1、第1導電層CL1及び第1補助配線A1の上に形成されている。第3絶縁膜13は、第1導電層CL1と対向し第1導電層CL1に開口したコンタクトホールを有している。
ここで、上述したように、第1絶縁基板10は、ガラス基板又は樹脂基板であり、シリコン基板ではない。第1絶縁膜11、第2絶縁膜12及び後述する第4絶縁膜14を無機材料によって形成する一方で、第3絶縁膜13を有機材料によって形成することができる。有機材料は、厚膜化に適した材料であり、有機材料としてはアクリル樹脂などを挙げることができる。有機材料を利用することにより、無機材料を利用する場合と比較して、第3絶縁膜13を厚く形成することができ、第3絶縁膜13より上方の導電部材(共通電極CE、第1検出電極DE1など)と第3絶縁膜13より下方の導電部材(第1シールド電極SH1、第1制御線C1、第1信号線S1など)との間の寄生容量を低減することができる。
【0051】
共通電極CEは、第3絶縁膜13の上に形成されている。共通電極CEは、第3絶縁膜13に形成されたコンタクトホールCHa1を通って第1補助配線A1に接続されている。共通電極CEは、第1検出スイッチDS1と対向し、第3絶縁膜13のコンタクトホールを取囲んだ第1開口OP1を有している。共通電極CEは、第1開口OP1だけではなく、複数の開口を有している。例えば、共通電極CEは、第2検出スイッチDS2と対向した第2開口、第3検出スイッチDS3と対向した第3開口、第4検出スイッチDS4と対向した第4開口なども有している。
共通電極CEは、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)、酸化亜鉛(Zinc Oxide:ZnO)などの透明な導電材料で形成されている。但し、共通電極CEに利用する材料は、透明な導電材料に限定されるものではなく、透明な導電材料の替わりに金属を利用してもよい。
【0052】
第4絶縁膜14は、第1導電層CL1、第3絶縁膜13及び共通電極CEの上に形成されている。第4絶縁膜14は、第1導電層CL1と対向し、第1導電層CL1に開口したコンタクトホールを有している。
第1検出電極DE1は、第4絶縁膜14の上に形成され、第1開口OP1と対向している。第1検出電極DE1は、第1開口OP1及び第4絶縁膜14のコンタクトホールを通って第1導電層CL1に接続されている。第1検出電極DE1は、共通電極CEと同様にITO、IZO、ZnOなどの透明な導電材料によって形成してもよいが、透明な導電材料の替わりに金属で形成してもよい。
【0053】
なお、センサSEは、第1基板SUB1の上方に位置し、第1基板SUB1と対向したカバー部材CGを備えていてもよい。カバー部材CGは、例えばガラス基板で形成されている。この場合、カバー部材CGはカバーガラスと称され場合がある。又は、カバー部材CGは、樹脂基板などの光透過性を有する基板を利用して形成することができる。カバー部材CGは、接着層により第1基板SUB1に接合されていてもよい。センサSEの入力面ISはカバー部材CGの表面である。例えば、センサSEは、入力面ISに指を接触又は接近したときに当該指の指紋の情報を検出することができる。
【0054】
図5は、第1基板SUB1のアクティブエリアAAの外側の一部を示す拡大平面図であり、マルチプレクサMUを示す回路図である。
図5に示すように、マルチプレクサMUは、複数の制御スイッチ群CSWGを有している。制御スイッチ群CSWGとしては、第1制御スイッチ群CSWG1、第2制御スイッチ群CSWG2などを挙げることができる。制御スイッチ群CSWGは、それぞれ複数の制御スイッチCSWを有している。この実施形態において、マルチプレクサMUは、1/4マルチプレクサであり、制御スイッチ群CSWGは、第1制御スイッチCSW1、第2制御スイッチCSW2、第3制御スイッチCSW3、及び第4制御スイッチCSW4の4個の制御スイッチを有している。
マルチプレクサMUは、複数の信号線Sに接続されている。また、マルチプレクサMUは、複数の接続線W1、1本の接続線W2、4本の制御線W3,W4,W5,W6を介して制御モジュールCMに接続されている。ここでは、接続線W1の本数は、信号線Sの本数の1/4である。上述したように、信号線Sの本数は120本であるため、接続線W1の本数は30本である。
【0055】
各々の制御スイッチCSWは、直列に接続された2個のスイッチング素子を有している。上記の2個のスイッチング素子は、例えば互いに導電型の異なる薄膜トランジスタで形成されている。本実施形態において、各々の制御スイッチCSWは、直列に接続されたPチャネル型の薄膜トランジスタと、Nチャネル型の薄膜トランジスタと、で形成されている。
第1制御スイッチCSW1の各々の薄膜トランジスタの第1電極は制御線W3に接続され、第2制御スイッチCSW2の各々の薄膜トランジスタの第1電極は制御線W4に接続され、第3制御スイッチCSW3の各々の薄膜トランジスタの第1電極は制御線W5に接続され、第4制御スイッチCSW4の各々の薄膜トランジスタの第1電極は制御線W6に接続されている。
【0056】
制御スイッチCSWの各々のPチャネル型の薄膜トランジスタの第2電極は、接続線W2に接続されている。
第1制御スイッチ群CSWG1の各々のNチャネル型の薄膜トランジスタの第2電極は同一の接続線W1に接続され、第2制御スイッチ群CSWG2の各々のNチャネル型の薄膜トランジスタの第2電極は同一の接続線W1に接続されている。
【0057】
第1制御スイッチ群CSWG1の第1制御スイッチCSW1の各々の薄膜トランジスタの第3電極は第1信号線S1に接続されている。第1制御スイッチ群CSWG1の第2制御スイッチCSW2の各々の薄膜トランジスタの第3電極は第2信号線S2に接続されている。第1制御スイッチ群CSWG1の第3制御スイッチCSW3の各々の薄膜トランジスタの第3電極は第3信号線S3に接続されている。第1制御スイッチ群CSWG1の第4制御スイッチCSW4の各々の薄膜トランジスタの第3電極は第4信号線S4に接続されている。
第2制御スイッチ群CSWG2の第1制御スイッチCSW1の各々の薄膜トランジスタの第3電極は第5信号線S5に接続されている。第2制御スイッチ群CSWG2の第2制御スイッチCSW2の各々の薄膜トランジスタの第3電極は第6信号線S6に接続されている。第2制御スイッチ群CSWG2の第3制御スイッチCSW3の各々の薄膜トランジスタの第3電極は第7信号線S7に接続されている。第2制御スイッチ群CSWG2の第4制御スイッチCSW4の各々の薄膜トランジスタの第3電極は第8信号線S8に接続されている。
ここで、マルチプレクサMUの各々の薄膜トランジスタにおいて、上記第1電極がゲート電極として機能し、第2及び第3電極の一方がソース電極として機能し、第2及び第3電極の他方がドレイン電極として機能する。
【0058】
制御線W3,W4,W5,W6には、第1検出ユニットDU1から制御信号Vcsw1,Vcsw2,Vcsw3,Vcsw4が与えられる。第1制御スイッチCSW1は、制御信号Vcsw1により第1切替え状態及び第2切替え状態の何れか一方に切替えられる。第2制御スイッチCSW2は、制御信号Vcsw2により第1切替え状態及び第2切替え状態の何れか一方に切替えられる。第3制御スイッチCSW3は、制御信号Vcsw3により第1切替え状態及び第2切替え状態の何れか一方に切替えられる。第4制御スイッチCSW4は、制御信号Vcsw4により第1切替え状態及び第2切替え状態の何れか一方に切替えられる。
ここで、上記第1切替え状態は接続線W1と信号線Sとを接続する状態であり、第2切替え状態は接続線W2と信号線Sとを接続する状態である。このため、各々の制御スイッチCSWを第1切替え状態に切替えることにより、信号線Sに書込み信号Vwを与えたり、検出電極DEから読取り信号Vrを読取ったりすることができる。また、各々の制御スイッチCSWを第2切替え状態に切替えることにより、信号線Sに電位調整信号Vaを与えることができる。
【0059】
制御信号Vcsw1,Vcsw2,Vcsw3,Vcsw4によりマルチプレクサMUの各々の制御スイッチCSWを第1切替え状態及び第2切替え状態の何れか一方に切替えるタイミングと、駆動信号CSにより各々の検出スイッチDSを第1接続状態及び第2接続状態の何れか一方に切替えるタイミングと、を制御することにより、時分割的に、複数の検出電極DEへの書込み信号Vwの書込みと、複数の検出電極DEからの読取り信号Vrの読取りと、を行なうことができる。
【0060】
また、上記のようなマルチプレクサMUを利用することにより、同一の期間に、第1信号線S1及び第5信号線S5のそれぞれに書込み信号Vwを与える一方で、第2乃至第4信号線S2乃至S4及び第6乃至第8信号線S6乃至S8のそれぞれに電位調整信号Vaを与えることができる。全ての信号線Sと共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができるため、センサ感度の低下を、一層、抑制することができる。
なお、センサSEは、上記マルチプレクサMUに替えて、従来から知られている各種のマルチプレクサ(セレクタ回路)を第2回路として利用することができる。例えば、センサSEは、1/3マルチプレクサを利用することができる。
【0061】
図6は、センサSEの電気的な接続関係を示す等価回路図である。
図6に示すように、制御モジュールCMは、主制御部MCと、第1検出ユニットDU1と、を備えている。主制御部MCは、中央処理装置である。
主制御部MCは、アナログフロントエンドAFEに制御信号Vcを送信し、アナログフロントエンドAFEの駆動を制御する。また、主制御部MCは、アナログフロントエンドAFEからデータ信号Vdを受信する。データ信号Vdとしては、読取り信号Vrに基づいた信号を挙げることができ、この場合、アナログ信号である読取り信号Vrをデジタル信号に変換した信号である。また、主制御部MCは、アナログフロントエンドAFE、回路制御信号源CC、及び電源制御部PCに同期信号Vsを送信し、アナログフロントエンドAFE、回路制御信号源CC、及び電源制御部PCの駆動の同期化を図っている。同期信号Vsとしては、垂直同期信号TSVD、及び水平同期信号TSHDを挙げることができる。
【0062】
アナログフロントエンドAFEは、マルチプレクサMUに電位調整信号Vaや、書込み信号Vwを送信し、マルチプレクサMUから読取り信号Vrを受信する。例えば、読取り信号Vrのデジタル信号への変換は、アナログフロントエンドAFEにて行なわれる。また、アナログフロントエンドAFEは、回路制御信号源CC及び電源制御部PCに、重畳させるパルス信号(検出パルス)を入力する。上記パルス信号は、電位調整信号Vaと同期し、位相及び振幅に関して電位調整信号Vaと同一である。
回路制御信号源CCは、マルチプレクサMUに制御信号Vcsw(Vcsw1,Vcsw2,Vcsw3,Vcsw4)を与え、制御線駆動回路CDに、リセット信号STB、スタートパルス信号STV、及びクロック信号CKVを送信する。
電源制御部PCは、制御線駆動回路CDに高電位の電源電圧Vddと、相対的に低電位の電源電圧Vssと、を与える。
【0063】
制御線駆動回路CDは、複数のシフトレジスタSRと、複数のシフトレジスタSRに一対一で接続された複数の制御スイッチCOSと、を有している。また、制御線駆動回路CDの内部を、電源電圧Vddが与えられる高電位電源線Wdと、電源電圧Vssが与えられる低電位電源線Wsと、が延在している。複数の制御スイッチCOSは、シフトレジスタ72を介して順番に制御され、高電位電源線Wdと制御線Cとを接続する状態又は低電位電源線Wsと制御線Cとを接続する状態に切替えられる。本実施形態において、駆動信号CSは、電源電圧Vdd又は電源電圧Vssである。
【0064】
図7は、センサSEの検出器DTを示す回路図である。本実施形態において、検出器DTは、
図6に示したアナログフロントエンドAFEに形成されている。なお、アナログフロントエンドAFEには複数の検出器DTが形成されている。検出器DTの個数は、例えば、接続線W1の本数と同一である。この場合、検出器DTは接続線W1に一対一で接続される。
図7に示すように、検出器DTは、積分器INと、リセットスイッチRSTと、スイッチSW1と、スイッチSW2とを有している。積分器INは、演算増幅器AMPと、コンデンサCONとを有している。この例では、コンデンサCONは、演算増幅器AMPの非反転入力端子との間に接続されている。リセットスイッチRSTは、コンデンサCONに並列に接続されている。スイッチSW1は、信号源と接続線W1との間に接続されている。スイッチSW1は、信号源SGから接続線W1などを介して検出電極DEに書込み信号Vwを与えるかどうかを切替える。スイッチSW2は、接続線W1と、演算増幅器AMPの非反転入力端子との間に接続されている。スイッチSW2は、読取り信号Vrを上記非反転入力端子に入力するかどうかを切替える。
【0065】
上記のような検出器DTを利用する場合、まず、スイッチSW1をオンにし、スイッチSW2をオフにし、接続線W1などを介して検出電極DEに書込み信号Vwを書き込む。次いで、スイッチSW1をオフにした後、スイッチSW2をオンにし、検出電極DEから接続線W1などを介して取り出した読取り信号Vrを上記非反転入力端子に入力する。積分器INは、入力された電圧(読取り信号Vr)を時間で積分する。これにより、積分器INは、入力された電圧に比例した電圧を出力信号Voutとして出力することができる。その後、リセットスイッチRSTをオフにすることにより、コンデンサCONの電荷は放出され、出力信号Voutの値はリセットされる。
【0066】
次に、センサSEの駆動方法について例示的に説明する。
図8は、本実施形態に係るセンサSEの駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、Fフレーム期間のうちの一部の期間と、F+1フレーム期間のうちの一部の期間と、における、リセット信号STB、スタートパルス信号STV、及びクロック信号CKV、制御信号Vcsw1,Vcsw2,Vcsw3,Vcsw4、垂直同期信号TSVD、水平同期信号TSHD、及び書込み信号Vwを示す図である。
図8に示すように、一フレーム期間(1F)は、垂直走査期間であり、連続する122回の水平走査期間に相当している。各々の水平走査期間(1H)は、クロック信号CKVに基づいて規定されている。各々のフレーム期間は、垂直同期信号TSVDに基づいて規定されている。
【0067】
F番目の一フレーム期間であるFフレーム期間の119回目の水平走査期間において、第1検出ユニットDU1からマルチプレクサMUに、水平同期信号TSHDに基づいた制御信号Vcsw1,Vcsw2,Vcsw3,Vcsw4を与える。これにより、第1制御スイッチCSW1、第2制御スイッチCSW2、第3制御スイッチCSW3、及び第4制御スイッチCSW4は、時分割的に、第2切替え状態から第1切替え状態(接続線W1と信号線Sとを接続する状態)に切替えられる。
また、この水平走査期間に、制御線駆動回路CDから第119制御線C119にオンレベルの駆動信号CS(電源電圧Vdd)を与え、第119制御線C119以外の制御線Cにオフレベルの駆動信号CS(電源電圧Vss)を与える。これにより、119行目の複数の画素の検出電極DEへの書込み信号Vwの書込みと、複数の検出電極DEからの読取り信号Vrの読取りと、を時分割的に行なうことができる。
【0068】
Fフレーム期間の120回目の水平走査期間においても、第1検出ユニットDU1からマルチプレクサMUに制御信号Vcsw1,Vcsw2,Vcsw3,Vcsw4を与え、第1制御スイッチCSW1、第2制御スイッチCSW2、第3制御スイッチCSW3、及び第4制御スイッチCSW4を、時分割的に、第2切替え状態から第1切替え状態に切替える。
また、この水平走査期間に、制御線駆動回路CDから第120制御線C120にオンレベルの駆動信号CS(電源電圧Vdd)を与え、第120制御線C120以外の制御線Cにオフレベルの駆動信号CS(電源電圧Vss)を与える。これにより、120行目(最終行目)の複数の画素の検出電極DEへの書込み信号Vwの書込みと、複数の検出電極DEからの読取り信号Vrの読取りと、を時分割的に行なうことができる。
これにより、Fフレームにおいて一フレーム分のセンシングを行なうことができる。
次いで、Fフレーム期間の121回目の水平走査期間が経過した後の122回目の水平走査期間において、垂直同期信号TSVDに基づいてスタートパルス信号STVが生成されるなどし、122回目の水平走査期間の経過後に、F+1フレーム期間に移行する。
【0069】
F+1番目の一フレーム期間であるF+1フレーム期間の1回目の水平走査期間において、制御信号Vcsw1,Vcsw2,Vcsw3,Vcsw4に基づいて、第1制御スイッチCSW1、第2制御スイッチCSW2、第3制御スイッチCSW3、及び第4制御スイッチCSW4を、時分割的に、第2切替え状態から第1切替え状態に切替える。
また、この水平走査期間に、制御線駆動回路CDから第1制御線C1にオンレベルの駆動信号CS(電源電圧Vdd)を与え、第1制御線C1以外の制御線Cにオフレベルの駆動信号CS(電源電圧Vss)を与える。これにより、1行目の複数の画素の検出電極DEへの書込み信号Vwの書込みと、複数の検出電極DEからの読取り信号Vrの読取りと、を時分割的に行なうことができる。
以降も、一水平走査期間(1H)毎に、一行分の複数の画素の検出電極DEへの書込み信号Vwの書込みと、複数の検出電極DEからの読取り信号Vrの読取りと、を行なう。これにより、例えば、第1検出ユニットDU1(制御モジュールCM)は、入力面ISに指を接触又は接近したときに当該指の指紋の情報を検出することができる。
【0070】
次に、第1検出ユニットDU1が第1基板SUB1に与える各種の信号について説明する。上述したように、本実施形態において、上記の各種の信号に特長を有している。
図9は、センサSEの駆動に利用する各種の信号及び電圧を説明するためのタイミングチャートであり、水平同期信号TSHD、書込み信号Vw、電位調整信号Va、制御信号Vcsw1(Vcsw)、電源電圧Vdd、及び電源電圧Vssを示す図である。なお、
図9に示す各種の信号及び電圧は、例示的に示すものである。
【0071】
図9に示すように、書込み信号Vwは、パルス信号であり、ハイレベルの電位が3V、ローレベルの電位が0Vであり、振幅が3Vである。
電位調整信号Vaとしては、0Vなどに固定された定電圧より、書込み信号Vwと同期し位相及び振幅に関して書込み信号Vwと同一である信号の方が望ましい。電位調整信号Vaの振幅は3Vであればよい。この例では、電位調整信号Vaのハイレベルの電位が3V、ローレベルの電位が0Vであり、電位調整信号Vaは書込み信号Vwと同一の信号であるが、これに限定されるものではなく種々変形可能である。他の例としては、電位調整信号Vaのハイレベルの電位が6V、ローレベルの電位が3Vであってもよい。
【0072】
書込み信号Vwと電位調整信号Vaとで、ハイレベルの電位に切替るタイミングや、ローレベルの電位に切替るタイミングに関して同一である。同一の時間期間において、書込み信号Vwに斜線を付した面積と、電位調整信号Vaに斜線を付した面積とは、同一である。時間が経過しても、書込み信号Vwの電位と、電位調整信号Vaの電位との差は一定であり、本実施形態において0Vである。
これにより、書込み信号Vw又は電位調整信号Vaを与えた信号線Sと共通電極CEとの電位差の変動や、書込み信号Vw又は電位調整信号Vaを与えた検出電極DEと共通電極CEとの電位差の変動、を抑制することができる。
【0073】
制御信号Vcswは、検出スイッチDSを第1切替え状態(接続線W1と信号線Sとを接続する状態)に切替えるためのハイレベルの電位と、検出スイッチDSを第2切替え状態(接続線W2と信号線Sとを接続する状態)に切替えるためのローレベルの電位と、を有している。本実施形態において、制御信号Vcswのハイレベルの電位は3Vであり、ローレベルの電位は−3Vである。
但し、制御信号Vcswとしては、上記のパルス信号より、上記のパルス信号に重畳信号が重畳されている方が望ましい。上記重畳信号は、書込み信号Vwと同期し、位相及び振幅に関して書込み信号Vwと同一である。制御信号Vcswのうち斜線を付した面積の分が、制御信号Vcswに重畳されている。このため、制御信号Vcswのハイレベルの電位に重畳信号が重畳されると制御信号Vcswの電位は最大で6Vとなり、制御信号Vcswのローレベルの電位に重畳信号が重畳されると制御信号Vcswの電位は最大で0Vとなる。
これにより、制御信号Vcswを与えた制御線Cと共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができる。
【0074】
電源電圧Vddは、制御線駆動回路CDに与えられ、検出スイッチDSを第1接続状態(信号線Sと検出電極DEとを接続した状態)に切替えるための電位を有している。本実施形態において、検出スイッチDSを第1接続状態に切替えるための電源電圧Vddの電位は3Vである。
但し、電源電圧Vddとしては、上記の高電位の定電圧より、上記の定電圧に重畳信号が重畳されている方が望ましい。電源電圧Vddのうち斜線を付した面積の分が、電源電圧Vddに重畳される。このため、電源電圧Vddの定電圧に重畳信号が重畳されると電源電圧Vddの電位は最大で6Vとなる。
これにより、電源電圧Vddが与えられた配線(高電位電源線Wdなど)と、共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができる。
【0075】
電源電圧Vssは、制御線駆動回路CDに与えられ、検出スイッチDSを第2接続状態(信号線Sと検出電極DEとを絶縁し、補助配線Aと検出電極DEとを接続した状態)に切替えるための電位を有している。本実施形態において、検出スイッチDSを第2接続状態に切替えるための電源電圧Vssの電位は−3Vである。
但し、電源電圧Vssとしては、上記の低電位の定電圧より、上記の定電圧に重畳信号が重畳されている方が望ましい。電源電圧Vssのうち斜線を付した面積の分が、電源電圧Vssに重畳される。このため、電源電圧Vssの定電圧に重畳信号が重畳されると電源電圧Vddの電位は最大で0Vとなる。
これにより、電源電圧Vssが与えられた配線(低電位電源線Wsなど)と、共通電極CEとの電位差の変動を抑制することができる。
【0076】
上記のように構成された第1の実施形態に係るセンサSE及びセンサSEの駆動方法によれば、センサSEは、制御線Cと、信号線Xと、検出スイッチDSと、共通電極CEと、検出電極DEと、第1回路としての制御線駆動回路CDと、第2回路としてのマルチプレクサMUと、を備えている。共通電極CEは、制御線C、信号線S、検出スイッチDS、制御線駆動回路CD、及びマルチプレクサMUの上方に位置し、これらと対向している。共通電極CEは、アクティブエリアAAだけではなく、アクティブエリアAAの外側まで拡張して形成されている。検出電極DEは、共通電極CEの上方に位置し共通電極CEと対向している。
【0077】
共通電極CEは、アクティブエリアAAの内側だけではなく、アクティブエリアAAの外側においても、検出電極DEを電気的にシールドすることができる。すなわち、検出電極DEに寄生容量を生じ難くすることができるため、センサ感度の低下を抑制することができる。
第1検出ユニットDU1(制御モジュールCM)は、第1基板SUB1に与える信号や電圧を調整することができる。共通電極CEの下方の導電部材(配線など)の電位を制御することにより、共通電極CEに寄生容量を生じ難くすることができ、共通電極CEの電位変動を抑制することができる。これにより、センサ感度の低下を、一層、抑制することができる。
上記のことから、検出精度に優れたセンサSE及びセンサSEの駆動方法を得ることができる。
【0078】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るセンサSE及びセンサSEの駆動方法について説明する。
図10は、第2の実施形態に係るセンサSEの4個の画素と各種配線との電気的な接続関係を示す等価回路図である。
図10に示すように、第2の実施形態に係るセンサSEは、補助配線A無しに形成され、検出スイッチDSが第2スイッチング素子(DS1b,DS2b,DS3b,DS4b)無しに形成されている点で、上記第1の実施形態に係るセンサSEと相違している。本実施形態においては、シールド電極SHが電気的にフローティング状態に設けられていてもよく、シールド電極SH無しにセンサSEが形成されていてもよい。検出スイッチDSを第2接続状態に切替えることにより、信号線Sと検出電極DEとを絶縁し、検出電極DEを電気的フローティング状態に切替えることができる。
本実施形態においても、共通電極CEには、電位調整信号Vaを与えることができる。
例えば、アクティブエリアAAの外側に設けられた配線を介して共通電極CEに電位調整信号Vaを与えることができる。
なお、センサSEの駆動方法は、上述した第1の実施形態に係るセンサSEの駆動方法と比較して第1検出ユニットDU1から信号線Sに電位調整信号Vaを与えることが無い点で相違している。しかしながら、本実施形態に係るセンサSEの駆動方法としては、大まかに、上述した第1の実施形態に係るセンサSEの駆動法を適用することができる。
【0079】
上記のように構成された第2の実施形態に係るセンサSE及びセンサSEの駆動方法によれば、センサSEは、制御線Cと、信号線Xと、検出スイッチDSと、共通電極CEと、検出電極DEと、制御線駆動回路CDと、マルチプレクサMUと、を備えている。このため、第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
センシング駆動時において、書込み信号Vwを書込む対象ではない検出電極DEを電気的フローティング状態に切替えることができる。この場合も、共通電極CEに寄生容量を生じ難くすることができ、共通電極CEの電位変動を抑制することができる。これにより、センサ感度の低下を抑制することができる。
上記のことから、検出精度に優れたセンサSE及びセンサSEの駆動方法を得ることができる。
【0080】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るセンサSE及びセンサSEの駆動方法について説明する。
図11は、第3の実施形態に係るセンサSEの駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、一水平走査期間(1H)における、クロック信号CKV、制御信号Vcsw1,Vcsw2,Vcsw3,Vcsw4、及び水平同期信号TSHDを示す図である。
なお、本実施形態に係るセンサSEは、上述した第1の実施形態に係るセンサSEと同様に形成されている。
【0081】
図11に示すように、任意の一水平走査期間(1H)において、制御信号Vcsw1,Vcsw2,Vcsw3,Vcsw4により、マルチプレクサMUの複数の制御スイッチCSWの各々が、第1切替え状態と第2切替え状態とに、交互に、複数回、切替えられる点で、上述した第1の実施形態と相違している。水平同期信号TSHDのパルスの周波数は、第1の実施形態と同一にすることができる。この場合、一水平走査期間(1H)の時間期間は、上述した第1の実施形態より長い。
一水平走査期間(1H)に、同一の検出電極DEをセンシング対象とし、同一の検出電極DEへの書込み信号Vwの書込みと上記検出電極DEからの読取り信号Vrの読取りとのセットを、複数回行なうことができる。同一の検出電極DEから読み取った読取り信号Vrは、検出器DTにて積算し、出力信号Voutとして出力することができる。
【0082】
上記のように構成された第3の実施形態に係るセンサSE及びセンサSEの駆動方法によれば、センサSEは、制御線Cと、信号線Xと、検出スイッチDSと、共通電極CEと、検出電極DEと、制御線駆動回路CDと、マルチプレクサMUと、を備えている。このため、第3の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
センシング駆動時において、同一の検出電極DEから、複数回、読み取った読取り信号Vrを積算することができる。複数の読取り信号Vrを積算することにより、単発の読取り信号Vrを読み取る場合と比較して、出力信号Voutのレベルを高めることができる。例えば、検出電極DEに指紋の凸部が対向する場合の出力信号Voutの値と、検出電極DEに指紋の凹部が対向する場合の出力信号Voutの値と、の差を大きくすることができる。これにより、指紋などの被検出部を、一層、詳細にセンシングすることができる。
上記のことから、検出精度に優れたセンサSE及びセンサSEの駆動方法を得ることができる。
【0083】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るセンサSE及びセンサSEの駆動方法について説明する。
図12は、第4の実施形態に係るセンサSEの第1基板SUB1のアクティブエリアAAの外側の一部を示す拡大平面図であり、マルチプレクサMUを示す回路図である。
図12に示すように、第4の実施形態に係るセンサSEは、マルチプレクサMUが複数の第5制御スイッチCSW5と、複数の第6制御スイッチCSW6と、2本の制御線W7,W8と、をさらに備えている点で上記第1の実施形態に係るセンサSEと相違している。
【0084】
各々の制御スイッチ群CSWGは、第5制御スイッチCSW5をさらに有している。第3制御スイッチCSW3の第2電極と、第4制御スイッチCSW4の第2電極とは、第5制御スイッチCSW5を介して接続されている。第5制御スイッチCSW5のゲート電極(第1電極)は制御線W7に接続されている。第5制御スイッチCSW5を形成する薄膜トランジスタの導電型は特に限定されるものではないが、本実施形態において、第5制御スイッチCSW5はPチャネル型の薄膜トランジスタで形成されている。制御線W7には、第1検出ユニットDU1から制御信号Vcsw5が与えられる。第5制御スイッチCSW5は、制御信号Vcsw5により導通状態及び非導通状態の何れか一方に切替えられる。
【0085】
隣合う制御スイッチ群CSWGは、第6制御スイッチCSW6を介して接続されている。例えば、第1制御スイッチ群CSWG1の第4制御スイッチCSW4の第2電極と、第2制御スイッチ群CSWG2の第1制御スイッチCSW1の第2電極とは、第6制御スイッチCSW6を介して接続されている。第6制御スイッチCSW6のゲート電極(第1電極)は制御線W8に接続されている。第6制御スイッチCSW6を形成する薄膜トランジスタの導電型は特に限定されるものではないが、本実施形態において、第6制御スイッチCSW6はNチャネル型の薄膜トランジスタで形成されている。制御線W8には、第1検出ユニットDU1から制御信号Vcsw6が与えられる。第6制御スイッチCSW6は、制御信号Vcsw6により導通状態及び非導通状態の何れか一方に切替えられる。
【0086】
次に、センサSEの駆動方法について説明する。
上述した第1の実施形態に係るセンサSEの駆動方法においては、センシング駆動時の一センシング期間に、1本の接続線W1を介し、単個の検出電極DEに書込み信号Vwを独立して書込み、上記検出電極DEから読取り信号Vrを独立して読取ることにより、センシングを行う場合を例に説明した。第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様にセンシングを行うは可能である。但し、第4の実施形態においては、マルチプレクサMUに、複数の第5制御スイッチCSW5や複数の第6制御スイッチCSW6を付加したことにより、第1の実施形態とは異なる手法でセンシングを行うことも可能である。
【0087】
次に、第4の実施形態の特有のセンサSEの駆動方法について大まかに説明する。
第4の実施形態においては、センシングを行うセンシング駆動時の第1センシング期間に、m列目及びm+1列目のうち、n行目及びn+1行目に位置する4個の検出電極DEに、マルチプレクサMU、対応する2本の信号線S及び対応する4個の検出スイッチDSを介して書込み信号Vwを同時に書込み、上記4個の検出電極DEの各々から書込み信号Vwの変化を示す読取り信号Vrを読取り、読取った複数の読取り信号Vrを1つの信号に束ねる。4個の検出電極DEを使用することにより、電極面積を広げ電界強度を高めてセンシングを行うことができる。
【0088】
次いで、上記第1センシング期間に続く第2センシング期間に、m+1列目及びm+2列目のうち、n行目及びn+1行目に位置する4個の検出電極DEに、マルチプレクサMU、対応する2本の信号線S及び対応する4個の検出スイッチDSを介して書込み信号Vwを同時に書込み、上記4個の検出電極DEの各々から書込み信号の変化を示す読取り信号Vrを読取り、読取った複数の読取り信号Vrを1つの信号に束ねる。すなわち、第1方向Xにおいて、一列分のみ範囲をずらしてセンシングを行うことができる。
そして、第1検出ユニットDU1は、センシング駆動時に、n行目及びn+1行目に位置する複数の検出電極DEを対象としたセンシングを終了した後、n+1行目及びn+2行目に位置する複数の検出電極DEを対象としたセンシングに移行する。第2方向Yにおいても、一行分のみ範囲をずらしてセンシングを行うことができるため、上述した第1の実施形態の解像度のレベルを維持することができる。
【0089】
次に、
図13乃至
図17を用い、第4の実施形態のセンサSEの駆動方法について説明する。
図13乃至
図17は、第4の実施形態に係るセンサSEの駆動方法を例示的に説明するための回路図である。なお、
図13乃至
図17には、第1基板SUB1のうち、説明に必要な主要部のみを示している。また、検出スイッチDSに関しては、信号線Sと検出電極DEとの接続状態を切替えるスイッチとして説明する。制御スイッチCSWに関しては、信号線Sと接続線W1との接続状態を切替えるスイッチとして説明する。
【0090】
図13に示すように、制御モジュールCMによる制御のもと、制御線駆動回路CDは、第1制御線C1及び第2制御線C2に対してオンレベルの駆動信号CS(電源電圧Vdd)を同時に与え、第1制御線C1及び第2制御線C2以外の制御線Cに対してオフレベルの駆動信号CS(電源電圧Vss)を与える。これにより、1行目と2行目の検出スイッチDSは導通状態となる。また、マルチプレクサMUにおいては、第1制御スイッチCSW1及び第2制御スイッチCSW2を導通状態とし、第3制御スイッチCSW3及び第4制御スイッチCSW4を非導通状態とする。第6制御スイッチCSW6に関しても非導通状態とする。
これにより、1行目と2行目の検出電極DEのうち、斜線を付した4個の隣合う検出電極DEが電気的に束ねられた状態となる。書込み信号Vwは、第1乃至第8信号線S1乃至S8のうち、第1信号線S1、第2信号線S2、第5信号線S5、及び第6信号線S6に与えられる。これにより、1本の接続線W1を介し、それぞれ束ねられた4個の検出電極DEに対して、一括して、書込み信号Vwの書込みと、読取り信号Vrの読取りとを行なうことができる。
【0091】
図14に示すように、続くセンシング期間において、1行目と2行目の検出スイッチDSは導通状態となる。また、マルチプレクサMUにおいては、第2制御スイッチCSW2及び第3制御スイッチCSW3を導通状態とし、第1制御スイッチCSW1及び第4制御スイッチCSW4を非導通状態とする。第6制御スイッチCSW6に関しても非導通状態とする。
これにより、1行目と2行目の検出電極DEのうち、斜線を付した4個の隣合う検出電極DEが電気的に束ねられた状態となる。
図13と比較し、束ねられた4個の検出電極DEは一列分ずれていることが分かる。書込み信号Vwは、第1乃至第8信号線S1乃至S8のうち、第2信号線S2、第3信号線S3、第6信号線S6、及び第7信号線S7に与えられる。これにより、1本の接続線W1を介し、それぞれ束ねられた4個の検出電極DEに対して、一括して、書込み信号Vwの書込みと、読取り信号Vrの読取りとを行なうことができる。
【0092】
図15に示すように、続くセンシング期間において、1行目と2行目の検出スイッチDSは導通状態となる。また、マルチプレクサMUにおいては、第3制御スイッチCSW3及び第4制御スイッチCSW4を導通状態とし、第1制御スイッチCSW1及び第2制御スイッチCSW2を非導通状態とする。第5制御スイッチCSW5に関しては導通状態とし、第6制御スイッチCSW6に関しては非導通状態とする。
これにより、1行目と2行目の検出電極DEのうち、斜線を付した4個の隣合う検出電極DEが電気的に束ねられた状態となる。
図14と比較し、束ねられた4個の検出電極DEはさらに一列分ずれていることが分かる。書込み信号Vwは、第1乃至第8信号線S1乃至S8のうち、第3信号線S3、第4信号線S4、第7信号線S7、及び第8信号線S8に与えられる。これにより、1本の接続線W1を介し、それぞれ束ねられた4個の検出電極DEに対して、一括して、書込み信号Vwの書込みと、読取り信号Vrの読取りとを行なうことができる。
【0093】
図16に示すように、続くセンシング期間において、1行目と2行目の検出スイッチDSは導通状態となる。また、マルチプレクサMUにおいては、第4制御スイッチCSW4及び第1制御スイッチCSW1を導通状態とし、第2制御スイッチCSW2及び第3制御スイッチCSW3を非導通状態とする。第5制御スイッチCSW5に関しては非導通状態とし、第6制御スイッチCSW6に関しては導通状態とする。
これにより、1行目と2行目の検出電極DEのうち、斜線を付した2個又は4個の隣合う検出電極DEが電気的に束ねられた状態となる。
図15と比較し、束ねられた4個の検出電極DEはさらに一列分ずれていることが分かる。書込み信号Vwは、第1乃至第8信号線S1乃至S8のうち、第1信号線S1、第4信号線S4、第5信号線S5、及び第8信号線S8に与えられる。これにより、1本の接続線W1を介し、それぞれ束ねられた2個又は4個の検出電極DEに対して、一括して、書込み信号Vwの書込みと、読取り信号Vrの読取りとを行なうことができる。
そして、第1検出ユニットDU1は、1行目及び2行目に位置する複数の検出電極DEを対象としたセンシングを終了する。その後、第1検出ユニットDU1は、2行目及び3行目に位置する複数の検出電極DEを対象としたセンシングに移行する。
【0094】
図17に示すように、制御モジュールCMによる制御のもと、制御線駆動回路CDは、第2制御線C2及び第3制御線C3に対してオンレベルの駆動信号CS(電源電圧Vdd)を同時に与え、第2制御線C2及び第3制御線C3以外の制御線Cに対してオフレベルの駆動信号CS(電源電圧Vss)を与える。これにより、2行目と3行目の検出スイッチDSは導通状態となる。また、マルチプレクサMUにおいては、第1制御スイッチCSW1及び第2制御スイッチCSW2を導通状態とし、第3制御スイッチCSW3及び第4制御スイッチCSW4を非導通状態とする。第6制御スイッチCSW6に関しても非導通状態とする。
これにより、2行目と3行目の検出電極DEのうち、斜線を付した4個の隣合う検出電極DEが電気的に束ねられた状態となる。書込み信号Vwは、第1乃至第8信号線S1乃至S8のうち、第1信号線S1、第2信号線S2、第5信号線S5、及び第6信号線S6に与えられる。これにより、1本の接続線W1を介し、それぞれ束ねられた4個の検出電極DEに対して、一括して、書込み信号Vwの書込みと、読取り信号Vrの読取りとを行なうことができる。
そして、2行目と3行目のセンシングにおいても、一列分ずらしながら検出電極DEを束ねてセンシングすることができる。第2方向Yにおいても、一行分のみ範囲をずらしてセンシングが行なわれる。
【0095】
上記のように構成された第4の実施形態に係るセンサSE及びセンサSEの駆動方法によれば、センサSEは、制御線Cと、信号線Xと、検出スイッチDSと、共通電極CEと、検出電極DEと、制御線駆動回路CDと、マルチプレクサMUと、を備えている。このため、第4の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
センシング駆動時において、第1検出ユニットDU1は、束ねられた4個(又は2個)の検出電極DEに対して、一括して、書込み信号Vwの書込みと、読取り信号Vrの読取りとを行なうことができる。このため、電極面積を広げ電界強度を高めてセンシングを行うことができる。
また、その際、第1方向Xにおいて一列分のみ範囲をずらしてセンシングを行うことができ、第2方向Yにおいても一行分のみ範囲をずらしてセンシングを行うことができる。このため、センシングの解像度の低下を抑制又は防止することができる。
【0096】
さらに、第4の実施形態においても、上述した第3の実施形態と同様に、第1検出ユニットDU1は、第1基板SUB1の駆動を調整し、読取り信号Vrを積算してもよい。これにより、指紋などの被検出部を、一層、詳細にセンシングすることができる。
なお、複数の検出電極DEを束ねたり、ずらしたりする際は、隣合う3行及び隣合う3行の合計9個の検出電極DEを束ね、一列ずつずらしたり一行ずつずらしたり、してもよい。又は、隣合う4行及び隣合う4行の合計16個の検出電極DEを束ね、一列ずつずらしたり一行ずつずらしたり、してもよい。
上記のことから、検出精度に優れたセンサSE及びセンサSEの駆動方法を得ることができる。
【0097】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。なお、本実施形態において、液晶表示装置はセンサ付き液晶表示装置である。
図18は、第5の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す斜視図である。
図18に示すように、液晶表示装置DSPは、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルPNL、液晶表示パネルPNLを駆動する駆動IC IC1、液晶表示パネルPNLを照明するバックライトユニットBL、制御モジュールCM、フレキシブル配線基板FPC1、FPC3などを備えている。
【0098】
液晶表示パネルPNLは、平板状の第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向配置された平板状の第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に挟持された液晶層と、を備えている。なお、本実施形態において、第1基板SUB1をアレイ基板と、第2基板SUB2を対向基板と、それぞれ言い換えることができる。
第1基板SUB1としては、上述した実施形態に係る第1基板SUB1を適用することができる。但し、本実施形態において、第1基板SUB1は、液晶表示パネルPNLに適用されるため、必要に応じて変形され得る。例えば、第1基板SUB1は、液晶層に接する表面に配向膜を備えていてもよい。その他、第1基板SUB1を構成する部材の機能が、上述した実施形態と異なる場合がある。例えば、上述した部材のうち、検出電極DEは画素電極としても機能し、検出スイッチDSは画素スイッチとしても機能する。信号線Sは、検出スイッチDSを介して検出電極DEに画像信号(例えば、映像信号)を伝える機能をさらに有する。
なお、本明細書において、以下、検出電極DEを画素電極(PE)と、検出スイッチDSを画素スイッチ(PSW)と、制御線Cを走査線(G)と、制御線駆動回路CDを走査線駆動回路(GD)と、それぞれ言い換える場合がある。
【0099】
液晶表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAを備えている。表示領域DAは、上述した実施形態のアクティブエリアAAに相当している。この液晶表示パネルPNLは、バックライトユニットBLからのバックライトを選択的に透過することで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型である。なお、液晶表示パネルPNLは、透過表示機能に加えて、外光を選択的に反射することで画像を表示する反射表示機能を備えた半透過型であってもよい。
図19に示すように、液晶表示パネルPNLは、FFSモード等の主として基板主面に略平行な横電界を利用するIPS(In-Plane Switching)モードに対応した構成を有している。なお、ここでの基板主面とは、第1方向Xと第2方向Yとで規定されるX−Y平面と平行な面である。本実施形態において、画素電極PE及び共通電極CEの双方が第1基板SUB1に備えられている。上記横電界を形成するため、例えば、各々の画素電極PEは、共通電極CEと対向する位置にスリットSLを有している。図示した例では、画素電極PEは、第1スイッチング素子PSW1a及び第2スイッチング素子PSW1bを有する第1画素スイッチPSW1に接続されている。
このため、一般に知られているTFT液晶プロセスをそのまま使用して液晶表示パネルPNLを形成することができる。
【0100】
図18に示すように、バックライトユニットBLは、第1基板SUB1の背面側に配置されている。このようなバックライトユニットBLとしては、種々の形態が適用可能であり、また、光源として発光ダイオード(LED)を利用したもの等が適用可能であり、詳細な構造については説明を省略する。なお、液晶表示パネルPNLが反射表示機能のみを備えた反射型である場合には、バックライトユニットBLは省略される。
液晶表示装置DSPは、上述したカバー部材CGを備えていてもよい。例えば液晶表示パネルPNLの画像を表示する画面側の外面の上方にカバー部材CGを設けることができる。ここで、上記外面は、第2基板SUB2の第1基板SUB1と対向する面とは反対側の面であり、画像を表示する表示面を含んでいる。
【0101】
第1駆動部としての駆動IC IC1は、液晶表示パネルPNLの第1基板SUB1上に搭載されている。駆動IC IC1は、上述したマルチプレクサMUや走査線駆動回路に接続されている。共通電極CEは、駆動IC IC1と対向していないが、表示領域DAの外側に拡張して形成され、マルチプレクサMUや走査線駆動回路と対向している。フレキシブル配線基板FPC1は、液晶表示パネルPNLと制御モジュールCMとを接続している。制御モジュールCMは、駆動IC IC1に信号や電圧を与える。フレキシブル配線基板FPC3は、バックライトユニットBLと制御モジュールCMとを接続している。
【0102】
次に、第5の実施形態に係る液晶表示装置DSPの駆動方法について説明する。
第5の実施形態において、液晶表示装置DSPは、画像を表示する表示駆動と、センシングを行うセンシング駆動とを行なうことができる。
表示駆動時に、共通電極駆動回路は、共通電極CEに対してコモン駆動信号を与えることができる。共通電極駆動回路は、例えば、駆動IC IC1に形成することができる。コモン駆動信号(コモン電圧)としては、0Vなどの定電圧を例示的に挙げることができる。一方、画素電極には、駆動IC IC1、マルチプレクサMU、走査線駆動回路などにより、画像信号を与えることができる。
【0103】
一方、センシング駆動は、表示駆動を行なう表示期間の間のブランキング期間にセンシング期間を設けることができる。上記ブランキング期間としては、水平ブランキング期間や垂直ブランキング期間を挙げることができる。第1検出ユニットDU1は、センシングを行うセンシング駆動時に、表示領域DAのうちの一部の領域に位置する複数の画素電極をセンシングの対象に設定する。本実施形態において、表示領域DAのうちのセンシング領域SAに位置する複数の画素電極をセンシングの対象に予め設定する。これにより、センシング領域SAの範囲内にてセンシングを行なえばよく、表示領域DAの全域にてセンシングを行なう必要はなくなるものである。例えば、センシングに係る時間期間の短縮を図ることができる。また、センシング領域SAの外側における表示品位の低下を抑制することができ得る。
【0104】
第1検出ユニットDU1は、センシング領域SAに位置する複数の画素電極の各々に、マルチプレクサMU、対応する信号線S及び対応する画素スイッチを介して書込み信号Vwを書込み、複数の画素電極の各々から書込み信号の変化を示す読取り信号Vrを読取る。これにより、被検出部をセンシングすることができる。このようなセンシングは、指紋の検出をする場合などに好ましい。
本実施形態においても、センシング期間において、共通電極CEに電位調整信号Vaを与えた方がセンサ感度の低下を抑制することができるため望ましい。
又は、共通電極CEを単個の電極で形成するのではなく、センシング領域SAと、センシング領域SA以外の領域とで、電気絶縁距離を置いて設けられた複数の電極で共通電極CEを形成してもよい。これにより、センシング領域SAの電極(共通電極CE)に電位調整信号Vaを与え、センシング領域SA以外の領域の電極(共通電極CE)にコモン駆動信号を与えることができる。これにより、センサ感度の低下を抑制しつつ、センシング領域SAの外側における表示品位の低下を抑制することができる。
【0105】
上記のように構成された第5の実施形態に係るセンサ付き液晶表示装置DSP及びセンサ付き液晶表示装置DSPの駆動方法によれば、液晶表示装置DSPは、上述した実施形態に係るセンサSEと同様、走査線と、信号線Xと、画素スイッチと、共通電極CEと、画素電極と、走査線駆動回路と、マルチプレクサMUと、を備えている。このため、第5の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、画像を表示するために用いる配線、電極、スイッチ、回路などをセンシングにも用いることができる。このため、液晶表示装置DSPへのセンシングのための部材の付加を抑制することができる。
なお、上記第5の実施形態においても、第1モード(自己容量モード)及び第2モード(相互容量モード)の一方に切替えて、センシングを行うことが可能である。
上記のことから、検出精度に優れたセンサ付き液晶表示装置DSP及びセンサ付き液晶表示装置DSPの駆動方法を得ることができる。
【0106】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係る液晶表示装置DSPについて説明する。なお、本実施形態において、液晶表示装置はセンサ付き液晶表示装置である。
上述した第5の実施形態では、表示駆動と、センシング駆動とを行ない、センシング駆動においては、センシングの対象とする領域を表示領域DAの一部に特定するものであった。これに対し、第6の実施形態においては、表示駆動と、センシング駆動とを行ない、さらに被検出部の位置を特定するための位置検出駆動を行なうものである。これにより、位置検出駆動にて被検出部が位置する領域を特定した上で、センシング駆動により特定の領域をセンシングすることができる。例えば、位置検出駆動にて被検出部が位置する領域を特定し、センシング駆動にて被検出部の凹凸パターンを検出することができる。
【0107】
被検出部の位置の特定には、液晶表示パネルPNLの表示領域DAに位置した位置検出センサPSEを利用する。位置検出センサPSEは、被検出部の凹凸パターンを検出するセンサと異なる。位置検出センサPSEには、第2検出ユニットDU2が接続されている。第2検出ユニットDU2は、被検出部の位置情報を検出する位置検出駆動時に位置検出センサPSEを駆動し、上記被検出部の位置情報を検出する。位置検出センサPSEは、第1検出ユニットDU1とは異なる第2検出ユニットDU2にて駆動される。第1検出ユニットDU1は、被検出部の凹凸パターンを検出するセンシング駆動時に、上記位置情報に基づいて被検出部が位置する領域の複数の画素電極をセンシングの対象に設定する。
【0108】
被検出部の位置を特定するために用いる位置検出センサPSEの電極としては、液晶表示装置DSPの電極のうち、各種の電極から選択することが可能である。
例えば、位置検出センサPSEの電極として共通電極CEを選択することができる。この場合、共通電極CEは複数の電極で形成されている。例えば、上記複数の電極はマトリクス状に配置されている。第2検出ユニットDU2は、各々の上記電極に第1信号Wrを書込み、各々の上記電極から上記第1信号の変化を示す第2信号Reを読取る。上記のように、自己容量モードにて、被検出部の位置情報を検出することができる。
【0109】
又は、位置検出センサPSEの電極としては、液晶表示装置DSPに付加される複数の位置検出電極Rxを選択することができる。例えば、上記複数の位置検出電極Rxはマトリクス状に配置されている。第2検出ユニットDU2は、各々の位置検出電極Rxに第1信号Wrを書込み、各々の位置検出電極Rxから上記第1信号の変化を示す第2信号Reを読取る。上記のように、自己容量モードにて、被検出部の位置情報を検出することができる。
【0110】
又は、位置検出センサPSEの電極としては、共通電極CEと、液晶表示装置DSPに付加される複数の位置検出電極Rxと、の組合せを選択することができる。例えば、上記複数の位置検出電極Rxと、共通電極CEの複数の電極とは、交差して設けられている。第2検出ユニットDU2は、共通電極CEの各々の電極に第1信号Wrを書込み、各々の位置検出電極Rxから第2信号Reを読取る。上記のように、相互容量モードにて、被検出部の位置情報を検出することができる。
以下、本実施形態においては、位置検出センサPSEの電極として、共通電極CEと、複数の位置検出電極Rxと、の組合せを選択し、相互容量モードにて被検出部の位置情報を検出するものとして説明する。
【0111】
始めに、第6の実施形態に係る液晶表示装置の構成について説明する。
図20は、第6の実施形態に係るセンサ付き液晶表示装置DSPの構成を示す斜視図である。
図20に示すように、液晶表示装置DSPは、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルPNL、液晶表示パネルPNLを駆動する駆動IC IC1、静電容量型の位置検出センサPSE、位置検出センサPSEを駆動する駆動IC IC2、バックライトユニットBL、制御モジュールCM、フレキシブル配線基板FPC1、FPC2、FPC3などを備えている。本実施形態において、駆動IC IC1と駆動IC IC2とは、第2検出ユニットDU2を形成している。液晶表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層と、を備えている。
【0112】
第1駆動部としての駆動IC IC1は、液晶表示パネルPNLの第1基板SUB1上に搭載されている。フレキシブル配線基板FPC1は、液晶表示パネルPNLと制御モジュールCMとを接続している。フレキシブル配線基板FPC2は、位置検出センサPSEのうちの位置検出電極Rxと制御モジュールCMとを接続している。第2駆動部としての駆動IC IC2は、フレキシブル配線基板FPC2上に搭載されている。
【0113】
駆動IC IC1及び駆動IC IC2は、フレキシブル配線基板FPC2等を介して接続されている。例えば、フレキシブル配線基板FPC2が第1基板SUB1上に接続された分岐部FPCBを有している場合、駆動IC IC1及び駆動IC IC2は、分岐部FPCB及び第1基板SUB1上の配線を介して接続されていてもよい。また、駆動IC IC1及び駆動IC IC2は、フレキシブル配線基板FPC1及びFPC2を介して接続されていてもよい。
【0114】
駆動IC IC2は、位置検出センサPSEの駆動時期を知らせるタイミング信号を駆動IC IC1に与えることができる。又は、駆動IC IC1は、後述する共通電極CEの駆動時期を知らせるタイミング信号を駆動IC IC2に与えることができる。又は、制御モジュールCMは、駆動IC IC1及びIC2にタイミング信号を与えることができる。上記タイミング信号により、駆動IC IC1の駆動と、駆動IC IC2の駆動との同期化を図ることができる。
【0115】
次に、上記した液晶表示装置DSPの画面への被検出部の接触あるいは接近を検出するための位置検出を行う位置検出駆動時の動作について説明する。すなわち、共通電極CEに対しては、共通電極駆動回路から位置検出センサ駆動信号が与えられる。このような状態で、位置検出センサPSEが共通電極CEからのセンサ信号を受けることにより、位置検出が行われる。
【0116】
ここで、位置検出の一例の原理について
図21を参照しながら説明する。
図21に示すように、位置検出センサPSEは、複数の位置検出電極Rxと、共通電極CEとを備えている。共通電極CEは、複数の分割電極CEaを備えている。位置検出電極Rxは、少なくとも表示領域DAに位置している。位置検出電極Rxが設けられる個所は、特に限定されるものではないが、位置検出電極Rxは、第2基板SUB2やカバー部材CGに設けることができる。この場合、位置検出電極Rxを細線で形成したり、メッシュ状に形成したりすることにより、位置検出電極Rxの間や位置検出電極Rxの内部に隙間を形成することができる。そして、上記隙間を通して、被検出部と画素電極とは、静電容量結合することができる。分割電極CEaと位置検出電極Rxとの間には、容量Ccが存在する。すなわち、位置検出電極Rxは分割電極CEa(共通電極CE)と静電容量結合する。分割電極CEaの各々には、順次、所定の周期でパルス状の第1信号(センサ駆動信号)Wrが供給される。この例では、利用者の指が特定の位置検出電極Rxと分割電極CEaとが交差する位置に近接して存在するものとする。位置検出電極Rxに近接している利用者の指により、容量Cxが生じる。分割電極CEaにパルス状の第1信号Wrが供給されたときに、特定の位置検出電極Rxからは、他の位置検出電極から得られるパルスよりもレベルの低いパルス状の第2信号(センサ出力値)Reが得られる。第2信号Reはリード線を介して得られる。すなわち、表示領域DAにおける利用者の指の位置情報である入力位置情報を検出する際、駆動IC IC1(共通電極駆動回路)は共通電極CE(分割電極CEa)に対して第1信号Wrを供給し、共通電極CEと位置検出電極Rxとの間にセンサ信号を発生させる。駆動IC IC2は、位置検出電極Rxに接続されて上記センサ信号(例えば、位置検出電極Rxに生じる静電容量)の変化を示す第2信号Reを読取る。
【0117】
駆動IC IC2又は制御モジュールCMは、第1信号Wrが分割電極CEaに供給されるタイミングと、各位置検出電極Rxからの第2信号Reと、に基づいて、位置検出センサPSEのX−Y平面内での指の2次元位置情報を検出することができる。また、上記の容量Cxは、指が位置検出電極Rxに近い場合と、遠い場合とで異なる。このため、第2信号Reのレベルも指が位置検出電極Rxに近い場合と、遠い場合とで異なる。したがって、駆動IC IC2又は制御モジュールCMでは、第2信号Reのレベルに基づいて、位置検出センサPSEに対する指の近接度(第1方向X及び第2方向Yに直交する第3方向Zの距離)を検出することもできる。
上記のように、第2検出ユニットDU2は、指の位置情報を検出する位置検出駆動時に、位置検出センサPSEを駆動し、指の位置情報を検出している。なお、位置検出駆動時に、画素電極は電気的フローティング状態に切替えられる。
【0118】
次いで、第1検出ユニットDU1は、指の指紋を検出するセンシング駆動時に、上記位置情報に基づいて指が位置する領域の複数の画素電極をセンシングの対象に設定する。第1検出ユニットDU1は、上記対象の複数の画素電極の各々に、マルチプレクサMU、対応する信号線S及び対応する画素スイッチを介して書込み信号Vwを書込み、上記複数の画素電極の各々から書込み信号の変化を示す読取り信号Vrを読取る。第1検出ユニットDU1は、上記書込み信号Vrと同期し位相及び振幅に関して書込み信号Vrと同一である電位調整信号Vaを共通電極CEに与える。
【0119】
上記のように構成された第6の実施形態に係るセンサ付き液晶表示装置DSP及びセンサ付き液晶表示装置DSPの駆動方法によれば、液晶表示装置DSPは、上述した実施形態に係るセンサSEと同様、走査線と、信号線Xと、画素スイッチと、共通電極CEと、画素電極と、走査線駆動回路と、マルチプレクサMUと、を備えている。このため、第6の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
液晶表示装置DSPは、位置検出センサPSE及び第2検出ユニットDU2をさらに備えている。これにより、表示領域DAの全域を画素の精細度で細かくセンシングする必要はないため、センシングに要する時間期間の短縮を図ることができる。
【0120】
なお、本実施形態においても、複数の検出電極DEを束ねたり、ずらしたりし、指紋を検出することができる。さらに、本実施形態においては、複数の検出電極DEを束ねたり、ずらしたりし、指の位置情報を検出してもよい。この場合、液晶表示装置DSPへの位置検出電極Rx、第2検出ユニットDU2などの付加を省略することができる。
上記のことから、検出精度に優れたセンサ付き液晶表示装置DSP及びセンサ付き液晶表示装置DSPの駆動方法を得ることができる。
【0121】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態に係る液晶表示装置DSPについて説明する。なお、本実施形態において、液晶表示装置はセンサ付き液晶表示装置である。
図22に示すように、センシング領域SAは、第5実施形態(
図18)と異なり、表示領域DAの外側に位置している。表示領域DAにおける表示駆動と、センシング領域SAにおけるセンシング駆動とを独立して行うことができる。また、表示領域DAの一部にセンシング領域SAを設定する場合と比較して、表示領域DAにおける表示品位の低下を抑制することができる。
【0122】
第1基板SUB1を形成する際、表示領域DAとセンシング領域SAとを同一の製造プロセスを使用して形成することができる。上述した
図4及び
図19を参照しながら説明すると、例えば、表示領域DAにおける画素電極PEと、センシング領域SAにおける検出電極DEとを、同層に設けることができる。ここでは、画素電極PEと、検出電極DEとは、第4絶縁膜14の上に設けられている。
なお、上記第7の実施形態においても、第1モード(自己容量モード)及び第2モード(相互容量モード)の一方に切替えて、センシングを行うことが可能である。
上記のことから、第7の実施形態においても、検出精度に優れたセンサ付き液晶表示装置DSP及びセンサ付き液晶表示装置DSPの駆動方法を得ることができる。
【0123】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態に係る液晶表示装置DSPについて説明する。なお、本実施形態において、液晶表示装置はセンサ付き液晶表示装置である。
図23に示すように、表示領域DAには、複数の画素PXがマトリクス状に並べられている。これらの画素PXは、走査線駆動回路GDに接続された複数の走査線Gと、マルチプレクサMUに接続された複数の信号線Sとにより、囲まれている。
【0124】
表示領域DAの一部には、センシング領域SAが設定されている。センシング領域SAの内部は、
図1に示したアクティブエリアAAの内部と同様に構成されている。このため、本実施形態においても、画素電極PEと、検出電極DEとを、同層に設けることができる。
上記のことから、第8の実施形態においても、検出精度に優れたセンサ付き液晶表示装置DSP及びセンサ付き液晶表示装置DSPの駆動方法を得ることができる。
【0125】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0126】
例えば、マルチプレクサMUは、
図24に示すように構成されていてもよい。
図5に示したマルチプレクサMUと比較すると、
図24に示す変形例のマルチプレクサMUは、
各々の制御スイッチCSWが単個のNチャネル型の薄膜トランジスタで形成されている点と、接続線W2無しに形成されている点とで相違している。各々の制御スイッチCSWは、接続線W1と信号線Sとを接続する状態と、信号線Sを電気的フローティング状態に切替える状態と、の何れか一方に切替えられる。
【0127】
駆動IC IC1及び駆動IC IC2は、一体に形成されていてもよい。すなわち、駆動IC IC1及び駆動IC IC2は、単一の駆動ICに集約されていてもよい。
上述した回路、駆動IC、制御モジュールなどの制御部としては、制御線駆動回路CD(走査線駆動回路)、マルチプレクサMU、制御モジュールCM、駆動IC IC1,IC2に限定されるものではなく、種々変形可能であり、第1基板SUB1(液晶表示パネルPNL)、位置検出電極Rx(位置検出センサPSE)を電気的に制御することができるものであればよい。
【0128】
上述した実施形態では、表示装置として、液晶表示装置を例に開示した。しかし、上述した実施形態は、有機EL(electroluminescent)表示装置、その他の自発光型表示装置、あるいは電気泳動素子等を有する電子ペーパ型表示装置等、あらゆるフラットパネル型の表示装置に適用可能である。また、上述した実施形態は、中小型の表示装置から大型の表示装置まで、特に限定することなく適用が可能であることは言うまでもない。