特許第6506912号(P6506912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6506912情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6506912
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20190415BHJP
【FI】
   G06Q30/08
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-73609(P2014-73609)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-197693(P2015-197693A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2017年2月27日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511215908
【氏名又は名称】MRT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】馬場 稔正
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−85407(JP,A)
【文献】 特開2002−32614(JP,A)
【文献】 特開2006−350991(JP,A)
【文献】 特開2002−133176(JP,A)
【文献】 特開2002−92117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
売り手の時間を、出品対象として受け付け、当該時間の使い方の内容として、前記売り手が提供する役務の内容を受け付ける出品対象受付手段と、
前記出品対象を複数の買い手に提示する出品対象提示手段と、
前記複数の買い手の夫々から、購入条件を受け付ける購入条件受付手段と、
前記複数の買い手の夫々の前記購入条件に基づいて、前記複数の買い手の中から落札者候補を決定して、前記売り手に通知する落札者候補決定手段と、
前記売り手から、前記落札者候補の中から1の者を落札者として確定した旨を受け付ける落札者受付手段と、
前記落札者に落札した旨を通知する落札者通知手段と
を備え
前記出品対象受付手段は、さらに、
前記売り手の時間を出品する際に、売出開始価格を前記売り手の条件として受け付け、 前記出品対象提示手段は、前記出品対象と共に前記売出開始価格を前記複数の買い手に提示し、
前記購入条件受付手段は、前記複数の買い手の夫々から、前記売出開始価格以上の購入条件を受け付け、
前記売り手から役務を提供された前記落札者が、前記売り手に対する評価をした場合、当該評価を受け付ける評価受付手段と、
前記評価に基づいて、前記売り手の前記売出開始価格の最高額を制限する売出開始価格制限手段と、
をさらに備える情報処理装置。
【請求項2】
出品対象受付手段は、さらに前記売り手の時間の使える時間帯を受け付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記購入条件受付手段は、前記複数の買い手のうち少なくとも1人の前記購入条件として、当該買い手自身から前記売り手に提供するために提示された時間を受付ける出品対象受付手段と
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出品対象受付手段は、さらに、前記時間を出品する際に、当該時間の使い方の内容として、前記売り手が提供する役務の内容を前記売り手の条件として受け付け、
前記出品対象提示手段は、前記出品対象及び前記売出開始価格と共に前記役務の種類を前記複数の買い手に提示し、
前記評価受付手段は、前記売り手から役務を提供された前記落札者が、前記売り手に対する評価をした場合、前記当該時間の使い方の内容の種類についての当該評価として受け付け、
前記売出開始価格制限手段は、前記当該時間の使い方の内容の種類についての前記評価に基づいて、前記役務の種類についての前記売り手の前記売出開始価格の最高額を制限する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記売出開始価格制限手段は、前記評価と共に、別の要素に基づいて、前記売り手の前記売出開始価格の最高額を制限する、
請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記落札者候補決定手段は、複数の落札者候補を決定して、前記売り手に通知し、
前記落札者受付手段は、前記売り手から、前記複数の落札者候補の中から1の者を前記落札者として確定した旨を前記売り手から受け付ける、
請求項1乃至のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
売り手の時間を、出品対象として受け付け、当該時間の使い方の内容として、前記売り手が提供する役務の内容を受け付ける出品対象受付ステップと、
前記出品対象を複数の買い手に提示する出品対象提示ステップと、
前記複数の買い手の夫々から、購入条件を受け付ける購入条件受付ステップと、
前記複数の買い手の夫々の前記購入条件に基づいて、前記複数の買い手の中から落札者候補を決定して、前記売り手に通知する落札者候補決定ステップと、
前記売り手から、前記落札者候補の中から1の者を落札者として確定した旨を受け付ける落札者受付ステップと、
前記落札者に落札した旨を通知する落札者通知ステップと、
を含み、
前記出品対象受付ステップは、さらに、
前記売り手の時間を出品する際に、売出開始価格を前記売り手の条件として受け付け、 前記出品対象提示ステップは、前記出品対象と共に前記売出開始価格を前記複数の買い手に提示し、
前記購入条件受付ステップは、前記複数の買い手の夫々から、前記売出開始価格以上の購入条件を受け付け、
前記売り手から役務を提供された前記落札者が、前記売り手に対する評価をした場合、当該評価を受け付ける評価受付ステップと、
前記評価に基づいて、前記売り手の前記売出開始価格の最高額を制限する売出開始価格制限ステップと、
をさらに含む情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置を制御するコンピュータに、
売り手の時間を、出品対象として受け付け、当該時間の使い方の内容として、前記売り手が提供する役務の内容を受け付ける出品対象受付ステップと、
前記出品対象を複数の買い手に提示する出品対象提示ステップと、
前記複数の買い手の夫々から、購入条件を受け付ける購入条件受付ステップと、
前記複数の買い手の夫々の前記購入条件に基づいて、前記複数の買い手の中から落札者候補を決定する落札者候補決定ステップと、
前記落札者候補を前記売り手に通知して、前記売り手から落札者として確定した旨を受け付ける落札者受付ステップと、
前記落札者に落札した旨を通知する落札者通知ステップと
を含み、
前記出品対象受付ステップは、さらに、
前記売り手の時間を出品する際に、売出開始価格を前記売り手の条件として受け付け、 前記出品対象提示ステップは、前記出品対象と共に前記売出開始価格を前記複数の買い手に提示し、
前記購入条件受付ステップは、前記複数の買い手の夫々から、前記売出開始価格以上の購入条件を受け付け、
前記売り手から役務を提供された前記落札者が、前記売り手に対する評価をした場合、当該評価を受け付ける評価受付ステップと、
前記評価に基づいて、前記売り手の前記売出開始価格の最高額を制限する売出開始価格制限ステップと、
をさらに含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品等の商品をオークション販売するWebサイトが存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2011−128839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、新たな形態のオークションのサービスが要求されているところ、特許文献1を含め従来の技術ではかかる要求に応えることは困難な状況である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、新たな形態のオークションのサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
売り手が提供する役務の時間を、出品対象として受け付ける出品対象受付手段と、
前記出品対象を複数の買い手に提示する出品対象提示手段と、
前記複数の買い手の夫々から、購入条件を受け付ける購入条件受付手段と、
前記複数の買い手の夫々の前記購入条件に基づいて、前記複数の買い手の中から落札者候補を決定して、前記売り手に通知する落札者候補決定手段と、
前記売り手から、前記落札者候補の中から1の者を前記落札者として確定した旨を受け付ける落札者受付手段と、
前記落札者に落札した旨を通知する落札者通知手段と
を備える。
【0007】
ここで、前記出品対象受付手段は、さらに、
前記役務の時間を出品する際に、売出開始価格を前記売り手の条件として受け付け、
前記出品対象提示手段は、前記出品対象と共に前記売出開始価格を前記複数の買い手に提示し、
前記購入条件受付手段は、前記複数の買い手の夫々から、前記売出開始価格以上の購入条件を受け付け、
前記売り手から役務を提供された前記落札者が、前記売り手に対する評価をした場合、当該評価を受け付ける評価受付手段と、
前記評価に基づいて、前記売り手の前記売出開始価格の最高額を制限する売出開始価格制限手段と、
をさらに備えるようにしてもよい。
【0008】
前記出品対象受付手段は、さらに、前記役務の時間を出品する際に、当該役務の種類を前記売り手の条件として受け付け、
前記出品対象提示手段は、前記出品対象及び前記売出開始価格と共に前記役務の種類を前記複数の買い手に提示し、
前記評価受付手段は、前記売り手から役務を提供された前記落札者が、前記売り手に対する評価をした場合、前記役務の種類についての当該評価として受け付け、
前記売出開始価格手段は、前記役務の種類についての前記評価に基づいて、前記役務の種類についての前記売り手の前記売出開始価格の最高額を制限する、
ようにしてもよい。
【0009】
前記売出開始価格手段は、前記評価と共に、別の要素に基づいて、前記売り手の前記売出開始価格の最高額を制限する、
ようにしてもよい。
【0010】
前記落札者候補決定手段は、複数の落札者候補を決定して、前記売り手に通知し、
前記落札者受付手段は、前記売り手から、前記複数の落札者候補の中から1の者を前記落札者として確定した旨を前記売り手から受け付けるようにしてもよい。
【0011】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムは、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する方法及びプログラムである。したがって、本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムは、上述の本発明の一態様の情報処理装置と基本的に同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、新たな形態のオークションのサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示すブロック図である。
図2図1の情報処理システムにより実現される時間オークションのサービスの一例を示す模式図である。
図3図1の情報処理システムの構成要素のうち、本発明が適用される情報処理装置の一実施形態としてのサーバのハードウェアの構成を示すブロック図である。
図4図3のサーバの機能的構成のうち、時間オークション処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図5】評価情報入力フォーマットデータの構造例を示す図である。
図6】評価投稿画面の一具体例を示す図である。
図7図4の売出開始価格制限部により管理される売出開始価格上限の管理データの構造例を示す図である。
図8図4の機能的構成のサーバ1が実行する時間オークション処理の流れを説明するフローチャートである。
図9図1の情報処理システムにより実現される時間オークションのサービスの一例であって、図2とは異なる一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[全体構成]
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムSの全体構成を示すブロック図である。
【0016】
本実施形態では、所定の売り手と、n人(nは1以上の任意の整数値)の買い手とが存在する場合に、当該売り手が提供する役務の時間を出品対象として、n人の買い手の夫々が所定の購入条件(例えば金額)を提示して、一定の条件を満たす買い手(例えば最高額を購入条件として提示した買い手)を落札者として決定するオークションのサービスが提供される。
このように、本実施形態におけるオークションの出品対象は、従来の商品ではなく、売り手が提供する役務の時間である。この点で、従来のオークションと区別すべく、本実施形態におけるオークションを、特に、「時間オークション」と呼ぶ。
なお、以下の説明では、1人の売り手に着目して説明するが、当然ながら、当該サービスの提供を受ける者ならば売り手になり得る。換言すると、n人の買い手も、自己が提供する役務の時間を出品対象とすることで、売り手になることもできる。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システムSは、当該時間オークションの運営管理する者(そのようなサービスを提供する者)によって管理されるサーバ1と、売り手に使用される売手端末2と、n人の買い手の夫々に使用される買手端末3−1〜3−nとが、ネットワーク4を介して相互に接続されて構成される。
なお、買手端末2−1〜2−nの夫々を、個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「買手端末2」と呼ぶ。
【0018】
図2は、情報処理システムSにより実現される時間オークションのサービスの一例を示している。
【0019】
図2の例では、売り手は、私立大学の整形外科の教授であるものとする。
出品対象等は、「売出内容」として売り手により提示される。
図2の例では、売り手が提供する役務は、「2、専門分野におけるオピニオン」を買い手に与えるものである。
また、その役務の時間は、「1、時間は2〜3時までの間」である。
さらに本実施形態では、売り手は、当該役務の時間を出品する際に、売出開始価格を条件として提示することができる。図2の例では、売出開始価格は、「3、時間当たり2万円以上」である。
【0020】
売り手は、売手端末2を操作して、サーバ1が運営するWEBオークション(webサイト)にアクセスし、このような「売出内容」を提示することで売り出しをする。
n人の買い手の夫々は、自己の買手端末3を操作して、当該WEBオークションにアクセスし、買い手が提示した「売出内容」をみて、所定の購入条件(図2の例では金額)を提示する。
すると、サーバ1は、一定の条件を満たす買い手(例えば最高額を購入条件として提示した買い手)を落札者候補として決定し、売り手にオファーする。
ここで、落札者とせず候補としたのは、買い手は、オファーされた者を落札者として拒否する権利を有しているからである。このことは、落札者候補は、1人である必要は特にないことを意味している。
つまり、売り手は、売手端末2を介して、1人以上の落札者候補がWEBオークション(サーバ1)からオファーされるので、その中で所望の1人を落札者として受諾する旨をWEBオークション(サーバ1)に通知する。
なお、売り手は、落札者として1人も受諾しない旨をWEBオークション(サーバ1)に通知することもできるものとする。この場合、WEBオークション(サーバ1)は、新たな落札者候補を決定して再オファーしてもよいし、本件オークションを終了してもよい。
また、図2の例では、落札者は、売り手から役務の提供を受ける際に、その対価を売り手に直接現金で支払い、落札者に対する評価をWEBオークション(サーバ1)に通知する。ただし、これらは例示に過ぎず、例えばWEBオークション(サーバ1)が課金処理を実行してもよい。
また、図2の例では、サービス提供者(WEBオークションの運営会社)のサービス提供に対する対価は、落札者からの成功報酬としているが、これは例示に過ぎず、例えば、会員制にして会費として予め徴収してもよいし、オークションの参加費用としてn人の買い手全員から徴収してもよい。
【0021】
図3は、本発明の情報処理装置の一実施形態としてのサーバ1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0022】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0023】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0024】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0025】
入力部16は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部17は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部18は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワーク4を介して売手端末2又は買手端末3との間で行う通信を制御する。
【0026】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0027】
なお、図示は省略するが、売手端末2及び買手端末3の夫々は、図2のCPU11乃至ドライブ20の夫々と基本的に同様の構成と機能を有しているものとする。
【0028】
図4は、サーバ1の機能的構成のうち、時間オークションを実現するための一連の処理(以下、「時間オークション処理」と呼ぶ)を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0029】
時間オークション処理が実行される場合、サーバ1のCPU11においては、出品対象受付部51と、出品対象提示部52と、購入条件受付部53と、落札者候補決定部54と、落札者受付部55と、落札者通知部56と、評価受付部57と、売出開始価格制限部58とが機能する。
【0030】
本実施形態では、図2を用いて説明したように、図2を用いて上述したように、本実施形態では、サーバ1により管理されるWEBオークション(Webサイト)によって、上述の出品対象受付部51乃至売出開始価格制限部58の各機能が実現されているものとする。即ち、売手端末2と買手端末3は、当該WEBオークションにアクセスして、各種情報を入出力できるものとする。
【0031】
出品対象受付部51は、売り手が提供する役務の時間を、出品対象として売手端末2から受け付ける。
【0032】
出品対象提示部52は、出品対象をWEBオークションに掲載する等によって、複数の買い手に提示する。
即ち、買い手は、買手端末3を操作してWEBオークションにアクセスして、出品対象が掲載されているページ等を閲覧することで、当該出品対象が提示される。
【0033】
購入条件受付部53は、複数の買い手の夫々から、購入条件を受け付ける。
即ち、n人の買い手の夫々は、自己の買手端末3−1乃至3−nの夫々を操作して、WEBオークションの購入条件受付ページ等に対して、購入条件を入力した後決定ボタン等を押下する等の購入条件を確定した旨の指示をする。購入条件受付部53は、当該指示を受け取ると、購入条件を受け付ける。
【0034】
ここで、購入条件は、本実施形態では対価として支払うべき金額とするが、特にこれに限定されない。
例えば時間オークションの内部で流通するポイント、つまり売り手も買い手も使用できるポイントを設け、このポイントを購入条件として採用することもできる。
また例えば、買い手の自身の時間を購入条件として採用することもできる。これにより、クロス時間オークションも実現可能になる。クロス時間オークションとは、いわゆる物物交換を、時間に変換してオークション制にしたものである。つまり、売り手が提供する役務Aの時間の権利を落札者は得る代わりに、落札者は自己が提供する役務Bの時間の権利を売り手に与えることになる。この場合、単なる時間の多少だけではなく、役務Aと役務Bが相互に必要なものであるか否かが、落札になるか否かの大きな要因となり、単なる金額を購入条件として提示する時間オークションと比較して、ユニークな時間オークションが実現される。
【0035】
落札者候補決定部54は、複数の買い手の夫々の購入条件に基づいて、前記複数の買い手の中から落札者候補を決定して、売手端末2を介して売り手に通知(オファー)する。
ここで、落札者候補は、上述したように1人である必要は特にない。
例えば、売り手の売出開始価格以上を購入条件として提示した者を、落札者候補とするといった条件を予め設定しておけば、落札者候補決定部54は、当該条件を満たす者全てを、落札者候補として決定することができる。
具体的には例えば図2の例では、売出開始価格は2万円であるので、「2万円」、「3万円」、及び「5万円」の夫々を購入条件として提示した3人の買い手が、落札者候補として決定される。
【0036】
なお、当然ながら一般的なオークションのように、最高額を提示した買い手を落札者候補としてもよい。
この場合、最高額を提示した買手を落札者候補とせずに自動的に落札者と確定してもよいが、次の理由から、確定せずに落札者候補とした方が好適である。
即ち、時間オークションでは、単なる物品が出品対象ではなく、買い手が提供する役務の時間が出品対象となる。即ち、時間オークションでは、一般的なオークションとは異なり、売り手と落札者との間で密な交流が行われることが前提となる。
このため、買い手の中には、単にお金だけを目的とするのではなく、落札者と友好な交流を図ることを目的とする者も多く出てくると考えられる。従って、買い手は、落札者候補としてオファーを受けた者が、友好な交流を図れるものか否かを自身で判断し、否と判断した場合には、落札を拒否する権利を有した方がよい。
このため、本実施形態では、落札者候補決定部54は、自動的に落札者を決定するのではなく、あくまでも落札者候補を1人以上決定して、売手端末2を介して売り手にオファーするのである。
【0037】
落札者受付部55は、売り手から、売手端末2を介して、落札者候補の中から1の者を落札者として確定した旨を受け付ける。
【0038】
落札者通知部56は、落札者に対して、当該落札者の買手端末3を介して、落札した旨を通知する。
例えば図4の例では、買手端末3−k(kは、1乃至nの間の任意の整数値)を保有する買い手が落札者になっており、落札者通知部56から落札した旨が買手端末3−kを介して当該買い手に通知される。
なお、図4の例では矢印が付されていないが、落札者通知部56は、それ以外の買い手に対して、夫々の買手端末3−1〜3−n(ただし買手端末3−kを除く)を介して、落札されなかった旨を通知してもよい。
【0039】
このような落札者通知部56の通知により、売り手の出品対象についての時間オークション自体は終了する。
その後、売り手は、落札者に対して、出品対象の内容に従って役務を提供することになる。本実施形態では、落札者は、当該役務の提供を受けた後、当該売り手に対する評価をするものとする。具体的には、落札者は、買手端末3−kを操作してWEBオークション(webサイト)にアクセスして、評価投稿画面において評価を入力するものとする。
【0040】
図5は、評価情報入力フォーマットデータの構造例を示している。
図5に示すように、評価情報入力フォーマットデータには、「大項目」の欄、「小項目」の欄、及び「形式」の欄が設けられている。
「大項目」としての「医師」には、「小項目」としての「健康診断」、「内科相談」、「外科相談」等が対応付けられている。さらに、「健康診断」、「内科相談」、「外科相談」等の夫々には、「形式」としての「チェックボックス」が対応付けられている。
【0041】
図4の評価受付部57は、このような図5等の評価情報入力フォーマットデータに基づいて、図6に示すような評価投稿画面のデータを生成する。
【0042】
図6は、落札者による売り手の評価投稿画面の一具体例を示している。
図6に示す評価投稿画面は、図5に示した評価情報入力フォーマットデータの「大項目」及び「小項目」の各欄を示すメッセージ画像と、図6に示した評価情報入力フォーマットデータの「形式」の欄の記入事項に応じたGUI(Grafhical User Interface)とから構成される。
大項目としての「医師」は、売り手が提供する役務の大分類(資格等)を示しており、当該大項目に対応する小項目としての「健康診断」、「内科相談」、「外科相談」等は、売り手が提供する役務の小分類(実際に提供する役務の種類)を示している。
そして、これらの小項目の夫々に対して、チェックボックスが対応付けられている。
落札者は、買手端末3を操作して、これら小項目のうち売り手から実際に提供を受けた種類の役務について、このチェックボックスをチェックすることで、売り手の評価をする。
図6の例では、5段階評価が行われるものとして、落札者は、所定の小項目について評価K(Kは1〜5のうちの任意の整数値)をする場合、当該小項目の右側の5つのチェックボックスのうちK個をチェックする。即ち、最高の評価5の場合、5つのチェックボックスの全てがチェックされ、最低の評価1の場合、1つのチェックボックスのみがチェックされる。
なお、図6の例は例示であることはいうまでもなく、例えば評価投稿画面には、コメント等をテキスト入力するためのボックスが設けられてもよい。
【0043】
図4に戻り、評価受付部57は、売り手から役務を提供された落札者が、買手端末3−kを介して、売り手に対する評価をした場合、当該評価を受け付ける。
売出開始価格制限部58は、当該評価に基づいて、売り手の売出開始価格の最高額を制限する。
ここで、制限の手法は、特に限定されないが、評価が低いほど、売出開始価格の最高額が低くなり、評価が高いほど、売出開始価格の最高額が高くなるような手法が採用されると好適である。売り手にとっては、評価が上がれば売出開始価格を上げることができるので、自己が提供する役務の質を上げようとするモチベーションに繋がる。また、買い手にとっては、売り手の役務の質に応じた売出開始価格が提示されるため、役務の質が低い売り手に高額を支払うリスクが低減する。換言すると、買い手は、自己の予算と、役務の質の求めるレベルとのバランスを図りながら、購入条件を決定することができるようになり、便宜である。
【0044】
本実施形態では、出品対象受付部51は、売り手が役務の時間を出品する際に、当該役務の種類を売り手の条件として受け付ける。ここでいう役務の種類とは、図5図6でいう「小項目」に該当する。
出品対象提示部52は、出品対象及び売出開始価格と共に役務の種類を複数の買い手に提示する。例えば、売り手は、「健康相談」のみを役務として提供すると考えた場合、「健康診断」のみが買い手に提示される。
このように、役務の種類を提示することで、売り手と買い手のミスマッチを防止することができる。
つまり、例えば、売り手の情報として単なる医師のみが買い手に提示された場合、落札者が内科相談を期待していたところ、売り手は外科医師であり内科相談が不得意なときには、落札者と売り手との間にミスマッチがおこる。その結果、落札者にとっては、満足のいく役務を受けられないことになるし、売り手にとっては、おそらく低評価が落札者によりつけられて信用を落とすことになる。つまり、両者にとって不利な結果につながり、時間オークションの利用頻度が減り、時間オークションのサービス提供者(運営会社)にとっても不利な結果になる。
そこで、本実施形態では、売り手が出品時に、出品対象の役務の種類まで特定することにしている。
評価受付部57は、売り手から役務を提供された落札者が、売り手に対する評価をした場合、当該役務の種類についての当該評価として受け付ける。例えば上記の例でいえば、「健康相談」のみについて5段階評価が受け付けられることになる。
売出開始価格制限部58は、受け付けられた役務の種類についての評価に基づいて、当該役務の種類についての売り手の売出開始価格の最高額を制限する。
【0045】
図7は、売出開始価格制限部58により管理される売出開始価格上限の管理データの構造例を示している。
図7に示すように、管理データには、「ID」の項目の欄、「大項目」の欄、「小項目」の欄、「称号」の欄、「平均評価」の欄、「前回役務提供日」の欄、及び「売出開始価格上限」の欄が設けられている。
「ID」には、売り手として登録された者に一意に付される識別子が格納される。
「大項目」には、当該IDの売り手の大分類(資格等)が格納される。
「小項目」には、当該IDの売り手の小分類(提供可能な役務の種類)が格納される。
「称号」には、当該IDの売り手に対してなされた評価に基づいてサービス提供者が与える称号が小項目毎に格納される。このような称号が売り手に充てられることで、売り手にとっては、評価が上がれば良い称号を得られるので、自己が提供する役務の質を上げて評価を上げようとするモチベーションに繋がる。また、買い手にとっては、小分類毎に称号が分かれているので、その売り手の特徴、例えば、ID1の医師であれば、「外科相談」は「マスター」で高レベルだけど、「健康相談」は「見習い」で低レベルであるという特徴を即座に認識することができるので、便宜である。結果として、サービス提供者にとっては、いわゆるユーザ離れを防止することが可能になる。
「平均評価」には、当該IDの売り手がこれまでに受けてきた評価の平均値が小項目毎に格納される。本実施形態では、当該平均評価に基づいて、売出開始価格上限が決定(制限)される。
「前回役務提供日」には、当該IDの売り手が前回の落札者に対して役務を提供した日が小項目毎に格納されている。本実施形態では、平均評価のみならず、前回役務提供日も考慮されて、売出開始価格上限が決定(制限)される。例えば、前回役務提供日があまりに古い売り手は、売出開始価格上限が低くなるように決定(制限)される。これにより、売り手にとっては、時間オークションを活用しないと売出開始価格上限が低くなってしまうため、時間オークションを活用しようとするモチベーションにつながる。サービス提供者にとっては、いわゆるユーザ離れを防止することが可能になる。
なお、前回役務提供日は、例示に過ぎない。即ち、売出開始価格制限部58は、評価(本例では平均評価)と共に、前回役務提供日等の任意の別の要素に基づいて、売り手の売出開始価格の最高額を制限することができる。
「売出開始価格上限」には、当該IDの売り手に対して決定(制限)された売出開始価格上限が、小項目毎に格納されている。
【0046】
次に、図8を参照して、図4の機能的構成のサーバ1が実行するポイント管理処理について説明する。
図8は、図4の機能的構成のサーバ1が実行する時間オークション処理の流れを説明するフローチャートである。
【0047】
ステップS1において、出品対象受付部51は、出品対象の提示が売り手からあったか否かを判定する。
売手端末2からWEBオークション(webサイト)にアクセスがなされない場合には、ステップS1においてNOであると判定されて、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、出品対象受付部51は、処理の終了の指示がなされたか否かを判定する。
処理の終了の指示は、特に限定されず、例えばサーバ1の電源遮断の指示を処理の終了の指示として採用することができる。
このような処理の終了の指示がなされた場合には、ステップS13においてYESであると判定されて、時間オークション処理は終了となる。
これに対して、処理の終了の指示がなされない場合には、ステップS13においてNOであると判定されて、処理はステップS1に戻されそれ以降の処理が繰り返される。即ち、処理の終了が指示されない状態で、売手端末2からWEBオークション(webサイト)にアクセスがなされない場合には、ステップS1NO及びS13NOのループ処理が繰り返し実行されて、時間オークション処理は待機状態になる。
売手端末2からWEBオークション(webサイト)にアクセスがなされて、出品対象の提示があった場合、ステップS1においてYESであると判定されて、処理はステップS2に進む。
【0048】
ステップS2において、出品対象受付部51は、売出開始価格は制限以下か否かを判定する。
具体的には例えば、出品対象受付部51は、提示された出品対象についての役務の種類と、売り手が要求する売出開始価格を認識し、図7の管理データと対比することにより、売出開始価格は制限以下か否かを判定する。
具体的には例えば、ID1の医師が売り手として、「内科相談」について35,000円の売出開始価格を要求してきた場合、図7の「内科相談」の売出開始価格上限(制限)である30,000円を超えているので、ステップS2においてNOであると判定され、処理はステップS13に進み、それ以降の処理が実行される。つまり、売出開始価格が制限以下となるまで、ステップS1YES,S2NO,S13NOの処理が繰り返されて、時間オークション処理は待機状態になる。
これに対して、ID1の医師が売り手として、「内科相談」について28,000円の売出開始価格を要求してきた場合、図7の「内科相談」の売出開始価格上限(制限)である30,000円よりも低いので、ステップS2においてYESであると判定され、処理はステップS3に進む。
【0049】
ステップS3において、出品対象受付部51は、出品対象を受け付ける。
ステップS4において、出品対象提示部52は、出品対象をWEBオークションに掲載する等によって、複数の買い手に提示する。
【0050】
ステップS5において、購入条件受付部53は、買い手から購入条件が送信されてきたか否かを判定する。
買手端末3−1〜3−nの何れからもWEBオークション(webサイト)にアクセスがなされない場合には、ステップS5においてNOであると判定されて、処理はステップS7に進む。
ステップS7において、購入条件受付部53は、購入条件の受け付けを締め切るか否かを判定する。
締め切りの条件は、特に限定されず、例えば所定の時間が経過したこと等の条件を採用することができる。
当該締め切りの条件が満たされない場合、ステップS7においてNOであると判定されて、処理はステップS5に戻される。
ここで、1つの買手端末3から購入条件が送信されてきた場合、ステップS5においてYESであると判定されて、処理はステップS6に進む。
ステップS6において、購入条件受付部53は、当該買い手から購入条件を受け付ける。
その後処理はステップS7に進む。即ち、所定の時間が経過する等の締め切りの条件が満たされない限り、ステップS5乃至S7のループ処理が繰り返し実行されて、買い手から購入条件が送信されてくる毎に当該購入条件が逐次受け付けられる。ここで、同一の買い手であっても、売り手にとってよい購入条件(高い金額)が新たに送信されてきた場合には、当該購入条件(高い金額)が受け付けられるものとする。
所定の時間が経過する等の締め切りの条件が満たされると、ステップS7においてYESであると判定されて、処理はステップS8に進む。
【0051】
ステップS8において、落札者候補決定部54は、複数の買い手の夫々の購入条件に基づいて、前記複数の買い手の中から落札者候補を決定して、売手端末2を介して売り手に通知(オファー)する。
【0052】
ステップS9において、落札者受付部55は、売り手から、売手端末2を介して、落札者候補の中から1の者を落札者として確定した旨、即ち売り手により指示された落札者を受け付ける。
【0053】
ステップS10において、落札者通知部56は、落札者に対して、当該落札者の買手端末3を介して、落札した旨を通知する。
【0054】
このような落札者通知部56の通知により、売り手の出品対象についての時間オークション自体は終了する。
その後、売り手は、落札者に対して、出品対象の内容に従って役務を提供することになる。本実施形態では、上述のように、落札者は、買手端末3−kを操作してWEBオークション(webサイト)にアクセスして、評価投稿画面において評価を入力する。これにより、処理はステップS11に進む。
【0055】
ステップS11において、評価受付部57は、落札者から売り手の評価を取得する。
ステップS12において、売出開始価格制限部58は、売り手の売出開始価格の制限を更新する。なお、ここでいう更新は、0更新、即ち売出開始価格の上限を変化させずに維持することも含むものとする。
これにより、処理はステップS13に進み、上述した処理が実行される。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0057】
例えば上述の実施形態では、売り手は、医師等の資格者(専門家)とされたが、特にこれに限定されず、任意の役務を提供し得る者であれば誰でもよい。
例えば、顧客が欲しい小規模事業主を、売り手として採用することができる。
例えば、サービス業、美容、マッサージ、家庭教師、語学、スポーツ、趣味等にかんして、任意の役務(相談や教えること等含む)を提供することが可能な任意の者を、売り手として採用することができる。
例えば、時間や場所の制約がある事業主を、売り手として採用することができる。
例えば、飲食店、ホテル業、スポーツ施設等のオーナや従業員を、売り手として採用することができる。
例えば、レストランのオーナにとっては、予約を受け付けたものが突然キャンセルした場合等において、そのキャンセルで生じた時間枠を第三者にオークションをかけて譲ることもできる。このような例について、図9を参照して説明する。
【0058】
図9は、情報処理システムSにより実現される時間オークションのサービスの一例であって、図2とは異なる例を示している。
【0059】
図9の例では、売り手は、レストランのオーナーであるものとする。
出品対象等は、「売出内容」として売り手により提示される。
図9の例では、売り手が提供する役務は、レストランにおける飲食物の提供である。
また、その役務の時間は、「1、時間は7〜9時までの間」である。
さらに売り手は、上述の如く、当該役務の時間を出品する際に、売出開始価格を条件として提示することができる。図9の例では、売出開始価格は、「2、コース料金1万円」である。ここで、コース料金は、通常メニューに掲載されている料金と同一にしてもよいし、それより高く設定してもよいし、或いは低く設定してもよい。なぜならば、あくまでも時間オークションでは、役務を提供する時間を売るという概念であり、当該時間に応じて価格は変化してもよいものだからである。
【0060】
売り手は、売手端末2を操作して、サーバ1が運営するWEBオークション(webサイト)にアクセスし、このような「売出内容」を提示することで売り出しをする。
n人の買い手の夫々は、自己の買手端末3を操作して、当該WEBオークションにアクセスし、買い手が提示した「売出内容」をみて、所定の購入条件(図9の例では金額)を提示する。
すると、サーバ1は、一定の条件を満たす買い手(例えば最高額を購入条件として提示した買い手)を落札者候補として決定し、売り手にオファーする。
なお、図2の例では、売出開始価格以上で購入条件が買い手から提示されたが、図9の例では、売出開始価格以下で購入条件が買い手から提示される。
つまり、売り手は、売手端末2を介して、1人以上の落札者候補がWEBオークション(サーバ1)からオファーされるので、その中で所望の1人を落札者として受諾する旨をWEBオークション(サーバ1)に通知する。
なお、売り手は、落札者として1人も受諾しない旨をWEBオークション(サーバ1)に通知することもできるものとする。この場合、WEBオークション(サーバ1)は、新たな落札者候補を決定して再オファーしてもよいし、本件オークションを終了してもよい。
また、図9の例では、落札者は、売り手から役務の提供を受ける際に、その対価を売り手に直接現金で支払い、落札者に対する評価をWEBオークション(サーバ1)に通知する。ただし、これらは例示に過ぎず、例えばWEBオークション(サーバ1)が課金処理を実行してもよい。
また、図9の例では、サービス提供者(WEBオークションの運営会社)のサービス提供に対する対価は、売り手からの成功報酬としているが、これは例示に過ぎず、例えば、会員制にして会費として予め徴収してもよいし、買い手側から徴収してもよい。
【0061】
要するに、本発明が適用される情報処理装置は、上述の実施形態のサーバ1に限定されず、次のような情報処理装置であれば足り、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等で構成されてもよい。
即ち、情報処理装置は、
売り手が提供する役務の時間を、出品対象として受け付ける出品対象受付手段と、
前記出品対象を複数の買い手に提示する出品対象提示手段と、
前記複数の買い手の夫々から、購入条件を受け付ける購入条件受付手段と、
前記複数の買い手の夫々の前記購入条件に基づいて、前記複数の買い手の中から落札者候補を決定して、前記売り手に通知する落札者候補決定手段と、
前記売り手から、前記落札者候補の中から1の者を前記落札者として確定した旨を受け付ける落札者受付手段と、
を備える。
このようにして、新たなオークションとして、時間オークションのサービスが実現可能になる。
即ち、人類は公平であるならば、人類(単に人だけではなく、人類に関わる物やサービス)の時間は、人類のために公平かつ合理的に活かすべきであり、このためには時間オークションは好適である。
つまり、売り手は、自分自身(私)の時間や、自分自身にかかわる物やサービスの時間を、人(自然人のみならず、法人や、或いはこれらに関連する全て)のために使うことができる。この売り手についての、自分自身(私)の時間や、自分自身にかかわる物やサービスの時間は、買い手がいるオークションによって決められる。ただし、その売り先(落札者)は、売り手の意思で決めることができる。
このような新たな形態のオークションが、時間オークションで実現可能になる。
【0062】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がサーバ1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0063】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0064】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0065】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0066】
1・・・サーバ、2・・・売手端末、3・・・買手端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、51・・・出品対象受付部、52・・・出品対象提示部、53・・・購入条件受付部、54・・・落札者候補決定部、55・・・落札者受付部、56・・・落札者通知部、57・・・評価受付部、58・・・売出開始価格制限部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9