特許第6504798号(P6504798)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6504798
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】表示装置、及び色変換方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20190415BHJP
   H04N 1/46 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
   G09G3/20 650M
   G09G3/20 611A
   G09G3/20 642J
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 641E
   H04N1/46
【請求項の数】11
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-238678(P2014-238678)
(22)【出願日】2014年11月26日
(65)【公開番号】特開2016-99593(P2016-99593A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】中西 貴之
(72)【発明者】
【氏名】矢田 竜也
(72)【発明者】
【氏名】竜野 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中村 清志
【審査官】 橘 皇徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−232751(JP,A)
【文献】 特表2010−524044(JP,A)
【文献】 特開2012−194256(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0046042(US,A1)
【文献】 特開2014−211535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20−3/38
H04N 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の副画素を含む画素がマトリクス状に配置された画像表示部と、
前記画像表示部の消費電力を低減するための色変換処理を行う色変換処理部と、
を含み、
前記色変換処理は、前記画像表示部が表示する画像の表示輝度の上昇と共に、前記画像表示部の消費電力の低減量が増加する処理であり、
前記色変換処理部の消費電力は、前記画像表示部が表示する画像の表示輝度の上昇に依らず一定であり、
前記色変換処理部は、前記画像表示部の表示輝度範囲の全域において前記色変換処理を実施した場合における前記画像表示部の消費電力と前記色変換処理部の消費電力との合計消費電力と、前記色変換処理を行わない場合における前記画像表示部の消費電力とが交わる表示輝度に相当する第1輝度設定閾値が設定され、前記第1輝度設定閾値よりも小さい範囲を、前記色変換処理を行わない第1輝度設定範囲とし、所定の輝度設定値が前記第1輝度設定範囲内である場合に、前記色変換処理を行わない、表示装置。
【請求項2】
前記色変換処理部は、前記第1輝度設定閾値よりも大きい第2輝度設定閾値が設定され、前記第1輝度設定閾値以上であり、且つ、前記第2輝度設定閾値以下である範囲を第2輝度設定範囲とし、前記輝度設定値が前記第2輝度設定範囲内である場合に、前記輝度設定値に応じて、前記色変換処理による画質変化の度合いを示す色変換レベルを変更する、請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、前記輝度設定値の上昇に応じて前記色変換レベルを上昇させる、請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、前記色変換レベルを段階的に変化させる、請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記色変換処理部は、前記第1輝度設定閾値よりも大きい第2輝度設定閾値が設定され、前記第1輝度設定閾値以上であり、且つ、前記第2輝度設定閾値以下である範囲を第2輝度設定範囲とし、前記輝度設定値が前記第2輝度設定範囲内である場合に、前記輝度設定値に応じて、時分割で前記色変換処理を行う、請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、時分割で前記色変換処理を行う際に、フレーム単位で前記色変換処理を行う、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、前記画像表示部の消費電力と前記色変換処理部の消費電力との合計消費電力が、前記色変換処理を行わない場合における前記画像表示部の消費電力を超えないようなフレーム比率で、前記色変換処理を行う、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、前記画像表示部における水平ライン毎、あるいは前記画素毎に、前記色変換処理のタイミングをずらす、請求項6又は請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、色相に応じた所定の色相変化量で、前記色変換処理を行う、請求項2乃至8の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、色相に応じた所定の彩度減衰量で、前記色変換処理を行う、請求項2乃至8の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
複数の副画素を含む画素がマトリクス状に配置された画像表示部の駆動回路へ供給する入力信号に対し、前記画像表示部の消費電力を低減するために色変換処理を行う色変換処理部の色変換方法であって、
前記色変換処理は、前記画像表示部が表示する画像の表示輝度の上昇と共に、前記画像表示部の消費電力の低減量が増加する処理であり、
前記色変換処理部の消費電力は、前記画像表示部が表示する画像の表示輝度の上昇に依らず一定であり、
前記色変換処理部は、前記画像表示部の表示輝度範囲の全域において前記色変換処理を実施した場合における前記画像表示部の消費電力と前記色変換処理部の消費電力との合計消費電力と、前記色変換処理を行わない場合における前記画像表示部の消費電力とが交わる表示輝度に相当する第1輝度設定閾値が設定され、前記第1輝度設定閾値よりも小さい範囲を、前記色変換処理を行わない第1輝度設定範囲とし、所定の輝度設定値が前記第1輝度設定範囲内である場合に、前記色変換処理を行わない、色変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、及び色変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画素R(赤)、G(緑)及びB(青)に加え、画素W(白)を追加したRGBW方式の液晶パネルを用いた液晶表示装置が採用されている。このRGBW方式の液晶表示装置は、画像表示を決定付けるRGBデータに基づくバックライトからの光の画素R、G及びBにおける透過量を、画素Wに振り分けて画像を表示させることによって、バックライトの輝度を低減させることを可能とし、消費電力を低減している。
【0003】
また液晶表示装置以外にも、有機発光ダイオード(OLED)のような自発光体を点灯する画像表示パネルが知られている。例えば特許文献1には、4色カラー出力信号に対応する光を放射する発光体を有する表示装置を駆動するために、3色の色域画定原色に対応する3色カラー入力信号(R,G,B)を該色域画定原色と1つの追加原色Wとに対応する4色のカラー出力信号(R’,G’,B’,W)に変換するための方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−514184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自発光体を点灯する画像表示部を備える表示装置は、バックライトが不要であり、各画素の自発光体の点灯量に応じて、表示装置の電力量が決まってしまう。このため、特許文献1に記載の方法によって単純に変換処理した場合、4色のカラー出力信号(R’,G’,B’,W)を点灯する自発光体の点灯量が多ければ、消費電力を低減できない場合がある。
【0006】
そこで、例えば、人間が変化に気づきにくい範囲で、本来の色のもつ色相や彩度を変換する色変換処理を行うことで、画像表示部の消費電力の抑制を図ることが考えられる。一方、室内で表示装置や電子機器を使用する際にユーザが画面を暗くして(輝度設定を下げて)使用した場合、画像表示部の消費電力に対し、色変換処理を行うことによる消費電力が無視できない大きさとなり、色変換処理を行わない場合に比べて表示装置や電子機器全体としての消費電力が大きくなる場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、目的を達成するために、画像表示部の消費電力を抑制するための色変換処理を行う構成において、低輝度状態においても消費電力を抑制できる表示装置、及び色変換方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る表示装置は、複数の副画素を含む画素がマトリクス状に配置された画像表示部と、前記画像表示部の消費電力を低減するための色変換処理を行う色変換処理部と、を含み、前記色変換処理部は、前記色変換処理を行った場合における前記画像表示部の消費電力と前記色変換処理部の消費電力との合計消費電力が、前記色変換処理を行わない場合における前記画像表示部の消費電力を上回る場合には、前記色変換処理を行わない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に係る画像表示部の画素が含む副画素の点灯駆動回路を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る画像表示部の副画素の配列を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る画像表示部の断面構造を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る画像表示部の副画素の他の配列を示す図である。
図6図6は、本実施形態の表示装置で再現可能なHSV色空間の概念図である。
図7図7は、HSV色空間の色相と彩度との関係を示す概念図である。
図8図8は、本実施形態に係るHSV色空間において色相変換処理を示す概念図である。
図9図9は、本実施形態に係る変換前の元の色相と人間が色相変化を許容する範囲の色相変化量との関係を示すルックアップテーブルを説明するための説明図である。
図10図10は、本実施形態に係る第1の色変換処理例を説明する模式図である。
図11図11は、本実施形態に係る第1の色変換方法を説明するためのフローチャートである。
図12図12は、本実施形態に係る第1の色変換処理例を説明する模式図である。
図13図13は、本実施形態に係る色相と、人間が彩度変化を許容する範囲の彩度減衰量との関係を示すルックアップテーブルを説明するための説明図である。
図14図14は、本実施形態に係る変換前の元の彩度と人間が彩度変化を許容する範囲の彩度減衰量との関係を示すルックアップテーブルを説明するための説明図である。
図15図15は、本実施形態に係るHSV色空間において彩度減衰量を示す概念図である。
図16図16は、本実施形態に係る第2の色変換処理例を説明する模式図である。
図17図17は、比較例に係る色変換処理例を説明する模式図である。
図18図18は、本実施形態に係る第2の色変換方法を説明するためのフローチャートである。
図19図19は、比較例における画像表示部の表示輝度と消費電力との関係の一例を示す概略図である。
図20図20は、実施形態1に係る表示装置における画像表示部の表示輝度と消費電力との関係の一例を示す概略図である。
図21図21は、実施形態2に係る表示装置における画像表示部の表示輝度と消費電力との関係、及び画像表示部の表示輝度と色変換レベルとの関係の一例を示す概略図である。
図22図22は、実施形態3に係る表示装置における画像表示部の表示輝度と消費電力との関係、及び画像表示部の表示輝度と色変換レベルとの関係の一例を示す概略図である。
図23図23は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。
図24図24は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。
図25図25は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。
図26図26は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。
図27図27は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。
図28図28は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。
図29図29は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。
図30図30は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。
図31図31は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
(実施形態1)
<表示装置の構成>
図1は、本実施形態に係る表示装置の構成の一例を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る画像表示部の画素が含む副画素の点灯駆動回路を示す図である。図3は、本実施形態に係る画像表示部の副画素の配列を示す図である。図4は、本実施形態に係る画像表示部の断面構造を示す図である。
【0012】
図1に示すように、表示装置100は、変換処理部10と、第4副画素信号処理部20と、画像表示パネルである画像表示部30と、画像表示部30の駆動を制御する画像表示パネル駆動回路40(以下、駆動回路40ともいう。)と、を備えている。なお、変換処理部10と、第4副画素信号処理部20とは、ハードウェア又はソフトウェアのいずれかによって機能が実現されていればよく、特に限定されるものではない。また、変換処理部10及び第4副画素信号処理部20の各回路がハードウェアによって構成されるものであっても、それぞれの回路が物理的に独立して区別される必要はなく、物理的に単一の回路によって複数の機能が実現されるものとしてもよい。これら変換処理部10と第4副画素信号処理部20とにより本実施形態に係る色変換処理部50を構成している。また、表示装置100は、例えば、ユーザが設定した輝度設定値を入力する、あるいは、外光照度などを測定し、表示装置外の情報を入力する外部情報部11を備えていてもよい。又は、表示装置100は、表示装置100外にある外部情報部11から、画像表示部30に表示される画像の輝度をユーザが設定した輝度設定値や、外光照度の情報などを取得し、色変換処理部50へ入力してもよい。
【0013】
変換処理部10は、入力映像信号に基づいて求められる、所定の画素に表示するための第1色情報第1入力信号SRGB1として入力される。変換処理部10は、HSV色空間の入力値である第1色情報を、人間が彩度変化を許容する範囲の彩度減衰量で彩度が低減された第2色情報に変換した第2入力信号SRGB2を出力する。第1色情報及び第2色情報は、ともに赤(R)成分、緑(G)成分、青(B)成分を含む3色のカラー入力信号(R、G、B)である。
【0014】
第4副画素信号処理部20は、画像表示部30を駆動するための画像表示パネル駆動回路40と接続されている。例えば、第4副画素信号処理部20は、入力信号の入力HSV色空間の入力値(第2入力信号SRGB2)を、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色で再現されるHSV色空間の再現値(第3入力信号SRGBW)に変換し、当該第3入力信号SRGBWを出力信号として画像表示部30に出力する。このように、第4副画素信号処理部20は、第2入力信号SRGB2における第2色情報、赤(R)成分、緑(G)成分、青(B)成分及び追加色成分として例えば白色(W)成分に変換した第3色情報を含む第3入力信号SRGBWを、駆動回路40へ出力する。第3色情報は、4色カラー入力信号(R、G、B、W)である。追加色成分は、赤(R)成分、緑(G)成分、青(B)成分の各階調が256階調で(R、G、B)=(255、255、255)のいわゆるピュアホワイトの白成分を例として説明するが、これに限られず、例えば、(R、G、B)=(255、230、204)で表されるような色成分を第4副画素が表示する追加色成分として、変換を行うものであってもよい。
【0015】
なお、本実施形態では、上述したように変換処理を、入力信号(例えばRGB)をHSV空間の信号に変換する処理として例示して説明しているが、これに限らず、XYZ空間、YUV空間やその他の座標系の信号に変換してもよい。また、ディスプレイの色域であるsRGBやAdobe(登録商標)RGBの色域は、XYZ表色系のxy色度範囲上において、三角形状の範囲で示されるが、定義色域が定義される所定の色空間は、三角形状の範囲で定められることに限定されるものではなく、多角形状等の任意の形状の範囲で定められるものとしてもよい。
【0016】
第4副画素信号処理部20は、生成した出力信号を画像表示パネル駆動回路40に出力する。駆動回路40は、画像表示部30の制御装置であって、信号出力回路41、走査回路42及び電源回路43を備えている。駆動回路40は、信号出力回路41によって、第3色情報を含む第3入力信号SRGBWを保持し、順次、画像表示部30の各画素31に出力する。信号出力回路41は、信号線DTLによって画像表示部30と電気的に接続されている。駆動回路40は、走査回路42によって、画像表示部30における副画素を選択し、副画素の動作(発光輝度や光透過率)を制御するためのスイッチング素子(例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT))のオン及びオフを制御する。走査回路42は、走査線SCLによって画像表示部30と電気的に接続されている。電源回路43は、電源線PCLによって各画素31の後述する自発光体へ電力を供給する。
【0017】
なお、表示装置100は、特許文献の、特許第3167026号公報、特許第3805150号公報、特許4870358号公報、特開2011−90118号公報、特開2006−3475号公報に記載されている各種変形例が適用可能である。
【0018】
図1に示すように、画像表示部30は、画素31が、P×Q個(行方向にP個、列方向にQ個)、2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている。
【0019】
画素31は、複数の副画素32を含み、図2に示す副画素32の点灯駆動回路が2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている。点灯駆動回路は、制御用トランジスタTr1と、駆動用トランジスタTr2と、電荷保持用コンデンサC1とを含む。制御用トランジスタTr1のゲートが走査線SCLに接続され、ソースが信号線DTLに接続され、ドレインが駆動用トランジスタTr2のゲートに接続されている。電荷保持用コンデンサC1の一端が駆動用トランジスタTr2のゲートに接続され、他端が駆動用トランジスタTr2のソースに接続されている。駆動用トランジスタTr2のソースが、電源線PCLと接続されており、駆動用トランジスタTr2のドレインが、自発光体である有機発光ダイオードE1のアノード(陽極)に接続されている。有機発光ダイオードE1のカソード(陰極)は、例えば基準電位(例えばアース)に接続されている。
【0020】
なお、図2では制御用トランジスタTr1がnチャネル型トランジスタ、駆動用トランジスタTr2がpチャネル型トランジスタの例を示しているが、それぞれのトランジスタの極性はこれに限定されない。必要に応じて、制御用トランジスタTr1及び駆動用トランジスタTr2それぞれの極性を決めればよい。
【0021】
画素31は、図3に示すように、例えば、第1副画素32Rと、第2副画素32Gと、第3副画素32Bと、第4副画素32Wとを有する。第1副画素32Rは、第1原色(例えば、赤色(R)成分)を表示する。第2副画素32Gは、第2原色(例えば、緑色(G)成分)を表示する。第3副画素32Bは、第3原色(例えば、青色(B)成分)を表示する。第4副画素32Wは、第1原色、第2原色及び第3原色とは異なる追加色成分としての第4の色(具体的には白色(W)成分)を表示する。以下において、第1副画素32Rと、第2副画素32Gと、第3副画素32Bと、第4副画素32Wとをそれぞれ区別する必要がない場合、副画素32という。
【0022】
画像表示部30は、基板51と、絶縁層52、53と、反射層54と、下部電極55と、自発光層56と、上部電極57と、絶縁層58と、絶縁層59と、色変換層としてのカラーフィルタ61R、61G、61B、61W、遮光層としてのブラックマトリクス62と、基板50とを備えている(図4参照)。基板51は、シリコンなどの半導体基板、ガラス基板、樹脂基板などであって、上述した点灯駆動回路などを形成又は保持している。絶縁層52は、上述した点灯駆動回路などを保護する保護膜であり、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを用いることができる。下部電極55は、第1副画素32Rと、第2副画素32Gと、第3副画素32Bと、第4副画素32Wとにそれぞれ設けられており、上述した有機発光ダイオードE1のアノードとなる導電体である。下部電極55は、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)等の透光性導電材料(透光性導電酸化物)で形成される透光性電極である。絶縁層53は、バンクと呼ばれ、第1副画素32Rと、第2副画素32Gと、第3副画素32Bと、第4副画素32Wとを区画する絶縁層である。反射層54は、自発光層56からの光を反射する金属光沢のある材料、例えば銀、アルミニウム、金などで形成されている。自発光層56は、有機材料を含み、不図示のホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を含む。
【0023】
<ホール輸送層>
正孔を発生する層としては、例えば、芳香族アミン化合物と、その化合物に対して電子受容性を示す物質とを含む層を用いることが好ましい。ここで、芳香族アミン化合物とは、アリールアミン骨格を有する物質である。芳香族アミン化合物の中でも特に、トリフェニルアミンを骨格に含み、400以上の分子量を有するものが好ましい。また、トリフェニルアミンを骨格に有する芳香族アミン化合物の中でも特にナフチル基のような縮合芳香環を骨格に含むものが好ましい。トリフェニルアミンと縮合芳香環とを骨格に含む芳香族アミン化合物を用いることによって、発光素子の耐熱性が良くなる。芳香族アミン化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:α−NPD)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−{4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル}−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,2’,3,3’−テトラキス(4−ジフェニルアミノフェニル)−6,6’−ビスキノキサリン(略称:D−TriPhAQn)、2,3−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:NPADiBzQn)等が挙げられる。また、芳香族アミン化合物に対して電子受容性を示す物質について特に限定はなく、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:F4−TCNQ)等を用いることができる。
【0024】
<電子注入層、電子輸送層>
電子輸送性物質について特に限定はなく、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。また、電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質について特に限定はなく、例えば、リチウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、エルビウム、イッテルビウム等の希土類金属等を用いることができる。また、リチウム酸化物(LiO)、カルシウム酸化物(CaO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)、マグネシウム酸化物(MgO)等、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の中から選ばれた物質を、電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質として用いても構わない。
【0025】
<発光層>
例えば、赤色系の発光を得たいときには、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)等、500nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また、青色系の発光を得たいときは、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等、420nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。以上のように、蛍光を発光する物質の他、ビス[2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(FIr(pic))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy))等の燐光を発光する物質も発光物質として用いることができる。
【0026】
上部電極57は、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)等の透光性導電材料(透光性導電酸化物)で形成される透光性電極である。なお本実施形態では、透光性導電材料の例としてITOを挙げたが、これに限定されない。透光性導電材料として、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)等の別の組成を有する導電材料を用いてもよい。上部電極57は、有機発光ダイオードE1のカソード(陰極)になる。絶縁層58は、上述した上部電極を封止する封止層であり、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを用いることができる。絶縁層59は、バンクにより生じる段差を抑制する平坦化層であり、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを用いることができる。基板50は、画像表示部30全体を保護する透光性の基板であり、例えば、ガラス基板を用いることができる。
【0027】
なお、図4においては、下部電極55がアノード(陽極)、上部電極57がカソード(陰極)の例を示しているが、これに限定されない。下部電極55がカソード及び上部電極57がアノードであってもよく、その場合は、下部電極55に電気的に接続されている駆動用トランジスタTr2の極性を適宜変えることも可能であり、また、キャリア注入層(ホール注入層及び電子注入層)、キャリア輸送層(ホール輸送層及び電子輸送層)、発光の積層順を適宜変えることも可能である。
【0028】
画像表示部30は、カラー表示パネルであり、図4に示すように、自発光層56の発光成分のうち、第1副画素32Rと画像観察者との間に第1原色光Lrを通過させる第1カラーフィルタ61Rが配置されている。画像表示部30は、同様に、自発光層56の発光成分のうち、第2副画素32Gと画像観察者との間に第2原色光Lgを通過させる第2カラーフィルタ61Gが配置されている。画像表示部30は、同様に、自発光層56の発光成分のうち、第3副画素32Bと画像観察者との間に第3原色Lbを通過させる第3カラーフィルタ61Bが配置されている。同様に、自発光層56の発光成分のうち、第4副画素32Wと画像観察者との間に第4原色Lwになるように調整された発光成分を通過させる第4カラーフィルタ61Wが配置されている。画像表示部30は、第1原色光Lr、第2原色光Lg及び第3原色Lbと異なる色成分を有する第4原色光Lwを第4副画素32Wから発光することができる。また、第4副画素32Wと画像観察者との間にカラーフィルタが配置されていないようにしてもよく、画像表示部30は、自発光層56の発光成分がカラーフィルタなどの色変換層を介さず、第1原色光Lr、第2原色光Lg及び第3原色Lbと異なる色成分を有する第4原色光Lwを第4副画素32Wから発光することもできる。例えば画像表示部30第4副画素32Wには、色調整用の第4カラーフィルタ61Wの代わりに透明な樹脂層が備えられていてもよい。このように画像表示部30は、透明な樹脂層を設けることで、第4副画素32Wに大きな段差が生じることを抑制することができる。
【0029】
図5は、本実施形態に係る画像表示部の副画素の他の配列を示す図である。画像表示部30は、第1副画素32R、第2副画素32G、第3副画素32B及び第4副画素32Wを含む副画素32を2行2列で組み合わせた画素31がマトリクス状に配置されている。
【0030】
図6は、本実施形態の表示装置で再現可能なHSV色空間の概念図である。図7は、HSV色空間の色相と彩度との関係を示す概念図である。表示装置100は、画素31に第4の色(白色)を出力する第4副画素32Wを備えることで、図6に示すように、HSV色空間における明度のダイナミックレンジを広げることができる。つまり、図6に示すように、第1副画素32R、第2副画素32G及び第3副画素32Bが表示することのできる円柱形状のHSV色空間に、彩度Sが高くなるほど明度Vの最大値が低くなる略円錐台形状となる立体が載っている形状となる。
【0031】
第1入力信号SRGB1は、赤(R)成分、緑(G)成分、青(B)成分の各階調の入力信号を第1色情報として有するため、HSV色空間の円柱形状、つまり、図6に示すHSV色空間の円柱形状部分の情報になる。
【0032】
そして、色相Hは、図7に示すように0°から360°で表される。0°から360°に向かって、赤(Red)、黄色(Yellow)、緑(Green)、シアン(Cyan)、青(Blue)、マゼンダ(Magenta)、赤となる。本実施形態では、角度0°を含む領域が赤となり、角度120°を含む領域が緑となり、角度240°を含む領域が青となる。
【0033】
<色変換処理例>
本実施形態では、色変換処理部50は、人間が変化に気づきにくい範囲で、本来の色のもつ色相や彩度を変換する色変換処理を行うことで、画像表示部30の消費電力の抑制を図るように構成されている。以下、この色変換処理例について説明する。
【0034】
まず、第1の色変換処理例について説明する。図8は、本実施形態に係るHSV色空間において色相変換処理を示す概念図である。図9は、本実施形態に係る変換前の元の色相と人間が色相変化を許容する範囲の色相変化量との関係を示すルックアップテーブルを説明するための説明図である。図10は、本実施形態に係る第1の色変換処理例を説明する模式図である。図11は、本実施形態に係る第1の色変換方法を説明するためのフローチャートである。図12は、本実施形態に係る第1の色変換処理例を説明する模式図である。
【0035】
図8に示すように、角度0°の領域LR100を含み、かつ角度0°以上30°以下含む領域LRLと、角度120°の領域LG100と、角度240°の領域LB100の領域とは、色相Hの認識されやすい領域であるので、色相Hの変換量を低く設定しておいた方がよい。しかしながら、色相Hが、角度30°より大きく、領域LG100までは、緑寄りに(領域LG100に近くなるように)色相Hを色相変化量PRG分ずらすと消費電力が抑制され、発光効率が向上することが判明した。また、色相Hが、領域LG100より大きく、領域LB100までは、緑寄りに(領域LG100に近くなるように)色相Hを色相変化量PGB分ずらすと消費電力が抑制され、発光効率が向上することが判明した。さらに、色相Hが、領域LB100より大きく、領域LR100までは、赤寄りに(領域LR100に近くなるように)色相Hを色相変化量PRB分ずらすと消費電力が抑制され、発光効率が向上することが判明した。これは、緑色、赤色、青色の順に輝度が高いので、第2色情報の色相は、第1色情報の色相よりも輝度が高い色方向に変換すれば、消費電力が抑制されることになる。そこで本実施形態に係る変換処理部10は、図9に示す色相Hに対する色相変化量のルックアップテーブルの情報を記憶しておき、図9に示すルックアップテーブルに基づいて、色相変化量PRG、PGB、PRBを演算する。
【0036】
図11に示すように、画像表示部へ供給する入力信号の色変換方法において、変換処理部10は、入力映像信号に基づいて求められる、所定の画素に表示するための第1色情報第1入力信号SRGB1として入力される(ステップS11)。第1色情報は、必要に応じて、γ変換され、RGB座標系の値がHSV色空間の入力値へ変換される。
【0037】
本実施形態に係る変換処理部10は、第1副画素32Rと、第2副画素32Gと、第3副画素32Bと、第4副画素32Wとが有する発光体の点灯量の総量が小さくなるように人間が色相変化に気づきにくい範囲で本来の色の色相Hを色相変化量PRG、PGB、PRB分以下だけずらす色相変換ステップ(ステップS12)を処理する。例えば、図9に示すルックアップテーブルによれば、赤成分と、青成分のみの第1色情報である第1入力信号SRGB1(図10参照)は、緑成分が無いため、白成分を増加させる変換をすることが難しい。そこで、本実施形態に係る変換処理部10は、図10に示すように第1副画素32R及び第3副画素32Bの自発光体の点灯が低減する方向側に、第1副画素32Rが有する発光体の点灯量の総量が小さくなるように人間が色相変化に気づきにくい範囲で本来の色の色相Hを色相変化量PRB分以下だけずらして、第1副画素32R有する発光体の点灯量を低減する。
【0038】
次に、変換処理部10は、第1色情報の輝度と、第2色情報の輝度とが変化しないように輝度調整する演算を行う輝度調整処理ステップを行う(ステップS13)。そして、人間にとって、第1色情報と、第2色情報とを比較した場合、輝度の変化が小さいので、画像全体の劣化の認識が抑制される。例えば、図9に示すルックアップテーブルによれば、赤成分と、青成分のみの第1色情報である第1入力信号SRGB1(図12参照)は、緑成分が無いため、白成分を増加させる変換をすることが難しい。そこで、図12に示すように、本実施形態に係る変換処理部10は、第2色情報の色相は、第1色情報の色相よりも輝度が高い色方向に、人間が色相変化に気づきにくい範囲で本来の色の色相Hを色相変化量PRB分以下だけずらして、第1副画素32R有する発光体の点灯量を増加する。変換後の色相Hの輝度が高くなるが、輝度調整処理によって、単色成分である赤成分、緑成分及び青成分のレベルが一様に下がるため、RGBW信号処理ステップ(ステップS14)を経ると、第3入力信号SRGBWは、第1副画素32Rが表示する赤成分(R)の点灯量と、第3副画素32Bが表示する青成分(B)の点灯量とがより低減する。
【0039】
次に、第4副画素信号処理部20は、変換処理部10により生成された第2入力信号を、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色で再現されるHSV色空間の再現値(第3入力信号SRGBW)に変換し、当該第3入力信号SRGBWを出力信号として画像表示部30に出力するRGBW信号処理ステップS14を行う。そして、第4副画素信号処理部20は、第2入力信号SRGB2における第2色情報に基づいて生成された、赤(R)成分、緑(G)成分、青(B)成分及び追加色成分として例えば白色(W)成分を有する第3色情報を含む第3入力信号SRGBWを、画像表示部30の駆動を制御する駆動回路40へ出力する出力ステップ(ステップS15)を処理する。
【0040】
上述した第1の色変換処理例では、第2色情報が、第1色情報よりも人間が色相変化を許容する範囲で色相がずれるように色相変換する。このように、変換処理部10は、入力映像信号に基づいて求められる、所定の画素31に表示するための第1色情報が第1入力信号SRGBとして入力され、当該第1色情報の色相を、人間が色相変化を許容する範囲の色相変化量で色相をシフトした第2色情報の第2入力信号SRGB2を出力する。これにより、第1副画素32Rと、第2副画素32Gと、第3副画素32Bと、第4副画素32Wとが有する発光体の点灯量の総量が小さくなる。
【0041】
画像表示部30は、第1色情報の輝度と、第2色情報の輝度とが変化しないように元の色相がシフトしているので、人間に画像劣化を認識されにくい。その結果、表示装置100は、全体としても画質の低下(劣化)を抑制しつつ消費電力を抑制することができる。
【0042】
また、変換処理部10は、第1色情報の色相に応じて色相変化量を異ならせるように色相をシフトする。これにより、人間に色の違いが識別しやすい色相領域での色相変化量は小さいので、人間に画像劣化を認識されにくい。その結果、表示装置100は、全体としても画質の低下(劣化)を抑制しつつ消費電力を抑制することができる。
【0043】
また、変換処理部10は、第1色情報に、白成分がないか、少ない場合でも、色相変換ステップS12の後の電力削減効果が期待できる。その結果、表示装置100は、全体としても画質の低下(劣化)を抑制しつつ消費電力を抑制することができる。また、原色に近いほど彩度の減衰量は、小さくなるので、人間に色の違いを識別されにくい。
【0044】
次に、第2の色変換処理例について説明する。ここでは、表示装置100、変換処理部10及び第4副画素信号処理部20が実行する処理動作について説明する。図13は、本実施形態に係る色相と、人間が彩度変化を許容する範囲の彩度減衰量との関係を示すルックアップテーブルを説明するための説明図である。図14は、本実施形態に係る変換前の元の彩度と人間が彩度変化を許容する範囲の彩度減衰量との関係を示すルックアップテーブルを説明するための説明図である。図15は、本実施形態に係るHSV色空間において彩度減衰量を示す概念図である。図16は、本実施形態に係る第2の色変換処理例を説明する模式図である。図17は、比較例に係る色変換処理例を説明する模式図である。図18は、本実施形態に係る第2の色変換方法を説明するためのフローチャートである。
【0045】
図18に示すように、画像表示部へ供給する入力信号の色変換方法において、変換処理部10は、入力映像信号に基づいて求められる、所定の画素に表示するための第1色情報第1入力信号SRGB1として入力される(ステップS21)。第1色情報は、必要に応じて、γ変換され、RGB座標系の値がHSV色空間の入力値へ変換される。
【0046】
次に、図18に示すように、変換処理部10は、図9のルックアップテーブルの情報に基づいて、上述したステップS12と同様に、色相変換ステップを処理する(ステップS22)。
【0047】
図13に示すように、人間が彩度変化を許容する範囲の彩度減衰量は、色相H毎に異なる。図13に示すルックアップテーブルは、色相H毎の彩度減衰量を縦軸にゲイン値QSHが求められる第1の彩度変換情報である。図13に示すように、色相Hが角度0°を含む領域である赤成分及び角度240°を含む領域である青成分の一方である場合、人間が彩度変化を許容する範囲の彩度減衰量が小さいので、変換処理部10が彩度を変化させる彩度減衰量が小さい。
【0048】
図14に示すように、人間が彩度変化を許容する範囲の彩度減衰量は、元の彩度S毎に異なる。図14に示すルックアップテーブルは、変換処理部10が変換する前の元の彩度Sに対して、人間が彩度変化を認識する彩度減衰量の下限値の曲線を認識特性曲線QMSとしてプロットしている。そして、変換処理部10は、同じ元の彩度Sに対して、認識特性曲線QMSよりも下回る範囲で、近似曲線QSSを第1の彩度変換情報として記憶している。近似曲線QSSは、例えば、色相Hのうち、赤成分の原色、緑成分の原色、青成分の原色毎の認識特性曲線QMSの平均値を下回るように記憶されている。より具体的には、近似曲線QSSは、例えば、傾きの異なる2つの直線を組み合わせ、元の彩度Sが彩度Saの場合、彩度減衰量がSb1となり、元の彩度が0の場合、彩度減衰量がSb2となるように記憶されている。
【0049】
次に、図15に示すように、変換処理部10は、図13及び図14のルックアップテーブルの情報に基づいて、彩度減衰量ΔSR、ΔSG、ΔSBのいずれかに規制されるように、彩度減衰量のゲイン値を演算し、HSV色空間の入力値である第1色情報に乗算することで、彩度変換ステップを処理する(ステップS23)。変換処理部10は、例えば、図13及び図14のルックアップテーブル同士を乗算したゲイン値を使用する。これにより、色相H毎により精度の高いゲイン値を得ることができる。又は、変換処理部10は、例えば、図13及び図14のルックアップテーブル同士を加算したゲイン値を使用する。これにより、変換処理の演算負荷を軽減することができる。
【0050】
例えば、図16に示すように、第1色情報を含む第1入力信号SRGB1が、彩度変換ステップ(ステップS23)により、第2色情報を含む第2入力信号SRGB2に変換された場合、緑(G)の成分が多くなるように彩度減衰量ΔSGを演算する。これにより、単色成分である赤成分、緑成分及び青成分が揃う白成分の量が増える。そして、第4副画素信号処理部20第2入力信号SRGB2を、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色で再現されるHSV色空間の再現値(第3入力信号SRGBW)に変換し、当該第3入力信号SRGBWを出力信号として画像表示部30に出力するRGBW信号処理ステップ(ステップS25)を行う場合、第1副画素32Rが表示する赤成分(R)の点灯量と、第4副画素32Wが表示する追加成分(W)、つまり白色の点灯量と、が画素31の消費電力となる。
【0051】
ここで、図17に示すように、比較例に係る色変換処理例では、彩度変換ステップ(ステップS23)を介さずに、RGBW信号処理ステップ(ステップS25)を処理しているので、第1副画素32Rが表示する赤成分(R)の点灯量と、第3副画素32Bが表示する青成分(B)の点灯量と、第4副画素32Wが表示する追加成分(W)、つまり白色の点灯量と、が画素31の消費電力となる。このように、比較例の処理に比べ、実施形態に係る色変換方法は、追加成分(W)、つまり白色の点灯量を増やすことと、単色成分を低減することを両立し、画素31の消費電力を抑制することができる。
【0052】
次に、図18に示すように、変換処理部10は、第1色情報の輝度と、第2色情報の輝度とが変化しないように彩度を低減する演算を行う輝度調整処理ステップを行う(ステップS24)。例えば変換処理部10は、図16に示すように、上述した彩度変換ステップ(ステップS23)の後、第1色情報の輝度よりも、第2色情報の輝度が大きくみえるので、第1色情報の輝度と、第2色情報の輝度とが変化しないように輝度を調整する。なお、ここでは、色相変換ステップ(ステップS22)の後に、彩度変換ステップ(ステップS23)を処理する例を説明したが、彩度変換ステップ(ステップS23)の後に色相変換ステップ(ステップS22)を処理してもよいし、色相変換ステップ(ステップS22)と、彩度変換ステップ(ステップS23)とを同時並行で処理してもよい。
【0053】
図16に示すように、輝度調整処理によって、単色成分である赤成分、緑成分及び青成分のレベルが一様に下がるため、RGBW信号処理ステップ(ステップS25)を経ると、第3入力信号SRGBWは、第1副画素32Rが表示する赤成分(R)の点灯量と、第4副画素32Wが表示する追加成分(W)、つまり白色の点灯量と、がより低減する。さらに、人間にとって、第1色情報と、第2色情報とを比較した場合、輝度の変化が小さいので、画像全体の劣化の認識が抑制される。
【0054】
このように、第4副画素信号処理部20は、第2入力信号SRGB2における第2色情報に基づいて生成された、赤(R)成分、緑(G)成分、青(B)成分及び追加色成分として例えば白色(W)成分を有する第3色情報を含む第3入力信号SRGBWを、画像表示部30の駆動を制御する駆動回路40へ出力する出力ステップ(ステップS26)を処理する。
【0055】
ところで、変換処理部10は、第1色情報を赤成分、緑成分、青成分及び追加色成分に変換した場合の自発光体の点灯量の総量が、第2色情報を赤成分、緑成分、青成分及び追加色成分に変換した場合の自発光体の点灯量の総量よりも小さい場合、第1色情報を第2色情報として第4副画素信号処理部20へ出力する。このように、第1色情報を、人間が彩度変化を許容する範囲の彩度減衰量で彩度が低減された第2色情報に変換することには、第1色情報と同じ情報を第2色情報とすることも含む。これにより、彩度変換ステップ(ステップS23)を処理することにより、かえって画素31の消費電力が増加してしまう可能性を抑制する。
【0056】
上述した第2の色変換処理例では、表示装置100は、人間が彩度変化に気づきにくい範囲で本来の色の彩度(元の彩度S)を減衰して、第4副画素32Wの点灯量が増えるようにする。第1副画素32Rと、第2副画素32Gと、第3副画素32Bと、第4副画素32Wとが有する発光体の点灯量の総量が小さくなるように人間が彩度変化に気づきにくい範囲で本来の色の彩度(元の彩度S)を減衰しているので、消費電力を抑制できる。その結果、第1副画素32R、第2副画素32G及び第3副画素32Bのうち未点灯の副画素32が増えると、さらに消費電力が抑制できる。
【0057】
画像表示部30は、第1色情報の輝度と、第2色情報の輝度とが変化しないように元の彩度Sが減衰しているので、人間に画像劣化を認識されにくい。その結果、表示装置100は、全体としても画質の低下(劣化)を抑制しつつ消費電力を抑制することができる。
【0058】
また、変換処理部10は、第1色情報の色相に応じて彩度減衰量を異ならせるように彩度を低減する。これにより、人間に色の違いが識別しやすい色相領域での彩度の減衰量は小さいので、人間に画像劣化を認識されにくい。その結果、表示装置100は、全体としても画質の低下(劣化)を抑制しつつ消費電力を抑制することができる。
【0059】
また、変換処理部10は、第1色情報の彩度が低いほど、彩度減衰量を大きくして彩度を低減する演算を行う。これにより、人間に識別されにくい低彩度の減衰量は大きいので、彩度変換ステップ(ステップS23)の後の電力削減効果が期待できる。その結果、表示装置100は、全体としても画質の低下(劣化)を抑制しつつ消費電力を抑制することができる。また、原色に近いほど彩度の減衰量は、小さくなるので、色の違いが人間に識別されにくい。
【0060】
以上、画像表示部30の消費電力を抑制するための色変換処理例について説明したが、画像表示部30の消費電力を抑制するための色変換処理例としては、第1副画素32Rと、第2副画素32Gと、第3副画素32Bと、第4副画素32Wとが有する発光体の点灯量の総量が小さくなるような処理を行うものであれば、上記した例に限るものではない。
【0061】
なお、上述した例では、3色カラー入力信号を4色カラー入力信号に変換し、4色の副画素を含む自発光体を点灯する画像表示部30において、画像表示部30の消費電力を抑制するための色変換処理例について説明したが、画像表示部30としてはこれに限らず、例えば、3色の副画素を含む自発光体を点灯するものであってもよいし、例えば、3色あるいは4色の副画素を有する液晶パネルであってもよい。
【0062】
次に、上述したような色変換処理を行う輝度範囲について説明する。図19は、比較例における画像表示部の表示輝度と消費電力との関係の一例を示す概略図である。図20は、実施形態1に係る表示装置における画像表示部の表示輝度と消費電力との関係の一例を示す概略図である。図19,20に示す例では、画像表示部30の表示輝度を横軸、消費電力を縦軸に示している。ここで、画像表示部30の表示輝度とは、画像表示部30の表示領域における単位面積当たりの輝度、あるいは、画像表示部30の表示領域における単位面積当たりの輝度の平均値等、画像表示部30における表示領域全体の輝度を示すものと定義する。この画像表示部30の表示輝度は、例えば、ユーザが入力した輝度設定値や、外部情報部11が測定した外光照度などに基づき設定した輝度設定値により決まる。
【0063】
図19,20に示す例において、一点鎖線aは色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力を示し、一点鎖線bは色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力を示し、二点鎖線cは色変換処理を実施した場合における色変換処理部50の消費電力を示し、実線dは色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力とを加算した合計消費電力を示している。
【0064】
図19に示すように、画像表示部30の消費電力は、画像表示部30が表示する画像の表示輝度の上昇に応じて増加し(一点鎖線a)、色変換処理部50の消費電力は、画像表示部30が表示する画像の表示輝度の上昇に依らず一定である(二点鎖線c)。
【0065】
また、色変換処理部50による色変換処理は、上述したように、第1副画素32Rと、第2副画素32Gと、第3副画素32Bと、第4副画素32Wとが有する発光体の点灯量の総量が小さくなるような処理を行うものであり、画像表示部30が表示する画像の表示輝度の上昇と共に、画像表示部30の消費電力の低減量が増加する処理である。この色変換処理により、画像表示部30の消費電力は、色変換処理を行わない場合と比較して、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において一定の比率で低減する(一点鎖線b)。
【0066】
図19に示す比較例において、色変換処理を行わない場合の画像表示部30における消費電力(一点鎖線a)と、色変換処理を実施した場合の画像表示部30における消費電力(一点鎖線b)との差分が、色変換処理による画像表示部30の消費電力削減量となるが、色変換処理を実施した場合には、画像表示部30の消費電力(一点鎖線b)に加え、色変換処理部50の消費電力(二点鎖線c)を考慮する必要がある。
【0067】
図19に示すように、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において色変換処理を実施した場合、画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力とを加算した合計消費電力(実線d)が色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力(一点鎖線a)を上回る場合がある。すなわち、色変換処理を実施した場合における合計消費電力(実線)と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力(一点鎖線a)とが交わる表示輝度Aよりも小さい表示輝度範囲では、色変換処理を行わない方が表示装置100全体としての消費電力が小さくなる。
【0068】
これに対し、実施形態1では、図20に示すように、図19に示す比較例において色変換処理を実施した場合における合計消費電力(実線d)と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力(一点鎖線a)とが交わる表示輝度Aよりも小さい表示輝度範囲では、色変換処理部50による色変換処理を行わないようにしている。
【0069】
このようにすれば、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において、画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力とを加算した合計消費電力を小さくすることができ、表示装置100全体としての消費電力、延いては、この表示装置100を適用した電子機器の消費電力を低減することができる。
【0070】
色変換処理を行わない表示輝度範囲を設定する例として、例えば、予め画像表示部30の表示輝度範囲の全域において色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力との合計消費電力と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力とが交わる表示輝度Aに相当する輝度設定閾値を色変換処理部50に設定しておき、この輝度設定閾値よりも小さくなる範囲を、色変換処理を行わない輝度設定範囲とすることが考えられる。
【0071】
この場合には、色変換処理部50は、表示装置100に対して設定される輝度設定値と輝度設定閾値との比較を行うことで、色変換処理を実施するか否かを判定する。
【0072】
輝度設定値としては、例えば、外部情報部11から入力される輝度設定情報を用いることが考えられる。この輝度設定情報としては、ユーザが入力した輝度設定値や、外部情報部11が測定した外光照度などに基づき設定した輝度設定値を用いることができる。
【0073】
このようにすれば、色変換処理部50は、ユーザや外光照度に応じて設定された輝度設定値と輝度設定閾値との比較結果に応じて、色変換処理を実施するか否かを判定することができる。
【0074】
色変換処理部50は、輝度設定値が輝度設定閾値よりも小さい場合に、色変換処理を行わないようにする。換言すれば、色変換処理部50は、輝度設定値が輝度設定閾値以上である場合に、色変換処理を実施するようにする。
【0075】
以上説明したように、実施形態1に係る表示装置100、及び色変換方法によれば、画像表示部30の消費電力の抑制を図る色変換処理を行うように構成された色変換処理部50において、色変換処理を行った場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50による消費電力との合計消費電力が、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力を上回る領域では、色変換処理を行わないようにする。具体的には、色変換処理部50は、表示輝度Aよりも小さい表示輝度範囲では、色変換処理を行わない。表示輝度Aは、色変換を行う場合の合計消費電力と、色変換処理を行わない場合の画像表示部30の消費電力との大小関係が相互に逆転する境界の輝度である。これにより、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において、画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力とを加算した合計消費電力を小さくすることができ、表示装置100全体としての消費電力、延いては、この表示装置100を適用した電子機器の消費電力を低減することができる。
【0076】
また、予め画像表示部30の輝度範囲の全域において色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力との合計消費電力と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力とが交わる表示輝度Aに相当する表示輝度設定閾値を色変換処理部50に設定しておくことができる。これにより、色変換処理部50は、ユーザや外光照度に応じて設定された輝度設定値と輝度設定閾値との比較結果に応じて、色変換処理を実施するか否かを判定することができる。
【0077】
本実施形態により、画像表示部の消費電力を抑制するための色変換処理を行う構成において、低輝度状態においても消費電力を抑制できる表示装置、色変換方法を提供することができる。
【0078】
(実施形態2)
実施形態1では、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力との合計消費電力と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力とが交わる表示輝度Aよりも小さい表示輝度範囲では、色変換処理部50による色変換処理を行わないようにする例を示した。この場合、表示輝度Aよりも小さい表示輝度範囲では色変換処理を行わず、表示輝度A以上の表示輝度範囲では色変換処理を行うこととなり、表示輝度Aの前後における色変換処理の有無による画質変化が、人間が色変換処理による画質変化を許容する範囲を超えることとなる。実施形態2では、表示輝度A以上の表示輝度範囲において、人間が色変換処理による画質変化を許容する範囲で段階的に色変換処理における画質変化の度合い、すなわち、実施形態1において説明した第1の色変換処理例における色相変化、第2の色変換処理例における彩度変化、及び輝度変化の度合いを示す色変換レベルを上げる例について説明する。
【0079】
図21は、実施形態2に係る表示装置における画像表示部の表示輝度と消費電力との関係、及び画像表示部の表示輝度と色変換レベルとの関係の一例を示す概略図である。なお、実施形態2に係る表示装置100の構成は、実施形態1と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0080】
図21に示す例において、一点鎖線a’は、色変換レベルが0%、すなわち、色変換処理部50は動作しているが、実質的に色変換処理が行われていない状態における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力とを加算した合計消費電力を示している。
【0081】
図21に示すように、実施形態2では、表示輝度A以上であり、且つ、表示輝度Aよりも大きい表示輝度B以下の輝度範囲を、色変換処理レベル制御範囲として設定している。
【0082】
図21に示す例では、表示輝度Aよりも小さい表示輝度範囲では、実施形態1と同様に色変換処理は行われない。また、表示輝度Bよりも大きい表示輝度範囲では、色変換処理における色変換レベルを100%としている。
【0083】
一方、色変換処理レベル制御範囲では、色変換処理部50は、表示輝度Aから表示輝度Bに向けて、色変換処理における色変換レベルを0%から100%まで徐々に上げるようにしている。
【0084】
色変換処理レベル制御範囲を設定する例として、例えば、2つの輝度設定閾値(第1輝度設定閾値及び第2輝度設定閾値(後述))を色変換処置部50に設定しておき、第1輝度設定閾値以上であり、且つ、第2輝度設定閾値以下である範囲を、色変換処理レベル制御範囲とすることが考えられる。第1輝度設定値は、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力との合計消費電力と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力とが交わる表示輝度Aに相当する。第2輝度設定閾値は、表示輝度Aよりも大きい表示輝度Bに相当する。
【0085】
色変換処理部50は、表示装置100に対して設定される輝度設定値と第1及び第2輝度設定閾値との比較を行い、輝度設定値が第1輝度設定閾値以上であり、且つ、第2輝度設定閾値以下である場合に、色変換処理レベル制御範囲内であると判定する。
【0086】
この場合には、例えば、第1輝度設定閾値から第2輝度設定閾値までの範囲を複数の区間に分割し、各区間毎に、第1輝度設定閾値から第2輝度設定閾値まで段階的に色変換レベルが大きくなるようなルックアップテーブルを色変換処理部50に設定すればよい。
【0087】
このようにすれば、色変換処理部50は、輝度設定値に応じた色変換レベルで色変換処理を実施することができる。
【0088】
色変換処理部50は、輝度設定値が第1輝度設定閾値以上であり、且つ、第2輝度設定閾値以下である場合に、輝度設定値に応じた色変換レベルをルックアップテーブルから読み出し、当該読みだした色変換レベルで色変換処理を実施する。
【0089】
なお、上述した例では、ルックアップテーブルを用いて、このルックアップテーブルから輝度設定値に応じた色変換レベルを読み出す例を示したが、演算式を用いて輝度設定値に応じた色変換レベルを求めるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0090】
以上説明したように、実施形態2によれば、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力との合計消費電力と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力とが交わる表示輝度A以上の輝度範囲において、人間が色変換処理による画質変化を許容する範囲で段階的に色変換処理における色変換レベルを上げるようにする。具体的には、表示輝度Aに相当する輝度設定閾値(第1輝度設定閾値)に加え、表示輝度Aよりも大きい表示輝度Bに相当する輝度設定閾値(第2輝度設定閾値)を色変換処理部50に設定しておき、第1輝度設定閾値から第2輝度設定閾値までの範囲を複数の区間に分割し、各区間毎に、第1輝度設定閾値から第2輝度設定閾値まで段階的に色変換レベルが大きくなるようなルックアップテーブルを色変換処理部50に設定しておくことで、色変換処理部50は、輝度設定値に応じた色変換レベルをルックアップテーブルから読み出し、輝度設定値に応じた色変換レベルで色変換処理を実施することができる。これにより、輝度設定値に応じて変化する色変換処理による画質変化を、人間が許容する範囲内とすることができる。
【0091】
本実施形態により、画像表示部の消費電力を抑制するための色変換処理を行う構成において、低輝度状態においても消費電力を抑制できる表示装置、色変換方法を提供することができる。
【0092】
(実施形態3)
実施形態2では、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力との合計消費電力と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力とが交わる表示輝度A以上であり、且つ表示輝度Aよりも大きい表示輝度B以下の表示輝度範囲を、色変換処理レベル制御範囲として設定し、色変換処理レベル制御範囲内において、段階的に色変換レベルを上げていく例を示した。この場合、表示輝度Aの前後で消費電力が不連続となり、表示輝度A以上の区間で色変換処理を行わない場合よりも消費電力が大きくなる場合がある。実施形態3では、表示輝度A以上の表示輝度範囲において、時分割で色変換処理を行う例について説明する。
【0093】
図22は、実施形態3に係る表示装置における画像表示部の表示輝度と消費電力との関係、及び画像表示部の表示輝度と色変換レベルとの関係の一例を示す概略図である。なお、実施形態3に係る表示装置100の構成は、実施形態1と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0094】
図22に示すように、実施形態3では、表示輝度A以上であり、且つ、表示輝度Aよりも大きい表示輝度B以下の表示輝度範囲を、色変換処理時分割制御範囲として設定している。
【0095】
図22に示す例では、表示輝度Aよりも小さい表示輝度範囲では、実施形態1,2と同様に色変換処理は行われない。また、表示輝度Bよりも大きい表示輝度範囲では、時分割せず連続して色変換処理を行う。
【0096】
一方、色変換処理時分割制御範囲では、色変換処理部50は、間欠的に、つまり時分割で色変換処理を行うようにしている。このとき、例えば、画像表示部30に表示する画像に対し、フレーム単位で色変換処理を行う。すなわち、複数フレームのうち、いくつかのフレームでは色変換処理を行い、残るフレームでは色変換処理を行わない。
【0097】
色変換処理時分割制御範囲を設定する例として、実施形態2と同様に、例えば、2つの輝度設定閾値(第1輝度設定閾値及び第2輝度設定閾値(後述))を色変換処理部50に設定しておき、第1輝度設定閾値以上であり、且つ、第2輝度設定閾値以下である範囲を、色変換処理時分割制御範囲とすることが考えられる。なお、第1輝度設定値は、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力との合計消費電力と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力とが交わる表示輝度Aに相当する。第2輝度設定閾値は、表示輝度Aよりも大きい表示輝度Bに相当する。
【0098】
色変換処理部50は、表示装置100に対して設定される輝度設定値と第1及び第2輝度設定閾値との比較を行い、輝度設定値が第1輝度設定閾値以上であり、且つ、第2輝度設定閾値以下である場合に、色変換処理時分割制御範囲内であると判定する。
【0099】
この場合には、例えば、第1輝度設定閾値から第2輝度設定閾値までの範囲を複数の区間に分割し、各区間毎に、色変換処理を実施するフレームの比率を定めておく。このとき、図22に示すように、当該範囲の消費電力が、色変換処理を行わない場合の画像表示部30における消費電力(一点鎖線a)を超えないように各区間毎のフレーム比率を定めたルックアップテーブルを色変換処理部50に設定すればよい。
【0100】
このようにすれば、色変換処理部50は、輝度設定値に応じたフレーム比率で色変換処理を実施することができる。
【0101】
色変換処理部50は、輝度設定値が第1輝度設定閾値以上であり、且つ、第2輝度設定閾値以下である場合に、輝度設定値に応じたフレーム比率をルックアップテーブルから読み出し、当該読みだしたフレーム比率で色変換処理を実施する。
【0102】
なお、上述した例では、ルックアップテーブルを用いて、このルックアップテーブルから輝度設定値に応じたフレーム比率を読み出す例を示したが、演算式を用いて輝度設定値に応じたフレーム比率を求めるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0103】
また、各区間毎のフレーム比率を定めることに加え、複数フレームのうち、色変換処理を行うフレームと色変換処理を行わないフレームとを設定するようにしてもよい。この場合、フリッカーを抑制するために、色変換処理を行うフレームあるいは色変換処理を行わないフレームが出来るだけ不連続となるように設定するのが好ましい。
【0104】
さらに、画像表示部30における水平ライン毎、あるいは画素毎に、色変換処理のタイミングをずらすことで、フリッカーを抑制することもできる。
【0105】
以上説明したように、実施形態3によれば、画像表示部30の表示輝度範囲の全域において色変換処理を実施した場合における画像表示部30の消費電力と色変換処理部50の消費電力との合計消費電力と、色変換処理を行わない場合における画像表示部30の消費電力とが交わる表示輝度A以上の表示輝度範囲において、色変換処理を行わない場合の画像表示部30における消費電力を超えないようにする。具体的には、表示輝度Aに相当する輝度設定閾値(第1輝度設定閾値)に加え、表示輝度Aよりも大きい表示輝度Bに相当する輝度設定閾値(第2輝度設定閾値)を色変換処理部50に設定しておき、第1輝度設定閾値から第2輝度設定閾値までの範囲を複数の区間に分割し、各区間毎に、色変換処理を実施するフレームの比率を定めておく。このとき、色変換処理を行わない場合の画像表示部30における消費電力を超えないように各区間毎のフレーム比率を定めたルックアップテーブルを色変換処理部50に設定しておくことで、色変換処理部50は、輝度設定値に応じたフレーム比率をルックアップテーブルから読み出し、輝度設定値に応じたフレーム比率で色変換処理を実施することができる。これにより、表示輝度Aの前後で消費電力が不連続となることなく、画像表示部30が表示可能な表示輝度範囲の全域において、消費電力を抑制することができる。
【0106】
また、複数フレームのうち、色変換処理を行うフレームあるいは色変換処理を行わないフレームが出来るだけ不連続となるように設定する、あるいは、画像表示部30における水平ライン毎、あるいは画素毎に、色変換処理のタイミングをずらすことで、フリッカーの発生を抑制することができる。
【0107】
本実施形態により、画像表示部の消費電力を抑制するための色変換処理を行う構成において、低輝度状態においても消費電力を抑制できる表示装置、色変換方法を提供することができる。
【0108】
<適用例>
次に、図23乃至図31を参照して、実施形態1、2及び3で説明した表示装置100の適用例について説明する。以下、実施形態1、2及び3を本実施形態として説明する。図23乃至図31は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。本実施形態に係る表示装置100は、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末装置、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、或いは、車両に設けられるメータ類などのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、本実施形態に係る表示装置100は、外部から入力された映像信号或いは内部で生成した映像信号を、画像或いは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。電子機器は、表示装置100に映像信号を供給し、表示装置100の動作を制御する制御装置を備える。
【0109】
(適用例1)
図23に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置100が適用されるテレビジョン装置である。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511及びフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、本実施形態に係る表示装置100である。
【0110】
(適用例2)
図24及び図25に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置100が適用されるデジタルカメラである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523及びシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、本実施形態に係る表示装置100である。図24に示すように、このデジタルカメラは、レンズカバー525を有しており、レンズカバー525をスライドさせることで撮影レンズが現れる。デジタルカメラは、その撮影レンズから入射する光を撮像することで、デジタル写真を撮影することができる。
【0111】
(適用例3)
図26に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置100が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部531、この本体部531の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ532、撮影時のスタート/ストップスイッチ533及び表示部534を有している。そして、表示部534は、本実施形態に係る表示装置100である。
【0112】
(適用例4)
図27に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置100が適用されるノート型パーソナルコンピュータである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体541、文字等の入力操作のためのキーボード542及び画像を表示する表示部543を有しており、表示部543は、本実施形態に係る表示装置100である。
【0113】
(適用例5)
図28及び図29に示す電子機器は、表示装置100が適用される携帯電話機である。図28は携帯電話機を開いた状態での正面図である。図29は携帯電話機を折りたたんだ状態での正面図である。当該携帯電話機は、例えば、上側筐体551と下側筐体552とを連結部(ヒンジ部)553で連結したものであり、ディスプレイ554、サブディスプレイ555、ピクチャーライト556及びカメラ557を有している。当該ディスプレイ554は、表示装置100が取り付けられている。このため、当該携帯電話機のディスプレイ554は、画像を表示する機能の他に、タッチ動作を検出する機能を有していてもよい。
【0114】
(適用例6)
図30に示す電子機器は、携帯型コンピュータ、多機能な携帯電話、音声通話可能な携帯コンピュータ又は通信可能な携帯コンピュータとして動作し、いわゆるスマートフォン、タブレット端末と呼ばれることもある、情報携帯端末である。この情報携帯端末は、例えば筐体561の表面に表示部562を有している。この表示部562は、本実施形態に係る表示装置100である。
【0115】
(適用例7)
図31は、本実施形態に係るメータユニットの概略構成図である。図31に示す電子機器は、車両に搭載されるメータユニットである。図31に示すメータユニット(電子機器)570は、燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータ等、複数の上述した本実施形態に係る表示装置100を表示装置571として備えている。そして、複数の表示装置571は、ともに、一枚の外装パネル572に覆われている。
【0116】
図31に示す表示装置571それぞれは、表示手段としてのパネル573及びアナログ表示手段としてのムーブメント機構を互いに組み合わせた構成となっている。当該ムーブメント機構は、駆動手段としてのモータと、モータにより回転される指針574とを有している。そして、図31に示すように、表示装置571では、パネル573の表示面に目盛表示、警告表示等を表示することができるとともに、ムーブメント機構の指針574がパネル573の表示面側において回転することが可能となっている。
【0117】
なお、図31では、一枚の外装パネル572に複数の表示装置571を設けた構成としたが、これに限定されない。外装パネル572によって囲まれた領域に1つの表示装置571を設け、当該表示装置に燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータ等を表示させてもよい。
【0118】
なお、上述した内容により本開示が限定されるものではない。また、上述した本開示の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本開示の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更を行うことができる。
【0119】
本発明は、下記に関するものである。
【0120】
(1)複数の副画素を含む画素がマトリクス状に配置された画像表示部と、
前記画像表示部の消費電力を低減するための色変換処理を行う色変換処理部と、
を含み、
前記色変換処理部は、前記色変換処理を行った場合における前記画像表示部の消費電力と前記色変換処理部の消費電力との合計消費電力が、前記色変換処理を行わない場合における前記画像表示部の消費電力を上回る場合には、前記色変換処理を行わない、表示装置、に関する。
【0121】
(2)前記色変換処理は、前記画像表示部が表示する画像の表示輝度の上昇と共に、前記画像表示部の消費電力の低減量が増加する処理であり、
前記色変換処理部は、前記画像表示部の表示輝度範囲の全域において前記色変換処理を実施した場合における前記画像表示部の消費電力と前記色変換処理部の消費電力との合計消費電力と、前記色変換処理を行わない場合における前記画像表示部の消費電力とが交わる表示輝度に相当する第1輝度設定閾値が設定され、前記第1輝度設定閾値よりも小さい範囲を、前記色変換処理を行わない第1輝度設定範囲とし、所定の輝度設定値が前記第1輝度設定範囲内である場合に、前記色変換処理を行わない、(1)に記載の表示装置、である。
【0122】
(3)前記色変換処理部は、前記第1輝度設定閾値よりも大きい第2輝度設定閾値が設定され、前記第1輝度設定閾値以上であり、且つ、前記第2輝度設定閾値以下である範囲を第2輝度設定範囲とし、前記輝度設定値が前記第2輝度設定範囲内である場合に、前記輝度設定値に応じて、前記色変換処理による画質変化の度合いを示す色変換レベルを変更する、(2)に記載の表示装置、である。
【0123】
(4)前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、前記輝度設定値の上昇に応じて前記色変換レベルを上昇させる、(3)に記載の表示装置、である。
【0124】
(5)前記色変換処理部は、前記第1輝度設定閾値よりも大きい第2輝度設定閾値が設定され、前記第1輝度設定閾値以上であり、且つ、前記第2輝度設定閾値以下である範囲を第2輝度設定範囲とし、前記輝度設定値が前記第2輝度設定範囲内である場合に、前記輝度設定値に応じて、前記色変換処理による画質変化を許容する範囲で、時分割で前記色変換処理を行う、(2)に記載の表示装置、である。
【0125】
(6)前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、時分割で前記色変換処理を行う際に、フレーム単位で前記色変換処理を行う、(5)に記載の表示装置、である。
【0126】
(7)前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、前記画像表示部の消費電力と前記色変換処理部の消費電力との合計消費電力が、前記色変換処理を行わない場合における前記画像表示部の消費電力を超えないようなフレーム比率で、前記色変換処理を行う、(6)に記載の表示装置、である。
【0127】
(8)前記色変換処理部は、前記第2輝度設定範囲内において、前記画像表示部における水平ライン毎、あるいは前記画素毎に、前記色変換処理のタイミングをずらす、(6)又は(7)に記載の表示装置、である。
【0128】
(9)(1)乃至(8)のいずれかに記載の表示装置と、映像信号を供給し、前記表示装置の動作を制御する制御装置と、を備える電子機器、である。
【0129】
(10)複数の副画素を含む画素がマトリクス状に配置された画像表示部の駆動回路へ供給する入力信号の色変換方法であって、
前記画像表示部の消費電力を低減するための色変換処理を行った場合における前記画像表示部の消費電力と前記色変換処理による消費電力との合計消費電力が、前記色変換処理を行わない場合における前記画像表示部の消費電力を上回る場合には、前記色変換処理を行わない、色変換方法、に関する。
【符号の説明】
【0130】
10 変換処理部
20 第4副画素信号処理部
30 画像表示部(画像表示パネル)
31 画素
32 副画素
32R 第1副画素
32G 第2副画素
32B 第3副画素
32W 第4副画素
40 画像表示パネル駆動回路
41 信号出力回路
42 走査回路
43 電源回路
50 色変換処理部
100 表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
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図26
図27
図28
図29
図30
図31