【実施例】
【0027】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0028】
実施例1〜10および比較例1〜6:油性マスカラ
下記表1に示す処方の油性マスカラを調製し、ボリューム効果、べたつきのなさ、なめらかな使用感を、下記の方法により評価した。また落としやすさを下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
*1:IPソルベント 1620MU(出光興産社製)
*2:レオパール TL(千葉製粉社製)
*3:精製ヒマワリワックス(横関油脂工業社製)
*4:BENTONE 27V(ELEMENTIS社製)
*5:エヌジェコール240A(新日本理化社製)
*6:KF7312J(信越化学工業社製)(固形分50%、溶媒:シクロペンタシロキサン)
*7:KP541(固形分60%、溶媒:イソプロパノール、信越化学工業社製)
*8:トスパール2000B*(平均粒子径6μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
*9:KSP−300(平均粒子径5μm、信越化学工業社製)
*10:サイリシア550(富士シリシア化学社製)
【0031】
(製造方法)
A.成分(1)〜(7)を100℃に加熱し、均一に混合する。
B.Aに成分(8)〜(17)を加え、均一に分散する。
C.Bを容器に充填して製品とする。
【0032】
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
a.ボリューム効果
b.べたつきのなさ
c.なめらかな使用感
d.落としやすさ
評価項目a、b及びcについては、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超える5点以下:良好
△ :1点を超える3.5点以下:やや不良
× :1点以下 :不良
【0033】
評価項目dについては、下記に示す処方のクレンジング約2gをコットンにとり、使用部位に約30秒間なじませた後、通常マスカラを落とす動作で化粧膜をふきとった時の落としやすさを、下記判定基準により判定した。
(評価用クレンジング処方)
(成分) (%)
(1)ミネラルオイル 残量
(2)エチルヘキサン酸セチル 20
(3)トリエチルヘキサノイン 20
(4)テトラオレイン酸ソルベス―30 8
(5)フェノキシエタノール 0.5
(製造方法)
A.成分(1)〜(5)を混合する。
B.Aを容器に充填しクレンジングを得た。
【0034】
<判定基準(落としやすさ)>
(判定):(評価基準)
◎ :完全に落ちている
○ :ほぼ落ちている
△ :半分程度落ちていない
× :全く落ちていない
【0035】
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜10の油性マスカラは、比較例1〜6の油性マスカラに比べ、ボリューム効果、べたつきのなさ、なめらかな使用感、落としやすさの全てにおいて優れたものであった。
これに対して、成分(A)の代わりに他のワックス用いた比較例1〜3では、デシルテトラデカノールをワックス構造中に保持することができないため、塗布時に油っぽくずるついてしまい、ボリューム効果およびなめらかな使用感の点で満足のいくものが得られなかった。成分(B)が含有されていない比較例4では、樹脂のべたつきを感じやすく、化粧膜が硬くなりすぎるために落としにくいものであった。成分(B)の代わりに低粘性の極性油を用いた比較例5では、成分(A)のワックス構造中に保持されないため、塗布時に油っぽくずるついてしまい、ボリューム効果およびなめらかな使用感が十分でなかった。成分(C)が含有されていない比較例6では、睫に対する付着性が十分でなく、ボリューム効果の点で満足いくものが得られなかった。
【0036】
実施例11〜19および比較例7〜12:水中油型マスカラ
下記表2に示す処方の水中油型マスカラを調製し、ボリューム効果、べたつきのなさ、なめらかな使用感、落としやすさを、実施例1〜10及び比較例1〜6の評価方法を用いて評価した。その結果も併せて表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
*11:ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)
*12:トスパール150KA(平均粒子径5μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
*13:ACULYN 33A(固形分28%)(ローム&ハース社製)
*14:サイロスフェアC−1504(富士シリシア化学社製)
*15:YODOSOL 810F(固形分46%)(アクゾノーベル社製)
*16:ビニゾール1086WP(固形分40%)(大同化成工業社製)
*17:ビニゾール2140L(固形分43%)(大同化成工業社製)
【0039】
(製造方法)
A.成分(1)〜(14)を100℃に加熱し、均一に混合する。
B.成分(15)〜(22)を均一に混合し80℃に加熱する。
C.AにBを加え乳化する。
D.Cを室温まで冷却し、塗布具付き容器に充填し製品とする。
【0040】
表2の結果から明らかな如く、本発明の実施例11〜19の水中油型マスカラは、比較例7〜12の水中油型マスカラに比べ、ボリューム効果、べたつきのなさ、なめらかな使用感、落としやすさの全てにおいて優れたものであった。
これに対して、成分(A)の代わりに他のワックスを用いた比較例7〜9では、デシルテトラデカノールをワックス構造中に保持することができないため、塗布時に油っぽくずるついてしまい、ボリューム効果およびなめらかな使用感の点で満足のいくものが得られなかった。成分(B)が含有されていない比較例10では、樹脂のべたつきを感じやすく、化粧膜が硬くなりすぎるために落としにくいものであった。成分(B)の代わりに低粘性の極性油を用いた比較例11では、成分(A)のワックス構造中に保持されないため、塗布時に油っぽくずるついてしまい、ボリューム効果およびなめらかな使用感が十分でなかった。成分(C)が含有されていない比較例12では、マスカラ液の睫に対する付着性が十分でなく、ボリューム効果の点で満足いくものが得られなかった。
【0041】
実施例20:油中水型マスカラ(クリーム状)
(成分) (%)
(1)軽質流動イソパラフィン *1 残量
(2)イソステアリン酸デキストリン *11 4
(3)パルミチン酸デキストリン *2 5
(4)ヒマワリワックス *3 3
(5)ポリエチレンワックス *18 3
(6)ミツロウ(融点65℃) 5
(7)トリメチルシロキシケイ酸溶液 *19 15
(8)トリメチルシルセスキオキサン *20 5
(9)ジメチコノール(10万mPa・s) *21 3
(10)デシルテトラデカノール *5 0.5
(11)有機変性ベントナイト *22 4
(12)無水ケイ酸 *23 2
(13)黒酸化鉄 5
(14)N−ラウロイル−L−リジン *24 1
(15)シリコーン粉末 *8 3
(16)精製水 5
(17)アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン *25 5
*18:合成ワックスP−200(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*19:KF−9021(固形分50%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)
*20:SILFORM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
*21:X−21−5849(信越化学工業社製)
*22:ルーセンタイトSAN−P(コープケミカル社製)
*23:AEROSIL 200(日本アエロジル社製)
*24:アミホープLL(味の素社製)
*25:ヨドゾールGH256F(固形分29%)(アクゾノーベル社製)
【0042】
(製造方法)
A.成分(1)〜(15)を100℃に加熱し、均一に混合する。
B.B.成分(16)〜(17)を均一に混合する。
C.AにBを加え乳化する。
D.Cを容器に充填して製品とする。
【0043】
本発明の油中水型マスカラ(クリーム状)は、ボリューム効果に優れ、べたつきがなく、なめらかな使用感で、さらには落としやすいものであった。
【0044】
実施例21:油性マスカラ(繊維入りタイプ)
(成分) (%)
(1)シクロペンタシロキサン 残量
(2)水添アビエチン酸グリセリル *26 3
(3)(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー溶液 *27 15
(4)ショ糖脂肪酸エステル *28 3
(5)ヒマワリワックス *3 4
(6)ライスワックス(融点80℃) 3
(7)パラフィンワックス(融点58℃) 5
(8)ステアリルジメチコン(融点40℃) 2
(9)N−ビニルピロリドントリアコンタンコポリマー *29 2
(10)デシルテトラデカノール *5 3
(11)レシチン 1
(12)シリル化処理無水ケイ酸 *30 1
(13)カーボンブラック 1
(14)ポリエチレンテレフタレート粉末 *31 3
(15)シリコーン粉末 *32 0.5
(16)ポリプロピレン繊維(5T,2mm) 0.5
(17)ナイロン12繊維(5T、1mm) 1
(18)ナイロン66繊維(17T、2mm) 1
(19)フェノキシエタノール 1
*26:パインクリスタルKE−311(荒川化学工業社製)
*27:KP545(固形分30%、溶媒:シクロペンタシロキサン)(信越化学工業社製)
*28:シュガーワックスS−10E(第一工業製薬社製)
*29:ANTARON WP660(ISP社製)
*30:AEROSIL R−972(日本アエロジル社製)
*31:スノーリーフP(オーケン社製)
*32:KSP−100(平均粒子径5μm、信越化学工業社製)
【0045】
(製造方法)
A.成分(1)〜(11)を100℃まで加熱し、均一に混合する。
B.Aに成分(12)〜(19)を加え、均一に分散する。
C.Bを容器に充填して製品とする。
【0046】
本発明の油性マスカラ(繊維入りタイプ)は、ボリューム効果に優れ、べたつきがなく、なめらかな使用感で、さらには落としやすいものであった。
【0047】
実施例22:水中油型マスカラ下地(クリーム状)
(成分) (%)
(1)シクロペンタシロキサン 3
(2)ステアリン酸 1
(3)パルミチン酸 1
(4)デシルテトラデカノール *5 0.1
(5)ヒマワリワックス *3 3
(6)マイクロクリスタリンワックス *33 3
(7)コレステロール 2
(8)ライスステロール 2
(9)トリメチルシロキシケイ酸 *34 0.5
(10)精製水 残量
(11)カルボキシメチルセルロース 1
(12)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン *17 10
(13)トリエタノールアミン 1.2
(14)酸化チタン被覆ガラス末 1
(15)ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末 0.5
(16)トレハロース 0.5
(17)ポリビニルアルコール 1
(18)シリコーン粉体 *12 3
*33:MULTIWAXW−835MYCROCRYSTALLINEWAX(SONNEBORN社製)
*34:SR−1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
【0048】
(製造方法)
A.成分(1)〜(9)を100℃まで加熱し、均一に混合する。
B.成分(10)〜(18)を均一に混合し80℃に加熱する。
C.AにBを加え乳化する。
D.Cを室温まで冷却し、塗布具付き容器に充填し製品とする。
【0049】
本発明の水中油型マスカラ下地(クリーム状)は、ボリューム効果に優れ、べたつきがなく、なめらかな使用感で、さらには落としやすいものであった。