(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
様々な実施形態によれば、システムは、ステアリング機構に対して配置された複数の作動装置を含むことができる。例えば、自動車の応用では、複数の作動装置をハンドルの周囲に配置することができる。またシステムは、ステアリング機構上の車両操作者の片手または両手の位置を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサを含むことができる。車両が移動するにつれて、システムは、車両操作者がステアリング機構に対して必要となるステアリング入力の指示を受領することができる。例えば、システムは目的地への経路をたどってもよく、操作者は、経路に沿ってターンを完了するために、ステアリング機構を操作することが必要になる。別の例として、システムは、前方の道路が急な左折を含むことを検出することがあり、操作者は、道路のカーブに従うためにステアリング機構を操作することが必要になる。さらに別の例として、システムは、車両が走行の最適または好ましい経路から逸脱していることを検出することがあり、操作者は、走行の最適または好ましい経路に戻るために、ステアリング機構を操作することが必要になる。システムは、必要なステアリング入力をこれらの状況のそれぞれに適切に操作者に伝達するために、複数の作動装置を作動できる制御装置を含む。
【0003】
様々な他の実施形態によれば、方法は、車両が、そこで車両操作者がステアリング入力をステアリング機構にすることが必要になる点に接近していることを決定できる。例えば、車両は、目的地へのGPS経路をたどってもよく、操作者は、経路に沿ってターンを完了するために、ステアリング機構を操作することが必要になる。別の例として、前方の道路が急な左折を含み、操作者は、道路のカーブに従うためにステアリング機構を操作することが必要になる。さらに別の例として、車両は、走行の最適または好ましい経路から逸脱していることがあり、操作者は、走行の最適または好ましい経路に戻るために、ステアリング機構を操作することが必要になる。方法は、ステアリング機構上の車両運転者の片手または両手の位置を検出する。次いで方法は、必要なステアリング入力を操作者に伝達する手法でステアリング機構を変形させる。
【0004】
様々な他の実施形態によれば、システムは、処理モジュール、ナビゲーションモジュール、車両のステアリング機構上に配置された複数の作動装置、ステアリング機構上の車両操作者の片手または両手の位置を検出する少なくとも1つのセンサ、複数の作動装置のそれぞれを作動するように構成された制御装置、およびメモリモジュールを含むことができる。メモリモジュールは、処理モジュール上で実行されるように構成された、コンピュータ可読プログラムコードを含む。システムは、車両の操作者がステアリング入力をステアリング機構に加えることが必要になる位置に対して、車両の位置を決定するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードを含む。またシステムは、必要なステアリング入力の少なくとも1つの態様を操作者に伝達する手法で、制御装置がステアリング機構上の作動装置を操作者の手(複数可)の位置(複数可)で作動するように構成された、コンピュータ可読プログラムコードも含む。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ステアリング入力を伝達するためのシステムであって、
車両のためのステアリング機構に対して配置された複数の作動装置と、
上記ステアリング機構上の上記車両操作者の少なくとも片手の位置を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサと、
上記複数の作動装置に作動信号を送信するように構成された制御装置であって、必要なステアリング入力の表示の受信に応答して、上記制御装置は、上記必要なステアリング入力の少なくとも1つの態様を、上記検出された手の位置の下に少なくとも一部が位置付けられた、上記複数の作動装置の少なくとも1つを作動させることにより上記操作者に伝達する、制御装置と
を備える、システム。
(項目2)
上記システムは、上記制御装置と連通する全地球測位システム(GPS)をさらに備え、上記GPSは、ターン情報を上記制御装置に経路に沿って提供し、上記経路内で近づくターンの表示の受信に応答して、上記制御装置は、上記経路内の上記近づくターンの少なくとも1つの態様を、上記検出された手の位置の下に少なくとも一部が位置付けられた上記複数の作動装置の少なくとも1つを作動させることにより、上記操作者に伝達する、上記項目に記載のシステム。
(項目3)
上記近づくターンの上記少なくとも1つの態様は、上記近づくターンの深刻度を含み、上記制御装置は、上記経路内の上記近づくターンの上記深刻度を、上記近づくターンが第1の程度の深刻度を有すると伝達するために、第1の作動装置を作動させることにより、また上記近づくターンが第2の程度の深刻度を有すると伝達するために、上記第1の作動装置および第2の作動装置を作動させることにより、上記操作者に伝達する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目4)
上記近づくターンの上記少なくとも1つの態様は、上記近づくターンの深刻度を含み、上記制御装置は、上記経路内の上記近づくターンの上記深刻度を、上記近づくターンが第1の程度の深刻度を有すると伝達するために、上記操作者の手の上記検出された位置の下に少なくとも一部が位置付けられた、上記複数の作動装置の上記少なくとも1つを第1の量だけ作動させることにより、また上記近づくターンが第2の程度の深刻度を有すると伝達するために、上記複数の作動装置の上記少なくとも1つを第2の量だけ作動させることにより、上記操作者に伝達する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
上記近づくターンの上記少なくとも1つの態様は、上記近づくターンの近接を含み、上記制御装置は、上記近づくターンの上記近接を、上記操作者の手の上記検出された位置の下に少なくとも一部が位置付けられた、上記複数の作動装置の上記少なくとも1つを、上記近づくターンが第1の距離離れていると伝達するために第1の周波数で、また上記近づくターンが第2の距離離れていると伝達するために第2の周波数で、循環手法で作動させることによって伝達する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
上記近づくターンの上記少なくとも1つの態様は、上記近づくターンの近接を含み、上記制御装置は、上記近づくターンの上記近接を、上記近づくターンが第1の距離離れていると伝達するために、上記複数の作動装置の上記少なくとも1つの第1の作動装置を作動させることによって、また上記近づくターンが第2の距離離れていると伝達するために、上記複数の作動装置の上記少なくとも1つの上記第1の作動装置および第2の作動装置を作動させることによって伝達する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目7)
上記近づくターンの上記少なくとも1つの態様は、上記近づくターンの方向を含み、上記ステアリング機構上に両手を検出すると、上記制御装置は、上記近づくターンの上記方向を、上記近づくターンの上記方向に対応する上記手の下に少なくとも一部が位置付けられた、少なくとも1つの作動装置を作動させることによって伝達する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
上記近づくターンの上記少なくとも1つの態様は、上記近づくターンの方向を含み、上記ハンドル上に片手のみを検出すると、上記制御装置は、上記ターンの上記方法を、上記近づくターンの上記方向に対応する上記手の上記側部の下に少なくとも一部が位置付けられた、少なくとも1つの作動装置を作動させるによって伝達する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目9)
上記近づくターンの上記少なくとも1つの態様は、上記近づくターンの方向、上記近づくターンの深刻度、および上記近づくターンの近接を含み、
上記ステアリング機構上に両手の位置を検出すると、上記制御装置は、上記近づくターンの上記方向を、上記近づくターンの上記方向に対応する上記検出された手の位置の下に少なくとも一部が位置付けられた、少なくとも1つの作動装置を作動させることによって伝達し、
上記制御装置は、上記近づくターンの上記深刻度を、上記近づくターンが第1の程度の深刻度を有すると伝達するために、上記少なくとも1つの作動装置の第1の作動装置を作動させることによって、また上記近づくターンが第2の程度の深刻度を有すると伝達するために、上記少なくとも1つの作動装置の上記第1の作動装置および第2の作動装置を作動させることによって伝達し、
上記制御装置は、上記近づくターンの上記近接を、上記近づくターンが第1の距離離れていると伝達するために第1の周波数で、また上記近づくターンが第2の距離離れていると伝達するために第2の周波数で、循環手法で上記少なくとも1つの作動装置を作動させることによって伝達する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目10)
車両に関連した1つまたは複数のナビゲーション信号を受信するための第1の信号入力と、
1つまたは複数の手の位置信号を受信するための第2の信号入力と、
信号出力と、
プロセッサであって、
上記1つまたは複数の手の位置信号に基づいて、上記車両のステアリング機構上の上記車両操作者の手の位置を検出し、
上記1つまたは複数のナビゲーション信号に基づいて、上記車両のナビゲーション作動をもたらすために、上記ステアリング機構に適用されるステアリング入力を決定し、
上記必要なステアリング入力の少なくとも1つの態様を上記車両操作者に伝達する手法で、上記ステアリング機構を上記検出された手の位置で変形するように構成された、制御信号を上記信号出力に出力するように構成された、プロセッサと
を備える、制御装置。
(項目11)
上記プロセッサは、既定の走行経路に沿って上記車両の上記位置を監視すること、および上記車両が上記経路内のターンに接近していることを判定することにより、上記ステアリング機構に適用される上記ステアリング入力を決定するように構成され、上記制御信号は、上記経路内の上記接近するターンの少なくとも1つの態様を上記車両操作者に伝達する手法で、上記ステアリング機構を変形するように構成される、上記項目に記載の制御装置。
(項目12)
上記接近するターンの上記少なくとも1つの態様は、上記接近するターンの深刻度を含み、上記制御信号は、上記接近するターンが第1の程度の深刻度を有すると伝達するために、上記検出された手の部分で上記ステアリング機構の第1の部分を変形するように構成され、上記検出された手の位置で上記ステアリング機構の上記第1の部分および第2の部分を変形することにより、上記接近するターンが第2の程度の深刻度を有すると伝達する、上記項目のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目13)
上記接近するターンの上記少なくとも1つの態様は、上記接近するターンの深刻度を含み、上記制御信号は、上記接近するターンが第1の程度の深刻度を有すると伝達するために、上記ステアリング機構を上記検出された手の位置で第1の量だけ変形するように構成され、上記ステアリング機構を上記検出された手の位置で第2の量だけ変形することにより、上記接近するターンが第2の程度の深刻度を有すると伝達する、上記項目のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目14)
上記接近するターンの上記少なくとも1つの態様は、上記ターンの近接を含み、上記制御信号は、上記ステアリング機構を上記検出された手の位置で、上記接近するターンが第1の距離離れていると伝達するために第1の周波数で、また上記接近するターンが第2の距離離れていると伝達するために第2の周波数で、循環手法で変形するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目15)
上記接近するターンの上記少なくとも1つの態様は、上記ターンの近接を含み、上記制御信号は、上記接近するターンが第1の距離離れていると伝達するために、上記ステアリング機構の第1の長さを上記検出された手の位置で変形するように構成され、上記ステアリング機構の第2の長さを上記検出された手の位置で変形して、上記接近するターンが第2の距離離れていると伝達する、上記項目のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目16)
上記接近するターンの上記少なくとも1つの態様は、上記接近するターンの方向を含み、上記プロセッサは、両手の位置信号を受信すると両手の位置を検出するように構成され、上記制御信号は、上記接近するターンの上記方向に対応する上記1つの検出された手の位置で上記ステアリング機構の一部を変形するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目17)
上記接近するターンの上記少なくとも1つの態様は、上記接近するターンの方向を含み、上記プロセッサは、片手の位置信号を受信すると片手の位置を検出するように構成され、上記制御信号は、上記接近するターンの上記方向に対応する上記検出された手の位置の一部で上記ステアリング機構を変形するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目18)
上記近づくターンの少なくとも1つの態様は、上記接近するターンの方向、上記接近するターンの深刻度、および上記接近するターンの近接を含み、
上記プロセッサは、両手の位置信号を受信すると、両手の位置を検出するように構成され、上記制御信号は、上記接近するターンの上記方向に対応する上記検出された手の位置で上記ステアリング機構を変形するように構成され、
上記制御信号は、上記接近するターンが第1の程度の深刻度を有すると伝達するために、上記接近するターンの上記方向に対応する上記検出された手の部分で上記ステアリング機構の第1の部分を変形するようにさらに構成され、上記検出された手の位置で上記ステアリング機構の上記第1の部分および第2の部分を変形することにより、上記接近するターンが第2の程度の深刻度を有すると伝達し、
上記制御信号は、上記ステアリング機構を上記接近するターンの上記方向に対応する上記検出された手の位置で、上記接近するターンが第1の距離離れていると伝達するために第1の周波数で、また上記接近するターンが第2の距離離れていると伝達するために第2の周波数で、循環手法で変形するようにさらに構成される、
上記項目のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目19)
車両内で使用するためのナビゲーション伝達システムであって、
処理モジュールと、
1つまたは複数のナビゲーション信号を出力するように構成されたナビゲーションモジュールと、
上記車両のステアリング機構に対して配置された複数の作動装置と、
上記ステアリング機構上の車両操作者の少なくとも片手の手の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、
上記複数の作動装置のそれぞれを作動するように構成された制御装置と、
メモリモジュールであって、上記メモリモジュールは、上記処理モジュール上で実行されるように構成されたコンピュータ可読プログラムコードを含み、上記コンピュータ可読プログラムコードは、
上記ステアリング機構への必要なステアリング入力を、上記1つまたは複数のナビゲーション信号から決定するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、
上記必要なステアリング入力の少なくとも1つの態様を上記操作者に伝達する手法で、上記制御装置が上記検出された手の位置で上記ステアリング機構上の作動装置を作動させるように構成された、コンピュータ可読プログラムコードと
を含む、メモリモジュールと
を備える、ナビゲーションシステム。
(項目20)
上記メモリモジュールは、ターンを含む上記車両の走行経路を記憶し、上記ナビゲーションモジュールは、上記プロセッサと連通する全地球測位システム(GPS)を含み、上記GPSモジュールは、上記ターンに関する必要なステアリング入力を決定し、上記制御装置は、上記ターンの少なくとも1つの態様を上記操作者に伝達する、上記項目に記載のシステム。
(摘要)
ナビゲーション情報を車両のためのステアリング機構内の作動装置を通して車両操作者に伝達するためのシステムおよび方法。ステアリング機構は、車両を操縦するために車両操作者が触れる表面に沿って、または表面内に複数の作動装置を含むことができる。近づくターンの深刻度を伝達するために、操作者の手の下で異なる数の作動装置を作動させることができる。別法として、近づくターンの深刻度を伝達するために、作動装置を異なる量だけ作動させることができる。異なるターンに対して作動装置を異なる速度で循環させることによって、近づくターンの近接を伝達できる。操作者の左手または手の左部分の下の作動装置を作動させることにより、左折を伝達できる。反対に、操作者の右手または手の右部分の下の作動装置を作動させることにより、右折を伝達できる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施形態は、人体の固有受容性感覚を使用して、ナビゲーション情報を車両操作者に伝達する。人体の固有受容性感覚は、身体部位の静止または変化する位置および姿勢を検知する能力である。例えば、人体は、指の位置における小さい変化を区別できる。様々な実施形態では、システムは、経路の誘導(例えば、目的地までのターン毎の指示)をハンドルなどのステアリング機構を通して、操作者の手を移動させる手法でステアリング機構の形状を変えることにより車両操作者に提供してもよい。またシステムは、道路の曲がりに近づいている、または不注意による車線逸脱に関する警告などの、道路条件についての情報を運転者に提供することができる。
【0007】
図1は、ステアリング機構102(例えば、車のハンドル)に組み込まれた誘導システム100の一実施形態を示す。誘導システム100は、ハンドル102の外周に配置された複数の作動装置104を含む。ある特定の実施形態では、作動装置104は、ハンドル102の外層(例えば、革またはビニールなどの外層)の下に配置される。各作動装置104は、作動されたときに、ハンドル102の外層を、ハンドルの形状の変化に対応する運転者の手の位置の変化として、運転者によって検知されるのに充分な、少なくとも最小量だけ局所的に膨らませるまたは外方に変形させることができる。様々な実施形態では、作動装置は、無期限に変形を維持することができる。換言すると、作動装置を、ステアリング機構を変形する手法で作動させることができ、停止するように命令されるまで作動状態を保持する。
図1に示したように、運転者の手106aおよび106bは、ハンドル102をつかんでいる。運転者の手の下の作動装置104が作動される場合、ハンドル102の断面寸法に得られる変化により、運転者の指を第1の位置から第2の位置に移動させることができる。上述のように、人体は、体の姿勢または位置の小さい変化を検出することができる。したがって、運転者は、ハンドル102上の自身の指の位置におけるこの変化を検出できる。例えば、一部の実施形態では、位置におけるこの変化は、近づくターンを示してもよい。運転者の左手106aの下の作動装置104を作動させることにより、左折についての情報を運転者に伝達できる。同様に、運転者の右手106bの下の作動装置104を作動させることにより、右折についての情報を運転者に伝達できる。
【0008】
図2は、誘導システム100の実施形態に含むことができる様々な構成要素を示す。
図2に示されたシステム100の構成要素を、独立型または専用通信ネットワークを介して接続することができる。別法として、システム100の構成要素を、車両ネットワークを介した通信に接続することができる。誘導システム100は、複数の作動装置104を含むことができ、これは複数の作動装置104を制御装置116に接続することができる。制御装置116は、制御入力を各作動装置104に提供し、各作動装置104をそのそれぞれの制御入力によって作動させることができる。ある特定の実施形態では、制御装置116はまた、作動装置104のそれぞれからフィードバックを受信することもでき、フィードバックは、各作動装置104の作動された位置の制御装置116に表示を提供する。制御装置116は、コンピュータ・プロセッサ114と連通することができる。様々な実施形態において、制御装置116とコンピュータ・プロセッサ114を組み合わせることができる(本明細書では集合的に「制御装置」と呼ぶ)。
【0009】
また
図2に示したように、プロセッサ114および/または制御装置116は、車両内の全地球測位システム(GPS)受信機110およびメモリ108と連通できる。メモリ108は、プロセッサ114上で実行可能なプログラム命令を含むことができ、また道路網の地図も含むことができる。道路網の地図は、道路交差点の場所、ターンの方向、およびターンの深刻度(すなわち、ターンがどのくらい急か)を含むことができる。GPS受信機110は、車両の場所を追跡することができ、信号(例えば、ナビゲーション信号)をプロセッサ114および/または制御装置116に送信することができる。プロセッサ114および/または制御装置116は追跡した場所を使用して、メモリ108に記憶された道路網の道路上の位置を同定できる。車両が移動し運転者がターンするはずの道路の曲がりまたは交差点に近づくと(例えば、プロセッサがターン毎の方向を運転者に提供する際)、プロセッサ114はコマンドを制御装置116に送信できる。次いで制御装置116は制御信号をステアリング機構102上の適切な作動装置104に送信できる。
【0010】
また誘導システム100は、1つまたは複数のセンサ112を含むこともできる。センサ112は、ステアリング機構上の運転者の手106aおよび106bの位置を検出するセンサを含むことができ、プロセッサ114および/または制御装置116が、どの作動装置104が運転者の手106aおよび106bの下に位置付けられているかを認識するように、信号(例えば、手の位置の信号)をプロセッサ104および/または制御装置116に送信することができる。様々な実施形態では、センサ112は、例えば、圧力センサ、容量センサ、光センサ、および/または熱センサを含むことができる。様々な実施形態では、作動装置104もセンサ112として働くことができ、特定の作動装置の上のステアリング機構102を握る操作者の手からの圧力は、制御装置116からの制御信号なしに特定の作動装置104を変位させることができる。上述のように、ある特定の実施形態では、制御装置116は、フィードバックを作動装置から受信できる。このような実施形態では、作動装置104は、制御装置116を介してプロセッサ114にステアリング機構(例えば、ハンドル102)上のユーザの手の位置についての情報を、変位された作動装置104の位置を報告することによって提供することができる。
【0011】
様々な実施形態では、センサ112は、ステアリング機構102の配向を検出するセンサも含むことができる。例えば、
図1を参照すると、誘導システム100は、ステアリング機構102上の12時および6時の位置に位置合わせされた軸105に対する、ハンドル102の位置を検出するセンサ112を含むことができる。ハンドルが中立位置にあるとき、ハンドルを軸105により左側111aと右側111bに(破線107によって描かれているように)垂直に二等分することができる。ステアリング機構102が回転するにつれて、作動装置104が軸105の異なる側部111a、111bに移動し得るように、軸105は空間に固定される。軸105に対するハンドル102の回転配向を検出することにより、誘導システム100は、どの作動装置104がハンドル102の左側111a上にあり、どの作動装置104がハンドル102の右側111b上にあるかを決定できる。
【0012】
様々な実施形態では、誘導システム100は、車両に関係する外部パラメータを監視するように構成されたセンサ112も含むことができる。例えば、誘導システム100は、路肩または走行車線を検出する1つまたは複数のセンサを含むことができる。ある特定の実施形態では、誘導システム100は、他の車両(例えば、対象車両の前を走行する、もしくは対象車両の死角を走行する車両)または歩行者を検出するセンサも含むことができる。ある特定の実施形態では、誘導システム100は、青信号、黄色信号、および赤信号などの、交通達号を検出するセンサ112を含むことができる。ある特定の実施形態では、誘導システム100は、交通渋滞、事故、および/または他の交通問題に関係した放送信号を検出するセンサ112を含むことができる。様々な実施形態では、少なくとも2つの作動装置が車両操作者のそれぞれの手の下に収まるように、作動装置をサイズ指定し離間させることができる。例えば、少なくとも4つの作動装置が、ステアリング機構上の平均サイズの大人の人の手の範囲内に収まるように、作動装置をサイズ指定し離間させることができる。別の例として、少なくとも4つの作動装置が、ハンドル上の小さい大人の人の手の範囲内(例えば、大人の手の99%より小さい手のサイズ)に収まるように、作動装置をサイズ指定することができる。以下により詳細に記載するように、操作者の手の下の複数の作動装置104を、操縦方向を車両操作者に伝達するように同時に作動させることができる。
【0013】
作動装置104は、ハンドル102などのステアリング機構の外層を変位させる、かつ/または変形させることができる、あらゆるタイプの作動装置を含むことができる。例えば、作動装置は、電流が流されるとき形状を変える、固体メモリ形状合金を備えることができる。また作動装置は、ステアリング機構の外層を変位させるために膨張する、油圧および/または空気圧作動ブラダーも備えることができる。他の作動装置は、カム、ソレノイド、ピストンおよび/またはレバーを備えることができる。様々な実施形態では、作動装置の作動は、ステアリング機構を膨らませる代わりにへこませてもよい。
【0014】
様々な実施形態では、誘導システム100を、オフ、アシストモード、およびナビゲーションモードの3つのモードのうちの1つに置くことができる。オフモードでは、誘導システム100は、いかなる情報も車両操作者に提供しない。例えば、
図1におけるハンドル102を参照すると、触覚作動装置104は、システムがオフであるときは作動しない。ある特定の実施形態では、誘導システム100は、完全には切られなくてもよい。例えば、システムがオフであるときに赤信号または道路に検出された対象のために停止を伝えるなどの、臨界安全情報を提供してもよい。
【0015】
アシストモードでは、システムの実施形態は、車両の進行をたどり、車両を安全に操作するために車両操作者を支援し得る情報を提供できる。例えば、車内で、誘導システム100は、車両位置および走行方向を地図データと比べ、以下により詳細に説明するように、道路における近づくカーブについての情報を運転者に提供することができる。別の例として、誘導システム100は、それに沿って車両が走行している車線の縁部を監視し、車両がその車線から逸れないために必要な操縦入力(以下により詳細に説明する)を伝達できる。前の例は、視覚が限定されているとき(例えば、霧、雨、雪、および/または夜間の条件)に運転者に有益であることがある。様々な実施形態では、アシストモードでは、誘導システム100は、交通信号についての情報を運転者に提供することもできる。例えば、様々な実施形態では、誘導システム100は、近づく赤信号を検出し、停止信号(以下により詳細に記載する)を運転者に伝達できる。同様に、システムは、青信号を検出し、進め信号(以下により詳細に記載する)を運転者に伝達できる。アシストモードにおけるこれらの例示的機能は、交通信号の運転者の視野が損なわれ得るとき(例えば、太陽が交通信号の背後で上っているまたは沈んでいるとき)に有益であることが可能である。さらに別の例として、様々な実施形態では、誘導システム100は、車両の経路における対象(例えば、歩行者、または停止した車両など)を検出し、対象の周囲を操縦する、または停止する信号を運転者に伝達できる。さらに別の例として、誘導システム100は、前方の交通渋滞についての放送情報および運転者に減速させる信号を受信することができる。
【0016】
様々な実施形態では、様々なモードにおいて、誘導システム100は、操作者が眠いかつ/または眠ってしまったように見える場合に、操作者を驚愕させるために車両操作者の手(複数可)の下の作動装置をランダムに作動させることができる。例えば、誘導システム100は、操作者の目の動きを検出する1つまたは複数のセンサを含んでもよい。システム100が、操作者が眠いまたは眠ってしまった(例えば、操作者の目が2秒間以上閉じている、もしくは操作者の視線が固定しており前方道路を見渡していない)ことを示す目の挙動を検出した場合は、システム100は、操作者をより覚醒状態に驚愕させるために、操作者の手(複数可)の下に位置付けられた作動装置104をランダムに作動させることができる。またシステム100は、運転者が道路に注意を払っていない(例えば、システムが、運転者が長時間携帯電話で話していることを検出した場合)他の状況において、作動装置104をランダムに作動させることもできる。例えば、センサは、電話通信を検出するためのセンサ(例えば、携帯電話によって使用される周波数に対応する、車両内のRF信号を監視するセンサを含むことができる。既定の時間を超える閾値(電話の能動的使用を示す)を上回るこのようなRF信号を検出することは、作動装置104をランダムに作動させるためにシステム100を始動させることができる。同様に、車両操作者がブルートゥース(登録商標)無線接続を介して携帯電話を使用している場合、センサは、既定の時間を超える電話の能動的使用を示す、活動レベルの接続を監視してもよい。活動レベルが規定の設定時間を超える閾値を上回る場合は、システム100は作動装置104をランダムに作動させることができる。
【0017】
ナビゲーションモードでは、誘導システム100は、車両操作者が予めプログラムされた経路をたどるために実行するべき、ターンに関する情報を伝達できる。以下により詳細に記載するように、誘導システム100の実施形態は、ターンの方向、深刻度、および近接についての情報を運転者にステアリング機構(例えば、ハンドル102)を通して提供できる。
【0018】
一実施形態では、アシストモードおよびナビゲーションモードは、同時に作動することができる。例えば、誘導システム100は、ターン毎の方向を運転者に提供できるが、近づく赤信号または近づく交通渋滞に対して停止するために警告を介入させてもよい。
【0019】
図3A〜3Dは、ハンドル102を通してターンの深刻度についての情報を伝達する、誘導システム100の一実施形態を示す。
図3Aを参照すると、運転者の左手106aおよび右手106bは、ハンドル102の上をつかんでおり、車両は道路において緩やかな左折200に接近している。誘導システム100は、運転者の左手106aの下の単一の触覚作動装置104aを作動させることができ、運転者の左手106aが変形を検出するように、その場所でハンドルの形状を変形させる。例えば、運転者の左手106aがハンドル102の周囲に巻き付いている場合、ハンドル102の変形により、運転者の左手106aの指が手106aの下のステアリング機構102の断面外周を少量だけ増加させることによりまっすぐにするまっすぐにする。様々な実施形態では、作動装置104aは、ハンドルを静的に変形させて、ターンが完了するまで運転者の指がまっすぐにした状態を維持させることができる。次に
図3Bを参照すると、より急なターン、例えば、90度の左折202は、2つの隣接した作動装置104aおよび104bを作動させることによって伝達されてもよい。様々な実施形態では、作動装置104aおよび104bは、ハンドルを静的に変形させて、ターンが完了するまで運転者の指をまっすぐにする状態を維持することができる。次に
図3Cを参照すると、さらにより急なターン、例えば、135度の左折204を、3つの隣接した作動装置104a、104b、および104cを作動させることによって伝達できる。様々な実施形態では、作動装置104a、104b、および104cは、ハンドルを静的に変形させて、ターンが完了するまで運転者の指をまっすぐにした状態を維持することができる。次に
図3Dを参照すると、左へのUターン206を、4つの隣接した作動装置104a、104b、104c、および104dを作動させることによって伝達できる。様々な実施形態では、作動装置104a、104b、104c、および104dは、ハンドルを静的に変形させて、ターンが完了するまで運転者の指をまっすぐにした状態を維持することができる。上述のターンの例示的深刻度(および各ターンの深刻度に対して作動された作動装置の数)は、例示目的のみのために提供されている。特定のターンの深刻度に対して作動する作動装置の数は、環境に依存して変化することが可能である。さらに、右折を、上記の手法と同様の手法で、運転者の右手106bの下の作動装置104を作動させることによって伝達できる。
【0020】
図3A〜3Dを参照した上の例では、ターンの深刻度は、ターンを通る方向変化の量によって画定される。例えば、10度の左折は、90度の左折より深刻でない。また深刻度は速度の関数であることも可能である。例えば、90度の右折は、運転者に対して時速5マイルより時速40マイルの方がより厳しい(すなわち深刻である)ことがある。したがって、様々な環境において、運転者に伝達されるターンの深刻度は、ターンを通る方向変化の量、ターンに入る車両の速度、またはこの2つの組合せの関数であることが可能である。結果として、システム100は、車両操作者がターンのために減速するにつれて、深刻でなくなるターンを伝達できる。例えば、車両は、時速40マイルで90度の左折に近づいてもよい。システム100は、時速40マイルでの90度のターンを非常に深刻な(すなわち、非常に厳しい)ターンと分類してもよく、運転者の左手106aの下の4つの隣接した作動装置104a、104b、104c、および104dを作動させて、その深刻度の程度を伝達してもよい。運転者が時速40マイルから時速10マイルに減速すると、システム100は、減速した速度での90度のターンをあまり深刻でない(すなわちあまり厳しくない)と分類でき、一部の作動装置を停止させてもよい。例えば、車両が時速30マイルに減速すると、作動装置104dを停止させることができる。次いで車両が時速20マイルに減速すると、作動装置104cを停止させることができる。次いで車両が時速10マイルに減速すると、作動装置104bを停止させることができる。次いでシステム100は、近づくターンを首尾よく完了させる深刻度の低減(例えば、厳しさの低減)を運転者に伝達できる。以下の例は、わかり易くするためにターンの深刻度のみを、ターンを通る方向変化の量の関数として記載するが、深刻度は車両速度のみ、またはターンを通る方向変化の量と組み合わせた車両速度の関数であることも可能であることを理解されたい。
【0021】
図4A〜4Dは、ハンドル102を通してターンの深刻度についての情報を伝達する、誘導システム100の別の実施形態を示す。
図4Aを参照すると、誘導システム100は、1つまたは複数の作動装置104を第1の量だけ作動させて、道路における緩やかな左折200を示すことができる。第1の量の作動により、ハンドル102が運転者の左手106aの下の厚さ120を第1の量だけ増加させることができる。例えば、ハンドル102の厚さを2ミリメートルだけ増加させてもよい。次に
図4Bを参照すると、誘導システム100は、1つまたは複数の作動装置104を第2の量だけ作動させて、ハンドルの厚さ122が第1の量より多い第2の量だけ増加するように、90度の左折を示すことができる。
図4Cおよび4Dは、ハンドルの厚さ124および126を増加させてより深刻なターンを伝達するために、さらなる量を作動する作動装置104を示す。右折を、上記の手法と同様の手法で運転者の右手106bの下の作動装置104を作動させることによって伝達できる。
【0022】
図5A〜5Dは、近づくターンの近接についての情報を伝達するシステムの実施形態を示す。
図5Aを参照すると、運転者は、100メートル210離れている左折に接近してもよい。運転者の左手106aの下の作動装置104は、第1の速度130(例えば、1ヘルツ(Hz)の周波数)でパルスを発してもよい。次に
図5Bを参照すると、運転者が左折から50メートル212に近づくと、運転者の左手106aの下の作動装置104は、第1の速度130より速い第2の速度132(例えば、5Hz)でパルスを発するできる。次に
図5Cを参照すると、運転者が左折から25メートル214に近づくと、運転者の左手106aの下の作動装置104は、第2の速度132より速い第3の速度134(例えば、10Hz)でパルスを発することができる。最後に、運転者が左折から10メートル216に近づくと、運転者の左手106aの下の作動装置104は、第3の速度134より速い第4の速度136(例えば、15Hz)でパルスを発することができる。
【0023】
次に
図5E、5Fおよび5Gを参照すると、作動装置を様々なパターンでパルスを発するできる。例えば、
図5Eを参照すると、作動装置を第1の期間252作動させ、次いで第2の期間254停止させることができる。
図5Eに示したように、第1の期間252および第2の期間254は、ほぼ同じ時間であることが可能である。合計継続時間250は、作動装置をパルスを発する速度に等しいことが可能である。したがって、作動装置を1Hzの速度でパルスを発する場合は、合計継続時間は1秒と等しく、期間252および254はそれぞれ2分の1秒に等しい。別の例として、次に
図5Fを参照すると、作動装置の作動および停止の期間は異なることが可能である。
図5Fは、合計時間260のほぼ10分の1である作動期間262、および合計継続時間260のほぼ10分の9である停止期間264を示す。他の時間が可能である。例えば、作動期間262は、合計継続時間260の4分の1に等しいことが可能であり、停止期間264は、合計継続時間260の4分の3に等しいことが可能である。様々な実施形態では、作動装置を合計継続時間に複数回作動させることができる。例えば、
図5Gを参照すると、作動期間272と276との間の第1の停止期間274および第2の作動期間276に続く第2の停止期間278を伴い、作動装置を第1の作動期間272および第2の作動期間276作動させることができる。2つの作動期間272および276がどちらも、例えば合計時間270の最初の4分の1以内に起きるように、2つの作動期間272および276を時間内に接近してグループ化させることができる。
【0024】
図6A〜6Dは、誘導システム100などの誘導システムが、ターン毎の方向を車両操作者(例えば、車の運転者)に引き続いて伝達することができる、プロセスの一実施形態を示す。開始後(ブロック300)、プロセッサ114は走行経路をメモリ108に記憶する(ブロック302)ことができる。例えば、運転者は、目的地の住所をGPSシステム110に入力し、GPSシステム110は、車両の現在地から目的地の住所までの走行経路を計算してもよい。
【0025】
車両が移動するにつれて、プロセッサ114は、車両がその目的地306に到着するまで、車両の現在地を決定する(ブロック304)ためにGPS110に問い合わせをすることができ、その目的地の点でナビゲーションモードは終了する(ブロック308)。目的地までの途中、プロセッサ114が、車両がメモリ108に記憶された走行経路において近づくターンに近接していると判定した(ブロック310)場合は、プロセッサ114は、まずステアリング機構上の操作者の手(例えば、ハンドル102上の運転者の手)の位置を決定し(ブロック312)、次いで制御装置116と組み合わせて、ステアリング機構を通して近づくターンについての情報を伝達する(ブロック314)ことができる。ターンが完了した(ブロック316)後、プロセッサ114はブロック304に戻って、車両の場所を再度決定する。
【0026】
図6Bは、プロセッサ114および制御装置116の実施形態が、ステアリング機構を通してどのようにターン情報を伝達できるかをより詳細に示す。プロセッサ114は、同時にターンの深刻度および方向を決定し(ブロック320)、ターンの近接を決定する(ブロック322)ことができる。ターンの深刻度(ブロック320)について、プロセッサ114は、例えば、ターンを緩やか(例えば、90度未満)、90度、急(すなわち、90度を超える)、またはUターンのうちの1つに分類してもよい。誘導システム100の実施形態は、ターンの深刻度に対して、より多いまたはより少ない分類を含んでもよい。またプロセッサ114は、ターンを右折または左折のどちらにも分類できる。ターンの決定された深刻度および方向に依存して、プロセッサ114および制御装置116は、表324に従って、運転者の手の下の作動装置の数を作動させる。例えば、緩やかな左折200に対する
図3Aを再度参照すると、プロセッサ114および制御装置116は、運転者の左手106aの下の1つの作動装置(例えば、作動装置104a)を作動させることができる。別の例として、
図3Cを再度参照すると、急な左折204に対して、プロセッサ114および制御装置116は、運転者の左手106の下の3つの作動装置(例えば、作動装置104a、104b、および104c)を作動させることができる。
【0027】
ターンの近接(ブロック322)に関して、システムは、例えば、100メートルを超える、100メートル〜500メートルの間、500メートル〜10メートルの間、および10メートル未満のうちの1つに近接を分類することができる。誘導システム100の実施形態は、ターンの近接に対して、より多いまたはより少ない分類を含んでもよい。運転者がターンに接近すると、ターンの近接は、分類の1つに収まり、表326に従って、作動装置を分類に関連した速度でパルスを発することができる。例えば、
図3Aおよび5Aを再度参照すると、運転者が緩やかな左折200から100メートル離れている場合は、プロセッサ114および制御装置116は、信号作動装置104aを1秒当たり1回の速度(すなわち、1Hz)でパルスを発することができる。さらに、車両がターンに接近するにつれて、近接はある分類から別の分類に移動することができる。前の例を続けると、さらに数秒間走行後、
図5Bを再度参照すると、ここで車両は、プロセッサ114および制御装置116が信号作動装置104aを5Hzの速度でパルスを発することができるように、緩やかな左折200から50メートル離れていてもよい。ある特定の実施形態では、プロセッサ114および制御装置116は、ターンの深刻度および方向を示すために作動している、作動された作動装置のすべてパルスを発してもよい。例えば、
図3Cおよび5Cを再度参照すると、25メートル離れている急な左折について、プロセッサ114および制御装置116は、作動装置104a、104b、および104cを10ヘルツの速度でパルスを発することができる。別法として、プロセッサ114および制御装置116は、作動された作動装置のサブセットのみをパルスを発する(例えば、作動装置104aのみパルスを発するする)してもよい。さらに別の別法として、システムは、ターンの方向と反対である運転者の手に関連した作動装置がパルスを発してもよい。例えば、
図5A〜5Dを参照すると、近づくターンが右折であり、運転者の右手106bの下の作動装置を、ターンの方向および深刻度を示すために作動させている場合は、運転者の左手106aの下の作動装置は、ターンへの近接を示すためにパルスを発してもよい。
【0028】
上述のように、車両がターンターンに接近するにつれて、決定されたターンターンの近接は、表326内の1つの分類から表326内の別の分類に移動することができる。車両がターンに接近するにつれて、作動装置のパルス速度を増加させることにより、誘導システム100はターンするべきときに運転者に伝達できる。同様に、ある特定の実施形態では、誘導システム100は、逃したターンを運転者に伝達できる。運転者が示されたターンを逃し、その結果、車両が逃したターンからさらに遠ざかる場合、作動装置のパルス速度は低減することができる。誘導システム100が逃したターンを示すこのような実施形態では、運転者がターンを完了したか、またはターンを逃したかに関わらず、車両がターンの場所から離れていくので、誘導システム100がターンを完了した(ブロック316)と認識することが有利である。ターンが完了した(ブロック316)と判定することにより、誘導システム100は、完了したターンについての情報を運転者に伝達するのを停止することができ、それによって運転者を混乱させるかもしれない、誤った逃したターンの伝達信号を送信しない。
【0029】
図6Cは、ターン情報を車両操作者に伝達する方法の別の実施形態をより詳細に示す。
図6Cの方法は、ターンの深刻度および方向が作動装置104の作動の量および程度によって示される以外は、
図6Bの方法と同様である。
図6Bに関して上述のように、ターンの深刻度(ブロック320)に関して、誘導システム100は、例えば、ターンを緩やか(例えば、90度未満)、90度、急(すなわち、90度を超える)、またはUターンのうちの1つに分類してもよい。表328および再度
図4Aを参照すると、緩やかな左折200を、運転者の左手106aの下の1つまたは複数の作動装置104を2ミリメートルだけ作動させるプロセッサ114および制御装置116により、誘導システム100により運転者に伝達できる。同様に、
図4Bを再度参照すると、90度の左折を、運転者の左手106aの下の1つまたは複数の作動装置104を4ミリメートルだけ作動させるプロセッサ114および制御装置116により、誘導システム100により運転者に伝達できる。
図4Cを再度参照すると、急な左折204を、運転者の左手106aの下の1つまたは複数の作動装置104を6ミリメートルだけ作動させるプロセッサ114および制御装置116により、誘導システム100により運転者に伝達できる。最後に、
図4Dを再度参照すると、左のUターン206を、運転者の左手106aの下の1つまたは複数の作動装置104を8ミリメートルだけ作動させるプロセッサ114および制御装置116により、誘導システム100により運転者に伝達できる。
【0030】
様々な他の実施形態では、ターンの方向および深刻度を、作動装置を循環させることによって伝達することができ、ターンの近接を、作動装置を作動させる(または停止させる)ことによって伝達できる。次に
図6Dを参照すると、ターンの深刻度および方向はパルスによって示される。例えば、表330は、緩やかであると決定されたターンは、ターンの方向に対応する運転者の手の下で循環する1ヘルツで伝達されるはずであることを示す。同様に、急なターンは、運転者の手の下で循環する10ヘルツで伝達されるはずである。ターンへの近接を、連続して作動装置を作動することによって伝達できる。例えば、表332によれば、ターンが100メートルを超えて離れている場合、1つの作動装置を上昇させることができる。車両がターンから100メートル以内に近づくと、表332によれば、第2の作動装置を作動させることができる。車両がさらに50メートル以内に近づくと、表332によれば、第3の作動装置を作動させることができる。最後に、車両がターンの10メートル以内に近づくと、表332によれば、第4の作動装置を作動させることができる。
【0031】
作動装置がターンの深刻度および/またはターンの近接を示すためにパルスを発するする上述の実施形態などの、ある特定の実施形態では、作動装置は、操作者の手の下のステアリング機構は変形するように、作動装置はパルスを発する間に、第1の作動量と第2の作動量との間にパルスを発してもよい。例えば、
図6Bを再度参照すると、4つの作動装置のそれぞれは、作動されているとき、5ミリメートルの膨らみを形成することにより、ステアリング機構の外表面を変形させてもよい。次いでパルスを発することは、例えば、3ミリメートル〜7ミリメートルの間で膨らみのサイズを変化させてもよい。結果として、ステアリング機構は変形したままである(すなわち、膨らみは完全にはなくならない)が、作動装置はパルスを発する。別の例として、
図6Cを再度参照すると、変化する量だけステアリング機構の変形を引き起こす作動装置(複数可)は、変形のほぼ基準量で変化する量だけパルスを発してもよい。例えば、表328によれば、緩やかなターンを、作動装置(複数可)を2ミリメートル(すなわち、作動の基準量)だけ作動させることにより、車両操作者に伝達できる。したがって、システムは、ターンターンの近接を伝達するために、1ミリメートル〜3ミリメートルの間の2ミリメートルのほぼ基準で作動装置(複数可)がパルスを発してもよい。同様に、表328によれば、90度のターンを、作動装置(複数可)を4ミリメートル(すなわち、作動の基準量)だけ作動させることにより、車両操作者に伝達できる。したがって、システムは、ターンの近接を伝達するために、3ミリメートル〜5ミリメートルの間のほぼ基準量4ミリメートルで作動装置(複数可)がパルスを発することができる。
【0032】
様々な他の実施形態では、作動装置を、ターンへの近接を示すために次第に停止させてもよい。例えば、車両がターンから100メートルを超えて離れているとき、プロセッサ114および制御装置116は、ターンが接近していることを示すために4つの作動装置を作動させることができる。車両がターンターンの100メートル以内に近づくと、プロセッサ114および制御装置116は、4つの作動装置のうちの1つを停止させることができ、3つの作動装置は作動されたままである。車両がターンの50メートル以内に近づくと、プロセッサ114および制御装置116は、残っている3つの作動装置のうちの1つを停止させることができ、2つの作動装置は作動されたままである。車両がターンの10メートル以内に近づくと、プロセッサ114および制御装置116は、2つの残っている作動装置のうちの1つを停止させることができ、1つの作動装置は作動されたままである。車両がターンに接近する(例えば、車両をターンさせるように操縦しなければならない点に到着する)と、プロセッサ114および制御装置116は、残っている作動装置を停止させることができる。
【0033】
上述の実施形態では、ターンの方向を運転者の片手の下だが、両手がハンドル上にあっても他方の手の下ではない作動装置を作動させることにより、運転者に伝達できる。この種の差別的な接触フィードバックは、運転者に伝達する直観モードを提供してもよい。しかし、運転者は、車などの車両をハンドル上で片手のみで操縦することが多い。例えば、運転者は、車両を操縦するために左手のみを使用する一方で、ギアをシフトさせる、またはラジオを調節するなどのために右手を使用することが多い。実施形態は、この運転構成における運転者に伝達することを企図している。
図7A〜7Cは、片手を使用してハンドルを操縦する運転者に情報を伝達できる、誘導システム100の作動を示す。
図7Aは、その中に配置された複数の作動装置104a〜104gを備える、ハンドル102の一部を示す。ユーザの手の平400の断面は、ハンドル102の外周上に置かれているのを示し、指402はハンドル102の内周の周囲に巻かれている。様々な実施形態では、運転者の両手が、それぞれ少なくとも2つの作動装置に及ぶように、作動装置104をサイズ指定することができる。
図7Bに示したように、運転者の手の平400の左側の下の1つまたは複数の作動装置を作動させることにより、左折を運転者に伝達できる。例えば、プロセッサ114および制御装置116は、ハンドル102の外周の膨らみ410を引き起こすために、作動装置104bおよび104cを作動させることができる。運転者は、自身の手の平400の左側を押す膨らみ410を感じて、左折が接近していることを承知することができる。同様に、作動装置104eおよび104fを作動させるプロセッサ114および制御装置116により、右折を運転者に伝達することができ、それによって手の平400の右側の下に膨らみ410を引き起こす。上述のように、作動装置を様々な程度の厚さに作動させて、ターンの深刻度を示すことができ、パルスを発してターンターンの近接を示すことができる。別法として、作動装置を様々な速度にパルスを発してターンの深刻度を示すことができ、様々な程度の厚さに作動させて、ターンの深刻度を示すことができる。代替実施形態では、同じナビゲーションメッセージを、作動装置104を作動させることにより車両操作者に伝達して、運転者の指402が動かされるようにハンドル102の内周を変位してもよい。さらに他の実施形態では、内周および外周の両方の変位の組合せを使用できる。
【0034】
次に
図8A〜8Dを参照すると、様々な実施形態では、ハンドル内の作動装置は、近づくターンについての視覚情報も運転者に伝達することができる。
図8Aに示したように、車両を第1の道路500に沿って運転し、はるか遠くの第2の道路502に右折することができる。車両のハンドル102内の触覚作動装置を、ほぼ道路502へのターンの方向を示す、膨らみ504を形成するように作動させることができる。例えば、
図8Aに示したように、道路502ははるかに遠く、その結果、道路502が車両の方向に対してほとんど12時に配向して見える。結果として、ハンドル102上の膨らみ504を、ハンドル102上の12時(垂直)の位置またはほぼ12時(垂直)の位置に配置させることができる。ある特定の実施形態では、丁度12時の位置に移動し始めて、近づくターンが右折であることを示してもよい。
図8B〜8Dに示したように、車両が第2の道路502に接近するにつれて、道路502への方向は、
図8Aに示された12時の位置から
図8Dに示された3時の位置に向かって移動する。道路への方向504が3時に向かって移動するにつれて、ハンドル102内の作動装置は、目に見える膨らみ504がハンドル102上の3時の位置に向かって動くように作動できる。したがって、運転者は道路502の場所の目に見える表示を提示されてもよい。様々な環境では、車両がターンに接近すると、車両操作者は、例えば、道路の曲がりに従い、障害物を回避し、かつ/または車線を変えるためにハンドル102を回転させなければならないかもしれない。このような環境では、ハンドル102を回転させると、膨らみ504は、膨らみ504がターンの方向を引き続き示すために静止したままであるように(すなわち、同じ時間位置にある)、ハンドル102に対して動くことができる。
【0035】
様々な実施形態では、作動装置の作動によりハンドルの変位(例えば、膨らみ)は、小さすぎて見て気づくことができないことがある。次に
図9A〜9Cを参照すると、ハンドル102などのステアリング機構は、ステアリング機構の変形を車両操作者により明白にさせる、目に見える表示器を含むことができる。
図9Aは、作動装置(わかりやすくするために割愛した)が作動されない構成において、ハンドル102などのステアリング機構の断面側面図を示す。ハンドル102は、概ね円形の断面形状を有してもよい。ハンドル102は、壁552、554、および556によって画定された三角形の空洞550を含むことができる。壁552は、三角形の空洞550の底辺を形成し、壁554および556は三角形の空洞550の側辺を形成する。壁552を壁554および556のそれぞれに連結させることができる。
図9Aに示したように、ハンドル102が作動装置によって変形されていないときは、壁554および556は接触できるが、壁554および556は連結されない。次に
図9Bおよび9Cを参照すると、プロセッサ114および制御装置116がある特定の作動装置を作動させると、それによってハンドル102を局所的に変形させ(例えば、ハンドル上に膨らみ562を形成し)、作動された作動装置の場所における空洞550の壁554および556は、壁552、554、および556が操作者に明らかになるように(矢印560は操作者の視野の方向を表す)、別々に広がることができる。
図9Cに示したように、壁554おおび556は、作動装置によってもたらされた膨らみ562の付近に別々に広がるが、引き続き接触することができる。様々な実施形態では、壁552、554、および556は、ハンドルの外表面に対比する色であることが可能である。例えば、ハンドルが黒である場合は、壁552、554、および556は白色、黄色、または赤色であってもよい。様々な他の実施形態では、壁552、554、および556は、夜間に見えるように暗がりで輝く発光塗料を含んでもよい。様々な他の実施形態では、空洞550は、作動装置が作動されるとき単に運転者に見える光源(例えば、発光ダイオード)を含むことができる。
【0036】
次に
図10A〜10Dを参照すると、様々な実施形態では、ハンドル102などのステアリング機構の周囲に配置された複数の作動装置を連続して作動させて、例えば、近づくターン、出発、および停止を伝達できる。
図10Aを参照すると、作動装置を連続して時計回りの方向(矢印600の方向によって示されている)に作動させるプロセッサ114および制御装置116により、右折を車両操作者に伝達できる。結果として、作動装置によってもたらされたハンドルの変形は、ハンドル102の周りを時計回りの方向に移動させ、それによってターンの方向に移動する、伝播するパルスを生成する。例えば、まず作動装置104aを作動し、次いで作動装置104bを作動し、次いで作動装置104cを作動し、最後の作動装置104zが作動されるまで続けて作動することによって、作動装置104を連続して作動させることができる。作動装置104は、ターンが完了するまで連続して作動を続けることができる。少なくとも2つの作動装置104が運転者の手106aおよび106bのそれぞれの下にあるように、作動装置104をサイズ指定する場合は、運転者はハンドルの変形の走行の方向を感じることができ、ターン情報を伝達する。
【0037】
図10Bは、ハンドル102の変形が反時計回りの方向に(矢印602の方向に)移動するように、作動装置を作動させる順番を逆にすることにより、左折を運転者に伝達する
図10Aの実施形態を示す。例えば、まず作動装置104c、続いて作動装置104b、続いて作動装置104aなどを作動させることができる。
【0038】
様々な実施形態では、連続する作動の速度を変更して、ターンの近接を示すことができる。例えば、作動装置104は、それぞれ5秒毎に1回連続して作動して100メートル以上離れているターンを示してもよい。ターンが10メートル未満離れているときは、作動装置は、それぞれ1秒毎に1回連続して作動してもよい。各作動装置104を連続して作動させる程度により、ターンの深刻度を運転者に伝達できる。例えば、緩やかなターンを伝達するために、各作動装置104は、連続して2ミリメートル作動してもよい。急なターン(例えば、90度を超えるターン)については、各作動装置104は、連続して6ミリメートル作動してもよい。
【0039】
また誘導システム100の実施形態は、停止するおよび進むコマンドを運転者に、作動装置を連続して作動することによって伝達することもできる。
図10Cを参照すると、ハンドル102の頂部からハンドル102の底部までハンドル102の左側111aおよび右側111aの両方に沿って、作動装置104を連続して作動することにより、「停止」命令を運転者に伝達できる。例えば、作動装置104aをハンドル102の頂部で、まず作動させることができる。次いで作動装置104bおよび104zを同時に作動させることができる。次いで作動装置104cおよび104yを同時に作動させることができる。作動装置104は、2つの変形経路が作動装置104xで合流するまで、引き続きハンドル102の左側および右側に下がって連続して作動できる。次いで連続する作動は、作動装置104aで再度開始できる。結果として、第1の変形はハンドル102の左側を矢印604aの方向に下がって移動し、第2の変形はハンドル102の右側を矢印604bの方向に下がって移動する。停止の緊急性を運転者に連続する作動の速度により伝達できる。例えば、システムが、遠方の赤信号を検出するか、または近づく交通渋滞に関連した放送情報を受信した(そのために車両は停止するために減速し始めるべき)場合、システムは、作動装置104がそれぞれ3秒毎に1回連続して作動することにより、停止を伝達してもよい。それに反して、誘導システム100が、対象車両の前で別の車両が出発するのを検出した(そのために対象車両は即座に減速するべき)場合、システムは、作動装置104がそれぞれ2分の1秒毎に1回連続して作動することにより、停止を伝達してもよい。別法として、または追加として、各作動装置を作動させる程度を変えることにより、停止の緊急性を運転者に伝達できる。例えば、各作動装置を2ミリメートルだけ作動することにより、離れた赤信号を伝達してもよい一方で、それぞれが10ミリメートルだけ作動することにより、即座の停止を伝達できる。
【0040】
次に
図10Dを参照すると、作動装置104をハンドル102の底部から頂部に連続して作動することにより、「停止」を運転者に伝達できる。例えば、作動装置104aをまず作動させることができる。次いで、作動装置104bおよび104zを同時に作動させることができる。次いで作動装置104cおよび104yを同時に作動させることができる。作動装置104は、変形経路が作動装置104xで合流するまで、引き続きハンドル102の左側および右側に下がって連続して作動できる。次いで連続する作動は、作動装置104aで再度開始できる。結果として、第1の変形はハンドル102の左側を矢印606aの方向に下がって移動し、第2の変形はハンドル102の右側を矢印606bの方向に下がって移動する。
【0041】
触覚伝達システムの実施形態は、車内のハンドルに限定されない。様々な実施形態では、システムは、運転者の座席内、ギアシフトノブ内、またはシートベルト内などに配置された触覚作動装置も含むことができる。
【0042】
触覚伝達システムの実施形態を自動車以外の車両内に配置することができる。次に
図11A〜11Cを参照すると、触覚伝達システムを航空機内に含むことができる。
図11A〜11Cは、航空機のピッチおよびロールを制御できる、航空機操縦桿650を示す。操縦桿650は、横材652によって連結される、右側ハンドル654bおよび左側ハンドル654aを含むことができる。パイロットは、左側ハンドル654aおよび右側ハンドル654b上をつかむことができ、操縦桿650を左右に回転させて、航空機を左右それぞれにローリングさせることができる。またパイロットは、操縦桿を引いて(ページから出る方向に)航空機の機首を上昇させ、操縦桿を押して(ページに入る方向に)航空機の機首を下降できる。
【0043】
触覚伝達システムの実施形態は、操縦桿650を介して航空機の飛行経路についての情報を伝達できる。例えば、
図11A〜11Cおよび
図12A〜12Cを参照すると、システムの実施形態は、計器着陸システム(ILS)の滑空角に対する航空機の位置を航空機のパイロットに伝達できる。限定された視界状況において、パイロットは、滑走路に対する滑空角の場所を示す計器を使用することにより、航空機を滑走路上に着陸させることができる。滑空角は、滑走路の着陸ゾーンに向かって下降し、滑走路の着陸ゾーンで終了する空中の仮想的な線である。計器を限定された視界状況で使用する滑空角に従うことにより、パイロットは滑走路に無事に到着できる。
図12A〜12Cは、一般に航空機のコックピット内に見られるILS表示器700の異なる図を示す。ILS表示器700は、それから延びる水平軸706および垂直軸708を有する中心点710を含む。またILS表示器700は、滑空角からの垂直偏差を示す第1の針702、および滑空角からの水平偏差を示す第2の針704も含む。
図12Cに示したように、針702および704の両方が中心点710で交差するとき、航空機は滑空角上にある。
図12Bに示したように、航空機は(中心点710を交差する第2の針704によって示されているように)滑空角上に水平に配向されているが、航空機は(中心点710の上にある第1の針702によって示されているように)低すぎる。したがって、ILS表示器700は、航空機が滑空角上にあるためにより高くする必要があることをパイロットに告げている。
図12Aに示したように、航空機は(中心点710の上にある第1の針702によって示されているように)滑空角の下にあり、(中心点710の右にある第2の針704によって示されているように)滑空角の左にある。したがって、ILS表示器700は、航空機が滑空角上にあるためにより高く、さらに右に寄る必要があることをパイロットに告げている。
【0044】
伝達システムの実施形態は、滑空角に対する航空機の位置についての情報を伝達できる。
図11A〜11Cを再度参照すると、左側ハンドル654aは、作動しているときに膨らみ658をハンドル654a内に形成させる作動装置を含むことができる。また左側ハンドル654は、パイロットが物理的に感じることができる、隆起リッジ656などの中心を示す形体も含むことができる。
図11Aおよび12Aを参照すると、航空機が滑空角より低く左にある場合、システムは、隆起リッジ656の上に、かつハンドル654aの右側にある、ハンドル654a内の膨らみ658を生成することができる。パイロットは、隆起リッジ656の上に、かつハンドル654aの右側に付勢された膨らみを感じることができ、これは、パイロットはより高く、さらに右側に寄る必要があることをパイロットに告げる。
図11Bおよび12Bを参照すると、パイロットが滑空角に水平方向に位置合わせするように航空機の位置を調節したが、依然として滑空角の下である場合、システムは、ハンドル654aの左側上および右側上に等しく、隆起リッジ656の上にある膨らみ658を生成できる。パイロットは、膨らみが依然として隆起リッジ656の上にあるが、膨らみは、今はハンドル654aの左側上および右側上に等しいと感じることができる。したがって、パイロットは、パイロットが依然としてより高くする必要があるが、滑空角に水平方向に位置合わせしていることがわかる。次に
図11Cおよび12Cを参照すると、航空機が滑空角に位置合わせされるように、パイロットが今航空機の位置を調節した場合は、システムは、ハンドル654aの左側上および右側上に等しく、また隆起リッジ658に位置合わせされている膨らみ658を生成できる。パイロットは、膨らみが左右に等しく、また隆起リッジ656に位置合わせされていると感じることができ、それによって航空機は滑空角に位置合わせされていることがわかる。航空機が滑空角により近くに、または滑空角からさらに遠くに移動するにつれて、膨らみ658は、変化する位置を示すためにハンドル654aに対して移動することができる。
【0045】
また航空機内の伝達システムの様々な実施形態は、飛行の他の局面にも使用できる。例えば、滑走路から離陸中、パイロットは、V1(エンジンが故障した場合、航空機が引き続き離陸するのに安全である速度)、Vr(航空機の機首が上昇する速度)、およびV2(航空機が動作不能のエンジンで安全に離陸する速度)などのある特定の対気速度を知る必要があり得る。離陸速度モードでは、システムの実施形態は、操縦桿650を通してこれらの速度をパイロットに伝達してもよい。例えば、V1に達すると、システムは、膨らみ658をハンドル654a上の隆起リッジ656の下に形成してもよい。航空機がVrに接近すると、システムは、隆起リッジ656に位置合わせするように膨らみ658を移動させてもよい。次いで航空機がV2に接近すると、システムは、隆起リッジ656の上に膨らみ658を移動させてもよい。
【0046】
別の例として、システムの実施形態は、航空機の迎角(例えば、航空機の走行の方向と翼の角度との間の角度)についての情報をパイロットに伝達できる。概して、航空機は、ある特定の迎角まで安全に操作できる。安全な迎角を超えると、航空機は失速する。迎角モードでは、システムは、膨らみ658をハンドル654aの底部に提供することができ、これは迎角がゼロであることを示す。航空機の迎角が増加するにつれて、膨らみ658は、ハンドル654の頂部に向かって移動できる。ハンドル654aの頂部における膨らみは、航空機が安全な迎角を超えたことを示すことができる。
【0047】
航空機内の伝達システムの実施形態は、飛行操縦桿に限定されない。例えば、伝達システムの実施形態を、センタースティック、サイドスティック、または片手で操作するために設計されたサイクリックに組み込むことができる。また伝達システムの実施形態を、スロットル、パワーレバー、または航空機の一括制御に組み込むことができる。
【0048】
またシステムの実施形態を、自転車、オートバイ、スノーモービル、全地形万能車(ATV)、ジェットスキー、およびハンドルバーを備えたあらゆる他の車両にも組み込むことができる。
図13A〜13Eを参照すると、触覚伝達システムの実施形態は、オートバイ700に示されている。オートバイ700は、左ハンドル704および右ハンドル706を備えたハンドルバー702を含む。各ハンドルは、ハンドルの外周を局所的に変形できる、複数の作動装置をその中に含むことができる。ある特定の実施形態では、ハンドル内のすべての作動装置は、ターンを示すために一緒に作動できる。例えば、左折を伝達するために、ハンドル704内の作動装置は、作動してハンドル704を
図13Aに示した変形した形状704’に変形させることができる。同様に、右折を伝達するために、ハンドル706内の作動装置は、作動してハンドル706を変形した形状706’に変形させることができる。様々な実施形態では、ターンの深刻度を、(例えば、上に論じた
図4A〜4Dおよび
図6Cと同様に)作動装置を作動する程度を変化させることによって示すことができる。さらに、様々な実施形態では、ターンの近接を、(例えば、上に論じた
図5A〜5D、6B、および6Dと同様に)作動装置を異なる速度で循環させることによって示すことができる。
【0049】
様々な実施形態では、ターンの深刻度を、異なる数の作動装置を作動することによりオートバイの運転者に伝達できる。例えば、
図13Bを参照すると、緩やかな左折200を、単一の作動装置708aを左ハンドル704上で作動させることによって伝達できる。90度の左折202を、2つの作動装置708aおよび708bを左ハンドル704上で作動させることによって伝達できる。急な左折206を、3つの作動装置708a、708b、および708cを左ハンドル704上で作動させることによって伝達できる。左のUターンを、4つの作動装置708a、708b、708c、および708dを左ハンドル704上で作動させることによって伝達できる。さらに様々な実施形態では、ターンの近接を、(例えば、上に論じた
図5A〜5D、6B、および6Dと同様に)作動装置708a、708b、708c、および708dを異なる速度で循環させることによって示すことができる。右折を、右ハンドル706内の作動装置を使用して、同様の手法で伝達できる。
【0050】
上述の様々な実施形態では、情報を異なる方法で車両操作者に伝達できる。例えば、ターンの深刻度を、作動される作動装置の数を変えること、作動装置を作動する程度を変えること、または作動装置を異なる速度で循環させることによって伝達できる。同様に、ターンの近接も、作動される作動装置の数を変えること、作動装置を作動する程度を変えること、または作動装置を異なる速度で循環させることによって伝達できる。同様に、システムは複数のモードで作動できる。例えば、車内のシステムは、オフモード、アシストモード、およびナビゲーションモードを含むことができる。同様に、上述のように、航空機内のシステムは、ILSモード、離陸速度モード、および迎角モードを含むことができる。システム100などの伝達システムの実施形態は、車両操作者が操作モードを選択できる、ユーザインターフェースを含むことができる。またユーザインターフェースは、車両操作者が伝達「言語」を選択することができる。例えば、第1の運転者は、ターンの深刻度は異なる数の作動装置を作動させることによって、またターンの近接は作動装置を異なる速度で循環させることによって、伝達するようにシステムを設定することができる。第2の運転者は、ターンの深刻度は作動装置を異なる速度で循環させることによって、またターンの近接は作動装置を作動する程度を変えることによって、伝達するようにシステムを設定することができる。
【0051】
様々な実施形態の説明を例示目的で提示したが、開示された実施形態に網羅される、または限定されることを意図するものではない。多くの修正形態および変形形態が、記載された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかになろう。
【0052】
本実施形態の態様は、システム、方法またはコンピュータ・プログラム製品として具現化されてもよい。したがって、本開示の態様は、専らハードウェア実施形態、専らソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはすべてが概ね本明細書で「回路」、「モジュール」もしくは「システム」と呼ばれ得る、ソフトウェアとハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形をとってもよい。さらに、本開示の態様は、その上に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体(複数可)内に具現化されたコンピュータ・プログラム製品の形をとってもよい。
【0053】
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体(複数可)のあらゆる組合せを利用してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体システム、装置、またはデバイス、あるいは前記のあらゆる適切な組合せでもよいが、これに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体例(非包括的リスト)は、以下のもの、すなわち、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、携帯用コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯用コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述のあらゆる適切な組合せを含むはずである。本文書において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連して、使用するためのプログラムを含む、あるいは記憶することができるあらゆる有形の媒体であってもよい。
【0054】
コンピュータ可読信号媒体は、その中に、例えば、ベースバンドにまたは搬送波の一部として具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する伝播データ信号を含んでもよい。このような伝播信号は、電磁気、光学、またはそれらのあらゆる適切な組合せを含むが、これに限定されない、あらゆる様々な形をとってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連して、使用するためのプログラムを通信する、伝播する、あるいは運ぶことができる、あらゆるコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0055】
コンピュータ可読媒体上で具現化されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または前述のあらゆる適切な組合せを含むが、これに限定されないあらゆる適切な媒体を使用して送信されてもよい。
【0056】
本開示の態様に対する作動を実行するためのコンピュータ・プログラムコードは、ジャバ(Java(登録商標))、スモールトーク(Smalltalk)、もしくはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語、または同様のプログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語のあらゆる組合せで書かれてもよい。プログラムコードは、専らユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェアパッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で、ならびに部分的にリモートコンピュータ上で、または専らリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む、あらゆるタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または接続は、(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通して)外部コンピュータになされてもよい。
【0057】
本開示の態様は、本開示の実施形態による、方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図ならびに/またはブロック図を参照して上に記載されている。フローチャート図および/またはブロック図のそれぞれのブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組合せを、コンピュータ・プログラム命令によって実施できることが理解されよう。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて機械を生成し得るので、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックに指定された機能/作用を実行するための手段を生成する。
【0058】
またこれらのコンピュータ・プログラム命令は、例えば、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または特定方式で機能する他のデバイスに命令することができる、持続性コンピュータ可読媒体に記憶されてもよいので、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、フローチャート図および/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックに指定された機能/作用を実行する命令を含む製品を生成する。
【0059】
またコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスにロードし得ることにより、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上で実行してコンピュータで実行されるプロセスを生成するので、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行する命令は、フローチャート図および/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックに指定された機能/作用を実行するためのプロセスを提供する。
【0060】
図におけるフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態による、システム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および作動を示す。これについて、フローチャートまたはブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能(複数可)を実行するための1つもしくは複数の実行可能な命令を含む、モジュール、セグメント、またはコードの一部を表してもよい。また一部の代替的実装形態では、ブロック内に記した機能は、図内に記した順番以外で生じてもよいことにも留意されたい。例えば、連続して示された2つのブロックが、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックが、関与した機能に依存して、場合によって逆の順番で実行されてもよい。またブロック図および/またはフローチャート図のそれぞれのブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組合せを、指定された機能もしくは作用、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せを実行する、専用ハードウェアベースのシステムによって実行することができることにも留意されよう。
【0061】
前述は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態を、その基本的範囲から逸脱することなく考案してもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。