(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
商用のガスを空調、給湯、並びに前記空調及び前記給湯とは異なる他用途で消費する居住領域で消費された前記ガスの総消費量の経時変化を示す総消費量プロファイルと、前記居住領域において前記空調で消費される前記ガスの消費量に影響を与える因子として予め定められた因子と、前記居住領域における水温とに基づいて、前記居住領域において前記空調で消費される前記ガスの消費量の経時変化を示す空調プロファイルを導出する第1導出部と、
前記総消費量プロファイルと、前記他用途で消費される前記ガスの消費量の経時変化の特徴として予め定められた特徴を含めて規定された参照情報とに基づいて、前記居住領域において前記他用途で消費される前記ガスの消費量の経時変化を示す他用途プロファイルを導出し、導出した前記他用途プロファイルに相当する部分及び前記第1導出部により導出された前記空調プロファイルに相当する部分を前記総消費量プロファイルから減じることで、前記居住領域において前記給湯で消費される前記ガスの消費量の経時変化を示す給湯プロファイルを導出する第2導出部と、
を含むガス消費状況推定装置。
前記予め定められた因子は、前記居住領域が属する地域の気象、前記居住領域に含まれる家屋の立地条件、及び前記家屋が有する特徴を含む請求項1に記載のガス消費状況推定装置。
前記第1導出部は、前記居住領域において前記空調で消費される前記ガスの仮消費量の経時変化を示す空調仮プロファイルを前記予め定められた因子に基づいて導出し、前記総消費量プロファイルから特定される前記総消費量のうちの冬期の前記総消費量と前記冬期の前記水温との第1対応関係と、前記総消費量プロファイルから特定される前記総消費量のうちの非冬期の前記総消費量と前記非冬期の前記水温との第2対応関係との相違度及び前記空調仮プロファイルに基づいて前記空調プロファイルを導出する請求項1又は請求項2に記載のガス消費状況推定装置。
前記第1導出部は、前記居住領域に対して適用される電力メータ及びガスメータのうちの少なくとも一方の計測結果に基づいて、前記居住領域における居住者の不在時間を導出し、導出した前記不在時間に基づいて前記空調仮プロファイルを補正し、補正した前記空調仮プロファイル及び前記相違度に基づいて前記空調プロファイルを導出する請求項3に記載のガス消費状況推定装置。
前記第1対応関係は、前記総消費量プロファイルから特定される前記総消費量のうちの前記冬期の前記総消費量の7日間移動平均と前記冬期の前記水温との対応関係であり、
前記第2対応関係は、前記総消費量プロファイルから特定される前記総消費量のうちの前記非冬期の前記総消費量の7日間移動平均と前記非冬期の前記水温との対応関係である請求項3又は請求項4に記載のガス消費状況推定装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、商用のガスを例に挙げて説明する。商用のガスとは、例えば、ガス供給会社から供給され、かつ、ガスメータにより消費量が計測可能なガスを指す。また、以下では、説明の便宜上、商用のガスを単に「ガス」と称する。
【0029】
[第1実施形態]
一例として
図1に示すように、本第1実施形態に係るガス消費状況推定装置10は、CPU(Central Processing Unit)12、一次記憶部14、及び二次記憶部16を含む。CPU12、一次記憶部14、及び二次記憶部16は、バス18を介して相互に接続されている。
【0030】
なお、本第1実施形態では、ガス消費状況推定装置10がパーソナル・コンピュータによって実現される場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ装置によっても実現可能であり、ガススマートメータに内蔵されているマイクロコンピュータによっても実現可能である。
【0031】
CPU12は、ガス消費状況推定装置10の全体の動作を制御する。一次記憶部14は、揮発性のメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)である。二次記憶部16は、不揮発性のメモリであり、例えば、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)である。
【0032】
ガス消費状況推定装置10は、インプット・アウトプット・インターフェース(I/O)20を備えている。I/O20は、CPU12と各種の入出力デバイスとを電気的に接続してCPU12と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司る。ガス消費状況推定装置10は、I/O20に接続されることで、バス18を介してCPU12と電気的に接続される入出力デバイスとして、受付部22、表示部24、外部インタフェース(I/F)26、及び通信I/F28を備えている。
【0033】
受付部22は、ユーザからの指示を含む各種情報を受け付ける。受付部22の一例としては、キーボード、マウス、及びタッチパネルなどの入力デバイスが挙げられる。
【0034】
表示部24は、受付部22によって受け付けられた各種情報に応じてCPU12によって実行された処理の結果や警報等を表示する。表示部24の一例としては、液晶ディスプレイが挙げられる。
【0035】
外部I/F26は、外部装置(例えば、USBメモリ)に接続され、外部装置とCPU12との間の各種情報の送受信を司る。
【0036】
通信I/F28は、通信回線30(例えば、専用線又はインターネット回線)に接続されている。通信回線30には、ガスメータ32、電力メータ34、及び情報提供装置36が接続されている。なお、ガスメータ32及び電力メータ34の各々の一例としては、スマートメータが挙げられる。
【0037】
ガスメータ32及び電力メータ34、ガスを消費する家屋38に設置されている。本第1実施形態において、家屋38とは、ガスを空調、給湯、及び他用途で消費する家屋を指す。家屋38の一例としては、一戸建ての住居、マンションの居室、高齢者入居施設、又は病院が挙げられる。
【0038】
本第1実施形態において、空調とは、暖房を指す。暖房には、例えば、床暖房及びガスファンヒータが含まれる。本第1実施形態において、他用途とは、家屋38でのガスの用途のうちの空調及び給湯とは異なる用途を指す。本第1実施形態において、他用途は、浴室乾燥、風呂保温、及びコンロに類別される。本第1実施形態において、浴室乾燥とは、家屋38に設置されている浴室の乾燥を指し、風呂保温とは、家屋38に設置されている浴室内の浴槽に張られている湯の保温を指し、コンロとは、家屋38に設置されているコンロを指す。なお、本第1実施形態において、保温とは、例えば、指定された所定の温度範囲に湯の温度を保つことを意味する。
【0039】
ガスメータ32は、家屋38で消費されるガスの消費量を単位時間毎に計測し、計測結果をガス消費状況推定装置10の要求に応じて通信回線30を介してガス消費状況推定装置10に送信する。電力メータ34は、家屋38で消費される電力の消費量を単位時間毎に計測し、計測結果をガス消費状況推定装置10の要求に応じて通信回線30を介してガス消費状況推定装置10に送信する。なお、本第1実施形態において、単位時間とは、1時間を指すが、これに限らず、単位時間は、数時間又は数分単位の時間であってもよい。
【0040】
情報提供装置36は、ガス消費状況推定装置10の要求に応じた情報をガス消費状況推定装置10に提供する。情報提供装置36からガス消費状況推定装置10に提供される情報としては、例えば、気象情報及び水温情報が挙げられる。本第1実施形態において、気象情報とは、ガス消費状況推定装置10によって指定された家屋38が属する地域における年間の単位時間毎の気象を示す情報を指す。本第1実施形態において、水温情報とは、ガス消費状況推定装置10によって指定された家屋38における年間の単位時間毎の水温を示す情報を指す。
【0041】
一例として
図2に示すように、二次記憶部16は、ガス消費状況推定プログラム40を記憶している。CPU12は、二次記憶部16からガス消費状況推定プログラム40を読み出して一次記憶部14に展開する。そして、CPU12は、一次記憶部14に展開したガス消費状況推定プログラム40を実行することで、一例として
図3に示す第1導出部42及び第2導出部44として動作する。
【0042】
なお、ここではガス消費状況推定プログラム40を二次記憶部16から読み出す場合を例示しているが、必ずしも最初から二次記憶部16に記憶させておく必要はない。例えば、ガス消費状況推定装置10に接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、ICカード、光磁気ディスク、CD−ROMなどの任意の可搬型の記憶媒体に先ずはガス消費状況推定プログラム40を記憶させておいてもよい。そして、CPU12がこれらの可搬型の記憶媒体からガス消費状況推定プログラム40を取得して実行するようにしてもよい。また、通信手段を介してガス消費状況推定装置10に接続されるコンピュータ又はサーバ装置等の外部電子計算機の記憶部にガス消費状況推定プログラム40を記憶させておいてもよい。この場合、CPU12は外部電子計算機からガス消費状況推定プログラム40を取得して実行する。
【0043】
第1導出部42は、総消費量プロファイル、予め定められた因子、及び水温情報により示される水温に基づいて、家屋38において空調で消費されるガスの消費量の経時変化を示す空調プロファイルを導出する。
【0044】
なお、本第1実施形態において、経時変化とは、現時点までの過去一年分の単位時間毎の変化を指すが、これに限らず、経時変化は、現時点までの過去数日分、数箇月分、又は数年分の時間単位毎の変化であってもよい。また、経時変化は、指定された過去の特定期間の時間単位毎の変化であってもよい。
【0045】
また、本第1実施形態において、総消費量プロファイルとは、家屋38で消費されたガスの総消費量の経時変化を示すプロファイルを指す。なお、総消費量プロファイルは、例えば、ガスメータ32による現時点までの過去一年分の計測結果を基に第1導出部42によって作成される。
【0046】
また、本第1実施形態において、予め定められた因子とは、家屋38において空調で消費されるガスの消費量に影響を与える因子として予め定められた因子を指す。本第1実施形態において、予め定められた因子には、気象情報により示される気象、家屋38の立地条件(以下、「立地条件」と称する)、及び家屋38が有する特徴(以下、「家屋特徴」と称する)が含まれるが、本発明はこれに限定されるものではない。予め定められた因子は、例えば、気象、立地条件、及び家屋特徴のうちの少なくとも1つ又は2つであっても良いし、気象、立地条件、及び家屋特徴のうちの1つ以上と他の条件とを付け加えたものであってもよい。
【0047】
また、本第1実施形態において、気象とは、例えば、単位時間毎の気温、単位時間毎の湿度、及び単位時間毎の日射量を指す。また、家屋38の立地条件とは、例えば、住所、隣接家屋までの距離、隣接家屋の高さ、及び単位時間毎の太陽の位置を指す。また、家屋特徴は、構造特徴、内部発熱要素、及び空調条件に類別される。構造特徴とは、例えば、床面積、窓面積、壁面積、断熱性能、ガラスの仕様、熱容量、換気回数、壁条件(外気/界壁)、及び庇の大きさ・形状・位置を指す。内部発熱要素とは、例えば、電化製品の種類・個数、及び居住人数を指す。空調条件とは、例えば、床暖房やガスファンヒータ等の空調設備に対して設定されている温度や湿度を指す。
【0048】
第2導出部44は、総消費量プロファイルと参照情報とに基づいて他用途プロファイルを導出する。そして、第2導出部44は、導出した他用途プロファイル及び第1導出部42により導出された空調プロファイルの各々に相当する部分を総消費量プロファイルから減じることで給湯プロファイルを導出する。
【0049】
本第1実施形態において、参照情報とは、家屋38において他用途で消費されるガスの消費量の経時変化の特徴として予め定められた特徴を含めて規定された情報を指す。本第1実施形態では、一例として
図2に示すように、参照情報として、浴室乾燥参照情報48、風呂保温参照情報50、及びコンロ参照情報52が二次記憶部16に記憶されている。なお、浴室乾燥参照情報48、風呂保温参照情報50、及びコンロ参照情報52は、例えば、シミュレーション、実験、及び調査等の結果から事前に得られた情報である。
【0050】
浴室乾燥参照情報48は、浴室乾燥に対して規定されている。浴室乾燥参照情報48とは、浴室乾燥でガスが消費されている場合のガスピーク値、連続使用時間、及び電力ピーク値が対応付けられた情報を指す。本第1実施形態において、ガスピーク値とは、ガスの消費量のピーク値として予め定められた値を指す。本第1実施形態において、連続使用時間とは、ガスが連続して使用されている時間として単位時間で規定された予め定められた時間を指す。本第1実施形態において、電力ピーク値とは、電力の消費量のピーク値として予め定められた値を指す。
【0051】
風呂保温参照情報50は、風呂保温に対して規定されている。風呂保温参照情報50とは、風呂保温でガスが消費されている場合の風呂保温時間帯、ガスピーク値、及び連続使用時間が対応付けられた情報を指す。本第1実施形態において、風呂保温時間帯とは、風呂保温でガスが消費される時間帯として予め定められた時間帯を指す。
【0052】
コンロ参照情報52は、コンロに対して規定されている。コンロ参照情報52は、コンロでガスが消費されている場合のコンロ時間帯及びガスピーク値が対応付けられた情報を指す。本第1実施形態において、コンロ時間帯とは、コンロでガスが消費される時間帯として予め定められた時間帯を指す。
【0053】
本第1実施形態において、他用途プロファイルとは、家屋38において他用途で消費されるガスの消費量の経時変化を示すプロファイルを指す。本第1実施形態において、他用途プロファイルは、浴室乾燥仮プロファイル、風呂保温プロファイル、浴室乾燥プロファイル、及びコンロプロファイルに類別される。
【0054】
本第1実施形態において、浴室乾燥仮プロファイルとは、家屋38において浴室乾燥で消費されるガスの仮消費量の経時変化を示すプロファイルを指す。本第1実施形態において、風呂保温プロファイルとは、家屋38において風呂保温で消費されるガスの消費量の経時変化を示すプロファイルを指す。本第1実施形態において、浴室乾燥プロファイルとは、家屋38において浴室乾燥で消費されるガスの消費量の経時変化を示すプロファイルを指す。本第1実施形態において、コンロプロファイルとは、家屋38においてコンロで消費されるガスの消費量の経時変化を示すプロファイルを指す。
【0055】
本第1実施形態において、給湯プロファイルとは、家屋38において給湯で消費されるガスの消費量の経時変化を示すプロファイルを指す。
【0056】
次に、ガス消費状況推定処理の実行の開始の指示が受付部22によって受け付けられた場合にCPU12がガス消費状況推定プログラム40を実行することで実現されるガス消費状況推定処理について、
図4及び
図5を参照して説明する。
【0057】
なお、以下では、説明の便宜上、予め指定された家屋38を対象とした現時点までの過去一年間におけるガスの用途別の消費状況を推定する場合について説明する。
【0058】
また、以下では、説明の便宜上、ガスの消費状況の推定対象として指定された家屋38についての水温情報が情報提供装置36から提供され、提供された水温情報が二次記憶部16に既に記憶されていることを前提として説明する。
【0059】
また、以下では、説明の便宜上、ガスの消費状況の推定対象として指定された家屋38についてのガスの消費状況を推定するにあたって必要となる予め定められた因子が二次記憶部16に既に記憶されていることを前提として説明する。
【0060】
また、以下では、説明の便宜上、予め定められた因子に含まれる気象は、ガスの消費状況の推定対象として指定された家屋38における現時点までの過去一年分の単位時間毎の気象であることを前提として説明する。
【0061】
また、以下では、説明の便宜上、ガスの消費状況の推定対象として指定された家屋38についての電力プロファイルが二次記憶部16に既に記憶されていることを前提として説明する。ここで、電力プロファイルとは、ガスの消費状況の推定対象として指定された家屋38における電力メータ34による現時点までの過去一年分の計測結果から特定される電力の消費量の経時変化を示すプロファイルを指す。
【0062】
また、以下では、説明の便宜上、ガスの消費状況の推定対象として指定された家屋38についての総消費量プロファイルが二次記憶部16に既に記憶されていることを前提として説明する。
【0063】
また、以下では、説明の便宜上、空調が暖房であることを前提として説明する。
【0064】
図4に示すガス消費状況推定処理では、先ず、ステップ100で、第1導出部42は、一例として
図5に示す空調ガス消費状況推定処理を実行する。
【0065】
一例として
図5に示す空調ガス消費状況推定処理では、先ず、ステップ100Aで、第1導出部42は、二次記憶部16から予め定められた因子を取得し、その後、ステップ100Bへ移行する。
【0066】
ステップ100Bで、第1導出部42は、ステップ100Aで取得した予め定められた因子に基づいて、一例として
図6に示す空調仮プロファイル56を導出する。
図6に示す例では、縦軸がガスの総消費量を示し、横軸が1時間単位の日時を示している。
【0067】
空調仮プロファイル56とは、例えば、家屋38に年間を通して居住者が在住しているという前提で家屋38の全体において空調で消費されるガスの仮消費量の経時変化を示す情報を指す。家屋38において空調で消費されるガスの仮消費量は、例えば、予め定められた因子に基づいて下記の数式(1)により導出される。
【0068】
(空調で消費されるガスの仮消費量)=(外皮からの熱ロス)−(日射熱取得)±(内部発熱)+(換気ロス)+(潜熱負荷)・・・・(1)
【0069】
ここで、数式(1)において、外皮からの熱ロスとは、家屋38の外面から大気への放熱(家屋38の構造の窓・床・壁面積、断熱性能、及びガラス仕様など)を指す。また、日射熱取得とは、壁、窓、屋根、日向、及び日陰による日射熱の取得、すなわち、大気から家屋38への入熱(気象、家屋特徴、立地条件などにより定まる入熱)を指す。また、内部発熱とは、家電、照明、人数等により定まる発熱を指す。また、換気ロスとは、空気入れ替え(換気回数は想定)による熱のロスを指す。更に、潜熱負荷とは、冷暖房負荷のうち潜熱によるもので、水蒸気量の出入りによる増減を指す。なお、水蒸気量の出入りによる増減は、人体、取り入れ外気、及び隙間風等による水蒸気が発生源となる。
【0070】
次のステップ100Cで、第1導出部42は、二次記憶部16から電力プロファイルを取得し、その後、ステップ100Dへ移行する。
【0071】
ステップ100Dで、第1導出部42は、ステップ100Cで取得した電力プロファイルから家屋38の居住者の不在時間(
図6及び
図7参照)を特定する。そして、第1導出部42は、特定した不在時間に基づいて、ステップ100Bで導出した空調仮プロファイル56を補正することで、補正空調仮プロファイルを導出する。
【0072】
本ステップ100Dにおいて、空調仮プロファイル56の補正とは、例えば、空調仮プロファイル56から家屋38の居住者の不在時間に相当する部分を除去することを含む処理を指す。よって、空調仮プロファイル56から不在時間に相当する部分が除去されて残存した部分が補正空調仮プロファイルとなる。
【0073】
次のステップ100Eで、第1導出部42は、二次記憶部16から総消費量プロファイルを取得し、その後、ステップ100Fへ移行する。
図6〜
図8には、本ステップ100Eで取得された総消費量プロファイルの一例である総消費量プロファイル58が示されている。
図7に示す例では、縦軸がガスの総消費量を示し、横軸が1時間単位の時間を示している。
図8に示す例では、縦軸がガスの総消費量を示し、横軸が1時間単位の時間を示している。なお、以下では、説明の便宜上、本ステップ100Eで総消費量プロファイル58が取得されたことを前提として説明する。
【0074】
ステップ100Fで、第1導出部42は、二次記憶部16から水温情報を取得し、その後、ステップ100Gへ移行する。
【0075】
ステップ100Gで、第1導出部42は、ステップ100Eで取得した総消費量プロファイル58及びステップ100Fで取得した水温情報に基づいて、一例として
図9に示すように、水温40度を起点とした第1近似直線α及び第2近似直線βを作成する。なお、
図9に示す例では、縦軸がガスの総消費量を示し、横軸が水温を示している。
【0076】
本発明に係る第1対応関係の一例である第1近似直線αは、ステップ100Eで取得された総消費量プロファイル58から特定される冬期の総消費量の7日間移動平均と水温情報により示される水温のうちの冬期の水温との対応関係を示す近似直線である。
【0077】
本発明に係る第2対応関係の一例である第2近似直線βは、ステップ100Eで取得された総消費量プロファイル58から特定される中間期の総消費量の7日間移動平均と水温情報により示される水温のうちの中間期の水温との対応関係を示す近似直線である。なお、中間期は、本発明に係る非冬期の一例である。
【0078】
本第1実施形態において、中間期とは、年間のうちの夏期と冬期との間の期間を指す。具体的には、6月11日から9月19日までの期間が夏期であり、10月29日から3月31日までの期間が冬期であり、夏季及び冬期以外の期間が中間期である。
【0079】
次のステップ100Hで、第1導出部42は、近似直線αの傾きと近似直線βの傾きとの差分を算出する。近似直線αの傾きと近似直線βの傾きとの差分は、冬期の空調で消費されるガスの消費量に対応する値であり、本発明に係る相違度の一例である。なお、ここでは、近似直線αの傾きと近似直線βの傾きとの差分を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、近似直線αの傾きに対する近似直線βの傾きの割合であってもよく、近似直線αと近似直線βとの相違度を表す値であればよい。
【0080】
そこで、次のステップ100Iで、第1導出部42は、ステップ100Hで算出した差分に基づいて、ステップ100Dで導出した補正空調仮プロファイルを補正することで空調プロファイルを導出する。
【0081】
本ステップ100Iでは、先ず、ステップ100Hで算出された差分及び総消費量プロファイル58に基づいて、空調で消費されるガスの総消費量である空調ガス総消費量が導出される。次に、補正空調仮プロファイルにより示される仮消費量の総量に対する空調ガス総消費量の割合が算出される。次に、補正空調仮プロファイルにより示される仮消費量の総量に対する空調ガス総消費量の割合が、補正空調仮プロファイルでの単位時間毎のガスの消費量に乗じられる。この結果、補正空調仮プロファイルが縮小され、縮小されて得られたプロファイルが空調プロファイルとなる。
【0082】
一例として
図10に示すように、空調プロファイルを基に空調が使用されていると推定された頻度(
図10に示す「推定」)は、実際に空調が使用された頻度(
図10に示す「実測」)と各時刻で近似している。なお、
図10に示す例では、縦軸が頻度であり、横軸が時刻である。
【0083】
次のステップ100Jで、第1導出部42は、ステップ100Iで導出した空調プロファイルを予め定められた出力先に出力し、その後、本空調ガス消費状況推定処理を終了して、
図4に示すガス消費状況推定処理のステップ102へ移行する。
【0084】
なお、本第1実施形態において、予め定められた出力先とは、例えば、二次記憶部16、表示部24、外部I/F26、及び通信I/F28の少なくとも1つを指す。
【0085】
ステップ102で、第2導出部44は、ステップ100Eで取得された総消費量プロファイル58から、ステップ100Iで導出された空調プロファイルに相当する部分を減じることで、第1残存プロファイルを導出する。すなわち、ステップ100Eで第1導出部42により取得された総消費量プロファイル58から、ステップ100Iで導出された空調プロファイルに相当する部分を減じることで残存したプロファイルが第1残存プロファイルとなる。
【0086】
ところで、風呂保温でガスが消費されている間、浴室乾燥でもガスが消費される傾向があるという経験則が知られている。理想的には、浴室乾燥で消費されるガスの消費量の全ては、浴室乾燥プロファイルに含まれるべきであるが、上記の経験則により、実際には、浴室乾燥で消費されるガスの消費量が部分的に風呂保温プロファイルに含まれてしまう。給湯プロファイルは、風呂保温プロファイル及び浴室乾燥プロファイルを基に導出されるため、浴室乾燥プロファイル及び風呂保温プロファイルの精度が低下すると、これに伴って、給湯プロファイルの精度も低下することなる。
【0087】
そこで、本ガス消費状況推定処理では、風呂保温プロファイルの精度の低下を抑制するための前処理として、ステップ104,106の処理が実行される。また、浴室乾燥プロファイルの精度の低下を抑制するための前処理として、ステップ104〜108,112,114の処理が実行される。
【0088】
ステップ104で、第2導出部44は、二次記憶部16から浴室乾燥参照情報を取得し、取得した浴室乾燥参照情報を参照して、ステップ100Eで取得された総消費量プロファイル58から浴室乾燥仮プロファイルを導出する。すなわち、本ステップ104では、先ず、電力プロファイルのうちの浴室乾燥参照情報により示される電力ピーク値が合致する時間帯である電力ピーク時間帯が導出される。そして、総消費量プロファイル58のうち、電力ピーク時間帯において浴室乾燥参照情報により示されるガスピーク値及び連続使用時間に合致する部分が浴室乾燥仮プロファイルとして導出される。
【0089】
なお、本第1実施形態において、合致とは、完全な合致のみを意味するわけではなく、許容される誤差として予め定められた誤差を含めた合致も意味する。
【0090】
次のステップ106で、第2導出部44は、ステップ102で導出した第1残存プロファイルから、ステップ104で導出した浴室乾燥仮プロファイルに相当する部分を減じることで、第2残存プロファイルを導出する。すなわち、ステップ102で導出した第1残存プロファイルから、ステップ104で導出した浴室乾燥仮プロファイルに相当する部分を減じることで残存したプロファイルが第2残存プロファイルとなる。
【0091】
次のステップ108で、第2導出部44は、二次記憶部16から風呂保温参照情報を取得し、取得した風呂保温参照情報を参照して、ステップ100Eで取得された総消費量プロファイル58から、一例として
図11に示す風呂保温プロファイル64を導出する。なお、
図11に示す例では、縦軸がガスの消費量を示し、横軸が1時間単位の時間を示している。
【0092】
本ステップ108では、総消費量プロファイル58のうち、風呂保温参照情報により示される風呂保温時間帯、ガスピーク値、及び連続使用時間に合致する部分が風呂保温プロファイル64として導出される。
【0093】
なお、一例として
図11に示すように、本ステップ108で導出された風呂保温プロファイル64のピークの位置は、家屋38において実際に風呂保温で消費されたガスの消費量の経時変化を示す風呂保温実測プロファイル66のピークの位置に近接している。また、一例として
図11に示すように、風呂保温プロファイル64のピークの位置は、空調以外の用途で使用されたガスの総消費量の経時変化を示す空調外用途プロファイル75のピークの位置にも近接している。
【0094】
次のステップ110で、第2導出部44は、ステップ108で導出した風呂保温プロファイル64を予め定められた出力先に出力し、その後、ステップ112へ移行する。
【0095】
ステップ112で、第2導出部44は、ステップ106で導出した第2残存プロファイルから、ステップ108で導出した風呂保温プロファイル64に相当する部分を減じることで、第3残存プロファイルを導出する。すなわち、ステップ106で導出した第2残存プロファイルから、ステップ108で導出した風呂保温プロファイル64に相当する部分を減じることで残存したプロファイルが第3残存プロファイルとなる。
【0096】
次のステップ114で、第2導出部44は、ステップ104で導出した浴室乾燥仮プロファイルとステップ112で導出した第3残存プロファイルとに基づいて第4残存プロファイルを導出する。すなわち、ステップ104で導出した浴室乾燥仮プロファイルに、ステップ112で導出した第3残存プロファイルを加算して得たプロファイルが第4残存プロファイルとなる。
【0097】
次のステップ116で、第2導出部44は、二次記憶部16から浴室乾燥参照情報を取得し、取得した浴室乾燥参照情報を参照して、ステップ100Eで取得された総消費量プロファイル58から、一例として
図11に示す浴室乾燥プロファイル68を導出する。すなわち、本ステップ104では、先ず、電力プロファイルのうちの浴室乾燥参照情報により示される電力ピーク値が合致する時間帯である電力ピーク時間帯が導出される。そして、総消費量プロファイル58のうち、電力ピーク時間帯において浴室乾燥参照情報により示されるガスピーク値及び連続使用時間に合致する部分が浴室乾燥仮プロファイルとして導出される。
【0098】
なお、一例として
図11に示すように、浴室乾燥プロファイル68のピークの位置は、家屋38において実際に浴室乾燥で消費されたガスの消費量の経時変化を示す浴室乾燥実測プロファイル70のピークの位置に近接している。
【0099】
次のステップ118で、第2導出部44は、ステップ116で導出した浴室乾燥プロファイルを予め定められた出力先に出力し、その後、ステップ120へ移行する。
【0100】
ステップ120で、第2導出部44は、ステップ114で導出した第4残存プロファイルから、ステップ116で導出した浴室乾燥プロファイル68に相当する部分を減じることで、第5残存プロファイルを導出する。すなわち、ステップ114で導出した第4残存プロファイルから、ステップ116で導出した浴室乾燥プロファイル68に相当する部分を減じることで残存したプロファイルが第5残存プロファイルとなる。
【0101】
次のステップ122で、第2導出部44は、二次記憶部16からコンロ参照情報を取得し、取得したコンロ参照情報を参照して、ステップ100Eで取得された総消費量プロファイル58から、コンロプロファイルを導出する。すなわち、総消費量プロファイル58のうち、コンロ参照情報により示されるコンロ時間帯及びガスピーク値に合致する部分がコンロプロファイルとして導出される。
【0102】
ここで、年間を通してコンロで消費されるガスの消費量である年間コンロガス消費量の導出方法の一例を説明する。
【0103】
先ず、第2導出部44は、総消費量プロファイル58からガスの消費量が1.5キロワット(kW)以下の時間帯を抽出する。
【0104】
次に、第2導出部44は、日毎に(24時間毎)に、ガスの消費量のピーク値のうち、高さの低い方から4つのピーク値を抽出し、抽出した4つのピーク値を、コンロで消費されるガスの消費量(以下、「1日コンロガス消費量」と称する)として仮置きする。また、第2導出部44は、夏季及び中間期においてコンロ単独でガスを使用した場合の1回あたりのガスの平均使用量Xを導出する。平均使用量Xは、夏期及び中間期における全日数分の上記の4つのピーク値の総和を4で割って得た値である。
【0105】
冬期は、夏期や中間期に比べ、給湯や空調などで消費されるガスの消費量のノイズが多い。そこで、第2導出部44は、仮置きした1日コンロガス消費量のうち、夏期及び中間期の1日コンロガス消費量を抽出する。
【0106】
次に、第2導出部44は、夏期及び中間期について抽出した1日ガスコンロ消費量の時間帯から、ガスの消費量が1.5キロワット以下等の制限を設けず、2時間以上連続してガスを消費している時間帯である連続消費時間帯を抽出する。
【0107】
次に、第2導出部44は、連続消費時間帯のうち、2時間以上連続してガスを消費している時間帯はコンロ単独でガスを消費していない時間帯とみなす。そして、コンロ単独でガスを消費していないとみなした時間帯の中に、コンロでガスが消費されている時間帯がどの程度あるか推測し、推測した時間帯に基づいて年間コンロガス消費量を求める。
【0108】
具体的には、先ず、中間期と夏期で1.5キロワット以下のガスの消費量を計測した場合はコンロ単独によるガスの消費であると想定し、1.5キロワット以下のガスの消費量を計測した日数をCとする。次に、中間期及び夏期で2時間以上連続してガスを消費した日数を中間期及び夏期の総日数Bから減じて得た日数をA(中間期及び夏期で2時間以上連続してガスの消費がなかった日数)とする。この場合、コンロ単独でガスが消費された日数が抽出される確率はC/Aとなるので、コンロでガスを消費する日数はB×C/Aとなる。この日数を冬期まで含めた年間に展開して、コンロでガスが消費された日数を算出する。そして、算出した日数を1日コンロガス消費量に乗じることで年間コンロガス消費量を求める。
【0109】
なお、“{(B×C)/A}−C”は、2時間以上連続してガスを使用した日数(例えば、コンロ以外に給湯でもガスが使用されている可能性が含まれる日数)であるので、コンロプロファイルは、上記の4つのピーク値及び“{(B×C)/A}−C”に基づいて導出される。
【0110】
次のステップ124で、第2導出部44は、ステップ122で導出したコンロプロファイルを予め定められた出力先に出力し、その後、ステップ126へ移行する。
【0111】
次のステップ126で、第2導出部44は、ステップ120で導出した第5残存プロファイルから、ステップ124で導出したコンロプロファイルに相当する部分を減じることで、一例として
図11に示す給湯プロファイル72を導出する。すなわち、ステップ120で導出した第5残存プロファイルから、ステップ124で導出したコンロプロファイルに相当する部分を減じること(例えば、日毎に、上記の4つのピーク値に相当する部分を減じること、及び、日毎に、第5残存プロファイルにおけるピーク値のうちの最大側の4つのピーク値の各々から上記の平均使用量Xを減じること)で残存したプロファイルが給湯プロファイル72となる。
【0112】
なお、一例として
図11に示すように、給湯プロファイル72のピークの位置は、家屋38において実際に給湯で消費されたガスの消費量の経時変化を示す給湯実測プロファイル73のピークの位置に近接している。
【0113】
次のステップ128で、第2導出部44は、ステップ126で導出した給湯プロファイル72を予め定められた出力先に出力し、その後、本ガス消費状況推定処理を終了する。
【0114】
図7には、本ガス消費状況推定処理が実行されることで得られた推定総和プロファイル74の一例が示されている。推定総和プロファイル74は、空調プロファイル、浴室乾燥プロファイル68、コンロプロファイル、及び給湯プロファイル72の総和を示すプロファイルである。一例として
図7に示すように、推定総和プロファイル74の変動の傾向は、総消費量プロファイル58の変動の傾向と類似している。
【0115】
図12には、5件の家屋38の各々を推定対象として本ガス消費状況推定処理が実行されて得られた空調プロファイル及び給湯プロファイルから特定されたガスの消費量の総和と空調及び給湯で実際に消費されたガスの消費量の総和との比較例が示されている。一例として
図12に示すように、何れの家屋38についても、空調プロファイル及び給湯プロファイルから特定されたガスの消費量の総和は、空調及び給湯で実際に消費されたガスの消費量の総和と近似している。
【0116】
図7及び
図12に示す例からも明らかなように、ユーザは、空調プロファイル、浴室乾燥プロファイル68、コンロプロファイル、及び給湯プロファイル72を基に、家屋38で消費されるガスの総消費量の概略を把握することができる。
【0117】
以上説明したように、ガス消費状況推定装置10では、第1導出部42により、総消費量プロファイル58、予め定められた因子、及び水温に基づいて、空調プロファイルが導出される。また、第2導出部44により、総消費量プロファイル58及び参照情報に基づいて、他用途プロファイルが導出される。そして、第2導出部44により、他用途プロファイルに相当する部分及び第1導出部42により導出された空調プロファイルに相当する部分が総消費量プロファイルから減じられることで、給湯プロファイル72が導出される。従って、ガス消費状況推定装置10によれば、家屋38において使用される全てのガス器具のガス消費仕様に基づいて用途毎のガスの消費状況を推定する場合に比べ、家屋38における用途毎のガスの消費状況を簡易に推定することができる。
【0118】
また、ガス消費状況推定装置10では、予め定められた因子に、気象、立地条件、及び家屋特徴が含まれる。従って、ガス消費状況推定装置10によれば、気象、立地条件、及び家屋特徴を使用しない場合に比べ、空調プロファイルを高精度に導出することができる。
【0119】
また、ガス消費状況推定装置10では、第1導出部42により、予め定められた因子に基づいて空調仮プロファイル56が導出される。また、第1導出部42により、第1近似直線αと第2近似直線βとの傾きの差分、及び空調仮プロファイル56に基づいて空調プロファイルが導出される。従って、ガス消費状況推定装置10によれば、第1近似直線αと第2近似直線βとの傾きの差分、及び空調仮プロファイル56を使用しない場合に比べ、空調プロファイルを高精度に導出することができる。
【0120】
また、ガス消費状況推定装置10では、第1導出部42により、電力プロファイルに基づいて導出された不在時間に基づいて空調仮プロファイル56が補正される。そして、第1導出部42により、補正されて得られた補正空調仮プロファイル、及び第1近似直線αと第2近似直線βとの傾きの差分に基づいて空調プロファイルが導出される。従って、ガス消費状況推定装置10によれば、補正空調仮プロファイル、及び第1近似直線αと第2近似直線βとの傾きの差分を使用しない場合に比べ、空調プロファイルを高精度に導出することができる。
【0121】
また、ガス消費状況推定装置10では、第1近似直線αが、総消費量プロファイル58から特定される冬期の総消費量の7日間移動平均と水温情報により示される水温のうちの冬期の水温との対応関係を示す近似直線とされている。また、第2近似直線βが、総消費量プロファイル58から特定される中間期の総消費量の7日間移動平均と水温情報により示される水温のうちの中間期の水温との対応関係を示す近似直線とされている。従って、ガス消費状況推定装置10によれば、7日間移動平均を使用せずに第1近似直線α及び第2近似直線βが規定された場合に比べ、空調プロファイルを高精度に導出することができる。
【0122】
また、ガス消費状況推定装置10では、第2導出部44により、総消費量プロファイル58から空調プロファイルに相当する部分が減じられることで第1残存プロファイルが導出される。また、第2導出部44により、総消費量プロファイル58及び浴室乾燥参照情報48に基づいて浴室乾燥仮プロファイルが導出される。
【0123】
また、第2導出部44により、第1残存プロファイルから浴室乾燥仮プロファイルに相当する部分が減じられることで第2残存プロファイルが導出される。また、第2導出部44により、総消費量プロファイル58及び風呂保温参照情報50に基づいて風呂保温プロファイル64が導出される。
【0124】
また、第2導出部44により、第2残存プロファイルから風呂保温プロファイル64に相当する部分が減じられることで第3残存プロファイルが導出される。また、第2導出部44により、第3残存プロファイルに対して浴室乾燥仮プロファイルが加算されることで第4残存プロファイルが導出される。
【0125】
また、第2導出部44により、総消費量プロファイル58及び浴室乾燥参照情報48に基づいて浴室乾燥プロファイル68が導出される。また、第2導出部44により、第4残存プロファイルから浴室乾燥プロファイル68に相当する部分が減じられることで第5残存プロファイルが導出される。また、第2導出部44により、総消費量プロファイル58及びコンロ参照情報52に基づいてコンロプロファイルが導出される。
【0126】
そして、第2導出部44により、第5残存プロファイルからコンロプロファイルに相当する部分が減じられることで給湯プロファイル72が導出される。
【0127】
従って、ガス消費状況推定装置10によれば、第1〜第5残存プロファイルを用いずに浴室乾燥プロファイル68、風呂保温プロファイル64、コンロプロファイル、及び給湯プロファイル73を導出する場合に比べ、浴室乾燥プロファイル68、風呂保温プロファイル64、コンロプロファイル、及び給湯プロファイル73を高精度に導出することができる。
【0128】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、浴室乾燥仮プロファイルが導出される場合について説明したが、本第2実施形態では、浴室乾燥仮プロファイルが導出されない場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0129】
一例として
図1及び
図2に示すように、本第2実施形態に係るガス消費状況推定装置80は、ガス消費状況推定装置10に比べ、ガス消費状況推定プログラム40に代えてガス消費状況推定プログラム86が二次記憶部16に記憶されている点が異なる。また、上記第1実施形態では、CPU12が第2導出部44として動作する場合について説明したが、本第2実施形態では、CPU12が、ガス消費状況推定プログラム86を実行することで第2導出部92として動作する点が上記第1実施形態と異なる。
【0130】
次に、本第2実施形態に係るガス消費状況推定処理について、
図13を参照して説明する。なお、以下では、上記第1実施形態に係るガス消費状況推定処理(
図4参照)と同一の処理については同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
【0131】
本第2実施形態に係るガス消費状況推定処理は、上記第1実施形態に係るガス消費状況推定処理に比べ、ステップ104,106の処理に代えて、ステップ200,202,204の処理を有する点が異なる。また、本第2実施形態に係るガス消費状況推定処理は、上記第1実施形態に係るガス消費状況推定処理に比べ、ステップ112〜120の処理に代えてステップ206の処理を有する点が異なる。また、本第2実施形態に係るガス消費状況推定処理は、上記第1実施形態に係るガス消費状況推定処理に比べ、ステップ126の処理に代えてステップ208の処理を有する点が異なる。
【0132】
図13に示すガス消費状況推定処理では、ステップ200で、第2導出部92は、二次記憶部16から浴室乾燥参照情報を取得する。そして、第2導出部92は、取得した浴室乾燥参照情報を参照して、ステップ100Eで取得された総消費量プロファイル58から浴室乾燥プロファイル68を導出する。
【0133】
次のステップ202で、第2導出部92は、ステップ200で導出した浴室乾燥プロファイルを予め定められた出力先に出力し、その後、ステップ204へ移行する。
【0134】
ステップ204で、第2導出部92は、ステップ102で導出した第1残存プロファイルから、ステップ200で導出した浴室乾燥プロファイル68に相当する部分を減じることで、第2残存プロファイルを導出する。
【0135】
ステップ208で、第2導出部92は、ステップ206で導出した第3残存プロファイルから、ステップ122で導出したコンロプロファイルに相当する部分を減じることで、給湯プロファイル72を導出する。
【0136】
以上説明したように、ガス消費状況推定装置80では、第2導出部92により、総消費量プロファイル58から空調プロファイルに相当する部分が減じられることで第1残存プロファイルが導出される。また、第2導出部92により、総消費量プロファイル58及び浴室乾燥参照情報48に基づいて浴室乾燥仮プロファイルが導出される。また、第2導出部92により、総消費量プロファイル58及び風呂保温参照情報50に基づいて風呂保温プロファイル64が導出される。また、第2導出部92により、総消費量プロファイル58及びコンロ参照情報52に基づいてコンロプロファイルが導出される。そして、第2導出部92により、第1残存プロファイルからコンロプロファイルに相当する部分が減じられることで給湯プロファイル72が導出される。
【0137】
従って、ガス消費状況推定装置80によれば、総消費量プロファイル58のみで浴室乾燥プロファイル68、風呂保温プロファイル64、コンロプロファイル、及び給湯プロファイル73を導出する場合に比べ、浴室乾燥プロファイル68、風呂保温プロファイル64、コンロプロファイル、及び給湯プロファイル73を高精度に導出することができる。
【0138】
なお、上記第2実施形態では、第2導出部92が第1〜第3残存プロファイルの存在を前提として給湯プロファイル72を導出する場合について説明したが、第1〜第3残存プロファイルはなくてもよい。この場合、例えば、第2導出部92は、総消費量プロファイル58から、空調プロファイル、浴室乾燥プロファイル68、風呂保温プロファイル64、及びコンロプロファイルの各々に相当する部分を直接減じるようにしてもよい。
【0139】
[第3実施形態]
上記第2実施形態では、浴室乾燥プロファイル68が導出される場合について説明したが、本第3実施形態では、浴室乾燥プロファイル68が導出されない場合について説明する。なお、本第3実施形態では、上記各実施形態で説明した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略し、上記各実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0140】
一例として
図1及び
図2に示すように、本第3実施形態に係るガス消費状況推定装置82は、ガス消費状況推定装置80に比べ、ガス消費状況推定プログラム86に代えてガス消費状況推定プログラム88が二次記憶部16に記憶されている点が異なる。また、上記第2実施形態では、CPU12が第2導出部92として動作する場合について説明したが、本第3実施形態では、CPU12が、ガス消費状況推定プログラム88を実行することで第2導出部94として動作する点が上記第2実施形態と異なる。
【0141】
次に、本3実施形態に係るガス消費状況推定処理について、
図14を参照して説明する。なお、以下では、上記第2実施形態に係るガス消費状況推定処理(
図13参照)と同一の処理については同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
【0142】
本第3実施形態に係るガス消費状況推定処理は、上記第2実施形態に係るガス消費状況推定処理に比べ、ステップ200〜204の処理を有しない点が異なる。また、本第3実施形態に係るガス消費状況推定処理は、上記第2実施形態に係るガス消費状況推定処理に比べ、ステップ206の処理に代えてステップ300の処理を有する点が異なる。また、本第3実施形態に係るガス消費状況推定処理は、上記第2実施形態に係るガス消費状況推定処理に比べ、ステップ208の処理に代えてステップ302の処理を有する点が異なる。
【0143】
図14に示すガス消費状況推定処理では、ステップ300で、第2導出部94は、ステップ102で導出した第1残存プロファイルから、ステップ110で導出した風呂保温プロファイル64に相当する部分を減じることで、第2残存プロファイルを導出する。
【0144】
ステップ302で、第2導出部94は、ステップ300で導出した第2残存プロファイルから、ステップ122で導出したコンロプロファイルに相当する部分を減じることで、給湯プロファイル72を導出する。
【0145】
以上説明したように、ガス消費状況推定装置82では、第2導出部94により、総消費量プロファイル58から空調プロファイルに相当する部分が減じられることで第1残存プロファイルが導出される。また、第2導出部94により、総消費量プロファイル58及び風呂保温参照情報50に基づいて風呂保温プロファイル64が導出される。また、第2導出部94により、総消費量プロファイル58及びコンロ参照情報52に基づいてコンロプロファイルが導出される。そして、第2導出部94により、第1残存プロファイルからコンロプロファイルに相当する部分が減じられることで給湯プロファイル72が導出される。
【0146】
従って、ガス消費状況推定装置82によれば、総消費量プロファイル58のみで風呂保温プロファイル64、コンロプロファイル、及び給湯プロファイル72を導出する場合に比べ、風呂保温プロファイル64、コンロプロファイル、及び給湯プロファイル73を高精度に導出することができる。
【0147】
なお、上記第3実施形態では、第2導出部94が第1残存プロファイル及び第2残存プロファイルの存在を前提として給湯プロファイル72を導出する場合について説明したが、第1残存プロファイル及び第2残存プロファイルはなくてもよい。この場合、例えば、第2導出部94は、総消費量プロファイル58から、空調プロファイル、風呂保温プロファイル64、及びコンロプロファイルの各々に相当する部分を直接減じるようにしてもよい。
【0148】
[第4実施形態]
上記第3実施形態では、風呂保温プロファイル64が導出される場合について説明したが、本第4実施形態では、風呂保温プロファイル64が導出されない場合について説明する。なお、本第4実施形態では、上記各実施形態で説明した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略し、上記各実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0149】
一例として
図1及び
図2に示すように、本第4実施形態に係るガス消費状況推定装置84は、ガス消費状況推定装置82に比べ、ガス消費状況推定プログラム88に代えてガス消費状況推定プログラム90が二次記憶部16に記憶されている点が異なる。また、上記第3実施形態では、CPU12が第2導出部94として動作する場合について説明したが、本第4実施形態では、CPU12が、ガス消費状況推定プログラム90を実行することで第2導出部96として動作する点が上記第3実施形態と異なる。
【0150】
次に、本4実施形態に係るガス消費状況推定処理について、
図15を参照して説明する。なお、以下では、上記第3実施形態に係るガス消費状況推定処理(
図14参照)と同一の処理については同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
【0151】
本第4実施形態に係るガス消費状況推定処理は、上記第3実施形態に係るガス消費状況推定処理に比べ、ステップ108,110,300の処理を有しない点が異なる。また、本第4実施形態に係るガス消費状況推定処理は、上記第3実施形態に係るガス消費状況推定処理に比べ、ステップ302の処理に代えてステップ400の処理を有する点が異なる。
【0152】
図14に示すガス消費状況推定処理では、ステップ400で、第2導出部96は、ステップ102で導出した第1残存プロファイルから、ステップ122で導出したコンロプロファイルに相当する部分を減じることで、給湯プロファイル72を導出する。
【0153】
以上説明したように、ガス消費状況推定装置84では、第2導出部96により、総消費量プロファイル58から空調プロファイルに相当する部分が減じられることで第1残存プロファイルが導出される。また、第2導出部96により、総消費量プロファイル58及びコンロ参照情報52に基づいてコンロプロファイルが導出される。そして、第2導出部96により、第1残存プロファイルからコンロプロファイルに相当する部分が減じられることで給湯プロファイル72が導出される。
【0154】
従って、ガス消費状況推定装置84によれば、総消費量プロファイル58のみでコンロプロファイル及び給湯プロファイル73を導出する場合に比べ、コンロプロファイル及び給湯プロファイル73を高精度に導出することができる。
【0155】
なお、上記第4実施形態では、第2導出部96が第1残存プロファイルの存在を前提として給湯プロファイル72を導出する場合について説明したが、第1残存プロファイルはなくてもよい。この場合、例えば、第2導出部96は、総消費量プロファイル58から、空調プロファイル及びコンロプロファイルの各々に相当する部分を直接減じるようにしてもよい。
【0156】
また、上記第4実施形態では、家屋38にコンロが設置されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、家屋38にコンロが設置されていない場合、すなわち、家屋38においてガスの用途が空調及び給湯のみの場合には、第1残存プロファイルが給湯プロファイル72として導出される。
【0157】
また、上記各実施形態では、空調が暖房であることを前提として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、空調が冷房であってもよい。この場合、例えば、第1近似直線αに代えて、総消費量プロファイル58から特定される夏期の総消費量の7日間移動平均と水温情報により示される水温のうちの夏期の水温との対応関係を示す近似直線が採用される。また、第2近似直線βに代えて、総消費量プロファイル58から特定される中間期の総消費量の7日間移動平均と水温情報により示される水温のうちの中間期の水温との対応関係を示す近似直線が採用される。
【0158】
また、上記各実施形態では、不在時間が電力プロファイルから特定される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、総消費量プロファイル58から不在時間が特定されるようにしてもよい。また、電力プロファイル及び総消費量プロファイル58の双方から不在時間が特定されるようにしてもよい。
【0159】
また、上記各実施形態では、家屋38を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、家屋38が建てられている敷地を含めた居住領域であればよい。
【0160】
また、上記各実施形態では、ガス消費状況推定処理及び空調ガス消費状況推定処理を例示したがこれはあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、上記各実施形態で説明したガス消費状況推定処理及び空調ガス消費状況推定処理の各々に含まれる各処理は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やプログラマブルロジックデバイス等のハードウェア構成で実現されてもよい。また、上記各実施形態で説明したガス消費状況推定処理及び空調ガス消費状況推定処理の各々に含まれる各処理は、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現してもよい。