(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6507164
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】流体クイックコネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
F16L 37/088 20060101AFI20190415BHJP
F16L 37/12 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
F16L37/088
F16L37/12
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-535654(P2016-535654)
(86)(22)【出願日】2014年12月2日
(65)【公表番号】特表2017-502217(P2017-502217A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】US2014068044
(87)【国際公開番号】WO2015084782
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2017年10月11日
(31)【優先権主張番号】61/910,555
(32)【優先日】2013年12月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/972,369
(32)【優先日】2014年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502393914
【氏名又は名称】クーパー−スタンダード オートモーティブ、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ゴチャ、 ケネス
(72)【発明者】
【氏名】クリンガー、 ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリクセン、 スティーブ
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−133915(JP,A)
【文献】
特開2011−174508(JP,A)
【文献】
特開2009−257583(JP,A)
【文献】
特開2004−251319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/088
F16L 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体クイックコネクタ組立体であって、
エンドフォームを収容するように構成された通路を有するハウジングと、
リテーナであって、ブリッジと、前記ブリッジから延びるビームと、前記リテーナが係合位置にあるときに前記エンドフォームを前記ハウジングの通路内に保持する、前記ブリッジから延びる2つのリテーナアームと、前記係合位置へ移動中の前記リテーナを導く、前記ブリッジから延びる2つのガイド脚部とを含み、前記ブリッジ、前記ビーム、前記2つのリテーナアーム、及び前記2つのガイド脚部は一体的な単一の単体部品であり、前記ビームは前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記エンドフォームと接触する、リテーナと
を含み、
前記ハウジングは第1部分と、第2部分と、第3部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分はそれらの間に第1空間を画定して第1フランジによって接続され、前記第2部分と前記第3部分はそれらの間に第2空間を画定して第2フランジによって接続され、前記2つのリテーナアームは前記第1空間内に収容され、前記2つのガイド脚部は前記第2空間に収容され、
前記ハウジングの第2部分は止め具を含み、前記2つのリテーナアームは各々、前記リテーナが前記係合位置へ移動するのを防止するために前記ハウジングの止め具と係合するかぎ状突起を含む、流体クイックコネクタ組立体。
【請求項2】
前記エンドフォームは環状ビードを有する管状体を含み、前記ビームは、冗長ラッチを提供するために前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記環状ビードの軸方向前方に配置される、請求項1に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【請求項3】
前記ビームは曲面状の下面を有する、請求項1に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【請求項4】
前記リテーナの2つのリテーナアームは各々、アップセット接触タブを含み、前記リテーナが前記係合位置へ移動できるようにするために前記かぎ状突起を前記止め具から外すように前記2つのリテーナアームを外側に付勢するべく、前記エンドフォームの環状ビードが前記アップセット接触タブと係合する、請求項1に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【請求項5】
前記リテーナが前記係合位置にあるとき、前記2つのリテーナアームは前記エンドフォームを前記ハウジング内に固定するために内側に偏る、請求項4に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【請求項6】
流体クイックコネクタ組立体であって、
エンドフォームを収容するように構成された通路を有するハウジングと、
リテーナであって、ブリッジと、前記ブリッジから延びるビームと、前記リテーナが係合位置にあるときに前記エンドフォームを前記ハウジングの通路内に保持する、前記ブリッジから延びる2つのリテーナアームと、前記係合位置へ移動中の前記リテーナを導く、前記ブリッジから延びる2つのガイド脚部とを含み、前記ブリッジ、前記ビーム、前記2つのリテーナアーム、及び前記2つのガイド脚部は一体的な単一の単体部品であり、前記ビームは前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記エンドフォームと接触する、リテーナと
を含み、
前記ハウジングは第1部分と、第2部分と、第3部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分はそれらの間に第1空間を画定して第1フランジによって接続され、前記第2部分と前記第3部分はそれらの間に第2空間を画定して第2フランジによって接続され、前記2つのリテーナアームは前記第1空間内に収容され、前記2つのガイド脚部は前記第2空間に収容され、
前記ハウジングの第2部分は第1戻り止めを含み、前記リテーナの2つのリテーナアームは第2戻り止めを含み、前記第1戻り止めと前記第2戻り止めは、前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記リテーナが前記ハウジングから外れるのを防止するために係合する、流体クイックコネクタ組立体。
【請求項7】
流体クイックコネクタ組立体であって、
エンドフォームを収容するように構成された通路を有するハウジングと、
リテーナであって、ブリッジと、前記ブリッジから延びるビームと、前記リテーナが係合位置にあるときに前記エンドフォームを前記ハウジングの通路内に保持する、前記ブリッジから延びる2つのリテーナアームと、前記係合位置へ移動中の前記リテーナを導く、前記ブリッジから延びる2つのガイド脚部とを含み、前記ブリッジ、前記ビーム、前記2つのリテーナアーム、及び前記2つのガイド脚部は一体的な単一の単体部品であり、前記ビームは前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記エンドフォームと接触する、リテーナと
を含み、
前記ハウジングは第1部分と、第2部分と、第3部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分はそれらの間に第1空間を画定して第1フランジによって接続され、前記第2部分と前記第3部分はそれらの間に第2空間を画定して第2フランジによって接続され、前記2つのリテーナアームは前記第1空間内に収容され、前記2つのガイド脚部は前記第2空間に収容され、
前記2つのガイド脚部は各々、上部戻り止めと、下部戻り止めと、それらの間に位置する中央戻り止めとを含む、流体クイックコネクタ組立体。
【請求項8】
前記リテーナがサービス位置にあるとき、前記第1フランジが前記中央戻り止めと前記下部戻り止めとの間に位置し、前記リテーナが出荷位置にあるとき、第1フランジが前記中央戻り止めと前記上部戻り止めとの間に位置し、前記リテーナが前記係合位置にあるとき、前記上部戻り止めが前記第1フランジのスロット内に収容される、請求項7に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【請求項9】
前記2つのリテーナアームの各々は、前記エンドフォームの環状ビードが係合する、面取りされた内側面を含む、請求項1に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【請求項10】
流体クイックコネクタ組立体であって、
環状ビードを有する管状体を含むエンドフォームと、
前記エンドフォームを収容するように構成された通路を有するハウジングであって、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分はそれらの間に第1空間を画定して第1フランジによって接続され、前記第2部分と前記第3部分はそれらの間に第2空間を画定して第2フランジによって接続されている、ハウジングと、
ブリッジと、前記ブリッジから延びるビームとを含むリテーナであって、前記ビームは曲面状の下面を有し、前記リテーナは、前記リテーナが係合位置にあるときに前記エンドフォームを前記ハウジングの通路内に保持する、前記ブリッジから延びる2つのリテーナアームと、前記係合位置へ移動中の前記リテーナを導く、前記ブリッジから延びる2つのガイド脚部とを含み、前記ブリッジ、前記ビーム、前記2つのリテーナアーム、及び前記2つのガイド脚部は、一体的な単一の単体部品であり、前記ビームは、前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記エンドフォームと接触し、前記ビームは、冗長ラッチを提供するために前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記環状ビードの軸方向前方に配置され、前記2つのリテーナアームは前記ハウジングの第1空間に収容され、前記2つのガイド脚部は前記ハウジングの第2空間に収容される、リテーナと
を含み、
前記ハウジングの第2部分は止め具を含み、前記2つのリテーナアームは各々、前記リテーナが前記係合位置へ移動するのを防止するために前記ハウジングの止め具と係合するかぎ状突起を含む、流体クイックコネクタ組立体。
【請求項11】
前記リテーナの2つのリテーナアームは各々、アップセット接触タブを含み、前記リテーナが前記係合位置へ移動できるようにするために前記かぎ状突起を前記止め具から外すように前記2つのリテーナアームを外側に付勢するべく、前記エンドフォームの環状ビードが前記アップセット接触タブと係合する、請求項10に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【請求項12】
前記リテーナが前記係合位置にあるとき、前記2つのリテーナアームは前記エンドフォームを前記ハウジング内に固定するために内側に偏る、請求項11に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【請求項13】
流体クイックコネクタ組立体であって、
環状ビードを有する管状体を含むエンドフォームと、
前記エンドフォームを収容するように構成された通路を有するハウジングであって、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分はそれらの間に第1空間を画定して第1フランジによって接続され、前記第2部分と前記第3部分はそれらの間に第2空間を画定して第2フランジによって接続されている、ハウジングと、
ブリッジと、前記ブリッジから延びるビームとを含むリテーナであって、前記ビームは曲面状の下面を有し、前記リテーナは、前記リテーナが係合位置にあるときに前記エンドフォームを前記ハウジングの通路内に保持する、前記ブリッジから延びる2つのリテーナアームと、前記係合位置へ移動中の前記リテーナを導く、前記ブリッジから延びる2つのガイド脚部とを含み、前記ブリッジ、前記ビーム、前記2つのリテーナアーム、及び前記2つのガイド脚部は、一体的な単一の単体部品であり、前記ビームは、前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記エンドフォームと接触し、前記ビームは、冗長ラッチを提供するために前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記環状ビードの軸方向前方に配置され、前記2つのリテーナアームは前記ハウジングの第1空間に収容され、前記2つのガイド脚部は前記ハウジングの第2空間に収容される、リテーナと
を含み、
前記ハウジングの第2部分は第1戻り止めを含み、前記リテーナの2つのリテーナアームは第2戻り止めを含み、前記第1戻り止めと前記第2戻り止めは前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記リテーナが前記ハウジングから外れるのを防止するために係合する、流体クイックコネクタ組立体。
【請求項14】
流体クイックコネクタ組立体であって、
環状ビードを有する管状体を含むエンドフォームと、
前記エンドフォームを収容するように構成された通路を有するハウジングであって、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分はそれらの間に第1空間を画定して第1フランジによって接続され、前記第2部分と前記第3部分はそれらの間に第2空間を画定して第2フランジによって接続されている、ハウジングと、
ブリッジと、前記ブリッジから延びるビームとを含むリテーナであって、前記ビームは曲面状の下面を有し、前記リテーナは、前記リテーナが係合位置にあるときに前記エンドフォームを前記ハウジングの通路内に保持する、前記ブリッジから延びる2つのリテーナアームと、前記係合位置へ移動中の前記リテーナを導く、前記ブリッジから延びる2つのガイド脚部とを含み、前記ブリッジ、前記ビーム、前記2つのリテーナアーム、及び前記2つのガイド脚部は、一体的な単一の単体部品であり、前記ビームは、前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記エンドフォームと接触し、前記ビームは、冗長ラッチを提供するために前記リテーナが前記係合位置にあるときに前記環状ビードの軸方向前方に配置され、前記2つのリテーナアームは前記ハウジングの第1空間に収容され、前記2つのガイド脚部は前記ハウジングの第2空間に収容される、リテーナと
を含み、
前記2つのガイド脚部は各々、上部戻り止めと、下部戻り止めと、それらの間に位置する中央戻り止めとを含む、流体クイックコネクタ組立体。
【請求項15】
前記リテーナがサービス位置にあるとき、前記第1フランジが前記中央戻り止めと前記下部戻り止めとの間に位置し、前記リテーナが出荷位置にあるとき、前記第1フランジが前記中央戻り止めと前記上部戻り止めとの間に位置し、前記リテーナが前記係合位置にあるとき、前記上部戻り止めが前記第1フランジのスロット内に収容される、請求項14に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【請求項16】
前記2つのリテーナアームの各々は、前記エンドフォームの環状ビードが係合する、面取りされた内側面を含む、請求項10に記載の流体クイックコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年3月30日に出願された米国仮特許出願第61/972369号及び2013年12月2日に出願された米国仮特許出願第61/910555号の優先権を主張する。
【0002】
発明の背景
エンドフォームをハウジング内にリテーナで解放可能に保持するために、クイックコネクタ組立体が使用される。クイックコネクタ組立体は、流体システムに使用することができる。従前のクイックコネクタ組立体は、別個のラッチと、ラッチによってエンドフォームが適切に固定されていることを確認するために別個の確認機構を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の例示的な実施形態による流体クイックコネクタ組立体は、特に、エンドフォームを収容するように構成された通路を有するハウジングと、ブリッジを含むリテーナとを含む。ブリッジからビームが延びている。リテーナが係合位置にあるときに雄型エンドフォームをハウジングの通路内に保持するために、2つのリテーナアームがブリッジから延びている。係合位置へ移動中のリテーナを導く2つのガイド脚部がブリッジから延びている。ブリッジ、ビーム、2つのリテーナアーム、及び2つのガイド脚部は、一体的な単一の単体部品であり、ビームはリテーナが係合位置にあるときにエンドフォームと接触する。
【0004】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、エンドフォームは環状ビードを有する管状体を含み、ビームは、冗長ラッチを提供するためにリテーナが係合位置にあるときに環状ビードの軸方向前方に配置される。
【0005】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、ビームは曲面状の下面を有する。
【0006】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、ハウジングは、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含む。第1部分と第2部分は第1フランジによって接続され、それらの間に第1空間が画定されている。第2部分と第3部分は第2フランジによって接続され、それらの間に第2空が画定されている。2つのリテーナアームは第1空間に収容され、2つのガイド脚部は第2空間に収容されている。
【0007】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、ハウジングの第2部分は止め具を含み、2つのリテーナアームは各々、リテーナが係合位置へ移動するのを防止するためにハウジングの止め具と係合する、かぎ状突起を含む。
【0008】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、リテーナの2つのリテーナアームは各々、アップセット接触タブを含み、リテーナが係合位置へ移動できるようにするためにかぎ状突起を止め具から外すように2つのリテーナアームを外側へ付勢するべく、エンドフォームの環状ビードがアップセット接触タブと係合する。
【0009】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、リテーナが係合位置にあるとき、2つのリテーナアームはエンドフォームをハウジング内に固定するために内側に偏る。
【0010】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、ハウジングの第2部分は第1戻り止めを含み、リテーナの2つのリテーナアームは第2戻り止めを含む。第1戻り止めと第2戻り止めは、リテーナが係合位置にあるときにリテーナがハウジングから外れるのを防止するために係合する。
【0011】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、2つのガイド脚部は各々、上部戻り止めと、下部戻り止めと、それらの間に位置する中央戻り止めとを含む。
【0012】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、リテーナがサービス位置にあるとき、第1フランジは中央戻り止めと下部戻り止めとの間に位置し、リテーナが出荷位置にあるとき、第1フランジは中間戻り止めと上部戻り止めとの間に位置し、リテーナが係合位置にあるとき、上部戻り止めは第1フランジのスロット内に収容されている。
【0013】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、2つのリテーナアームの各々は、エンドフォームの環状ビードが係合する、面取りされた内側面を含む。
【0014】
本開示の例示的な実施形態による流体クイックコネクタ組立体は、特に、環状ビードを有する管状体を含むエンドフォームを含む。ハウジングが、エンドフォームを収容するように構成された通路を有する。ハウジングは、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含む。第1部分と第2部分は第1フランジによって接続され、それらの間に第1空間が画定されている。第2部分と第3部分は第2フランジによって接続され、それらの間に第2空が画定されている。リテーナがブリッジを含む。ブリッジからビームが延びている。ビームは曲面状の下面を有する。リテーナは、リテーナが係合位置にあるときに雄型エンドフォームをハウジングの通路内に保持するためにブリッジから延びる2つのリテーナアームを含む。係合位置へ移動中のリテーナを導く2つのガイド脚部がブリッジから延びている。ブリッジ、ビーム、2つのリテーナアーム、及び2つのガイド脚部は一体的な単一の単体部品である。ビームは、リテーナが係合位置にあるときにエンドフォームに接触する。ビームは、冗長ラッチを提供するためにリテーナが係合位置にあるときに環状ビードの軸方向前方に配置される。2つのリテーナアームはハウジングの第1空間に収容され、2つのガイド脚部はハウジングの第2空間に収容されている。
【0015】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、ハウジングの第2部分は止め具を含み、2つのリテーナアームは各々、リテーナが係合位置へ移動するのを防止するためにハウジングの止め具と係合する、かぎ状突起を含む。
【0016】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、リテーナの2つのリテーナアームは各々、アップセット接触タブを含み、リテーナが係合位置へ移動できるようにするためにかぎ状突起を止め具から外すように2つのリテーナアームを外側へ付勢するべく、エンドフォームの環状ビードがアップセット接触タブと係合する。
【0017】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、リテーナが係合位置にあるとき、2つのリテーナアームはエンドフォームをハウジング内に固定するために内側に偏る。
【0018】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、ハウジングの第2部分は第1戻り止めを含み、リテーナの2つのリテーナアームは第2戻り止めを含み、第1戻り止めと第2戻り止めはリテーナが係合位置にあるときにリテーナがハウジングから外れるのを防止するために係合する。
【0019】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、2つのガイド脚部は各々、上部戻り止めと、下部戻り止めと、それらの間に位置する中央戻り止めとを含む。
【0020】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、リテーナがサービス位置にあるとき、第1フランジは中央戻り止めと下部戻り止めとの間に位置し、リテーナが出荷位置にあるとき、第1フランジは中央戻り止めと上部戻り止めとの間に位置し、リテーナが係合位置にあるとき、上部戻り止めは第1フランジのスロット内に収容されている。
【0021】
上記流体クイックコネクタ組立体の更なる実施形態において、2つのリテーナアームの各々は、エンドフォームの環状ビードが係合する、面取りされた内側面を含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】係合位置にあるクイックコネクタ組立体の斜視図を示す。
【
図10】サービス位置にあるクイックコネクタ組立体の側面図を示す。
【
図11】サービス位置にあるクイックコネクタ組立体の斜視図を示す。
【
図12】出荷位置にあるクイックコネクタ組立体の側面図を示す。
【
図13】出荷位置にあるクイックコネクタ組立体の斜視図を示す。
【
図14】
図13の線14−14に沿って切断され、エンドフォームが仮想線で示される、出荷位置にあるクイックコネクタ組立体の断面斜視図を示す。
【
図15】出荷位置にあり、エンドフォームのビードがリテーナ/確認機構のリテーナアームと係合し且つ外側に付勢しているときの、クイックコネクタ組立体の断面斜視図を示す。
【
図16】係合位置にあるクイックコネクタ組立体の側面図を示す。
【
図17】
図16の線17−17に沿って切断された、係合位置にあるクイックコネクタ組立体の断面斜視図を示す。
【
図18】係合位置にあるクイックコネクタ組立体の正面図を示す。
【
図19】出荷位置にある第2のクイックコネクタ組立体の断面側面図を示す。
【
図21】第2のクイックコネクタ組立体のハウジングの斜視図を示す。
【
図25】
図22の線25−25に沿って切断された、ハウジングの断面正面図を示す。
【
図26】第2のクイックコネクタ組立体のリテーナの正面図を示す。
【
図30】第2のクイックコネクタ組立体の確認機構の正面図を示す。
【
図32】出荷位置にある第2のクイックコネクタ組立体の側面図を示す。
【
図33】
図32の線33−33に沿って切断された、出荷位置にある第2のクイックコネクタ組立体の断面正面図を示す。
【
図34】出荷位置にある第2のクイックコネクタ組立体の側面図を示す。
【
図35】
図34の線35−35に沿って切断された、出荷位置にある第2のクイックコネクタ組立体の断面正面図を示す。
【
図36】係合位置にある第2のクイックコネクタ組立体の側面図を示す。
【
図37】
図36の線37−37に沿って切断された、係合位置にある第2のクイックコネクタ組立体の断面正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、クイックコネクタ組立体20を示す。クイックコネクタ組立体20は、ハウジング22と、リテーナ/確認機構24と、エンドフォーム26とを含む。リテーナ/確認機構24は、エンドフォーム26をハウジング22内に保持する。前方向を方向Xと定義し、後方向を方向Yと定義する。上方向を方向Aと定義し、下方向を方向Bと定義する。
【0024】
図2に示すように、エンドフォーム26は、筒状体28と、筒状体28から円周方向に包囲する環状ビード30とを含む。
【0025】
図3、4及び5は、ハウジング22を示す。ハウジング22は、プラスチック管又はゴムホース(図示せず)内に収容可能なステム58を含む。ハウジング22は、エンドフォーム26を収容する通路32を含む。ハウジング22は、第1開口部36を有する第1部分34と、第1開口部36及び通路32と整列された第2開口部42を有する第2部分38とを含む。第1部分34は、第2部分38の軸方向前方に配置され、フランジ46によって第2部分38に取り付けられている。第1部分34と第2部分38との間には空間44が画定されている。フランジ50が第2部分38の後方に延び、第2部分38と第3部分56の間で通路32の両側に空間48を画定するように、第3部分56に取り付けられている。各フランジ50の外面は、下面54まで下方に延びるスロット52を含む。
【0026】
止め具60が空間44内で第2部分38の前面に位置し、止め具60の各上角部に突起69を含む。実質的に三角形の戻り止め62が、ハウジング22の底部付近で通路32の両側において第2部分38の背面側に位置する。各戻り止め62は、第2部分38に対して実質的に垂直な係止面66と、第2部分38へと上方に延びる傾斜面64とを含む。係止面66は傾斜面64より下に位置する。
【0027】
リテーナ/確認機構24は、単一の一体的な単体モノリシック部品である。リテーナ/確認機構24は、上フランジ68と、上フランジ68から下方に延びる2つのリテーナアーム70と、上フランジ68から下方に延びる2つのガイド脚部72とを含む。2つのリテーナアーム70は、ガイド脚部72の前方且つ内側に位置する。
【0028】
2つのリテーナアーム70は各々、エンドフォーム26のビード30がハウジング22の通路32に挿入されたときに係合することができる面取りされた面75を、各リテーナアーム70の前方内側面に含む。2つのリテーナアーム70の各々の背面が、かぎ状突起74を含み、かぎ状突起74は各々、底面に位置する凹部71を有する。アップセット接触タブ76が、各かぎ状突起74より上に位置する。曲面状の下面80を有するビーム78が、2つのリテーナアーム70の間で上フランジ68から下方に延びている。
【0029】
2つのガイド脚部72は各々、第1戻り止め82、第2戻り止め84、及び第3戻り止め86を有する、外側面を含む。第1戻り止め82は上フランジ68付近に位置し、第3戻り止め86は各脚部72の末端付近に位置し、第2戻り止め84は第1戻り止め82と第3戻り止め86との間に位置する。
【0030】
各ガイド脚部72の前面が、各ガイド脚部72の底面付近に実質的に三角形の戻り止め98を含む。戻り止め98は、傾斜面100と、ガイド脚部72に対して実質的に垂直な係止面102とを含む。係止面102は傾斜面100より上に位置し、傾斜面は各ガイド脚部72の末端に向かって下方に延びている。
【0031】
図10及び11は、サービス位置にあるクイックコネクタ組立体20を示す。リテーナアーム70は空間44内に位置し、ガイド脚部72は空間48内に位置する。リテーナ/確認機構24は、フランジ50が第2戻り止め84と第3戻り止め86との間に位置するように、ハウジング22に対して配置されている。
【0032】
図12〜15は、出荷位置にあるクイックコネクタ組立体20を示す。リテーナ/確認機構24は、フランジ50が第1戻り止め82と第2戻り止め84との間に位置するように、ハウジング22に対して下方に押し込まれている。ハウジング22の第2部分38の前側にある止め具60の両方の突起69が、リテーナアーム70のかぎ状突起74の凹部71に係合し(リテーナアーム70の一部は
図14に示されていない)、リテーナ/確認機構24が
図1及び
図16〜18に示す係合位置へ移動するのを防止する。
【0033】
エンドフォーム26は通路32に挿入され、ビード30はリテーナ/確認機構24のリテーナアーム70の面取りされた面75と係合し、リテーナアーム70を外側に偏らせる。ビード30がアップセット接触タブ76と係合すると、リテーナアーム70が外側に偏り、止め具60の突起69をかぎ状突起74の凹部71(
図15に示す)から離脱させる。これにより、ひいては、リテーナ/確認機構24が
図1及び
図16〜18に示す係合位置へ下方に移動することが可能になる。
【0034】
リテーナ/確認機構24が係合位置へ移動させられると、第1戻り止め82がフランジ50のスロット52内に且つ下面54より上に収容されるように、ガイド脚部72は下方に移動させられる。各ガイド脚部72の戻り止め98の傾斜面100は、ハウジング22の戻り止め62の傾斜面64に沿って移動する。リテーナ/確認機構24の戻り止め98の係止面102はその後、リテーナ/確認機構24がハウジング22から上方向に外れるのを防止するために、ハウジング22の戻り止め62の係止面66と係合する。ビード30がハウジング22のリテーナアーム70を通過すると、リテーナアーム70はそれらの元の位置まで内側に偏り、エンドフォーム26をハウジング22内に固定する。
【0035】
図18に示すように、クイックコネクタ組立体20が係合位置にあるとき、リテーナ/確認機構24のビーム78の曲面状の下面80は、エンドフォーム26のビード30の軸方向前方に配置される。ビーム78は、クイックコネクタ組立体20のハウジング22からエンドフォーム26が外れるのを防止するために、単一のプッシュロックを備えた冗長ラッチを提供する。
【0036】
図19は、出荷位置にある別のクイックコネクタ組立体120を示す。クイックコネクタ組立体120は、ハウジング122と、リテーナ124と、確認機構126と、エンドフォーム128とを含む。リテーナ124は、エンドフォーム128をハウジング122内に固定する。後方向を方向Xと定義し、前方向を方向Yと定義する。上方向を方向Aと定義し、下方向を方向Bと定義する。
図20に示すように、エンドフォーム128は、管状体130と、環状ビード132とを含む。
【0037】
図21〜25は、ハウジング122を示す。ハウジング122は、エンドフォーム128を収容する通路134を含む。ハウジング122は、第1開口部138を有する第1部分136を含み、第1部分136は第2開口部142を有する第2部分140に取り付けられている。開口部138及び142は、エンドフォーム128を収容するために通路134と整列されている。第1部分136は、第2部分140の軸方向前方に離間して配置され、それらの間に空間144が画定されている。
【0038】
第1部分136と第2部分140は、フランジ146によって接続されている。ハウジング122はまた、通路134の両側に空間148を画定するようにフランジ150によって第2部分140に接続された第3部分152を含む。フランジ150の各々は、下方棚部157まで延びるスロット154を含む。
【0039】
ハウジング122はまた、プラスチック管又はゴムホース(図示せず)内に収容可能なステム155を含む。実質的に三角形の戻り止め160が、第2部分140の背面側で通路134の両側に位置する。各戻り止め160は、第2部分140に対して実質的に垂直な係止面164と、係止面164から第2部分140へと上方に延びる傾斜面162とを含む。係止面164は、ハウジング122の底部の近くに位置する。
【0040】
図26〜29は、リテーナ124を示す。リテーナ124は、単一部品で作られた、単一の一体的な単体モノリシック部品である。リテーナ124は、上フランジ166と、上フランジ166から下方に延びる2つのリテーナアーム168と、上フランジ166から下方に延びる2つのガイド脚部170とを含む。2つのリテーナアーム168は、2つのガイド脚部170の内側に位置する。
【0041】
2つのリテーナアーム168は各々、エンドフォーム128のビード132がハウジング122に挿入されたときに係合することができる面取りされた面172を、各リテーナアーム168の前方内側面に含む。曲面状の下面176を有するビーム174が、上フランジ166から下方に延びている。リテーナ124の各リテーナアーム168の前面にあるタブ180は、エンドフォーム128が挿入されたときに引き出されるのを防止する。2つのリテーナアーム168の各々の背面が、曲面状の下面176の近くに止め具167を含む。
【0042】
2つのガイド脚部170は各々、第1戻り止め182、第2戻り止め184、及び第3戻り止め186を有する、外側面を含む。第1戻り止め182は上フランジ166付近に位置し、第3戻り止め186は各ガイド脚部170の末端付近に位置し、第2戻り止め184は第1戻り止め182と第3戻り止め186との間に位置する。
【0043】
各ガイド脚部170の前面は、ガイド脚部170の底面付近に実質的に三角形の戻り止め188を含む。戻り止め188は、傾斜面190と、ガイド脚部170に対して垂直な係止面192とを含む。係止面192は上フランジ166寄りに位置し、傾斜面190はガイド脚部170の末端に向かって下方に延びている。
【0044】
図30及び31は、確認機構126を示す。確認機構126は、ブリッジ194と、下方に延びる2つのアーム196とを含む。各アーム196は、第1傾斜面200と第2傾斜面202とを有する、実質的に三角形の止め具198を含む。端面204が、各アーム196の末端に位置する。各アーム196の内面が、内向きタブ206を含む。2つのフランジ195が、ブリッジ134から上方に延び、確認機構126をハウジング122内で中央に配置する。
【0045】
図19に戻ると、出荷位置では、エンドフォーム128がハウジング122内に完全に挿入されるまで、リテーナ124を方向Bに押し下げることができない。エンドフォーム128が完全に挿入されているが、リテーナ124が押し下げられていない場合、クイックコネクタ組立体120は役目を果たすまで更に機能する。
【0046】
図32及び33は、出荷位置にあるクイックコネクタ組立体120を示す。確認機構126は、端部204が各々リテーナ124の止め具176に接触するように、ハウジング122内に配置されている。この接触はリテーナ124が上方又は下方に移動するのを防止することができる。
【0047】
図34〜35も、出荷位置にあるクイックコネクタ組立体120を示す。エンドフォーム128が通路134に挿入されると、ビード132がリテーナ124の2つのリテーナアーム168の面取りされた面172と係合し、リテーナアーム168を外側に偏らせる。エンドフォーム128のビード132が確認機構126の内向きタブ206と係合すると、アーム196が外側に偏り、確認機構126の端部204をリテーナ124の止め具167から解放する。
【0048】
図36及び
図37に示すように、その結果、リテーナ124に対して、係合位置へ移動するように下向きに力を加えることができる。リテーナ124の戻り止め188の係止面192は、リテーナ124が上方向に外れるのを防止するために、ハウジング122の戻り止め160の係止面164と係合する。また、単一のプッシュロックを備えた冗長ラッチを提供するために、リテーナ124のビーム174の曲面状の下面176は、リテーナ124が係合位置にあるときにビード132の軸方向前方に配置される。
【0049】
前述の説明は、本発明の原理の例示にすぎない。上記の教示に照らして多くの修正及び変形が可能である。従って、添付の特許請求の範囲内で、具体的に説明された例示的な実施形態を用いるのと別の方法で発明を実施し得ることを理解すべきである。そのため、本発明の真の範囲及び内容を決定するために、以下の特許請求の範囲を検討すべきである。