(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、農業管理システムの全体図を示している。
農業管理システム(農業支援システム)は、農作物の作付けから農作物の収穫までを管理する生産管理システムと、収穫後の農作物を管理する作物管理システムとから構成されている。
【0013】
まず、生産管理システムの概略について説明する。以下、説明の便宜上、農作物は、稲、麦などの穀物であるとして説明を進める。当然の如く、農作物は、稲、麦に限定されない。
生産管理システムは、穀物の作付けから穀物の収穫にわたる様々な情報(生産情報という)を管理するシステムである。生産情報は、農作物(穀物)を生産する生産者に関する情報(生産者情報)と、農作業に関する情報(作業情報という)と、農作物(穀物)に関する情報(作物情報という)とに大別される。
【0014】
生産者情報は、生産者を特定するための情報であって、例えば、生産者の氏名、生産者の住所、居所、生産者が作付可能な圃場数及び圃場の位置等である。作業情報は、農作業を行った実績(農業実績)を含む情報である。例えば、農作業が耕耘である場合には、耕耘の場所、耕耘日等が作業情報となる。また、農作業が施肥である場合には、施肥の場所、施肥日、肥料名、施肥量等が作業情報となる。また、農作業が農薬散布である場合には、農薬散布の場所、農薬散布日、農薬名、農薬散布量等が作業情報となる。農作業が収穫である場合には、収穫の場所、収穫量等が作業情報となる。
【0015】
なお、作業情報(農業実績)は、農作業を行った作業者に関する情報(作業者名、作業にあたった人数等)、農作業を行った機械に関する情報(農業機械の分類、機種、機械識別情報等)を含んでもよい。なお、作業情報は、様々な農作業の実績を含んでいれば、上述した内容に限定されない。
作物情報は、穀物の特性等を含む情報であって、例えば、穀物の品種、穀物の特性(収穫時の水分量、収穫時のタンパク量)、収穫量である。なお、穀物の特性(収穫時の水分量、収穫時のタンパク量)や収穫量は、農業実績として扱ってもよい。また、作物情報は、農作物(穀物)を表す情報であれば、上述した内容に限定されない。
【0016】
図1に示すように、生産管理システムは、データ収集装置2を有している。データ収集装置2は、上述した生産者情報、作業情報、作物情報等を収集可能な装置である。このデータ収集装置2は、トラクタ、田植機、コンバインなどの農業機械に搭載されている。このデータ収集装置2は、農業機械に搭載された車載ネットワーク等を通じて当該農業機械に搭載された様々な機器と通信可能である。このデータ収集装置2は、農業機械を作動した際の様々なデータを収集(取得)する。言い換えれば、データ収集装置2は、農作業を行った農業機械において、当該農業機械の農業実績を含む作業情報を収集する。
【0017】
以下、トラクタ及びコンバインを例にとり、データ収集装置2による農業実績の収集について説明する。なお、説明の便宜上、トラクタに搭載されたデータ収集装置2のことを第1データ収集装置2Aといい、コンバインに搭載されたデータ収集装置2のことを第2データ収集装置2Bという。
まず、トラクタの構成について説明する。
【0018】
図1及び
図2に示すように、トラクタ10は、走行車両(走行車体)11と、エンジン12と、変速装置13と、運転席14と、制御装置15とを備えている。また、走行車両11の後部には、様々な作業装置が着脱自在に連結可能である。詳しくは、走行車両11の後部には、3点リンク機構16が昇降可能に設けられると共に、エンジン12からの動力を伝達するPTO軸が設けられている。3点リンク機構16には、作業装置17として、例えば、肥料散布装置、耕耘装置、農薬散布装置、播種散布装置、収穫装置が装着可能である。なお、
図2は、肥料散布装置を3点リンク機構16に取り付けた例を示している。
【0019】
制御装置15は、トラクタ10の走行系制御や作業系制御等を行う装置である。制御装置15は、例えば、走行系制御として、エンジン12の動作を制御する。また、制御装置15は、作業系制御として、運転席14の周囲に設けられた操作レバーや操作スイッチなどの操作具からの入力を受けると、入力値に従って3点リンク機構16の昇降、PTO軸の出力(回転数)などの動作を制御する。なお、制御装置15による走行系制御や作業系制御は、上述した内容に限定されない。
【0020】
走行系制御及び作業系制御を行う際の制御信号、トラクタ10に搭載された様々な機器が検出した検出信号は、車載ネットワークに出力される。
データ収集装置2(第1データ収集装置2A)は、車載ネットワーク等を介して制御装置15に接続されている。この第1データ収集装置2Aは、トラクタ10等が動作した場合、車載ネットワークに出力された制御信号や検出信号を取得する。
【0021】
例えば、トラクタ10の後部に連結したロータリ耕耘装置を作動させた場合(耕耘を行った場合)は、第1データ収集装置2Aは、ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深などのデータを車載ネットワークを通じて取得する。即ち、第1データ収集装置2Aは、農作業として耕耘を行った場合での農業実績であるロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深を取得する。
【0022】
また、トラクタ10の後部に連結した施肥装置を作動させた場合(施肥を行った場合)は、車速、エンジン回転数、施肥量などのデータを、車載ネットワークを通じて取得する。即ち、第1データ収集装置2Aは、農作業として施肥を行った場合での農業実績である車速、エンジン回転数、施肥量を取得する。
或いは、トラクタ10の後部に連結した農薬散布装置を作動させた場合(農薬散布を行った場合)は、車速、エンジン回転数、農薬散布量などのデータを、車載ネットワークを通じて取得する。即ち、第1データ収集装置2Aは、農作業として農薬散布を行った場合での農業実績である車速、エンジン回転数、農薬散布量を取得する。
【0023】
つまり、農業機械がトラクタ10である場合、第1データ収集装置2Aは、トラクタ10に連結した装置で行った農作業の農業実績を収集する。
次に、コンバインの構成について説明する。
図3に示すように、コンバイン20は、機体21と、走行装置22と、運転席14と、エンジン12と、グレンタンク24と、刈取装置25と、測定装置26と、制御装置27と、脱穀装置(図示省略)とを有している。走行装置22は機体の下部に設けられている。運転席14、エンジン12、脱穀装置及びグレンタンク24は機体21に設けられている。刈取装置25は、機体21の前部に設けられている。刈取装置25は、穀物を刈り取る装置である。脱穀装置は、刈り取った穀物を脱穀する装置である。グレンタンク24は、脱穀された穀物を貯留するタンクである。制御装置27は、エンジン12を制御したり、脱穀装置を制御したり、刈取装置25を制御する装置である。
【0024】
測定装置26は、穀物の水分量、タンパク量、収穫量などを測定する装置である。具体的には、測定装置26は、穀物に含まれる水分量を測定する水分測定部26Aと、穀物のタンパク量を計測する食味測定部26Bと、穀物の収穫量を測定する収穫量測定部26Cとを有している。水分測定部26A及び食味測定部26Bは、グレンタンク24の内部、又は、グレンタンク24の周囲に設けられている。収穫量測定部26Cは、グレンタンク24の下部に設けられている。
【0025】
食味測定部26Bは、グレンタンク24に入る穀物に対して近赤外光を照射して、透過光の分光分析に基づいて吸収スペクトルを解析し、その解析結果により、穀物に含まれるタンパク質等の成分量(タンパク質含有率)、即ち、タンパク量を求める。水分測定部26Aは、穀物の誘電率を用いて当該穀物の水分量を測定したり、或いは、穀物の電気抵抗を用いて当該穀物の水分量(水分含有率)を測定するセンサで構成されている。収穫量測定部26Cは、グレンタンク24の重量を測定して当該グレンタンク24の重量を収穫量に換算するロードセル等で構成されている。食味測定部26B、水分測定部26A及び収穫量測定部26Cは上述したものに限定されない。
【0026】
データ収集装置2(第2データ収集装置2B)は、制御装置27、或いは、測定装置26(水分測定部26A、食味測定部26B)に接続されていて、穀物の収穫量、収穫時の水分量、収穫時のタンパク量を収集する。
このように、農業機械がコンバイン20である場合、第2データ収集装置2Bは、農業実績として収穫量を収集したり、作物情報として、収穫時の水分量及び収穫時のタンパク量を収集する。なお、上述したように、収穫時の水分量及び収穫時のタンパク量も農業実績として取り扱ってもよい。
【0027】
以上、データ収集装置2によれば、トラクタ10に連結した装置で行った農作業の農業実績やコンバイン20で行った農作業の農業実績を収集することができる。なお、上述し
た農業実績は一例であって、農業実績は上述した内容に限定されない。
データ収集装置2(第1データ収集装置2A、第2データ収集装置2B)は、第1記憶部30と、第1通信部31とを備えている。第1記憶部30は、農業実績を含むデータを一次記憶する。第1通信部31は、近距離、或いは、長距離の通信を行う装置で構成され、外部の機器(コンピュータ)と接続可能である。例えば、第1通信部31は、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)等により無線通信を行う装置である。なお、第1通信部31は、携帯電話通信網により無線通信を行う装置であっても、データ通信網により無線通信を行う装置であってもよい。
【0028】
生産管理システムは、生産情報(作業情報、作物情報)を管理するための複数のコンピュータ(支援装置)を備えている。コンピュータ(支援装置)33は、作業者用コンピュータ33Aと、管理者用コンピュータ33Bと、生産管理コンピュータ33Cである。
作業者用コンピュータ33Aは、農作業を行う農作業者が操作可能なものであって、農作業者に割り当てられて農作業者が所持する通信端末(携帯端末)である。管理者用コンピュータ33Bは、農作業者を管理する管理者は操作可能なものであって、管理者に割り当てられたパーソナルコンピュータ(PC)等である。生産管理コンピュータ33Cは、作業者用コンピュータ33A及び管理者用コンピュータ33Bが接続可能なものであって、サーバである。
【0029】
通信端末(携帯端末)33Aは、例えば、比較的演算能力の高いスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレットPC等で構成されている。通信端末33Aは、第2通信部35と、第2記憶部36、表示部39とを備えている。
第2通信部35は、データ収集装置2や生産管理コンピュータ33Cと無線通信を行う通信装置で構成されている。第2通信部35は、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)等により無線通信を行う装置である。また、第2通信部35は、例えば、携帯電話通信網やデータ通信網や携帯電話通信網などにより無線通信を行う装置である。
【0030】
したがって、データ収集装置2の第1通信部31と、通信端末33Aの第2通信部35とを接続すれば、当該通信端末33Aは、データ収集装置2で収集した農業実績等のデータ、即ち、生産情報(作業情報、作物情報)を含むデータを通信端末33Aが取得することができる。
なお、通信端末33Aは、生産情報(作業情報、作物情報)を取得する場合に、生産情報の発信元となる機械識別情報を、生産情報に対応付けて取得する。例えば、通信端末33Aは、トラクタ10や作業装置17を識別するための機械識別情報、或いは、コンバイン20を識別するための機械識別情報を、生産情報と共にデータ収集装置2から取得する。
【0031】
したがって、機械識別情報を用いて、生産情報を抽出することが可能である。
また、通信端末33Aの第2通信部35と生産管理コンピュータ33Cとを接続すれば、農業実績を含むデータ、即ち、生産情報(作業情報、作物情報)を生産管理コンピュータ33Cに送信することができる。加えて、生産管理コンピュータ33Cから通信端末33Aに向けて様々なデータを送信することができる。
【0032】
なお、通信端末33Aは、位置検出部37を有していてもよい。位置検出部37は、測位衛星(例えば、GPS衛星)から送信された信号(GPS衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、受信した信号に基づいて自分の位置(例えば、緯度、経度)を検出する装置である。例えば、農作業者がトラクタ10に乗車して農作業を行えば、農作業時の農作業者の位置、即ち、農作業時の場所を検出することができる。
【0033】
より詳しくは、例えば、トラクタ10で耕耘した場合は、耕耘した場所(圃場位置)、コンバイン20で収穫した場合は、収穫した場所(圃場位置)を検出することができる。上述した位置検出部37を、トラクタ10やコンバイン20等の農業機械に設けてもよい。
第2記憶部36は、データ収集装置2から送信されたデータ(作業情報、作物情報、機械識別情報等)を記憶したり、生産管理コンピュータ33Cから送信されたデータを記憶
する。
【0034】
次に、生産管理コンピュータ33Cについて詳しく説明する。
生産管理コンピュータ33Cには、生産者情報が登録可能である。例えば、生産管理コンピュータ33Cに、通信端末33A、或いは、管理者用コンピュータ33Bがログインすると、当該生産管理コンピュータ33Cは、
図34に示すように、生産者情報を登録するための画面(登録画面)Q3を、ログインした通信端末33Aや管理者用コンピュータ33Bに表示させる。登録画面Q3では、例えば、生産者の氏名、生産者の住所、居所、生産者が作付可能な圃場名、圃場面積及び圃場の位置、圃場数等が入力可能である。登録画面Q3の生産者情報の入力が完了すると、生産管理コンピュータ33Cは、生産者情報を管理するための登録特定情報(登録コード等)を発行して、ログインした通信端末33Aや管理者用コンピュータ33Bに送信する。また、登録画面Q3に入力された生産者情報及び登録特定情報は、生産管理コンピュータ33Cに設けられた管理情報記憶部47に記憶される。
【0035】
生産管理コンピュータ33Cは、作付計画の設定を行う作付計画設定部40と、作付計画を記憶する作付計画記憶部41を有している。作付計画設定部40は、生産管理コンピュータ33Cに格納されたプログラム等から構成されている。作付計画とは、作付けする農作物(品種、銘柄等)、作付けする圃場数、作業予定期間、播種予定期間、移植予定期間、生育予定期間等を設定する計画である。
【0036】
管理者用コンピュータ33Bが生産管理コンピュータ33Cにログインをして、当該管理者用コンピュータ33Bから作付計画作成の要求があると、この要求に応じて作付計画設定部40は、作付計画を立てるための画面、即ち、作付けする農作物や作付けする圃場等を入力するための作付計画画面を管理者用コンピュータ33Bに表示する。また、作付計画設定部40は、作付計画画面に作付けする農作物や作付けする圃場等が入力されると、入力された農作物や圃場を作付計画として、作付計画記憶部41に記憶させる。なお、作付計画と生産者情報とは関連付けられることが好ましく、例えば、作付計画記憶部41には、生産者情報を特定するための登録特定情報が作付計画と関連付けられて記憶される。
【0037】
したがって、管理者用コンピュータ33Bを生産管理コンピュータ33Cに接続することにより、作付けする農作物と圃場とを関連付けた作付計画を生産者に対応付けて簡単に作成することができ、作成した作付計画を作付計画記憶部41に記憶することができる。
また、生産管理コンピュータ33Cは、作業計画を作成する作業計画作成部42と、作業計画を記憶する作業計画記憶部43とを有している。作業計画作成部42は、生産管理コンピュータ33Cに格納されたプログラム等から構成されている。作業計画は、所定の場所(圃場)と、農作業と、農作業を行う時間(作業時間)と、農作業を行う農作業者と、農作業の詳細等を設定する計画である。なお、作業計画に農作物名(農作物の種類)などが含まれていてもよい。
【0038】
農作業とは、例えば、床土作り、畦塗り、耕耘、播種、田植え、代掻き、溝切り、除草、追肥、収穫等である。農作業の詳細とは、農作業が施肥である場合には、肥料名、施肥量であり、農作業が農薬散布である場合には、農薬名、農薬散布量である。農作業を行うために使用する機械に関する情報を、農作業の詳細としてもよい。
管理者用コンピュータ33Bが生産管理コンピュータ33Cにログインをして、当該管理者用コンピュータ33Bから作業計画作成の要求があると、この要求に応じて作業計画作成部42は、作業計画を立てるための作業計画設定画面を管理者用コンピュータ33Bに表示する。作業計画作成部42は、例えば、農作物名、圃場、農作業、作業時間、農作業者及び農作業の詳細等を入力する作業計画設定画面を表示する。また、作業計画作成部42は、作業計画設定画面に入力された事項(農作物名、圃場、農作業、作業時間、農作業者、農作業の詳細)を、作業計画として、作業計画記憶部43に記憶させる。なお、作業計画は、作付計画に関連付けられて設定されるのが望ましく、作業計画設定画面では、作付計画を特定する特定情報(例えば、作付計画の名称)を入力する入力部があり、当該入力部に作付計画の名称等を入力することで作付計画と作業計画とを関連付けることがで
きる。
【0039】
また、作業計画と生産者情報とは関連付けられることが好ましく、例えば、作業計画記憶部43には、生産者情報を特定するための登録特定情報が作業計画と関連付けられて記憶される。作付計画と作業計画とを関連付ける場合は、既に作業計画と登録特定情報との関連付けを省略することが可能である。
したがって、管理者用コンピュータ33Bを生産管理コンピュータ33Cに接続することにより、生産者に対応付けて作業計画を簡単に作成することができ、作成した作業計画を作業計画記憶部43に記憶することができる。
【0040】
また、生産管理コンピュータ33Cは、作業指示部44を備えている。作業指示部44は、生産管理コンピュータ33Cに格納されたプログラム等から構成されている。作業指示部44は、支援装置(通信端末33A)に、作業計画を送信するものである。
農作業者に割り当てられた通信端末33Aが生産管理コンピュータ33Cにログインをして、当該通信端末33Aから作業計画の送信の要求があると、この要求に応じて作業指示部44は、通信端末33Aに割り当てられた作業者が含まれる作業計画を作業計画記憶部43から抽出して、当該作業計画を通信端末33Aに送信する。
【0041】
以上、生産管理システムによれば、管理者用コンピュータ33Bによって作付計画を作成することができると共に、作付計画を生産管理コンピュータ33Cに保存することができる。また、管理者用コンピュータ33Bによって作業計画を作成することができると共に、作業計画を農作業者に割り当てられた通信端末33Aに送信することができる。農作業者は、送信された作業計画を見ながら農作業を行うことができる。また、通信端末33Aからは、農業実績を含む作業情報や作物情報、即ち、生産情報を生産管理コンピュータ33Cに送信することができる。
【0042】
次に、通信端末33Aから生産管理コンピュータ33Cへの生産情報の送信について、詳しく説明する。
図4に示すように、通信端末33Aの表示部39は、メイン画面(第1画面)Q1が表示可能である。このメイン画面Q1には、通知ボタン50と、収集ボタン51とが表示される。通知ボタン50及び収集ボタン51は選択可能である。
【0043】
通知ボタン50を選択すると、通信端末33Aと生産管理コンピュータ33Cとの間でログイン処理が実行される。ログイン後、通信端末33Aは生産管理コンピュータ33Cに作業計画の送信の要求を行う。生産管理コンピュータ33Cは、通信端末33Aに対応する作業計画を当該通信端末33Aに送信する。生産管理コンピュータ33Cは、通信端末33Aに、例えば、作物名、耕耘の場所、耕耘日、施肥の場所、施肥日、肥料名、施肥量、農薬散布の場所、農薬散布日、農薬名、農薬散布量、収穫の場所、作業者名、農業機械等を含む作業計画を送信する。
【0044】
収集ボタン51を選択すると、通信端末33Aは、データ収集装置2(第1データ収集装置2A、第2データ収集装置2B)に接続し、データ収集装置2で収集した農業実績を含む作業情報等を取得する。通信端末33Aは、取得した作業情報等を生産管理コンピュータ33Cに送信する。通信端末33Aは、例えば、ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深、施肥量、農薬散布量、収穫量、収穫時の水分量、収穫時のタンパク量等を生産管理コンピュータ33Cに送信する。
【0045】
なお、通知ボタン50と収集ボタン51とが別々になっているが、これら通知ボタン50と収集ボタン51とを兼用化してもよい。通知ボタン50を選択した場合に、通信端末33Aが作業情報等もデータ収集装置2から取得してもよい。
さて、生産管理コンピュータ33Cから送信された作業計画は、
図5に示すように、通信端末33Aの作業計画画面Q2に表示される。また、通信端末33Aには、作業計画の他に、農作業の完了を示す完了ボタン52が表示可能である。完了ボタン52を選択すると、通信端末33Aは、作業計画画面Q2に示された作業計画を農業実績に変換する。具体的には、通信端末33Aは、完了ボタン52を選択した際、作業計画に示された項目のうち、データ収集装置2で得ることができない項目を農業実績として変換する。例えば、作業計画が「作物名、耕耘の場所、耕耘日、施肥の場所、施肥日、肥料名、施肥量、農薬
散布の場所、農薬散布日、農薬名、農薬散布量、収穫の場所、作業者名、農業機械」である場合、施肥量、農薬散布量、収穫量を除く項目が農業実績に変換される。なお、作業計画を農業実績に変換する際に、所定の項目は、通信端末33Aの操作によって修正可能である。通信端末33Aは、変換後の農業実績を作付計画に対応付けて生産管理コンピュータ33Cに送信する。
【0046】
つまり、通信端末33Aは、作業情報(耕耘の場所、耕耘日、施肥の場所、施肥日、肥料名、施肥量、農薬散布の場所、農薬散布日、農薬名、農薬散布量、収穫の場所、作業者名、農業機械)及び当該作業情報に対応する作付計画(作付計画を特定するための情報)を生産管理コンピュータ33Cに送信する。また、通信端末33Aは、作物情報(作物名、収穫量、収穫時の水分量、収穫時のタンパク量)を生産管理コンピュータ33Cに送信する。通信端末33Aから送信された農業実績を含む作業情報や作物情報は、生産管理コンピュータ33Cに設けられた管理情報記憶部47に記憶される。
【0047】
なお、通信端末33Aが生産管理コンピュータ33Cから受信した作業計画を農業実績に変換する場合であって、受信した作業計画通りに農作業を行った場合は、変更が無いことを示す信号を通信端末33Aが生産管理コンピュータ33Cに送信することで、生産管理コンピュータ33Cに記憶されている作業計画を農業実績に変換してもよい。この場合も自動的に農業実績と作付計画とが対応づけられる。
【0048】
さて、穀物を収穫した場合、
図6に示すように、コンバイン20で収穫した穀物は運搬車53であるトラックの第1収容部材55に入れる作業を行う。第1収容部材55に入れられた穀物は、トラック53によってライスセンター等の穀物処理設備60に運ばれる。なお、第1収容部材55は、コンテナ等である。
生産管理システムでは、どの程度の水分量やタンパク量を含む穀物が、どの第1収容部材55に入っているかを設定することが可能である。即ち、作物管理システムでは、作物情報(作物名、収穫量、収穫時の水分量、収穫時のタンパク量)と、第1収容部材55とを対応付けることが可能である。
【0049】
次に、作物情報と第1収容部材との対応付けについて説明する。
作物情報と第1収容部材55との対応付けは、通信端末33A等を用いて行う。この通信端末33Aは、識別取得部57と、対応付け部58とを備えている。
図7に示すように、通信端末33Aの表示部39は、コンバイン20等の農業機械を選択する機械選択画面Q5を表示可能である。この機械選択画面Q5には、所有するコンバイン20に対応するコンバイン名の一覧が表示される。機械選択画面Q5にて、所定のコンバイン名(収穫機)が選択されると、通信端末33Aは、選択されたコンバイン名に対応する機械識別情報を保持する。
【0050】
識別取得部57は、第1収容部材55を識別するための識別情報(収容識別情報という)を取得する。収容識別情報は、ユニークな番号等で構成されている。この収容識別情報は、第1収容部材55に貼り付けられたQRコード(登録商標)に付されている。識別取得部57は、カメラ等で構成され、QRコード(登録商標)を画像により読み込むことにより、収容識別情報を保持する。対応付け部58は、機械選択画面Q5にて選択されたコンバイン名(収穫機)に対応する機械識別情報と、識別取得部57によって取得した第1収容部材55を示す収容識別情報とを対応付ける。
【0051】
なお、対応付け部58は、機械識別情報と収容識別情報とを対応付ける場合に、管理をするために割り当てられた荷受情報も対応付ける。荷受情報はIDコード等であって、ユニークな番号等で構成される。説明の便宜上、荷受情報として用いられるIDコードのことを荷受IDという。
したがって、
図8に示すように、穀物を収穫したコンバイン20、即ち、コンバイン20を識別する機械識別情報と、当該コンバイン20が収穫した穀物を入れた第1収容部材55、即ち、収容識別情報とを関連付けることができる。所定のコンバイン20と所定の第1収容部材55との関係は、荷受IDにより抽出することができる。
【0052】
また、通信端末33Aは、所定の第1収容部材55と、当該第1収容部材55に収容された穀物の水分量及びタンパク量とを対応付けることが可能である。この対応付けは、様
々な情報を用いて行う。説明の便宜上、機械選択画面Q5で選択したコンバイン20のことを選択コンバイン、選択コンバインを示す機械識別情報のことを選択識別情報、選択コンバインに対応付けられた所定の第1収容部材55のことを決定収容部材、決定収容部材を示す収容識別情報のことを決定識別情報という。
【0053】
対応付け部58は、通信端末33Aの第2記憶部36を参照し、選択コンバインが収穫した穀物における作物情報が存在するか否かを判断する。例えば、第2記憶部36に選択コンバインを示す選択識別情報に対応する作物情報が存在する場合、選択コンバインが収穫した穀物における作物情報が存在すると判断する。ここで、作物情報が存在する場合、対応付け部58は、作業計画から変換された農業実績に示された項目(圃場、収穫日、作業時間、作業者、機械に関する情報等)や予め通信端末33Aが有する時間情報(年、月、日、時、分等)を用いて、決定収容部材に収容した穀物における作物情報(収穫時の水分量、収穫時のタンパク量)を抽出する。対応付け部58は、例えば、第2記憶部36において、機械選択画面Q5でコンバイン20や第1収容部材55を選択した日と同じ収穫日を有する農業実績を抽出し、抽出した農業実績に対応する水分量及びタンパク量を、決定収容部材に収容された穀物が有するものとする。つまり、対応付け部58は、抽出した作物情報である収穫時の水分量及び収穫時のタンパク量と、決定収容部材を示す収容識別情報とを対応付ける。
【0054】
上述した実施形態では、通信端末33Aの第2記憶部36を参照することにより、決定収容部材(収容識別情報)と作物情報とを対応付けたが、生産管理コンピュータ33Cの管理情報記憶部47を参照することにより、収容識別情報と作物情報とを対応付けても良い。
例えば、対応付け部58は、作業計画から変換された農業実績に示された項目(圃場、収穫日、作業時間、作業者、機械に関する情報等)及び選択識別情報を検索キーとして、生産管理コンピュータ33Cに送信する。そして、対応付け部58は、検索キーを用いて管理情報記憶部47の中から選択コンバインで収穫した作物情報を抽出する。そして、対応付け部58は、管理情報記憶部47から抽出した作物情報と決定収容部材(収容識別情報)とを対応付ける。
【0055】
したがって、
図9に示すように、第2記憶部36を検索したり、管理情報記憶部47を検索することにより、収容識別情報と作物情報(収穫量、収穫時の水分量、収穫時のタンパク量)とを対応付けることができる。対応付けられた作物情報と収容識別情報とは、荷受情報と共に、生産管理コンピュータ33Cに設けられた収穫情報記憶部48に記憶される。
【0056】
なお、作物情報と所定の第1収容部材55との対応付けに加え、作業情報(農業実績)も対応付けてもよい。例えば、通信端末33Aを生産管理コンピュータ33Cに接続して、作物情報に対応する農業実績(例えば、収穫した圃場、作業者名等)を管理情報記憶部47から抽出し、
図10に示すように、抽出した農業実績、作物情報、収容識別情報及び荷受IDを対応付けて、収穫情報記憶部48に記憶してもよい。また、収容識別情報と作物情報との対応付けは、上述した方法に限定されない。
【0057】
以上、生産管理システムによれば、例えば、農作物の作付計画、農作業の作業計画、農作業の実績(作業情報)、農作物の収穫に関する情報(作物情報)等を一括管理することができる。
次に、作物管理システムについて説明する。作物管理システムでは、主に、収穫後の農作物(穀物)を管理するシステムである。具体的には、作物管理システムは、収穫後の農作物(穀物)に対して処理を行う穀物処理設備60を管理するシステムである。
【0058】
まず、穀物処理設備60について説明する。
図11に示すように、穀物処理設備60は、複数の処理機61を備えている。処理機61は、例えば、乾燥機61A、放冷タンク61B、籾摺機61C、色選機61D、計量器61E等である。なお、処理機は、上述したものに限定されない。
図12〜14に示すように、乾燥機61Aは、穀物を乾燥する装置である。乾燥機61Aは、投入部62と、貯留部63と、乾燥部64と、循環部65と、測定装置66とを備
えている。
【0059】
投入部62は、乾燥する穀物を投入する投入口62Aを有していて、ホッパー等で構成されている。貯留部63及び乾燥部64は、箱型に形成された第1本体67に設けられている。貯留部63は、乾燥する穀物を貯留する部屋であって、第1本体67の上部に設けられている。乾燥部64は、穀物を熱等によって乾燥する装置であって、貯留部63の下方の第1本体67内に設けられている。貯留部63と乾燥部64とは連通していて、貯留部63で貯留した穀物が乾燥部64へ流れるようになっている。
【0060】
循環部65は、穀物を循環させる装置であって、乾燥部64で乾燥した穀物を貯留部63に送ったり、投入部62に投入された穀物を貯留部63に送る装置である。この循環部65は、乾燥後の穀物を横送りする横送り機構65Aと、横送り機構65Aで送られた穀物を上方へ送る縦送り機構65Bとを有している。まず、縦送り機構65Bから説明する。
【0061】
縦送り機構65Bは、第1本体67の側方に設けられ且つ上下に長い箱型の第2本体70と、第2本体70の内部に設けられ且つ穀物を上方に運搬する運搬部71と備えている。
第2本体70は、底壁70Aと、この底壁70Aの周縁から立ち上がる周壁70Bとを有している。周壁70Bの下部には、横送り機構65Aで送られた穀物を受け入れる受入口70Cが形成されている。
【0062】
運搬部71は、第2本体の上部及び下部に配置され且つ回転可能なスプロケット71Aと、上下のスプロケット71Aに掛けられたベルト71Bと、ベルト71Bに設けられたバケット71Cとを有している。縦送り機構65Bによれば、図示省略の駆動モータ等によってスプロケット71Aを回転させてベルト71Bを動かすことにより、第2本体70の下部の穀物をバケットC71で掬って、第2本体70の上部に運搬することができる。第2本体70の上部に運搬された穀物は、第2本体70の上部と第1本体67とを繋ぐ連通部72を通って、貯留部63に運搬される。
【0063】
横送り機構65Aは、第1本体67の下部であって、乾燥部64の下方に設けられている。横送り機構65Aは、穀物を横送り可能なスクリュ73と、スクリュ73で横送りされた穀物を縦送り機構65Bに流す流通路74とを有している。具体的には、第1本体67の下部であって、一方側(
図12の左側)から他方側(
図12の右側)にかけて、乾燥部65で乾燥した穀物が入る移送室75が形成され、当該移送室75に沿ってスクリュ73が設けられている。スクリュ73は移送室75内で回転自在に支持されていて、駆動モータ等の駆動力によって回転することによって移送室75内の穀物を流通路74に向けて送ることが可能である。
【0064】
流通路74は、第1本体67の下部と第2本体70とを繋ぐものである。具体的には、流通路74は、移送室75と第2本体70の周壁70Bの下部とを繋ぐ通路であって、底壁74Aと、一対の縦壁74Bと、上壁74Cと、第1連結壁74D及び第2連結壁74Eとで構成されている。
底壁74Aは、移送室75から第2本体70へ向けて延びる板材で形成され、底壁74Aの端部は受入口70Cに接続されている。一対の縦壁74Bは、底壁74Aから立ち上がる板材で形成され、上壁74Cは、縦壁74Bの上端を連結する板材で形成されている。
【0065】
第1連結壁74Dは、底壁74Aの端部(
図12の右端部)、一対の縦壁74Bの端部及び上壁74Cの端部(
図12の右端部)を連結する板材で形成されている。第2連結壁74Eは、底壁74Aの中途部と、一対の縦壁74Bのうち第2本体70に対向する縦壁74Bとを連結する板材で形成されている。なお、流通路74は、上述した構成に限定されず、底壁74A及び一対の縦壁74Bで構成されていてもよいし、その他の壁によって構成されていてもよい。
【0066】
底壁74Aの内面(搬送面)において、第1連結壁74Dと第2連結壁74Eとの間の搬送面は、当該第2本体70の周壁70Bに近づくにしたがって下方に移行する傾斜状となっている。言い換えると、底壁74Aの搬送面において、第2本体70と幅方向に重な
る部分は、周壁70Bに近づくにしたがって下方に移行する傾斜状となっている。
つまり、流通路74は、第2本体70に近づくにしたがって下方に移行する傾斜面74Fを有している。傾斜面74Fの端部は、受入口70Cに接続されている。傾斜面74Fの幅は、第2本体70の下部の幅と略同じに設定されている。したがって、流通路74を流れる穀物が傾斜面74Fに達すると、当該穀物74は傾斜面74Fを滑りながら第2本体70の下方に落下する。それゆえ、傾斜面74Fにおいては、穀物は一様に広がり易く、穀物の運搬時における穀物層の厚みは、傾斜面74Fでは薄くなり易い箇所である。
【0067】
測定装置66は、穀物の特性を測定する装置であって、近赤外水分計で構成されている。近赤外水分計は、赤外線を穀物に照射することで穀物の特性の1つである水分(水分量)を測定する装置である。近赤外水分計では、穀物の水分量を数十秒間隔で測定することが可能である。また、近赤外水分計で測定する水分量は、質量に対する割合(水分含有量%)である。
【0068】
このような測定装置66は、循環部65に設けられ、少なくとも乾燥部64で乾燥した穀物(乾燥後の穀物)の水分量を測定する。具体的には、測定装置66は、乾燥後の穀物を横送りする横送り機構65Aに設けられている。横送り機構65Aに測定装置66を設けることによって、乾燥後に横に送り出される穀物の水分量を正確に測定する。
詳しくは、測定装置66は、横送り機構65Aの流通路74内であって、底壁74Aに設けられている。底壁74Aの傾斜面74Fには、窓74Gが形成され、傾斜面74Fの一部を構成する窓74Gの外側に測定装置66が装着されている。測定装置66の光軸(赤外線を照射する光軸)は、窓74Gに向けられていて、当該測定装置66によって傾斜面74F(窓74G)を流れる穀物の水分量を測定する。これによれば、一様に広がりながら傾斜面74Fを流れる穀物の水分量を測定装置66によって測定することができる。即ち、乾燥後に循環する大多数の穀物における水分量を測定装置66によって測定することができる。この実施形態では、測定装置66を流通路74の傾斜面74Fに装着することによって、傾斜面74Fを流れる穀物の水分量を測定していたが、
図15に示すように、測定装置66を、例えば、傾斜面74Fの上方に装着して、当該測定装置66の光軸を傾斜面74Fに向けることによって、傾斜面74Fを流れる穀物の水分量を測定してもよい。
【0069】
図13に示すように、投入部(ホッパー)62は、傾斜面74Fの上方に設けられている。ホッパー62の下端部は、傾斜面74Fと対向する上壁74Cに接続されている。ホッパー62が傾斜面74Fの上方に設けられ、測定装置66が傾斜面74Fに設けられているため、ホッパー62の投入直後の穀物(乾燥前の穀物)の水分量を測定装置66で測定できると共に、乾燥後に傾斜面74を流れる穀物の水分量を測定することができる。
【0070】
図11に示すように、乾燥機61Aは、CPU等から構成された第1制御部(第1コントローラ)80Aと、様々な表示を行う表示装置68とを備えている。
第1コントローラ80Aには、測定装置66が接続されている。この第1コントローラ80Aは、測定装置66で測定した水分量に基づいて、乾燥機に関する様々な演算を行う。
【0071】
第1コントローラ80Aによる演算について説明する。
第1コントローラ80Aは、乾減率演算部90を備えている。乾減率演算部90は、第1コントローラ80Aに格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。乾減率演算部90は、測定装置(近赤水分計)66で測定した水分量に基づいて単位時間当たりの水分の減少量である乾減率を演算する。説明の便宜上、測定装置(近赤水分計)66で測定した水分量のことを、「測定水分量」という。
【0072】
乾燥機61Aによる乾燥が開始後、乾減率演算部90は、所定時間毎(例えば、30秒〜60秒毎)に測定水分量を取得する。そして、乾減率演算部90は、所定以上の測定水分量、例えば、測定水分量の数が5以上となった時点で、
図16Aに示すように、測定した全ての測定水分量を用いて最小二乗法により、測定水分量の減少率を示す減少近似線L1(切片、傾き)を求める。そして、乾減率演算部90は、測定水分量の測定間隔と、減少近似線L1を示すパラメータとに基づいて、
図16Bに示すように、減少近似線L1を
単位時間当たりの減少近似線L2(切片、傾き)に換算する。減少近似線L2の傾きが乾減率である。乾減率演算部90は、例えば、乾減率演算部90は、1分(60秒)当たりの乾減率を求める。乾減率演算部90は、測定水分量を測定する毎に、既に測定した測定水分量を用いて、乾減率である減少近似線L2の傾きを求める。なお、上述した実施形態では、減少近似線L1(切片、傾き)を求めた後、減少近似線L1を単位時間当たりの減少近似線L2(切片、傾き)に換算しているが、減少近似線L1の計算を省略して、減少近似線L2の傾き(乾減率)を求めてもよい。
【0073】
第1コントローラ80Aは、水分ムラ演算部91を備えている。水分ムラ演算部91は、第1コントローラ80Aに格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。水分ムラ演算部91は、測定装置(近赤水分計)66で測定した水分量に基づいて、水分量の最大値と最小値との差である水分ムラを演算する。
水分ムラ演算部91は、乾減率演算部90が減少近似線L2の傾き(乾減率)を求めた後、当該乾減率と、乾燥を開始してからの経過した時間(経過時間)とに基づいて、測定水分値を補正する。具体的には、水分ムラ演算部91は、「補正水分量=測定水分値×経過時間(測定水分値を測定した時点での経過時間)」により、補正水分量を求める。
図16Bで示した減少近似線L2に対応して、補正水分量を求めると、補正水分量を補正後の補正線L3は、
図16Bに示すようになる。
【0074】
水分ムラ演算部91は、補正水分量に基づいて、補正水分量の最大値と、補正水分量の最小値との差(水分量の最大値と最小値との差)を求め、求めた差を水分ムラとする。
図16Bの補正線L3の場合、補正水分量の最大値は、15.91%であり、補正水分量の最小値は、15.74%であるため、水分ムラは、0.2%である。
なお、上述した実施形態では、水分ムラ演算部91は、乾減率と経過時間とに基づいて測定水分量を補正し、補正後の補正水分量の最大値と最小値との差を水分ムラとしていたが、測定水分量のそのものを用いて、水分ムラを求めてもよい。つまり、水分ムラ演算部91は、実測値である測定水分量の最大値と最小値との差から水分ムラを求めてもよい。
【0075】
第1コントローラ80Aは、目標取得部92と、時間演算部93と、を備えている。目標取得部92及び時間演算部93は、第1コントローラ80Aに格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
目標取得部92は、乾燥機61Aで乾燥後の穀物の目標の水分量である目標水分量を取得するものである。目標取得部92は、乾燥機61Aの表示装置68から目標水分量を取得したり、或いは、後述する作物管理コンピュータから目標水分量を取得する。
【0076】
具体的には、表示装置68や作物管理コンピュータでは、例えば、当該表示装置68や作物管理コンピュータに設けられた入力インターフェースによって、所定の乾燥処理に対する目標水分量が設定可能である。目標取得部92は、所定の乾燥処理に対する目標水分量を表示装置68や作物管理コンピュータに要求して、表示装置68や作物管理コンピュータから送信された目標水分量を取得する。なお、目標取得部92は、必ずしも表示装置68や作物管理コンピュータに対して目標水分量の要求をしなくても、表示装置68や作物管理コンピュータから送信された目標水分量を自動的に取得してもよい。
【0077】
時間演算部93は、測定装置(近赤水分計)66で測定水分量及び目標水分量に基づいて、目標水分量に到達する到達時間を算出する。具体的には、時間演算部93は、乾燥機61Aで乾燥開始時の測定水分量と、目標水分量と、乾減率演算部90が求めた乾減率とを用いて、目標水分量に到達する到達時間を算出する。時間演算部93は、「到達時間=(乾燥開始時の測定水分量−目標水分量)/乾減率」により、到達時間を求める。時間演算部93による到達時間の算出は、上述した実施形態に限定されない。例えば、時間演算部93は、測定水分量を測定する毎に、「到達時間=(現在の測定水分量−目標水分量)/乾減率」により到達時間を求めてもよいし、実際の測定水分量が目標水分量に近くなった段階での測定水分量及び乾減率を用いて到達時間を求めてもよい。
【0078】
以上のように、第1コントローラ80Aは、乾減率演算部90、水分ムラ演算部91、時間演算部93を備えているため、測定水分量に基づいて、乾減率、水分ムラ、到達時間を測定水分量によって求めることができる。
なお、上述した実施形態では、第1コントローラ80Aは、乾減率演算部90、水分ムラ演算部91及び時間演算部93の全てを備えているが、これに代え、乾減率演算部90、水分ムラ演算部91及び時間演算部93のいずれかを備えていてもよい。
【0079】
第1コントローラ80Aは、実際に到達時間に達した際に、測定装置66によって穀物の水分量を測定し、測定した水分量を乾燥機61Aの乾燥終了後の代表水分量としてもよい。また、乾燥機61Aにおいて、測定装置66において穀物の水分量を測定したタイミングでは、測定した水分量と目標水分量とが一致することもあるが、測定した水分量が、目標水分量を若干下回ることがある。つまり、測定装置66において、例えば、30回目では目標水分量を上回っており、31回目では目標水分量を下回った場合、第1コントローラ80Aは、31回目の測定結果(測定した水分量)を、乾燥機61Aの乾燥終了後の代表水分量とする。即ち、第1コントローラ80Aは、測定装置66で測定した水分量を監視して、目標水分量未満で且つ目標水分量に最も近い測定値を、乾燥終了後の代表水分量とする。
【0080】
表示装置68は、上述した測定水分量、乾減率、水分ムラ、到達時間を表示する。例えば、表示装置68の入力インターフェースによって、「水分表示」、「乾減率表示」、「水分ムラ表示」、「経過時間表示」のモードが選択可能である。「水分表示」が選択された場合、
図17Aに示すように、表示装置68は、液晶等の表示部68Aに、測定点に対応する測定水分量の推移を折れ線グラフ等により表示する。「乾減率表示」が選択された場合、
図17Bに示すように、表示装置68は、表示部68Aに減少近似線L2及び乾減率を表示する。
【0081】
また、「水分ムラ表示」が選択された場合、
図17Cに示すように、表示装置68は、表示部68Aに、測定点に対応する補正水分量の推移を折れ線グラフ等により表示すると共に、補正水分量の最大値及び最小値を表示する。なお、「水分ムラ表示」が選択された場合は、補正水分量に代えて、実測値である測定水分量の推移、測定水分量の最大値及び最小値を表示してもよい。
【0082】
さらに、「経過時間表示」が選択された場合、
図17Dに示すように、表示装置68は、表示部68Aに、経過時間に対応する減少近似線L2及び到達時間を表示する。なお、到達時間の表示は、目標水分量に到達する時刻(乾燥終了時間)で表してもよいし、現在の時刻から目標水分量に到達するまでの残り時間(例えば、15分)で表してもよいし、乾燥処理の開始してから目標水分量に到達するまでのトータル長さ(例えば、300分)で表してもよいし、その他の表示であってもよい。
【0083】
なお、上述した実施形態では、表示装置68は、測定水分量、乾減率、水分ムラ、経過時間の全てを表示する構成となっているが、これに代え、測定水分量、乾減率、水分ムラ、経過時間のいすれかを表示する装置であってもよい。
さて、第1コントローラ80Aは、測定水分量に基づいて乾燥機61Aの制御を行う。第1コントローラ80Aは、例えば、乾減率に基づく制御である「乾減率制御」、水分ムラに基づく制御である「ムラ取り制御」を行う。
【0084】
第1コントローラ80Aは、「乾減率制御」を行う乾減制御部95を備えている。乾減制御部95は、第1コントローラ80Aに格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
乾減制御部95は、乾減率演算部90で求めた乾減率に基づいて、乾燥部64を制御する。乾減制御部95は、例えば、
図18に示すように、乾減率演算部90が算出した現在の乾減率(現在算出乾減率)に基づいて、現在から所定時間後である所定時点P1における水分量を予測する。即ち、乾減制御部95は、現在算出乾減率を用いて、所定時点P1での予測水分量を求める。そして、乾減制御部95は、所定時点P1での予測水分量と測定水分量との差(予測水分量−測定水分=乾減率差)を求め、乾減率差がマイナスの場合は、乾燥が進んでいないとして、乾燥部64で出力するバーナーの出力を乾減率差に応じて上げる。一方、乾減制御部95は、乾減率差がプラスの場合は、乾燥が進み過ぎているとして、乾燥部64で出力するバーナーの出力を乾減率差に応じて下げる。
【0085】
なお、上述した実施形態では、乾減制御部95は、乾減率差がプラスであるかマイナス
であるかに基づいて、バーナーの出力を変更しているが、乾減率差が予め定められた閾値(判定値)以上であるか否かを判断し、閾値以上である場合には、閾値の大きさに応じてバーナーの出力を変更する制御を行ってもよい。乾減率差が閾値以上プラス、或いは、マイナスにならない場合は、バーナーの出力の変更はしない。
【0086】
また、乾減制御部95は、例えば、現在の乾減率(現在算出乾減率)と予め定められた乾減率(設定乾減率)とに基づいて、乾減率制御を行ってもよい。例えば、乾減制御部95は、現在算出乾減率が設定乾減率よりも大きい場合は、乾燥が進み過ぎているとして、乾燥部64で出力するバーナーの出力を現在算出乾減率と設定乾減率との差に応じて下げる。一方、乾減制御部95は、現在算出乾減率が設定乾減率よりも小さい場合は、乾燥が進んでいないとして、乾燥部64で出力するバーナーの出力を現在算出乾減率と設定乾減率との差に応じて上げる。また、乾減制御部95は、上述した設定乾減率の代わりに、過去に求めた乾減率(過去算出乾減率)を用いて、乾減率制御を行ってもよい。この場合は、上述した「設定乾減率」を「過去算出乾減率」に読み替えればよい。
【0087】
第1コントローラ80Aは、「ムラ取り制御」を行うムラ取り制御部96を備えている。ムラ取り制御部96は、第1コントローラ80Aに格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
ムラ取り制御部96は、水分ムラ演算部91で求めた水分ムラに基づいて、乾燥部64を制御する。ムラ取り制御部96は、水分ムラ演算部91で求めた水分ムラ(現在水分ムラ)が予め定められた値(水分ムラ設定値)よりも大きい場合に、水分ムラを小さくする制御を行う。具体的には、ムラ取り制御部96は、現在水分ムラが水分ムラ設定値よりも大きい場合、乾燥部64のバーナーの出力を停止する一方で、横送り機構65A及び縦送り機構65Bの駆動モータを駆動させて、穀物を乾燥機61A内(貯留部63、乾燥部64、循環部65)で循環させる。つまり、ムラ取り制御部96は、穀物を乾燥機61A内で循環させることで、穀物の温度を下げて、穀物の温度のバラツキを小さくする。なお、ムラ取り制御部96は、乾燥機61A(第1本体67)に通風を行う通風装置を駆動させながら、穀物の循環をすることによって、ムラ取り制御を行ってもよい。このように、穀物を循環させながら穀物の温度等を下げることによって、乾燥時の水分ムラを小さくすることができる。
【0088】
放冷タンク61Bは、乾燥機61Aで乾燥した穀物を所定時間に貯留することで放冷するタンクである。籾摺機61Cは、放冷タンク61Bで放冷した穀物の籾摺りを行う装置である。
色選機61Dは、籾摺り後の穀物等の色彩検査や色彩選別を行う装置である。色選機61Dは、ホッパー61D1と、撮像部61D2と、インジェクタ61D3と、制御部(第2コントローラ)80Dとを有している。ホッパー61D1は、穀物を入れると共に穀物を落下させる部材である。撮像部61D2は、落下中の穀物を撮像する装置であり、インジェクタ61D3は、色選結果に基づいて不良とされた穀物を分別する。
【0089】
第2コントローラ80Dは、色選機61Dを制御する装置であって、例えば、撮像部61D2で撮像した穀物の画像から穀物の色が不良であるか否かを判別する。即ち、第2コントローラ80Dは、撮像した穀物の画像の色に基づいて、カメムシの被害米や着色米を検出し、これらに該当する穀物は不良であると判定する。第2コントローラ80Dは、穀物が不良と判定した場合に、インジェクタ61D3に不良の穀物を吹き飛ばす指令を出力する。したがって、色選機61Dによれば、穀物をホッパー61D1に入れることにより、穀物が撮像され、撮像された画像に基づいて、穀物の色彩選別を行い、不良の穀物と、良好の穀物とを分別することができる。
【0090】
計量器61Eは、色選機61Dなどが行われた後の穀物の計量を行うもので、穀物を入れるホッパー61E1と、ホッパー61E1の下部に設けられた台座61E2と、計量部61E3と、制御部(第3コントローラ)80Eとを有している。
ホッパー61E1は、穀物を入れる容器であり、台座61E2は、穀物を入れるフレコンやコンテナ等の収容部材を置く台である。計量部61E3は、収容部材に入れられた穀物の重量を測定する装置である。第3コントローラ80Eは、計量器61Eを制御する装
置であって、計量結果、計量開始、計量終了等に関する処理を行う。
【0091】
図11に示すように、乾燥機61A、放冷タンク61B、籾摺機61C、色選機61D、計量器61Eの間には、ベルトコンベヤー等で構成された搬送装置98が設けられ、当該搬送装置98によって穀物が上流側から下流側へと運搬することができるようになっている。なお、乾燥機61A、放冷タンク61B、籾摺機61C、色選機61D、計量器61Eの間の一部に、搬送装置98が設けられていてもよい。
【0092】
作物管理システムは、サーバ等のコンピュータで構成された作物管理コンピュータ(支援装置)100を備えている。
作物管理コンピュータ100、乾燥機61Aの第1コントローラ80A、色選機61Dの第2コントローラ80D、計量器61Eの第3コントローラ80Eは、LAN等のネットワークによって繋がっている。
【0093】
作物管理コンピュータ100は、稼動取得部101を備えている。稼動取得部101は、作物管理コンピュータ100に格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
稼動取得部101は、穀物処理設備60に設けられた複数の稼動する装置や機械(稼動部ということがある)の稼動情報を取得するものである。稼動情報とは、稼動部が稼動した際の稼動に関する様々な情報である。稼動情報は、稼動の状態を示す稼動状態、稼動の開始時を示す開始時間、稼動の終了時を示す終了時間、稼動の時間長さを示す稼動時間等である。なお。時間の単位は、時、分、時刻等であって限定されない。
【0094】
この実施形態では、乾燥機61A、放冷タンク61B、籾摺機61C、色選機61D、計量器61Eのそれぞれが稼動部といえる。
例えば、稼動取得部101は、稼動部である乾燥機61Aの稼動情報として、稼動状態(乾燥中、停止等)、乾燥開始時間、乾燥終了時間、乾燥量等を第1コントローラ80A等から取得する。また、稼動取得部101は、稼動部である色選機61Dの稼動情報として、稼動状態(色選中、中止等)、色選結果、色選開始時間、色選終了時間等を第2コントローラ80D等から取得する。さらに、稼動取得部101は、稼動部である計量器61Eの稼動情報として、出荷量、袋詰数、袋詰量、計量開始時間、計量終了時間等を第3コントローラ80E等から取得する。
【0095】
このように、作物管理コンピュータ100の稼動取得部101によって、複数の稼動部の稼動情報を取得することができる。
さて、作物管理システムでは、複数の稼動部に着目した場合、所定の稼動部より上流側に位置する稼動部(上流稼動部)の稼動情報と、下流側に位置する稼動部(下流稼動部)の稼動情報とに基づいて、所定の稼動部の稼動累積時間を求めることができるシステムである。この実施形態では、放冷タンク61B及び籾摺機61Cが所定の稼動部であり、乾燥機61Aが上流稼動部であり、色選機61Dが下流稼動部である。
【0096】
次に、上流稼動部(乾燥機61A)及び下流稼動部(色選機61D)の稼動情報に基づいて、放冷タンク61B及び籾摺機61Cの稼動累積時間を求める例について詳しく説明する。
作物管理コンピュータ100は、稼動演算部102を備えている。稼動演算部102は、作物管理コンピュータ100に格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
【0097】
稼動演算部102は、稼動取得部101が取得した乾燥機61Aの稼動情報及び色選機61Dの稼動情報に基づいて、放冷タンク61B及び籾摺機61Cの累積稼動時間を演算する。
具体的には、稼動演算部102は、色選機61Dの稼動情報から得られた稼動開始時間と、乾燥機61Aの稼動情報から得られた稼動終了時間とに基づいて、放冷タンク61B及び籾摺機61Cでの稼動時間を求める。例えば、色選機61Dの稼動開始時間(時刻)が13時00分、乾燥機61Aの稼動終了時間(時刻)が11時00分である場合、稼動演算部102は、色選機61Dの稼動開始時間から乾燥機61Aの稼動終了時間を引くことで、乾燥機61Aの稼動が終了してから色選機61Dの稼動が始まるまでの時間(処理
経過時間という)である「120分」を求める。
【0098】
ここで、乾燥機61Aの乾燥処理の終了から色選機61Dにおける色選処理の開始までの間(120分)に、放冷タンク61B及び籾摺機61Cにおける処理が行われる。それゆえ、乾燥機61Aの稼動が終了してから色選機61Dの稼動が始まるまでの処理経過時間は、放冷タンク61B及び籾摺機61Cが稼動した稼動時間であると考えてもよいため、稼動演算部102は、処理経過時間を放冷タンク61B及び籾摺機61Cの稼動時間とする。
【0099】
そして、乾燥処理の終了及び色選処理の開始が繰り返される毎に、稼動演算部102は、乾燥機61Aの稼動終了時間及び色選機61Dの稼動開始時間を用いて、放冷タンク61B及び籾摺機61Cにおける稼動時間(処理経過時間)を求め、稼動時間を累積することによって、放冷タンク61B及び籾摺機61Cの累積稼動時間を求める。
したがって、乾燥機61Aの稼動終了時間、色選機61Dの稼動開始時間、放冷タンク61B及び籾摺機61Cにおける稼動時間(処理経過時間)、累積稼動時間の関係は、例えば、
図19に示すようになる。稼動演算部102が求めた累積稼動時間は、稼動部を特定するユニークな特定情報と対応付けて、作物管理コンピュータ100に設けられた不揮発性等のメモリで構成された記憶部103に記憶することができる。
【0100】
これによれば、放冷タンク61B及び籾摺機61Cにおいて、累積稼動時間をカウントするタイマ等が備わっていない場合にも、上流稼動部である乾燥機61Aの稼動情報と、下流稼動部である色選機61Dの稼動情報とに基づいて、放冷タンク61B及び籾摺機61Cの累積稼動時間を求めることができる。そして、放冷タンク61B及び籾摺機61Cの累積稼動時間は、記憶部103に記憶されているため、
図19に示した一覧を作物管理コンピュータ100に接続した表示部、或いは、作物管理コンピュータ100に外部から接続した機器に表示することができる。
【0101】
なお、稼動演算部102は、放冷タンク61Bの標準処理時間や籾摺機61Cの標準処理時間を用いて、放冷タンク61Bの稼動時間や籾摺機61Cの稼動時間を補正してもよい。稼動演算部102は、例えば、放冷タンク61Bの稼動時間(分)は、「稼動時間(分)=処理経過時間(分)−籾摺機の標準処理時間(分)」により求め、籾摺機61Cの稼動時間は、「稼動時間(分)=処理経過時間(分)−放冷タンクの標準処理時間(分)」により求める。放冷タンク61Bの標準処理時間は、過去の実績により計算すればよく、籾摺機61Cの標準処理時間も過去の実績により計算すればよい。
【0102】
また、上述した実施形態では、上流稼動部(乾燥機61A)と下流稼動部(色選機61D)とで、両者に挟まれる複数(2つ)の稼動部(放冷タンク61B及び籾摺機61C)の稼動累積時間を求めている。これに代え、上流稼動部と下流稼動部とで両者に挟まれる単体(1つ)の稼動部の累積稼動時間を求めてもよい。
図20は、稼動演算部102で、1つの稼動部の累積稼動時間を求める変形例の穀物処理設備60の全体図を示している。
【0103】
籾摺機61Cは、第4コントローラ80Cを備えている。第4コントローラ80Cは、作物管理コンピュータ100にLAN等のネットワークにより接続されている。作物管理コンピュータ100の稼動取得部101は、籾摺機61Cの稼動情報として、稼動状態(籾摺り中、停止中)、籾摺り開始時間、籾摺り終了時間、籾摺り重量等を取得する。
稼動演算部102は、籾摺機61Cの稼動開始時間から乾燥機61Aの稼動終了時間を引くことで、乾燥機61Aの稼動が終了してから籾摺機61Cの稼動が始まるまでの時間(処理経過時間という)を求め、当該処理経過時間を放冷タンク61Bの稼動時間とする。稼動演算部102は、放冷タンク61Bの稼動時間を累積することによって、累積稼動時間を求める。
【0104】
上述した実施形態では、所定の稼動部を放冷タンク61Bや籾摺機61Cとして、放冷タンク61Bや籾摺機61Cの累積稼動情報を求めているが、所定の稼動部は、放冷タンク61Bや籾摺機61Cに限定されない。
さて、作物管理システムでは、生産管理システムでの様々な情報を取得することが可能である。具体的には、作物管理コンピュータ100は、生産情報を取得する生産情報取得部105を有している。生産情報取得部105は、作物管理コンピュータ100に格納さ
れたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
【0105】
生産情報取得部105は、必要に応じて生産管理コンピュータ33Cに接続して、上述した生産情報(生産者情報、作業情報、作物情報)を取得する。例えば、生産情報取得部105は、生産管理コンピュータ33Cに接続後、管理情報記憶部47或いは収穫情報記憶部48を参照して、農業実績を含む作業情報、作物情報等を取得する。
生産情報取得部105によって得られた情報は、乾燥計画等に用いられる。 次に、乾燥計画について詳しく説明する。
【0106】
図11に示すように、作物管理コンピュータ100は、乾燥計画を行う計画作成部104を有している。計画作成部104は、作物管理コンピュータ100に格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。乾燥計画とは、収穫後の穀物の乾燥に関する計画のことであり、少なくとも乾燥する穀物と乾燥機との割り当てを示す計画のことである。乾燥計画は、年間を通じて、乾燥する穀物と乾燥機との割り当てを行う「年間乾燥計画」と、日付毎に乾燥する穀物と乾燥機との割り当てを行う「日乾燥計画」とに大別することができる。
【0107】
次に、年間乾燥計画について説明する。
作物管理コンピュータ100に外部の接続機器がログインして、接続機器から年間乾燥計画の作成の要求があると、この要求に応じて計画作成部104は、年間乾燥計画を立てるための画面(年間乾燥計画画面)を接続機器に表示する。なお、接続機器は、通信端末33A、或いは、管理者用コンピュータ33B等である。
【0108】
図21に示すように、計画作成部104は、年間乾燥計画画面Q8(第2画面という)を接続機器に表示する。第2画面Q8は、作付表示部121、仕分表示部122、圃場表示部123、収穫表示部124、開始表示部125、終了表示部126、日程表示部127を有している。
作付表示部121には、作付計画の名称が表示される。詳しくは、作物管理コンピュータ100(計画作成部104)は、生産管理コンピュータ33Cに接続すると共に、接続後に作付計画記憶部41を参照することで作付計画の名称を取得する。計画作成部104は、取得した作付計画を作付表示部121に表示する。
【0109】
仕分表示部122は、「プール」或いは「個別」の仕分け区分を表示する。仕分け区分の「プール」とは、例えば、所定の乾燥機61Aに対して複数の農家が利用する形態のことであり、「個別」とは所定の乾燥機61に対して単一(専属)の農家が利用する形態のことである。
圃場表示部123には、作付計画に対応する圃場数が表示される。詳しくは、作物管理コンピュータ100(計画作成部104)は、生産管理コンピュータ33Cに接続すると共に、接続後に作付計画記憶部41を参照することで作付計画に対応する圃場数を取得する。計画作成部104は、取得した圃場数を圃場表示部123に表示する。
【0110】
収穫表示部124は、作付計画に示された全圃場の予定(予測)の収穫量(全予定収穫量)を表示する。予定収穫量の取得は、作物管理コンピュータ100に設けられた収穫量取得部109により行う。収穫量取得部109は、作物管理コンピュータ100に格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
収穫量取得部109は、例えば、作付計画に示された圃場数及び各圃場の面積を生産管理コンピュータ33Cから取得する。そして、収穫量取得部109は、取得した圃場数及び各圃場の面積から全作付面積(全圃場面積)を求め、全圃場面積に基づいて全予定収穫量を求めて、収穫表示部124に表示する。
【0111】
なお、全予定収穫量を全圃場面積から算出するのに代えて、収穫量取得部109は、作物管理コンピュータ100、或いは、接続機器に入力された各圃場の予定収穫量を取得して、予定収穫量を合計することで全予定収穫量を算出してもよいし、その他の方法で予定収穫量を算出してもよい。また、収穫表示部124に直接、全予定収穫量を入力してもよい。
【0112】
開始表示部125は、収穫する予定の穀物のうち、最も乾燥が早いと予測される日付(乾燥開始日)を表示する。終了表示部126は、収穫する予定の穀物のうち、最も乾燥が
遅い日付(乾燥終了日)を表示する。
日程表示部127には、各日付と、当該日付に対応して予め定めた乾燥機61Aの台数とが表示される。なお、日程表示部127に表示する日付に対応する乾燥機61Aの台数は、接続機器等の入力インターフェース等を用いて、第2画面Q8の日付表示部127に直接入力することができる。
【0113】
乾燥機の1台当たりの乾燥能力が同じである場合、日程表示部127において、乾燥機の台数を増減することによって、1日の総乾燥量を設定することができる。日程表示部127において、所定の日付における予定収穫量(総予定収穫量)に対して総乾燥量が下回る(総予定収穫量>総乾燥量)場合、穀物の乾燥処理が完了しない可能性がある。この場合、日程表示部127では、穀物の乾燥処理が完了できない可能性があることを示す表示がなされる(例えば、乾燥機61Aの台数を示す部分が赤字になったり、点滅したりする)。
【0114】
上述した乾燥開始日は、作物管理コンピュータ100で演算される乾燥時期(例えば、乾燥する日付)に基づいて設定される。所定の日付における総予定収穫量も、まず、乾燥時期を演算して、同一の乾燥時期で収穫される収穫量に基づいて、設定される。
作物管理コンピュータ100における乾燥時期の演算について説明する。
作物管理コンピュータ100は、時間記憶部106と、時間取得部107と、予測部108とを有している。時間記憶部108は、ハードディスクや不揮発性等のメモリで構成されている。時間取得部107及び予測部108は、作物管理コンピュータ100に格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
【0115】
時間記憶部106は、所定の農作業から穀物が生育するまでの第1生育時間(所定の農作業後から穀物が収穫できる程度に生育するまでの第1生育時間)を記憶している。
図22に示すように、時間記憶部106は、農作業を示す項目(耕耘、播種、田植え、代掻き)と、第1生育時間が記憶されている。なお、第1生育時間は、品種(銘柄)・地域等によって異なる場合があるため、農作業に対応する第1生育時間は変更可能となっている。第1生育時間の変更は、作物管理コンピュータ100の入力インターフェースで行ったり、接続機器を作物管理コンピュータ100に接続して接続機器から作物管理コンピュータ100に指令を行うことによって行うことができる。
【0116】
時間取得部107は、時間記憶部106を参照して当該時間記憶部106に記憶されている第1生育時間を取得する。
予測部108は、生産情報取得部105が取得した農業実績に含まれる農作業と、時間取得部106で取得した第1生育時間とに基づいて、穀物を乾燥する乾燥時期を予測する演算を行う。
【0117】
図23を用いて、予測部108の処理について説明する。予測部108は、まず、生産管理コンピュータ33Cに接続して、作付計画に対応した農業実績を参照する。例えば、
図23に示すように、「ひのひかり」の作付計画に対応する農業実績を参照したとき、所定の農作業が「代掻き」まで進んでいる場合、予測部108は、「代掻き」に対応する第1生育時間を時間取得部106から抽出し、「代掻き」に対応する第1生育時間である「140日」と、代掻きの実施日である「5/2」とを加算した日付(9/20)を乾燥時期とする。
【0118】
或いは、
図23に示すように、「こしいぶき」の作付計画に対応する農業実績を参照したとき、所定の農作業が「田植え」まで進んでいる場合、「田植え」に対応する第1生育時間を時間取得部106から抽出し、「田植え」に対応する第1生育時間である「125日」と、田植えの実施日である「5/29」とを加算した日付(10/1)を乾燥時期とする。
【0119】
なお、同一の作付計画に対応する農業実績を参照したとき、同一の農作業の中で実施日が最も早い農作業を用いて求めた乾燥時期が、開始表示部125に示す「乾燥開始日」となる。
このように、予測部108では、農業実績で示された所定の農作業の実施日と、当該農作業に対応する第1生育時間とに基づいて、簡単に乾燥時期を予測することができる。
【0120】
次に、乾燥時期、当該乾燥時期の総予定収穫量及び乾燥機の台数の関係について、
図24を用いて説明する。
図24は、所定の作付計画に対応する農業実績の一例を示している。
図24に示すように、予測部108は、同一の作付計画(例えば、こしいぶき)に対応する農業実績において、同一の農作業且つ同一の実施日の圃場を抽出する。予測部108は、例えば、農作業が「田植え」で実施日が「5/30」の場合は、A圃場、C圃場、E圃場を抽出する。そして、A圃場、C圃場、E圃場についての総予定収穫量(例えば、120石)を収穫量取得部109から取得する。
【0121】
ここで、総予定収穫量を求めるにあたっては、収穫量取得部109は、A圃場、C圃場、E圃場の各圃場の面積を合計して、合計した圃場面積から総予定収穫量を取得する。なお、総予定収穫量を総圃場面積から算出するのに代えて、収穫量取得部109は、作物管理コンピュータ100、或いは、接続機器に入力されたA圃場、C圃場、E圃場の予定収穫量を取得して、予定収穫量を合計することで総予定収穫量を算出してもよいし、その他の方法で総予定収穫量を算出してもよい。
【0122】
次に、予測部108は、同一の農作業に対応する第1生育時間を時間取得部106から抽出し、「田植え」に対応する第1生育時間である「125日」と、田植えの実施日である「5/30」とを加算することで、乾燥時期である「10/2」を求める。予測部108は、求めた乾燥時期である「10/2」と、収穫量取得部109から取得したA圃場、C圃場、E圃場についての総予定収穫量(例えば、120石)とを対応付けることで、乾燥時期の総予定収穫量を予測する演算を行う。
【0123】
このように、予測部108は、同一の農作業の実施日と、当該農作業に対応する第1生育期間とから乾燥時期を求める。そして、予測部108は、乾燥時期と、同一の農作業を行った共通の圃場における総予定収穫量とを対応付けることで、乾燥時期及び当該乾燥時期に対応する予定収穫量を予測することができる。
図21に示すように、例えば、こしいぶきの作付計画に対応する日程表示部127において、10/2は乾燥機の台数が1台であって、10/2の総乾燥量が「70石」であったとする。一方、10/2の総予定収穫量は、上述したように、120石であるため、総予定収穫量>総乾燥量である。この場合、日程表示部127における10/2の乾燥機61Aの台数は、赤字となる。これにより、年間乾燥計画画面Q8を見れば、10/2に割り当てた乾燥機の台数が少ないことが分かる。この場合、接続機器等の操作によって、日付表示部127の10/2に割り当てる乾燥機の台数を、例えば2台にすることによって総乾燥量を増加させ、10/2の総乾燥量を10/2の総予定収穫量よりも大きくすることができる。
【0124】
以上のように、年間乾燥計画画面Q8に入力された年間乾燥計画は、作物管理コンピュータ100の乾燥計画記憶部119に記憶される。
上述した実施形態では、農業実績の中から所定の農作業を抽出して、当該農作業から穀物が生育するまでの第1生育時間に基づいて、乾燥時期を予測していたが、農作業に代えて、実際の穀物の生育状況から収穫までの生育時間(第2生育時間)に基づいて、乾燥時期を予測してもよい。次に、生育状況を用いた乾燥時期の予測の変形例について説明する。
【0125】
図1に示すように、通信端末33Aは、生育状況を取得する生育取得部38を有している。通信端末33Aで所定の操作を行うと、生育取得部38が起動し、
図25に示すような生育画面Q12が表示される。生育画面Q12には、例えば、圃場を入力する圃場入力部34aと、生育状況を入力する生育入力部34bとを有している。生育入力部34bには、生育状況を調査した日付(調査日)、稲等の穀物の生育状況として稲の長さ、出穂の有無等を入力することができる。
【0126】
生育取得部38は、生育画面Q12の圃場入力部34a及び生育入力部34bに入力された情報(調査日、稲の長さ、出穂の有無等)を生育状況として取得する。通信端末33Aは、生育取得部38が取得した圃場及び生育状況を農業実績として送信する。
時間記憶部106は、所定の生育状況から穀物が収穫できる程度に生育するまでの第2
生育時間を記憶している。
図26に示すように、時間記憶部106は、出穂からの収穫までの期間、稲の長さに応じて収穫までの期間等が記憶されている。なお、第2生育時間も、品種(銘柄)・地域等によって異なる場合があるため、第2生育時間は変更可能となっている。第2生育時間の変更は、作物管理コンピュータ100の入力インターフェースで行ったり、接続機器を作物管理コンピュータ100に接続して接続機器から作物管理コンピュータ100に指令を行うことによって行うことができる。
【0127】
時間取得部107は、時間記憶部106を参照して当該時間記憶部106に記憶されている第2生育時間を取得する。
予測部108は、まず、生産管理コンピュータ33Cに接続して、作付計画に対応した農業実績を参照する。そして、予測部108は、農業実績から所定の圃場における生育状況を抽出すると共に、生育状況に対応した第2生育時間を時間記憶部106から取得する。予測部108は、生育状況の調査日に第2生育期間を加算した日付を、乾燥時期とする。
【0128】
次に、日乾燥計画について説明する。
作物管理コンピュータ100に外部の接続機器がログインして、接続機器から日乾燥計画の作成の要求があると、この要求に応じて計画作成部104は、日乾燥計画を立てるための画面(日乾燥計画画面)を接続機器に表示する。なお、接続機器は、通信端末33A、或いは、管理者用コンピュータ33B等である。
【0129】
図27に示すように、計画作成部104は、日乾燥計画画面Q9(第3画面という)を接続機器に表示する。第3画面Q9は、日付表示部130、地図表示部131、乾燥機表示部132を有している。
日付表示部130には、日乾燥計画を設定する日付が表示される。日付表示部130に表示する日付は、作物管理コンピュータ100の入力インターフェース、或いは、接続機器の入力インターフェースで変更可能である。
【0130】
地図表示部131には、圃場を含む地図が表示される。詳しくは、作物管理コンピュータ100(計画作成部104)は、生産管理コンピュータ33Cに接続して生産者が作付可能な圃場の位置等を参照して、地図表示部131に生産者が作付可能な圃場を表示する。なお、作物管理コンピュータ100に予め生産者が作付可能な圃場の位置を登録してもよい。また、生産者が作付可能な圃場とは、生産者が所有する圃場や生産者が他の所有者から作付のために借りている圃場のことである。
【0131】
乾燥機表示部132は、乾燥機を表示する。計画作成部104は、作物管理コンピュータ100に予め登録された乾燥機を示す図形を表示する。なお、作物管理コンピュータ100への乾燥機の登録は、作物管理コンピュータ100、或いは、接続機器によって行う。
図28に示すように、作物管理コンピュータ100、或いは、接続機器に乾燥機設定画面Q11を表示し、例えば、生産者が「プール」或いは「個別」に使用可能な乾燥機の名称等と、当該乾燥機の乾燥能力とを対応付ける。乾燥機の名称等と当該乾燥機の乾燥能力とは、作物管理コンピュータ100や接続機器に記憶される。
【0132】
例えば、3台の乾燥機(乾燥機A、乾燥機B、乾燥機Cという)が作物管理コンピュータ100に登録されている場合、乾燥機表示部132に乾燥機A、乾燥機B、乾燥機Cを四角形の図形Gで表示する。乾燥機A、乾燥機B、乾燥機Cの四角形(図形)の大きさ(面積、或いは、高さ)は、各乾燥機の乾燥能力に応じて設定される。各乾燥機(乾燥機A、乾燥機B、乾燥機C)を示す四角形において、縦辺が乾燥機の処理能力の大きさを示しており、縦辺に各乾燥機の最大の乾燥能力が数値等で示される。
【0133】
ここで、
図27に示すように、第3画面Q9に表示された指定具(例えば、カーソル)135で、地図表示部131に表示された複数の圃場のうち、「圃場A」を選択すると、選択した「圃場A」が保持される。乾燥機表示部132に表示された複数の乾燥機のうち、「乾燥機A」の図形Gを選択すると、選択された「乾燥機A」が保持されて「圃場A」と「乾燥機A」とが関連付けられる。そして、「乾燥機A」の図形G上に、指定具135で指定した「圃場A」の予定収穫量「30石」を、「乾燥機A」の乾燥量「30石」に置き換えられて、乾燥量がレベルによって表示される。
【0134】
このように、地図表示部131に表示された任意の圃場と、乾燥機表示部132に表示された乾燥機の図形Gとを選択することで、圃場、当該圃場の予定収穫量、当該圃場の収穫した穀物を乾燥する乾燥機とを対応付けることができる。
圃場、当該圃場の予定収穫量、当該圃場の収穫した穀物を乾燥する乾燥機の対応付けは、作物管理コンピュータ100によって行う。作物管理コンピュータ100は、指定部111と、乾燥設定部112と、決定部113とを有している。指定部111と、乾燥設定部112と、決定部113は、作物管理コンピュータ100に格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
【0135】
指定部111は、圃場と乾燥機とを指定(選択)するものであって第3画面Q9に指定するための指定具135を表示させる。指定部111は、指定具135によって指定された地図表示部131の任意の圃場と、指定された乾燥機表示部132の任意の乾燥機とを関連付ける。
指定部111によって圃場が指定されると、収穫量取得部109は、指定された圃場の予定収穫量を取得する。乾燥設定部112は、指定部111によって指定された圃場に対応する収穫量(予定収穫量)を、指定部111で指定された乾燥機の乾燥量に設定する。乾燥設定部112は、圃場Aの予定収穫量である「30石」を、乾燥機Aの乾燥量(30石)に設定する。このとき、
図29に示すように、乾燥機表示部132の乾燥機Aの図形Gには、乾燥機Aの乾燥量である「30石」をレベルによって表示する。
【0136】
続けて、圃場Cが選択されると共に、乾燥機Aが選択された場合、乾燥設定部112は、既に選択された圃場Aの予定収穫量に対応する乾燥量である「30石」と、圃場Cの予定収穫量に対応する乾燥量である「40石」とを、10/2の乾燥機Aにおける乾燥量(70石)に設定する。
図29に示すように、乾燥機Aの図形Gには、圃場Cの穀物を乾燥する乾燥量(40石)が乾燥機Aの乾燥量(30石)に積み重ねられて表示される。
【0137】
そして、第3画面Q9に表示された決定ボタンが指定具135によって選択され、10/2の日乾燥計画を終了する意志が示されたとする。ここで、決定部113は、乾燥設定部112で設定された乾燥機Aの乾燥量(70石)と、指定された乾燥機Aの乾燥能力(70石)とを比較する。この場合、乾燥機Aの乾燥量は70石であり、乾燥機Aの乾燥能力である70石を超えていない。そのため、決定部113は、乾燥設定部112で設定された乾燥機の乾燥量が指定された乾燥機の乾燥能力を超えていないため、10/2において、圃場A及び圃場Cの穀物と乾燥機Aとを割り当てる乾燥計画の決定を許可する。決定部113によって許可された乾燥計画は、作物管理コンピュータ100の乾燥計画記憶部119に記憶される。
【0138】
一方、圃場A、圃場C、圃場E及び乾燥機Aが選択された場合、乾燥設定部112は、圃場Aの予定収穫量に対応する乾燥量である「30石」と、圃場Cの予定収穫量に対応する乾燥量である「40石」とを、圃場Eの予定収穫量に対応する乾燥量である「50石」とを、10/2の乾燥機Aにおける乾燥量(120石)に設定する。
この場合、乾燥機Aの乾燥量は120石であり、乾燥機Aの乾燥能力である70石を超えていることになる。そのため、決定部113は、乾燥設定部112で設定された乾燥機の乾燥量が指定された乾燥機の乾燥能力を超えているため、10/2において、圃場A、圃場C、圃場Eの穀物と乾燥機Aとを割り当てる乾燥計画の決定は無理があると判断して、乾燥計画の見直しを第3画面Q9上に表示させる。
【0139】
以上、日乾燥計画において、乾燥機の乾燥能力以上の計画がなされた場合には、簡単に乾燥計画の見直しを行うことができる。
作物管理システムでは、乾燥計画を作成に加えて、農業実績から乾燥計画の見直しが行うことが可能である。
図11に示すように、作物管理コンピュータ100は、第1状況取得部114と、第2状況取得部115と、計画取得部116と、判断部117と、通知部118とを有している。第1状況取得部114、第2状況取得部115、計画取得部116、判断部117及び通知部118は、作物管理コンピュータ100に格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
【0140】
第1状況取得部114は、穀物の収穫状況を取得するものである。第1状況取得部114は、例えば、生産管理コンピュータ33Cに接続して、管理情報記憶部47を参照し、農業実績に示された圃場、収穫日、収穫量、収穫時の水分量を、穀物の収穫状況として取得する。
第2状況取得部115は、穀物を乾燥する乾燥機の乾燥状況を取得する。第2状況取得部115は、例えば、第1コントローラ80A、或いは、稼動取得部101に接続して、乾燥機61Aの稼動状態(乾燥中、停止等)、乾燥開始時間、乾燥終了時間、乾燥量、乾燥中の水分、乾減率、目標水分量等を、乾燥状況として取得する。
【0141】
計画取得部116は、日乾燥計画を取得するもので、乾燥計画記憶部119を参照して、所定の日付において、指定された乾燥機と指定された圃場との対応関係を取得する。
判断部117は、乾燥計画、収穫状況及び乾燥状況に基づいて乾燥計画の変更が必要であるか否かを判断する。
図30を用いて判断部117の判断について説明する。
【0142】
図30に示すように、第2状況取得部115で取得した乾燥状況によれば、10/1の時点において、乾燥機Aの乾燥開始時間は22:00、乾燥機Aの乾燥量は70石、乾燥中の水分量は23%、乾減率は0.5%/h(1時間当たり)、目標水分量は15%であったとする。また、第1状況部115で取得した収穫状況によれば、10/2の9:00時点において、圃場Aの収穫量は35石、圃場Cの収穫量は35石であったとする。計画取得部116で取得した10/2の日乾燥計画によれば、乾燥機Aに対して、圃場Aに対応する穀物と、圃場Cに対応する穀物とを乾燥する計画であったとする。
【0143】
判断部117は、乾燥計画で示された所定の乾燥機(乾燥機A)に対して、10/2の収穫状況で示された穀物の割り当てが可能であるか否かを前日の10/1の乾燥状況から判断する。
例えば、判断部117は、乾燥機Aの乾燥状況から予測される乾燥終了時間を計算する。ここでは、乾燥開始時間が22:00、乾減率が0.5%/h、目標水分量が15%であるため、判断部117は、予想される乾燥終了時間は、10/2の14:00と予測する。
【0144】
判断部117は、乾燥機Aの乾燥終了時間である10/2の14:00に、穀物の収穫状況がどのようになっているかを判断する。具体的には、判断部117は、第1状況部115で取得した収穫状況を参照し、10/2の14:00の前である9:00時点で既に、乾燥機Aの乾燥予定である穀物(圃場Aの収穫量35石、圃場Cの収穫量35石)を収穫していると判断する。この場合、判断部117は、10/2において、乾燥機Aの乾燥終了時間よりも前に、当該乾燥機Aで乾燥する穀物の収穫(圃場A及び圃場Cにおける穀物の収穫)が終了していることから、乾燥機Aの乾燥が終了しないと、圃場A及び圃場Cの穀物が乾燥できないことになるため、10/2の収穫状況で示された穀物の割り当てができないと判断する。
【0145】
なお、穀物の収穫後、ある程度の時間が経過しても良いことから、当該判断にあたっては、収穫後、所定時間内(数時間以内)に乾燥機に張り込みが出来る状況であれば、判断部117は、割り当て可能であると判断してよい。この場合、穀物の収穫後から乾燥開始までの許容できる時間(許容時間)は、予め作物管理コンピュータ100(判断部117)に設定していることが望ましい。
【0146】
通知部118は、乾燥計画の変更が必要である場合に、作物管理コンピュータ100Cや接続機器に通知をする。即ち、通知部118は、判断部117によって、乾燥計画通りに穀物の割り当てができない場合、接続機器等に乾燥計画通りに割り当てができないことを通知する。通知部118は、例えば、10/2の収穫終了時には、乾燥機Aの乾燥が終了しないことを接続機器である通信端末33Aや管理者用コンピュータ33Bに通知する。このようにすれば、通信端末33Aを所持する作業者、或いは、管理者用コンピュータ33Bの管理者が新たな乾燥先を手配することができる。
【0147】
次に、
図31用いて判断部117の別の判断について説明する。
図31に示すように、第1状況部115で取得した収穫状況によれば、圃場Aの収穫時
の水分量は23%、圃場Cの収穫時の水分量は29%、圃場A及び圃場Cの収穫終了時間は、10/2の14:00であったとする。この場合は、収穫終了時間と乾燥終了時間とは同じであるため、収穫終了時間及び乾燥終了時間では、判断部117は、乾燥計画通りに割り当てができると判断する。また、判断部117は、10/2の収穫状況で示された穀物の割り当てが可能であるか否かを10/2の乾燥状況ではなく、収穫状況から判断する。
【0148】
判断部117は、乾燥計画を参照し、10/2は、所定の乾燥機(乾燥機A)に対して、圃場Aの穀物と、圃場Cの穀物とを乾燥することを把握する。判断部117は、収穫状況を参照して、圃場Aの収穫時の水分量と、圃場Cの収穫時の水分量とを比較する。圃場Aの収穫時の水分量が23%であって、圃場Cの水分量が29%であり、水分量の差は5%以上である。判断部117は、同一の乾燥機Aに張り込む2つの穀物の水分量の差が5%(判定基準以上)であって大きいため、10/2の収穫状況で示された穀物の割り当てができないと判断する。
【0149】
この場合も、通知部118は、10/2の収穫終了時に、圃場Aの水分量と、圃場Cの水分量との差が大きく、同一の乾燥機に張り込むことが難しいことを接続機器に通知する。
次に、
図32を用いて判断部117の別の判断について説明する。
図32に示すように、第1状況部115で取得した収穫状況によれば、10/2の14:00時点において、圃場Aの収穫作業は行われていない、即ち、圃場Aの収穫作業を行っている農業実績が無く、圃場Cの収穫は完了していたとする。第2状況部116で取得した乾燥状況によれば、10/2の14:00時点にて、乾燥機Aの乾燥が終了しているとする。
【0150】
判断部117は、乾燥計画を参照し、10/2は、所定の乾燥機(乾燥機A)に対して、圃場Aの穀物と、圃場Cの穀物とを乾燥することを把握すると共に、乾燥状況及び収穫状況を参照する。判断部117は、10/2の乾燥機Aの乾燥が終了した時点において、圃場Aの収穫作業は行われていないため、乾燥機Aが乾燥していない空白時間が生じると判断する。この場合も、判断部117は、割り当てができないと判断する。
【0151】
通知部118は、10/2の乾燥機Aに張り込みする穀物の収穫が予定よりも遅く乾燥機に空白時間が生じることを接続機器に通知する。なお、
図32の説明では、乾燥機Aの乾燥終了時間の時点での収穫状況を参照し、割り当てができるか否かの判断をしたが、収穫及び積み込みに要する標準的な時間(標準時間)を考慮して、標準時間前に収穫状況を参照し、乾燥終了時間に収穫及び積み込みが終了するか否かの予測を行って、当該予測により割り当て可能であるかの判断をしてもよい。
【0152】
さて、上述した乾燥機61Aには、生産情報、特に、生産情報の中の生産者情報を表示することが望ましい。乾燥機61Aに生産者情報を表示する変形例について詳しく説明する。
乾燥機61Aの第1コントローラ80Aは、乾燥機61Aで乾燥処理を行う場合に、
図33に示すように、作物管理コンピュータ100に接続して、生産情報の要求を行う(S1)。作物管理コンピュータ100の生産情報取得部105は、第1コントローラ80Aの要求に応じて、生産管理コンピュータ33Cに接続し、収穫情報記憶部48を参照する(S2)。そして、生産情報取得部105は、収穫時に割り当てられた特定情報及び当該特定情報から割り出された生産者情報を取得する(S3:生産者情報の取得処理)。
【0153】
詳しくは、生産者情報の取得処理S3においては、まず、生産情報取得部105は、第1収容部材55の収容識別情報(第1識別情報)及び荷受ID(荷受情報)を収穫情報記憶部48から取得する。第1識別情報及び荷受IDは、収穫時に割り当てられた特定情報(第1特定情報)である。
そして、生産情報取得部105は、取得した荷受IDを検索キーとして、さらに、収穫情報記憶部48から荷受IDに対応付けられた農業実績を抽出する。次に、生産情報取得部105は、管理情報記憶部47を参照し、抽出した農業実績に対応付けられた作付計画を抽出する。そして、抽出した作付計画に対応する生産者情報を管理情報記憶部47から
抽出する。
【0154】
生産情報取得部105が生産者情報を取得後は、乾燥機61Aの第1コントローラ80Aに取得した生産者情報を送信する(S4)。表示装置68は、生産者情報を表示する。
このように、作物管理コンピュータ100と、生産管理コンピュータ33Cとを連係することによって、乾燥機61A等で処理している穀物の生産者を表示することができる。
生産者情報の表示は、乾燥機61Aに限定されず、穀物処理設備60に設けられた処理機であれば何でもよく、放冷タンク61B、籾摺機61C、調製機の1つである色選機61D、計量器61Eであってもよい。
【0155】
上述した実施形態では、作物管理コンピュータ100は、特定情報として、第1収容部材55の収容識別情報及び荷受IDを用いて、生産者情報を割り出していたが、これに代え、収穫した穀物の圃場を識別する第2識別情報を特定情報として取得して、この第2識別情報に基づいて、生産者情報を割り出してもよい。
この場合、生産者情報の取得処理S3においては、まず、生産情報取得部105は、収穫情報記憶部48を参照して、農業実績を抽出する。そして、生産情報取得部105は、管理情報記憶部47を参照し、抽出した農業実績に対応付けられた作付計画を抽出し、抽出した作付計画に対応する生産者情報を管理情報記憶部47から抽出する。
[第2実施形態]
第2実施形態は、乾燥計画の作成、乾燥時期の予測、乾燥時期の変更等を生産管理コンピュータ33Cで行う実施形態である。第1実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0156】
図35に示すように、生産管理コンピュータ33Cは、計画作成部104と、収穫量取得部109と有している。計画作成部104及び収穫量取得部109は、生産管理コンピュータ33Cに格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
通信端末33Aや管理者用コンピュータ33B等の接続機器がログインして、接続機器から年間乾燥計画の作成の要求があると、この要求に応じて計画作成部104は、第2画面Q8を接続機器に表示する。また、接続機器から日乾燥計画の作成の要求があると、この要求に応じて計画作成部104は、第3画面Q9を接続機器に表示する。接続機器による年間乾燥計画や日乾燥計画画面の設定方法は、上述した実施形態と同じである。第2画面Q8に入力された年間乾燥計画、第3画面Q9に入力された日乾燥計画は、生産管理コンピュータ33Cに設けた乾燥計画記憶部119に記憶される。なお、日乾燥計画を作成するにあたって、乾燥機の登録が必要であるが、登録後の情報は、第1実施形態で示した作物管理コンピュータ100と同様に、生産管理コンピュータ33Cに記憶することが可能である。
【0157】
さて、生産管理コンピュータ33Cによって、乾燥時期を予測することができる。生産管理コンピュータ33Cは、時間記憶部106と、時間取得部107と、予測部108とを有している。時間取得部107及び予測部108は、生産管理コンピュータ33Cに格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されれいる。
乾燥時期を予測するにあたっては、予測部108は、例えば、管理情報記憶部47に接続して、農業実績を参照する。また、予測部108は、農業実績に示された農作業に対応する第1生育時間を時間取得部106から抽出し、農作業の実施日に第1生育時間を加算することで乾燥時期を求める。
【0158】
なお、時間記憶部106は、農作業に対応する第1生育時間の代わりに、生育状況に対応した第2生育時間を記憶していてもよい。この場合、予測部108は、管理情報記憶部47に接続して、農業実績を参照し、当該農業実績から所定の圃場における生育状況を抽出すると共に、生育状況に対応した第2生育時間を時間記憶部106から取得する。そして、予測部108は、生育状況の調査日に第2生育期間を加算した日付を乾燥時期とする。
【0159】
また、生産管理コンピュータ33Cによって、乾燥計画を見直すことが可能である。生産管理コンピュータ33Cによる乾燥計画の見直しについて説明する。
生産管理コンピュータ33Cは、第1状況取得部114と、第2状況取得部115と、
計画取得部116と、判断部117と、通知部118とを有している。第1状況取得部114、第2状況取得部115、計画取得部116、判断部117及び通知部118は、生産管理コンピュータ33Cに格納されたプログラム、電子・電気回路等から構成されている。
【0160】
第1状況取得部114は、穀物の収穫状況を取得するものである。第1状況取得部114は、例えば、管理情報記憶部47を参照し、農業実績に示された圃場、収穫日、収穫量、収穫時の水分量を、穀物の収穫状況として取得する。
第2状況取得部115は、穀物を乾燥する乾燥機の乾燥状況を取得する。第2状況取得部115は、例えば、作物管理コンピュータ100に接続して、当該作物管理コンピュータ100の稼動取得部101により、乾燥機61Aの稼動状態(乾燥中、停止等)、乾燥開始時間、乾燥終了時間、乾燥量、乾燥中の水分、乾減率、目標水分量等を、乾燥状況として取得する。
【0161】
計画取得部116は、乾燥計画記憶部119を参照して、所定の日付において、指定された乾燥機と指定された圃場との対応関係を取得する。判断部117は、乾燥計画、収穫状況及び乾燥状況に基づいて乾燥計画の変更が必要であるか否かを判断する。判断部117による判断は、第1実施形態と同様である。
通知部118は、乾燥計画の変更が必要である場合に、作物管理コンピュータ100Cや接続機器に通知をする。即ち、通知部118は、判断部117によって、乾燥計画通りに穀物の割り当てができない場合、接続機器等に乾燥計画通りに割り当てができないことを通知する。
【0162】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述した実施形態では、作業者用コンピュータ33A、管理者用コンピュータ33B、生産管理コンピュータ33C、作物管理コンピュータ100について説明したが、各コンピュータの構成を他のコンピュータが有していてもよい。例えば、生産管理コンピュータ33Cと、作物管理コンピュータ100とが一体になっていてもよいし、管理者用コンピュータ33Bが生産管理コンピュータ33Cで示した構成の一部或いは全部を有していてもよい。また、作業者用コンピュータ33Aが管理者用コンピュータ33Bで示した構成の一部或いは全部を有していてもよい。
【0163】
上述した実施形態では、予測部108は、農作業に対応する第1生育時間や生育状況に対応した第2生育時間に基づいて乾燥時期を求めていたが、第1生育時間や第2生育時間に加えて、乾燥時期を補正する補正時間に基づいて乾燥時期を求めるようにしてもよい。例えば、第2画面Q8に補正時間を入力する補正入力部を設けて、予測部108が、補正入力部に入力された補正時間と、第1生育時間或いは第2生育時間とを加算することで、乾燥時期を求める。補正時間は特に限定されないが、例えば、天候の影響を想定して、予測される雨天の日数であってもよいし、その他の日数であってもよい。また、補正入力部には、補正時間を直接入力してもよいし、所定日数当たり補正を行う日数(例えば、7日毎に雨天を想定)を入力してもよい。