特許第6505894号(P6505894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6505894
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】レーザー式固定部材
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/88 20060101AFI20190415BHJP
   A61L 31/04 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
   A61B17/88
   A61L31/04
【請求項の数】15
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2018-41675(P2018-41675)
(22)【出願日】2018年3月8日
(62)【分割の表示】特願2016-500781(P2016-500781)の分割
【原出願日】2014年3月7日
(65)【公開番号】特開2018-138165(P2018-138165A)
(43)【公開日】2018年9月6日
【審査請求日】2018年3月8日
(31)【優先権主張番号】61/777,508
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/796,084
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レウエンバーガー・サムエル
(72)【発明者】
【氏名】シュミッドリ・ディーター
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−538707(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0245819(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/095327(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0157977(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56−17/92
A61B 17/03−17/04
A61L 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的手術部位に植え込まれるように構成された固定部材であって、
前記固定部材は、レーザーを吸収するように構成された、ポリマー組成物と物質とを有する固定部材本体を有し、
前記固定部材本体は、クラス2、3又は4のレーザー光線からエネルギーを受容し、前記レーザー光線から受容したエネルギーに応じて前記標的手術部位で軟化するように構成され、前記固定部材本体が、最大2.0重量%の前記物質を含み、前記固定部材本体は、クラス1のレーザー光線のエネルギーを超えないエネルギーを放射するのに充分な量の前記受容したエネルギーを吸収するように構成され
前記固定部材が、後端と、固定部材の軸に沿って前記後端から間隔をおいた挿入端との間に延び、前記後端が、レーザー光線を放射するように構成されたレーザー装置と嵌合するように構成された構造を画定し、
前記固定部材の前記後端が、ヘッド、前記固定部材の軸に沿って前記ヘッドから遠位方向に間隔をおいた隆起部、及び前記ヘッドと前記隆起部との間に配置されたネックを有する、固定部材。
【請求項2】
前記ポリマー組成物は、前記物質にブレンドされる、請求項1に記載の固定部材。
【請求項3】
前記物質のコーティングは、前記ポリマー組成物上に配置される、請求項1に記載の固定部材。
【請求項4】
前記ポリマー組成物は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸グリコール酸共重合体(PGLA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカプロラクトン(PCL)の1つ以上を有する、請求項1に記載の固定部材。
【請求項5】
前記固定部材本体が0.75重量%の、前記物質を含む、請求項1に記載の固定部材。
【請求項6】
前記物質は、青色6号を含む、請求項1に記載の固定部材。
【請求項7】
前記固定部材本体は、後端と、固定部材の軸に沿って前記後端から間隔をおいた挿入端とを有し、前記後端が、レーザー光線を放射するように構成されたレーザー装置と嵌合するように構成された構造を画定する、請求項1に記載の固定部材。
【請求項8】
前記固定部材が前記レーザー装置と嵌合される際、前記レーザー装置及び前記固定部材が前記レーザー光線を包囲するように構成され、前記レーザー装置が前記レーザー光線を放射する際に前記レーザー光線が使用者の目に見えない、請求項7に記載の固定部材。
【請求項9】
前記固定部材本体は、近位端と、長手方向軸に沿って前記近位端から間隔をおいた遠位端とを有し、前記固定部材本体は、前記長手方向軸に沿って前記近位端から前記遠位端に延びる挿管部を確定している、請求項1に記載の固定部材。
【請求項10】
標的手術部位に植え込まれるように構成された固定部材であって、
前記固定部材は、クラス2、3又は4のレーザー光線からエネルギーを受容し、前記レーザー光線から受容したエネルギーに応じて前記標的手術部位で軟化するように構成された固定部材本体を有し、前記固定部材本体は、クラス1のレーザー光線のエネルギーを超えないエネルギーを放射するのに充分な量の前記受容したエネルギーを吸収するように構成され、
前記固定部材が、後端と、固定部材の軸に沿って前記後端から間隔をおいた挿入端との間に延び、前記後端が、レーザー光線を放射するように構成されたレーザー装置と嵌合するように構成された構造を画定し、
前記固定部材の前記後端が、ヘッド、前記固定部材の軸に沿って前記ヘッドから遠位方向に間隔をおいた隆起部、及び前記ヘッドと前記隆起部との間に配置されたネックを有する、固定部材。
【請求項11】
前記ヘッドが第1の断面寸法を画定し、前記ネックが第2の断面寸法を画定し、前記隆起部が第3の断面寸法を画定し、前記第2の断面寸法が、前記第1の断面寸法及び前記第3の断面寸法の少なくとも一方よりも小さい、請求項10に記載の固定部材。
【請求項12】
前記第2の断面寸法が、前記第1の断面寸法及び前記第3の断面寸法のいずれよりも小さい、請求項11に記載の固定部材。
【請求項13】
前記固定部材本体は、レーザーを吸収するように構成された、ポリマー組成物と物質とを有する、請求項10に記載の固定部材。
【請求項14】
前記ポリマー組成物は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸グリコール酸共重合体(PGLA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカプロラクトン(PCL)の1つ以上を有する、請求項13に記載の固定部材。
【請求項15】
前記物質は、青色6号を含む、請求項13に記載の固定部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2013年3月12日出願の米国特許出願第13/796,084号、及び2013年3月12日出願の米国特許出願第61/777,508号に基づく優先権及びその利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、レーザー式固定部材係留装置、固定部材システム、及び方法、並びに特にレーザー式固定部材係留装置を作動させるためのシステム、及び固定部材を組織及び/又はインプラントに固定するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
外科医が骨固定手術及びそれに関連する固定部材を選択する際には多くの要因が考慮される。いくつかの重要な考慮点としては、外傷によりもたらされる適応症、手術の侵襲性、組織再生のおおよその速度、外傷の位置及びアクセシビリティー、並びに器具の複雑さが挙げられる。外科医は、時として、手術の複雑さのみのために、それ以外の点では現実的な固定法及び固定部材のタイプを考慮から外す場合がある。
【0004】
レーザーはその使用にともなう複雑さにも関わらず、外科手術において益々使用されつつある。レーザーは、正確であり、患部又は標的部位のみがレーザーにより処置されるため、標的部位の周囲の無傷の組織への外傷を完全には避けられないにしても最小限に留めることができる。レーザーはまた、感染症のリスク、疼痛、出血、及び/又は腫脹を低減する低侵襲性の手術を可能とする。これらの要因は、患者の予後を改善させ、外科手術におけるレーザーの使用の増加につながり得るものである。
【0005】
レーザーには短所もある。レーザーが不適切に使用された場合、使用者及び患者に傷害を与えるリスクがある。このリスクに対処するため、行政機関は、レーザーの使用を分類し、レーザーの使用に対する厳しい防護対策を課している。このような規制の枠組みは、正当なものであるが、外科手術の複雑度を高めるものである。広く用いられている分類体系の1つであるIEC 60825−1規格(本明細書にその全容を援用する)は、レーザーを、クラス1、2、3、又は4のレーザーに分類するものである。防護対策のレベル(例えば、運用管理コントロール、ラベリング、及び個人用保護具(PPE)の使用)は各クラス毎に異なる。医療用途で広く用いられるクラス4のレーザーは、使用者及び使用中のレーザー光線の近くの人の安全ゴーグルの着用を特に規定している。このため、レーザー及びその付属装置は、多くの適応症に対処するうえで適当であるものの、手術室におけるレーザー光線の使用のこのような更なる複雑さ(ゴーグルの使用、運用管理上の負担)のためにしばしば考慮から外されることになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、近位端と、標的手術部位に固定される固定部材を受容するように構成された、近位端から間隔をおいた遠位端と、を有するレーザー装置を含む。本レーザー装置は、レーザー装置本体により支持され、遠位端にレーザー光線を放射することが可能なレーザー源を含み、レーザー源が少なくとも1つの入力に反応することにより、レーザー源がレーザー光線を放射しない非作動形態と、レーザー源がレーザー光線を放射する作動形態との間で、レーザー装置が選択的に切換えを行うようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
上記の概要及び本出願のレーザー装置の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を添付の図面と併せて読むことで、それらのより深い理解が得られるであろう。しかしながら、本出願は、示される概略的構成及び配置に厳密に限定されないことは理解されるべきである。図中、
図1A】本開示の一実施形態に基づく、固定部材を手術部位に導入するために用いられる非作動形態にあるレーザー装置の斜視図である。
図1B】手術部位に配置されて固定された固定部材を示す、作動形態にある図1Aのレーザー装置の斜視図である。
図2A】レーザー装置上に配置される固定部材なしで示された、図1A及び1Bのレーザー装置の立面図である。
図2B図2Aのレーザー装置の分解図である。
図2C】レーザー装置本体がレーザーカートリッジと嵌合する様子を示した、図2Bに示されるレーザー装置の一部の詳細分解斜視図である。
図2D図2Bに示される2D−2Dの線に沿ったレーザー装置の部分断面図である。
図3A図1A及び1Bに示されるレーザー装置と使用される固定部材のそれぞれ側面図及び端面図である。
図3B図1A及び1Bに示されるレーザー装置と使用される固定部材のそれぞれ側面図及び端面図である。
図3C図1A及び1Bに示されるレーザー装置と使用される固定部材の別の実施形態の側面図である。
図3D図3Cに示される3D−3Dの線に沿った図3Cに示される固定部材の断面図である。
図4図1A及び1Bに示されるレーザー装置に使用されるアクチュエーターアセンブリの斜視図である。
図5A】それぞれ非作動形態及び作動形態にあるアクチュエーターアセンブリを示す、図4の5Aー5Aの線に沿ったアクチュエーターアセンブリの断面図である。
図5B】それぞれ非作動形態及び作動形態にあるアクチュエーターアセンブリを示す、図4の5Aー5Aの線に沿ったアクチュエーターアセンブリの断面図である。
図6A】アクチュエーターアセンブリが第1の位置にある場合の図5Bに示されるアクチュエーターアセンブリの固定部材受容端の部分断面図である。
図6B】固定部材が内部に受容された、作動位置にあるアクチュエーターアセンブリを示す、図5Bに示されるアクチュエーターアセンブリの固定部材受容端の部分断面図である。
図6C】固定部材が内部に受容され、固定部材が標的手術部位(破線で示される)に挿入された、作動位置にあるアクチュエーターアセンブリを示す、図5Bに示されるアクチュエーターアセンブリの固定部材受容端の部分断面図である。
図7A】第1の位置にあるアクチュエーターアセンブリ及び非作動位置にあるレーザー装置を示す、図2Bに示されるレーザー装置の断面斜視図である。
図7B】作動位置にあるアクチュエーターアセンブリ及び作動位置にあるレーザー装置を示す、図2Cに示されるレーザー装置断面の断面斜視図である。
図8図1に示されるレーザー装置内のレーザー源に電力を供給するために用いられる回路の概略図である。
図9A】レーザー装置が図9Aに示される非作動形態から図9Cに示される作動形態へとそれぞれ操作される様子を示す、本発明の別の実施形態に基づくレーザー装置の部分断面図である。
図9B】レーザー装置が図9Aに示される非作動形態から図9Cに示される作動形態へとそれぞれ操作される様子を示す、本発明の別の実施形態に基づくレーザー装置の部分断面図である。
図9C】レーザー装置が図9Aに示される非作動形態から図9Cに示される作動形態へとそれぞれ操作される様子を示す、本発明の別の実施形態に基づくレーザー装置の部分断面図である。
図10A】それぞれ非作動形態及び作動形態にあるレーザー装置を示す、本発明の別の実施形態に基づくレーザー装置の部分断面図である。
図10B】それぞれ非作動形態及び作動形態にあるレーザー装置を示す、本発明の別の実施形態に基づくレーザー装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
最初に図1A及び1Bを参照すると、レーザー式固定部材係留装置、又は本明細書で使用するところのレーザー装置10は、機能的に電源と接続されたレーザー源70(図2D)を有している。レーザー装置10は、レーザー源70が電源と選択的に電気的に通信するように構成された作動システムを更に有してもよい。したがって、レーザー装置10には、レーザー装置10内に収容されたレーザー源70(図2D)がレーザーを放射するように機能しない非作動形態と、レーザー源がレーザーを放射するように機能する図1Bに示される作動形態と、が可能である。図に示されるように、固定部材18を、例えば、骨2のような所望の手術部位に送り込むために、レーザー装置10内に配置し、レーザー装置10によって支持することができる。これにより、レーザー装置10が作動形態にある場合、レーザー源70はレーザー光線を固定部材18内に放射して固定部材18を軟化又は融解することができる。軟化した固定部材18は、図1Bに示されるような係留体19へと変形され得る。
【0009】
図1A及び1Bは、骨表面6に空洞4が形成された骨2のような標的手術部位に近づきつつあるレーザー装置10を示している。空洞4は、固定部材18を手術部位に送り込む前に形成してもよく、又は手術部位に固定部材を送り込む際に形成してもよい。例えば、固定部材18の手術部位内への挿入によって空洞4を形成することができる。また、空洞4は、ドリルなどのこうした目的で典型的に用いられる器具を使用して形成することもできる。空洞4は、固定部材18を受容するサイズにされる。手術部位は図に示されるような骨2であってよいが、手術部位はまた、骨、軟組織、プレート、ネット、ワイヤフレーム、ロッド、又は骨若しくは他の組織に固定することができる他の任意の装置若しくは固定部材であってもよい点は認識されるべきである。
【0010】
レーザー装置10は、使用者が、レーザー源70への電力を制御することによって、レーザー源70からのレーザーの放射を制御することができるように構成されている。例えば、一態様では、レーザー装置10は、電源からレーザー源70への電力の伝送を防止することによって、レーザー源70からのレーザー光線の放射を防止することができる。別の態様では、レーザー装置10は、電源からレーザー源への電力の伝送を可能とすることによってレーザー源に固定部材18へレーザー光線を放射させる。一実施形態では、レーザー装置10は、レーザー装置本体12(図1A〜2D)、レーザー装置本体12によって支持された少なくとも1個のアクチュエーターアセンブリ、前記少なくとも1つのアクチュエーターアセンブリと協働して電源90(図8)からレーザー源70への選択的な電力の供給を可能とする1以上の電子回路300(図8)を有している。
【0011】
本明細書に述べられるアクチュエーターアセンブリ又はアクチュエーターは、それぞれ第1の位置と作動位置との間で動くことが可能である。アクチュエーターの少なくとも1つが第1の位置にある場合にはレーザー装置は非作動形態にあり、各アクチュエーターがそれぞれの作動位置にある場合、レーザー装置は作動形態にあってレーザー源はレーザー光線を放射することができる。一実施形態では、レーザー装置本体12は、第1のアクチュエーターアセンブリ又は第1のアクチュエーター50(図4〜6C)、及び第2のアクチュエーターアセンブリ又は第2のアクチュエーター30(図1A〜2A)を含み得る。「第1の」及び「第2の」なる後は、アクチュエーターを説明する目的で使用されるものであり、一方のアクチュエーターの他方に対する序列を示すものではない。第1のアクチュエーターアセンブリ50は固定部材受容端52(又は受容端52)を有しており、この固定部材受容端52は、固定部材18が受容端52内に配置される際、アクチュエーターアセンブリ50が第1の位置から、電源90がレーザー源70に電力を供給することを可能とする作動位置へと動くことができるように構成されている。第2のアクチュエーターアセンブリ30もまた、電源90をレーザー源70と選択的かつ機能的に接続するように構成されていることにより、第2のアクチュエーターアセンブリ30が第1の位置(図1A)にある場合には、電源がレーザー源70から切断され、第2のアクチュエーターアセンブリ30が作動位置(図1B)にある場合には電源がレーザー源70に電力を供給できるようになっている。
【0012】
引き続き図1A及び1Bを参照すると、レーザー装置本体12は近位端14と、長手方向軸1に沿って近位端14から間隔をおいた遠位端16と、を有している。長手方向軸1は、長手方向Lを規定する。横断方向Tは、長手方向Lと直交する方向を指す。第1のアクチュエーターアセンブリ50(図1A)の一部、例えば、作動部材受容端52は、固定部材18を受容するためにレーザー装置本体12の遠位端16から突出している。第2のアクチュエーターアセンブリ30は、レーザー装置本体12から延びてレーザー装置本体12と機能的に接続されている。
【0013】
図2A〜2Dを参照すると、レーザー装置本体12は、1以上のアクチュエーターアセンブリを支持するための少なくとも1つのハウジング、レーザー源70、電源90、及び1以上の回路300を更に有することができる。図に示される実施形態では、レーザー装置本体12は、第1のハウジング20と、第1のハウジング20と接続される第2のハウジング46と、を有している。第2のハウジング46は、ラッチリング部材25によって第1のハウジング20と接続することができる。ラッチリング部材25は、第1のハウジング20又は第2のハウジング46とモノリシックに形成することができる。レーザー装置本体12は、ラッチリング部材25により互いに接続された複数のハウジング20及び46とから構成されている様子が示されているが、レーザー装置本体12は、レーザー装置10の各構成部品を支持するように一体形成された構造とすることもできる。
【0014】
第1のハウジング20は、遠位端22と、長手方向Lに沿って遠位端22から間隔をおいた後端24と、を有している。第1のハウジング20は、第1のアクチュエーターアセンブリ50の一部を支持するように構成された内側キャビティ27を画定し得るハウジング本体128を更に画定している。更に、ハウジング本体128は、内側キャビティ27からレーザー装置本体12の遠位端16の方向に長手方向Lに沿って遠位方向に延びる長手方向通孔21を画定し得る。通孔21は、固定部材受容端52が第1のハウジング20の遠位端22から突出するようにアクチュエーターアセンブリ50の作動部材53(図4)を受容及び支持するようなサイズとなっている。
【0015】
図2Bに示されるように、第2のハウジング46は、接続端47と、長手方向Lに沿って接続端47から間隔をおいた近位端48と、を有している。第2のハウジング46は、その内部に着脱可能なカートリッジ40を支持するための内側キャビティ46cを画定し得る。図2Dに見られるように、接続端47は、第1のハウジング20のラッチリング部材25(又は後端24)と嵌合することができる。レーザー装置本体12の近位端14となり得る近位端48には、レーザー装置本体12の近位端14を通ってカートリッジ40へのアクセスを与える機能を少なくとも果たす可動式キャップ部材49を取り付けることができる。
【0016】
図に示される実施形態では、カートリッジ40は、必要に応じてレーザー装置本体12内における緊密な機械的嵌合を確保するように構成される。カートリッジ40は、第1の端部42と、長手方向Lに沿って第1の端部42から間隔をおいた第2の端部44と、を有し得る。カートリッジ40の第2の端部44は、装置本体12上に配置される可動式キャップ部材49と機能的に嵌合するように構成されたばね41(図2B)を有し得る。カートリッジ40は、レーザー源70、電子回路92、及び電源90又は例えば電源への動作可能な接続要素を支持する内側キャビティ46cを有している。電子回路92は、プリント回路基板(PCB)上に物理的に配置された1以上の回路300を有し得る。キャップ部材49が閉じられると、キャップ部材49は、カートリッジ40を装置本体12内で遠位方向に付勢するようにばね41を偏向させ、緊密な機械的嵌合を確保する。カートリッジ40をレーザー装置本体12の第1及び第2のハウジング20及び46と一体形成又はモノリシックに形成することで、カートリッジ本体72、レーザー源70、電子回路92、及び電源90をレーザー装置本体12によって直接支持することができる点は認識されるはずである。
【0017】
図2Dを参照すると、カートリッジ本体72は、レーザー装置本体12によって支持すること、例えば、カートリッジ40内に少なくとも部分的に配置することができる。カートリッジ本体72は、遠位方向に面した端面43、及び長手方向Lに沿って遠位方向に延びる棚部45を画定することができる。カートリッジ本体40は、更に、長手方向軸1と整列して面43に配置された遠位開口部71、及びスロット58を画定している。スロット58は開口部71からオフセットしており、アクチュエーターアセンブリ50の一部を受容するように構成されている。カートリッジ本体72は、更に、長手方向Lに沿って本体72を通り、カートリッジキャビティ40c内に開通する通孔79を更に画定している。カートリッジ本体72は、更に、通孔79内に配置され、開口部71に向かって位置決めされたレーザー出力ミラー78を支持することができる。レーザー源70は、レーザー出力ミラー78と軸方向に整列してキャビティ46c内に配置されている。カートリッジ開口部71は、レーザー光線が開口部71を通ってレーザー装置本体12の遠位端16の方向に通過するように配置されている。
【0018】
図2C、及び4〜6Cを参照すると、第1のアクチュエーターアセンブリ50又は第1のアクチュエーターは、電源90がレーザー源70に選択的に電力を供給することを可能とするように構成されている。第1のアクチュエーターアセンブリ50は、図5A及び7Aに示される第1の位置と図5B及び7Bに示される作動位置との間で動くことができる。図に示される実施形態によれば、第1のアクチュエーターアセンブリ50は、レーザー装置本体12によって固定的に支持され得る基部54を有することができる。例えば、基部54は、第1のハウジング20の内側キャビティ27によって固定的に、内側キャビティ27の内部に動かないように支持され得る。第1のアクチュエーターアセンブリ50は、レーザー装置本体12によって支持されるアセンブリ本体51を有することができる。例えば、アセンブリ本体51は、第1のハウジング20の内側キャビティ27内に配置され、内側キャビティ27により支持される。基部54は、基部本体54bを更に画定し得る。更に、基部本体54bは開口部67を画定しており、穴55が開口部67の遠位面(符合なし)に沿って配置されている。穴55は、レーザー源70(カートリッジ内の)と整列している。アセンブリ本体51は、長手方向Lに沿って基部54から遠位方向に沿って間隔をあけて設けることができる。アクチュエーターアセンブリ50は、アセンブリ本体51と基部54との間に結合されるばねなどの付勢部材56を有することができる。付勢部材は、長手方向Lに沿った基部54の方向へのアセンブリ本体50の運動に抗するばね力を与える。アクチュエーターアセンブリ50は、アセンブリ本体51から長手方向Lに沿って遠位方向に突出する作動部材53を更に有することができる。付勢部材56は、作動部材53及びアセンブリ本体51を図5Aに示される作動位置へと遠位方向に付勢するように構成されている。
【0019】
アクチュエーターアセンブリ50は、レーザー光線を固定部材18内に案内するように構成された経路部材80を更に有することができる。アクチュエーターアセンブリ50の少なくとも一部は、経路部材80に沿って摺動可能に配置されている。図の実施形態では、作動部材53、アセンブリ本体51、及び基部54は経路部材80を支持するように構成されている。経路部材80は、遠位端82と、長手方向Lに沿って遠位端82から間隔をおいた近位端84と、を有している。長手方向通孔86が経路部材80の両端82と84との間に延びている。経路部材80の遠位端82は末端外側端83を画定している。経路部材80は、通孔86内に固定された中空スリーブ81を有することができる。スリーブ81は、遠位方向に長手方向Lに沿って経路部材80の末端外側端83から突出した先端部85を更に有することができる。スリーブ81と経路部材80とはモノリシックであってもよい。アセンブリ本体51は遠位本体51bを画定することができる。遠位本体51bは、長手方向Lに沿って遠位本体51bを通って延びる開口部51cを更に画定することができる。開口部51cは、作動部材53及び経路部材80の少なくとも一部を受容するようなサイズに構成されている。基部本体54bもまた、開口部54cを画定することができる。これにより、経路部材80の遠位に配置された部分(遠位端82の近く)が、作動部材53の内部に摺動可能に配置されるのに対して、反対側の近位部分、例えば近位端84は、基部開口部54cの内部に固定的に配置されるため、経路部材80は基部54に対して直動すること又は動くことができなくなっている。経路部材80は、近位端84が基部54の穴55と軸方向に整列するようにアクチュエーターアセンブリ50内に配置されている。
【0020】
引き続き図4〜5Bを参照すると、アクチュエーターアセンブリ50は、固定部材18がその内部に受容される際に電源からレーザー源70に電力が供給されることを可能とするように構成されている。これにより、アクチュエーターアセンブリ50は、図5Aに示される第1の位置から図5Bに示される作動位置へと動くことによってレーザー源70と電源90との間の電気的接続を完了することができる。図の実施形態では、第1のアクチュエーターアセンブリ50は、電源90をレーザー源70と選択的に接続又はレーザー源70から切断するように構成された少なくとも1つの導電性部材60を有している。アセンブリ本体51は凹部60cを画定することができ、導電性部材60が凹部60c内に部分的に配置されることにより、導電性部材60はアセンブリ本体51から基部54の方向に長手方向Lに沿って近位方向に延びている。導電性部材60は、長手方向Lに沿ってアセンブリ本体51に対して近位方向に延びる導電性スラット62を有している。スラット62は、軸L(図示せず)に対して横断する方向に沿って細長い形状である様子が示されている。スラット62は導電性であり、金属製、銅、金、これらの金属ブレンド若しくは合金、又は他の任意の導電性材料であってよい。導電性部材64とスラット62とは一体の導電体とすることができる。アクチュエーターアセンブリ50は、基部54に保持された更なる導電性部材64を有することができる。導電性部材64は、一対の導電性ピンとして構成されている。アセンブリ基部54は、基部54に対して近位方向に延びるタブ65を有している。基部本体54bは、基部54b及びタブ65を通って長手方向Lに沿って延びる開口部64cを更に画定することができる。導電性ピンのペアが開口部64c内に配置されている。スラット62は、基部54のタブ65内に取り付けられた導電性ピンのペア64の遠位方向を向いた端部同士を接続及び架橋するようなサイズとされている。
【0021】
レーザー装置本体12は、アクチュエーターアセンブリ50の導電性部材60及び64と接触するように構成された、レーザー装置本体12によって支持された1以上の導電性部材74を含むことができる。例えば、導電性部材74は、回路300と電気的に通信した状態でカートリッジ本体72内に配置される。基部タブ65がカートリッジスロット69に受容され、導電性ピンのペア64が導電性部材74と電気的接続を形成している。このように、ピンのペア64及び導電性部材74は、回路300内のスイッチを形成している。アセンブリ50が図5Aに示されるような第1の位置にある場合、ギャップ63が導電性スラット62と導電性ピンのペア64との間に延びる。図5Bに示されるように、作動部材53及びアセンブリ本体51が長手方向Lに近位方向に変位されると、導電性ピンのペア64は導電性スラット62と接触して電気的接続63cを形成する。これにより、接続63cは、回路300内のスイッチの少なくとも1以上を閉じ、これにより電力がレーザー源70に供給されてレーザー光線を放射することが可能となる。
【0022】
図4〜6Cを参照すると、作動部材53はその内部に固定部材18を受容するように構成されており、これによりアクチュエーターアセンブリ50は第1の位置から作動位置に動くことが可能である。このため、作動部材53は、固定部材受容端52と、長手方向Lに沿って固定部材受容端から間隔をおいた反対側の端部53cとを有している。端部53cは、アセンブリ本体51の開口部51c内に受容されている。作動部材53は内側管状面66を画定することができる。経路部材80は面66に沿って作動部材53内に摺動可能に配置されている。作動部材53はアセンブリ本体51に取付けるか、融合するか、螺着するか、かつ/又は接着することができる。更に、作動部材53とアセンブリ本体51とは一体形成することができる。
【0023】
固定部材受容端52は固定部材18を少なくとも部分的に受容するように構成されており、固定部材18が作動部材53の固定部材受容端52内に受容されていない場合には、アクチュエーターアセンブリ50が第1の位置にロックされるようになっている。固定部材18が固定部材受容端52に挿入されると、第1のアクチュエーターアセンブリ50はロック解除される。図6Aを参照すると、作動部材52の受容端52は、1以上の可撓性タブ69及びタブ69上に配置された少なくとも1つの係止部材68を有している。1以上の可撓性タブ69は、固定部材18が受容端52に受容される際に撓むことができる。係止部材68が経路部材80と当接することにより、経路部材80に沿った作動部材53の摺動による長手方向Lの変位が防止される。例えば、係止部材68は、タブ69から横断方向Tに沿って内側に延びて経路部材80の末端83と当接することができる。このようにして、係止部材68は、アクチュエーターアセンブリ50を第1の位置にロックする。受容端52は、係止部材68の遠位側で各タブ69に沿って配置された周方向溝68a、軸1に対して横断方向の、溝68aから間隔をおいた末端面68c、及び溝68aと末端面68cとの間に延びる傾斜面68bを更に画定している。固定部材102が受容端52内に配置される際、各タブ69が外側に撓むことで係止部材68が経路部材80との当接した関係から外れるように動かされる。図6Bに示されるように、固定部材18がレーザー装置10の遠位端内に少なくとも部分的に挿入されると、係止部材68はアクチュエーター50が第1の位置から作動位置へと動くことをもはや防止できなくなる。
【0024】
代替的な実施形態では、任意の種類の係止部材68を使用して作動部材53の経路部材80に対する軸方向の変位を防止する助けとすることができる。例えば、係止部材68は、突起、タブ、隆起、ピン、つめ、肩部、茎部(tangs)、ワイヤ、こぶ、又は作動部材53の経路部材80に対する運動を防止するために使用することが可能な任意の構造若しくは装置とすることができる。代表的な一実施形態では、係止部材は、例えば、内表面66から内側に延び、長手方向軸Lに向かって角度をなした茎部であってよい。茎部は、経路部材80の末端83に当接し、上記に述べたように、固定部材18が作動部材53に挿入される際に撓むことができる。係止部材68の更なる別の実施形態では、係止部材68は、作動部材53の内表面66から内側に延び、経路部材80と当接する湾曲した部材又は隆起部であってよい。別の代替的な実施形態では、固定部材受容端52を形状記憶ポリマーで形成してもよく、作動部材53の残りの部分よりも高い延性を有するものとすることで、固定部材受容端52が固定部材18を受容するように径方向に拡張するようにしてもよい。固定部材受容端52は、その内部に固定部材18を摺動可能に受容するように構成されている。例えば、固定部材受容端52は、作動部材53内に固定部材18を容易に挿入できるように構成された傾斜面98を有してもよい。更に、係止部材68は、固定部材18をより効果的に受容かつ把持するために必要とされる傾斜又は湾曲した表面を有するように構成することもできる。
【0025】
図3A、3B、及び6A〜6Cを参照すると、レーザー装置本体12は、固定部材18を受容して標的手術部位内に挿入するように構成されており、これにより作動部材53を作動位置へと変位させることができる。固定部材18は、第1の端部102と、固定部材の軸3に沿って第1の端部から間隔をおいた第2の端部104との間に延びている。第1の端部104は前端と呼ばれ、最初にキャビティ4内に挿入される。第2の端部102は後端と呼ばれ、図6A〜6Cに示されるようにアクチュエーターアセンブリ50の受容端52と嵌合する。固定部材18は本体105を有する。本体105の後端102は、ヘッド113、軸3に沿ってヘッド113から遠位方向に間隔をおいた隆起部106、及びヘッド113と隆起部106との間に延びるネック107を有している。隆起部106は、遠位面108から間隔をおいた近位面109を有している。ヘッドは、ヘッドの又は第1の断面寸法102aを画定し、ネックは、ネックの又は第2の断面寸法102bを画定し、隆起部106は、隆起部の又は第3の断面寸法102cを画定している。ヘッドの第1の断面寸法102aは、固定部材の軸3に対して直交する平面上にある、ヘッド上に位置する対向した外側の点(図示せず)の間の距離である。同様に、ネック107の断面寸法102bは、固定部材の軸3に対して直交する平面上にある、ネック上に位置する対向した外側の点の間の距離である。同様に、隆起部106の断面寸法102cは、固定部材の軸3に対して直交する平面上にある、隆起部上に位置する対向した外側の点の間の距離である。図の実施形態では、隆起の断面寸法102cは、ヘッドの断面寸法102aよりも大きくなっている。更に、ネックの断面寸法102bは、ヘッドの断面寸法102a及び隆起部の断面寸法102cの一方又は両方よりも小さくなっている。代表的な一実施形態では、ネックの断面寸法102bは、ヘッドの断面寸法102a及び隆起部の断面寸法102cのいずれよりも小さくなっている。本体105は、軸3に対して横断方向の近位面111を画定している。更に、固定部材本体105は、軸3に沿って近位面11から本体105内に延びる挿管部114を画定している。シャフト112がヘッド113に対して遠位方向に延びている。図6Bに示されるように、固定部材18が固定部材受容端52に受容される際、レーザー装置本体12は固定部材18を初期挿入位置A1からキャビティ4内に挿入することができる。位置A1では、固定部材18が作動部材52によって受容されることによって固定部材のヘッド113が溝68a内に配置され、固定部材の隆起部106がキャビティ4の周囲の骨表面6と当接するように位置決めされる。固定部材の隆起部106は、作動部材53の末端面68cと当接する係止部として機能することができる。図6Cに示されるように、使用者がレーザー装置10及び固定部材の隆起部106を標的手術部位の表面6に押し付けて挿入位置A2へと押し込むと、骨表面6が抗力F(図示せず)を適用させ、作動部材53を長手方向Lに沿って経路部材80に対して近位方向に変位させる。この近位方向への変位により、挿管部114が経路部材80の先端部85を受容する。更に、係止部材68が外側に反らされることにより、作動部材53及びアセンブリ本体51が長手方向Lに変位され、これによって更にアセンブリ本体51が変位し、レーザー装置10の作動が可能となる。作動部材53の変位により、上記に述べたように、導電部材60、64、及び74間の電気的接続63cが完成する。更に、固定要素の隆起部106が作動部材53の受容端52の末端面68cに当接すると、固定部材18がレーザー装置10の遠位端12を実質的に閉じることによって、固定部材18内に案内されない、又は固定部材18によって吸収されない迷光となるレーザー光線又は拡散光が最小限に抑えられる。
【0026】
図1A〜2Bを参照すると、第2のアクチュエーター30がレーザー装置本体12によって支持され得る。第2のアクチュエーター30は、電源90とレーザー源70とを電気的に接続するスイッチを開閉するように構成されている。第2のアクチュエーター30が第1の位置(図1A)にある場合、スイッチは開いており、電源90はレーザー源70から切断されている。第2のアクチュエーター30が作動位置(図1B)にある場合、スイッチは閉じており、電源90はレーザー源70と電気的に接続される。第2のアクチュエーター30は、第2のアクチュエーター部材によって保持された検出要素を用いてスイッチを開閉する。検出要素は磁石であってよい。磁石がレーザー装置本体に近づくように第2のアクチュエーターが動かされると、磁石は電子スイッチを閉じる。第2のアクチュエーターがレーザー装置本体から遠ざかる方向に動かされると、レーザー装置本体から離れる磁石の運動によってスイッチが開かれる。磁石は、第1の位置から作動位置への第2のアクチュエーター30の運動が磁場をスイッチに近づけて、磁場の一部がスイッチの所定の距離の内側にある場合にはスイッチを閉じ、又は磁場のその部分が所定の距離の外側にある場合にはスイッチを開くような磁場を放射することができる。このような所定の距離は、磁石、及びアクチュエーターが第2の作動位置にある場合のアクチュエーターに対するスイッチの近接度に基づいて選択することができる。
【0027】
図の実施形態では、第2のアクチュエーター30は、レーザー装置本体12の近くに位置する枢動接続部34の反対側の自由端32、及びレーザー装置本体12と嵌合するように構成された、第2のアクチュエーター30から突出した1以上の突起38及び39(1個、2個、又はこれよりも多い部材を使用することができる)を有することができる。突起38は検出要素を保持することができる。第2のアクチュエーター30は、第2のアクチュエーターアセンブリ30をレーザー装置本体12と接続する嵌合タブ35(図2B)を有することができるが、任意の種類の接続を使用することができる。枢動接続部34は、第2のアクチュエーターアセンブリ30を第1の位置に付勢することができる。これにより、使用者は、第2のアクチュエーターアセンブリ30を作動位置へとレーザー装置本体12に近づく方向に偏向させることができる。レーザー装置本体12は、第2のアクチュエーターアセンブリ30の1以上の突起38を受容するようなサイズに構成された1以上の開口部38a及び39aを画定している。これにより、第1の位置から作動位置への第2のアクチュエーターアセンブリ30の運動によって、突起38及び突起38によって保持された磁石がスイッチに近づくように動かされ、スイッチが閉じられる。別の実施形態では、第2のアクチュエーター30が作動位置にある場合、磁場によりスイッチが閉じられ、電源90がレーザー源70に電力を供給することが可能となる。
【0028】
第2のアクチュエーター30は、アクチュエーター30の自由端32から延びるピン36を有することができる。アセンブリ本体51は、その内部にピン36を受容するようなサイズに構成された横断方向を向いた通孔57aを画定することができる。第1のアクチュエーターアセンブリ50が作動位置にある場合、通孔37aと57aとは軸方向に整列する。第2のアクチュエーターアセンブリ30が装置本体12に向かって押し込まれると、ピン36が、整列したハウジングの通孔37a及び通孔57aに挿入される。通孔37a、57aによって保持されたピン36は、アクチュエーターアセンブリが作動位置にあるという触覚的な指示を使用者に与える。例えば、通孔同士が整列していない場合、ピン36は通孔37a、57a内に完全には受容されない。
【0029】
第2のアクチュエーターアセンブリ30は、レバーとして示されている。第2のアクチュエーターアセンブリの代替的な実施形態を、本明細書で述べられるものと同じ目的で使用することができる点は認識されるはずである。したがって、第2のアクチュエーターアセンブリは、電気回路内のスイッチを選択的に開く、閉じる、又は開位置と閉位置との間で交互に切換えるために使用される任意の装置とすることができる。例えば、第2のアクチュエーターアセンブリは、押し込まれる際に回路内のスイッチを閉じるボタンとすることができる。別の実施形態では、第2のアクチュエーターアセンブリは、スイッチを開閉させるように動作可能なトグルとすることができる。他の実施形態には、使用者が位置に摺動させることによって電気回路内のスイッチを閉じることができるスライド機構が含まれる。
【0030】
次に図8を参照すると、レーザー源70に選択的に電力を供給するための電子回路は、作動部材53、電源90、及びレーザー源70を含む方式のレーザー装置内に設置されるように構成されている。回路300は、レーザー源70及び電源90と電気的に通信するように構成された第1及び第2の端部301及び302を有する導電体を含むことができる。回路300は、第1の端部301と第2の端部302との間の位置で、導電体の第1の部分305と第2の部分306との間に配置された第1のスイッチアセンブリ310を有することができる。第2のスイッチアセンブリ320を、第1の端部301及び第2の端部302との間の位置で、導電体の第1の部分307と第2の部分308との間に配置することができる。第1及び第2のスイッチアセンブリ310及び320は、レーザー源70及び電源90と電気的に通信している。電気回路300がレーザー装置10内に配設され、第1及び第2のスイッチアセンブリ310及び320がそれぞれの閉位置にある場合、第1及び第2の端部301及び302は互いに電気的に通信することによって、電力が電源90からレーザー源70へと導電体を通って流れる。第1及び第2のスイッチアセンブリ310及び320は、レーザー源及び電源の端子に直接取り付けるか、又は別の導電体を介して接続することができる。
【0031】
第1のスイッチアセンブリ310は、可動式接点314、第1及び第2の接点316及び318、並びに必要に応じて適当な接地311を含む第1のスイッチ312を含んでいる。第1のスイッチ312は第1の入力に応じて通常の開位置と閉位置との間で交互の切換えを行う。第1のスイッチ312が開位置にある場合、第1及び第2の部分305、306は互いから電気的に絶縁される。第1のスイッチ312が閉位置にある場合、第1及び第2の部分は互いに電気的に通信する。例えば、可動式接点314は、上記に述べたような作動形態においてアクチュエーターアセンブリ50によって接続が形成される場合(図5B及び7Bを参照)のように、機械的動作又は応答に応じて動くことができる。第1の接点316はレーザー源70と機能的に接続されている。第2の接点318は、第2のスイッチアセンブリ320上の更なる端子378と接続可能な端子370を有している。第1のスイッチ312は図8に示されるように開くか、又はアクチュエーター30又は50の位置に応じて閉じることができる。第1のスイッチ312が閉じられると、電流が第1のスイッチアセンブリを通ってレーザー源70に流れることができる。
【0032】
第2のスイッチアセンブリ320は、第1の端部301と第2の端部302との間の位置で導電体の第3の部分と第4の部分との間に配置されている。第2のスイッチアセンブリ320は、可動式接点324、第1及び第2の接点326及び328、並びに必要に応じて適当な接地321を含む第2のスイッチ322を含んでいる。第2のスイッチ322は、第1の入力と異なる第2の入力に応じて通常の開位置と閉位置との間で交互の切換えを行う。例えば、可動式接点324は、入力に応じてスイッチ322を閉じるように機能することができる。第1の接点326は、1以上の端子375及び376を介して電源90と機能的に接続されている。第2の接点326は、第2のスイッチアセンブリ320上の端子370と接続可能な端子378と機能的に接続されている。電源90は、端子372及び373を介してレーザー源70と機能的に接続可能である。第2のスイッチ322は図8に示されるように開くか、又は入力に応じて閉じることができる。入力は、第1の位置から作動位置への第2のアクチュエーター30の運動、センサーからの信号の受信、又はスイッチアセンブリ320に近接した磁石の存在であり得る。第2のアクチュエーター30に保持された磁石が、磁石がスイッチアセンブリ310に近接するように動かされると、接点324は閉位置に動く。したがって、回路300は、第1のスイッチアセンブリ310が閉位置にあり、かつ第2のスイッチアセンブリ320が閉位置にある場合に電源90からレーザー源70に電流を供給するように機能することができる。第1のスイッチアセンブリ310及び第2のスイッチアセンブリ320は、任意の特定の入力に応じて開位置と閉位置との間で交互に切換えを行うことができる。したがって、第1の入力によって第1のスイッチ312を閉じ、第2の入力によって第2のスイッチ322を閉じることができ、その逆も可能である。
【0033】
図2D及び8を参照すると、レーザー源70は、レーザー光線を放射することができる任意の装置、機構、要素、要素の集合体、又はシステムであってよい。典型的なレーザー源と同様、レーザー源70は、活性媒体、高反射率ミラー、及び部分透過性ミラー(出力ミラー)、並びに活性媒体を励起するために用いられる励起機構、又は本明細書で使用するところの電源を有することができる。本明細書で使用するところの「電源」なる語句は、レーザーの活性媒体を励起するために用いられる電源を意味する。レーザー形成の機構についてはよく知られており、ここで詳細に述べることはしない。しかしながら、任意の適当なレーザー源を使用することができる点は理解されるはずである。したがって、波長、連続波、又はパルスレーザーなどの複数の種類のレーザーを使用することができる。
【0034】
レーザー源70は、特定の治療ニーズに合わせたものとし、その供給される波長又は出力を変えることができる。一実施形態では、レーザー源70は、400nm〜1600nmの範囲の光を放射するように構成することができる。例えば、レーザー源70は、670nm又は808nmの光を放射するように構成することができる。更に、レーザー源70は、約0.1W〜約10.0Wの出力を与えるように構成することができる。出力は固定部材18のサイズによって決まり得る。例えば、シャフト直径が1.6mm、長さ6mm(長さは固定部材18の端部102と104との間で規定される)の固定部材では、出力は約1.1W〜約1.5Wの範囲、好ましくは約1.2Wであり得る。シャフト直径が3mm、長さ12mmの固定部材では、出力は約6W〜約8Wの範囲、好ましくは約7Wであり得る。更に、一実施形態では、レーザー源70はクラス2、3、又は4のレーザーとして構成される。IEC 60825−1は、被爆放出限界(AEL)の概念を用いてクラス1、2、3、又は4レーザーに分類している。AELは、特定の距離で特定の開口絞りを通過する、特定の波長範囲及び曝露時間で放射され得る最大出力(W)又はエネルギー(J)であり、IEC 60825−1規格において更に規定されている。本文書で使用するところの「AEL」とは、IEC 60825−1に記載される「AEL」と同じものを意味する。少なくとも0.5Wよりも高い、315nm〜遠赤外線までの波長範囲のAELを有する連続型レーザー光線を放射するレーザー源はクラス4レーザーとみなされるが、このようなレーザー源を本明細書に述べられるレーザー装置と使用することができる。少なくとも30mW又はこれよりも高いAELを有する、400〜700nmのパルス型レーザーを放射するレーザー源はクラス4レーザーであり、このようなレーザー源を本明細書に述べられるレーザー装置と使用することができる。レーザー源70はクラス4レーザーである必要はない点は認識されるべきである。代替的な実施形態では、レーザー源70はクラス1、2、3、又は4レーザーのいずれであってもよい。
【0035】
固定部材18及びレーザー装置10は、作動形態においてレーザー源70及びレーザー装置10からレーザー光線が放射されることを防止するように構成されている。固定部材18が作動部材53内に配置され、経路部材の先端部85が固定部材の挿管部114内に配置されると、レーザー光線は使用者又はレーザー装置の近くの人に見えないように包囲される。作動形態では、レーザー装置10及び固定部材18がレーザー装置10からのレーザー光線の放射を遮断する一方で、固定部材がレーザー源70から放射されるレーザー光線をほぼ吸収することができる。これにより、例えば、クラス3又は4のレーザーなどの高出力レーザーの使用にともなう組織及び/又は目の損傷のリスクが低減される。更に、固定部材18は、クラス2、3、又は4のレーザー光線からのエネルギーを受容し、受容したエネルギーに応じて固定部材を標的手術部位で軟化させるように構成されている。固定部材18は、クラス1のレーザー光線が放射するエネルギーを超えないエネルギーを放射するのに充分な量の受容エネルギーを吸収するように構成されている。別の言い方をすれば、レーザー源70は、クラス2、3、又は4のレーザーとして分類することができるが、本明細書に述べられるレーザー装置10において使用される場合、レーザー装置10はIEC 60825−1に従ってクラス1のレーザー装置10として分類される。固定部材18は、レーザー装置10と嵌合し、レーザー源70から放射されるレーザー光線の一部を吸収するように構成されている。固定部材18によって吸収されないレーザーの部分は、固定部材18によって拡散される可能性がある。このため、レーザー装置10が作動形態にあり、レーザー光線がレーザー源70から放射される場合、固定部材18及びレーザー装置10は、例えば、外科医又は他の手術室のスタッフのような使用者又はレーザー装置の近くの他の人によるレーザーの外部からの視覚的観測を実質的に防止する。
【0036】
次に図3A〜3Dを参照すると、代表的な固定部材18は、ポリマー材料で形成された本体105を有している。上記に述べたように、本体105は、挿入端104と間隔をおいた後端102との間に延びている。固定部材の挿管部114は、アクチュエーター50が上記に述べたような作動位置にある場合に、その内部に経路部材80の先端部85を受容する(図6C)。このような構成は、レーザー源70から放射されるレーザー光線が挿管部114を通って経路部材の本体105に入射することを可能とするものである。ここで任意の吸収剤によってレーザーの相当量を吸収することができる。更に、隆起部106が作動部材53の末端面68cと当接してレーザー装置10の遠位端112を実質的に閉鎖する。固定部材18から放射される、固定部材18によって拡散された光は使用者、観測者、及び/又は患者にとって有害ではない。代替的な実施形態では、固定部材18は他の形態を有することができる。例えば、固定部材は、後端102が前端104の断面直径よりも大きい断面直径を有するように円錐形状又は切頭円錐形状を有することができる。他の実施形態では、固定部材18は概ね円筒状の形状を有することができる。
【0037】
レーザー吸収は、ポリマー本体の組成、更なるポリマー成分、及び/又はレーザー吸収を助けるように選択された物質の結果として生じる。固定部材18を形成するために使用されるポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸グリコール酸共重合体(PGLA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカプロラクトン(PCL)などの適当な生体適合性ポリマーとすることができる。医療用途に適した、軟化又は液化が可能な任意のポリマー配合物を使用して固定部材18を形成することができる点は認識されるはずである。ポリマー本体の組成物は、レーザー吸収を助けるように選択される。詳細には、ポリマー本体の組成物は、約0.1重量%〜約2重量%のレーザー吸収を助ける物質を含むことができる。物質は組成物の約0.75重量%を構成することが好ましい。物質は、例えば、アメリカ食品医薬品局(FDA)分類によるD&C青色6号のような医療用途の規制に適合した物質とすることができる。物質は、固定部材18の外表面上に配置されるコーティングの形で加えることができる。図3C及び3Dは、固定部材本体205を覆う吸収性コーティング220をその表面上に有する固定部材18の更なる実施形態を示す。また、物質は、固定部材18が形成される際にポリマー溶融物中にブレンドすることもできる。他の代替的な実施形態では、固定部材18を2成分ポリマー本体として形成することができる。このような2成分ポリマー本体は、第1の成分及び第2の成分を含み、第2の成分が第1の成分の内部に配置され、第1の成分がレーザーの少なくとも相当量を吸収することが可能なものである。本明細書に述べられる第1及び第2の成分のそれぞれは、上記に述べたようにして製造することができる。すなわち、第1及び第2の成分の一方又は両方が、上記に述べた物質のいずれか1つ又はその組み合わせを含むことができる。
【0038】
固定部材18は、アンカー、リベット、ピン、ねじ、又はインプラントを組織と結合又は固定するために使用される任意の装置又は構造であってよい点は認識されるはずである。他の実施形態では、固定部材18は固定を助ける更なる固定部材を更に含むことができる。このような代替的な実施形態の1つに、固定部材18と縫合糸構造がある。固定部材18は、縫合糸が、固定部材の軸Aに対して直交する、ポリマー本体104内に配置された通孔を通って延びるように形成される。縫合糸は、縫合糸を受容するように形成された溝内に配置される、固定部材18の前端を横切って更に延びることができる。縫合糸の両端の自由端が、固定部材18の側面から、固定部材18の側面に沿って固定部材18の後端102を過ぎて延びる。このような固定部材18が、例えば、プレートに形成されたキャビティ内に挿入される際に、本明細書に述べられるようにレーザー装置10を作動させて固定部材18を溶融することができる。縫合糸の両方の自由端部を引っ張って、軟化した固定部材18をリベットに変形させることができる。本発明における使用に適した他の代表的な固定部材18及び固定部材システムが、国際公開第W0 2009/036576号、同第WO 2012/003294号、及び同第WO 2012/087426号に述べられており、これらの開示内容をその全容にわたって参照により援用するものである。
【0039】
図7A及び7Bを参照すると、第1及び第2のアクチュエーターアセンブリ30及び50は、作動形態と非作動形態との間でレーザー装置を切換えるように構成されている。アクチュエーターアセンブリ50は、アセンブリ本体51の最遠位面によって画定され得るアクチュエーターアセンブリ表面57を有することができる。レーザー装置本体12は、アセンブリ表面57に面した装置本体の内表面23を画定することができる。図7Aに示される非作動形態では、アセンブリ表面57と内表面23との間の距離を第1の距離D1と定義する。アクチュエーターアセンブリ50が第1の位置にある場合、第1の距離D1はほぼ0に等しいか、又は0よりも大きくなり得る。アクチュエーターアセンブリ50が本明細書に述べられるように長手方向Lに沿って装置本体12に対して近位方向に変位させられると、アセンブリ表面57は、装置の内表面23から長手方向Lに沿って、第1の距離D1よりも大きい第2の距離D2だけ離間する。更に、距離D1は、上記に述べたようにスラット62とピンのペア64との間の空隙63を維持するのに必要な距離にほぼ等しい。図7Bに示されるように、固定部材18が作動部材53内に挿入され、固定部材18に力Fが適用されると、固定部材受容端52がアクチュエーターアセンブリ50を作動位置に変位させる。力Fは、使用者が装置及び固定部材を骨表面6に対して押し付けることによって適用される。作動部材53及びアセンブリ本体51が長手方向軸Lに沿って距離D2だけ変位させられることによって、スラット62が導電性ピンのペア64と接触する(63c)。スラット62と導電性ピン64との接触によって回路300上のスイッチ312が閉じることで、レーザー源70と電源90との間の電気的接続が部分的に閉じられる。更に、第2のアクチュエーターアセンブリ30も作動位置(図1Bに示される)に動かされ、これにより突起38、39が開口部38a、39bと嵌合する。第2のアクチュエーター30内の磁石が第2のスイッチ322を閉じさせることにより、レーザー源70と電源90との間の電気的接続が完成される。電気的接続が完成した時点で、レーザー源70に電力が供給され、レーザー光線が固定部材18内に放射され、固定部材18を軟化又は溶融する。レーザー光線が放射される間、固定部材18がレーザー光線の少なくとも一部を吸収し、残りのレーザー光を拡散する。固定部材18がレーザー装置10の遠位端16に配置されているため、レーザー動作又は放射は包囲され、手術中に手術部位から放射する有害な光から使用者が遮蔽される。
【0040】
図9A〜10Bを参照すると、代替的な一実施形態によれば、レーザー装置10は、固定部材がレーザー装置10の遠位端に受容される際に、レーザー源を選択的に遠位端と機能的に整列させ、ひいては固定部材と機能的に整列させるように構成されたシャッターアセンブリ160又は260を有することができる。図9A〜9Cは、閉じた形態(図9A、9B)と開いた形態(図9C)との間で2段階で動くように構成されたシャッターアセンブリの一実施形態を示している。図10A及び10Bは、閉じた形態(図10A)と開いた形態(図10B)との間で1段階で動くように構成されたシャッターアセンブリ260の一実施形態を示している。
【0041】
最初に代替的な一実施形態に基づいた図9A〜Bを参照すると、レーザー装置110は、遠位端116と遠位端116から間隔をおいた近位端114とを有するレーザー装置本体112を有することができる。装置本体112は、上記に述べた実施形態と同様に、少なくとも1つのアクチュエーターアセンブリを支持するように構成された装置ハウジング120を更に画定することができる。更に、レーザー装置110は、上記に述べられ、図1A〜8に示される実施形態と同様のレーザー70、電源90、及び少なくとも1つの回路300を更に有している。代替的な一実施形態によれば、レーザー装置110は、2段階動作を行うように構成されたシャッターアセンブリ160と機能的に連結されたアクチュエーターアセンブリ150及び経路部材180を有している。シャッターアセンブリ160は、第1の段階で、ロック位置(図9A)からロック解除位置(図9B)へと、次いで第2の段階で、閉じた形態(図9A、9B)から開いた形態(図9C)へと動くように構成されている。ロック位置(図9A)は、アクチュエーターアセンブリ150がシャッターアセンブリ160によって定位置にロックされている場合であり、ロック解除位置(図9B)は、アクチュエーターアセンブリ150がシャッターアセンブリ160によって定位置にロックされていないためにアクチュエーターアセンブリ150が作動位置に動くことができる場合である。第2の段階では、シャッターアセンブリ160が閉じた形態にある場合、シャッターアセンブリ160はレーザー源によって放射されるレーザー光線を遮断し、遠位端へとレーザー光線が伝播することを防止する。シャッターアセンブリ160が開いた形態にある場合、シャッターアセンブリ160はレーザー源によって放射されるレーザー光線を遠位端に向かって通過させる。
【0042】
アクチュエーターアセンブリ150は、上記に述べたように装置本体12により支持された基部154を有することができる。アクチュエーターアセンブリ150は、やはり装置本体112によって支持され得る、例えば、内部キャビティ127内に配置され得る、アセンブリ本体151を更に有することができる。図の実施形態によれば、アセンブリ本体151は、長手方向Lに沿って基部154から遠位方向に沿って間隔をおくことができる。アクチュエーターアセンブリ50は、長手方向Lに沿って基部154とアセンブリ本体151との間に連結されるばねなどの付勢部材156を更に有することができる。付勢部材は、長手方向に沿って基部154の方向に向かうアセンブリ本体151の運動に抗するばね力を与える。アクチュエーターアセンブリ150は、アセンブリ本体151から長手方向Lに沿って遠位方向に突出する作動部材153を更に有することができる。アクチュエーターアセンブリ150は、アセンブリ本体151と連結されてアセンブリ本体151とともに動くロッド89を更に有することができる。例えば、ロッド89は、アセンブリ本体151により支持されてアセンブリ本体151から延びてもよく、あるいは必要に応じてアセンブリ本体151と可動に連結することができる。基部154は本体154a、及び長手方向に沿って本体154aの少なくとも内部に、又は本体154aを貫通して延びる開口部154bを有することができる。開口部154bはロッド89を受容するようなサイズとすることができ、これにより、ロッド89は長手方向Lに沿ってアセンブリ本体151に対して近位方向に、開口部154bを通り、シャッターアセンブリ160の方向に延びることができる。
【0043】
アセンブリ本体151は、例えば、上記に述べた回路300の電子スイッチを閉じるために、付勢部材156からのばね力に抗して長手方向Lに沿って基部154に対して近位方向に動くことが可能である。例えば、図5A〜6Cに関して上記に述べたように、作動部材153は、作動部材153の固定部材受容端152、例えば、装置110の遠位端に適用される近位方向の力Fに応じて、基部154の方向に長手方向Lに沿って近位方向に動くことができる。
【0044】
アクチュエーターアセンブリ150は、アセンブリ本体151の最遠位面によって画定され得るアクチュエーターアセンブリ表面157を有することができる。装置本体112は、アクチュエーターアセンブリ表面157に面して、長手方向に沿って装置本体表面123とアクチュエーターアセンブリ表面157との間に延びる第1の距離E1を規定する装置本体表面123を画定することができる。アクチュエーターアセンブリ150が第1の位置にある場合、第1の距離E1はほぼ0に等しいか、又は0よりも大きくなり得る。アクチュエーターアセンブリ150が本明細書に述べられるように長手方向Lに沿って装置本体112に対して近位方向に変位させられると、アクチュエーターアセンブリ表面157は、装置のハウジング表面123から長手方向Lに沿って、第1の距離E1よりも大きい第2の距離E2だけ離間する。第2の距離E2と第1の距離E1との差は、装置本体112に対するアクチュエーターアセンブリ表面157の変位量を表し得るものであり、この差は、第1のアクチュエーターアセンブリ150を第1の位置から作動位置へと動かすのに充分であるとともに、更に、ロッド89にシャッター160を閉位置から開位置へと動かすことができる。
【0045】
経路部材180は、近位端184と、長手方向Lに沿って近位端184から遠位方向に間隔をおいた遠位端182と、を規定する経路本体180aを有している。近位端184は、下記に更に詳細に述べるようにシャッターアセンブリ160と嵌合するように構成された嵌合面184eを更に画定することができる。経路部材180は、遠位端182と近位端184との間で経路本体を貫通して延びる通孔186であって、レーザー源が作動され、シャッター160が閉位置にある場合にレーザー光線が通孔186を通って伝播するように長手方向に沿ってレーザー源と整列された、通孔186を画定することができる。経路部材180の遠位端182は、作動部材153内で直動することができる。経路部材180の近位端184は、長手方向Lに沿って基部154に対して摺動可能である。例えば、基部154は、長手方向Lに沿って少なくとも本体154aの内部に、又は本体154aを貫通して延びる第2の開口部154cを画定することができる。第2の開口部154cは、経路部材180が第2の開口部154c内で動くことができるように経路部材180の近位端184を受容するサイズとすることができる。したがって、固定部材18が作動部材53内に挿入される際に、経路部材180が長手方向Lに変位される点は認識されるはずである。
【0046】
基部154内に配置されたロック部材190を、経路部材180と係合させて、経路部材180の運動を固定するために用いることができる。基部154aは、基部開口部154cと開通した凹部154dを有してよく、これにより、経路部材180が凹部154d内に配置された可動式戻り止め190によって係合され得る。ばねであってよい付勢部材192が、戻り止め190を横断方向に経路部材180に向かって押し、経路部材180に押し付ける。経路部材180は、経路部材180の外表面上に凹部154dと径方向に整列して配置された凹部184eを更に有してもよく、これにより、経路部材180がシャッターアセンブリ160の方向に変位される際、部材の凹部193が凹部154dと軸方向に整列するように動く。付勢部材192は戻り止め190を経路部材180の対応する湾曲した凹部193内に少なくとも部分的に押し込む。凹部193内に配置された戻り止め190は、経路部材180の長手方向Lに沿った近位及び遠位方向への変位の両方を防止することができる。
【0047】
図の実施形態によれば、シャッターアセンブリ160は、シャッター本体160b、及び長手方向Lに沿ってシャッター本体160bを貫通して延びる開口部162を有することができる。シャッター本体160bは、アクチュエーターアセンブリ150の変位を防止するように構成された係止部165を更に画定することができる。例えば、係止部165はロッド89と整列し、ロッド89と対向して配置される。シャッターアセンブリ160が図9Aに示されるようなロック位置にある場合、係止部165はアクチュエーターアセンブリ150の変位を防止する。シャッターアセンブリ本体160bは、経路部材180の一部、例えば、経路係合部186eを受容するように構成された第1の係合面160eを画定している。経路部材180が長手方向Lに沿って近位方向に第1の位置から第2の位置へと変位させられると、経路係合部186eが第1の係合面160eと接触し、シャッターアセンブリ160を横断方向Tに沿ってロック位置からロック解除位置へと動かす。
【0048】
シャッター本体160bは、係止部165から長手方向Lに沿って近位方向に延びる第2の係合面160aを更に画定することができ、第2の係合面160aは,係止部165が軸1に向かって横断方向に変位する際、ロッド89によって保持される相補的嵌合面89aに当接し、嵌合面89aに沿って動くように構成されている。係合面160a又は89aの少なくとも一方は角度をなして設けることができ、これにより、ロッド89の長手方向Lに沿った運動により、嵌合面89aが嵌合面160a、ひいてはシャッター本体160bを付勢して、横断方向Tに沿って閉位置から開位置に動かすことになる。例えば、ロッド89の運動は、放射されたレーザー光線が経路部材180内に通過できるように開口部162がレーザー源70及び経路部材180と整列するまでシャッター本体160bを横断方向に沿って動かすのに充分なものであればよい。
【0049】
シャッターアセンブリ160は、それぞれが長手方向Lに沿ってシャッター本体160bから遠位方向に延びる第1の棚部164b及び第2の棚部164aを更に有することができる。第1の棚部164bは、横断方向Tに沿って第2の棚部164aから間隔をおいて設けることができ、これにより、シャッターアセンブリ160は横断方向Tに沿って第1の棚部164bと第2の棚部164aとの間に延びる凹部163を画定する。第1の嵌合面160eは、凹部163の一部を画定することができる。凹部163は、経路部材180が遠位方向に変位させられ(図9B)、シャッターアセンブリ160が開位置にある場合に、経路部材180の近位端184を受容するようなサイズとすることができる。
【0050】
アクチュエーターアセンブリ150は、横断方向Tに沿ってシャッターアセンブリ160と基部154との間に延びるばねなどの付勢部材166を更に有することができる。付勢部材166は、シャッターアセンブリ160のロック/ロック解除位置からの、また、閉位置から開位置への運動に抗する、シャッターアセンブリ160に対する付勢力を与えるように構成されている。付勢部材166は、1)経路部材180が凹部163内に配置されていない場合、及び2)ロッド89がシャッターアセンブリ160を開位置にもはや保持しない場合に、シャッターアセンブリ160をロックされ、かつ閉じた形態に保持する。シャッターアセンブリ160がロック位置にある場合、シャッターアセンブリ160本体の係止部165がアクチュエーターの一部に当接することによってアクチュエーター150の第1の位置から作動位置への運動を防止する。更に、ロッド89の近位方向への運動及びこれに応じたシャッターアセンブリの閉じた形態から開いた形態への運動は、付勢部材156の付勢力に抗することができる。
【0051】
シャッターアセンブリが図9Bに示されるようなロック解除位置にある場合、作動部材153及びアセンブリ本体151は、作動部材53に関して上記に述べたように(図4〜6Cを参照)第1の位置から作動位置へと長手方向Lに沿って近位方向に動くことができる。次いで、ロッド89の嵌合面89aが変位され、嵌合面160a上に受けられると、これにより、シャッターアセンブリ160が横断方向Tに沿って、図9Bに示される閉位置から図9Cに示される開(作動)位置へと動く。シャッターアセンブリ160がロック解除位置にある場合、シャッターアセンブリ160は図9B及び9Cに示されるように経路部材180の近位端184が凹部163内に進入することを可能とする。しかしながら、更に、シャッターアセンブリ160が開いた形態にある場合には、開口部162が長手方向Lに沿って経路部材180と整列し、レーザー源70(図2D)がシャッターアセンブリ160の近位側に位置することになる。レーザー装置110のアクチュエーターがそれぞれの作動位置にある場合、レーザー光線が固定部材内に放射され得る点は認識されるはずである。例えば、アクチュエーターの少なくとも1つはレーザー源70がレーザー光線を放射することを防止するそれぞれの第1の位置から、レーザー源70がレーザー光線を放射することをもはや防止しないそれぞれの作動位置へと動かされ得る。
【0052】
代替的な一実施形態に基づいた図10A〜Bを参照すると、レーザー装置210は、遠位端216と遠位端216から長手方向Lに沿って間隔をおいた近位端214とを有するレーザー装置本体212を有することができる。装置本体212は、上記に述べた実施形態と同様に、少なくとも1つのアクチュエーターアセンブリを支持するように構成された装置ハウジング220を更に画定することができる。更に、レーザー装置210は、上記に述べられ、図1A〜8に示される実施形態と同様のレーザー70、電源90、及び少なくとも1つの回路300を更に有している。代替的な一実施形態によれば、シャッターアセンブリ260は、第1の又は開位置と、第2の又は閉位置との間で動くことが可能であり、アクチュエーターアセンブリ250はシャッターアセンブリ260と機能的に嵌合することによりシャッターアセンブリ260を閉位置から開位置へと動かす。シャッターアセンブリ260が閉位置にある場合、シャッターアセンブリ260はレーザー源によって放射されるレーザー光線を遮断し、遠位端へとレーザー光線が伝播することを防止する。シャッターアセンブリ260が開位置にある場合、シャッターアセンブリ260はレーザー源によって放射されるレーザー光線を遠位端に向かって通過させる。
【0053】
アクチュエーターアセンブリ250は、レーザー装置本体212によって支持される基部254を有することができる。例えば、基部254は、長手方向Lに沿った運動に対して内部キャビティ227内に固定して配置することができる。アクチュエーターアセンブリ250は、内部キャビティ227内に装置本体220によって支持されたアセンブリ本体251を更に有することができる。図の実施形態によれば、アセンブリ本体251は、長手方向Lに沿って基部254から遠位方向に沿って間隔をおくことができる。アクチュエーターアセンブリは、長手方向Lに沿って基部254とアセンブリ本体251との間に連結される付勢部材256を更に有することができる。付勢部材は、長手方向に沿って基部254の方向に向かうアセンブリ本体251の運動に抗するばね力を与える。アクチュエーターアセンブリ250は、アセンブリ本体251から長手方向Lに沿って遠位方向に突出する作動部材253を更に有することができる。アクチュエーターアセンブリ250は、アセンブリ本体251と連結されてアセンブリ本体251とともに動くロッド289を有している。基部254は本体254a、及び長手方向に沿って本体254aの少なくとも内部に、又は本体254aを貫通して延びる開口部254bを有することができる。開口部254bはロッド289を受容するようなサイズとすることができ、これにより、ロッド289は長手方向Lに沿ってアセンブリ本体251に対して近位方向に、開口部254bを通り、シャッターアセンブリ260の方向に延びることができる。
【0054】
アセンブリ本体251は、例えば、上記に述べた回路300の電子スイッチを閉じるために、付勢部材256からのばね力に抗して長手方向Lに沿って基部254に対して近位方向に動くことが可能である。例えば、図5A〜6Cに関して上記に述べたように、作動部材253は、作動部材253の固定部材受容端252に適用される近位方向の力Fに応じて、基部254の方向に長手方向Lに沿って近位方向に動くことができる。アクチュエーターアセンブリ250は、アセンブリ本体151の最遠位面によって画定され得るアクチュエーターアセンブリ表面257を有することができる。装置本体212は、アクチュエーターアセンブリ表面257に面して、長手方向に沿って装置本体表面223とアクチュエーターアセンブリ表面257との間に延びる第1の距離F1を画定する装置本体表面223を画定することができる。アクチュエーターアセンブリ250が第1の位置にある場合、第1の距離F1はほぼ0に等しいか、又は0よりも大きくなり得る。アクチュエーターアセンブリ250が本明細書に述べられるように長手方向Lに沿って装置本体212に対して近位方向に変位させられると、アクチュエーターアセンブリ表面157は、装置のハウジング表面223から長手方向Lに沿って、第1の距離F1よりも大きい第2の距離F2だけ離間する。第2の距離F2と第1の距離F1との差は、装置本体212に対するアクチュエーターアセンブリ表面257の変位量を表し得るものであり、この差は、第1のアクチュエーターアセンブリ250を第1の位置から作動位置へと動かすのに充分であるとともに更に、ロッド289にシャッター260を閉位置から開位置へと動かすことができる。
【0055】
経路部材280は、近位端284と、長手方向Lに沿って近位端284から遠位方向に間隔をおいた遠位端282と、を画定する経路本体280aを有している。経路部材280は、遠位端282と近位端284との間で経路本体を貫通して延びる通孔286を画定している。通孔286は長手方向に沿ってレーザー源と整列しているため、レーザー源が作動しており、かつシャッター260が閉位置にある場合にレーザー光線が通孔286を通って伝播することができる。経路部材280の遠位端282は、作動部材253に直動可能に固定することができる。したがって、長手方向Lに沿った作動部材253の運動により、経路部材280が長手方向Lに沿って作動部材253とともに動く。経路部材280の近位端284は、長手方向Lに沿って基部254に対して摺動可能である。例えば、基部254は、長手方向Lに沿って少なくとも本体254aの内部に、又は本体254aを貫通して延びる第2の開口部254cを画定することができる。第2の開口部254cは、経路部材280が第2の開口部254c内で動くことができるように経路部材280の近位端284を受容するサイズとすることができる。したがって、作動部材253が上記に述べたように変位される際に経路部材280が長手方向Lに変位される点は認識されるはずである。基部254は、上記に述べられ、図9A〜9Bに示されるロック部材190と同様に構成されたロック部材290を有することができる。
【0056】
上記に述べたように、シャッターアセンブリ260の開位置(図9A)への移動により、レーザー源によって放射されたレーザー光線は経路部材280内に伝播することができる。シャッターアセンブリ260が閉位置(図9B)にある場合、シャッターアセンブリ260はレーザー源によって放射されるレーザー光線を遮断し、放射されたレーザー光線が経路部材280内に伝播することを防止する。図の実施形態によれば、シャッターアセンブリ260は、シャッター本体260b、及び長手方向Lに沿ってシャッター本体260bを貫通して延びる開口部262を有することができる。シャッター本体260bは、ロッド289に保持された相補的嵌合面289aと当接して嵌合面289aに沿って動くように構成された嵌合面265を更に画定することができる。係合面265又は289aの少なくとも一方は角度をなして設けることができ、これにより、ロッド89の長手方向Lに沿った運動により、嵌合面289aが嵌合面265、ひいてはシャッター本体260bを付勢して、横断方向Tに沿って閉位置から開位置に動かす。例えば、ロッド89の運動は、開口部262がレーザー源70及び経路部材280と整列するまでシャッター本体260bを横断方向Tに沿って動かすのに充分なものであればよい。
【0057】
シャッターアセンブリ260は、それぞれが長手方向Lに沿ってシャッター本体260bから遠位方向に延びる第1の棚部264a及び第2の棚部264bを更に有することができる。第2の棚部264bは、横断方向Tに沿って第1の棚部264aから間隔をおいて設けることができ、これにより、シャッターアセンブリ260は横断方向Tに沿って第1の棚部264aと第2の棚部264bとの間に延びる凹部263を画定する。凹部263は、経路部材280が遠位方向に変位させられ(図10B参照)、シャッターアセンブリ260が開位置にある場合に経路部材280の近位端284を受容するようなサイズとすることができる。
【0058】
アクチュエーターアセンブリ250は、横断方向Tに沿ってシャッターアセンブリ260と基部254との間に延びるばねなどの付勢部材256を更に有することができる。付勢部材256は、シャッターアセンブリ260の閉位置から開位置への運動に抗する、シャッターアセンブリ260に対する付勢力を与えるように構成されており、ロッド89がシャッターアセンブリ260を開位置に保持しない場合に、シャッターアセンブリ260を閉位置に保持する。したがって、ロッド89の近位方向への運動及びこれに応じたシャッターアセンブリの閉位置から開位置への運動は、付勢部材256の付勢力に抗することができる。
【0059】
作動部材253は、作動部材53に関して上記に述べたように(図4〜6Cを参照)、第1の位置から作動位置へと長手方向Lに沿って近位方向に変位させることができる。作動部材の変位によってロッド289の嵌合面289aが変位して嵌合面265上に受けられると、これにより、シャッターアセンブリ260が横断方向Tに沿って、図10Aに示される閉位置から図10Bに示される開(作動)位置へと動く。シャッターアセンブリ260が開位置にある場合、シャッターアセンブリ260は図10Bに示されるように経路部材280の近位端284が凹部263内に進入することを可能とする。更に、シャッターアセンブリ260が開位置にある場合には、開口部262は長手方向Lに沿って経路部材280と、またシャッターアセンブリ260の近位側に位置するレーザー源70(図2D参照)と整列する。レーザー装置210のアクチュエーターがそれぞれの作動位置にある場合、レーザー光線が固定部材内に放射され得る点は認識されるはずである。例えば、アクチュエーターの少なくとも1つはレーザー源70がレーザー光線を放射することを防止するそれぞれの第1の位置から、レーザー源70がレーザー光線を放射することをもはや防止しないそれぞれの作動位置へと動かされ得る。
【0060】
更なる一実施形態は、固定部材を標的手術部位に固定するための方法を含むことができる。本方法は、レーザー源と、レーザー源がレーザー光線を放射することを防止するように第1の位置にあるアクチュエーターと、を含むタイプのレーザー装置の固定部材受容端に固定部材を嵌合させる工程を含むことができる。支持する工程の後、固定部材は標的手術部位内に少なくとも部分的に挿入される。挿入する工程中において、レーザー源がレーザー光線を放射することをアクチュエーターが防止しなくなるようにアクチュエーターを第1の位置から作動位置へと動かすことができる。更に、本方法は、レーザー源に固定部材へとレーザー光線を放射させることにより、固定部材を標的手術部位内で変形させることを含むことができる。本方法の更なる実施形態では、レーザー源に固定部材へとレーザー光線を放射させる工程は、動かすことに応じたものである。本方法は、更に、レーザー源がレーザー光線を放射することを第2のアクチュエーターが防止しないように、第2のアクチュエーターを第1の位置から作動位置へと動かす第2の工程を更に含むことができる。レーザー源に固定部材へとレーザー光線を放射させることは、第2の動かす工程に応じたものであり得る。本方法は、電源をレーザー源に電気的に接続してレーザー源に固定部材へとレーザー光線を放射させる工程を放射することを更に含むことができる。更に、固定部材をレーザー装置上に支持する工程は、第1の位置から作動位置へのアクチュエーターの運動を可能とする。
【0061】
本明細書に述べられる任意の1つの要素又は2つ以上の要素の組み合わせが本発明の代表的な実施形態を構成し得る点は認識されるべきである。例えば、1個、2個、又はそれ以上のレーザー装置10と、少なくとも1つのアクチュエーターアセンブリ若しくは回路300、及び/又はシャッターアセンブリ160、260との任意の組み合わせは、本発明の異なる実施形態を構成し得る。更に、これら上記の要素のそれぞれの特定の特徴を、必要に応じて異なる要素の他の特徴とともに用いることができる。
【0062】
以上、本開示を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本明細書において様々な変更、代用、及び改変を行い得る点を理解されたい。更に、本開示の範囲は、明細書に述べられる特定の実施形態に限定されるものではない。本発明の開示から当業者には容易に理解されるように、本明細書に述べられる対応する実施形態と実質的に同じ機能を行うか、又は実質的に同じ結果を実現する、現時点で存在するか又は将来的に開発されるプロセス、機械、製法、組成物、手段、方法、又は工程を本開示に基づいて利用することが可能である。
【0063】
〔実施の態様〕
(1) 標的手術部位に固定される固定部材を支持するように構成された遠位端と、長手方向に沿って前記遠位端から間隔をおいた近位端と、を有するレーザー装置であって、
レーザー装置本体と、
前記レーザー装置本体により支持され、前記遠位端にレーザー光線を放射することが可能なレーザー源であって、前記レーザー源が前記レーザー光線を放射しない非作動形態と、前記レーザー源が前記レーザー光線を放射する作動形態との間で、前記レーザー装置が切換えを行うように構成された、レーザー源と、
第1の位置と作動位置との間で動くことが可能な第1のアクチュエーターと、
第1の位置と作動位置との間で動くことが可能な第2のアクチュエーターと、を備え、前記第1のアクチュエーター及び前記第2のアクチュエーターの少なくとも一方が前記第1の位置にある場合に前記レーザー装置が前記非作動形態にあり、前記第1のアクチュエーター及び前記第2のアクチュエーターがそれぞれの前記作動位置にある場合に前記レーザー装置が前記作動形態にある、レーザー装置。
(2) 前記固定部材が前記レーザー装置の前記遠位端に受容される際、前記レーザー装置及び前記固定部材が前記レーザー源から放射される前記レーザー光線を包囲するように構成され、前記レーザー装置が前記作動形態にある場合に前記レーザー光線が使用者の目に見えない、実施態様1に記載のレーザー装置。
(3) 前記レーザー源が、IEC 60825−1号規格に基づくクラス2、クラス3、又はクラス4のレーザー源であるが、前記レーザー装置はIEC 60825−1に基づくクラス1のレーザー装置である、実施態様1又は2に記載のレーザー装置。
(4) 前記第1のアクチュエーターが前記第1の位置にある場合に前記アクチュエーターが前記非作動形態から前記作動形態への前記レーザー装置の切換えと干渉し、前記アクチュエーターが前記作動位置にある場合に前記干渉が取り除かれる、実施態様1〜3のいずれかに記載のレーザー装置。
(5) 前記固定部材が前記レーザー装置の前記遠位端内に少なくとも部分的に挿入される際に、前記第1のアクチュエーターが前記第1の位置から前記作動位置に動くことができる、実施態様1〜4のいずれかに記載のレーザー装置。
【0064】
(6) 前記第1のアクチュエーターが前記第1の位置から前記作動位置へと動くことを防止する係止部材を更に含む、実施態様1〜5のいずれかに記載のレーザー装置。
(7) 前記第1のアクチュエーターが第1の作動部材を含み、前記第1の作動部材が受容端と、前記長手方向に沿って前記受容端から間隔をおいた反対側の嵌合端と、を画定し、前記受容端が前記固定部材を少なくとも部分的に受容するように構成され、前記固定部材が前記第1の作動部材の前記受容端に受容されていない場合に前記第1のアクチュエーターが前記第1の位置にロックされる、実施態様1〜6のいずれかに記載のレーザー装置。
(8) 前記第2のアクチュエーターが、電源を前記レーザー源と選択的かつ機能的に接続するように構成されていることにより、前記第2のアクチュエーターが前記第1の位置にある場合に前記電源が前記レーザー源から切断され、前記第2のアクチュエーターが前記作動位置にある場合に前記電源が前記レーザー源と接続される、実施態様1〜7のいずれかに記載のレーザー装置。
(9) 電子回路上に電源及び前記レーザー源とともに配置された第1の電子スイッチ及び第2の電子スイッチを更に備え、前記第1及び第2のスイッチが前記電源と前記レーザー源との間の電気的接続を選択的に閉じるように構成されている、実施態様1に記載のレーザー装置。
(10) 前記第1のアクチュエーターが前記作動位置に動かされると前記第1の電子スイッチが閉じられ、前記第2のアクチュエーターが前記作動位置に動かされると前記第2の電子スイッチが前記電源と前記レーザー源との間の前記電気的接続を閉じ、これにより前記レーザー源が前記レーザー光線を放射する、実施態様9に記載のレーザー装置。
【0065】
(11) 前記レーザー装置本体に支持された第1の導電性部材を更に備え、前記第1のアクチュエーターが第2の導電性部材を有し、前記第2の導電性部材は、前記第1のアクチュエーターが前記作動位置にある場合に前記第1の導電性部材と第2の導電性部材とが接触して前記第1の電子スイッチを閉じるように構成される、実施態様1に記載のレーザー装置。
(12) 前記第2のアクチュエーターが第2の作動部材を更に含み、前記第2の作動部材が磁場を放射する磁石を含み、前記第2の作動部材の前記第1の位置から前記作動位置への運動によって前記磁場が前記第2の電子スイッチに近づけられる、実施態様9に記載のレーザー装置。
(13) 前記第2のアクチュエーターが前記作動位置にある場合に前記磁場が前記第2の電子スイッチを閉じる、実施態様11に記載のレーザー装置。
(14) 標的手術部位に固定される固定部材を支持するように構成された遠位端と、長手方向に沿って前記遠位端から間隔をおいた近位端と、を有するレーザー装置であって、
レーザー装置本体と、
前記レーザー装置本体により支持され、前記遠位端にレーザー光線を放射することが可能なレーザー源であって、前記レーザー源が前記レーザー光線を放射しない非作動形態と、前記レーザー源が前記レーザー光線を放射する作動形態との間で、前記レーザー装置が切換えを行うように構成された、レーザー源と、
第1の位置と作動位置との間で動くことが可能なアクチュエーターと、を備え、前記アクチュエーターが前記第1の位置にある場合に前記アクチュエーターが前記非作動形態から前記作動形態への前記レーザー装置の切換えと干渉し、前記アクチュエーターが前記作動位置にある場合に前記干渉が取り除かれる、レーザー装置。
(15) 前記固定部材が前記レーザー装置の前記遠位端に受容される際、前記レーザー装置及び前記固定部材が前記レーザー源から放射される前記レーザー光線を包囲するように構成され、前記レーザー装置が前記作動形態にある場合に前記レーザー光線が使用者の目に見えない、実施態様14に記載のレーザー装置。
【0066】
(16) 前記レーザー源が、IEC 60825−1号規格に基づくクラス2、クラス3、又はクラス4のレーザー源であるが、前記レーザー装置はIEC 60825−1に基づくクラス1のレーザー装置である、実施態様14又は15に記載のレーザー装置。
(17) 前記固定部材が前記レーザー装置の前記遠位端内に少なくとも部分的に挿入される際に前記アクチュエーターが前記第1の位置から前記作動位置に動くことができる、実施態様15又は16に記載のレーザー装置。
(18) 前記固定部材の少なくとも一部が前記レーザー装置の前記遠位端と連結される際に前記アクチュエーターが前記第1の位置から前記作動位置に動くことができる、実施態様17に記載のレーザー装置。
(19) 前記アクチュエーターが前記第1の位置から前記作動位置へと動くことを防止する係止部材を更に含む、実施態様14〜18のいずれかに記載のレーザー装置。
(20) 前記固定部材が前記レーザー装置の前記遠位端内に少なくとも部分的に挿入されると、前記係止部材が、前記アクチュエーターが前記第1の位置から前記第2の位置へと動くことをもはや防止できなくなる、実施態様14〜19のいずれかに記載のレーザー装置。
【0067】
(21) 前記アクチュエーターが作動部材を含み、前記作動部材が受容端と、前記長手方向に沿って前記受容端から間隔をおいた嵌合端と、を画定し、前記受容端が前記固定部材を受容するように構成され、前記固定部材が前記作動部材の前記受容端に受容されていない場合に前記アクチュエーターが前記第1の位置にロックされる、実施態様14〜20のいずれかに記載のレーザー装置。
(22) 第1の端部と、前記長手方向に沿って前記第1の端部から間隔をおいた第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延び、前記レーザー光線が通過できるように前記レーザー源と整列した経路開口部と、を画定する経路部材を更に備え、前記アクチュエーターが少なくとも部分的に前記経路部材に沿って配置されている、実施態様14〜21のいずれかに記載のレーザー装置。
(23) 前記アクチュエーターが前記係止部材を保持し、前記係止部材が前記長手方向に沿って前記経路部材の前記第1の端部と少なくとも部分的に整列することにより前記経路部材に沿った前記アクチュエーターの変位を防止する、実施態様19〜22のいずれかに記載のレーザー装置。
(24) 前記固定部材が前記受容端に受容される際、前記固定部材が前記係止部材を反らせることによって前記経路部材に沿った前記第1の位置から前記作動位置への前記作動部材の変位を可能とする、実施態様23に記載のレーザー装置。
(25) 前記係止部材が、突起部、肩部、タブ、ワイヤ、ロッド、隆起部、リップ、又はピンのいずれか1つ又はそれらの組み合わせを含む、実施態様24に記載のレーザー装置。
【0068】
(26) 前記レーザー装置本体によって支持され、前記アクチュエーターを前記第1の位置に付勢するように構成された付勢部材を更に備える、実施態様14〜25のいずれかに記載のレーザー装置。
(27) 前記レーザー源とともに電気回路上に配置された電源を更に備え、前記レーザー装置が、前記電気回路上に配置された少なくとも1つの電子スイッチを有し、前記少なくとも1つのスイッチのそれぞれが前記電源と前記レーザー源との間の電気的接続を選択的に閉じるように構成されている、実施態様14〜26のいずれかに記載のレーザー装置。
(28) 前記第1の位置から前記作動位置への前記アクチュエーターの運動が前記少なくとも1つのスイッチを閉じる、実施態様27に記載のレーザー装置。
(29) 前記レーザー装置本体に支持された第1の導電性部材を更に備え、前記第1の導電性部材が前記少なくとも1つのスイッチ、前記レーザー源、及び前記電源と電気的に通信しており、前記アクチュエーターが第2の導電性部材を有し、前記第2の導電性部材は、前記アクチュエーターが前記作動位置にある場合に前記第1の導電性部材と第2の導電性部材とが接触して前記少なくとも1つのスイッチを閉じるように構成される、実施態様27又は28に記載のレーザー装置。
(30) 前記アクチュエーターが第1のアクチュエーターであり、前記レーザー装置が前記レーザー装置本体により支持された第2のアクチュエーターを備え、前記第2のアクチュエーターが、電源を前記レーザー源と選択的かつ機能的に接続するように構成されていることにより、前記第2のアクチュエーターが前記第1の位置にある場合に前記電源が前記レーザー源から切断され、前記第2のアクチュエーターが前記作動位置にある場合に前記電源が前記レーザー源と接続される、実施態様14〜29のいずれかに記載のレーザー装置。
【0069】
(31) 前記電源と前記レーザー源との間の電気的接続を選択的に閉じるように構成された第1のスイッチ及び第2のスイッチを更に備え、前記第1のアクチュエーターの前記第1の位置から前記作動位置への運動により前記第1のスイッチが閉じ、前記第2のアクチュエーターの前記第1の位置から第2の作動位置への運動により前記第2のスイッチが閉じ、前記第1及び第2のスイッチが閉じられた場合に前記電源が前記レーザー源に電力を供給することにより前記レーザー源が前記レーザー光線を放射する、実施態様30に記載のレーザー装置。
(32) 前記第2のアクチュエーターが第2の作動部材を更に含み、前記第2の作動部材が磁場を放射する磁石を含み、前記第2の作動部材の前記第1の位置から前記作動位置への運動によって前記磁場が前記第2のスイッチに近づけられる、実施態様31に記載のレーザー装置。
(33) 前記第2のアクチュエーターが前記作動位置にある場合に前記磁場が前記第2のスイッチを閉じる、実施態様32に記載のレーザー装置。
(34) レーザーを通過させるように構成された穴を有するシャッターアセンブリを更に備え、前記シャッターアセンブリが閉じた形態から開いた形態に動くように構成され、前記閉じた形態が、前記レーザーの前記穴への入射を遮断する前記シャッターアセンブリによって規定され、前記開いた形態が、レーザー光線が前記穴を通過するように前記穴が前記レーザー源と整列する場合である、実施態様14〜33のいずれかに記載のレーザー装置。
(35) 前記アクチュエーターの前記第1の位置から前記作動位置への運動が、前記シャッターアセンブリを前記閉じた形態から前記開いた形態へと動かす、実施態様34に記載のレーザー装置。
【0070】
(36) レーザー装置であって、
近位端と、標的手術部位に固定される固定部材を受容するように構成された、前記近位端から間隔をおいた遠位端と、を有するレーザー装置本体と、
前記レーザー装置本体により支持されて、前記遠位端にレーザー光線を放射することが可能なレーザー源であって、前記レーザー源が少なくとも1つの入力に反応することにより、前記レーザー源が前記レーザー光線を放射しない非作動形態と、前記レーザー源が前記レーザー光線を放射する作動形態との間で選択的に切換えを行う、レーザー源と、を備える、レーザー装置。
(37) 前記少なくとも1つの入力が、前記レーザー装置の前記遠位端に対する力の適用である、実施態様36に記載のレーザー装置。
(38) 前記少なくとも1つの入力が、前記レーザー装置本体の前記遠位端内への前記固定部材の少なくとも部分的な挿入である、実施態様36又は37に記載のレーザー装置。
(39) 前記少なくとも1つの入力が、前記レーザー装置本体の前記遠位端内への前記固定部材の少なくとも部分的な挿入、及び前記手術部位内への前記固定部材の少なくとも部分的な配置である、実施態様36〜38のいずれかに記載のレーザー装置。
(40) 前記レーザー装置本体が、前記レーザー源とともに電気回路上に配置された電源を含み、前記少なくとも1つの入力が、前記電源と前記レーザー源との間の電気的接続の完成である、実施態様36〜39のいずれかに記載のレーザー装置。
【0071】
(41) 第1の位置と作動位置との間で動くことが可能なアクチュエーターを更に備え、前記アクチュエーターが前記第1の位置にある場合に前記アクチュエーターが前記非作動形態から前記作動形態への前記レーザー装置の切換えと干渉し、前記レーザー装置が前記作動位置にある場合に前記干渉が取り除かれる、実施態様36〜40のいずれかに記載のレーザー装置。
(42) 前記少なくとも1つの入力が、前記アクチュエーターが前記作動位置へと動く場合であり、前記装置の前記遠位端に力が適用されることにより、前記アクチュエーターが前記第1の位置から前記作動位置へと動く、実施態様41に記載のレーザー装置。
(43) 前記アクチュエーターが作動部材を含み、前記アクチュエーターが受容端と、長手方向に沿って前記受容端から間隔をおいた嵌合端と、を画定し、前記受容端が前記固定部材を少なくとも部分的に受容するように構成され、前記固定部材が前記作動部材の前記受容端に受容されていない場合に前記アクチュエーターが前記第1の位置にロックされる、実施態様40又は41に記載のレーザー装置。
(44) 前記レーザー装置が、前記電気回路上に配置された少なくとも1つのスイッチを含み、前記少なくとも1つのスイッチのそれぞれが前記電源と前記レーザー源との間の前記電気的接続を閉じるように構成されている、実施態様40〜43のいずれかに記載のレーザー装置。
(45) 前記アクチュエーターが第1のアクチュエーターであり、前記レーザー装置が前記レーザー装置本体により支持された第2のアクチュエーターを備え、前記第2のアクチュエーターが、前記電源を前記レーザー源と選択的かつ機能的に接続するように構成されていることにより、前記第2のアクチュエーターが前記第1の位置にある場合に前記電源が前記レーザー源から切断され、前記第2のアクチュエーターが前記作動位置にある場合に前記電源が前記レーザー源と接続される、実施態様41〜44のいずれかに記載のレーザー装置。
【0072】
(46) 前記第2のアクチュエーターが第2の作動部材を更に含み、前記第2の作動部材が磁場を放射する磁石を含むことにより、前記第2の作動部材の前記第1の位置から前記作動位置への運動によって前記磁場が前記スイッチに近づけられる、実施態様41〜45のいずれかに記載のレーザー装置。
(47) 前記少なくとも1つの入力が、前記第2のアクチュエーターが前記第2の作動位置にある場合である、実施態様41〜46のいずれかに記載のレーザー装置。
(48) 外科用固定部材支持部材と、電源と、前記電源からの電力に応じて前記固定部材支持部材に向かってレーザー光線を放射するレーザー源と、を有するタイプのレーザー装置内に配設されるように構成された電気回路であって、
前記レーザー源及び前記電源とそれぞれ電気的に通信するように構成された第1及び第2の端部を有する導電体と、
前記導電体の第1の部分と第2の部分との間で前記第1の端部と前記第2の端部との間の位置に配置される第1のスイッチであって、前記第1のスイッチが第1の入力に応じて通常の開位置と閉位置との間で動き、前記第1のスイッチが前記開位置にある場合には前記第1の部分と前記第2の部分とが互いから電気的に絶縁され、前記第1のスイッチが前記閉位置にある場合には前記第1の部分と前記第2の部分とが互いに電気的に通信する、第1のスイッチと、
前記導電体の第3の部分と第4の部分との間で前記第1の端部と前記第2の端部との間の位置に配置される第2のスイッチであって、前記第2のスイッチが前記第1の入力と異なる第2の入力に応じて通常の開位置と閉位置との間で動き、前記第2のスイッチが前記開位置にある場合には前記第3の部分と前記第4の部分とが互いから電気的に絶縁され、前記第1のスイッチが前記閉位置にある場合には前記第3の部分と前記第4の部分とが互いに電気的に通信する、第2のスイッチと、を備え、
前記電気回路が前記レーザー装置内に配設され、前記第1及び第2のスイッチがそれぞれの閉位置にある場合、前記第1の端部と前記第2の端部とが互いに電気的に通信することによって、電力が前記電源から前記レーザー源へと前記導電体を通って流れる、電気回路。
(49) 前記電気回路が少なくとも1つのプリント回路基板によって保持された、実施態様48に記載の電気回路。
(50) 前記第1の入力が前記レーザー装置の前記遠位端に対する力の適用であり、前記力の適用により、前記第1のスイッチがスイッチを閉じ、前記レーザー装置の前記遠位端から前記力が除かれると前記第1のスイッチが開く、実施態様48又は49に記載の電気回路。
【0073】
(51) 前記レーザー装置が、センサーと、第1の位置から作動位置へと動くことが可能なアクチュエーターと、を有し、前記センサーが、前記アクチュエーターが前記作動位置にある場合にこれを検出するように構成され、前記第2の入力が、前記アクチュエーターの前記作動位置への運動を検出したセンサーから受信される信号である、実施態様48〜50のいずれかに記載の電気回路。
(52) 前記レーザー装置が第1の位置から作動位置へと動くことが可能なアクチュエーターを含み、前記アクチュエーターが磁場を放射する磁石を保持し、前記第2の入力が前記磁場である、実施態様48〜51のいずれかに記載の電気回路。
(53) 標的手術部位に植え込まれるように構成された固定部材であって、
クラス2、3又は4のレーザー光線からエネルギーを受容し、前記レーザー光線から受容したエネルギーに応じて前記標的手術部位で軟化するように構成されたポリマー本体であって、クラス1のレーザー光線のエネルギーを超えないエネルギーを放射するのに充分な量の前記受容したエネルギーを吸収するように構成された、ポリマー本体を有する、固定部材。
(54) 前記レーザーを吸収することが可能なコーティングを前記ポリマー本体上に有する、実施態様53に記載の固定部材。
(55) 前記ポリマー本体が、最大で約2.0重量%の、前記受容したエネルギーの吸収を助ける物質を含む、実施態様53又は54に記載の固定部材。
【0074】
(56) 前記ポリマー本体が、約0.75重量%の、前記受容したエネルギーの吸収を助ける物質を含む、実施態様53〜55のいずれかに記載の固定部材。
(57) 前記固定部材が、後端と、固定部材の軸に沿って前記後端から間隔をおいた挿入端との間に延び、前記後端が、レーザー光線を放射するように構成されたレーザー装置と嵌合するように構成された構造を画定する、実施態様53〜56のいずれかに記載の固定部材。
(58) 前記固定部材が前記レーザー装置と嵌合される際、前記レーザー装置及び前記固定部材が前記レーザー光線を包囲するように構成され、前記レーザー装置が前記レーザー光線を放射する際に前記レーザー光線が使用者の目に見えない、実施態様53〜57のいずれかに記載の固定部材。
(59) 前記固定部材の前記後端が、ヘッド、前記固定部材の軸に沿って前記ヘッドから遠位方向に間隔をおいた隆起部、及び前記ヘッドと前記隆起部との間に配置されたネックを有する、実施態様53〜58のいずれかに記載の固定部材。
(60) 前記ヘッドが第1の断面寸法を画定し、前記ネックが第2の断面寸法を画定し、前記隆起部が第3の断面寸法を画定し、前記第2の断面寸法が、前記第1の断面寸法及び前記第3の断面寸法の少なくとも一方よりも小さい、実施態様59に記載の固定部材。
【0075】
(61) 固定部材を標的手術部位に固定するための方法であって、
レーザー源と、前記レーザー源がレーザー光線を放射することを防止するように第1の位置にあるアクチュエーターと、を含むタイプのレーザー装置の固定部材受容端に固定部材を嵌合させる工程と、
前記支持する工程の後、前記固定部材を前記標的手術部位内に少なくとも部分的に挿入する工程と、
前記挿入する工程中において、前記レーザー源が前記レーザー光線を放射することを前記アクチュエーターが防止しなくなるように前記アクチュエーターを前記第1の位置から作動位置へと動かす工程と、
前記レーザー源に前記固定部材へと前記レーザー光線を放射させることにより、前記固定部材を前記標的手術部位内で変形させる工程と、を含む方法。
(62) 前記レーザー源に前記固定部材へと前記レーザー光線を放射させる工程が、前記動かす工程に応じたものである、実施態様61に記載の方法。
(63) 前記アクチュエーターが第1のアクチュエーターであり、前記レーザー装置が第2のアクチュエーターを含み、前記方法が、更に、前記レーザー源が前記レーザー光線を放射することを前記第2のアクチュエーターが防止しないように、前記第2のアクチュエーターを前記第1の位置から作動位置へと動かす第2の工程を含む、実施態様61に記載の方法。
(64) 前記レーザー源に前記固定部材へと前記レーザー光線を放射させる工程が、前記第2の動かす工程に応じたものである、実施態様61に記載の方法。
(65) 前記レーザー装置が、前記レーザー源とともに回路上に配置された電源を有し、前記方法が、更に、前記電源を前記レーザー源に電気的に接続して前記レーザー源に前記固定部材へと前記レーザー光線を放射させる工程を放射することを含む、実施態様61〜64のいずれかに記載の方法。
【0076】
(66) 前記固定部材を前記レーザー装置上に支持する工程が、前記アクチュエーターの前記第1の位置から前記作動位置への運動を可能とする、実施態様61〜64のいずれかに記載の方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B