特許第6504228号(P6504228)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6504228
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 31/08 20060101AFI20190415BHJP
   H01R 13/68 20110101ALI20190415BHJP
【FI】
   H01R31/08 Z
   H01R13/68
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-202583(P2017-202583)
(22)【出願日】2017年10月19日
(62)【分割の表示】特願2014-199508(P2014-199508)の分割
【原出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-10878(P2018-10878A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2017年10月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 元
(72)【発明者】
【氏名】田端 正明
(72)【発明者】
【氏名】大森 康雄
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−146761(JP,U)
【文献】 特開2011−108622(JP,A)
【文献】 特開2000−260534(JP,A)
【文献】 特開2006−049180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 31/08
H01R 13/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手端子金具と接続可能な端子接続部と部品接続部とを一体に備えた端子金具と、
前記端子金具を収容可能であるとともに、前記部品接続部を外部に露出させる開口部が形成されたコネクタハウジングと、
前記開口部を通して前記部品接続部に接続可能な導電性を有する機能部品とを備え、
前記端子金具は長手方向の両端部に前記端子接続部を有する中継端子であり、かつ前記端子接続部の長手方向内側には前記部品接続部がそれぞれ設けられ、この部品接続部同士は前記コネクタハウジング内において分断可能に連結され、前記部品接続部の分断の有無に基づき、前記部品接続部が分断された端子金具においては、切り離された前記部品接続部間に前記機能部品が架設されるようになっており、
前記部品接続部は、開脚及び閉脚が可能な一対の接続脚を有し、
前記一対の接続脚の脚端部には、左右方向に迫り出す膨出部が形成され、
前記一対の接続脚の間に前記機能部品が圧入気味に差し込まれるようになっていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記機能部品は、ヒューズ、あるいはリレーであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コネクタには例えば中継機能が付与された仕様(中継コネクタ)、あるいはジョイント機能が付与された仕様(ジョイントコネクタ)等、種々のものがある。下記特許文献1に開示されたジョイントコネクタでは、コネクタハウジングの内部に複数のタブ部が並列して備えられたジョイント端子が組込まれていて、各タブ部に接続される相手端子金具を一括してジョイントをとることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−333628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したようにジョイントコネクタであれば、その仕様毎に専用の構成(ジョイント端子)が必要であり、一つの仕様から他の仕様への転用を図ることが容易でない。したがって、仕様毎にコネクタが専用化してしまう、と言う問題があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、他仕様への転用が容易なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタは、相手端子金具と接続可能な端子接続部と部品接続部とを一体に備えた端子金具と、前記端子金具を収容可能であるとともに、前記部品接続部を外部に露出させる開口部が形成されたコネクタハウジングと、前記開口部を通して前記部品接続部に接続可能な導電性を有する機能部品とを備え、前記端子金具は長手方向の両端部に前記端子接続部を有する中継端子であり、かつ前記端子接続部の長手方向内側には前記部品接続部がそれぞれ設けられ、この部品接続部同士は前記コネクタハウジング内において分断可能に連結され、前記部品接続部の分断の有無に基づき、前記部品接続部が分断された端子金具においては、切り離された前記部品接続部間に前記機能部品が架設されるようになっており、前記部品接続部は、開脚及び閉脚が可能な一対の接続脚を有し、前記一対の接続脚の脚端部には、左右方向に迫り出す膨出部が形成され、前記一対の接続脚の間に前記機能部品が圧入気味に差し込まれるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コネクタハウジングに開口部を形成し、端子金具の部品接続部が開口部において外部に露出されるようになっている。したがって、コネクタに要求される仕様に応じて機能部品を装着したり、しなかったりの選択を容易に行うことができる。つまり、コネクタを異なる仕様に簡単に変更することができる。
また、本発明のコネクタは、部品接続部を分断しない場合は、端子金具は通常の中継端子として機能する。部品接続部を分断した場合は、部品接続部間が切り離される。この間を例えばヒューズ、リレーといった機能部品によって接続するようにすれば、回路中にヒューズ、リレーに基づく機能が付加された仕様に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】参考例に係るコネクタの斜視図
図2】同じくコネクタハウジングの平面図
図3】同じく底面図
図4】同じく背面図
図5】端子金具と機能部品であるジョイント部材とを示す斜視図
図6】コネクタハウジングに端子金具を装着した状態を示す平面図
図7】同じく底面図
図8】さらにジョイント部材を装着した状態を示す底面図
図9】下段側の端子金具列を水平方向に切断して底面側から見た断面図
図10図8のA−A線断面図
図11図8のB−B線断面図
図12】上下段の端子金具とジョイント部材とを示す側断面図
図13】実施例に係るコネクタにおいて、中継端子の破断部を除去した状態で、機能部品であるヒューズを接続した状態を拡大して示す平断面図
図14】同じく側断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
本発明のコネクタは、機能部品としてヒューズあるいはリレーを適用してもよい。このようにすることで、これら部品の機能を付加したコネクタ仕様に変更することができる。
【0010】
次に、本発明のコネクタを、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
<参考例>
図1図11は本発明の参考例に係るコネクタを示している。参考例に係るコネクタCは図1に示すような箱型のコネクタハウジング1を有しており、内部には複数の端子金具が収容されている。なお、以下の説明中、「上下」に関する称呼は図1に基づいて行うものとする。「前後」に関する称呼は図2に基づいて行うものとし、図2における左方を「前」、右方を「後」と呼ぶものとする。また、「左右」に関する称呼は図2に基づいて行うものとする。
【0012】
<端子金具2:図5参照>
端子金具2は、導電性の平板の金属材がプレスによって所定形状に打ち抜かれて形成されている。本参考例における端子金具2は中継端子であり、長手方向の両端部にタブ状の端子接続部3が形成され、共に図示しない相手端子金具と接続可能である。
【0013】
各端子金具2において、両端子接続部3の長手方向内側には後述するジョイント部材5(機能部品)と接続される部品接続部4が設けられている。各端子金具2がコネクタハウジング1に装着された状態において、前方に位置する側の端子接続部3(図5では手前側に位置する端子接続部3)は圧入部6を介して部品接続部4に連続するのに対し、後方に位置する端子接続部3(同図では奥側に位置する端子接続部3)は圧入部6を介在することなくそのまま部品接続部4に連続している。
【0014】
圧入部6は端子接続部3および部品接続部4における接続脚8(次述)より広幅に形成されている。また、圧入部6と端子接続部3との境界部分の両側には一対のストッパ片7が張り出し形成されている。
【0015】
両部品接続部4は一対の接続脚8を有している。各端子金具2において、両接続脚8は左右に二股状に分岐しつつ前後方向で互いに向き合うようにして延出している。但し、両接続脚8は僅かではあるが開脚・閉脚の変形が許容されている。両接続脚8の脚端部は左右両方向へ迫り出すようにして略円形状の膨出部9が形成されている。前後で対向する膨出部9同士は一対の連結片10によって接続されている。両連結片10は接続脚8や端子接続部3に比較して幅狭に形成されており、必要に応じて中間部で切り離し可能である。また、両連結片10は接続脚8及び端子接続部3とほぼ面一に形成されている。さらに、両連結片10における前後方向の中央部にはそれぞれ左右方向外向きに一対の張り出し片11が張出し形成されている。本参考例においては、両張り出し片11は連結片10から一段低くなるように屈曲しつつ外方へ張り出している。両張り出し片11は両ストッパ片7よりもさらに外方へ張り出すように形成されている。
【0016】
<コネクタハウジング1:主として図1図4参照>
コネクタハウジング1は合成樹脂材によって一体に形成されている。本参考例のコネクタハウジング1の上面には凹部12が形成されている。この凹部12は、図1図2に示すように、コネクタハウジング1の左右方向の中心線から左側に偏った状態で配され、かつ前後方向の全長に亘って形成されている。凹部12が形成されることで、コネクタハウジング1の上面における凹部12を挟んだ左側は幅狭の第1凸部1Aとなり、右側は幅広の第2凸部1Bとなっている。
【0017】
コネクタハウジング1内には複数の端子金具2が上下二段で左右方向に一定ピッチで配列されるように組込まれている。図10に示すように、参考例では上段側(図示では下段)に計3本の端子金具2が、下段側(図示では上段側)には計6本の端子金具2が配されている。
【0018】
図2に示すように、第1、第2の両凸部1A、1Bの上面であって、前後方向の略中央部にはそれぞれ第1、第2の開口部13、14が形成されている。これら開口部13、14は、後述する上段側に配された各端子金具2の部品接続部4(接続脚8、連結片10及び張り出し片11)を露出させることができる。また、図3に示すように、コネクタハウジング1の下面には第3開口部15が設けられている。第3開口部15はコネクタハウジング1のほぼ全幅に亘って開口している。第3開口部15は、前後方向に関して第1、第2の開口部13、14と対応する位置と前後幅をもって設けられており、下段側に配された全ての端子金具2の部品接続部4(接続脚8、連結片10及び張り出し片11)を露出させている。
【0019】
図9図12に示すように、コネクタハウジング1の前後部には、前方あるいは後方へ開口する一対のフード部16が形成されている。両フード部16内には端子金具2の端子接続部3が上下二段に複数個、並列して突出している。両フード部16には図示しない相手コネクタがそれぞれ嵌合可能であり、相手コネクタが嵌合することで、対応する雌雄の端子金具同士が接続され、これによってコネクタCに対して前後から嵌合した相手コネクタ同士が電気的に中継されうる。
【0020】
コネクタハウジング1の内部において両フード部16の奥壁の間には端子金具2を装着するための端子装着部17が形成されている(図9図12参照)。端子装着部17には各端子金具2を収容するために複数のキャビティ18が設けられている。本参考例の場合、下段側には6室のキャビティ18が左右方向に沿って一定ピッチで配され、上段側には凹部12を挟んで右側には2室のキャビティ18が、左側には1室のキャビティ18が配されている。各キャビティ18は両フード部16の奥壁間を前後方向に沿って形成され、左右方向に隣接する各キャビティ18は仕切り壁19あるいは両凸部1A、1B内の壁面によって区画されている。
【0021】
また、各キャビティ18における左右方向中央部には前後方向に沿ってレール溝32が凹み形成されている(図2図3図11等参照)。各キャビティ18において、レール溝32の左右両側部の端面は端子金具2の接続脚8を支持する当接面33となっている。図11に示すように、レール溝32が上下に対応する部位においては、両レール溝32間には区画壁34が形成されるようにしている。
【0022】
図4に示すように、前側のフード部16の奥壁には、端子金具2全体を各キャビティ18へ差し込み可能とする差し込み口20が複数開口しており、それぞれは対応するキャビティ18と連通している。一方、後側のフード部16の奥壁には、図12に示すように、端子金具2の後側の端子接続部3を後側フード部16内に突出させるための突き出し口21が開口し、それぞれは対応するキャビティ18に連通している。かくして、各端子金具2はコネクタハウジング1に対して前側のフード部16を通して差し込みがなされる。
【0023】
各キャビティ18の左右方向の幅は端子金具2の圧入部6の幅より僅かに狭く形成され、また各突き出し口21の幅は端子接続部3と等しいかやや狭めに形成されている。これらのことによって、各端子金具2はキャビティ18に対して圧入されて抜け止め状態で保持される。また、差し込み口20の入口部分にはそれぞれ一対ずつストッパ壁22が形成され、各端子金具2がキャビティ18内に正規深さまで挿入されると、端子金具2のストッパ片7が当接して端子金具2の差し込み深さが規制されるようにしてある。
【0024】
図1図2に示すように、第1、第2開口部13、14内の前後方向の中央部で左右方向の外側の壁面にはスリット23が上下方向に沿って凹み形成されている。図3に示すように、このようなスリット23は第3開口部15内の左右方向両側面にも設けられている。これらスリット23は、上段側及び下段側に配された端子金具2のうち左右方向両端部に位置する端子金具2の外側の張り出し片11に対する支持面24を端子装着部17内に成形するためのものである。また、残りの張り出し片11に対する支持面24を成形するべく、端子装着部17は各支持面24を残した状態で、端子装着部17はスリット23の延び方向に沿った平面によって前後に概ね分割された形態となっている。換言すれば、前後に分割された端子装着部17同士はこれら支持面24が上下の端面に凹み形成された複数の壁体25によって連結されている(図3参照)。
【0025】
なお、図6に示すように、コネクタハウジング1における凹部12の底面には、前後方向に関して上記したスリット23が形成されている位置と同位置であって端子金具2(下段側端子金具2のうち中央の3本の端子金具2)と対応する3か所には、窓孔26が開口している。各窓孔26は、これら端子金具2の張り出し片11の一部および連結片10の中央部を露出させている。
【0026】
図10に示すように、上下段共に、左右方向の両端に位置する張り出し片11に対する支持面24を除き、他の各支持面24を有する壁体25には逃がし溝27が上下に貫通し、各壁体25を左右に分離している。このことにより、支持面24は逃がし溝27を挟んで左右に分かれ、左右方向で隣接する張り出し片11をそれぞれ別個に支持するようになっている。つまり、左右方向で隣接する張り出し片11の間に逃がし溝27が概ね位置するようになっていて、後述するジョイント部材5が装着されるときには、ジョイント部28が隣接する張り出し片11の間に圧入気味に分け入るとともに、ジョイント部28の先端が逃がし溝27内へ進入できるようにしている。
【0027】
次に、ジョイント部材5について説明すると、ジョイント部材5は導電性の金属製平板材によって一体に形成されている。図5は下段側に配された各端子金具2同士をジョイントするものを示している。図8に示すように、下段側ジョイント部材5におけるベース板5Aは第3開口部15の左右方向の全長よりやや短めの寸法をもって形成され、第3開口部15の前後方向の寸法より十分に短い幅をもって形成されている。図5に示されている下段側のジョイント部材5には左右方向に一定ピッチで計5本のジョイント部28が備えられている。各ジョイント部28はベース板5Aからの曲げ起こしによって形成されている。各ジョイント部28のピッチは下段側の端子金具2とほぼ等ピッチである。下段側のジョイント部材5を第3開口部15内に装着すると、ジョイント部28が左右方向で隣接する各張り出し片11間に圧入気味に一斉に押し入り、その先端が逃がし溝27内に進入するようになっている。このことによって、下段側の全ての端子金具2が一斉にジョイントされる。
【0028】
一方、上段側の端子金具2に対しては第2開口部14内に位置する端子金具2に対してのみ上段側ジョイント部材5が用いられている。上段側ジョイント部材5はベース板5Aから一本のジョイント部28が切起こしによって突設された構造であり、第2開口部14内に装着されると、隣接する張り出し片11間にジョイント部28が圧入状態で進入し、両端子金具2間でのジョイントがとられることは下段側と同様である。
【0029】
次に、上記のように構成された参考例の作用効果について説明する。コネクタハウジング1の各キャビティ18に対して端子金具2の装着を行った後に、端子金具2間のジョイント作業がなされる。その場合には、下段側の各端子金具2に対して第3開口部15より下段側のジョイント部材5を嵌め入れる。そして、各ジョイント部28を対応する張り出し片11の間に圧入気味に差し込む(図8図9参照)。これにより、下段側の各端子金具2は一斉にジョイントされる。
【0030】
また、上段側の端子金具2に対して第2開口部14より上段側ジョイント部材5を差し入れ、このジョイント部材5のジョイント部28を、第2開口部14内に位置する二つの端子金具2の張り出し片11間に圧入気味に差し込んでやれば、第2開口部14内の両端子金具2同士もジョイントされる。
【0031】
かくして、参考例では下段側の全ての端子金具2が、また上段側では第2開口部14内の両端子金具2がそれぞれジョイントされる。すなわち、上段側及び下段側のジョイント部材5が装着される前のコネクタは、通常の中継コネクタとしての仕様であるが、第2、第3開口部14、15を通してジョイント部材5を装着することによって中継ジョイントコネクタの仕様へと簡単に変更することができる。
【0032】
また、下段側ジョイント部材5においては、曲げ起こしによって形成された各ジョイント部28の曲げ起こしを選択的に行うことが可能である。そのようなジョイント部28の形成位置および数を変更したものを複数種用意しておき、これらの中から所望とする種類を選択してコネクタハウジング1に装着すれば、下段側の端子金具2に対し複数のジョイントパターンを構築することができる。
【0033】
さらに、下段側の端子金具2と上段側の端子金具2とをジョイントさせることも可能である。例えば、図10において、下段側ジョイント部材5の左端に位置するジョイント部28を形成せず、上段側ジョイント部材5のジョイント部を延長し、対応する両下段側端子金具2の両張り出し片11間にも圧入させるようにすればよい。このようにすれば、ジョイントパターンをさらに拡張させることができる。
【0034】
<実施例>
図13及び図14は本発明の実施例を示している。実施例では各端子金具2のうち任意の端子金具2における両連結片10を前後方向中央部で分断している。これにより、端子金具2は前半部と後半部とに切り離される。そして、前半部と後半部にヒューズ29(機能部品)を架設するようにしている。ヒューズ29は本体部30からリード端子31が突出して構成されており、両リード端子31が上記端子金具2における前半部と後半部のそれぞれの接続脚8間に圧入気味に差し込まれることによって、中継コネクタとしての仕様からヒューズ29を搭載した仕様へと簡単に変更することができる。
なお、コネクタハウジング1を含め、他の構成は、参考例と同様である。
【0035】
上記した連結片10の分断作業は、端子金具2をコネクタハウジング1に装着した後、つまりコネクタハウジング1内において行うことができる。例えば、下段に配された端子金具2のうち上段側に対応するものを持たないものについてヒューズ29の取付けがなされる。すなわち、この位置にある端子金具2であれば、図10に示すように、張り出し片11が形成されている前後幅の領域では端子装着部17が前後に分断され上下両方向共にコネクタハウジング1の外部に開放されているため、上下両方向からカッター及びその受けとなる装置を進入させて両連結片10を張り出し片11の前後幅分だけ切り落とすことができる。こうして前後に分断された端子金具2に対して第3開口部15を通してヒューズ29を架設することができる。
【0036】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記参考例及び実施例では、雄端子金具2に機能部品(ジョイント部材5、ヒューズ29)を搭載する例を示したが、雌端子金具に搭載するようにしてもよい。
(2)上記実施例では機能部品としてヒューズ29を例示したが、リレーを搭載することも可能である。
(3)上記参考例では中継コネクタに適用した場合を示したが、プリント基板に搭載されるコネクタに適用してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…コネクタハウジング
2…端子金具
3…端子接続部
4…部品接続部
5…ジョイント部材(機能部品)
13〜15…第1〜第3開口部
28…ジョイント部
29…ヒューズ(機能部品)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14