【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題解決手段では、
エンジンと後部ステップとを備えた走行車体の後部に粉粒体供給装置を配備し、
前記粉粒体供給装置は、前記後部ステップの上方に位置して搬送風を生起するブロワと、搬送風により搬送される粉粒体を案内する案内部と、前記後部ステップを迂回して前記エンジンの近傍箇所と前記ブロワの吸気部とにわたる吸気ダクトとを備え、
前記吸気ダクトは、前記後部ステップの下側に配置する下側ダクト部と、前記後部ステップの上側に配置する上側ダクト部と、前記下側ダクト部から前記上側ダクト部にわたる縦向きダクト部とを備え、
前記上側ダクト部は、前記ブロワの吸気部から平面視で前記後部ステップと重複する位置を前記走行車体の前方向かつ横外側方向に延伸し、
前記縦向きダクト部が、前記上側ダクト部の前端から前記後部ステップの横外側を下方に延伸し、
前記下側ダクト部が、前記縦向きダクト部の下端から前記走行車体の前方向かつ横内側方向に延伸し、
前記縦向きダクト部に、前記吸気ダクトの下側ダクト部側と上側ダクト部側とを分離可能に接続する接続部を備えている。
【0009】
この手段によると、ブロワの組み付けやメンテナンスを行い易くするために、ブロワを後部ステップの上方に配置する構成を採用しながら、エンジン周りの高温で乾燥した外気を搬送風に使用することができ、搬送風による粉粒体の搬送を促進させることができる。
【0010】
それに加えて、吸気ダクトが後部ステップを迂回してエンジンの近傍箇所とブロワの吸気部とにわたることにより、ブロワを後部ステップの上方に配置しながらも、吸気ダクトによって後部ステップの踏面が制限されることを抑制することができる。これにより、後部ステップの踏面を利用した粉粒体供給装置への粉粒体の補充などを、吸気ダクトにより阻害されることなく快適に行うことができる。
【0011】
又、吸気ダクトの縦向きダクト部に接続部を備えることにより、後部ステップの下側に配置する吸気ダクトの下側ダクト部側と、後部ステップの上側に配置する吸気ダクトの上側ダクト部側との、接続及び接続解除が行い易くなる。その結果、吸気ダクトの組み付けやメンテナンスが行い易くなる。
【0012】
本発明の別の課題解決手段では、
エンジンと後部ステップとを備えた走行車体の後部に粉粒体供給装置を配備し、
前記粉粒体供給装置は、前記後部ステップの上方に位置して搬送風を生起するブロワと、搬送風により搬送される粉粒体を案内する案内部と、前記後部ステップを迂回して前記エンジンの近傍箇所と前記ブロワの吸気部とにわたる吸気ダクトとを備え、
前記吸気ダクトは、前記後部ステップの下側に配置する下側ダクト部と、前記後部ステップの上側に配置する上側ダクト部と、前記下側ダクト部から前記上側ダクト部にわたる縦向きダクト部とを備え、
前記上側ダクト部は、前記ブロワの吸気部から平面視で前記後部ステップと重複する位置を前記走行車体の前方向かつ横外側方向に延伸し、
前記縦向きダクト部が、前記上側ダクト部の前端から前記後部ステップの横外側を下方に延伸し、
前記下側ダクト部が、前記縦向きダクト部の下端から前記走行車体の前方向かつ横内側方向に延伸し、
前記縦向きダクト部に、前記吸気ダクトの下側ダクト部側と上側ダクト部側とを分離可能に接続する接続部を備え、
前記接続部は、前記下側ダクト部側の接続端部位に備えた上向きの内嵌部分に、前記上側ダクト部側の接続端部位に備えた下向きの外嵌部分が外嵌している。
【0013】
この手段によると、ブロワの組み付けやメンテナンスを行い易くするために、ブロワを後部ステップの上方に配置する構成を採用しながら、エンジン周りの高温で乾燥した外気を搬送風に使用することができ、搬送風による粉粒体の搬送を促進させることができる。
【0014】
それに加えて、吸気ダクトが後部ステップを迂回してエンジンの近傍箇所とブロワの吸気部とにわたることにより、ブロワを後部ステップの上方に配置しながらも、吸気ダクトによって後部ステップの踏面が制限されることを抑制することができる。これにより、後部ステップの踏面を利用した粉粒体供給装置への粉粒体の補充などを、吸気ダクトにより阻害されることなく快適に行うことができる。
【0015】
又、吸気ダクトの縦向きダクト部に接続部を備えることにより、後部ステップの下側に配置する吸気ダクトの下側ダクト部側と、後部ステップの上側に配置する吸気ダクトの上側ダクト部側との、接続及び接続解除が行い易くなる。その結果、吸気ダクトの組み付けやメンテナンスが行い易くなる。
【0016】
そして、接続部においては、下側ダクト部側の上向きの内嵌部分に、上側ダクト部側の下向きの外嵌部分が外嵌することから、吸気ダクトの下側ダクト部側と上側ダクト部側との接続部での接続を、接続用の専用部品を用いることなく、簡単かつ確実に行うことができる。又、高圧の洗浄水による洗車時に、吸気ダクトに対する接続部からの洗浄水の浸入を効果的に抑制することができる。
【0017】
本発明の別の課題解決手段では、
エンジンと後部ステップとを備えた走行車体の後部に粉粒体供給装置を配備し、
前記粉粒体供給装置は、前記後部ステップの上方に位置して搬送風を生起するブロワと、搬送風により搬送される粉粒体を案内する案内部と、前記後部ステップを迂回して前記エンジンの近傍箇所と前記ブロワの吸気部とにわたる吸気ダクトとを備え、
前記吸気ダクトは、前記後部ステップの下側に配置する下側ダクト部と、前記後部ステップの上側に配置する上側ダクト部と、前記下側ダクト部から前記上側ダクト部にわたる縦向きダクト部とを備え、
前記縦向きダクト部に、前記吸気ダクトの下側ダクト部側と上側ダクト部側とを分離可能に接続する接続部を備え、
前記ブロワを前記後部ステップの左右一端部に配備するとともに、前記縦向きダクト部を、前記ブロワと同じ左右一端部における前記後部ステップの横外側に配備し、
前記下側ダクト部は、前記縦向きダクト部から車体内側に延出する横向きダクト部分を備え、
前記横向きダクト部分に、前記横向きダクト部分の車体内側部位と車体外側部位とを分離可能に接続し、かつ、前記車体内側部位と前記車体外側部位との間への補助ダクト部の接続を可能にする長さ調節用の接続部を備え
、
前記上側ダクト部は、前記ブロワの吸気部から平面視で前記後部ステップと重複する位置を前記走行車体の前方向かつ横外側方向に延伸し、
前記縦向きダクト部が、前記上側ダクト部の前端から前記後部ステップの横外側を下方に延伸し、
前記下側ダクト部の前記横向きダクト部分が前記縦向きダクト部の下端から前記走行車体の横内側方向に延伸している。
【0018】
この手段によると、ブロワの組み付けやメンテナンスを行い易くするために、ブロワを後部ステップの上方に配置する構成を採用しながら、エンジン周りの高温で乾燥した外気を搬送風に使用することができ、搬送風による粉粒体の搬送を促進させることができる。
【0019】
それに加えて、吸気ダクトが後部ステップを迂回してエンジンの近傍箇所とブロワの吸気部とにわたることにより、ブロワを後部ステップの上方に配置しながらも、吸気ダクトによって後部ステップの踏面が制限されることを抑制することができる。これにより、後部ステップの踏面を利用した粉粒体供給装置への粉粒体の補充などを、吸気ダクトにより阻害されることなく快適に行うことができる。
【0020】
又、吸気ダクトの縦向きダクト部に接続部を備えることにより、後部ステップの下側に配置する吸気ダクトの下側ダクト部側と、後部ステップの上側に配置する吸気ダクトの上側ダクト部側との、接続及び接続解除が行い易くなる。その結果、吸気ダクトの組み付けやメンテナンスが行い易くなる。
【0021】
ところで、後部ステップは、後部ステップを利用した粉粒体供給装置への粉粒体の補充などを行い易くするために、後部ステップの横幅を水田作業機の作業幅(作業条数)に対応させている。そのため、水田作業機の作業幅に応じて後部ステップの横幅が異なるようになっている。つまり、水田作業機の作業幅に応じて、吸気ダクトにおける横向きダクト部分の長さを調節する必要がある。
【0022】
そこで、この手段では、横向きダクト部分に長さ調節用の接続部を備えて、横向きダクト部分の車体内側部位と車体外側部位との間への補助ダクト部の着脱による横向きダクト部分の長さ調節を可能にしている。これにより、作業幅(作業条数)の異なる水田作業機に対する吸気ダクトの兼用化を図ることができる。そして、吸気ダクトの兼用化により、型費の削減、及び、部品管理の容易化、などを図ることができる。
【0023】
本発明の別の課題解決手段では、
エンジンと後部ステップとを備えた走行車体の後部に粉粒体供給装置を配備し、
前記粉粒体供給装置は、前記後部ステップの上方に位置して搬送風を生起するブロワと、搬送風により搬送される粉粒体を案内する案内部と、前記後部ステップを迂回して前記エンジンの近傍箇所と前記ブロワの吸気部とにわたる吸気ダクトとを備え、
前記吸気ダクトは、前記後部ステップの下側に配置する下側ダクト部と、前記後部ステップの上側に配置する上側ダクト部と、前記下側ダクト部から前記上側ダクト部にわたる縦向きダクト部とを備え、
前記縦向きダクト部に、前記吸気ダクトの下側ダクト部側と上側ダクト部側とを分離可能に接続する接続部を備え、
前記接続部は、前記下側ダクト部側の接続端部位に備えた上向きの内嵌部分に、前記上側ダクト部側の接続端部位に備えた下向きの外嵌部分が外嵌し、
前記ブロワを前記後部ステップの左右一端部に配備するとともに、前記縦向きダクト部を、前記ブロワと同じ左右一端部における前記後部ステップの横外側に配備し、
前記下側ダクト部は、前記縦向きダクト部から車体内側に延出する横向きダクト部分を備え、
前記横向きダクト部分に、前記横向きダクト部分の車体内側部位と車体外側部位とを分離可能に接続し、かつ、前記車体内側部位と前記車体外側部位との間への補助ダクト部の接続を可能にする長さ調節用の接続部を備え
、
前記上側ダクト部は、前記ブロワの吸気部から平面視で前記後部ステップと重複する位置を前記走行車体の前方向かつ横外側方向に延伸し、
前記縦向きダクト部が、前記上側ダクト部の前端から前記後部ステップの横外側を下方に延伸し、
前記下側ダクト部の前記横向きダクト部分が前記縦向きダクト部の下端から前記走行車体の横内側方向に延伸している。
【0024】
この手段によると、ブロワの組み付けやメンテナンスを行い易くするために、ブロワを後部ステップの上方に配置する構成を採用しながら、エンジン周りの高温で乾燥した外気を搬送風に使用することができ、搬送風による粉粒体の搬送を促進させることができる。
【0025】
それに加えて、吸気ダクトが後部ステップを迂回してエンジンの近傍箇所とブロワの吸気部とにわたることにより、ブロワを後部ステップの上方に配置しながらも、吸気ダクトによって後部ステップの踏面が制限されることを抑制することができる。これにより、後部ステップの踏面を利用した粉粒体供給装置への粉粒体の補充などを、吸気ダクトにより阻害されることなく快適に行うことができる。
【0026】
又、吸気ダクトの縦向きダクト部に接続部を備えることにより、後部ステップの下側に配置する吸気ダクトの下側ダクト部側と、後部ステップの上側に配置する吸気ダクトの上側ダクト部側との、接続及び接続解除が行い易くなる。その結果、吸気ダクトの組み付けやメンテナンスが行い易くなる。
【0027】
そして、接続部においては、下側ダクト部側の上向きの内嵌部分に、上側ダクト部側の下向きの外嵌部分が外嵌することから、吸気ダクトの下側ダクト部側と上側ダクト部側との接続部での接続を、接続用の専用部品を用いることなく、簡単かつ確実に行うことができる。又、高圧の洗浄水による洗車時に、吸気ダクトに対する接続部からの洗浄水の浸入を効果的に抑制することができる。
【0028】
ところで、後部ステップは、後部ステップを利用した粉粒体供給装置への粉粒体の補充などを行い易くするために、後部ステップの横幅を水田作業機の作業幅(作業条数)に対応させている。そのため、水田作業機の作業幅に応じて後部ステップの横幅が異なるようになっている。つまり、水田作業機の作業幅に応じて、吸気ダクトにおける横向きダクト部分の長さを調節する必要がある。
【0029】
そこで、この手段では、横向きダクト部分に長さ調節用の接続部を備えて、横向きダクト部分の車体内側部位と車体外側部位との間への補助ダクト部の着脱による横向きダクト部分の長さ調節を可能にしている。これにより、作業幅(作業条数)の異なる水田作業機に対する吸気ダクトの兼用化を図ることができる。そして、吸気ダクトの兼用化により、型費の削減、及び、部品管理の容易化、などを図ることができる。
【0030】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記外嵌部分に、前記外嵌部分の端縁から前記内嵌部分に対する嵌合方向に延出する弾性変形可能な延出片を備えるとともに、前記延出片に係合孔を形成し、
前記内嵌部分に、前記外嵌部分との嵌合状態で前記係合孔に係合する突起を形成している。
【0031】
この手段によると、吸気ダクトの縦向きダクト部に備えた接続部の内嵌部分と外嵌部分とを、適正な嵌合長さで簡単かつ確実に嵌合させることができる。
【0032】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記後部ステップの左右両端に隣接配備する左右の手摺部材を前記走行車体の車体フレームから延出し、
前記手摺部材に、前記ブロワを備える粉粒体繰出ユニットと前記吸気ダクトとを取り付けている。
【0033】
この手段によると、粉粒体繰出ユニットと吸気ダクトとを同じ手摺部材に取り付けることにより、その取り付け後に接続する粉粒体繰出ユニットのブロワと吸気ダクトとの位置合わせが行い易くなる。その結果、粉粒体繰出ユニットのブロワと吸気ダクトとの接続が行い易くなる。
【0034】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記吸気部は、前記吸気ダクトのブロワ側端部に内嵌する内嵌部分を備えるとともに、前記ブロワ側端部に外嵌するゴム製の嵌合部材を外嵌装備し、
前記嵌合部材の内周面に、前記嵌合部材の周方向に沿う無端の係合溝を形成し、
前記ブロワ側端部に、前記嵌合部材との嵌合状態で前記係合溝に係合する無端の突条を形成している。
【0035】
この手段によると、ゴム製の嵌合部材により、ブロワの吸気部と吸気ダクトのブロワ側端部との間でのシール性を高めることができる。又、吸気ダクトのブロワ側端部と嵌合部材との嵌合状態では、ブロワ側端部の突条と嵌合部材の係合溝とが係合することにより、ブロワの吸気部と吸気ダクトのブロワ側端部との間でのシール性を更に高めることができる。これにより、ブロワの吸気部と吸気ダクトのブロワ側端部との間からのエア漏れをより確実に防止することができる。
【0036】
そして、シール部材として機能するゴム製の嵌合部材を、吸気部の内嵌部分に外嵌する吸気ダクトのブロワ側端部に外嵌することにより、吸気部の内嵌部分と吸気ダクトのブロワ側端部との間にシール部材を介装する場合に比較して、嵌合部材(シール部材)の組み付け確認を容易に行うことができ、嵌合部材(シール部材)の組み付け忘れをより確実に防止することができる。