(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6505569
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】エンジンの排気接合部構造
(51)【国際特許分類】
F02F 11/00 20060101AFI20190415BHJP
F01N 13/08 20100101ALI20190415BHJP
F02F 1/42 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
F02F11/00 J
F01N13/08 D
F02F1/42 G
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-192776(P2015-192776)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-66964(P2017-66964A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】宮田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】尾曽 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤 英之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 諭
(72)【発明者】
【氏名】秋朝 智也
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 直也
【審査官】
二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−084214(JP,U)
【文献】
実開昭60−125315(JP,U)
【文献】
特開2007−162509(JP,A)
【文献】
特開2007−016672(JP,A)
【文献】
実公昭47−013618(JP,Y1)
【文献】
特開平04−072409(JP,A)
【文献】
実開昭60−26225(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 5/00,11/00,
F01N 1/00−1/24,5/00−5/04,
13/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッドに設けられている排気ポートと、シリンダヘッドに取付けられている排気構造体とを備え、前記シリンダヘッドにおける前記排気ポートの出口を備える出口壁と、前記排気構造体における排気通路の入口を備える入口壁とを、ガスケットを挟んで連結してなる接合部を有するエンジンの排気接合部構造であって、
前記出口壁が、前記出口を備える第1内側壁面と、前記第1内側壁面と排気流れ方向の位置が異なる第1外側壁面と、前記第1内側壁面の外径部と前記第1外側壁面の内径部とを繋ぐ第1筒状周面とを有して構成され、
前記入口壁が、前記入口を備える第2内側壁面と、前記第2内側壁面と排気流れ方向の位置が異なる第2外側壁面と、前記第2内側壁面の外径部と前記第2外側壁面の内径部とを繋ぐ第2筒状周面とを有して構成され、
前記接合部は、前記第1筒状周面と前記第2筒状周面とが嵌合され、かつ、前記第1外側壁面と前記第2外側壁面とが前記ガスケットを介して圧接され、かつ、前記第1内側壁面と前記第2内側壁面とが間隙を有して対向する構成とされ、
前記第1外側壁面は、前記第1内側壁面よりも排気流れ方向の上流側に寄せて配置されるとともに、前記第2外側壁面は、前記第2内側壁面よりも排気流れ方向の上流側に寄せて配置され、
前記排気ポートにおける前記出口付近の底部は、排気流れ方向の下流側に寄るほど高さ位置が低くなり、かつ、前記排気通路における前記入口付近の底部は、排気流れ方向の上流側に寄るほど高さ位置が低くなる状態に構成されているエンジンの排気接合部構造。
【請求項2】
前記接合部は、前記第1筒状周面と前記第2筒状周面とを密嵌合する構成とされている請求項1に記載のエンジンの排気接合部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンにおけるシリンダヘッドの排気側と排気マニホルドとの接続部の構造など、エンジンの排気接合部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のエンジンの排気接合部構造、即ち、シリンダヘッドに設けられた排気ポートと、シリンダヘッドに取付けられている排気通路とを備え、排気通路と排気ポートとで排気経路が形成されているエンジンの排気接合部構造としては、特許文献1や特許文献2において開示されるものが知られている。この場合、特許文献2(
図1,3参照)に記載されるように、シリンダヘッドと排気マニホルドとの間には、通常、ガスケットが介装されている。
【0003】
ところで、ディーゼルエンジンにおいては、無負荷(又は軽負荷)運転を行うと、(1)燃焼温度が低い、(2)燃料の噴射率が低く噴霧が粗くなる、(3)ピストンとシリンダとのクリアランスが大きいことから、シリンダ内に未燃焼燃料、エンジンオイルが発生し、排気と一緒にシリンダ外に排出される、といった慢性的な問題がある。
【0004】
エンジンが普通に運転され続けることによる温度上昇に伴い、燃焼温度や燃料噴射率は高くなり、また、未燃焼燃料やエンジンオイルは燃焼されて燃焼ガスとなることから、通常、前述した(1)〜(3)の問題は、一般的な運転状態においては解消されている。
【0005】
しかしながら、長時間アイドリング状態が続くとか、冬季に軽負荷運転が続くなど、長時間に亘って無負荷(又は軽負荷)運転が行われると、未燃焼ガスなどが、マフラーや排気マニホルドといった排気系内に滞留してしまうことがある。
【0006】
この場合、シリンダヘッドの排気ポートや排気マニホルドに滞留している未燃焼燃料やエンジンオイルなどによる液状未燃焼物が、シリンダヘッドと排気マニホルドとの接合部(接続部)から漏れ出すことがあった。この排気接合部にはガスケットが設けられているが、経時によりガスケットがへたることもあり、前記漏れは起こりうるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−161225号公報
【特許文献2】特開2004−156547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、主に排気系のさらなる構造見直しにより、無負荷(又は軽負荷)運転が長時間行われても、シリンダヘッドと排気マニホルドとの接合部から、液状未燃焼物が漏れ出すことが回避又は軽減されるように、改善されたエンジンの排気接合部構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、
シリンダヘッド2に設けられている排気ポート13と、シリンダヘッド2に取付けられている排気構造体9とを備え、前記シリンダヘッド2における前記排気ポート13の出口13aを備える出口壁16と、前記排気構造体9における排気通路9Aの入口9aを備える入口壁17とを、ガスケット18を挟んで連結してなる接合部Sを有するエンジンの排気接合部構造において、
前記出口壁16が、前記出口13aを備える第1内側壁面16aと、前記第1内側壁面16aと排気流れ方向の位置が異なる第1外側壁面16bと、前記第1内側壁面16aの外径部と前記第1外側壁面16bの内径部とを繋ぐ第1筒状周面16cとを有して構成され、
前記入口壁17が、前記入口9aを備える第2内側壁面17aと、前記第2内側壁面17aと排気流れ方向の位置が異なる第2外側壁面17bと、前記第2内側壁面17aの外径部と前記第2外側壁面17bの内径部とを繋ぐ第2筒状周面17cとを有して構成され、
前記接合部Sは、前記第1筒状周面16cと前記第2筒状周面17cとが嵌合され、かつ、前記第1外側壁面16bと前記第2外側壁面17bとが前記ガスケット18を介して圧接され、かつ、前記第1内側壁面16aと前記第2内側壁面17aとが段付間隙dを有して対向する構成とされ、
前記第1外側壁面16bは、前記第1内側壁面16aよりも排気流れ方向の上流側に寄せて配置されるとともに、前記第2外側壁面17bは、前記第2内側壁面17aよりも排気流れ方向の上流側に寄せて配置され、
前記排気ポート13における前記出口13a付近の底部は、排気流れ方向の下流側に寄るほど高さ位置が低くなり、かつ、前記排気通路9Aにおける前記入口9a付近の底部は、排気流れ方向の上流側に寄るほど高さ位置が低くなる状態に構成されているエンジンの排気接合部構造。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のエンジンの排気接合部構造において、
前記接合部Sは、前記第1筒状周面16cと前記第2筒状周面17cとを密嵌合する構成とされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、第1内側壁面16aと第2内側壁面17aとが対向配備される内側接合部分とも言うべき箇所と、第1外側壁面16bと第2外側壁面17bとがガスケット18を介して圧接される外側接合部分とも言うべき箇所とが、排気流れ方向において互いの位置が異なる構造、即ち、ラビリンス構造が構成されている。
【0012】
故に、排気ポート13と排気通路9Aとの境目に液状未燃焼物rが存在しても、ラビリンス構造を越えてガスケット18部位に到達し難くなる。また、第1内側壁面16aと第2内側壁面17aとの間には間隙dが設けられているので、その
間隙にはある程度の量の液状未燃焼物rを滞留させることができ、この点でもガスケット18部位に液状未燃焼物rが届き難くなる。
【0013】
従って、ラビリンス構造及び間隙dによる前記機能により、液状未燃焼物rがガスケット18部位に到達するのに時間が掛かるようになり、接合部Sから液状未燃焼物rが漏れ出ることを回避又は軽減させることが可能になる。
【0014】
その結果、主に排気系のさらなる構造見直しにより、無負荷(又は軽負荷)運転が長時間行われても、シリンダヘッドと排気マニホルドとの接合部から、液状未燃焼物が漏れ出すことが回避又は軽減されるように、改善されたエンジンの排気接合部構造を提供することができる。
【0015】
請求項1の発明によれば、第1外側壁面16bと第2外側壁面17bとでガスケット18が挟まれている外側接合部分が、間隙dを構成する第1内側壁面16aと第2内側壁面17aとによる内側接合部分よりも排気流れ方向で上流側に寄せて配置されている。
【0016】
従って、液状未燃焼物rがガスケット18部位に到達するには、第1筒状周面16cと第2筒状周面17cとの嵌合部位を、排気の流れに逆らう方向に移動する必要があるから、よりガスケット18部位に到達し難くなる。その結果、
前述の作用効果がより一層強化される、という利点がある。
【0017】
請求項1の発明によれば、液状未燃焼物rは、重力により排気経路Hの底部に溜まり易いから、シリンダヘッドと排気構造体との境目に存在する液状未燃焼物rを間隙dの底部に集めるガイド作用が生じ、より効果的に液状未燃焼物rを間隙dに捕捉させることができる利点がある。
【0018】
請求項2の発明によれば、第1筒状周面16cと第2筒状周面17cとを密嵌合させてあるから、接合部Sの構成により、排気ポート13と排気通路9Aとの芯出しも行える効果を奏することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明によるエンジンの排気接合部構造の実施の形態を、立形直列3気筒ディーゼルエンジンの場合について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
このエンジンは、
図1、
図2に示されるように、シリンダブロック1の上部にシリンダヘッド2が組み付けられ、シリンダヘッド2の上部にヘッドカバー3が組み付けられ、シリンダブロック1の下部にオイルパン4が組み付けられ、シリンダブロック1の前部にギヤケース5が組み付けられている。シリンダブロック1の後部にはフライホイールハウジング6が組み付けられ、フライホイールハウジング6内には、クランク軸7に組み付けられたフライホイール(図示省略)が収容されている。
【0022】
このエンジンは、
図2に示すように、シリンダヘッド2の左側には吸気マニホルド8が組み付けられ、シリンダヘッド2の右側には、概略形状を仮想線にて示す排気マニホルド(排気構造体の一例)9が組み付けられている。なお、図示は省略するが、排気マニホルド9の上部に過給機を設け、その過給機からパイプを介して吸気マニホルド8の吸気入口部に過給がなされる状態に構成しても良い。次に、排気経路の構造(エンジンの排気接合部構造)について説明する。
【0023】
〔実施形態1〕
図3に示されるように、シリンダブロック1の上部であるシリンダ1Aに収容されているピストン10と、シリンダヘッド2との間に燃焼室11が形成されている。燃焼室11には、吸気バルブ(図示省略)が配置される吸気ポート(図示省略)と、排気バルブ12が配置される排気ポート13とが臨んでいる。排気ポート13、及び前述の排気マニホルド9の内部に管路状に形成されている排気通路9Aなどにより、エンジンの排気経路Hが構成されている。
【0024】
シリンダヘッド2の排気ポート13は、環状の金属材料でなるバルブシート14よりなる排気入口15を有している。この排気入口15は、排気バルブ12の下端に形成されている排気弁体12Aにより閉じられたり(
図3の状態)、排気バルブ12の下降移動によって開かれたりする。ピストン10が上昇移動する排気工程においては、排気弁体12Aが
図3に示される閉じ位置から少し下がり、排気入口15が開いて排気ガスなどが排気ポート13に流れて行く。
【0025】
図3に示されるように、このディーゼルエンジンは、シリンダヘッド2における排気ポート13のポート出口13aを備える出口壁16と、排気マニホルド9における排気通路9Aの通路入口9aを備える入口壁17とを、ガスケット18を挟んでボルト(図示省略)などにより連結してなる接合部Sを有している。つまり、接合部Sは、シリンダヘッド2と排気マニホルド9とを段付のインロー構造で嵌合して構成されている。
【0026】
図3、
図4に示されるように、出口壁16が、ポート出口13aを備える第1内側壁面16aと、第1内側壁面16aと排気流れ方向(矢印X)の位置が異なる第1外側壁面16bと、第1内側壁面16aの外径部(最大径部)と第1外側壁面16bの内径部(最小径部)とを繋ぐ第1筒状周面16cとを有して構成されている。
入口壁17が、通路入口9aを備える第2内側壁面17aと、第2内側壁面17aと排気流れ方向(矢印X)の位置が異なる第2外側壁面17bと、第2内側壁面17aの外径部(最大径部)と第2外側壁面17bの内径部(最小径部)とを繋ぐ第2筒状周面17cとを有して構成されている。
【0027】
接合部Sは、詳しくは、外周面となる第1筒状周面16cと内周面となる第2筒状周面17cとが嵌合され、かつ、第1外側壁面16bと第2外側壁面17bとが円環状のガスケット18を介して圧接され、かつ、第1内側壁面16aと第2内側壁面17aとが間隙dを有して対向する構成とされている。
換言すれば、第1内側壁面16aと第2内側壁面17aとの対向配置でなる内側接合部分(符記省略)と、第1筒状周面16cと第2筒状周面17cとの嵌合でなる嵌合部(符記省略)と、第1外側壁面16bと第2外側壁面17bとをガスケット18を挟んで圧接してなる外側接合部分(符記省略)とにより構成されている。
【0028】
第1外側壁面16bは、第1内側壁面16aよりも排気流れ方向(矢印X)の上流側に寄せて配置されるとともに、第2外側壁面17bは、第2内側壁面17aよりも排気流れ方向の上流側に寄せて配置されている。また、第1筒状周面16cと第2筒状周面17cとは密嵌合する構成とされており、排気ポート13と排気通路9Aとは、後述するようにそれぞれの軸心P,Qが互いに平行ではなくても(
図4参照)、ポート出口13aと通路入口9aとは互いに芯出し状態で対向配置される利点がある。
【0029】
加えて、排気ポート13は、その後半部において軸心Pには、排気流れ方向(矢印X)の下流側ほど高さ位置が低くなる先下がりの傾斜角度θが付けられており、かつ、排気通路9Aの入口部分を、排気流れ方向(矢印X)の上流側ほど径が大きくなる元拡がりのテーパー内周面19に形成されている。
その結果、排気ポート13におけるポート出口13a付近の底部は、排気流れ方向(矢印X)の下流側に寄るほど高さ位置が低くなり、かつ、排気通路9Aにおける通路入口9a付近の底部は、排気流れ方向(矢印X)の上流側に寄るほど高さ位置が低くなる状態に構成されている。
【0030】
図3,4に示す実施形態1の場合では、排気ポート13の径は、排気通路9Aの径より若干大きく、テーパー内周面19の最大径が排気ポート13の径と一致する構成であるが、例えば、排気ポート13の径と排気通路9Aの径とが一致し、テーパー内周面19の最大径が排気ポート13の径よりも大となる構成、その他でも良い。前記間隙dの値は、0.4mm或いはそれ以下が好ましいが、これらには限らない。接合部Sが、ボルトを正しい締付けトルクで装備するなど、正規に組み付けられた状態では、ガスケット18が適宜に圧縮され、その状態で間隙dが存在する構成とされている。
【0031】
実施形態1によるディーゼルエンジンの排気接合部構造によれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0032】
長時間に亘って無負荷(又は軽負荷)運転が行われて、未燃焼燃料やエンジンオイルなどによる液状未燃焼物rが燃焼室11から排気ポート13に排出されても、接合部Sにおいては、そのラビリンス構造により、第1内側壁面16aと第2内側壁面17aとが間隙dに入る程度で済み(
図4参照)、ガスケット18部位にまで達し難くなる。
即ち、間隙dに入った液状未燃焼物rは、密嵌合状態の第1筒状周面16cと第2筒状周面17cとの間にはまず浸入できず、間隙dに滞留するようになる。
【0033】
排気ポート13にある液状未燃焼物rは、排気ポート13の傾斜角度θも手伝って排気流れ方向の下流側に移動し(
図4参照)、接合部S又は間隙dに溜まる。また、排気マニホルド9のテーパー内周面19に位置する液状未燃焼物rも、接合部S又は間隙dに溜まるようになる。
従って、液状未燃焼物rがガスケット18部位に到達することがあったとしても、その到達時間を従来構造のものより明確に長期化させることができ、実質的に接合部Sから漏れ出ないようにすることが可能となる。
【0034】
そして、接合部Sを含む排気経路Hに存在する液状未燃焼物rは、エンジンが定常運転されるなど、通常の運転状態になれば、燃焼ガスとなってマフラー外に出されるようになる。このように、エンジンが温度の高い通常運転になると、液状未燃焼物rは排気経路H外に排出されるので、排気ポート13や排気通路9Aなどの排気経路Hに滞留することは生じないようになる。
【0035】
なお、間隙dを構成する第1内側壁面16a、及び第2内側壁面17aの表面粗さ(粗度)を粗く(例えば、12a〜25a)設定して表面張力を効かせ易くし、間隙d内の液状未燃焼物rがより一層ガスケット18部位に到達する時間を稼げるようにする構成を採れば好都合である。
【0036】
〔
参考実施形態〕
接合部Sは、図示は省略するが、第1外側壁面16bが、第1内側壁面16aよりも排気流れ方向(矢印X)の下流側に寄せて配置されているとともに、第2外側壁面17bが、第2内側壁面17aよりも排気流れ方向の下流側に寄せて配置されている構成のものでも良い。
排気ポート13が、先端上がりとなる傾斜角度が付けられている構成や、水平な構成でも良い。
〔別実施形態〕
接合部Sが、第1筒状周面16cと第2筒状周面17cとを遊嵌合する構成でも良い。遊嵌合とすれば、複数気筒によるシリンダヘッド2と排気構造体9との複数接合部Sを有する場合に、各接合部Sの寸法仕上げ精度を、密嵌合させる場合に比べて緩くすることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
2 シリンダヘッド
9 排気構造体
9A 排気通路
9a 入口(通路入口)
13 排気ポート
13a 出口(ポート出口)
16 出口壁
16a 第1内側壁面
16b 第1外側壁面
16c 第1筒状周面
17 入口壁
17a 第2内側壁面
17b 第2外側壁面
17c 第2筒状周面
18 ガスケット
S 接合部
d 間隙