(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚は、表皮、真皮およびその付属器官(汗腺等)より構成されている。表皮は最表層に位置する厚さ100〜200μm程度の組織であり、体内側より順に、基底層・有棘層・顆粒層・角層の4層より構成されている。最も上層に位置する角層は、外界からの刺激に対する防御の最前線であり、生体の恒常性を維持する上で重要な役割を担っている。また角層は美容的にも重要な部位である。即ち、いわゆる肌荒れや化粧のりといった現象は、角層構造の乱れや角層組成の変化等と密接に関連する。従って健康な肌や、美しい肌を実現するには、角層を良い状態に維持する必要がある。
【0003】
基底層で作られたケラチノサイトが角化し、有棘層、顆粒層を経て扁平な角層細胞に分化することによって角層は形成される。表皮(基底層・有棘層・顆粒層・角層)には毛細血管が存在しないため、ケラチノサイトの代謝・分化に必要な酸素や栄養素は、表皮下にある真皮の血管系より供給される。具体的には、表皮・真皮境界にある乳頭構造中の毛細血管や、乳頭外にある表皮近傍の毛細血管が、供給の最終段の役割を担っている。
【0004】
これらの毛細血管には、常に血液が流れているわけではない。皮膚の状況に応じて、毛細血管に流れる血液量は制御されていると考えられている。例えば、表皮代謝が活発な部位では、毛細血管に流れる血液量が大きくなっていると考えられる。
【0005】
このように表皮近傍の毛細血管における血流挙動は、1)表皮におけるケラチノサイトの代謝や分化に直接的な影響を及ぼす因子であり、2)角層の状態に間接的に寄与する因子であり、3)最終的には、健康で美しい肌の実現に寄与する因子であると考えられている。従って、皮膚表層における毛細血管での血流状態を把握することは、皮膚の健康状態の把握、肌荒れ等の皮膚トラブルの原因の究明、皮膚の状態を改善する物質や物理的作用の評価等に有用である。
【0006】
既存の代表的な皮膚表層の血流評価法としては、レーザードップラー法やレーザースペックル法(非特許文献1)、及び光学顕微鏡観察(非特許文献2,非特許文献3)が挙げられる。皮膚にレーザー光を照射し、流れている赤血球の表面で光が反射する際の、反射光のドップラーシフト(レーザードップラー法)や、反射光強度の時間変動(レーザースペックル法)から血流を評価する場合、一般的には深さ1mm程度までの平均的な血流情報を取得する。それに対して、表皮の代謝・分化に直接寄与する上述の毛細血管は、皮膚表面からおよそ400μm程度の範囲に存在する。従ってレーザードップラー法やレーザースペックル法では、皮膚表層の毛細血管のみの情報を取得することができない。
【0007】
皮膚表層の毛細血管での血流状態を直接観察する手法としては、光学顕微鏡観察が知られている。しかし毛細血管(直径10〜50μm)の血流を観測できる解像度を得るには、観察視野は通常数mm
2しか確保できない。一般に毛細血管の形状や分布は不均一であり、このように狭い領域の一回の観察結果からは、その皮膚の毛細血管の特性(毛細血管の形状や分布)を的確に把握することができない。そのため有意な結果を得るには多数回の観察が必要となり、測定者や被験者に多大な負担を強いることとなる。
【0008】
また、人の血管網を広視野で観察する手法としては、MRIによる血管のイメージングが知られている(特許文献1)。ただしこの手法の空間分解能はmmのオーダーであるため、毛細血管の観察は困難である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の毛細血管の観察方法は、被験者の身体部位の皮膚表面のスキャン画像を取得し、当該画像データに基づいて毛細血管の状態を解析するものである。
【0017】
本発明において、身体部位としては、毛細血管の状態を観察する必要のあるヒトの身体外部が挙げられ、具体的には手、足、腕、脚、胴体、顔等が挙げられる。
図1に、本発明の毛細血管の観察方法を実施するための一実施形態である装置の全体構成図を示す。以下、これを参照して説明する。
【0018】
本発明の方法を実施するための装置には、画像を取得するためのスキャナ9と、取得した画像を表示する画像表示部7と、画像取得及び光源の制御や画像データを処理する制御部6が含まれる。
スキャナは、イメージセンサー及びレンズを組み合わせた画像取得部1と光源(2,3)とを組み合わせたユニットを有し、当該ユニットを被写体配置面(通常ガラス板)に沿って走査しながら、被写体からの反射光を画像として逐次取得する機構、取得した画像データを外部に転送する機構を保有していればよく、読み取り方式は、縮小光学系又は密着光学系の何れでもよい。また、CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサーの何れの撮像素子を採用したものでもよい。
斯かるスキャナとしては、ラインセンサーとこれを囲むように光源を配置したフラットベッド型スキャナが好適に用いられる(
図1:1,2,3参照)。
また、スキャナ内部には、内部から被写体を写すための観察ミラー8を取り付けるのが好ましい。これにより、同じ部位を複数回観察するための被写体の位置調整が可能となる。
【0019】
本発明において、スキャナは、Gのチャンネルにおいて空間周波数50本/mm以上の構造を観察可能な空間分解能を有するものが使用される。
ここで、空間周波数とは、ミリメートルあたりの線数(本/mm)を意味する。当該空間周波数は、標準試料(テストターゲット)、例えばUSAF1951テストターゲットのような空間分解能のテストターゲットを観察することにより測定される。
USAF 1951テストターゲットには、「グループ」「エレメント」の二つの数で定められるサイズの異なる線(3本)が印刷されている。グループ5、エレメント5の構造は空間周波数50.8本/mmに相当することから、同サンプルのグループ5、エレメント5の3本の線を識別できれば、空間周波数は50本/mm以上であり、本発明において、使用可能なスキャナといえる。また、毛細血管は緑色の光をよく吸収することから、カラー画像をR、G、Bの3チャンネルに分割した際、Gのチャンネルにおいて上記の空間分解能を有することが好ましい。
本発明において、観察可能な空間周波数は50本/mm以上であればよいが、好ましくは100本/mm以上、より好ましくは200本/mm以上で、好ましくは500本/mm以下、より好ましくは250本/mm以下である。また、好ましくは50〜500本/mm、より好ましくは100〜250本/mmである。
【0020】
また、スキャナの読み取り解像度は、毛細血管の太さが約10μmである点から、2400dpi(1ピクセル約10μm)以上が好ましく、より好ましくは3600dpi(1ピクセル約7μm)以上、更に好ましくは4800dpi以上(1ピクセル約5μm)である。また、画像の精細さと、扱いやすいデータ容量および被験者負荷の小さいデータ取得時間の両立の点から、2400〜9600dpi、好ましくは2400〜4800dpiである。
また、読み取り階調は、コントラスト強調が可能であり、かつ、周辺組織と血管を色調区別し得る点から、R/G/Bが、それぞれ8bit(256階調)以上であり、R/G/Bがそれぞれ16bit(65536階調)以上であるのが好ましい。
【0021】
上記のスキャナは、市販のスキャナを、適宜改良して作製すること(例えば、観察ミラーの設置、レンズの改良等)することができる。市販のスキャナとしては、例えば、フラットベッドスキャナ(「4800ppi高解像度イメージスキャナ」、アイメジャー株式会社、最大解像度:4800dpi)等が使用できる。
【0022】
本発明の方法においては、測定対象となる被験者の身体部位が、スペーサーを介してスキャナの被写体配置面上(ガラス板)に配され、当該身体部位の皮膚表面がガラス板に接触しないようにしてスキャニングが行われる。
図2にスペーサー部分の断面模式図を示す。被験者の身体部位がスペーサーの上部に押し当てられた際、スペーサーの開口部においてスキャナのガラス面に接することなく保持される。
【0023】
スペーサーは、測定対象となる被験者の身体部位をセットした場合に、測定対象となる皮膚表面がスキャニングされるように開口部を有し、且つ一定の厚さを有する部材である(
図1:5)。
ここで、開口部の形状は、矩形でも円形でもよい。すなわち、スペーサーの形状は、円形リング状或いは四角リング状である。開口部のサイズは、観察する視野の大きさ及び皮膚表面の平坦性を勘案して適宜選択することができ、開口部の内部面積が、好ましくは100mm
2以上、より好ましくは225mm
2以上で、好ましくは900mm
2以下、より好ましくは625mm
2以下である。また、好ましくは100mm
2〜900mm
2、より好ましくは225mm
2〜625mm
2である。
例えば、矩形とする場合には、その内周は、好ましくは5〜100mm×5〜100mm、より好ましくは10〜50mm×10〜50mm、より好ましくは15〜25mm×15〜25mmが挙げられ、更には15mm×25mm、25mm×25mmが挙げられる。
【0024】
スペーサーの厚さ(ガラス板に設置した場合のガラス板からの高さ)は、被験者の身体部位を押し当てた際に、スペーサーの開口内で皮膚表面が突出して、スキャナのガラス板に接することがなく、且つスキャナの空間分解能が維持される程度に皮膚表面とスキャナのガラス板との距離が保持されていること、すなわち、皮膚表面がスキャナの被写界深度内にあることが必要である。
この点を考慮すると、スペーサーの厚さは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、且つ好ましくは6mm以下、より好ましくは1mm以下である。また、0.1〜6mm、好ましくは0.5〜1mmである。
【0025】
スペーサーの素材は、皮膚を傷つけないよう適度な柔らかさと、皮膚・ガラス面に密着するよう形状に追随するような適度な弾力を有する素材であるのが好ましい。斯かる素材としては、例えば、シリコンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等が挙げられるが、耐水性、耐油性、無臭、無毒性の点から、シリコンゴムを用いるのが好ましい。
また、当該素材は任意の色であり得るが、スペーサー外からの光の遮断を抑える観点から、無色透明又は白色半透明であるのが好ましい。
【0026】
斯様に、スペーサーを介し、被験者の皮膚表面がスキャナの被写体配置面と接触しないようにしてスキャニングすることより、測定箇所が圧迫されることによる血流低下を防止でき、正確な毛細血管の状態が計測できる。
【0027】
さらに、毛細血管のより明瞭なスキャン画像を得るためには、角層(屈折率約1.5)と空気(屈折率約1.0)の界面における光の反射を低減することが有効である。そのために、皮膚表面とスキャナのガラス面の間を特定の屈折率を有するコンタクト剤で満たすことが有効である。斯かるコンタクト剤としては、無色透明であり、屈折率が約1.3〜1.55であるものが好ましい。
また、皮膚へ追随性の点から、粘度が5.0×10
−4〜1.5×10
2 Pa・sであるのが好ましく、更にはスペーサーから流出しない程度以上の粘性の点から3.0×10
−2〜1.2×10
2 Pa・sであるのがより好ましく、更には気泡の入りにくさ、除去のしやすさの点から3.0×10
−2〜40 Pa・sであるのがより好ましい。
ここで、屈折率はJIS K 7142に準拠し23℃においてアッベ屈折計により測定することができ、また文献値(化学便覧(日本化学会編)等)をもとに計算して求めることもできる。
また、粘度は、25℃において、市販のレオメータを用いたフローカーブ測定や、B型(単一円筒型回転式)粘度計を用いた測定により求めることができる。
【0028】
好適なコンタクト剤としては、例えばグリセリン(屈折率約1.5)、イマージョンオイル(屈折率1.52)、スクワラン(屈折率約1.45)等の油剤、プロゼリー(ジェクス株式会社)等の市販の超音波ゼリー(屈折率約1.3)、水(屈折率約1.3)等が挙げられ、この内、グリセリン、スクワラン、超音波ゼリーがより好ましい。
【0029】
上記スキャナにより、スペーサー開口部内に呈示された皮膚表面がスキャンされ、スキャン画像が取得される。画像データの解析は、画像データを画像表示装置により表示して人により毛細血管の状態を観察すること、或いはコンピュータを用いて画像分析し、毛細血管の状態を解析することにより行われる。
ここで、毛細血管の状態とは、毛細血管の数、分布(均一・不均一)、形状等が挙げられる。
【0030】
上述した実施形態に関し、本発明においてはさらに以下の態様が開示される。
<1>スキャナを用いた画像取得システムにより、皮膚表層の毛細血管を観察する方法であって、
スキャナがGのチャンネルにおいて空間周波数50本/mm以上の構造を観察可能な空間分解能を有するものであり、当該スキャナの被写体配置面には開口部を有するスペーサーが設置され、
前記スペーサーの開口部内をコンタクト剤で満たした後、被験者の身体部位を当該スペーサーの上部に接触させて配し、スペーサー開口部に呈示された皮膚表面をスキャンしてスキャン画像を取得し、当該画像データに基づいて毛細血管の状態を解析する、毛細血管の観察方法。
<2>スキャナの読み取り解像度が、2400dpi以上である上記<1>の方法。
<3>スペーサーの開口部内の面積が100〜900mm
2である上記<1>又は<2>の方法。
<4>スペーサーの厚さが、0.1〜6.0mmである上記<1>〜<3>のいずれかの方法。
<5>スペーサーの素材が、シリコンゴムである上記<1>〜<4>のいずれかの方法。
<6>コンタクト剤が、屈折率1.3〜1.55の流動性素材である上記<1>〜<5>のいずれかの方法。
<7>コンタクト剤の粘度が、5.0×10
−4〜1.5×10
2 Pa・sである上記<6>の方法。
<8>毛細血管の数、形状又は分布を解析する、上記<1>〜<7>のいずれかの方法。
<9>スキャナを用いた画像取得システムにより皮膚表層の毛細血管を観察する装置であって、
Gのチャンネルにおいて空間周波数50本/mm以上の構造を観察可能な空間分解能を有するスキャナ、取得した画像を表示する画像表示部、画像取得及び光源の制御並びに画像データを処理する制御部を有し、前記スキャナの被写体配置面には開口部を有するスペーサーが設置され、被験者の身体部位をスペーサーの上部に接触させて、スキャン画像を取得する、毛細血管の観察装置。
【0031】
<10>上記<1>又は<9>において、スキャナのGのチャンネルにおける観察可能な空間周波数は、好ましくは100本/mm以上、より好ましくは200本/mm以上で、好ましくは500本/mm以下、より好ましくは250本/mm以下である。また、好ましくは50〜500本/mm、より好ましくは100〜250本/mmである。
<11>上記<1>又は<9>において、スキャナの読み取り解像度は、2400dpi以上が好ましく、より好ましくは3600dpi以上、更に好ましくは4800dpi以上である。また、好ましくは2400〜9600dpi、より好ましくは2400〜4800dpiである。
<12>上記<1>又は<9>において、スペーサーの開口部内の面積は、好ましくは100mm
2以上、より好ましくは225mm
2以上で、好ましくは900mm
2以下、より好ましくは625mm
2以下である。また、好ましくは100mm
2〜900mm
2、より好ましくは225mm
2〜625mm
2である。
<13>上記<1>又は<9>において、スペーサーの厚さは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、且つ好ましくは6mm以下、より好ましくは1mm以下である。また、0.1〜6mm、好ましくは0.5〜1mmである。
<14>上記<1>又は<9>において、コンタクト剤の粘度は、好ましくは3.0×10
−2〜1.2×10
2 Pa・s、より好ましくは3.0×10
−2〜40 Pa・sである。
<15>上記<1>又は<9>において、コンタクト剤は、好ましくはグリセリン、スクワラン、又は超音波ゼリーである。
【実施例】
【0032】
<スキャナの空間分解能の検討>
広視野血管画像撮影装置として、汎用のフラットベッドスキャナ(GT−X820、EPSON)、および高解像度のフラットベッドスキャナ(イメージスキャナ4800dpi、アイメジャー株式会社)を用いた。
標準試料(1951 USAFテストターゲット、Edmund Optics)を各スキャナのガラス面状に置き、下記条件で観察した:
・イメージスキャナ4800dpi(高解像度スキャナ):読み取り解像度4800dpi、階調RGB 各16bit
・GT−X820:読み取り解像度6400dpi、階調RGB 各16bit。
【0033】
1951 USAFテストターゲットには3本のラインが異なるスケールで記入されている。この3本のラインを識別できるスケールに基づいて、スキャンと平行及び垂直方向における識別可能なパターンの空間周波数を、R、G、Bの各チャンネルについて評価した。
【0034】
結果を
図3に示す。
GT−X820では、Gのチャンネルにおける最も高い空間周波数は、スキャンと垂直方向及び平行方向で、それぞれ約25本/mmおよび約40本/mmであった。これらの空間分解能では、毛細血管程度の10μmの構造の判別は困難である。一方、イメージスキャナ4800dpiでは、ガラス面から1mmまでの距離で、Gのチャンネルでの観察可能な空間周波数が50本/mm以上であった。これは、毛細血管程度の10μmの構造を判別可能な空間分解能であると考えられる。
【0035】
実施例1 皮膚毛細血管の観察1
スキャナとして、「4800ppi高解像度イメージスキャナ」(アイメジャー株式会社)を用いて、ガラス板上に、内周15mm×25mm、厚さ1.5mmの矩形の開口を有する、外周25mm×35mmのシリコンゴムのスペーサーを設置した。
スペーサーの開口部にグリセリン(屈折率約1.5)を満たした後、被験者A(30代健常男性)の前腕内側部をスペーサー上部に置き、解像度4800dpiでスキャンした。 得られたスキャン画像を20倍以上に拡大した結果、毛細血管が鮮明に観察された(
図4(a))。
【0036】
次いで、同一箇所の皮膚を2分間隔で同様にスキャンした結果、上記構造が明滅する様子が観察された。これは、血液の環流状態の変化に対応すると考えられた(
図5)。
以上より、300mm
2以上の広視野で、毛細血管の数、形状、分布等を観察できることが示された。
【0037】
尚、コンタクト剤を使用し、スペーサーを使用せずにスキャンした場合、取得された画像(
図4(b))においては、皮膚の圧迫により血流が低下し、一部の毛細血管が不明瞭化した。また、コンタクト剤およびスペーサーを使用せずにスキャンした場合、取得された画像(
図4(c))においては落屑や皮膚上のきめなどの構造での光反射により、皮膚内部の構造が不明瞭化し、毛細血管の鮮明な画像は得られなかった。
【0038】
実施例2 皮膚毛細血管の観察2
一般的な汎用スキャナ(GT−X820)と高解像度スキャナ(イメージスキャナ4800dpi)を用い、実施例1と同様のスペーサーとコンタクト剤を用い、2人の被験者の前腕内側部の皮膚を観察した結果、空間周波数50本/mm以上の構造を観察可能な高解像度スキャナでは、空間周波数50本/mm未満の構造を観察可能な汎用スキャナに比べて明瞭に毛細血管が観察された(
図6)。特に、汎用スキャナでは毛細血管の観察が困難であった被験者B(20代健常女性)においても、高解像度スキャナを用いることで明瞭に毛細血管を観察可能であることが分かった(
図6(c)(d))。