(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記運転部において、運転座席の前方に操縦塔が備えられると共に、操縦関連機器が配設されたサイドパネルと乗降口とが前記運転座席を挟んで左右に振り分けて備えられ、
前記キャビンの左右両側壁部のうち前記乗降口側の側壁部において前部に位置する前外側縦フレームが前記操縦塔と連結され、
前記キャビンの左右両側壁部のうち前記サイドパネル側の側壁部が前記サイドパネルに載置された状態で前記サイドパネルに連結されている請求項1から3の何れか一項に記載の収穫機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、一般に、キャビンは、前壁部が運転部の床部に連結されるなど、運転部に連結されて、運転部だけに支持されている。
【0005】
本発明は、キャビンを簡単な対策で強固に支持できる収穫機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による収穫機は、
機体フレームと、
前記機体フレームに載置支持された運転部と、
前記運転部を覆う状態で前記運転部に連結されたキャビンと、
前記運転部の後方において前記機体フレームから立設された支柱と、が備えられ、
前記キャビンの後壁部
の下部に、機体後方へ延びるステーが取り付けられ、
前記後壁部が
前記支柱に支持され
、かつ、前記ステーの遊端部が前記支柱に連結されている。
【0007】
本構成によると、キャビンが運転部に連結されて支持されるのみならず、後壁部が支柱を介して機体フレームに支持される。
【0008】
従って、支柱を付加して支柱と後壁とを連結する簡単な構造の支持構造を付加するだけの簡単な対策でキャビンを強固に支持させられる。
【0009】
【0010】
さらに、本構成によれば、ステーが機体後方へ延出している分、支柱を後壁部から後方へ離して位置させて支柱の周辺に空間を確保し、その空間を部材の配置に利用できる。
【0011】
本発明に
よる収穫機の別の特徴として、
機体フレームと、
前記機体フレームに載置支持された運転部と、
前記運転部を覆う状態で前記運転部に連結されたキャビンと、
前記運転部の後方において前記機体フレームから立設された支柱と、が備えられ、
前記キャビンの後壁部に後窓が備えられ、前記後壁部における前記後窓よりも下方箇所が、前記支柱に支持されている
。
【0012】
本構成によれば、支柱を後窓よりも下方に位置させ、後窓から後方を見るとき、支柱が障害物になり難いようにできる。
【0013】
本発明に
よる収穫機の別の特徴として、
機体フレームと、
前記機体フレームに載置支持された運転部と、
前記運転部を覆う状態で前記運転部に連結されたキャビンと、
前記運転部の後方において前記機体フレームから立設された一つの支柱と、が備えられ、
前記キャビンの後壁部における左右方向中央部が前記支柱に支持されている
。
【0014】
本構成によれば、キャビンの後側を一つの支柱で支持させるのに、キャビンの左右重量をバランスさせ易い状態で支持させられる。
【0015】
本発明においては、前記運転部において、運転座席の前方に操縦塔が備えられると共に、操縦関連機器が配設されたサイドパネルと乗降口とが前記運転座席を挟んで左右に振り分けて備えられ、前記キャビンの左右両側壁部のうち前記乗降口側の側壁部において前部に位置する前外側縦フレームが前記操縦塔と連結され、前記キャビンの左右両側壁部のうち前記サイドパネル側の側壁部が前記サイドパネルに載置された状態で前記サイドパネルに連結されていると好適である。
【0016】
本構成によれば、キャビンの左右側のうちのサイドパネル側を支持させるのに、サイドパネルを支持部材に活用した簡単な支持構造によってでき、キャビンの左右側のうちの乗降口側を支持させるのに、操縦塔を支持部材に活用した簡単な支持構造によってできる。
【0017】
本発明においては、前記キャビンの屋根部に、前記キャビンの内部空間を空調する空調装置が内装され、前記支柱に、前記空調装置の補機が支持されていると好適である。
【0018】
本構成によれば、支柱を支持部材に活用した簡単な支持構造で補機を支持できる。
【0019】
本発明においては、前記キャビンの左右両側壁部のうち乗降口側の側壁部において前部に位置する前外側縦フレームにブラケットが連結され、前記ブラケットの遊端部にバックミラーが支持されていると好適である。
【0020】
本構成によれば、前外側縦フレームを支持部材に活用した簡単な支持構造でバックミラーを支持できる。
【0021】
本発明においては、前記運転部において、操縦関連機器が配設されたサイドパネルと乗降口とが運転座席を挟んで左右に振り分けて備えられ、前記キャビンの左右両側壁部のうち前記サイドパネル側の側壁部に、上下方向に沿った軸芯周りに開閉揺動する片開き式の側窓が備えられ、前記側窓は、前記サイドパネル側の前記側壁部において前部に位置する前内側縦フレームと後端部に位置する後内側縦フレームとに亘る状態で設けられ、前記側窓の前端部にヒンジが備えられ、前記側窓は前端部側を中心として開閉揺動すると好適である。
【0022】
本構成によれば、側窓が、前内側縦フレームと後内側縦フレームとに亘る程度に大きく、かつ、片開き式であるため、側壁部に形成された幅の大きな開口の略全てを、側窓の有効開口とすることができる。これにより、運転者が側窓から大きく身を乗り出すことができ、キャビンから遠く離れた操作部にも手が届き易く、操作部の操作性が向上する。
また、乗降ドアが開かないという不測の事態に、側窓から出入りすることも可能である。
また、側窓の後端部側が開くため、側窓を開いても前進走行中に側窓から塵埃がキャビン内に入り込み難い。
【0023】
本発明においては、前記ヒンジは、前記前内側縦フレームに取付けられ、前記側窓を閉じた状態にロック可能なロック装置が、前記側窓の後端部と前記後内側縦フレームとに亘って取り付けられていると好適である。
【0024】
本構成によれば、側窓が閉じた状態にロック装置によってロックされることにより、側窓を閉じた状態に維持することができる。また、ロック装置を安定した後内側縦フレームにしっかりと支持させることができる。
【0025】
本発明においては、前記前内側縦フレームと前記後内側縦フレームとに亘って設けられると共に、前記側窓によって塞がれる開口が形成された板状部材が備えられ、前記側窓を閉じた状態において、前記側窓の外周部が、前記板状部材における前記開口の外周部に前記キャビンの外側から密着して、前記開口が前記側窓によって塞がれると好適である。
【0026】
本構成によれば、側窓によって塞がれる開口が、加工の簡単な板状部材に形成されるものであるため、側窓の形状の設定の自由度が高くなる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施例に係る収穫機をコンバインに適用した場合について説明する。
図1は、コンバインの全体を示す側面図である。
図1,2に示す「F」が走行機体の「前」、「B」が走行機体の「後」、「L」が走行機体の「左」、「R」が走行機体の「右」と定義する。
【0029】
図1に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下部に左右一対のクローラ走行装置2が装備された自走可能な走行機体を備えている。機体フレーム1の前部の横一端側の部位に運転部3が設けられている。運転部3は、キャビン4で覆われている。運転部3の下部にエンジン5が設けられている。機体フレーム1の後部に脱穀装置6及びグレンタンク7が設けられている。脱穀装置6とグレンタンク7とは、グレンタンク7が運転部3の後方に位置する状態で走行機体の横幅方向に並んでいる。脱穀装置6の前部からフィーダ8が前方向きに延出されている。フィーダ8の延出端部に刈取部9が連結されている。
【0030】
フィーダ8は、機体左右方向に沿った軸芯X1(
図3参照)周りで昇降揺動可能に構成されている。フィーダ8を昇降シリンダ(図示せず)によって揺動操作することで、刈取部9を下降作業状態と上昇非作業状態とにわたって昇降操作できる。フィーダ8の右側部には、レバー式の操作部8aが設けられている。操作部8aは、フィーダ8の搬送方向を逆転させる逆転機構K(
図2参照)を操作するものである。逆転機構Kは、伝動ケースMに備えられている。伝動ケースMは、脱穀装置6の前部に設けられ、エンジン5からの駆動力を脱穀装置6及びフィーダ8に伝達する。
【0031】
刈取部9を下降作業状態にして走行機体を走行させることで、稲、麦などの収穫作業をできる。すなわち、刈取部9によって植立穀稈の刈取りが行われ、刈取穀稈の株元から穂先までの全体がフィーダ8によって後方に搬送されて脱穀装置6に供給される。脱穀装置6において、刈取穀稈の脱穀処理が行われ、かつ脱穀処理によって得られた穀粒と塵埃との選別処理が行われる。選別済みの穀粒が脱穀装置6からグレンタンク7に供給されて貯留される。グレンタンク7に貯留された穀粒は、スクリューコンベア型の穀粒搬出装置7aによって取出すことができる。
【0032】
脱穀装置6には、扱室(図示せず)に回転可能に設けられて作物を扱ぎ処理する扱胴6aが備えられている。
図2,3に示すように、脱穀装置6の前端部には、脱穀装置6の前壁部を覆う前部カバー110が設けられている。脱穀装置6の上部には、前記扱室を形成する天板111が設けられている。天板111の内側面には、扱胴6aの回転に伴って扱室の上部に搬送された処理物を、機体後方側に向けて案内する複数の送塵弁(図示せず)が設けられている。天板111の前部には、送塵弁の案内角度を変更操作する送塵弁レバー112が設けられている。
【0033】
運転部3について説明する。
運転部3は、機体フレーム1の前端部における右端側の部位に載置支持されている。
図5,6に示すように、運転部3には、運転座席10、運転部床11、乗降口12、操縦塔13、サイドパネル14、外横壁部15(
図4参照)、内横壁部16が備えられている。
【0034】
運転座席10は、エンジンボンネット17の天板部17aに支持されている。エンジンボンネット17のうちの運転座席10の後方に位置する部位に、給気ケース18が設けられている。給気ケース18には、エンジン用のエアクリーナが内装されている。外横壁部15は、天板部17aと給気ケース18の前壁部とに亘って固定されている。エンジンボンネット17の機体横外側と、給気ケース18の機体横外側とに亘って防塵ケース19が設けられている。
【0035】
操縦塔13は、運転座席10の前方に備えられている。操縦塔13は、運転部床11の前端部から立設されている。操縦塔13の上部には、フロントパネル13aが設けられている。フロントパネル13aには、操向レバー24が設けられている。操向レバー24は、走行機体の横幅方向に揺動操作することで、左右の操向クラッチ(図示せず)を操作して走行機体の操向操作を行なうものである。操向レバー24は、走行機体の前後方向に揺動操作することで、昇降シリンダを操作して刈取部9の昇降操作を行なうものである。
【0036】
乗降口12とサイドパネル14とは、運転座席10を挟んで左右に振り分けて備えられている。本実施例では、乗降口12は、運転座席10の右横側方に備えられ、サイドパネル14は、運転座席10の左横側方に備えられている。内横壁部16は、サイドパネル14と運転部床11とに亘って設けられている。サイドパネル14には、
図5,7に示すように、操縦関連機器としての走行主変速レバー20及び走行副変速レバー21が設けられている。サイドパネル14には、刈取りクラッチレバー22及び脱穀クラッチレバー23が設けられている。
【0037】
キャビン4について説明する。
キャビン4は、
図3,4,5に示すように、前壁部27、左の側壁部30、右の側壁部40、後壁部50及び屋根部60を備えている。
【0038】
前壁部27は、透明板部(フロントガラス)28と、透明板部28の外周部に装着され前壁枠部29とを備えている。透明板部28には、前方向きの前面部と、前面部の両横端部から後方向きに延びた側面部28aとが備えられている。
【0039】
右の側壁部40は、運転部3の左右側のうちの乗降口12が位置する側(機体横外側)に位置している。右の側壁部40には、側壁部40の前部に設けられ、機体上下方向に延びている前外側縦フレーム41と、側壁部40の後部に設けられ、機体上下方向に延びている後外側縦フレーム42と、後外側縦フレーム42よりも後側に設けられた透明板部43とが備えられている。前外側縦フレーム41と前壁枠部29とが連結されていることで、右の側壁部40と前壁部27とが連結している。
【0040】
図4に示すように、前外側縦フレーム41と後外側縦フレーム42との間に乗降口ドア44が設けられている。乗降口ドア44の前端側が前外側縦フレーム41に上下一対のヒンジ45を介して支持されている。乗降口ドア44は、ヒンジ45の機体上下方向に延びる揺動軸芯を開閉軸芯として揺動操作することで開閉できる。
【0041】
左の側壁部30は、
図5に示すように、運転部3の左右側のうちのサイドパネル14が位置する側(機体横内側)に位置している。左の側壁部30には、
図3,5に示すように、側壁部30の前部に設けられ、機体上下方向に延びている前内側縦フレーム31と、側壁部30の後端部に設けられ、機体上下方向に延びている後内側縦フレーム32と、前内側縦フレーム31と後内側縦フレーム32とに亘って設けられた板状部材33とが備えられている。前内側縦フレーム31の下端部と後内側縦フレーム32の下端部とは、下部フレーム30aによって連結されている。前内側縦フレーム31の上端部と後内側縦フレーム32の上端部とは、上部フレーム30bによって連結されている。前内側縦フレーム31と前壁枠部29とが連結されていることで、左の側壁部30と前壁部27とが連結している。
【0042】
板状部材33に開口34が形成されている。前内側縦フレーム31と後内側縦フレーム32とに亘って側窓35が設けられている。側窓35は、前端部側を中心として開閉揺動する片開き式になっている。具体的には、側窓35の前端部と前内側縦フレーム31とに亘って上下一対のヒンジ36が取付けられている。ヒンジ36には、
図3に示すように、前内側縦フレーム31に固定される支持部36Aと、支持部36Aに揺動可能に支持されると共に遊端部が側窓35に固定されるアーム部36Bと、が備えられている。側窓35は、ヒンジ36の機体上下方向に沿った揺動軸芯を開閉軸芯Z2として揺動操作することで開閉できる。側窓35によって開口34を開閉できる。
【0043】
側窓35は、前端部側に開閉軸芯を備えた片開き式であるので、開口34を全体に亘って開けることができる。そして、側窓35を開けた状態において、側窓35の後端側ほど板状部材33からキャビン4の外側に遠く離れる。これらにより、開口34をキャビン内からの脱出に使用し易い。側窓35の外側に位置する操作部8aをキャビン4の内部から操作し易い。すなわち、逆転機構Kを切換え操作し易い。
【0044】
図5,10に示すように、屋根部60の左端側に左の側壁部30からキャビン4の横外側に張り出した張出し部61が備えられている。張出し部61は、開口34のひさしになっている。
【0045】
側窓35の後端部と後内側縦フレーム32とに亘ってロック装置37が取付けられている。ロック装置37は、側窓35の後端部の上下中央部に備えられている。側窓35を閉じた状態にロック装置37によってロックできる。側窓35を閉じた状態にロックすることで、側窓35の外周部が板状部材33の開口34の外周部にキャビン4の外側から密着し、開口34をシール性が良い状態で塞ぐことができる。具体的には、側窓35の外周部にシール材が装着されている。側窓35と板状部材33との間にシール材が介在し、側窓35が板状部材33に密着する。
【0046】
図9に示すように、ロック装置37には、側窓35の後端部に揺動可能に支持されるハンドル部37cと、後内側縦フレーム32に支持される係合部37bと、が備えられている。ハンドル部37cには、係合部37bに係合及び離脱が可能なロックアーム部37aが備えられている。
【0047】
ハンドル部37cは、ロック位置と解除位置とに切替え可能に構成されている。側窓35を閉じた状態でハンドル部37cをロック位置に切り替えることにより、ロックアーム部37aが係合部37bに係合し、側窓35が閉じた状態にロック装置37によってロックされる。そして、ハンドル部37cを解除位置に切り替えることにより、ロックアーム部37aが係合部37bから離脱し、ロック装置37のロックが解除されて、側窓35を開くことができる。
【0048】
図3に示すように、側窓35の上端部と上部フレーム30bとに亘る状態で、開いた状態の側窓35の姿勢を保持するガスダンパ38が設けられている。側窓35を開けたとき、側窓35をガスダンパ38によって開放姿勢に保持できる。
図3,6に示すように、ガスダンパ38のうち側窓35側の端部は、側窓35の内側面に設けられたステー39に取り付けられている。ガスダンパ38のうち上部フレーム30b側の端部は、上部フレーム30bの下面から下方に突出する軸部38aに取り付けられている。
【0049】
図3に示すように、側窓35における後下側部分35Lは、後上がりに傾斜する形状に形成されている。側窓35を開けるとき、脱穀装置6の前部に位置する前部カバー110及び伝動ケースM(
図1,3参照)に側窓35が当たることを後下側部分35Lの後上り傾斜によって回避できる。
【0050】
後壁部50は、
図5,10に示すように、後窓51を有した板状部52と、板状部52の右側に位置する透明板部53とを備えている。後窓51には、開閉不能な透明板が装着されている。透明板部53と、右の側壁部40の透明板部43とが一体的に形成されていることで、後壁部50と右の側壁部40とが連結している。板状部52と後内側縦フレーム32とが連結されていることで、後壁部50と左の側壁部30とが連結している。
【0051】
キャビン4は、運転部3、及び運転部3の後方に位置する支柱65に連結されて支持されている。
【0052】
キャビン4の運転部3への連結は、
図11に示す前外側連結構造X、後外側連結構造Y及び内側連結構造Zに基づいて行われている。
【0053】
前外側連結構造Xでは、
図12に示すように、前外側縦フレーム41が操縦塔13と連結されている。具体的には、
図11,12に示すように、前外側縦フレーム41の下部と、操縦塔13の右端部との間に連結部材70が設けられている。連結部材70は、板厚方向が機体前後方向に沿ったフレーム側の縦板部70aと、板厚方向が機体横方向に沿った操縦塔側の縦板部70bと備えている。フレーム側の縦板部70aが前外側縦フレーム41に機体前方側から当て付けて複数本の連結ボルト71によって連結されている。操縦塔側の縦板部70bが操縦塔13に機体横外側から当て付けて複数本の連結ボルト72によって連結されている。フレーム側の複数本の連結ボルト71及び操縦塔側の複数本の連結ボルト72は、機体上下方向に並んでいる。フレーム側の連結ボルト71は、縦板部70a及び前外側縦フレーム41に前方から後方向きに装着されている。操縦塔側の連結ボルト72は、縦板部70b及び操縦塔13に機体横外側から機体横内側に向けて装着されている。
【0054】
後外側連結構造Yでは、
図13に示すように、後外側縦フレーム42が外横壁部15に連結されている。具体的には、
図11,13に示すように、外横壁部15の内面側に連結部75が設けられている。後外側縦フレーム42の下端部に側壁部材46を介して連結部材47が連結されている。連結部材47と、連結部75とが連結ボルト76によって連結されている。側壁部材46は、透明板部43の下部に連結され、右の側壁部40を構成している。
【0055】
内側連結構造Zでは、左の側壁部30がサイドパネル14に載置された状態でサイドパネル14に連結されている。具体的には、
図11,14に示すように、側壁部30の板状部材33の下端部に下部フレーム30aが連結されている。下部フレーム30aがサイドパネル14のうちの運転部外側の端部に載置され、下部フレーム30aとサイドパネル14とが複数本の連結ボルト79によって連結されている。複数本の連結ボルト79は、機体前後方向に並んでいる。下部フレーム30aから前後一対の位置決めピン80がサイドパネル14のピン孔14aに向けて延出されている。
【0056】
キャビン4を支柱65に支持する連結構造では、
図10,11に示すように、支柱65は、機体フレーム1のうちの運転部3よりも後方に位置するフレーム部分1aに立設されている。後壁部50が支柱65に支持されている。後壁部50は、後窓51よりも下方箇所で支柱65に支持されている。後壁部50は、左右方向中央部で支柱65に支持されている。
【0057】
具体的には、後壁部50の左右方向中央部における下部のうち、後窓51の下方に位置する部位に、機体後方へ延びるステー66が取付けられている。ステー66は、板状部52及び透明板部53の下部に連結された機体横向きの下部フレーム54に連結されている。支柱65の上端部に機体前方向に延びる支持部65aが設けられている。ステー66の遊端部と支持部65aとが複数本の連結ボルト67によって連結されている。各連結ボルト67は、ステー66及び支持部65aに上方から下方向きに装着されている。
【0058】
後壁部50が後窓51の下方箇所で支柱65に支持されているので、支柱65を後窓51よりも下方に位置させることができる。
【0059】
さらに、支柱65が一つだけ設けられている。後壁部50における左右方向中央部が支柱65に支持されている。キャビン4の後側を一つの支柱65で支持させるものでありながら、キャビン4の左右重量をバランスさせ易い状態で支持させられる。また、キャビン4の前端側における左端側箇所がサイドパネル14に支持され、キャビン4の前端側における右端側箇所が操縦塔13に支持され、キャビン4の後端側における左右中央部が支柱65に支持される。つまり、サイドパネル14による支持箇所と、操縦塔13による支持箇所と、支柱65による支持箇所との位置関係が平面視で三角形を形成する位置関係になり、キャビン4を安定的に支持できる。
【0060】
図1,2,4に示すように、キャビン4の右前方外側にバックミラー82が設けられている。バックミラー82は、
図4に示すように、前外側縦フレーム41に支持されている。すなわち、前外側縦フレーム41の上端部にブラケット83が連結されている。ブラケット83の遊端部にバックミラー82のアーム部82aが連結されている。
【0061】
図17,19に示すように、キャビン4の屋根部60に空調装置85が内装されている。キャビン4の内部空間を空調装置85によって空調できる。本実施例では、空調装置85が屋根部60のうちの前後方向での中心よりも後方の部位に内装されているが、前後方向での中心によりも前方の部位、あるいは、前後方向での中央部位に内装してもよい。
【0062】
図16に示すように、空調装置85から一対のドレン水路86が延出されている。
図5,16に示すように、一方のドレン水路86は、キャビン4の内部を後内側縦フレーム32に沿って下降し、キャビン4の外部を支柱フレーム87に沿って機体フレーム1の下方まで下降している。他方のドレン水路86は、キャビン4の内部を後窓51の右横側方を下降し、キャビン4の外部を支柱フレーム87に沿って機体フレーム1の下方まで下降している。支柱フレーム87は、支柱65の横側方で機体フレーム1から立設され、エンジン用のプレエアクリーナ88(
図1,2参照)を支持している。本実施例では、一対のドレン水路86は、弾性を有したホースによって構成されている。
【0063】
図6,10,16に示すように、空調装置85の補機であるコンプレッサー90、コンデンサ91及びレシーバ92のうちのコンプレッサー90及びコンデンサ91がエンジンルーム93に配備されている。レシーバ92が支柱65に支持されている。コンプレッサー90は、エンジンルーム93の前端側の低い部位に配備されている。コンデンサ91は、エンジン5と防塵ケース94との間に配備されている。防塵ケース94は、エンジンボンネット17の機体横外側に開閉可能に設けられている。
【0064】
空調装置85とコンプレッサー90とを接続する冷媒循環路96は、キャビン4の内部を後内側縦フレーム32に沿って下降し、キャビン4の外部を支柱65に沿って下降し、支柱65の下部から前方向きに延出することで、エンジンルーム93に入ってコンプレッサー90に至っている。コンプレッサー90とコンデンサ91とを接続する冷媒循環路97は、コンプレッサー90からエンジンルーム93を機体横外向きに通って防塵ケース94の内部に入り、防塵ケース94の内部を上方向きに通ってコンデンサ91に至っている。コンデンサ91とレシーバ92とを接続する冷媒循環路98は、コンデンサ91からエンジンルーム93の内部を後方向きに延出して支柱65の下部に至り、支柱65の下部から支柱65に沿って上昇してレシーバ92に至っている。レシーバ92と空調装置85とを接続する冷媒循環路99は、レシーバ92から前方に延出してキャビン4の下部からキャビン4の内部に入り、キャビン4の内部を後窓51の横側方を上昇して空調装置85に至っている。
【0065】
図18,19に示すように、屋根部60におけるインナールーフ62のうちの前壁部27の上方に位置する前部62fに、左右一対の噴出口100、空調スイッチ101、作業灯スイッチ102及びワイパスイッチ103が装備されている。空調スイッチ101によって空調装置85をオン状態とオフ状態とに切り換え操作できる。空調装置85をオン状態にした場合、左右の噴出口100から空調空気が噴出される。
【0066】
前部62fにおける機体横幅方向での中央部分に凹入部63が形成されている。
図19に示すように、キャビン内に立って前壁部27を介して前方を見通すとき、前かがみ姿勢になっても、頭部が凹入部63に入り、頭部がインナールーフ62に当たることを回避し易い。
【0067】
キャビン内部の防音対策について説明する。
防塵ケース94、操縦塔13、運転部床11、エンジンボンネット17、サイドパネル14、外横壁部15、内横壁部16、給気ケース18の夫々の内面側に吸音材が装着されている。さらに、操縦塔13の下方に位置する下前カバー105(
図1,12参照)の内面側に吸音材が装着されている。エンジン5の駆動音、走行音などのキャビン内への伝達が吸音材によって緩和される。また、運転部床11などの板部材を二枚重ねにしたり、二枚重ねの板部材の間に吸音材を挟まれる状態で設けたりすると有効である。
【0068】
〔別実施形態〕
(1)上記した実施例では、後壁部50が左右方向中央部における後窓51の下方箇所で支柱65に支持される構成を採用した例を示したが、この箇所に限らず、上部、左右方向中心と左端との間の箇所、あるいは、左右方向中心と右端との間の箇所で支持される構成を採用してもよい。
【0069】
(2)上記した実施例では、運転部3が走行機体の右端側に設けられた例を示した、走行機体の左端側に設けて実施してもよい。この場合、キャビンの左の側壁部が乗降口側に位置し、キャビンの右の側壁部がサイドパネル側に位置する。
【0070】
(3)上記した実施例では、レシーバ92を支柱65に支持した例をしたが、レシーバ92に限らず、コンデンサ91などを支柱65に支持してもよい。
【0071】
(4)上記した実施例では、側窓35を前端部側を中心として開閉揺動する片開き式にした例を示したが、後端部側を中心として開閉揺動する片開き式、あるいは、上端部側を中心として上下に揺動開閉する上下揺動式、あるいは、スライドによって開閉するスライド式の側窓を採用してもよい。
【0072】
(5)上記した実施例では、屋根部60に空調装置85を内装した例を示したが、空調装置85を屋根部以外の箇所に設けて実施してもよい。また、空調装置85を設けずに実施してもよい。
【0073】
(6)上記した実施例では、バックミラー82が前外側縦フレーム41に支持される例を示したが、側壁部のフレームを支持部材とするに限らず、専用の支持部材を採用してもよい。