特許第6504522号(P6504522)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6504522
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/02 20060101AFI20190415BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20190415BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190415BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20190415BHJP
【FI】
   F21V17/02
   F21S8/02 400
   F21Y115:10
   F21Y115:20
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-116846(P2015-116846)
(22)【出願日】2015年6月9日
(65)【公開番号】特開2017-4730(P2017-4730A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】一条 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】中山 正司
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−010254(JP,A)
【文献】 特開昭61−122439(JP,A)
【文献】 実開昭58−067219(JP,U)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0056680(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/02
F21S 8/02
F21Y 115/10
F21Y 115/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と;
照射開口を有し、前記光源部を収容する本体部と;
前記本体部の外側面に配設される取り付け金具と;
前記本体部の他方の照射開口周囲に、前記本体部に対して回転方向に移動可能に設けられた化粧枠と;
前記本体部の前記他方の端部側から外方に向けて突出し、前記化粧枠と対向する面を有するフランジ部と;
一方の端部側が前記化粧枠に設けられ、他方の端部側が前記フランジ部の前記化粧枠側とは反対側に位置する保持部と;
を具備した照明装置。
【請求項2】
前記化粧枠は、前記化粧枠の中心軸に対して回転方向に形態の異方性を有する請求項1載の照明装置。
【請求項3】
前記化粧枠の前記回転方向における移動が所定の回転角度の範囲内となるように規定する回転角度規定部をさらに具備した請求項1または2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天井や壁などに埋め込まれる照明装置がある。
この様な埋め込み型の照明装置には、化粧枠が設けられている。化粧枠を設ける様にすれば、天井や壁などに設けられた穴に照明装置を設置した際に、化粧枠により穴を覆い隠すことができる。
ここで、化粧枠には、化粧枠の中心軸に対して回転方向に形態の異方性(方向性)を有するものがある。例えば、平面形状が、多角形や楕円などの化粧枠がある。また、平面形状が、円形であっても模様などの装飾が施されている場合もある。
そのため、照明装置を複数設置した際に化粧枠同士の向きを揃えることが必要となる場合がある。
一般的に、化粧枠は照明装置に設けられた本体部に固定されているため、照明装置の回転方向における向きを調整することで化粧枠同士の向きを揃える様にしている。
【0003】
ところが、天井裏や壁の内部などには梁などの障害物がある場合がある。
照明装置に設けられた取り付け金具などが障害物と干渉すると、照明装置の回転方向における向きを調整するのが困難となる。
また、複数の照明装置の回転方向における向きを調整するのには多大な労力を要する。
そのため、化粧枠の回転方向における向きを変化させることができる照明装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−182734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、化粧枠の回転方向における向きを変化させることができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照明装置は、光源部と;照射開口を有し、前記光源部を収容する本体部と;前記本体部の外側面に配設される取り付け金具と;前記本体部の他方の照射開口周囲に、前記本体部に対して回転方向に移動可能に設けられた化粧枠と;前記本体部の前記他方の端部側から外方に向けて突出し、前記化粧枠と対向する面を有するフランジ部と;一方の端部側が前記化粧枠に設けられ、他方の端部側が前記フランジ部の前記化粧枠側とは反対側に位置する保持部と;を具備している。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、化粧枠の回転方向における向きを変化させることができる照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る照明装置1を例示するための模式断面図である。
図2】化粧枠51同士の向きが不揃いとなった場合を例示するための模式平面図である。
図3】回転角度規定部6を例示するための模式断面図である。
図4】(a)、(b)は、他の実施形態に係る回転角度規定部16、26を例示するための模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係る発明は、光源部と;照射開口を有し、前記光源部を収容する本体部と;前記本体の外側面に配設される取り付け金具と;前記本体部の他方の照射開口周囲に、前記本体部に対して回転方向に移動可能に設けられた化粧枠と;前記本体部の前記他方の端部側から外方に向けて突出し、前記化粧枠と対向する面を有するフランジ部と;一方の端部側が前記化粧枠に設けられ、他方の端部側が前記フランジ部の前記化粧枠側とは反対側に位置する保持部と;を具備した照明装置である。
この照明装置によれば、化粧枠の回転方向における向きを変化させることができる。また、この様にすれば、簡易な構成とすることができるので、製造コストの低減や生産性の向上を図ることができる。
【0011】
また、前記化粧枠は、前記化粧枠の中心軸に対して回転方向に形態の異方性を有するものとすることができる。
この様にすれば、照明装置が埋め込まれる天井板や壁面に合わせて種々の形態を採用することができる。
【0012】
また、前記化粧枠の前記回転方向における移動が所定の回転角度の範囲内となるように規定する回転角度規定部をさらに具備することができる。
回転角度規定部を設けるようにすれば、回転角度の終端において化粧枠の移動が停止する。化粧枠を回転角度の終端以上に移動しようとすれば、本体部が回転方向に移動する。 すなわち、回転角度規定部を設けるようにすれば、化粧枠により本体部を回転方向に移動させることができる。
そのため、照明装置の再設定などが容易となる。
【0013】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
なお、以下においては、一例として、本実施の形態に係る照明装置が、天井板に設けられた埋込穴に埋め込まれるダウンライトである場合を説明する。
ただし、本実施の形態に係る照明装置は、埋め込み型の照明装置であればよく、ダウンライトに限定されるわけではない。
図1は、本実施の形態に係る照明装置1を例示するための模式断面図である。
図1に示すように、照明装置1には、筐体2、電源部3、照明部4、化粧部5、および回転角度規定部6が設けられている。
【0014】
筐体2は、電源部3および照明部4を保持する。
筐体2は、L字状に屈曲している。筐体2の一方の端面には照明部4が設けられている。筐体2の照明部4が設けられる側とは反対側には、凹部2aが設けられている。凹部2aの内部には、電源部3が設けられている。筐体2の他方の端部には、端子台3cが設けられている。
【0015】
また、筐体2は、電源部3において発生した熱を外部に放出する機能を有する。
そのため、筐体2は、熱伝導率の高い材料から形成されている。筐体2は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、及びこれらの合金などの金属、窒化アルミニウム(AlN)などの無機材料、高熱伝導性樹脂などの有機材料などから形成することができる。
また、筐体2の外面に、放熱フィンを設けることもできる。
【0016】
なお、筐体2は、必ずしも必要ではなく省くこともできる。
例えば、電源部3が外部に設けられる場合には、筐体2を設ける必要はない。
この場合、筐体2に代えて、外部に設けられた電源部3と照明部4とを電気的に接続する端子台を取り付けるブラケットを設けることができる。端子台を取り付ける図示しないブラケットは、照明部4の化粧部5が設けられる側とは反対側の端部に設けることができる。端子台を取り付けるブラケットは、例えば、板金加工などにより形成することができる。
【0017】
電源部3は、照明部4(光電部44)に電力を供給する点灯回路を有する。また、電源部3は、照明部4(光電部44)の調光を行うための調光回路をも有するものとすることができる。
なお、電源部3は、絶縁部3aを介して凹部2aの内部に設けられている。また、凹部2aの開口を塞ぐ蓋3bを設けることができる。電源部3は、配線3dを介して端子台3cと電気的に接続されている。
【0018】
照明部4には、本体部41、反射部42、基板43、光電部44、カバー45、伝熱シート46、および取り付け金具47が設けられている。
本体部41は、光電部44が設けられる側とは反対側の端部にフランジ部41aを有する。フランジ部41aは、環状を呈する板状体とすることができる。フランジ部41aは、本体部41から外方に向けて突出している。フランジ部41aの光電部44が設けられる側とは反対側の面は、化粧枠51と対向している。
本体部41は、照射開口(段付き穴41bの開口)を有し、光源部44を収容する。
本体部41は、軸方向に貫通する段付き穴41bを有する。段付き穴41bの筐体2側の断面寸法は、化粧部5側の断面寸法よりも短くなっている。段付き穴41bの筐体2側には、反射部42、基板43、光電部44、カバー45、および伝熱シート46が設けられる。段付き穴41bの化粧部5側は、化粧部5側に向かうに従い断面寸法が漸増している。段付き穴41bの化粧部5側は、反射体(リフレクタ)の機能を有する。
本体部41は、例えば、ABS樹脂などの有機材料から形成することができる。ただし、本体部41の材料は有機材料に限定されるわけではない。本体部41の材料は、例えば、アルミニウムなどの金属であってもよい。
【0019】
反射部42は、段付き穴41bに嵌め込まれている。反射部42は、軸方向に貫通する穴42aを有する。穴42aは、化粧部5側に向かうに従い断面寸法が漸増している。
反射部42は、例えば、紫外線に対する耐性、耐熱性、および電気絶縁性を有する白色の有機材料などから形成することができる。ただし、反射部42の材料は有機材料に限定されるわけではない。反射部42の材料は、例えば、アルミニウムなどの金属であってもよい。
【0020】
基板43は、反射部42の筐体2側に設けられている。基板43は、筐体2の端面に取り付けられている。なお、筐体2が設けられない場合には、基板43は、本体部41や、前述した端子台を取り付ける図示しないブラケットなどに取り付けることができる。
基板43は、板状を呈し、表面に図示しない配線パターンを有している。図示しない配線パターンは、配線などを介して電源部3と電気的に接続されている。
【0021】
基板43の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板43の材料は、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料、セラミックスなどの無機材料、金属板の表面を絶縁体で被覆したものなどとすることができる。
光電部44の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁体で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板43は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0022】
光電部44は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子とすることができる。
なお、一例として、光電部44が発光素子の場合を例示したが、光電部44は、白熱電球や蛍光灯などの他の光源であってもよい。
光電部44は、本体部41の化粧枠51側とは反対側に設けられている。光電部44は、段付き穴41bの内部に露出している。
光電部44は、基板43の化粧枠51側の面に実装されている。光電部44は、反射部42の穴42aの内部に露出する位置に設けられている。光電部44は、基板43に設けられた図示しない配線パターンと電気的に接続されている。
光電部44の数には特に限定はなく、照明装置1の用途や光電部44の大きさなどに応じて1個以上の光電部44が設けられるようにすればよい。
光電部44の配設形態にも特に限定はなく、マトリックス状、千鳥状、放射状などのように規則的な配設形態とすることもできるし、任意の配設形態とすることもできる。
【0023】
カバー45は、反射部42の化粧枠51側に設けられている。カバー45は、板状を呈し、透光性を有する材料から形成されている。カバー45は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラスなどの透明材料から形成することができる。なお、カバー45は、透光性を有していればよく、例えば、着色されていたり、レンズなどの光学要素が設けられていたり、光拡散粒子などを含んでいたり、表面に微細な凹凸が設けられていたりしてもよい。
【0024】
伝熱シート46は、基板43と筐体2との間に設けられている。
伝熱シート46は、熱伝導率が高く、弾性を有する材料から形成されている。伝熱シート46は、例えば、無機材料からなるフィラーが添加されたシリコンゴムなどから形成することができる。
なお、伝熱シート46に代えて、伝熱グリース(放熱グリース)などを塗布するようにしてもよい。
また、光電部44の発熱量が少ない場合などには、伝熱シート46を省くこともできる。
【0025】
取り付け金具47は、本体部41の外側面に配設されている。
取り付け金具47の一方の端部は、本体部41に設けられている。
取り付け金具47の他方の端部側は、本体部41の外方に向けて延びている。
取り付け金具47は、帯状を呈し、弾性材料から形成されている。取り付け金具47は、例えば、板バネ材料から形成することができる。
取り付け金具47は、複数設けられている。複数の取り付け金具47は、本体部41の周りに等間隔となるように設けることができる。
【0026】
筐体2、電源部3、および照明部4を天井板100に設けられた埋込穴100aに挿入する際には、取り付け金具47を本体部41に近接させるように弾性変形させる。
筐体2、電源部3、および照明部4が天井板100の裏側に到達すると、取り付け金具47の弾性力により、天井板100が取り付け金具47と化粧部5(化粧枠51)との間に挟まれる。
そのため、照明装置1が天井板100に保持される。
また、化粧部5(化粧枠51)により、埋込穴100aを覆い隠すことができる。
【0027】
化粧部5は、本体部41のフランジ部41a側に設けられている。
化粧部5(化粧枠51)の中心軸51aは、本体部41に設けられた段付き穴41bの中心軸41baの位置にある。
そのため、化粧部5(化粧枠51)は、段付き穴41bの中心軸41baを中心として回転方向に移動することができる。
【0028】
化粧枠51は、本体部41の他方の照射開口(段付き穴41bの開口)周囲に、本体部41に対して回転方向に移動可能に設けられている。
化粧枠51は、本体部41の光電部44が設けられる側とは反対側に設けられている。 化粧枠51は、本体部41に対して回転方向に移動可能に設けられている。
化粧部5は、化粧枠51および保持部52を有する。
化粧枠51は、板状を呈し、軸方向に貫通する穴51bを有する。穴51bの中心軸51baは、化粧枠51の中心軸51aの位置にある。
化粧枠51の本体部41側には、凹部51cを設けることができる。凹部51cの内部には、保持部52を設けることができる。
なお、凹部51cは必ずしも必要ではなく省くこともできる。
ただし、凹部51cを設けるようにすれば、保持部52と天井板100とが干渉するのを抑制することができる。そのため、埋込穴100aを小さくすることができ、ひいては化粧枠51の小型化を図ることができる。
化粧枠51の材料には特に限定がない。化粧枠51の材料は、例えば、金属、樹脂などの有機材料、セラミックスなどの無機材料、木材などとすることができる。また、化粧枠51の色、模様、平面形状などは、天井板100の色彩や質感などに応じて適宜変更することができる。
【0029】
化粧枠51は、化粧枠51の中心軸51aに対して回転方向に形態の異方性を有する。 例えば、平面形状が多角形や楕円などの化粧枠51とすることができる。また、化粧枠51の天井板100側とは反対側の面に模様、文字、記号などの装飾が施されている化粧枠51とすることもできる。
なお、以下においては、一例として、化粧枠51の平面形状が四角形である場合を説明する。
【0030】
ここで、化粧枠51は中心軸51aに対して回転方向に形態の異方性を有しているため、複数の照明装置1を設置した際に化粧枠51同士の向きが不揃いになる場合がある。
図2は、化粧枠51同士の向きが不揃いとなった場合を例示するための模式平面図である。
図2に示すように、化粧枠51同士の向きが不揃いとなった場合には、煩雑となり見栄えが悪くなる。
そのため、照明装置1を複数設置した際に化粧枠51同士の向きを揃えることが必要となる場合がある。
この場合、本体部41の回転方向における向きを調整することで化粧枠51同士の向きを揃えることもできる。
【0031】
ところが、天井裏や壁の内部などには梁などの障害物がある場合がある。
また、取り付け金具47は、本体部41の外方に向けて延びている。
そのため、取り付け金具47と障害物が干渉して、照明装置1の回転方向における向きを調整するのが困難となる場合がある。
また、複数の照明装置1の回転方向における向きを調整するのには多大な労力を要する。
そのため、本実施の形態においては、化粧枠51の回転方向における向きを変化させることができるようになっている。
【0032】
保持部52の一方の端部側は、化粧枠51に設けられている。保持部52の他方の端部側は、フランジ部41aの化粧枠51側とは反対側に位置している。
保持部52の他方の端部側と化粧枠51との間の寸法は、フランジ部41aの厚み寸法よりも若干長くなっている。
また、保持部52は、フランジ部41a(本体部41)が中心軸41baに直交する方向に移動するのを抑制する。
そのため、化粧枠51と保持部52は、本体部41に対して回転方向に移動することができる。
【0033】
なお、保持部52は、図1に例示をしたものに限定されるわけではなく、本体部41に対して化粧枠51が回転方向に移動することができるようになっていればよい。
例えば、平板状の板材と、板材と化粧枠51との間に設けられ、フランジ部41aの厚みよりも厚いスペーサと、を備えたものであってもよい。
【0034】
化粧枠51の回転方向における向きは、例えば、以下の様にして調整することができる。
化粧枠51の回転方向における向きを変化させる場合には、化粧枠51を天井板100から離隔させるように引っ張る。すると、取り付け金具47が撓んで、化粧枠51と天井板100との間に隙間が生じる。この状態で化粧枠51を回転方向に移動させて化粧枠51の向きが所望の向きとなるようにする。
所望の向きとなった化粧枠51を離すと、取り付け金具47によりフランジ部41aが天井板100の裏側に向けて引き込まれる。
すると、化粧枠51が天井板100に押し付けられる。
化粧枠51が天井板100に押し付けられると、摩擦力が発生するので天井板100に対する化粧枠51の移動が抑制される。
そのため、所望の向きとなった化粧枠51の位置を維持することができる。
なお、化粧枠51の天井板100側の面にゴムなどの摩擦係数の高いシートなどを設けることもできる。
その様にすれば、化粧枠51の位置を維持することが容易となる。
【0035】
また、化粧枠51の回転方向における移動が所定の回転角度の範囲内となるように規定することもできる。
図3は、回転角度規定部6を例示するための模式断面図である。
なお、図3は、図1におけるA−A’線断面図である。
図3においては、煩雑となるのを避けるために、取り付け金具47などを省いて描いている。
回転角度規定部6は、化粧枠51の回転方向における移動が所定の回転角度の範囲内となるように規定する。
図3に示すように、回転角度規定部6は、リブ41cと凸部52aを有する。
リブ41cは、フランジ部41aの化粧枠51側とは反対側の面に複数設けられている。
リブ41cは、円弧状を呈している。
この場合、リブ41cの中心軸41caは、段付き穴41bの中心軸41baの位置にあるようにすることができる。
すなわち、段付き穴41bの中心軸41ba、リブ41cの中心軸41ca、穴51bの中心軸51ba、および化粧部5の中心軸51aは、同じ位置にある(同芯)ようにすることができる。
凸部52aは、保持部52に設けられている。凸部52aは、リブ41c同士の間において、リブ41c側に向けて突出している。凸部52aは、リブ41cの円周方向の端面に接触可能となっている。
【0036】
化粧枠51を反時計回りに移動させると、図3に示すように、リブ41cの一方の端部に凸部52aが接触して化粧枠51の移動が規定(制限)される。
化粧枠51を時計回りに移動させると、リブ41cの他方の端部に凸部52aが接触して化粧枠51の移動が規定される。
また、隣接するリブ41cの端面間の距離を変えることで、回転角度の範囲を変化させることができる。
なお、リブ41cおよび凸部52aの数は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、リブを化粧枠51や保持部52に設け、凸部を本体部41に設けることもできる。
【0037】
回転角度規定部6を設けるようにすれば、回転角度の終端において化粧枠51の移動が停止する。化粧枠51を回転角度の終端以上に移動しようとすれば、本体部41が回転方向に移動する。
すなわち、回転角度規定部6を設けるようにすれば、化粧枠51により本体部41を回転方向に移動させることができる。
そのため、照明装置1の再設定などが容易となる。
【0038】
図4(a)、(b)は、他の実施形態に係る回転角度規定部16、26を例示するための模式斜視図である。
図4(a)に示すように、回転角度規定部16は、穴部41a1と突起部53を有する。
穴部41a1は、フランジ部41aを厚み方向に貫通している。穴部41a1は、円弧状を呈している。
突起部53は、穴部41a1の内部に設けられている。突起部53の一方の端部は、化粧枠51または保持部52に設けられている。
なお、穴部を化粧枠51や保持部52に設け、突起部を本体部41に設けることもできる。
【0039】
図4(b)に示すように、回転角度規定部26は、突起部54と凸部52aを有する。 突起部54は、所定の間隔をあけて複数設けられている。凸部52aは、突起部54同士の間において、突起部54側に向けて突出している。凸部52aは、突起部54の円周方向の側面に接触可能となっている。
すなわち、図4(b)に例示をした回転角度規定部26は、前述した回転角度規定部6のリブ41cに代えて突起部54を設けた場合である。
なお、突起部を化粧枠51や保持部52に設け、凸部を本体部41に設けることもできる。
【0040】
以上、回転角度規定部のいくつかの実施形態を例示したが、回転角度規定部は、例示をしたものに限定されるわけではない。
化粧枠51の回転方向における移動が所定の回転角度の範囲内となるように規定することができるものであればよい。
【0041】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 照明装置、2 筐体、3 電源部、4 照明部、5 化粧部、6 回転角度規定部、16 回転角度規定部、26 回転角度規定部、41 本体部、41a フランジ部、41a1 穴部、41b 段付き穴、41ba 中心軸、41c リブ、41ca 中心軸、42 反射部、43 基板、44 光源部、45 カバー、46 伝熱シート、47 取り付け金具、51 化粧枠、51a 中心軸、51b 穴、51ba 中心軸、52 保持部、52a 凸部、53 突起部、54 突起部、100 天井板、100a 埋込穴
図1
図2
図3
図4