特許第6506040号(P6506040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6506040
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】立体視画像加工方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 7/19 20060101AFI20190415BHJP
   B44C 1/22 20060101ALN20190415BHJP
   B44F 7/00 20060101ALN20190415BHJP
【FI】
   B24B7/19
   !B44C1/22 A
   !B44F7/00
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-25695(P2015-25695)
(22)【出願日】2015年2月12日
(65)【公開番号】特開2016-147347(P2016-147347A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2018年2月6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 メッセナゴヤ2014にて展示による公開(平成26年11月5日)
(73)【特許権者】
【識別番号】315002391
【氏名又は名称】株式会社美光技研
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】和田 昇悟
(72)【発明者】
【氏名】和田 有司
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−262286(JP,A)
【文献】 実開昭64−052656(JP,U)
【文献】 特開昭50−037635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 7/19
B24D 7/00 − 7/18
B44C 1/22
B44F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略柱状の回転体の一端の端面において、前記略柱状の回転体の長手軸方向を回転中心とし、少なくとも前記回転中心から端面に向かって形成された研削手段を備えた研削器具を用いた立体視画像加工方法であって、
前記研削器具の研削手段を、被加工面に当接させ、
前記研削器具を回転させながら前記被加工面上を、所定の方向へ移動するように、相対的に移動させることにより前記被加工面に立体視可能な画像を形成することを特徴とする立体視画像加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載の立体視画像加工方法において、
前記研磨器具の研削手段を前記所定の方向へ移動させる際、移動の始点と移動の終点とが一致するように閉領域の外縁に沿って移動させることを特徴とする立体視画像加工方法。
【請求項3】
請求項2に記載の立体視画像加工方法において、
前記閉領域の外縁は、円状であることを特徴とする立体視画像加工方法。
【請求項4】
請求項2に記載の立体視画像加工方法において、
前記閉領域の外縁は、四角状であることを特徴とする立体視画像加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削器具を用いて、被加工面に立体視可能な画像を形成する立体画像加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、立体画(ステレオグラム)を立体物の凹凸により再現したステレオグラム表示体を製造する技術がある。この技術では、平板状のステレオグラム表示体の表面に凹凸が形成された基板を備えており、ステレオグラムはこの凹凸による陰影によって再現される。
【0003】
基板の凹凸は、カラーフィールドステレオグラムを表す元絵データに基づいて作成された切削データをNCデータに変換し、そのNCデータに基づいて基板表面に切削加工を施すことにより形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2013−163274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記ステレオグラム表示体製造技術では、カラーフィールドステレオグラムを表す元絵データに基づいてNC加工することにより基板表面に凹凸を形成するため、複雑な立体画像の表示が可能となるものの、カラーフィールドステレオグラムを表す元絵データが必要であったり、元絵データをNC加工のためのデータに変換したり、NC加工により基板表面に凹凸を形成する必要があったりするなど、加工に手間が掛かるという問題があった。
【0006】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、簡単な加工方法で被加工面に立体視可能な画像を形成可能とする加工技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。
【0008】
上記「発明が解決しようとする課題」において述べた問題を解決するためになされた発明は、略柱状の回転体(10)の一端の端面において、略柱状の回転体(10)の長手軸方向を回転中心とし、少なくとも回転中心から端面に向かって形成された研削手段(20)を備えた研削器具(1,2,3,4)を用いた立体視画像加工方法であって、研削器具(1,2,3,4)の研削手段(20)を、被加工面(80a)に当接させ、研削器具(1,2,3,4)を回転させながら被加工面(80a)上を、所定の方向へ移動するように、相対的に移動させることにより被加工面(80a)に立体視可能な画像を形成することを特徴とする立体視画像加工方法である。
【0009】
また、請求項2に記載のように、研磨器具(1,2,3,4)の研削手段(20)を所定の方向へ移動させる際、移動の始点と移動の終点とが一致するように閉領域の外縁に沿って移動させるようにしてもよい。
【0010】
さらに、請求項3に記載のように、閉領域の外縁が、円状となるようにしてもよいし、請求項4に記載のように、閉領域の外縁が、四角状になるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上のような研削器具(1,2,3,4)を用いた立体画像加工方法によれば、被加工面に立体視可能な画像を容易に形成することが可能となる。
つまり、研削器具(1,2,3,4)の研削手段(20)を被加工面(80a)に当接させた上で、研削器具(1,2,3,4)を回転させながら被加工面(80a)上を、所定の閉領域の境界線を描きつつ、所定の方向へ移動するように、相対的に移動させるという簡単な加工方法で立体視可能な画像を得ることができる。以下その理由を説明する。
【0012】
研削手段(20)を被加工面(80a)に当接させた状態で研削器具(1,2,3,4)を回転させると被加工面(80a)に円形の微細な溝が形成される。そして、研削器具(1,2,3,4)を回転させながら、所定の方向へ移動するように相対的に移動させると、被加工面(80a)に微細な溝が形成される。
【0013】
このようにして形成された溝をある方向の目線から見ると、目線の反対側から溝に入射した光のみが目線に入り、目線の反対側以外から溝に入射した光は目線方向に反射しないため目線の方向に形成された図形(模様)を視認することができる。
【0014】
また、所定の方向へ移動させる際に、移動の始点と終点とが一致するように、所定の閉領域の外縁を描くと、目線をずらしたり、被加工物(80)をずらしたりすると、同様の原理で、外縁が円状の場合には、円筒状の図形が傾いたように見える。つまり、目線を回転させたり被加工物(80)を平面上で回転させたりすると、円筒状の図形が立体的に回転するように見える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態における研削器具の概略の構成を示す図である。
図2】立体画像形成工程を説明するための模式図である。
図3】第1実施形態における立体画像形成工程で形成した立体画像の例を示す図である。
図4】第2実施形態における研削器具の概略の構成を示す図である。
図5】第2実施形態における立体画像形成工程で形成した立体画像の例を示す図である。
図6】第3実施形態における研削器具の概略の構成を示す図である。
図7】第3実施形態における立体画像形成工程で形成した立体画像の例を示す図である。
図8】第4実施形態における研削器具の概略の構造を示す図であり、
図9】第4実施形態における立体画像形成工程で形成した立体画像の例を示す図である。
図10】第5実施形態における立体画像形成工程で形成した立体画像の例を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
(研削器具1の構造)
まず、図1に基づいて研削器具の構造について説明する。図1は、研削器具1の概略の構造を示す図であり、図1(a)に概略の構成図、図1(b)及び図1(c)に実際の研削器具1の写真を示す。
【0017】
図1に示すように研削器具1は、回転体10、取付軸12及び砥石部20を備えている。
回転体10は、後述する砥石部20と同じ材料を、焼結などにより円柱状に固めたものであり、円柱形状の2つの端面のうちの一端10a側の回転中心軸上に取付軸12が取り付けられている。
【0018】
取付軸12は、ステンレスなどの金属製の棒材であり、フライス盤70やドリルなどの回転軸74のチャック72に研削器具1を取り付けるための軸である。
砥石部20は、砥粒と結合剤を混ぜて焼き固めたもので、高速で回し、硬い砥粒によって被加工物80の面(被加工面80a)を少しずつ削り取って加工するものである。被加工物80の材質、加工の目的(立体画像の形状)などによって、適当な結合度(結合の強さ)、粒度(砥粒の大きさ)などの砥石を選ぶようになっている。
【0019】
砥粒の材質としては、アルミナ研削材、人造エメリー研削材、アルミナジルコニア研削材などのアルミナ質研削材や黒色炭化ケイ素研削材、緑色炭化ケイ素研削材などの炭化ケイ素質研削材などを用いる。
【0020】
砥石部20は、回転体10と一体として円筒形状に焼結されたものの先端部分を研磨などにより削って、回転体10の端面のうち取付軸12が取り付けられている端面10aと反対側の端面10bに、長手方向が、端面10bの直径と一致するように細長い直方体形状に形成したものである。
【0021】
なお、砥石部20の長手方向の長さは、被加工面80aに形成する立体画像の大きさによって決定される。
(立体画像形成工程)
次に、図2に基づき、被加工面80aに立体画像を形成するための工程について説明する。図2は、立体画像形成工程を模式的に示した模式図である。
【0022】
図2に示すように、立体画像形成工程は、以下の(ア)〜(ウ)の工程により構成されている。
(ア)研削器具1の取付軸12をフライス盤70のチャック72に挿入して締め付け、回転軸74に取り付ける。また、フライス盤70のテーブル76に被加工物80であるSUS材の平板(以下、SUS板80とも呼ぶ)を載置して固定する(図2(a)参照)。
(イ)フライス盤70の回転軸74を図2(b)中に下向きの矢印で示すように降下させて、研削器具1の砥石部20をSUS板80の被加工面80aに当接させる(図2(b)参照)。
(ウ)フライス盤70の回転軸74を所定の回転数で回転させつつ、フライス盤70のテーブル76を所定の立体画像が得られるように、研削器具1の移動軌跡が図2(c)中に横方向の矢印で示すように直線状になるように移動させる(図2(c)参照)。
(立体画像形成工程の特徴)
次に、図3に基づき、以上のような立体画像形成工程の特徴について説明する。図3は、上記立体画像形成工程で形成した立体画像の例を示す図である。
【0023】
上記のように、研削器具1を回転させながらSUS板80の被加工面80a上を相対的に移動させると、被加工面80a上に、砥石部20の幅で螺旋状に極小幅の溝が形成される。
【0024】
この溝は螺旋状に連続的に形成されているため、加工が済んだ被加工面80aをある目線の方向から目視すると、目線の反対方向から溝で反射した光が目線に入り、それ以外の
方向からの光は目線以外の方向に反射されるため目線に入らないことになる。
【0025】
このとき、視認することができる画像を図3(a)に示す。図3(a)では、被加工面80a上で、上下に分かれたリングから形成される立体的な円筒状の模様を複数視認することができる。
【0026】
このうち1つの模様において視認できる上下2つのリングの一方は、回転体10の端面10bの直径上に配置された砥石部20のうち、回転体10の回転中心から端部までの長さ(図1中に示す砥石部20では、ほぼ半径)の部分で形成された模様であり、他方は、砥石部20の残りの部分(図1中に示す砥石部20では、ほぼ他の半径)で形成される模様である。
【0027】
さらに、目線を右向きにずらすか被加工面80aを左に回転させた場合に視認できる模様を図3(b)に示す。図3(b)では、円筒状の模様が図3(a)に示す模様を斜め方向から視認したものとなる。
【0028】
これは、被加工面80aに形成された溝から反射して目線に入る光が図3(a)に示す場合に比べ、目線をずらすか被加工面80aを回転させた分、斜めの位置で反射するためである。
【0029】
また、目線を左向きにずらすか被加工面80aを右に回転させた場合に視認できる模様を図3(c)に示す。図3(c)でも図3(b)と同様な原理で、円筒状の模様が図3(a)に示す模様を斜め方向から視認したものとなる。
【0030】
以上のように、本立体画像形成加工を施した被加工面80aに対し目線を回転させるか、被加工面80aを回転させると、立体画像形成加工により被加工面80aに形成された溝から目線方向に対してのみ光が反射され、目線の方向以外の光が目線に入らないことで、円筒状の模様が立体的に回転しているように見える。
[第2実施形態]
次に、図4に基づき、研削器具1の砥石部20を異なる形状とした第2実施形態について、図4は、研削器具2の概略の構造を示す図であり、図4(a)に概略の構成図、図4(b)及び図4(c)に実際の研削器具2の写真を示す。
【0031】
第2実施形態における研削器具2は、図4に示すように、回転体10の円形の先端端面10bのうち、回転体10の回転中心を原点として270度分(端面10bの4分の3)を削除して形成してある。
【0032】
砥石部20以外の構造は、第1実施形態における研削器具1と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
このような、研削器具2を用いて、第1実施形態と同じ立体画像形成工程により被加工物80の被加工面80aを加工した立体画像の例を図5に示す。図5(a)は、被加工面80aを正面視した図であり、図5(b)は、被加工面80aを右斜めから見た図であり、図5(c)は、被加工面80aを左斜めから見た図である。
【0033】
第2実施形態(研削器具2を用いた立体画像形成工程)においても、第1実施形態(研削器具1を用いた立体画像形成工程)と同様に、円筒状の模様が立体的に回転しているように見える(図5(a)、図5(b)、図5(c)参照)。
[第3実施形態]
次に、図6に基づき、研削器具1の砥石部20を異なる形状とした第2実施形態について、図6は、研削器具3の概略の構造を示す図であり、図6(a)に概略の構成図、図6
(b)及び図6(c)に実際の研削器具3の写真を示す。
【0034】
第2実施形態における研削器具3は、図6に示すように、回転体10の円形の先端端面10bのうち、回転体10の回転中心から外れた位置に、半円状の凸部を残し、その部分を砥石部20とし、その他の部分を削除して形成してある。
【0035】
砥石部20以外の構造は、第1実施形態における研削器具1と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
このような、研削器具3を用いて、第1実施形態と同じ立体画像形成工程により表面加工した立体画像の例を図7に示す。図7(a)は、被加工面80aを正面視した図であり、図7(b)は、被加工面80aを右斜めから見た図であり、図7(c)は、被加工面80aを左斜めから見た図である。
【0036】
第3実施形態(研削器具3を用いた立体画像形成工程)においても、第1実施形態と同様に(研削器具1を用いた立体画像形成工程)に、円筒状の模様が立体的に回転しているように見える(図7(a)、図7(b)、図7(c)参照)。
[第4実施形態]
次に、図8に基づき、研削器具1の砥石部20を異なる形状とした第4実施形態について説明する。図8は、研削器具4の概略の構造を示す図であり、図8(a)に概略の構成図、図8(b)及び図8(c)に実際の研削器具4の写真を示す。
【0037】
砥石部20以外の構造は、第1実施形態における研削器具1と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態における研削器具4は、図8に示すように、回転体10の円形の先端端面10bを、長手方向が、端面10bの直径と一致し、回転体10の回転中心から半径の長さとなるように細長い直方体形状に形成したものである。
【0038】
このような、研削器具4を用いて、第1実施形態と同じ立体画像形成工程により表面加工した立体画像の例を図9に示す。図9(a)は、被加工面80aを正面視した図であり、図9(b)は、被加工面80aを右斜めから見た図であり、図9(c)は、被加工面80aを左斜めから見た図である。
【0039】
第4実施形態(研削器具4を用いた立体画像形成工程)においても、第1実施形態と同様に(研削器具1を用いた立体画像形成工程)に、円筒状の模様が立体的に回転しているように見える(図9(a)、図9(b)、図9(c)参照)。
[第5実施形態]
次に、図10に基づき、第1実施形態〜第4実施形態と異なる立体画像形成工程としてものについて説明する。図10は、第5実施形態における立体画像形成工程で形成した立体画像の例を示す図である。
【0040】
第5実施形態では、第4実施形態における研削器具4を用いて立体画像形成を行っているため、研削器具の説明は省略する。
第5実施形態では、フライス盤70の回転軸74を回転させつつ回転軸74を連続的に移動させるのではなく、
(ア)回転軸74を回転させつつ研削器具4の砥石部20をSUS板80に当接させSUS板80の被加工面80aを研削する。
(イ)その後、砥石部20をSUS板80から離隔する。
(ウ)回転軸74の位置を移動させる。
(エ)(ア)〜(ウ)を繰り返し、SUS板80に、非連続的に立体画像を形成する。
【0041】
このよう立体画像形成工程により表面加工した立体画像の例を図10に示す。図10(a)は、被加工面80aを正面視した図であり、図10(b)は、被加工面80aを右斜めから見た図であり、図10(c)は、被加工面80aを左斜めから見た図である。
【0042】
第5実施形態(研削器具4を用いた立体画像形成工程)では、第1実施形態〜第4実施形態と異なり(研削器具4を用いた立体画像形成工程)、直方体の両端面を除いた形状の模様が立体的に回転しているように見える(図10(a)、図10(b)、図10(c)参照)。
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、研削器具1,2,3、4の回転体10は、円柱形状としたが、円柱形状でなくとも、四角柱などの多角柱の形状あるいは樽状などであってもよい。
(2)上記実施形態では、研削器具1,2,3、4を回転させるためにフライス盤70を用いたが、フライス盤70でなくともドリルなどを用いてもよい。
【0043】
また、ロボットアームの先端に研削器具1,2,3、4の回転機構を取付けて研削器具1,2,3、4を回転させつつ被加工物80に対して移動させるようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、フライス盤70のテーブル76を移動させることによって研削器具1,2,3、4と被加工物80の被加工面80aとを相対的に移動させていたが、被加工物80を固定し、フライス盤70やドリルなどの回転軸を移動させることによって、研削器具1,2,3、4と被加工物80の被加工面80aとを相対的に移動させてもよい。
(4)上記実施形態では、研削器具1,2,3、4を被加工面80a上で直線状に移動させていたが、移動方向は直線状でなくても、円状の曲線や自由曲線などを描くように移動させてもよい。
(5)上記実施形態では、研削器具1,2,3、4の回転体10の端面10bを切削加工して砥石部20を形成していたが、回転体10を他の材質(例えば金属材料など)で形成し、その端面10bに砥石部20を埋め込みや接着あるいはボルトなどで機械的に取り付けるようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、被加工物80としてSUS板を用いていたが、光が反射する材質のものであればSUS板以外のアルミ材などの金属材料あるいはアクリルやプラスチックなどの樹脂材を用いてもよい。
(7)上記実施形態では、研削器具1,2,3,4として、回転体10の先端に砥石部20を形成していたが、砥石部20の代わりに、金属や硬質樹脂の線材などをブラシ状に多数配列したものとしてもよい。また、そのブラシに、砥粒を付着させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,2,3、4… 研削器具 10… 回転体 10a、10b… 端面 12… 取付軸
20… 砥石部 70… フライス盤 72… チャック 74… 回転軸 76… テーブル 80… 被加工物(SUS板) 80a… 被加工面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10