特許第6504512号(P6504512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6504512海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6504512
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/26 20060101AFI20190415BHJP
【FI】
   F03B13/26
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-541967(P2017-541967)
(86)(22)【出願日】2016年1月29日
(65)【公表番号】特表2018-505345(P2018-505345A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】KR2016000969
(87)【国際公開番号】WO2016129835
(87)【国際公開日】20160818
【審査請求日】2017年8月21日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0021575
(32)【優先日】2015年2月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517275368
【氏名又は名称】オ,テクグン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】オ,テクグン
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1418011(KR,B1)
【文献】 特開2011−127613(JP,A)
【文献】 特表2014−503753(JP,A)
【文献】 特開昭50−132339(JP,A)
【文献】 特開2011−074921(JP,A)
【文献】 特開昭62−267577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内ガイド(70)同士の間に設置し、上側の流速案内部(32)の先端にブレード案内部(33)を形成する流速案内下部ガイド(30)と、前記流速案内下部ガイド(30)にタービン軸(11)で設置し、外周部に一定の間隔で形成されるブレード溝(12)の内側にはブレード(20)の補強部(23)が2面で結合する剛性補強溝(13)を設置し、前記ブレード溝(12)に固定軸(21)が貫通するように配置するタービン(10)と、前記ブレード溝(12)内でタービン(10)を貫通する固定軸(21)に連結し、流速によって展開されながらタービン(10)を回転させるブレード(20)と、前記流速案内下部ガイド(30)の上側で案内ガイド(70)同士の間に設置し、タービン(10)の外周部からブレード(20)が展開されながら移動する発電案内部(41)を有する流速案内上部ガイド(40)とからなる満ち潮発電装置(100)と;
案内ガイド(70a)同士の間に設置し、下側の流速案内部(32a)の先端にブレード案内部(33a)を形成する流速案内上部ガイド(30a)と、前記流速案内上部ガイド(30a)にタービン軸(11)で設置し、外周部に一定の間隔で形成されるブレード溝(12)の内側にはブレード(20)の補強部(23)が2面で結合する剛性補強溝(13)を設置し、前記ブレード溝(12)に固定軸(21)が貫通するように配置するタービン(10)と、前記ブレード溝(12)内でタービン(10)を貫通する固定軸(21)に連結し、流速によって展開されながらタービン(10)を回転させるブレード(20)と、前記流速案内上部ガイド(30a)の下側で案内ガイド(70a)同士の間に設置し、タービン(10)の外周部からブレード(20)が展開されながら移動する発電案内部(41a)を有する流速案内下部ガイド(40a)とからなる引き潮発電装置(200)と;を含んでなる、海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置において、
前記流速案内下部ガイド(30)は、下側が流線型になっているガイド下部案内部(31)からなり、前方上側に形成した流速案内部(32)の先端にはタービン(10)を設置するブレード案内部(33)が設置され、前記ブレード案内部(33)の先端には水平に排水空間(45)を形成する下部排水部(34)が設置され、
前記ブレード(20)は、固定軸(21)が貫通し、両側でブッシング(22)によって回転可能に連結され、外側先端がブレード溝(12)から突出し、剛性補強溝(13)と2面で結合する補強部(23)を有することを特徴とする、海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項2】
前記案内ガイド(70、70a)には、排水空間(45、45a)の先端に設置した開放ドア(71、71a)をドア軸(72、72a)で開閉可能に連結することを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項3】
前記タービン(10)は、ブレード(20)が折り畳まれるようにするためにブレード案内部(33、33a)との間隔は狭く、ブレードが流速で展開されるようにするために発電案内部(41、41a)との間隔は広く形成されるように配置され、両側の固定ブッシング(15)と結合して案内ガイド(70)同士の間で回転可能に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項4】
前記流速案内上部ガイド(40)は、タービン(10)の外側の周りに形成した発電案内部(41)の先端から、排水空間(45)を形成する上部排水部(42)が水平に形成され、上側には流線型のガイド上部案内部(43)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項5】
前記流速案内上部ガイド(40)と流速案内下部ガイド(40a)は、前方にゲート回転軸(54、54a)で角度が調節され、タービン(10)へ供給される海水の供給量を制御する調節ゲート(50、50a)をさらに設置することを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項6】
前記調節ゲート(50、50a)は、前方でゲート軸(51、51a)と連結されるシリンダー軸(53、53a)がゲート調節シリンダー(52、52a)を介してタービン軸(11)に連結されて角度が調節されるように設置することを特徴とする、請求項5に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項7】
前記流速案内上部ガイド(30a)は、上側が流線型になっているガイド上部案内部(31a)からなり、前方下側に形成した流速案内部(32a)の先端にはタービン(10)を設置するブレード案内部(33a)が設置され、前記ブレード案内部(33a)の先端には水平に排水空間(45a)を形成する上部排水部(34a)が設置されることを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項8】
前記流速案内下部ガイド(40a)は、タービン(10)の外側の周りに形成した発電案内部(41a)の先端には排水空間(45a)を形成する下部排水部(42a)が水平に設けられ、下側には流線型のガイド下部案内部(43a)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項9】
前記案内ガイド(70、70a)は、それらの間に流速案内上、下部ガイド(30、30a)と流速案内上、下部ガイド(40、40a)が設置され、タービン(10)の両側に突出したタービンカバー(16)が回転可能に結合し、タービン軸(11)が貫通して回転するように設置されることを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項10】
前記発電案内部(41、41a)は、タービン(10)の外周部から一定の間隔を有し、ブレード(20)が展開された状態で移動しながら発電案内部(41、41a)とブレード(20)の先端との間に一定の間隔で速度水頭を作ってタービン(10)に回転力を与え、発電案内部(41、41a)の内部空間で各ブレード(20)に同じ流量と圧力を発生させるように設置することを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項11】
前記タービン(10)は、両側にタービンカバー(16)を結合し、ブレード(20)を貫通する固定軸(21)を前記タービンカバー(16)に結合した後、ブレード(20)にある固定軸(21)に遊動ブッシング(22)を結合し、タービンカバー(16)にある固定軸(21)に固定ブッシング(15)を結合することを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項12】
前記満ち潮発電装置(100)と引き潮発電装置(200)は、浮標(80、80a)の両側に形成された浮標連結具(81、81a)に浮標連結棒(82、82a)を連結し、前記浮標連結棒(82、82a)を上部連結具(83、83a)と下部連結具(84、84a)に連結して、海水に浮標(80、80a)が浮いている状態で設置することを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【請求項13】
前記満ち潮発電装置(100)は、高さ調節ガイド(61、62)に下部連結軸(35、35a)で連結されているコンクリートベース(60)と当接して海底に設置し、或いは下側に海水が流れるようにコンクリートベースから浮かせるために高さを調節することを特徴とする、請求項1に記載の海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置に関し、さらに詳しくは、速い速度で流れる海流を利用し、持続的に発生する潮の干満の差による満ち潮と引き潮によって、海水中に潜水するように設置した状態で満ち潮と引き潮の際に同一方向に持続的に回転して電力を持続的に生産し、流入する海水の量を調節することにより、環境にやさしいエネルギーを活用することができ、様々な場所に設置することができるうえ、必要に応じて大きさを小型化、大型化および多様化することができるようにする、海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、海洋エネルギー資源の中でも潮流発電に関するものである。自然エネルギー資源のうち、実用化が進んでいる一つの発電方式である潮流発電は、潮流の流速が速いところに水車発電機を設置して潮流の運動エネルギーから電気を生産する発電方式である。潮流を利用した潮流発電は、広い意味での海流発電に含まれ(以下、「潮流発電」または「潮流」を「海流発電」または「海流」と称することもある)、水車発電機の種類によってヘリカル(Helical)式、HAT(Horizontal Axis Turbine)式、VAT(Vertical Axis Turbine)式に区分され、水車発電機の設置方法によって浮体式、着床式に区分される。
【0003】
潮力発電は、人工的に防潮堤(潮溜まり池)を作り、防潮堤の内側と外側の海水の落差を利用して発電するが、海流発電は、一般に、自然に流れる海流の要所に水車発電機を設置して発電する。
【0004】
海流発電は、風力発電とは原理が似ているが、風の代わりに持続的に流れる海流を利用してタービンを回転させるという点が異なる。ただし、海流発電の電力/面積密度は海洋風力発電のそれよりも約4倍程度さらに大きい。これは、海水の密度が空気の密度に比べて約840倍程度大きいためであり、同じ施設容量の場合には風力発電機に比べて海流発電機の大きさが遥かに小さい。
【0005】
海流発電から得られる発電出力は、水車発電機の効率と海水通過断面積に比例し、海流速度の3乗に比例するので、高い流速は海流発電に絶対的に有利である。
【0006】
潮力および海流エネルギーは、月と太陽と地球との間の万有引力に起因するエネルギーであって、太陽系が存続する限り持続する無限のクリーンエネルギーであり、潮汐の周期性により気象や季節の影響を受けず、発電出力の長期的な予測が可能であり、一定時間持続的な電力供給が可能であり、電力網内の接続が容易であるという利点がある。反面、発電が断続的であり、発電敷地が陸地から遠く離れている場合には送電線路の構築などによる初期投資額が多いという欠点がある。
【0007】
これまで海流発電を行うためには、島と周囲の陸地との間の狭い海峡などにおいて潮流の速い地域、すなわち、典型的に大潮期であるときの平均速度が2m/s以上のところでの適用可能性が検討された。しかし、潮力発電は既に実用化されているのに対し、海流発電は世界的に本格的な大規模発電が珍しいのが実情である。これは、海流発電が可能なほど速い海水の流れが現れる自然的な海域が世界的に非常に限られており、水車発電機を設置すべき適切な場所を見つけるのが容易ではなかったためである。それだけでなく、海水の平均速度が十分である場合でも、海流発電所が設置される地域の海底地形条件によって海水の速度分布が不均一であり、海水の流れ方向が一定でない場合には水車発電機の構造的安全性の確保および信頼性のある発電量調節が難しいという欠点がある。
【0008】
一般に、自然状態の海流発電所の場合は、海流の平均速度が2〜2.5m/sであり、しばしば流れの方向が変わり、地形の影響を多く受ける。しかし、潮力発電所から得られる海流は、自然状態の海流条件よりもさらに均一で利用価値の高い運動エネルギーを含む。実際、韓国内の単流式漲潮式の始華湖潮力発電所は、漲潮時の6mの落差で発電するとき、水車発電機を通過した後で湖に捨てられる放出水の平均速度は3m/s以上であり、落潮時の1.9mの落差で放流するとき、水門を介して放流される海水の平均速度は6.0m/s以上であることが確認された。
【0009】
しかし、上述した様々な条件を満足させて正常な水力発電が行われるようにすることは、多くの困難があるため、現場にあまり適用されていないのが実情であるが、様々な潮の干満の差がある各種場所で便利に適用することができるようにするための研究が行われている時点で必ず必要とされるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第0501543号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2009−0010535号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2009−0032440号公報
【特許文献4】韓国公開特許第2010−0133043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、かかる従来の欠点を解消するためになされたもので、その目的は、速い速度で流れる海流を利用し、持続的に発生する潮の干満の差による満ち潮と引き潮によって、海水中に潜水させた状態でタービンを回転させるようにすることにより、潮溜まり池が必要ない、環境にやさしいエネルギーを活用した水力発電装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、海底または海底から一定の高さで突出した位置に様々な個数、大きさおよび幅で設置されるようにすることにある。
【0013】
本発明の別の目的は、海水の量を調節して、タービンおよびブレードに加わる流束および圧力を調節することにより、角速度を高めて回転エネルギーを極大化させることで高効率の発電が行われるようにすることにある。
【0014】
本発明の別の目的は、流束とタービンおよびブレードの移動方向が一致して高い効率を得、高効率の発電が行われるようにすることにある。
【0015】
本発明の別の目的は、タービンのブレード数および半径を調節して同じ流束で角速度を高めることで高効率の発電が行われるようにすることにある。
【0016】
本発明の別の目的は、ブレードの先端と発電案内部との間に一定の間隔による速度水頭を作り、複数のブレードに同じ圧力を発生させて回転軸にブレード数に相応する回転力を発生させることで、高効率の発電が行われるようにすることにある。
【0017】
本発明の別の目的は、タービンの出口に関するもので、排水空間から放出される海水の流束および水圧がタービン外側の流束および水圧と同じかそれより大きくなるようにして、流量が容易にタービンから放出されるようにすることにより、高効率の発電が行われるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、案内ガイド同士の間に設置し、上側の流速案内部の先端にブレード案内部を形成する流速案内下部ガイドと、前記流速案内下部ガイドにタービン軸で設置し、外周部に一定の間隔で形成されるブレード溝の内側にはブレードの補強部が2面で結合する剛性補強溝を設置し、前記ブレード溝に固定軸が貫通するように配置するタービンと、前記ブレード溝内でタービンを貫通する固定軸に連結し、流速によって展開されながらタービンを回転させるブレードと、前記流速案内下部ガイドの上側で案内ガイド同士の間に設置し、タービンの外周部からブレードが展開されながら移動する発電案内部を有する案内上部ガイドとからなる満ち潮発電装置と;案内ガイド同士の間に設置し、下側の流速案内部の先端にブレード案内部を形成する流速案内上部ガイドと、前記流速案内上部ガイドにタービン軸で設置し、外周部に一定の間隔で形成されるブレード溝の内側にはブレードの補強部が2面で結合する剛性補強溝を設置し、前記ブレード溝に固定軸が貫通するように配置するタービンと、前記ブレード溝内でタービンを貫通する固定軸に連結し、流速によって展開されながらタービンを回転させるブレードと、前記流速案内上部ガイドの下側で案内ガイド同士の間に設置し、タービンの外周部からブレードが展開されながら移動する発電案内部を有する流速案内下部ガイドとからなる引き潮発電装置;とを含んでなる、海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置において、
前記流速案内下部ガイドは、下側が流線型になっているガイド下部案内部からなり、前方上側に形成した流速案内部の先端にはタービンを設置するブレード案内部が設置され、前記ブレード案内部の先端には水平に排水空間を形成する下部排水部が設置され、
前記ブレードは、固定軸が貫通し、両側でブッシングによって回転可能に連結され、外側先端がブレード溝から突出し、剛性補強溝と2面で結合する補強部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、速い速度で流れる海流を利用し、持続的に発生する潮の干満の差による満ち潮と引き潮によって、海水に潜水させた状態で常にタービンを回転させるようにすることにより、潮溜まり池が必要ない、環境にやさしいエネルギーを活用した持続的な発電を行うことができ、一般潮力発電方式よりも非常に効率的な水力発電が行うことができるという効果を提供する。
【0020】
本発明は、海底または海底から一定の高さで突出した位置に設置されるので、海流のエネルギーを効果的に利用し、様々な個数、大きさおよび幅で設置されて効率の高い発電が行われるようにする効果を提供する。
【0021】
本発明は、調節ゲートを用いて海水の流束および量を調節して発電に必要な海水の量を供給し、回転するタービンにおけるブレードが流束によって展開されたり折り畳まれたりして、流速によってブレードに作用する荷重を十分に維持する剛性補強効果、および効率の良い発電が行われるようにする効果を提供する。
【0022】
本発明は、調節ゲートの角度調節によって海水の量を調節して、タービンおよびブレードに加わる流速および圧力を調節することにより、タービンの角速度を高めて回転エネルギーを極大化させることで高効率の発電が行われるようにする効果を提供する。
本発明は、海で海水の流速の方向とタービンおよびブレードの移動方向が一致して高い効率を得、高効率の発電が行われるようにする効果を提供する。
【0023】
本発明は、タービンのブレード数および半径を調節して同じ流速で角速度を高めることで高効率の発電が行われるようにする効果を提供する。
【0024】
本発明は、ブレードの先端と発電案内部との間で一定の間隔で空隙による速度水頭を作り、複数のブレードに同じ圧力を発生させて、回転するタービンの回転軸にブレード数に相応する回転力を発生させることで高効率の発電が行われるようにする効果を提供する。
【0025】
本発明は、タービンの出口に関するもので、排水空間から放出される海水の流速および水圧が、タービンの外側の流速案内下部ガイドと流速案内上部ガイドから発生する流速および水圧と同じかそれより大きくなるようにして、流量が容易にタービンから放出されるようにすることにより、高効率の発電が行われるようにする効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の好適な実施形態を示す設置状態の斜視図である。
図2】本発明の満ち潮と引き潮に適用する設置状態の平面図である。
図3】本発明の満ち潮と引き潮に適用する設置状態の側面図である。
図4】本発明の満ち潮発電装置の正面断面図である。
図5】本発明の引き潮発電装置の正面断面図である。
図6】本発明の主要部分に対する設置状態の拡大断面図である。
図7】本発明のブレードがないタービンの正面図である。
図8】本発明のブレードが折り畳まれた状態の要部拡大正面図である。
図9】本発明のブレードが展開された状態の要部拡大正面図である。
図10】本発明のタービンとブレードに対する結合状態の側面断面図である。
図11】本発明のタービンとブレードに対する結合状態の斜視図である。
図12】本発明の満ち潮発電装置を浮標に適用した状態を示す正面図である。
図13】本発明の引き潮発電装置を浮標に適用した状態を示す正面図である。
図14】本発明の満ち潮と引き潮発電装置を浮標に適用した状態を示す側面図である。
図15】本発明の満ち潮発電装置を海底に設置した状態を示す正面図である。
図16】本発明の引き潮発電装置を海底に設置した状態を示す正面図である。
図17】本発明の満ち潮発電装置を海底に設置した状態を示す他の実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の好適な実施形態を示す設置状態の斜視図、図2は本発明の満ち潮と引き潮に適用する設置状態の平面図、図3は本発明の満ち潮と引き潮に適用する設置状態の側面図、図4は本発明の満ち潮発電装置の正面断面図、図5は本発明の引き潮発電装置の正面断面図、図6は本発明の主要部分に対する設置状態の拡大断面図である。
【0029】
海水の満ち潮発生時に発電する満ち潮発電装置100と、海水の引き潮発生時に発電する引き潮発電装置200とがそれぞれ連続して設置されるか或いは交互に設置されて海水中に潜水するようにする。
【0030】
前記満ち潮発電装置100は、両側にブレード20の幅を決定するように設置する案内ガイド70同士の間には、流速案内下部ガイド30と流速案内上部ガイド40を固定ボルト73で両側から固定する。
【0031】
前記流速案内下部ガイド30の中央上側には、回転しながら水によって自然に展開されたり折り畳まれたりするブレード20を外周部に一定の間隔で複数個設置したタービン10を、タービン軸11によって回転するように設置する。
【0032】
前記タービン10は、両側の固定ブッシング15と一体型に固定され、案内ガイド70の内部に回転可能に結合する。
【0033】
前記流速案内上部ガイド40の前方には、タービン10に流入する満ち潮の海水の量および流速を制御する調節ゲート50を設置する。
【0034】
前記流速案内下部ガイド30は、下側が流線型になっているガイド下部案内部31を形成して下側に海水の流れが正常になされるようにする。前記流速案内下部ガイドの上側前方には、流速案内部32が流線型に形成され、前記流速案内部32の右側先端には、タービン10が回転してブレード20が折り畳まれるように弧状にブレード案内部33が形成された後、前記ブレード案内部33の右側先端には、排水空間45が形成されるように、水平状態または出口側に行くほど広くなる形態の下部排水部34が形成される。
【0035】
前記排水空間45は、タービン10と発電案内部41との間隔と同じかそれよりさらに広く形成し、放出される海水の流速および水圧が外部の流速および水圧と同じかそれより大きくなるようにして、流量が容易に放出されるようにする。
【0036】
前記流速案内上部ガイド40は、前方に調節ゲート50がゲート回転軸54で連結され、下側に海水が流入してブレード20を回転させる発電案内部41を弧状に形成し、前記発電案内部41の右側先端には、排水空間45が形成されるように水平状態の上部排水部42を形成し、前記調節ゲート50の右側先端から上側へ流線型のガイド上部案内部43を形成して海水の流れが正常になされるようにする。
【0037】
調節ゲート50は、ゲート軸51が連結されるシリンダー軸53が突出したゲート調節シリンダー52をタービン軸11に連結して調節ゲート50の開閉角度を調節することにより、タービン10へ供給される海水の量を調節することができるようにする。
【0038】
前記タービン軸11には減速機または発電装置を連結することにより、タービン10の回転力の提供を受けて発電が行われるようにする。
【0039】
前記タービン10、流速案内下部ガイド30および流速案内上部ガイド40は、河川の幅に応じて複数個を設置することができ、海水の満ち潮の流れ方向に沿って連続して設置することが可能であり、海水中に潜水するように設置することが好ましい。
【0040】
前記案内ガイド70の右側先端である後方排水空間45の先端には、排水空間45を開閉させる開放ドア71をドア軸72で回転に設置することにより、流入する海水の流速で自然開放され、流速が発生しなければ自重で閉じられるようにする。
【0041】
前記引き潮発電装置200は、タービン軸11が一方向に回転するように満ち潮発電装置100に対して180°回転させた状態で設置するものであり、両側にブレード20の幅を決定するように設置する案内ガイド70a同士の間には、流速案内上部ガイド30aと流速案内下部ガイド40aを固定ボルト73aで両側から固定する。
【0042】
前記流速案内上部ガイド30aの中央下側には、回転しながら水によって自然に展開されたり折り畳まれたりするブレード20を外周部に一定の間隔で複数個設置したタービン10を、タービン軸11によって回転するように設置する。
【0043】
前記タービン10は、両側の固定ブッシング15と一体型に固定され、案内ガイド70の内部に回転可能に結合する。

【0044】
前記流速案内下部ガイド40aの前方には、タービン10に流入する引き潮の海水の量および流速を制御する調節ゲート50aを設置する。
【0045】
前記流速案内上部ガイド30aは、下側が流線型になっているガイド上部案内部31aを形成して下側に海水の流れが正常になされるようにする。前記流速案内上部ガイドの下側前方には、流速案内部32aが流線型に形成され、前記流速案内部32aの左側先端には、タービン10が回転してブレード20が折り畳まれるように弧状にブレード案内部33aが形成された後、前記ブレード案内部33aの左側先端には、排水空間45aが形成されるように水平状態の上部排水部34aが形成される。
【0046】
前記流速案内下部ガイド40aは、前方に調節ゲート50aがゲート回転軸54aで連結され、上側に海水が流入してブレード20を回転させる発電案内部41aを弧状に形成し、前記発電案内部41aの左側先端には、排水空間45aが形成されるように水平状態の下部排水部42aを形成し、前記調節ゲート50aの左側先端から下側へ流線型のガイド下部案内部43aを形成して海水の流れが正常に行われるようにする。
【0047】
前記上部排水部34aと下部排水部42aは、比較的長く形成して、海流の流れが十分になされるように排水空間45aを提供する。
【0048】
前記調節ゲート50aは、ゲート軸51aが連結されるシリンダー軸53aが突出したゲート調節シリンダー52aをタービン軸11に連結して調節ゲート50aの開閉角度を調節することにより、タービン10へ供給される海水の量および流速を調節することができるようにする。
【0049】
前記タービン軸11には減速機または発電装置を連結することにより、タービン10の回転力の提供を受けて発電が行われるようにする。
【0050】
前記案内ガイド70aの左側先端である後方排水空間45aの先端には、排水空間45aを開閉させる開放ドア71aをドア軸72aで回転可能に設置することにより、流入する海水の流速で自然開放され、流速が発生しなければ閉じられるようにする。
【0051】
図7は本発明のブレードがないタービンの正面図、図8は本発明のブレードが折り畳まれた状態の要部拡大正面図、図9は本発明のブレードが展開された状態の要部拡大正面図、図10は本発明のタービンとブレードに対する結合状態の側面断面図、図11は本発明のタービンとブレードに対する結合状態の斜視図である。
【0052】
満ち潮発電装置100と引き潮発電装置200に設置するタービン10は、円形からなり、一定の間隔でブレード20が引っかかることなく一定の角度で折り畳まれるようにするブレード溝12を形成し、前記ブレード溝12の一側には、コーナー部分がラウンドになっている「L」状の剛性補強溝13を形成する。
【0053】
前記タービン10に形成した剛性補強溝13には、固定軸21が貫通した後、ブレード20が回転可能に結合するが、
前記タービン10の両側に設置したタービンカバー16に固定軸21が結合して固定ブッシング15で連結され、前記固定軸21の外周部には遊動ブッシング22が結合してブレード20が回転するようにする。前記剛性補強溝13は、ブレード20が立ち上がる場合に補強部23と後方および下側で一致する結合状態を提供するように形成する。
【0054】
前記固定ブッシング15と遊動ブッシング22は小型の場合に適用する。前記固定ブッシング15と遊動ブッシング22の代わりに、固定軸21にベアリングを使用することができる。
【0055】
前記タービン10は、ブレード20が折り畳まれて回転移動するようにするためにブレード案内部33、33aとの間隔は狭く、流入する海水によってブレード20が展開されて発電が行われるようにするために発電案内部41、41aとの間隔は広く形成されるように設置する。
【0056】
前記ブレード20は、補強部23から垂直に突出してから先端では上方に流線型となるように延び、前記補強部23ではラウンド状に延びた後、ブレード溝12と一致するように垂直に突出し、前記ブレード溝12の先端では下側に傾くように形成され、外側先端は折り畳まれた状態でブレード溝12の外側に一部が突出し、流速によって回転して展開されるか或いはブレード案内部33、33aにひっかかって折り畳まれるように設置する。
【0057】
前記ブレード20の幅、高さおよび大きさは、海水および設置位置の流速と発電量に応じて多様に調節することができる。
【0058】
前記ブレード20の展開される位置から海水の放出される位置にわたる発電案内部41、41aが同じ間隔を維持し、ブレード20の先端と発電案内部41、41aとの間に一定の間隔を置く空隙を介して速度水頭を作って複数のブレード20に同じ圧力を発生させるようにする。
【0059】
図12は本発明の満ち潮発電装置を浮標に適用した状態を示す正面図、図13は本発明の引き潮発電装置を浮標に適用した状態を示す正面図、図14は本発明の満ち潮と引き潮発電装置を浮標に適用した状態を示す側面図である。
【0060】
満ち潮発電装置100と引き潮発電装置200は、案内ガイド70、70aの下部連結具84、84a、上部連結具83、83aおよびタービン軸11に浮標連結棒82、82aを連結し、前記浮標連結棒82、82aが浮標連結具81、81aで会うようにした後、前記浮標連結具81、81aに浮標80、80aを設置して海水での浮力を維持し、満ち潮発電装置100と引き潮発電装置200を海水に潜水させた状態で発電が行われるようにする。
【0061】
図15は本発明の満ち潮発電装置を海底に設置した状態を示す正面図、図16は本発明の引き潮発電装置を海底に設置した状態を示す正面図、図17は本発明の満ち潮発電装置を海底に設置した状態を示す他の実施形態の正面図である。
【0062】
海水の底に、コンクリートからなる一定の幅、高さおよび長さのコンクリートベース60を設置し、前記コンクリートベース60に一定の間隔で高さ調節ガイド61、62を設置した後、高さ調節ガイド61、62の上側に、底から一定の高さを維持するように両側で下部連結軸35、35aによって案内ガイド70、70aを連結することにより、海水の満ち潮と引き潮を発電に活用することができるようにする。
【0063】
他の実施形態として、前記案内ガイド70は、コンクリートベース60に下側の流速案内下部案内部31が接触して固定される形態で海水の底に設置するが、高さ調節ガイド61、62に下部連結軸35、35aによって高さが調節されるように連結することにより、底面から発生する海水の満ち潮を発電に活用し得るようにする。
【0064】
このような構成からなる海水の満ち潮と引き潮を利用した水力発電装置は、満ち潮発電装置100と引き潮発電装置200を交互に設置するか連続して設置して、設置位置に応じて幅、大きさおよび設置個数を多様に調節することができる。
【0065】
まず、満ち潮発電装置100について説明する。案内ガイド70同士の間に流速案内下部ガイド30を設置し、前記流速案内下部ガイド30のブレード案内部33にはタービン10をタービン軸11で回転可能に設置し、前記案内ガイド70同士の間には流速案内上部ガイド40を設置する。
【0066】
前記流速案内下部ガイド30と流速案内上部ガイド40は、設置高さを海水の位置に応じて多様に調節することができ、設置位置および幅に応じて直列に連続して複数個を設置することができ、設置位置も現場の状況に応じて多様に調節することができる。
【0067】
本発明の発電装置を設置すると、速い速度で海水が流れ、潮の干満の差により満ち潮と引き潮が発生する海水は流速が発生することになり、流速による発電の効率が現れる場合には連続して設置することが可能である。よって、満ち潮と引き潮が発生するビーチや流速が速く発生する瀬などで、環境にやさしいエネルギーを活用した水力発電が可能である。
【0068】
本発明は、海底に設置した状態で、流速案内下部ガイド30の流速案内部32による流線型の形状に沿って水がタービン10の前方と上方に案内され、流速案内上部ガイド40の前方に設置した調節ゲート50によってタービン10への供給水量を調節するように誘導および案内する。
【0069】
前記調節ゲート50の角度調節によって海水の流速および量を調節して、発電に必要な水の量を供給するので、高効率の発電が行われるのである。
【0070】
前記流速案内部32と調節ゲート50の設置による水がタービン10の前方上側に供給されると、流速に応じて、タービン10の外周部に先端が露出するように設置したブレード20が、ブレード溝12に折り畳まれた状態から立ち上がる。
【0071】
ブレード20は、固定軸21を介してブレード溝12の内部に設置された状態でブッシング22を介して回転可能に設置されているので、流速に応じて回転し、発電案内部41の内部で立ち上がった状態を提供し、海水の流速と一緒にブレード20を移動させる動力源が発生し、タービン10を連続して回転させる回転動力源を提供する。
【0072】
前記ブレード20がブレード溝12から立ち上がると、補強部23と剛性補強溝13とが、「L」状にコーナー部分がラウンドとなるように一致した状態を提供するので、補強部23は、剛性補強溝13の後方と底部などの2方向で一致した状態を提供することにより、ブレード20に流速により提供される荷重が作用する場合でも安定して回転力を提供することができる剛性補強効果を提供する。
【0073】
すなわち、ブレード20の幅と高さは多様に適用することが可能であり、ブレードはタービン10の外周部に固定軸21で設置した状態でブッシング22を介して回転可能に設置し、ブレード20の幅を広くする場合には補強部23の広い幅と剛性補強溝13の広い幅で均一に分布する荷重が作用するので、ブレード20とタービン10に無理を与えることなく発電することができる。
【0074】
さらに詳しくは、調節ゲート50の角度を調節することにより海水の量を調節して、ブレード20に加わる流速および圧力を調節することにより、タービン10の角速度を高めて回転エネルギーを極大化させることで高効率の発電が行われるようにする。
【0075】
前記ブレード20とタービン10は、材質による効率が様々に現れる現象が発生するが、比較的軽くて強い金属材質を使用することが好ましい。
【0076】
前記ブレード20は、発電案内部41の弧状形態を通り過ぎながら展開されて流速でタービン10の回転動力源を提供し、発電案内部41を通り過ぎるとブレード案内部33に到達しながら、ブレード20の回転方向で一部分が引っかかって自然に折り畳まれてブレード溝12に折り畳まれた状態でブレード案内部33を通過し、動力が消耗しないようにタービン10と一緒に回転する。
【0077】
特に、水の流速とブレード20の移動方向が一致してタービン10を回転させることで、高効率を得て高効率の発電が行われるようにし、
タービン10に設置するブレード10の数および半径を調節して同じ流速で角速度を高めることで高効率の発電が行われるようにし、
ブレード10の先端と発電案内部41との間で一定の間隔による速度水頭を作り、発電案内部41の内部で展開された状態で水圧を受けるブレード20に同じ圧力を発生させ、前記ブレード20の2〜5つが発電案内部41で展開された状態で回転しながら、タービン軸11に展開されたブレード20の数に相応する回転力を発生させて高効率の発電が行われるようにする。
【0078】
前記速度水頭についてさらに詳細に説明すると、前記発電案内部41は、タービン10の外周部から一定の間隔を有し、ブレード20が展開された状態で移動しながら発電案内部41とブレード20の先端との間に一定の間隔を維持するので、速度水頭を作ってタービン10に回転力を与え、発電案内部41の内部空間で各ブレード20に同じ流量と圧力を提供するので、一つのブレード20に加わる流量と流速によって、発電案内部41の内部に3つのブレード20が展開された状態で回転する場合には従来に比べて3倍の強い回転力を提供して高効率の発電を提供する。
【0079】
前記発電案内部41を通過した海水は、下部排水部34と上部排水部42との間である排水空間45を通過した後、流速が開放ドア71に作用しながら、開放ドア71はドア軸72を中心に回転して開放されるので海水は抜け出し、下部排水部34と上部排水部42を比較的長く形成することで、ブレード20を通過した水の流れ方向が屈曲した後にも一直線に流れるようにし、排水空間45を抜け出す海水が外部の流速および水圧と同じかそれより大きくなるようにして外部へ容易に抜け出すようにする。
【0080】
前記排水空間45は、流速案内下部ガイド30と流速案内上部ガイド40の設置位置に応じて高さを調節することができるので、海水中に潜水するように設置したタービン10が、海水中で最も速い流速および水圧を利用し得るようにして、効率を向上させることができる。
【0081】
前記流速案内下部ガイド30は、流速案内部32を介して海水がタービン10の方向に正常に供給されるように案内し、ガイド下部案内部31は、下側に流れる海水の流速が影響されることなく正常に移動するように案内する。
【0082】
前記流速案内上部ガイド40は、ガイド上部案内部43が海水に潜水した状態で上側に移動する満ち潮の流速が影響されることなく正常に移動するように案内し、調節ゲート50は、タービン10へ供給される海水の量および流速を調節して最適な発電状態を維持する。
【0083】
前記開放ドア71は、満ち潮の流速が発生しない場合、流速による開放状態を提供することができないので、自然に回転移動して排水空間45を閉じて遮断し、引き潮が排水空間45に流入することを防止する。
【0084】
次に、引き潮発電装置200について説明する。案内ガイド70a同士の間に流速案内上部ガイド30aを設置し、前記流速案内上部ガイド30aのブレード案内部33aにはタービン10をタービン軸11で回転可能に設置し、前記案内ガイド70a同士の間に流速案内下部ガイド40aを設置する。
【0085】
引き潮発電装置200を設置した状態で流速案内上部ガイド30aの流速案内部32aによる流線型の形状に沿って水がタービン10の前方と上方に案内され、流速案内下部ガイド40aの前方に設置した調節ゲート50aによってタービン10への供給水量を調節するように誘導および案内する。
【0086】
前記調節ゲート50aの角度調節によって海水の流速および量を調節して、発電に必要な海水の量を供給するので、高効率の発電が行われるのである。
【0087】
前記流速案内部32aと調節ゲート50aの設置により水がタービン10の前方上側に供給されると、流速に応じて、タービン10の外周部に先端が露出するように設置したブレード20が、ブレード溝12に折り畳まれた状態から立ち上がる。
【0088】
ブレード20は、固定軸21を介してブレード溝12の内部に設置された状態でブッシング22を介して回転可能に設置されているので、流速に応じて回転し、発電案内部41の内部で立ち上がった状態を提供し、海水の流速と一緒にブレード20を移動させる動力源が発生し、タービン10を連続して回転させる回転動力源を提供する。
【0089】
前記ブレード20がブレード溝12から立ち上がると、補強部23と剛性補強溝13とが、「┛」状にコーナー部分がラウンドとなるように一致した状態を提供するので、補強部23は、剛性補強溝13の後方と底部などの2方向で一致した状態を提供することにより、ブレード20に流速により提供される荷重が作用する場合でも安定して回転力を提供することができる剛性補強効果を提供する。
【0090】
すなわち、ブレード20の幅と高さは多様に適用することが可能であり、ブレードはタービン10の外周部に固定軸21で設置した状態でブッシング22を介して回転可能に設置し、ブレード20の幅を広くする場合には補強部23の広い幅と剛性補強溝13の広い幅で均一に分布する荷重が作用するので、ブレード20とタービン10に無理を与えることなく発電することができる。
【0091】
さらに詳しくは、調節ゲート50aの角度を調節することにより海水の量を調節して、ブレード20に加わる流速および圧力を調節することにより、タービン10の角速度を高めて回転エネルギーを極大化させることで高効率の発電が行われるようにする。
【0092】
前記ブレード20とタービン10は、材質による効率が様々に現れる現象が発生するが、比較的軽くて強い金属材質を使用することが好ましい。
【0093】
前記ブレード20は、発電案内部41aの弧状形態を通り過ぎながら展開されて流速でタービン10の回転動力源を提供し、発電案内部41aを通り過ぎるとブレード案内部33aに到達し、ブレード20の回転方向で一部分が引っかかって自然に折り畳まれてブレード溝12に折り畳まれた状態でブレード案内部33aを通過し、動力が消耗しないようにタービン10と一緒に回転する。
【0094】
前記発電案内部41aを通過した海水は、上部排水部34aと下部排水部42aとの間である排水空間45aを通過した後、流速が開放ドア71aに作用しながら、開放ドア71aはドア軸72aを中心に回転して開放されるので海水は抜け出し、上部排水部34aと下部排水部42aを比較的長く形成することで、ブレード20を通過した海水の流れ方向が屈曲した後にも一直線に流れるようにし、排水空間45aを抜け出す海水が外部の流速および水圧と同じかそれより大きくなるようにして外部へ容易に抜け出すようにする。
【0095】
前記排水空間45aは、流速案内上部ガイド30aと流速案内下部ガイド40aの設置位置に応じて高さを調節することができるので、海水中に潜水するように設置したタービン10が、海水中で最も速い流速および水圧を利用し得るようにして、効率を向上させることができる。
【0096】
前記流速案内上部ガイド30aは、流速案内部32aを介して海水がタービン10の方向に正常に供給されるように案内し、ガイド上部案内部31aは、上側に流れる海水の流速が影響されることなく正常に移動するように案内する。
【0097】
前記流速案内下部ガイド40aは、ガイド下部案内部43aが海水に潜水した状態で下側に移動する引き潮の流速が影響されることなく正常に移動するように案内し、調節ゲート50aは、タービン10へ供給される海水の量および流速を調節して最適な発電状態を維持する。
【0098】
前記開放ドア71aは、排水空間45aに引き潮の流速が発生しない場合、流速による開放状態を提供することができず、開放ドア71aを開放させることが可能な力が除去されるので、排水空間45aを閉じて遮断し、満ち潮が排水空間45aに流入することを防止する。
【0099】
前記タービン軸11は、満ち潮発電装置100で満ち潮の流速を利用した発電と、引き潮発電装置200で引き潮の流速を利用した発電の際に、一方向に回転しながら連続的な発電が行われるようにする。
【0100】
前記調節ゲート50、50aは、タービン軸11に設置したゲート調節シリンダー52、52aが駆動されてシリンダー軸53、53aを前進および後進させるにつれて、調節ゲート50、50aのゲート軸51、51aの位置を回転移動させることで、ゲート回転軸54、54aを基準に回転移動する角度が制御され、上昇する場合には海水の流入量を増加させ、下降する場合には海水の流入量を減少させる方法で海水の流入量を制御することにより流速を制御して、タービン10が最適な効率を出して発電し得るように調節する。
【0101】
前記タービン軸11の一方の先端にはギアを設置することで、得られた発電動力を所望の場所へ供給し得るようにするか、発電装置を連結して電気を発電した後で所望の場所へ供給し得るようにする。
【0102】
一方、本発明は、図12乃至図14に示すように、浮標80、80aの浮力を利用して浮標連結具81、81aから浮標連結棒82、82aを上部連結具83、83aと下部連結具84、84aに連結することにより、海水に満ち潮発電装置100と引き潮発電装置200が潜水した状態で満ち潮と引き潮の流速を利用して発電するのである。
【0103】
また、本発明は、図15乃至図17に示すように、海底にコンクリートベース60を設置して一定の間隔で高さ調節ガイド61、62が突出するように設置した後、下部連結軸35、35aに設置した案内ガイド70、70aを介して満ち潮発電装置100と引き潮発電装置200を設置することにより、海水の満ち潮と引き潮の高さに応じた設置位置を決定することができるので、満ち潮と引き潮を利用しながら発電に必要な最適の流速および圧力を提供する。また、流速案内上、下部ガイド40、40aの前方に設置する調節ゲート50、50aは、ゲート調節シリンダー52、52aとシリンダー軸53、53aの制御に基づいて傾斜角度が調節されながらタービン10への進入水量を調節することができる。よって、流速に応じて調節ゲート50、50aの傾斜角度を調節して、流速の遅い場合には水の流入量を増やして流速および圧力を向上させることにより、発電に最適な流速および圧力を提供して高効率の発電が行われるようにする。
【0104】
そして、コンクリートベース60に一致するように設置する場合、海底を流れる流速を利用して発電が行われるようにする。コンクリートベース60の上部高さと、案内ガイド70、70aの内部に設置した流速案内部32の前方高さとが一致して、流速がそのままタービン10に進入するようにする。流速案内上部ガイド40の前方に設置する調節ゲート50は、ゲート調節シリンダー52とシリンダー軸53の制御に基づいて傾斜角度が調節されながら、タービン10への進入水量を調節することができる。よって、流速に応じて調節ゲート50の傾斜角度を調節して、流速の遅い場合には水の流入量を増やして流速および圧力を向上させることで、発電に最適な流速および圧力を提供して高効率の発電が行われるようにする。
【0105】
以上、本発明の好適な実施形態によって提案された詳細は、記載された内容に限定されるものではなく、当該技術分野における通常の知識を有する者が多様に変形実施し得るのは当たり前のことであり、それらの変形実施もすべて特許法が定める類似技術の範囲を外れるものではないだろう。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、流速の速い海水の満ち潮と引き潮を利用して発電が行われるようにし、調節ゲートによって海水の供給量および流速を調節して効果的な発電が行われるタービンを設置することにより、環境にやさしいエネルギーを活用した、満ち潮と引き潮の際に同一方向に持続的に回転することによって電力を効率よく生産することができるようにする非常に有用な発明を提供する。
図1
図2
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