特許第6504352号(P6504352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6504352
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】板ガラス加工装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 7/24 20060101AFI20190415BHJP
   B24B 41/053 20060101ALI20190415BHJP
   B24B 47/14 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
   B24B7/24 A
   B24B41/053
   B24B47/14
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-87539(P2015-87539)
(22)【出願日】2015年4月22日
(65)【公開番号】特開2016-203307(P2016-203307A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100129148
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 淳也
(72)【発明者】
【氏名】伊吹 真澄
(72)【発明者】
【氏名】市川 耕二
(72)【発明者】
【氏名】澤村 安宏
(72)【発明者】
【氏名】三品 賢二
【審査官】 須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/187400(WO,A1)
【文献】 特開2009−160671(JP,A)
【文献】 特開平07−208474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B5/00−7/30
B24B41/00−51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板ガラスの端面を加工具で加工する板ガラス加工装置であって、
前記加工具を回転駆動するオープンループ制御式の同期モータと、
前記加工具を回転可能に支持するアーム部材と、
前記アーム部材を回転可能に支持する支持軸部材と、
前記アーム部材に偶力を与えることにより、前記加工具から前記板ガラスの端面に対して作用する押圧力を発生する押圧力発生部と
を備える板ガラス加工装置。
【請求項2】
前記板ガラスの前記端面に対する前記加工具の位置を制御する位置制御部を更に備え、
前記位置制御部は、前記加工具が前記板ガラスの始端部に接触して前記板ガラスの端面上の所定の距離を相対的に移動するまでの間、前記加工具が前記板ガラスの端面から離れないように、前記加工具のストロークを所定の値に制限する請求項1に記載の板ガラス加工装置。
【請求項3】
前記加工具のストロークは、0.03mm以上0.05mm以下に制限される請求項2に記載の板ガラス加工装置。
【請求項4】
前記加工具が前記板ガラスに対して相対的に移動する前記所定の距離は、5mm以上40mm以下である請求項2又は3に記載の板ガラス加工装置。
【請求項5】
前記加工具が前記板ガラスに対して前記所定の距離を相対的に移動する間の加工代は、0.03mm以上0.05mm以下である請求項2から4のいずれか1項に記載の板ガラス加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板ガラスの端面を加工具で加工する板ガラス加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ等の製造効率の向上や大型化の要請に応じるべく、これに使用される板ガラスのサイズは大型化する傾向にある。板ガラスのサイズを大きくすれば、1枚の板ガラスから取れるガラス基板の枚数が多くなるため、大型液晶ディスプレイに対応したガラス基板を効率良く製作することが可能になる。
【0003】
板ガラスの端部に傷が有ると、その傷から割れ等が発生するため、これを防止するために板ガラスの端部に対して面取り加工が施される。また、時間当たりの処理数量を増やし製造コストを下げるために、板ガラスの搬送速度(加工速度)の高速化が検討されている。
【0004】
面取り加工された板ガラスの端面を顕微鏡で観察すれば、板ガラスの端面に微細な凹凸による起伏を確認できる。このような板ガラスは、その後の工程(組立工程)で、この起伏に起因する欠けやクラックを生じるおそれがあり、板ガラスの端面が均一になるように研磨加工する必要がある。しかしながら、板ガラスの端面が均一になるように研磨加工するには、板ガラスの研磨代を大きめに設定しなければならないため、研磨時間が長くなり、板ガラスの搬送速度(加工速度)を更に上げることが困難である。
【0005】
このように、板ガラスの搬送速度(加工速度)を高速にするには限界があり、無理に速度を増加させようとすると、例えば、板ガラスの端面に存在する微視的な凹凸による起伏が原因で発生する衝撃力(板ガラスの端面から加工具に作用する衝撃力)によって加工具が弾かれ、板ガラスの端面から加工具が離れ(以下、この事象を「バウンド」という)、板ガラスの端面に研磨されない部分が残存してしまう。
【0006】
上記のような加工具のバウンドを防ぎ、高速で板ガラスの端面を加工する技術として、特許文献1には、加工具を支持する回転可能なアーム部材と、このアーム部材を介して加工具から板ガラスの端面に作用する押圧力を発生する押圧力発生要素と、板ガラスの端面から加工具に対して作用する衝撃力を緩衝する緩衝要素とを備えた板ガラス加工装置が開示されている。この板ガラス加工装置は、板ガラスの端面から加工具に対して作用する衝撃力を緩衝要素により緩衝することで、加工具のバウンドを防止し、板ガラスを高速搬送しつつその端面の研磨を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開WO2013/187400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記の板ガラス加工装置は、モータにより加工具を回転させながら板ガラスの端面を加工(研磨)する。板ガラスの端面に対する最適な加工を実現するには、加工具に適したモータを選定する必要がある。このことに鑑み、本発明者は、板ガラスの端面に対して良好な加工が可能となるモータの条件について詳細な検討を行った。その結果、特定のモータを使用した場合、特に加工開始時において以下のような現象が発生することが判明した。以下にその詳細を説明する。
【0009】
図8は、加工開始時における加工具の挙動を示すものである。この図8に示すように、加工対象たる板ガラスAは、送り方向Cに沿って搬送される。また、板ガラスAは、加工が開始される端部(以下「始端部」という)A1から、加工が終了する端部(以下「終端部」という)A2までの全範囲で、その端面が加工具Bにより加工されるものである。この場合において、加工具Bは、板ガラスAの始端部A1に接触した後、板ガラスAの端面に接触した状態を維持できずにバウンドし、さらにはこのバウンドが繰り返されるという現象が見受けられた。このため、板ガラスAの端面において、始端部A1側の一部が加工されないということが判った。
【0010】
本発明者は、この加工開始時における加工具Bのバウンドを詳細に観察した結果、その原因を特定することができた。すなわち、本発明者は、加工具Bを駆動するモータにサーボモータが採用される場合に、このバウンドが生じることを特定できたのである。以下、このバウンドが生じる理由について説明する。
【0011】
サーボモータは、速度フィードバック制御(クローズドループ制御)を採用している。具体的には、サーボモータは、その回転速度を検出可能な検出装置(エンコーダ)と、検出装置によって検出された回転速度値を、目標値と比較する比較装置とを備える。このサーボモータは、比較装置による比較によって、その回転速度が目標値を維持できるように、その出力トルクが制御されるものである。
【0012】
加工開始時においては、加工具Bは、板ガラスAの始端部A1に当接することで、その回転速度を低下させる。サーボモータは、この回転速度の低下を補償するために、その出力トルクを急激に増加させる。この出力トルクの増加により、加工具Bが板ガラスAの端面に加える力が短時間で増加し、これに応じて板ガラスAからの反力も増加する。そうすると、加工具Bを支持するアーム部材に、その回転軸まわりのモーメントが生じ、その作用によって加工具Bが板ガラスAの端面から離れてしまっていた。
【0013】
その後、加工具Bは、押圧力発生要素による押圧力により、板ガラスAの端面に接触する。この接触により、加工具Bの回転速度が再び低下すると、サーボモータは再び出力トルクを増加させ、これによって上記のバウンドが繰り返されてしまっていた。このように、加工開始時に複数回のバウンドが生じることにより、板ガラスAの始端部A1の近傍における端面の複数箇所に、加工が行われない部分が残存してしまうという結果となった。
【0014】
以上のような加工開始時における加工具Bのバウンドは、サーボモータによるトルクの変動によって強制的に発生するものである。したがって、このバウンドは、板ガラスAの端面における微小な凹凸による起伏から発生する従来のバウンドと比べて格段に大きなものとなる。このため、従来の板ガラス加工装置における緩衝要素では、加工開始時に生じる加工具Bのバウンドを防止することができず、別の手段を講じる必要があった。
【0015】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、板ガラスの端面を加工する場合において、加工開始時における加工具のバウンドを防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、板ガラスの端面を加工具で加工する板ガラス加工装置であって、前記加工具を回転駆動するオープンループ制御式の同期モータと、前記加工具を回転可能に支持するアーム部材と、前記アーム部材を回転可能に支持する支持軸部材と、前記アーム部材に偶力を与えることにより、前記加工具から前記板ガラスの端面に対して作用する押圧力を発生する押圧力発生部とを備えるものである。
【0017】
かかる構成によれば、支持軸部材によってアーム部材を回転可能に支持するとともに、このアーム部材を介して押圧力発生部による押圧力を加工具に作用させることで、加工具は、板ガラスの端面を常時定圧で加工することができる。また、本発明では、この加工具を回転駆動するモータとして同期モータを採用した。オープンループ制御式の同期モータを使用することにより、サーボモータを使用することなく加工具を回転駆動することができる。したがって、加工開始時におけるモータのトルクの変動(増加)を防止することで、加工開始時における加工具のバウンドを防止することができる。
【0018】
また、板ガラス加工装置は、前記板ガラスの前記端面に対する前記加工具の位置を制御する位置制御部を更に備え、前記位置制御部は、前記加工具が前記板ガラスの始端部に接触して前記板ガラスの端面上の所定の距離を相対的に移動するまでの間、前記加工具が前記板ガラスの端面から離れないように、前記加工具のストロークを所定の値に制限するように構成され得る。
【0019】
このように、位置制御部によって加工開始時における加工具のストロークを制限することにより、加工具が始端部に接触した後に板ガラスの端面から離れることを確実に防止できる。
【0020】
この場合において、前記加工具のストロークは、0.03mm以上0.05mm以下に制限されることが望ましい。また、前記加工具が前記板ガラスに対して相対的に移動する前記所定の距離は、5mm以上40mm以下であることが望ましい。また、前記加工具が前記板ガラスに対して前記所定の距離を相対的に移動する間の加工代は、0.03mm以上0.05mm以下であることが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、板ガラスの端面を加工する場合において、加工開始時における加工具のバウンドを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る板ガラス加工装置の一実施形態を示す上面模式図である。
図2図1のII−II線からみた位置制御部の側面図である。
図3】カム部材の回転位相に対するカムフォロアの位置を示す図である。
図4】(a)は、カム部材が第1の回転位相に回転した状態を示し、(b)はカム部材が第2の回転位相に回転した状態を示し、(c)はカム部材が第3の回転位相に回転した状態を示し、(d)はカム部材が第4の回転位相に回転した状態を示す。
図5】(a)は待機位置にある加工具を示し、(b)は第1研磨位置にある加工具を示し、(c)は第2研磨位置にある加工具を示し、(d)は退避位置にある加工具を示す。
図6】第1研磨位置における加工具の挙動を示す上面模式図である。
図7】板ガラスの端面が送り方向に対して傾斜した姿勢で、この端面を加工具により研磨する様子を示す上面模式図である。
図8】サーボモータにより回転駆動される加工具の加工開始時における挙動を示す上面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1乃至図7は、本発明に係る板ガラス加工装置の一実施形態を示す。
【0024】
板ガラス加工装置1の加工対象となる板ガラスAは、矩形の板形状を有している。板ガラスAの板厚は例えば0.05mm〜10mmである。しかしながら、本発明はこれに限定されない。本発明は、矩形以外の形状(例えば多角形)を有する板ガラスAの加工や、板厚が0.05mm〜10mm以外である板ガラスAの加工にも適用し得る。
【0025】
板ガラスAの端面は、加工具Bによって加工される。加工具Bによる板ガラスAの端面加工は、面取り加工後の端面の凹凸を均一にする研磨処理であり得る。また、板ガラスAの端面加工は、板ガラスAの端面の面取り加工(研削処理)でもあり得る。
【0026】
板ガラスAは加工具Bに対して相対的に移動する。例えば、板ガラス送り方向Cに沿って移動する板ガラスAに対して、加工具Bが固定された状態で加工を行う。また、固定された板ガラスAに対して、加工具Bが送り方向Cに沿って移動しながら加工を行い得る。加工具Bは、例えば回転駆動される砥石であり、砥石が回転しながら板ガラスAの端面を研磨加工する。
【0027】
砥石の径が小さい程、板ガラスAと砥石との接触面積が小さくなるため、砥石が板ガラスAから受ける研磨抵抗は小さくなり、砥石は板ガラスAの端面を追従し易くなる。砥石との接触面積を小さくすることによって研磨抵抗を低減し得る。本実施形態において、加工具Bには、例えば直径150mmの砥石が使用され得る。
【0028】
図1に示すように、板ガラス加工装置1は、加工具Bを回転駆動する同期モータ2と、加工具Bを回転可能に支持するアーム部材3と、このアーム部材3を支持する支持軸部材4と、加工具Bから板ガラスAの端面に対して作用する押圧力を発生させる押圧力発生部5と、加工具Bに加わる衝撃を吸収する緩衝部6と、加工具Bの位置を制御する位置制御部7とを主に備える。
【0029】
同期モータ2は、交流電流により生じる回転磁界と電機子電流により生じる磁界との回転速度差に同期して回転するものある。この同期モータ2は、クローズドループ制御(フィードバック制御)を使用することなく、オープンループ制御により加工具Bを回転駆動する。同期モータ2は、アーム部材3の先端部に支持されている。同期モータ2の駆動軸は、加工具Bに連結されている。
【0030】
アーム部材3は、支持軸部材4によって回転可能に支持されている。アーム部材3は、第1アーム部3aと、この第1アーム部3aに連結される第2アーム部3bとを有する。第1アーム部3aはその一方の端部にて同期モータ2を支持しており、この同期モータ2を介して加工具Bを支持している。第1アーム部3aの他方の端部は、第2アーム部3bに連結されている。板ガラスAの送り方向Cとアーム部材3の第1アーム部3aとによって構成される夾角θ(図1参照)は25°〜35°であることが好ましい。第2アーム部3bの一方の端部は、支持軸部材4を介して第1アーム部3aの他方の端部に連結(固定)されている。また、この第2アーム部3bには、位置制御部7が連結されている。
【0031】
アーム部材3の回転により、加工具Bは、板ガラスAの端面に対して押し当てる方向(図1に示すK1方向:押し当て方向)に移動し、又は板ガラスAの端面に対して逃げる方向(図1に示すK2方向:逃げ方向)に移動する。
【0032】
支持軸部材4は、第1アーム部3aの他方の端部と第2アーム部3bの一方の端部を連結している。これにより第1アーム部3aと第2アーム部3bとは一定の夾角をもって連結される。支持軸部材4は、押圧力発生部5による押圧力及び位置制御部7による制御によってアーム部材3が回転する際、この回転に追従して回転するように構成される。
【0033】
押圧力発生部5は、アーム部材3の第1アーム部3aに偶力を与えることにより、加工具Bから板ガラスAの端面に対して作用する押圧力を発生させる。例えば、押圧力発生部5は低摺動抵抗エアシリンダであり得る。本実施形態においては、低摺動性による高応答及びピストンレスによる長寿命等を考慮して、低摺動抵抗エアシリンダとしてダイヤフラムシリンダを使用し得る。
【0034】
なお、板ガラス加工装置1は、ガラス状態測定部(図示せず)を更に備える。ガラス状態測定部は、板ガラス加工装置1に流入する板ガラスAのガラス状態を測定する。例えば、このガラス状態測定部は、板ガラス加工装置1に流入する板ガラスAの端面にローラを接触させることにより、板ガラスAの状態を検出し得る。押圧力発生部5は、このガラス状態測定部によって測定された板ガラスAの状態に応じて、加工具Bに対する押圧力を発生させる。
【0035】
緩衝部6は、板ガラスAの端面から加工具Bに対して作用する衝撃力を緩衝する。板ガラスAの端面から加工具Bに対して作用する衝撃力は、例えば、板ガラスAの端面に存在する微視的な凹凸による起伏が原因で発生する。
【0036】
緩衝部6は、ダンパー要素として機能し、例えばダッシュポットであり得る。本実施形態において、緩衝部6は、非密閉式ウォーターダッシュポットであり、水がピストンとチューブの隙間をすり抜ける際の抵抗を緩衝機能として利用し得る。例えば、緩衝部6が逆止弁を備えることによって、緩衝部6は、板ガラスAの端面から加工具Bに対して作用する第1の力と加工具Bから板ガラスAの端面に対して作用する第2の力とのうち、第1の力のみを緩衝する(ここで、第1の力は矢印Eの方向に作用し、第2の力は矢印Fの方向に作用する)。
【0037】
緩衝部6は、アーム部材3に作用する力をダッシュポットに伝達するリンク機構(図示せず)を備え得る。リンク機構としては、例えばスコットラッセルリンク機構が採用される。緩衝部6がスコットラッセルリンク機構を備える場合には、アーム部材3による水平方向に沿った動きをピストンによる鉛直方向に沿った上下移動に変換することができる。その結果、緩衝部6として縦型水ダッシュポットを利用することが可能になる。
【0038】
位置制御部7は、加工具Bが待機位置、第1研磨位置、第2研磨位置、そして退避位置へと順次移動するようにアーム部材3の位置を制御する。ここで、待機位置とは、加工具Bが板ガラスAの端面との接触を待機する位置をいう。第1研磨位置とは、加工が開始される際に、板ガラスAの始端部A1に加工具Bが接触してから、この板ガラスAの端面上の所定の距離を相対的に移動するまでの間、研磨を継続して行う、加工具Bの位置をいう。第2研磨位置とは、加工具Bが第1研磨位置において上記の所定の距離を移動した後に、板ガラスAの終端部A2まで研磨を継続して行う、加工具Bの位置をいう。また、退避位置とは、加工具Bが待機位置よりも逃げ方向に退避した位置をいう。
【0039】
図2に示すように、位置制御部7は、上記のような加工具Bの位置を制御すべく、カム部材8(円筒挟込みカム)とカムフォロア9(アーム制御部材)とを備える。
【0040】
カム部材8は、カム部材回転モータ10によって回転駆動される。本実施形態において、カム部材回転モータ10は、例えばサーボモータである。カム部材8は、カム部材回転モータ10により、指定された速度で指定された位相(角度)に回転駆動される。なお、サーボモータは減速機付であり得る。
【0041】
カムフォロア9は、一定の間隔で離間する第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bとを含む。各カムフォロア9a,9bは、アーム部材3の第2アーム部3bに連結されている。これにより、各カムフォロア9a,9bは、アーム部材3に連動可能に構成される。各カムフォロア9a,9bは、回転するカム部材8に従動して、カム部材8の回転軸方向(矢印J1方向又は矢印J2方向)に沿って変位する。矢印J1方向に変位するカムフォロア9a,9bに連動してアーム部材3(第2アーム部3b)が回転すると、加工具Bは押し当て方向(矢印K1方向)に移動する。一方、矢印J2方向に変位するカムフォロア9a,9bに連動してアーム部材3が回転すると、加工具Bは逃げ方向(矢印K2方向)に移動する。
【0042】
カム部材8は、円筒端面カムであり、第1カム面8aと、この第1カム面8aと相対する第2カム面8bとを有する。第1カム面8aは、カム部材8の回転軸方向における一方側の面である。第1カム面8aは、カム部材8が回転する間に、第1カムフォロア9aに接触し得る。第2カム面8bは、カム部材8の回転軸方向における他方側の面である。第2カム面8bは、カム部材8が回転する間に、第2カムフォロア9bに接触し得る。
【0043】
カム部材8の回転に連動して、第1カム面8aと第1カムフォロア9aとの接触位置及び接触状態、並びに第2カム面8bと第2カムフォロア9bとの接触位置及び接触状態が変化する。これにより、加工具Bは、待機位置、第1研磨位置、第2研磨位置、及び退避位置に順次移動する。具体的には、カム部材8は、カム部材回転モータ10の駆動で、第1の回転位相(0°)、第2の回転位相(45°)、第3の回転位相(120°)及び第4の回転位相(240°)に順次回転する。
【0044】
カム部材8が第1の回転位相まで回転することにより、加工具Bは待機位置に移動する。また、カム部材8が第2の回転位相まで回転することにより、加工具Bは第1研磨位置に移動する。また、カム部材8が第3の回転位相まで回転することにより、加工具Bは第2研磨位置に移動する。そして、カム部材8が第4の回転位相まで回転することにより、加工具Bは退避位置に移動する。
【0045】
図3図4(a)及び図5(a)を参照して、第1の回転位相と待機位置との関係及びその作用について以下に説明する。
【0046】
図3及び図4(a)に示すように、第1の回転位相(0°)では、カム部材8のうち第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bとの間に介在する部位の幅は、第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bとの間隔に等しい。このため、第1カムフォロア9aが第1カム面8aに接触し、第2カムフォロア9bが第2カム面8bに接触することで、第1カムフォロア9a及び第2カムフォロア9bの矢印J1方向(加工具Bを押し当て方向に移動させるようにカムフォロア9a,9bが変位する方向)又は矢印J2方向(加工具Bを逃げ方向に移動させるようにカムフォロア9a,9bが変位する方向)への変位が規制され、アーム部材3は回転不能なロック状態となる。このため、第1の回転位相では、加工具Bは所定の位置(本実施形態では待機位置)に配置されて移動しない。図5(a)に示すように、待機位置では、送り方向Cとアーム部材3の第1アーム部3aの長手方向とによって構成される夾角ωは、例えば30°である。
【0047】
図3図4(b)、図5(b)及び図6を参照して、第2の回転位相と第1研磨位置との関係及びその作用について以下に説明する。
【0048】
第1研磨位置ではアーム部材3のロックが外れており、アーム部材3はアームフリー(アンロック状態)になっている。アームフリー状態で、押圧力発生部5がアーム部材3に偶力を与えることにより、加工具Bに対する押圧力が発生する。
【0049】
図3及び図4(b)に示すように、第1研磨位置に対応する第2の回転位相(45°)では、カム部材8のうち第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bとの間に介在する部位の幅(以下「第2の回転位相でのカム幅」と記載することがある)は、第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bとの間の間隔より小さい。このため、第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bは、一定の距離内(カムフォロア9a,9b間の間隔から第2の回転位相でのカム幅を引いた距離)で、矢印J1方向又は矢印J2方向に変位自由であり、アーム部材3は回転可能なフリー状態となる。
【0050】
アーム部材3は、第1カムフォロア9aが第1カム面8aに接触し、または、第2カムフォロア9bが第2カム面8bに接触することにより、そのストロークが制限される。具体的には、カムフォロア9a,9bの矢印J1方向への変位により、加工具Bは、待機位置よりも押し当て方向に移動する。加工具Bが押し当て方向に最大限に移動した位置(図5(b)における実線の位置)、すなわち、第1カムフォロア9aが第1カム面8aに接触した状態(図3の第2の回転位相において実線で示す状態)では、送り方向Cとアーム部材3の第1アーム部3aの長手方向とによって構成される夾角は、ω+α1である。また、カムフォロア9a,9bの矢印J2方向への変位により、加工具Bは、待機位置よりも逃げ方向に移動する。加工具Bが逃げ方向に最大限に移動した位置(図5(b)において2点鎖線で示す位置)、すなわち、第2カムフォロア9bが第2カム面8bに接触した状態(図3の第2の回転位相において2点鎖線で示す状態)では、送り方向Cとアーム部材3の第1アーム部3aの長手方向とによって構成される夾角は、ω−α1である。このα1は、例えば1°未満である。なお、α1は、カムフォロア9a,9b間の間隔から第2の回転位相でのカム幅を引いた距離を変更することによって調整できる。
【0051】
このように、アーム部材3のストロークは、上記のα1により制限される。これに対応して、加工具Bの移動可能な距離(以下「ストローク」という)Sも制限されることになる(図6参照)。この加工具BのストロークSの制限は、板ガラスAの始端部A1に加工具Bが接触し、板ガラスAの端面に沿ってこの加工具Bが所定の距離(以下「初期研磨距離」という)Lを相対的に移動するまでの間(図6参照)、継続して行われる。具体的には、第1研磨位置における加工具BのストロークSは、0.03mm以上0.05mm以下に制限され得る。また、加工具Bにおける初期研磨距離Lは、5mm以上40mm以下に設定され得る。なお、この第1研磨位置では、加工具Bの加工代D(図6参照)は、0.03mm以上0.05mm以下とされ得る。
【0052】
図3図4(c)及び図5(c)を参照して、第3の回転位相と第2研磨位置との関係及びその作用について以下に説明する。
【0053】
図3及び図4(c)に示すように、第3の回転位相(120°)では、カム部材8のうち第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bとの間に介在する部位の幅(以下「第3の回転位相でのカム幅」と記載することがある)は、第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bとの間の間隔より小さい。ただし、この第3の回転位相でのカム幅は、第2の回転位相でのカム幅よりも小さく設定されている。第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bは、一定の距離内(各カムフォロア9a,9b間の間隔から第3の回転位相でのカム幅を引いた距離)で、矢印J1方向又は矢印J2方向に変位自由であり、アーム部材3は回転可能なフリー状態となる。
【0054】
アーム部材3は、第1カムフォロア9aが第1カム面8aに接触し、または、第2カムフォロア9bが第2カム面8bに接触することにより、そのストロークが制限される。具体的には、図5(c)に示すように、第3の回転位相では、各カムフォロア9a,9bの矢印J1方向への変位により、加工具Bは、待機位置よりも押し当て方向に移動する。加工具Bが押し当て方向に最大限に移動した位置(図5(c)における実線の位置)、すなわち、第1カムフォロア9aが第1カム面8aに接触した状態(図3の第3の回転位相において実線で示す状態)では、送り方向Cとアーム部材3の第1アーム部3aの長手方向とによって構成される夾角は、ω+α2である。また、各カムフォロア9a,9bの矢印J2方向への変位により、加工具Bは、待機位置よりも逃げ方向に移動する。加工具Bが逃げ方向に最大限に移動した位置(図5(c)における2点鎖線の位置)、すなわち、第2カムフォロア9bが第2カム面8bに接触した状態(図3の第3の回転位相において2点鎖線で示す状態)では、送り方向Cとアーム部材3の第1アーム部3aの長手方向とによって構成される夾角は、ω−α2である。α2は、上記のα1よりも大きく(α2>α1)、例えば1°である。なお、α2は、カムフォロア9a,9b間の間隔から第3の回転位相でのカム幅を引いた距離を変更することによって調整できる。
【0055】
このように、アーム部材3のストロークは、上記のα2により制限される。これに応じて、加工具Bのストロークも制限されることになる。この加工具Bのストロークの制限は、第3の回転位相に変更後、加工具Bが板ガラスAの終端部A2に達するまでの間、継続して実行される。具体的には、第2研磨位置における加工具Bのストロークは、3mm以下に制限される。なお、この第2研磨位置では、加工具Bの加工代(研磨代)は、第1研磨位置の場合と同様に、0.03mm以上0.05mm以下とされている。
【0056】
図1図3図4(d)、図5(d)、及び図7を参照して、第4の回転位相と退避位置との関係及びその作用について以下に説明する。
【0057】
板ガラス加工装置1は、通常、図1に示すように、板ガラスAの端面が送り方向Cに平行となる姿勢で、加工具Bにこの端面を研磨させる。しかしながら、板ガラスAの端面が送り方向Cに対して傾斜した姿勢で、加工具Bによる研磨を行うことがある。
【0058】
この状態を図7に示す。図7に示すように、板ガラスAの端面の終端部A2は、平行搬送時の軌道Rから加工具Bに近寄る側に逸脱している。このような姿勢で板ガラスAの端面を研磨する場合、加工具Bを研磨終了位置(実線の位置)から、待機位置(2点鎖線の位置)に戻すと、加工具Bが板ガラスAの端面を引っ掻くことにより、この端面又は加工具Bが傷つくことがある。このため、研磨が終了すると、加工具Bを板ガラスAの端面に対して逃げ方向に一旦退避させてから待機位置に戻す必要がある。加工具Bは、このような理由により、退避位置へと移動し得る。
【0059】
図3及び図4(d)に示すように、第4の回転位相(240°)において、カム部材8のうち第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bとの間に介在する部位の幅は、第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bとの間の間隔に等しい。第1カムフォロア9aが第1カム面8aに接触し、第2カムフォロア9bが第2カム面8bに接触することで、第1カムフォロア9a及び第2カムフォロア9bの矢印J1方向及び矢印J2方向での変位が規制され、アーム部材3は回転不能なロック状態となる。
【0060】
また、図3に示すように、第1の回転位相での第1カム面8a(又は第2カム面8b)の位置に対して、第4の回転位相での第1カム面8a(又は第2カム面8b)の位置は、矢印J2方向に向けて所定の距離オフセットしている。このため、第4の回転位相まで回転したカム部材8に従動して、第1カムフォロア9aと第2カムフォロア9bは矢印J2方向に向けて変位し、加工具Bを待機位置よりも逃げ方向に移動させる。図5(d)に示すように、加工具Bが逃げ方向に移動した退避位置では、送り方向Cとアーム部材3の第1アーム部3aの長手方向とによって構成される夾角は、ω−βである。
【0061】
本実施形態において、βはα2と同じ角度である。即ち、第2研磨位置において加工具Bが逃げ方向に最大限に移動した位置(ω−α2)と、加工具Bの退避位置(ω−β)とは同じ位置である。なお、βは、第1の回転位相での第1カム面8a(又は第2カム面8b)の位置に対する第4の回転位相での第1カム面8a(又は第2カム面8b)のオフセット距離を変更することによって調整できる。
【0062】
以下、上記構成の板ガラス加工装置1により実行される板ガラス製造方法について説明する。
【0063】
この板ガラス製造方法は、加工具Bを待機位置、第1研磨位置、第2研磨位置及び退避位置に順次移動するように制御する工程を包含する。まず、板ガラス加工装置1は、加工具Bを待機位置に移動させる。具体的には、カム部材回転モータ10の駆動により、カム部材8を第1の回転位相まで回転させる。第1の回転位相まで回転したカム部材8に連動して、加工具Bが待機位置に移動する。待機位置では、アーム部材3はロック状態であり、加工具Bは自由に動かない。
【0064】
送り方向Cに沿って搬送される板ガラスAが加工具Bに近づくと、板ガラス加工装置1は、この加工具Bを第1研磨位置に移動させる。板ガラス加工装置1は、加工具Bが板ガラスAの始端部A1に接触するタイミングに合わせて、カム部材回転モータ10を回転させる。カム部材回転モータ10の駆動により、カム部材8は、第2の回転位相まで回転する。第2の回転位相まで回転したカム部材8に連動して加工具Bが移動し、板ガラスAと接触する直前に、加工具Bは第1研磨位置に配置される。第1磨位置に移動することで、加工具Bは、板ガラスAの始端部A1と接触可能な状態となる。さらに、板ガラス加工装置1は、同期モータ2を駆動して加工具Bを回転させる。
【0065】
図6は、第1研磨位置にある加工具Bの挙動を示す。第1研磨位置に配置された加工具Bは、送り方向Cに沿って搬送される板ガラスAの始端部A1に接触する。加工具Bは、この接触によって始端部A1から離れようとする。このとき、アーム部材3の第2アーム部3bに連結される第2カムフォロア9bがカム部材8の第2カム面8bに接触する。これによって第2アーム部3bの逃げ方向への移動が規制され、これに応じて加工具Bも板ガラスAの端面から離れないように規制される。これにより、加工具Bは、板ガラスAの端面に対する接触を維持し、さらに加工代D(研磨代)を伴ってこの端面の加工を継続できる。
【0066】
なお、押圧力発生部5は、加工具Bが板ガラスAの始端部A1に接触する直前から押圧力を発生させ、以後、加工具Bが終端部A2に至るまでこの押圧力の付与を継続する。
【0067】
第1研磨位置における研磨が終了(加工具Bが初期研磨距離Lを移動)すると、板ガラス加工装置1は、加工具Bを第2研磨位置に変更する。具体的には、板ガラス加工装置1は、板ガラスAに対する加工具Bの接触を維持したままで、カム部材回転モータ10を回転させる。カム部材回転モータ10の駆動により、カム部材8は、第3の回転位相まで回転する。加工具Bは、第3の回転位相まで回転したカム部材8に連動して第2研磨位置へと移動する。第2研磨位置において、加工具Bは、板ガラスAの端面に接触したままで、引き続き研磨を行う。
【0068】
この研磨中に、板ガラスAの端面に存在する微細な凹凸による起伏が原因で板ガラスAの端面から加工具Bに対して衝撃力が作用した場合、押圧力発生部5が加工具Bから板ガラスAの端面に対して作用する押圧力を発生させながら、緩衝部6がこの衝撃力を緩衝する。
【0069】
最後に、加工具Bが板ガラスAの終端部A2に到着すると、板ガラス加工装置1は、加工具Bを退避位置に移動させ、研磨を終了する。具体的には、加工具Bが板ガラスAの終端部A2に到着すると、カム部材回転モータ10の駆動により、カム部材8が第4の回転位相まで回転する。第4の回転位相まで回転したカム部材8に連動して、加工具Bは逃げ方向に向かって退避位置まで移動する。退避位置では、アーム部材3はロック状態であり、加工具Bは自由に動かない。
【0070】
以上により、1枚の板ガラスAの研磨が実行されることになるが、板ガラス加工装置1は、上記の工程を繰り返すことにより、所定の間隔で搬送される複数枚の板ガラスAを研磨することができる。
【0071】
以上説明した本実施形態に係る板ガラス加工装置1によれば、加工具Bを駆動するモータとしてオープンループ制御式の同期モータ2を採用し、その制御により加工具Bを回転駆動することにより、加工開始時における加工具Bのバウンドを防止することができる。すなわち、同期モータ2は、サーボモータのようにフィードバック制御式のものではないため、加工具Bが板ガラスAの始端部A1に接触したとしても、サーボモータのように出力トルクを急激に増加させるような制御を行わない。これにより、サーボモータによって加工具Bを駆動した場合に、加工開始時に生じていた加工具Bのバウンドの繰り返しを防止することができる。
【0072】
しかも、加工具Bは、初期研磨距離L(始端部A1から5mm以上40mm以下の距離)の研磨を行う間、板ガラスAの端面から離れないように、そのストロークSが位置制御部7によって制限される(0.03mm以上0.05mm以下)。これにより、板ガラス加工装置1は、加工開始時の加工具Bのバウンドをより効果的に防止することができる。
【0073】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0074】
上記の実施形態において、第1の回転位相が0°であり、第2の回転位相が45°であり、第3の回転位相が120°であり、第4の回転位相が240°であったが、本発明はこれに限定されない。第1の回転位相乃至第4の回転位相は、加工具Bの動作の制御上の需要に応じて適宜設定できる。
【0075】
上記の実施形態において、α2は1°であったが、1°以外であってもよい。また、α1は、1°未満であったが、α2よりも小さければ1°以上であってもよい。また、βは、α2と同じ角度であったが、βはα2と異なる角度であってもよい。
【0076】
なお、上記の実施形態では、加工具Bとして砥石が例示され、加工具Bは板ガラスAの端面に対して研磨加工を行ったが、本発明はこれに限定されない。板ガラスAの端面を加工し得る限りは砥石以外の加工具Bをも適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 板ガラス加工装置
2 同期モータ
3 アーム部材
4 支持軸部材
5 押圧力発生部
7 位置制御部
A 板ガラス
B 加工具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8