特許第6504785号(P6504785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6504785
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】表示体連結具
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/06 20060101AFI20190415BHJP
   G09F 7/18 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
   A47G1/06 K
   G09F7/18 T
   G09F7/18 M
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-222306(P2014-222306)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-86949(P2016-86949A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年10月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100098682
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 賢次
(74)【代理人】
【識別番号】100071663
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 保夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131255
【弁理士】
【氏名又は名称】阪田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100125324
【弁理士】
【氏名又は名称】渋谷 健
(72)【発明者】
【氏名】坂井 直人
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−252212(JP,A)
【文献】 実開昭54−076962(JP,U)
【文献】 特開平10−149125(JP,A)
【文献】 実開昭59−092212(JP,U)
【文献】 実開平03−112108(JP,U)
【文献】 実開昭61−021367(JP,U)
【文献】 実開平05−095362(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 1/06
G09F 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の第1部材と樹脂製の第2部材からなり、
該第1部材は四角形断面且つ長手方向に延びる板状の第1基部の上端から外側に直角に延びる第1上部鍔部と、第1基部の上下方向の中間から外側に直角に延びる第1中間鍔部と、第1基部の下端から外側に直角に延びる第1下部鍔部と、該第1上部鍔部と該第1中間鍔部間の第1上部係止溝と、該第1中間鍔部と該第1下部鍔部間の第1下部係止溝を有し、
該第2部材は四角形断面且つ長手方向に延びる板状の第2基部の上端から外側に直角に延びる第2上部鍔部と、第2基部の上下方向の中間から外側に直角に延びる第2中間鍔部と、第2基部の下端から外側に直角に延びる第2下部鍔部と、該第2上部鍔部と該第2中間鍔部間の第2上部係止溝と、該第2中間鍔部と該第2下部鍔部間の第2下部係止溝を有し、
該第1基部と該第2基部の内側の面同士が当接した状態において
該第1上部鍔部、該第2上部鍔部、該第1上部係止溝、該第2上部係止溝、第1中間鍔部及び該第2中間鍔部で形成される上部係止部と、
該第1下部鍔部、該第2下部鍔部、該第1下部係止溝、該第2下部係止溝、第1中間鍔部及び該第2中間鍔部で形成される下部係止部とで係止構造体を形成し、
該第1部材を表示体に係止させた後、第2部材を表示体に係止させ、その後、第1部材と第2部材とを当接させ、該第1部材と該第2部材を当接させた状態で、支持体に係止させ、該上部係止部は表示体に連結し、該下部係止部は支持体に係止するものであることを特徴とする表示体連結具。
【請求項2】
該第1基部と該第2基部の内側の面には、互いに長手方向にスライドして係止するそれぞれ第1係止部と第2係止部を有し、該第1係止部と該第2係止部を係止させ、該第1基部と該第2基部の内側の面同士を当接させて、表示体に組み付けることを特徴とする請求項1記載の表示体連結具。
【請求項3】
前記第1上部係止溝、前記第1下部係止溝、前記第2上部係止溝及び前記第2下部係止溝は、それぞれ四角断面溝であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示体連結具。
【請求項4】
前記第1係止部と前記第2係止部は、一方が前記第1基部又は前記第2基部の内側の面から内方に切り込まれ且つスライド方向に延びる係合溝であり、他方が該係合溝に係止する前記第1基部又は前記第2基部の内側の面より突出し且つスライド方向に延びる突出片であることを特徴とする請求項2又は3に記載の表示体連結具。
【請求項5】
該係合溝は、長手方向の両端の中、少なくとも一端まで延びていることを特徴とする請求項4に記載の表示体連結具。
【請求項6】
逆T字断面形状の支持体係止溝を有する支持体と、逆T字断面形状の表示体係止溝を有する表示体を連結するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示体連結具。
【請求項7】
第1下部鍔部及び第2下部鍔部を底板とし、前記底板の裏面に支持体との嵌合を強くするための微小突起を形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示体連結具。
【請求項8】
第1上部鍔部及び第2上部鍔部を天板とし、前記天板の上面に表示具との嵌合を強くするための微小突起を形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示体連結具。
【請求項9】
第1中間鍔部及び第2中間鍔部の上面に表示具との嵌合を強くするための微小突起を形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示体連結具。
【請求項10】
前記上部係止部と前記下部係止部の係止構造体を長手方向における一部に有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示体連結具。
【請求項11】
前記係止構造体に長手方向に連続する縦長部を有し、該縦長部における第1部材は、前記第1基部の高さより小の高さで該第1基部と段差を介して連続する第3基部と、該第3基部の下端から外側に直角に延びる第3下部鍔部を有し、該縦長部における第2部材は、前記第2基部の高さより小の高さで該第2基部と段差を介して連続する第4基部と、該第4基部の下端から外側に直角に延びる第2下部鍔部と同形状の第4下部鍔部を有することを特徴とする請求項10に記載の表示体連結具。
【請求項12】
前記縦長部に長手方向に連続する結合部を有し、該結合部における第1部材は、前記第3基部から連続して長手方向に延びる第1係止部を有し、該結合部における第2部材は、前記第4基部から連続して長手方向に延び且つ左右方向に拡幅の第5基部を有し、該第5基部の下端から両外側に直角に延びる左右鍔部を有し、該左右鍔部の一方の鍔部は、該第4下部鍔部と同形状で連続するものであることを特徴とする請求項11記載の表示体連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポール等の固定支持体と凹状溝付きポスターフレーム(表示体)の連結に好適な表示体連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13の符号50は、従来より使用されているポスターフレームであり、フレームの中にはポスター等の表示板が入る。このようなポスターフレームとしては、種々のものが提案されている(特開2005−52633号公報)。
【0003】
図13の従来のポスターフレーム50は、2つの横部材51bと2つの縦部材51aと4つのコーナー部材52とからなり、横部材51bと縦部材51aの外側面には、両端が閉じられた逆T字断面形状の凹状溝53が形成されている。この凹状溝53は、補強用の長尺状の金属板(不図示)を埋設するために形成されており、金属板は螺子孔54を利用して螺子の螺合により固定されていた。
【0004】
また、従来、ポール等の固定支持体に、ポスターフレーム50を固定する方法としては、固定側の横部材又は縦部材を内側から螺子により固定する方法が知られている。この方法によれば、ポール等の固定支持体に、ポスターフレーム50を確実に固定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−52633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のポール等の固定支持体にポスターフレーム50を固定する方法は、ポスターフレーム50の横部材又は縦部材を固定支持体に固定するため、ポスターフレーム50の内側から螺子やドライバーを入れ込み、更に、横部材又は縦部材の凹状溝53内を通して行うため、作業がやり難く、面倒であった。従って、ポール等の固定支持体にポスターフレーム50を固定する際、作業し易い方法が望まれていた。また、商品売り場の模様替えにも容易に対応できるように、ポールに対するポスターフレーム50の固定位置を容易に変更できることも切望されていた。
【0007】
すなわち、本発明の目的は、ポール等の固定支持体に表示体を固定する際、取付け作業が行い易い表示体連結具を提供することにある。また、本発明の他の目的は、支持体に対する表示体の固定位置を容易に変更できる表示体連結具を提供することにある。また、本発明の他の目的は、一方の連結側に形成された両端が閉じられた逆T字断面形状の凹状溝と、他方の連結側に形成された少なくとも1端が開放された係止溝を利用して支持体と表示体を連結する表示体連結具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、従来のポスターフレームは、逆T字断面形状の凹状溝に補強用の長尺状の金属板を埋設せずとも十分な強度があること、更にこの凹状溝は係止溝として使用できること、幅の狭い係止溝内に連結具を挿入するには、樹脂製中尺体を縦に半割りした2つの部材を別々に挿入し、組み付け体においては、上部係止部と下部係止部の2段係止構造とすれば、両者をドライバーなどの道具を使用せずに連結できることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、樹脂製の第1部材と樹脂製の第2部材からなり、該第1部材は四角形断面且つ長手方向に延びる板状の第1基部の上端から外側に直角に延びる第1上部鍔部と、第1基部の上下方向の中間から外側に直角に延びる第1中間鍔部と、第1基部の下端から外側に直角に延びる第1下部鍔部と、該第1上部鍔部と該第1中間鍔部間の第1上部係止溝と、該第1中間鍔部と該第1下部鍔部間の第1下部係止溝を有し、該第2部材は四角形断面且つ長手方向に延びる板状の第2基部の上端から外側に直角に延びる第2上部鍔部と、第2基部の上下方向の中間から外側に直角に延びる第2中間鍔部と、第2基部の下端から外側に直角に延びる第2下部鍔部と、該第2上部鍔部と該第2中間鍔部間の第2上部係止溝と、該第2中間鍔部と該第2下部鍔部間の第2下部係止溝を有し、該第1基部と該第2基部の内側の面同士を当接又は係止させ、該第1上部鍔部、該第2上部鍔部、該第1上部係止溝、該第2上部係止溝、第1中間鍔部及び該第2中間鍔部で形成される上部係止部と、該第1下部鍔部、該第2下部鍔部、該第1下部係止溝、該第2下部係止溝、第1中間鍔部及び該第2中間鍔部で形成される下部係止部とからなる係止構造体を備えることを特徴とする表示体連結具を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、該第1基部と該第2基部の内側の面には、互いに長手方向にスライドして係止するそれぞれ第1係止部と第2係止部を有し、該第1係止部と該第2係止部を係止させ、該第1基部と該第2基部の内側の面同士を係止させて組み付けることを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、前記第1上部係止溝、前記第1下部係止溝、前記第2上部係止溝及び前記第2下部係止溝は、それぞれ四角断面溝であることを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、前記第1係止部と前記第2係止部は、一方が前記第1基部又は前記第2基部の内側の面から内方に切り込まれ且つスライド方向に延びる係合溝であり、他方が該係合溝に係止する前記第1基部又は前記第2基部の内側の面より突出し且つスライド方向に延びる突出片であることを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、該係合溝は、長手方向の両端の中、少なくとも一端まで延びていることを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、逆T字断面形状の支持体係止溝を有する支持体と、逆T字断面形状の表示体係止溝を有する表示体を連結するものであることを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、第1下部鍔部及び第2下部鍔部を底板とし、前記底板の裏面に微小突起を形成したことを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、第1上部鍔部及び第2上部鍔部を天板とし、前記天板の上面に微小突起を形成したことを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、第1中間鍔部及び第2中間鍔部の上面に微小突起を形成したことを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、前記上部係止部と前記下部係止部の係止構造体を長手方向における一部に有することを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、前記係止構造体に長手方向に連続する機能部を有し、該機能部における第1部材は、前記第1基部の高さより小の高さで該第1基部と段差を介して連続する第3基部と、該第3基部の下端から外側に直角に延びる第3下部鍔部を有し、該機能部における第2部材は、前記第2基部の高さより小の高さで該第2基部と段差を介して連続する第4基部と、該第4基部の下端から外側に直角に延びる第2下部鍔部と同形状の第4下部鍔部を有することを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、前記機能部に長手方向に連続する結合部を有し、該結合部における第1部材は、前記第3基部から連続して長手方向に延びる第1係止部を有し、該結合部における第2部材は、前記第4基部から連続して長手方向に延び且つ左右方向に拡幅の第5基部を有し、該第5基部の下端から両外側に直角に延びる左右鍔部を有し、該左右鍔部の一方の鍔部は、該第4下部鍔部と同形状で連続するものであることを特徴とする前記表示体連結具を提供するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、縦に略半割りの2つ部材の中、先に第1部材を両端が閉じられた逆T字断面形状の凹状溝内に入れ、次いで、第2部材を凹状溝内の第1部材の下方側に入れ、両者又はいずれか1方を長手方向(縦方向)にスライドして、第1部材と第2部材を当接又は係止させれば、幅が狭い凹状溝内に、例えば上部係止部を嵌め込むことができる。次いで、自由端となった下部係止部を、他方の連結側に形成された少なくとも1端が開放された支持体係止溝にスライドさせて嵌め込めば、支持体と表示体を連結できる。このように、本発明の連結具は、固定支持体に表示体をドライバーや螺子を使用しないで容易に連結することができる。
【0022】
また、第1係止部と第2係止部を係止させれば、第1部材と第2部材を確実に係止できる。支持体と表示体の係止溝を構成する左右両鍔を四角断面溝に確実に嵌めこむことができる。また、第1部材と第2部材をスライド移動させるのみで得ることができる。また、組み立て体形状を、第1部材と第2部材を長手方向にスライド移動させるのみで得ることができる。また、支持体との強い嵌合が得られる。また、機能部の存在により、表示体の閉じた係止溝端に段差を当接した嵌め込みができ、且つ支持体側を縦長にできるため、支持体との嵌合が安定する。また、結合部の第1係止部に切り欠き部を形成し、第5基部に該切り欠き部に対応する螺子孔を形成すれば、第1部材と第2部材を螺子で固定でき、組み立て体を構成する2つの部材がずれることなく安定し、更に螺子の螺合を支持体まで進めれば、支持体に強く固定できる。また、螺子を緩めれば、ポールに対するポスターフレームの固定位置を容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態における表示体連結具の分解斜視図である。
図2】本発明の実施の形態における表示体連結具の他の分解斜視図である。
図3】(A)は本発明の実施の形態における表示体連結具の表側から見た斜視図であり、(B)は(A)の反対側面から見た斜視図である。
図4】(A)は本発明の実施の形態における表示体連結具の裏側から見た斜視図であり、(B)は(A)の反対側面から見た斜視図である。
図5図1の表示体連結具を下から見た図である。
図6図1の表示体連結具を上から見た図である。
図7図1の表示体連結具を使用した連結方法を説明する図である。
図8図7に続く工程である。
図9図8に続く工程である。
図10図9を反対側面から見た図である。
図11図9に続く工程である。
図12図11の連結部の一部を断面で示す図である。
図13図11に続く工程である。
図14図13に続く工程である。
図15図14の連結部の一部を断面で示す図である。
図16】本発明の他の実施の形態における表示体連結具の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態における表示体連結具(単に、「連結具」とも言う。)を図1図6を参照して説明する。本明細書中、特に断らない限り、図1に示すように、長手方向はL方向を、幅方向はW方向を、下方向はD方向を、上方向はU方向を言う。なお、下方向及び上方向は使用状態における方向を言うものではない。また、明細書中、「機能部」は、本発明の「縦長部」に相当する。表示体連結具10は、樹脂製の第1部材1と樹脂製の第2部材2の組み付け体である。樹脂製の第1部材1と樹脂製の第2部材2において、図1の符号Xは、それぞれ、長手方向長さが25mm〜100mm程度で、全体長さは中尺状であり、内側の面から外側端までの幅寸法W1、W2は、表示体の係合溝53の幅寸法W3より小のものである。これにより、第1部材1と第2部材2の組立体形状では、係合溝53の幅寸法W3に嵌らないものの、第1部材1又は第2部材の単独部材では、係合溝53に嵌ることになる。
【0025】
表示体連結具10において、第1部材1は図5に示すように、四角形断面且つ長手方向に延びる板状の第1基部11の上端から外側に直角に延びる第1上部鍔部12と、第1基部11の上下方向の中間から外側に直角に延びる第1中間鍔部13と、第1基部11の下端から外側に直角に延びる第1下部鍔部14と、第1上部鍔部12と第1中間鍔部13間の第1上部係止溝15と、第1中間鍔部13と第1下部鍔部14間の第1下部係止溝16を有する。
【0026】
第1部材1において、第1基部11は、本例では、上下方向の長さが幅方向長さに比較して大の縦長の矩形断面のものであり、内側の面117は第2部材2に対する当接面を形成する。当接面は内側の面117全体であってもよく、内側の面117の一部であってもよい。内側の面117の一部とは、第1基部11がくり抜き状のリブ構造の場合に表れるものである。従って、第1基部11の板状とは、内側の面117から内方(深さ方向)に一部がくり抜かれたものであってもよい。また、第1部材1は、第1基部11の内側の面117より第2部材2と当接する方向へ突出し且つ長手方向(スライド方向)に延びる突出片111を有する。突出片111は、第2部材2の係合溝216に係合するものであり、組み立て体形状を、第1部材1と第2部材2を長手方向にスライド移動させるのみで得ることができる。
【0027】
第1部材1において、第1上部鍔部12、第1中間鍔部13及び第1下部鍔部14は、いずれも矩形断面形状(板状形状)であり、このため、第1上部係止溝15及び第1下部係止溝16は、いずれも四角断面溝である。これにより、支持体60と表示体50の係止溝61、53を構成する左右両鍔部65、55を四角断面溝に確実に嵌めこむことができる。また、第1上部鍔部12、第1中間鍔部13及び第1下部鍔部14は、本例では図1の長手方向の符号Xの範囲に形成されている。
【0028】
第1部材1において、第1上部鍔部12は天板を構成するものであり、第1上部鍔部12の上面には高さが1mm程度の微小突起19が形成されている。これにより、表示体50との強い嵌合が得られる。また、第1中間鍔部13の上面には、高さが1mm程度の微小突起18が形成されている。これにより、表示体50との強い嵌合が得られる。また、第1下部鍔部14は底面を形成するものであり、その下面119には、高さが1mm程度の微小突起19aが形成されている。これにより、支持体60との強い嵌合が得られる。X域における第1上部鍔部12、第1中間鍔部13及び第1上部係止溝15は、上部係止部の一部を構成し、第1中間鍔部13、第1下部鍔部14及び第1下部係止溝16は、下部係止部の一部を構成し、上部係止部の一部及び下部係止部の一部で、本発明の係止構造体X1の一部を構成する。
【0029】
第1部材1の機能部Yは、係止構造体X1に長手方向に連続する。第1部材1は、第1基部11の高さより小の高さで第1基部11と段差112を介して連続する第3基部11aと、第3基部11aの下端から外側に直角に延びる第3下部鍔14aを有する。第1部材1の機能部Yは、第2部材2の機能部Yと協同で連結具10の機能部Yを構成する。表示体50の閉じた係止溝端に段差112を当接した嵌め込みができ、且つ支持体60側を縦長にできるため、支持体60との嵌合が安定する。
【0030】
更に、第1部材1において、機能部Yに長手方向に連続する結合部Zを有する。結合部Zにおける第1部材1は、第3基部11aから連続して長手方向に延びる第1係止部、本例では突出片111である。これにより、第2部材2の第5基部21bとの結合が安定する。また、本例では、結合部Zの突出片111に螺子用の切り欠き部118を有する。これにより、第1部材1と第2部材2との螺子固定が可能となる。
【0031】
表示体連結具10において、第2部材2は図5に示すように、四角形断面且つ長手方向に延びる板状の第2基部21の上端から外側に直角に延びる第2上部鍔部22と、第2基部21の上下方向の中間から外側に直角に延びる第2中間鍔部23と、第2基部21の下端から外側に直角に延びる第2下部鍔部24と、第2上部鍔部22と第2中間鍔部23間の第2上部係止溝25と、第2中間鍔部23と第2下部鍔部24間の第2下部係止溝26を有する。
【0032】
第2部材2において、第2基部21は、本例では、上下方向の長さが幅方向長さに比較して大の縦長の矩形断面のものであり、内側の面217は第1部材1に対する当接面を形成する。当接面は内側の面217全体であってもよく、内側の面217の一部であってもよい。内側の面217の一部とは、第2基部21がくり抜き状のリブ構造の場合に表れるものである。従って、第2基部21の板状とは、内側の面217から内方(深さ方向)に一部がくり抜かれたものであってもよい。また、第2部材2は、第2基部21の内側の面217より内側の面から内方に直角に切り込まれ且つ長手方向(スライド方向)に延びる係合溝216を有する。第2部材2の係合溝216は、第1部材1の突出片111に係合するものであり、組み立て体形状を、第1部材1と第2部材2を長手方向にスライド移動させるのみで得ることができる。
【0033】
第2部材2において、第2上部鍔部22、第2中間鍔部23及び第2下部鍔部24は、いずれも矩形断面形状(板状形状)であり、このため、第2上部係止溝25及び第2下部係止溝26は、いずれも四角断面溝である。これにより、支持体60と表示体50の係止溝61、53を構成する左右両鍔65、55を四角断面溝に確実に嵌めこむことができる。また、第2上部鍔部22、第2中間鍔部23及び第2下部鍔部24は、本例では図1の長手方向の符号Xの範囲に形成されている。
【0034】
第2部材2において、第2上部鍔部22は天板を構成するものであり、第2上部鍔部22の上面には高さが1mm程度の微小突起29が形成されている。これにより、表示体50との強い嵌合が得られる。また、第2中間鍔部23の上面には、高さが1mm程度の微小突起28が形成されている。これにより、表示体50との強い嵌合が得られる。また、第2下部鍔部24は底面を形成するものであり、その下面219には、高さが1mm程度の微小突起29aが形成されている。これにより、支持体60との強い嵌合が得られる。X域における第2上部鍔部22、第2中間鍔部23及び第2上部係止溝25は、上部係止部の他の一部を構成し、第2中間鍔部23、第2下部鍔部24及び第2下部係止溝26は、下部係止部の他の一部を構成し、上部係止部の他の一部及び下部係止部の他の一部で、本発明の係止構造体X1の一部を構成する。
【0035】
第2部材2の機能部Yは、係止構造体X1に長手方向に連続する。第2部材2は、第2基部21の高さより小の高さで第2基部21と段差212を介して連続する第4基部21aと、第4基部21aの下端から外側に直角に延びる第4下部鍔部24aを有する。第2部材2の機能部Yは、第1部材1の機能部Yと協同で連結具10の機能部Yを構成する。表示体50の閉じた係止溝端に段差212を当接した嵌め込みができ、且つ支持体60側を縦長にできるため、支持体60との嵌合が安定する。
【0036】
更に、第2部材2において、機能部Yの先端部に長手方向に連続する結合部Zを有する。結合部Zにおける第2部材2は、第4基部21aから連続して長手方向に延び且つ左右方向に拡幅の第5基部21bを有し、第5基部21bの下端から両外側に直角に延びる左右鍔部14b、24aを有し、左右鍔部14b、24aの一方の鍔部は、第2下部鍔部24又は第4下部鍔部と同形状で連続するものである。結合部Zにおける第5基部21bには、第1係止部、本例では突出片111に係合する係合溝216を有する。また、本例では、第5基部21bに上下方向に貫通する螺子孔を有する。これにより、第1部材1と第2部材2との螺子固定が可能となる。
【0037】
表示体連結具10の使用方法の一例を図7図12を参照して説明する。表示体連結具10は第1部材と第2部材が一体となっており、各部材の説明において、「第1」、「第2」は省略することがある。先ず、第2部材2を表示体50の表示体係止溝53に入れ込む(図7及び図8)。この際、第2部材2の上部係止部2Aが係止溝53に先に入るようにして入れ込む。表示体係止溝53は、両端が閉じられた逆T字断面形状の溝であり、開口幅W3を有する。第2部材2の幅方向(左右方向)長さW2は、表示体係止溝53の開口幅W3より小である。このため、第2部材2は表示体50の表示体係止溝53に容易に入れ込むことができる。なお、表示体連結具10の幅方向(左右方向)長さW1+W2の合計寸法は、表示体係止溝53の開口幅W3より大であり、組み付け体では挿入できない。
【0038】
次いで、第1部材1を第2部材2より下方の表示体係止溝53に入れ込む(図8)。この際、第1部材1の上部係止部1Aが係止溝53に先に入るようにする。第1部材1の幅方向(左右方向)長さW1は、表示体係止溝53の開口幅W3より小である。このため、第1部材1は表示体50の表示体係止溝53に容易に入れ込むことができる。次いで、表示体係止溝53内において、第1部材1を上方移動させる。この移動の際、第1部材1は、表示体係止溝53内において摩擦等はなく容易に移動できる。次いで、第1部材1の突出片111が第2部材2に当たる位置にくると、その位置には係合溝216が形成されており、第1部材1は、突出片111が第2部材2の係合溝216に入りながら上方移動し、第1部材1と第2部材2は係止する(図9及び図10)。この係止はやや強い係止であり、少し力を入れながらの係止となる。本例の場合、第2部材2は表示体係止溝53の端部に段差212が当接して係止しており、第2部材2に第1部材1を強く押し込むことができる。第1部材1と第2部材2が完全に係止すると、縦方向に延びる表示体係止溝53の上端に連結具10を固定することができる(図11)。この際、上部鍔部12、22の上面に形成された微小突起19、29により、連結具10と表示体50との連結が強いものとなる。
【0039】
次いで、同様の方法により、縦方向に延びる表示体係止溝53の下端に連結具10を連結する(図13)。次いで、支持体である支柱60の支持体係止溝61に連結具10の下部係止部1Bを係止する。支柱60の支持体係止溝61は上下端が開放されている開放溝である。このため、連結具10の結合部Z側又はその反対側からの挿入が可能となる。結合部Z側から係止構造体Xの端部まで、下部鍔部は同一形状で連続するため、Z及びY域の下部鍔部及び係止構造体Xの下部係止部1Bは、支持体係止溝61の逆T字断面形状の溝内に係止する。図13の下方の連結具10は、支柱60の支持体係止溝61内に完全に通され、次いで、図13の上方の連結具10が、支柱60の支持体係止溝61内に通される(図14)。次いで、螺子70を連結具10の螺子孔9に螺合させて固定する。これにより、表示体50と支柱(支持体)60の連結を完了する。表示体50は、フレームの外側に形成される凹状溝が、両端が閉止する部分溝であるにも拘らず、2つの縦分割された樹脂製の第1部材1と第2部材2により、支持体60に固定が可能となる。
【0040】
本発明の連結具は、上記実施の形態例に限定されず、種々の変形を採ることができる。実施の形態例の連結具10において、機能部Yと結合部Zは省略することができる。すなわち、図16の連結具10Aは、係止構造体Xのみからなるものであってもよい。この場合、段差がなく、また螺子止め固定もできないものの、本願発明の効果を奏することができる。図16の連結具10Aにおいて、突出片111は第2部材2に形成し、係合溝216を第1部材1に形成してもよい。また、実施の形態例の連結具10において、結合部Zを省略することができる。この場合、連結具は、係止構造体Xと機能部Yを有するものとなる。また、連結具10、10Aにおいて、第1係止部及び第2係止部は省略してもよい。
【0041】
実施の形態例の連結具10において、第2部材2の螺子孔9及び第1部材の切り欠き部112は省略することができる。実施の形態例の連結具10において、第1下部鍔部14及び第2下部鍔部24の板状物は、底面から深さ方向にくり抜き状のリブ構造としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、両端が閉じられた凹状溝を外周フレームに有するポスターフレームをポール等の支持体の係止溝に簡単な作業で連結できる。従来、このようなポスターフレームのポールへの固定は、螺子止めで行われていたが、作業スペースが狭く、作業し難いものであったが、本発明のように、縦に2つ割りの部材を使用することで、容易に連結できるため、作業効率が向上する。また、図11に示すように、ドライバーや螺子を使用する場合であっても、ポスターフレームの外側の作業であり、作業は容易である。また、売り場の模様替え等の場合、螺子を緩めれば、ポールに対するポスターフレームの固定位置を容易に変更できる。
【符号の説明】
【0043】
1 第1部材
2 第2部材
10、10A 表示体連結具
11 第1基部
12 第1上部鍔部
13 第1中間鍔部
14 第1下部鍔部
15 第1上部係止溝
16 第1下部係止溝
21 第2基部
22 第2上部鍔部
23 第2中間鍔部
24 第2下部鍔部
25 第2上部係止溝
26 第2下部係止溝
50 表示体(ポスターフレーム)
60 支柱(支持体)
111 突出片(第1係止部又は第2係止部)
216 係合溝(第1係止部又は第2係止部)
X 係止構造体
Y 機能部
Z 結合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16