(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記計器用変圧器が1つの巻数比を含み、前記第1の電圧は前記巻数比を用いて前記第2の電圧にスケーリングされている、請求項11に記載のバッテリ充電ステーション。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述の通り、線間電圧および周波数は国毎に異なる可能性があり、例えば米国では120V、60Hz、ドイツでは230V、50Hzである。結果として、電子デバイスが使用する実際の入力電流は、電力が各国間で恒常に維持されていても著しく異なる可能性がある。充電ステーション、例えば充電カート、充電キャビネット(デスクトップ型ユニット、壁掛け式ユニット、ロッカーまたは、ベンチを含めた他の任意のタイプのフレーム)などは、多くの場合、入力電流を国内レベルに制限することから、充電ステーションコントローラは、国内レベルを超える電流が使用されないように保証することができる。
【0014】
電流制御は、例えば電子制御、スイッチおよびセンサーを用いて達成可能である。しかしながら、1つの課題は、世界の全ての国により安全性が承認されている低コストの高電流コンポーネントのソーシングにある。この課題を理由として、メーカーらは多くの場合、特定の地域または国について安全性が国レベルで承認されているコンポーネントを使用する。例えば、米国の国家承認試験研究所(NRTL)は、米国用コンポーネントの承認を行ってきたが、電気工事規程の国レベルの差異に起因してドイツ向けについてはコンポーネントを承認していない。電気工事規程のこのような国レベルの差異が存在することから、充電ステーションのハードウェアおよびファームウェアのデベロッパは、多くの場合、1つの地域に特定的な制御および監視ファームウェアを創出する。その結果、特定の地域のための国内安全規格を満たすために2つ以上のコントローラ回路および2つ以上のファームウェア変形形態がもたらされる可能性がある。しかしながら、全ての地域向けの1つのコントローラおよびファームウェアが存在することが望ましい。
【0015】
安価なコンポーネント、例えば、承認された研究所による地域的安全性承認ならびに例えば国際電気標準会議(IEC)が発行するグローバル証書を有する機械的継電器を使用することにより、全ての電気工事規程を遵守するハードウェアを提供することが可能である。しかしながら、充電ステーションが使用されるのが世界のどの地域においてであるかに関わらず、電子機器が正しく機能し安全性要件を満たすように、ファームウェアおよび感知をどのように調整するかについての問題がひき続き存在している。
【0016】
当該発明人は、なかでも、充電ステーションが使用されるのが世界のどの地域においてであるかに関わらず、電子機器が正しく機能し、安全性要件を満たすことができるように、例えば制御ファームウェアの1つ以上の充電パラメータを調整するために計器用変圧器を使用できるということを認識した。より具体的には、以下で詳述する通り、計器用変圧器の一次巻線は、各国毎の配電線線間電圧に結合され得、この配電線線間電圧は、充電ステーションの入力端に接続され得る。計器用変圧器の一次巻線対二次巻線の比率を用いて、一次電圧に正比例する信号を充電ステーションのプロセッサに対して提供することができる。この信号は、カートが120ボルトの線間電圧に取付けられている場合と、230ボルトの線間電圧に取付けられている場合とで異なる可能性がある。
【0017】
図1A〜1Dは、本開示のさまざまな技術を実装できる、例えばラップトップ充電/貯蔵用カート100などの充電ステーションの一例の図である。充電ステーションは、複数の携帯式電子デバイス、例えばラップトップ型コンピュータ、タブレット型計算デバイス、ネットブック、または他の移動体計算デバイスを保持しかつこれらの電子デバイスに対し電力および/またはネットワーク接続性を提供するために有利である任意の構造を含むことができる。携帯式電子デバイスを保管しかつ/または充電するのに有用であり得る充電ステーションの多数の例が、各々全内容が参照により本明細書に援用されているTischerに対する共同所有の米国特許第8,935,011号および米国特許出願第13/025,783号の中で開示されている。例示的充電ステーションは、例えば、非限定的にデスクトップ型ユニット、壁かけユニットを含めた充電用カートおよび充電用キャビネット、およびベンチなどならびにデスク、例えば作業場用デスクまたは学校用デスクおよび多数のデバイスの空港内または家庭内充電のための他の調度品を含めた任意の他のタイプのフレームを含み得る。
【0018】
図1A〜1Dに戻ると、図示されている通り、充電ステーション100、例えばカートは、複数の携帯式電子デバイスを保管するための内部空間を画定するキャビネット130を含むことができる。内部空間は一部の場合、カート内に配置された各電子デバイスのためのドッキング・ステーション150を含む。
図1A〜1Dに示されている通り、一部の実施形態において、キャビネット130は、上面、底面および4つの側面により境界されている内部空間を閉じるために1つ以上の扉を有する扉アセンブリ170を含む。このような扉は、スライド式、上面開放式または外向きスイング式を含めた任意の型式のものであり得る。一部の実施形態において扉は、カート内部に可動計算デバイスをしっかりと固定するように作動的にロックされ得る。一部の実施形態では、カートの容易な移動を促すためキャビネット130の下側にホイール110を位置づけすることができる。さらに、カートの移動を容易にするためにハンドル120を具備することもできる。
【0019】
図1B〜1Cに示されている通り、電子デバイスを概して垂直な位置に保持するように、複数のドッキング・ステーション150を構成することができる。一部の例示的充電ステーション(図示せず)において、複数のドッキング・ステーション150は、電子デバイスを棚上に位置づけて、概して水平な向きに保持するように構成され得る。カートは、所望されるだけの数の電子デバイスを保持するように構成され得る。一部の実施形態において、カートは、その内部空間内に少なくとも10台の電子デバイスを保持する。他の実施形態では、カートは、その内部空間に10〜40(例えば20および30)台の電子デバイスを保持するように構成されている。
【0020】
図2は、本開示のさまざまな技術を実装できる
図1A〜1Dの充電ステーション100などの充電ステーションのバッテリ充電システム200の一実施例を描いたブロック図である。充電システム200は、プロセッサ204と通信状態にある電圧スケーリング・モジュール202を含むことができる。スケーリング・モジュールは、第1の電圧、例えば入力電圧を第2の電圧、例えば出力電圧にスケーリングするように構成され得る。一部の実施例において、スケーリング・モジュール202は、計器用変圧器を含むことができる。例えば計器用変圧器は、例えば120ボルトの線間電圧または230ボルトの線間電圧など、電力を充電ステーションに供給する配電線線間電圧205に結合された一次巻線と、例えばアナログ入力端などのプロセッサ204の入力端と連通状態にある第2の巻線とを含むことができる。計器用変圧器の一次巻線対二次巻線の比率、例えば巻数比を使用して、線間電圧例えば100〜240VACを第2の電圧にスケーリングすることができる。一部の実施例では、スケーリング・モジュール202は例えば平均、ピーク振幅、真の二乗平均平方根値(「RMS」)などの、プロセッサ204に対する第2の電圧に関する情報を表わす信号へと第2の電圧を変換するように構成されたアナログ−デジタル(A/D)変換器を含むことができる。この信号は、充電ステーションが120Vの一次電圧に接続されている場合と230Vの一次電圧に接続されている場合とでは異なるものであり得る。
【0021】
具体例として、かつ単に例示のみを目的として、計器用変圧器の一次巻線対二次巻線の比率が60:1であった場合、計器用変圧器からのプロセッサ204における入力信号は、充電ステーションが120Vの一次電圧に接続されている場合約2Vであり得、充電ステーションが230Vの一次電圧に接続されている場合約4Vであり得る。
【0022】
一部の実施例において、A/D変換器は、スケーリング・モジュール202の外部にあるのではなくむしろ、プロセッサ204の内部にあり得る。スケーリング・モジュール202は、例えば2つのダイオードを用いて電圧をDCに変換でき、DC電圧でのACの平均表現を提供するためにフィルタ・コンデンサを含むことができる。230VACを表わす電圧は約4VDCであり得、120VACを表わす電圧は約2VDCであり得る。DC電圧レベルのこの範囲は、電圧をプロセッサの入力限界未満のレベルまで低減させるために望ましいものであり得る。一部の実施例において、スケーリング・モジュール202はA/D変換器に入力を提供するため、フィルタ・コンデンサの後に分圧器を含み得る。
【0023】
上述の通り、スケーリング・モジュール202は、例えばプロセッサ204に対して、2〜4ボルトのデジタル表現を生成し提供するため、A/D変換器を含むことができる。代替的には、スケーリング・モジュールは、プロセッサ204の入力端にアナログ電圧(例えば2または4ボルト)を提供することができ、これは、内蔵A/D変換器によりプロセッサ204内部でデジタル値(例えば0〜255)へと変換され得る。
【0024】
プロセッサ204は、入力信号のデジタル表現、例えばスケーリング・モジュール202により提示された入力信号のピーク振幅を、比較モジュール209を用いて、例えばシステム200のメモリ・デバイス207に記憶されている値と比較することができる。一部の実施例において、メモリ・デバイス207は、プロセッサ204の外部にあり得る。他の実施例において、メモリ・デバイス207はプロセッサ204の内部にあり得る。記憶された値と入力信号の間の比較を用いて、プロセッサ204は、入力電圧が約120VACであるかまたは約230VACであるかを決定し、メモリ・デバイス207から1つ以上の充電パラメータ値を検索することができる。比較に基づいて指示された場合、プロセッサ204は、制御ファームウェアの1つ以上のパラメータを相応して調整することができる。調整可能な、例えばファームウェア内で改変され得る充電パラメータ(単複)は、非限定的に、入力充電電流限界、個別のデバイス群についての閾値限界、ゼロ交差点測定についての時間遅延値(以下で論述)、および/または地域特異的な他のパラメータを含み得る。
【0025】
単なる例示目的で以上の具体的実施例を続行すると、プロセッサ204は、例えば約2Vまたは約4Vというスケーリング・モジュール202からのプロセッサ204における入力と、記憶された値、例えば3Vとを比較することができる。プロセッサ204は、メモリ・デバイス207からパラメータ値を検索でき、比較に基づき指示された時点で、充電パラメータ(単複)、例えば入力充電電流限界を調整することができる。例えば、入力電圧が230VACであることをシステム200が決定した場合、プロセッサ204は、比較に基づいて指示された時点で、メモリ・デバイス207から第1の入力充電電流限界を検索し、設定すべき入力充電電流限界を第1の入力充電電流限界に調整(例えば構成)することができ、かつ入力電圧が120VACであることをシステム200が決定した場合、プロセッサ204は、比較に基づいて指示された時点で、入力充電電流限界を、例えば第1の電流限界よりも高い第2の入力充電電流限界に調整(例えば構成)することができる。システム200のパラメータはすでに適正に構成されている可能性があるため、プロセッサ204は、比較に基づいて何らかのパラメータを調整する必要はない、という点を指摘しておくべきである。
【0026】
一部の実施例において、システム200は、上述の配電線線間電圧の決定を用いて合計入力充電電流限界パラメータを調整することができる。一例として、120ボルトについて、システムは、合計充電限界を12アンペアに調整でき、230ボルトの国については、システムは合計充電限界を10アンペアに調整することができる。例えば合計充電限界は、例えば変流器213により測定される通りの、壁コンセントから充電ステーションが引き出すことのできる絶対入力充電限界であり得る。例えば変流器213を用いて、電流レベルが合計充電限界を上回ることをシステム200が決定した場合、プロセッサ204は、スイッチ210に対し、1つの信号を出力して、例えばスイッチ210をオフ切換えでき、このスイッチが今度は継電器208に対して1つの信号を出力して例えば継電器208をオフ切換えし、グループ・コネクタ212に対する100〜240VACの電源線間電圧205を切断し、これにより、グループ・コネクタ212に接続された各電子デバイスのAC−DC変換器に対する電力を除去することができる。
【0027】
別の実施例として、システムは、上述の配電線線間電圧決定を用いて、最大入力充電電流限界を調整することができる。一例として、120ボルトの国について、システムは、最大充電限界を10アンペアに調整でき、230ボルトの国については、システムは最大充電限界を8アンペアに調整できる。最大入力充電限界は、いくつの電子デバイス群を形成すべきかをプロセッサ204が決定できるようにする電流であり得る。最大入力充電電流限界は、充電のために電子デバイスが群にまとめられた後に線間電圧の電圧変動を許容でき、こうして充電サイクルが合計充電限界を超えて電流を押し上げ、群の形成後の運転停止または再グループ化を結果としてもたらし得る可能性を低減させることのできる、ヒステリシスまたは余裕として作用し得る。
【0028】
他の例示的実装において、スケーリング・モジュール202は、カートが取付けられる線間電圧を決定するために入力信号を提供するため、分圧器回路、例えば抵抗分割器を含むことができる。プロセッサ204は、入力端において、分圧器により降下させられた電圧を検出し、検出された電圧を、比較モジュール209を用いて1つの値に比較し、自動的に、例えばユーザーの介入無しに、1つ以上の充電パラメータを相応して調整することができる。
【0029】
該発明人らは、同様に、なかでも解決すべき問題には、充電ステーションが各国毎の線間電圧に取付けられたときに突入電流を制限することが含まれ得るということも認識した。突入電流は、計算機器メーカーが一般に使用するスイッチ・モード電源の大きな静電容量の結果であり得る。多くの電子デバイス、例えば30個以上のデバイスが、同時充電のために線間電圧に接続されている場合、これらのデバイスの電源は、各デバイスによって提供される電流制限および充電ステーション配電線給電における電圧の位相角に応じて、おおよそ何千アンペアもの突入電流を集合的に有する可能性がある。
【0030】
本開示は、例えば、ゼロ交差検出回路206に対し電圧位相関係を提供するためにスケーリング・モジュール202を使用することによって、電流制限の問題に対する解決法を提供している。ゼロ交差情報を使用すると、プロセッサ204は、突入電流を削減または最小化するために各電子デバイスのAC−DC変換器がオン切換えする時点を制御することができる。
【0031】
上述の通り、充電システム200は、スケーリング・モジュール202、例えば計器用変圧器または分圧器などを含むことができる。一部の例示的構成において、スケーリング・モジュール202、例えば計器用変圧器の二次巻線は、ゼロ交差点を検出できるゼロ交差回路206と連通状態にあり得る。ゼロ交差点は、例えば120Vまたは230Vの線間電圧などの電圧の振幅がゼロボルトになる場所である。
【0032】
ゼロ交差回路206がゼロ交差点を検出した後、ゼロ交差回路206は、プロセッサ204の入力端、例えばデジタル入力端に対して信号を出力することができる。ただし、プロセッサ204がゼロ交差回路206から信号を受信するに至るまでに、プロセッサ204が突入電流無く配電線線間電圧に充電を行うために電子デバイスを切換えるには時間が掛りすぎる可能性がある。したがって、時間遅延、例えば線間電圧の周波数の逆数を近似する時間遅延を導入することができる。
【0033】
一例示的実装においては、機械的装置またはソリッド・ステート・デバイス208、例えば継電器またはスイッチを用いて(デバイスの特性であり得る)時間遅延を提供することができ、この時間的遅延の後デバイス208、例えば継電器がオン切換えして、100〜240VAC電源線間電圧205を、充電ステーションの各々のドッキング・ステーションに接続された電源コンセント・グループ・コネクタ212に接続することができ、こうして、グループ・コネクタ212に接続された各電子デバイスのAC−DC変換器に電力を提供することになる。
【0034】
別の例示的実装において、プロセッサ204は、例えば、メモリ内に記憶された時間遅延パラメータを用いて、任意のデバイスタイプに対する時間遅延を提供することができる。例えば、ゼロ交差回路206からの入力を用いて、時間遅延モジュール211は、例えば50Hzまたは60Hzなどの線間電圧の周波数を決定することができる。遅延モジュール211によって決定された時間遅延、例えば、線間電圧の周波数またはその逆数を使用して、プロセッサ204は、スイッチ210に対し適切に遅延させられた信号を出力することができる。電子スイッチ210は、このとき、ONに切換わり、100〜240VAC電源線間電圧205をグループ・コネクタ212に接続し、こうして、グループ・コネクタ212に接続された各電子デバイスのAC−DC変換器に対し電力を提供することができる。
【0035】
時間遅延の一例は、60Hzの配電線電圧の複数のゼロ交差間の時間である、8.3ミリセカンド(ms)である。8msの時間遅延を伴って機械的継電器(またはスイッチ)208を使用した結果、初期のゼロ交差が検出されプロセッサ204に信号送りされた時点からおよそ1/2サイクル後のオン切換え時間をもたらすことができる。継電器208がオンに切換わった時点で、例えばプロセッサ204から、例えばMOSFET回路などのスイッチ210への信号に応えて、充電すべき電子デバイスのAC−DC変換器は、例えばプロセッサ204および時間遅延モジュール211または継電器208から導入される時間遅延に起因して、初期ゼロ交差点ではなく次のゼロ交差点においてオンに切換えることができる。時間遅延の源の如何に関わらず、切換えはOVまたはそれに近い電圧で発生し得、したがって、オン切換え時における突入電流を削減または最小化することができる。
【0036】
この突入電流制限技術は、他の突入電流制限技術とは対照的に、何度くり返しても同じ結果を提供する。例えば、一部の突入電流制限技術は、低温では高いインピーダンス(低電流)を有し加熱された時点で低いインピーダンス(高電流)を有する温度タイプのデバイスを使用する。しかしながら、反復的オン・オフサイクルの後、これらの温度タイプのデバイスは高インピーダンス(低温)状態に復帰しない可能性がある。本開示の突入電流制限技術は、オン・オフサイクル依存型ではない。
【0037】
上述の技術に加えて、本開示は同様に、ファームウェアが回路上の継電器またはスイッチのオンオフ切換えを調整できるようにコンセントのタイプおよび数を検出するための技術にも向けられている。1つの例示的実装においては、電源コンセント・グループ・コネクタ212上に、構成ジャンパ(図示せず)を含み入れることができる。一定数の電源コンセントが設置された場合、構成ジャンパは、継電器またはスイッチからコンセントに電力を提供するコネクタ212上の1つの位置にあり得る。コネクタ212が存在する場合、プロセッサ204は、ジャンパを検出(または検知)することができ、かつファームウェア制御に対するスイッチまたは継電器を追加することができる。一群のコンセントが存在しない場合、プロセッサ204は、構成ジャンパを検出せず、一群のコンセントは存在しないことからこのコンセント群のための継電器またはスイッチの制御について何も行うことはない。
【0038】
該発明人は同様に、なかでも解決すべき問題には、充電ステーションをオンまたはオフ切換えするために安全性承認済みの配電線線間電圧スイッチを提供することが含まれるということも認識した。世界中に多くの電圧および国内規程が存在するため、充電ステーションの世界中での作動について承認されている最大定格電流において安全性承認済みの配電線線間電圧スイッチを発見するのは、高価かつ困難である。
【0039】
本開示は、プロセッサ204に信号送りするために低電圧でユーザー制御型のオン/オフ・スイッチ214が使用されるファームウェア技術を使用することなどによって、安全性承認済みの配電線線間電圧スイッチの問題に対する1つの解決法を提供する。プロセッサ204は、スイッチ214の状態を決定し、突入電流制御および電圧検出に関して上述したスイッチ210および継電器208などの1つ以上の継電器および/またはスイッチをオンオフ切換えする信号を出力することができる。次に継電器および/またはスイッチは、オンまたはオフに切換わり、100〜240VACの電源線間電圧205をグループ・コネクタ212に接続し、こうしてグループ・コネクタ212に接続された各電子デバイスのAC−DC変換器に対し電力を提供する。オン/オフ・スイッチ214は、100〜240VのAC配電線線間電圧に直接接続されておらず、したがって、充電ステーションの世界中での作動のために承認されている最大電流に定格される必要はない。オン/オフ・スイッチ214からプロセッサ204への信号は同様に、他のデバイス、例えばファン216、周辺コンポーネントまたはMOSFETを用いる他のインジケータまたは必要とされるレベルに適切な他のデバイスを制御するためにも使用可能である。
【0040】
図3は、本開示のさまざまな技術を実装する例示的方法を示す流れ図である。詳細には、
図3は、本開示に係る、充電ステーション内での例示的な充電パラメータ選択方法を描いている。
図3において、スケーリング・モジュール、例えばスケーリング・モジュール202は、第1の電圧、例えば線間電圧を受信し、第1の電圧を第2の電圧にスケーリング、例えば削減することができる(ブロック300)。スケーリング・モジュールが第1の電圧を第2の電圧にスケーリングした後、プロセッサ、例えばプロセッサ204は、例えばアナログ入力を用いて、第2の電圧を表わす信号を受信することができる(ブロック302)。ブロック304では、プロセッサは、例えばメモリ207などのメモリ内に記憶された値を検索することができる。プロセッサは次に、検索された値と受信した信号、例えば第2の電圧の振幅とを比較することができる(ブロック306)。この比較を用いて、プロセッサは少なくとも1つのパラメータ、例えば最大突入電流限界を調整することができる(ブロック308)。
【0041】
図4は、本開示のさまざまな技術を実装する別の例示的方法を示す流れ図である。詳細には、
図4は、本開示に係る、充電ステーション内の突入電流を制限する例示的方法を描いている。
図4では、スケーリング・モジュール、例えばスケーリング・モジュール202は、第1の電圧、例えば線間電圧を受信し、かつ第1の電圧を第2の電圧にスケーリング、例えば削減することができる(ブロック400)。スケーリングされた第2の電圧を用いて、システム200は、第2の電圧の周波数を決定することができる(ブロック402)。例えば、スケーリングされた第2の電圧を用いて、ゼロ交差回路、例えばゼロ交差回路206は、少なくとも2つのゼロ交差点を検出し、第2の電圧の周波数を決定することができる。別の実施例として、スケーリング・モジュール202がスケーリング済みの第2の電圧を決定した後、プロセッサ204は、スケーリング済みの第2の電圧のデジタル表現とルックアップ・テーブル、データベース内に記憶された情報またはメモリ内、例えばメモリ・デバイス内に記憶された他のデータ構造と比較し、この比較を用いて、例えば120ボルトでの検出が60Hz、230ボルトでの検出が50Hzなど、第2の電圧の周波数を決定することができる。
【0042】
ゼロ交差回路がゼロ交差点を検出した後、ゼロ交差回路は、プロセッサの入力端、例えばプロセッサ204のデジタル入力端に対し信号を出力することができる。バッテリ充電システム、例えばシステム200は、ゼロ交差入力情報を用いて時間遅延値を決定できる(ブロック404)。例えば、ゼロ交差回路206からの入力を用いて、時間遅延モジュール211は、例えば50Hzまたは60Hzなど、線間電圧の周波数を決定することができる。遅延モジュール211により決定された時間遅延、例えば線間電圧の周波数またはその逆数を用いて、プロセッサ204は、スイッチ210に対し適切に遅延された信号を出力することができる(ブロック406)。電子スイッチ210は、このとき、オンに切換わり、100〜240VAC電源線間電圧205をグループ・コネクタ212に接続することができ、こうしてグループ・コネクタ212に接続された各電子デバイスのAC−DC変換器に電力を提供する。
【0043】
図5は、本明細書中で論述されている方法のいずれか1つ以上をマシンに行わせるために内部で命令524が実行され得るコンピュータ・システム500の例示的形態でのマシンのブロック図である。変形実施形態において、マシンは、独立型デバイスとして動作するか、または他のマシンに接続(例えばネットワーク化)され得る。ネットワーク化された展開において、マシンは、サーバー・クライアントネットワーク環境内のサーバーまたはクライアント・マシンの容量内で、または、ピア・ツー・ピア(または分散型)ネットワーク環境内のビア・マシンとして動作し得る。マシンは、パソコン(PC)、タブレット型PC、セット・トップ・ボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブ・アプライアンス、ネットワーク・ルーター、スイッチまたはブリッジ、またはそのマシンがとるアクションを規定する命令(逐次的その他)を実行することのできるあらゆるマシンであり得る。さらに、単一のマシンのみが例示されているものの、「マシン」なる用語は同様に、本明細書中で論述されている方法のいずれか1つ以上を行うために1組(または多数組)の命令を個別にまたは合同で実行するマシンの任意の一群を含むと考えられるものとする。
【0044】
例示的コンピュータ・システム500は、プロセッサ502(例えば中央処理ユニット(CPU)、グラフィクス処理ユニット(GPU)またはその両方)、互いにバス508を介して通信する主メモリ504およびスタティック・メモリ506を含む。コンピュータ・システム500はさらに、ビデオ表示ユニット510(例えば液晶ディスプレー(LCD)またはブラウン管(CRT))を含み得る。コンピュータ・システム500は同様に、英数字入力デバイス512(例えばキーボード)、ユーザー・インターフェース(UI)・ナビゲーション・デバイス514(例えばマウス)、ディスク・ドライブ・ユニット516、信号生成デバイス518(例えばスピーカー)およびネットワーク・インターフェース・デバイス520を含み得る。
【0045】
ディスク・ドライブ・ユニット516は、本明細書中に記載の方法または機能のうちのいずれか1つ以上を実施するかまたはそれらにより使用される1組以上の命令およびデータ構造(例えばソフトウェア)524が記憶されているマシン可読媒体522を含む。命令524は、同様に、完全にまたは少なくとも部分的に、コンピュータ・システム500によるその実行の間、主メモリ504内および/またはプロセッサ502内にとどまることができ、この主メモリ504およびプロセッサ502も同様にマシン可読媒体を構成している。
【0046】
一例示的実施形態において、マシン可読媒体522は単一の媒体であるものとして示されているものの、「マシン可読媒体」なる用語は、1つ以上の命令またはデータ構造を記憶する単一の媒体または多数の媒体(例えば集中型または分散型データベースおよび/または付随するキャッシュおよびサーバー)を含み得る。「マシン可読媒体」なる用語は、同様に、マシンによる実行のために命令を記憶、エンコーディングまたは搬送することができかつ本発明の方法のうちのいずれか1つ以上をマシンに行わせるか、またはこのような命令により使用されるかまたはこのような命令と結びつけられたデータ構造を記憶、エンコーディングまたは搬送することのできる、任意の有形的表現媒体を含むと考えられるものとする。「マシン可読媒体」なる用語は、したがって、固体メモリおよび光学および磁気媒体を非限定的に含むと考えられるものとする。マシン可読媒体の具体例としては、一例として、半導体メモリ・デバイス、例えば消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)およびフラッシュ・メモリ・デバイスを含めた不揮発性メモリ;磁気ディスク、例えば内部ハードディスクおよびリムーバブル・ディスク;光磁気ディスク;およびCD−ROMおよびDVD−ROMディスクが含まれる。
【0047】
命令524はさらに、伝送媒体を用いて通信ネットワーク526上で伝送または受信され得る。命令524は、ネットワーク・インターフェース・デバイス520および、一定数の周知の転送プロトコル(例えばHTTP)のいずれか1つを用いて伝送され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリア・ネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、インターネット、携帯電話ネットワーク、旧来の電話(POTS)ネットワークおよび無線データネットワーク(例えばWiFiおよびWiMaxネットワーク)が含まれる。「伝送媒体」なる用語は、マシンによる実行のための命令を記憶、エンコーディングまたは搬送することができる任意の無形媒体を含むと考えられ、かつこのようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタルまたはアナログ通信信号または他の無形媒体を含む。
【実施例】
【0048】
実施例1は、第1の電圧を受信し、該第1の電圧を第2の電圧にスケーリングするように構成されたスケーリング・モジュールと;値を記憶するように構成されたメモリと;第2の電圧についての情報を表わす信号を受信し、メモリから記憶された値を検索し、かつ検索された値と第2の電圧を表わす受信信号との間の比較に基づいて指示された場合に、少なくとも1つの充電パラメータを調整するように構成されたプロセッサと、を備えた主題(例えばデバイス、装置またはマシン)を含む。
【0049】
実施例2では、実施例1の主題は、スケーリング・モジュールが計器用変圧器であることを含み得る。
【0050】
実施例3では、実施例1ないし2のいずれか1項の主題は、計器用変圧器が1つの巻数比を含み、第1の電圧は巻数比を用いて第2の電圧にスケーリングされていることを含み得る。
【0051】
実施例4では、実施例1ないし3のいずれか1項の主題は、スケーリング・モジュールが分圧器であることを含み得る。
【0052】
実施例5では、実施例1ないし4のいずれか1項の主題は、少なくとも1つの充電パラメータが、入力された充電電流限界であることを含み得る。
【0053】
実施例6では、実施例1ないし5のいずれか1項の主題は、第1の電圧が、配電線線間電圧であることを含み得る。
【0054】
実施例7は、第1の電圧を受信し、該第1の電圧を第2の電圧にスケーリングすることと、第2の電圧についての情報を表わす信号を受信することと、メモリから記憶された値を検索することと、検索された値と第2の電圧を表わす受信信号とを比較することと、比較を用いて少なくとも1つの充電パラメータを調整すると、を含む主題(例えば、方法、行為を行うための手段、マシンにより行われた時点でマシン行為を行わせる命令を含むマシン可読媒体、または行うためのマシン)を含む。
【0055】
実施例8では、実施例7の主題は、少なくとも1つの充電パラメータが、入力された充電電流限界であることを含み得る。
【0056】
実施例9では、実施例7ないし8のいずれか1項の主題は、第1の電圧が、配電線線間電圧であることを含み得る。
【0057】
実施例10は、第1の電圧を受信し、該第1の電圧を第2の電圧にスケーリングするように構成されたスケーリング・モジュールと、値を記憶するように構成されたメモリと、プロセッサであって、第2の電圧についての情報を表わす信号を受信し、メモリから記憶された値を検索し、かつ検索された値と第2の電圧を表わす受信信号との間の比較を用いて、少なくとも1つの充電パラメータを調整するように構成されたプロセッサと、を備えた充電システムを備えた主題(例えばデバイス、装置またはマシン)を含む。
【0058】
実施例11では、実施例10の主題は、スケーリング・モジュールが計器用変圧器であることを含み得る。
【0059】
実施例12では、実施例10ないし11のいずれか1項の主題は、計器用変圧器が1つの巻数比を含み、第1の電圧は巻数比を用いて第2の電圧にスケーリングされていることを含み得る。
【0060】
実施例13では、実施例10ないし12のいずれか1項の主題は、スケーリング・モジュールが分圧器であることを含み得る。
【0061】
実施例14では、実施例10ないし13のいずれか1項の主題は、少なくとも1つの充電パラメータが、入力された充電電流限界であることを含み得る。
【0062】
実施例15では、実施例10ないし14のいずれか1項の主題は、第1の電圧が、配電線線間電圧であることを含み得る。
【0063】
実施例16では、実施例10ないし15のいずれか1項の主題は、充電用カートを含み得る。
【0064】
実施例17では、実施例10ないし16のいずれか1項の主題は、充電用キャビネットを含み得る。
【0065】
実施例18では、実施例10ないし17のいずれか1項の主題は、充電用キャビネットがデスクトップ型ユニットを含むことを含み得る。
【0066】
実施例19では、実施例10ないし18のいずれか1項の主題は、充電用キャビネットが壁掛けユニットを含むことを含み得る。
【0067】
実施例20では、実施例10ないし19のいずれか1項の主題は、充電用キャビネットが少なくとも1つのロッカーを含むことを含み得る。
【0068】
以上で詳述した説明には、詳細な説明を形成する添付図面の参照が含まれている。図面は、例示として、本発明を実践し得る具体的実施形態を示している。これらの実施形態は、同様に本明細書において「実施例」としても言及されている。このような実施例は、図示されているものまたは説明されているものに加えた要素を含むことができる。ただし、該発明人は、同様に、図示され説明された要素のみが提供されている実施例をも企図している。その上、該発明人は、同様に、特定の実施例(またはその1つ以上の態様)に関してかまたは本明細書で図示され説明された他の実施例(またはその1つ以上の態様)に関して、図示または説明された要素(またはその1つ以上の態様)の任意の組合せまたは置換を使用した実施例も企図している。
【0069】
本明細書とこのように参照により援用された任意の文書の使用の間に不整合が存在する場合には、本明細書中の使用が優先する。
【0070】
本明細書中において、「a」または「an」なる用語は、特許文書において一般的であるように、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」なる用語の他の任意のケースまたは使用とは独立して、1または2つ以上を含むように使用される。本明細書において、「or」なる用語は、別段の指示が無いかぎり、非排他的を意味するように、または、「A」または「B」が「A、ただしBではない」、「B、ただしAではない」、および「AおよびB」を含むように使用される。本明細書中、「including(〜を含む)」および「in which(その中で)」なる用語は、それぞれの用語のプレイン・イングリッシュ等価物「comprising(〜を含む、〜を備えた)」および「wherein(ここにおいて)」と同じように使用される。同様に、以下のクレーム中において、「including(〜を含む)」および「comprising(〜を含む、〜を備えた)」なる用語は、制約の無いものである。すなわち、クレーム中でこのような用語の後に列挙されている要素に加えた要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、調合物またはプロセスはなお、そのクレームの範囲内に入るものとみなされる。その上、以下のクレーム中において、「first(第1の)」、「second(第2の)」、および「third(第3の)」など、なる用語は、単に標識として使用され、その目的に対し数値的要件を課すように意図されていない。
【0071】
本明細書中の方法実施例は、少なくとも一部分、マシンまたはコンピュータ実装され得る。一部の実施例は、上述の実施例中で説明されている通りの方法を行うように電子デバイスを構成するように動作可能な命令でエンコードされたコンピュータ可読媒体またはマシン可読媒体を含み得る。このような方法の一つの実装は、コード、例えばマイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コードなどを含むことができる。このようなコードは、さまざまな方法を行うためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータ・プログラム・プロダクツの一部を形成し得る。さらに、一実施例において、コードは、実行中または他の時点で、1つ以上の揮発性、非一時的、または不揮発性有形コンピュータ可読媒体上に有形記憶され得る。これらの有形コンピュータ可読媒体の例としては、非限定的に、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えばコンパクト・ディスクおよびデジタル・ビデオ・ディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)などが含まれ得る。
【0072】
本明細書において、一部の実施形態は、論理または一定数のコンポーネント、モジュール、またはメカニズムを含むものとして説明されている。モジュールは、ソフトウェア・モジュール(例えば(1)非一時的マシン可読媒体上または(2)伝送信号内で実施されたコード)またはハードウェア実装型モジュールのいずれかを構成し得る。ハードウェア実装型モジュールは、一定のオペレーションを行うことのできる有形ユニットであり、一定の形で構成または配置され得る。例示的実施形態において、1つ以上のコンピュータ・システム(例えば独立型、クライアントまたはサーバーコンピュータ・システム)または1つ以上のプロセッサは、ソフトウェア(例えばアプリケーションまたはアプリケーション部分)により、本明細書中に説明されている通りの一部のオペレーションを行うために動作するハードウェア実装型モジュールとして構成され得る。
【0073】
さまざまな実施形態において、ハードウェア実装型モジュールは、機械的または電子的に実装され得る。例えば、ハードウェア実装型モジュールは、(例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FRGA)などの専用プロセッサのような)恒久的に構成された専用回路網または論理、または一定のオペレーションを行うための特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。ハードウェア実装型モジュールは同様に、一定のオペレーションを行うためにソフトウェアにより一時的に構成される(例えば汎用プロセッサまたは他のプログラマブル・プロセッサ内に包含されるような)ブログラマブル論理または回路網をも含み得る。ハードウェア実装型モジュールを機械的に、専用または恒久的に構成された回路内または一時的に構成された(例えばソフトウェアによって構成された)回路網内で実装するという決定は、コストおよび時間面の考慮事項によって後押しされることが認識される。
【0074】
したがって、「ハードウェア実装型モジュール」なる用語は、それが一定の形で動作するためおよび/または本明細書中に記載の一定のオペレーションを行うために物理的に構築されたもの、恒久的に構成されたもの(例えばハードワイヤード)、または一時的または短い時間構成されたもの(例えばプログラミングされたもの)のいずれであれ、有形エンティティを包含するものとして理解されるべきである。ハードウェア実装型モジュールが一時的に構成されている(例えばプログラミングされている)実施形態を考慮すると、ハードウェア実装型モジュールの各々が時間的に任意の一インスタンスにおいて構成または初期化される必要はない。例えば、ハードウェア実装型モジュールが、ソフトウェアを用いて構成された汎用プロセッサを含む場合、この汎用プロセッサは、異なる時点でそれぞれの異なるハードウェア実装型モジュールとして構成され得る。ソフトウェアは、相応してプロセッサを例えば、1つの時間インスタンスにおいて特定のハードウェア実装型モジュールのコンポーネントとなりかつ異なる時間インスタンスにおいて異なるハードウェア実装型モジュールのコンポーネントとなるように構成することができる。
【0075】
ハードウェア実装型モジュールは、他のハードウェア実装型モジュールに対して情報を提供し、かつ他のハードウェア実装型モジュールから情報を受信することができる。したがって、説明されているハードウェア実装型モジュールは、通信可能な形で結合されているものとみなされ得る。このようなハードウェア実装型モジュールが多数同時に存在する場合、複数のハードウェア実装型モジュールを接続する通信を、(例えば適切な回路および母線上での)信号伝送を通して達成することができる。多数のハードウェア実装型モジュールが異なる時点で構成またはインスタンス化される実施形態においては、このようなハードウェア実装型モジュール間の通信は、例えば、多数のハードウェア実装型モジュールがアクセスできるメモリ構造内の情報の記憶および検索を通して達成可能である。例えば、1つのハードウェア実装型モジュールは、1つのオペレーションを行ない、そのオペレーションの出力を、このハードウェア実装型モジュールが通信可能な形で結合されているメモリ・デバイス内に記憶することができる。さらなる一ハードウェア実装型モジュールはその後、後の時点でこのメモリ・デバイスにアクセスして、記憶された出力を検索し処理することができる。ハードウェア実装型モジュールは同様に、入力または出力デバイスとの通信を開始することもでき、かつ資源についてのオペレーション(例えば情報収集)を行うことができる。
【0076】
本明細書中に記載の例示的方法のさまざまなオペレーションは、少なくとも部分的に、関連するオペレーションを行うように一時的に構成(例えばソフトウェアによる)または恒久的に構成されている1つ以上のプロセッサによって行なわれ得る。一時的に構成されているか、恒久的に構成されているかに関わらず、このようなプロセッサは、1つ以上のオペレーションまたは機能を行うように動作するプロセッサ実装型モジュールを成すことができる。本明細書中で言及されているモジュールは、一部の例示的実施形態において、プロセッサ実装型モジュールを含み得る。
【0077】
同様にして、本明細書中に記載の方法は、少なくとも部分的にプロセッサ実装型であり得る。例えば、一方法のオペレーションの少なくとも一部は、1つ以上のプロセッサまたはプロセッサ実装型モジュールによって行うことができる。いくつかのオペレーションの実施を、単一マシン内部に存在せず一定数のマシン全体に展開された1つ以上のプロセッサ間で分散させることが可能である。一部の例示的実施形態において、1つまたは複数のプロセッサが単一の場所(例えば自宅環境、事務所環境内またはサーバーファームとして)に位置設定され得、一方、他の実施形態において、プロセッサは数多くの場所全体にわたり分散され得る。
【0078】
1つ以上のプロセッサは、「クラウド・コンピューティング」環境内でまたは「サービス型ソフトウェア」(SaaS)として、関連するオペレーションの実施を支援するためにも動作し得る。例えば、少なくとも一部のオペレーションは、(プロセッサを含むマシンの例としての)一群のコンピュータによって実施され得、これらのオペレーションは、ネットワーク(例えばインターネット)を介して、および1つ以上の適切なインターフェース(例えばアプリケーション・プログラム・インターフェース(APIs))を介してアクセス可能である。
【0079】
以上の説明は、限定的ではなく例示的なものとして意図されている。例えば、上述の実施例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組合せて使用可能である。上述の説明を再検討した時点で当業者などにより、他の実施形態も使用され得る。要約書は、読者が技術的開示の内容を迅速に確認できるようにするため、37C.F.R.§1.72(b)に適合するように提供されている。それは、クレームの範囲または意味を解釈または限定するために使用されないという理解の下で提出されるものである。同様に、上述の詳細な説明では、開示を簡素化するために、さまざまな特徴がまとめられている場合がある。これは、1つの未請求の開示された特徴がいずれかのクレームにとって絶対必要であることを意図しているものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明力ある主題は、特定の開示された特定の実施形態の全ての特徴より少ないものの中にも存在し得る。