(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザから商品の発注操作を受け付ける発注受付デバイスと、前記発注受付デバイス及び商品の発注処理を実行する販売処理装置と通信可能な通信端末とを有する商品販売システムであって、
前記発注受付デバイスは、
前記発注受付デバイスを識別するためのデバイス識別情報に対して異なるデータを付加して得られた複数の付加情報付デバイス識別情報を暗号化することにより予め生成された複数の暗号化情報を記憶するデバイス記憶部と、
前記ユーザによる前記商品の発注操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が前記商品の発注操作を受け付けた場合、前記デバイス記憶部に記憶された複数の暗号化情報の中から、いずれか一つの暗号化情報を無作為に選択する選択部と、
前記選択部が選択した暗号化情報を前記通信端末に送信するデバイス送信部とを備え、
前記通信端末は、
前記デバイス送信部から前記暗号化情報を受信する端末受信部と、
前記暗号化情報を復号するための鍵を用いて前記端末受信部が受信した暗号化情報を復号し、付加情報付デバイス識別情報を生成する復号部と、
前記復号部が生成した付加情報付デバイス識別情報から前記デバイス識別情報を取得するデバイス識別情報取得部と、
前記デバイス識別情報取得部が取得したデバイス識別情報を含む情報であって前記デバイス識別情報に関連付けられた商品を発注するための発注情報を、前記販売処理装置に送信する端末送信部とを備える商品販売システム。
前記デバイス記憶部が記憶する複数の暗号化情報のそれぞれは、乱数と、固定長の前記デバイス識別情報とを組み合わせて得られた付加情報付デバイス識別情報を暗号化して生成された情報であり、
前記デバイス識別情報取得部は、前記復号部が復号した付加情報付デバイス識別情報から乱数を削除して前記デバイス識別情報を取得する請求項1に記載の商品販売システム。
前記発注受付デバイスは、前記更新部による前記暗号化情報の更新が所定の期間なされない場合、前記デバイス送信部による前記暗号化情報の送信を規制する送信規制部をさらに備える請求項3に記載の商品販売システム。
ユーザから商品の発注操作を受け付ける発注受付デバイスと、前記発注受付デバイス及び商品の発注処理を実行する販売処理装置と通信可能な通信端末とを有する商品販売システムで実行される発注方法であって、
前記発注受付デバイスのプロセッサが、
前記ユーザによる前記商品の発注操作を受け付けるステップと、
前記商品の発注操作を受け付けた場合、前記発注受付デバイスを識別するためのデバイス識別情報に対して異なるデータを付加して得られた複数の付加情報付デバイス識別情報を暗号化することにより予め生成された複数の暗号化情報の中から、いずれか一つの暗号化情報を無作為に選択するステップと、
選択された暗号化情報を前記通信端末に送信するステップとを実行し、
前記通信端末のプロセッサが、
前記発注受付デバイスから前記暗号化情報を受信するステップと、
前記暗号化情報を復号するための鍵を用いて受信した暗号化情報を復号し、付加情報付デバイス識別情報を生成するステップと、
生成した前記付加情報付デバイス識別情報から前記デバイス識別情報を取得するステップと、
取得した前記デバイス識別情報を含む情報であって前記デバイス識別情報に関連付けられた商品を発注するための発注情報を、前記販売処理装置に送信するステップとを実行する発注方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[商品販売システムSの概要]
図1は、実施の形態に係る商品販売システムSの概要を説明するための図である。実施の形態に係る商品販売システムSは、ユーザから商品の発注操作を受け付ける発注受付デバイス1と、発注受付デバイス1及び商品の発注処理を実行する販売処理装置3と通信可能な通信端末2とを有する商品販売システムである。
【0019】
図1は、商品販売システムSに含まれる通信端末2及び販売処理装置3とともに、発注受付デバイス1、販売店4、基地局N1及びネットワークN2を示している。基地局N1は、携帯電話網の基地局であり、ネットワークN2は、例えばインターネットである。
【0020】
発注受付デバイス1は、ユーザによる商品の発注の指示を受け付けるデバイスである。発注受付デバイス1には、ユーザが押下可能なボタンが設けられており、ユーザは、ボタンを押すことにより商品を発注することができる。ユーザは、例えば、商品を使用する場所の近くに発注受付デバイス1を設置しておくことにより、商品の在庫がなくなった時点でボタンを押して、容易に商品を発注することができる。
【0021】
発注受付デバイス1は、発注受付デバイス1毎に一意に定められたデバイスID(IDentification)が暗号化された情報を記憶している。デバイスIDは、各発注受付デバイス1を特定するために用いられるデバイス識別情報として機能する。ユーザがボタンを押下することにより(
図1における(1))、デバイスIDに関連付けられた商品を発注する操作が受け付けられる。発注受付デバイス1は、ボタンが押下されたことに応じて、通信端末2に対して発注要求信号を送信する(
図1における(2))。
【0022】
通信端末2は、発注受付デバイス1及び基地局N1と通信可能な端末であり、例えばスマートフォン、タブレット、ファブレット、ノートPC(Personal Computer)、又はデスクトップPC等である。通信端末2は、発注受付デバイス1から発注要求信号を受信すると、発注要求信号に含まれる暗号化されたデバイスIDを復号する。次いで、通信端末2は、発注受付デバイス1のデバイスIDを少なくとも含む発注情報を販売処理装置3に送信する(
図1における(3))。通信端末2が送信した発注情報は、基地局N1及びネットワークN2を経由して、販売処理装置3に送信される(
図1における(4))。
【0023】
販売処理装置3は、ネットワークN2に接続されたサーバである。販売処理装置3は、例えば、通信端末2のユーザが契約をしている通信キャリアによって管理されている。販売処理装置3は、通信端末2が送信した発注情報を受信すると、発注情報に対応する商品の在庫がある販売店4に対して注文情報を送信する(
図1における(5)〜(6))。注文情報には、商品を特定するための情報とともに、通信端末2のユーザの住所を示す情報が含まれている。販売店4は、注文情報を受信すると、注文情報に含まれている住所に、注文情報に基づいて特定される商品を配達するための処理をする(
図1における(7))。
【0024】
また、販売処理装置3は、通信端末2のユーザにより予め設定された方法により決済処理をする。ユーザが、例えば、通信端末2の通信料と合算して商品の購入代金の請求を受けるキャリア決済を決済方法として選択している場合、販売処理装置3は、通信端末2に対して決済情報を送信したり、通信端末2のユーザに対して請求書を郵送する処理を実行したりする(
図1における(8))。
【0025】
商品販売システムSが上記のように動作することにより、通信端末2のユーザは、発注受付デバイス1のボタンを押すだけで、所望の商品を発注し、商品の配達を受けることができる。したがって、通信端末2を操作して商品を発注する場合に比べて、ユーザが商品を発注しやすくなる。
以下、発注受付デバイス1、通信端末2及び販売処理装置3の構成及び動作について詳細に説明する。
【0026】
[発注受付デバイス1及び通信端末2の構成]
図2は、発注受付デバイス1及び通信端末2の構成を示す図である。発注受付デバイス1は、制御部11と、記憶部12と、操作受付部13と、無線部14と、通知部15と、バッテリー16と、選択部17と、更新部18と、送信規制部19とを有する。
【0027】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって実現される。制御部11は、記憶部12に記憶されているプログラムを実行することにより、発注受付デバイス1の各部を制御する。
【0028】
記憶部12は、例えばROM及びRAM(Random Access Memory)である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラム、及び発注受付デバイス1のデバイスIDを暗号化して生成された複数の暗号化情報を記憶している。
【0029】
実施の形態に係る発注受付デバイス1においては、デバイスIDは暗号化されて暗号化情報として記憶部12に記憶されている。この意味で記憶部12は、複数の暗号化情報を記憶するデバイス記憶部として機能する。暗号化情報は、デバイスIDに対してデータを付加した上で暗号化された情報であり、記憶部12は複数の異なる暗号化情報を記憶している。より具体的には、記憶部12は、複数の付加情報付デバイス識別情報を暗号化することにより予め生成された複数の暗号化情報を記憶している。なお、「付加情報付デバイス識別情報」とは、デバイスIDにデータを付加して得られた情報である。暗号化情報の生成方法の詳細については後述する。
【0030】
操作受付部13は、ユーザによる商品の発注操作を受け付けるデバイスである。操作受付部13は、例えばプッシュボタン、タッチパネル及びスライドスイッチであり、ユーザの操作を検出できるデバイスであれば任意のデバイスであってよい。
【0031】
無線部14は、通信端末2と通信するための無線インターフェイス部である。無線部14は、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)(Bluetoothは登録商標)の無線モジュールであり、制御部11の制御に基づいて、デバイスIDを通信端末2に送信する。無線部14は、操作受付部13が商品の発注操作を受け付けた場合、記憶部12が記憶する複数の暗号化情報のうちいずれか一つの暗号化情報を通信端末2に送信するデバイス送信部として機能する。より具体的には、選択部17は、記憶部12に記憶された複数の暗号化情報の中から、いずれか一つの暗号化情報を無作為に選択する。無線部14は、選択部17が選択した暗号化情報を含む発注要求信号を通信端末2に送信する。
【0032】
このように、発注受付デバイス1が通信端末2に送信するデバイスIDは暗号化されているため、外部にデバイスIDが漏洩することを抑制できる。また、発注受付デバイス1が通信端末2に送信する暗号化情報は、複数の異なる暗号化情報の中からランダムで選択される。このため、例えば発注受付デバイス1が送信する暗号化情報を、第三者がそのままその発注受付デバイス1のデバイスIDとして転用することも困難となる。
【0033】
通知部15は、ユーザに情報を通知するデバイスであり、例えば発光ダイオードや液晶パネル、有機EL(Electro-Luminescence)パネル等で実現される。通知部15は、制御部11の制御に基づいて、操作受付部13が押下されてから所定の時間が経過するまでの間点灯することにより、ユーザの操作が受け付けられたことをユーザに通知する。
【0034】
バッテリー16は、発注受付デバイス1の各部を動作させるための電力を供給する。バッテリー16の出力電圧は、制御部11により監視されており、バッテリー16の出力電圧が所定の電圧よりも低くなると、制御部11は通知部15を点滅させることにより、ユーザに通知する。送信規制部19は、所定の条件下において無線部14による暗号化情報の送信を禁止する。送信規制部19の詳細は後述する。
【0035】
通信端末2は、制御部21と、記憶部22と、第1無線部23と、第2無線部24と、操作部25と、表示部26と、復号部27と、デバイス識別情報取得部28と、暗号化部29とを有する。
制御部21は、例えばCPU等のプロセッサによって実現できる。制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、通信端末2の各部を制御する。制御部21は、第1無線部23が受信した発注受付デバイス1のデバイスID、及び記憶部22に記憶されているユーザIDを含む発注情報を生成し、生成した発注情報を、第2無線部24を介して販売処理装置3に送信する。
【0036】
記憶部22は、例えばROM及びRAMを含む端末記憶部である。記憶部22は、制御部21、復号部27、デバイス識別情報取得部28、及び暗号化部29が実行するプログラム、及び通信端末2のユーザIDを記憶している。ユーザIDは、ユーザに固有の情報であり、例えば、通信端末2のユーザが契約している通信キャリアによって付与される文字、数字又は記号を含んでいる。ユーザIDは、例えば、通信端末2が製造された時点で記憶部22に書き込まれている。ユーザIDは、通信端末2が販売された後に、ユーザによって設定された文字、数字又は記号であってもよい。
【0037】
第1無線部23は、発注受付デバイス1と通信するための無線インターフェイス部であり、端末受信部として機能する。第1無線部23は、例えばBLEの無線モジュールであり、発注受付デバイス1が送信した暗号化情報を受信する。
【0038】
第2無線部24は、基地局N1と通信するための無線インターフェイス部であり、端末送信部として機能する。第2無線部24は、例えばLTE(Long Term Evolution)規格に対応する通信方式を用いて、基地局N1との間でデータを送受信する。第2無線部24は、例えばデバイスID及びユーザIDを暗号化した情報を含む発注情報を基地局N1に送信する。
【0039】
操作部25は、例えばタッチパネルである。操作部25は、表示部26に重ねて設けられており、ユーザがタッチした位置を示す座標情報を制御部21に通知する。
表示部26は、例えば液晶ディスプレイである。表示部26は、制御部21の制御に基づいて、各種の情報を表示する。
【0040】
復号部27は、暗号化情報を復号するための鍵を用いて端末受信部が受信した暗号化情報を復号し、付加情報付デバイス識別情報を生成する。暗号化情報を復号するための鍵は、復号部27が実行するプログラムとともに記憶部22に記憶されている。この鍵は、例えば共通鍵暗号方式の共通鍵でもよいし、公開鍵暗号方式の復号鍵でもよい。いずれの場合にしても、暗号化情報を復号するための鍵は、例えば通信端末2の製造時に製造業者によって記憶部22に格納されたり、通信端末2をユーザに販売する前に販売者によってプログラムとともに記憶部に格納されたりする。デバイス識別情報取得部28は、復号部27が生成した付加情報付デバイス識別情報から、デバイスIDを取得する。第2無線部24は、デバイス識別情報取得部28からデバイスIDを取得した場合、デバイスIDに関連付けられた商品を発注するための発注情報を、販売処理装置3に送信する。
【0041】
以下、付加情報付デバイス識別情報からデバイスIDを取得する具体的な方法の詳細について、暗号化情報の生成方法とともに説明する。
【0042】
図3(a)−(b)は、デバイスID、付加データ、及び暗号化情報の関係を模式的に示す図である。より具体的には、
図3(a)は暗号化情報の生成方法を説明する図であり、
図3(b)はデバイスIDの取り出し方を説明する図である。
【0043】
上述したように、デバイスIDは文字、数字又は記号を含んでいる情報である。実施の形態に係るデバイスIDは、固定長の情報である。
図3(a)に示すように、暗号化情報は固定長のデバイスIDに乱数を組み合わせたものを暗号化して得られる情報である。上述した付加情報付デバイス識別情報は、固定長のデバイスIDに乱数を組み合わせた情報を意味する。
【0044】
図3(a)は、付加情報付デバイス識別情報が、デバイスIDの末尾に乱数が付加された情報である場合を示している。しかしながら、デバイスIDと乱数との組み合わせの仕方はこれに限られず、デバイスIDを復元できる組み合わせの仕方であればどのような態様であってもよい。この他、例えばデバイスIDの先頭に乱数を追加して付加情報付デバイス識別情報を生成してもよいし、デバイスIDを所定の長さで分割しその間に乱数を組み込んで生成してもよい。さらには、デバイスIDを構成する各文字と文字との間に乱数を並べることで生成してもよい。また、乱数は固定長でなくてもよい。
【0045】
発注受付デバイス1の記憶部12は、複数の異なる暗号化情報を格納している。複数の暗号化情報は、あらかじめ生成された複数の異なる付加情報付デバイス識別情報をそれぞれ暗号化することで生成される。そして、複数の異なる付加情報付デバイス識別情報はそれぞれ、発注受付デバイス1を特定するためのデバイスIDに、異なる乱数を組み合わせて得られた情報である。
図3(a)に示す例では、一種類のデバイスIDに、N種類(Nは2以上の自然数)の異なる乱数を組み合わせることで、N種類の異なる付加情報付デバイス識別情報を生成する場合の例を示している。ここでNの具合的な値は、記憶部12の記憶容量や発注受付デバイス1と通信端末2との間の通信に求められる安全性等を考慮して実験により定めればよいが、例えば64である。
【0046】
なお、デバイスIDは発注受付デバイス1を一意に特定できればよい。したがって、一つの発注受付デバイス1に関連づけられるデバイスIDは必ずしも一つに限られない。あるデバイスIDが一つの発注受付デバイス1に関連づけられていることが担保されれば、一つの発注受付デバイス1に複数のデバイスIDが関連づけられてもよい。
【0047】
デバイス識別情報取得部28は、復号部27が暗号化情報を復号することで生成した付加情報付デバイス識別情報から乱数を削除してデバイスIDを取得する。
図3(b)に示すように、暗号化情報を復号することにより、デバイスIDの末尾に乱数が付加された付加情報付デバイス識別情報が得られる。デバイスIDは固定長であるため、デバイス識別情報取得部28は、付加情報付デバイス識別情報の先頭から固定長の長さを切り出すことにより、デバイスIDを取得する。
【0048】
図2の説明に戻る。暗号化部29は、デバイス識別情報取得部28が取得したデバイスIDに対して乱数データを付加して得られた付加情報付デバイス識別情報を生成する。暗号化部29は、生成した付加情報付デバイス識別情報を暗号化することにより、新たな暗号化情報を生成する。第1無線部23は、暗号化部29が生成した新たな暗号化情報を、発注受付デバイス1に所定の間隔で定期的に送信する。この意味で、第1無線部23は、暗号化情報を発注受付デバイス1に送信する暗号化情報送信部としても機能する。
【0049】
発注受付デバイス1の無線部14は、第1無線部23から送信された暗号化情報を受信する。この意味で、無線部14は暗号化情報を受信する端末受信部としても機能する。更新部18は、無線部14が受信した暗号化情報を用いて記憶部12が記憶している暗号化情報を更新する。このように、記憶部12が記憶する暗号化情報は定期的に更新されるため、発注受付デバイス1が送信する暗号化情報を第三者がそのまま発注受付デバイス1の識別情報として転用することが困難となる。
【0050】
ここで上述した「所定の間隔」とは、暗号化部29が新たな暗号化情報を生成する暗号化情報生成周期であり、かつ第1無線部23が暗号化情報を発注受付デバイス1に送信する暗号化情報送信周期である。所定の間隔の具体的な長さは、発注受付デバイス1と通信端末2との間の通信に求められる安全性等を考慮して実験により定めればよいが、例えば30日である。
【0051】
送信規制部19は、更新部18による暗号化情報の更新が所定の期間なされない場合、無線部14が暗号化情報を通信端末2に送信することを規制する。ここで「所定の期間」とは、送信規制部19が無線部14の通信規制を実行するか否かを判定するために参照される通信規制判定期間である。所定の期間の具体的な長さは通信端末2との間の通信に求められる安全性等を考慮して実験により定めればよいが、少なくとも上述の所定の間隔と同じ長さかそれ以上である。送信規制部19が無線部14の通信規制を実施することにより、第三者によって発注受付デバイス1が、商品販売システムS以外の他のシステムに転用されることを抑制できる。
【0052】
[通信端末2及び販売処理装置3の構成]
図4は、通信端末2及び販売処理装置3の構成を示す図である。なお、通信端末2の構成については
図2を参照して説明したため、適宜省略又は簡略化して記載する。
【0053】
販売処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、販売処理部33とを有する。通信部31は、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを含む、通信部31はネットワークN2と接続するための通信インターフェイス部であり、装置受信部として機能する。通信部31は、ネットワークN2を介して通信端末2の第2無線部24から暗号化情報を受信する端末受信部として機能する。
【0054】
記憶部32は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体を含む装置記憶部である。記憶部32は、通信部31が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部32は、通信端末2が送信した発注情報に基づいて販売処理部33が商品を販売する処理を実行するために用いる各種のデータを記憶している。記憶部32は、例えば、通信端末2のユーザのユーザIDに関連付けられた販売条件を記憶している。販売条件は、例えば、ユーザに販売した商品を配達する場所の住所、及びユーザに販売した商品の代金を決済する方法に関する決済情報である。
【0055】
図5は、記憶部32が記憶している販売条件テーブルの一例を示す図である。
図5に示す販売条件テーブルにおいては、ユーザIDと、契約IDと、契約者氏名と、契約者住所と、決済方法とが関連付けられている。契約IDは、ユーザが通信キャリアと締結している契約を識別するための情報であり、契約IDごとに通信料金の決済が行われる。ユーザIDがU000002のユーザと、ユーザIDがU000003のユーザとが家族である場合、この二人のユーザには、同一の契約IDが付与され、二人の通信料金は合算して決済処理される。
【0056】
決済方法欄には、商品代金の決済をするために用いられる決済情報が含まれている。決済方法欄における「キャリア決済」は、商品代金を通信料金と合算して決済する方法である。決済方法欄における「クレジットカード」は、ユーザのクレジットカードを使って決済する方法である。決済方法欄における「プリペイドカード」は、ユーザのプリペイドカードを使って決済する方法である。なお、記憶部32は、決済方法として「クレジットカード」が選択されているユーザIDに関連付けて、クレジットカード番号も記憶している。また、記憶部32は、決済方法として「プリペイドカード」が選択されているユーザIDに関連付けて、プリペイドカード番号も記憶している。
【0057】
また、記憶部32は、デバイスIDと商品IDとが関連付けられた商品管理テーブルを記憶している。
図6は、記憶部32が記憶している商品管理テーブルの一例を示す図である。
図6に示す商品管理テーブルにおいては、デバイスIDと、商品IDと、商品名と、販売数と、単価と、販売価格と、販売店名とが関連付けられている。
図6に示すように、一つのデバイスIDは、一つの商品IDに関連付けられている。例えば、ユーザが、デバイスID000001の発注受付デバイス1のボタンを押すと、商品ID213021の米(ブランドA)が販売店Aに発注される。
【0058】
デバイスIDには、商品の販売数も関連付けられている。したがって、商品を複数個ずつ購入したいユーザは、複数の販売数に対応するデバイスIDの発注受付デバイス1を使用することにより、発注受付デバイス1のボタンを複数回押すことなく、1回のボタン操作により複数個の商品を発注することができる。
【0059】
また、一つの商品IDは、複数のデバイスIDに関連付けられていてもよい。
図6の例においては、商品ID310105の洗剤Eが、デバイスID000005及びデバイスID000008に関連付けられている。このように、一つの商品IDが複数のデバイスIDに関連付けられるので、商品販売システムSは、例えば洗剤Eのメーカーが、ユーザが洗剤Eを購入しやすくするために、洗剤Eに関連付けられたデバイスIDの発注受付デバイス1を大量に配布するような用途に好適である。
【0060】
商品管理テーブルを作成する方法は任意である。例えば、発注受付デバイス1を配布した販売店の端末が、配布したデバイスIDと、商品ID、商品名、販売数、単価、及び販売価格とを関連付けたデータを販売処理装置3に送信し、販売処理部33が、記憶部32が記憶している商品管理テーブルに、受信したデータを追加する方法が考えられる。
【0061】
続いて、販売処理部33について詳細に説明する。販売処理部33は、例えばCPU等のプロセッサを含む。CPUが記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、販売処理部33は、通信部31が受信した発注情報に含まれるユーザIDに対応する販売条件に基づいて、発注情報に対応する商品の販売処理を実行する。
【0062】
販売処理部33は、発注情報に含まれる通信端末2のユーザを識別するユーザIDを取得する。販売処理部33は、記憶部32を参照して、ユーザIDに関連づけられた販売条件を取得する。販売処理部33は、例えば、
図5に示した販売条件テーブルを参照することにより、発注情報に含まれるユーザIDに対応する住所を特定する。また、販売処理部33は、
図6に示した商品管理テーブルを参照することにより、発注情報に含まれるデバイスIDに対応する商品IDを特定する。そして、販売処理部33は、発注情報に含まれるユーザIDに対応する住所に商品を発送する処理を実行する。具体的には、販売処理部33は、特定した住所及び商品IDを含む注文情報を、商品IDに対応する販売店4に送信する。これにより、販売処理部33は、発注情報に含まれるデバイスIDに関連付けられた商品IDに対応する商品の販売処理を実行する。販売処理部33は、商品管理テーブルにおける、デバイスIDに対応する商品の販売個数を示す情報を含む注文情報を送信することにより、当該販売個数の商品の販売処理を実行する。
【0063】
販売処理部33は、発注情報を受信してから所定の時間が経過した後に、販売処理を実行することとしてもよい。例えば、販売処理部33は、発注情報を受信してからユーザID、デバイスID及び商品IDの少なくともいずれかに関連付けて記憶部32に記憶された待機時間(例えば、1時間)が経過するまでは、販売店4に注文情報を送信する処理を実行しない。そして、販売処理部33は、待機時間内に、発注を取り消すキャンセル要求を通信端末2から受信した場合、発注情報を削除する。このようにすることで、ユーザが誤って発注受付デバイス1の操作受付部13を操作した場合に、不要な商品が配達されることを防止できる。
【0064】
また、販売処理部33は、商品管理テーブルにおいてデバイスIDに関連付けられた商品の販売価格に基づいて、商品の販売処理を実行する。ここで、販売処理部33は、通信部31が、記憶部32に価格が記憶されてから所定の期間内に発注情報を受信したことを条件として、デバイスIDに関連付けられた販売価格に基づいて、商品の販売処理を実行してもよい。
【0065】
販売処理部33は、ネットワークN2を介して商品の市場価格を取得し、取得した市場価格に基づいて販売価格を決定してもよい。販売処理部33は、例えば、取得した市場価格の中に、デバイスIDに関連付けられている販売価格よりも安い価格がある場合、最も安い市場価格に対応する価格を販売価格とする。このようにすることで、ユーザが安心して商品を購入することができる。
【0066】
また、販売処理部33は、記憶部32に価格が記憶されてから所定の期間が経過する前であっても、インターネットを介して取得した市場価格が、記憶部32が記憶している販売価格よりも所定の値以上高い場合、記憶部32に記憶されている販売価格よりも高い価格で商品の販売処理を実行してもよい。この場合、販売処理部33は、価格の変更を通知するメッセージを通信端末2に送信し、通信端末2からユーザの承認メッセージを受信したことを条件として、記憶部32に記憶されている販売価格よりも高い価格で商品の販売処理を実行する。このようにすることで、販売処理装置3を運営する会社及び販売店4が採算割れになることを防止できる。なお、販売処理部33は、承認メッセージを受信したことに応じて、商品管理テーブル内の販売価格を、新たな価格に更新してもよい。
【0067】
また、販売処理部33は、
図5に示す販売条件テーブルを参照することにより、発注情報に含まれるユーザIDに対応する決済情報に基づいて、商品の決済処理を実行する。販売処理部33は、ユーザIDに対応する決済情報が「キャリア決済」を示している場合、ユーザIDに対応するユーザの通信料金に、商品の購入代金を加算する。販売処理部33は、ユーザの通信料金の管理を行うキャリア決済サーバ(不図示)に、商品の購入代金を示す情報を送信し、キャリア決済サーバが、商品の購入代金を通信料金に加算してもよい。
【0068】
販売処理部33は、決済情報が「クレジットカード」を示している場合、クレジットカードの使用履歴を管理するクレジットカード管理サーバ(不図示)に、ユーザIDに関連付けられたクレジットカード番号、及び商品の購入代金を示す決済情報を送信する。このようにすることで、商品の購入代金が、ユーザのクレジットカードを用いて決済される。
【0069】
同様に、販売処理部33は、決済情報が「プリペイドカード」を示している場合、プリペイドカードの残高を管理するプリペイドカード管理サーバ(不図示)に、ユーザIDに関連付けられたプリペイドカード番号、及び商品の購入代金を示す決済情報を送信する。プリペイド管理サーバは、プリペイドカード番号に関連付けて、プリペイドカードの残高を管理している。プリペイド管理サーバは、決済情報を受信すると、プリペイドカードの残高から商品の購入代金を減算することにより、商品の購入代金が支払われる。
【0070】
なお、販売処理部33は、決済処理を実行する際に、ユーザIDに関連付けてポイントを管理するポイント管理サーバ(不図示)にアクセスして、ユーザが保有するポイントを利用して決済処理を実行してもよい。また、販売処理部33は、決済履歴(利用ログ)を記憶部32に蓄積し、蓄積した決済履歴に基づいて消費動向を分析した情報及びマーケティングに関する情報等を生成し、生成した情報を販売店及び関連会社等に提供してもよい。
【0071】
また、販売処理部33は、注文情報を送信した販売店4に対する支払額を算出する。販売処理部33は、定期的(例えば、1ヶ月ごと)に、各販売店4に注文した額の合計値を算出し、各販売店4に対する支払処理を実行する。
【0072】
販売処理部33は、発注情報を受信してから所定の時間が経過するまでの間に、他の発注情報を受信した場合、所定の時間が経過するまでの間に受信した複数の発注情報に対応する複数の商品の販売処理をまとめて実行してもよい。販売処理部33は、例えば、発注情報を受信してからユーザID、デバイスID及び商品IDの少なくともいずれかに関連付けて記憶部32に記憶された待機時間内に他の発注情報を受信した場合、最後に受信した発注情報に対する待機時間が経過した時点で、最初の発注情報に対応する商品、及び他の発注情報に対応する商品に対する注文情報を販売店4に送信する。
【0073】
販売処理部33は、最後に受信した発注情報に対する待機時間が経過した時点で、全ての商品の代金を合算して決済処理を実行する。なお、販売処理部33は、最初の発注情報を受信してから商品の販売処理を実行するまでの時間が長くなり過ぎないように、最初の発注情報を受信してから所定の時間が経過すると、それ以降新たに受信した他の発注情報に対応する商品の販売処理は、まとめて実行しないようにしてもよい。
【0074】
[商品販売時のシーケンス]
図7及び
図8は、実施の形態の商品販売システムSにおける販売処理のシーケンスを示す図であり、商品販売システムSにおいて実行される発注方法の流れを説明する図である。
図7は、発注受付デバイス1及び通信端末2における処理の流れを示しており、
図8は、販売処理装置3における処理の流れを示している。
【0075】
制御部11は、操作受付部13のボタンが押下されたことを検出する(S101)。所定の期間内に記憶部12が記憶する暗号化情報の更新があった場合(S102においてYES)、選択部17は、複数の暗号化情報の中から一つの暗号化情報を選択する(S103)。制御部11は、無線部14を介して、暗号化情報を含む発注要求信号を通信端末2に送信する(S104)。所定の期間内に記憶部12が記憶する暗号化情報の更新がなされていない場合(S102においてNO)、本フローチャートにおける処理は終了する。
【0076】
制御部21は、発注要求信号を受信すると(S201)、発注要求信号に含まれているデバイスID、及び記憶部22に記憶されているユーザIDを含む発注情報を販売処理装置3に送信する(S202)。販売処理装置3において販売処理が完了すると、制御部21は、販売処理が完了したことを示す処理完了通知を販売処理装置3から受信する(S203)。制御部21は、処理完了通知を受信すると、販売処理が完了したことを表示部26に表示する(S204)。
【0077】
続いて、
図8を参照して、販売処理装置3における処理の流れについて説明する。販売処理部33は、通信端末2から発注情報を受信すると(S301)、所定時間が経過したかどうかを監視する(S302)。所定時間が経過するまでの間(S302においてNO)、販売処理部33は、通信端末2からキャンセル要求を受信するかどうかを監視する(S303)。販売処理部33は、キャンセル要求を受信した場合(S303においてYES)、販売処理を終了する。販売処理部33は、キャンセル要求を受信していない場合(S303においてNO)、S302に戻り、所定の時間が経過するまで、S302とS303を繰り返す。
【0078】
販売処理部33は、S302において所定の時間が経過すると(S302においてYES)、受信した発注情報に基づいて商品IDを特定する(S304)。続いて、販売処理部33は、
図6に示した商品管理テーブルを参照して、商品IDに対応する商品の販売価格を特定する(S305)。
【0079】
続いて、販売処理部33は、
図5に示した販売条件テーブルを参照して、発注情報に含まれているユーザIDに対応する発送先の住所を特定し(S306)、注文情報を販売店4に送信することにより、発送処理を実行する(S307)。販売処理部33は、発送処理が完了すると、
図5に示した販売条件テーブルを参照して、発注情報に含まれているユーザIDに対応する決済方法を特定し(S308)、特定した決済方法で決済処理を実行する(S309)。販売処理部33は、発送処理及び決済処理が完了すると、処理が終了したことを示す処理完了通知を通信端末2に送信する(S310)。
【0080】
なお、
図8に示す処理において、販売処理部33がS304、S305、S306及びS308を実行する順序は任意である。また、販売処理部33がS307及びS309を実行する順序も任意である。さらに、販売処理部33は、決済処理が完了する前であっても、発送処理が完了した時点で、S310を実行してもよい。
【0081】
[実施の形態における効果]
以上説明したように、実施の形態に係る商品販売システムSにおいては、通信端末2のユーザが発注受付デバイス1の操作受付部13を押すことにより、暗号化されたデバイスIDが通信端末2に送信される。その後、発注受付デバイス1のデバイスID及び通信端末2のユーザIDを含む発注情報が通信端末2から販売処理装置3に送信される。そして、販売処理装置3は、受信したデバイスIDに基づいて、ユーザが所望の商品を特定し、ユーザIDに基づいて特定した住所に商品を発送する処理を実行する。また、販売処理装置3は、ユーザIDに基づいて特定した決済方法で、商品の代金の決済処理を実行する。このようにすることで、通信端末2のユーザは、購入したい商品名及び個数等を設定することなく、また代金を振り込む作業を行うことなく、操作受付部13を押すだけで商品を購入することが可能になる。
【0082】
特に、実施の形態に係る商品販売システムSにおいては、ユーザが押下するためのボタンを備えた発注受付デバイス1が、通信端末2とは別に存在する。このため発注受付デバイス1は通信端末2と無線で接続してデバイスIDを送信する。ここで発注受付デバイス1から通信端末2に送信されるデバイスIDは暗号化されているため、第三者にデバイスIDが漏洩することを抑制できる。
【0083】
また、発注受付デバイス1は予め暗号化された情報を記憶しているため、自身で情報を暗号化する必要はない。このため、発注受付デバイス1の計算リソースが少なくても、暗号化された情報を送信することができる。
【0084】
また、発注受付デバイス1は複数の異なる暗号化情報の中から一つの暗号化情報を選択して通信端末2に送信する。このため発注受付デバイス1が送信する暗号化情報をそのまま発注受付デバイス1のデバイスIDとして転用されることを抑制できる。特に、発注受付デバイス1は複数の異なる暗号化情報の中から一つの暗号化情報を無作為に選択するため、いずれの暗号化情報が送信されるかが第三者に予測されにくくなる。さらに、発注受付デバイス1が記憶している暗号化情報の数も、第三者に予測されにくくなる。
【0085】
発注受付デバイス1が格納する暗号化情報はデバイスIDと乱数との組み合わせによって生成されるため、暗号化情報のバリエーションを容易に増やすことができる。また、発注受付デバイス1が記憶する暗号化情報は、発注受付デバイス1の計算リソースよりも大きな計算リソースを備える通信端末2が計算することにより、定期的に更新される。これにより、発注受付デバイス1が送信する暗号化情報をそのまま発注受付デバイス1のデバイスIDとして転用されることを抑制できる。さらに、発注受付デバイス1が格納する暗号化情報が定期的に更新されない場合、発注受付デバイス1は暗号化情報を通信端末2に送信することが規制される。これにより、第三者による発注受付デバイス1の流用を抑制することができる。
【0086】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、上記の実施の形態においては、商品販売システムSを運営する主体が通信キャリアである場合について説明したが、運営主体はこれに限らず、通信販売会社を始めとする任意の法人又は個人であってもよい。
【0087】
また、上記の説明において、通信端末2が、ユーザ識別情報としてユーザIDを使用する例について説明したが、ユーザ識別情報は、通信端末2を識別するための端末ID(例えば、SIMカードの番号)であってもよい。
【0088】
また、上記の説明においては、通信端末2が基地局N1を経由して、販売処理装置3に発注情報を送信する例について説明したが、発注情報を送信する経路はこれに限らない。例えば、通信端末2がWiFi(登録商標)等の無線通信回線に対応しており、通信端末2は、無線アクセスポイント(不図示)を経由して、販売処理装置3に発注情報を送信してもよい。
【0089】
また、上記では、発注受付デバイス1の選択部17は、複数の暗号化情報の中から一つの暗号化情報を無作為に選択する場合について説明した。これに代えて、選択部17は、複数の暗号化情報を一つずつ順番に巡回的に選択してもよい。選択部17が暗号化情報を無作為に選択する場合と比較して乱数発生等の操作が不要となるので、発注受付デバイス1のリソースをより節約することができる。
【0090】
また、上記では、付加情報付デバイス識別情報は、デバイスIDと乱数とを組み合わせて生成される情報である場合について説明した。しかしながら、デバイスIDに組み合わせる情報は乱数に限られない。デバイスIDに組み合わせる情報は、付加情報付デバイス識別情報を暗号化して得られる情報が異なる情報となればどのような情報であってもよく、例えば通し番号であってもよい。また、「乱数」はランダムな数字の列に限られず、ランダムに生成された文字列や記号の列、あるいはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0091】
また、上記の説明においては、通信端末2が基地局N1を経由して、販売処理装置3に発注情報を送信する例について主に説明したが、発注情報を送信する経路はこれに限らない。例えば、通信端末2がWiFi(登録商標)等の無線通信回線に対応しており、通信端末2は、無線アクセスポイント(不図示)を経由して、販売処理装置3に発注情報を送信してもよい。さらに、発注受付デバイス1が通信端末2を介さずに、無線アクセスポイントに接続し、デバイスID等を含む発注情報を販売処理装置3に直接送信してもよい。発注受付デバイス1が3G(3rd Generation)モジュールやLTEモジュール等の通信モジュールを備えている場合は、発注受付デバイス1が携帯電話通信網を介して販売処理装置3との間で情報を送受信してもよい。このように、発注受付デバイス1は何らかの通信ネットワークを介して販売処理装置3と情報をやり取りすればよい。したがって、発注受付デバイス1と販売処理装置3との間の通信ネットワークは、通信端末2を経由する経路と、通信端末2を経由しない経路との両方の経路を含む。前者の場合は、発注受付デバイス1が販売処理装置3に向けて送信した暗号化情報は、途中の通信端末2で復号され、発注情報の一部として販売処理装置3に送信される。後者の場合、発注受付デバイス1が送信した暗号化情報は、販売処理装置3において復号される。