【実施例】
【0041】
本開示の方法を、以下の実施例によりさらに説明するが、本開示をその範囲及び趣旨において具体的な手順及びその中に限定すると解釈しないものとする。
【0042】
(実施例1:全般的な方法)
(Precirol(登録商標)カプセル化効率)
モルホロジー及びマイクロカプセル化効率を評価するために、製造された全固体をエネルギー分散型X線分析の付いた走査型電子顕微鏡法(SEM-EDS)により分析した。この技法により、粉末の表面(深さ0.2〜10μm)の特定の原子の検出が可能である。材料の表面に検出されたヨウ素の質量パーセンテージを計算し(検出されたヨウ素、酸素、及び炭素の全質量から)、造影剤と賦形剤の標準的な物理的混合物に検出される値と比較して、カプセル化効率を推定することが可能である。以下の実施例において、0%w/wのカプセル化効率は、検出されたヨウ素のレベルが、物理的混合物中で予測されるものであり、100%w/wのカプセル化効率は、ヨウ素が全く検出されないことを意味する。負の値のカプセル化効率は、物理的混合物中で予測されるより多い造影剤が粒子表面で検出されることを意味する。イオパミドール及びイオヘキソールの分子ヨウ素含量は、全分子量の49 %w/w及び46 %w/wをそれぞれ構成する。
【0043】
(ブルナウアー-エメット-テラー表面積分析)
異なる窒素圧力で製造された粉末のそれぞれを平衡化することにより、粒子の表面に吸着された気体の量を推定できる(ラングミュア理論)。次いで、材料上の利用可能な全表面積を、異なる平衡点から描かれた近似曲線の傾き及びy切片を概算することにより計算する。
【0044】
(浸透圧)
浸透圧分析は、ある面の媒体からもう一方の面の媒体に、膜を通して水分子を移動させる溶液の推進力を測定する。膜が食道上皮であることを考察すると、高い重量オスモル濃度は、周囲組織から消化管への水の損失を意味する。
【0045】
浸透圧計での浸透圧測定を実施するために、試料を300 mgヨウ素/mL(mg I / mL)に希釈した。試料が、サンプリングセルに詰めるための水相を生み出さなかった場合、希釈を実施して15 mg I/mLを得た。噴霧凝固及び噴霧乾燥を利用するマイクロカプセル化により製造された粉末の重量オスモル濃度を測定し、純粋な造影剤のものと比較した。
【0046】
(粉末のレオロジー)
粉末の凝集力を、製造した材料のレオロジーを評価することにより測定した。Freeman社製のパウダーレオメーター、FT4型を使用して、せん断応力試験を実施した。次いで、粉末の凝集係数(cohesion coefficient)を、垂直応力対せん断応力の実験点から得られた曲線に沿ってモール円を描くことにより推定する。300 mg I/mLの濃度(GIトラック(track)画像化に使用される標準投与量)で水中で膨張した粉末で測定を実施した。
【0047】
(メルト/溶液/懸濁液調製)
システムに応じて、3つの調製物が可能であった:(1)医薬品原体(API)を、賦形剤のメルトに懸濁させた;(2) APIを、賦形剤を先に溶解させてある溶液に懸濁させた;及び(3) APIとポリマーの両方を、共通の溶媒系に溶解させた。調製物(1)を、噴霧凝固活性を支持するために使用し、調製物(2)及び/又は(3)を、噴霧乾燥を支持するために使用した。
【0048】
調製物(1):熱流体再循環システムを利用した温度制御をしながら、加熱されたビーカー中でメルトを調製した。マグネティックスターラーをビーカーに挿入して、処理を補助し均質な懸濁液を得た。以下の手順を実施した:
(a)賦形剤(Precirol(登録商標)又はGelucire(登録商標))を秤量し、ビーカーに移した;
(b)温度を、最大80℃に上げた;及び
(c)賦形剤が完全に融解した後、造影剤を、撹拌しながら、メルトに懸濁させた。
【0049】
調製物(2):噴霧乾燥懸濁液を、マグネティックスターラーを利用してガラスフラスコ中で調製し、均質な懸濁液を得た。手順は以下の通りであった:
(a)プロセス溶媒を、清潔で、風袋を差し引いて、ラベルを付けた、好適な大きさのフラスコに量り入れた。
(b)ポリマー/賦形剤を秤量し、撹拌しながらフラスコに移した;
(c)ポリマーが完全に溶解した後、造影剤を秤量し、撹拌しながらフラスコに移した;及び
(d)造影剤の均質な懸濁液が得られるまで、溶液を撹拌した。
【0050】
調製物(3):噴霧乾燥溶液を、以下の手順に従って調製した:
(a)プロセス溶媒を、清潔で、風袋を差し引いて、ラベルを付けた、好適な大きさのフラスコに量り入れた。
(b)ポリマーを秤量し、撹拌しながらフラスコに移した;
(c)ポリマーが完全に溶解した後、造影剤を秤量し、撹拌しながらフラスコに移した;及び
(d)固体が完全に溶解するまで、溶液を撹拌した。
【0051】
(実施例2:噴霧凝固手順)
1.2 mmのオリフィスが組み立てられた二流体ノズルを備えた実験室スケールの噴霧乾燥器を使用して、Precirol(登録商標)噴霧凝固試験を行った。熱流体再循環システムを組み立てて、ビーカーの温度を維持し、ノズルの先まで供給ラインを加熱した。噴霧凝固ユニットを、開回路モード、すなわち、凝固ガスの再循環なしに運転した。噴霧凝固装置の簡略化したスキームを
図1に示す。
【0052】
冷却する窒素の流れを、0.45 m
3/分(およそ30 kg/時)に調整した。運転を始める前に、ユニットをガスで安定化させ、入口温度、T_入口を、運転用に見積もった温度に調整した。
安定化の後、メルトを噴霧乾燥器に供給して運転を開始した。メルトの供給は、ビーカーの加圧により行った。供給圧力、P_供給をおよそ7バールに設定した。
【0053】
ノズル中の噴霧の後、メルトの液滴は冷却され、乾燥チャンバー中で、並流する窒素により凝結した。チャンバーを離れた後、冷却された生成物を含む流れはサイクロンに入り、そこで固体粒子は気体から分離され、ガラスフラスコに回収される。運転の最後に、供給を止め、気体流を維持して、ユニットの制御された停止を実施した。
サイクロンから回収した生成物を秤量し、最初の全固体に対する凝結した生成物の質量パーセンテージとして収率を計算した。
【0054】
(実施例3:噴霧乾燥手順)
二流体ノズル及び噴霧乾燥分散液のための0.8 mmのオリフィス又は懸濁液のマイクロカプセル化のための1.2 mmのオリフィスを備えた同じ実験室スケールのユニットを使用して、噴霧乾燥試験を行った。噴霧乾燥ユニットを開回路モードで、すなわち、乾燥ガスの再循環なしに運転した。噴霧乾燥装置の簡略化したスキームを
図2に示す。
【0055】
乾燥させる窒素の流れを、0.45 m
3/分(およそ30 kg/時)に調整した。運転を始める前に、噴霧乾燥器を、i)乾燥ガスで安定化させ、入り口温度、T_入口を、運転用に見積もった温度に調整し;次いで、ii)対応する溶媒で安定化させ、供給流量、F_供給を、運転中に噴霧されることが期待される溶媒の対応する量に調整した。溶媒による安定化の間、運転の目標出口温度、T_出口を達成するために、T_入口を調整した。
温度安定化の後、溶液/懸濁液を噴霧乾燥器に供給して、運転を開始した。安定化溶媒及び溶液の供給を、供給流量、F_供給を制御しながら、蠕動ポンプの使用により実施した。
【0056】
ノズル内の噴霧の後、溶液/懸濁液の液滴を、並流の熱い窒素により乾燥チャンバー内で乾燥させた。乾燥チャンバーを出た後、乾燥した生成物を含む流れはサイクロンに入り、そこで固体粒子が気体から分離され、ガラスフラスコに回収される。運転の最後に、供給ラインをすすぎ、ユニットの制御された停止を実施するために、供給物を安定化溶媒に替えた。
【0057】
サイクロンから回収された生成物を秤量し、噴霧乾燥器に供給された溶液/懸濁液中の全固体に対する、湿った生成物の質量パーセンテージとして収率を計算した。
超音波ノズルを使用する噴霧乾燥によるマイクロカプセル化も実施した。
【0058】
(実施例4:二次乾燥手順)
噴霧乾燥後に回収した材料を、残存溶媒含量を標準限界(エタノール: 5000;メタノール: 3000 ppm;アセトン: 5000 ppm)未満に低下させるため、二次的に乾燥させた。各バッチの二次乾燥を、窒素スウィープをしながら真空下で、60℃で24時間実施した。
【0059】
(実施例5:噴霧凝固によるイオパミドールのカプセル化)
表1は、Precirol(登録商標)を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧凝固条件、それぞれの工程収率、及び性質を略述する。
【表1】
a)サンプリングに充分な量の材料のみ考察した。API充填を試験したが、なしだった。
b)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
c)15mg I/mLの濃度で計算された値。
【0060】
ノズルの詰まりが試験3で観察された。ノズル付近の温度差を減少させ、詰まりを避けるためにT_入口を上げたが、成功しなかった。各試験の最後で、相当な量の材料がビーカー中に残っており、低い収率につながった。当業者により知られている通り、収率は、バッチサイズを増加させること、及び/又はビーカー中に残る材料の量を最低限にすること、及び/又はより効率的な回収機構を装置に加えることにより、容易に増加させることができる。
【0061】
偏光顕微鏡法(PLM)結果を
図3に表すが、粒子が球状であり、大きさが2μm〜50μmであることを示す。走査型電子顕微鏡法(SEM)結果を
図4に示す。SEM画像は、いくつかのクラスターが形成されていることと共に、不規則な粒子を示す。特定の理論に拘束はされないが、完全性の喪失は、電子線及び/若しくは分析前の試料調製のため、並びに/又は成分の低融点の結果であり得る。
【0062】
カプセル化効率は、造影剤を20%及び40%含む試料で、それぞれ72.7 %及び22.5%であった。この結果は、噴霧凝固によるイオパミドールのマイクロカプセル化が、特に、低イオパミドール/賦形剤比率で、良好なカプセル化効率をもたらすことを示唆する。
【0063】
噴霧凝固により製造された材料は、大きな粒径の結果として低い表面積を示した。表1、総表面積の項目参照。さらに、高いイオパミドール充填量でのカプセル化効率の低下は、直径がおよそ3μmである、より多くのイオパミドール粒子がカプセル化されず、高い表面積につながることを示唆する。
【0064】
20 % w/wイオパミドール充填量を含む試料を、浸透圧に関しても試験した。浸透圧は、未処理のヨウ素化された画像化剤と比べて、カプセル化した材料では低下した。
【0065】
(実施例6:噴霧乾燥によるイオパミドールの
分散)
表2は、Eudragit(登録商標)L-100(ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート))を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収量、及び性質を略述する。
【表2】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
【0066】
PLM画像化結果を
図5に表すが、粒子の大きさが2μmと10μmの間であることを示す。SEM画像化結果を
図6に表すが、不規則な粒子を示す。さらに、分解が全く観察されなかった。
【0067】
(実施例7:噴霧乾燥によるイオパミドール分散液)
表3は、HPMCAS(酢酸コハク酸ヒプロメロース、別名、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、別名、HPMC-AS)を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表3】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
【0068】
SEM画像化結果を
図7に表すが、粒径がおよそ10μmの不規則な粒子を示す。
【0069】
(実施例8:噴霧乾燥によるイオヘキソール分散液)
表4は、Eudragit L-100を使用したイオヘキソール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
図8はSEM画像化結果を示す。
【表4】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
【0070】
(実施例9:噴霧乾燥によるイオヘキソール分散液)
表5は、HPMCASを使用したイオヘキソール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表5】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
【0071】
直径が最大50μmである球状粒子が全試験で観察され、結果を
図9に示す。
【0072】
(実施例10:噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
表6は、HPMCASを使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。試験の間均質に懸濁したイオパミドールを維持するように、反応条件を変更した。
【表6】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
c)測定は、300mg I/mLの濃度で水中で膨張した粉末で実施した。
【0073】
PLM画像化結果を
図10に表すが、粒子の大きさが、試験1及び2では2μm〜20μmであり、試験3では最大150μmであることを示す。SEM画像化結果を
図11に表すが、不規則な粒子を示す。
【0074】
(実施例11:噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
表7は、Eudragit L-100を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表7】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
c)測定は、300mg I/mLの濃度で水中で膨張した粉末で実施した。
【0075】
SEM画像化結果を
図12に示す。
【0076】
(実施例12:噴霧乾燥によるイオヘキソールのカプセル化)
表8は、HPMCASを使用したイオヘキソール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表8】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
c)測定は、300mg I/mLの濃度で水中で膨張した粉末で実施した。
【0077】
SEM画像化は、試験1及び試験2で最大10μmの粒径及び試験3でそれより小さい粒径を示す。直径がおよそ30μmである球状粒子を全ての痕跡(trails)で観察したが、試験3では数が少ない(
図13)。
【0078】
(実施例13:実施例9〜12の結果の分析)
高いカプセル化効率が、噴霧乾燥により得られたほぼすべてのマイクロカプセル材料で得られた。また、噴霧乾燥によるマイクロカプセル化により製造された材料は全て類似の表面積を表したが、それらは比較的低かった。
【0079】
異なる製剤で重量オスモル濃度値を測定し、純粋な造影剤に対する、得られた改善を評価した。イオパミドール及びイオヘキソールの重量オスモル濃度(mOsmol)を、300mg I/mL及び15mg I/mLの濃度で測定し(表9)、血液と比較した。
【表9】
ND:決定せず
【0080】
噴霧乾燥法により製造された本開示のマイクロカプセル化された材料は、浸透圧を50 %以上減少させた。さらに、本開示のいくつかの材料は、装置の検出限界未満の浸透圧を有した。
【0081】
水300 mg I/mL(GIトラック画像化に使用される標準投与量)中の膨張したマイクロカプセルの凝集力を、パウダーレオメーター(Freeman社製のFT4)を利用して評価した。結果を
図14に表す。特定の理論に拘束はされないが、API含量に伴う凝集力の増加は、300 mg I/mLで設定したAPIの全濃度と相関すると考えられる。
【0082】
(実施例14:超音波ノズルを使用する噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
マイクロカプセル化効率における液滴サイズの影響を評価するために、超音波ノズルを使用して、噴霧乾燥試験を繰り返した。表10は、HPMCASを使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
図14はSEM画像化結果を示す。
【表10】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
【0083】
(実施例15:超音波ノズルを使用した噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
表11は、Eudragit L-100を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。SEM画像化は、直径が最大およそ100μmである粒子を示した。さらに、SEM画像化は、APIのほとんどが、粒子のシェルの内側に捕捉されたことを示した。
【表11】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
【0084】
(実施例16:超音波ノズルを使用した噴霧乾燥によるイオパミドールのマイクロカプセル化)
表12は、HPMCASを使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
図14はSEM画像化結果を示す。
【表12】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
【0085】
(実施例17:超音波ノズルを使用した噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
イオエキソール(Ioexol)(XR02)を懸濁状態に保ちながらEudragit L-100を可溶化させるのに使用した溶媒系は、アセトンと3.0 % w/wの脱イオン水であった。表13は、Eudragit L-100を使用したイオヘキソール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表13】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
【0086】
本明細書に記載される実施例及び実施態様は、説明目的のみのものであり、それに照らして種々の改良又は変更が当業者に示唆され、本願の趣旨及び範囲並びに添付される請求項の範囲内に組み込まれるものとすることが理解される。本明細書に引用された全ての刊行物、特許、及び特許出願は、全ての目的のために、引用により本明細書に組み込まれる。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
ヨウ素化された画像化剤及び少なくとも1種の矯味剤を含む経口製剤であって、該ヨウ素化された画像化剤と該矯味剤が固体粒子に製剤されている、前記経口製剤。
(構成2)
前記画像化剤が、イオパミドール、イオヘキソール、又はイオジキサノールである、構成1記載の経口製剤。
(構成3)
前記画像化剤が、最大約90重量%で存在する、構成1又は2記載の経口製剤。
(構成4)
前記矯味剤が、1種以上のポリマー、界面活性剤、糖、及び着香剤から選択される、構成1〜3のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成5)
ポリマー、界面活性剤、脂質又は蝋、脂肪酸、糖類、及び着香剤からなる群から選択される1種以上の賦形剤をさらに追加的に含む、構成1〜4のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成6)
前記粒子が、直径で約1〜約500μmである、構成1〜5のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成7)
前記粒子が、0.5〜100 m2/gの表面積を有する、構成1〜6のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成8)
前記粒子が、最大約500 kPaの粒子間凝集力及びピーク生体接着強度を有する、構成1〜7のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成9)
前記製剤が等浸透圧性又は低浸透圧性である、構成1〜8のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成10)
最適化された通過時間、及び/又は凝集力、及び/又は粒径、及び/又は表面積、及び/又は粘度、及び/又は味/嗜好性を有する、構成1〜9のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成11)
(a)1種以上のヨウ素化された画像化剤及び1種以上の矯味剤を含む融解した混合物をノズルに供給すること;
(b)該融解した混合物を噴霧して液滴にすること;及び
(c)該液滴を冷却して粒子にすること
を含む方法により製造された、構成1〜10のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成12)
1種以上の矯味剤が、界面活性剤及びポリマーから選択される、構成1〜11のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成13)
1種以上の矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)、及びパルミトステアリン酸グリセリルから選択される、構成12記載の経口製剤。
(構成14)
前記矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、構成12記載の経口製剤。
(構成15)
前記矯味剤が、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)である、構成12記載の経口製剤。
(構成16)
(a)1種以上のヨウ素化された画像化剤及び1種以上の矯味剤を含む融解した混合物をノズルに供給すること;
(b)該融解した混合物を噴霧して液滴にすること;及び
(c)該液滴を冷却して粒子にすること
を含む、構成1〜10及び12〜15のいずれか一項記載の製剤を製造する方法。
(構成17)
工程(a)の前に、任意に1種以上の賦形剤を含む1種以上のヨウ素化された画像化剤を融解することを含む、構成16記載の方法。
(構成18)
前記融解が、約20〜約250℃の温度で実施される、構成17記載の方法。
(構成19)
前記ノズルが、ロータリー、加圧、流体、又は超音波構成のものである、構成16〜18のいずれか一項記載の方法。
(構成20)
冷却が、気体又は液体の流れにより促進される、構成16〜19のいずれか一項記載の方法。
(構成21)
前記気体又は液体の流れが、約-40〜約100℃の初期温度である、構成20記載の方法。
(構成22)
前記気体又は液体の流れが、メルト噴霧方向に対して、並流又は向流である、構成20記載の方法。
(構成23)
前記気体又は液体の流れが、窒素、空気、二酸化炭素、又はこれらの混合物を含む気体の流れである、構成20記載の方法。
(構成24)
前記気体又は液体の流れが、液体二酸化炭素又は液体窒素を含む液体の流れと合わされた気体の流れである、構成20記載の方法。
(構成25)
(a)1種以上のヨウ素化された薬剤と1種以上の味作成剤を、溶媒又は溶媒の混合物中で混合して、溶液又は懸濁液を得ること;
(b)該溶液又は懸濁液を乾燥チャンバーに供給し噴霧して、液滴を得ること;及び
(c)該液滴を乾燥して粒子にすること
を含む方法により製造された、構成1〜10のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成26)
1種以上の矯味剤が、界面活性剤及びポリマーから選択される、構成25記載の経口製剤。
(構成27)
1種以上の矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)、及びパルミトステアリン酸グリセリルから選択される、構成26記載の経口製剤。
(構成28)
前記矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、構成26記載の経口製剤。
(構成29)
前記矯味剤が、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)である、構成26記載の経口製剤。
(構成30)
(a)1種以上のヨウ素化された薬剤と1種以上の味作成剤を、溶媒又は溶媒の混合物中で混合して、溶液又は懸濁液を得ること;
(b)該溶液又は懸濁液を乾燥チャンバーに供給し噴霧して、液滴を得ること;及び
(c)該液滴を乾燥して粒子にすること
を含む、構成1〜10及び26〜29のいずれか一項記載の製剤を製造する方法。
(構成31)
乾燥が気体の流れにより促進される、構成30記載の方法。
(構成32)
乾燥が、約20〜約300℃の温度で実施される、構成30又は31記載の方法。
(構成33)
供給が、ロータリー、加圧、流体、又は超音波構成のものであるノズルに対するものである、構成30〜32のいずれか一項記載の方法。
(構成34)
乾燥が気体の流れにより促進される、構成30〜33のいずれか一項記載の方法。
(構成35)
前記気体又は液体の流れが、メルト噴霧方向に対して並流である、構成34記載の方法。
(構成36)
前記気体の流れが、窒素、空気、二酸化炭素、又はこれらの混合物を含む、構成34記載の方法。
(構成37)
前記気体の流れが熱い窒素である、構成36記載の方法。
(構成38)
構成1〜15及び25〜29のいずれか一項の経口製剤の、消化管の画像化のための使用。
(構成39)
前記消化管が上部トラックである、構成38記載の使用。
(構成40)
患者に、構成1〜15及び25〜29のいずれか一項記載の経口製剤を投与することを含む、該患者の消化管を画像化する方法。
(構成41)
前記消化管が上部消化管である、構成40記載の方法。