特許第6503295号(P6503295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6503295シリカ造粒物、ゴム組成物、タイヤ、シリカ造粒物の製造方法およびゴム組成物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6503295
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】シリカ造粒物、ゴム組成物、タイヤ、シリカ造粒物の製造方法およびゴム組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08K 3/36 20060101AFI20190408BHJP
   C08K 9/04 20060101ALI20190408BHJP
   C08L 21/00 20060101ALI20190408BHJP
   C08J 3/20 20060101ALI20190408BHJP
   C08L 93/04 20060101ALN20190408BHJP
【FI】
   C08K3/36
   C08K9/04
   C08L21/00
   C08J3/20 BCEQ
   !C08L93/04
【請求項の数】5
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-534261(P2015-534261)
(86)(22)【出願日】2014年8月27日
(86)【国際出願番号】JP2014072444
(87)【国際公開番号】WO2015030056
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年5月8日
(31)【優先権主張番号】特願2013-178893(P2013-178893)
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】312016056
【氏名又は名称】ハリマ化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】扇 剛士
(72)【発明者】
【氏名】周 霖
(72)【発明者】
【氏名】宮本 直樹
【審査官】 岩田 行剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−052028(JP,A)
【文献】 特開2014−189650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J3/
C08L
C08K
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカとロジン系樹脂とを混合し、造粒することにより得られることを特徴とする、シリカ造粒物。
【請求項2】
請求項1に記載のシリカ造粒物と、ゴム成分と、加硫剤とを含有することを特徴とする、ゴム組成物。
【請求項3】
請求項2に記載のゴム組成物を用いて得られることを特徴とする、タイヤ。
【請求項4】
シリカとロジン系樹脂とを混合し、造粒することを特徴とする、シリカ造粒物の製造方法。
【請求項5】
シリカおよびロジン系樹脂を混合し、造粒することにより、シリカ造粒物を製造する工程と、
シリカ造粒物、ゴム成分および加硫剤を混合する工程と
を備えることを特徴とする、ゴム組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカ造粒物、ゴム組成物、タイヤ、シリカ造粒物の製造方法およびゴム組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両タイヤなどにおいては、転がり抵抗の低減や低燃費性の向上を図る観点から、充填剤としてシリカ粉末を含有させることが知られている。
【0003】
このようなシリカ粉末は、通常、車両タイヤなどの原料であるゴム組成物に配合される。しかし、シリカ粉末は飛散しやすいため、配合時における作業性に劣り、また、飛散量が一定ではないため、配合量にばらつきが生じ、製品の品質が不均一化するという不具合がある。
【0004】
そこで、シリカの飛散を防止するため、シリカを造粒して用いることが検討されている。そのようなシリカの造粒方法として、具体的には、例えば、粉末シリカに、水、有機溶媒またはそれらの混合物を加え、撹拌および造粒する方法が、提案されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−211515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、シリカ造粒物を加硫性のゴム組成物に配合する場合には、生産性の向上を図るため、加硫速度を向上させることが望まれている。
【0007】
そこで、本発明の目的は、加硫性のゴム組成物に配合する場合にその加硫速度の向上を図ることができるシリカ造粒物、そのシリカ造粒物を含むゴム組成物、および、ゴム組成物を用いて得られるタイヤ、さらに、シリカ造粒物の製造方法、および、ゴム組成物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシリカ造粒物は、シリカとロジン系樹脂とを混合し、造粒することにより得られることを特徴としている。
【0009】
また、本発明のゴム組成物は、上記のシリカ造粒物と、ゴム成分と、加硫剤とを含有することを特徴としている。
【0010】
また、本発明のタイヤは、上記のゴム組成物を用いて得られることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のシリカ造粒物の製造方法は、シリカとロジン系樹脂とを混合し、造粒することを特徴としている。
【0012】
また、本発明のゴム組成物の製造方法は、シリカおよびロジン系樹脂を混合し、造粒することにより、シリカ造粒物を製造する工程と、シリカ造粒物、ゴム成分および加硫剤を混合する工程とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシリカ造粒物は、ロジン系樹脂を含有するため、加硫性のゴム組成物に配合する場合に、その加硫速度の向上を図ることができる。
【0014】
また、本発明のゴム組成物およびタイヤは、本発明のシリカ造粒物が含まれているため、加硫速度に優れる。
【0015】
また、本発明のシリカ造粒物の製造方法によれば、加硫性のゴム組成物に配合する場合に加硫速度の向上を図ることができるシリカ造粒物を、効率よく得ることができる。
【0016】
また、本発明のゴム組成物の製造方法によれば、加硫速度に優れるゴム組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、各実施例および各比較例において得られたゴム組成物の比重を示すグラフである。
図2図2は、各実施例および各比較例において得られたゴム組成物の10%加硫時間とスコーチタイム(MS5UP)との関係を示すグラフである。
図3図3は、各実施例および各比較例において得られたゴム組成物の50%加硫時間と90%加硫時間との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のシリカ造粒物は、シリカ(二酸化珪素、SiO)とロジン系樹脂とを混合し、造粒することにより得ることができる。
【0019】
シリカとしては、特に制限されず、公知のシリカを用いることができる。具体的には、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカなどが挙げられ、好ましくは、湿式シリカが挙げられる。
【0020】
湿式シリカは、例えば、珪酸ソーダ水溶液を硫酸などで中和することにより、沈殿物として得ることができ、例えば、ろ過などにより回収することができる。このような湿式シリカは、例えば、水を含む状態のシリカケーキ、または、そのシリカケーキを崩して得られるシリカスラリーとして用いることができ、また、乾燥させた状態(水造粒された状態)の粉末シリカとして用いることもできる。
【0021】
シリカ(未造粒品)の体積平均一次粒子径は、例えば、5nm以上、好ましくは、20nm以上であり、例えば、100nm以下、好ましくは、50nm以下である。
【0022】
また、シリカ(未造粒品)のBET比表面積(ISO5794/1に準拠して測定する)は、例えば、40m/g以上、好ましくは、80m/g以上、より好ましくは、120m/g以上であり、例えば、350m/g以下である。
【0023】
BET比表面積が上記範囲であれば、ゴム成分に配合した場合のゴム成分中への分散性と、そのゴムを補強する補強性とを両立することができる。
【0024】
また、シリカの体積平均一次粒子径やBET比表面積が上記範囲であれば、より確実に造粒することができる。
【0025】
また、シリカは市販品を用いることもでき、シリカの市販品として、具体的には、例えば、商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積205m/g、東ソー・シリカ株式会社製)、商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積170m/g、エボニック社製)、商品名「NEWSIL 175GR」(BET比表面積165〜185m/g、確成珪素化学有限公司製)などが挙げられる。
【0026】
これらシリカは、単独使用することができ、また、体積平均一次粒子径やBET比表面積の異なるシリカを併用することもできる。
【0027】
ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン誘導体が挙げられる。
【0028】
ロジン類は、トールロジン、ガムロジン、ウッドロジンであり、また、不均斉化ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、あるいは、その他の化学的に修飾されたロジン、またはこれらの精製物を含む概念である。
【0029】
また、ロジン誘導体としては、ロジンエステル類、不飽和カルボン酸変性ロジン類、不飽和カルボン酸変性ロジンエステル類、あるいは、ロジン変性フェノール類、ロジン類や不飽和カルボン酸で変性したロジン類のカルボキシ基を還元処理したロジンアルコール類などが挙げられる。
【0030】
ロジンエステル類は、例えば、上記したロジン類と多価アルコールとを、公知のエステル化法により反応させることによって、得ることができる。
【0031】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリエチロールエタンなどの3価アルコール、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの4価アルコール、例えば、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−イソブチルジエタノールアミン、N−ノルマルブチルジエタノールアミンなどのアミノアルコールなどが挙げられる。また、多価アルコールとして、例えば、ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール、ポリエチレンポリプロピレンポリオール(ランダムまたはブロック共重合体)などのポリアルキレンオキサイドも挙げられる。ポリアルキレンオキサイドは、例えば、上記した2価アルコールやポリアミンなどを開始剤として、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加反応させることによって、得ることができる。ゴム組成物(後述)の加硫性、タイヤ(後述)の機械強度および低燃費性の向上を図る観点から、ポリアルキレンオキサイドにおけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数は、例えば、10モル以上、好ましくは、15モル以上であり、例えば、50モル以下、好ましくは、45モル以下、より好ましくは、40モル以下である。
【0032】
これら多価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0033】
多価アルコールとして、好ましくは、ポリアルキレンオキサイドが挙げられる。
【0034】
ロジン類と多価アルコール類との配合割合は、ロジン類のカルボキシ基に対する、多価アルコールの水酸基のモル比(OH/COOH)が、例えば、0.2〜1.2である。また、ロジン類と多価アルコール類との反応では、反応温度が、例えば、150〜300℃であり、反応時間が、例えば、2〜30時間である。また、この反応では、必要に応じて公知の触媒を適宜の割合で配合することもできる。
【0035】
不飽和カルボン酸変性ロジン類は、例えば、上記したロジン類にα,β−不飽和カルボン酸類を公知の方法により反応させることによって、得ることができる。
【0036】
α,β−不飽和カルボン酸類としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸、および、その酸無水物などが挙げられ、具体的には、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。これらα,β−不飽和カルボン酸類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0037】
ロジン類とα,β−不飽和カルボン酸類との配合割合は、ロジン類1モルに対して、α,β−不飽和カルボン酸類が、例えば、1モル以下である。また、ロジン類とα,β−不飽和カルボン酸類との反応では、反応温度が、例えば、150〜300℃であり、反応時間が、例えば、1〜24時間である。また、この反応では、必要に応じて公知の触媒を適宜の割合で配合することもできる。
【0038】
不飽和カルボン酸変性ロジンエステル類は、例えば、上記したロジン類に、上記した多価アルコール類、および、上記したα,β−不飽和カルボン酸類を順次または同時に反応させることにより、得ることができる。
【0039】
上記成分を順次反応させる場合は、まず、ロジン類と多価アルコールとを反応させ、その後、α,β−不飽和カルボン酸類を反応させるか、または、まず、ロジン類とα,β−不飽和カルボン酸類とを反応させ、その後、多価アルコールを反応させる。ロジン類と多価アルコールとのエステル化反応や、ロジン類とα,β−不飽和カルボン酸類との変性反応における反応条件は、上記と同様とすることができる。
【0040】
また、ロジン誘導体としては、さらに、ロジンのアミド化合物、ロジンのアミン塩などが挙げられる。
【0041】
ロジンのアミド化合物は、例えば、上記したロジン類と、アミド化剤とを反応させることによって、得ることができる。
【0042】
アミド化剤としては、例えば、1級および/または2級ポリアミン化合物、ポリオキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物などが挙げられる。
【0043】
1級および/または2級ポリアミン化合物は、1分子中に1級および/または2級アミノ基を2つ以上含有する化合物であって、ロジン類に含有されるカルボキシ基との縮合反応により、ロジンをアミド化することができる。このようなポリアミン化合物として、具体的には、例えば、エチレンジアミン、N−エチルアミノエチルアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エ−テル、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス(3−アミノプロポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,4−ジアミノブタン、ラウリルアミノプロピルアミンなどの鎖状ジアミン類、例えば、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、1,3−ジ(4−ピペリジル)−プロパン、ホモピペラジンなどの環状ジアミン類、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなどのポリアミン類、さらには、これらのハロゲン化水素酸塩などが挙げられる。
【0044】
これら1級および/または2級ポリアミン化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0045】
ポリオキサゾリン化合物は、1分子中にポリオキサゾリン環を2つ以上含有する化合物であって、ロジン類に含有されるカルボキシ基との付加反応により、ロジンをアミド化することができる。このようなポリオキサゾリン化合物としては、例えば、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)などが挙げられる。
【0046】
これらポリオキサゾリン化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0047】
ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2つ以上含有する化合物であって、ロジン類に含有されるカルボキシ基との付加縮合脱炭酸反応により、ロジンをアミド化することができる。このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)、4,4’−トルイジンジイソシアネートなど)、芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)など)、脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなど)、脂環族ジイソシアネート(例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどのジイソシアネート、さらには、これらの誘導体(例えば、多量体、ポリオール付加体など)などが挙げられる。
【0048】
これらポリイソシアネート化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0049】
また、これらアミド化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0050】
ロジン類とアミド化剤との配合割合は、ロジン類のカルボキシ基に対する、アミド化剤の活性基(1級および/または2級アミノ基、ポリオキサゾリン環、イソシアネート基)のモル比(OH/活性基)が、例えば、0.2〜1.2である。また、ロジン類と多価アルコール類との反応では、反応温度が、例えば、120〜300℃であり、反応時間が、例えば、2〜30時間である。また、この反応では、必要に応じて公知の触媒を適宜の割合で配合することもできる。
【0051】
ロジンのアミン塩は、ロジン類に含有されるカルボキシ基を、3級アミン化合物で中和することにより、得ることができる。
【0052】
3級アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのトリC1−4アルキルアミン、例えば、モルホリンなどの複素環式アミンなどが挙げられる。
【0053】
これら3級アミン化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0054】
また、これらロジン系樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0055】
ロジン系樹脂として、好ましくは、ロジン誘導体が挙げられ、より好ましくは、ロジンエステル類が挙げられる。
【0056】
また、この方法においては、ロジン系樹脂をそのまま用いることもできるが、必要に応じて、例えば、ロジンエマルション、ケン化ロジンなどとして用いることもできる。
【0057】
ロジンエマルションは、例えば、溶剤型乳化法、無溶剤型乳化法、転相乳化法、あるいはその他の公知の乳化法により製造される。
【0058】
乳化法は、特に制限されないが、例えば、特開2008−303269の段落番号[0024]〜[0025]に記載の方法に準拠することができる。
【0059】
具体的には、例えば、溶剤型乳化法では、まず、ロジン系樹脂を、例えば、メチレンクロライドなどの塩素系炭化水素溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、メチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、その他ロジン系樹脂を溶解可能な溶剤などの有機溶剤に溶解させ、ロジン系樹脂溶液を得る。次いで、別途、乳化剤および水を混合および溶解させた乳化水を用意し、その乳化水と上記のロジン系樹脂溶液とを予備混合して、粗粒子の水性エマルション(予備乳化物)を調製する。その後、得られた水性エマルションを、各種ミキサー、コロイドミル、高圧乳化機、高圧吐出型乳化機、高剪断型乳化分散機などを用いて微細乳化した後、常圧または減圧下で加熱しながら、有機溶剤を除去する。
【0060】
また、無溶剤乳化法では、例えば、常圧または加圧下で、溶融したロジン系樹脂と乳化水とを予備混合し、粗粒子の水性エマルションを調製した後、各種乳化分散機を用いて上記と同様に微細乳化させる。
【0061】
また、転相乳化法では、常圧または加圧下でロジン系樹脂を加熱溶融した後、撹拌しながら乳化水を徐々に加えることにより、まず、油中水型エマルションを得た後、その水中油型エマルションに相反転させる。なお、この方法は、溶剤法、無溶剤法いずれの方法でも採用することができる。
【0062】
上記した乳化法において使用される乳化剤としては、例えば、ノニオン性乳化剤、両性乳化剤、合成高分子系乳化剤などが挙げられる。
【0063】
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマーなどが挙げられる。
【0064】
両性乳化剤としては、例えば、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとアルキルアミンまたはジアミンとの生成縮合物の硫酸化、あるいはスルホン酸化付加物などが挙げられる。
【0065】
合成高分子系乳化剤としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルアマイド、酢酸ビニル、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの重合性モノマーを2種以上重合させて得られる重合体を、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどのアルカリ類で塩形成させ、水に分散または可溶化させた水分散性重合体などが挙げられる。これら乳化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0066】
ロジンエマルションは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0067】
ロジンエマルションにおいて、ロジン系樹脂の固形分濃度は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、1質量%以上であり、例えば、99質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
【0068】
ケン化ロジンは、ロジン系樹脂をケン化剤でケン化することにより得ることができる。
【0069】
ケン化剤としては、特に制限されず、公知のケン化剤を用いることができる。具体的には、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属類や、アンモニアなどが挙げられる。これらケン化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0070】
また、ケン化ロジンのケン化率は、例えば、1%以上、好ましくは、10%以上であり、通常、100%以下である。
【0071】
なお、ロジン系樹脂とケン化剤との配合割合は、ケン化率が上記範囲となるように、ロジン系樹脂およびケン化剤の種類などに応じて、適宜設定される。
【0072】
また、ケン化反応では、反応温度が、例えば、0℃以上、好ましくは、10℃以上であり、例えば、150℃以下、好ましくは、120℃以下である。また、反応時間が、例えば、1分以上、好ましくは、5分以上であり、例えば、24時間以下、好ましくは、18時間以下である。
【0073】
この反応により、ケン化ロジンを得ることができる。
【0074】
ケン化ロジンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0075】
ケン化ロジンは、無溶剤で用いることができ、また、溶剤に溶解させて、ケン化ロジン溶液として用いることができる。
【0076】
溶剤としては、特に制限されないが、例えば、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などが挙げられ、好ましくは、水、アルコール類、エーテル類が挙げられ、より好ましくは、水が挙げられる。
【0077】
これら溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0078】
ケン化ロジン溶液において、ケン化ロジンの固形分濃度は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上であり、例えば、99質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
【0079】
そして、混合において、シリカとロジン系樹脂との混合割合は、シリカ100質量部に対して、ロジン系樹脂(固形分換算)が、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.2質量部以上であり、例えば、50質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
【0080】
また、シリカとロジン系樹脂とを混合する方法としては、特に制限されず、湿式混合、乾式混合など、公知の混合方法を採用することができる。好ましくは、シリカおよびロジン系樹脂とともに、分散媒(溶剤)を配合し、湿式混合する。
【0081】
湿式混合においては、例えば、シリカ、ロジン系樹脂および分散媒を一括で混合してもよく、また、例えば、シリカと分散媒とを予め混合し、その混合液とロジン系樹脂とを混合してもよく、また、例えば、ロジン系樹脂と分散媒とを予め混合し、その分散液とシリカとを混合してもよい。さらには、例えば、シリカおよび分散媒を混合したシリカ分散液と、ロジン系樹脂および分散媒を混合したロジン系樹脂分散液とを、それぞれ予め調製し、それらを混合してもよい。
【0082】
好ましくは、ロジン系樹脂と分散媒とを予め混合し、その後、得られた分散液とシリカとを混合する。
【0083】
分散媒としては、特に制限されないが、例えば、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などが挙げられ、好ましくは、水、アルコール類、エーテル類が挙げられ、より好ましくは、水が挙げられる。
【0084】
分散媒の混合割合は、ロジン系樹脂(固形分)100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、25000質量部以下、好ましくは、18000質量部以下である。
【0085】
次いで、この方法では、得られた分散液(ロジン系樹脂と分散媒との混合液)に、シリカを添加し、上記割合で混合する。
【0086】
また、この方法では、必要に応じて、例えば、シランカップリング剤、ポリアクリルアミド(PAM)系樹脂、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)などの造粒助剤や加工助剤、さらには、酸化防止剤、難燃剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、増量剤などの各種添加剤を、適宜の割合で配合することができる。
【0087】
また、これら添加剤は、例えば、シリカ、ロジン系樹脂および分散媒の少なくともいずれかに予め配合してもよく、また、それらの混合時において同時に配合してもよい。
【0088】
また、混合では、例えば、ヘンシェル型ミキサー、高速ミキサー、一軸式または二軸式のスクリュー式混練機、ローラー式混練機など、公知のブレンダーやミキサーなどの公知の混合装置を使用することができる。
【0089】
これにより、シリカおよびロジン系樹脂の混合物を得ることができる。得られる混合物は、例えば、分散液状、ペースト状などである。
【0090】
そして、この方法では、上記により得られた混合物を用いて、シリカを造粒し、シリカ造粒物を得る。
【0091】
具体的には、得られた混合物を、例えば、デスクペレッター型造粒機、押出成形機、圧縮成形機、撹拌機、流動層造粒機などで造粒および成形し、流動層乾燥機などの乾燥機、簡易ヒーターなどによって乾燥させる。
【0092】
乾燥条件としては、例えば、乾燥温度が、例えば、0℃以上、好ましくは、5℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下である。また、乾燥時間が、例えば、1分以上、好ましくは、2分以上であり、例えば、48時間以下、好ましくは、18時間以下である。
【0093】
このような方法により得られるシリカ造粒物の平均粒子径は、例えば、0.015mm以上、好ましくは、0.1mm以上であり、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。なお、平均粒子径の測定方法は、JIS Z 8801−1(2006年版)に準拠する(以下同様)。
【0094】
シリカ造粒物の平均粒子径が上記範囲であれば、使用時における飛散を防止できる。さらには、例えば、樹脂などと混合して用いる場合における分散性の向上を図ることができる。
【0095】
また、例えば、シリカスラリーにロジン系樹脂を上記の割合で添加し、スプレードライすることによって、シリカ造粒物(ロジンを含有するシリカ粉末)を得ることもできる。
【0096】
スプレードライでは、例えば、公知の噴霧乾燥機(スプレードライヤー)を用いることができる。
【0097】
乾燥条件としては、例えば、噴霧乾燥機の入口温度が、例えば、100℃以上、好ましくは、200℃以上であり、例えば、1000℃以下、好ましくは、720℃以下であり、出口温度が、例えば、50℃以上、好ましくは、90℃以上であり、例えば、700℃以下、好ましくは、250℃以下である。
【0098】
スプレードライ法により得られるシリカ造粒物の平均粒子径は、例えば、50μm以上、好ましくは、60μm以上であり、例えば、900μm以下、好ましくは、300μm以下である。
【0099】
シリカ造粒物の平均粒子径が上記範囲であれば、使用時における飛散を防止できる。さらには、例えば、樹脂などと混合して用いる場合における分散性の向上を図ることができる。
【0100】
また、必要により、シリカ造粒物を公知の圧縮装置により圧縮処理することができる。
【0101】
このようにして得られるシリカ造粒物(乾燥後)の溶剤(分散媒)含有率(分散媒が水である場合、含水率)は、例えば、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。なお、溶剤含有率は、公知の水分計などを用いて測定することができる。
【0102】
また、シリカ造粒物のかさ密度は、例えば、0.01g/cm以上、好ましくは、0.05g/cm以上であり、例えば、2g/cm以下、好ましくは、1g/cm以下である。
【0103】
シリカ造粒物のかさ密度が上記範囲であれば、使用時における飛散を防止できる。さらには、例えば、樹脂などと混合して用いる場合における分散性の向上を図ることができる。
【0104】
そして、上記のシリカ造粒物は、ロジン系樹脂を含有するため、加硫性のゴム組成物に配合する場合に、その加硫速度の向上を図ることができる。
【0105】
また、上記のシリカ造粒物は、ロジン系樹脂を含有するため、より確実に造粒されており、飛散を防止することができる。そのため、ゴム組成物などに配合する場合などに、充填率の向上を図り、また、配合量の平滑化を図ることができる。さらに、そのゴム組成物を、低燃費性の車両のタイヤとして用いる場合に、優れた低燃費性および機械強度を発現することができる。
【0106】
また、上記のシリカ造粒物の製造方法によれば、加硫性のゴム組成物に配合する場合に加硫速度の向上を図ることができるシリカ造粒物を、効率よく得ることができる。
【0107】
さらに、上記のシリカ造粒物の製造方法によれば、シリカをより確実に造粒することができる。そのため、ゴム組成物などに配合する場合などに、充填率の向上を図ることができ、また、配合量の平滑化を図ることができる。
【0108】
そのため、上記のシリカ造粒物は、例えば、シリカの充填率や加硫速度が要求されるゴム組成物において、好適に用いられる。
【0109】
より具体的には、本発明のゴム組成物は、上記のシリカ造粒物とゴム成分と加硫剤とを含有している。
【0110】
ゴム成分としては、特に制限されないが、例えば、ジエン系ゴムが挙げられる。
【0111】
ジエン系ゴムとしては、特に制限されないが、例えば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
【0112】
これらゴム成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0113】
得られる成形物の強度や耐摩耗性の向上を図る観点から、ゴム成分として、好ましくは、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)が挙げられ、より好ましくは、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)の併用が挙げられる。
【0114】
スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)を併用する場合、それらの併用割合は、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)の総量100質量部に対して、スチレンブタジエンゴム(SBR)が、例えば、40質量部以上、好ましくは、60質量部以上であり、例えば、95質量部以下、好ましくは、85質量部以下である。また、ブタジエンゴム(BR)が、例えば、5質量部以上、好ましくは、15質量部以上であり、例えば、60質量部以下、好ましくは、40質量部以下である。
【0115】
スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)の併用割合が上記範囲であれば、得られる成形物の強度や耐摩耗性の向上を図ることができる。
【0116】
また、ゴム組成物の総量や、シリカ造粒物に対するゴム成分の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0117】
加硫剤としては、硫黄および加硫促進剤が挙げられる。
【0118】
硫黄としては、特に制限されないが、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。これら硫黄は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0119】
硫黄の配合割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1質量部以上であり、例えば、5質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
【0120】
加硫促進剤としては、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸など、さらには、スルフェンアミド系加硫促進剤〔N‐tert‐ブチル‐2‐ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N‐ジシクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N,N‐ジイソプロピル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど〕、グアニジン系加硫促進剤(ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなど)などが挙げられる。
【0121】
これら加硫促進剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0122】
加硫促進剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0123】
さらに、このようなゴム組成物には、必要により、例えば、劣化防止剤(例えば、オゾン劣化防止剤、熱劣化防止剤、酸化劣化防止剤)、亀裂防止剤、シランカップリング剤、加硫促進剤、さらには、加硫助剤、加硫遅延剤、加硫活性化剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤など、公知の各種添加剤を、適宜の割合で配合することができる。
【0124】
また、これら添加剤は、例えば、上記各成分の少なくともいずれかに予め配合してもよく、また、それらの混合時において同時に配合してもよい。
【0125】
そして、ゴム組成物は、上記の各成分を混合することにより、得ることができる。
【0126】
混合方法としては、特に制限されず、例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの公知のゴム用混練機械を使用することができる。また、混合条件は、特に制限されず、使用される装置などに応じて、適宜設定される。
【0127】
そして、このようなゴム組成物は、上記のシリカ造粒物が含まれているため、加硫速度に優れる。さらに、上記のシリカ造粒物が含まれているため、シリカの充填率が高く、また、配合量の平滑化を図ることができる。さらに、そのゴム組成物を、低燃費性の車両のタイヤとして用いる場合に、優れた低燃費性および機械強度を発現することができる。
【0128】
また、上記のゴム組成物の製造方法によれば、加硫速度に優れるゴム組成物を得ることができる。さらに、上記のゴム組成物の製造方法によれば、シリカの充填率を向上させることができ、また、配合量の平滑化を図ることができる。
【0129】
なお、シリカの充填率が高い場合には、ゴム組成物の比重が高くなるため、ゴム組成物の比重を求めることにより、シリカの充填率を評価することができる。また、得られるゴム組成物の比重および充填率は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0130】
そして、上記のゴム組成物は、シリカの充填率や加硫速度が要求される各種ゴム成形品の製造に用いられ、とりわけ、低燃費性の車両のタイヤの製造において、好適に用いられる。
【0131】
上記のゴム組成物を用いてタイヤを製造する方法としては、特に制限されず、公知の加硫成形法を採用することができる。
【0132】
すなわち、例えば、ゴム組成物を、未加硫状態でタイヤの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて、他のタイヤ部材(例えば、サイドウォール部、ショルダー部、ビート部、インナーライナーなど)の部材と貼り合わせて、未加硫タイヤを形成する。次いで、この未加硫タイヤを、加硫機中にて、加熱加圧し、加硫する。
【0133】
そして、このようにして得られたタイヤは、上記のシリカ造粒物が含まれているため、加硫速度に優れる。さらに、上記のシリカ造粒物が含まれているため、シリカの充填率が高く、また、配合量の平滑化を図ることができる。さらに、上記のシリカ造粒物が含まれているため、優れた低燃費性および機械強度を発現することができる。
【0134】
そのため、例えば、自動車、二輪車、鉄道車両(例えば、モノレールなど)などの各種車両のタイヤや、例えば、航空機のタイヤなどとして、好適に用いられる。
【実施例】
【0135】
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
【0136】
<シリカ造粒物の製造>
実施例1
180質量部の水に、ロジン系樹脂として、ロジンのエチレンオキシド付加物、(ロジンのポリエチレングリコール(エチレンオキサイド平均付加モル数:30)によるエステル化物、REO−30、ハリマ化成社製)5質量部と、加工助剤として、スチレン−アクリル酸共重合物(スチレンとメタクリル酸とを7:3の質量比で共重合させた共重合物(酸価195、重量平均分子量10000)のアミン塩、固形分28%)1質量部とを添加し、混合液を調製した。
【0137】
次いで、得られた混合液全量を、ニップシールAQ(BET比表面積=205m/g、乾燥かさ密度0.25g/cm、シリカ粉末、東ソーシリカ社製)100質量部に加え、撹拌することによって、シリカペーストを調製した。
【0138】
その後、得られたシリカペーストを押出造粒機(12VR−250SDX、喜連ローヤル社製)にてペレット化し、乾燥機(PH−301、エスペック社製)にて110℃で一晩乾燥し、シリカ造粒物を得た。
【0139】
シリカ造粒物の平均粒子径は4mm、含水率は4.6質量%、かさ密度は0.26g/cmであった。
【0140】
実施例2
ロジン系樹脂として、ロジンのグリセリンエステル化物(DS−70L、ハリマ化成社製)5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、シリカ造粒物を得た。
【0141】
シリカ造粒物の平均粒子径は4mm、含水率は4.4質量%、かさ密度は0.27g/cmであった。
【0142】
実施例3
ロジン系樹脂として、ロジンのアミド化合物(FLEX−REZTM 1084AS C、LAWTER社製)5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、シリカ造粒物を得た。
【0143】
シリカ造粒物の平均粒子径は4mm、含水率は4.5質量%、かさ密度は0.27g/cmであった。
【0144】
実施例4
70℃でトールロジン(ハートールR−WW、ハリマ化成社製)800質量部を、エタノール2000質量部に溶解させた後、2−アミノエタノール153質量部を加え、撹拌した。その後、温度が下がりすぎないように注意しながら水2000質量部を加え、ロジンのアミン塩の水溶液を得た。
【0145】
次いで、得られたロジンのアミン塩の水溶液を、固形分として5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、シリカ造粒物を得た。
【0146】
シリカ造粒物の平均粒子径は4mm、含水率は5.0質量%、かさ密度は0.28g/cmであった。
【0147】
<ゴム組成物>
実施例5
スチレンブタジエンゴム(SBR)(SL−563、JSR社製)80質量部と、ポリブタジエンゴム(BR)(JSR BR−51、JSR社製)20質量部とを、バンバリー型ミキサー(MIXTRON BB MIXER/BB−L1800、神戸製鋼所製)に投入し、45rpmで30秒間混練した。
【0148】
30秒後、実施例1で得られたシリカ造粒物63質量部、オゾン劣化防止剤(オゾノン6C、精工化学社製)2質量部、熱・酸化劣化防止剤(ノンフレックスRD、精工化学社製)1.5質量部、表面亀裂防止剤(サンタイト、精工化学社製)、酸化亜鉛(加硫促進剤)(亜鉛華、ハクスイテック社製)2質量部、ステアリン酸(加硫促進剤)(ステアリン酸つばき、日油社製)2質量部、および、シランカップリング剤(Si69、エボニック社製)4.8質量部を投入し、組成物の温度が130℃になるまで60rpmで混練した。その後、組成物が130℃になった時点でミキサーを一旦停止させ、ミキサー内部壁面に付着した付着物を落とし込んだ。その後、組成物の温度が160℃になるまで80rpmで混練した。
【0149】
次いで、ミキサーから組成物を取り出し、ゴム用ロール機(φ200mm×L500mmミキシングロール機、日本ロール製造社製)に投入した。
【0150】
その後、ゴム用ロール機で混練しながら、硫黄(分散性粉末硫黄、ヤブ商店)1.5質量部、加硫促進剤(サンセラーD、三新化学)2質量部、および、加硫促進剤(サンセラーCM−G、三新化学)1.7質量部を投入し、切り返しながら混練し、シリカを含有するゴム組成物を得た。
【0151】
実施例6
実施例1で得られたシリカ造粒物63質量部に代えて、実施例2で得られたシリカ造粒物63質量部を配合した以外は、実施例5と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0152】
実施例7
実施例1で得られたシリカ造粒物63質量部に代えて、実施例3で得られたシリカ造粒物63質量部を配合した以外は、実施例5と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0153】
実施例8
実施例1で得られたシリカ造粒物63質量部に代えて、実施例4で得られたシリカ造粒物63質量部を配合した以外は、実施例5と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0154】
比較例1
実施例1で得られたシリカ造粒物63質量部に代えて、シリカ粉末(ニップシールAQ、東ソーシリカ社製)60質量部と、ロジンのエチレンオキシド付加物、(ロジンのエチレングリコールエステル化物、REO−30、ハリマ化成社製)3質量部とを配合した以外は、実施例5と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0155】
比較例2
実施例1で得られたシリカ造粒物63質量部に代えて、シリカ粉末(ニップシールAQ、東ソーシリカ社製)60質量部と、ロジンのグリセリンエステル化物(DS−70L、ハリマ化成社製)3質量部とを配合した以外は、実施例5と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0156】
比較例3
実施例1で得られたシリカ造粒物63質量部に代えて、シリカ粉末(ニップシールAQ、東ソーシリカ社製)60質量部と、ロジンのアミド化合物(FLEX−REZTM 1084AS C、LAWTER社製)3質量部とを配合した以外は、実施例5と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0157】
比較例4
実施例1で得られたシリカ造粒物63質量部に代えて、シリカ粉末(ニップシールAQ、東ソーシリカ社製)60質量部と、実施例4で用いたロジンのアミン塩3質量部(固形分)とを配合した以外は、実施例5と同様に操作した。
【0158】
しかし、使用したロジンのアミン塩は水溶液であるためゴム成分と馴染まず均一に混合することができなかったため、ゴム組成物を得られなかった。
【0159】
比較例5
実施例1で得られたシリカ造粒物63質量部に代えて、シリカ粉末(ニップシールAQ、東ソーシリカ社製)60質量部を配合した以外は、実施例5と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0160】
<評価>
(比重)
各実施例および各比較例で得られたゴム組成物の比重を、JIS K 6268(1998年版)に準拠して測定した。
【0161】
具体的な操作手順としては、まず、ゴム組成物から試験片を作成し、その質量を大気中で測定した。次に、ビーカーに蒸留水を満たし、その中に試験片を浸漬し、質量を標準温度(23±2℃、または27±2℃)で測定した。
【0162】
そして比重を次の式にて算出した。
【0163】
ρ=m/(m−m
:大気中で測定した試験片の質量
:標準温度で、水中秤量で求められる試験片と同じ体積の水の質量を差し引いた試験片の質量
その結果を、表1および図1に示す。
【0164】
(加硫速度)
各実施例および各比較例で得られたゴム組成物の加硫速度を、下記の操作で測定した。
【0165】
スコーチタイム:
自動ムーニービスコメーター(SMV−202型、島津製作所製)にゴム組成物の試験片をセットし、1分間試験温度で予熱する。予熱後、直ちにローターを回転させ、ムーニー粘度が最低値から5ムーニー単位(M)だけ上昇するまでの時間(スコーチタイム(MS5UP))を測定した。
【0166】
加硫時間:
ゴム組成物の試験片をキュラストメーター(キュラストメーターV型、オリエンテック社製)の台に乗せ、170℃で20分加硫させた。そして、試験片の最大トルクに対し10%、50%、90%上昇するまでに要した時間を、それぞれ10%加硫時間、50%加硫時間、90%加硫時間とした。
【0167】
測定される10%加硫時間とスコーチタイム(MS5UP)との関係を、表1および図2に示す。また、50%加硫時間と90%加硫時間との関係を、表1および図3に示す。
【0168】
なお、いずれの数値も低い程、加硫速度が速いことを示す。
【0169】
(考察)
図1〜3から、シリカとロジン系樹脂とを混合および造粒して得られたシリカ造粒物を用いれば、シリカとロジン系樹脂と造粒することなく、別途添加した場合や、ロジン系樹脂を混合することなくシリカを造粒して得られたシリカ造粒物を用いた場合に比べ、ゴム組成物の比重が高く、すなわち、シリカの充填率に優れること、さらに、加硫速度が速いことが確認された。
【0170】
【表1】
【0171】
・シリカ粉末の種類を変更
<シリカ造粒物の製造>
実施例9
180質量部の水に、ロジン系樹脂として、ロジンのエチレンオキシド付加物(ロジンのポリエチレングリコール(エチレンオキサイド平均付加モル数:30)によるエステル化物、REO−30、ハリマ化成社製)5質量部と、加工助剤として、スチレン−アクリル酸共重合物(スチレンとメタクリル酸とを7:3の質量比で共重合させた共重合物(酸価195、重量平均分子量10000)のアミン塩、固形分28%)1質量部とを添加し、混合液を調製した。
【0172】
次いで、得られた混合液全量を、NEWSIL 175GR(BET比表面積=165〜185m/g、シリカ粉末、確成珪素化学有限公司製)100質量部に加え、撹拌することによって、シリカペーストを調製した。
【0173】
その後、得られたシリカペーストを押出造粒機(12VR−250SDX、喜連ローヤル社製)にてペレット化し、乾燥機(PH−301、エスペック社製)にて110℃で一晩乾燥し、シリカ造粒物を得た。
【0174】
シリカ造粒物の平均粒子径は4.2mm、含水率は4.5質量%であった。
【0175】
実施例10
ロジン系樹脂として、ロジンのエチレンオキシド付加物(ロジンのポリエチレングリコール(エチレンオキサイド平均付加モル数:15)によるエステル化物、REO−15、ハリマ化成社製)5質量部を用いた以外は、実施例9と同様にして、シリカ造粒物を得た。
【0176】
シリカ造粒物の平均粒子径は4.0mm、含水率は4.8質量%であった。
【0177】
実施例11
ロジン系樹脂として、トールロジン(ハートールR−WW、ハリマ化成社製)5質量部を用いた以外は、実施例9と同様にして、シリカ造粒物を得た。
【0178】
シリカ造粒物の平均粒子径は3.9mm、含水率は4.8質量%であった。
【0179】
比較例6
ロジン系樹脂を配合しなかった以外は、実施例9と同様にして、シリカ造粒物を得た。
【0180】
シリカ造粒物の平均粒子径は4.2mm、含水率は4.7質量%であった。
【0181】
比較例7
ロジン系樹脂に代えて、ポリエチレングリコール(数平均分子量4000、和光純薬工業製)5質量部を配合した以外は、実施例9と同様にして、シリカ造粒物を得た。
【0182】
シリカ造粒物の平均粒子径は4.1mm、含水率は4.5質量%であった。
【0183】
<ゴム組成物>
実施例12
スチレンブタジエンゴム(SBR)(SL−563、JSR社製)80質量部と、ポリブタジエンゴム(BR)(JSR BR−51、JSR社製)20質量部とを、バンバリー型ミキサー(MIXTRON BB MIXER/BB−L1800、神戸製鋼所製)に投入し、60rpmで30秒間混練した。
【0184】
30秒後、実施例9で得られたシリカ造粒物31.5部、シランカップリング剤(Si75、エボニック社製)6質量部、ステアリン酸(加硫促進剤)(ステアリン酸つばき、日油社製)2質量部を投入し60rpmで30秒間混錬した。
【0185】
その後、実施例9で得られたシリカ造粒物31.5部、オゾン劣化防止剤(オゾノン6C、精工化学社製)2質量部、熱・酸化劣化防止剤(ノンフレックスRD、精工化学社製)1.5質量部、表面亀裂防止剤(サンタイトS、精工化学社製)1.5質量部、酸化亜鉛(加硫促進剤)(亜鉛華、ハクスイテック社製)2質量部を投入し、組成物の温度が130℃になるまで60rpmで混練した。その後、組成物が130℃になった時点でミキサーを一旦停止させ、ミキサー内部壁面に付着した付着物を落とし込んだ。その後、145〜150℃を維持しながら60rpmで30秒間混錬した。
【0186】
次いで、ミキサーから組成物を取り出し、ゴム用ロール機(φ200mm×L500mmミキシングロール機、日本ロール製造社製)に投入した。
【0187】
その後、ゴム用ロール機で混練しながら、硫黄、加硫促進剤(サンセラーD、三新化学)、加硫促進剤(サンセラーCM−G、三新化学)を投入し、切り返しながら混練した。
【0188】
その後、得られた組成物をバンバリー型ミキサーに再度投入し、60rpm、30秒混練し、シリカを含有するゴム組成物を得た。
【0189】
実施例13
実施例9で得られたシリカ造粒物に代えて、実施例10で得られたシリカ造粒物を配合した以外は、実施例12と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0190】
実施例14
実施例9で得られたシリカ造粒物に代えて、実施例11で得られたシリカ造粒物を配合した以外は、実施例12と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0191】
比較例8
実施例9で得られたシリカ造粒物に代えて、比較例6で得られたシリカ造粒物を配合した以外は、実施例12と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0192】
比較例9
実施例9で得られたシリカ造粒物に代えて、比較例7で得られたシリカ造粒物を配合した以外は、実施例12と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0193】
<評価>
(比重・加硫速度)
各実施例および各比較例で得られたゴム組成物の比重および加硫速度(加硫時間)を、上記した方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0194】
(補強性(機械強度))
各実施例および各比較例で得られたゴム組成物を用いて、JIS3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、JIS K6251(2004年)に準拠して、引張速度500mm/分で引っ張り試験した。そして、100%モジュラス(M100)[MPa]、200%モジュラス(M200)[MPa]、および、300%モジュラス(M300)[MPa]を、室温にて測定した。その結果を、表2に示す。
【0195】
(低燃費性)
各実施例および各比較例で得られたゴム組成物を測定サンプルとし、動的粘弾性測定装置Rheogel−4000(レオロジ社製)を用いて、各測定サンプルのtanδの最大値を、試料幅5mm、温度60℃、周波数10Hz、初期歪み2mmで測定した。なお、tanδの最大値が低いほど、低燃費性に優れるものと判断した。その結果を、表2に示す。
【0196】
【表2】
【0197】
・乾燥および造粒方法を変更
<シリカ造粒物の製造>
実施例15
市販の珪酸ソーダと純水とを、珪酸ソーダの濃度が5%となるように混合した。次いで、22質量%硫酸を中和率が100%になるまで加えることにより、湿式シリカを得た。
【0198】
そして、得られた湿式シリカを、繰り返し濾過および洗浄し、シリカ濃度24質量%のシリカスラリーを調製した。
【0199】
その後、得られたシリカスラリー417質量部に、ロジン系樹脂として、ロジンのエチレンオキシド付加物(ロジンのポリエチレングリコール(エチレンオキサイド平均付加モル数:30)によるエステル化物、REO−30、ハリマ化成社製)5質量部を添加し、混合スラリーを調製した。
【0200】
次いで、得られた混合スラリーを、スプレードライヤーPJ−MiniMax(パウダリングジャパン製)により、入口温度250℃、出口温度118℃の条件で噴霧乾燥させ、乾燥粒体として、シリカ造粒物を得た。
【0201】
シリカ造粒物の平均粒子径は71μm、含水率は4.6質量%であった。
【0202】
比較例10
ロジン系樹脂を配合しなかった以外は、実施例15と同様にして、シリカ造粒物を得た。
【0203】
シリカ造粒物の平均粒子径は122μm、含水率は4.8質量%であった。
【0204】
<ゴム組成物>
実施例16
実施例9で得られたシリカ造粒物に代えて、実施例15で得られたシリカ造粒物を配合した以外は、実施例12と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0205】
比較例11
実施例9で得られたシリカ造粒物に代えて、比較例10で得られたシリカ造粒物を配合した以外は、実施例12と同様にして、ゴム組成物を得た。
【0206】
<評価>
(比重・加硫速度・機械強度・低燃費性)
各実施例および各比較例で得られたゴム組成物の比重、加硫速度(加硫時間)、機械強度(補強性(引張強さ))および低燃費性(tanδ)を、上記した方法で測定した。その結果を、表3に示す。
【0207】
【表3】
【0208】
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本発明のシリカ造粒物、ゴム組成物、シリカ造粒物の製造方法およびゴム組成物の製造方法は、シリカの充填率や加硫速度が要求される各種ゴム成形品の製造に用いられ、とりわけ、低燃費性の車両のタイヤの製造において、好適に用いられる。また、本発明のタイヤは、低燃費性の車両のタイヤとして、好適に用いられる。
図1
図2
図3