(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つのインレイ部は第1インレイ部および第2インレイ部を含み、前記露出部は前記第1インレイ部と前記第2インレイ部との間に連続して延びている、請求項1に記載の方法。
前記編み生地を編むことは、前記外縁部を第1の層および第2の層で形成することを含み、前記第1の層および前記第2の層は前記本体では互いに重なり合って結合されており、前記第1の層および前記第2の層は前記トリム領域では互いに重なり合って分離しており、前記編み生地を編むことは、前記伸張性ストランドの前記露出部を前記トリム領域の前記第1の層と前記第2の層との間に配置することを含む、請求項1に記載の方法。
前記編み生地の加熱前に、前記編み生地の第1区域を支持面に取り付けることと、前記編み生地の第2区域を前記支持面に取り付けることとをさらに含み、前記第1区域および前記第2区域は前記外縁部に沿って互いに離間しており、前記第1区域と前記第2区域との間の前記外縁部には凹みが形成されており、前記編み生地をトリムすることは、前記編み生地から前記凹みを除去することを含む、請求項1に記載の方法。
前記履物製品を第1の足サイズにフィットするように形成するか、または第2の足サイズにフィットするように形成するかを選択することをさらに含み、前記編み生地をトリムすることは、前記履物製品を前記第1の足サイズにフィットするように形成すると選択するとき、前記編み生地を第1トリムラインに沿ってトリムすることを含み、前記編み生地をトリムすることは、前記履物製品を前記第2の足サイズにフィットするように形成すると選択するとき、前記編み生地を第2トリムラインに沿ってトリムすることを含み、前記第2トリムラインは前記編み生地の内向き方向に前記第1トリムラインから離間している、請求項1に記載の方法。
第1の足サイズおよび第2の足サイズのうちの一方にフィットするように構成されている履物製品を形成する方法であって、前記第1の足サイズは前記第2の足サイズよりも大きく、前記方法は、
前記履物製品を前記第1の足サイズにフィットするように形成するか、または前記第2の足サイズにフィットするように形成するかを選択するステップと、
本体およびトリム領域を含む編み生地を提供するステップと、
前記第1の足サイズにフィットするよう前記履物製品を形成すると選択された場合は、第1裁断地を形成するように前記トリム領域内の前記編み生地をトリムし、あるいは、前記第2の足サイズにフィットするよう前記履物製品を形成すると選択した場合は、第2裁断地を形成するように前記トリム領域内の前記編み生地をトリムするステップであって、前記第1裁断地は前記第1の足サイズにフィットする第1アッパーを形成するように構成されており、前記第2裁断地は前記第2の足サイズにフィットする第2アッパーを形成するように構成されている、前記トリム領域内の前記編み生地をトリムするステップと、を含み、
前記編み生地を提供するステップは、ニット要素と伸張性ストランドとを有する前記編み生地を形成するように編むことを含み、前記伸張性ストランドは前記ニット要素内に挿入される少なくとも1つのインレイ部を含み、前記伸張性ストランドは前記ニット要素から露出している露出部も含み、前記露出部は前記編み生地の内向き方向に前記編み生地の外縁部から離間しており、前記露出部を引っ張って前記編み生地に対して前記インレイ部を移動させて調整することをさらに含み、
前記編み生地を提供するステップは、第1の層と第2の層とを含むように前記編み生地を編むことを含み、前記第1の層および前記第2の層は前記本体では互いに重なり合って連結されており、前記第2の層は前記第1の層よりも前記編み生地の外向き方向にさらに延びて、前記トリム領域および前記外縁部を画成し、前記編み生地を編むことは、前記伸張性ストランドの前記露出部を前記トリム領域内の前記第2の層に配置することを含む、方法。
前記少なくとも1つのインレイ部は第1インレイ部と第2インレイ部とを含み、前記露出部は前記第1インレイ部と前記第2インレイ部との間に連続して延びている、請求項9に記載の方法。
前記編み生地を提供することは、第1の層および第2の層を含むように前記編み生地を編むことを含み、前記第1の層および前記第2の層は前記本体では互いに重なり合って連結されており、前記第1の層および前記第2の層は前記トリム領域では互いに重なり合って分離しており、前記編み生地を編むことは、前記伸張性ストランドの前記露出部を前記トリム領域の前記第1の層と前記第2の層との間に配置することを含む、請求項9に記載の方法。
前記ニット構成要素を編むことは、第1の層および第2の層で前記外縁部を形成することを含み、前記第1の層および前記第2の層は前記本体では互いに重なり合って連結されており、前記第1の層および前記第2の層は前記トリム領域では互いに重なり合って分離しており、前記ニット構成要素を編むことは前記伸張性ストランドの前記露出部を前記トリム領域の前記第1の層と前記第2の層との間に配置することを含む、請求項16に記載の方法。
前記ニット構成要素の第1区域を支持面に固定することと、前記ニット構成要素の第2区域を前記支持面に固定することとをさらに含み、前記第1区域および前記第2区域は前記外縁部に沿って互いに離間しており、前記第1区域と前記第2区域との間に前記ニット構成要素の前記外縁部に凹みが画成され、
前記ニット構成要素をトリムすることは、前記ニット構成要素の前記外縁部から前記凹みを除去することを含む、請求項19に記載の方法。
前記履物製品を第1の足サイズにフィットするように形成するか、または第2の足サイズにフィットするように形成するかを選択することをさらに含み、前記ニット構成要素をトリムすることは、前記履物製品を前記第1の足サイズにフィットするように形成すると選択する場合、前記ニット構成要素を第1トリムラインに沿ってトリムすることを含み、前記ニット構成要素をトリムすることは、前記履物製品を前記第2の足サイズにフィットするように形成すると選択する場合は、前記ニット構成要素を第2トリムラインに沿ってトリムすることを含み、前記第2トリムラインは前記ニット構成要素の前記内向き方向に前記第1トリムラインから離間している、請求項20に記載の方法。
前記ニット構成要素をトリムした後、前記ニット構成要素にソールを装着することをさらに含み、前記ソールを装着することは、前記伸張性ストランドの前記露出部を前記ソールに装着することを含む、請求項21に記載の方法。
前記ニット要素は第1の層と第2の層とを含み、前記第1の層および前記第2の層は前記本体では互いに重なり合って連結されており、前記第1の層および前記第2の層は前記トリム領域では互いに重なり合って分離しており、前記伸張性ストランドの前記露出部は前記トリム領域の前記第1の層と前記第2の層との間に配置されている、請求項23に記載の生地。
前記ニット構成要素に装着されているスキン層をさらに具備し、前記スキン層は前記第1トリムラインおよび前記第2トリムラインのうちの少なくとも一方に重なる、請求項23に記載の生地。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明および添付の図面は、ニット構成要素を含むアッパーを有する履物製品および該アッパーを製造する方法を開示する。いくつかの実施形態では、アッパーは、特定の解剖学的な足のサイズにフィットするように、所定のサイズに切り取られた編み生地から形成することができる。このことは製造効率を高め、より詳細に以下で説明するように追加の利点を提供する。
【0015】
ウォーキングまたはランニングに適した一般構成を有する履物製品を開示する。アッパーを含め、履物に関連する概念は、たとえば、サッカーシューズ、ベースボールシューズ、バスケットボールシューズ、クロストレーニングシューズ、サイクリングシューズ、フットボールシューズ、短距離走用シューズ、テニスシューズ、およびハイキングブーツを含め、さまざまな他の運動用の履物の種類にも適用してもよい。この概念は、ドレスシューズ、ローファー、サンダルおよび作業靴を含め、一般に非運動用と考えられる履物の種類にも適用してもよい。したがって、本明細書で開示する概念は、多様な履物の種類に適用される。
【0016】
〈履物の構成〉
ソール構造110とアッパー120とを含んでいる履物製品100が、
図1〜
図4に図示されている。ソール構造110は着用者の足の下に配置されて、足をサポートするのに対し、アッパー120は足の快適かつ安定した被覆を提供する。このように、足はアッパー120の空洞内に配置されて、履物100の中に足を効果的に固定し、またはその他の形で足と履物100とを合体させてもよい。また、ソール構造110はアッパー120の下部区域に固定されて、足と地面との間に延びて、たとえば、地面の反力を弱め(つまり、足をクッションで支える)、トラクションを付与し、安定性を高め、足の運動に影響を与える。
【0017】
参照のために、履物100は、足先領域101と中足領域102とかかと領域103との大略的に3つの領域に分割してもよい。足先領域101は、大略的に、つま先、および中足骨と指骨とを接続する関節を含め、足の前部に対応する履物100の部分を含んでいる。中足領域102は、大略的に、アーチ部位を含め、足の中央部に対応する履物100の部分を含んでいる。かかと領域103は、大略的に、かかとおよび踵骨を含めて足の後部に対応する履物100の部分を含んでいる。
【0018】
履物100は外側側部104および内側側部105も含んでおり、足先領域101、中足領域102、およびかかと領域103を通って延びており、履物100の両側に対応する。より具体的には、外側側部104は足の外側部位に対応し(つまり、反対の足から遠ざかる方を向く面)、内側側部105は足の内側部位に対応する(つまり、反対の足の方を向く面)。足先領域101、中足領域102、かかと領域103、外側側部104および内側側部105は、履物100の厳密な区域を区切ることを意図していない。むしろ、足先領域101、中足領域102、かかと領域103、外側側部104および内側側部105は、以下の説明の助けになるように、履物100の大略的な区域を表すことを意図している。履物100に加えて、足先領域101、中足領域102、かかと領域103、外側側部104および内側側部105は、ソール構造110、アッパー120およびそれらの個々の要素にも適用してもよい。
【0019】
ソール構造110はミッドソール111と、アウトソール112と、中敷き113とを含むことができ、それぞれを
図4の断面図に示す。ミッドソール111はアッパー120の下面に固定することができ、歩いているとき、走っているとき、または他の歩行活動中に足と地面との間で圧縮されると、地面の反力を弱める(つまり、クッション材となる)圧縮可能なポリマー発泡体要素(例、ポリウレタンまたはエチルビニルアセテート発泡体)から形成してもよい。さらなる構成では、ミッドソール111は、さらに力を弱め、安定性を高め、または足の運動に影響するプレート、モデレータ、流体充填チャンバ、ラスティング要素、またはモーションコントロール部材を組み込んでもよく、またはミッドソール111は主に流体充填チャンバから形成してもよい。アウトソール112はミッドソール111の下面に固定することができ、トラクションを付与するようにテクスチャー加工された耐摩耗性のゴム材料から形成してもよい。中敷き113はアッパー120の空洞内に配置して、履物100の快適性を高めるために足の下面の下に延びるように位置付けることができる。
【0020】
ソール構造110のこの構成はアッパー120と関連して使用してもよいソール構造の一実施例を提供しているが、ソール構造110のさまざまな他の従来の構成または従来にない構成も利用してもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、アウトソール112は地面に入り込むように構成されているクリートまたはスパイクを追加で含むことができる。したがって、ソール構造110またはアッパー120とともに利用されるあらゆるソール構造の特徴は、本開示の範囲を逸脱することなく、例示される実施形態とは異なっていてもよい。
【0021】
アッパー120は、外側面121および対向する内側面122を含む。外側面121は外向きで、履物100から離れる方を向くが、内側面122は内向きで、足を受け入れるための、履物100内の空洞の大半または比較的大きな部分を画成することができる。空洞は、着用者の足を収容するような形状にすることができる。そのため、足が空洞内に位置するとき、アッパー120は足の外側側部に沿い、足の内側側部に沿い、足の上、かかとの周り、さらに足の下に延びることができる。また、内側面122は足または足を被覆している靴下に対接してもよい。
【0022】
図1および
図2に図示されるように、アッパー120は主にかかと領域103に配置されるカラー123も含むことができ、アッパー120内の空洞へのアクセスを足に提供する開口部106を形成する。より具体的には、足は、カラー123が形成する開口部106からアッパー120に入れてもよく、足は、カラー123が形成する開口部106を通してアッパー120から抜いてもよい。
【0023】
図1および
図2に図示されるように、カラー123は、着用者の足首の上方および上に延びるために、いわゆる「ハイトップ」または「ハイライズ」カラーとすることができる。追加の実施形態では、カラー123は、着用者の足首の周りにだけ延びる、いわゆる「ローライズ」カラーとすることができる。
【0024】
カラー123の前方にスロート区域127を含むことができ、長手方向に足先領域101に向かって、外側側部104と内側側部105との間に延びることができる。
図3に図示されるように、スロート区域127は足先領域101、外側側部104および内側側部105に一体的に装着することができる。他の実施形態では、スロート区域127は外側側部104および内側側部105から引き離されるベロを含むことができる。このように、ベロはスロート区域127内の開口部内に、外側側部104と内側側部105との間で移動可能に収容することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、アッパー120を着用者の足に選択的に固定するように使用されるクロージャ要素107も含むことができる。クロージャ要素107は、図示される実施形態に示される締めひも125などの任意の適した種類にすることができる。他の実施形態では、クロージャ要素107は、アッパー120を着用者の足に固定するための1つ以上のバックル、ストラップ、面テープ、または他の適した道具も含んでもよい。
【0026】
図示する実施形態に示されるように、締めひも125は、さまざまな締めひも収容要素126と係合することができる。
図1〜
図4には、アッパー120の開口部として締めひも収容要素126が描かれており、締めひも125が開口部を貫通しているが、締めひも収容要素126はループ、ひも穴、フック、Dリング、または他の適当な締めひも収容要素であってもよい。
【0027】
図3に図示されるように、締めひも125は、各締めひも収容要素126の間にジグザグな経路をたどることができる。また、締めひも125は、スロート区域127の両側越しにその間を繰り返し通ることができる。履物100を使用するとき、締めひも125は、着用者がアッパー120の寸法を選択的に調節して、足のさまざまなプロポーションを収容できるようにする。より具体的には、締めひも125は、着用者が、(a)アッパー120を足の周りに締め、(b)カラー123によって形成される開口部106からの出し入れを容易にするためにアッパー120を緩めることができるように、従来のように操作してもよい。
【0028】
また、アッパー120は着用者の足の下に延びてもよい。たとえば、アッパー120は、ストローベル128またはストローベル式中敷きを含むことができ、これは、
図4および
図5に示すように、着用者の足の下に延びるように構成されている。この構成において、中敷き113は、
図4に図示されるように、ストローベル128の上に延びて、着用者の足が載る表面を形成する。
【0029】
いくつかの実施形態では、アッパー120は、1本以上の伸張性ストランド132を含むことができる。伸張性ストランド132は、ヤーン、ケーブル、ワイヤ、ロープ、またはアッパー120にわたって延びることのできる他のストランドにすることができる。伸張性ストランド132を張って、アッパー120をサポートし、および/またはアッパー120全体に力を分散させることができる。たとえば、図示する実施形態では、アッパー120は、ソール構造110からアッパー120に沿って上向きに延びて、締めひも収容要素126を周って、さらにソール構造110に向かって再び下に延びている1本以上の伸張性ストランド132を含む。したがって、伸張性ストランド132は、締めひも収容要素126のそれぞれを補強することができる。また、締めひも125の張力は伸張性ストランド132に移すことができ、伸張性ストランド132は、アッパー120が着用者の足にさらにしっかりとフィットできるようにアッパー120に負荷を分散させることができる。
【0030】
図示する実施形態では、アッパー120の外側側部104および内側側部105はそれぞれ、各伸張性ストランド132を含む。また、図示されるように、伸張性ストランド132は締めひも収容要素126の一部の周りのみに延びることができる。しかし、アッパー120は任意の数の伸張性ストランド132を含むことができ、本開示の範囲を逸脱することなく、伸張性ストランド132はアッパー120の任意の適当な区域に沿って通ることができることは認識されるであろう。
【0031】
さらに、アッパー120とともに使用するのに適した伸張性ストランド132は、2008年12月18日に出願され、2010年6月24日に特許文献1として公開され、「Article of Footwear Having An Upper Incorporating A Knitted Component」と題する、Duaらの共同所有米国特許出願第12/338,726号、および2011年3月15日に出願され、2012年9月20日に特許文献2として公開され、「Article Of Footwear Incorporating A Knitted Component」と題する、Huffaらの米国特許出願第13/048,514号の1つ以上で開示される伸張性ストランドおよび/または伸張性要素を含んでもよく、上記特許出願はともに参照によりその全体を本書に組み込む。
【0032】
多くの従来の履物のアッパーは、たとえば、縫製または接着により互いに接合される複数の材料要素(例、ポリマー発泡体、ポリマーシート、革、合成皮革)から形成される。しかし、ここで述べるさまざまな実施形態において、アッパー120は少なくとも部分的にニット構成要素130から形成することができる。ニット構成要素130は任意の適当な形状およびサイズを有することができる。ニット構成要素130は、以下詳細に説明するように、ワンピース要素として一体ニット構造からなることができる。
【0033】
ニット構成要素130は、足先領域101、中足領域102および/またはかかと領域103に少なくとも部分的に延びるように構成することができる。ニット構成要素130は外側側部104、内側側部105に沿って、足先領域101の上、および/またはかかと領域103の周りにも延びることができる。くわえて、ニット構成要素130はアッパー120の外側面121および/または内側面122を少なくとも部分的に画成することができる。
【0034】
以下詳細に述べるように、また
図3に図示されるように、ニット構成要素130の縁部を縫い目129で接合して、アッパー120の3次元曲率の少なくとも一部を画成することができる。
図3に図示されるように、縫い目129は一般にアッパー120のかかと領域103に配置される。しかし、縫い目129はアッパー120の任意の適当な場所に設けることができる。いくつかの実施形態では、ニット構成要素130は複数の縫い目を含むこともできる。
【0035】
述べるように、ニット構成要素130は、他の従来のアッパーと比較して、アッパー120に軽量化をもたらすことができる。くわえて、いくつかの実施形態では、ニット構成要素130は、アッパー120に所望のテクスチャーまたは他の特徴を与えることができる。さらに、ニット構成要素130は、履物100の製造において利点を提供することができる。ニット構成要素130が提供する他の利点を以下詳細に見ていく。
【0036】
いくつかの実施形態では、ニット構成要素130は1つ以上の突出区域108を含むように形成することができる。突出区域108は、
図3に図示されるように、アッパー120の外側面121に画成されることができる。突出区域108は、任意の適当な形状および位置を有することができる。たとえば、突出区域108は細長くすることができ、外側側部104および内側側部105の両方にソール構造110から上向きに延びることができる。また、突出区域108の一部は長手方向に、大略的にかかと領域103と足先領域101との間に延びることができる。突出区域108は、2013年7月17日に出願され、「Article of Footwear Incorporating a Knitted Component」と題する、Bainesらの共同所有米国特許出願第13/944,638号(公開公報特許文献3)に従い形成することができ、この出願の開示は参照によりその全体を本書に組み込む。突出区域108はアッパー120の表面積を増やすことができ、たとえばボールをキックまたはトラップするために履物100を使用するときに、摩擦を増やすことができる。突出区域108は、ボールをキックまたはトラップするときに、着用者がボールを「感じる」能力も高めることができることは認識されるであろう。
【0037】
くわえて、いくつかの実施形態では、アッパー120は、任意で、ニット構成要素130に装着されるスキン層140を含んでもよい。スキン層140に適した構成は、2013年7月17日に出願され、「Article of Footwear Incorporating a Knitted Component」と題する、Baudouinらの共同所有米国特許出願第13/944,675号(公開公報特許文献4)に記述されるスキン層の実施形態のいずれにすることもでき、この出願の開示は参照によりその全体を本書に組み込む。
【0038】
スキン層140は、ニット構成要素130に隣接して置くことができ、ニット構成要素130の外部に固定することができ、それによってアッパー120の外側面121の大部分または比較的大きな部分を形成する。スキン層140を形成するには、ポリマーシート、革または合成皮革の要素、織布または不織布、または金属箔を含め、さまざまな材料を利用してもよい。ニット構成要素130と同様に、スキン層140は足先領域101、中足領域102およびかかと領域103のそれぞれを通り、外側側部104および内側側部105の両方に沿って、足先領域101の上、さらにかかと領域103の周りに延びることができる。スキン層140は、アッパー120の内側面122にはないように描かれている。履物100のさらなる構成において、スキン層140はアッパー120の他の区域にはなくてもよく、または内側面122の上に延びていてもよい。くわえて、いくつかの実施形態ではアッパー120はスキン層を含まなくてもよく、代わりに主にニット構成要素130のみから構成してもよいことは認識されるであろう。
【0039】
〈複数のアッパーを形成するための生地〉
いくつかの実施形態では、それぞれが異なるサイズの履物製品に関連付けられる、所定の選択的な寸法にトリムされるように構成されている編み生地を形成してもよい。このように、履物製品の製造効率を高めることができる。また、履物製品の組み立ても容易にすることができる。他の利点も以下詳細に説明する。
【0040】
ここで
図6を参照すると、履物製品100用の複数の異なるサイズのアッパーのうちの1つに形作るのに適した編み生地310が模式的に図示されている。説明するように、生地310は、第1の足サイズ401の第1アッパーまたは第2の足サイズ402の第2アッパーのいずれかに作ることができる。
図6では、第1アッパー401はサイズ8.5として図示され、第2アッパーはサイズ9として図示されている。サイズ8.5の履物は、サイズ9の履物よりも小さい解剖学的な足のサイズにフィットすることができる。
図6に示される靴サイズは単なる例であり、生地310から他の靴サイズも作成できることは認識されるであろう。また、生地310は、任意の靴サイズのアッパーの作成に使用することができるであろう。くわえて、生地310は、各アッパーが異なる解剖学的な足のサイズにフィットする3つ以上のアッパーの作成に使用できることは認識されるであろう。
【0041】
生地310は手または自動でトリムして、生地310のサイズを小さくすることができる。このように、生地310は、履物製品用のアッパー120の所望のサイズに応じてトリムすることができる。たとえば、生地310は、
図6の第1アッパー401を形成するために第1サイズにトリムすることができ、あるいは、ニット構成要素130は、
図6の第2アッパー402を形成するために異なる第2サイズにトリムすることができる。
【0042】
生地310を形成、トリムおよびその他の形で調整するために、また、生地310から履物製品100を形成するために、さまざまな方法、マシンおよびツールを使用することができる。
【0043】
たとえば、
図7Aにより、例示的な方法1000をフローチャート形式で示す。方法1000の中のステップの順番は、
図7Aに示される順番とは異なることができることは認識されるであろう。
図7Aに示される一定のステップまたはいくつかのステップの側面は、省略または排除することもできる。また、方法1000の中の2つ以上のステップを、順次または同時に行うことができる。さらに、方法1000の中のステップは、任意の適当なツールを用いて手動で行うことができる。また、方法1000の中のステップは、任意の適当なツール、マシンまたは道具を用いて自動で行うこともできる。
【0044】
一般に、
図7Aに示される実施形態では、方法1000はステップ1002で始めることができ、
図8に示される編み生地310などの編み生地310を形成する編みプロセスが使用される。次に、編み生地310は、たとえば、ステップ1004、ステップ1006およびステップ1008で、さらに加工、調整することができる。これらのステップは、
図12〜
図15の実施形態でも示される。
【0045】
次に、
図7Aの決定ステップ1012において、
図6に示される第1の足サイズ401に適したアッパーを形成するか、または
図6に示される第2の足サイズ402に適したアッパーを形成するかを決定することができる。方法1000は続いて、生地310から、ステップ1016で小さい方の第1の足サイズ401用のアッパーを形成するか、またはステップ1014で大きい方の第2の足サイズ402用のアッパーを形成する。次に、ステップ1018およびステップ1020で、それぞれストローベル128およびソール構造110が装着されて、履物100の構造を仕上げる。方法1000のこれらのステップの各々を以下詳細に説明する。
【0046】
図7Bに示される追加の実施形態では、方法1000は追加のステップを含む。たとえば、方法1000は、
図7Bの方法1000がステップ1010を含むことができることを除き、
図7Aに示される実施形態と実質的に同様である。具体的には、ステップ1010でスキン層140を追加することができ、これは
図16の実施形態にも図示されており、より詳細に以下で説明する。
【0047】
〈トリム可能なアッパーを備える履物を製造する方法〉
ここで、
図7Aに図示される方法1000の実施形態をより詳細に説明する。方法1000はステップ1002で始めることができる。ステップ1002で、編み生地310を形成することができる。たとえば、編み生地310は、
図8の実施形態に従って形成することができる。
【0048】
編み生地310は一体ニット構造からなることができる。本明細書で使用する「一体ニット構造」という用語は、各構成要素を編みプロセスによりワンピース要素として形成することを意味する。すなわち、編みプロセスは、大幅な追加的製造ステップまたはプロセスを必要とせずに、一体ニット構造のさまざまな特徴および構造を実質的に形成する。一体ニット構造を用いて、ヤーンの1つ以上のコースを含む構造または要素を有するニット構成要素、または構造または要素が少なくとも1つの共通のコースを含む(すなわち、共通のヤーンを共有する)、および/または構造または要素の各間に実質的に連続するコースを含むように接合される他のニット素材を形成してもよい。この構成を用いて、一体ニット構造のワンピース要素が提供される。ニット構成要素のさまざまな構成および一体ニット構造を備える編み生地310を形成する方法の実施例は、Duaに付与された特許文献5、Duaらの特許文献6、Duaらの特許文献7、Duaの特許文献8、およびHuffaらの特許文献9に開示されており、これらのそれぞれを参照により全体的に本書に組み込む。
【0049】
編み生地310は、操作して(例、編み機を用いて)、多様なコースおよびウェールを有するニット要素313を画成する複数の互いに絡み合わされたループを形成する少なくとも1本のヤーンから形成することができる。したがって、ニット要素313の隣接区域は少なくとも1つの共通コースまたは少なくとも1つの共通ウェールを共有することができる。すなわち、ニット要素313は編み物の構造を有することができる。ニット要素313は横編み操作、経編み操作、平編み操作、丸編み操作、または他の適当な方法により形成できることは認識されるであろう。
【0050】
ニット要素313は、さまざまな種類および組合せのステッチおよびヤーンを組み込んでもよい。ステッチに関しては、ニット要素313を形成するヤーンは、ニット要素313のある区域にある種類のステッチを有し、ニット要素313の別の区域に別の種類のステッチを有してもよい。利用するステッチの種類および組み合わせにより、ニット要素313の区域は、たとえば、平編み構造、メッシュニット構造、またはリブニット構造を有してもよい。異なる種類のステッチがニット要素313の美観、伸縮性、厚み、通気性、および耐摩耗性を含め、ニット要素313の物理的な特性に影響してもよい。すなわち、異なる種類のステッチは、ニット要素313の異なる区域に異なる特性を付与してもよい。ヤーンに関して、ニット要素313は、ニット要素313のある区域にある種類のヤーンを有し、ニット要素313の別の区域に別の種類のヤーンを有してもよい。さまざまなデザイン基準に応じて、ニット要素313は、たとえば、異なるデニール、素材(例、綿、エラステイン、ポリエステル、レーヨン、ウール、およびナイロン)、および撚度のヤーンを組み込んでもよい。
【0051】
異なる種類のヤーンは、ニット要素313の美観、伸縮性、厚み、通気性、および耐摩耗性を含め、ニット要素313の物理的な特性に影響を与えてもよい。すなわち、異なる種類のヤーンは、ニット要素313の異なる区域に異なる特性を付与してもよい。さまざまな種類および組合せのステッチおよびヤーンを組み合わせることにより、ニット要素313の各区域は、履物100の快適性、耐久性および性能を向上させる固有の特性を有してもよい。いくつかの構成において、色の異なる複数のヤーンを利用して、ニット要素313を形成してもよい。色の異なるヤーンを撚り合わせてから編むと、ニット要素313は複数の色が全体にランダムに分散した多色混合の外観を有する。
【0052】
また、ニット要素313内の1つ以上のヤーンは、加熱すると柔らかくなるかまたは溶け、冷やすと固体状態に戻る熱可塑性ポリマー材から部分的に形成してもよい。より具体的には、熱可塑性ポリマー材は、十分な熱に曝されると、固体状態から軟化または液体状態に転移し、それから熱可塑性ポリマー材を十分に冷やすと、軟化または液体状態から固体状態に転移する。したがって、より詳細に以下で述べるように、ヤーン内の熱可塑性ポリマー材を利用して、2つの物または要素を一緒に接合することができる。ニット要素313は、2005年6月28日に発行された、共同所有の特許文献10に従うこれらのいわゆる「融着」ヤーンを組み込むことができ、同特許を参照によりその全体を組み込む。
【0053】
述べたように、
図7Aの方法ステップ1002は、
図8に示される例示的なニット要素313を編むことを含むことができる。図示されるように、ニット要素313は平面図で示されており、略U字形である。ニット要素313は、かかと領域103、中足領域102、足先領域101、外側側部104および内側側部105を含むことができ、これらは以下明らかになるように、
図1〜
図4に示される履物100の同じ領域および側部に対応する。
【0054】
ニット要素313は
図8に示される外側面308を含むことができ、ニット要素313は
図9に示される対向する内側面309も含むことができる。また、ニット要素313は略U字形の外縁部312および略U字形の内縁部314を含むことができる。また、ニット要素313は、外縁部312と内縁部314との間に延びている第1後縁部316を含むことができる。ニット要素313は同様に、外縁部312と内縁部314との間に延びている第2後縁部318を含むことができる。本明細書で使用される「内向き方向」という用語は、外縁部312に実質的に垂直で、大略的に内縁部314の方に内方にまたは内向きに向いていると考えることができることは認識されるであろう。「外向き方向」という用語は、外縁部312に実質的に垂直で、大略的に内縁部314から遠ざかる方に外方にまたは外向きに向いていると考えることができる。
【0055】
図9に図示されるように、編み生地310のニット要素313は、編み素材の複数の層から形成することができる。たとえば、ニット要素313は、第1の層322と第2の層324とを含むことができる。この実施形態では、第1の層322は外側面308を画成することができ、第2の層324は内側面309を画成することができる。第1の層322および第2の層324は互いに重なることができ、それぞれ外縁部312、内縁部314、第1後縁部316および第2後縁部318の間に広がることができる。第1の層322および第2の層324の一部は装着することができるが、第1の層322および第2の層324の他の部分は互いに分離することができる。
【0056】
たとえば、
図9の実施形態では、第1の層322および第2の層324は外縁部312に沿って分離し、第1の層322および第2の層324はさらに内方ではニット要素313に装着されている。このように、いくつかの実施形態では、境界328は、第1の層322および第2の層324が装着されている区域と、第1の層322および第2の層324が分離している別の区域とを区別することができる。また、
図8に図示されるように、境界328は外縁部312の実質的に全体に沿って延びることができ、外縁部312から内向き方向では距離335だけ離間することができる。
【0057】
図10は、
図9の第1の層322および第2の層324の形成に適する縫製図を示す。しかし、第1の層322および第2の層324はニット要素313の任意の適当な区域で装着することができ、ニット要素313の任意の適当な区域で互いに分離することができることは認識されるであろう。
【0058】
したがって、編み生地310のニット要素313は、境界328と、第1後縁部316と、内縁部314と、第2後縁部318との間に画成されるU字形の中央本体320を画成することができる。換言すると、第1の層322および第2の層324は重ねて、中央本体320内に互いに装着することができる。ニット要素313は、境界328と、第1後縁部316と、外縁部312と、第2後縁部318との間に画成されるU字形の外部領域329も画成することができる。このように、第1の層322および第2の層324は重ねて、外部領域329内で分離することができる。外部領域329は、このように、外縁部312と境界328との間に、前述した距離335である幅を有することができることは明らかになるであろう。いくつかの実施形態では、距離335は、かかと領域103から足先領域101まで、外部領域329の長手方向の長さに沿って実質的に一定のままとすることができる。追加の実施形態では、距離335は外部領域329の長手方向の長さに沿って変わることができる。
【0059】
図11に、外部領域329の代替実施形態が図示されている。図示されるように、第2の層324は
図10の実施形態と実質的に同様にすることができ、外縁部312で外向き方向に終端することができる。しかし、第1の層322は外縁部312の手前で外向き方向に終端することができる。したがって、中央本体320は装着されている第1の層322および第2の層324によって画成され、ニット要素313の外部領域329は第2の層324のみによって画成することができる。
【0060】
図8の実施形態に図示されるように、編み生地310は、ニット要素313との一体ニット構造で形成されている1本以上の伸張性ストランド132を含むことができる。たとえば、伸張性ストランド132は、ニット要素313の1つ以上のコースおよび/またはウェール内に少なくとも部分的に挿入することができる。伸張性ストランド132の他の区域はニット要素313から延びることができ、ニット要素313から露出することができる。
【0061】
図8の実施形態に図示されるように、編み生地310は、
図1〜
図4のアッパー120に示されるものに位置が対応する2本の伸張性ストランド132を含むことができる。このように、伸張性ストランド132は外側側部104および内側側部105の両方の中足領域102内に延びることができる。しかし、編み生地310は任意の数の伸張性ストランド132を含むことができ、伸張性ストランド132はニット要素313の任意の適当な区域に沿って通ることができることは認識されるであろう。
【0062】
明確にするために、
図8の実施形態の伸張性ストランド132のうちの1本を説明する。伸張性ストランド132は生地310の反対の側部に通っているが、伸張性ストランド132はどちらも同様かつ対応する特徴を有することができることは認識されるであろう。図示されるように、伸張性ストランド132は第1端部330および第2端部332を含むことができる。第1端部330および第2端部332はともに外部領域329内に設けて、中足領域102内で互いに離間することができる。伸張性ストランド132は第1端部330と第2端部332との間を連続して延びることができるが、伸張性ストランド132は複数の区画およびターンを有すると考えることができる。たとえば、第1区画336は第1端部330から内向き方向に、ニット要素313に形成される最後部の締めひも収容要素126に向かって延びることができる。伸張性ストランド132は第1ターン338で締めひも収容要素126を回ることもでき、第2区画340は外向き方向に外部領域329に向かって延びることができる。第2ターン342は第2区画340から延びることができ、外部領域329に沿って延びることができる。また、第3区画344は第2ターン342から内向き方向に延びることができる。さらに、第3ターン346は各締めひも収容要素126を回ることができ、第4区画348は外向き方向に外部領域329に向かって延びることができる。次に、第4ターン350は第4区画348から延びることができ、外部領域329に沿って延びることができる。くわえて、第5区画352は内向き方向に延びることができ、第5ターン354は各締めひも収容要素126を回ることができる。また、第6区画356は第5ターン354から外向き方向に延びることができ、第2端部332で終端することができる。
【0063】
第1区画336、第1ターン338、第2区画340、第3区画344、第3ターン346、第4区画348、第5区画352、第5ターン354および第6区画356は、ニット要素313の中央本体320のコースまたはウェール内に挿入できることは認識されるであろう。このように、伸張性ストランド132のこれらの部分は、中央本体320に実質的に埋め込むことができる。対して、第1端部330、第2ターン342、第4ターン350および第2端部332は外部領域329内に配置することができ、したがって、伸張性ストランド132の露出部と呼ばれる。
【0064】
図9および
図10は、伸張性ストランド132が外部領域329内の第1の層332と第2の層324との間に配置されて、相対的に露出していることを断面図でさらに示している。
図11は同様に、伸張性ストランド132は外部領域329内の第2の層324の上に置くことができ、したがって露出できることを示している。
【0065】
前述したように、また詳細に説明するように、編み生地310は、所望のサイズにトリムするように構成することができる。生地310は任意の経路に沿ってトリムすることができる。たとえば、詳細に説明するように、生地310のニット要素313は複数本の所定のトリムラインのうちの1本に沿ってトリムすることができる。
図8に2本の例示的なトリムライン、すなわち第1トリムライン331および第2トリムライン333が示されている。第1トリムライン331および第2トリムライン333は両方とも外部領域329内に配置され、そのため、以下で明らかになる理由により、外部領域329も同様にトリム領域と呼ぶことができる。
【0066】
第1トリムライン331および第2トリムライン333は、
図8ではそれぞれ破線で示されている。第1トリムライン331および第2トリムライン333は、生地310に示されて視覚的にはっきりとさせることができ、または第1トリムライン331および第2トリムライン333は、生地310に視覚的に示されない表現にすることができる。生地310には任意の数のトリムラインが存在でき、トリムラインは生地310の任意の適当な区域に沿って通ることができることは明らかになるであろう。
【0067】
図8の実施形態では、第1トリムライン331はU字形で、第1後縁部316と第2後縁部318との間に、外縁部312から距離339のところに外縁部312に沿って連続して延びている。距離339は、第1トリムライン331の長手方向の長さに沿って実質的に一定のままとすることができ、または距離339は、第1トリムライン331の長手方向の長さに沿って変えることができる。また、第2トリムライン333もU字形で、第1後縁部316と第2後縁部318との間に、外縁部312から距離337のところに外縁部312に沿って連続して延びている。この実施形態では、距離337は第2トリムライン333の長手方向の長さに沿って実質的に一定のままとすることができる。
【0068】
他の実施形態では、距離337は、編み生地310のさまざまな部分でより大きくまたはより小さくなるように、第2トリムライン333の長手方向の長さに沿って変えることができる。いくつかの実施形態では、距離339は、いくつかの実施形態では1ミリメートルから3ミリメートルの間とすることができる。また、距離337は、いくつかの実施形態では2ミリメートルから6ミリメートルの間とすることができる。
【0069】
再び
図7Aに示される方法1000を参照すると、ステップ1002で編み生地310が形成されたら、方法1000はステップ1004に続けることができる。ステップ1004で
、編み生地310は支持面に固定することができる。
【0070】
たとえば、
図12に図示されるように、編み生地310は複数の留め具362を使用して支持面に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、留め具362は、編み生地310の所定の部分を通って延び、支持面を貫通するピンを含むことができる。
【0071】
図14の斜視図には、編み生地310の方に移動している例示的な留め具362が示されている。追加の実施形態では、留め具362は所定の位置で支持面に取り付けることができ、生地310の所定の区域を留め具362の上に滑らせることによって、編み生地310を留め具362に固定することができる。
【0072】
留め具362を用いて、編み生地310の任意の適当な区画を取り付けることができる。たとえば、
図14に図示されるように、編み生地310の外縁部312に沿って、外部領域329内に一連の留め具362を配置することができる。任意の数の留め具362を使用でき、留め具362は任意の適当な距離だけ互いに離間できることは認識されるであろう。
【0073】
また、
図12に示すように、編み生地310の外縁部312は、固定すると歪んでくる可能性がある。より具体的には、編み生地310は留め具362間に引っ張られる可能性があり、それによって、固定されていない部分が内部に移動して、不均一な外縁部312となる。たとえば、一連の凹みが編み生地310の外縁部312に沿って、隣接する留め具362の対の間に形成されることがある。これらの凹みは、
図12に図示されるように、実質的に凹形のスカラップ366となることができ、または凹みは別の形状を有してもよい。留め具362の間隔によって、凹みまたはスカラップ366はニット構成要素310の外縁部312に沿って同様かまたは異なるサイズを有してもよい。また、明らかになるように、凹みまたはスカラップ366は、その後の編み生地310のトリム中に除去することができる。
【0074】
図7Aに図示されるように、方法1000はステップ1006に続くことができ、伸張性ストランド132を調整することができる。たとえば、伸張性ストランド132は、伸張性ストランド132内の弛みを取り除くために張る必要があってもよい。また、伸張性ストランド132を引っ張って、ニット要素313に対してストランド132をずらすこともできる。換言すると、伸張性ストランド132はニット要素313に対して移動および調整して、伸張性ストランド132を所望の位置および構成に位置付けることができる。
図13および
図14は、ステップ1006の実施形態を示す。
【0075】
いくつかの実施形態では、伸張性ストランド132は手で調整することができる。
図13に表される他の実施形態で図示されるように、伸張性ストランド132を調整するために調整ツール360を使用することができる。たとえば、調整ツール360は、伸張性ストランド132を掴むのに適したフックまたは他のツールにすることができる。
【0076】
図13および
図14に図示されるように、調整ツール360を外部領域329の第1の層322と第2の層324との間に挿入して、伸張性ストランド132を掴み、操作することができる。図示される実施形態では、調整ツール360は第4ターン350を掴んでいるところが示されているが、第1端部330、第2ターン342、または第2端部332は、露出しており、かつ同様にツール360で掴むことができることは認識されるであろう。
【0077】
次に、
図14に図示されるように、ツール360を編み生地310から遠ざかる方に引っ張ることができる。その結果、伸張性ストランド132を外向き方向に引っ張ることができ、および/またはニット要素313に対して他の形でずらすことができる。換言すると、伸張性ストランド132のうちニット要素313の中央本体320内に埋め込まれている部分を引っ張って、締めひも収容要素126および/またはニット要素313の他の部分に対する所望の位置まで移動させることができる。
【0078】
たとえば、
図13の実施形態では、第4ターン350を引っ張り、その他の形で操作することにより、挿入されている第4区画348および第5区画352内の弛みを減少させることができる。伸張性ストランド132の他の部分も同様に、ニット要素313に対して調整し、移動させることができる。伸張性ストランド132が調整されたら、ニット要素313からの摩擦で伸張性ストランド132をニット要素313に対して保持することができる。また、いくつかの実施形態では、伸張性ストランド132をこの調整位置に一時的に保持するために、ピンまたは他の留め具を使用することができる。
【0079】
図13に図示される実施形態に示されるように、伸張性ストランド132がツール360で調整された後でも、伸張性ストランド132は第1トリムライン331および第2トリムライン333両方の内方に配置することができる。換言すると、
図13の平面図では、伸張性ストランド132は、第1後縁部316と、内縁部314と、第2後縁部318と、第2トリムライン333とで、共同で取り囲むことができる。このように、伸張性ストランド132は、第1トリムライン331および第2トリムライン333から内向き方向に離間することができる。したがって、生地310が第1トリムライン331または第2トリムライン333に沿ってトリムされるとき、伸張性ストランド132が裁断される可能性は低い。
【0080】
その後、
図7Aに図示されるように、方法1000はステップ1008に続けることができる。ステップ1008では、編み生地310は加熱することができる。
【0081】
図15に模式的に示すように、この目的のために熱源364を使用することができる。いくつかの実施形態では、熱源364は編み生地310に蒸気を供給することができる。他の実施形態では、熱源364は生地310に実質的に乾燥熱を供給するように構成することができる。さらに追加の実施形態では、熱源364は編み生地310にまず蒸気を供給することができ、熱源364はその後、編み生地310を乾燥させるために追加の熱を加えることができる。
【0082】
熱は、さまざまな理由で加えることができる。いくつかの実施形態では、熱は、編み生地310のサイズを所定の方法で収縮させることができる。熱は、編み生地310のひだ寄りも減少させることができ、ニット要素313の縫製内の弛みを減少させ、および/または編み生地310を平らにすることができる。また、上述したように、いくつかの実施形態では、ニット要素313は融着ヤーンを含むことができる。そのため、熱源364からの熱は融着ヤーンを部分的に溶融することができ、冷却すると、融着ヤーンを周囲の要素または構成要素に装着または接着することができる。たとえば、融着ヤーンは他の周囲の融着ヤーンに装着または接着することができる。融着ヤーンは、伸張性ストランド132がニット要素313に対して取り付けることができるように、伸張性ストランド132の各部分に装着または接着することもできる。
【0083】
次に、方法1000は、
図7Aに示し、以下に説明するように、ステップ1012に続けることができる。あるいは、
図7Bに図示されるように、方法1000はステップ1010に続けることができる。ステップ1010は編み生地310にスキン層140を追加することを含むことができる。
【0084】
これは
図16に図示されている。図示されるように、スキン層140は編み生地310の外側面308の上に重ねて、外側面308に装着することができる。
図16では、スキン層140は実質的に編み生地310全体を覆うように示されているが、他の実施形態では、スキン層140は編み生地310を部分的に覆うだけにすることができることは認識されるであろう。また、いくつかの実施形態では、スキン層140は、1つ以上のスカラップ366を含む外縁部313に沿った1つ以上の凹みを覆うことができる。スキン層140は第1トリムライン331および/または第2トリムライン333も覆うことができる。スキン層140が装着されたら、
図16に図示されるように、編み生地310を「スキン付き生地311」とすることができる。
【0085】
前述したように、また
図6に図示されるように、編み生地310および/またはスキン付き生地311を使用して、2つの異なるサイズのアッパーを作ることができる。より大きい靴サイズは、通例、より小さい靴サイズよりも大きなアッパーを要することは認識されるであろう。このように、編み生地310および/またはスキン付き生地311の1つ以上の縁部を、所望の靴サイズに対応する所定の寸法にトリムすることができる。たとえば、図示される実施形態では、外縁部312をトリムすることができる。しかし、いくつかの実施形態では、生地310,311の他の縁部または他の区域をトリムして、所望の寸法の生地310,311を提供できることは認識されるであろう。
【0086】
また、
図7Bに図示されるように、方法1000は決定ステップ1012に続けることができる。決定ステップ1012が肯定応答されて、大きい方の足サイズ402用のアッパーが形成されることになる場合、ステップ1014に続くことができる。実施形態によるステップ1014が、
図17および
図18に図示されている。しかし、決定ステップ1012が否定応答されて、小さい方の足サイズ401用のアッパーが形成されることになる場合、ステップ1016に続くことができる。実施形態によるステップ1016が、
図19および
図20に図示されている。
【0087】
大きい方の足サイズ402用の大きい方のアッパーが形成されることになるとすると、スキン付き生地311は、トリミングツール368を用いて第1トリムライン331に沿ってトリムすることができる。トリミングツール368は、図示されるように、ハサミにすることができる。追加の実施形態では、トリミングツール368は、打抜き型または他の適当な裁断ツールとすることができる。完全にトリムされたら、スキン付き生地311は第1裁断地370および第1除去片372に分けることができる。
【0088】
図示される実施形態に示されるように、第1除去片372はスカラップ366の各々を含むことができる。このように、スカラップ366は第1裁断地370から除去することができる。また、このトリムの結果として、第1裁断地370は新たな裁ち縁部374を有することができる。この裁ち縁部374は、
図6の大きい方の靴サイズ402で使用されるためのアッパー120の1つ以上の所定の寸法を少なくとも部分的に画成することができる。
【0089】
具体的には、
図18に図示されるように、裁ち縁部374は裁断地370の所定の第1の幅500および/または第1の長さ502を画成することができる。第1の幅500および第2の幅502の寸法は、
図6の実施形態に示されるサイズ9の靴用のアッパー120を形成するのに適することができる。
【0090】
対して、
図7Bのステップ1012が否定応答されて、アッパーが
図6の小さい方の靴サイズ401用に形成されることになる場合、スキン付き生地311は
図19に図示されるように第2トリムライン333に沿ってトリムすることができる。
【0091】
その結果、
図20に図示されるように、スキン付き生地311は第2裁断地376および第2除去片378に分けることができる。こうして、スカラップ366を除去することができ、第2裁断地376は新たな裁ち縁部380を有することができる。また、裁ち縁部380は第2裁断地376の所定の第2の幅504および長さ506を画成することができる。第2の幅504および第2の長さ506は、
図18の第1の幅500および
第1の長さ502よりもそれぞれ小さくすることができる。第2の幅504および第2の長さ506は、
図6の実施形態に示されるサイズ8.5の靴用のアッパー120の寸法にも対応することができる。
【0092】
くわえて、
図18の裁ち縁部374および
図20の裁ち縁部380は、裁ち縁部374および裁ち縁部380が意図せず解けないようまたは擦れ切れないように接着して、固定することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、ニット要素313内の融着ヤーンは裁ち縁部374および裁ち縁部380を融着および固定して、解けるのを防止することができる。また、いくつかの実施形態では、スキン層140が裁ち縁部374および裁ち縁部380を接着および固定して、解けるのを防止することができる。
【0093】
再び
図7Bを参照すると、方法1000はステップ1018に続けることができる。ステップ1018では、
図5に図示されるように、ストローベル128を装着することができる。具体的には、ストローベル128は、場合により、第1裁ち縁部374または第2裁ち縁部380に装着することができる。さらに、ストローベル128は、縫製、接着剤または他の締結装置により装着することができる。くわえて、いくつかの実施形態では、伸張性ストランド132の一部を自由に延ばしたままにしてもよく、および/または縁部374,380に対して露出してもよい。これらの実施形態では、伸張性ストランド132のこれらの部分は、たとえば、同じ縫製、接着剤、または締結装置でストローベル128に固定することができる。いくつかの実施形態では、各履物製品100用のアッパー120は、ステップ1018の後に完成させることができる。追加の実施形態では、ステップ1018の後に、タグ、ロゴ、または他の物をアッパー120に追加することができる。
【0094】
最後に、
図7Bに図示されるように、方法1000はステップ1020で終わることができる。ステップ1020では、ソール構造110をアッパー120に装着することができる。
図4に図示されるように、縁部374,380は、ソール構造110の上に配置されるか、ソール構造110に埋め込まれるか、またはその他の形でソール構造110に装着することができる。同様に、ステップ1020で、伸張性ストランド132の露出端部または自由端部およびスキン層140の各区域を、ソール構造110内に配置し、ソール構造110に埋め込み、ソール構造110に取り付けることができる。
【0095】
前述したように、方法1000は、本開示の範囲を逸脱することなく、
図7Bに図示される実施形態とは異なることができる。たとえば、
図7Bに示されるステップは省略し、追加し、他のステップと組合せ、代替ステップと取り替え、またはその他の形で変えることができる。
【0096】
たとえば、方法1000の代替実施形態を
図7Aに示す。図示されるように、方法1000は、
図7Bに示すものと実質的に同じにすることができる。ただし、ステップ1010は省略されている。このように、方法1000のこの実施形態では、編み生地310に任意のスキン層140は追加されていない。代わりに、ステップ1008で編み生地310が加熱され、次いで、
図17〜
図20を参照して上述したように、ステップ1014またはステップ1016で編み生地310がトリムされる。
【0097】
したがって、方法1000および方法1000を用いて構成された製品は製造効率を高めることができる。たとえば、異なるサイズのアッパー120を形成するのに同じツール、装置、部品および道具を使用することができるので、必要なツール、装置、部品および他の道具を少なくしてもよい。また、編みプロセスにより生じる履物100の形成の障害は、2つの異なるサイズのアッパー120の形成に同じ編み生地310を使用することができるので軽減することができる。くわえて、編み生地310および/またはスキン付き生地311から不均一な縁部に生じる凹み、スカラップ366または他の不揃いを除去することにより、対応させる縁部を直接突き合わせやすくなるので、ストローベル128の装着を容易にすることができる。
【0098】
本開示のさまざまな実施形態を説明してきたが、この説明は制限ではなく例示的なものを意図しており、本開示の範囲内にある他の多くの実施形態および実施態様が可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の請求項およびその均等物に鑑みる場合を除き制限されるべきではない。また、本明細書において説明される特徴のさまざまな修正、組合せおよび変更を、添付の請求項の範囲内で行ってもよい。