(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
脱穀装置(3)の上部に備えた脱穀室(11)の一側に、穀稈を供給搬送する供給搬送チェン(13B)を設け、前記脱穀室(11)の下方には、脱穀された被処理物を選別する揺動選別棚(20)を設け、該揺動選別棚(20)には、穀粒と藁屑とを選別するシーブ(23)を設けたコンバインにおいて、前記シーブ(23)には、該シーブ(23)に摺接しながら揺動選別棚(20)の揺動方向と交差する方向に往復移動するスクレーパ(30)を設け、該スクレーパ(30)を往復移動させる駆動リンク部材(37)に取付けた一対の駆動伝達手段(40、41)の一端を、前記供給搬送チェン(13B)を駆動する駆動用回転体(42)に対して該駆動用回転体(42)の回転中心となる出力軸(44)の軸心を基準に点対称となる部位に係止し、エンジン(70)における冷却ファン(77)を設けた側とは反対の側にテールパイプ(72)を配置し、該テールパイプ(72)の近傍に、前記揺動選別棚(20)の下方に備える唐箕(16)の吸気口(79)を配置したことを特徴とするコンバイン。
前記エンジン(70)における脱穀装置(3)側の上方に排気浄化装置(71)を設け、該排気浄化装置(71)に前記テールパイプ(72)の基部を取り付けた請求項1に記載のコンバイン。
前記駆動用回転体(42)に、該駆動用回転体(42)と一体回転する回転体(48)を取付け、該回転体(48)の外側部に設けた一対の取付ピン(49)に、前記駆動伝達手段(40、41)の一端を係止した請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、専用のモータを必要とするので、モータの取付スペースを要し、コストが高くなるという課題がある。
【0005】
本願は、シーブのスクレーパを、モータを不要にして作動するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、脱穀装置(3)の上部に備えた脱穀室(11)の一側に、穀稈を供給搬送する供給搬送チェン(13B)を設け、前記脱穀室(11)の下方には、脱穀された被処理物を選別する揺動選別棚(20)を設け、該揺動選別棚(20)には、穀粒と藁屑とを選別するシーブ(23)を設けたコンバインにおいて、前記シーブ(23)には、該シーブ(23)に摺接しながら揺動選別棚(20)の揺動方向と交差する方向に往復移動するスクレーパ(30)を設け、該スクレーパ(30)を往復移動させる駆動リンク部材(37)に取付けた一対の駆動伝達手段(40、41)の一端を、前記供給搬送チェン(13B)を駆動する駆動用回転体(42)に対して該駆動用回転体(42)の回転中心となる出力軸(44)の軸心を基準に点対称となる部位に係止し、エンジン(70)における冷却ファン(77)を設けた側とは反対の側にテールパイプ(72)を配置し、該テールパイプ(72)の近傍に、前記揺動選別棚(20)の下方に備える唐箕(16)の吸気口(79)を配置したことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記エンジン(70)における脱穀装置(3)側の上方に排気浄化装置(71)を設け、該排気浄化装置(71)に前記テールパイプ(72)の基部を取り付けた請求項1に記載のコンバインとしたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記駆動用回転体(42)に、該駆動用回転体(42)と一体回転する回転体(48)を取付け、該回転体(48)の外側部に設けた一対の取付ピン(49)に、前記駆動伝達手段(40、41)の一端を係止した請求項1または請求項2に記載のコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、スクレーパ30専用の駆動源を設ける必要がなくなり、コストダウンできる。
【0010】
また、スクレーパ30が供給搬送チェン13Bの駆動用回転体42の回転により往復移動する際、一対の駆動伝達手段40、41は、駆動用回転体42の回転中心となる出力軸44の軸心を基準に点対称となる部位に係止しているので、駆動用回転体42の回転を効率よく往復運動に変換することができる。
【0011】
そして、唐箕16の吸気口79から脱穀装置3内に温風が取り込まれることによって、湿材の脱穀処理時に塵埃の付着による脱穀ロスの低減を図ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、上記の効果に加え、駆動用回転体42と一体回転する回転体48の外側部に設けた取付ピン49に、一対の駆動伝達手段40、41を係止しているので、駆動用回転体42の回転運動を回転体48の取付ピン49が往復運動に変化させ、この往復運動を駆動伝達手段40、41を介して駆動リンク部材37に伝達して、スクレーパ30を往復移動させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態をコンバインの例にて図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取装置、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、6はグレンタンク5の前方に設けた操縦部である。
【0015】
前記刈取装置4は、圃場の穀稈を分草する分草装置7と、穀稈を引き起こす引起装置8と、引き起こした穀稈を切断する刈刃9等を備えている。
【0016】
前記脱穀装置3は、上部に扱胴10を略水平に軸装した脱穀室11を設け、脱穀室11の一側には前記刈取装置4により刈り取った穀稈を供給搬送する穀稈供給搬送装置12の穀稈を挾持搬送する挾扼杆13Aと供給搬送チェン13Bを設けている。14は穀稈供給搬送装置12から引き継いだ脱穀済みの排藁を搬送する排藁搬送装置である。
【0017】
なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【0018】
扱胴10の主として下方側は扱網15により包囲し、扱網15の下方には唐箕16の唐箕ケーシング17を設ける。前記脱穀室11の下方には前記唐箕16の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室18を形成し、風選室18内には唐箕16の送風方向(前後方向)に往復揺動する揺動選別棚20により構成した揺動選別装置21を設ける。
【0019】
揺動選別装置21は、その揺動選別棚20の始端部(前端部)を唐箕ケーシング12の上方に位置させて移送棚部22に形成する。移送棚部22の移送方向下手側にはシーブ23を設ける。
【0020】
24はシーブ23の下手側に設けたストローラック、25は揺動選別棚20の下方所定位置に設けた一番コンベア、26は一番コンベア25の後側に設けた二番コンベアである。
【0021】
しかして、シーブ23は、薄い縦方向の平板形状のフィン27(
図7)を、枠体28に前後に所定間隔をおいて揺動方向に複数並設し、移送方向の下手側(後側)が高くなるように傾斜させて設けて構成する。
【0022】
前記シーブ23のうち、少なくとも、始端側に配置したシーブ23には、スクレーパ30を設ける。スクレーパ30は、シーブ23と共に、枠体28に取付け、枠体28を揺動選別棚20に対して着脱自在に取付ける。
【0023】
そのため、スクレーパ30とシーブ23は、揺動選別棚20に対して着脱自在に構成される。
【0024】
シーブ23の付着物はスクレーパ30により除去され、シーブ23のフィン27間の間隔が付着物により狭くなるのを防止し、穀粒の漏下効率の低下を抑制して、脱穀ロスの発生を防止する。
【0025】
なお、本実施形態では、フィン27を枠体28に設けたシーブ23を前後に分割し、始端側のシーブ23にスクレーパ30を設けているが、終端側のシーブ23に、スクレーパ30と同一構成のスクレーパを設け、付着物の除去するように構成しても良い。
【0026】
前記スクレーパ30の摺接部材31は、シーブ23のフィン27と直交させて、左右方向に複数並設して構成する。各摺接部材31には前記フィン27の断面形状に合わせた透孔(図示省略)を複数形成し、各透孔に各フィン27を挿通して取付ける。
【0027】
そのため、摺接部材31は移動する際にフィン27の上下両面の付着物を除去する。
【0028】
即ち、湿った穀稈の脱穀作業では、作業中に湿ったフィン27の下面にも藁屑等が付着して各フィン27間の隙間を塞ぐが、摺接部材31によりフィン27の下面の付着物の除去も可能となって、各フィン27間の隙間を確保して、穀粒の落下を円滑にさせて、穀粒の回収効率を向上させ、湿材適応性を向上させられる。
【0029】
前記スクレーパ30の摺接部材31は、揺動選別棚20の揺動方向に対する交差方向に往復移動する構成とする。
【0030】
前記各摺接部材31の下部には取付部32を設ける。各摺接部材31の取付部32を連結部材33により連結して、各摺接部材31が互いに所定間隔を保持したまま、左右方向に往復移動させる。
【0031】
スクレーパ30の夫々の互いに連結した複数の摺接部材31のうちの何れかには縦方向の取付軸(係合軸)34を取付け、取付軸34は前後方向の前後アーム35の先端の長孔により形成した係合孔(図示省略)に係合させる。前後アーム35の基部には左右方向の左右アーム36の左右中間部を固定し、前後アーム35と左右アーム36により摺接部材31を駆動させる駆動リンク部材37を構成する。駆動リンク部材37は左右アーム36の左右中間部を取付軸38により前側枠体28側の所定部分に回動自在に取付ける。
【0032】
前記左右アーム36の左右両端にはワイヤー等の一対の駆動伝達手段40、41を夫々連結し、一対の駆動伝達手段40、41は後述する供給搬送チェン13Bの駆動源を利用してスクレーパ30を左右方向に往復移動させる構成とする。
【0033】
そのため、スクレーパ30専用の駆動源を設ける必要がなくなり、コストダウンが図れる。
【0034】
本実施形態では、スクレーパ30は供給搬送チェン13Bの駆動源である駆動歯車(請求項の「駆動用回転体」)42により交互に押し引きされ、スクレーパ30を左右方向に往復移動させているが、供給搬送チェン13Bの従動歯車43(
図9)によりスクレーパ30を作動させる構成でもよく、また、本実施形態では、前側に駆動歯車42を後側に従動歯車43を配置しているが、駆動歯車42と従動歯車43の配置を前後反対にしてもよい。
【0035】
前記一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41とは、駆動歯車42(従動歯車43)の出力軸44の軸心を基準に点対称に配置する。
【0036】
そのため、駆動歯車42の回転を効率よく往復運動に変換することができる。
【0037】
一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41は、供給搬送チェン13Bを支持するチェンレール45の側部に平行状に配置すると共に、チェンレール45の始端部側に位置する回動軸46の前方を迂回させて、前記駆動リンク部材37に係止する構成とする。
【0038】
そのため、供給搬送チェン13Bの終端を外側方にオープン可能な構成としつつ、供給搬送チェン13Bのオープン操作の妨げにならないように一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41とを配索できる。
【0039】
47はチェンレール45の支持部材であり、支持部材47の前端に前記回動軸46を形成している。
【0040】
供給搬送チェン13Bの駆動歯車42と供給搬送チェン13Bの出力軸44とは、所謂カップリング接合により継脱(着脱)自在構成とし(
図5、
図10)、前記一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41は出力軸44から離脱させた駆動歯車42に係止可能に構成する。
【0041】
そのため、駆動伝達手段40、41の組立作業時に、駆動伝達手段40、41を任意の位置に手動調節できるため、組立工数を低減でき、調整不良を防ぐことができる。
【0042】
即ち、駆動歯車42には駆動歯車42と一体回転する回転体48の基部を取付け、回転体48の先端に取付ピン49を設け、この取付ピン49の前後の何れか一方側から一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41の一方を係止し、取付ピン49の前後の何れか他方側から一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41の他方を係止し、前側から取付ピン49に係止した一方側駆動伝達手段40はそのまま前方に向けて配索してチェンレール45の外側方への回動中心である回動軸46を迂回させ、取付ピン49の後側から係止した一方側駆動伝達手段40は一旦後方に向けて配索した後、案内ローラ等の案内手段(図示省略)により配索方向を前方に変換させてチェンレール45の回動軸46を迂回させ、一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41の夫々は駆動リンク部材37に係止する。
【0043】
50は一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41の夫々の先端に設けた取付部材、51は一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41の支持部材、52はチェンレール45を支持部材47に連結する連結部材、53は出力軸44を軸装したギヤケースである。
【0044】
なお、出力軸44はギヤケースに軸装されているので、
図9、
図10には本来図示されないが、理解を容易にするため、回転体48の回転中心として符号「44」を付しているが、これにより、本発明の構成が限定されることはない。
【0045】
図13は、グレンタンク5のオープン機構55を示し、グレンタンク5は上下に分割形成し、グレンタンク5の金属製の下側タンク56には排出用の排出螺旋(図示省略)を軸装し、グレンタンク5の上側タンク57は合成樹脂により形成すると共に外側オープン自在に構成している。
【0046】
上側タンク57の後部には縦フレーム58を設け、縦フレーム58に上下一対のアーム59の基部を取付ける。アーム59の先端は上下一対の支持部材60に回動支点軸61により回動自在に取付ける。支持部材60は前記排出螺旋の終端に接続した排出揚穀筒62側に取付ける。
【0047】
前記支持部材60とアーム59との間には、オープン状態のグレンタンク5をロック機構63を設ける。ロック機構63は支持部材60側に係合フック64の基部を設け、係合フック64の先端をアーム59に係合させ、グレンタンク5のオープン状態を保持する。
【0048】
そのため、不用意なグレンタンク5の復帰動作を防止できる。
【0049】
係合フック64は丸棒部材により先端を下方に屈曲させて形成し、回動支点軸61に対してグレンタンク5のオープンにより所謂死点越えしたアーム59に係合させ、グレンタンク5のオープン状態を保持する。
【0050】
図14〜
図16は、エンジン70付近の側面図であり、エンジン70の脱穀装置3側上方には排気浄化装置(D.O.C)71を設け、排気浄化装置71にテールパイプ72の基部を取付ける。テールパイプ72は、側面視において、縦長の縦筒部73の上部を排気浄化装置71に接続し、縦筒部73はエンジンルームよりグレンタンク5側に突出させてから直下方に導き、縦筒部73の下部を後方に屈曲させて後側筒部74を形成し、後側筒部74は機体フレーム1の下面と走行装置2の上面との間に位置させている。
【0051】
エンジン70の後方を包囲する後側カバー75の内側部分は内側に至るに従い後方に位置するように傾斜させた屈曲部76に形成し、縦筒部73を覆うように配置する。
【0052】
そのため、テールパイプ72の熱源から作業者(オペレータ)への熱気を抑制すると共に、グレンタンク5オープン時にテールパイプ72との接触を防止する。
【0053】
換言すると、エンジン70の冷却ファン77と反対側に排気浄化装置71とテールパイプ72を配置し、後側カバー75の内側をテールパイプ72をガイドするように屈曲させて屈曲部76を設ける。
【0054】
テールパイプ72の近傍に脱穀装置3の唐箕16の吸気口79を設ける。
【0055】
唐箕16の吸引風がテールパイプ72に導かれ、温度上昇を低減できると共に、吸気口79から温風を脱穀装置3内に取り込むことで、湿材の脱穀処理時の塵埃付着による脱穀ロスの低減が図れる。
(実施形態の作用)
刈り取られた穀稈は、脱穀室11で回転する扱胴10により脱穀され、脱穀された被処理物は、扱網15から漏下して揺動選別棚20の始端部の移送棚部22に落下し、移送棚部22からシーブ23上に移送され、唐箕16からの送風と、風選室18内で往復揺動する揺動選別棚20のシーブ23とにより選別される。
【0056】
揺動選別棚20では、シーブ23の各フィン27の間から穀粒を落下させて回収するため、シーブ23のフィン27に藁屑等が付着すると、各フィン27の間の隙間が狭くなって穀粒の落下の障害となるが、シーブ23にはスクレーパ30を設けているので、スクレーパ30の左右方向に移動する摺接部材31はシーブ23のフィン27の表面を摺接移動する。
【0057】
そのため、スクレーパ30の摺接部材31はシーブ23の各フィン27間を塞ぐように付着した藁屑等を移動しながら取り除くことができ、シーブ23のフィン27間の間隔が付着物により狭くなるのを防止し、穀粒の漏下効率の低下を抑制して、穀粒の回収ロスを軽減する。
【0058】
スクレーパ30の夫々の互いに連結した複数の摺接部材31のうちの何れかには縦方向の取付軸34を取付け、取付軸34は前後方向の前後アーム35の先端の長孔により形成した係合孔60に係合させ、前後アーム35の基部には左右方向の左右アーム36の左右中間部を固定し、前後アーム35と左右アーム36により摺接部材31を駆動させる駆動リンク部材37を構成し、駆動リンク部材37は左右アーム36の左右中間部を取付軸38により前側枠体28側の所定部分に回動自在に取付け、左右アーム36の左右両端にはワイヤー等の一対の駆動伝達手段40、41を夫々連結しているので、一対の駆動伝達手段40、41のうちの一方側駆動伝達手段40を牽引すると、一対の駆動伝達手段40、41のうちの他方の他方側駆動伝達手段41は弛み、駆動リンク部材37の左右アーム36が取付軸38中心に回動し、これにより、駆動リンク部材37の前後アーム35の先端が左右往復回動し、前後アーム35は取付軸34を左右方向に往復移動させて摺接部材31を往復移動させる。
【0059】
スクレーパ30の作動機構は、駆動リンク部材37に取付けた一対の駆動伝達手段40、41を供給搬送チェン13Bの駆動源を利用して左右方向に往復移動させる構成としているので、スクレーパ30専用の駆動源を設ける必要がなくなり、コストダウンが図れる。
【0060】
スクレーパ30は供給搬送チェン13Bの駆動源である駆動歯車42により駆動リンク部材37を作動させてスクレーパ30を左右方向に往復移動させているので、スクレーパ30の作動機構を簡素に構成できる。
【0061】
一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41とは、駆動歯車42(従動歯車43)の出力軸44の軸心を基準に点対称に配置しているので、駆動歯車42の回転を効率よく往復運動に変換することができる。
【0062】
一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41は、供給搬送チェン13Bを支持するチェンレール45の側部に平行状に配置すると共に、チェンレール45の始端部の回動軸46の前方を迂回させて、前記駆動リンク部材37に係止する構成としているので、供給搬送チェン13Bの終端を外側方にオープン可能な構成としつつ、供給搬送チェン13Bのオープン操作の妨げにならないように一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41とを配索できる。
【0063】
供給搬送チェン13Bの駆動歯車42と供給搬送チェン13Bの出力軸44とは、所謂カップリング接合により継脱(着脱)自在構成とし、前記一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41は出力軸44から離脱させた駆動歯車42に係止可能に構成しているので、駆動歯車42を供給搬送チェン13Bの出力軸44から離脱させると、駆動歯車42をフリー回転として、駆動伝達手段40、41の連結時にシーブ23および駆動リンク部材37を任意の位置に手動調節でき、組立作業の容易化と組立工数の低減化でき、調整不良を防ぐことができる。
【0064】
即ち、駆動歯車42には駆動歯車42と一体回転する回転体48の基部を取付け、回転体48の先端に取付ピン49を設け、この取付ピン49の前側から一方側駆動伝達手段40を係止し、取付ピン49の後側から他方側駆動伝達手段41を係止し、前側から取付ピン49に係止した一方側駆動伝達手段40はそのまま前方に向けて配索してチェンレール45の回動軸46を迂回させ、取付ピン49の後側から係止した一方側駆動伝達手段40は一旦後方に向けて配索した後に配索方向を前方に変換させてチェンレール45の回動軸46を迂回させ、一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41の夫々は駆動リンク部材37に係止しているので、刈取脱穀作業時では、駆動歯車42の回転により回転体48が一体回転し、回転体48の先端の取付ピン49の位置が駆動歯車42の軸心に対して前後に変化し、これにより、駆動歯車42の回転運動を回転体48の取付ピン49に往復運動に変換させ、この往復運動を一方側駆動伝達手段40と他方側駆動伝達手段41とが駆動リンク部材37に伝達して、スクレーパ30を往復移動させる。