(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6506402
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】船舶および燃料ガスの供給方法
(51)【国際特許分類】
B63B 25/16 20060101AFI20190415BHJP
F17C 13/00 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
B63B25/16 D
F17C13/00 302A
B63B25/16 Z
B63B25/16 103
B63B25/16 105
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-536835(P2017-536835)
(86)(22)【出願日】2015年12月30日
(65)【公表番号】特表2018-503555(P2018-503555A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】KR2015014505
(87)【国際公開番号】WO2016114515
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2017年7月11日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0005475
(32)【優先日】2015年1月13日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0104849
(32)【優先日】2015年7月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514250621
【氏名又は名称】サムスン ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウォンドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ホビョン
【審査官】
杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭50−64989(JP,A)
【文献】
特表2013−530865(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2014−0138017(KR,A)
【文献】
特開2014−141155(JP,A)
【文献】
特開昭50−20487(JP,A)
【文献】
実開平6−85192(JP,U)
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0110500(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 25/16
F17C 13/00
B63J 2/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1液化ガスと前記第1液化ガスの蒸発ガスを貯蔵する第1貯蔵タンク及び第2貯蔵タンク;
第2液化ガスと前記第2液化ガスの蒸発ガスを貯蔵する予備タンク;
船舶の運航中に前記第1貯蔵タンクの前記第1液化ガスが使い果たされた後に、前記第1貯蔵タンクに不活性ガスを注入して不活性化(inerting)を遂行する不活性ガス装置;
前記不活性化が遂行された後に、前記予備タンクから供給された第2液化ガスを前記第1貯蔵タンクの内壁に噴射するクーリング装置;および
前記船舶の運航中に、前記第1貯蔵タンクの前記第1液化ガスと前記第1液化ガスの蒸発ガス、及び前記第2貯蔵タンクの前記第1液化ガスの蒸発ガスをエンジンの燃料として供給し、且つ前記第1貯蔵タンクの前記第1液化ガスが使い果たされた後に、前記第2貯蔵タンクの前記第1液化ガス及び前記第1液化ガスの蒸発ガスを前記エンジンの燃料として供給する制御部;を含み、
前記第1液化ガス及び前記第2液化ガスは異なる種類であり、クーリングされた後に、前記第2液化ガスと同じ種類の液化ガスを貨物として前記第1貯蔵タンク内に船積みする、
船舶。
【請求項2】
前記予備タンクは圧力式タンクであり、
前記予備タンクはデッキ上に設置される、請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記第1液化ガスは液化エタンであり、
前記第2液化ガスは液化エチレン、液化石油ガス、液化プロパン、および液化ブタンのうちいずれか一つを含む、請求項1に記載の船舶。
【請求項4】
第1貯蔵タンクの第1液化ガスと前記第1液化ガスの蒸発ガス、および第2貯蔵タンクの第1液化ガスの蒸発ガスをエンジンに供給する段階;
船舶の運航中に前記第1貯蔵タンクの前記第1液化ガスが使い果たされた後に、前記第1貯蔵タンクに不活性ガスを注入して不活性化(inerting)を遂行する段階;
前記不活性化を遂行した後に、予備タンクから供給された第2液化ガスを前記第1貯蔵タンクの内壁に噴射して前記第1貯蔵タンクをクーリングさせる段階;
前記第2液化ガスと同じ種類の液化ガスを貨物として前記第1貯蔵タンク内に船積みする段階;および
前記第2貯蔵タンクの前記第1液化ガスと前記第1液化ガスの蒸発ガスを前記エンジンに供給する段階;を含み、
前記第1液化ガス及び前記第2液化ガスは異なる種類である、
燃料ガスの供給方法。
【請求項5】
前記クーリングを遂行した後に、前記第1貯蔵タンクに存在する不活性ガスおよび前記噴射された第2液化ガスの蒸発ガスを焼却する段階をさらに含む、請求項4に記載の燃料ガスの供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は船舶および燃料ガスの供給方法に関することである。
【背景技術】
【0002】
シェールガス(Shale Gas)および液化天然ガス(Liquefied Natural Gas、以下「LNG」という)などから抽出されたエタン(Ethane)は石油化学製品の原料に使われ、最近その経済性が注目を浴びている。1気圧で、エタンは略―88.6℃、LNGの主な構成成分であるメタンは略―161.5℃の沸点を有する。このようなエタンとLNGは液化した状態で船舶によって輸送され得る。
【0003】
船舶は貯蔵タンクから供給されたLNG蒸発ガス(BOG、Boil−Off Gas)またはLNGの圧力、温度、状態などを変換してエンジンに供給する燃料ガスの供給システムを具備することができる。ここで、船舶は、二以上の異種燃料を燃料として使うDFDE(Dual Fuel Disel Electric)エンジンのような低圧ガス噴射エンジンとME−GIエンジン(Man B&W社のGas Injectionエンジン)のような高圧ガス噴射エンジンなどを含むことができる。例えば、韓国公開特許第10−2008−0103500号(2008.11.27.公開)は、ME−GIエンジンのような高圧ガス噴射エンジンに燃料を供給できる燃料ガスの供給システムを提示している。このシステムはLNG燃料タンクからLNGを取り出して高圧で圧縮した後、これを気化させて高圧ガス噴射エンジンに供給する。
【0004】
一方、従来には貯蔵タンクに液化ガスを船積みする前に火災や爆発の可能性をなくすために不活性ガスを液化ガス貯蔵タンクの内部に供給して酸素を除去する。そして、クーリング装置を利用して貯蔵タンクの内壁をクーリングさせる過程を遂行する。例えば、韓国公開特許第10−2010−0110500号(2010.10.13.公開)は、窒素を利用して貯蔵タンクを不活性化した後、クーリング作業を遂行する技術を公開している。
【0005】
クーリング作業がなされた後は、貯蔵タンクに液化ガスを満たし、貯蔵タンクに貯蔵された液化ガスをエンジンの燃料に使用する。貯蔵タンクに貯蔵された液化ガスを減少消尽した後は、貯蔵タンクに同じ種類の液化ガスを再び満たすことになる。
【0006】
しかし、複数の貯蔵タンクのうち一部の貯蔵タンクにエンジンの燃料で消尽した液化ガスと他の異種の液化ガスを貨物として船積みする必要性がある場合、異種の液化ガスを利用して該当貯蔵タンクに対してクーリング作業を遂行しなければならない。この時、貯蔵タンクの大きさを考慮すると船舶が停泊した後クーリング作業に相当な時間が要されるため、貨物の船積みおよび船舶の運航に支障を与える可能性がある。
【0007】
また、従来の燃料ガスの供給システムは、複数の貯蔵タンクに貯蔵された液化ガスと液化ガスの蒸発ガスがエンジンの燃料として使われる構造である。したがって、一部の貯蔵タンクが異種液化ガス貯蔵のための貨物の船積み用に転換された状態で、残りの貯蔵タンクに貯蔵された液化ガスによってエンジンの燃料ガスの供給が持続的になされるようにすることが技術的に難しい側面がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施例は、異種の液化ガスが船積みされる貯蔵タンクの液化ガスをエンジンの燃料として優先的に消尽させ、残りの貯蔵タンクは液化ガスの蒸発ガスのみをエンジンの燃料として消尽させることによって、該当貯蔵タンクに異種の液化ガスが船積みされた以後にも残りの貯蔵タンクに貯蔵された液化ガスおよび液化ガスの蒸発ガスを通じてエンジンの燃料供給が持続的になされるようにするため、貨物の船積みおよび船舶の運航の効率性を高める船舶および燃料ガスの供給方法を提供する。
【0009】
また、船舶の運航中に異種の液化ガスが船積みされる貯蔵タンクに対して、あらかじめ不活性化作業およびクーリング作業を遂行することによって、貨物の船積み作業の効率性を高める船舶および燃料ガスの供給方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によれば、第1液化ガスと前記第1液化ガスの蒸発ガスを貯蔵する貯蔵タンク;第2液化ガスと前記第2液化ガスの蒸発ガスを貯蔵する予備タンク;前記貯蔵タンクに不活性ガスを注入して不活性化(inerting)を遂行する不活性ガス装置;および前記予備タンクから供給された第2液化ガスを前記貯蔵タンクの内壁に噴射してクーリングさせるクーリング装置;を含む船舶が提供され得る。
【0011】
前記予備タンクは圧力式タンクであり、前記予備タンクはデッキ上に設置され得る。
【0012】
前記第1液化ガスは液化エタンであり、前記第2液化ガスは液化エチレン、液化石油ガス、液化プロパン、および液化ブタンのうちいずれか一つを含むことができる。
【0013】
前記第1液化ガスと前記第2液化ガスは種類が異なり得る。
【0014】
本発明の他の側面によれば、第1貯蔵タンクの第1液化ガスと前記第1液化ガスの蒸発ガスおよび第2貯蔵タンクの第1液化ガスの蒸発ガスをエンジンに供給する段階;前記第1貯蔵タンクの第1液化ガスが消尽すると、前記第1貯蔵タンクに不活性ガスを注入して不活性化(inerting)を遂行し、前記第2貯蔵タンクの第1液化ガスを前記エンジンに供給する段階;および前記不活性化を遂行した後、予備タンクから供給された第2液化ガスを前記第1貯蔵タンクの内壁に噴射して前記第1貯蔵タンクをクーリングさせる段階;を含む燃料ガスの供給方法が提供され得る。
【0015】
前記第1貯蔵タンクに存在する不活性ガスおよび前記噴射された第2液化ガスの蒸発ガスを焼却する段階をさらに含むことができる。
【0016】
前記予備タンクに貯蔵された第2液化ガスは前記第1貯蔵タンクに船積みされる液化ガスと同じ種類であり得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例に係る船舶および燃料ガスの供給方法は、異種の液化ガスが船積みされる貯蔵タンクの液化ガスをエンジンの燃料として優先的に消尽させ、残りの貯蔵タンクは液化ガスの蒸発ガスのみをエンジンの燃料として消尽させることによって、該当貯蔵タンクに異種の液化ガスが船積みされた以後にも残りの貯蔵タンクに貯蔵された液化ガスおよび液化ガスの蒸発ガスを通じてエンジンの燃料供給が持続的になされるようにするため、貨物の船積みおよび船舶の運航の効率性を高めることができる。
【0018】
また、船舶の運航中に異種の液化ガスが船積みされる貯蔵タンクに対して、あらかじめ不活性化作業およびクーリング作業を遂行することによって、貨物の船積み作業の効率性を高めることができる。
【0019】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例に係る燃料ガスの供給システムを示す図面。
【
図2】
図1に図示された燃料ガスの供給システムにおいて、第1貯蔵タンクに対して不活性化およびクーリング作業を遂行する構成をさらに含ませた形態を示す図面。
【
図3】
図1と
図2に図示された燃料ガスの供給システムを利用した燃料ガスの供給方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。以下に紹介される実施例は本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に本発明の思想が十分に伝達され得るようにするために例として提供されるものである。本発明は、以下で説明される実施例に限定されず、他の形態でも具体化され得る。本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は図面で省略し、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは便宜のために誇張して表現され得る。明細書全体に亘って同じ参照番号は同じ構成要素を示す。
【0022】
図1と
図2を参照すれば、本発明の実施例に係る燃料ガスの供給システムは、第1貯蔵タンク110、第2貯蔵タンク120、予備タンク130、不活性ガス装置140、クーリング装置150および制御部160を含む。ここで、
図2は理解を助けるために第1貯蔵タンク110に対して不活性化およびクーリング作業を遂行する構成を別途図示したものである。
【0023】
このような燃料ガスの供給システムは、各種液化燃料運搬船、液化燃料RV(Regasification Vessel)、コンテナ船、一般の商船、LNG FPSO(Floating、Production、Storage and Off−loading)、LNG FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)などを含む船舶に適用され得る。以下で説明される第1液化ガスは液化エタン、第2液化ガスは液化エチレン、液化石油ガス、液化プロパン、および液化ブタンのうちいずれか一つであり得る。しかし、これに限定されず、例えば第1液化ガスは液化天然ガス、第2液化ガスは液化エタンであり得る。
【0024】
第1貯蔵タンク110と第2貯蔵タンク120は、第1液化ガスおよび第1液化ガスの蒸発ガスを貯蔵し、内部ポンプ(P1、P2)によって第1液化ガスを送りだすことができる。第1貯蔵タンク110と第2貯蔵タンク120は、例えばメンブレン型タンク、SPB型タンクを含むことができる。第1貯蔵タンク110と第2貯蔵タンク120に貯蔵された第1液化ガスおよび第1液化ガスの蒸発ガスは、エンジン190の燃料として使われ得る。エンジン190は低圧、中圧または高圧ガス噴射エンジンを含むことができる。低圧ガス噴射エンジンは略5〜7bar程度の燃料ガスを利用するもので、DFDEエンジンのような発電用のエンジンを含む。低圧ガス噴射エンジンは、天然ガスだけでなく重油(HFO、Heavy Fuel Oil)などを燃料として利用できる二重燃料エンジンであり得る。中圧ガス噴射エンジンは略16〜45bar程度の燃料ガスを利用する。高圧ガス噴射エンジンは略150〜300bar程度の燃料ガスを利用するものでME−GIエンジンを含む。
【0025】
ここで
図1に図示した通り、処理部180は流体の圧力、温度、状態のうち一つ以上をエンジン190の燃料ガスの供給条件に合うように調節する装置を含むことができる。流体は液化ガスおよび液化ガスの蒸発ガスのうち一つ以上を含む。例えば、エンジン190がDFDEエンジンのような低圧ガス噴射エンジンの場合、処理部180は流体を気化させる気化器、気化器を経た流体を低圧ガス噴射エンジンの燃料ガスの供給圧力に減圧させる減圧バルブ、減圧バルブを経た流体を低圧ガス噴射エンジンの要求温度に合うように温度を補正するヒーターなどの装置を含むことができる。エンジン190がME−GIエンジンのような高圧ガス噴射エンジンの場合、処理部180は高圧ガス噴射エンジンの燃料ガスの供給圧力に応じて流体を加圧送出する高圧ポンプと、加圧された流体を気化させる高圧気化器などのような装置を含むことができる。
【0026】
図2を参照すれば、予備タンク130は第1液化ガスとは異なる種類の第2液化ガスおよび第2液化ガスの蒸発ガスを貯蔵する。予備タンク130に貯蔵された第2液化ガスは第1貯蔵タンク110に船積みされる液化ガス貨物と同じ種類である。このように第1貯蔵タンク110に船積みされる液化ガス(すなわち、第2液化ガス)を予備タンク130にあらかじめ貯蔵させておき、船舶の運航中に第1液化ガスを消尽した第1貯蔵タンク110に対して第2液化ガスを使ってあらかじめクーリング作業を遂行することができる。通常、第1貯蔵タンク110は非常に規模が大きいので、不活性化作業およびクーリング作業を遂行することに多くの時間が要され得る。このような作業を船舶が停泊した後に遂行する場合、例えば船舶の運航および供給先に日程通りに貨物を供給することが困難となり得る。したがって、予備タンク130を設けて船舶の運航中に第1貯蔵タンク110に船積みされる第2液化ガスてクーリング作業まですべて完了することができ、効率的な貨物の船積み作業などを行うことができるようになる。
【0027】
予備タンク130に貯蔵された第2液化ガスは、後述する不活性ガス装置140によって不活性ガスが第1貯蔵タンク110に注入されて不活性化(inerting)を遂行した後、ポンプ132により供給ライン(L6)を通じて第1貯蔵タンク110のクーリング装置150に送られ得る。
【0028】
予備タンク130は、国際海事機関(IMO、International Maritime Organization)の圧力式Cタイプのタンクであり得、その他にも多様な種類の圧力式タンクで具現され得る。予備タンク130が圧力式タンクで製作された場合、第2液化ガスの蒸発ガス処理を遂行せずとも相当時間の間、第2液化ガスの蒸発ガスをホールディングすることができる。
【0029】
第1および第2貯蔵タンク110、120は、貨物を船積みするために、大きなサイズの断熱されたメンブレン形態で製作されて船舶の内部に配置され得る。反面、クーリング作業用の貨物が船積みされる予備タンク130は、第1および第2貯蔵タンク110、120に比べてサイズが非常に小さいので、船舶のデッキ上に配置され得る。予備タンク130が第1および第2貯蔵タンク110、120が配置される船舶の内部空間を占めるないので、第1および第2貯蔵タンク110、120を大容量の液化ガスを収容するように設計して船舶の内部に容易に設置することができる。
【0030】
不活性ガス装置140は、供給ライン(L7)を通じて第1貯蔵タンク110に不活性ガスを注入して不活性化(inerting)を遂行する。例えば、不活性ガスとしては窒素が使われ得、第1貯蔵タンク110内の第1液化ガスが消尽した後、不活性ガス装置140によって第1貯蔵タンク110内に不活性ガスが注入されて第1貯蔵タンク110内の火災や爆発の可能性が除去され得る。
【0031】
クーリング装置150は、第1貯蔵タンク110の内側に設けられ、予備タンク130から供給された第2液化ガスを第1貯蔵タンク110の内壁に噴射させる。不活性ガス装置140により不活性ガスが注入された第1貯蔵タンク110内の温度は、第2液化ガスの温度に比べて高い状態であるので、第1貯蔵タンク110内部に第2液化ガスが噴射されると第2液化ガスの気化が起こり得る。
【0032】
したがって、第1貯蔵タンク110の内部には第2液化ガスの蒸発ガスと不活性ガスが共に存在することができる。第1貯蔵タンク110の内部に存在するこのようなガスは、外部に放出されるか放出ライン(L5)を通じて需要先170に送ることができる。需要先170は例えばボイラー、燃焼装置、タービンなどを含むことができる。この時、需要先170で要求する圧力および温度範囲で調節するために、第1貯蔵タンク110から供給されたガスを加圧および冷却する加圧器172およびクーラー174が放出ライン(L5)に設けられ得る。加圧器172およびクーラー174は他の例では多段に設置され得る。
【0033】
図1を参照すれば、制御部160は第1貯蔵タンク110の第1液化ガスと第1液化ガスの蒸発ガスおよび第2貯蔵タンク120の第1液化ガスの蒸発ガスをエンジン190の燃料として供給し、第1貯蔵タンク110の第1液化ガスが消尽した後は第2貯蔵タンク120の第1液化ガスと第1液化ガスの蒸発ガスをエンジン190の燃料として供給する。
【0034】
ここで、前述した燃料ガスの供給システムは、第1貯蔵タンク110の第1液化ガスの蒸発ガスを処理部180を通じてエンジン190側に供給する第1供給ライン(L1)と、第1貯蔵タンク110の第1液化ガスを処理部180を通じてエンジン190側に供給する第2供給ライン(L2)と、第2貯蔵タンク120の第1液化ガスの蒸発ガスを第1供給ライン(L1)に供給する第3供給ライン(L3)と、第2貯蔵タンク120の第1液化ガスを第2供給ライン(L2)に供給する第4供給ライン(L4)を含むことができる。
【0035】
制御部160は、第1貯蔵タンク110の第1液化ガスと第1液化ガスの蒸発ガスおよび第2貯蔵タンク120の第1液化ガスの蒸発ガスがエンジン190の燃料として供給されるように、バルブ(V4)を制御して第4供給ライン(L4)が閉鎖するようにし、バルブ(V1〜V3)を制御して第1供給ライン(L1)〜第3供給ライン(L3)が開放されるようにする。
【0036】
また、制御部160は第1貯蔵タンク110内の第1液化ガスが消尽した場合、第2貯蔵タンク120の第1液化ガスと第1液化ガスの蒸発ガスがエンジン190の燃料として供給されるように、バルブ(V1、V2)を制御して第1および第2供給ライン(L2)が閉鎖するようにし、バルブ(V3、V4)を制御して第3および第4供給ライン(L4)が開放されるようにする。
【0037】
以下、
図1と
図2で詳察した燃料ガスの供給システムを利用した燃料ガスの供給方法に対して
図3を参照して説明する。
【0038】
図3を参照すれば、まず第1貯蔵タンク110の第1液化ガスと第1液化ガスの蒸発ガスおよび第2貯蔵タンク120の第1液化ガスの蒸発ガスをエンジン190の燃料として供給する(S11)。第1液化ガスは例えば液化エタンを含むことができる。
【0039】
次に、第1貯蔵タンク110の第1液化ガスが消尽すると、不活性ガス装置140により第1貯蔵タンク110に不活性ガスを注入して不活性化(inerting)を遂行する(S21)。この時、第2貯蔵タンク120に貯蔵された第1液化ガスがエンジン190の燃料として供給され得る。
【0040】
次に、第1貯蔵タンク110に設置されたクーリング装置150により船舶のデッキ上に設置された予備タンク130から供給された第2液化ガスを第1貯蔵タンク110の内壁に噴射させてクーリングさせる(S31)。第2液化ガスは第1液化ガスとは異なる種類であり、例えば液化エチレン、液化石油ガス、液化プロパン、および液化ブタンのうちいずれか一つを含むことができる。
【0041】
次に、第1貯蔵タンク110に存在する不活性ガスおよび第1貯蔵タンク110の内壁に噴射された第2液化ガスの蒸発ガスを需要先170に送って焼却させる(S41)。ここで、需要先170は燃焼装置であり得る。
【0042】
次に、第1貯蔵タンク110に前述した第2液化ガスと同じ種類の液化ガスを貨物として船積みする(S51)。第1貯蔵タンク110に貨物として船積みされた液化ガスは供給先に供給され得る。
【0043】
次に、第2貯蔵タンク120に貯蔵された第1液化ガスおよび第1液化ガスの蒸発ガスをエンジン190の燃料として供給する(S61)。本過程(S61)は上述した通り、第1貯蔵タンク110の第1液化ガスが消尽した後遂行されることもある。
【0044】
前記過程のうち、S21、S31、S41過程は船舶の運航中に遂行され得る。したがって、船舶の運航中に異種の液化ガスが船積みされる貯蔵タンクに対して、あらかじめ不活性化作業およびクーリング作業を遂行することによって、貨物の船積み作業の効率性を高めることができる。
【0045】
また、異種の液化ガスが船積みされる貯蔵タンクの液化ガスをエンジンの燃料として優先的に消尽させ、残りの貯蔵タンクは液化ガスの蒸発ガスのみをエンジンの燃料として消尽させることによって、該当貯蔵タンクに異種の液化ガスが船積みされた以後にも残りの貯蔵タンクに貯蔵された液化ガスおよび液化ガスの蒸発ガスを通じてエンジンの燃料供給が持続的になされるようにするため、貨物の船積みおよび船舶の運航の効率性を高めることができる。
【0046】
以上では特定の実施例に対して図示して説明した。しかし、本発明は前記した実施例に限定されず、発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の要旨を逸脱することなく、いくらでも多様に変更実施することができるであろう。