特許第6507166号(P6507166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6507166
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】造影媒体矯味製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 49/04 20060101AFI20190415BHJP
   A61K 9/50 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
   A61K49/04 210
   A61K9/50
   A61K47/38
   A61K47/32
   A61K47/14
【請求項の数】31
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2016-536631(P2016-536631)
(86)(22)【出願日】2014年12月4日
(65)【公表番号】特表2016-539159(P2016-539159A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(86)【国際出願番号】IB2014003029
(87)【国際公開番号】WO2015082998
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2017年10月20日
(31)【優先権主張番号】61/911,950
(32)【優先日】2013年12月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315015195
【氏名又は名称】ホビオネ サイエンティア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】コートニー ルース スミス
(72)【発明者】
【氏名】マルシオ テムテム
(72)【発明者】
【氏名】コンラド ウインタース
【審査官】 馬場 亮人
(56)【参考文献】
【文献】 蘭国特許出願公開第09202136(NL,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0180920(US,A1)
【文献】 米国特許第05019370(US,A)
【文献】 特開昭51−104020(JP,A)
【文献】 特開平06−025016(JP,A)
【文献】 特開2009−143879(JP,A)
【文献】 MOHAMED AMIR I,ROLE OF PLGA-NANOPARTICLES FORMULATION TO IMPROVE DRUG RADIOPROTECTIVE 以下備考,ACTA FARMACEUTICA BONAERENSE,AR,COLEGIO DE FARMACEUTICOS,2013年 8月 1日,VOL:32, NR:6,,PAGE(S):809 - 816,ACTIVITY IN GAMMA-IRRADIATED MICE,URL,http://opus.bath.ac.uk/36763/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 49/04
A61K 9/50
A61K 47/14
A61K 47/32
A61K 47/38
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨウ素化された画像化剤及び少なくとも1種の矯味剤を含む経口製剤であって、
該ヨウ素化された画像化剤が、該矯味剤にカプセル化されて固体粒子となり、
該ヨウ素化された画像化剤が、1つ以上のヨウ素置換基を含む水溶性の有機又はポリマー性化合物であり、かつ
該矯味剤が、1種以上のポリマー、界面活性剤、糖、及び着香剤から選択される、前記経口製剤。
【請求項2】
前記画像化剤が、イオパミドール、イオヘキソール、又はイオジキサノールである、請求項1記載の経口製剤。
【請求項3】
前記画像化剤が、最大90重量%で存在する、請求項1又は2記載の経口製剤。
【請求項4】
1種以上の矯味剤が、界面活性剤及びポリマーから選択される、請求項1〜3のいずれか一項記載の経口製剤。
【請求項5】
1種以上の矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)、及びパルミトステアリン酸グリセリルから選択される、請求項4記載の経口製剤。
【請求項6】
前記矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項4記載の経口製剤。
【請求項7】
前記矯味剤が、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)である、請求項4記載の経口製剤。
【請求項8】
1種以上の賦形剤をさらに追加的に含み、該賦形剤が、ポリマー、界面活性剤、脂質又は蝋、脂肪酸、糖類、及び着香剤からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項記載の経口製剤。
【請求項9】
前記粒子が、直径が1〜500μmである、請求項1〜8のいずれか一項記載の経口製剤。
【請求項10】
前記粒子が、ブルナウアー-エメット-テラー(BET)表面積法を使用して測定した0.5〜100 m2/gの表面積を有する、請求項1〜9のいずれか一項記載の経口製剤。
【請求項11】
前記粒子が、パウダーレオメーターを使用して測定した、最大500 kPaの粒子間凝集力及びピーク生体接着強度を有する、請求項1〜10のいずれか一項記載の経口製剤。
【請求項12】
前記製剤が等浸透圧性又は低浸透圧性である、請求項1〜11のいずれか一項記載の経口製剤。
【請求項13】
(a)1種以上のヨウ素化された画像化剤及び1種以上の矯味剤を含む融解した混合物をノズルに供給すること;
(b)該融解した混合物を噴霧して液滴にすること;及び
(c)該液滴を冷却して粒子にすること
を含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の製剤を製造する方法。
【請求項14】
工程(a)の前に、1種以上の賦形剤を任意に含む1種以上のヨウ素化された画像化剤を融解することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記融解が、20〜250℃の温度で実施される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記ノズルが、ロータリー、加圧、流体、又は超音波構成のものである、請求項13〜15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
前記冷却が、気体又は液体の流れにより促進される、請求項13〜16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
前記気体又は液体の流れが、40〜100℃の初期温度である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記気体又は液体の流れが、メルト噴霧方向に対して、並流又は向流である、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記気体又は液体の流れが、窒素、空気、二酸化炭素、又はこれらの混合物を含む気体の流れである、請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記気体又は液体の流れが、液体二酸化炭素又は液体窒素を含む液体の流れと合わされた気体の流れである、請求項17記載の方法。
【請求項22】
(a)1種以上のヨウ素化された画像化剤と1種以上の矯味剤を、溶媒又は溶媒の混合物中で混合して、溶液又は懸濁液を得ること;
(b)該溶液又は懸濁液を乾燥チャンバーに供給し噴霧して、液滴を得ること;及び
(c)該液滴を乾燥して粒子にすること
を含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の製剤を製造する方法。
【請求項23】
前記乾燥が気体の流れにより促進される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記乾燥が、20〜300℃の温度で実施される、請求項22又は23記載の方法。
【請求項25】
前記供給が、ロータリー、加圧、流体、又は超音波構成のものであるノズルに対するものである、請求項22〜24のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
前記乾燥が気体の流れにより促進される、請求項22〜25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
前記気体又は液体の流れが、メルト噴霧方向に対して並流である、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記気体の流れが、窒素、空気、二酸化炭素、又はこれらの混合物を含む、請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記気体の流れが熱い窒素である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
消化管の画像化のための、請求項1〜12のいずれか一項の経口製剤
【請求項31】
前記消化管が上部消化管である、請求項30記載の経口製剤
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、引用により本明細書に全体として組み込まれる、2013年12月4日に出願された米国仮特許出願第61/911,950号の利益を主張する。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本開示は、ヨウ素化された画像化剤及び少なくとも1種の矯味剤を含み、向上した生体接着性を示す、消化管の画像化にも有用な経口固体粒子製剤を提供する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
硫酸バリウム及びヨウ素化された造影媒体は、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像法(MR)、又は従来の放射線写真による画像(X線)診断を増強するのに使用される造影剤の例である。消化管のX線撮影用途において、造影剤は、腸の分泌物と相互作用せず、吸収されずに、消化管粘膜の均質なコーティングを与えなければならない。水への溶解度が低いので、硫酸バリウムは、食道、胃、小腸、及び大腸の可視化に典型的に使用される。しかし、硫酸バリウムは、患者が摂取する硫酸バリウム溶液の正確な構成に依存する一般的に不快な味を有する。さらに、硫酸バリウムが存在すると、その飲み物は、弱酸性の焼けるような感覚を持つようにする。硫酸バリウム溶液の消費は、しばしば、患者によってX線撮影スキャンの最悪の部分と考えられる。
【0004】
イオヘキソール及びイオパミドールなどのヨウ素化された造影剤は、主に静脈内に使用される(例えば、血管及びリンパ節の可視化を改善する)水溶性材料である。水への溶解度のため、ヨウ素化された造影剤は、上部消化管X線撮影用途には一般的に使用されてこなかった。
【発明の概要】
【0005】
広い態様において、本開示は、ヨウ素化された画像化剤及び少なくとも1種の矯味剤を含む製剤を提供する。これらの製剤は経口投与に好適であり、最適化された生体接着性並びに通過時間、凝集性、粒径、表面積、粘度、及び味/嗜好性などの他の特性を有し、そのため消化管X線撮影用途に特に有用である。
【0006】
そのため、本開示の一態様は、ヨウ素化された画像化剤及び少なくとも1種の矯味剤を含む経口製剤であって、該ヨウ素化された画像化剤と矯味剤が固体粒子に製剤されている経口製剤を提供する。
【0007】
別の態様において、本開示は、以下を含む方法により製造された本明細書に記載される経口製剤を提供する:
(a)1種以上のヨウ素化された画像化剤及び1種以上の矯味剤を含む融解した混合物をノズルに供給すること;
(b)前記融解した混合物を噴霧して液滴にすること;及び
(c)前記液滴を冷却して粒子にすること。
【0008】
別の態様において、本開示は、以下を含む方法により製造された本明細書に開示される経口製剤を提供する:
(a)1種以上のヨウ素化された薬剤(iodinated agents)と1種以上の味作成剤(taste making agents)を、溶媒又は溶媒の混合物中で混合して、溶液又は懸濁液を得ること;
(b)前記溶液又は懸濁液を乾燥チャンバーに供給し噴霧して、液滴を得ること;及び
(c)前記液滴を乾燥して粒子にすること。
【0009】
さらなる態様において、本開示は、患者の消化管を画像化する方法であって、該患者に本開示の経口製剤を投与することを含む方法を提供する。本開示は、消化管の画像化のための本開示の経口製剤の使用も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、開回路モードの実験室スケールの噴霧乾燥器用に例示された噴霧凝固実験構成を表す。
図2図2は、パイロットスケールの噴霧乾燥器(二次乾燥工程あり)に例示された噴霧乾燥実験構成を表す。
図3図3は、Precirol(登録商標)ATO5を使用して噴霧凝固により製造されたイオパミドールのカプセル化の偏光顕微鏡法(PLM)画像化を示す。
図4図4は、Precirol(登録商標)ATO5を使用して噴霧凝固により製造されたイオパミドールのカプセル化の走査型電子顕微鏡法(SEM)画像を示す。
図5-6】図5及び図6は、Eudragit L-100(ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート))を使用して噴霧乾燥により製造されたイオパミドール分散液のPLM及びSEM画像化をそれぞれ示す。
図7図7は、酢酸コハク酸ヒプロメロース(HPMCAS)を使用して噴霧乾燥により製造されたイオパミドール分散液のSEM画像化を示す。
図8図8は、Eudragit L-100(ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート))を使用して噴霧乾燥により製造されたイオヘキソール分散液のSEM画像化を示す。
図9図9は、HPMCASを使用して噴霧乾燥により製造されたイオヘキソール分散液のSEM画像化を示す。
図10-11】図10及び図11は、HPMCASを使用して噴霧乾燥により製造された、マイクロカプセル化されたイオパミドールのPLM及びSEM画像化をそれぞれ示す。
図12図12は、Eudragit L-100を使用して噴霧乾燥により製造された、マイクロカプセル化されたイオパミドールのSEM画像化を示す。
図13図13は、HPMCASを使用して噴霧乾燥により製造された、マイクロカプセル化されたイオヘキソールのSEM画像化を示す。
図14図14は、300 mgヨウ素/mLで、FT4パウダーレオメーターで測定された本開示の材料の凝集値(cohesion value)を示す。
図15図15は、HPMCASを使用した超音波ノズルによる噴霧乾燥によるイオパミドールのマイクロカプセル化のSEM画像化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明の詳細な説明)
開示される材料及び方法が説明される前に、本明細書に記載される態様が具体的な実施態様又は配置に限定されず、それ自体当然変わり得ることが理解できよう。本明細書に使用される術語が特定の態様を説明する目的のみのものであり、本明細書で具体的に定義されない限り、限定的でないものとすることも理解できよう。
【0012】
本開示を考慮すると、本明細書に記載される方法及び活性物質は、所望の需要を満たすように、当業者により構成され得る。一般に、開示される方法及び材料は、画像化用途における、特に消化管画像化用途における改善を提供する。例えば、特定の態様において、本開示の経口製剤は、通過時間、凝集性、生体接着、粒径、表面積、粘度、浸透圧、及び味/嗜好性などの最適化された特性を有する。特定の実施態様において、本開示の製剤は、改善されたカプセル化効率も有する。他の実施態様において、本開示の製剤は、等浸透圧性又は低浸透圧性である。
本開示の経口製剤は、ヨウ素化された画像化剤及び少なくとも1種の矯味剤を含み、該ヨウ素化された画像化剤と矯味剤は固体粒子に製剤されている。
【0013】
当業者は、水溶性のヨウ素化された画像化剤が、その投与後にインビボで検出され得ることを認識するだろう。一実施態様において、ヨウ素化された画像化剤は、1つ以上のヨウ素置換基を含む有機又はポリマー性化合物である。特に有用なヨウ素化された画像化剤には、イオパミドール(1-N,3-N-ビス(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)-5-[(2S)-2-ヒドロキシプロパンアミド]-2,4,6-トリヨードベンゼン-1,3-ジカルボキサミド、イオパミロ、イソビュー、イオパミロン、及びニオパムとしても知られる)、イオヘキソール(1-N,3-N-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-5-[N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アセトアミド]-2,4,6-トリヨードベンゼン-1,3-ジカルボキサミド、オムニパークとしても知られる)、又はイオジキサノール(5-{N-[3-(N-{3,5-ビス[(2,3-ジヒドロキシプロピル)カルバモイル]-2,4,6-トリヨードフェニル}アセトアミド)-2-ヒドロキシプロピル]アセトアミド}-1-N,3-N-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2,4,6-トリヨードベンゼン-1,3-ジカルボキサミド、ビジパークとしても知られる)があるが、これらに限定されない。当業者が認識する通り、他のヨウ素化された画像化剤も使用できる。特定の実施態様において、本開示のヨウ素化された画像化剤はイオパミドール又はイオヘキソールである。他の実施態様において、本開示のヨウ素化された画像化剤はイオパミドールである。別の実施態様において、本開示のヨウ素化された画像化剤はイオヘキソールである。
【0014】
ヨウ素化された画像化剤は、例えば、経口製剤の望まれる最終性質に応じて、種々の含量で提供できる。例えば、特定の実施態様において、本明細書に記載されるヨウ素化された画像化剤は、経口製剤の約0.1〜約90重量%で存在する。特定の実施態様において、本明細書に記載されるヨウ素化された画像化剤は、約0.1〜約85重量%、又は約0.1〜約80重量%、又は約0.1〜約75重量%、又は約0.1〜約70重量%、又は約0.1〜約60重量%、又は約0.1〜約50重量%、又は約10〜約90重量%、又は約10〜約85重量%、又は約10〜約80重量%、又は約10〜約75重量%、又は約10〜約70重量%、又は約10〜約60重量%、又は約10〜約50重量%、又は約0.1〜約50重量%、又は約1〜約50重量%、又は約5〜約50重量%、又は約20〜約50重量%、又は約30〜約50重量%、又は約40〜約50重量%、又は約10〜約45重量%、又は約20〜約45重量%、又は約10〜約40重量%、又は約20〜約40重量%、又は最大10重量%、又は最大約20重量%、又は最大約30重量%、又は最大約40重量%、又は最大約50重量%で存在する。一実施態様において、ヨウ素化された画像化剤は、経口製剤に対して約0.5〜約75重量%で存在する。別の実施態様において、ヨウ素化された画像化剤は、経口製剤に対して約0.5〜約90重量%で存在する。別の実施態様において、ヨウ素化された画像化剤は、経口製剤に対して最大約50重量%で存在する。
【0015】
一実施態様において、矯味剤は、界面活性剤、糖、着香剤、及びポリマーから選択される。矯味剤は、所望の製剤によって変化し得る。いくつかの実施態様において、本開示の経口製剤は、1種以上の賦形剤をさらに含み得る。好適な賦形剤は、界面活性剤、脂質又は蝋、脂肪酸、糖、着香剤、及びポリマーからなる群から選択され得る。賦形剤は、所望の製剤によって変化し得る。
好適な矯味剤及び/又は好適な賦形剤並びに本開示の経口製剤に使用すべき量の選択は、定型的な試行及び実験を利用して当業者の技量内にある。
【0016】
本開示の経口製剤での使用に好適な界面活性剤、脂質又は蝋、及び脂肪酸には、水添ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンのモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキレングリコール脂肪酸モノエステル、スクロース脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレングリセロールトリリシノレアート、ポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標))、ポリオキシエチレングリセロールオキシステアラート、ポリオキシエチレンソルビタンのモノ脂肪酸エステル、PEG-200モノラウラート、PEG-200ジラウラート、PEG-300ジラウラート、PEG-400ジラウラート、PEG-300ジステアラート、PEG-300ジオレアート、プロピレングリコールモノラウラート、D-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシナート、スクロースモノステアラート、スクロースジステアラート、スクロースモノラウラート、スクロースジラウラート、ソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノパルニタート(monopalnitate)、ソルビタンステアラート、ベヘン酸グリセリル(Compritol(登録商標))、水添パーム油、水添綿実油、ラノリン、モノ-、ジ-、及びトリアルキルグリセリド、ポリエチレングリコールステアラート及びポリエチレングリコールジステアラート、マクロゴールグリセリドラウリクス(lauriques)(例えば、Gelucire(登録商標))、パルミトステアリン酸グリセリル(Precirol(登録商標))、セチルアルコール、ポリグリセリルジイソステアラート、グリセリルステアラート、パルミチン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸、安息香酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、及びマレイン酸、ラノリン、黄蝋、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポロキサマー、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、又はこれらの組み合わせがあるが、これらに限定されない。
【0017】
本開示の経口製剤に有用な糖及び着香剤には、アスパルテーム、圧縮糖(Compressible sugar)、デキストレート、デキストラン、デキストリン、デキストロース、マルトデキストリン(maltodextrinn)、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、デキストロース、ラクトース、マンニトール、グルコーススクロース、マルトース、サッカリンナトリウム、ソルビトール、第三リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、キシリトール、並びにバナナ、ブドウ、バニラ、チェリー、ユーカリオイル、メントール、オレンジ、ハッカ油、ラズベリー、イチゴ、及びスイカなどの香料があるが、これらに限定されない。
【0018】
1種以上のポリマーを経口製剤に含めてよい。ポリマーは生体接着強度を与え、経口製剤の他の性質に寄与し得る。当業者は、ポリマーが、経口製剤の生体接着強度、粘度、及び使用特性(application characteristics)に寄与することに気付くだろう。したがって、当業者は、ポリマーの選択が、他の賦形剤などの他の成分の選択に影響を与えることを認識するだろう。当業者は、ポリマーの適切な選択及び使用すべき量を、定型的な試行及び実験を利用して決定するだろう。
【0019】
本開示の経口製剤での使用に好適なポリマーには、N-ビニルラクタム、N-ビニルラクタムのコポリマー、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルポリマー、オリゴ糖、多糖、N-ビニルピロリドンのホモポリマー、N-ビニルピロリドンのコポリマー、N-ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー、N-ビニルピロリドンとビニルプロピオナートのコポリマー、ポリエチレングリコール/ポリビニルカプロラクタム/ポリビニルアセタートのグラフトコポリマー(例えば、Soluplus(登録商標))、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸セルロース、コハク酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、HPMCAS)、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、メタクリル酸/エチルアクリラートコポリマー、メタクリル酸/メチルメタクリラートコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標) L 100)、ブチルメタクリラート/2-ジメチルアミノエチルメタクリラートコポリマー、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリラート)、架橋ポリアクリル酸、(例えば、Carbopol(登録商標))、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、酢酸ビニルとクロトン酸のコポリマー、部分的に加水分解されたポリビニルアセタート、カラギーナン、ガラクトマンナン、若しくはキサンタンガム、又はこれらの組み合わせがあるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書に記載される経口製剤は、例えば、その製造に利用される方法及び所望の最終用途に応じて、種々の異なる粒径で提供できる。例えば、特定の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約1〜約500μm、又は約1〜約400μm、又は約1〜約300μm、又は約1〜約250μm、又は約1〜約200μm、又は約5〜約500μm、又は約5〜約400μm、又は約5〜約300μm、又は約5〜約250μm、又は約10〜約500μm、又は約10〜約250μm、又は約50〜約500μm、又は約50〜約400μm、又は約50〜約300μm、又は約50〜約250μm、又は約100〜約250μm、又は約1〜約100μm、又は約2〜約100μm、又は約5〜約100μm、又は約1〜約50μm、又は約2〜約50μm、又は約5〜約50μm、又は約10〜約50μm、又は約20〜約50μm、又は約30〜約50μm、又は約5〜約40μm、又は約5〜約30μm、又は約5〜約25μm、又は約5〜約20μm、又は約2〜約40μm、又は約2〜約30μm、又は約2〜約25μm、又は約2〜約20μmの範囲内の粒径を有する。種々の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、直径で最大約5μm、又は最大約10μm、又は最大約20μm、又は最大約40μm、又は最大約50μm、又は最大約75μm、又は最大約100μm、又は最大約150μm、又は最大約200μm、又は最大約250μm、又は最大約300μm、又は最大約400μm、又は最大約500μmの粒径を有する。特定の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、直径で約5〜約50μmの範囲内の粒径を有する。他の特定の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、直径で約1〜約50μmの範囲内の粒径を有する。他の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、直径で約1〜約100μmの範囲内の粒径を有する。特定の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約50〜約300μmの範囲内の粒径を有する。他の特定の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約50〜約250μmの範囲内の粒径を有する。他の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約100〜約250μmの範囲内の粒径を有する。当業者は、本明細書に記載される方法を考慮して、所望の粒径を経口製剤に与えることができる。
【0021】
同様に、本明細書に記載される経口製剤粒子は、例えば、その製造に利用される方法及び所望の最終用途に応じて、種々の異なる表面積で提供できる。表面積は、ブルナウアー-エメット-テラー(BET)表面積法を利用して測定される。特定の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約0.5〜約400 m2/g、又は約1〜約400 m2/g、又は約5〜約400 m2/g、又は約10〜約400 m2/g、又は約50〜約400 m2/g、又は約70〜約400 m2/g、又は約100〜約400 m2/g、又は約200〜約400 m2/g、又は約300〜約400 m2/g、又は約1〜約300 m2/g、又は約10〜約300 m2/g、又は約50〜約300 m2/g、又は約70〜約300 m2/g、又は約100〜約300 m2/g、又は約200〜約300 m2/g、又は約100〜約250 m2/g、又は約1〜約200 m2/g、又は約10〜約200 m2/g、又は約50〜約200 m2/g、又は約70〜約200 m2/g、又は約100〜約200 m2/gの範囲内の表面積を有する。他の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約0.5〜約10 m2/g、若しくは約1〜約10 m2/g、若しくは約2.5〜約10 m2/g、若しくは約5〜約10 m2/g、若しくは約0.5〜約9 m2/g、若しくは約0.5〜約8 m2/g、若しくは約0.5〜約7 m2/g、若しくは約0.5〜約5 m2/g、若しくは約0.75〜約9 m2/g、若しくは約0.75〜約8 m2/g、若しくは約0.75〜約7 m2/g、若しくは約0.75〜約5 m2/g、若しくは約1〜約9 m2/g、若しくは約1〜約8 m2/g、若しくは約1〜約7 m2/g、若しくは約1〜約5 m2/g、若しくは約1.5〜約7 m2/g、若しくは約1.5〜約5 m2/g、若しくは約2〜約7 m2/g、若しくは約2〜約5 m2/g、若しくは約0.5〜約4 m2/g、若しくは約0.75〜約4 m2/g、若しくは約1〜約4 m2/g、若しくは約1.5〜約4 m2/g、若しくは約2〜約4 m2/g、若しくは約0.5〜約3 m2/g、若しくは約0.75〜約3 m2/g、若しくは約1〜約3 m2/g、若しくは約1.5〜約3 m2/g、若しくは約2〜約3 m2/g、若しくは約0.5〜約2.5 m2/g、若しくは約0.75〜約2.5 m2/g、若しくは約1〜約2.5 m2/g、若しくは約1.5〜約2.5 m2/g、若しくは約2〜約2.5 m2/gの範囲内、又は最大約1 m2/g、若しくは最大約2 m2/g、若しくは最大約3 m2/g、若しくは最大約4 m2/g、若しくは最大約5 m2/g、若しくは最大約10 m2/g、若しくは最大約50 m2/g、若しくは最大約100 m2/g、若しくは最大約200 m2/g、若しくは最大約300 m2/gの表面積を有する。一実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約0.5〜約5 m2/gの表面積を有する。別の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約1〜約5 m2/gの表面積を有する。別の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約2〜約4 m2/gの表面積を有する。当業者は、本明細書に記載される方法を考慮して、所望の表面積を経口製剤に与えることができる。
【0022】
本明細書に記載される経口製剤粒子は、例えば、粒子の製造に利用される方法及び所望の最終用途に応じて、種々の粒子間(particle to particle)凝集力及びピーク生体接着強度を有し得る。粒子間凝集力及びピーク生体接着強度は、レオロジー的方法を利用して測定される。例えば、特定の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約0.01〜約500 kPa、又は約0.01〜約400 kPa、又は約0.01〜約300 kPa、又は約0.01〜約250 kPa、又は約0.1〜約500 kPa、又は約0.1〜約250 kPa、又は約10〜約500 kPa、又は約10〜約400 kPa、又は約10〜約300 kPa、又は約10〜約250 kPa、又は約50〜約250 kPaの範囲内の粒子間凝集力及びピーク生体接着強度を有する。種々の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、少なくとも約5 kPa、又は少なくとも約10 kPa、又は少なくとも約50 kPa、又は少なくとも約100 kPa、又は少なくとも約150 kPa、又は少なくとも約200 kPa、又は少なくとも約250 kPa、又は少なくとも約300 kPa、又は少なくとも約400 kPa、又は約500 kPaの粒子間凝集力及びピーク生体接着強度を有する。特定の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約10〜約300 kPaの範囲内の粒子間凝集力及びピーク生体接着強度を有する。他の特定の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約50〜約250 kPaの範囲内の粒子間凝集力及びピーク生体接着強度を有する。他の実施態様において、本明細書に記載される経口製剤は、約100〜約250 kPaの範囲内の粒子間凝集力及びピーク生体接着強度を有する。当業者は、本明細書に記載される方法を考慮して、所望の粒子間凝集力及びピーク生体接着強度を経口製剤に与えることができる。
【0023】
典型的な実施態様において、ヨウ素化された画像化剤は、イオパミドール又はイオヘキソールであり、少なくとも1種の矯味剤は、界面活性剤及びポリマーから選択される。
別の典型的な実施態様において、ヨウ素化された画像化剤はイオパミドールであり、少なくとも1種の矯味剤は、界面活性剤及びポリマーから選択される。
別の典型的な実施態様において、ヨウ素化された画像化剤はイオヘキソールであり、少なくとも1種の矯味剤は、界面活性剤及びポリマーから選択される。
【0024】
典型的な実施態様において、ヨウ素化された画像化剤は、イオパミドール又はイオヘキソールであり、少なくとも1種の矯味剤は、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)、及びパルミトステアリン酸グリセリルから選択される。
別の典型的な実施態様において、ヨウ素化された画像化剤はイオパミドールであり、少なくとも1種の矯味剤は、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)、及びパルミトステアリン酸グリセリルから選択される。
【0025】
別の典型的な実施態様において、ヨウ素化された画像化剤はイオヘキソールであり、少なくとも1種の矯味剤は、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)、及びパルミトステアリン酸グリセリルである。一態様において、本開示は、本開示の経口製剤を製造する方法であって、
(a)1種以上のヨウ素化された画像化剤及び1種以上の矯味剤を含む融解した混合物をノズルに供給すること;
(b)前記融解した混合物を噴霧して液滴にすること;及び
(c)前記液滴を冷却して粒子にすること
を含む方法を提供する。
【0026】
一実施態様において、本開示の方法は、工程(a)の前に、任意に1種以上の賦形剤を含む1種以上のヨウ素化された画像化剤を融解して、融解した混合物を得ることを含む。融解した混合物の温度は、混合物の物理化学的性質(例えば、融解温度)により決定される。典型的な融解温度は20〜250℃で変化し得る。せん断などの追加の機械力を利用して、成分の絡み合いを促進し、並びにその粘度を低下させることができる。
【0027】
一実施態様において、噴霧はノズルで起こる。融解した混合物のノズルへの供給は、一貫した温度を確実にするように加熱されたラインにより実施される。ノズルも加熱されて、噴霧の間に融解した混合物温度が制御される。本開示での使用に好適なノズルの種類には、ロータリーノズル、加圧ノズル、流体ノズル、及び超音波ノズルがあるが、これらに限定されない。当業者は、定型的な試行及び実験を利用して液滴形成システムの適切な選択を決定できる。
【0028】
制御された冷却を、気体又は液体の流れにより促進できる。一実施態様において、気体又は液体の流れは、約-40〜約100℃の初期温度である。入口ガスの温度は、融解した液滴の冷却速度を決定するので、試験されるシステムに応じて調整しなくてはならない。当業者は、液滴が約20秒未満で凝結できるように温度を選択しなくてならないことを認識するだろう。
【0029】
一実施態様において、気体又は液体の流れは、メルト噴霧方向に対して、並流又は向流である。別の実施態様において、気体又は液体の流れは気体の流れである。使用に好適な気体は、窒素、空気、二酸化炭素、又はこれらの混合物であり得る。別の実施態様において、気体又は液体の流れは、液体の流れと合わさった気体の流れである。使用に好適な液体は、液体二酸化炭素又は液体窒素であり得る。
【0030】
別の態様において、本開示は、本開示の経口製剤を製造する方法であって、
(a)1種以上のヨウ素化された薬剤と1種以上の味作成剤を、溶媒又は溶媒の混合物中で混合して、溶液又は懸濁液を得ること;
(b)前記溶液又は懸濁液を乾燥チャンバーに供給し噴霧して、液滴を得ること;及び
(c)前記液滴を乾燥して粒子にすること
を含む方法を提供する。
【0031】
乾燥は、気体の流れにより促進できる。一実施態様において、乾燥は、約20〜約300℃の温度で実施される。当業者は、液滴が乾燥して所望の粒子を与えることができるように温度を選択しなければならないことを認識するだろう。
【0032】
一実施態様において、供給はノズルに対してである。本開示での使用に好適なノズルの種類には、ロータリーノズル、加圧ノズル、流体ノズル、及び超音波ノズルがあるが、これらに限定されない。当業者は、定型的な試行及び実験を利用して液滴形成システムの適切な選択を決定するだろう。
【0033】
制御された乾燥は、気体又は液体の流れにより促進できる。一実施態様において、気体又は液体の流れは、約25〜約100℃の初期温度である。入口ガスの温度は、融解した液滴の乾燥速度を決めるので、試験されるシステムによって調整しなくてはならない。当業者は、液滴が約20秒未満で凝結できるように温度を選択しなくてはならないことを認識するだろう。使用に好適な気体は、窒素、空気、二酸化炭素、又はこれらの混合物であり得る。
一実施態様において、気体又は液体の流れは、メルト噴霧方向に対して、並流又は向流である。別の実施態様において、気体の流れは熱い窒素である。
【0034】
本開示の一態様は、消化管の画像化のための、本明細書に記載される経口製剤の使用を提供する。当業者は、消化管の画像化が、消化管全体の画像化と、消化管を構成する1つ以上の個別の臓器の画像化の両方を含むことを認識するだろう。例えば、一実施態様は、消化管全体の画像化を提供する。別の実施態様は、消化管の1つ以上の個別の臓器の画像化を提供する。特定の実施態様において、本開示は、上部消化管を画像化するための経口製剤を提供する。一実施態様において、上部消化管は、食道、胃、及び十二指腸を含む。別の実施態様において、食道及び胃が画像化される。さらに別の実施態様において、胃のみが画像化される。別の特定の実施態様において、本開示は、下部消化管を画像化するための経口製剤を提供する。当業者は、所望の効果を得るための適切な用量及び投与の時間を決定するだろう。
【0035】
(定義)
使用される以下の用語及び表現は、示される意味を有する。
本明細書全体で、文脈から反対の意味が要求されない限り、言葉「含む(comprise)」及び「含む(include)」及び変形(例えば、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」)は、述べられた成分、特徴、要素、若しくは工程、又は成分、特徴、要素、若しくは工程の群の包含を意味するが、他の整数若しくは工程又は整数若しくは工程の群の排除を意味しないと理解されるだろう。
【0036】
本明細書及び添付される特許請求の範囲において使用される通り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「該(the)」は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0037】
範囲は、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして本明細書で表すことができる。そのような範囲が表される場合、別の態様は、該一方の特定の値から、及び/又は他方の特定の値までを含む。同様に、先行する言葉「約」の使用により値が概数として表される場合、該特定の値が別の態様を形成することが理解されるだろう。範囲のそれぞれの終点が、他方の終点との関連において、及び他方の終点とは独立に重要であることがさらに理解されるだろう。
【0038】
本明細書のパーセンテージ、比率、及び割合は全て、特記されない限り、重量基準である。成分の重量パーセント(重量%、wt %とも記される)は、具体的に反対に記されていない限り、成分が含まれている製剤又は組成物の総重量に(例えば、製剤の総量に)基づく。全モル%値は、活性化合物のモルに基づく。
【0039】
本明細書で使用される用語「消化管」は、口から肛門までの管の中に結合した一連の中空の臓器を指す。消化管を構成する中空の臓器は、口、食道、胃、小腸、大腸(直腸を含む)、及び肛門である。本明細書で使用される用語「上部消化管」は、口、食道、胃、及び任意に十二指腸を指す。本明細書で使用される用語「下部消化管」は、小腸、大腸、及び肛門を指す。
【0040】
本明細書で使用される用語「ポリマー」は、「コポリマー」、「ヘテロポリマー」、及び「交互コポリマー」と同義であり、反復する一連の1種以上の交互モノマー種で構成された大きい分子(高分子)を意味する。これらのサブユニットは、典型的には、共有結合の化学結合により結合している。
【実施例】
【0041】
本開示の方法を、以下の実施例によりさらに説明するが、本開示をその範囲及び趣旨において具体的な手順及びその中に限定すると解釈しないものとする。
【0042】
(実施例1:全般的な方法)
(Precirol(登録商標)カプセル化効率)
モルホロジー及びマイクロカプセル化効率を評価するために、製造された全固体をエネルギー分散型X線分析の付いた走査型電子顕微鏡法(SEM-EDS)により分析した。この技法により、粉末の表面(深さ0.2〜10μm)の特定の原子の検出が可能である。材料の表面に検出されたヨウ素の質量パーセンテージを計算し(検出されたヨウ素、酸素、及び炭素の全質量から)、造影剤と賦形剤の標準的な物理的混合物に検出される値と比較して、カプセル化効率を推定することが可能である。以下の実施例において、0%w/wのカプセル化効率は、検出されたヨウ素のレベルが、物理的混合物中で予測されるものであり、100%w/wのカプセル化効率は、ヨウ素が全く検出されないことを意味する。負の値のカプセル化効率は、物理的混合物中で予測されるより多い造影剤が粒子表面で検出されることを意味する。イオパミドール及びイオヘキソールの分子ヨウ素含量は、全分子量の49 %w/w及び46 %w/wをそれぞれ構成する。
【0043】
(ブルナウアー-エメット-テラー表面積分析)
異なる窒素圧力で製造された粉末のそれぞれを平衡化することにより、粒子の表面に吸着された気体の量を推定できる(ラングミュア理論)。次いで、材料上の利用可能な全表面積を、異なる平衡点から描かれた近似曲線の傾き及びy切片を概算することにより計算する。
【0044】
(浸透圧)
浸透圧分析は、ある面の媒体からもう一方の面の媒体に、膜を通して水分子を移動させる溶液の推進力を測定する。膜が食道上皮であることを考察すると、高い重量オスモル濃度は、周囲組織から消化管への水の損失を意味する。
【0045】
浸透圧計での浸透圧測定を実施するために、試料を300 mgヨウ素/mL(mg I / mL)に希釈した。試料が、サンプリングセルに詰めるための水相を生み出さなかった場合、希釈を実施して15 mg I/mLを得た。噴霧凝固及び噴霧乾燥を利用するマイクロカプセル化により製造された粉末の重量オスモル濃度を測定し、純粋な造影剤のものと比較した。
【0046】
(粉末のレオロジー)
粉末の凝集力を、製造した材料のレオロジーを評価することにより測定した。Freeman社製のパウダーレオメーター、FT4型を使用して、せん断応力試験を実施した。次いで、粉末の凝集係数(cohesion coefficient)を、垂直応力対せん断応力の実験点から得られた曲線に沿ってモール円を描くことにより推定する。300 mg I/mLの濃度(GIトラック(track)画像化に使用される標準投与量)で水中で膨張した粉末で測定を実施した。
【0047】
(メルト/溶液/懸濁液調製)
システムに応じて、3つの調製物が可能であった:(1)医薬品原体(API)を、賦形剤のメルトに懸濁させた;(2) APIを、賦形剤を先に溶解させてある溶液に懸濁させた;及び(3) APIとポリマーの両方を、共通の溶媒系に溶解させた。調製物(1)を、噴霧凝固活性を支持するために使用し、調製物(2)及び/又は(3)を、噴霧乾燥を支持するために使用した。
【0048】
調製物(1):熱流体再循環システムを利用した温度制御をしながら、加熱されたビーカー中でメルトを調製した。マグネティックスターラーをビーカーに挿入して、処理を補助し均質な懸濁液を得た。以下の手順を実施した:
(a)賦形剤(Precirol(登録商標)又はGelucire(登録商標))を秤量し、ビーカーに移した;
(b)温度を、最大80℃に上げた;及び
(c)賦形剤が完全に融解した後、造影剤を、撹拌しながら、メルトに懸濁させた。
【0049】
調製物(2):噴霧乾燥懸濁液を、マグネティックスターラーを利用してガラスフラスコ中で調製し、均質な懸濁液を得た。手順は以下の通りであった:
(a)プロセス溶媒を、清潔で、風袋を差し引いて、ラベルを付けた、好適な大きさのフラスコに量り入れた。
(b)ポリマー/賦形剤を秤量し、撹拌しながらフラスコに移した;
(c)ポリマーが完全に溶解した後、造影剤を秤量し、撹拌しながらフラスコに移した;及び
(d)造影剤の均質な懸濁液が得られるまで、溶液を撹拌した。
【0050】
調製物(3):噴霧乾燥溶液を、以下の手順に従って調製した:
(a)プロセス溶媒を、清潔で、風袋を差し引いて、ラベルを付けた、好適な大きさのフラスコに量り入れた。
(b)ポリマーを秤量し、撹拌しながらフラスコに移した;
(c)ポリマーが完全に溶解した後、造影剤を秤量し、撹拌しながらフラスコに移した;及び
(d)固体が完全に溶解するまで、溶液を撹拌した。
【0051】
(実施例2:噴霧凝固手順)
1.2 mmのオリフィスが組み立てられた二流体ノズルを備えた実験室スケールの噴霧乾燥器を使用して、Precirol(登録商標)噴霧凝固試験を行った。熱流体再循環システムを組み立てて、ビーカーの温度を維持し、ノズルの先まで供給ラインを加熱した。噴霧凝固ユニットを、開回路モード、すなわち、凝固ガスの再循環なしに運転した。噴霧凝固装置の簡略化したスキームを図1に示す。
【0052】
冷却する窒素の流れを、0.45 m3/分(およそ30 kg/時)に調整した。運転を始める前に、ユニットをガスで安定化させ、入口温度、T_入口を、運転用に見積もった温度に調整した。
安定化の後、メルトを噴霧乾燥器に供給して運転を開始した。メルトの供給は、ビーカーの加圧により行った。供給圧力、P_供給をおよそ7バールに設定した。
【0053】
ノズル中の噴霧の後、メルトの液滴は冷却され、乾燥チャンバー中で、並流する窒素により凝結した。チャンバーを離れた後、冷却された生成物を含む流れはサイクロンに入り、そこで固体粒子は気体から分離され、ガラスフラスコに回収される。運転の最後に、供給を止め、気体流を維持して、ユニットの制御された停止を実施した。
サイクロンから回収した生成物を秤量し、最初の全固体に対する凝結した生成物の質量パーセンテージとして収率を計算した。
【0054】
(実施例3:噴霧乾燥手順)
二流体ノズル及び噴霧乾燥分散液のための0.8 mmのオリフィス又は懸濁液のマイクロカプセル化のための1.2 mmのオリフィスを備えた同じ実験室スケールのユニットを使用して、噴霧乾燥試験を行った。噴霧乾燥ユニットを開回路モードで、すなわち、乾燥ガスの再循環なしに運転した。噴霧乾燥装置の簡略化したスキームを図2に示す。
【0055】
乾燥させる窒素の流れを、0.45 m3/分(およそ30 kg/時)に調整した。運転を始める前に、噴霧乾燥器を、i)乾燥ガスで安定化させ、入り口温度、T_入口を、運転用に見積もった温度に調整し;次いで、ii)対応する溶媒で安定化させ、供給流量、F_供給を、運転中に噴霧されることが期待される溶媒の対応する量に調整した。溶媒による安定化の間、運転の目標出口温度、T_出口を達成するために、T_入口を調整した。
温度安定化の後、溶液/懸濁液を噴霧乾燥器に供給して、運転を開始した。安定化溶媒及び溶液の供給を、供給流量、F_供給を制御しながら、蠕動ポンプの使用により実施した。
【0056】
ノズル内の噴霧の後、溶液/懸濁液の液滴を、並流の熱い窒素により乾燥チャンバー内で乾燥させた。乾燥チャンバーを出た後、乾燥した生成物を含む流れはサイクロンに入り、そこで固体粒子が気体から分離され、ガラスフラスコに回収される。運転の最後に、供給ラインをすすぎ、ユニットの制御された停止を実施するために、供給物を安定化溶媒に替えた。
【0057】
サイクロンから回収された生成物を秤量し、噴霧乾燥器に供給された溶液/懸濁液中の全固体に対する、湿った生成物の質量パーセンテージとして収率を計算した。
超音波ノズルを使用する噴霧乾燥によるマイクロカプセル化も実施した。
【0058】
(実施例4:二次乾燥手順)
噴霧乾燥後に回収した材料を、残存溶媒含量を標準限界(エタノール: 5000;メタノール: 3000 ppm;アセトン: 5000 ppm)未満に低下させるため、二次的に乾燥させた。各バッチの二次乾燥を、窒素スウィープをしながら真空下で、60℃で24時間実施した。
【0059】
(実施例5:噴霧凝固によるイオパミドールのカプセル化)
表1は、Precirol(登録商標)を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧凝固条件、それぞれの工程収率、及び性質を略述する。
【表1】
a)サンプリングに充分な量の材料のみ考察した。API充填を試験したが、なしだった。
b)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
c)15mg I/mLの濃度で計算された値。
【0060】
ノズルの詰まりが試験3で観察された。ノズル付近の温度差を減少させ、詰まりを避けるためにT_入口を上げたが、成功しなかった。各試験の最後で、相当な量の材料がビーカー中に残っており、低い収率につながった。当業者により知られている通り、収率は、バッチサイズを増加させること、及び/又はビーカー中に残る材料の量を最低限にすること、及び/又はより効率的な回収機構を装置に加えることにより、容易に増加させることができる。
【0061】
偏光顕微鏡法(PLM)結果を図3に表すが、粒子が球状であり、大きさが2μm〜50μmであることを示す。走査型電子顕微鏡法(SEM)結果を図4に示す。SEM画像は、いくつかのクラスターが形成されていることと共に、不規則な粒子を示す。特定の理論に拘束はされないが、完全性の喪失は、電子線及び/若しくは分析前の試料調製のため、並びに/又は成分の低融点の結果であり得る。
【0062】
カプセル化効率は、造影剤を20%及び40%含む試料で、それぞれ72.7 %及び22.5%であった。この結果は、噴霧凝固によるイオパミドールのマイクロカプセル化が、特に、低イオパミドール/賦形剤比率で、良好なカプセル化効率をもたらすことを示唆する。
【0063】
噴霧凝固により製造された材料は、大きな粒径の結果として低い表面積を示した。表1、総表面積の項目参照。さらに、高いイオパミドール充填量でのカプセル化効率の低下は、直径がおよそ3μmである、より多くのイオパミドール粒子がカプセル化されず、高い表面積につながることを示唆する。
【0064】
20 % w/wイオパミドール充填量を含む試料を、浸透圧に関しても試験した。浸透圧は、未処理のヨウ素化された画像化剤と比べて、カプセル化した材料では低下した。
【0065】
(実施例6:噴霧乾燥によるイオパミドールの分散
表2は、Eudragit(登録商標)L-100(ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート))を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収量、及び性質を略述する。
【表2】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
【0066】
PLM画像化結果を図5に表すが、粒子の大きさが2μmと10μmの間であることを示す。SEM画像化結果を図6に表すが、不規則な粒子を示す。さらに、分解が全く観察されなかった。
【0067】
(実施例7:噴霧乾燥によるイオパミドール分散液)
表3は、HPMCAS(酢酸コハク酸ヒプロメロース、別名、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、別名、HPMC-AS)を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表3】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
【0068】
SEM画像化結果を図7に表すが、粒径がおよそ10μmの不規則な粒子を示す。
【0069】
(実施例8:噴霧乾燥によるイオヘキソール分散液)
表4は、Eudragit L-100を使用したイオヘキソール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。図8はSEM画像化結果を示す。
【表4】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
【0070】
(実施例9:噴霧乾燥によるイオヘキソール分散液)
表5は、HPMCASを使用したイオヘキソール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表5】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
【0071】
直径が最大50μmである球状粒子が全試験で観察され、結果を図9に示す。
【0072】
(実施例10:噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
表6は、HPMCASを使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。試験の間均質に懸濁したイオパミドールを維持するように、反応条件を変更した。
【表6】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
c)測定は、300mg I/mLの濃度で水中で膨張した粉末で実施した。
【0073】
PLM画像化結果を図10に表すが、粒子の大きさが、試験1及び2では2μm〜20μmであり、試験3では最大150μmであることを示す。SEM画像化結果を図11に表すが、不規則な粒子を示す。
【0074】
(実施例11:噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
表7は、Eudragit L-100を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表7】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
c)測定は、300mg I/mLの濃度で水中で膨張した粉末で実施した。
【0075】
SEM画像化結果を図12に示す。
【0076】
(実施例12:噴霧乾燥によるイオヘキソールのカプセル化)
表8は、HPMCASを使用したイオヘキソール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表8】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
b)15mg I/mLの濃度で測定された値。
c)測定は、300mg I/mLの濃度で水中で膨張した粉末で実施した。
【0077】
SEM画像化は、試験1及び試験2で最大10μmの粒径及び試験3でそれより小さい粒径を示す。直径がおよそ30μmである球状粒子を全ての痕跡(trails)で観察したが、試験3では数が少ない(図13)。
【0078】
(実施例13:実施例9〜12の結果の分析)
高いカプセル化効率が、噴霧乾燥により得られたほぼすべてのマイクロカプセル材料で得られた。また、噴霧乾燥によるマイクロカプセル化により製造された材料は全て類似の表面積を表したが、それらは比較的低かった。
【0079】
異なる製剤で重量オスモル濃度値を測定し、純粋な造影剤に対する、得られた改善を評価した。イオパミドール及びイオヘキソールの重量オスモル濃度(mOsmol)を、300mg I/mL及び15mg I/mLの濃度で測定し(表9)、血液と比較した。
【表9】
ND:決定せず
【0080】
噴霧乾燥法により製造された本開示のマイクロカプセル化された材料は、浸透圧を50 %以上減少させた。さらに、本開示のいくつかの材料は、装置の検出限界未満の浸透圧を有した。
【0081】
水300 mg I/mL(GIトラック画像化に使用される標準投与量)中の膨張したマイクロカプセルの凝集力を、パウダーレオメーター(Freeman社製のFT4)を利用して評価した。結果を図14に表す。特定の理論に拘束はされないが、API含量に伴う凝集力の増加は、300 mg I/mLで設定したAPIの全濃度と相関すると考えられる。
【0082】
(実施例14:超音波ノズルを使用する噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
マイクロカプセル化効率における液滴サイズの影響を評価するために、超音波ノズルを使用して、噴霧乾燥試験を繰り返した。表10は、HPMCASを使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。図14はSEM画像化結果を示す。
【表10】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
【0083】
(実施例15:超音波ノズルを使用した噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
表11は、Eudragit L-100を使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。SEM画像化は、直径が最大およそ100μmである粒子を示した。さらに、SEM画像化は、APIのほとんどが、粒子のシェルの内側に捕捉されたことを示した。
【表11】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
【0084】
(実施例16:超音波ノズルを使用した噴霧乾燥によるイオパミドールのマイクロカプセル化)
表12は、HPMCASを使用したイオパミドール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。図14はSEM画像化結果を示す。
【表12】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
負の値は、予測より多いヨウ素が検出されたことを意味する。
【0085】
(実施例17:超音波ノズルを使用した噴霧乾燥によるイオパミドールのカプセル化)
イオエキソール(Ioexol)(XR02)を懸濁状態に保ちながらEudragit L-100を可溶化させるのに使用した溶媒系は、アセトンと3.0 % w/wの脱イオン水であった。表13は、Eudragit L-100を使用したイオヘキソール含有調製物の噴霧乾燥条件、それぞれのプロセス収率、及び性質を略述する。
【表13】
a)計算:((分子中のヨウ素%×API%)/100)-検出されたヨウ素%)/(分子中のヨウ素%×API%/100)
【0086】
本明細書に記載される実施例及び実施態様は、説明目的のみのものであり、それに照らして種々の改良又は変更が当業者に示唆され、本願の趣旨及び範囲並びに添付される請求項の範囲内に組み込まれるものとすることが理解される。本明細書に引用された全ての刊行物、特許、及び特許出願は、全ての目的のために、引用により本明細書に組み込まれる。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
ヨウ素化された画像化剤及び少なくとも1種の矯味剤を含む経口製剤であって、該ヨウ素化された画像化剤と該矯味剤が固体粒子に製剤されている、前記経口製剤。
(構成2)
前記画像化剤が、イオパミドール、イオヘキソール、又はイオジキサノールである、構成1記載の経口製剤。
(構成3)
前記画像化剤が、最大約90重量%で存在する、構成1又は2記載の経口製剤。
(構成4)
前記矯味剤が、1種以上のポリマー、界面活性剤、糖、及び着香剤から選択される、構成1〜3のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成5)
ポリマー、界面活性剤、脂質又は蝋、脂肪酸、糖類、及び着香剤からなる群から選択される1種以上の賦形剤をさらに追加的に含む、構成1〜4のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成6)
前記粒子が、直径で約1〜約500μmである、構成1〜5のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成7)
前記粒子が、0.5〜100 m2/gの表面積を有する、構成1〜6のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成8)
前記粒子が、最大約500 kPaの粒子間凝集力及びピーク生体接着強度を有する、構成1〜7のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成9)
前記製剤が等浸透圧性又は低浸透圧性である、構成1〜8のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成10)
最適化された通過時間、及び/又は凝集力、及び/又は粒径、及び/又は表面積、及び/又は粘度、及び/又は味/嗜好性を有する、構成1〜9のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成11)
(a)1種以上のヨウ素化された画像化剤及び1種以上の矯味剤を含む融解した混合物をノズルに供給すること;
(b)該融解した混合物を噴霧して液滴にすること;及び
(c)該液滴を冷却して粒子にすること
を含む方法により製造された、構成1〜10のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成12)
1種以上の矯味剤が、界面活性剤及びポリマーから選択される、構成1〜11のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成13)
1種以上の矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)、及びパルミトステアリン酸グリセリルから選択される、構成12記載の経口製剤。
(構成14)
前記矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、構成12記載の経口製剤。
(構成15)
前記矯味剤が、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)である、構成12記載の経口製剤。
(構成16)
(a)1種以上のヨウ素化された画像化剤及び1種以上の矯味剤を含む融解した混合物をノズルに供給すること;
(b)該融解した混合物を噴霧して液滴にすること;及び
(c)該液滴を冷却して粒子にすること
を含む、構成1〜10及び12〜15のいずれか一項記載の製剤を製造する方法。
(構成17)
工程(a)の前に、任意に1種以上の賦形剤を含む1種以上のヨウ素化された画像化剤を融解することを含む、構成16記載の方法。
(構成18)
前記融解が、約20〜約250℃の温度で実施される、構成17記載の方法。
(構成19)
前記ノズルが、ロータリー、加圧、流体、又は超音波構成のものである、構成16〜18のいずれか一項記載の方法。
(構成20)
冷却が、気体又は液体の流れにより促進される、構成16〜19のいずれか一項記載の方法。
(構成21)
前記気体又は液体の流れが、約-40〜約100℃の初期温度である、構成20記載の方法。
(構成22)
前記気体又は液体の流れが、メルト噴霧方向に対して、並流又は向流である、構成20記載の方法。
(構成23)
前記気体又は液体の流れが、窒素、空気、二酸化炭素、又はこれらの混合物を含む気体の流れである、構成20記載の方法。
(構成24)
前記気体又は液体の流れが、液体二酸化炭素又は液体窒素を含む液体の流れと合わされた気体の流れである、構成20記載の方法。
(構成25)
(a)1種以上のヨウ素化された薬剤と1種以上の味作成剤を、溶媒又は溶媒の混合物中で混合して、溶液又は懸濁液を得ること;
(b)該溶液又は懸濁液を乾燥チャンバーに供給し噴霧して、液滴を得ること;及び
(c)該液滴を乾燥して粒子にすること
を含む方法により製造された、構成1〜10のいずれか一項記載の経口製剤。
(構成26)
1種以上の矯味剤が、界面活性剤及びポリマーから選択される、構成25記載の経口製剤。
(構成27)
1種以上の矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)、及びパルミトステアリン酸グリセリルから選択される、構成26記載の経口製剤。
(構成28)
前記矯味剤が、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、構成26記載の経口製剤。
(構成29)
前記矯味剤が、ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリラート)である、構成26記載の経口製剤。
(構成30)
(a)1種以上のヨウ素化された薬剤と1種以上の味作成剤を、溶媒又は溶媒の混合物中で混合して、溶液又は懸濁液を得ること;
(b)該溶液又は懸濁液を乾燥チャンバーに供給し噴霧して、液滴を得ること;及び
(c)該液滴を乾燥して粒子にすること
を含む、構成1〜10及び26〜29のいずれか一項記載の製剤を製造する方法。
(構成31)
乾燥が気体の流れにより促進される、構成30記載の方法。
(構成32)
乾燥が、約20〜約300℃の温度で実施される、構成30又は31記載の方法。
(構成33)
供給が、ロータリー、加圧、流体、又は超音波構成のものであるノズルに対するものである、構成30〜32のいずれか一項記載の方法。
(構成34)
乾燥が気体の流れにより促進される、構成30〜33のいずれか一項記載の方法。
(構成35)
前記気体又は液体の流れが、メルト噴霧方向に対して並流である、構成34記載の方法。
(構成36)
前記気体の流れが、窒素、空気、二酸化炭素、又はこれらの混合物を含む、構成34記載の方法。
(構成37)
前記気体の流れが熱い窒素である、構成36記載の方法。
(構成38)
構成1〜15及び25〜29のいずれか一項の経口製剤の、消化管の画像化のための使用。
(構成39)
前記消化管が上部トラックである、構成38記載の使用。
(構成40)
患者に、構成1〜15及び25〜29のいずれか一項記載の経口製剤を投与することを含む、該患者の消化管を画像化する方法。
(構成41)
前記消化管が上部消化管である、構成40記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15