特許第6504579号(P6504579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6504579抵抗素子、その製造方法、並びに抵抗素子アセンブリー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6504579
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】抵抗素子、その製造方法、並びに抵抗素子アセンブリー
(51)【国際特許分類】
   H01C 7/00 20060101AFI20190415BHJP
   H01C 13/02 20060101ALI20190415BHJP
   H01C 17/242 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
   H01C7/00 110
   H01C13/02 B
   H01C17/242
【請求項の数】23
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-197807(P2017-197807)
(22)【出願日】2017年10月11日
(65)【公開番号】特開2018-133554(P2018-133554A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2017年10月11日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0019591
(32)【優先日】2017年2月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リュ、ヒュン ボク
(72)【発明者】
【氏名】ナム、タック ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ヨン ジョー
(72)【発明者】
【氏名】グ、スン ギル
(72)【発明者】
【氏名】ナム、ジュン ミン
【審査官】 右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−082003(JP,U)
【文献】 特開2010−199283(JP,A)
【文献】 特開平07−094308(JP,A)
【文献】 特開平01−155601(JP,A)
【文献】 特開2005−332870(JP,A)
【文献】 特開平06−045111(JP,A)
【文献】 特開平09−260118(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0235782(US,A1)
【文献】 特開平07−201529(JP,A)
【文献】 特開2017−112353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 7/00
H01C 13/02
H01C 17/242
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基材の両端部に配置された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と連結され、厚膜抵抗体である第1抵抗層と、
前記第1抵抗層及び前記第2端子と連結され、薄膜抵抗体である第2抵抗層と、を含み、
前記第1端子は、第1内部電極及び第1外部電極を含み、前記第2端子は、第2内部電極及び第2外部電極を含み、
前記第1内部電極は、前記第1抵抗層と連結され、前記第2内部電極は、前記第2抵抗層と連結され、
前記第1抵抗層は、前記ベース基材の第1面に配置され、前記第2抵抗層は前記第1面に対向する前記ベース基材の第2面に配置され、前記第1抵抗層と前記第2抵抗層とは、前記ベース基材を貫通する導電性ビアを介して連結される、抵抗素子。
【請求項2】
ベース基材の両端部に配置された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と連結され、厚膜抵抗体である第1抵抗層と、
前記第1抵抗層及び前記第2端子と連結され、薄膜抵抗体である第2抵抗層と、を含み、
前記第1端子及び前記第2端子のうち少なくとも1つは、前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層のうち少なくとも1つと導電性ビアを介して連結される、抵抗素子。
【請求項3】
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層は、前記ベース基材の一面において互いに接合するように形成される、請求項に記載の抵抗素子。
【請求項4】
前記第1抵抗層は、前記ベース基材の第1面に配置され、前記第2抵抗層は前記第1面に対向する前記ベース基材の第2面に配置される、請求項に記載の抵抗素子。
【請求項5】
前記第1抵抗層と前記第2抵抗層とは、前記ベース基材を貫通する導電性ビアを介して連結される、請求項に記載の抵抗素子。
【請求項6】
前記厚膜抵抗体はRu酸化物を含有し、前記薄膜抵抗体はNiCr合金、TiN合金、及びTaN合金のうち少なくとも1つを含有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の抵抗素子。
【請求項7】
前記第2抵抗層に対するトリミング(trimming)工程により抵抗値が決定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の抵抗素子。
【請求項8】
前記第1抵抗層は印刷後に焼成工程により形成され、前記第2抵抗層は蒸着工程により形成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の抵抗素子。
【請求項9】
ベース基材を設ける段階と、
前記ベース基材の両端部に第1内部電極及び第2内部電極を形成する段階と、
前記第1内部電極と連結され、厚膜抵抗体からなる第1抵抗層を形成する段階と、
前記第1抵抗層及び前記第2内部電極と連結され、薄膜抵抗体からなる第2抵抗層を形成する段階と、
前記第1内部電極及び前記第2内部電極上のそれぞれに、第1外部電極及び第2外部電極を形成する段階と、を含む抵抗素子の製造方法。
【請求項10】
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層は前記ベース基材の一面において互いに接合するように形成される、請求項9に記載の抵抗素子の製造方法。
【請求項11】
前記第1抵抗層は前記ベース基材の第1面に形成され、前記第2抵抗層は前記第1面に対向する前記ベース基材の第2面に形成され、
前記ベース基材を貫通して前記第1抵抗層と前記第2抵抗層とを連結する導電性ビアを形成する段階と、をさらに含む、請求項9に記載の抵抗素子の製造方法。
【請求項12】
前記厚膜抵抗体はRu酸化物を含有し、前記薄膜抵抗体はNiCr合金、TiN合金、及びTaN合金のうち少なくとも1つを含有する、請求項9から11のいずれか一項に記載の抵抗素子の製造方法。
【請求項13】
前記第1内部電極と前記第2内部電極との間の抵抗値を測定し、測定された抵抗値が目標の抵抗値に達するように、前記第2抵抗層をトリミング(trimming)する段階をさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の抵抗素子の製造方法。
【請求項14】
前記第1抵抗層は印刷後に焼成工程により形成され、前記第2抵抗層は蒸着工程により形成される、請求項9から13のいずれか一項に記載の抵抗素子の製造方法。
【請求項15】
上部に第1及び第2電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板に配置される抵抗素子とを含み、
前記抵抗素子は、ベース基材の両端部に配置された第1端子及び第2端子、前記第1端子と連結され、厚膜抵抗体で形成された第1抵抗層、及び前記第1抵抗層及び前記第2端子と連結され、薄膜抵抗体で形成された第2抵抗層を含み、
前記第1端子は、第1内部電極及び第1外部電極を含み、前記第2端子は、第2内部電極及び第2外部電極を含み、
前記第1内部電極は、前記第1抵抗層と連結され、前記第2内部電極は、前記第2抵抗層と連結され、
前記第1抵抗層は、前記ベース基材の第1面に配置され、前記第2抵抗層は前記第1面に対向する前記ベース基材の第2面に配置され、前記第1抵抗層と前記第2抵抗層とは、前記ベース基材を貫通する導電性ビアを介して連結される、抵抗素子アセンブリー。
【請求項16】
ベース基材と、
前記ベース基材の上面に配置される薄膜抵抗体と、
前記薄膜抵抗体と連結され、前記ベース基材の面に配置される厚膜抵抗体と、
少なくとも前記ベース基材の上面に連結される前記ベース基材の第1側面に配置され、前記薄膜抵抗体と連結される第1端子と、
少なくとも前記第1側面に対向し前記ベース基材の面に連結される前記ベース基材の第2側面に配置され、前記厚膜抵抗体と連結される第2端子と、を含み、
前記第1端子は、第1内部電極及び第1外部電極を含み、前記第2端子は、第2内部電極及び第2外部電極を含み、
前記第1内部電極は、前記薄膜抵抗体と連結され、前記第2内部電極は、前記厚膜抵抗体と連結され、
前記薄膜抵抗体と前記厚膜抵抗体とは、前記ベース基材を貫通する導電性ビアを介して連結される、抵抗素子。
【請求項17】
ベース基材と、
前記ベース基材の上面の第1領域に配置される薄膜抵抗体と、
前記薄膜抵抗体と連結され、前記ベース基材の上面の第2領域に配置される厚膜抵抗体と、
少なくとも前記ベース基材の上面に連結される前記ベース基材の第1側面に配置され、前記薄膜抵抗体と連結される第1端子と、
少なくとも前記第1側面に対向し前記ベース基材の上面に連結される前記ベース基材の第2側面に配置され、前記厚膜抵抗体と連結される第2端子と、を含み、
前記第1端子は、
前記ベース基材の前記第1側面、前記ベース基材と前記薄膜抵抗体との間、及び前記ベース基材の上面に配置される第1内部電極と、
前記ベース基材の前記第1側面において前記第1内部電極の表面の一部の領域と前記ベース基材の前記上面において前記第1内部電極の表面の一部の領域に配置される第1外部電極とを含み、
前記第2端子は、
前記ベース基材の前記第2側面、前記ベース基材と前記厚膜抵抗体との間、及び前記ベース基材の上面に配置される第2内部電極と、
前記ベース基材の前記第2側面において前記第2内部電極の表面の一部の領域と前記ベース基材の前記上面において前記第2内部電極の表面の一部の領域に配置される第1外部電極を含む、抵抗素子。
【請求項18】
少なくとも前記薄膜抵抗体を覆う第1保護層と、
前記第1保護層を覆う第2保護層と、
前記第1保護層及び前記薄膜抵抗体に形成された溝と、を含む、請求項16または17に記載の抵抗素子。
【請求項19】
前記第1保護層はガラスを含み、前記第2保護層はポリマーを含む、請求項18に記載の抵抗素子。
【請求項20】
ベース基材と、
前記ベース基材の第1面に配置される薄膜抵抗体と、
前記ベース基材の第1面に対向する前記ベース基材の第2面に配置される厚膜抵抗体と、
それぞれ前記薄膜抵抗体と前記厚膜抵抗体に連結され、互いに対向していてそれぞれ前記第1面から前記第2面へと繋がり、前記ベース基材の第1側面及び第2側面に配置される第1端子及び第2端子と、を含み、
前記第1端子は、第1内部電極及び第1外部電極を含み、前記第2端子は、第2内部電極及び第2外部電極を含み、
前記第1内部電極は、前記薄膜抵抗体と連結され、前記第2内部電極は、前記厚膜抵抗体と連結され、
前記薄膜抵抗体は前記厚膜抵抗体と前記ベース基材を貫通する導電性ビアを介して電気的に連結される抵抗素子。
【請求項21】
ベース基材と、
前記ベース基材の第1面に配置される薄膜抵抗体と、
前記ベース基材の第1面に対向する前記ベース基材の第2面に配置される厚膜抵抗体と、
それぞれ前記薄膜抵抗体と前記厚膜抵抗体に連結され、互いに対向していてそれぞれ前記第1面から前記第2面へと繋がり、前記ベース基材の第1側面及び第2側面に配置される第1端子及び第2端子と、を含み、
前記薄膜抵抗体は、前記第1側面から前記第2側面へと繋がり、前記第1面から前記第2面へと繋がる前記ベース基材の第3側面に形成された溝内に配置され、前記ベース基材の前記第2面において前記厚膜抵抗体と連結され、前記ベース基材の前記第1面において前記薄膜抵抗体と連結される電極により前記厚膜抵抗体と電気的に連結される、抵抗素子。
【請求項22】
ベース基材と、
前記ベース基材の第1面に配置される薄膜抵抗体と、
前記ベース基材の第1面に対向する前記ベース基材の第2面に配置される厚膜抵抗体と、
それぞれ前記薄膜抵抗体と前記厚膜抵抗体に連結され、互いに対向していてそれぞれ前記第1面から前記第2面へと繋がり、前記ベース基材の第1側面及び第2側面に配置される第1端子及び第2端子と、を含み、
前記薄膜抵抗体は前記厚膜抵抗体と電気的に連結され、
前記ベース基材の前記第1面において前記第2端子の一領域として、前記厚膜抵抗体を電気的に連結する前記ベース基材内の第2導電性ビアをさらに含み、
前記厚膜抵抗体は前記ベース基材の前記第2面において前記第2端子と連結されない、抵抗素子。
【請求項23】
前記薄膜抵抗体は、前記ベース基材内の第1導電性ビアにより前記厚膜抵抗体と電気的に連結される、請求項20から22のいずれか一項に記載の抵抗素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗素子、その製造方法、並びに抵抗素子アセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化及び軽量化への要求に伴い、回路基板の配線密度を高めるために、チップ(chip)形態の抵抗素子が使用されている。また、電子機器の要求電力が高くなるにつれて、電子機器に過電流検知及び電池残量検知回路が導入されるようになり、高精度を有する抵抗素子が求められる。
【0003】
厚膜抵抗素子は相対的に製造工程が単純であるが、膜抵抗体をなす抵抗材料及び製造工程の特性のため、精度を一定レベル以上に実現することが困難である。これは、抵抗材料の比抵抗及び抵抗温度係数(Temperature Coefficient of Resistivity:TCR)が高く、かつ、トリミング工程時に発生する熱起電力(thermo electromotive force)が抵抗値の誤差を誘発するためである。
【0004】
高精度を有する抵抗素子を製造するために、薄膜抵抗体を用いた薄膜抵抗素子が開発されてきたが、製造工程の限界によって高い抵抗値(例えば、100Kohm以上)を実現できず、製品の多様性を確保し難いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−201529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一例は、高抵抗値を有し、かつ精度が向上した抵抗素子を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態の抵抗素子は、ベース基材の両端部に配置された第1端子及び第2端子と、上記第1端子と連結され、厚膜抵抗体である第1抵抗層と、上記第1抵抗層及び第2端子と連結され、薄膜抵抗体である第2抵抗層と、を含む。
【0008】
また、本発明の一実施形態の抵抗素子の製造方法は、ベース基材を設ける段階と、上記ベース基材の両端部に第1内部電極及び第2内部電極を形成する段階と、上記第1内部電極と連結され、厚膜抵抗体からなる第1抵抗層を形成する段階と、上記第1抵抗層及び上記第2内部電極と連結され、薄膜抵抗体からなる第2抵抗層を形成する段階と、上記第1内部電極及び上記第2内部電極上のそれぞれに、第1外部電極及び第2外部電極を形成する段階と、を含む。
【0009】
さらに、本発明の一実施形態の抵抗素子アセンブリーは、上部に第1及び第2電極パッドを有する印刷回路基板と、上記印刷回路基板に配置される抵抗素子とを含み、上記抵抗素子は、ベース基材の両端部に配置された第1端子及び第2端子と、上記第1端子と連結され、厚膜抵抗体で形成された第1抵抗層と、上記第1抵抗層及び第2端子と連結され、薄膜抵抗体で形成された第2抵抗層とを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一例に係る抵抗素子及び抵抗素子アセンブリーは、高抵抗値を有することができる厚膜抵抗体、抵抗温度係数及び比抵抗値が低い薄膜抵抗体を含むため、精度を維持しながら高い抵抗値を提供することができる。
【0011】
また、本発明の一例に係る抵抗素子の製造方法は、このような抵抗素子を製造する方法を提供する。
【0012】
本発明の多様でありながら有益な長所と効果は、上述した内容に限らず、本発明の具体的な実施を説明する過程で、より容易に理解され得ると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の抵抗素子を示した斜視図である。
図2図1のI−I'に沿って切断して見た断面図である。
図3】本発明の一実施形態の抵抗素子を示した斜視図である。
図4図3のII−II'に沿って切断して見た断面図である。
図5】本発明の一実施形態の抵抗素子を示した斜視図である。
図6】本発明の一実施形態の抵抗素子を示した斜視図である。
図7】発明の一実施形態に係る抵抗素子の製造方法を示すフロー図である。
図8】本発明の一実施形態に係る抵抗素子アセンブリーを示した斜視図である。
図9図8のIII−III'に沿って切断して見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0015】
また、本明細書において、「上に」形成されるとは、直接接触して形成されることを意味するだけでなく、中間に他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。また、本明細書において、「上部」、「上面」、「下部」、「下面」、「側面」などの用語は、添付の図面の方向を基準として表現されており、実際には素子が配置される方向に応じて異なり得る。
【0016】
図1は本発明の一実施形態の抵抗素子を示した斜視図であり、図2図1のI−I'に沿って切断して見た断面図である。図1及び2を参照すると、抵抗素子100は、ベース基材110と、第1端子121及び第2端子122と、第1抵抗層130及び第2抵抗層140と、を含む。図1及び図2には、第1抵抗層130及び第2抵抗層140がベース基材110の一面に配置された実施形態が示されている。
【0017】
ベース基材110は、第1抵抗層130及び第2抵抗層140を支持し、抵抗素子100の強度を確保することができる。これに制限されないが、上記ベース基材110は、所定の厚さを有しながら互いに対向する第1面及び第2面を有し、かつ各面の形状が矩形の薄板状からなることができる。また、ベース基材110は、熱伝導度に優れた材質で形成されることができ、抵抗素子に電流及び電圧が印加される場合、第1抵抗層130及び第2抵抗層140から生成された熱を外部に効果良く放出させることができる。
【0018】
例えば、ベース基材110は、アルミナ(Al)のようなセラミック又はポリマー基材であることができる。特定の例において、上記ベース基材110は薄板状のアルミニウムの表面をアノダイジング(anodizing)処理して得られたアルミナ基板であってもよい。
【0019】
図1に示されたように、第1端子121及び第2端子122は、ベース基材110の両端部に配置されることができる。また、第1端子121及び第2端子122のそれぞれは、ベース基材110の両端部を取り囲むように形成されることができる。上記第1端子121及び第2端子122のそれぞれは、互いに接合された第1抵抗層130及び第2抵抗層140の両端部と連結されるため、第1端子121及び第2端子122は第1抵抗層120及び第2抵抗層140が形成する直列構造の経路を介して電気的に連結される。第1端子121及び第2端子122については、図2を参照してより具体的に説明する。
【0020】
第1抵抗層130及び第2抵抗層140は、上記ベース基材110の一面に配置されることができる。第1抵抗層130及び第2抵抗層140は、互いに離隔した第1端子121及び第2端子122の間に配置され、第1端子121及び第2端子122と連結されて抵抗要素として使用されることができる。ここで、第1抵抗層130は、第1端子121と連結されてもよく、第2抵抗層140は、第1抵抗層130及び第2端子122の間に配置されてもよく、第1抵抗層130及び第2端子122と連結されてもよい。また、第1抵抗層130及び第2抵抗層140は、互いに接合されてもよい。
【0021】
本発明の実施形態において、第1抵抗層130は厚膜抵抗体であり、第2抵抗層140は薄膜抵抗体である。例えば、上記厚膜抵抗体は、導電粒子としてRu酸化物(RuO)を含有することができる。また、ガラス(glass)をさらに含むペーストの形態で印刷された後、焼成工程によって上記ベース基材に接合されることができる。
【0022】
また、薄膜抵抗体は、ニッケルクロム(NiCr)合金、チタニウムナイトライド(TiN)合金、及びタンタルナイトライド(TaN)合金のうち少なくとも1つを含有することができる。さらに、蒸着(sputtering)工程によって上記ベース基材に接合されることができる。
【0023】
抵抗素子100の抵抗値は、第1抵抗層130及び第2抵抗層140に対するトリミング(trimming)工程により決定されることができる。トリミング工程とは、抵抗層を形成した後、回路の設計に必要な抵抗値を得るためにレーザーを用いた微細カッティング(cutting)などによって抵抗層を部分的に除去する工程のことである。
【0024】
具体的には、トリミング工程で抵抗素子の抵抗値を測定しながら溝(groove)を形成し、測定された抵抗値が目標値に達した場合、溝の形成を止めることで抵抗素子の抵抗値が調節される。図1及び図2を参照すると、トリミング工程により第2抵抗層140に形成された溝Tを確認することができる。第1抵抗層130には溝Tが図示されていないが、同一の機能を持つ溝が第1抵抗層130に形成されてもよい。第1抵抗層130に溝を形成するトリミング工程が行われる場合でも、第1抵抗層130に対するトリミング工程後に第2抵抗層140に対するトリミング工程が行われるようになり、抵抗素子の抵抗値が決定される。
【0025】
第2抵抗層140の薄膜抵抗体をなす抵抗材料は、低い比抵抗値を有するため、微細な抵抗値を有する抵抗素子を製造するのに有利である。また、低い抵抗温度係数(TCR)を有するため、トリミング工程時に、より精密な抵抗値を有することができ、抵抗素子に温度に対する頑健性(robustness)を持たせる。
【0026】
このように、本発明の一実施形態に係る抵抗素子は、高抵抗値を有することができる厚膜抵抗体を含むため、多様な範囲の抵抗値を有するように製造されることができる。また、精密な抵抗値を有し、かつ低い抵抗温度係数(TCR)を有する薄膜抵抗体を含むため、高精度及び高信頼性を有することができる。
【0027】
一方、第1抵抗層130及び第2抵抗層140上の表面には、保護層150が配置されることができる。上記保護層150は、上記第1端子121及び上記第2端子122の間に配置されることができ、第1抵抗層130及び第2抵抗層140が外部に露出しないようにすることで、第1抵抗層130及び第2抵抗層140を外部の衝撃から保護する。例えば、上記保護層150はシリコン(SiO)やガラス(glass)、又はポリマー(polymer)材料を含むことができる。
【0028】
図2を参照すると、上記保護層150は、ガラスの第1保護層151と、ポリマーの第2保護層152で構成されることができる。必要に応じて、第1保護層151は、トリミング工程前に形成されて、トリミング(trimming)工程時に第1抵抗層130及び第2抵抗層140にクラック(clack)が発生することを防止することができ、第2保護層152は、トリミング(trimming)工程後に形成されて、第1抵抗層130及び第2抵抗層140を保護することができる。
【0029】
また、保護層150が第2抵抗層140上に配置されても、第1及び第2端子121、122が保護層150よりも突出した形状を有するようになり、基板の実装時に、第1及び第2端子121、122と回路基板に配置された電極パッドとの接触を容易に行える。
【0030】
以下、図2を参照して、第1端子121及び第2端子122の例について具体的に説明する。
【0031】
例えば、第1端子121は、第1内部電極121a及び第1外部電極121bを含む。同様に、第2端子122は、第2内部電極122a及び第2外部電極122bを含むことができる。
【0032】
第1内部電極121a及び上記第2内部電極122aは、ベース基材110の両端部に配置されることができる。また、第1外部電極121b及び第2外部電極122bは、上記第1内部電極121a及び上記第2内部電極122a上にそれぞれ配置されることができる。すなわち、第1外部電極121bは、上記第1内部電極121aの表面の少なくとも一部の領域を覆い、上記第2外部電極122bは、上記第2内部電極122aの表面の少なくとも一部の領域を覆う。
【0033】
例えば、上記第1内部電極121aは、第1シード電極121a1及び第1裏面電極121a2を含む。同様に、上記第2内部電極122aは、第2シード電極122a1及び第2裏面電極122a2を含む。
【0034】
第1シード電極121a1及び第2シード電極122a1は、図2においてベース基材110の下面である第1面に配置され、第1裏面電極121a2及び第2裏面電極122a2は、ベース基材110の第1面と向き合う第2面に配置される。このとき、上記第1シード電極121a1は上記第1裏面電極121a2と対向してもよく、上記第2シード電極122a1は上記第2裏面電極122a2と対向してもよい。
【0035】
図2に示したように、第1裏面電極121a2は第1抵抗層130と連結されてもよく、第2裏面電極122a2は第2抵抗層140と連結されてもよい。
【0036】
また、第1内部電極121aは第1側面電極121a3をさらに含んでもよく、第2内部電極122aは第2側面電極122a3をさらに含んでもよい。第1側面電極121a3及び第2側面電極122a3は、ベース基材110と、第1抵抗層130と、第2抵抗層140と、第1及び第2シード電極121a1、122a1と、第1及び第2裏面電極121a2、122a2とが積層して形成された積層体の両端面に配置されてもよい。
【0037】
すなわち、上記第1側面電極121a3は、第1シード電極121a1及び第1裏面電極121a2と連結されるように配置されてもよく、第2側面電極122a3は、第2シード電極122a1と第2裏面電極122a2と連結されるように配置されてもよい。上記第1内部電極121aが第1側面電極121a3を含み、第2内部電極122aが第2側面電極122a3を含む場合は、上記第1及び第2側面電極121a3、122a3上のそれぞれにも、第1及び第2外部電極121b、122bが形成されることができる。
【0038】
図3は本発明の一実施形態の抵抗素子を示した斜視図であり、図4図3のII−II'に沿って切断して見た断面図である。
【0039】
図3及び図4に示された抵抗素子200は、第1抵抗層130'がベース基材110の下面である第1面に配置され、導電性ビアHを含むこと以外は、図1及び図2に示された抵抗素子100と類似していると理解することができる。また、本実施形態の構成要素は、特に反対の説明がない限り、図1及び図2に示された抵抗素子100における同一又は類似の構成要素に対する説明を参照して理解され得るため、重複する説明は省略する。
【0040】
図3及び図4を参照すると、抵抗素子200の第1抵抗層130'は、ベース基材110の第1面に配置され、第2抵抗層140は、上記第1面に対向するベース基材110の第2面に配置される。また、第1抵抗層130'は第1面において第1端子121と連結されてもよく、第2抵抗層140は第2面において第2端子122と連結されてもよい。図4に示したように、第1端子121が含む第1シード電極121a1'は、第1抵抗層130'と連結されてもよい。また、第1抵抗層130'と第2抵抗層140とは、ベース基材を貫通する導電性ビアHを介して連結されてもよい。
【0041】
一方、第1抵抗層130'上の表面には第1保護層160が配置されてもよく、及び第2抵抗層140上の表面には第2保護層150が配置されてもよい。
【0042】
図3及び図4に示された抵抗素子100'には、ベース基材110を貫通する貫通孔形態の導電性ビアHが例示されているが、導電性ビアHの代わりに、ベース基材110の側面に提供される溝が含まれてもよい。このような実施形態については図5に例示されている。
【0043】
図5は本発明の一実施形態の抵抗素子を示した斜視図である。図5に示された抵抗素子200'は、導電性ビアH(図3)の代わりに、側面に提供される溝Gが形成されたこと以外は、図3及び図4に示された抵抗素子200と類似していると理解することができる。また、本実施形態の構成要素は、特に反対の説明がない限り、図1及び図2に示された抵抗素子100と図3及び図4に示された抵抗素子200における同一又は類似の構成要素に対する説明を参照して理解され得るため、重複する説明は省略する。
【0044】
図5を参照すると、抵抗素子200'の第1抵抗層130'はベース基材110の第1面に配置され、第2抵抗層140は上記第1面に対向するベース基材110の第2面に配置される。
【0045】
図3に示された抵抗素子200と比較して、抵抗素子200'は導電性ビアHの代わりに、ベース基材110の側面に提供される溝Gを含み、第1抵抗層130'と第2抵抗層140とは、上記溝Gを介して連結されることができる。上記溝Gが形成された側面は、第1端子121及び第2端子122の配列方向と垂直な方向に位置する。これに限定されるものではないが、本実施形態に採用された溝Gは、水平方向から見た断面における形状が半円状であってもよい。
【0046】
図6は、本発明の一実施形態の抵抗素子を示した斜視図である。図6に示された抵抗素子200"は、第1端子121と第1抵抗層130"を連結する導電性ビアH1をさらに含むこと以外は、図3及び図4に示された抵抗素子200と類似していると理解することができる。また、本実施形態の構成要素は、特に反対の説明がない限り、図1及び図2に示された抵抗素子100と図3及び図4に示された抵抗素子200における同一又は類似の構成要素に対する説明を参照して理解され得るため、重複する説明は省略する。
【0047】
図6を参照すると、抵抗素子200"の第1抵抗層130"はベース基材110の第1面に配置され、第2抵抗層140は上記第1面に対向するベース基材110の第2面に配置される。図3に示された抵抗素子200と比較して、第1抵抗層130"は、第1面において第1端子121と分離して配置される。抵抗素子200"は、ベース基材110を貫通する第1導電性ビアH1をさらに含み、第1抵抗層130"は第1導電性ビアH1を介して第1端子121と連結される。
【0048】
また、図3に示された抵抗素子200と同様に、第1抵抗層130"と第2抵抗層140とは、ベース基材を貫通する第2導電性ビアH2を介して連結されることができる。
【0049】
図3から図6を参照して説明したように、第1抵抗層130'及び第2抵抗層140が互いに異なる面に配置されることで、第1抵抗層130'及び第2抵抗層140は、別の工程により形成されることができ、電流及び電圧が印加される場合に発生し得る第1抵抗層130'及び第2抵抗層140間の干渉が最小限に抑えられるようになる。さらには、トリミング工程を行うことで、第2抵抗層140に形成された溝Tを形成する場合に発生し得る第1抵抗層130'による干渉が最小限に抑えられるようになる。
【0050】
図7は本発明の一実施形態に係る抵抗素子の製造方法を示すフロー図である。
【0051】
本発明の一実施形態に係る抵抗素子の製造方法は、ベース基材を設ける段階(S1)と、上記ベース基材の両端部に第1内部電極及び第2内部電極を形成する段階(S2)と、上記第1内部電極と連結され、厚膜抵抗体からなる第1抵抗層を形成する段階(S3)と、上記第1抵抗層及び上記第2内部電極と連結され、薄膜抵抗体からなる第2抵抗層を形成する段階(S4)と、上記第1内部電極及び上記第2内部電極上のそれぞれに、第1外部電極及び第2外部電極を形成する段階(S5)と、を含む。ここで、それぞれの段階(S2〜S4)の順番は、一実施形態として提供されるものであって、その順番は互いに変更可能である。並びに、上記第1内部電極と上記第2内部電極との間の抵抗を測定し、上記第2抵抗層をトリミング(trimming)する段階をさらに含んでもよい。
【0052】
以下、本発明の一実施形態に係る製造方法について、図1図2及び図7を参照して説明する。また、上述した本発明の実施形態に係る抵抗素子の特徴と同一の内容は省略する。
【0053】
先ず、抵抗層及び電極を配置するためのベース基材110が設けられる(S1)。ベース基材110は、複数の抵抗素子を形成し得る大きさで設けられることができ、第1外部電極及び第2外部電極を形成する段階(S5)以前に切断されて、個別抵抗素子の形態で形成されることができる。
【0054】
次に、第1内部電極121a及び第2内部電極122aが形成される(S2)。第1内部電極121a及び第2内部電極122aは、導電性ペーストを用いた印刷工程(印刷後焼成)又は蒸着工程を用いて形成されることができる。第1内部電極121a及び第2内部電極122aは、第1外部電極121b及び第2外部電極122bのためのめっき工程に、シード(seed)として働くことができる。例えば、上記内部電極は、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0055】
その後、厚膜抵抗体からなる第1抵抗層130が形成される(S3)。例えば、上記厚膜抵抗体はRu酸化物を含有するペーストの形態で印刷された後、焼成工程によって上記ベース基材に接合されることができる。
【0056】
次いで、薄膜抵抗体からなる第2抵抗層140が形成される(S4)。例えば、薄膜抵抗体は、ニッケルクロム(NiCr)合金、チタニウムナイトライド(TiN)合金、及びタンタルナイトライド(TaN)合金のうち少なくとも1つが含有されることができ、蒸着(sputtering)工程によって上記ベース基材に接合されることができる。
【0057】
ここで、第1抵抗層130及び第2抵抗層140は、上記ベース基材の一面に形成されてもよい。また、第1抵抗層130と第2抵抗層140は、互いに接合するように形成されて連結されてもよく、第1抵抗層130と第2抵抗層140との間に配置される連結電極を介して連結されてもよい。
【0058】
次に、上記第1内部電極121a及び上記第2内部電極122a上のそれぞれに、第1外部電極121b及び第2外部電極122bが形成されることができる(S5)。第1外部電極121b及び第2外部電極122bは、上記第1内部電極121a及び第2内部電極122a上にめっき工程により形成されることができる。また、第1外部電極121b及び第2外部電極122bは、保護層150の形成後に形成されてもよい。
【0059】
例えば、第1外部電極121b及び上記第2外部電極122bは、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、銅(Cu)、クロム(Cr)のうち少なくとも1つを含むことができる。例えば第1外部電極121b及び第2外部電極122bは、ニッケル(Ni)めっき層とスズ(Sn)めっき層の二重層を含んでもよく、銅(Cu)めっき層をさらに有してもよい。ニッケル(Ni)めっき層は、素子実装時に内部電極の成分(例えば、Ag)が半田成分に浸出(leaching)することを防止することができ、スズ(Sn)めっき層は、素子実装時に半田成分との接合が容易になるように提供されることができる。銅(Cu)めっき層は、上記内部電極の導電性を改善させることができる。
【0060】
一方、上記第1外部電極及び第2外部電極を形成する段階(S5)以前に第1内部電極と第2内部電極との間に配置される第1抵抗層130及び第2抵抗層140の抵抗値を測定し、これを調節するトリミング工程が行われてもよい。上記トリミング工程においては、第1抵抗層130及び第2抵抗層140に溝Tが形成されてもよい。
【0061】
図8は本発明の一実施形態に係る抵抗素子アセンブリーを示した斜視図であり、図9図8のIII−III'に沿って切断して見た断面図である。
【0062】
図8及び図9を参照すると、抵抗素子アセンブリーは、図1及び図2に示された抵抗素子が実装された回路基板11を含む。しかしながら、これに限定されず、図3から図6に示した抵抗素子が適用されてもよい。
【0063】
上記回路基板11は、抵抗素子の実装領域に第1及び第2電極パッド12、13を含む。上記第1及び第2電極パッド12、13とは、上記回路基板11に実現された回路パターンに連結され、素子実装のために提供されるランドパターンのことをいう。
【0064】
上記抵抗素子は、ベース基材110の両端部に配置された第1端子121及び第2端子122と、上記第1端子121と連結され、厚膜抵抗体で形成された第1抵抗層130と、上記第1抵抗層130及び第2端子122と連結され、薄膜抵抗体で形成された第2抵抗層140と、を含む。また、抵抗素子は、保護層150をさらに含んでもよい。
【0065】
上述したように、抵抗素子は、第2抵抗層140が低い比抵抗及び低い抵抗温度係数(TCR)を有するため、温度に対して頑健性を有し、さらに精密な抵抗値を有することができる。また、第1抵抗層130をさらに含むため、第2抵抗層140だけでは実現できない多様な範囲の抵抗値(例えば、100Kohm以上)を有するように製造されることができる。
【0066】
回路基板11は、電子回路が形成される部分であり、電子機器の特定の作動や制御を行うための集積回路(IC)などが形成されて、別の電源から供給される電流が流れることができる。
【0067】
この場合、回路基板11は、多様な配線ラインを含むか、又は、トランジスタなどの他種の半導体素子をさらに含むことができる。また、回路基板11は、導電層を含むか、又は、誘電層を含むなど、必要に応じて多様に構成されることができる。
【0068】
第1及び第2電極パッド12、13は、回路基板11上に互いに離隔するように配置されるものであり、半田15により抵抗素子100'の第1及び第2端子121、122とそれぞれ連結されてもよい。
【0069】
図8及び図9には、第1電極パッド12が第1端子121と連結され、第2電極パッド13が第2端子122と連結されるように示されているが、設計に応じて、第1電極パッド12が第2端子122と連結されてもよく、第2電極パッド13が第1端子121と連結されてもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
(項目1)
ベース基材の両端部に配置された第1端子及び第2端子と、
前記第1端子と連結され、厚膜抵抗体である第1抵抗層と、
前記第1抵抗層及び前記第2端子と連結され、薄膜抵抗体である第2抵抗層と、を含む抵抗素子。
(項目2)
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層は、前記ベース基材の一面において互いに接合するように形成される、項目1に記載の抵抗素子。
(項目3)
前記第1抵抗層は、前記ベース基材の第1面に配置され、前記第2抵抗層は前記第1面に対向する前記ベース基材の第2面に配置される、項目1に記載の抵抗素子。
(項目4)
前記第1抵抗層と前記第2抵抗層とは、前記ベース基材を貫通する導電性ビアを介して連結される、項目3に記載の抵抗素子。
(項目5)
前記第1端子及び前記第2端子のうち少なくとも1つは、前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層のうち少なくとも1つと導電性ビアを介して連結される項目1から4のいずれか一項に記載の抵抗素子。
(項目6)
前記厚膜抵抗体はRu酸化物を含有し、前記薄膜抵抗体はNiCr合金、TiN合金、及びTaN合金のうち少なくとも1つを含有する、項目1から5のいずれか一項に記載の抵抗素子。
(項目7)
前記第2抵抗層に対するトリミング(trimming)工程により抵抗値が決定される、項目1から6のいずれか一項に記載の抵抗素子。
(項目8)
前記第1抵抗層は印刷後に焼成工程により形成され、前記第2抵抗層は蒸着工程により形成される、項目1から7のいずれか一項に記載の抵抗素子。
(項目9)
ベース基材を設ける段階と、
前記ベース基材の両端部に第1内部電極及び第2内部電極を形成する段階と、
前記第1内部電極と連結され、厚膜抵抗体からなる第1抵抗層を形成する段階と、
前記第1抵抗層及び前記第2内部電極と連結され、薄膜抵抗体からなる第2抵抗層を形成する段階と、
前記第1内部電極及び前記第2内部電極上のそれぞれに、第1外部電極及び第2外部電極を形成する段階と、を含む抵抗素子の製造方法。
(項目10)
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層は前記ベース基材の一面において互いに接合するように形成される、項目9に記載の抵抗素子の製造方法。
(項目11)
前記第1抵抗層は前記ベース基材の第1面に形成され、前記第2抵抗層は前記第1面に対向する前記ベース基材の第2面に形成され、
前記ベース基材を貫通して前記第1抵抗層と前記第2抵抗層とを連結する導電性ビアを形成する段階と、をさらに含む、項目9に記載の抵抗素子の製造方法。
(項目12)
前記厚膜抵抗体はRu酸化物を含有し、前記薄膜抵抗体はNiCr合金、TiN合金、及びTaN合金のうち少なくとも1つを含有する、項目9から11のいずれか一項に記載の抵抗素子の製造方法。
(項目13)
前記第1内部電極と前記第2内部電極との間の抵抗値を測定し、測定された抵抗値が目標の抵抗値に達するように、前記第2抵抗層をトリミング(trimming)する段階をさらに含む、項目9から12のいずれか一項に記載の抵抗素子の製造方法。
(項目14)
前記第1抵抗層は印刷後に焼成工程により形成され、前記第2抵抗層は蒸着工程により形成される、項目9から13のいずれか一項に記載の抵抗素子の製造方法。
(項目15)
上部に第1及び第2電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板に配置される抵抗素子とを含み、
前記抵抗素子は、ベース基材の両端部に配置された第1端子及び第2端子、前記第1端子と連結され、厚膜抵抗体で形成された第1抵抗層、及び前記第1抵抗層及び前記第2端子と連結され、薄膜抵抗体で形成された第2抵抗層を含む抵抗素子アセンブリー。
(項目16)
ベース基材と、
前記ベース基材の上面の第1領域に配置される薄膜抵抗体と、
前記薄膜抵抗体と連結され、前記ベース基材の上面の第2領域に配置される厚膜抵抗体と、
少なくとも前記ベース基材の上面に連結される前記ベース基材の第1側面に配置され、前記薄膜抵抗体と連結される第1端子と、
少なくとも前記第1側面に対向し前記ベース基材の上面に連結される前記ベース基材の第2側面に配置され、前記厚膜抵抗体と連結される第2端子と、を含む抵抗素子。
(項目17)
少なくとも前記薄膜抵抗体を覆う第1保護層と、
前記第1保護層を覆う第2保護層と、
前記第1保護層及び前記薄膜抵抗体に形成された溝と、を含む、項目16に記載の抵抗素子。
(項目18)
前記第1保護層はガラスを含み、前記第2保護層はポリマーを含む、項目17に記載の抵抗素子。
(項目19)
前記第1端子は、
前記ベース基材の前記第1側面、前記ベース基材と前記薄膜抵抗体との間、及び前記ベース基材の上面に配置される第1内部電極と、
前記ベース基材の前記第1側面において前記第1内部電極の表面の一部の領域と前記ベース基材の前記上面において前記第1内部電極の表面の一部の領域に配置される第1外部電極とを含み、
前記第2端子は、
前記ベース基材の前記第2側面、前記ベース基材と前記厚膜抵抗体との間、及び前記ベース基材の上面に配置される第2内部電極と、
前記ベース基材の前記第2側面において前記第2内部電極の表面の一部の領域と前記ベース基材の前記上面において前記第2内部電極の表面の一部の領域に配置される第1外部電極を含む、項目16から18のいずれか一項に記載の抵抗素子。
(項目20)
ベース基材と、
前記ベース基材の第1面に配置される薄膜抵抗体と、
前記ベース基材の第1面に対向する前記ベース基材の第2面に配置される厚膜抵抗体と、
それぞれ前記薄膜抵抗体と前記厚膜抵抗体に連結され、互いに対向していてそれぞれ前記第1面から前記第2面へと繋がり、前記ベース基材の第1側面及び第2側面に配置される第1端子及び第2端子と、を含み、
前記薄膜抵抗体は前記厚膜抵抗体と電気的に連結される抵抗素子。
(項目21)
前記薄膜抵抗体は、前記ベース基材内の第1導電性ビアにより前記厚膜抵抗体と電気的に連結される、項目20に記載の抵抗素子。
(項目22)
前記薄膜抵抗体は、前記第1側面から前記第2側面へと繋がり、前記第1面から前記第2面へと繋がる前記ベース基材の第3側面に形成された溝内に配置され、前記ベース基材の前記第2面において前記厚膜抵抗体と連結され、前記ベース基材の前記第1面において前記薄膜抵抗体と連結される電極により前記厚膜抵抗体と電気的に連結される、項目20に記載の抵抗素子。
(項目23)
前記ベース基材の前記第1面において前記第2端子の一領域として、前記厚膜抵抗体を電気的に連結する前記ベース基材内の第2導電性ビアをさらに含み、
前記厚膜抵抗体は前記ベース基材の前記第2面において前記第2端子と連結されない、項目20から22のいずれか一項に記載の抵抗素子。
【符号の説明】
【0071】
100、200、200'、200" 抵抗素子
110 ベース基材
121 第1端子
122 第2端子
130、130'、130" 第1抵抗層
140 第2抵抗層
150、160 保護層
T 溝
11 回路基板
12、13 第1及び第2電極パッド
15 半田
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9