(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の様々な実施形態が、本願明細書において図示および説明されているが、このような実施形態は例として提供されているに過ぎないことが、当業者には明らかであろう。多くのバリエーション、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に想到され得る。本願明細書において説明される本発明の実施形態に対する様々な代替例が採用され得ることが、理解されるべきである。
【0018】
本願明細書において使用される、「3次元」構造または「3次元」物体という用語は、一般に、3次元(3D)製造アプローチ、例えば、アディティブ・アプローチまたはサブトラクティブ・アプローチ(例えば、アディティブ・マニュファクチャリングまたはサブトラクティブ・マニュファクチャリング)などによって生成される任意の構造または任意の物体を指す。3D物体は、1つ以上のサブ構造、例えば、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、20個以上、30個以上、40個以上、50個以上、または100個以上の個々の構造を有してもよい。3D物体は、最終的な製品であってもよく、またはそれ自体が中間製品であってもよい。後者の場合において、3D物体は、他の物体と組み合わせられて、より大きな
物体を最終的な製品として生み出してもよく、他の物体のうちのいくつかは、3次元製造(例えば、3D印刷、機械加工、成形)物体であってもよい。
【0019】
アディティブ・マニュファクチャリングにおいて、3D物体は、バットにおけるフォトポリマー樹脂の層ごとの堆積、または層ごとの固化など、層ごとの3D印刷を使用して形成され得る。サブトラクティブ・マニュファクチャリングにおいて、3D物体は、エッチング、ミリングまたは穿孔などによって、基板から材料を除去することによって形成され得る。3次元構造を構築するのに適した他の製造工程は、成形、鋳造、形成、接合、鋳造を含む。
【0020】
本願明細書において使用される「中間構造」という用語は、一般に、最終的な3次元構造または後続の3次元構造を生み出すために使用され得る、3次元製造工程によって生成される任意の構造(または物体)を指す。中間構造は、アディティブ工程もしくはサブトラクティブ工程、または3次元構造を生成することが可能な任意の他の工程によって生成され得る。
【0021】
本願明細書において使用される「トレース」という用語は、一般に、電気伝導性の、熱伝導性の、または電気伝導性かつ熱伝導性の部品または要素を指す。いくつかの例において、導体トレースは、導体構造、チャネル、配線、または経路である。トレースは、回路部品を互いに電気的に接続することが可能であり得る。例えば、トレースは、基板がプリント回路基板である場合には銅または金を含んでもよく、フレックス回路においては銅、金、または印刷堆積物であってもよい。トレースはまた、金属材料、非金属材料、または、これらの混合物から成り得る。トレースは、例えば、銅、アルミニウム、ベリリウム、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、コバルト、カドミウム、リチウム、ルテニウム、鉛、ビスマス、錫、インジウム、タングステン、鉄、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、プラチナ、および金から選択される1つ以上の金属を含んでもよい。トレースは、非金属材料、例えば、シリコーン、エポキシ樹脂、もしくはアラビア・ガムなど、または有機導体材料を含んでもよい。
【0022】
トレースは、規則的な断面または不規則的な断面を有し得る。いくつかの例において、トレースは、円形、三角形、正方形、矩形、5角形、もしくは6角形、または、これらの部分形状もしくは組み合わせの断面を有する。いくつかの例において、トレースは、約50ナノメートル(nm)から10000マイクロメートル(ミクロン)、または約100nmから1000ミクロン、または200nmから100ミクロン、または300nmから50ミクロンの幅を有することができる。いくつかの例において、幅は、約10nm以上、50nm以上、100nm以上、500nm以上、1ミクロン以上、10ミクロン以上、50ミクロン以上、100ミクロン以上、500ミクロン以上、または1000ミクロン以上とすることができる。トレースは、3D物体の寸法(例えば、長さ、幅または高さ)の全長、または3D物体の寸法の部分長を有することができる。例えば、トレースは、3D物体の長さの約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、または5%までとすることができる。
【0023】
本願明細書において使用される「金属」という用語は、一般に、金属を含む、または金属の電気伝導性および/または熱伝導性を有する材料を指す。いくつかの例において、金属材料は、1つ以上の金属を含む。
【0024】
本開示は、1つ以上の導体トレースを有する3D物体を形成するための方法およびシステムを提供する。本開示の方法およびシステムは、電子デバイスもしくは機械デバイスとして、または電子デバイスもしくは機械デバイスの部品としての用途のためなどの、様々な用途のための1つ以上の導体トレースまたはメタライズ層を有し得る3D物体の形成を
有利に可能にすることができる。
【0025】
図1は、3次元(3D)製造構造のための構造内導体トレースを製作するための方法100を示す。方法100は、中間構造を製作すること(S110)、中間構造を後処理すること(S120)、中間構造内に導体材料を注入すること(S130)、および注入された構造を後処理すること(S140)を含み得る。操作S110およびS120に対して付加的に、または代替的に、方法100は、中間構造を受け取ること(S150)を含んでもよい。いくつかの状況では、操作S110が除外されてもよく、方法100は、操作S150において中間構造を受け取ると、操作S120を開始してもよい。
【0026】
方法100は、導体トレース、インターコネクトまたは他の導体構造と、3次元構造製造(例えば、3D印刷、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工、または成形)を使用して製作された構造との一体化を可能にする機能を果たし得る。この一体化は、3次元構造製造について数多くの可能性を開き得る。つまり、導体構造は、例えば、低抵抗線を通じて電力を送ること、または高帯域信号線を通じて情報を送信することによって、3次元製造(例えば、3D印刷、機械加工、成形)構造において一体化された、または3次元製造構造に対して結合された電子機器への接続を提供するために使用され得る。一例において、2つの電力線と2つの信号線とを使用するユニバーサル・シリアル・バス(USB)2.0データ送信プロトコルのための導体構造など1つ以上の導体構造が、USB伝送のために提供される。このようなアプローチは、3次元製造構造の能力を拡張し(例えば、物体内部の導体ワイヤーメッシュが、接触、温度、または物体応力を検出するためのセンサの一部として使用されてもよく、導体構造がアンテナとして使用されてもよい)、電子部品および/または回路(例えば、RLC回路)を作製し得る。
【0027】
導体トレースと3次元製造構造とを一体化させるための多くの現行の方法は、3次元製造構造の非導体部分の製作と同様の手法で導体トレースを製作する。いくつかの場合には、導体インクは、堆積直後に硬化もしくは凝固する液体を使用して、または他の硬化方法(加熱、紫外線(UV)放射、もしくは湿潤を含むが、これらに限定されない)を使用して、層ごとに堆積または形成される。これらの場合において、第1の層上のインクは、インクの第2の層の追加の前に、硬化される必要があり得る。この要件は、処理を遅くするだけでなく、層間の電気伝導性の問題も引き起こすことがある(例えば、層間の電気接触は、単一の層にわたる接触ほど良好ではないことがある)。別の場合において、導体インクは、3次元製造構造の表面に存在する開口チャネルの中に堆積され、例えば、トレースがそれ自体で構造的に堅固である場合には、チャネルを充填する、または表面を直接充填する。この方法は、層間の伝導性に存在する問題を低減し得るものの、大抵は2次元構造に限定され、トレース堆積後に付加的な3D印刷または他の製造が行われない限り、前述の方法のように、露出された導体トレースを結果としてもたらし得る。
【0028】
方法100は、低い伝導性を含む、現行の方法に存在する問題のうちの多くを克服しつつ、導体材料と3次元製造構造とが真に3次元的な手法で一体化されることを有利に可能にする。方法100の一部として作製される導体トレースは、10
−2オームメートル(Ωm)、10
−3Ωm、10
−4Ωm、10
−5Ωm、10
−6Ωm、または10
−7Ωmよりも低い抵抗率を有し得る。このような抵抗率は、20℃で測定され得る。方法100において、構造は、導体材料がそこに望まれる1つ以上の空洞を用いて印刷される(S110)。次いで、この構造は、導体材料注入に向けて構造を準備するために(必要な場合または必要に応じて)後処理され得る(S120)。構造が準備されると、構造の1つ以上の空洞内に導体材料が注入される(S130)。次いで、この構造は、導体材料を硬化させるために、および/または望まれる場合にはトレースを露出させるために、後処理されて(S140)、例えば、
図10A〜10Eにおいて説明される手法などで、インターコネクトが作製され得る。方法100の結果は、1つ以上の一体化された構造内導体ト
レースを備える3次元製造構造である。
【0029】
例示的な3次元製造構造(または物体)が、
図2A〜
図2Eに示される。この例示的な構造において、導体トレースは、3次元製造構造に対して結合され得る複数の電子モジュールを接続するために使用され得る。
図2Aは、3次元製造構造の透視等角図である。
図2Bは、3次元製造構造の透視側面図である。
図2Cは、3次元製造構造の透視正面図である。
図2Dおよび
図2Eは、それぞれ3次元製造構造の等角正面図および等角背面図である。導体トレースのための中間構造201は、
図2A〜
図2Cに示される。中間構造201は、生成されるべき最終的な3D物体または3D構造の少なくとも一部を形成し得る。
【0030】
操作S110は、中間構造(すなわち、導体注入用に設計されている導体注入前の構造)を製作することを含み得る。操作S110は、導体材料の注入が意図された、空洞またはチャネルなど1つ以上の予め定義された場所を含む3次元構造を作製する機能を果たし得る。1つ以上の予め定義された場所は、3D物体または3D構造のモデル設計の一部であり得る。モデル設計は、コンピュータ設計、またはコンピュータ支援設計(CAD)などのコンピュータ支援設計であってもよい。モデル設計は、コンピュータ・メモリ内に記憶され得る。いくつかの場合において、モデル設計は、3D物体を生成するためのコンピュータ実行可能な命令を含み得る。モデル設計は、1つ以上の予め定義された場所を有する中間構造を生成するために、3D印刷システムによって使用され得る。
【0031】
操作S110期間中に製作された中間構造は、導体材料を受け取ることに加えて、導体材料の注入を容易にすること、高品質なインターコネクト用の表面を作製すること、導体線を2つの異なる線に分割すること、およびいずれかの装置(例えば、センサまたは注入デバイス)を部品上または他の固定具上に固定して、部品の処理を容易にする、または方法100の操作期間中における複数の部品の同時の一括処理を可能にすることを含むが、これらに限定されない、多様な他の機能も行うことができる。これらの構造は、例えばインターコネクト構造の作製を可能にするために、または3D物体をユーザに発送する前に固定構造を除去するために操作S140期間中に取り外され得る、一時的な構造とすることができる。
【0032】
3D印刷物体における一時的な構造の例示的な実装が、
図13A〜
図13Fに示される。
図13Aは、導体材料が充填され、一時的な構造1302を有する基板1301の等角図である。基板1301は、3D印刷物体であってもよい。
図13Bは、導体材料1303が充填され、一時的な構造1302が除去された基板1301の等角図である。
図13Cおよび
図13Dはそれぞれ、導体材料1303が充填され、一時的な構造1302が除去された基板1301の側面図および正面図である。
図13A〜
図13Dにおける基板1301は、導体材料1303を示すために透明なものとして示されている。
図13Eおよび
図13Fはそれぞれ、コネクタ・パッド1304を有する基板1301の中実の等角図および正面図である。
【0033】
いくつかの実施形態は、一時的な中間構造の集合(例えば、空洞の始まり、終わり、予め定義された場所、および/または空洞の長さに沿った任意の数の場所において、局所的に追加され得る所定の構造上の制約の組み合わせを有する機能的なタブおよび空洞)を提供する。一時的な中間構造は、例えば注入後などに、除去可能であってもよい。空洞およびタブの設計は、空洞を局所的に高くし、その幾何学的形状を横断面に対して最適な接触領域を有するように変更することによって、アレイ状に配置された高品質な接点の作製を可能にし得る。タブの基部の破壊は、コネクタ・パッドを露わにすることを可能にし得る。空洞が構造の除去可能な部分を経由する場合、破壊によって空洞の長さの一部を除去することができ、線を破断させ、したがって、その線の2つの部分の隔離を可能にする。こ
のような幾何学的形状の例が、
図10A〜
図10Eにおいて提示される。空洞の幾何学的形状は、注入装置または監視装置の結合および固定を可能にするようにタブにおいて制約されることができ、それによって、注入ポンプまたはシリンジへの接続を可能にする(例えば、
図11を参照)。また、タブ自体の幾何学的形状は、例えば、
図12A〜
図12Cにおいて示されるように、処理のために、またはセンサを取り付けるために、オペレータ(例えば、人間のオペレータもしくはロボット・オペレータ)の手もしくは他の操作ユニット、ツール、または任意の他の装置による取り扱いを可能にするように構成され得る。
【0034】
図12A〜
図12Cは、排出ポート1202と、1つ以上のセンサを保持または支持するための固定具1203とを有する破断可能な構造1201の例の様々な図を示す。
図12Aは等角図であり、
図12Bは側面図である。破断可能な構造1201は、導体材料のための複数の空洞1205を有する中間構造1204に隣接する。固定具1203は、1つ以上のセンサ、例えば、光センサ、温度センサ、圧力センサ、または化学センサなどを、保持または支持し得る。
図12Cは、破断可能な構造1201と、これに隣接するフォトマイクロセンサ1206との側面図である。フォトマイクロセンサは、中間構造1204の空洞1205内に導体材料を注入する処理期間中に、破断可能な構造1201における空洞の端部において導体材料の存在を検出するために使用され得る。
【0035】
図10A〜
図10Eは、中間構造において接触点を形成するための方法を概略的に例示する。
図10Aを参照すると、パッド作製および線の破断のための一時的な中間構造1001が、非充填状態で提供されている。タブ1002は、中間構造1001に隣接して置かれている。中間構造1001は、複数のチャネル1004を含む。次に、中間構造1001のチャネル1004は、
図10Bに示されるように、導体材料により充填される。次に、タブ1002は、機械またはオペレータがタブ1002に対して力を加えることなどによって破断され、これは、
図10Cに示されるように、タブ1002の基部における制御された破壊を生み出す。ミリング、穿孔または他の操作が行われて、タブの材料が除去され得る。これにより、電気接触などの所与の目的に適した表面特性(例えば、粗さ)を有する接触領域を提供することができる。これは、
図10D(側面図)および
図10E(斜視図)に示されるように、パッド1003および線の破断を形成する。
図10Eは、複数のパッド1003を示す。複数のパッド1003や複数の充填されたチャネル1004は、互いに電気的に絶縁され得る、および/または熱的に分離され得る。
【0036】
タブ1002は、中間構造1001の複数のチャネル間に流体アクセス(連絡)を提供し得る。中間構造1001が充填され、タブ1002が破断されると、結果として得られるパッド1003は、互いに分離され得る。
【0037】
タブ1002は、様々な利益を有することができる。例えば、タブ1002は、互いに電気的に絶縁されたパッド1003を生成することができる。パッド1003は、中間構造1001の外部にあるデバイスまたはシステムからの電気接触および/または熱接触のために使用され得る。いくつかの例において、パッド1003は、中間構造1001の外部にある回路に対して電気接触を提供するために使用される。
【0038】
中間構造1001は、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、20個以上、30個以上、40個以上、50個以上、100個以上、または500個以上のパッド1003を含むことができる。中間構造1001は、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、20個以上、30個以上、40個以上、50個以上、100個以上、または500個以上のチャネル1004を含むことができる。
【0039】
図1を参照すると、操作S110は、印刷された構造と共に働き得る電子回路の結合と
適当な接続とを可能にする機械的構造の製作も含み得る。
本開示は、その底部に雄ばね搭載コネクタ(例えば、ポゴ・ピンまたはスプリング・フィンガー)を備えた射出成形モジュールに含まれる電子回路を受け入れ、または収容し得るチャネルおよび/または空洞などの場所を製造(例えば、印刷、機械加工、成形)するための方法も提供する。その場所は、予め定義されていても、または予め決められていてもよい。3D物体が処理されると、モジュールは、方法100を通じて作製されたインターコネクトと接触しているコネクタを有した空洞に挿入され得る。モジュールとインターコネクトとの間の電気通信を維持するために、機械的な取り付け機構も、空洞と共に印刷され得る。このような機構は、限定なしに、空洞における結合を可能にするための印刷された特徴部を有するバー屈曲機構、もしくは射出成形されたドアが摺動しモジュール挿入を係止することを可能にするための空洞の側面上のラッチとすることができる、または、これらを含むことができる。
【0040】
図14Aは、3次元製造物体内の導体構造と接触する内蔵モジュールを備える装置の例を示す。例示される例の装置は、ドア1401と、内蔵回路1402と、ばね搭載コネクタ1403と、機械的結合特徴部1404と、導体材料パッド1405と、導体構造を有する3次元製造基板1406と、回路用の空洞1407とを含む。
図14Bは、ドア1401が挿入された状態で、3次元製造基板1406中に結合された内蔵回路1402を示す。ここで、ばね搭載コネクタ1403は、導体材料パッド1405と接触している。
【0041】
操作S110は、中間構造を3D印刷することによって中間構造を製作することを含み得る。操作S110は、付加的に、または代替的に、任意の他のアディティブ・マニュファクチャリング処理によって、または任意の適切な手法で(例えば、射出成形、CNCミリング、鋳造もしくは水ジェット切断によって)、中間構造を製作することを含んでもよい。
【0042】
操作S110は、レーザベースのステレオリソグラフィーベースの3D印刷技法(SLA)または被マスク画像投影ベースのSLA技法を使用して中間構造を製作することを含み得る。操作S110は、付加的に、または代替的に、押出技法(例えば、熱溶解積層法もしくはシリンジ堆積)、粉体技法(例えば、レーザ焼結)、粉末床技法、インクジェット・ヘッド技法(例えば、マルチジェット印刷、ポリジェット)、積層物体製造技法、および/または任意の他のアディティブ・マニュファクチャリング技法を使用して中間構造を製作することを含み得る。
【0043】
操作S110は、フォトポリマーを用いて中間構造を製作することを含み得るが、しかしながら、付加的に、または代替的に、ポリマー材料(例えば、熱可塑性ポリマーもしくは熱硬化性ポリマー)、セラミック、糖類、コンクリート、ガラス、有機複合材料、金属材料、無機物、生物材料(例えば、生物組織)または任意の他の適切な材料を含んでもよい。
【0044】
操作S110は、製造上の制約のセットに従って中間構造を製作することを含み得る。製造上の制約は、一次的な制約(すなわち、中間構造製作処理に固有の制約)と、二次的な制約(すなわち、導体材料注入処理に関連する制約)との両方を含み得る。一次的な制約は、製作の方法に基づいて異なり得る。一次的な制約の例は、層ごとの製造処理の垂直解像度、層ごとの製造処理の平面解像度、および製造処理のユニット間の公差のばらつきを含む。二次的な制約は、材料制約、構造上の制約、および/または導体材料注入に関する中間構造製作処理に対する任意の他の制約を含み得る。
【0045】
材料制約のいくつかの例は、反応度制約(例えば、導体材料と接触する中間構造の材料は、導体材料を劣化させたり、導体材料によって劣化させられたりするべきではない)、
熱制約(例えば、材料は、後処理期間中または導体材料注入および処理期間中に、中間構造が構造的または審美的に変形または劣化しない、実質的に高いガラス転移温度および荷重たわみ温度を有するべきであり、材料の形および色は、処理100の後に制御されたままであるべきである)、ならびに材料の機械的制約(例えば、バルク材料は、導体材料注入によって機械的に変形するべきではない)を含む。他の材料制約は、中間構造の特性によって招かれ得る(例えば、中間構造が、操作S140期間中に除去されるべきである場合、未処理の材料は、操作S110の後にチャネルの中から取り除くことが可能であるべきであり、その結果、材料は、構造からのきれいな除去を可能にする機械的特性を有して印刷される微細構造を許容し得る)。これらの制約は、例示的な制約として与えられている。例えば、いくつかの場合には、導体材料注入による空洞の機械的な変形が望ましいことがある。さらに、同じ構造の異なる部分に対しては、異なる制約が望ましいことがある。例えば、異なる電気信号を搬送することを意図された導体トレースは、異なる材料要件および構造上の要件を有し得る。
【0046】
構造上の制約のいくつかの例は、空洞寸法制約、空洞アクセス制約、空洞曲率半径制約、空洞非交差制約、および構造上の機械的制約を含む。このような制約は、形成されるべき3D物体に基づいて選択され得る。例えば、空洞曲率半径は、3D物体の一部が約0.1メートル以上の曲率半径を有することを必要とし得る。
【0047】
空洞寸法制約は、空洞の最小幅および最大幅、空洞の最小長さおよび最大長さに対する制約を含み得る。より一般的には、寸法制約は、空洞形状に対する任意の制約を含んでもよい。
【0048】
いくつかの例において、空洞寸法制約は、空洞の内部構造に対する制約を含み得る。例えば、空洞制約は、
図5に示されるように、滑らかな円形の壁、波形の壁、内部平面、または内部付属物を空洞が有することを規定してもよい。空洞は、(不規則的であろうと、または不規則的であろうと)任意の形状を有し得る。他の例示的な空洞が、
図6A〜
図6C、
図7、
図10A〜
図10E、
図11A〜
図11Dおよび
図12A〜
図12Cに示されている。
【0049】
空洞寸法制約は、数多くの他の構造設計考慮事項に関連し得る。例えば、空洞壁の粗さは、注入された導体材料がどのように空洞壁を流れるか、またはコーティングするかにおいて役割を果たし得る。また、空洞寸法制約は、空洞および/または注入された導体材料の機械的特性(例えば、応力、ひずみ、剛性)または電気的特性(例えば、抵抗、インダクタンス、静電容量)に影響を及ぼし得る。空洞寸法は、付加的に、または代替的に、空洞と注入された導体材料との間の相互作用(例えば、誘起された毛細管力、材料の流れ抵抗)に影響を及ぼし得る。例えば、接触パッドの表面近くの空洞は、
図6A〜
図6Cおよび
図7に示されるように、接触面領域を増加させるような形状にされてもよい。このような形状は、円形、三角形、正方形、矩形、またはこれらの部分形状もしくは組み合わせであってもよい。空洞寸法は、操作S110からの未処理の材料がどのようにチャネルから取り除かれるかにも影響を及ぼし得る(例えば、粘性のあるフォトポリマー樹脂は、直径があまりにも小さいチャネルから出されることが困難であり得る)。また、空洞寸法制約は、製作処理または材料の制約によって規定され得る(例えば、いくつかのステレオリソグラフィー機械においては、0.5mm未満のチャネルが印刷されることは困難であり得る)。
【0050】
図6A〜
図6Cは、矩形の接触領域を有する空洞を備えた中間構造の例の様々な図を示す。矩形パッド601は、
図6Aおよび
図6Bに示されている。
図6Aは、未充填の矩形パッド601を有する中間構造を示す。矩形パッド601は、回路を有するより大きな構造を構築する際に役立ち得る、他の構造に対する接続のためのコネクタ・パッドとなり得
る。
図6Bは、注入を受けて充填された矩形パッド601を有する中間構造を示す。
図6Cは、後処理後の矩形パッド601の上面図である。
【0051】
図7は、中間構造700の例示的な図を示す。中間構造700は、導体材料の注入のための支持構造702と流体連通する複数の空洞701を有する。パッド703は、注入後に形成される。パッド703は、他の構造との電気通信または熱伝達のために使用され得る接触領域を提供し得る。パッド703は、中間構造700の表面に対して高くされてもよい。パッド703は、円形、三角形、正方形または矩形などの様々な断面を有し得る。1つのパッド703が示されているが、しかしながら、中間構造700は、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上のパッドなどの、接触領域を備えた複数のパッドを有してもよい。
【0052】
空洞アクセス制約は、中間構造が各空洞のための開口を有して、この開口内に導体材料が注入されることを可能にすることを要求し得る。
図8の開口801などのこの開口は、例えば、注入ポートと称され得る。ただし、開口は、注入以外の目的、または注入に加えた目的のために使用されてもよい。例えば、注入ポートは、空洞へのアクセス、導体材料の注入、導体材料の排出、または任意の他の用途のために使用されてもよい。同様に、開口は、排出ポート(材料排出を対象とする場合)またはアクセス・ポート(他の目的のため)としても指定され得る。
【0053】
中間構造は、チャネルと流体連通する1つの開口を有し得る(例えば、
図8を参照)。代替案として、中間構造は、各々が1つのチャネルまたは複数のチャネルと流体連通する、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、20個以上、30個以上、40個以上、または50個以上の開口を有してもよい。このような1つ以上のチャネルは、注入、排出または他のアクセスを許容し得る。
【0054】
空洞アクセス制約は、各空洞が注入ポートおよび排出ポート(例えば、導体材料注入および導体材料排出を対象としたポート)を備えることを規定してもよく、所望の構造または所与の構造に応じてこれらのポートの場所をさらに規定してもよい。
【0055】
付加的に、または代替的に、空洞アクセス制約は、中間構造の空洞がアクセス点を有することを要求してもよい。例えば、空洞は、ドリルもしくはミルが、または3次元製造構造から材料を除去する任意の他の操作が、後処理操作S120またはS140において注入ポートを開けることができる、中間構造の表面の近くのセクションを有する。これらの空洞アクセス制約は、導体材料注入を可能にすることへ向けられ得る。空洞アクセス制約は、導体材料の機能的な側面へ向けられる制約も含み得る。例えば、空洞アクセス制約は、空洞に対する電気接触が望まれる位置において、または、むしろ、空洞を最終的に充填する導体材料が望まれる位置において、空洞が中間構造の表面の近くになることを規定してもよい。これは、そのような領域における局所的な構造上の制約を規定すること、例えば、高くされた接触パッド(例えば、
図7を参照)を必要とすることなどに及び得る。
図3に示されるように、例示的な構造は、そのような制約を、電気接点を露出させるために後処理と共に使用する。
図10A〜
図10E、
図11A〜
図11Dおよび
図12A〜
図12Cにおいて説明されるタブなどのタブも、そのような構造上の制約の例である。
【0056】
空洞アクセス制約は、空洞寸法制約または他の制約と結び付けられ得る。例えば、空洞アクセス点は、形状、サイズ、位置、向き、またはアクセス点に関連する任意の他のパラメータに関する特定の制約を有してもよい。例えば、空洞アクセス制約は、注入シリンジをより良好に受け入れるために、または注入性能を高めるために、空洞注入ポートが角度をつけられ、(
図8に示されるように)空洞の後続のセクションよりも大きな直径を有す
ることを規定してもよい。
【0057】
空洞アクセス制約は、中間構造の異なる3次元体積に対応する複数の注入(および/もしくは排出、またはアクセス)ポートを規定することも含み得る。このことは、中間構造の様々な部分へのアクセスを可能にし得る。いくつかの場合において、これらの注入ポートは、一時的なアクセスのために設計され得る。ポートは、中間構造の製作後のある時点で、閉鎖またはカバーされ得る。異なる3次元平面または3次元体積に対応する複数の注入ポートは、単一の平面または単一の体積内に配置され得る。例えば、構造は、
図9に示されるように、中間構造内部の2つ以上の別個の平面に対応する1つの平面において配置された4つの注入ポートを有してもよい。
【0058】
空洞アクセス制約は、中間機能構造内部のチャネルへのアクセスおよび連続性を可能にするために、チャネルの形状、寸法、向き、場所および/または直径を規定することも含み得る。これは、例えば、インターコネクトの作製を可能にする除去可能なタブ、排出ポートの注入部を有する除去可能なタブ、2つの線の分割を行う除去可能なタブ、および/または注入操作S130を監視するための取り付け固定具を有する除去可能なタブを含んでもよい。
【0059】
空洞曲率半径制約は、空洞の最小曲率半径に対する制限を含み得る。空洞非交差制約は、空洞と他の空洞との、または空洞と中間構造における他の導体材料との交差に対する制限を含み得る。例えば、別個の電気信号を搬送する導体トレースを支持することを意図された空洞は、電気的絶縁を必要とすることがあり、そのため、このことは、空洞が交差しないことを必要とし得る。このことは、導体トレースが互いに電気的に絶縁されたままであることを許容し得る。構造上の機械的制約は、中間構造の物理的な構造に対する制約を含み得る。いくつかの例においては、中間構造が導体材料注入処理によって変形されることは望ましくないことがある。一例において、空洞深さは、後処理期間中に基板に対する損傷を防止するために材料において制御されるべきである。なぜなら、表面に近い空洞によって作製される薄い領域は、変形、破壊または変色する傾向があるためである。構造上の機械的制約は、構造上の機械的制約が材料と構造との両方に依存し得る点において、材料の機械的制約とは異なり得る(例えば、バルクの状態の材料は制約を満たし得る一方で、同じ材料から成る大部分が中空の格子は制約を満たさないことがある)。代替的に、構造上の機械的制約は、材料には全く依存しなくてもよい。
【0060】
図1を参照すると、操作S120は、中間構造を後処理することを含み得る。操作S120は、導体材料の注入に向けて中間構造を準備する機能を果たし得る。操作S120は、支持体(例えば、製作において使用されるが、最終的な形態において望まれない、その他意図されない中間構造の部分)を除去すること、乾燥させることもしくは硬化させること、焼き付けること(すなわち、上昇させた温度に中間構造を暴露すること)、表面を摩耗させること(例えば、研磨すること)、(例えば、基板の表面を機能させるための)化学的後処理、または導体材料注入に向けて中間構造を準備する任意の他の処理を含み得る。操作S120は、構造表面上の望ましくない突起または粗さを除去するために、溶剤槽に中間構造を配置し、この槽を超音波処理することを含んでもよい。溶剤槽は、例えばエタノールもしくはイソプロパノールなどのアルコール、または過酸化水素などの過酸化物を含み得る。操作S120は、付加的に、または代替的に、中間構造の空洞内に溶剤もしくは化学薬品を注入すること、および/または(化学処理、機械的処理、もしくは任意の適切な処理により)注入ポートを洗浄することを含んでもよい。空洞の内部に注入される化学薬品は、例えばエタノールもしくはイソプロパノールなどのアルコール、過酸化水素などの過酸化物、硫酸などの酸、または、過マンガン酸カリウムもしくは任意の他の化学薬品のような他の化学薬品を含んでもよい。チャネルは、熱硬化性エポキシ、離型剤、錆止め剤または触媒などの材料の注入に向けてチャネルを準備するためのコーティングを受
け入れることができる。
【0061】
代替案として、操作S120は、
図4に示されるように、導体材料とのインターフェースを可能にするための1つ以上のコネクタを追加することを含んでもよい。1つ以上のコネクタは、例えば注入によって、導体材料が形成される前に、導体材料が形成されている期間中に、または導体材料が形成された後に、追加され得る。いくつかの場合においては、導体材料形成前に1つ以上のコネクタを追加することによって、導体材料は、液体状態である間にコネクタの周りを流れることが可能となり、導体材料硬化後にコネクタとの適切な接触を提供し得る。これは、導体材料と1つ以上のコネクタとの間のオーム接触を提供し得る。この技法は、任意の目的のために空洞を充填している導体材料に対する電気的アクセスを提供するために使用され得る。例えば、コネクタは、
図4に示されるように、アクセスを提供するために露出されてもよい。別の例として、コネクタは、コンデンサを間に挟んだ2つの接続点を含んでもよい。このようなコネクタは、2つの別個の空洞における導体トレースを容量的に結合させるために使用され得る。別の例として、コネクタは、フィルタリング回路または他の回路を含んでもよい。
【0062】
操作S120は、方法100の一部として行われ得るが、しかしながら、代替的に、後処理が必要とされない場合には行われなくてもよい。
操作S110において中間構造を製作することの代替案として、方法100は、操作S150において中間構造を受け取ることを含んでもよい。操作S150において受け取られた中間構造は、操作S120において後処理を受け得る。操作S150の中間構造は、操作S110の中間構造と実質的に類似し得るが、しかしながら、付加的に、または代替的に、任意の適切な構造であってもよい。
【0063】
操作S130は、中間構造内に導体材料を注入することを含み得る。操作S130は、中間構造の空洞を導体材料を用いて充填することによって、導体トレースを形成する機能を果たし得る。
【0064】
操作S130を通じた材料の注入は、例えば
図11A〜
図11Eにおいて説明されたような中間機能構造(例えば、埋め込まれた注入ポートまたは排出ポートを有する除去可能なタブ)を使用することを通じて行われ得る。
【0065】
図11Aは、未充填の注入構造1101の側面図を示す。注入構造1101は、1つ以上の注入ポートおよび/または排出ポートを備えることができる。注入構造1101は、破断可能なタブとすることができる。注入構造1101は、中間構造1103におけるチャネル1102と流体連通する。
図11Bは、中間構造1103におけるチャネル1102と流体連通する注入構造1101の側面斜視図を示す。導体材料は、
図11Cに示されるように、注入構造1101における注入ポート1104を通じて注入されて、チャネル1102を充填し得る。チャネル1102が充填されると、注入構造1101は、
図11Dに示されるように、接点1105を生み出すために破断され得る。
【0066】
操作S130において注入される導体材料は、エポキシであっても、または中間構造の空洞内に注入され、次いでペースト/液体を固めるために硬化され得る他のペーストもしくは粘性液体であってもよい。導体材料は、上記の特性を有する任意の適切な導体材料であり得る。導体材料の流れは、30000、10000、4000、3000、2000、または1000未満のレイノルズ数を有し得る。導体材料は、約0.001パスカル秒(Pa s)以上、0.01Pa.s以上、0.1Pa.s以上、1Pa s以上、1.5Pa s以上、2Pa s以上、10Pa.s以上、50Pa.s以上の粘度を有し得る。粘度は、約0.001Pa sから10Pa sまで、または0.01Pa sから100Pa sまでであってもよい。例えば、導体材料は、導体フィラーを備えるエポキ
シであってもよく、導体フィラーは、例えば、エポキシ樹脂と1つ以上の金属粒子(例えば、薄片、マイクロビーズ、またはナノ粒子)との反応から形成されてもよく、これは硬化剤と混合され得る。1つ以上の金属粒子は、銅、アルミニウム、ベリリウム、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、コバルト、カドミウム、リチウム、ルテニウム、鉛、ビスマス、錫、インジウム、タングステン、鉄、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、プラチナ、および金から選択された1つ以上の材料から成る粒子を含み得る。導体フィラーは、微粉末化され得る。別の例として、導体材料は、マルチパート(例えば、2パート)触媒作用またはめっき処理の一部として堆積される材料であってもよい。導体材料の他の例は、熱硬化性の導体ポリマー、紫外線硬化型の導体ポリマー、熱硬化性シリコン、湿気硬化型シリコン、低融点温度金属、溶融金属、導体生物材料、および屈曲可能な金属ワイヤーを含む。
【0067】
導体材料は、中間構造における注入に先立って準備される一液性自己硬化型エポキシから形成され得る。付加的に、または代替的に、二液性エポキシ材料の場合には、導体材料は、(例えば、エポキシ樹脂および触媒/硬化剤を同時にまたは交互に注入することによって)注入処理の直前にまたは注入処理期間中に混合され得る。導体材料は、自己硬化型であり得る(すなわち、この材料は、室温で硬化によって形成される)。付加的に、または代替的に、導体材料は、例えば、導体材料に電流(例えば、高いアンペア数の連続的な電流、もしくは高電圧の短パルス)を流すことによって、光(例えば、紫外線ランプ)によって、もしくはこれらの組み合わせによって、または3D構造の完全性を維持しつつ材料を適当に硬化させるのに必要な任意の他の処理などによって、(例えば、オーブン内で)より高い温度で硬化されてもよい。
【0068】
操作S130は、シリンジまたはポンプ・システムを使用して、中間構造内に未硬化の(例えば、液体/ペースト状の)導体材料を注入することを含み得る。付加的に、または代替的に、操作S130は、例えば
図11A〜
図11Eにおいて説明されるように、注入システム(例えば、注入ポートまたは排出ポートを有するタブ)に対して接続するための機能的な中間構造を使用することを含み得る。付加的に、または代替的に、操作S130は、中間構造の空洞内に未硬化の導体材料を流す任意の適切な方法を含んでもよい。例えば、導体材料は、低粘度を達成するように加熱され、空洞内に流し込まれるか、空洞内に吸い込まれるか、または空洞内に噴霧されてもよい。別の例においては、真空システムが、排出ポートを使用して、空洞と注入ポートに存在する導体材料との間に圧力差を作り出して、導体材料が空洞に入る結果をもたらしてもよい。材料の流れは、圧力差を誘起する代替的な方法、電磁力の印加、毛細管力の存在、および/または任意の他の適切な技法を含む他の技法によって、付加的に、または代替的に誘起されてもよい。
【0069】
操作S130は、注入パラメータを監視すること(S131)を含み得る。注入パラメータを監視すること(S131)は、注入処理についておよび/または操作S130において注入されている材料についての情報を提供し得る。例えば、操作S131は、注入流速(例えば、材料がシリンジ先端などの送達デバイスから出る流速)、注入質量(例えば、中間構造内に注入される材料の量)、注入圧力(例えば、シリンジ先端もしくは空洞内のある点における局所的圧力)、注入温度、または他の適切な注入処理パラメータを監視することを含んでもよい。操作S131は、他のパラメータを監視することも含み得る。例えば、操作S131は、ある体積の導体材料の電気的特性(例えば、抵抗、静電容量、またはインダクタンス)を測定することを含んでもよい。操作S131は、注入前の注入パラメータを監視すること(例えば、注入前の導体材料の温度を監視すること)、注入期間中の注入パラメータを監視すること(例えば、注入期間中の流速を監視すること)、または注入後の注入パラメータを監視すること(例えば、導体材料が硬化した際の2つの空洞点間の抵抗を監視すること)を含み得る。
【0070】
操作S131において説明されたような監視は、例えば、中間構造に対して取り付けられた装置を使用して行われ得ることによって、注入流速(例えば、材料が空洞内のある局所点から出る流速)、注入質量(例えば、中間構造内に注入される材料の量)、注入圧力(例えば、空洞内のある点における局所的圧力)、注入温度、空洞の充填のレベル(例えば、導体材料が排出ポートに存在することを確認すること。このことは、チャネルが完全に充填されたことを示し得る)、または他の適切な注入処理パラメータなどの、注入パラメータの局所的な監視を可能にすることができる。このようなセンサ取り付けの例は、
図12A〜
図12Cにおいて提示される。
【0071】
図1を参照すると、操作S130は、注入パラメータを変更すること(S132)を付加的に含み得る。操作S132は、導体材料の特性(例えば、抵抗率、粘度、密度等)を変更するために、注入期間中に制御可能な注入パラメータを適応させ得る。操作S132は、操作S131に応じて行われてもよく(例えば、パラメータは、所望の結果もしくは所定の結果に到達するために、フィードバック処理を使用して適応される)、レシピもしくはアルゴリズムに応じて行われてもよい(例えば、流速は、空洞充填を最適化もしくは最大化するために時間と共にゆっくりと増加される)。
【0072】
制御可能な注入パラメータは、注入流速、材料温度、材料組成(例えば、ある割合のエポキシ樹脂を硬化剤に変更すること、エポキシ樹脂中に存在する金属もしくは他の導電剤の量を変更すること、もしくは材料全体を変更すること)、注入圧力、注入粘度、注入場所、または、導体材料注入に関連する任意の他の適切な制御可能なパラメータを含み得る。
【0073】
いくつかの場合において、空洞の内面は、導体材料でコーティングされ得る。これは、導体材料注入と同様の手法で行われ得るが、しかしながら、代替的に、無電解めっきなどの別の手法で行われてもよい。次いで、内面は、接地され得るか、さもなければ、電圧源/電流源に接続され得る。次いで、導体材料が注入されるのと同時に、または導体材料が注入された直後に、電流が導体材料を通って接地された表面まで流れるように、電位が導体材料に印加され得る。この電位は、ジュール熱によって生成され得る熱の放散も促進させるために短パルスでも印加され得る。電流の流れが加熱をもたらす状況では、このような加熱は、導体材料の特性を変更するために、または導体材料の硬化を誘起するために使用され得る。電圧および/または電流/電力は、操作S132の一部として制御され得る。
【0074】
いくつかの場合において、操作S130は、導体材料と共に非導体材料を注入することも含み得る。これらの材料は、同時に混合物により注入され、注入された材料の伝導性を変えるために、操作S132の一部として変えられ得る。付加的に、または代替的に、これらの材料は、連続して注入されてもよい。例えば、導体材料の2回の注入間の絶縁材料の短期間の注入が、空洞内コンデンサを作製するために使用されてもよい。材料に対する変更は、操作S132において制御され得る。
【0075】
操作S140は、注入された構造を後処理することを含み得る。操作S140は、導体材料注入を行った後の中間構造であり得る、注入された構造に対する任意の操作を行う機能を果たし得る。このような操作は、完成された3D構造を作製するために必要である、または望まれ得る。いくつかの場合において、操作S140は排除されてもよい。例えば、いかなるポストベーキングも必要としないことがある自己硬化型エポキシが使用される状況では、後処理が必要でないこともある。操作S140は、様々な操作、例えば、(例えば、磨くこと、拭き取ること、ミリング、もしくは穿孔によって)過剰な導体材料を除去すること、注入された構造を光および/もしくは熱に暴露すること(例えば、対流式オーブン、電子レンジもしくは赤外線オーブン、および/もしくはUVランプ)、乾燥させ
ること、硬化させること、もしくは焼き付けること、注入された構造を1つ以上の溶剤に暴露すること、接触面を露出させるために使用され得る、表面を摩耗させること(例えば、研磨)、ジュール熱を生じさせるように連続的にもしくはパルス状に電位を印加すること、(例えば、
図3に示されるように)接触面を露出させること、
図4に示されるコネクタに類似し得るが、しかしながら、注入後に追加されるコネクタを追加すること、ならびに/または、完成した構造のために望まれる任意の他の処理を含んでもよい。
【0076】
いくつかの場合には、操作S130において、中間構造は、一液性エポキシ材料を含む導体材料を注入され得る。エポキシ材料は、銀などの1つ以上の金属を含み得る。操作S140において、中間構造は、次いで、多段階(例えば、2段階)硬化処理において処理され得る。まず、中間構造は、対流式オーブンまたは任意の他の適当な加熱装置において第1の温度(例えば、75℃以下)で加熱され得る。このような処理は、未処理時には実質的に低い導電率を有し得るエポキシが、その浸透限界に到達する、または超えることを可能にして、エポキシが第1の抵抗率安定状態に到達することを可能にする。ある期間(例えば、約30分間以上、1時間以上または2時間以上)にわたって第1の温度で加熱した後、中間構造における導体材料は、中間構造の1つの端部において露出され(例えば、中間構造の1つの端部において接地され)、中間構造の別の端部において電位が印加され得る。このような場合には、導体材料を流れる(例えば、最大で約20アンペアの)電流の流れは、導体材料のジュール熱を生成することがあり、このことは、エポキシの迅速で、局所的な、かつ、高品質の最終的な硬化を可能にし得る。次いで、付加的な後処理が、操作S140の一部として行われ得る。
【0077】
注入された部分の付加的な後処理は、一時的な中間機能構造の除去を含むことができ、一時的な中間機能構造は、手動で(例えば、タブによって構造の除去を可能にする破壊が作り出される場合などに、中間構造を傾けることによって)、工具を用いて、または必要に応じて任意の他の後処理操作で(例えば、ピンセット、クランプ、ミリング、穿孔、および/もしくはレーザ切断を使用して)、注入された部分から除去され得る。一時的な機能的な中間構造を破断することは、審美的な利益を有することができ、不必要な目に見える機能的な構造を有しない(例えば、注入ポートもしくは排出ポートを除去すること)、または固定具を有しない最終的な物体を可能にし得る。中間機能構造を除去するこの操作は、インターコネクトを露出させること、または1本の線を分離された複数の線に分割すること、または除去可能な中間構造の幾何学的形状によって可能となる任意の他の機能などによって、最終的な機能構造も生み出し得る(例えば、
図10を参照)。
【0078】
操作S140は、付加的に、または代替的に、注入された構造にさらに材料を追加することを含んでもよい。例えば、注入された構造は、注入ポートをカバーするために、またはさらなる特徴を追加するために、注入後に3Dプリンタへ戻されてもよい。
【0079】
いくつかの場合において、操作S140は、注入された構造に電子機器を追加することを含み得る。例えば、操作S130または操作S140期間中に追加されたソケット・コネクタに対して、マイクロプロセッサが追加されてもよい。次いで、マイクロプロセッサは、ポリマー(例えば、熱可塑性物質またはフォトポリマー)によりカバーされて、注入された構造内に封止され得る。
【0080】
コンピュータ・システム
本開示は、本開示の方法を実装するようにプログラムされたコンピュータ制御システムを提供する。
図15は、中央処理装置(CPU、本願明細書においては「プロセッサ」および「コンピュータ・プロセッサ」ともいう)1505を含むコンピュータ・システム1501を示しており、この中央処理装置1505は、シングル・コア・プロセッサもしくはマルチ・コア・プロセッサであっても、または並列処理のための複数のプロセッサであ
ってもよい。コンピュータ・システム1501は、メモリまたはメモリ・ロケーション1510(例えば、ランダム・アクセス・メモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュ・メモリ)、電子記憶ユニット1515(例えば、ハード・ディスク)、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インターフェース1520(例えば、ネットワーク・アダプタ)、ならびに周辺デバイス1525(例えば、キャッシュ、他のメモリ、データ・ストレージおよび/または電子ディスプレイ・アダプタなど)も含む。メモリ1510、ストレージ・ユニット1515、インターフェース1520および周辺デバイス1525は、通信バス(実線)を介して、マザーボードなどのCPU1505と通信する。ストレージ・ユニット1515は、データを記憶するためのデータ・ストレージ・ユニット(またはデータ・リポジトリ)であってもよい。コンピュータ・システム1501は、通信インターフェース1520を活用して、コンピュータ・ネットワーク(「ネットワーク」)1530と動作可能に結合され得る。ネットワーク1530は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネットであってもよい。ネットワーク1530は、いくつかの場合には、電気通信ネットワークおよび/またはデータ・ネットワークである。ネットワーク1530は、1つ以上のコンピュータ・サーバを含むことができ、これにより、クラウドコンピューティングなどの分散型コンピューティングを可能にすることができる。ネットワーク1530は、いくつかの場合には、コンピュータ・システム1501を活用して、ピア・ツー・ピア・ネットワークを実装することができ、これは、コンピュータ・システム1501に結合されたデバイスをクライアントまたはサーバとして機能させるようにイネーブルし得る。
【0081】
CPU1505は、プログラムまたはソフトウェアにおいて具現化され得る、一連の機械読取可能な命令を実行することができる。この命令は、メモリ1510などのメモリ・ロケーションに記憶され得る。命令は、CPU1505を対象とすることができ、この命令は、本開示の方法を実装するようにCPU1505を後でプログラムその他によって構成することができる。CPU1505によって行われる動作の例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0082】
CPU1505は、集積回路などの回路の一部であってもよい。システム1501の1つ以上の他の構成要素は、この回路内に含まれ得る。いくつかの場合において、この回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0083】
ストレージ・ユニット1515は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどの、ファイルを記憶することができる。ストレージ・ユニット1515は、ユーザ・データ、例えば、ユーザ嗜好およびユーザ・プログラムを記憶することができる。コンピュータ・システム1501は、いくつかの場合には、イントラネットまたはインターネットを通じてコンピュータ・システム1501と通信する遠隔サーバ上に位置するなど、コンピュータ・システム1501の外部に存在する、1つ以上の付加的なデータ・ストレージ・ユニットを含むことができる。
【0084】
コンピュータ・システム1501は、ネットワーク1530を通じて、1つ以上の遠隔コンピュータ・システムと通信することができる。例えば、コンピュータ・システム1501は、ユーザの遠隔コンピュータ・システムと通信することができる。遠隔コンピュータ・システムの例は、パーソナル・コンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートPCもしくはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、サムソン(Samsung)(登録商標)ギャラクシータブ(Galaxy Tab))、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android(登録商標)対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末を含む。ユーザは、ネットワーク1530を介して、コンピュータ・シス
テム1501にアクセスすることができる。
【0085】
本願明細書において説明されるような方法は、コンピュータ・システム1501の電子ストレージ・ロケーション上、例えばメモリ1510または電子ストレージ・ユニット1515上などに記憶された機械(例えば、コンピュータ・プロセッサ)実行可能なコードによって実装され得る。機械実行可能なコードまたは機械読取可能なコードは、ソフトウェアの形態で提供されてもよい。使用期間中に、コードは、プロセッサ1505によって実行され得る。いくつかの場合において、コードは、ストレージ・ユニット1515から取得され、プロセッサ1505によってすぐにアクセスできるようにメモリ1510上に記憶され得る。いくつかの状況では、電子ストレージ・ユニット1515は排除されてもよく、機械実行可能な命令がメモリ1510に記憶される。
【0086】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械で使用するために事前にコンパイルされ、構成されてもよく、またはランタイム期間中にコンパイルされてもよい。コードは、事前にコンパイルされて、またはコンパイルされながら実行するようコードをイネーブルするように選択され得るプログラミング言語で供給され得る。
【0087】
本開示の方法は、コンピュータ読取可能な命令を記憶したコンピュータ読取可能な媒体を受け入れるようにプログラムその他によって構成された機械において具現化される、および/または、少なくとも部分的にこの機械によって実装され得る。命令は、3Dプリンタおよび/または注入シリンジなどの注入デバイスもしくは注入システムと一体化され得るコンピュータ実行可能な構成要素によって実行され得る。コンピュータ読取可能な媒体は、任意の適切なコンピュータ読取可能な媒体上、例えば、RAM、ROM、フラッシュ・メモリ、EEPROM、光デバイス(CDもしくはDVD)、ハード・ドライブ、フロッピー(登録商標)・ドライブ、または任意の適切なデバイス上などに記憶され得る。コンピュータ実行可能な構成要素は、汎用プロセッサまたは特定用途向けプロセッサであってもよいが、しかしながら、任意の適切な専用ハードウェアまたはハードウェア/ファームウェア組み合わせデバイスが、代替的に、または付加的に、命令を実行することができる。
【0088】
本願明細書において提供されたシステムおよび方法の態様、例えば、コンピュータ・システム1501などは、プログラミングにおいて具現化され得る。本技術の様々な態様は、あるタイプの機械読取可能な媒体上で搬送される、または具現化される、典型的には機械(またはプロセッサ)実行可能なコードおよび/または関連付けられたデータの形態の「製品」または「製造物品」と見なされてもよい。機械実行可能なコードは、メモリ(例えば、読み出し専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、フラッシュ・メモリ)またはハード・ディスクなどの電子ストレージ・ユニット上に記憶され得る。「ストレージ」タイプの媒体は、ソフトウェア・プログラミングのための非一時的な記憶をいつでも提供し得る、様々な半導体メモリ、テープ・ドライブ、ディクス・ドライブなどの、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、またはこれらの関連付けられたモジュールのうちのいずれかまたは全てを含むことができる。ソフトウェアの全部または一部は、インターネットまたは様々な他の通信ネットワークを介して時折通信され得る。このような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサへの、例えば、管理サーバまたはホスト・コンピュータからアプリケーション・サーバのコンピュータ・プラットホームへの、ソフトウェアのダウンロードをイネーブルし得る。したがって、ソフトウェア要素を担持し得る別のタイプの媒体は、有線ネットワークおよび光回線ネットワーク(optical landline network)を介して、ならびに様々なエアリンク上で、ローカル・デバイス間の物理インターフェース上などで使用されるような、光波、電波および電磁波を含む。このような波を搬送する物理的要素、例えば、有線リンクもしくは無線リンク、または光リンクなども、ソフトウェアを担持す
る媒体としてみなされ得る。本願明細書においては、非一時的な有形の「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「読み取り可能な媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0089】
このため、機械読取可能な媒体、例えばコンピュータ実行可能なコードは、有形の記憶媒体、搬送波媒体または物理送信媒体を含むが、これらに限定されない、多くの形態を取り得る。不揮発性記憶媒体は、例えば、光ディスクまたは磁気ディスク(図面に示されるデータベース等を実装するために使用され得るものなどの、任意のコンピュータ等におけるストレージ・デバイスのうちの任意のものなど)を含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータ・プラットホームのメイン・メモリなどの動的メモリを含む。有形送信媒体は、同軸ケーブル(コンピュータ・システム内にバスを構成するワイヤーを含む、銅線および光ファイバー)を含む。搬送波送信媒体は、無線周波数(RF)通信および赤外線(IR)データ通信期間中に生成される信号または波などの、電気信号もしくは電磁信号、または音波もしくは光波の形態を取り得る。そのため、コンピュータ読取可能な媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピー(登録商標)・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVDもしくはDVD−ROM、任意の他の光媒体、パンチカード紙テープ、複数パターンの穴を有する任意の他の物理記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH−EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を伝える搬送波、このような搬送波を送るケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミング・コードおよび/もしくはデータを読み出し得る任意の他の媒体を含む。コンピュータ読取可能な媒体のこれらの形態のうちの多くは、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを、実行のためにプロセッサへ搬送することに関与し得る。
【0090】
コンピュータ・システム1501は、例えば、1つ以上の中間構造を含む、製造(例えば、印刷、機械加工、成形)のための3D物体の設計仕様を提供するためのユーザ・インターフェース(UI)1540を備えた電子ディスプレイ1535を含むこと、または電子ディスプレイ1535と通信することができる。UIの例は、限定なしに、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザ・インターフェースを含む。
【0091】
コンピュータ・システム1501は、3D構造製造システム(またはモジュール)1545を含むこと、または3D構造製造システム(またはモジュール)1545と通信することができる。3D製造システム1545は、例えば、アディティブ・マニュファクチャリングまたはサブトラクティブ・マニュファクチャリングにより、3D物体を生成することができる。3D構造製造システム1545は、3D印刷システムであってもよく、ポリマー材料などの様々な材料から成る3D物体をアディティブに生成することができる。3D印刷システム1545の例は、ウォールストローム(Wahlstrom)らに対する米国特許第7,520,740号明細書において提供されており、この米国特許は、全体的に本願明細書に援用される。3D構造製造システム1545は、CNC機械加工であってもよく、プラスチックまたは金属などの様々な材料から3D構造をサブトラクティブに生成することができる。3D構造製造システム1545の別の例は、ハイアット(Hyatt)らに対する国際公開第2015/127271号において提供されており、これは、全体的に本願明細書に援用される。
【0092】
本開示の方法およびシステムは、1つ以上のアルゴリズムによって実装され得る。アルゴリズムは、中央処理装置1505による実行時にソフトウェアによって実装され得る。このアルゴリズムは、例えば、
図1の方法100による3D物体の形成を容易にすることができる。このアルゴリズムは、方法100の様々な操作を実装することができる。
【0093】
本開示の方法およびシステムは、様々な3次元物体、例えば、電子デバイス、マイクロ流体デバイス、機械デバイス、医療デバイス、推進デバイス、建築構造、建造物、無線通信デバイス、生物工学処理された構造、人工臓器または生物医学的デバイスなどを形成するために使用され得る。このような3次元物体は、商業的環境、産業的環境、または軍事環境などの様々な環境において使用され得る。
【0094】
本開示の方法およびシステムは、他の方法およびシステム、例えば、欧州特許出願公開第1209959号明細書、欧州特許出願公開第2779272号明細書、米国特許出願公開第2002/0062987号明細書、米国特許出願公開第2011/0253435号明細書、米国特許出願公開第2014/0054795号明細書、米国特許出願公開第2014/0272522号明細書、米国特許第6,100,178号明細書、米国特許第6,833,511号明細書、および米国特許第8,033,014号明細書などにおいて説明される方法およびシステムと組み合わせられてもよく、これらの各々は、全体的に本願明細書に援用される。
【0095】
本発明の好適な実施形態が、本願明細書において図示および説明されてきたが、このような実施形態は例として提供されているに過ぎないことが、当業者には明らかであろう。本発明は本願明細書内に提供される特定の例によって限定されることを意図されない。本発明は、前述の明細書を参照しつつ説明されてきたが、本願明細書における実施形態の説明および例示は、限定的な意味で解釈されることを意図されていない。多数のバリエーション、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に今や想到されるであろう。さらに、本発明のあらゆる態様は、多様な条件および変数に依存する本願明細書において述べられた具体的な描写、構成または相対的割合に限定されないことが、理解されるべきである。本願明細書において説明された本発明の実施形態に対する様々な代替案は、本発明を実施する際に採用され得ることが、理解されるべきである。したがって、本発明は、そのような任意の代替案、変形例、バリエーションまたは均等物もカバーすることが予期される。下記の請求項が本発明の範囲を定義すること、ならびに、これらの請求項の範囲内の方法および構造およびそれらの均等物は請求項によってカバーされることが意図される。