特許第6504574号(P6504574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6504574かごドア点検治具およびかごドア点検方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6504574
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】かごドア点検治具およびかごドア点検方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20190415BHJP
   B66B 13/26 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
   B66B5/00 D
   B66B13/26 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-38606(P2017-38606)
(22)【出願日】2017年3月1日
(65)【公開番号】特開2018-144907(P2018-144907A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2018年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100090011
【弁理士】
【氏名又は名称】茂泉 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】光地 芳雄
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−136781(JP,A)
【文献】 特開平10−109847(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0029246(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00− 5/28
B66B 13/00−13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごドアに設けられたかごドアセーフティシュー取付部がかご敷居における乗場側端面よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検する際に用いられるかごドア点検治具であって、
前記かご敷居の上面に載せられる基部と、
前記かご敷居における乗場側端面に接触する乗場側端面接触部と、
前記基部が前記かご敷居の上面に載せられ、前記乗場側端面接触部が前記かご敷居における乗場側端面に接触する場合に、前記かごドアセーフティシュー取付部に対向する対向部と、
前記基部に設けられ、前記対向部を支持する支持部と
を備え、
前記対向部における前記かごドアセーフティシュー取付部側の端面である検出面は、前記基部が前記かご敷居の上面に載せられ、前記乗場側端面接触部が前記かご敷居における乗場側端面に接触する場合に、前記かご敷居における前記乗場側端面を通る鉛直面である限界面と重なる位置、または、前記限界面よりも前記奥行方向について前記乗場から離れる位置に配置されるかごドア点検治具。
【請求項2】
前記支持部は、前記対向部が高さ方向について移動可能となるように前記対向部を支持する請求項1に記載のかごドア点検治具。
【請求項3】
前記支持部は、前記対向部が前記奥行方向について移動可能となるように前記対向部を支持する請求項1または請求項2に記載のかごドア点検治具。
【請求項4】
前記基部は、前記かご敷居の上面を間口方向に転動する複数のローラを有している請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のかごドア点検治具。
【請求項5】
かご敷居の上面に載せられる基部と、前記かご敷居における乗場側端面に接触する乗場側端面接触部と、前記基部が前記かご敷居の上面に載せられ、前記乗場側端面接触部が前記かご敷居における乗場側端面に接触する場合に、かごに設けられたかごドアセーフティシュー取付部に対向する対向部とを備えたかごドア点検治具を用いて、かごドアに設けられたかごドアセーフティシュー取付部がかご敷居における乗場側端面よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検するかごドア点検方法であって、
前記かごドアが前記奥行方向について乗場に近づくように前記かごドアを押すかご押圧工程と、
前記基部を前記かご敷居の上面に載せ、前記乗場側端面接触部を前記かご敷居における乗場側端面に接触させることによって、前記対向部における前記かごドアセーフティシュー取付部側の端面である検出面を、前記かご敷居における前記乗場側端面を通る鉛直面である限界面と重なる位置、または、前記限界面よりも前記奥行方向について前記乗場から離れる位置に配置する治具設置工程と、
前記かご押圧工程および前記治具設置工程の後、前記検出面と前記かごドアセーフティシュー取付部とが接触するか否かによって、前記かごドアセーフティシュー取付部が前記かご敷居における乗場側端面よりも前記奥行方向について前記乗場から離れている否かを点検する点検工程と
を備えているかごドア点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、かごドアセーフティシュー取付部がかご敷居における乗場側端面よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検する際に用いられるかごドア点検治具およびかごドア点検治具を用いてかごドアセーフティシュー取付部がかご敷居における乗場側端面よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検するかごドア点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かごドアと、かごドアに設けられ、かごドアが戸閉方向に移動する場合に、かごドアとかご三方枠との間に異物が挟まれることを検出するかごドアセーフティシューとを備え、かごドアセーフティシューは、かごドアセーフティシュー本体と、かごドアに設けられ、かごドアセーフティシュー本体を支持するかごドアセーフティシュー取付部とを有したエレベータードアが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−205755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かごドアは、ドア本体と、ドア本体の下部に設けられ、かご敷居の敷居溝に挿入されるドアシューとを有しており、ドアシューとかご敷居との間に摩擦が生じることによって、ドアシューに摩耗が生じる。ドアシューに生じる摩耗によって奥行方向についてのドアシューの寸法が予め設定された値よりも小さくなると、かごドアが奥行方向について乗場に近づく方向の押された場合に、かごドアセーフティシュー取付部が、かご敷居における乗場側端面よりも奥行方向について乗場に近づく。この場合、かごが昇降することによって、乗場ドアに設けられた解錠ローラと、かごドアセーフティシュー取付部とが接触してしまうという問題点があった。
【0005】
この発明は、かごドアセーフティシュー取付部がかご敷居における乗場側端面よりも奥行方向について乗場から離れている否かを容易に点検することができるかごドア点検治具およびかごドア点検方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るかごドア点検治具は、かごドアに設けられたかごドアセーフティシュー取付部がかご敷居における乗場側端面よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検する際に用いられるかごドア点検治具であって、かご敷居の上面に載せられる基部と、かご敷居における乗場側端面に接触する乗場側端面接触部と、基部がかご敷居の上面に載せられ、乗場側端面接触部がかご敷居における乗場側端面に接触する場合に、かごドアセーフティシュー取付部に対向する対向部と、基部に設けられ、対向部を支持する支持部とを備え、対向部におけるかごドアセーフティシュー取付部側の端面である検出面は、基部がかご敷居の上面に載せられ、乗場側端面接触部がかご敷居における乗場側端面に接触する場合に、かご敷居における乗場側端面を通る鉛直面である限界面と重なる位置、または、限界面よりも奥行方向について乗場から離れる位置に配置される。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るかごドア点検治具によれば、基部をかご敷居の上面に対して間口方向にスライドさせることによって、かごドアセーフティシュー取付部がかご敷居における乗場側端面よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検することができるので、かごドアセーフティシュー取付部がかご敷居における乗場側端面よりも奥行方向について乗場から離れている否かを容易に点検することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係るかごドア点検治具を用いて点検されるエレベータードアを示す平面図である。
図2図1のエレベータードアを示す側面図である。
図3図1のドアシューにおける奥行方向についての寸法が予め設定された値よりも小さくなった状態のエレベータードアを示す平面図である。
図4図3のエレベータードアを示す側面図である。
図5】この発明の実施の形態1に係るかごドア点検治具を示す側面図である。
図6図5のドアシューにおける奥行方向についての寸法が予め設定された値よりも小さくなった状態を示す図である。
図7】この発明の実施の形態1に係るかごドア点検方法を示すフローチャートである。
図8】この発明の実施の形態2に係るかごドア点検治具を示す側面図である。
図9】この発明の実施の形態3に係るかごドア点検治具を示す側面図である。
図10図9のかごドア点検治具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るかごドア点検治具を用いて点検されるエレベータードアを示す平面図、図2図1のエレベータードアを示す側面図である。図において、エレベータードアは、かごに設けられたかごドア1と、かごに設けられたかご敷居2と、かごドア1に設けられたかごドアセーフティシュー3とを備えている。また、エレベータードアは、乗場に設けられた乗場ドア4と、乗場に設けられた乗場敷居5と、乗場ドア4に設けられた解錠ローラ6とを備えている。解錠ローラ6は、乗場ドア4に設けられた図示しない施錠装置を解錠するものである。解錠ローラ6は、奥行方向について乗場敷居5よりもかごドア1の近くに配置されている。この例では、奥行方向とは、かご出入口および乗場出入口についての奥行方向であって、図2の矢印Aの方向である。
【0010】
かごドア1は、ドア本体11と、ドア本体11の下部に設けられたドアシュー12とを有している。かご敷居2の上面には、上方からドアシュー12が挿入される敷居溝21が形成されている。敷居溝21は、間口方向に延びて形成されている。
【0011】
かごドアセーフティシュー3は、かごドアセーフティシュー本体31と、かごドア1に設けられ、かごドアセーフティシュー本体31を支持するかごドアセーフティシュー取付部32とを有している。かごドアセーフティシュー本体31は、かごドア1と図示しないかご三方枠との間に異物が挟まれた場合に、変位する。かごドアセーフティシュー取付部32には、かごドアセーフティシュー本体31の変位を検出するスイッチが含まれている。
【0012】
乗場ドア4は、かごドア1と同様に、ドア本体41と、ドア本体41の下部に設けられたドアシュー42とを有している。乗場敷居5の上面には、上方からドアシュー42が挿入される敷居溝51が形成されている。
【0013】
解錠ローラ6は、乗場ドア4の上部に配置されている。解錠ローラ6は、かごドア1が戸開方向に移動する場合に、かごドア1の上部に設けられた図示しない係合板によって操作される。この係合板が解錠ローラ6を操作することによって、乗場ドア4の施錠装置が解錠され、かごドア1の戸開方向の移動に連動して乗場ドア4が戸開方向に移動する。
【0014】
かごドア1の開閉動作が行われると、ドアシュー12と敷居溝21の壁面との間で摩擦が生じる場合がある。ドアシュー12に摩擦が生じることによって、ドアシュー12に摩耗が生じる。ドアシュー12に生じる摩耗によって奥行方向についてのドアシュー12の寸法が予め設定された値よりも小さくなり、さらに、かごドア1が奥行方向について乗場に近づく方向の押される場合に、かごドアセーフティシュー取付部32が、かご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場に近づく。ここで、予め設定された値とは、かごドア1が奥行方向について乗場に近づく方向の押された場合に、かごドアセーフティシュー取付部32における乗場側端面321が、奥行方向について、かご敷居2における乗場側端面22と同一平面上に配置される場合のドアシュー12の寸法である。
【0015】
図3図1のドアシュー12における奥行方向についての寸法が予め設定された値よりも小さくなった状態のエレベータードアを示す平面図、図4図3のエレベータードアを示す側面図である。図3および図4では、かごドア1が奥行方向について乗場に近づく方向の押された状態を示している。奥行方向についてのドアシュー12の寸法が予め設定された値よりも小さくなり、かごドア1が奥行方向について乗場に近づく方向の押された場合に、かごドアセーフティシュー取付部32における乗場側端面321が、かご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場に近づく。この場合に、かごが昇降することによって、解錠ローラ6と、かごドアセーフティシュー取付部32とが接触してしまう。
【0016】
図5はこの発明の実施の形態1に係るかごドア点検治具を示す側面図である。図5では、かごドア1、かごドアセーフティシュー取付部32およびかご敷居2も示している。かごドア点検治具7は、かご敷居2の上面に載せられる基部71と、かご敷居2における乗場側端面22に接触する乗場側端面接触部72とを備えている。また、かごドア点検治具7は、基部71がかご敷居2の上面に載せられ乗場側端面接触部72がかご敷居2における乗場側端面22に接触する場合に、かごドアセーフティシュー取付部32における乗場側端面321に対向する対向部73と、基部71に設けられ、対向部73を支持する支持部74とを備えている。
【0017】
基部71と乗場側端面接触部72との間の成す角度は、90度となっている。乗場側端面接触部72における乗場側端面22に対向する面は、対向部73におけるかごドアセーフティシュー取付部32に対向する面と同一平面上に配置されている。したがって、対向部73におけるかごドアセーフティシュー取付部32側の端面である検出面731は、基部71がかご敷居2の上面に載せられ、乗場側端面接触部72がかご敷居2における乗場側端面22に接触する場合に、かご敷居2における乗場側端面22を通る鉛直面である限界面Bと重なる位置に配置される。なお、検出面731は、基部71がかご敷居2の上面に載せられ、乗場側端面接触部72がかご敷居2における乗場側端面22に接触する場合に、限界面Bよりも奥行方向について乗場から離れる位置に配置される構成であってもよい。
【0018】
図6図5のドアシューにおける奥行方向についての寸法が予め設定された値よりも小さくなった状態を示す図である。奥行方向についてのドアシュー12の寸法が予め設定された値よりも小さくなると、かごドア1が奥行方向について乗場に近づく方向の押された場合に、かごドアセーフティシュー取付部32が、かご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場に近づく。この場合に、基部71がかご敷居2の上面に載せられると、対向部73がかごドアセーフティシュー取付部32と接触し、乗場側端面接触部72がかご敷居2における乗場側端面22に接触しない。これにより、ドアシュー12の奥行方向についての寸法が予め設定された値よりも小さいか否かが分かる。
【0019】
次に、かごドア点検治具7を用いて、かごドアセーフティシュー取付部32が乗場側端面22よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検するかごドア点検方法について説明する。図7はこの発明の実施の形態1に係るかごドア点検方法を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、かご押圧工程を行う。かご押圧工程では、かごドア1が奥行方向について乗場に近づくようにかごドア1を押す。
【0020】
その後、ステップS102において、治具設置工程を行う。治具設置工程では、基部71をかご敷居2の上面に載せ、乗場側端面接触部72をかご敷居2における乗場側端面22に接触させることによって、対向部73におけるかごドアセーフティシュー取付部32側の端面である検出面731を、かご敷居2における乗場側端面22を通る鉛直面である限界面Bと重なる位置に配置する。
【0021】
その後、ステップS103において、点検工程を行う。点検工程では、基部71をかご敷居2の上面に対して間口方向にスライドさせることによって、かごドアセーフティシュー取付部32がかご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検する。
【0022】
その後、ステップS104において、点検工程においてかごドア点検治具7とかごドアセーフティシュー取付部32との間で引掛りがあったか否かを判定する。ステップS104において、かごドア点検治具7とかごドアセーフティシュー取付部32との間で引掛りがあったと判定された場合に、ステップS105において、ドアシュー12を点検する。ドアシュー12の点検では、ドアシュー12に摩耗が生じている可能性があるので、この場合には、ドアシュー12を交換する。
【0023】
一方、ステップS104において、かごドア点検治具7とかごドアセーフティシュー取付部32との間で引掛りがなかったと判定された場合に、かごドア点検方法が終了する。
【0024】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るかごドア点検治具7によれば、対向部73におけるかごドアセーフティシュー取付部32側の端面である検出面731は、基部71がかご敷居2の上面に載せられ、乗場側端面接触部72がかご敷居2における乗場側端面22に接触する場合に限界面Bと重なる位置に配置されるので、かごドアセーフティシュー取付部32がかご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場から離れている否かを容易に点検することができる。
【0025】
また、この発明の実施の形態1に係るかごドア点検方法によれば、治具設置工程において、基部71をかご敷居2の上面に載せ、乗場側端面接触部72をかご敷居2における乗場側端面22に接触させることによって、対向部73におけるかごドアセーフティシュー取付部32側の端面である検出面731を限界面Bと重なる位置に配置し、その後、点検工程において、検出面731とかごドアセーフティシュー取付部32とが接触するか否かによって、かごドアセーフティシュー取付部32がかご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検するので、かごドアセーフティシュー取付部32がかご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場から離れている否かを容易に点検することができる。また、基部71をかご敷居2の上面に対して間口方向にスライドさせることによって、かごドアセーフティシュー取付部32がかご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検するので、検出面731を小さくすることができる。
【0026】
なお、上記実施の形態1では、かご押圧工程の後に、治具設置工程を行うかごドア点検方法について説明したが、かご押圧工程と同時に治具設置工程を行うかごドア点検方法、または、治具設置工程の後にかご押圧工程を行うかご点検方法であってもよい。
【0027】
また、上記実施の形態1では、ドアシュー12の奥行方向についての寸法が予め設定された値よりも小さい場合に、かごドアセーフティシュー取付部32が、かご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場に近づき、これを、かごドア点検治具を用いて判定する例について説明したが、ドア本体11が変形することによって、かごドアセーフティシュー取付部32が、かご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場に近づき、これを、かごドア点検治具を用いて判定してもよい。この場合、ステップS104において引掛りがある場合に、ステップS105において、ドア本体11の点検を行う。
【0028】
また、上記実施の形態1では、点検工程において、基部71をかご敷居2の上面に対して間口方向にスライドさせることによって、かごドアセーフティシュー取付部32がかご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検する構成について説明したが、これに限らず、検出面731と、かごドアセーフティシュー取付部32とが接触するか否かによって、かごドアセーフティシュー取付部32がかご敷居2における乗場側端面22よりも奥行方向について乗場から離れている否かを点検すればよい。
【0029】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2に係るかごドア点検治具を示す側面図である。図において、かごドア点検治具7の支持部74は、対向部73が高さ方向について移動可能となるように対向部73を支持する。また、支持部74は、対向部73が奥行方向について移動可能となるように対向部73を支持する。また、対向部73は、目盛りを有している。対向部73の目盛りは、対向部73の検出面731と限界面Bとの間の寸法を測定するために用いられる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0030】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るかごドア点検治具7によれば、支持部74は、対向部73が高さ方向について移動可能となるように対向部73を支持するので、かごドアセーフティシュー取付部32の高さ方向の位置に合わせて、対向部73を容易に移動させることができる。
【0031】
また、支持部74は、対向部73が奥行方向について移動可能となるように対向部73を支持するので、対向部73を奥行方向について移動させることによって、交換すべきドアシュー12における奥行方向の寸法の値を任意に変更することができる。
【0032】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3に係るかごドア点検治具を示す側面図、図10図9のかごドア点検治具を示す正面図である。図において、基部71は、かご敷居2の上面を間口方向に転動する複数のローラ711を有している。その他の構成は、実施の形態1と同様である。なお、実施の形態2と同様に、支持部74は、対向部73が高さ方向について移動可能となるように対向部73を支持し、または、支持部74は、対向部73が奥行方向について移動可能となるように対向部73を支持する構成であってもよい。
【0033】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るかごドア点検治具7によれば、基部71は、かご敷居2の上面を間口方向に転動する複数のローラ711を有しているので、かご敷居2の上面に対して基部71を間口方向に容易にスライドさせることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 かごドア、2 かご敷居、3 かごドアセーフティシュー、4 乗場ドア、5 乗場敷居、6 解錠ローラ、7 かごドア点検治具、11 ドア本体、12 ドアシュー、21 敷居溝、22 乗場側端面、31 かごドアセーフティシュー本体、32 かごドアセーフティシュー取付部、41 ドア本体、42 ドアシュー、51 敷居溝、71 基部、72 乗場側端面接触部、73 対向部、74 支持部、321 乗場側端面、711 ローラ、731 検出面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10