(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6503387
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】仮想上位機器に基づく数値制御システム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/414 20060101AFI20190408BHJP
【FI】
G05B19/414 N
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-575824(P2016-575824)
(86)(22)【出願日】2015年6月12日
(65)【公表番号】特表2017-520853(P2017-520853A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】CN2015081292
(87)【国際公開番号】WO2016145738
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2016年12月28日
(31)【優先権主張番号】201510111457.4
(32)【優先日】2015年3月13日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512007144
【氏名又は名称】華中科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、 ジャンジョン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、 ビンヤン
(72)【発明者】
【氏名】フイ、 エンミン
(72)【発明者】
【氏名】ディング、 ガオタオ
(72)【発明者】
【氏名】ルー、 ヨンリン
【審査官】
松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第102736553(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第104298175(CN,A)
【文献】
特開2007−026171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18−19/416
G05B 19/42−19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位機器を仮想マシンとして遠隔サーバに設けて仮想上位機器を形成し、前記仮想上位機器と、ローカルに位置する下位機器との配置を利用して、上・下位機器の構成を形成し、かつ両者のインタラクションにより工作機械の加工制御を実現する、仮想上位機器に基づく数値制御システムであって、
前記数値制御システムが、遠隔サーバに設けた仮想上位機器と、ローカルに位置する数値制御システム下位機器と、ヒューマンマシンインタラクションのためのヒューマンマシンインタフェース装置とを備え、前記仮想上位機器とヒューマンマシンインタフェース装置との間、および仮想上位機器とローカル下位機器との間が、ネットワークで接続され、
前記ヒューマンマシンインタフェース装置は、ヒューマンマシンインタラクション入力/出力インタフェースを提供し、数値制御加工指令が前記ヒューマンマシンインタフェース装置により入力され、
前記仮想上位機器には、第三者ソフトウェアを集積することができると共にヒューマンマシンインタラクションを実現するヒューマンマシンインタフェースモジュールと、数値制御加工のノンリアルタイム/半リアルタイムなタスクを実行するノンリアルタイム/半リアルタイムタスク実行ユニットと、工作機械の加工を制御する下位機器制御ユニットとが集積され、前記仮想上位機器は、前記ヒューマンマシンインタフェースモジュールを介して前記ヒューマンマシンインタフェース装置で入力された数値制御加工指令を受け取り、かつノンリアルタイム/半リアルタイムタスク実行ユニットにより処理を行って工作機械の制御指令を形成し、さらに下位機器制御ユニットにより、ネットワークを介して制御データをローカル下位機器に伝送し、
前記数値制御加工のノンリアルタイム/半リアルタイムなタスクは速度プランニングを含み、
前記ローカル下位機器は、仮想上位機器から提供された制御データを受け取って、工作機械を制御して、リアルタイムな動作制御および論理制御を実行し、
ここで、一台の遠隔サーバにおける仮想上位機器は複数であり、前記各仮想上位機器は前記遠隔サーバにおいて相互に独立し、前記複数の仮想上位機器は複数のローカル下位機器にそれぞれ対応し、前記数値制御システムには、複数のヒューマンマシンインタフェース装置を設け、複数のヒューマンマシンインタフェース装置はそれぞれネットワークを介して前記仮想上位機器と接続されて、ヒューマンマシンインタフェースを提供し、同一の仮想上位機器に対応する複数のヒューマンマシンインタフェース装置で表示されるインタフェースは同期され、
前記仮想上位機器は、所在する遠隔サーバによりバックアップを行い、前記仮想上位機器は、前記遠隔サーバ上にシステムバックアップユニットを設けており、前記仮想上位機器に逆転できない故障が発生したときには、バックアップユニットからスピーディに回復し、
前記仮想上位機器は、前記ローカル下位機器のフィードバック信号を受け取ることを特徴とする仮想上位機器に基づく数値制御システム。
【請求項2】
前記ヒューマンマシンインタフェース装置で表示されるインタフェースは、仮想インタフェースであり、当該仮想インタフェースは前記ヒューマンマシンインタフェース装置により仮想上位機器から対応する情報を受け取った後に描画生成され、実質的には仮想上位機器インタフェースのコピーである請求項1に記載の仮想上位機器に基づく数値制御システム。
【請求項3】
前記ヒューマンマシンインタフェース装置での仮想インタフェースの描画生成が、矩形領域リフレッシュの方式を用いて実現される請求項1または請求項2に記載の仮想上位機器に基づく数値制御システム。
【請求項4】
前記ヒューマンマシンインタフェース装置は、複数の異なる仮想上位機器に対応するヒューマンマシンインタフェースを同時に稼働させる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の仮想上位機器に基づく数値制御システム。
【請求項5】
前記ヒューマンマシンインタフェース装置は、ローカルまたは非ローカルでネットワークが到達可能な位置に配置される請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の仮想上位機器に基づく数値制御システム。
【請求項6】
前記ヒューマンマシンインタフェース装置が、携帯式端末である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の仮想上位機器に基づく数値制御システム。
【請求項7】
前記仮想上位機器に集積されたヒューマンマシンインタフェースモジュールが、クロスプラットフォーム特性を備え、これにより仮想上位機器のシステムが、Windows(登録商標)、Linux(登録商標)またはAndroid(登録商標)等である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の仮想上位機器に基づく数値制御システム。
【請求項8】
前記ヒューマンマシンインタフェース装置の表示インタフェースは、前記仮想上位機器のデスクトップ分解能に基づいて調整され、異なるサイズの表示装置に適応して最適な表示効果が達成される請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の仮想上位機器に基
づく数値制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御システムの技術分野に属し、具体的には仮想上位機器に基づく数値制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
数値制御工作機械は、フレキシブルで、高性能、かつ高精度の自動化工作機械であり、複雑、精密、小ロット、多品種の部品の加工における問題を良好に解決でき、一般に数値制御システム、工作機械本体および他の補助装置などで構成されている。数値制御システムは数値制御工作機械全体の核心であり、位置(軌跡)、速度、トルク制御が一体化され、コード指令に基づいて数値制御機能の一部または全部を実行し、一台または複数台の機械装置の動作制御を実現する。
図1に示したように、一般的な数値制御システムは、入力/出力装置、数値制御装置、プログラマブルコントローラ(PLC)、サーボシステム、検出フィードバック装置等で構成され、このうち数値制御装置は数値制御システムの中枢である。
【0003】
数値制御装置には、表示モジュール、入力/出力モジュール、デコーダ、モーションプランナー、軸モーションコントローラ、メモリ等を含むことができる。このうち表示モジュールは、ヒューマンマシンインタフェースの重要な媒体であり、ユーザに直観的な操作環境を提供する。入力/出力モジュールは、数値制御装置が外部とデータや情報の交換を行うインタフェースであり、数値制御加工プログラム、制御パラメータ、補償量等のデータの入力およびサーボ駆動、軌跡制御等の情報の出力が含まれる。デコーダは主に、数値制御加工プログラムのプログラムセグメントの復号処理に用いられる。モーションプランナーは主に、速度処理および補間演算を完成させる。軸モーションコントローラは、数値制御装置とサーボ駆動システムのインタフェースモジュールであり、主に位置制御を担う。メモリは部品の加工プログラム、システムの配置パラメータおよびシステムの固有データ等の情報の保存を担う。
【0004】
現在、国内外で主流のハイグレードな数値制御システムのソフト・ハードウェア体系は、上・下位機器の構造であるものが多く、上位機器がシステムのノンリアルタイムなタスクを担い、下位機器がシステムのリアルタイムな動作制御と論理制御のタスクを担っている。上・下位機器の構造は、数値制御分野での利用がすでに十分に成熟しており、その通信と制御は比較的容易に実現され、上・下位機器の構造に基づく数値制御システムは分散型の特徴を備えて、ユーザによる二次開発と自主的なアップグレードをある程度サポートしている。従来の数値制御システムの構成では、上位機器と下位機器は一般に工作機械の周辺に設置され、かつそれぞれに産業用コンピュータが配置され、2つの産業用コンピュータはバスまたはネットワークにより接続されて通信を実現している(
図2参照)。
【0005】
数値制御加工分野の現状によれば、数値制御システムの機能と性能に対するユーザの要求は徐々に厳しさを増しており、従来の単体構造であるか、あるいは上・下位機器の構造であるかを問わず、いずれも生産コストを維持または削減する一方で、いかにして数値制御システムの性能とサービス能力を向上させるかという同じ課題を抱えている。近年、数値制御システムにおいて益々複雑化する計算プロセスや知能化機能の集積要求のために、数値制御装置のカーネルと内部メモリに対する要件が一層厳しくなり、生産コストを上昇させる圧力になっている。従来の上・下位機器体系の構造も、数値制御システムの開発やグレードアップの難度を一定程度増加させ、数値制御技術の発展を停滞させている。もう一つの関連する問題は、数値制御システムの複雑な機能を、作業場の騒がしい混乱した環境下で工作機械の操作者が効果的に操作することは困難であり、リソースの浪費につながり、企業の生産効率に影響している。
【0006】
現在、こうした従来の上・下位機器体系の構造では、数値制御システムの知能化技術が、益々複雑化する製造プロセスに適応することは難しく、数値制御システムが知能化、デジタル化へと発展する際の主要なボトルネックとなり、数値制御システムの性能改善に大きな困難が生じている。
【0007】
出願人は、先願の中国特許出願公開第104298175号明細書において、ローカルに設けた数値制御装置と、遠隔に設けられ、ローカルの数値制御装置とネットワークで接続され、数値制御システムに、高速プログラミング、データ収集と処理、Gコードの質量分析と最適化等のハイエンドの付加価値機能サービスを提供するとともに、従来の上・下位機器の数値制御システムにおける一部のノンリアルタイムなタスク、例えばデコーディング、加工シミュレート、入力/前処理等を担うことができるサービス側とを備えた仮想化技術に基づく数値制御システムを開示した。サービス側と数値制御装置は、前記数値制御装置に設置された遠隔デスクトップクライアントにより相互接続を実現し、当該クライアントは数値制御装置システム上で稼働し、仮想技術を用いて操作者により数値制御装置のヒューマンインタフェース装置上でサーバを仮想操作することで、サービス側に対する遠隔操作制御を実現し、両者の協働により知能化ソフトウェアサービスの使用と数値制御加工制御を実現する。
【0008】
当該技術手段では遠隔サーバの構想を採用し、遠隔サーバを設けることにより、数値制御システムにハイエンドのインテリジェンスな機能サービスを提供するとともに、従来の数値制御システム上位機器の一部のノンリアルタイムな機能を、遠隔サーバに移行して処理することができ、こうして数値制御システムのサービス能力および加工処理性能を向上させている。しかしながら、上記手段における数値制御システムは、実質的には従来の上・下位機器の構成であり、それにサービス側を追加して、数値制御システムに第三者サービスを提供しているにすぎず、従来の構成から抜け出たものではなかった。こうした構成は、機能上は数値制御システムに一定の拡張性能を持たせることができるが、多くの欠点も存在する。先ず、加工に関する大部分の計算(補間、速度プランニング等)がローカルで完成されるため、数値制御システムの加工性能と効率が大きく向上することはなかった。次に、ヒューマンマシンインタフェースユニット(HMI)は依然としてローカルに位置するため、操作者は必ず現場でなければ数値制御加工操作を行うことはできず、広く求められる遠隔加工制御が大きく制限される事態が存在していた。さらに、ヒューマンマシンインタフェースモジュールがローカル数値制御装置に集積され、HMIの機能開発と性能向上が、ローカルのソフト・ハードウェアリソースに制約され、数値制御システムの発展を大きく阻害していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の上記欠点または改良ニーズに対し、数値制御システムの上位機器を仮想マシンの形式で遠隔サーバ内に設けて仮想上位機器を形成することにより、数値制御システムの上・下位機器の構成に対する完全に新しい設計を実現し、既存の数値制御システムに存在するデータ処理能力、HMI機能拡張および遠隔加工が制約される問題を解決する、仮想上位機器に基づく数値制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を実現するため、本発明によれば、仮想化技術を用いて、上位機器を仮想マシンの形式で遠隔サーバ内に設けて仮想上位機器を形成し、当該仮想上位機器と、ローカルに位置する下位機器(以下「ローカル下位機器」と称する)との配置を利用することにより、完全に新しい上・下位機器の構成を形成し、かつ両者のインタラクションにより、工作機械加工制御を完成させる、仮想上位機器に基づく数値制御システムを提供し、当該数値制御システムが主に、遠隔サーバに設けた仮想上位機器と、ローカルに位置する数値制御システム下位機器と、ヒューマンマシンインタラクションのためのヒューマンマシンインタフェース装置とを備え、前記仮想上位機器とヒューマンマシンインタフェース装置との間、および仮想上位機器とローカル下位機器との間が、いずれもネットワークで接続されることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記ヒューマンマシンインタフェース装置は、ヒューマンマシンインタラクション入力/出力インタフェースを提供し、数値制御加工指令は当該ヒューマンマシンインタフェース装置によって入力される。前記仮想上位機器には、ヒューマンマシンインタラクションを実現するヒューマンマシンインタフェースモジュールと、数値制御加工のノンリアルタイム/半リアルタイムなタスク(デコーディング、オフライン速度プランニング等)を実行するノンリアルタイム/半リアルタイムなタスク実行ユニットと、工作機械の加工を制御する下位機器制御ユニットとが集積され、当該仮想上位機器は、前記ヒューマンマシンインタフェースモジュールにより前記ヒューマンマシンインタフェース装置で入力された数値制御加工指令を受け取って、そのうちのノンリアルタイム/半リアルタイムタスク実行ユニットにより処理を行って、工作機械制御指令を形成し、さらに下位機器制御ユニットにより、ネットワークを介して制御データをローカル下位機器に伝送する。前記ローカル下位機器は、仮想上位機器が提供した制御データを受け取り、さらに工作機械を制御してリアルタイムの動作制御および論理制御を実行する。
【0012】
本発明は仮想化技術を用いて、ヒューマンマシンインタフェースモジュールを遠隔サーバの仮想マシンに配置し、仮想上位機器を形成して、従来のローカル数値制御システムの上位機器に代替し、かつネットワークを介してローカル数値制御システムの下位機器とインタラクションを行い、仮想化技術に基づく完全に新しい数値制御システムの上・下位機器体系の構成を確立し、従来の数値制御システムのソフト・ハードウェア体系による、システムの加工性能や機能の向上に対する制約を打破し、ローカルの数値制御装置を簡素化し、数値制御システムのサービス性能と生産コストとの間の矛盾を大きく減少させ、作業場における数値制御システムの保守の難度と企業の生産コストを低下させる。
【0013】
本発明の改良として、前記ヒューマンマシンインタフェース装置に遠隔デスクトップクライアントを集積し、前記遠隔サーバ内に集積された遠隔デスクトップサービス側と情報のインタラクションを行うようにしてもよい。
【0014】
本発明の改良として、前記ヒューマンマシンインタフェース装置で表示されるインタフェースは仮想インタフェースであり、前記ヒューマンマシンインタフェース装置により、仮想上位機器から上位機器のデスクトップ画像情報を取得した後に再描画して生成され、実質的には仮想上位機器デスクトップのコピーである。
【0015】
本発明の改良として、前記一台の遠隔サーバ内の仮想上位機器は複数台であってもよく、それぞれローカルに位置する複数の下位機器に対応させて、一台の遠隔サーバが同時に複数のローカル下位機器にサービスを提供できるようにする。
【0016】
本発明の改良として、当該同一の数値制御システムには、複数のヒューマンマシンインタフェース装置を設けてもよく、それぞれがネットワークを介して前記仮想上位機器に接続して、ヒューマンマシンインタフェースを提供し、かつ同一の仮想上位機器に対応する複数のヒューマンマシンインタフェース装置はインタフェースを同期表示する。
【0017】
本発明の改良として、前記ヒューマンマシンインタフェース装置は、ローカルに位置するかまたは非ローカルのネットワークが到達可能な他のいずれかの位置に位置してもよい。
【0018】
本発明の改良として、前記ヒューマンマシンインタフェース装置は、携帯式端末であってもよい。
【0019】
本発明のヒューマンマシンインタフェース装置は、簡単なヒューマンマシンインタラクションタスクのみを担い、即ち、出力およびユーザ指令(マウス、キーボードなど)の入力を表示し、制御指令の応答およびローカル下位機器の直接制御には参加せずに、ユーザ指令を仮想上位機器にフィードバックして処理させる。操作者は、上記ヒューマンマシンインタフェース装置で提供されるヒューマンマシンインタフェースで加工操作を行うとき、遠隔サーバと仮想上位機器の存在を意識することがなく、操作方式は従来の数値制御システムの操作と同じであり、従来の数値制御操作との高度な互換性、および操作のローカル化が実現される。
【0020】
本発明は、仮想上位機器とヒューマンマシンインタフェース装置との間のリアルタイムな画像データの伝送において、好適にはデータの軽量化技術を利用し、一般的な産業帯域で要求を満たすことができるとともに、ヒューマンマシンインタフェースの即時リフレッシュの速度の問題を解決するため、好適には矩形領域リフレッシュの方法を用いることで、操作者のユーザエクスペリエンスを十分に保証する。
【0021】
本発明において、ヒューマンマシンインタフェースモジュールは仮想上位機器をキャリアとし、第三者ソフトウェアを容易に集積することができ、数値制御システムにハイエンドの知能化サービスを提供する。好適には、前記ヒューマンマシンインタフェースモジュールは、アプリケーションソフトウェアの方式で仮想上位機器内に集積され、クロスプラットフォーム特性を備え、移植性能が高い。ヒューマンマシンインタラクティブソフトウェアは起動時に、ローカル下位機器とのネットワーク接続の構築を主動的に請求し、かつ仮想上位機器のデスクトップサイズを取得して、仮想ヒューマンマシンインタフェースの分解能を自動調整し、クライアントにおける最適な表示効果の達成を保証する。
【0022】
本発明では、遠隔に設けたサーバを仮想上位機器のホストとし、高性能のカーネル、弾性的な内部メモリとハードディスク空間、および強大な計算能力等を仮想上位機器に提供し、数値制御システム上位機器の加工性能が好適に改善される。
【0023】
本発明において、前記仮想上位機器に基づく数値制御システムは、仮想上位機器に対し、遠隔サーバ上にシステムバックアップユニットを設けており、仮想上位機器に逆転できない故障が発生したときには、バックアップユニットからスピーディな回復が可能であり、こうして数値制御システム全体の信頼性が向上する。
【発明の効果】
【0024】
総合的に、本発明の構想による上記技術手段は、従来技術に比べ、次のような有益な効果を有する。
【0025】
(1)本発明は、完全に新しい数値制御システム体系の構成を提案し、当該構成は仮想化技術を用いて、従来の数値制御システムの上・下位機器の構造に対し再配置を行い、仮想上位機器でローカル上位機器に代替し、かつローカル下位機器とともに完全に新しい数値制御システムの上・下位機器構成を構築し、ローカル数値制御装置を簡素化し、企業の生産コストおよび数値制御システムの保守難度を大きく低減する。
【0026】
(2)本発明の上記体系の構成により、数値制御システム上位機器は機能開発および性能向上に際し、ローカルのソフト・ハードウェアリソースに制約されることがなく、かつ遠隔サーバの強大なソフト・ハードウェアリソースと計算性能に依拠して、上位機器のデータ処理能力を向上させ、数値制御システムの加工性能を改善することができる。
【0027】
(3)本発明の前記ヒューマンマシンインタフェースモジュールは、特定の操作システムに依拠することがなく、新たな環境または操作システム上での稼働ニーズがある場合、モジュールの移植を容易に完成させることができる。
【0028】
(4)本発明における仮想上位機器は、所在する遠隔サーバ上にシステムバックアップユニットが設けられ、上位機器に逆転できない故障が発生したときは、バックアップユニットからスピーディな回復が可能であり、数値制御システムの信頼性が向上する。
【0029】
(5)本発明は仮想化技術に基づき、数値制御工作機械の加工ニーズに応じて、仮想上位機器に分配、拡張または仮想ソフト・ハードウェアリソースのアップグレードを弾性的に行い、数値制御システムの拡張性およびリソース利用率を大きく向上させることができる。
【0030】
(6)本発明は仮想化技術により、遠隔デスクトップクライアントが、PC、タブレットPC、携帯電話など所望のヒューマンマシンインタフェース装置上で集積を行えるようにし、数値制御加工プロセスがモニタ装置とモニタリングの場所に制約されずに、工作機械加工の信頼性と生産効率を間接的に向上させることを実現する。
【0031】
(7)本発明における仮想上位機器は、第三者ソフトウェアを容易に集積することができ、既存の数値制御システムの上・下位機器の構成では、数値制御システムの知能化、多機能化に向けた発展が制約されている現状を改善し、数値制御システムのサービス能力を向上するとともに、操作者が実際のニーズに応じて、数値制御システムの機能拡張を自ら行うために条件を提供している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、従来技術における数値制御システムと工作機械の構造を示す構造図である。
【
図2】
図2は、従来技術における数値制御システムの上・下位機器の構造図であり、上位機器はHMIであって、システムのノンリアルタイムなタスクを担い、下位機器はNCUおよびPLCであって、システムのリアルタイムな動作制御と論理制御を担う。
【
図3】
図3は、本発明の実施例による仮想上位機器に基づくローカル式数値制御システムの構造概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例による仮想上位機器に基づく遠隔式数値制御システムの構造概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例による仮想上位機器に基づく数値制御システムにおける操作者のローカル下位機器に対する制御フローを示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の目的、技術手段および利点をさらに明確にするため、次に図面を参照して実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。なお、ここに記載された具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものであって、本発明を限定するものではない。
【0034】
本発明の実施例で提供される典型的なモードは
図3に示したとおりであり、当該モード下の数値制御構成には、仮想上位機器、ローカル下位機器、およびローカル数値制御表示装置を含み、本実施例ではそれをローカル式数値制御システムと称する。ここで、仮想上位機器は遠隔サーバ上で稼働し、数値制御システムのノンリアルタイム/半リアルタイムなタスクを担い、これには高速プログラミング、デコーディング、Gコードのシミュレートと最適化、オフライン速度プランニング、および加工データの分析と保存等が含まれ、かつ制御データをローカル下位機器に提供する。ローカル下位機器は、仮想上位機器が提供する制御データを受け取って、システムのリアルタイムな動作制御と論理制御を実行するタスクを担う。ローカル数値制御表示装置は、ローカルにて操作者に仮想のヒューマンマシンインタフェースを提供し、かつユーザ指令を仮想上位機器に送信して処理させることを担う。
【0035】
上記モードでは、数値制御システムがローカルにおいて下位機器と簡単な表示装置のみを保留し、これにより数値制御システムのローカルのソフト・ハードウェアデバイスが大幅に簡素化され、企業の生産コストと数値制御システムの保守難度が低下する。操作者は、ローカルの数値制御表示装置上で加工操作する際、遠隔サーバおよび仮想上位機器の存在を意識することがなく、従来の数値制御システムを操作するのと同じであり、即ち当該モードは、遠隔操作のローカル化方式を用いて従来の加工操作方式との互換性を有する他、数値制御システムの知能化レベルを増強するとともに、数値制御システム上位機器のデータ処理能力を引き上げることで、工作機械の加工性能を改善する。
【0036】
本発明の実施例で提供される別の典型的なモードは
図4に示したとおりであり、当該モード下のヒューマンマシンインタフェース装置は、ローカル数値制御表示装置ではなく、非ローカルでネットワークが到達可能な表示端末であり、これにはPC、タブレットPC、携帯電話等が含まれ、操作者は、仮想上位機器にリモートアクセスすることにより、数値制御加工の遠隔モニタリングを実現し、したがって本発明では、当該モード下の数値制御システムを、遠隔式数値制御システムと称する。当該モードでは、数値制御システムがローカルに下位機器のみを保留することを許可し、ローカルの数値制御装置をさらに簡素化し、また、ヒューマンマシンインタフェース装置はネットワークが到達可能な任意の位置に設置可能であるため、操作者は騒がしい作業場の業務環境を避けて、加工操作の精度を向上させることができる。
【0037】
図5は、ヒューマンマシンインタフェース装置のローカル下位機器に対する遠隔制御フローであり、操作者は、遠隔ヒューマンマシンインタフェース装置により工作機械の加工プロセスを直接制御しているが、表面的には、バックグラウンドで稼働する遠隔サーバおよび仮想上位機器を意識することがない。
【0038】
上記2つの実施例における仮想上位機器は、いずれも遠隔サーバをキャリアとし、サーバの強大なソフト・ハードウェアリソースに依拠しており、制御性能とシステム拡張性において、数値制御システムの上位機器を大きく改良し、数値制御システムのサービス能力と加工効率を向上させ、企業の生産コストを削減する。
【0039】
仮想上位機器に設けられるヒューマンマシンインタフェースモジュールは、ソフトウェアを用いる方式で集積され、ヒューマンマシンインタフェース装置に仮想のヒューマンマシンインタフェースを提供することを担い、その具体的な動作プロセスは以下のとおりである。
【0040】
(1)ヒューマンマシンインタフェース装置が仮想上位機器にログオン請求を送信する。
【0041】
(2)仮想上位機器は、自己デスクトップ画像情報をヒューマンマシンインタフェース装置に送信する。
【0042】
(3)ヒューマンマシンインタフェース装置は、仮想上位機器から伝送されたデスクトップ画像情報に基づいて、それを自己の画面上に再描画する。
【0043】
(4)上記ヒューマンマシンインタフェース装置の画面上の仮想インタフェースにより、仮想上位機器に対しヒューマンマシンインタラクションのアプリケーションプログラムの起動を指令する。
【0044】
(5)仮想上位機器内のヒューマンマシンインタラクションのアプリケーションプログラムが、ローカル下位機器とネットワーク接続を構築する。
【0045】
(6)仮想上位機器に数値制御加工インタフェースが出現し、かつ当該インタフェースの更新情報がヒューマンマシンインタフェース装置に送信される。
【0046】
(7)ヒューマンマシンインタフェース装置は、上位機器インタフェースの更新情報に基づいて、自己が出力した仮想インタフェースを即時更新し、ユーザに仮想の数値制御加工操作インタフェースを提供する。
【0047】
(8)ユーザは、ヒューマンマシンインタフェース装置上の仮想ヒューマンマシンインタフェースによって、従来の数値制御システムの操作と同じように加工操作を行う。
【0048】
加工操作プロセスにおいて、仮想上位機器のデスクトップ画像に変化が生じた場合、更新情報をヒューマンマシンインタフェース装置に送信して、仮想のヒューマンマシンインタフェースをリアルタイムにリフレッシュする。
【0049】
上記情報から分かるように、ユーザが操作するヒューマンマシンインタフェース(HMI)は実質的には一枚の「画像」にすぎず、当該「画像」は仮想上位機器デスクトップ画像のコピーである。ヒューマンマシンインタフェース装置はユーザ指令を受け取り、ユーザ指令を仮想上位機器にフィードバックすることのみを担い、仮想上位機器によりユーザ指令が処理され、その後、制御信号を形成してローカル下位機器に送信し、かつデスクトップ画像の更新情報がヒューマンマシンインタフェース装置に送信される。従って、ヒューマンマシンインタフェース装置が加工制御に直接参加することはなく、仮想上位機器を介して間接的に実現される。
【0050】
本実施例において、ヒューマンマシンインタフェースモジュールはQML技術を用いて開発されることが好ましい。QMLは描写的なスクリプト言語であり、JavaScript(登録商標)形式のプログラミング制御をサポートし、主にユーザインタフェースを主とするアプリケーションプログラムの開発に用いられ、クロスプラットフォームを有し、移植性が強く、開発サイクルが短く、拡張性が高く、開発されるインタフェースがスムーズであるといった利点を有する。本発明におけるヒューマンマシンインタフェースモジュールは、Windows(登録商標)、Linux(登録商標)等のシステム上でスピーディにインストールされ、特定の操作システムや配置環境に依存しない。ヒューマンマシンインタフェースアプリケーションプログラムは起動プロセスにおいて、ローカル下位機器とのネットワーク接続の構築を主動的に請求し、接続すると、HMIインタフェースが正常に表示され、表示されない場合は起動の失敗であり、両者がネットワーク接続されると、ヒューマンマシンインタフェースモジュールは仮想上位機器インタフェースの分解能に基づいて、自己の表示サイズを自動調整し、最適な表示効果を保持して、操作者のアプリケーションエクスペリエンスを十分に保証する。上記ヒューマンマシンインタフェースモジュールは、仮想上位機器をキャリアとし、第三者ソフトウェアを容易に集積することができ、このことは従来の数値制御システムの計算性能を改善するとともに、数値制御システムの機能を柔軟に拡張することができ、数値制御システムのサービス能力を向上させ、また操作者が実際のニーズに応じて数値制御システムの機能を自ら拡張するために条件を提供し、数値制御システムが様々な応用分野と現場の加工ニーズに柔軟に適応できるようにする。
【0051】
工作機械の加工の安全性を保証するため、各仮想上位機器が対応するのは唯一のローカル下位機器であり、即ち、仮想上位機器とローカル下位機器は一対一で対応させ、仮想上位機器が、対応する工作機械の加工ニーズに基づいて自己のリソースを個性化配置できるようにし、これにはカーネルの性能、内部メモリ、ハードディスク空間、所望の第三者ソフトウェアベース等が含まれる。遠隔サーバは仮想上位機器のホストであり、一台のサーバに一つの仮想上位機器のみが配置される場合、一台のサーバは一台のローカル下位機器にしかサービスを提供することができず、これはリソースの大きなロスとなるだけでなく、企業の生産コストを増大させることにもつながる。したがって本発明では、一台のサーバに複数の仮想上位機器を設け、各仮想上位機器はリソース上で相対的に独立を保持するようにし、こうして一台のサーバで、複数台のローカル下位機器に同時にサービスを提供することができる。また、従来の上・下位機器構成下の数値制御システムでは、一セットの数値制御システムに少なくとも一台のヒューマンマシンインタフェース装置を配置する必要があったが、本発明では、一台のヒューマンマシンインタフェース装置が、遠隔デスクトップクライアントを介して複数の仮想ヒューマンマシンインタフェースを同時に稼働させることができ、こうして
図4に示したように、一台のヒューマンマシンインタフェース装置で、複数セットの数値制御システムにサービスを提供可能とし、企業の生産コストをさらに低減させるとともに、作業場の数値制御加工の統一的なモニタリングと管理にも有利になる。
【0052】
従来の数値制御システムの上・下位機器構成下では、上位機器に逆転できない故障が発生した場合、数値制御システム全体がマヒ状態に陥ったが、本発明では、仮想上位機器のために遠隔サーバ上に上位機器システムバックアップユニットが設けられ、上位機器に故障が発生した場合、バックアップシステムからスピーディな回復が可能であり、数値制御システムの信頼性が向上する。本発明において、仮想上位機器の仮想カーネル性能、内部メモリリソース、および磁気ディスク空間は、いずれもローカル下位機器の加工ニーズに基づいて配置され、サーバリソースが十分かつ有効に利用されることを保証する。また、一台のサーバに構築された仮想上位機器は、全ての仮想上位機器が担う可能性がある総負荷量に基づいて配置され、サーバが過負荷の状態で稼働することがないようにして、数値制御システム全体の安定性を保証する。本発明において、仮想上位機器が一定時間内にヒューマンマシンインタフェース装置またはローカル下位機器のフィードバック信号を受け取らなかった場合は、自動的にスリープモードに移行し、サーバの作動リソースを減少させて、スリープでない仮想上位機器の稼働性能を向上させ、ヒューマンマシンインタフェース装置またはローカル下位機器のサービス請求を受け取ったときは、直ちに「覚醒」し、正常な稼働モードに移行する。
【0053】
仮想上位機器とヒューマンマシンインタフェース装置との間には、リアルタイムな画像データの伝送とリフレッシュが存在する。このため、一般的なリアルタイムの画像データ伝送方式では、大量の作業場ネットワーク帯域を占有し、これにより制御データの伝送に影響し、数値制御加工の精度と安定性に影響するが、本実施例では好適にはデータの軽量化技術を用いて、リアルタイムに伝送される画像データを圧縮し、リアルタイムな画像データの作業場ネットワーク帯域に対する占有率を大幅に減少させ、一般的な作業場ネットワークでニーズを満たせるようにする。クライアントのリアルタイムな画像インタフェースを、リアルタイムにリフレッシュする速度の問題を解決することにおいて、本発明は、好適には矩形領域リフレッシュの方法を使用し、即ち仮想上位機器は、デスクトップ全体の画像情報ではなく、変更領域をカバーする最小矩形域の画像情報のみを、ヒューマンマシンインタフェース装置に送信し、ヒューマンマシンインタフェース装置は、仮想上位機器から送信された更新情報に基づいて、変更されたインタフェース領域を対応的にリフレッシュし、こうしてリアルタイムデータの伝送量を低減するとともに、仮想ヒューマンマシンインタフェースのリフレッシュ速度をアップさせ、操作者のアプリケーションエクスペリエンスを十分に保証する。
【0054】
本発明において、仮想化とは、アプリケーションソフトウェアを仮想のソフト・ハードウェアプラットフォーム上で稼働させることを意味し、仮想化技術はソフト・ハードウェアのコストを低減させるとともに、数値制御システムの性能、機能および知能化レベルを顕著に向上させることができる。サーバ仮想化技術により、数値制御システムの上位機器の仮想化を実現することは、上記問題の解決に最も有効な方法であり、即ち、仮想化技術を用いて、ヒューマンマシンインタフェースモジュールを遠隔サーバの仮想マシン上に配置し、仮想上位機器を形成して、従来のローカル上位機器に代替する。上位機器仮想化技術の数値制御加工分野における利用は、数値制御技術のハイエンドの知能化に向けた発展を大きく推進し、その応用分野における不断の進歩を間接的に促す。実際に、仮想化技術の応用は、数値制御システムの安定性に容易に影響し、数値制御システムの故障率や試験難度を増大させ、数値制御加工の精度に影響を及ぼすこともありる。したがって、数値制御システムの安定性と加工精度を保証することは、仮想化を数値制御加工分野に応用する上で最大の技術的難題である。リアルタイムな画像データの伝送と処理も、上位機器の仮想化を実現する上での難題の一つであり、リアルタイムな画像データの伝送は、ネットワーク帯域の占有率が大きいため、リアルタイムな加工制御データの伝送に影響し、数値制御加工の効率を低下させ、操作者のアプリケーションエクスペリエンスを保証することが難しい。数値制御システムのヒューマンマシンインタフェースの開発は敷居が高く、開発者は、数値制御システムの構成を深く理解しなければならない。また、既存の数値制御システムのヒューマンマシンインタフェースモジュールは、特定の操作システムに依存しているため、新たな環境または操作システムにおける稼働が求められると、大量の労力を費やして修正や移植を行わねばならないことがよくあり、非クロスプラットフォームのアプリケーションプログラムのフレーム、特定の操作システムのAPI、非クロスプラットフォームの第三者ベース等の要素は、いずれもヒューマンマシンインタフェースモジュールのクロスプラットフォーム開発を阻害し、上位機器の仮想化の開発にも大きな難題をもたらす。本発明で提示された仮想上位機器に基づく数値制御システムは、具体的には、QML技術を用いて、ヒューマンマシンインタフェースモジュールが特定の操作システムに依存する問題を解消することができ、リアルタイムな画像データの伝送では、データの軽量化技術により、高圧縮量のデータ圧縮方法を用いて、作業場ネットワーク帯域に対する占有率を低下させることができる。リアルタイムな画像の再描画に対し、本発明の構成では、フレームバッファ技術と矩形領域リフレッシュ方法を用いることで、操作者のアプリケーションエクスペリエンスが十分に保証される。また、数値制御加工データの伝送と、操作者の仮想上位機器に対する請求信号とが衝突するときには、仮想上位機器が加工データを優先的に処理するように設定することで、数値制御加工の信頼性と効率を保証することができる。本発明ではさらに、仮想マシンクラスタの負荷均衡最適化技術および上位機器システムバックアップ手段を用いて、数値制御システムの安定性を保証している。
【0055】
当業者には容易に理解されることであるが、上記は本発明の好適な実施例であるにすぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神および原則の範囲内で施されるあらゆる修正、同等の置換および改良等は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。