特許第6506313号(P6506313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6506313癌及び増殖性疾患の治療のための抗有糸分裂性アミド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6506313
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】癌及び増殖性疾患の治療のための抗有糸分裂性アミド
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/82 20060101AFI20190415BHJP
   C07D 239/42 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
   C07D213/82CSP
   C07D239/42 Z
   C07D401/12
   C07D401/14
   C07D405/14
   C07D409/14
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61K31/506
   A61K31/444
【請求項の数】42
【全頁数】92
(21)【出願番号】特願2016-570919(P2016-570919)
(86)(22)【出願日】2015年2月20日
(65)【公表番号】特表2017-506267(P2017-506267A)
(43)【公表日】2017年3月2日
(86)【国際出願番号】US2015016928
(87)【国際公開番号】WO2015127284
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2018年2月20日
(31)【優先権主張番号】61/942,956
(32)【優先日】2014年2月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516249953
【氏名又は名称】フロスト バイオロジック,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(74)【代理人】
【識別番号】100187481
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 淳史
(72)【発明者】
【氏名】シディキ−ジェイン,アダム
【審査官】 水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−525433(JP,A)
【文献】 特表2003−535860(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/151355(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/063385(WO,A1)
【文献】 特表2010−523639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式II:
【化1】
(式中、
X1は、N及びCR7から選択され;
X2は、N及びCR10から選択され;
R1R3及びR4のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;
R2は、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択され;
R5、R6、R7、R10及びR11のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;
R8及びR9のそれぞれは、-H、ハロゲン、-ORA、-NH2、-NO2、-O(CO)RA、-O(CO)NRARB、-SH、及びSRAから独立して選択され;
RA、RB及びRCのそれぞれは、存在する場合、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、=O、-NO2、-OR'、-OC(O)R'、-CO2R'、-C(O)R'、-C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)R'、-NR'''C(O)NR'R''、-NR'R''、-NR'''CO2R'、-SR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;
R'、R''及びR'''は、それぞれ独立して、水素、非置換C1-4アルキル、及び置換又は非置換C3-6シクロアルキルであり、あるいはR'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成し;
但し、X1がNであり、X2がCHであり、さらにR1、R2、R3、R4、R8、R9及びR11のそれぞれが水素である場合、R5及びR6はいずれもがCl又はOCH3ではあり得ず;
但し、X1及びX2がいずれもCHである場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9及びR11の少なくとも1つは水素ではなく;
但し、X1がCHであり、X2がC-Clであり、さらにR11がCl又はO-イソプロピルである場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8及びR9の少なくとも1つは水素ではない)
で表される化合物又は塩。
【請求項2】
R1R3及びR4のそれぞれが、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、-C(O)NRARB、-ORA、-NRARB、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項3】
R1、R2、R3及びR4のそれぞれが-Hである、請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項4】
R1R3及びR4の少なくとも1つが、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、-C(O)NRARB、-ORA、-NRARB、-S(O)2RA、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、あるいは置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである、請求項に記載の化合物又は塩。
【請求項5】
R1が、-H、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、-(C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジン-1-イル、ピロリジン-3-イル-アミノ、及びOHから選択され;
R2が、-H、クロロ、及び-OCH3から選択され;
R3が、-H、クロロ、シクロプロピル、-(C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、-S(O)2-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジン-1-イル、ピロリジン-3-イル-アミノ、及び-OHから選択され;
R4が、-H、クロロ、トリフルオロメチル、及び-OCH3から選択され;
ここでR1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは-Hではない、
請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項6】
R1及びR3の少なくとも一方が、-S(O)2-シクロプロピル及び1-メチル-ピペラジン-1-イルから選択される、請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項7】
R1及びR3の一方が、-S(O)2-シクロプロピル及び1-メチル-ピペラジン-1-イルから選択され、R1及びR3の他方が、-H、-Cl、-S(O)2-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、及びシクロプロピルから選択される、請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項8】
R1及びR3の少なくとも一方が-S(O)2-シクロプロピルである、請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項9】
R1が-S(O)2-シクロプロピルであり、且つR3が-Hである、請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項10】
R1及びR3の少なくとも一方が1-メチル-ピペラジン-1-イルである、請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項11】
R1及びR3の少なくとも一方がピペラジン-1-イルである、請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項12】
R1及びR3の少なくとも一方が-O-シクロプロピルであり、R1及びR3の他方が-Hである、請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項13】
R1及びR3のそれぞれが、シクロプロピル、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、-S(O)2-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、ピペラジン-1-イル、及びオキセタン-3-イルから選択される、請求項及びのいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項14】
式III:
【化2】
(式中、
X1は、N及びCR7から選択され;
X2は、N及びCR10から選択され;
D1、D2、D3、及びD4のそれぞれは、CR1、CR2、CR3、CR4、N、O、及びSから選択され; Bは、C及びNから選択され;
R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;
R6、R7、R10及びR11のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;
R5は、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択され;
R8及びR9のそれぞれは、-H、ハロゲン、-ORA、-NH2、-NO2、-O(CO)RA、-O(CO)NRARB、-SH、及び-SRAから独立して選択され;
RA、RB及びRCのそれぞれは、存在する場合、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、=O、-NO2、-OR'、-OC(O)R'、-CO2R'、-C(O)R'、-C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)R'、-NR'''C(O)NR'R''、-NR'R''、-NR'''CO2R'、-SR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;
R'、R''及びR'''は、-H、非置換C1-4アルキル、及び置換又は非置換C3-6シクロアルキルからそれぞれ独立して選択され、あるいはR'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成し;
但し、B及びD1がNである場合、D2及びD4がC-ピリジン-3-イル又はC-トリフルオロメチルである場合はない)
で表される化合物又は塩。
【請求項15】
BがCである、請求項14に記載の化合物又は塩。
【請求項16】
D1、D2、及びD4のそれぞれがCHであり、さらにD3がSである、請求項14及び15のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項17】
D2、D3、及びD4のそれぞれがCHであり、さらにD1がSである、請求項14及び15のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項18】
D1、D3、及びD4のそれぞれがCHであり、さらにD2がOである、請求項14及び15のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項19】
D1、D2、及びD3のそれぞれがCHであり、さらにD4がOである、請求項14及び15のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項20】
X1がC-Hである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項21】
X1がC-Fである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項22】
X2がC-Hである、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項23】
X2がNである、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項24】
R5及びR6がいずれも-Hである、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項25】
R5が-CH3であり、且つR6が-Hである、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項26】
R8及びR9のそれぞれが、-H及びハロゲンから独立して選択される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項27】
R8及びR9が-Hである、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項28】
R8がフルオロであり、且つR9が-Hである、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項29】
R11が、-H、置換又は非置換C1-8アルキル、及び-NRARBから選択される、請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項30】
R11が、-H、-CH3、及び-NH2から選択される、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項31】
R11が-Hである、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項32】
R11が-CH3である、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項33】
R11が-NH2である、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項34】
X1がNであり、且つR7が存在しない、請求項1〜19及び2130のいずれか1項に記載の化合物又は塩。
【請求項35】
下記からなる群から選択される化合物又はその塩。
【化3】
【請求項36】
下記
【化4】
で表される化合物又はその塩。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物及び製薬上許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項38】
請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物含む、それを必要とする患者における増殖性疾患を治療するための医薬組成物
【請求項39】
式I:
【化5】
(式中、
Arは、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択される0〜5個の置換基をそれぞれ有する置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよい5員ヘテロアリール環であり;但し、Arがフェニルである場合、少なくとも1つのオルト置換は-Hであり;
X1は、N及びCR7から選択され;
X2は、N及びCR10から選択され;
R6、R7、R10及びR11のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;
R5は、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択され;
R8及びR9のそれぞれは、H、ハロゲン、-ORA、-NH2、-NO2、-O(CO)RA、-O(CO)NRARB、-SH、及びSRAから独立して選択され;
RA、RB及びRCのそれぞれは、存在する場合、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、=O、-NO2、-OR'、-OC(O)R'、-CO2R'、-C(O)R'、-C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)R'、-NR'''C(O)NR'R''、-NR'R''、-NR'''CO2R'、-SR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;
R'、R''及びR'''は、それぞれ独立して、-H、非置換C1-4アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキルであり、あるいはR'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成し;
但し、X1がNであり、X2がCHであり、またArが非置換フェニルであり、さらにR8、R9及びR11のそれぞれが水素である場合、R5及びR6はいずれもがCl又はOCH3ではあり得ず;
但し、X1及びX2がいずれもCHであり、さらにArが非置換フェニルである場合、R5、R6、R8、R9及びR11の少なくとも1つは水素ではなく;
但し、X1がCHであり、X2がC-Clであり、Arが非置換フェニルであり、さらにR11がCl又はO-イソプロピルである場合、R5、R6、R8及びR9の少なくとも1つは水素ではなく;
但し、Arが1H-ピラゾロ-1-イルである場合、Arはピリジン-3-イル及びトリフルオロメチルで置換されない)
で表される化合物又は塩を含む、それを必要とする患者における増殖性疾患を治療するための医薬組成物。
【請求項40】
増殖性疾患が癌であり、副腎癌、肛門癌、再生不良性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、頸部癌、中枢神経系癌、結腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング腫瘍、眼癌、胆嚢癌、消化管カルチノイド、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、腎癌、喉頭癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔及び中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体癌、前立腺癌、直腸癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、皮膚癌、小腸癌、胃癌、精巣癌、胸腺腫瘍、甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、及びウィルムス腫瘍から選択される、請求項38又は39に記載の医薬組成物
【請求項41】
増殖性疾患が胃癌である、請求項38又は39に記載の医薬組成物
【請求項42】
増殖性疾患が、キャッスルマン病、妊娠性絨毛性疾患、及びホジキン病から選択される、請求項38又は39に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌等の増殖性疾患を治療するための生物学的に活性な化合物、すなわちヘテロアリールアミドに関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、現在、米国、欧州連合及び日本において2番目の主な死亡原因であり、増大している世界的問題である。世界保健機構によれば、年間の世界的な癌死は、2020年までに1500万人に達すると予測されている。
【0003】
既存の癌薬は、癌細胞と正常細胞との間の固有の差異を利用して、悪性細胞集団を選択的に根絶しながら、潜在的に有害な副作用をもたらし得る正常細胞に対する影響を最小限にしようとする。正常細胞は典型的には休止しているが、制御されない細胞増殖が癌細胞の特徴であり、この際立った特徴が、最も臨床的に用いられる化学療法の有効性の基礎となる。
【0004】
細胞分裂又は有糸分裂を直接標的とする化合物は、中でも、コンビナトリアル薬レジメンの一部として又は最前線の単剤療法として、最も成功し、広く用いられている抗癌薬である。最も広く用いられる抗有糸分裂剤は、タキサン及びビンカアルカロイド、植物由来天然物であり、これらはそれぞれ、微小管ネットワークを安定化及び不安定化する。これらの化合物に加えて、他の天然物誘導体(例えば、チューブリンを安定化するエポチロン、イキサベピロン、及びチューブリンを不安定化するハリコンドリンB類似体エリブリン等)が、近年、癌治療について認可された。もう1つの天然物のチューブリン重合阻害剤であるコルヒチンは、癌以外の適応症について認可されている。
【0005】
天然物ベースの抗有糸分裂剤は、それらの臨床的有用性を著しく限定する多くの固有の制限(例えば、それらの合成及び/又は自然源からの単離の困難性、乏しい溶解性、低いバイオアベイラビリティ、神経毒性を包含する全身毒性、及び薬物耐性の発達等)に直面する。これらの制限の全部又は一部は、同様の抗有糸分裂機構を介して働く合成小分子化合物を開発することによって克服することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
結果的に、既存の認可された天然物の制限を克服し、このクラスの治療剤の範囲及び有効性を広げることができる新たな合成小分子抗有糸分裂剤を開発するための大きな必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
式I:
【0008】
【化1】
(式中、Ar、X1、X2、R5、R6、R8、R9及びR11は、本明細書中以下に定義される意味を有する)
で表される化合物、塩、プロドラッグ、及び溶媒和物が開示される。本化合物は、癌並びに増殖性疾患及び障害の治療及び予防に使用することができる。
【0009】
一部の実施形態において、Arは、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択される0〜5個の置換基をそれぞれ有する置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよい5員ヘテロアリール環であり;但し、Arがフェニルである場合、少なくとも1つのオルト置換は-Hであり;X1は、N及びCR7から選択され;X2は、N及びCR10から選択され;R5、R6、R7、R10及びR11のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;R8及びR9のそれぞれは、H、ハロゲン、-ORA、-NH2、-NO2、-O(CO)RA、-O(CO)NRARB、-SH、及び-SRAから独立して選択され;RA、RB及びRCのそれぞれは、存在する場合、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、=O、-NO2、-OR'、-OC(O)R'、-CO2R'、-C(O)R'、-C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)R'、-NR'''C(O)NR'R''、-NR'R''、-NR'''CO2R'、-SR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;R'、R''及びR'''は、それぞれ独立して、-H、非置換C1-4アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキルであり、あるいはR'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成し;但し、X1がNであり、X2がCHであり、またArが非置換フェニルであり、さらにR8、R9及びR11のそれぞれが水素である場合、R5及びR6はいずれもがCl又はOCH3ではあり得ず;但し、X1及びX2がいずれもCHであり、さらにArが非置換フェニルである場合、R5、R6、R8、R9及びR11の少なくとも1つは水素ではなく;但し、X1がCHであり、X2がC-Clであり、Arが非置換フェニルであり、さらにR11がCl又はO-イソプロピルである場合、R5、R6、R8及びR9の少なくとも1つは水素ではなく;但し、Arが1H-ピラゾロ-1-イルである場合、Arはピリジン-3-イル及びトリフルオロメチルで置換されない。
【0010】
一部の実施形態において、本化合物は、式II:
【0011】
【化2】
(式中、X1は、N及びCR7から選択され;X2は、N及びCR10から選択され;R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;R5、R6、R7、R10及びR11のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;R8及びR9のそれぞれは、-H、ハロゲン、-ORA、-NH2、-NO2、-O(CO)RA、-O(CO)NRARB、-SH、及び-SRAから独立して選択され;RA、RB及びRCのそれぞれは、存在する場合、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、=O、-NO2、-OR'、-OC(O)R'、-CO2R'、-C(O)R'、-C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)R'、-NR'''C(O)NR'R''、-NR'R''、-NR'''CO2R'、-SR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;R'、R''及びR'''は、それぞれ独立して、水素、非置換C1-4アルキル、及び置換又は非置換C3-6シクロアルキルであり、あるいはR'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成し;但し、X1がNであり、X2がCHであり、さらにR1、R2、R3、R4、R8、R9及びR11のそれぞれが水素である場合、R5及びR6はいずれもがCl又はOCH3ではあり得ず;但し、X1及びX2がいずれもCHである場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9及びR11の少なくとも1つは水素ではなく;また、但し、X1がCHであり、X2がC-Clであり、さらにR11がCl又はO-イソプロピルである場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8及びR9の少なくとも1つは水素ではない)
で表される化合物である。
【0012】
一部の実施形態において、R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、-C(O)NRARB、-ORA、-NRARB、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される。一部の実施形態において、R1、R2、R3及びR4のそれぞれは-Hである。一部の実施形態において、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、-C(O)NRARB、-ORA、-NRARB、-S(O)2RA、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、あるいは置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R1は、-H、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、-(C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、4-(メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジン-1-イル、ピロリジン-3-イル-アミノ、及び-OHから選択され;R2は、-H、クロロ、及び-OCH3から選択され;R3は、-H、クロロ、シクロプロピル、-(C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、-S(O)2-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジン-1-イル、ピロリジン-3-イル-アミノ、及び-OHから選択され;またR4は、-H、クロロ、トリフルオロメチル、及び-OCH3から選択され;ここでR1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは-Hではない。
【0013】
一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方は、-S(O)2-シクロプロピル及び1-メチル-ピペラジン-1-イルから選択される。一部の実施形態において、R1及びR3の一方は、-S(O)2-シクロプロピル及び1-メチル-ピペラジン-1-イルから選択され、R1及びR3の他方は、-H、-Cl、-S(O)2-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、及びシクロプロピルから選択される。一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方は、-S(O)2-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R1は-S(O)2-シクロプロピルであり、且つR3は-Hである。一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方は1-メチル-ピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方はピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方は-O-シクロプロピルであり、R1及びR3の他方は-Hである。一部の実施形態において、R1及びR3のそれぞれは、シクロプロピル、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、-S(O)2-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、ピペラジン-1-イル、及びオキセタン-3-イルから選択される。
【0014】
一部の実施形態において、本化合物は、式III:
【0015】
【化3】
(式中、X1は、N及びCR7から選択され;X2は、N及びCR10から選択され;D1、D2、D3、及びD4のそれぞれは、CR1、CR2、CR3、CR4、N、O、及びSから選択され;Bは、C及びNから選択され;R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;R5、R6、R7、R10及びR11のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;R8及びR9のそれぞれは、-H、ハロゲン、-ORA、-NH2、-NO2、-O(CO)RA、-O(CO)NRARB、-SH、及び-SRAから独立して選択され;RA、RB及びRCのそれぞれは、存在する場合、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、=O、-NO2、-OR'、-OC(O)R'、-CO2R'、-C(O)R'、-C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)R'、-NR'''C(O)NR'R''、-NR'R''、-NR'''CO2R'、-SR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択され;R'、R''及びR'''は、-H、非置換C1-4アルキル、及び置換又は非置換C3-6シクロアルキルからそれぞれ独立して選択され、あるいはR'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成し;但し、B及びD1がNである場合、D2及びD4がC-ピリジン-3-イル又はC-トリフルオロメチルである場合はない)
で表される化合物である。
【0016】
一部の実施形態において、BはCである。一部の実施形態において、D1、D2、及びD4のそれぞれはCHであり、さらにD3はSである。一部の実施形態において、D2、D3、及びD4のそれぞれはCHであり、さらにD1はSである。一部の実施形態において、D1、D3、及びD4のそれぞれはCHであり、さらにD2はOである。一部の実施形態において、D1、D2、及びD3のそれぞれはCHであり、さらにD4はOである。
【0017】
一部の実施形態において、X1はC-Hである。一部の実施形態において、X1はC-Fである。一部の実施形態において、X2はC-Hである。一部の実施形態において、X2はNである。一部の実施形態において、R5及びR6はいずれもHである。一部の実施形態において、R5は-CH3であり、且つR6は-Hである。一部の実施形態において、R8及びR9のそれぞれは、-H及びハロゲンから独立して選択される。一部の実施形態において、R8及びR9はいずれも-Hである。一部の実施形態において、R8はフルオロであり、R9は-Hである。一部の実施形態において、R11は、-H、置換又は非置換C1-8アルキル、及びNRARBから選択される。一部の実施形態において、R11は、-H、-CH3、及び-NH2から選択される。一部の実施形態において、R11は-Hである。一部の実施形態において、R11は、-CH3である。一部の実施形態において、R11は、-NH2である一部の実施形態において、X1はNであり、且つR7は存在しない。
【0018】
一態様において、医薬組成物は、式I〜IIIのいずれか1つの化合物又は本明細書に開示される化合物のいずれか、及び製薬上許容される担体又は賦形剤を有する。
【0019】
別の態様において、それを必要とする患者において増殖性疾患を治療する方法は、式I〜IIのいずれか1つの化合物又は本明細書に開示される化合物のいずれか、あるいは本明細書に開示される医薬組成物を患者に投与することを含む。一部の実施形態において、増殖性疾患は癌であり、副腎癌、肛門癌、再生不良性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、頸部癌、中枢神経系癌、結腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング腫瘍、眼癌、胆嚢癌、消化管カルチノイド、消化管間質腫瘍、カポジ肉腫、腎癌、喉頭癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔及び中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体癌、前立腺癌、直腸癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、皮膚癌、小腸癌、胃癌、精巣癌、胸腺腫瘍、甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、及びウィルムス腫瘍から選択される。一部の実施形態において、増殖性疾患は胃癌である。一部の実施形態において、増殖性疾患は、キャッスルマン病、妊娠性絨毛性疾患、及びホジキン病から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願において使用される用語は当技術分野において標準的であるが、明確性を確保するため、以下の特定の用語の定義が提供される。
【0021】
単位、接頭辞及び記号は、それらのSIで認められている形式で表すことができる。本明細書中で挙げられる数値範囲は、範囲を規定する数字を含み、さらに規定された範囲内の各整数を包含し且つ支持する。特に断りのない限り、用語「a」又は「an」は、「少なくとも1つの」を意味すると解釈されるべきである。本明細書で使用される節の見出しは、構成上の目的のために過ぎず、記載される主題を限定すると解釈されるべきではない。本出願において引用される全ての文献、又は文献の一部として、例えば、限定するものではないが、特許、特許出願、論文、本及び専門書等が挙げられ、これにより任意の目的のため、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0022】
用語「アルキル」は、1〜16個の炭素原子を有する飽和、分岐鎖又は直鎖のあるいは環式の炭化水素基、例えば、限定するものではないが、飽和C1-C6(例えば:メチル、エチル、1-プロピル及び2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-1-プロピル、1,1-ジメチルエチル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル、2-エチル-1-ブチル等)を指す。アルキル基は、非置換であっても置換されていてもよい。適切な置換基の例としては、限定するものではないが、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、アルキルスルファニル、オキソ(=O)、ハロ、アシル、ニトロ、ヒドロキシル、シアノ、アリール、アルキルアリール、アリールオキシ、アリールスルファニル、アリールアミノ、カルボシクリル、カルボシクリルオキシ、カルボシクリルチオ、カルボシクリルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルチオ、チオン(=S)、イミノ(=NR、ここでRは、H、アルキル、アセチル、又はアラルキルであり得る)等が挙げられる。
【0023】
本明細書で使用される「アラルキル」は、アルキレンリンカーを介して別の部分に結合しているアリール基を指す。アラルキル基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0024】
本明細書で使用される「アルコキシ」は、OR基(ここで、Rはアルキル(置換もしくは非置換)又はアリールである)を指す。用語「低級アルコキシ」は、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基を指す。アルコキシ基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0025】
本明細書で使用される「アルキレン」は、2つの部分に対する2つの結合点を有するアルキル基又はシクロアルキル基(例えば、{-CH2-}及び{-CH2CH2-}等(ここで括弧は結合点を示す))を指す。アルキレン基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0026】
本明細書で使用される「芳香族環」又は「アリール」は、炭素原子及び水素原子を含む単環式もしくは多環式の芳香族環又は環基を意味する。典型的には、アリール基は、約6〜約14個の炭素原子環員を有する。適切なアリール基の例としては、限定するものではないが、フェニル、アンタセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル及びナフチル、並びにベンゾ縮合炭素環式部分(例えば5,6,7,8-テトラヒドロナフチル)等が挙げられる。アリール基は、非置換であっても、1つ以上の置換基(例えば、限定するものではないが、アルキル又は1つ以上のハロで置換されているアルキル(例えばトリフルオロメチル)もしくはヒドロキシで置換されているアルキル等)、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルスルファニル、シアノ、ハロ、アミノ、チオール、チオエーテル、及びニトロで置換されていてもよい。特定の実施形態において、アリール基は、6個の炭素原子を含む単環式環である。
【0027】
用語「アリールアルキル」は、アリールで置換されているアルキルを指す。アリール部分は、炭素環式アリール(カルボアリールとも呼ばれる)、複素環式アリール(ヘテロアリールとも呼ばれる)、又はビアリールであり得る。
【0028】
本明細書で使用される用語「アルキルスルファニル」は、二価の硫黄原子を介して別の部分に連結されているアルキル基を指す。アルキルスルファニル基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0029】
本明細書で使用される用語「アリールスルファニル」は、二価の硫黄原子を介して別の部分に連結されているアリール基を指す。アリールスルファニル基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0030】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、典型的には2〜10個の炭素原子を有し、且つ少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。代表的な直鎖及び分岐鎖アルケニルとしては、ビニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブチレニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、1-ヘプテニル、2-ヘプテニル、3-ヘプテニル、1-オクテニル、2-オクテニル、3-オクテニル、1-ノネニル、2-ノネニル、3-ノネニル、1-デセニル、2-デセニル、3-デセニル等が挙げられる。アルケニル基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。ジアルケニル基の例としては、限定するものではないが、プロパンジエン(アレン)、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、3-メチル-1,2-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2,4-ヘキサジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,4-ペンタジエン、3-メチル-1,4-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン等が挙げられる。
【0031】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、典型的には2〜10個の炭素原子を有し、且つ少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。代表的な直鎖及び分岐鎖アルキニルとしては、例えば、アセチレニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-メチル-1-ブチニル、4-ペンチニル、-1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、5-ヘキシニル、1-ヘプチニル、2-ヘプチニル、6-ヘプチニル、1-オクチニル、2-オクチニル、3-オクチニル、4-オクチニル、7-オクチニル、1-ノニニル、2-ノニニル、8-ノニニル、1-デシニル、2-デシニル、5-デシニル、9-デシニル等が挙げられる。アルキニル基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0032】
本明細書で使用される「シクロアルキル」は、典型的には3〜14個の炭素原子を有する飽和の単環式又は多環式のアルキル基を意味する。一部の実施形態において、環炭素の数は3〜6である。代表的なシクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマントリ、デカヒドロ-ナフチル、オクタヒドロペンタレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル等が挙げられる。シクロアルキル基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。適切な置換基としては、例えば、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルが挙げられ、ここでRA、RB及びRCは、本明細書中でさらに定義される。
【0033】
本明細書で使用される用語「シクロアルケニル」は、環系中に少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有し、典型的には5〜14個の炭素原子を有する環式非芳香族アルケニル基を意味する。代表的なシクロアルケニルとしては、例えば、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニル、シクロオクタテトラエニル、シクロノネニル、シクロノナジエニル、シクロデセニル、シクロデカジエニル等が挙げられる。シクロアルケニル基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0034】
本明細書で使用される「エステル」は、ROCO- (R=アルキル、アルコキシカルボニル-の場合)及びRCOO- (R=アルキル、アルキルカルボニルオキシ-の場合)の両方を包含する。
【0035】
本明細書で使用される用語「複素環」又は「ヘテロシクリル」は、飽和環又は不飽和非芳香族環の、単環式又は多環式の複素環式環(典型的には3〜14員を有する)を意味する。3員の複素環は、1〜3個のヘテロ原子を含有することが可能であり、4〜14員の複素環は、1〜約8個のヘテロ原子を含有することができる。各ヘテロ原子は、四級化されていてもよい窒素、酸素及び硫黄(スルホキシド及びスルホンを含む)から独立して選択される。複素環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子を介して結合されていてよい。代表的な複素環としては、例えば、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、4H-ピラニル、テトラヒドロピリンジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル等が挙げられる。さらに、ヘテロシクリルは、場合により1つ以上の置換基(例えば、限定するものではないが、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、及びアルコキシ等)で置換されていてもよい。このような置換複素環式基のうち、安定な異性体のみがこの定義において想定される。
【0036】
本明細書で使用される用語「複素芳香族」又は「ヘテロアリール」は、炭素原子環員及び1つ以上のヘテロ原子環員(例えば、酸素、硫黄又は窒素等)を含む単環式又は多環式の複素芳香族環(又はそれらの基)を意味する。典型的には、複素芳香族環は5〜約14個の環員を有し、ここで少なくとも1個の環員は、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子である。別の実施形態において、複素芳香族環は5又は6員環であり、1〜約4個のヘテロ原子を含有し得る。別の実施形態において、複素芳香族環系は7〜14個の環員を有し、1〜約7個のヘテロ原子を含有し得る。代表的なヘテロアリールとしては、例えば、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリジニル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、ピリジニル、チアジアゾリル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、インドリジニル、イミダゾピリジニル、イソチアゾリル、テトラゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、インドリル、テトラヒドロインドリル、アザインドリル、イミダゾピリジル、クニザオリニル、プリニル、ピロロ[2,3]ピリミジル、ピラゾロ[3,4]ピリミジル又はベンゾ(b)チエニル等が挙げられる。ヘテロアリール基は、場合により1つ以上の複素環のような置換基で置換されていてもよい。
【0037】
ヘテロアラルキル基は、アルキレンリンカーを介して別の部分に結合しているヘテロアリール基を指す。ヘテロアラルキル基は、1つ以上の置換基で置換されていてもよく、非置換であってもよい。
【0038】
本明細書で使用される用語「ヘテロアルキル」は、-O-、-S-、又は-NR-(ここでRはH又は低級アルキルである)で置換されているアルキル鎖中に1つ以上の炭素を有するアルキル基を指す。ヘテロアルキル基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0039】
本明細書で使用される用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、-F、-Cl、-Br、又は-Iを意味する。
【0040】
本明細書で使用される用語「ハロアルキル」は、1つ以上の-Hがハロ基で置換されているアルキル基を意味する。ハロアルキル基の例としては、-CF3、-CHF2、-CCl3、-CH2CH2Br、-CH2CH(CH2CH2Br)CH3、-CH2ICH3等が挙げられる。
【0041】
本明細書で使用される用語「ハロアルコキシ」は、1つ以上の-Hがハロ基で置換されているアルコキシ基を意味する。ハロアルコキシ基の例としては、-OCF3及び-OCHF2等が挙げられる。
【0042】
本明細書で使用される用語「アルキルアミノ」は、窒素に結合している1つの水素原子がアルキル基で置換されているアミノ基を指す。本明細書で使用される用語「ジアルキルアミノ」は、窒素に結合している2つの水素原子がアルキル基で置換されているアミノ基(ここでアルキル基は同一であっても異なっていてもよい)を指す。アルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基は、場合により1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0043】
用語「縮合」は、アリール又は複素環と共に使用される場合、フェニル環等の別の環式基と共通の結合を共有するアリール又は複素環基を指す。
【0044】
用語「癌」は、形質転換細胞の増殖を伴う病理学的疾患を指し、前記疾患の病理学的進行を包含する。従って、この用語は、あらゆる段階の癌及びあらゆる細胞起源の癌を包含する。癌細胞は、自律的増殖(急速に増殖する細胞増殖を特徴とする異常な状況又は状態)のための能力を有する。この用語は、病理組織学的タイプ又は侵襲性の段階に関わらず、あらゆるタイプの癌性増殖又は発癌過程、転移性組織又は悪性形質転換細胞、悪性形質転換組織もしくは悪性形質転換器官を包含することが意図される。癌の例としては、限定するものではないが、癌腫及び肉腫、例えば白血病、肉腫、骨肉腫、リンパ腫、黒色腫、卵巣癌、皮膚癌、精巣癌、胃癌、膵臓癌、腎臓癌、乳癌、前立腺癌、結腸直腸癌、頭部及び頸部の癌、脳癌、食道癌、膀胱癌、副腎皮質癌、肺癌、気管支癌、子宮内膜癌、鼻咽頭癌、頸部又は肝臓癌、あるいは未知の原発部位の癌等が挙げられる。さらに、癌は薬物耐性表現型を伴う可能性がある。
【0045】
本明細書で使用される「患者」は、上皮間葉移行の調節により影響を受ける疾患及び状態の治療を必要とする患者、あるいは本明細書に記載される1つ以上の疾患又は状態に苦しんでいるか、又は主治医又は臨床医により、本明細書に記載される1つ以上の疾患又は状態を発症する危険性が認められると診断される患者を指す。本明細書において特定される状態の治療を必要とする患者の同定は、十分に当業者の能力及び知識の範囲内にある。当技術分野の臨床医は、臨床試験、身体検査及び病歴/家族歴を利用することにより、このような治療を必要とする患者を容易に同定することができる。「患者」は温血動物(例えば、プロテインキナーゼ活性の調節を必要とする哺乳動物)を包含する。モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、ヒツジ及びヒトは、上記用語の意味の範囲内において動物の例であることが理解される。
【0046】
本明細書で使用される用語「治療(''treatment'')」、「治療する(''treating''及び''treat'')」は、それらの一般的に認められる意味、すなわち、所与の状態又は疾患を被る又は発症する危険性を予防し、低下させ、本明細書に記載される疾患、障害、又は病態の進行又は重篤度を妨げ、抑制し、軽減し、改善し、減速し、停止し、遅延しもしくは逆転し、さらに本明細書に記載される疾患、障害、又は病態の既存の特徴を防止及び/又は処置することを目的とした患者の管理及びケアを含み、症状もしくは合併症の軽減もしくは緩和、又は疾患、障害、もしくは状態の治癒もしくは除去を包含する。本発明の方法は、必要に応じて、医学的な治療的及び/又は予防的治療の両方を包含する。
【0047】
用語「ヒドロキシル」及び「ヒドロキシ」はいずれもOH基を指す。
【0048】
炭素-炭素二重結合が存在する化学構造(例えばオレフィン)において、二重結合はトランス(E)であってもよいし、シス(Z)であってもよい。
【0049】
特定の置換基(例えばアルキル置換基)が所与の構造又は部分中に複数回出現する場合、置換基の同一性は各場合において独立しており、上記構造又は部分中の当該置換基の他の出現と同一であっても異なっていてもよい。
【0050】
本明細書に開示される化合物は、それらの化学構造及び/又は化学名によって定義される。化合物が、化学構造及び化学名の両方で呼ばれ、化学構造と化学名とが一致しない場合、化学構造が上記化合物の同一性を決定する。
【0051】
アルキル基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキレン基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクリル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、及びヘテロアラルキル基に適した置換基としては、例えば、安定な化合物を形成する任意の置換基が挙げられる。アルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキレン、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルのための置換基の例としては、以下のもの:アルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、-C(O)NR'R''、-NR'''C(O)R''''、ハロ、-OR'''、シアノ、ニトロ、ハロアルコキシ、-C(O)R'''、-NR'R''、-SR'''、-C(O)OR'''、-OC(O)R'''、-NR'''C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)OR''''、-S(O)pR'''、又はS(O)pNR'R''(ここで、R'及びR''は、各出現について独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、又はヘテロアラルキルであり;あるいはR'とR''は、それらが結合している窒素と一緒になって、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり;またR'''及びR''''は、各出現について独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、又はヘテロアラルキルである)が挙げられる。
【0052】
さらに、アルキル基、シクロアルキル基、アルキレン基、ヘテロシクリル基、並びにアルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アラルキル基及びヘテロアラルキル基の任意の飽和部分もまた、=O、=S、=N-R(ここでRは、-H、アルキル、アセチル、又はアラルキルである)で置換されていてよい。
【0053】
ヘテロシクリル基、ヘテロアリール基、又はヘテロアラルキル基が窒素原子を含む場合、その基は置換されていてもよいし非置換であってもよい。ヘテロアリール基の芳香族環中の窒素原子が置換基を有する場合、前記窒素は第四級窒素であってよい。
【0054】
本発明により想定される置換基及び可変部分の選択及び組み合わせは、安定な化合物の形成をもたらす選択及び組み合わせのみである。本明細書で使用される用語「安定な」は、製造を可能とするために十分な安定性を有し、本明細書中に詳述される目的(例えば対象への治療的又は予防的投与)に有用であるように化合物の完全性を十分な期間維持する化合物を指す。典型的には、このような化合物は、40℃以下の温度において、過剰な水分の不存在下で少なくとも一週間安定である。このような選択及び組み合わせは、当技術分野において通常の技能を有する者には明らかであり、過度の実験を行うことなく決定することができる。
【0055】
別段に示されない限り、反応性官能基(例えば、限定するものではないが、カルボキシ部分、ヒドロキシ部分、及びアミノ部分)を含む本発明の化合物は、それらの保護誘導体も含む。「保護誘導体」は、反応部位(1つ又は複数)が1つ以上の保護基で遮断されている化合物である。カルボキシ部分に適した保護基としては、例えば、ベンジル、tert-ブチル等が挙げられる。アミノ基及びアミド基に適した保護基としては、例えば、アセチル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル等が挙げられる。ヒドロキシに適した保護基としては、例えば、ベンジル、トリメチリル(TMS)等が挙げられる。他の適切な保護基は当業者に周知であり、例えば、T. W. Greene, Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc. 1981(この文献の全教示は参照により本明細書に組み込まれる)に見られる保護基等が挙げられる。
【0056】
別段に示されない限り、本明細書で使用される用語「プロドラッグ」は、加水分解し、酸化し、あるいは生物学的条件下(in vitro又はin vivo)で反応して、本明細書中別段に開示される化合物を与えることができる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグは、生物学的条件下でこのような反応を受けて初めて活性となり得るが、それらの未反応形態でも活性を有し得る。本発明において想定されるプロドラッグの例としては、限定するものではないが、生体加水分解性(biohydrolyzable)部分を含む式I〜IIIのいずれか1つの化合物又は表1の化合物の類似体又は誘導体(例えば生体加水分解性アミド、生体加水分解性エステル、生体加水分解性カーバメート、生体加水分解性炭酸塩、生体加水分解性ウレイド、及び生体加水分解性リン酸塩類似体)が挙げられる。プロドラッグの他の例としては、-NO、-NO2、-ONO、又は-ONO2部分を含む式I〜IIIのいずれか1つの化合物又は表1の化合物の誘導体等が挙げられる。プロドラッグは、典型的には、1 Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery (1995) 172-178, 949-982 (Manfred E. Wolff 編、第5版)(この文献の全教示は参照により本明細書に組み込まれる)により記載されるような周知の方法を用いて調製することができる。
【0057】
別段に示されない限り、本明細書で使用される用語「生体加水分解性アミド」、「生体加水分解性エステル」、「生体加水分解性カーバメート」、「生体加水分解性炭酸塩」、「生体加水分解性ウレイド」及び「生体加水分解性リン酸塩類似体」は、1) 本化合物の生物学的活性を破壊せず、本化合物にin vivoで有利な特性(例えば、取り込み、作用期間、又は作用発現)を与えるか;あるいは2) それ自体は生物学的に不活性であるが、in vivoで生物学的に活性な化合物に変換される、アミド、エステル、カーバメート、炭酸塩、ウレイド、又はリン酸塩類似体をそれぞれ意味する。生体加水分解性アミドの例としては、限定するものではないが、低級アルキルアミド、α-アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミド等が挙げられる。生体加水分解性エステルの例としては、限定するものではないが、低級アルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステル、及びコリンエステル等が挙げられる。生体加水分解性カーバメートの例としては、限定するものではないが、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式アミン及び複素芳香族アミン、並びにポリエーテルアミン等が挙げられる。
【0058】
本明細書で使用される用語「製薬上許容される塩」は、式I〜IIIのいずれか1つの化合物又は表1の化合物の1つの酸性基及び塩基性基から形成される塩である。例示的塩としては、限定するものではないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、過クエン酸塩(acid citrate)、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アルコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(すなわち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))塩等が挙げられる。用語「製薬上許容される塩」はまた、酸性官能基(例えばカルボン酸官能基)を有する式I〜IIIのいずれか1つの化合物又は表1の化合物と製薬上許容される無機又は有機塩基から調製される塩も指す。適切な塩基としては、限定するものではないが、例えば、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム、及びリチウム)の水酸化物;アルカリ土類金属(例えばカルシウム及びマグネシウム)の水酸化物;他の金属(例えばアルミニウム及び亜鉛)の水酸化物;アンモニア、及び有機アミン(例えば非置換又はヒドロキシ置換モノ-、ジ-、又はトリアルキルアミン);ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N-メチル、N-エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ-、ビス-、又はトリス-(2-ヒドロキシ-低級アルキルアミン)(例えばモノ-、-ビス-、又はトリス-(2-ヒドロキシエチル)-アミン、2-ヒドロキシ-tert-ブチルアミン、又はトリス-(ヒドロキシメチル)メチル-アミン)、N,N,-ジ-低級アルキル-N-(ヒドロキシ低級アルキル)-アミン(例えばN,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミン、又はトリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン);N-メチル-D-グルカミン;及びアミノ酸(例えばアルギニン、リシン)等が挙げられる。用語「製薬上許容される塩」はまた、塩基性官能基(例えばアミノ官能基)を有する式I〜IIIのいずれか1つの化合物又は表1の化合物と、製薬上許容される無機酸又は有機酸から調製される塩も指す。適切な酸としては、限定するものではないが、例えば、硫酸水素塩、クエン酸、酢酸、シュウ酸、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硝酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ベシル酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸(glucaronic acid)、糖酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸等が挙げられる。
【0059】
本明細書で使用される用語「製薬上許容される溶媒和物」は、1つ以上の溶媒分子の、式I〜IIIのいずれか1つの化合物又は表1の化合物の1つ以上の分子への会合から形成される溶媒和物である。用語「溶媒和物」は、水和物(例えば、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物等)を包含する。
【0060】
本明細書で使用される「増殖性疾患」又は「過増殖性疾患」及び他の同義語は、細胞の病理学的増殖を伴う疾患又は医学的状態を意味する。増殖性疾患としては、例えば、癌、平滑筋細胞増殖、全身性硬化症、肝硬変、成人呼吸窮迫症候群、特発性心筋症、エリテマトーデス、網膜症(例えば、糖尿病性網膜症又は他の網膜症)、脈絡膜血管新生(例えば黄斑変性)、心肥大、生殖器系関連疾患(例えば前立腺肥大及び卵巣嚢胞)、肺線維症、子宮内膜症、線維腫症、多発性良性腫瘍(ハーマトマス(harmatomas))、リンパ管腫症、サルコイドーシス、並びに類腱腫等が挙げられる。
【0061】
平滑筋細胞増殖としては、血管系の細胞の過剰増殖、例えば、内膜平滑筋細胞過形成、再狭窄及び血管閉塞、特に生物学的に又は機械的に媒介される血管損傷(例えば、血管形成を伴う血管損傷)に続く狭窄等が挙げられる。さらに、内膜平滑筋細胞過形成としては、血管系以外の平滑筋の過形成、例えば、胆管閉塞、喘息を有する患者における肺の気管支気道の閉塞、腎間質性線維症を有する患者の腎臓における閉塞等を挙げることができる。
【0062】
また非癌性増殖性疾患として、皮膚の細胞の過剰増殖、例えば、乾癬及びその様々な臨床形態、ライター症候群、毛孔性紅色粃糠疹、及び角化疾患の過増殖性変異体(例えば、光線性角化症、老人性角化症)、強皮症等も挙げられる。
【0063】
一部の実施形態において、増殖性疾患は癌である。本明細書に開示される方法によって治療又は予防することができる癌としては、例えば、限定するものではないが、ヒトの肉腫及び癌腫、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイングの腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平細胞癌腫、基底細胞癌腫、腺癌、汗腺癌腫、皮脂腺癌腫、乳頭癌腫、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌腫、気管支原性癌腫、腎臓細胞癌腫、肝細胞腫、胆管癌腫、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、頸部癌、精巣腫瘍、肺癌腫、小細胞肺癌腫、膀胱癌腫、上皮性癌腫,神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴覚神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫;白血病、例えば、急性リンパ球性白血病及び急性骨髄性白血病(骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病及び赤白血病);慢性白血病(慢性骨髄性(顆粒球性)白血病及び慢性リンパ球性白血病);及び真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病及び非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、並びに重鎖疾患等が挙げられる。
【0064】
抗増殖性化合物
本開示は、癌を直接治療するため、又は他の癌治療の効力を改善するための有効な抗増殖剤、抗有糸分裂剤に対するニーズに取り組む。本開示は、癌等の増殖性疾患の治療又は予防に有用な化合物及び医薬組成物に関する。
【0065】
一実施形態において、製薬上許容される塩、溶媒和物、及びプロドラッグを包含する、式I:
【0066】
【化4】
で表される化合物が開示され、式中、Arは、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-C6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択される0〜5個の置換基をそれぞれ有する置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよい5員ヘテロアリール環であり;但し、Arがフェニルである場合、少なくとも1つのオルト置換はHである。
【0067】
X1はN及びCR7から選択され、またX2はN及びCR10から選択される。
【0068】
R5、R6、R7、R10及びR11のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-8シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される。
【0069】
R8及びR9のそれぞれは、H、ハロゲン、-ORA、-NH2、-NO2、-O(CO)RA、-O(CO)NRARB、-SH、及び-SRAから独立して選択される。
【0070】
RA、RB及びRCのそれぞれは、存在する場合、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、=O、-NO2、-OR'、-OC(O)R'、-CO2R'、-C(O)R'、-C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)R'、-NR'''C(O)NR'R''、-NR'R''、-NR'''CO2R'、-SR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される。
【0071】
R'、R''及びR'''のそれぞれは、独立して、水素、非置換C1-4アルキル、及び置換又は非置換C3-6シクロアルキルであり、あるいはR'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成する。
【0072】
式Iの化合物において、以下の除外:
(1) X1がNであり、X2がCHであり、またArが非置換フェニルであり、さらにR8、R9及びR11のそれぞれが水素である場合、R5及びR6がいずれもCl又はOCH3である場合はない;
(2) X1及びX2がいずれもCHであり、さらにArが非置換フェニルである場合、R5、R6、R8、R9及びR11の少なくとも1つは水素ではない;
(3) X1がCHであり、X2がC-Clであり、Arが非置換フェニルであり、さらにR11がCl又はO-イソプロピルである場合、R5、R6、R8及びR9の少なくとも1つは水素ではない;
(4) ArがN-(5-(3-(ピリジン-3-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)であり、X1がCHである場合、R5、R6、R7、R8、R9及びR11のそれぞれは水素ではない;
(5) ArがN-(5-(3-(ピリジン-3-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)であり、X1及びX2がCHであり、さらにR5、R6、R8及びR9のそれぞれがHである場合、R11は、-OCH2CF3、2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、又はシアノではない;
を適用することが可能であり、あるいは上記の(4)及び(5)の代わりに、Arが1H-ピラゾロ-1-イルである場合、Arがピリジン-3-イル及びトリフルオロメチルで置換されることはなく;
あるいは上記の(1)〜(5)の全ての代わりに、以下の化合物の1つ以上を除外し得る。
【0073】
【化5】
【0074】
別の実施形態において、製薬上許容される塩、溶媒和物、及びプロドラッグを包含する、式II:
【0075】
【化6】
で表される化合物が開示され、式中、X1はN及びCR7から選択され、またX2はN及びCR10から選択される。
【0076】
R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される。
【0077】
R5、R6、R7、R10及びR11のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される。
【0078】
R8及びR9のそれぞれは、-H、ハロゲン、-ORA、-NH2、-NO2、-O(CO)RA、-O(CO)NRARB、-SH、及び-SRAから独立して選択される。
【0079】
RA、RB及びRCのそれぞれは、存在する場合、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、=O、-NO2、-OR'、-OC(O)R'、-CO2R'、-C(O)R'、-C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)R'、-NR'''C(O)NR'R''、-NR'R''、-NR'''CO2R'、-SR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される。
【0080】
R'、R''及びR'''は、それぞれ独立して、水素、非置換C1-4アルキル、及び置換又は非置換C3-6シクロアルキルであり、あるいはR'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成する。
【0081】
式IIの化合物において、以下の除外:
(1) X1がNであり、X2がCHであり、さらにR1、R2、R3、R4、R8、R9及びR11のそれぞれが水素である場合、R5及びR6がいずれもCl又はOCH3である場合はない;
(2) X1及びX2がいずれもCHである場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9及びR11の少なくとも1つは水素ではない;
(3) X1がCHであり、X2がC-Clであり、さらにR11がCl又はO-イソプロピルである場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8及びR9の少なくとも1つは水素ではない;
を適用し、あるいは上記の(1)〜(3)の代わりに、本化合物のいずれか1つ以上は、上記式Iの潜在的な例外として特定される。
【0082】
別の実施形態において、製薬上許容される塩、溶媒和物、及びプロドラッグを包含する、式III:
【0083】
【化7】
で表される化合物が開示され、式中、X1はN及びCR7から選択され、またX2はN及びCR10から選択される。
【0084】
D1、D2、D3、及びD4のそれぞれは、CR1、CR2、CR3、CR4、N、O、及びSから選択される。Bは、C及びNから選択される。
【0085】
R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される。
【0086】
R5、R6、R7、R10及びR11のそれぞれは、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、-NO2、-C(O)RA、-CO2RA、-C(O)NRARB、-ORA、-OC(O)RA、-OC(O)NRARB、-NRCC(O)RA、-NRCC(O)NRARB、-NRARB、-NRCCO2RA、-NRCS(O)2RA、-SRA、-S(O)RA、-S(O)2RA、-S(O)2NRARB、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される。
【0087】
R8及びR9のそれぞれは、H、ハロゲン、-ORA、-NH2、-NO2、-O(CO)RA、-O(CO)NRARB、-SH、及び-SRAから独立して選択される。
【0088】
RA、RB及びRCのそれぞれは、存在する場合、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、置換又は非置換C2-8アルケニル、置換又は非置換C2-8アルキニル、-CN、=O、-NO2、-OR'、-OC(O)R'、-CO2R'、-C(O)R'、-C(O)NR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR'''C(O)R'、-NR'''C(O)NR'R''、-NR'R''、-NR'''CO2R'、-SR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、置換又は非置換C6-10アリール、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから独立して選択される。
【0089】
R'、R''及びR'''は、それぞれ独立して、水素、非置換C1-4アルキル、及び置換又は非置換C1-6シクロアルキルであり、あるいはR'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成する。
【0090】
式IIIにおいて、以下の除外:
(1) B及びD1がNであり、D2がC-3-ピリジルであり、D3がCHであり、またD4がC(CF3)であり、X1がCHであり、さらにR5、R6、R8、R9、R11のそれぞれがHである場合、X2はNではない;並びに
(2) B及びD1がNであり、D2がC-3-ピリジルであり、D3がCHであり、またD4がC(CF3)であり、X1及びX2がCHであり、さらにR2、R3、R6、R7のそれぞれがHである場合、R5は、OCH2CF3、2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ、2-モルホリノエトオキシ、又はシアノではない;
を適用し、あるいは上記の(1)及び(2)の代わりに、B及びD1がNである場合、D2及びD4はC-ピリジン-3-イル又はC-トリフルオロメチルではあり得ず、
あるいは上記の(1)及び(2)の代わりに、本化合物のいずれか1つ以上は、上記式Iについて上記に特定される。
【0091】
式I〜IIIによって表される化合物の一部の実施形態において、X1はCR7である。一部の実施形態において、X1はC-Hである。一部の実施形態において、X1はNである。一部の実施形態において、X1はC-Fである。一部の実施形態において、X2はCR10である。一部の実施形態において、X2はC-Hである。一部の実施形態において、X2はNである。一部の実施形態において、X1はCR7であり、またX2はCR10である。一部の実施形態において、X1及びX2はいずれもC-Hである。一部の実施形態において、X1及びX2はいずれもNである。一部の実施形態において、X1はCR7であり、X2はNである。一部の実施形態において、X1はNであり、X2はCR10である。一部の実施形態において、X1はCHであり、X2はNである。一部の実施形態において、X1はC-Hであり、X2はNである。一部の実施形態において、X1はC-Fであり、X2はNである。一部の実施形態において、X1はNであり、R7は存在しない。
【0092】
式IIIで表される化合物の一部の実施形態において、BはCである。一部の実施形態において、BはNである。
【0093】
式IIIで表される化合物の一部の実施形態において、D1はCR1である。一部の実施形態において、D1はNである。一部の実施形態において、D1はOである。一部の実施形態において、D1はSである。
【0094】
式IIIで表される化合物の一部の実施形態において、D2はCR2である。一部の実施形態において、D2はNである。一部の実施形態において、D2はOである。一部の実施形態において、D2はSである。
【0095】
式IIIで表される化合物の一部の実施形態において、D3はCR3である。一部の実施形態において、D3はNである。一部の実施形態において、D3はOである。一部の実施形態において、D3はSである。
【0096】
式IIIで表される化合物の一部の実施形態において、D4はCR4である。一部の実施形態において、D4はNである。一部の実施形態において、D4はOである。一部の実施形態において、D4はSである。
【0097】
式IIIで表される化合物の一部の実施形態において、D1、D2、及びD4のそれぞれはCHであり、D3はSである。一部の実施形態において、D2、D3、及びD4のそれぞれはCHであり、D1はSである。一部の実施形態において、D1、D3、及びD4のそれぞれはCHであり、D2はOである。一部の実施形態において、D1、D2、及びD3のそれぞれはCHであり、D4はOである。
【0098】
式II及びIIIによって表される化合物の一部の実施形態において、R1はHである。一部の実施形態において、R1はハロゲンである。一部の実施形態において、R1は置換又は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R1は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R1は置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R1はシクロアルキルである。一部の実施形態において、R1はシクロプロピルである。一部の実施形態において、R1は置換又は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R1は置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R1は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R1は置換又は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R1は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R1は置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R1は置換又は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R1は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R1は置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R1は-CNである。一部の実施形態において、R1は-NO2である。一部の実施形態において、R1は-C(O)RAである。一部の実施形態において、R1は-CO2RAである。一部の実施形態において、R1は-C(O)NRARBである。一部の実施形態において、R1は-ORAである。一部の実施形態において、R1は-OC(O)RAである。一部の実施形態において、R1は-OC(O)NRARBである。一部の実施形態において、R1は-NRCC(O)RAである。一部の実施形態において、R1は-RCC(O)NRARBである。一部の実施形態において、R1は-NRARBである。一部の実施形態において、R1は-NRCCO2RAである。一部の実施形態において、R1は-NRCS(O)2RAである。一部の実施形態において、R1は-SRAである。一部の実施形態において、R1は-S(O)RAである。一部の実施形態において、R1は-S(O)2RAである。一部の実施形態において、R1は-S(O)2NRARBである。一部の実施形態において、R1は置換又は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R1は置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R1は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R1は置換又は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R1は置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R1は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R1は置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R1は置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R1は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0099】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R1は、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、-C(O)NRARB、-ORA、-NRARB、-S(O)2RA、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択される。
【0100】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R1は、-H、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、-C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジニル-1-イル、ピロリジニ-3-イル-アミノ、及び-OHから選択される。一部の実施形態において、R1は-Hである。一部の実施形態において、R1はクロロである。一部の実施形態において、R1はトリフルオロメチルである。一部の実施形態において、R1はシクロプロピルである。一部の実施形態において、R1は-(C=O)NHCH3である。一部の実施形態において、R1は-OCH3である。一部の実施形態において、R1は-O-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R1は-NH-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R1は1-メチル-ピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R1は4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシルである。一部の実施形態において、R1はフェニルである。一部の実施形態において、R1はオキセタン-3-イルである。一部の実施形態において、R1はシクロブチルである。一部の実施形態において、R1はtert-ブチルである。一部の実施形態において、R1は-S(O)2-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R1はピペラジニル-1-イルである。一部の実施形態において、R1はピロリジニ-3-イル-アミノである。一部の実施形態において、R1は-OHである。
【0101】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R2は-Hである。一部の実施形態において、R2はハロゲンである。一部の実施形態において、R2は置換又は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R2はシクロアルキルである。一部の実施形態において、R2はシクロプロピルである。一部の実施形態において、R2は置換又は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R2は置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R2は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R2は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R2は置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R2は置換又は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R2は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R2は置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R2は置換又は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R2は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R2は置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R2は-CNである。一部の実施形態において、R2は-NO2である。一部の実施形態において、R2は-C(O)RAである。一部の実施形態において、R2は-CO2RAである。一部の実施形態において、R2は-C(O)NRARBである。一部の実施形態において、R2は-ORAである。一部の実施形態において、R2は-OC(O)RAである。一部の実施形態において、R2は-OC(O)NRARBである。一部の実施形態において、R2は-NRCC(O)RAである。一部の実施形態において、R2は-RCC(O) NRARBである。一部の実施形態において、R2は-NRARBである。一部の実施形態において、R2は-NRCCO2RAである。一部の実施形態において、R2は-NRCS(O)2RAである。一部の実施形態において、R2は-SRAである。一部の実施形態において、R2は-S(O)RAである。一部の実施形態において、R2は-S(O)2RAである。一部の実施形態において、R2は-S(O)2NRARBである。一部の実施形態において、R2は置換又は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R2は置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R2は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R2は置換又は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R2は置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R2は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R2は置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R2は置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R2は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0102】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R2は、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、-C(O)NRARB、-ORA、-NRARB、-S(O)2RA、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択される。
【0103】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R2は、-H、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、-C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジニル-1-イル、ピロリジニ-3-イル-アミノ、及び-OHから選択される。一部の実施形態において、R2は-Hである。一部の実施形態において、R2はクロロである。一部の実施形態において、R2はトリフルオロメチルである。一部の実施形態において、R2はシクロプロピルである。一部の実施形態において、R2は-(C=O)NHCH3である。一部の実施形態において、R2は-OCH3である。一部の実施形態において、R2は-O-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R2は-NH-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R2は1-メチル-ピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R2は4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシルである。一部の実施形態において、R2はフェニルである。一部の実施形態において、R2はオキセタン-3-イルである。一部の実施形態において、R2はシクロブチルである。一部の実施形態において、R2はtert-ブチルである。一部の実施形態において、R2はクロロ又は-OCH3である。一部の実施形態において、R2は-S(O)2-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R2はピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R2はピロリジン-3-イル-アミノである。一部の実施形態において、R2は-OHである。
【0104】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R3はHである。一部の実施形態において、R3はハロゲンである。一部の実施形態において、R3は置換又は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R3は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R3は置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R3はシクロアルキルである。一部の実施形態において、R3はシクロプロピルである。一部の実施形態において、R3は置換又は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R3は置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R3は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R3は置換又は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R3は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R3は置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R3は置換又は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R3は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R3は置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R3は-CNである。一部の実施形態において、R3は-NO2である。一部の実施形態において、R3は-C(O)RAである。一部の実施形態において、R3は-CO2RAである。一部の実施形態において、R3は-C(O)NRARBである。一部の実施形態において、R3は-ORAである。一部の実施形態において、R3は-OC(O)RAである。一部の実施形態において、R3は-OC(O)NRARBである。一部の実施形態において、R3は-NRCC(O)RAである。一部の実施形態において、R3は-RCC(O)NRARBである。一部の実施形態において、R3は-NRARBである。一部の実施形態において、R3は-NRCCO2RAである。一部の実施形態において、R3は-NRCS(O)2RAである。一部の実施形態において、R3は-SRAである。一部の実施形態において、R3は-S(O)RAである。一部の実施形態において、R3は-S(O)2RAである。一部の実施形態において、R3は-S(O)2NRARBである。一部の実施形態において、R3は置換又は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R3は置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R3は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R3は置換又は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R3は置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R3は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R3は置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R3は置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R3は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0105】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R3は、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換C3-6シクロアルキル、-C(O)NRARB、-ORA、-NRARB、-S(O)2RA、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択される。
【0106】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R3は、H、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、-C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジン-1-イル、ピロリジン-3-イル、及び-OHから選択される。一部の実施形態において、R3はクロロである。一部の実施形態において、R3はシクロプロピルである。一部の実施形態において、R3は-(C=O)NHCH3である。一部の実施形態において、R3は-OCH3である。一部の実施形態において、R3は-O-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R3は-NH-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R3は1-メチル-ピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R3は4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシルである。一部の実施形態において、R3はフェニルである。一部の実施形態において、R3はオキセタン-3-イルである。一部の実施形態において、R3はシクロブチルである。一部の実施形態において、R3はtert-ブチルである。一部の実施形態において、R3は-S(O)2-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R3はピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R3はピロリジン-3-イルである。一部の実施形態において、R3は-OHである。
【0107】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R4はHである。一部の実施形態において、R4はハロゲンである。一部の実施形態において、R4は置換又は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R4は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R4は置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R4はシクロアルキルである。一部の実施形態において、R4はシクロプロピルである。一部の実施形態において、R4は置換又は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R4は置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R4は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R4は置換又は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R4は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R4は置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、R4は置換又は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R4は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R4は置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、R4は-CNである。一部の実施形態において、R4は-NO2である一部の実施形態において、R4は-C(O)RAである。一部の実施形態において、R4は-CO2RAである。一部の実施形態において、R4は-C(O)NRARBである。一部の実施形態において、R4は-ORAである。一部の実施形態において、R4は-OC(O)RAである。一部の実施形態において、R4は-OC(O)NRARBである。一部の実施形態において、R4は-NRCC(O)RAである。一部の実施形態において、R4は-RCC(O)NRARBである。一部の実施形態において、R4は-NRARBである。一部の実施形態において、R4は-NRCCO2RAである。一部の実施形態において、R4は-NRCS(O)2RAである。一部の実施形態において、R4は-SRAである。一部の実施形態において、R4は-S(O)RAである。一部の実施形態において、R4は-S(O)2RAである。一部の実施形態において、R4は-S(O)2NRARBである。一部の実施形態において、R4は置換又は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R4は置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R4は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、R4は置換又は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R4は置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R4は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R4は置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R4は置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R4は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0108】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R4は、-H、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、シクロアルキル、-C(O)NRARB、-ORA、-NRARB、-S(O)2RA、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、及び置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルから選択される。
【0109】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R4は、-H、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、-C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジン-1-イル、ピロリジン-3-イル-アミノ、及び-OHから選択される。一部の実施形態において、R4は-Hである。一部の実施形態において、R4はクロロである。一部の実施形態において、R4はトリフルオロメチルである。一部の実施形態において、R4はシクロプロピルである。一部の実施形態において、R4は-(C=O)NHCH3である。一部の実施形態において、R4は-OCH3である。一部の実施形態において、R4は-O-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R4は-NH-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R4は1-メチル-ピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R4は4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシルである。一部の実施形態において、R4はフェニルである。一部の実施形態において、R4はオキセタン-3-イルである。一部の実施形態において、R4はシクロブチルである。一部の実施形態において、R4はtert-ブチルである。一部の実施形態において、R4はクロロトリフルオロメチル、又はOCH3である。一部の実施形態において、R4は-S(O)2-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R4はピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R4はピロリジン-3-イルである。一部の実施形態において、R4は-OHである。
【0110】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R1、R2、R3及びR4のそれぞれは-Hである。式IIで表される一部の実施形態において、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは-Hではない。
【0111】
式IIの一部の実施形態において、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、ハロゲン、置換又は非置換C1-8アルキル、シクロアルキル、-C(O)NRARB、-ORA、-NRARB、-S(O)2RA、置換又は非置換5〜10員ヘテロアリール、あるいは置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0112】
式II及びIIIで表される化合物の一部の実施形態において、R1は、-H、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、-(C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジン-1-イル、ピロリジン-3-イル-アミノ、及び-OHから選択され;R2は、-H、クロロ及び-OCH3から選択され;R3は、クロロ、シクロプロピル、-(C=O)NHCH3、-OCH3、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシル、フェニル、オキセタン-3-イル、シクロブチル、tert-ブチル、-S(O)2-シクロプロピル、ピペラジン-1-イル、ピロリジン-3-イル-アミノ、及び-OHから選択され;R4は、-H、クロロ、トリフルオロメチル、及び-OCH3から選択され、ここでR1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは-Hではない。
【0113】
一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方は、-S(O)2-シクロプロピル及び1-メチル-ピペラジン-1-イルから選択される。一部の実施形態において、R1及びR3の一方は、-S(O)2-シクロプロピル及び1-メチル-ピペラジン-1-イルから選択され、R1及びR3の他方は、-H、-Cl、-S(O)2-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、及びシクロプロピルから選択される。一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方は-S(O)2-シクロプロピルである。一部の実施形態において、R1は-S(O)2-シクロプロピルであり、R3は-Hである。一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方は1-メチル-ピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方はピペラジン-1-イルである。一部の実施形態において、R1及びR3の少なくとも一方は-O-シクロプロピルであり、R1及びR3の他方は-Hである。一部の実施形態において、R1及びR3のそれぞれは、シクロプロピル、-O-シクロプロピル、-NH-シクロプロピル、-S(O)2-シクロプロピル、1-メチル-ピペラジン-1-イル、ピペラジン-1-イル、及びオキセタン-3-イルから選択される。
【0114】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R5はHである。式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R6はHである。式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R5及びR6はいずれもHである。
【0115】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R7はHである。
【0116】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R8は、-H及びハロゲンから選択される。一部の実施形態において、R8は-Hである。一部の実施形態において、R8はハロゲンである。一部の実施形態において、R8はフルオロである。一部の実施形態において、R8はクロロである。一部の実施形態において、R8はブロモである。一部の実施形態において、R8はヨードである。
【0117】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R9は、-H及びハロゲンから選択される。一部の実施形態において、R9は-Hである。一部の実施形態において、R9はハロゲンである。一部の実施形態において、R9はフルオロである。一部の実施形態において、R9はクロロである。一部の実施形態において、R9はブロモである。一部の実施形態において、R9はヨードである。
【0118】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R8及びR8はいずれも-Hである。一部の実施形態において、R8はフルオロであり、R9は-Hである。
【0119】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R10は-Hである。
【0120】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R11は、-H、置換又は非置換C1-8アルキル、シクロアルキル、及び-NRARBから選択される。一部の実施形態において、R11は-Hである。一部の実施形態において、R11は置換又は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R11は置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R11は置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、R11はシクロアルキルである。一部の実施形態において、R11は-NRARBである。
【0121】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R11は、-H、-CH3、及び-NH2から選択される。一部の実施形態において、R11は-Hである。一部の実施形態において、R11は-CH3である。一部の実施形態において、R11は-NH2である。
【0122】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、RAは-Hである。一部の実施形態において、RAはハロゲンである。一部の実施形態において、RAは置換又は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、RAは非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、RAは置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、RAはシクロアルキルである。一部の実施形態において、RAはシクロプロピルである。一部の実施形態において、RAは置換又は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RAは置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RAは非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RAは置換又は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、RAは非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、RAは置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、RAは置換又は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、RAは非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、RAは置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、RAは-CNである。一部の実施形態において、RAは=Oである。一部の実施形態において、RAは-NO2である。一部の実施形態において、RAは-OR'である。一部の実施形態において、RAは-OC(O)R'である。一部の実施形態において、RAは-CO2R'である。一部の実施形態において、RAは-C(O)R'である。一部の実施形態において、RAは-C(O)NR'R''である。一部の実施形態において、RAは-OC(O)NR'R''である。一部の実施形態において、RAは-NR'''C(O)R'である。一部の実施形態において、RAは-NR'''C(O)NR'R''である。一部の実施形態において、RAは-NR'R''である。一部の実施形態において、RAは-NR'''CO2R'である。一部の実施形態において、RAは-SR'である。一部の実施形態において、RAは-S(O)R'である。一部の実施形態において、RAは-S(O)2R'である。一部の実施形態において、RAは-S(O)2-シクロアルキルである。一部の実施形態において、RAは-S(O)2-シクロプロピルである。一部の実施形態において、RAは置換又は非置換-S(O)2-シクロアルキルである。一部の実施形態において、RAは置換-S(O)2-C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RAは非置換-S(O)2-C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RAは-S(O)2NR'R''である。一部の実施形態において、RAは-NR'S(O)2R''である。一部の実施形態において、RAは置換又は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、RAは非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、RAは置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、RAは置換又は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、RAは非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、RAは置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、RAは置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、RAは非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、RAは置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0123】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、RBは-Hである。一部の実施形態において、RBはハロゲンである。一部の実施形態において、RBは置換又は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、RBは非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、RBは置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、RBはシクロアルキルである。一部の実施形態において、RBはシクロプロピルである。一部の実施形態において、RBは置換又は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RBは置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RBは非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RBは置換又は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、RBは非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、RBは置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、RBは置換又は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、RBは非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、RBは置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、RBは-CNである。一部の実施形態において、RBは=Oである。一部の実施形態において、RBは-NO2である。一部の実施形態において、RBは-OR'である。一部の実施形態において、RBは-OC(O)R'である。一部の実施形態において、RBは-CO2R'である。一部の実施形態において、RBは-C(O)R'である。一部の実施形態において、RBは-C(O)NR'R''である。一部の実施形態において、RBは-OC(O)NR'R''である。一部の実施形態において、RBは-NR'''C(O)R'である。一部の実施形態において、RBは-NR'''C(O)NR'R''である。一部の実施形態において、RBは-NR'R''である。一部の実施形態において、RBは-NR'''CO2R'である。一部の実施形態において、RBは-SR'である。一部の実施形態において、RBは-S(O)R'である。一部の実施形態において、RBは-S(O)2R'である。一部の実施形態において、RBは-S(O)2-シクロアルキルである。一部の実施形態において、RBは-S(O)2-シクロプロピルである。一部の実施形態において、RBは置換又は非置換-S(O)2-シクロアルキルである。一部の実施形態において、RBは置換-S(O)2-C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RBは非置換-S(O)2-C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RBは-S(O)2NR'R''である。一部の実施形態において、RBは-NR'S(O)2R''である。一部の実施形態において、RBは置換又は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、RBは非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、RBは置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、RBは置換又は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、RBは非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、RBは置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、RBは置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、RBは非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、RBは置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0124】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、RCは-Hである。一部の実施形態において、RCはハロゲンである。一部の実施形態において、RCは置換又は非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、RCは非置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、RCは置換C1-8アルキルである。一部の実施形態において、RCはシクロアルキルである。一部の実施形態において、RCはシクロプロピルである。一部の実施形態において、RCは置換又は非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RCは置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RCは非置換C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RCは置換又は非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、RCは非置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、RCは置換C2-8アルケニルである。一部の実施形態において、RCは置換又は非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、RCは非置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、RCは置換C2-8アルキニルである。一部の実施形態において、RCは-CNである。一部の実施形態において、RCは=Oである。一部の実施形態において、RCは-NO2である。一部の実施形態において、RBは-OR'である。一部の実施形態において、RCは-OC(O)R'である。一部の実施形態において、RCは-CO2R'である。一部の実施形態において、RCは-C(O)R'である。一部の実施形態において、RCは-C(O)NR'R''である。一部の実施形態において、RCは-OC(O)NR'R''である。一部の実施形態において、RCは-NR'''C(O)R'である。一部の実施形態において、RCは-NR'''C(O)NR'R''である。一部の実施形態において、RCは-NR'R''である。一部の実施形態において、RCは-NR'''CO2R'である。一部の実施形態において、RCは-SR'である。一部の実施形態において、RCは-S(O)R'である。一部の実施形態において、RCは-S(O)2R'である。一部の実施形態において、RCは-S(O)2-シクロアルキルである。一部の実施形態において、RCは-S(O)2-シクロプロピルである。一部の実施形態において、RCは置換又は非置換-S(O)2-シクロアルキルである。一部の実施形態において、RCは置換-S(O)2-C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RCは非置換-S(O)2-C3-6シクロアルキルである。一部の実施形態において、RCは-S(O)2NR'R''である。一部の実施形態において、RCは-NR'S(O)2R''である。一部の実施形態において、RCは置換又は非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、RCは非置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、RCは置換C6-10アリールである。一部の実施形態において、RCは置換又は非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、RCは非置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、RCは置換5〜10員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、RCは置換又は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、RCは非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、RCは置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0125】
式I〜IIIの化合物の一部の実施形態において、R'は-Hである。一部の実施形態において、R'は非置換C1-4アルキルである。一部の実施形態において、R'はシクロアルキルである。一部の実施形態において、R''は-Hである。一部の実施形態において、R''は非置換C1-4アルキルである。一部の実施形態において、R''はシクロアルキルである。一部の実施形態において、R'とR''は、それらが置換する原子と一緒になって、置換又は非置換5、6、又は7員環を形成する。一部の実施形態において、R'''は-Hである。一部の実施形態において、R'''は非置換C1-4アルキルである。一部の実施形態において、R'''はシクロアルキルである。
【0126】
別の実施形態において、化合物は、表1における化合物1〜5、7〜12、及び16〜46から選択される。一部の実施形態において、本化合物は、化合物1〜5、7〜9、16〜23、26、27、30、31、34、35、38、40〜42、45、及び46から選択される。一部の実施形態において、本化合物は、化合物10、11、24、25、28、29、32、33、36、37、39、43、及び44から選択される。一部の実施形態において、本化合物は化合物12である。一部の実施形態において、本化合物は、化合物7、11、19、及び20から選択される。別の実施形態において、本化合物は、表1における化合物6及び13〜15から選択される。
【0127】
製剤及び投与経路
本明細書に記載される化合物、又は製薬上許容されるその付加塩もしくは水和物は、様々な経路又は投与様式を用いて患者に送達することができる。適切な投与経路としては、限定するものではないが、例えば、吸入投与、経皮投与、経口投与、直腸投与、経粘膜投与、腸内投与及び非経口投与(例えば筋肉内注射、皮下注射及び静脈内注射)等が挙げられる。
【0128】
本明細書に記載される化合物、又はその製薬上許容される塩及び/もしくは水和物は、単独で、本発明の他の化合物と組み合わせて、及び/又は他の治療剤と組み合わせたカクテルとして投与することができる。当然のことながら、本発明の化合物と共投与することができる治療剤の選択は、ある程度、治療される状態に応じて決定される。
【0129】
例えば、癌治療を受けている患者に投与する場合、本化合物は、他の抗癌剤及び/又は補助増強剤を含むカクテルとして投与することができる。また本化合物は、放射線療法の副作用を治療する薬剤(例えば制吐薬、放射線保護剤(radiation protectant)等)を含むカクテルとして投与することもできる。
【0130】
本明細書に開示される化合物と共投与することができる抗癌剤としては、限定するものではないが、アミノグルテチミド;アスパラギナーゼ;ブレオマイシン;ブスルファン;カルボプラチン;カルムスチン(BCNU);クロラムブシル;シスプラチン(cis-DDP);シクロホスファミド;シタラビンHCl;ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシンHCl;ドキソルビシンHCl;エストラムスチンリン酸塩ナトリウム;エトポシド(VP-16);フロクスリジン;フルオロウラシル(5-FU);フルタミド;ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド);イフォスファミド;インターフェロンα-2a、α-2b、酢酸リュープロリド(LHRH放出因子類似体);ロムスチン(CCNU);メクロレタミンHCl(ナイトロジェンマスタード);メルファラン;メルカプトプリン;メスナ;メトトレキサート(MTX);ミトマイシン;マイトタン(o.p'-DDD);ミトキサントロンHCl;オクトレオチド;プリカマイシン;プロカルバジンHCl;ストレプトゾシン;クエン酸タモキシフェン;チオグアニン;チオテパ;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;アムサクリン(m-AMSA);アザシチジン;ヘキサメチルメラミン(HMM);インターロイキン2;ミトグアゾン(メチル-GAG;メチルグリオキサールビス-グアニルヒドラゾン;MGBG);ペントスタチン;セムスチン(メチル-CCNU);テニポシド(VM-26);パクリタキセル及び他のタキサン;並びに硫酸ビンデシンが挙げられる。
【0131】
本発明の化合物と共投与することができる補助増強剤としては、例えば、限定するものではないが、三環式抗うつ薬(例えばイミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、トリミプラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン及びマプロチリン);非三環式抗うつ薬(例えば、セルトラリン、トラゾドン及びシタロプラム);Ca2+アンタゴニスト(例えば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピン及びカロベリン);アンホテリシン(例えば、Tween 80及びマレイン酸ペルヘキシリン);トリパラノール類似体(例えばタモキシフェン);抗不整脈薬(例えばキニジン);抗高血圧薬(例えばレセルピン);チオール枯渇剤(例えばブチオニン及びスルホキシイミン);並びにロイコボリンカルシウム等が挙げられる。
【0132】
本活性化合物(1つ又は複数)は、それ自体で、又は本活性化合物(1つ又は複数)が1つ以上の製薬上許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混合されている医薬組成物の形態で投与することができる。上記の本化合物と共に使用するための医薬組成物は、本活性化合物の、薬学的に使用し得る調製物への加工を容易にする賦形剤及び助剤を含む1つ以上の生理学的に許容される担体を用いて、従来の様式で製剤化することができる。適切な製剤は、選択される投与経路に応じて決定される。
【0133】
注射のため、本発明の薬剤は、水溶液中で(好ましくはハンクス液、リンゲル液又は生理食塩水バッファー等の生理学的に適合するバッファー中で)製剤化することができる。経粘膜投与のため、浸透される障壁に適した浸透剤が製剤中で使用される。このような浸透剤は、当技術分野において一般的に知られている。
【0134】
経口投与のため、本化合物は、本活性化合物(1つ又は複数)を当技術分野で周知の製薬上許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化することができる。このような担体は、本発明の化合物を、治療対象の患者による経口摂取のための錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤等として製剤化することを可能とする。経口用途の医薬調製物は固体賦形剤として得ることが可能であり、任意選択で得られた混合物を粉砕し、所望であれば、適切な助剤を添加した後に顆粒の混合物を加工して、錠剤又は糖衣錠核を得ることができる。適切な賦形剤は、特に、充填剤(例えばラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトール等の糖);セルロース調製物(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、イネデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、ガムトラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)等)である。所望であれば、崩壊剤(例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸もしくはその塩(例えばアルギン酸ナトリウム))を添加してもよい。
【0135】
糖衣錠(錠剤)核は、適切なコーティングと共に提供される。この目的のため、濃縮糖溶液を用いることが可能であり、この溶液は、任意選択でアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含み得る。識別のため、又は異なる組み合わせの活性化合物用量を特徴付けるため、錠剤又は糖衣錠のコーティングに色素又は顔料を添加してもよい。
【0136】
経口的に使用し得る医薬調製物としては、例えば、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル剤、並びにゼラチン及び可塑剤(例えばグリセロール又はソルビトール)製の軟質の密封カプセル剤が挙げられる。プッシュフィットカプセル剤は、本活性成分を、充填剤(例えばラクトース)、結合剤(例えばデンプン)、及び/又は滑沢剤(例えばタルク又はステアリン酸マグネシウム)、並びに任意選択で安定剤と混合して含み得る。軟質カプセル剤中で、本活性化合物は、適切な液体(例えば、脂肪油、液体パラフィン、又は液体ポリエチレングリコール)に溶解又は懸濁されていてよい。さらに、安定剤を添加してもよい。経口投与のための全ての製剤は、このような投与に適した剤形でなければならない。
【0137】
口腔投与のため、上記組成物は、従来の様式で製剤化される錠剤又はロゼンジ剤の形態をとり得る。
【0138】
吸入による投与のため、本発明による使用のための化合物は、適切な噴射剤(例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切な気体)を使用した加圧パック又はネブライザーからのエアロゾルスプレー提供の形態で好都合に送達される。加圧エアロゾル剤の場合、用量単位は、計量量を送達するためのバルブを提供することによって決定することができる。吸入器又は注入器(insufflator)において使用するためのゼラチン製のカプセル剤及びカートリッジ剤は、本化合物と適切な粉末基剤(例えばラクトース又はデンプン)の粉末混合物を含んで製剤化し得る。
【0139】
本化合物は、注射による(例えばボーラス注射又は連続注射による)非経口投与用に製剤化することができる。注射用の製剤は、添加される保存剤と共に(アンプル中又はマルチドーズ容器中の)単位剤形で提供することができる。本組成物は、油性ビヒクル又は水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤又はエマルション剤のような形態をとってよく、懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤等の処方剤を含んでいてよい。
【0140】
非経口投与用の医薬製剤としては、水溶性形態の活性化合物の水溶液が挙げられる。さらに、本活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁剤として調製され得る。適切な親油性溶媒又はビヒクルとしては、脂肪油(例えばゴマ油)、又は合成脂肪酸エステル(例えばオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド)、あるいはリポソームが挙げられる。水性注射懸濁剤は、懸濁剤の粘度を増加させる物質(例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、又はデキストラン)を含み得る。任意選択で、上記懸濁剤は、適切な安定剤、又は本化合物の溶解性を増大させて高濃縮溶液の調製を可能とする薬剤も含み得る。
【0141】
あるいは、本活性成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば滅菌発熱物質非含有水)と共に構成するための粉末形態であってもよい。
【0142】
また本化合物は、坐剤又は(例えばココアバターもしくは他のグリセリドのような従来の坐剤基剤を含有する)保持注腸剤等の直腸用組成物として製剤化されてもよい。
【0143】
先に記載した製剤に加えて、本化合物はまた、デポー調製物として製剤化されてもよい。このような長時間作用型製剤は、移植又は経皮送達(例えば皮下もしくは筋肉内)、筋肉内注射又は経皮パッチによって投与することができる。このようにして、本化合物は、適切なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば許容可能な油中のエマルション)又はイオン交換樹脂と共に、あるいは難溶性誘導体(例えば難溶性塩)として製剤化することができる。
【0144】
本医薬組成物は、適切な固体もしくはゲル相の担体又は賦形剤も含み得る。このような担体又は賦形剤の例としては、限定するものではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリマー(例えばポリエチレングリコール)が挙げられる。
【0145】
有効用量
上記の化合物との使用に適した医薬組成物としては、活性成分が治療上有効量(その意図される目的を達成するために有効な量)で含まれる組成物が挙げられる。当然、特定の適用に有効な実際量は、治療される状態に応じて決定される。例えば、細胞増殖を阻害する方法において投与する場合、このような組成物は、この結果を得るのに有効な活性成分量を含む。異常な細胞増殖を特徴とする疾患に罹患している患者に投与する場合、このような組成物は、治療対象の患者の既存の症状の発達を予防するか又は既存の症状を軽減するため、あるいは治療対象の患者の生存時間を延長するために有効な活性成分量を含む。癌の治療における使用のため、治療上有効量は、腫瘍の成長を阻止するか又は退行させる化合物の量をさらに包含する。有効量の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0146】
本明細書に記載される任意の化合物について、治療上有効量は、細胞培養アレイから最初に決定することができる。標的血漿濃度は、当然のことながら特定の所望の適用に応じて、細胞培養アッセイにおいて少なくとも約25%の細胞増殖の阻害を誘導し得る活性化合物(1つ又は複数)の濃度である。細胞培養アッセイにおいて少なくとも約50%、75%、又はさらに90%以上の細胞増殖阻害を誘導し得る活性化合物(1つ又は複数)の標的血漿濃度が好ましい。達成される血漿薬剤濃度の適切性を評価するため、患者における細胞増殖阻害パーセントをモニターすることが可能であり、用量を上方又は下方に調整して所望の阻害パーセントを達成することができる。
【0147】
ヒトにおける使用のための治療上有効量は、動物モデルから決定することもできる。例えば、ヒト用量を、動物において有効であることがわかっている循環濃度を達成するように製剤化することができる。異常な細胞増殖を特徴とする疾患のための有用な動物モデルは、当技術分野において周知である。特に、以下の参考文献は、癌異種移植(Corbett et al, 1996, J. Exp. Ther. Oncol. 1: 95-108;Dykes et al, 1992, Contrib. Oncol. Basel. Karger 42: 1-22)、再狭窄(Carter et al, 1994, J. Am. Coll. Cardiol: 24(5): 1398-1405)、アテローム性動脈硬化症(Zhu et al, 1994, Cardiology 85(6): 370-377)及び新血管新生(Epstein et al, 1987, Cornea 6(4): 250-257)に適した動物モデルを提供する。ヒトにおける用量は、上記のとおり細胞増殖阻害をモニターし、用量を上方又は下方に調整することによって調整することができる。
【0148】
治療有効用量はまた、類似の薬理学的活性を示すことが知られている化合物についてのヒトデータから決定することもできる。上記の方法及び当技術分野において周知の他の方法に基づいて、ヒトにおいて最大効力を達成するための用量を調整することは、十分に通常の技能を有する当業者の能力の範囲内である。
【0149】
局所投与の場合、投与される化合物の全身循環濃度は特に重要ではない。このような場合、本化合物は、意図される結果を得るために有効な局所領域の濃度を達成するように投与される。
【0150】
癌等の異常な細胞増殖を特徴とする疾患を治療する場合、約0.001μM〜約20μM、又は約0.1μM〜約5μMの投与化合物の循環濃度が有効であると考えられる。
【0151】
細胞増殖性疾患の治療又は予防のための本明細書に記載される化合物の経口投与のための患者用量は、典型的には、約80mg/日〜16,000mg/日、より典型的には約800mg/日〜8000mg/日、また最も典型的には約800mg/日〜4000mg/日である。患者の体重について言えば、典型的な用量範囲は約1〜200mg/kg/日、より典型的には約10〜100mg/kg/日、また最も典型的には約10〜50mg/kg/日である。患者の体表面積について言えば、典型的な用量範囲は、約40〜8000mg/m2/日、より典型的には約400〜4000mg/m2/日、また最も典型的には約400〜2000mg/m2/日である。
【0152】
他の投与様式については、特定の治療対象の臨床的適応のために有効な投与化合物の血漿レベルを与えるように、投与量と投与間隔を個別に調整することができる。腫瘍形成性癌の治療における使用のため、腫瘍の外科的除去の前、最中又は後に化合物を投与することができる。例えば、手術前の腫瘍塊への注射を介して、単回用量又は複数回用量で本化合物を腫瘍に投与することができる。その後、腫瘍、又はできるだけ多くの腫瘍を外科的に除去することができる。除去後に、上記薬剤のさらなる用量を腫瘍部位に適用することができる。あるいは、できるだけ多くの腫瘍の外科的除去を、本化合物の腫瘍部位における投与に先行して行うことができる。
【0153】
本明細書中に提供される教示と組み合わせて、各種活性化合物の中から選択して、効力、相対バイオアベイラビリティ、患者の体重、有害副作用の重篤度及び好ましい投与様式等の因子を検討することによって、実質的な毒性を引き起こさず、且つ特定の患者によって示される臨床症状を治療するために依然として完全に効果的な、有効な予防的又は治療的治療レジメンを計画することができる。当然、特定の適応症又は患者に適した治療レジメンの決定においては、多くの因子が重要である。侵襲性癌又は転移癌等の重篤な適応症は、早期に検出された、非転移癌等のそれほど重篤でない適応症と比較して、より高い用量の投与を必要とし得る。
【実施例】
【0154】
実施例
表Iにおいて、式I〜IIIの化合物がリストされ、1H-NMRデータにより同定される。NDは、1H-NMRデータが同定されなかったことを示す。表Iにリストされる化合物は、表IIにおいてさらに特性決定される。表Iにおける化合物のそれぞれを調製する方法は、表IIにおいても同定される。表IIのモノマー合成列におけるNAは、化合物51、52、53、54、55、56、58、60、65及び68を除き、出発物質として使用したモノマーが市販されていたことを示す。化合物 51、52、53、54、55、56、58、60、65及び68の調製方法は、実施例中の他の箇所に記載される。
【0155】
一般的カップリング手順1
【0156】
【化8】
【0157】
塩化メタンスルホニル(1.5当量)を、N-メチルイミダゾール(1.0当量)のジクロロメタン(25mL)中撹拌溶液に加え、0℃に冷却し、反応混合物を10〜15分間撹拌した。カルボン酸A(1.0当量)を0℃で加え、再び反応混合物を20分間10℃〜15℃で撹拌した。アミンB(1.2当量)を反応混合物に加え、これをその後、密封ガラス管中で55℃〜60℃で16時間加熱した。反応の完了後、揮発物を減圧下で除去した。残留物質をジクロロメタン(50mL)で粉砕し、ろ過して湿ケーキをジクロロメタン(100mL)で洗浄し、その後減圧下で乾燥して純生成物を得た。必要であれば、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製を行った。
【0158】
一般的カップリング手順2
【0159】
【化9】
HATU (1.5当量)を、カルボン酸A(1.0当量)とアミンB(1.2当量)のDMF(25mL)中撹拌溶液に0℃で加え、30分間のさらなる撹拌後、DIPEA(4.0当量)を滴下様式で加え、総反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、氷水を反応混合物に加え、沈殿した固体をろ過して酢酸エチル(100ml)とジエチルエーテル(100ml)で洗浄し、減圧下で乾燥した後、純生成物を得た。必要であれば、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製を行った。
【0160】
一般的カップリング手順3
【0161】
【化10】
1-プロパンホスホン酸環式無水物(1.5当量)とDIPEA(4当量)を、カルボン酸A(1.0当量)とアミンB(1.2当量)のDMF(25mL)中撹拌溶液に室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を氷水に注ぎ、5分間撹拌し、得られた沈殿物をろ過して水で洗浄した。湿ケーキを減圧下で乾燥してジエチルエーテルとn-ペンタンで洗浄し、粗生成物を得た。必要であれば、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製を行った。
【0162】
一般的カップリング手順4
【0163】
【化11】
COMU(1.5当量)とDIPEA(4当量)を、カルボン酸A(1.0当量)とアミンB(1.2当量)のTHF(2mL)中撹拌溶液に室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を氷水に注ぎ、5分間撹拌し、得られた沈殿物をろ過して水で洗浄した。ケーキを減圧下で乾燥してジエチルエーテルとn-ペンタンで洗浄し、粗生成物を得た。必要であれば、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製を行った。
【0164】
一般的カップリング手順5
【0165】
【化12】
POCl3(3当量)を、カルボン酸A(1.0当量)とアミンB(1.0当量)のピリジン(25mL)中撹拌溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これをその後調製HPLCにより精製した。
【0166】
モノマー合成手順A
【0167】
【化13】
1-ブロモ-3-シクロプロピルベンゼン(0.20g、1.4mmol、1.0当量)、6-アミノピリジン-3-ボロン酸(0.28g、1.4mmol、1.0当量)及びCS2CO3(1.41g、4.3mmol、1.5当量)を、ジオキサン(8mL)と水(2mL)の混合物に加え、これをその後アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.087g、4.3mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱した。反応の完了後、反応混合物をろ過してろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(100mL)に溶解し、冷水(100mL)とブライン(25mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-(3-シクロプロピルフェニル)ピリジン-2-アミン(80mg;37%)を得た。
【0168】
モノマー合成手順B
【0169】
【化14】
【0170】
ステップ1:CS2CO3(56.6g、174.4mmol、3.0当量)とNaI(872mg、5.81mmol、0.1当量)を、3-ブロモフェノール(10g、58.13mmol、1.0当量)とブロモシクロプロパン(13.95g、116.2mmol、2.0当量)のDMF(50mL)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を150℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中2%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋1-ブロモ-3-(シクロプロピルオキシ)ベンゼン(4.0g;32.5%)を得た。
【0171】
【化15】
【0172】
ステップ2:1-ブロモ-3-(シクロプロピルオキシ)ベンゼン(1g、4.71mmol、1.0当量)、6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(0.65g、4.712mmol、1.0当量)及びCs2CO3(4.6g、14.13mmol、3.0当量)のジオキサン(30mL)と水(10mL)の混合物中撹拌溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.272g、0.235mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-[3-(シクロプロピルオキシ)フェニル]ピリジン-2-アミン(1.0g;56.6%)を得た。
【0173】
モノマー合成手順C
【0174】
【化16】
【0175】
ステップ1:BINAP(0.079g、0.11mmol、0.01当量)、Pd2(dba)3(100mg、0.11mmol、0.01当量)、DBU(1.73g、10.28mmol、0.8当量)及びナトリウムt-ブトキシド(1.8g、19.06mmol、1.5当量)を、1,3-ジブロモベンゼン(3g、12.8mmol、1.0当量)とシクロプロピルアミン(0.511g、8.9mmol、0.7当量)のトルエン(50mL)中撹拌溶液に窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を100℃に10時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲルを使用する)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋3-ブロモ-N-シクロプロピルアニリン(0.5g;18.5%)を得た。
【0176】
【化17】
【0177】
ステップ2:3-ブロモ-N-シクロプロピルアニリン(1g、4.73mmol、1.0当量)、6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(0.65g、4.73mmol、1.0当量)及びCS2CO3(4.6g、14.13mmol、3.0当量)のジオキサンと水(3:1、40mL)の混合物中撹拌溶液をアルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.272g、0.235mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲルを使用する)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-[3-(シクロプロピルアミノ)フェニル]ピリジン-2-アミン(0.6g;57%)を得た。
【0178】
モノマー合成手順D
【0179】
【化18】
【0180】
ステップ1:BINAP(0.266g、0.42mmol、0.01当量)、Pd2(dba)3(0.391g、0.42mmol、0.01当量)DBU(5.19g、34.18mmol、0.8当量)及びナトリウムt-ブトキシド(6.15g、64.1mmol、1.5当量)を、1,3-ジブロモベンゼン(10g、42.7mmol、1.0当量)とN-メチルピペラジン(2.99g、29.9mmol、0.7当量)のトルエン(200mL)中撹拌溶液に窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を100℃に10時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋1-(3-ブロモフェニル)-4-メチルピペラジン(4.0g;37%)を得た。
【0181】
【化19】
【0182】
ステップ2:1-(3-ブロモフェニル)-4-メチルピペラジン(1.7g、6.69mmol、1.0当量)、6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(0.923g、6.69mmol、1.0当量)及びNa2CO3(1.4g、13.38mmol、2.0当量)のトルエン、EtOH及び水(2:2:1、25mL)の混合物中撹拌溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.386g、0.334mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]ピリジン-2-アミン(1.0g;55.8%)を得た。
【0183】
モノマー合成手順E
【0184】
【化20】
【0185】
ステップ1:3-ブロモフェノール(5.0g、29.06mmol)と2-(モルホリン-4-イル)エタノール(4.18g、29.06mmol)を、TPP(8.3g、31.97mmol、1.0当量)のTHF(100mL)中撹拌溶液に室温で加えた。反応混合物を0℃に冷却し、DIAD(6.45g、31.97mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、その後氷水で急冷し、酢酸エチルで抽出した(3x25mL)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中75%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋4-[2-(3-ブロモフェノキシ)エチル]モルホリン(3.0g;34.4%)を得た。
【0186】
【化21】
【0187】
ステップ2:4-[2-(3-ブロモフェノキシ)エチル]モルホリン(1g、3.35mmol、1.0当量)、6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(0.463g、3.35mmol、1.0当量)及びCS2CO3(3.26g、1.05mmol、3.0当量)のジオキサン(30mL)と水(10mL)の混合物中撹拌溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.193g、0.167mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-(3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル)ピリジン-2-アミン(300mg;28.8%)を得た。
【0188】
モノマー合成手順F
【0189】
【化22】
【0190】
3-ブロモビフェニル(500mg、2.155mmol、1.0当量)、6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(0.297g、2.15mmol、1.0当量)及びNa2CO3(452mg、4.31mmol、2.0当量)のトルエン、EtOH及び水(2:2:1、5mL)の混合物中溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.124g、0.107mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-2-アミン(200mg;37.7%)を得た。
【0191】
モノマー合成手順G
【0192】
【化23】
【0193】
フェニルボロン酸(500mg、4.09mmol、1.0当量)、5-ブロモピリミジン-2-アミン(0.709g、4.09mmol、1.0当量)及びNa2CO3(860mg、8.19mmol、2.0当量)のトルエン、EtOH及び水(2:2:1、5mL)の混合物中溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.236g、0.204mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-フェニルピリミジン-2-アミン(200mg;28.5%)を得た。
【0194】
モノマー合成手順H
【0195】
【化24】
【0196】
3-(3-ブロモフェニル)オキセタン(1g、4.71mmol、1.0当量)、6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(0.658g、4.71mmol、1.0当量)及びCS2CO3(4.6g、14.13mmol、3.0当量)のジオキサン(10mL)と水(3mL)の混合物中溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.272g、0.235mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-[3-(オキセタン-3-イル)フェニル]ピリジン-2-アミン(600mg;56.2%)を得た。
【0197】
モノマー合成手順I
【0198】
【化25】
【0199】
1-ブロモ-3-シクロブチルベンゼン(500mg、2.38mmol、1.0当量)、6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(0.328g、2.38mmol、1.0当量)及びCs2CO3(2.32g、7.14mmol、3.0当量)のジオキサン(5mL)と水(3mL)の混合物中溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.137g、0.119mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-(3-シクロブチルフェニル)ピリジン-2-アミン(300mg;56.2%)を得た。
【0200】
モノマー合成手順J
【0201】
【化26】
【0202】
1-ブロモ-3-tert-ブチルベンゼン(500mg、2.35mmol、1.0当量)、6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(0.325g、2.35mmol、1.0当量)及びCS2CO3(2.29g、7.05mmol、3.0当量)のジオキサン(5mL)と水(3mL)の混合物中撹拌溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(0.136g、0.117mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、5-(3-tert-ブチルフェニル)ピリジン-2-アミン(250mg;46.9%)を得た。
【0203】
モノマー合成手順K
【0204】
【化27】
【0205】
5-ブロモピリジン-2-アミン(77mg、0.45mmol、1.0当量)、5-クロロ-2-メトキシフェニルボロン酸(100mg、0.54mmol、1.2当量)及びK3PO4(114mg、0.54mmol、1.2当量)のトルエン(20mL)と水(10mL)の混合物中撹拌溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4 (10.4mg、0.009mmol、0.02当量)を加え、反応混合物を80℃に8時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた物質を酢酸エチル(10mL)で希釈し、その後冷水(10mL)とブライン(10mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中20〜25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、5-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)ピリジン-2-アミン(80mg;59.7%)を得た。
【0206】
モノマー合成手順L
【0207】
【化28】
5-ブロモピリジン-2-アミン(77mg、0.45mmol、1.0当量)、5-クロロ-4-メトキシフェニルボロン酸(100mg、0.54mmol、1.2当量)及びK3PO4(114mg、0.54mmol、1.2当量)のトルエン:水(20:10mL)中撹拌溶液を、アルゴンで30分間脱気した。Pd(PPh3)4(10.4mg、0.009mmol、0.02当量)を加え、反応混合物を80℃に8時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物質を酢酸エチル(10mL)で希釈し、その後冷水(10mL)とブライン(10mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中20〜25%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、5-(5-クロロ-4-メトキシフェニル)ピリジン-2-アミン(90mg、67.1%)を得た。
【0208】
モノマー合成手順M
【0209】
【化29】
ステップ1:BINAP(0.414g、0.667mmol、0.009当量)、Pd2(dba)3(0.300g、0.222mmol、0.003当量)DBU(9.7g、59.99mmol、0.81当量)及びナトリウムt-ブトキシド(10.6g、111.1mmol、1.5当量)を、1,3-ジブロモ-5-クロロベンゼン(20g、74.1mmol、1.0当量)とN-メチルピペラジン(6.7g、66.7mmol、0.9当量)のトルエン(200mL)中撹拌溶液に窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を100℃に48時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈し、その後冷水(100mL)とブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出する中性アルミナ上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋1-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4-メチルピペラジン(9.0g;42%)を得た。
【0210】
【化30】
【0211】
ステップ2:Pd(PPh3)4(0.802g、0.694mmol、0.1当量)とCs2CO3(3.3g、10.42mmol、1.5当量)を、1-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4-メチルピペラジン(2g、6.94mmol、1.0当量)と6-アミノピリジン-3-ボロン酸(0.862g、0.694mmol、0.9当量)のジオキサン(20ml、予め窒素で10分間脱気した)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を100℃で18時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、DCM中10%メタノールで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-[5-クロロ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]ピリジン-2-アミン(1.2g;57%)を得た。
【0212】
モノマー合成手順N
【0213】
【化31】
【0214】
Pd(PPh3)4(0.50g、0.454mmol、0.1当量)とCs2CO3(2.95g、9.08mmol、2.0当量)を、1-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.30g、4.54mmol、1.0当量)と6-アミノ-2-メチルピリジン-3-ボロン酸(1.00g、4.54mmol、1.0当量)のジオキサン(20mL、予め窒素で10分間脱気した)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を80℃で18時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、DCM中10%メタノールで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-[5-クロロ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-6-メチルピリジン-2-アミン(1.2g;85%)を得た。
【0215】
モノマー合成手順O
【0216】
【化32】
【0217】
ステップ1:m-CPBA(12.5g、73.05mmol、4.0当量)を、シクロプロピル3,5-ジクロロフェニルスルフィド(4.0g、18.26mmol、1.0当量)のDCM(40mL)中撹拌溶液に0℃で加えた。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌し、その後酢酸エチル(100mL)で希釈して、1N NaOH(100mL)水溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥して減圧下で濃縮し、粗シクロプロピル3,5-ジクロロフェニルスルホン(5g)を得た[m/z (M + H+) = 251.00]。
【0218】
【化33】
【0219】
ステップ2:BINAP(33mg、0.053mmol、0.009当量)、Pd2(dba)3(16mg、0.017mmol、0.003当量)DBU(784mg、4.840mmol、0.81当量)及びナトリウムt-ブトキシド(860mg、8.964mmol、1.50当量)を、シクロプロピル3,5-ジクロロフェニルスルホン(1500mg、5.976mmol、1.00当量)とN-メチルピペラジン(597mg、5.976mmol、1.00当量)のジオキサン(20mL)中撹拌溶液に窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、100%酢酸エチルで溶出する(中性アルミナ上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋1-[3-クロロ-5-(シクロプロピルスルホニル)フェニル]-4-メチルピペラジン(1.3g;69%)を得た[m/z (M + H+) = 315.18]。
【0220】
【化34】
【0221】
ステップ3:Pd(PPh3)4(92mg、0.079mmol、0.05当量)とCs2CO3(1554mg、4.78mmol、3.0当量)を、1-[3-クロロ-5-(シクロプロピルスルホニル)フェニル]-4-メチルピペラジン(500mg、1.59mmol、1.0当量)と6-アミノピリジン-3-ボロン酸(220mg、1.59mmol、1.0当量)のジオキサン(5ml)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を100℃で18時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、DCM中10%メタノールで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-[3-(シクロプロピルスルホニル)-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]ピリジン-2-アミン(0.25g;42%)を得た。
【0222】
モノマー合成手順P
【0223】
【化35】
【0224】
Pd(PPh3)4(80mg、0.075mmol、0.1当量)とCs2CO3(500mg、1.50mmol、2.0当量)を、1-[3-クロロ-5-(シクロプロピルスルホニル)フェニル]-4-メチルピペラジン(230mg、0.75mmol、1.0当量)と6-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン(200mg、0.90mmol、1.2当量)のジオキサン(5ml)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を100℃で18時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、DCM中10%メタノールで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-[3-(シクロプロピルスルホニル)-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-6-メチルピリジン-2-アミン(160mg;57%)を得た[m/z (M + H+) = 387.29]。
【0225】
モノマー合成手順Q
【0226】
【化36】
【0227】
Pd2(dba)3(72mg、0.078mmol、0.01当量)とK3PO4(3.32g、15.63mmol、2.0当量)を、チオフェン-3-ボロン酸(1.00g、7.815mmol、1.0当量)と5-ブロモピリジン-2-アミン(1.76g、10.159mmol、1.3当量)のn-ブタノール(100mL)中溶液にアルゴン雰囲気下で加え、反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、100%酢酸エチルで溶出する(中性アルミナ上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-(チオフェン-3-イル)ピリジン-2-アミン(200mg;15%)を得た。
【0228】
モノマー合成手順R
【0229】
【化37】
【0230】
Pd(PPh3)4(651mg、0.564mmol、0.1当量)とCs2CO3(5.50g、16.92mmol、3.0当量)を、4-ブロモ-2-メチルチオフェン(1.00g、5.64mmol、1.0当量)と6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(1.10g、8.47mmol、1.5当量)のジオキサン(10mL)と水(3ml)の混合物中撹拌溶液に、室温にて窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を90℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、100%酢酸エチルで溶出する(中性アルミナ上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-(5-メチルチオフェン-3-イル)ピリジン-2-アミン(1.0g;46.7%)を得た。
【0231】
モノマー合成S
【0232】
【化38】
【0233】
ステップ1:NaHMDS(THF中2M、361mL、722.5mmol、2.5当量)を、5-ブロモピリジン-2-アミン(50g、289.0mmol、1.0当量)のTHF(50ml)中撹拌溶液に0℃で加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、その後THF(50mL)に溶解した(Boc)2O(82mL、375.7mmol、1.3当量)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、その後氷水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これを石油エーテルでの粉砕により精製し、純粋tert-ブチル(5-ブロモピリジン-2-イル)カーバメート(60g;76%)を得た。
【0234】
【化39】
【0235】
ステップ2:酢酸カリウム(21.50g、219.70mmol、3.0当量)とPdCl2(dppf)・CH2Cl2(2.99g、3.67mmol、0.05当量)を、(5-ブロモピリジン-2-イル)カーバメート(20.00g、73.26mmol、1.0当量)とビス(ピナコラト)ジボロン(37.00g、146.50mmol、2.0当量)のジオキサン(200mL)中撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温で加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過して酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中50%酢酸エチルで溶出する(中性アルミナ上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋tert-ブチル-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-イル)カーバメート(15.0g;64%)を得た。
【0236】
【化40】
【0237】
ステップ3:ブロモシクロプロパン(13g、105.82mmol、2.0当量)、CS2CO3(51g、158.73mmol、3.0当量)及びNaI(793mg、5.29mmol、0.1当量)を、3-ブロモベンゼンチオール(10g、52.91mmol、1.0当量)のDMF(100mL)中撹拌溶液に室温で加えた。反応混合物を120℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物を冷水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、100%石油エーテルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋1-ブロモ-3-(シクロプロピルスルファニル)ベンゼン(7.0g;57.7%)を得た。
【0238】
【化41】
【0239】
ステップ4:m-CPBA(21g、122.80mmol、4.0当量)を、1-ブロモ-3-(シクロプロピルスルファニル)ベンゼン(7g、30.70mmol、1.0当量)のDCM(200mL)中撹拌溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、その後酢酸エチル(200mL)で希釈し、1N NaOH水溶液(200mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、粗1-ブロモ-3-(シクロプロピルスルホニル)ベンゼン(7.0g)を得た。
【0240】
【化42】
【0241】
ステップ5/6:5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-イル)カーバメート(12.3g、38.60mmol、1.0当量)、Pd(PPh3)4(4.4g、3.86mmol、0.1当量)及びCs2CO3(37.6g、115.80mmol、3.0当量)を、予め窒素で10分間脱気した1-ブロモ-3-(シクロプロピルスルホニル)ベンゼン(10.0g、38.60mmol、1.0当量)のジオキサン(200mL)と水(50ml)の混合物中撹拌溶液に加えた。反応混合物を100℃に18時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。反応混合物をろ過し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗tert-ブチル-{5-[3-(シクロプロピルスルホニル)フェニル]ピリジン-2-イル}カーバメート(25.0g)を得た。この物質を、ジオキサン(4N、50ml)中HClに0℃で溶解した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、その後氷水で急冷し、酢酸エチル(300ml)で抽出した。水性層をNaHCO3で塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水とブラインで洗浄し、その後Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗5-[3-(シクロプロピルスルホニル)フェニル]ピリジン-2-アミン(14g)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
【0242】
モノマー合成T
【0243】
【化43】
【0244】
6-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン(150mg、0.681mmol、1.0当量)、Pd(pph3)4(78mg、0.068mmol、0.1当量)及びCs2CO3(440mg、1.362mmol、2.0当量)を、予め窒素で10分間脱気した1-ブロモ-3-(シクロプロピルスルホニル)ベンゼン(180mg、0.681mmol、1.0当量)のジオキサン(5mL)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を100℃に18時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、DCM中10%メタノールで溶出する(中性アルミナ上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、5-[3-(シクロプロピルスルホニル)フェニル]-6-メチルピリジン-2-アミン(200mg;99%)を得た。
【0245】
モノマー合成U
【0246】
【化44】
【0247】
Pd(PPh3)4(0.14g、0.12mmol、0.1当量)とNa2CO3(0.53g、5.04mmol、3.6当量)を、予め窒素で10分間脱気した1-ブロモ-3-(シクロプロピルオキシ)ベンゼン(0.30g、1.40mmol、1.0当量)と3-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン(0.50g、2.10mmol、1.5当量)のジオキサン(3mL)と水(1.5mL)の混合物中撹拌溶液に加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中40%EtOAcで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-[3-(シクロプロピルオキシ)フェニル]-3-フルオロピリジン-2-アミン(250mg;73.5%)を得た。
【0248】
モノマー合成V
【0249】
【化45】
【0250】
Pd(PPh3)4(1.1g、1.03mmol、0.1当量)とNa2CO3(1.6g、15.37mmol、1.5当量)を、予めアルゴンで30分間脱気した1-ブロモ-3-シクロプロピルベンゼン(2.0g、10.25mmol、1.0当量)と3-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン(2.6g、11.28mmol、1.1当量)のジオキサン(3mL)と水(1.5mL)の混合物中撹拌溶液に加えた。反応混合物を80℃に2時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をセライト床を通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)に溶解し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、100%EtOAcで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋5-(3-シクロプロピルフェニル)-3-フルオロピリジン-2-アミン(500mg;21.5%)を得た。
【0251】
モノマー合成W
【0252】
【化46】
【0253】
Pd(PPh3)4(1.40g、1.22mmol、0.1当量)とNa2CO3(1.94g、18.39mmol、1.5当量)を、予めアルゴンで30分間脱気した3-ブロモチオフェン(2.00g、12.26mmol、1.0当量)と3-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン(3.20g、13.49mmol、1.1当量)のジオキサン(20mL)と水(5mL)の混合物中撹拌溶液に加えた。反応混合物を80℃に2時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)に溶解し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、100%EtOAcで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋3-フルオロ-5-(チオフェン-3-イル)ピリジン-2-アミン(1.3g;54.6%)を得た。
【0254】
モノマー合成X
【0255】
【化47】
【0256】
Pd(PPh3)4(0.89g、0.77mmol、0.1当量)とNa2CO3(1.20g、11.58mmol、1.5当量)を、予め窒素で10分間脱気した1-ブロモ-3-(シクロプロピルスルホニル)ベンゼン(2.00g、7.72mmol、1.0当量)と3-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン(1.80g、7.72mmol、1.0当量)のジオキサン(20mL)と水(5mL)の混合物中撹拌溶液に加えた。反応混合物を100℃に6時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、100%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、5-[3-(シクロプロピルスルホニル)フェニル]-3-フルオロピリジン-2-アミンを得た(600mg;26.6%)。
【0257】
N-{5-[3-シクロプロピルアミノ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]ピリジン-2-イル}-2メチルピリミジン-5-カルボキサミド(51)の合成
【0258】
【化48】
【0259】
BINAP(14mg、0.024mmol、0.1当量)、Pd2(dba)3(21mg、0.024mmol、0.1当量)、X-Phos(11mg、0.024mmol、0.1当量)及びNaOtBu(68mg、0.708mmol、3.0当量)を、N-{5-3-クロロ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]ピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(100mg、0.236mmol、1.0当量)とシクロプロピルアミン(13mg、0.236mmol、1.0当量)のジオキサン(10mL)中撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温で加えた。その後、反応混合物を100℃に18時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、DCM中10%メタノールで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋N-{5-[3-シクロプロピルアミノ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]ピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(20mg;19.2%)を得た。
【0260】
N-{5-[3-シクロプロピルアミノ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-6-メチルピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(52)の合成
【0261】
【化49】
【0262】
BINAP(10mg、0.017mmol、0.05当量)、Pd2(dba)3(31mg、0.034mmol、0.1当量)、X-Phos(16mg、0.034mmol、0.1当量)及びNaOtBu(49mg、0.516mmol、1.5当量)を、N-{5-[3-クロロ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-6-メチルピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(150mg、0.344mmol、1.0当量)とシクロプロピルアミン(20mg、0.412mmol、1.2当量)のジオキサン(10mL)中撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温で加えた。その後、反応混合物を100℃に18時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、DCM中10%メタノールで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋N-(5-(3-(シクロプロピルアミノ)-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(20mg;12.7%)を得た。
【0263】
N-{5-[3-シクロプロピル-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-6-メチルピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(53)の合成
【0264】
【化50】
【0265】
BINAP(7mg、0.012mmol、0.05当量)、Pd2(dba)3(21mg、0.024mmol、0.1当量)、X-Phos(10mg、0.024mmol、0.1当量)及びKF(27mg、0.472mmol、2.0当量)を、N-{5-[3-クロロ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-6-メチルピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(100mg、0.236mmol、1.0当量)とシクロプロピルボロン酸(24mg、0.283mmol、1.2当量)のジオキサン(10mL)中撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温で加えた。反応混合物を100℃で18時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を調製HPLCで精製し、純粋N-{5-[3-シクロプロピル-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-6-メチルピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(20mg;19.8%)を得た。
【0266】
N-{5-[3-クロロ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(54)の合成
【0267】
【化51】
【0268】
ステップ1:BINAP(2.32g、3.70mmol、0.1当量)、Pd(OAc)2(0.41g、1.86mmol、0.05当量)及びCs2CO3(18.23g、55.90mmol、1.5当量)を、1-クロロ-3,5-ジブロモベンゼン(10.00g、37.00mmol、1.0当量)と6-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3-フルオロピリジン-2-アミン(8.97g、48.10mmol、1.3当量)のトルエン(200mL)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中5%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋tert-ブチル4-[3-クロロ-5-(5-フルオロ-6-アミノピリジン-3-イル)フェニル]ピペラジン-1-カルボキシレート(4.10g;29.4%)を得た。
【0269】
【化52】
【0270】
ステップ2:POCl3(0.27mL、2.94mmol、3.0当量)を、2-メチルピリミジン-5-カルボン酸(136mg、0.98mmol、1.0当量)とtert-ブチル-4-[3-クロロ-5-(5-フルオロ-6-アミノピリジン-3-イル)フェニル]ピペラジン-1-カルボキシレート(400mg、0.98mmol、1.0当量)のピリジン(4ml)中撹拌溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これを調製HPLCにより精製し、純粋N-{5-[3-クロロ-5-(4-Boc-ピペラジン-1-イル)フェニル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(300mg;58%)を得た。
【0271】
【化53】
【0272】
ステップ3:N-{5-[3-クロロ-5-(4-Boc-ピペラジン-1-イル)フェニル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(200mg、0.37mmol)を、ジオキサン(4N、50ml)中HClに溶解し、室温で16時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残留物を水で希釈し、水性NaHCO3で塩基性化し、酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機層を分離し、水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄し、その後Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質をヘキサンで粉砕し、純粋N-{5-[3-シクロプロピル-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-6-メチルピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(121mg;75%)を得た。
【0273】
2-メチル-N-{5-[3-(ピロリジン-3-イルアミノ)フェニル]ピリジン-2-イル}ピリミジン-5-カルボキサミド(55)の合成
【0274】
【化54】
【0275】
ステップ1:Pd2(dba)2 (1.294g、1.413mmol、0.1当量)、キサントホス(0.818g、1.413mmol、0.1当量)及びCs2CO3(6.890g、21.010mmol、1.5当量)を、1-ブロモ-3-ヨードベンゼン(4.000g、14.134mmol、1.0当量)とtert-ブチル-3-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(2.633g、14.134mmol、1.0当量)のジオキサン(50mL)中撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中30%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋tert-ブチル-3-[(3-ブロモフェニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシレート(1.0g;20.8%)を得た。
【0276】
【化55】
【0277】
ステップ2:Pd(PPh3)4(169mg、0.147mmol、0.05当量)とCs2CO3(2.867g、8.823mmol、3.0当量)を、tert-ブチル-3-[(3-ブロモフェニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシレート(1.000g、2.941mmol、1.0当量)と6-アミノピリジン-3-イルボロン酸(0.405g、2.941mmol、1.0当量)のジオキサン(30mL)と水(10ml)の混合物中撹拌溶液に、室温にてアルゴン雰囲気下で加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中40%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋tert-ブチル-3-{[3-(6-アミノピリジン-3-イル)フェニル]アミノ}ピロリジン-1-カルボキシレート(300mg;29%)を得た。
【0278】
【化56】
【0279】
ステップ3/4:2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(288mg、11.299mmol、2.0当量)とDIPEA(0.2mL)を、tert-ブチル-3-{[3-(6-アミノピリジン-3-イル)フェニル]アミノ}ピロリジン-1-カルボキシレート(200g、0.565mmol、1.0当量)と2-メチル-ピリミジン-5-カルボン酸(78mg、0.565mmol、1.0当量)のTHF(20mL)中撹拌溶液に室温で加えた。反応混合物を室温で48時間撹拌し、次いで酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を調製HPLCで精製し、その後ジオキサン(4N、50ml)中HCl溶液に溶解した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、最終生成物をペンタンでの粉砕により単離し、2-メチル-N-{5-[3-(ピロリジン-3-イルアミノ)フェニル]ピリジン-2-イル}ピリミジン-5-カルボキサミド(55)(40mg;17%)を得た。
【0280】
2-[(2-アミノエチル)アミノ]-N-[5-(3-シクロプロピルフェニル)ピリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボキサミド(56)の合成
【0281】
【化57】
【0282】
ステップ1:TEA(1.116g、11.049mmol、4.0当量)と(Boc)2O(1.204g、5.524mmol、2.0当量)を、6-[(2-アミノエチル)アミノ]ピリジン-3-カルボン酸(0.500g、2.762mmol、1.0当量)のメタノール(5ml)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水と酢酸(それぞれ50mL)の混合物に溶解した。酢酸エチル(150mL)で抽出した後、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。石油エーテル中50%酢酸エチルでの粉砕により、純粋6-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ピリジン-3-カルボン酸(200mg;25.7%)を得た[m/z (M + H+) = 282.13]。
【0283】
【化58】
【0284】
ステップ2/3:2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(971mg、3.809mmol、4.0当量)とDIPEA(0.3ml、1.902mmol、2.0当量)を、5-(3-シクロプロピルフェニル)ピリジン-2-アミン(200mg、0.952mmol、1.0当量)と6-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ピリジン-3-カルボン酸(267mg、0.952mmol、1.0当量)のTHF(30mL)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗生成物を、石油エーテル中30%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。その後、精製した物質をジオキサン(4N、50ml)中HCl溶液に溶解し、室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得て、これをペンタンでの粉砕により精製し、純粋2-[(2-アミノエチル)アミノ]-N-[5-(3-シクロプロピルフェニル)ピリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボキサミド(56)(37mg;11.1%)を生じた。
【0285】
2-[(2-アミノエチル)アミノ]-N-[5-(3-シクロプロピルオキシフェニル)ピリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボキサミド(58)の合成
【0286】
ステップ1/2
ステップ1/2:2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(679mg、2.66mmol、2.0当量)とDIPEA(344mg、463μL、2.66mmol、2.0当量)を、5-[3-(シクロプロピルオキシ)フェニル]ピリジン-2-アミン(300mg、1.33mmol、1.0当量)と6-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}アミノ)ピリジン-3-カルボン酸(373mg、1.33mmol、1.0当量)のTHF(30mL)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗生成物を、石油エーテル中30%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。その後、精製した物質をジオキサン(4N、50ml)中HCl溶液に溶解し、室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得て、これをペンタンでの粉砕により精製し、2-[(2-アミノエチル)アミノ]-N-[5-(3-シクロプロピルオキシフェニル)ピリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボキサミド(58)(10mg;2.8%)を生じた。
【0287】
N-[5-(3-シクロプロピルフェニル)ピリジン-2-イル]-2-ヒドロキシピリミジン-5-カルボキサミド(60)の合成
【0288】
【化59】
【0289】
N-[5-(3-シクロプロピルフェニル)ピリジン-2-イル]-2-メトキシピリミジン-5-カルボキサミド(250mg、0.722mmol、1.0当量)とピリジン塩酸塩(332mg、2.890mmol、4.0当量)の混合物を150℃に6時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を調製HPLCで精製し、N-[5-(3-シクロプロピルフェニル)ピリジン-2-イル]-2-ヒドロキシピリミジン-5-カルボキサミド(60)(17mg;7.1%)を得た。
【0290】
N-[5-(3-シクロプロピル-5-ヒドロキシフェニル)ピリジン-2-イル]-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(65)の合成
【0291】
【化60】
【0292】
ステップ1:POCl3(5.30mL、56.7mmol、3.0当量)を、2-メチルピリミジン-5-カルボン酸(2.62g、18.9mmol、1.0当量)と5-ブロモピリジン-2-アミン(3.00g、18.9mmol、1.0当量)のピリジン(30mL)中撹拌溶液に0℃で加え、得られた溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、その後水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮してN-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(4.00g;71.9%)を得た。
【0293】
【化61】
【0294】
ステップ2:酢酸カリウム(5.30g、54.40mmol、4.0当量)とPdCl2(dppf)・CH2Cl2(556mg、0.68mmol、0.05当量)を、N-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2メチル-ピリミジン-5-カルボキサミド(4.00g、13.60mmol、1.0当量)とビス(ピナコラト)ジボロン(3.79g、14.90mmol、1.1当量)のジオキサン(40mL)中撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温で加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過して酢酸エチル(100mL)で希釈し、水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中50%酢酸エチルで溶出する(中性アルミナ上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、N-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-ピリジン-2-イル)-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(2.00g;43%)を得た。
【0295】
【化62】
【0296】
ステップ3:Pd(PPh3)4(600mg、0.53mmol、0.1当量)とCs2CO3(3.40g、10.52mmol、2.0当量)を、N-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-ピリジン-2-イル)-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(1.78g、5.26mmol、1.0当量)とジブロモアニソール(1.40g、5.26mmol、1.0当量)のジオキサン(14ml)中撹拌溶液に、窒素雰囲気下、室温で加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、DCM中2%メタノールで溶出する(230〜400メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋N-[5-(3-ブロモ-5-メトキシフェニル)ピリジン-2-イル]-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(1.20g;57%)を得た。
【0297】
【化63】
【0298】
ステップ4:シクロプロピルボロン酸(516mg、6.0mmol、2.0当量)、Pd2(dba)3(274mg、0.3mmol、0.1当量)、S-Phos(123mg、0.3mmol、0.1当量)及びKF(522mg、9.0mmol、3.0当量)を、N-[5-(3-ブロモ-5-メトキシフェニル)ピリジン-2-イル]-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(1200mg、3.0mmol、1.0当量)のジオキサン(20mL)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、この混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過して酢酸エチル(100mL)で希釈し、水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥して減圧下で濃縮し、粗N-{5-[3-(シクロプロピルオキシ)-5-メトキシフェニル]ピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(600mg)を得て、これをさらなる精製を行うことなく使用した。
【0299】
【化64】
【0300】
ステップ5:BBr3(689mg、2.77mmol、2.0当量)を、N-{5-[3-(シクロプロピルオキシ)-5-メトキシフェニル]ピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(500mg、1.38mmol、1.0当量)のDCM(5ml)中撹拌溶液に-78℃で滴加した。反応混合物を-78℃で2時間撹拌し、その後水性NaHCO3で急冷した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水とブラインで洗浄し、その後Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これを調製HPLCにより精製し、N-[5-(3-シクロプロピル-5-ヒドロキシフェニル)ピリジン-2-イル]-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(65)(35mg;7.3%)を得た。
【0301】
N-{5-[3-(シクロプロピルアミノ)フェニル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(69)の合成
【0302】
【化65】
【0303】
ステップ1:BINAP(237mg、0.381mmol、0.009当量)、Pd2(dba)3、(116mg、0.127mmol、0.003当量)、DBU(5.5g、33.890mmol、0.8当量)及びナトリウムtert-ブトキシド(6.1g、63.550mmol、1.5当量)を、1,3-ジブロモベンゼン(10.0g、42.37mmol、1.0当量)とシクロプロピルアミン(2.5g、42.37mmol、1.0当量)のトルエン(50mL)中撹拌溶液に窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を100℃に16時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過して酢酸エチル(100mL)で希釈し、水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を、石油エーテル中10%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋3-ブロモ-N-シクロプロピルアニリン(2.0g;22.2%)を得た。
【0304】
【化66】
【0305】
ステップ2:ビス(ピナコラト)ジボロン(1.3g、5.209mmol、1.10当量)、酢酸カリウム(1.4g、14.208mmol、3.00当量)及びPd(dppf)Cl2.CH2Cl2(38mg、0.047mmol、0.01当量)を、3-ブロモ-N-シクロプロピルアニリン(1.0g、4.736mmol、1.00当量)のジオキサン(200mL)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を90℃に3時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水とブライン(それぞれ100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この物質を、石油エーテル中10%酢酸エチルで溶出する(100〜200メッシュのシリカゲル上の)フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-シクロプロピルアニリン(1.0g;81.4%)を得た。
【0306】
【化67】
【0307】
ステップ3:POCl3(0.4mL、4.04mmol、3.0当量)を、2-メチルピリミジン-5-カルボン酸(500mg、3.68mmol、1.0当量)と5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-アミン(700mg、3.68mmol、1.0当量)のピリジン(10ml)中撹拌溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、この時間の後、上記混合物を氷水に注ぎ入れた。得られた固体を乾燥し、N-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(700mg;61.4%)を得た。
【0308】
【化68】
【0309】
ステップ4:Pd(PPh3)4(177mg、0.154mmol、0.1当量)とNa2CO3(244mg、2.310mmol、1.5当量)を、予めアルゴンで30分間脱気した3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-シクロプロピルアニリン(400mg、1.540mmol、1.0当量)とN-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(478mg、1.540mmol、1.0当量)のジオキサン(20mL)と水(5ml)の混合物中撹拌溶液に加えた。反応混合物を80℃に5時間加熱し、この時間の後、上記混合物を室温に冷却した。次いで、反応混合物をろ過してろ液を減圧下で濃縮した。粗残留物を酢酸エチルに溶解し、その後水とブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これを調製HPLCにより精製し、N-{5-[3-(シクロプロピルアミノ)フェニル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-2-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(68)(120mg;21.4%)を得た。
【0310】
【表1】
【0311】
【表2】
【0312】
チューブリン重合アッセイ
チューブリン重合アッセイはブタ神経チューブリンを使用し、測定は、重合が起こる際の蛍光レポーターの微小管への組み込みによる蛍光増強に基づく。このアッセイは、微小管形成の三相(核形成相、伸長相及び平衡相)を示す重合曲線を生成する。試験した化合物のIC50値は、観測重合曲線から生成することができる。
【0313】
手順:全ての化合物希釈物(DMSO中)は、以下のステップの前に調製した。モレキュラーデバイスM2プレートリーダーを37℃に設定した。プレートリーダーの内部温度が37℃に達したときに、96ウェルプレート(Corning Costar社、#3686)を蛍光光度計中に置き、37℃に30分間温めた。合計10mgのブタチューブリンを、8mLの重合バッファー[20%グリセロールを補充したバッファー1(80mM PIPES pH 6.9、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、1.0mM GTP及び10μM蛍光レポーター)]中で再懸濁して2.0mg/mlチューブリンストックを作成し、これを氷上に保持した。100%DMSO中の50x化合物ストックを、37℃にて96ウェルプレートのウェルに1μl/ウェルで2連でスポットし、37℃で5分間再び温めた。このインキュベーションの間、2.0mg/mlチューブリンストックを使い捨てプラスチック製トラフに入れ、室温で短時間温めた。反応を開始するため、50μl/ウェルの重合バッファー中2.0mg/mlチューブリンを、マルチチャンネルピペッターを使用して各ウェルに添加し、直ぐに蛍光測定を開始した。
【0314】
データ分析:試験した化合物について得られた蛍光データを以下のとおりに分析した。GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用して、チューブリン重合の最大速度(Vmax)を、各時点における平均蛍光データの線形回帰を用いて決定した。次いで、各化合物の各濃度におけるVmax決定値を、DMSO(2%最終濃度)は含むが試験化合物は含まない反応に対して正規化した。これにより、上記データを活性%(未阻害反応のVmaxのパーセントを指す)に変換した。その後、GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用して、濃度応答曲線を化合物濃度(マイクロモル)のLog10に対する活性%としてプロットし、非線形回帰により4パラメータシグモイド用量応答等式に適合させ、各化合物のIC50を決定した。
【0315】
選択された試験化合物から得られた結果は表IIIに示され、表I及びIIにおいて特定される化合物並びに2つの比較化合物(すなわちビンブラスチン及びビンクリスチン)に対応する。
【0316】
【表3】
【0317】
細胞生存率アッセイプロトコル
細胞をトリプシン処理し、計数し、25mL培地中1ウェル当たり1000細胞で384ウェル組織培養プレートに再播種した。細胞を、37℃で5%CO2雰囲気中24時間インキュベートした。最初にDMSOに溶解しさらに培地中で希釈した実験化合物をウェルに加え、72時間インキュベートした。ATPlite 1ステップ発光検出アッセイシステム(Perkin Elmer社)を使用して、細胞生存率を、アッセイキットの指示書に記載されるとおりに測定した。選択された化合物を用いた結果は、表IVに示される。
【0318】
細胞培養株及び培地:(1) A2780細胞は、10%FBSと1%抗生物質を含むRPMI培地中で培養した。細胞は、典型的には3〜5日毎に1:10希釈で分割された;(2) PC3細胞は、10%FBSと1%抗生物質を含むRPMI培地中で培養した。細胞は、典型的には3〜5日毎に1:4希釈で分割された;(3) MCF-7細胞は、10%FBSと1%抗生物質を含むK-12F培地中で増殖させた。細胞は、典型的には3〜5日毎に1:10希釈で分割された。
【0319】
【表4】