特許第6503417号(P6503417)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6503417
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】電子システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/483 20070101AFI20190408BHJP
   H02M 7/493 20070101ALI20190408BHJP
   H02M 3/07 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   H02M7/483
   H02M7/493
   H02M3/07
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-127074(P2017-127074)
(22)【出願日】2017年6月29日
(65)【公開番号】特開2018-7548(P2018-7548A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2017年6月30日
(31)【優先権主張番号】10 2016 112 250.5
(32)【優先日】2016年7月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ゲッツ
【審査官】 小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0049230(US,A1)
【文献】 特表2016−517258(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第105429495(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/483
H02M 3/07
H02M 7/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチング素子(T)と複数のエネルギ蓄積素子(L、C)とを含み、前記エネルギ蓄積素子(L、C)は、前記スイッチング素子(T)によって相互接続されており、前記エネルギ蓄積素子(L、C)は、前記スイッチング素子(T)のスイッチングにより、第1、第2、又は第3の状態に選択的に切り替えられることが可能であり、前記第1の状態では、前記エネルギ蓄積素子(L、C)は相互に直列に接続され、前記第2の状態では、前記エネルギ蓄積素子(L、C)は相互に並列に接続され、前記第3の状態では、前記エネルギ蓄積素子(L、C)はバイパスされ、
2つの前記エネルギ蓄積素子(L、C)は、それぞれたった3つの前記スイッチング素子(T)によって接続され
前記複数のエネルギ蓄積素子(L、C)のうちの2つの第1の複数のエネルギ蓄積素子(L、C)が並列に接続され、前記第1の複数のエネルギー素子(L、C)の間に位置する前記エネルギ蓄積素子(L、C)のうちの第2の複数のエネルギ蓄積素子(L、C)をバイパスすることを可能とする追加のスイッチング素子が設けられることを特徴とする電子システム。
【請求項2】
変換器として具現されることを特徴とする、請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
前記スイッチング素子(T)及び前記エネルギ蓄積素子(L、C)はモジュール式で相互接続されることが可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子システム。
【請求項4】
前記スイッチング素子(T)のスイッチングを行う為に具現される制御素子を含むことを特徴とする、請求項1から3の少なくともいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項5】
前記エネルギ蓄積素子(L、C)は、コンデンサ、バッテリセル、ソーラーセル、及び/又は電磁エネルギ蓄積装置として具現されることを特徴とする、請求項1から4の少なくともいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項6】
前記スイッチング素子(T)は、機械式スイッチ、トランジスタ、及び/又はサイリスタとして具現されることを特徴とする、請求項1から5の少なくともいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項7】
前記エネルギ蓄積素子(L、C)の1つに関連付けられた少なくとも1つの不活性化素子を含み、前記エネルギ蓄積素子(L、C)は前記不活性化素子によって不活性状態に切り替えられることが可能であることを特徴とする、請求項1から6の少なくともいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項8】
前記第2の複数のエネルギ蓄積素子(L、C)がバイパスされている場合、前記エネルギ蓄積素子(L、C)の第3のエネルギ蓄積素子(L、C)が、前記第1の複数のエネルギ蓄積素子(L、C)と並列に接続されることが可能であることを特徴とする、請求項1から7の少なくともいずれか一項に記載の電子システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、複数のスイッチング素子及び複数のエネルギ蓄積素子を有する電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギ蓄積素子から出力される直流電流から、電圧振幅が周期的に変化する電流を生成する為に、変換器が使用される。先行技術による変換器では、スイッチング周期が特に短い場合には、スイッチング素子として半導体素子が使用される。
【0003】
更に、先行技術においては多値変換器とも呼ばれる技術が知られており、この技術では、それぞれがエネルギ蓄積素子を有する複数の個別モジュールを、変換器の動作中に様々な状態の間で動的に相互接続することが可能である。これらのモジュールは、互いに直列に、又は互いに並列に接続可能である。更に、これらのモジュールをバイパスすることも可能である。従って、エネルギ蓄積素子を直列又は並列に動的に接続することにより、変換器の出力電圧が生成される。
【0004】
既知の多値変換器の製造コストは、特に、スイッチング素子を多数使用することによってかかる。更に、比較的多数のスイッチング素子を使用することで、エネルギ損失も比較的大きくなる。
【0005】
(特許文献1)及び(特許文献2)に多値変換器が開示されており、そこでは、バイポーラ変換器セルが4つのスイッチング素子に接続されており、ユニポーラ変換器セルが2つのスイッチング素子に接続されている。これらの変換器セルは、スイッチング素子のスイッチングにより、直列に接続されたりバイパスされたりすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2408081A1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2595302A1号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
これに対し、本発明は、スイッチングを柔軟に行うことが可能であり、製造コストが安く、エネルギ損失が小さい電子システムを提供することを目的とする。
【0008】
電子システムは、複数のスイッチング素子と複数のエネルギ蓄積素子とを含む。エネルギ蓄積素子は、スイッチング素子によって相互接続されている。エネルギ蓄積素子は、第1、第2、又は第3の状態に切り替えられることが可能である。第1の状態では、エネルギ蓄積素子は直列に接続される。第2の状態では、エネルギ蓄積素子は相互に並列に接続される。第3の状態では、エネルギ蓄積素子はバイパスされる。2つのエネルギ蓄積素子は、それぞれたった3つのスイッチング素子によって接続される。
【0009】
エネルギ蓄積素子の相互接続に使用されるスイッチング素子の数が比較的少ないことにより、電子システムの製造コストは安く抑えられる。エネルギ蓄積素子を異なる3つの状態に切り替えることが可能であるという事実により、比較的高いレベルの柔軟性が達成される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、電子システムは変換器として具現されてよい。変換器は、特に、単一極性と周期的に変化する電圧振幅とを有する電圧を出力電圧として出力するように具現されてよい。エネルギ蓄積素子は、DC電圧を出力するように具現されてよい。スイッチング素子を第1の状態及び第2の状態に切り替えることにより、DC電圧が出力電圧に変換される。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、スイッチング素子及びエネルギ蓄積素子はモジュール式で相互接続されることが可能であってよい。このことは、具体的には、エネルギ蓄積素子の1つが複数のスイッチング素子とともにモジュールを形成するという意味に理解される。前記モジュールはハウジングを含んでよく、例えば、ハウジング内ではモジュールのスイッチング素子及びエネルギ蓄積素子が配列されている。モジュール単位の接続が可能なことにより、電子システムの高レベルの柔軟性が達成される。
【0012】
例えば、いずれの場合にも、エネルギ蓄積素子の1つとスイッチング素子の3つとを、モジュールのハウジング内に配列することが可能である。この種類のモジュールを使用すると、複数のモジュールを相互接続するだけで電子システムを構築することが可能である。そして、特に、更なるモジュールを追加したり、モジュールを除去したりすることによって、システムを変更することが容易且つ簡便になる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、本システムは、スイッチング素子のスイッチングを行う為に具現される制御素子を含んでよい。このことは、特に、電子システムから出力される出力電圧を要求に対して非常に正確に適応させる上で有利である。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、エネルギ蓄積素子は、コンデンサ、バッテリセル、ソーラーセル、及び/又は電磁エネルギ蓄積装置として具現されてよい。電磁エネルギ蓄積装置は、例えば、コイルを含んでよく、コイルは電磁エネルギを蓄積することが可能である。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、スイッチング素子は、機械式スイッチ、トランジスタ、及び/又はサイリスタとして具現されてよい。特に、トランジスタ及び/又はサイリスタの使用は、特に短いスイッチング時間を達成可能にする上で有利である。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、電子システムは、エネルギ蓄積素子の1つに関連付けられた少なくとも1つの不活性化素子を含んでよい。エネルギ蓄積素子は、不活性化素子によって不活性状態に切り替えられることが可能である。本明細書の文脈では、不活性状態は、特に、エネルギ蓄積素子がその他のエネルギ蓄積素子及びスイッチング素子とせいぜい電気的接続によって接続されていて、不活性エネルギ蓄積素子を通って流れることが可能な電流がないという意味に理解される。
【0017】
不活性化素子は、例えば、スイッチング素子と同様又は同一の様式で具現されてよい。不活性化素子は、ヒューズとして具現されることも可能であり、この場合は、過大な電流が流れたときに、この不活性化素子に関連付けられたエネルギ蓄積素子を不活性化する。過大な電流が流れることは、エネルギ蓄積素子の故障の原因になる可能性があり、不活性化により、電子システムの他の構成要素へのダメージを防ぐことが可能になる。不活性化素子をスイッチング素子と同様又は同一の様式で具現することは、特に、故障が検出された場合に、不活性化素子に関連付けられたエネルギ蓄積素子を不活性化する上で有利である。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、エネルギ蓄積素子のうちの第1の複数のエネルギ蓄積素子が並列に接続されている場合に、エネルギ蓄積素子のうちの第2の複数のエネルギ蓄積素子がバイパスされることが可能である。結果として、電子システムの柔軟性が更に高まる。例えば、第1の複数のエネルギ蓄積素子が相互に並列に接続されている間、第2の複数のエネルギ蓄積素子を保護することが可能である。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、スイッチング素子のうちの1つのスイッチング素子のスイッチングにより、第2の複数のエネルギ蓄積素子がバイパスされることが可能であってよい。特に、1つのスイッチング素子の正確なスイッチングにより、第2の複数のエネルギ蓄積素子がバイパスされることが可能であってよい。これにより、第2の複数のエネルギ蓄積素子のバイパスを特にシンプルに行うことが可能になる。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、第2の複数のエネルギ蓄積素子がバイパスされている場合に、エネルギ蓄積素子のうちの第3のエネルギ蓄積素子が第1の複数のエネルギ蓄積素子と並列に接続されることが可能であってよい。これにより、電子システムの柔軟性が更に高まる。
【0021】
以下の、好ましい例示的実施形態の説明を、添付図面を参照しながら読むことにより、本発明の更なる特徴及び利点が明らかになるであろう。ここで、同一又は同様の構成要素、並びに、同一又は同様の機能を有する構成要素には、同じ参照符号が使用されている。
【0022】
以下では、スイッチング素子を文字Tで表し、エネルギ蓄積素子を文字L又はCで表す。これらの素子は、それぞれの文字の後の数字によって相互に区別されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態による、複数のエネルギ蓄積素子及びスイッチング素子を有する電子システムを示す。
図2図1の電子システムを示しており、ここでは、いずれの場合にもスイッチング素子の幾つかが、いずれの場合にもエネルギ蓄積素子の1つとともに、モジュールの構成部品である。
図3】本発明の一実施形態による電子システムを示す。
図4】本発明の一実施形態による電子システムを示す。
図5】本発明の一実施形態による電子システムを示す。
図6】本発明の一実施形態による電子システムを示す。
図7】本発明の一実施形態による電子システムを示しており、これは、エネルギ蓄積素子の第1の複数のインスタンスを相互に並列に接続することと、エネルギ蓄積素子の第2の複数のインスタンスをバイパスすることとが可能な形態を示す。
図8】更なるエネルギ蓄積素子を有する、図7の電子システムを示す。
図9】本発明の一実施形態による電子システムを示しており、これは、更なるエネルギ蓄積素子により、エネルギ蓄積素子の第1の複数のインスタンスを相互に並列に接続することと、エネルギ蓄積素子の第2の複数のインスタンスをバイパスすることとが可能な形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示される電子システム100は、複数のスイッチング素子T1からT15と、複数のエネルギ蓄積素子C1からC5とを含む。電子システム100では、スイッチング素子T1からT15は、トランジスタの形態の半導体スイッチとして具現される。スイッチング素子T1からT15は、オン状態にしたり、オフ状態にしたりできる。以下の文では、どのスイッチング素子がオン状態になっているか、だけを記述する。言及されないスイッチング素子は、オフ状態になっている。
【0025】
電子システム100は更に、2つの入力端子と2つの出力端子とを含み、2つの入力端子はエネルギ蓄積素子C1に接続されており、2つの出力端子のうちの一方はスイッチング素子T13に接続されており、一方は2つのスイッチング素子T14及びT15に接続されている。しかしながら、一方の入力端子をスイッチング素子T13に接続し、他方の入力端子を2つのスイッチング素子T14及びT15に接続する、というように、電子システム100を逆の順序で相互接続することも可能である。この場合、出力端子はエネルギ蓄積素子C1に接続される。
【0026】
エネルギ蓄積素子C1からC5のそれぞれは、第1の接続と第2の接続とを有する。エネルギ蓄積素子C1からC5のうちの2つずつが、スイッチング素子T1からT12のうちの3つによって接続される。この場合、第1の接続は、それぞれ、スイッチング素子T1、T4、T7、及びT10のうちの1つによって相互接続される。第2の接続は、それぞれ、スイッチング素子T3、T6、T9、及びT12のうちの1つによって相互接続される。
【0027】
エネルギ蓄積素子C2の第2の接続は、スイッチング素子T2によって、エネルギ蓄積素子C1の第1の接続と接続される。同様に、エネルギ蓄積素子C3からC5の第2の接続は、それぞれ、スイッチング素子T5、T8、及びT11によって、先行するエネルギ蓄積素子C2からC4の第1の接続と接続される。
【0028】
エネルギ蓄積素子C5は、スイッチング素子T13からT15によって、2つの出力端子及び/又は入力端子に接続される。
【0029】
電子システム100の相互接続により、エネルギ蓄積素子C1からC5を、異なる3つの状態に切り替えることが可能になる。エネルギ蓄積素子C1からC5は、スイッチング素子T2、T5、T8、T11、及びT14がオンの場合には、直列に接続されることが可能である。エネルギ蓄積素子C1からC5は、スイッチング素子T1、T3、T4、T6、T7、T9、T10、T12、T13、及びT15がオンの場合には、相互に並列に接続されることが可能である。エネルギ蓄積素子C1からC5は、スイッチング素子T3、T6、T9、T12、及びT15がオンの場合には、バイパスされることが可能である。或いは、エネルギ蓄積素子C1からC5は、スイッチング素子T1、T4、T7、T10、及びT13がオンの場合には、バイパスされることが可能である。スイッチング素子T1からT15がいずれもオンでない場合には、電子システム100は不活性状態である。エネルギ蓄積素子C1からC5からは電流が放出されず、且つ、エネルギ蓄積素子C1からC5には電流が蓄積されない。この状態では、電子システム100は電流を通すことができない。
【0030】
スイッチング素子T1からT15を適切にスイッチングさせることにより、電子システム100を変換器として動作させることが可能であり、この変換器は、エネルギ蓄積素子C1からC5のDC電圧から、周期的な電圧振幅特性を有する電圧を生成して出力端子に印加する。
【0031】
図2は、例えば、電子システム100のスイッチング素子T1からT15及びエネルギ蓄積素子C1からC5の幾つかを組み合わせて、モジュール200、201、及び202を形成することが可能である様子を示す。モジュール200、201、及び202のそれぞれは、エネルギ蓄積素子C1からC5のうちの1つと、スイッチング素子T1からT15のうちの3つと、を含む。モジュール200は、エネルギ蓄積素子C1とスイッチング素子T1からT3とを含む。モジュール201は、エネルギ蓄積素子C3とスイッチング素子T4からT6とを含む。モジュール202は、エネルギ蓄積素子C5とスイッチング素子T10、T14、及びT15とを含む。
【0032】
電子システム100は、それぞれが同一であるモジュール200、201、又は202による、シンプルなモジュール式の設計が可能である。これにより、特に、モジュールの容易な追加又は除去が可能になり、高レベルの設計柔軟性が得られる。
【0033】
図3の電子システム300が図1及び図2の電子システム100と異なるのは、特に、スイッチング素子T13が存在しない点である。スイッチング素子T13を省略してよいのは、電子システム300に含まれる出力端子及び入力端子がそれぞれ1つだけである為である。そして、この出力端子及び/又は入力端子は、スイッチング素子T14及びT15によって、エネルギ蓄積素子C5に接続される。
【0034】
図4に見られるように、出力端子及び入力端子が1つだけの場合は、スイッチング素子T13だけでなく、スイッチング素子T14及びT15も存在しないことも可能である。このとき、エネルギ蓄積素子C5は、出力端子及び/又は入力端子に直接接続される。
【0035】
図5に示される電子システム500は、スイッチング素子T1からT15及び電磁エネルギ蓄積素子L1からL5を含み、これらは、電子システム100のスイッチング素子T1からT15及びエネルギ蓄積素子C1からC5と同様に相互接続されている。電子システム500では、スイッチング素子T1からT15はサイリスタとして具現される。
【0036】
図6に示される電子システム600が電子システム500と異なるのは、特に、スイッチング素子T1からT15としてトランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が使用される点である。
【0037】
図1の電子システム100に対して、図7に示される電子システム700では更なるスイッチング素子T16からT18が使用されており、これは、スイッチング素子T1、T3、T6、T9、T10、T12、T13、T15、及びT16をオン状態にすることによって、エネルギ蓄積素子C2及びC3をバイパスし、同時にエネルギ蓄積素子C1、C4、及びC5を並列に接続することを可能にする為である。
【0038】
スイッチング素子T1、T3、T6、T9、T10、T12、T13、T15、T16、及びT17をオン状態にすることにより、エネルギ蓄積素子C1及びC5の並列接続を達成し、同時にエネルギ蓄積素子C2からC4をバイパスすることも可能である。
【0039】
スイッチング素子T1、T3、T6、T7、T9、T10、T12、T13、T15、及びT16をオン状態にすることにより、エネルギ蓄積素子C1、C3、C4、及びC5の並列接続を達成し、同時にエネルギ蓄積素子C2をバイパスすることも可能である。
【0040】
図8に示される電子システム800が図7の電子システム700と異なるのは、特に、エネルギ蓄積素子C6が追加されていることであり、エネルギ蓄積素子C6は、エネルギ蓄積素子C2と直列に接続されている。従って、この電子システムでは、エネルギ蓄積素子C2をバイパスすることができなくなっている。一方、エネルギ蓄積素子C3及びC4は、引き続き、上述のようにバイパス可能である。
【0041】
図9に示される電子システム900が図8の電子システム800と異なるのは、特に、エネルギ蓄積素子C6の位置である。エネルギ蓄積素子C6は、エネルギ蓄積素子C2と直列には接続されておらず、スイッチング素子T16及びT19をオン状態にすることにより、独立に作動する。エネルギ蓄積素子C6は、エネルギ蓄積素子C2からC4がバイパスされている場合にエネルギ源として使用可能である。
【符号の説明】
【0042】
100、200、300、400、500、600、700、800、900 電子システム
T スイッチング素子
L、C エネルギ蓄積素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9