(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の開示のガラスシート案内システムは、ガラスシートの案内を改良できる。案内システムは、温度変化が大きい環境にさらされる場合でも、変化するサイズのガラスシートに一貫した案内を提供する。
【0005】
一実施形態において、案内システムは、ガラスシートとの小さな接触領域を有しかつガラスシートへの案内を行うために緊張している案内部材を含むワイヤ、ケーブル、又はリボン部材とし得る案内部材を含む。温度変化が大きい環境では、案内部材それ自体がその特性の変化にさらされる可能性がある。より詳しくは、例えば、案内部材の温度が変化するにつれ、案内部材の長さが変化することがある。例えば、案内部材の温度が上昇すると、案内部材が長くなることがある。逆に、案内部材の温度が低下すると、案内部材が短くなることがある。
【0006】
温度変化が大きい環境においても、一貫した案内を行うために、案内部材は、例えばテンション部材によって緊張状態を保持される。テンション部材は、案内部材を緊張状態に維持するように案内部材の長さの変化を補償する。
【0007】
さらに、案内部材は、緊張状態を保ちつつ、異なる幅、高さ、及び厚さを有するガラスシートを収容するように案内部材を3次元で移動させることができるように支持される。
【0008】
一態様によれば、案内部材、第1のホルダ、及び第2のホルダを含むガラスシート案内システムが提供される。案内部材は、案内部材が緊張しかつ3次元で移動可能であるように、第1のホルダと第2のホルダとに結合される。
【0009】
他の態様によれば、案内部材はテンション部材によって第1のホルダに結合される。
【0010】
他の態様によれば、テンション部材はばねである。
【0011】
他の態様によれば、案内部材は、ワイヤ、ケーブル、又はリボン部材である。
【0012】
他の態様によれば、第1のホルダは、さらに、案内部材に結合された第1のハウジング、幅調整機構、垂直調整機構、及び水平調整機構を含む。幅調整機構は、第1のハウジングを幅方向の異なる位置に配置し、これによって、3次元の第1の次元で案内部材を移動可能にするように第1のハウジングに結合される。垂直調整機構は、第1のハウジングを垂直方向の異なる位置に配置するように第1のハウジングに結合され、この場合、垂直方向は幅方向に対しほぼ直角であり、これによって、3次元の第2の次元で案内部材を移動可能にする。水平調整機構は、第1のハウジングを水平方向の異なる位置に配置するように第1のハウジングに結合され、この場合、水平方向は垂直方向及び幅方向に対しほぼ直角であり、これによって、3次元の第3の次元で案内部材を移動可能にする。
【0013】
他の態様によれば、水平調整機構は、動力供給される調整機構である。
【0014】
他の態様によれば、第1のホルダは、第1のハウジングの水平位置を決定して、この水平位置に基づき信号を出力するためのセンサをさらに含む。システムは、センサと水平調整機構とに結合された制御器をさらに含む。制御器は、信号を水平調整機構に出力することによってハウジングの水平位置を調整し、この場合、制御器からの信号出力はセンサからの信号出力に基づく。
【0015】
他の態様によれば、水平調整機構はリニアフォースアクチュエータである。システムは、さらに、リニアフォースアクチュエータが第1のハウジングの一定の位置を維持するか又は第1のハウジングに一定の力を加えるようにするように、リニアフォースアクチュエータに結合された制御器を備える。
【0016】
他の態様によれば、システムは、さらに、第2の案内部材、第3のホルダ、及び第4のホルダを含む。第2の案内部材は、第2の案内部材が緊張しかつ3次元で移動可能であるように、第3のホルダと第4のホルダとに結合される。また、第2の案内部材は、間隙を画定するように第1の案内部材に対向する。
【0017】
他の態様によれば、第3のホルダは、さらに、第2の案内部材に結合された第2のハウジング、第2の幅調整機構、第2の垂直調整機構、及び第2の水平調整機構を含む。第2の幅調整機構は、第2のハウジングを幅方向の異なる位置に配置し、これによって、3次元の第1の次元で第2の案内部材を移動可能にするように第2のハウジングに結合される。第2の垂直調整機構は、第2のハウジングを垂直方向の異なる位置に配置し、これによって、3次元の第2の次元で第2の案内部材を移動可能にするように第2のハウジングに結合される。第2の水平調整機構は、第2のハウジングを水平方向の異なる位置に配置し、これによって、3次元の第3の次元で第2の案内部材を移動可能にするように第2のハウジングに結合される。
【0018】
他の態様によれば、システムは、一方の案内部材に結合された3つのホルダを含んでもよく、ホルダは、案内部材が曲線を形成するように配置される。
【0019】
他の態様によれば、ガラスシートを案内する方法が提供される。本方法は、第1のホルダ、第2のホルダ、及び案内部材を設けるステップを含む。案内部材は、案内部材が緊張しかつ3次元で移動可能であるように、第1のホルダと第2のホルダとに結合される。本方法は、さらに、ガラスシートを案内部材に当接させるステップ、及び案内部材に対しガラスシートを移動させるステップを含む。
【0020】
他の態様によれば、本方法はさらに、第3のホルダ、第4のホルダ、及び第2の案内部材を設けるステップを含み、この場合、第2の案内部材は、第2の案内部材が緊張しかつ3次元で移動可能であるように、第3のホルダと第4のホルダとに結合される。また、第2の案内部材は、間隙を画定するように第1の案内部材に対向する。次に、本方法は、さらに、間隙を通してかつ第2の案内部材に対しガラスシートを移動させるステップを含む。
【0021】
他の態様によれば、追加のホルダが、各々の案内部材に結合され、各々の案内部材が曲線を形成するように位置決めされる。次に、本方法は、さらに、案内部材の曲線に従うようにガラスシートを、間隙を通して通過させるステップを含む。
【0022】
他の態様によれば、本方法は、さらに、案内部材を押圧してガラスシートと接触させて、ガラスシートに対する一定の力を維持するように第1のホルダを調整するステップを含む。
【0023】
上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方とも本発明の概念及び原理の例示にすぎず、特許請求されるような本発明の本質と特徴を理解するための概観又は枠組みを提供するように意図されることを理解すべきである。
【0024】
添付の図面は、本発明の原理をさらに理解するために含まれ、本明細書に組み込まれかつその一部を構成する。図面は1つ又は複数の実施形態を例示しており、説明と共に本発明の原理及び動作の説明に寄与するものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の詳細な説明では、説明のために、限定することなく、特定の詳細を開示している例示的な実施形態は、本発明の原理を完全に理解するために示されている。しかし、本発明の開示の利益を有してきた当業者には、本明細書に開示した特定の詳細から逸脱する他の実施形態において本発明を実施し得ることが明白であろう。さらに、周知の装置、方法及び材料の説明は、本発明の原理の説明を曖昧にしないように省略している場合もある。最後に、適用可能である場合、同様の参照符号は同様の要素を指す。
【0027】
温度変化が大きい環境においても、ガラスシートの一貫した案内を提供できるガラスシート案内システムが開示される。さらに、案内システムは、異なる幅、高さ、及び厚さのガラスシートの一貫した案内を提供するように調整できる。
【0028】
一実施形態において、案内システムは、ガラスシートに接触しかつガラスシートの案内を行うために緊張しているワイヤ、ケーブル、又はリボン部材とし得る案内部材を含む。温度変化が大きい環境では、案内部材それ自体がその特性の変化にさらされる可能性がある。より詳しくは、例えば、案内部材の温度が変化するにつれ、案内部材の長さが変化することがある。例えば、案内部材の温度が上昇すると、案内部材が長くなることがある。逆に、案内部材の温度が低下すると、案内部材が短くなることがある。
【0029】
温度変化が大きい環境においても、一貫した案内を行うために、案内部材は、例えばテンション部材によって緊張状態を保持される。テンション部材は、案内部材を緊張状態に維持するように案内部材の長さの変化を補償する。
【0030】
さらに、案内部材は、緊張状態を保ちつつ、異なる幅、高さ、及び厚さを有するガラスシートを収容するように案内部材を3次元で移動させることができるように支持される。
【0031】
図1〜
図3は、ガラスシート案内システムの第1の実施形態を示している。
図1を参照すると、ガラスシート12は、幅1、高さ2、及び厚さ3を有し、x軸方向に搬送通路に沿って移動する。ガラスシート12は、LCD又は他のディスプレイ製造に使用されるような任意の種類のガラスシートでもよい。
【0032】
ガラスシート12の両側に、複数のホルダ10が配置される。第1の組のホルダ10は、ガラスシート12の一方の側面に配置され、案内部材22が、搬送通路の一方の側面に当接するようにホルダの間に結合される。第2の組のホルダ10は、ガラスシート12の他方の側面に配置され、他の案内部材22が、搬送通路の第2の側面に当接するようにホルダの間に結合される。第1及び第2の組のホルダは、案内部材22が、ガラスシート12を案内するための間隙14を案内部材の間に形成するように配置される。間隙14は、ガラスシート12用の搬送通路の幅を画定する。
【0033】
この実施形態の案内部材22は、ガラスシート12と小さな接触領域を有するワイヤ又はケーブルである。ケーブルである場合、案内部材22は、編組するか又はさもなければ撚ってもよい。案内部材22が製造される材料は、特に限定されず、ガラスシート案内システムの用途に応じて変わる。すなわち、案内されるべきガラスシート12が高温にある場合、案内部材を熱抵抗性材料から製造することができる。案内部材は、金属又は非金属でもよく、ガラスシートとの摩擦を低減するようにコーティング(例えばテフロン(登録商標))を有し、これによって、案内部材及びガラスシートが互いに移動するときに案内部材がガラスシートを損傷する可能性を低減することが可能である。その代わりに又はそれに追加して、案内部材それ自体の材料を、ガラスシートの表面を損傷しないように選択することができる。案内部材22の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、卵形、又は正方形でもよく、ガラスシート12と小さな接触領域をなお維持することが可能である。
【0034】
ホルダ10の各々は、大きな温度変化にさらされるときでも案内部材22が緊張状態を保つように、案内部材22を支持するハウジング20を含む。さらに、ホルダ10は、案内部材22が緊張状態を保ちつつ、3次元で移動可能であるように、案内部材を支持する。
【0035】
案内部材22は、テンション部材24によってハウジング20に結合することが可能である。テンション部材24は、大きな温度変化の間でも案内部材22の緊張状態を維持する。より詳しくは、案内部材の温度が変化すると、案内部材22の長さが変化することがある。例えば、案内部材22の温度が上昇すると、案内部材22が長くなることがある。逆に、案内部材22の温度が低下すると、案内部材22が短くなることがある。テンション部材24は、案内部材22を緊張状態に維持するように案内部材22の長さの変化を補償することができる。案内部材22の長さの変化量、温度の上昇と共に長さが増大するか又は減少するかどうかは、案内部材が製造される材料の熱膨張係数に左右される。
【0036】
案内部材22の緊張状態を維持しつつ、案内部材22の長さの変化に対応するために、テンション部材24は例えばばねとし得る。テンション部材24がばねである場合、案内部材22の長さの減少に対応するために伸長するように、ばねを案内部材22に結合することができる。他方で、案内部材22の長さの増大に対応するために収縮するように、ばねを案内部材22に結合することができる。このようにして、案内部材22は、温度変化による長さの変化を受けるときでも緊張状態を保っている。コイルばねが示されているが、他の種類のばねを使用してもよい。
【0037】
一組の一方のホルダ10のみがテンション部材24を含んでもよいし、あるいは代わりに、案内部材22の両端のホルダの両方がテンション部材24を含んでもよい。テンション部材24は、十分な量の力が案内部材22に加えられて、ホルダ10の間で案内部材22を緊張させるように選択され、案内部材22がy軸方向のガラスシート12の移動に耐えることができるようにする。さらに、上述のように、テンション部材24は、案内部材22の緊張状態を維持しながら、温度変化による、または別の要因による、案内部材22の長さの変化に対応する。テンション部材24の代わりの機構は、空圧式又は油圧式のピストン・シリンダ装置、又は吊り下げ式重量システムを含む。
【0038】
第1の組のホルダ10は、案内部材22が3次元で、すなわち、
図1に示したx、y、z軸方向に移動可能であるように案内部材を支持する。第1の組のホルダ10と同様に、第2の組のホルダ10は、案内部材22が3次元で、すなわち、
図1に示したx、y、z軸方向に移動可能であるように案内部材を支持する。ハウジング20は、3次元で移動されるときに案内部材22が緊張状態を保つように案内部材22を支持する。案内部材22は3次元で移動可能であるので、ガラスシート案内システムは、異なる幅1、高さ2、及び厚さ3を有するガラスシート12を収容するように調整することができる。
【0039】
ホルダ10の数及び配置は変更することができる。例えば、案内部材22に接続されるものとして、2つのみのホルダ10が示されているが、一方の案内部材22に接続された組に、任意の適切な数のホルダ10を使用してもよい。同様に、ガラスシート案内システムの所定の用途のために、ガラスシート12が移動するべき距離に応じて、2つ以上の組のホルダ10を、ガラスシート12用の搬送通路の両側にx軸方向に沿って連続に配置してもよい。例えば、第3の組のホルダ10を、第1の組のホルダと同一のガラスシート12用の搬送通路の側面に、x軸方向の第1の組のホルダの下流に配置してもよい。さらに、第4の組のホルダ10を、第2の組のホルダと同一のガラスシート12用の搬送通路の側面に、x軸方向の第2の組のホルダの下流に配置してもよい。第1及び第2の組のホルダ10と同様に、ガラスシート12を案内するための間隙を形成するように、第3及び第4の組のホルダ10を配置してもよく、この場合、間隙がガラスシート12用の搬送通路の幅を画定する。さらに、任意の数の組のホルダ10を、ガラスシート12用の搬送通路の一方の側面に使用してもよい。さらに、同一又は異なる数の組のホルダ10を、ガラスシート12用の搬送通路の両側に使用してもよい。
【0040】
代わりに、1組のホルダ10を、ガラスシート12用の搬送通路の両側の対応する組のホルダ10なしに、ガラスシート12用の搬送通路の一方の側面のみに使用してもよい。このような例では、その特定の組のホルダ10と関連する間隙はない。この代替例では、案内システムは、その組のホルダが配置されるx軸に沿った点において、一方の側面からのガラスシートの移動に耐えるであろう。さらに、いくつものこれらの組のホルダ10を、ガラスシート12用の搬送通路の一方の側面のx軸に沿って配置してもよい。さらに、いくつものこれらの組のホルダ(間隙が形成されないように、対応する組のホルダなしに使用される)を、異なるx軸位置でガラスシート用の搬送通路の両側に使用してもよい。例えば、これらのホルダの一方の組(間隙が形成されないように、対応する組のホルダなしに使用される)を、第1のx軸位置でガラスシート12用の搬送通路の第1の側面に使用してもよい。次に、これらの組のホルダの他の組(間隙が形成されないように、対応する組のホルダなしに使用される)を、異なるx軸位置でガラスシート12用の搬送通路の第2の側面に使用してもよい。
【0041】
図2は、一実施形態による一方のホルダ10の側面図を示している。上述のように、ホルダ10は、案内部材22を支持するハウジング20を含む。ハウジング20内では、案内部材22は、ポスト28を有するハウジング20に取り付けられる複数の軸受部材26によって位置決めされる。軸受部材26は、ローラ、又は静止部材とし得る。ハウジング20を支持するために、ホルダ10は、さらに、床支持部30、垂直支持部40、及び水平支持部50を含む。床支持部30、垂直支持部40、及び水平支持部50は、ハウジング20、したがって、案内部材22の3次元の移動を行うように構成される。
【0042】
床支持部30は、U字形の各々の脚部に複数の穴34を有するU字形プレート32を含む。一方の脚部の穴34は、他方の脚部の穴34と対にされて、x軸方向に沿って一連の対の穴を提供する。1対の穴は、一方の脚部に穴34及び他方の脚部に穴34を含み、この場合、穴34はx軸方向の中に整列される。ピン36を任意の1対の穴34に挿入することが可能である。ピン36は、床支持部30に対し垂直支持部40を配置し、穴34と接続して幅調整機構としての機能を果たす。幅調整機構は、x軸方向のハウジング20、したがって、案内部材22の移動を可能にする。
【0043】
垂直支持部40は、下部セクション42、上部セクション44、及び下部セクションと上部セクションとの間に結合されたアクチュエータ46を含む。下部セクション42は、プレート32の様々な対の穴34と整列することができる穴43を含む。したがって、ピン36は、上述のように、一方の穴34を通して、穴43を通して、かつ他の穴34を通して挿入し、これによって、床支持部30に対し垂直支持部40を配置することができる。この実施形態では、アクチュエータ46は、例えば、油圧式又は空圧式のピストン・シリンダ装置、電気モータ、又はCarlsbad、CAのSMACから入手可能なリニアフォースアクチュエータのような動力供給されるアクチュエータである。リニアフォースアクチュエータは、その中に感知装置を有し、一定の位置を維持するように、又は一定の力を加えるように操作することができる。アクチュエータ46は、下部セクション42及び上部セクション44をz軸方向に互いに移動させるように、下部セクション42と上部44とに結合され、したがって、垂直調整機構として作用する。垂直調整機構は、z軸方向のハウジング20、したがって、案内部材22の移動を可能にする。
【0044】
水平支持部50は、スライド52、ブロック54、及びアクチュエータ56を含む。ブロック54は、ハウジング20をスライド52に結合する。この実施形態では、ブロック54、ハウジング20、及びスライド52は互いに移動しない。アクチュエータ56は、垂直支持部40のスライド52と上部セクション44とに結合される。垂直支持部40のアクチュエータ46と同様に、この実施形態の水平支持部50のアクチュエータ56は、例えば、油圧式又は空圧式のピストン・シリンダ装置(例えば、この場合、シリンダは上部セクション44に結合してもよく、シリンダ内に配置されたピストンはスライド52に結合される)、電気モータ、又はCarlsbad、CAのSMACから入手可能なリニアフォースアクチュエータのような動力供給されるアクチュエータである。リニアフォースアクチュエータは、その中に感知装置を有し、一定の位置を維持するように、又は一定の力を加えるように操作することができる。アクチュエータ56は、スライド52、したがって、ハウジング20及び案内部材22を上部セクション44に対しかつy軸方向に沿って移動させ、したがって、水平調整機構として作用する。
【0045】
図3は、ハウジング20の位置、これによって、案内部材22の位置を制御するための装置を概略的に示している。制御器8は、アクチュエータ46、56に、及びセンサ6に結合される。
【0046】
制御器8は、例えば、汎用又は特定目的のコンピュータとし得る。制御器8は、センサ6から入力を受け取り、アクチュエータがリニアフォースアクチュエータである場合、アクチュエータ46及び/又は56から入力を受け取ることが可能である。制御器8はまた、アクチュエータ46及び/又は56に入力を提供して、所望の方法でそれらアクチュエータを操作する。制御器8は、一方のハウジング20のアクチュエータ46と56に結合されるものとして示されているが、制御器8は、ガラスシート案内システムに存在する任意の数のハウジング20のアクチュエータ46、56に結合してもよい。
【0047】
アクチュエータ46、56は、ハウジング20と結合されるものとして
図3に概略的に示されている。アクチュエータの配置、及びアクチュエータがシート案内システムの他の要素に機械的にいかに結合されるについては、本出願及び関連する説明の他の図が参照される。
【0048】
センサ6は、リニアフォースアクチュエータの代わりとして又はその追加として使用してもよい。センサ6は、例えば、ガラスシート12に対し、他のハウジングに対し、又は他の基準点に対しハウジングの位置を検出するように、ハウジング20に配置することが可能である。次に、センサ6は制御器8に位置情報を提供する。センサ6は、ニュージャージー州、ウッドクリフレイク所在のKeyence Corporation of Americaから入手可能であるような共焦点レーザーゲージとし得る。センサ6は、ハウジング20の位置の精度を高めるために、リニアフォースアクチュエータと接続して使用してもよい。センサ6は、1組のホルダ10の一方のみのハウジング20に配置してもよいし、あるいは1組のホルダ10の各々のハウジング20に配置してもよい。同様に、センサ6は、一方の組のホルダ10のみに配置してもよいし、あるいは2つ以上の組のホルダ10に使用してもよい。
【0049】
各々の組のホルダ10は、互いに同一の構造を有してもよいし、あるいは異なる構造を有してもよい。同様に、一方の組のホルダ10は、第2の組のホルダと同一の構造を有してもよいし、あるいは異なる構造を有してもよい。
【0050】
第1の実施形態のガラスシート案内システムは、以下のように動作する。
【0051】
ガラスシート12は、ガラスシート12が案内部材22の間の間隙14に配置されるように、x軸方向に搬送通路に沿って移動される。ガラスシート12は、例えば、クランプによってガラスシート12の頂部に結合されたコンベヤシステムによって移動させることが可能である。しかし、特定の搬送機構は特に限定されない。複数のガラスシート12は、連続して、すなわち、x軸方向の搬送通路に沿って互いに追随して、案内システムを通して搬送通路に沿って移動させることができる。ガラスシート12がx軸方向に搬送通路に沿って移動するとき、ガラスシートは、案内部材22によって案内され、案内部材に対し移動する。案内部材22は、y軸方向のガラスシート12の移動に耐えることができる。
【0052】
案内部材22の長さ及び/又は位置は、異なる幅1、高さ2、及び厚さ3を有するガラスシート12を収容するように調整することができる。
【0053】
異なる幅1を有するガラスシートを収容するために、ガラスシート12を案内するために利用可能な案内部材22の長さ、すなわち、一方の組のホルダ10のハウジングの間の案内部材22の長さを調整することができる。案内部材22のこの長さを変更するために、x軸方向のハウジング20の位置を調整することができる。より大きな幅1を有するガラスシート12を案内するために、各々の組のハウジング20をx軸方向に互いに離して移動させることが可能である。より小さな幅を有するガラスシート12を案内するために、各々の組のハウジング20をx軸方向に互いに向かって移動させることが可能である。
【0054】
x軸に沿ったハウジング20の位置は、例えば、幅調整機構によって調整することができる。上述のように、幅調整機構は、床支持部30のプレート32にピン36及び穴34を含む。ピンは、一方の穴34を通って、垂直支持部40の下部セクション42の穴43を通って、次に他の穴34を通って延在する。異なる対の穴34の間にピン36を移動させることによって、垂直支持部40は、x軸方向の異なる位置に配置することができる。ハウジング20は垂直支持部40に結合されるので、ハウジング20はまた、x軸方向の異なる位置に配置される。一方の組のホルダのハウジング20をx軸方向に移動させることにより、ガラスシート12の幅1を最善に収容するようにハウジング20の間の距離を調整することが可能になる。
【0055】
一方の組のホルダの2つのハウジング20を移動する代わりに、ハウジング20の一方のみを組の他方のハウジング20に対し移動させてもよい。さらに、案内部材22の位置は、x軸に沿って同一の方向に一方の組のハウジング20を移動させることによって、x軸に沿って移動させることが可能である。
【0056】
x軸方向のハウジング20の位置を調整する場合、テンション部材24は、異なる長さを有する案内部材22が不要であるように変化を補償するのに十分であり得る。代わりに、x軸方向のハウジング20の位置を調整する場合、異なる長さを有する案内部材22を使用してもよい。例えば、一方の組のハウジング20をx軸方向に互いに離して移動させる場合、より長い案内部材22を使用してもよい。逆に、一方の組のハウジング20をx軸方向に互いに向かって移動させる場合、より短い案内部材22を使用してもよい。
【0057】
異なる高さ2を有するガラスシート12を案内するために、z軸に沿った案内部材22の位置を移動させることができる。すなわち、ガラスシート12は、ガラスシート12の頂部に取り付けられたコンベヤから吊り下がり、コンベヤによって移動されることが可能であり、この場合、コンベヤは床支持部30の上方の固定距離にある。したがって、異なる高さ2を有するガラスシート12を案内するために、床支持部30の上方の案内部材22のz軸位置を調整することができる。
【0058】
案内部材22のz軸位置を変更するために、その案内部材22を支持するハウジング20のz軸位置が変更される。各々のハウジング20のz軸位置は、例えば、アクチュエータ46を含む垂直調整機構によって変更することができる。アクチュエータ46は、垂直支持部40の上部セクション44及び下部セクション42のz軸位置を互いに変更し、これによって、垂直支持部40に結合されたハウジング20のz軸位置を調整することができる。例えば、アクチュエータ46が、上部セクション44及び下部セクション42を互いに離して移動させるとき、ハウジング20はz軸方向に上向きに移動する。逆に、アクチュエータが、上部セクション44及び下部セクション42を互いに向かって移動させるとき、ハウジング20はz軸方向に下向きに移動する。このように、一方の組のホルダのハウジング20を上向き又は下向きに移動させることによって、案内部材22のz軸位置もまた、上向き又は下向きに移動される。
【0059】
一方の組のホルダ10のアクチュエータ46は、別個に制御することが可能である。したがって、一方の組のホルダ10のハウジング20のz軸位置は、別個に調整することが可能であり、また同一又は異なる量だけ調整可能である。代わりに、一方の組のホルダ10のアクチュエータ46は、一方の組のハウジング20を同一の量だけ移動させるように共に制御してもよい。
【0060】
第1及び第2の組のホルダ10のアクチュエータ46は、ガラスシート12の両側の案内部材22を同一又は異なるz軸位置に配置し得るように、別個に動作可能である。代わりに、第1及び第2の組のホルダ10のアクチュエータ46は、第1及び第2の組のホルダ10の案内部材22の対応するz軸位置を維持するように共に制御してもよい。
【0061】
異なる厚さ3を有するガラスシート12を案内するために、ガラスシート12用の搬送通路の両側の案内部材22の位置は、y軸方向に変更される。一般に、間隙14は、厚さ3にほぼ等しいか又はより大きいように設定される。したがって、より大きな厚さ3を有するガラスシートを案内するために、間隙14は、案内部材22をy軸方向に互いに離して移動させることによって増大される。同様に、より小さな厚さ3を有するガラスシート12を案内するために、間隙14は、案内部材22をy軸方向に互いに向かって移動させることによって小さくされる。案内部材22は、案内部材22の一方又は両方を移動させることによって、互いに向かって又は離して移動させることが可能である。
【0062】
案内部材22のy軸位置を変更するために、その案内部材22を支持するハウジング20のy軸位置が変更される。各々のハウジング20のy軸位置は、例えば、アクチュエータ56を含む水平調整機構によって変更することができる。アクチュエータ56は、スライド52(及びスライド52に結合されたハウジング20)をy軸方向に沿って前後に移動させるように、上部セクション44とスライド52とに結合される。
【0063】
案内部材22のy軸位置は、一定の間隙14を維持するように、又はガラスシート12に対し一定の力を維持するように変更してもよい。アクチュエータ56は、ハウジング20のy軸位置を維持することによって間隙14の一定のサイズを維持するように制御することができる。さらに、アクチュエータ56としてリニアフォースアクチュエータ(圧力センサを含む)を使用する場合、案内部材22がガラスシート12に接触して、ガラスシート12に対する一定の力を維持するようにさせるように、ハウジング20をy軸方向にガラスシートに向かって連続的に付勢することができる。
【0064】
この実施形態又は他の実施形態の動力供給されるアクチュエータは、自動調整又は手動調整を可能にするように制御器8によって制御することが可能である。
【0065】
自動調整のために、アクチュエータ56にリニアフォースアクチュエータを使用してもよく、かつ、制御器8によってリニアフォースアクチュエータを制御して、一定の位置を維持するか、又は一定の力を加えてもよい。より詳しくは、制御器8は、リニアフォースアクチュエータがハウジング20を一定の位置に維持し、これによって、一定の間隙14を維持するようにさせてもよい。代わりに、制御器8は、リニアフォースアクチュエータがリニアフォースアクチュエータの感知能力に基づき、y軸方向に一定の力をハウジング20に加えるようにしてもよい。次に、リニアフォースアクチュエータによってハウジング20に加えられる一定の力のため、次に、案内部材22は、ガラスシートが案内部材22に対し移動するときに一定の力をガラスシート12に加える。
【0066】
リニアフォースアクチュエータの代わりとして、又はその追加として、制御器8の入力としてセンサ6を使用してもよい。センサ6は、例えば、ガラスシート12に対し、他のハウジングに対し、又は他の基準点に対しハウジングの位置を検出するように、ハウジング20に配置することが可能である。次に、センサ6の出力、及び所望の制御機能に基づき、制御器8は、ハウジング20を一定の位置に維持し、これによって、一定の間隙14を維持するように、アクチュエータ56を操作するための信号を提供することが可能である。センサ6は、ハウジング20の位置の精度を高めるために、リニアフォースアクチュエータと接続して使用してもよい。
【0067】
手動モードでは、制御器8は、アクチュエータ46と56を制御することによって、ハウジング20、したがって案内部材22の位置を設定するための入力として簡単に使用することが可能である。
【0068】
上述のように、ガラスシート案内システムは、ガラス基板上のプリントエレクトロニクスのように連続的な製造工程が使用されるガラスシートを案内するために使用することができる。さらに、ガラスシート案内システムは、形成、検査、仕上げ、又は包装の領域を含むLCDガラス製造のようなすべての領域のガラスシート製造に、すなわち、ガラスシート案内が有益である任意の場合に使用できるであろう。さらに、ガラスシート案内システムは、エッジビードをガラスシートから連続的に取り除くための工程に使用してもよく、この場合、案内システムは、ガラスシートそれ自体からエッジビード部分を話すような方向付けを補助するであろう。
【0069】
図4と
図5は、ガラスシート案内システムの第2の実施形態を示している。この実施形態では、第1の実施形態の説明に使用されたのと同様の参照符号は、同様の部分を示し、この場合の説明は、第1の実施形態と異なる点に集中する。
【0070】
搬送通路に沿って移動するガラスシート12の両側に、複数のホルダ10’が配置される。第1の組のホルダ10’は、ガラスシート12の一方の側面に配置され、案内部材22が、ガラスシート12用の搬送通路の一方の側面に当接するようにホルダの間に結合される。第2の組のホルダ10’は、ガラスシート12の他方の側面に配置され、他の案内部材22が、ガラスシート12用の搬送通路の第2の側面に当接するようにホルダの間に結合される。第1及び第2の組のホルダは、案内部材22が、ガラスシート12が案内される間隙14を案内部材の間に形成するように配置される。間隙14は、ガラスシート12用の搬送通路の幅を画定する。ガラスシート12は厚さ3を有し、間隙14は、厚さ3にほぼ等しいか又はより大きいように設定される。
【0071】
図5は、ガラスシート案内システムの第2の実施形態による1つのホルダ10’の側面図を示している。ホルダ10’は、案内部材22を支持するハウジング20を含む。
【0072】
図4と
図5の実施形態において、案内部材22、テンション部材24、及びハウジング20は、
図1〜
図3に関連して上述した同様の要素と同様であり、したがって、それらのさらなる説明はここでは省略する。
【0073】
ハウジング20は、床支持部30、垂直支持部40’、及び水平支持部50’によって支持されるので、ハウジング20(したがって、それに結合された案内部材22)は、ガラスシート12と床支持部30とに対し3次元で移動することができる。案内部材22は3次元で移動可能であるので、案内部材22の位置は、異なる幅1、高さ2、及び厚さ3を有するガラスシート12を収容するように調整することができる。
【0074】
床支持部30は、
図1〜
図3に関連して上述したのと同様であり、したがって、さらなる説明はここでは省略する。
【0075】
垂直支持部40’は、下部セクション42’、上部セクション44’、及び下部セクションと上部セクションとを共に結合するためのピン48を含む。下部42’は、プレート32の様々な対の穴34と整列することができる穴43’を有するポストとして形成される。したがって、ピン36は、上述のように、一方の穴34を通して、穴43’を通して、また他の穴34を通して挿入し、これによって、床支持部30に対し垂直支持部40’を配置することができる。さらに、下部セクション42’は、z軸方向に互いに離間した複数の穴47を含む。上部セクション44’は、下部セクション42’に嵌合する中空部材であり、複数の穴49を有する。上部セクション44’の一方の側面(例えば、
図5の左)の穴49は、y軸方向の真直な通路を形成するように、上部セクション44’の他方の側面(例えば、
図5の右)の穴49と対にされる。一対の穴49は、z軸方向に互いに離間している。ピン48を、一方の穴49、穴47、及び第2の穴49を通してy軸方向に挿入して、上部セクション44’に対し下部セクション42’を保持し得るように、穴49の様々な対を穴47の様々な対と整列することが可能である。穴49に対する穴47の整列を変更することによって、例えば、上部セクション44’と下部セクション42’とを互いにスライドさせることによって、ハウジング20をz軸方向の様々な位置に配置することが可能である。このように、穴47、49及びピン48は、異なる高さ2を有するガラスシート12を収容するように、ハウジング20用の垂直調整機構を提供する。
【0076】
下部セクション42’はポストを含むものとして開示され、上部セクション44’はポストに嵌合する中空部材を含むものとして開示されているが、この構成を逆にしてもよい。同様に、他の構成も可能である。
【0077】
水平支持部50’は、ブロック54’、マウント55、及びアクチュエータ56’を含む。ブロック54’は、ハウジング20に固定して結合され、マウント55に沿って摺動するように構成される。マウント55は、垂直支持部40’の上部セクション44’に固定して結合される。アクチュエータ56’は、マウント55に対しy軸方向に固定されるねじ部材であり、ブロック54’にねじ係合する。したがって、アクチュエータ56’を回転させることによって、ブロック54’及びハウジング20は、ガラスシート12に向かってまたそれから離してy軸方向に移動させることができる。アクチュエータ56’は、したがって、水平調整機構である。間隙14を横切って、ハウジング20と反対側のハウジングに対しy軸方向に、ハウジング20を移動させることによって、ガラスシート案内システムが異なる厚さ3のガラスシート12を案内できるように、間隙14のサイズを変更することができる。
【0078】
図1〜
図3の実施形態と関連して上述したホルダ10の数及び配置の変化と同様に、ホルダ10’の数及び配置を変更することが可能である。例えば、案内部材22に接続されるものとして、2つのみのホルダ10’が示されているが、一方の案内部材22に接続された組に、任意の適切な数のホルダ10’を使用してもよい。同様に、ガラスシート案内システムの所与の用途のために、ガラスシート12が移動するべき距離に応じて、2つ以上の組のホルダ10’を、ガラスシート12用の搬送通路の両側にx軸方向に沿って連続に配置してもよい。例えば、第3の組のホルダ10’を、第1の組のホルダと同一のガラスシート12の搬送通路の側面に、x軸方向の第1の組のホルダの下流に配置してもよい。さらに、第4の組のホルダ10’を、第2の組のホルダと同一のガラスシート12の搬送通路の側面に、x軸方向の第2の組のホルダの下流に配置してもよい。第1及び第2の組のホルダ10’と同様に、ガラスシート12を案内するための間隙を形成するように、第3及び第4の組のホルダ10’を配置してもよい。さらに、任意の数の組のホルダ10’をガラスシート12の搬送通路の一方の側面に使用してもよい。さらに、ガラスシート12の搬送通路の両側で同一又は異なる数の組のホルダ10’を使用してもよい。
【0079】
代わりに、1組のホルダ10’を、ガラスシート12の搬送通路の反対側に対応する組のホルダ10’なしに、ガラスシート12の搬送通路の一方の側面のみに使用してもよい。このような例では、その特定の組のホルダ10’と関連する間隙はない。この代替例では、案内システムは、その組のホルダが配置されるx軸に沿った点において、一方の側面からのガラスシートの移動に耐えるであろう。さらに、いくつものこれらの組のホルダを、ガラスシートの搬送通路の一方の側面のx軸に沿って配置してもよい。さらに、いくつものこれらの組のホルダ(間隙が形成されないように、対応する組のホルダなしに使用される)を、異なるx軸位置でガラスシートの搬送通路の両側に使用してもよい。例えば、これらのホルダの一方の組(間隙が形成されないように、対応する組のホルダなしに使用される)を、第1のx軸位置でガラスシート12の搬送通路の第1の側面に使用してもよい。次に、これらのホルダの他の組(間隙が形成されないように、対応する組のホルダなしに使用される)を、異なるx軸位置でガラスシート12の搬送通路の第2の側面に使用してもよい。
【0080】
ホルダ10’の構造も変更することが可能である。すなわち、一方の組のホルダ10’は、互いに同一の構造を有してもよいし、あるいは異なる構造を有してもよい。例えば、第2の実施形態は、手動アクチュエータを有するホルダ10’を示しているが、一方のホルダは手動アクチュエータを有してもよく、他のホルダは、動力供給されるアクチュエータを有してもよい。同様に、第2の実施形態は、一方のホルダ10’内の1つのみの種類のアクチュエータ(手動)を示しているが、ホルダは、動力供給されるアクチュエータと手動アクチュエータとの組み合わせを含んでもよい。さらに、一方の組のホルダ10’は、他の組のホルダ10’と異なる構造を有してもよい。
【0081】
この実施形態に記載したガラスシート案内システムの操作は、
図1〜
図3の実施形態と関連して説明した実施形態と同様である。しかし、1つの違いは、この実施形態の垂直及び水平調整機構のアクチュエータ46’と56’が、動力供給される代わりに手動操作されることである。それにもかかわらず、
図1〜
図3の実施形態と関連して上述したのと同様の方法で、案内部材22の位置を、幅調整機構、垂直調整機構、及び水平調整機構の動作によって3次元で変更することができる。
【0082】
図6と
図7は、ガラスシート案内システムの第3の実施形態を示している。この実施形態では、他の実施形態で使用したのと同様の参照符号は、同様の部分を示し、それらの説明はここでは省略する。ここでの説明は、第1及び第2の実施形態と異なる点に集中する。
【0083】
ガラスシート12の両側に、x軸方向に搬送通路に沿って移動して、複数のホルダ10’が配置される。第1の組のホルダ10’は、ガラスシート12の一方の側面に配置され、案内部材22が、搬送通路の一方の側面に当接するようにホルダの間に結合される。第2の組のホルダ10’は、ガラスシート12の他方の側面に配置され、他の案内部材22が、搬送通路の第2の側面に当接するようにホルダの間に結合される。第1及び第2の組のホルダは、案内部材22が、ガラスシート12が案内される間隙14を案内部材の間に形成するように配置される。間隙は、搬送通路の幅を画定する。ガラスシート12は厚さ3を有し、間隙14は、厚さ3にほぼ等しいか又はより大きいように設定される。
【0084】
この実施形態では、一方の組の複数のホルダ10’がy軸方向に互いに変位され、この結果、案内部材22は曲線通路に従う。第2の組の複数のホルダ10’も、y軸方向に互いに変位されるように配置され、この結果、2つの組のホルダ10’は、対応するx軸位置において、間隙14を維持するようにy軸方向の同様の変位を有する。すなわち、第2の組のホルダ10’は、案内部材22が第1の組の案内部材22と同様の曲線通路に従うが、間隙14だけ第1の組の案内部材22に対し変位されるように配置される。
【0085】
上述のようにホルダ10’を配置することによって、ガラスシート12を曲線通路に沿って案内することができる。ガラスシート12は、ガラスシート12が曲線通路に従うように可撓性であることができ、又はそれ自体曲率を有してもよい。ガラスシート12が曲率を有し、剛性である場合、案内部材22がガラスシート12の曲率にほぼ合う曲率を有するように、ホルダ10’を配置することができる。
【0086】
図6と
図7では、ホルダ10’は、ホルダの床支持部30の異なる配置によってy軸方向に互いに変位される。代わりに、水平支持部50’を調整することによって、同様の効果を達成することができる。すなわち、ホルダの床支持部30が同一のy軸位置にあるように、しかしホルダのハウジング20のy軸位置を変更するようにホルダの水平支持部50’が調整されるように、組のホルダ10’を配置することによって、案内部材22を曲線通路に従うようにすることができる。
【0087】
案内部材22の所望の曲率を得るために、任意の数のホルダ10’を一方の組に使用してもよい。一般に、よりきつい曲率半径を達成するために、より多くのホルダ10’を使用し得る。
【0088】
図1〜
図3の実施形態と関連して上述した配置の変化と同様に、この実施形態のホルダ10’の配置を変更してもよい。例えば、ガラスシート案内システムの所与の用途のために、ガラスシート12が移動するべき距離に応じて、2つ以上の組のホルダ10’を、ガラスシート12用の搬送通路の両側にx軸方向に沿って連続に配置してもよい。例えば、第3の組のホルダ10’を、第1の組のホルダと同一のガラスシート12の搬送通路の側面に、x軸方向の第1の組のホルダの下流に配置してもよい。さらに、第4の組のホルダ10’を、第2の組のホルダと同一のガラスシート12の搬送通路の側面に、x軸方向の第2の組のホルダの下流に配置してもよい。第1及び第2の組のホルダ10’と同様に、ガラスシート12を案内するための間隙を形成するように、第3及び第4の組のホルダ10’を配置してもよい。間隙14は、搬送通路の幅を画定する。さらに、任意の数の組のホルダ10’をガラスシート12の搬送通路の一方の側面に使用してもよい。さらに、ガラスシート12の搬送通路の両側で同一又は異なる数の組のホルダ10’を使用してもよい。
【0089】
代わりに、1組のホルダ10’を、ガラスシート12の搬送通路の反対側に対応する組のホルダ10’なしに、ガラスシート12の搬送通路の一方の側面のみに使用してもよい。このような例では、その特定の組のホルダ10’と関連する間隙はない。この代替例では、案内システムは、その組のホルダが配置されるx軸に沿った点において、一方の側面からのガラスシートの移動に耐えるであろう。さらに、いくつものこれらの組のホルダを、ガラスシートの搬送通路の一方の側面のx軸に沿って配置してもよい。さらに、いくつものこれらの組のホルダ(間隙が形成されないように、対応する組のホルダなしに使用される)を、異なるx軸位置でガラスシートの搬送通路の両側に使用してもよい。例えば、これらのホルダの一方の組(間隙が形成されないように、対応する組のホルダなしに使用される)を、第1のx軸位置でガラスシート12の搬送通路の第1の側面に使用してもよい。次に、これらのホルダの他の組(間隙が形成されないように、対応する組のホルダなしに使用される)を、異なるx軸位置でガラスシート12の搬送通路の第2の側面に使用してもよい。
【0090】
ホルダ10’の構造も変更することが可能である。一方の組のホルダ10’は、互いに同一の構造を有してもよいし、あるいは異なる構造を有してもよい。例えば、第3の実施形態は、手動アクチュエータを有するホルダ10’を示しているが、一方のホルダは手動アクチュエータを有してもよく、他のホルダは、動力供給されるアクチュエータを有してもよい。同様に、第3の実施形態は、一方のホルダ10’内の1つのみの種類のアクチュエータ(手動)を示しているが、ホルダは、動力供給されるアクチュエータと手動アクチュエータとの組み合わせを含んでもよい。代わりに、ホルダのいずれか又はすべては、第1の実施形態のホルダ10として構成してもよいし、あるいは動力アクチュエータのみを含んでもよい。
【0091】
図8と
図9は、案内部材の代替実施形態を示している。この実施形態では、他の実施形態で使用したのと同様の参照符号は、同様の部分を示し、それらの説明はここでは省略する。ここでの説明は、上述の実施形態とは異なる点に集中する。
【0092】
ガラスシート12の両側に、x軸方向に搬送通路に沿って移動して、複数のホルダ10’が配置される。第1の組のホルダ10’は、ガラスシート12の一方の側面に配置され、案内部材22’が、搬送通路の一方の側面に当接するようにホルダの間に結合される。第2の組のホルダ10’は、ガラスシート12の他方の側面に配置され、他の案内部材22’が、搬送通路の第2の側面に当接するようにホルダの間に結合される。第1及び第2の組のホルダは、案内部材22’が、ガラスシート12が案内される間隙14を案内部材の間に形成するように配置される。間隙は、搬送通路の幅を画定する。ガラスシート12は厚さ3を有し、間隙14は、厚さ3にほぼ等しいか又はより大きいように設定される。
【0093】
この実施形態では、案内部材22’は、
図9に示したような厚さ21、高さ23を有する薄い平坦なリボン部材である。厚さ21は、高さ23よりも小さいので、案内部材22’は、ガラスシート12の表面との比較的小さな接触領域を有する薄い平坦なリボン部材を形成する。案内部材22’は、例えば、焼戻しばね鋼から製造することが可能であるが、材料は特に限定されない。その代わりに、案内部材22と同様に、案内部材22’が製造される材料は、ガラスシート案内システムの用途に応じて変更してもよい。すなわち、案内されるべきガラスシート12が高温にある場合、案内部材22’を熱抵抗性材料から製造することができる。案内部材22’は、金属又は非金属でもよく、コーティングを有してもよいし、有しなくてもよい。その代わりに又はそれに追加して、材料は、ガラスシートの表面を損傷しないように選択することができる。最後に、案内部材22’の断面形状は、高温環境において一定の状態を保つべきである。
【0094】
複数の組のホルダ10’の位置、数、及び構造(組内の個々のホルダの構造を含む)は、それらの変形を含めて、
図4と
図5の実施形態に関し上述したのと同一であることができる。したがって、複数の組のホルダの位置、数、及び構造(組内の個々のホルダの構造を含む)の特定の詳細は、それらの変形を含めて、ここでは説明しない。
【0095】
本発明の上述の実施形態、特に任意の「好ましい」実施形態は、可能な例にすぎず、本発明の原理の明瞭な理解のために説明されるにすぎないことを強調したい。本発明の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、本発明の上述の実施形態に多くの変更と修正をなし得る。すべてのこのような修正及び変形は、本明細書では、本開示及び本発明の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されるように意図される。
【0096】
例えば、幅調整は手動であるとして示されているが、自動的な幅調整を行うように、動力供給されるアクチュエータを床支持部と垂直支持部との間に配置してもよい。
【0097】
さらに、例えば、特定の構造の手動調整機構が開示されているが、手動調整機構の任意のものは、調整ノブ及びロックピン、止めねじ及びスライド装置、スライド及びロック装置、スライドに取り付けられたクランクねじ、あり継ぎスライドに取り付けられた調整ボルトのような変形例を含んでもよい。
【0098】
さらに、例えば、垂直配向のガラスシートを案内するものとして示されているが、本明細書に開示したシート案内システムは、水平に配向されたガラスシートを案内するために使用できるであろう。
【0099】
さらに、ガラスシートが案内部材に対し移動するようにホルダに結合されるものとして、案内部材は記載されているが、案内部材を異なって配置してもよい。例えば、ガラスシートと接触するときに、ガラスシートが搬送されるにつれ案内部材がガラスシートと共に移動するように、案内部材は、ホルダに結合された無限ループとして設けることが可能である。このような構成では、案内部材が、組の一方のホルダのプーリの周りを循環し、次に、再び循環するようにガラスシートに接触することなく組の他のホルダの他のプーリに延在するようにさせてもよい。案内部材のこのような構成では、プーリの位置を移動させ、これによって、案内部材の長さの変化を補償するように、テンション部材を、案内部材が周りを循環するそのプーリの一方に結合してもよい。