(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6507265
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】伝動装置
(51)【国際特許分類】
F16H 1/22 20060101AFI20190415BHJP
【FI】
F16H1/22
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-560874(P2017-560874)
(86)(22)【出願日】2016年2月8日
(65)【公表番号】特表2018-505367(P2018-505367A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】EP2016000202
(87)【国際公開番号】WO2016131529
(87)【国際公開日】20160825
【審査請求日】2017年10月12日
(31)【優先権主張番号】102015002029.3
(32)【優先日】2015年2月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598113922
【氏名又は名称】レンク・アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブルクハルト・ピンネカンプ
(72)【発明者】
【氏名】モハメド・スファール
【審査官】
塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公告第01310417(GB,A)
【文献】
独国特許出願公開第102012013834(DE,A1)
【文献】
特開2004−332826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1駆動歯(13)が設けられ、回転可能に備え付けられた第1駆動側軸(11)と、
第2駆動歯(14)が設けられ、回転可能に備え付けられた第2駆動側軸(12)と、
出力歯(16)が設けられ、回転可能に備え付けられた出力側軸(15)と、
第1数の第1遊星軸(17)であって、当該第1遊星軸(17)それぞれには第1遊星歯(19)及び軸方向にずらされた第3遊星歯(21)が設けられている、第1遊星軸と、
第2数の第2遊星軸(18)であって、当該第2遊星軸(18)それぞれには第2遊星歯(20)及び軸方向にずらされた第4遊星歯(22)が設けられている、第2遊星軸と、
を有し、
前記第1駆動側軸(11)及び前記第2駆動側軸(12)が、互いに同軸に延在し、
前記第1遊星軸(17)の前記第1遊星歯(19)が、前記第1駆動歯(13)と係合し、前記第2遊星軸(18)の前記第2遊星歯(20)が前記第2駆動歯(14)と係合し、
前記第1遊星軸(17)の前記第3遊星歯(21)と前記第2遊星軸(18)の前記第4遊星歯(22)とが、前記出力歯(16)と係合し、
前記第1駆動側軸(11)及び前記第2駆動側軸(12)が、互いに同軸に延在しており、
前記第1及び第2駆動歯(13、14)間にある軸方向支持面(50)が、前記第1及び第2駆動歯の螺旋状歯に起因する軸方向力を支持していることを特徴とする伝動装置。
【請求項2】
異なる前記駆動側軸(11、12)に作成された前記第1及び第2駆動歯(13、14)と異なる前記遊星軸(17、18)に作成された前記第1及び第2遊星歯(19、20)とのそれぞれが、好ましくは同じサイズである逆の螺旋角度を有する螺旋状歯として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の伝動装置。
【請求項3】
前記第1遊星軸(17)の前記第1数と前記第2遊星軸(18)の前記第2数とのそれぞれが、好ましくはサイズが同じである2以上であり、
周方向で見て、前記第1遊星歯(19)及び前記第2遊星歯(20)が、2つの隣接する前記第1遊星歯(19)間それぞれに前記第2遊星歯(20)それぞれが位置するように、均等に分布されており、
軸方向で見て、前記第1遊星歯(19)及び前記第2遊星歯(20)が、前記第1駆動歯(13)及び前記第2駆動歯(14)と同様に互いにずらされていることを特徴とする請求項1または2に記載の伝動装置。
【請求項4】
軸方向で見て、前記第1遊星軸(17)の前記第3遊星歯(21)と前記第2遊星軸(18)の前記第4遊星歯(22)とが、前記出力歯(16)と共に一平面に位置していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の伝動装置。
【請求項5】
第1駆動歯(33)が設けられ、回転可能に備え付けられた第1駆動側軸(31)と、
第2駆動歯(34)が設けられ、回転可能に備え付けられた第2駆動側軸(32)と、
出力歯(36)が設けられ、回転可能に備え付けられた出力側軸(35)と、
遊星軸(37)であって、当該遊星軸(37)それぞれには第1遊星歯(38)と軸方向にずらされた第2遊星歯(39)と同様に軸方向にずらされた第3遊星歯(40)が設けられている、遊星軸と、
を有し、
前記遊星軸(37)の前記第1遊星歯(38)が、前記第1駆動歯(33)と係合し、前記遊星軸(37)の前記第2遊星歯(39)が、前記第2駆動歯(34)と係合し、前記遊星軸(37)の前記第3遊星歯(40)が、前記出力歯(36)と係合し、
前記第1駆動側軸(31)及び前記第2駆動側軸(32)が、互いに同軸に延在しており、
前記第1及び第2駆動歯(33、34)間にある軸方向支持面(50)が、前記第1及び第2駆動歯の螺旋状歯に起因する軸方向力を支持していることを特徴とする伝動装置。
【請求項6】
異なる前記駆動側軸(31、32)に作成された前記第1及び第2駆動歯(33、34)と前記遊星軸(37)に作成された前記第1及び第2遊星歯(38、39)とのそれぞれが、好ましくは同じサイズである逆の螺旋角度を有する螺旋状歯として形成されていることを特徴とする請求項5に記載の伝動装置。
【請求項7】
前記遊星軸(37)の数が、少なくとも2であり、
周方向で見て、前記遊星歯(38、39、40)が、均等に分布されており、
軸方向で見て、前記第1遊星歯(38)及び前記第2遊星歯(39)が、前記第1駆動歯(33)及び前記第2駆動歯(34)と同様に互いに対してずらされていることを特徴とする請求項5または6に記載の伝動装置。
【請求項8】
軸方向で見て、前記遊星軸(37)の前記第3遊星歯(40)が、前記出力歯(36)と共に一平面に位置していることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の伝動装置。
【請求項9】
前記第1及び第2駆動歯(13、14;33、34)が、軸方向力を伝達させる素子(60)を介して連結されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から伝動装置が知られており、この伝動装置を用いて、単一の駆動側軸に付与された駆動力は、単一の出力側軸の方向で伝達され得る。特に駆動力を2つの駆動側軸に付与する場合には、特許文献1から知られる伝動装置を採用できない。2つの駆動側軸から生じる駆動力を出力側軸の方向で伝達し得る伝動装置への必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2012 013 834号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これから始めて、本発明は、新規のタイプの伝動装置を創造する目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様によれば、本目的は、請求項1にかかる伝動装置を介して解決される。したがって、伝動装置は、第1駆動歯が成形され、回転可能に備え付けられた第1駆動側軸と、第2駆動歯が成形され、回転可能に備え付けられた第2駆動側軸と、出力歯が成形され、回転可能に備え付けられた出力側軸と、第1数の第1遊星軸であって、第1遊星軸それぞれには第1遊星歯及び軸方向にずらされた第3遊星歯が成形されている、第1遊星軸と、第2数の第2遊星軸であって、第2遊星軸それぞれには第2遊星歯及び軸方向にずらされた第4遊星歯が成形されている、第2遊星軸と、を備え、第1駆動側軸及び第2駆動側軸が、互いに同軸に延在しており、第1遊星軸の第1遊星歯が、第1駆動歯と係合し、第2遊星軸の第2遊星歯が、第2駆動歯と係合し、第1遊星軸の第3遊星歯と第2遊星軸の第4遊星歯とが、出力歯と係合している。この伝動装置を用いて、2つの駆動側軸から生じる駆動力は、共通の出力側軸の方向で特に有利に伝達され得る。
【0006】
本発明の第1態様にかかる伝動装置の有利なさらなる展開によれば、異なる駆動側軸に作成された第1及び第2駆動歯と異なる遊星軸に作成された第1及び第2遊星歯とのそれぞれは、逆の螺旋角度を有する螺旋状歯として形成されている。これにより、駆動歯に作用する力は、有利に調整され得る。
【0007】
本発明の第1態様にかかる伝動装置の有利なさらなる展開によれば、第1遊星軸の第1数と第2遊星軸の第2数とのそれぞれが、2以上であり、周方向で見て、第1遊星歯及び第2遊星歯は、2つの隣接する遊星歯間それぞれに第2遊星歯それぞれが位置する態様で均等に分布されており、軸方向で見て、第1遊星歯及び第2遊星歯は、第1駆動歯及び第2駆動歯と同様に、互いに対してずらされている。この設計により、2つの駆動側軸によって付与された駆動モーメントを共通の出力側軸の方向で特に有利に伝達させることを可能とする。
【0008】
本発明の第2態様によれば、請求項5にかかる伝動装置が提案されている。したがって、伝動装置は、第1駆動歯が成形され、回転可能に備え付けられた第1駆動側軸と、第2駆動歯が成形され、回転可能に備え付けられた第2駆動側軸と、出力歯が成形され、回転可能に備え付けられた出力側軸と、遊星軸であって、遊星軸それぞれには第1遊星歯と軸方向にずらされた第2遊星歯と同様に軸方向にずらされた第3遊星歯が成形されている、遊星軸と、を備え、第1駆動側軸及び第2駆動側軸が、互いに同軸に延在し、遊星軸の第1遊星歯が、第1駆動歯と係合し、遊星軸の第2遊星歯が、第2駆動歯と係合し、遊星軸の第3遊星歯が、出力歯と係合している。この伝動装置を用いて、2つの駆動側軸に付与される駆動力は、同様に、共通の出力側軸の方向で特に有利に伝達され得る。
【0009】
本発明の第2態様にかかる伝動装置の有利なさらなる展開によれば、異なる駆動側軸に作成された第1及び第2駆動歯と同一の遊星軸に作成された第1及び第3遊星歯とのそれぞれは、好ましくは同じサイズである逆の螺旋角度を有する螺旋状歯として形成されている。これにより、駆動歯に作用する力は、有利に調整され得る。
【0010】
本発明の第2態様にかかる伝動装置の有利なさらなる展開によれば、遊星軸の数は、3より大きく、周方向で見て、遊星歯は、均等に分布されており、軸方向で見て、第1遊星歯及び第2遊星歯は、第1駆動歯及び第2駆動歯と同様に互いに対してずらされている。
【0011】
本発明の第1態様にかかるまたは第2態様にかかる伝動装置の有利なさらなる展開によれば、第1及び第2駆動歯間にある軸方向支持面は、第1及び第2駆動歯の螺旋状歯に起因する軸方向力を支持する、かつ/または、第1及び第2駆動歯は、軸方向力を伝達させる素子を介して連結されている。伝動装置のこの構成によれば、2つの駆動側軸に付与される駆動力を共通の出力側軸の方向で特に有利に伝達させることを可能とする。
【0012】
本発明の好ましいさらなる展開は、従属請求項及び以下の説明から得られる。本発明の例示的な形態は、これに限定されることなく図面を介してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明にかかる第1伝動装置を示す概略軸方向断面図である。
【
図2】
図1の伝動装置の出力側端部を示す概略図である。
【
図3】本発明にかかる第2伝動装置を示す概略軸方向断面図である。
【
図4】
図3の伝動装置の駆動側端部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び
図2は、本発明の第1態様にかかる好ましい実施形態の伝動装置10の詳細を示す。
【0016】
伝動装置10は、2つの回転可能に備え付けられた駆動側軸、すなわち、回転可能に備え付けられた第1駆動側軸11と、回転可能に備え付けられた第2駆動側軸12と、を備える。2つの駆動側軸11、12は、互いに同軸に延在しており、図示した例示的な実施形態において、第1駆動側軸11は、径方向外側にあるセクションで第2駆動側軸12を囲む。第1駆動側軸11には、第1駆動歯13が成形されており、この第1駆動歯は、図示した例示的な実施形態において、歯車によってもたらされている。第2駆動側軸12には、第2駆動歯14が成形されており、この第2駆動歯は、同様に歯車によってもたらされている。互いに同軸に延在する2つの駆動側軸11、12に加え、伝動装置10は、歯車によってもたらされた駆動歯16を有する回転可能に備え付けられた出力側軸15を備える。
【0017】
ここで、本発明の第1態様にかかる伝動装置10は、第1数の第1の回転可能に備え付けられた遊星軸17と、第2数の第2の回転可能に備え付けられた遊星軸18と、をさらに備える。第1遊星軸18それぞれには、第1遊星歯19と軸方向にずらした第3遊星歯21とがすなわち歯車の形態で成形されている。第2遊星軸18それぞれには、第2遊星歯20と軸方向にずらした第4遊星歯22とが同様に歯車の形態で設けられている。
【0018】
第1遊星軸17の第1遊星歯19は、第1駆動側軸11の第1駆動歯13と係合する。これに比べて、第2遊星軸18の第2遊星歯20は、第2駆動側軸12の第2駆動歯14と係合する。第1遊星軸17の第3遊星歯21と第2遊星軸18の第4遊星歯22とは、出力側軸15の出力歯16と共に各別に係合している。
【0019】
図1からわかるように、2つの駆動側軸11、12の2つの駆動歯13、14は、軸方向で互いに対してずらされている。同様に、第1遊星軸17の第1遊星歯19と第2遊星軸18の第2遊星歯20とは、軸方向で互いに対してずらされている。ここで、第1遊星軸17の第1遊星歯19は、第1駆動側軸11の第1駆動歯13と共に第1平面に配設されており、第2遊星軸18の第2遊星歯20は、第2駆動側軸12の第2駆動歯14と共に第1平面から軸方向にずらした第2平面に配設されている。
【0020】
第1遊星軸17の第3遊星歯21と第2遊星軸18の第4遊星歯22とは、出力側軸15の出力歯16と共に第3平面に配設されており、この第3平面は、順に駆動歯13、14が位置する2つの平面に対して軸方向でずらされている。
【0021】
好ましくは、第1遊星軸17の数及び第2遊星軸18の数は、それぞれ2以上であり、特に好ましくは、第1遊星軸17の第1数は、第2遊星軸18の第2数に対応する。
図2からわかるように、
図1及び
図2の例示的な実施形態では、2つの第1遊星軸17と2つの第2遊星軸18とが存在する。第1遊星歯19及び第2遊星歯20は、第3遊星歯21及び第4遊星歯22のように、それぞれ周方向で均等に、すなわち、2つの隣接する第1遊星歯19間それぞれには第2遊星歯20それぞれがありかつ2つの隣接する第3遊星歯21間それぞれには第4遊星歯22それぞれがあるように、分布されている。
【0022】
したがって、
図1及び
図2の伝動装置において、駆動力は、互いに同軸に延在する2つの駆動側軸11及び12に付与される。2つの駆動側軸11及び12の端部には、歯車が回転不能な態様で取り付けられており、これら歯車は、駆動歯13及び14をもたらす。これは、例えば湾曲歯車継手のような角度補償継手(angle-compensating coupling)による影響を受け得る。
【0023】
駆動歯13、14は、これら駆動歯と相互作用する第1及び第2遊星歯19、20のように、それぞれが逆の螺旋角度を有する螺旋状歯として形成されており、両螺旋角度の量は、好ましくは同じである。
【0024】
第1遊星軸17の第1遊星歯19は、第1駆動側軸11の第1駆動歯13と相互作用する一方、第2遊星軸18の第2遊星歯20は、第2駆動側軸12の第2駆動歯14と相互作用する。第1及び第2遊星歯19及び20は、好ましくは、回転不能な態様で遊星軸17、18に各別に取り付けられた歯車によってもたらされている。
【0025】
第1及び第2遊星軸17、18の第3及び第4遊星歯21、22は、同様に、好ましくは、回転不能な態様で遊星軸に各別に順に接続された歯車によってもたらされている。
【0026】
第1及び第2遊星軸17、18の第3及び第4遊星歯21、22は、出力側軸15の出力歯16と相互作用するすなわち噛合しており、好ましくは、螺旋状に切欠が形成されている。ここで、第3遊星歯21は、好ましくは、第4遊星歯22と同じ螺旋角度を有する。
【0027】
本発明にかかる第2伝動装置30は、共通の出力側軸の方向で2つの駆動側軸によって付与された駆動力を伝達させるように機能しており、
図3及び
図4に示される。したがって、
図3は、同様に、2つの駆動側軸31及び32が互いに同軸に延在することを示しており、これら2つの駆動側軸31及び32それぞれには、駆動歯33及び34が各別に配置されており、これら駆動歯は、好ましくは、それぞれ歯車によってもたらされており、この歯車は、回転不能な態様で駆動側軸31及び32それぞれの端部に各別に接続されている。
【0028】
図3及び
図4の伝動装置30は、出力歯36を有する出力側軸35をさらに備え、この出力歯は、順に、歯車によってもたらされており、この歯車は、回転不能な態様で出力側軸35に接続されている。
【0029】
これら2つの駆動側軸31、32及び出力側軸35に加え、
図3及び
図4の遊星歯車組30は、複数の遊星軸37を備える。遊星軸37それぞれは、合計3つの遊星歯、すなわち、第1遊星歯38、第1遊星歯に対して軸方向でずらされた第2遊星歯39、及び、同様に第2遊星歯から軸方向でずらされた第3遊星歯40、を有する。遊星軸37の第1遊星歯38は、第1駆動側軸31の第1駆動歯33と噛合し、第1駆動歯と共に第1平面に位置する。遊星軸37の第2遊星歯39は、第2駆動側軸32の第2駆動歯34と噛合し、第2駆動歯と共に第2平面に位置し、この第2平面は、第1平面に対して軸方向でずらされている。遊星軸37の第3遊星歯40は、共通の出力側軸35の駆動歯36と噛合し、第3遊星歯40は、出力は36と共に第3平面に配設されており、この第3平面は、第1及び第2平面に対してずらされている。
【0030】
図示した例示的な実施形態において、それぞれが第1遊星歯38を有しそれぞれが第2遊星歯39を有しかつそれぞれが第3遊星歯40を有する3つの遊星軸37があり、遊星歯38、39及び40は、周方向で見て均等に分布されている。
【0031】
遊星歯38、39及び40は、歯車によってもたらされており、これら歯車は、回転不能な態様で遊星軸37に各別に接続されている。
【0032】
遊星軸37の第1及び第2遊星歯38、39それぞれは、逆方向で螺旋状に切欠が形成されている。遊星軸37は、好ましくは、駆動歯33、34間で軸方向負荷補償を可能とするために、軸方向で自由に移動可能である。第3遊星歯40は、好ましくは、出力は36のように直線状の歯が付されている。
【0033】
伝動装置10、30双方、すなわち本発明の両態様において、好ましくは、軸方向力Fを支持するように設けられており、これら軸方向力は、動作中に駆動歯13、14に作用し得、駆動歯13、40にある軸方向支持面50を経由して、駆動歯13、14の螺旋状歯に由来する。主なトルク方向において、これら軸方向力は、
図1及び
図3に示すように、駆動歯13、14及び33、34を互いに向けて各別に移動させる傾向を有する。両トルク方向を用いて、両トルク方向の結果として、駆動歯13、14及び33、34は、離間するように各別に押され、この軸方向軸は、軸方向力を伝達させる素子60によって、例えば複数の引張棒または角度付リングのような他の構造体によって好ましくは停止され得、この素子は、駆動歯13、14及び33、34を軸方向で各別に支持する。
【0034】
本発明にかかる伝動装置双方を用いて、互いに同軸に延在する2つの駆動側軸に付与されるトルクは、共通の出力側軸の方向で特に有利に伝達され得る。このため、駆動側軸に付与されたトルクは、初期的に分割され、その後共通の出力側軸で一緒にされる。
【0035】
トルクの所望の分配は、駆動歯への軸方向力の均衡によってもたらされ、これら歯の螺旋角度により、径方向力の比率は、同様に一定にされる。同じ軸方向力及び同じ螺旋角度を用いて、同じ周方向力または径方向力を得る。
【符号の説明】
【0036】
10 伝動装置
11 駆動側軸
12 駆動側軸
13 駆動歯
14 駆動歯
15 出力側軸
16 出力歯
17 遊星軸
18 遊星軸
19 遊星歯
20 遊星歯
21 遊星歯
22 遊星歯
30 伝動装置
31 駆動側軸
32 駆動側軸
33 駆動歯
34 駆動歯
35 出力側軸
36 出力歯
37 遊星軸
38 遊星歯
39 遊星歯
40 遊星歯
50 支持面
60 素子