特許第6507267号(P6507267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6507267選択的ヒストンデアセチラーゼ阻害剤としてのヘテロ環状アルキル誘導体化合物及びこれを含有する薬剤学的組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6507267
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】選択的ヒストンデアセチラーゼ阻害剤としてのヘテロ環状アルキル誘導体化合物及びこれを含有する薬剤学的組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 211/18 20060101AFI20190415BHJP
   C07D 295/215 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 211/22 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 241/04 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 211/62 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 211/96 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 213/53 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 211/58 20060101ALI20190415BHJP
   C07D 471/10 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 31/4468 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20190415BHJP
   A61K 31/438 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20190415BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
   C07D211/18
   C07D295/215CSP
   C07D211/22
   C07D241/04
   C07D211/62
   C07D211/96
   C07D213/53
   C07D211/58
   C07D471/10 101
   A61K31/495
   A61K31/445
   A61K31/4468
   A61K31/496
   A61K31/438
   A61P43/00 111
   A61P43/00 105
   A61P35/00
   A61P29/00
   A61P3/00
   A61P37/06
   A61P25/00
   A61P9/00
   A61P9/04
   A61P27/02
   A61P25/28
【請求項の数】8
【全頁数】75
(21)【出願番号】特願2017-561414(P2017-561414)
(86)(22)【出願日】2016年5月20日
(65)【公表番号】特表2018-517693(P2018-517693A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】KR2016005411
(87)【国際公開番号】WO2016190630
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2017年11月22日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0071665
(32)【優先日】2015年5月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514052597
【氏名又は名称】チョン クン ダン ファーマシューティカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,チャンシク
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジェクワン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヘスン
(72)【発明者】
【氏名】ベ,デクウォン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ニナ
(72)【発明者】
【氏名】キム,イル ヒャン
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−521982(JP,A)
【文献】 特表2013−518050(JP,A)
【文献】 特表2009−509923(JP,A)
【文献】 特表2014−517831(JP,A)
【文献】 特表2001−523222(JP,A)
【文献】 特表2005−527556(JP,A)
【文献】 特表2007−512367(JP,A)
【文献】 特表2016−524597(JP,A)
【文献】 国際公開第02/072298(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0015942(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0015943(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 211/18〜96
C07D 213/53
C07D 241/04
C07D 295/215
C07D 471/10
A61K 31/438
A61K 31/496
A61P 3/00
A61P 9/00〜04
A61P 25/00〜28
A61P 27/02
A61P 29/00
A61P 35/00
A61P 37/06
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩:
【化1】
前記化学式 Iにおいて、Xは、
【化2】
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してCH又はNであり、Z及びWの少なくとも一つは、Nであり、R3及びR4は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである);及び
【化3】
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してNであり、a及びbは、それぞれ独立して2であり、c及びdは、それぞれ独立して1であり、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである)
からなる群より選択されるヘテロ環状アルキルであり;
Yは、C又はNであり;
A及びBは、それぞれ独立して、−C1−C4アルキル、−C6−C10アリール、又は−C3−C12ヘテロアリールであり(ここで、−6−C10アリール又は−C3−C12ヘテロアリールの一つ以上の水素は、それぞれ非置換であるか、又は−CF3、又はハロゲンで置換されていてもよい);
Qは、C=O又はSO2であり;
1は、−H又は−C1−C4アルキルであり;
は、−H、−OH、又はハロゲンであり;そして
nは1、2、3、又は4である。
【請求項2】
Xは、
【化4】
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してCH又はNであり、Z及びWの少なくとも一つは、Nであり、R3及びR4は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである);又は
【化5】
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してNであり、a及びbは、それぞれ独立して2であり、c及びdは、それぞれ独立して1であり、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである)
であり;
Yは、C又はNであり;
A及びBは、それぞれ独立して、−C1−C4アルキル、−C6−C10アリール、又は−C3−C12含窒素ヘテロアリールであり(ここで、−6−C10アリール又は−C3−C12含窒素ヘテロアリールの一つ以上の水素は、それぞれ非置換であるか、又は−CF3、又はハロゲンで置換されていてもよい);
Qは、C=O又はSO2であり;
1は、−H又は−C1−C4アルキルであり;
は、−H、−OH、又はハロゲンであり;そして
nは1、2、3、又は4である;ことを特徴とする、請求項1に記載の化学式Iで示される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩。
【請求項3】
Xは、
【化6】
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してCH又はNであり、Z及びWの少なくとも一つは、Nであり、R3及びR4は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである)であり;
Yは、C又はNであり;
A及びBは、それぞれ独立して、−C1−C4アルキル、−C6−C10アリール、又は−C3−C12含窒素ヘテロアリールであり(ここで、−6−C10アリール又は−C3−C12含窒素ヘテロアリールの一つ以上の水素は、それぞれ非置換であるか、又は−CF3、又はハロゲンで置換されていてもよい);
Qは、C=Oであり;
1は、−H又は−C1−C4アルキルであり;
は、−H、−OH、又はハロゲンであり;そして
nは、3である;
であることを特徴とする、請求項に記載の化学式Iで示される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩。
【請求項4】
前記化学式Iで表される化合物は、下記表に記載の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩:
【化7】
【請求項5】
前記化学式Iで表される化合物は、下記表に記載の化合物であることを特徴とする、請求項4に記載の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩:
【化8】
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩を有効成分として含有する、ヒストンデアセチラーゼ媒介疾患の予防又は治療のための薬剤学的組成物。
【請求項7】
前記ヒストンデアセチラーゼ媒介疾患は、細胞増殖性疾患、炎症性疾患、常染色体優性遺伝疾患、遺伝的要因による代謝疾患、自己免疫疾患、急性慢性神経疾患、肥大、心不全、眼疾患、又は神経変性疾患であることを特徴とする、請求項6に記載の薬剤学的組成物。
【請求項8】
ヒストンデアセチラーゼ媒介疾患の治療のための薬剤の製造における、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なヘテロ環状アルキル誘導体、より詳しくは、ヒストンデアセチラーゼ(Histone Deacetylase、HDAC)阻害活性を有する新規なヘテロ環状アルキル誘導体、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩、HDAC媒介疾患の治療のための薬剤の製造におけるこれらの用途、これらを含有する薬剤学的組成物及び前記組成物を用いた治療方法、及びこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞の転写調節は、複雑な生物学的プロセスである。その基本的な原理の一つは、8量体ヒストンコア複合体を形成するヒストンタンパク質H2A/B、H3、及びH4の翻訳後修飾による調節である。リジン残基のアセチル化又はメチル化、及びセリン残基のリン酸化による、これら複雑なN末端修飾は、いわゆる「ヒストンコード」の一部を構成する(Strahl&Ellis,Nature403,41−45,2000)。
【0003】
簡単なモデルにおいては、正に荷電したリジン残基のアセチル化は、負に荷電したDNAへの親和性を減少させ、転写因子が入りやすくする。
【0004】
ヒストンアセチル化及び脱アセチル化は、それぞれヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)及びヒストンデアセチラーゼ(HDAC)によって触媒される。HDACは、転写抑制因子複合体と関連し、クロマチンを転写的に不活性なサイレント構造に転換させる(Marks et al.,Nature cancer Rev.1,189−202,2001)。逆のことが、転写活性化因子複合体と関連するHATについて当てはまる。これまでに、HDACの3種の異なるクラス、すなわち、主に核内に存在し、トリコスタチンA(TSA)による阻害に感受性であるクラスI(HDAC1−3,8;Mr=42−55kDa)、TSA感受性であるクラスII(HDAC4−7,9,10;Mr=120−130kDa)、及びNAD+依存性及びTSA非感受性によって識別されるクラスIIIのSIRT1〜7が知られている。
【0005】
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤は、分化及びポトーシス誘導活性を有する新種の抗癌剤を構成する。ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を標的することによって、ヒストン(タンパク質)アセチル化及びクロマチン構造に影響を与え、複雑な転写再プログラミング化、例えば、腫瘍サプレッサ遺伝子の再活性化及び癌遺伝子の抑制を誘導する。コアヒストンタンパク質中のN末端リジン残基のアセチル化を引き起こすほか、熱ショックタンパク質(HSP90)、チューブリン又はp53腫瘍抑制因子タンパク質のような癌細胞生物学に重要な非ヒストン標的が存在する。したがって、HDAC阻害剤は、炎症性疾患、リウマチ様関節炎、及び神経変性疾患のための動物モデルでの有用性が示されているので、抗がんのみならず遺伝的要因による代謝疾患の治療や自己免疫疾患の治療などにも用いることができる。
【0006】
このように、HDAC阻害に関連するヒストンデアセチラーゼ(Histone deacetylase)媒介疾患の例としては、悪性腫瘍疾患である癌などの細胞増殖性疾患;クローン病、潰瘍性大腸炎、又は炎症性腸疾患などの炎症性疾患;ハンチントン病、ダウン症候群、エドワーズ症候群、又はパトウ症候群などの常染色体優性遺伝疾患;糖尿病、ニーマン・ピック病、ゴーシェ病、フェニルケトン尿症、ウィルソン病、嚢胞性線維症、肝線維症、腎線維症、肺線維症、又は皮膚線維腫などの線維症といった遺伝的要因による代謝疾患;喘息、リウマチ様疾患、エリテマトーデス、乾癬、乾癬性関節炎、多発性硬化症、ベーチェット病、又は臓器移植後の拒絶反応などの自己免疫疾患;脳卒中、又は多発性嚢胞腎などの急性慢性神経疾患;心臓肥大などの肥大;うっ血性心不全、又は出血性心不全などの心不全;緑内障、ドライアイ、乾性黄斑変性症、湿性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、又はぶどう膜炎などの眼疾患;筋萎縮性側索硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、脊髄性筋萎縮症、又はアルツハイマー病などの神経変性疾患が挙げられ、その他にも、HDAC酵素の異常機能に起因する症状及び疾患を含む。
【0007】
これまでに明らかになったHDAC阻害剤は、その構造によって、1)短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)(butyric acid,valproic acid)、2)ヒドロキサム酸(hydroxamic acids)(trichostatin A,SAHA,LBH−589)、3)環状ペプチド(cyclic peptides)(desipeptide)4 )ベンズアミド(benzamide)(MS−275,MGCD−0103)の4種類に分けられる(Sonia et al.,International Journal of onocology 33,637−646,2008)。これら多数のヒストンデアセチラーゼ阻害剤が(SAHA、LBH−589、及びMS−275など)動物モデルだけでなく、培地内の様々な形質変換された細胞の成長抑制、分化、及びポトーシスを効果的に誘導し(Marks,P.A et al.Curr Opin.Oncol.2001.13.477−483)、SAHA、LBH−589、及びMS−275などのHDAC阻害剤は、様々な癌疾患を治療するための目的で臨床研究において評価されている(Johnstone.R.W Nat.Rev.Drug Discov.2002.1.287−299)。現在、HDAC阻害剤の代表化合物としては、ヒドロキサム酸化合物であるSAHA(米国再発行特許公報RE38506号),Zolinza,Vorinostat)、PXD101(国際公開特許公報WO02/30879号、Belinostat)、LBH−589(国際公開特許公報WO02/22577号、Panobinostat)、ベンズアミド化合物であるMS−275(欧州特許公報第0847992号)、MGCD0103(国際公開特許公報WO04/69823号)がある。このうちSAHAは、2006年10月に承認され、CTCL(cutaneous T−cell lymphoma)の治療薬として使用されており、適応症をさらに拡大してはいるものの、効験と副作用の面で短所があることが知られている(Cancer Res 2006,66,5781−5789)。
【0008】
前述したように、様々なHDAC阻害剤が前臨床又は臨床開発段階にあるが、今までは非選択的HDAC阻害剤のみが抗がん剤として知られている。非選択的なHDACs阻害剤の場合、一般的に、高容量でだるさ(Fatigue)や嘔吐(Nausea)などの副作用をもたらすことが知られている(Piekarz et al., Pharmaceuticals,2010,3,2751−2767)。これらの副作用は、class I HDACsの抑制が原因と報告されており、これらの副作用などにより、非選択的なHDACs阻害剤は、抗がん剤以外の分野においては薬物の開発に制限を受けてきた(Witt et al., Cancer Letters,2009,277,8−21)。
【0009】
一方、選択的class II HDAC阻害の場合、class I HDAC阻害で見られた毒性は表れないという報告があり、選択的HDAC阻害剤を開発すれば非選択的なHDAC阻害による毒性等の副作用を解決でき、選択的HDAC阻害剤は、様々な疾患の有効な治療薬として開発される可能性がある(Matthias et al., Mol.Cell.Biol., 2008,28,1688−1701)。
【0010】
特に、Class IIb HDACの一つであるHDAC6は、主に細胞質(cytoplasma)に存在し、チューブリンタンパク質を含む多数の非ヒストン(non−Histone)基質(HSP90,cortactinなど)の脱アセチル化に関与することが知られている(Yao et al., Mol.Cell2005,18,601−607)。また、HDAC6は、2つの触媒ドメイン(catalytic domain)を有しており、C末端のジンクフィンガードメインは、ユビキチン化タンパク質(ubiquitinated protein)と結合することができる。HDAC6は、多数の非ヒストンタンパク質を基質として有しているため、癌(cancer)、炎症性(inflammatory)疾患、自己免疫(autoimmune)疾患、神経学的疾患(neurological diseases)、及び神経変性疾患(neurodegenerative disorders)など、様々な病気において重要な役割をすることが知られている(Santo et al., Blood 2012 119:2579−258;Vishwakarma et al., International Immunopharmacology 2013,16,72−78; Hu et al., J.Neurol.Sci.2011,304,1−8)。
【0011】
よって、癌(cancer)、炎症性(inflammatory)疾患、自己免疫(autoimmune)疾患、神経学的疾患(neurological diseases)、及び神経変性疾患(neurodegenerative disorders)などの治療のために、非選択的な阻害剤とは違い副作用のない選択的なHDAC6阻害剤の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開特許公報 WO2011/091213号(2011.7.28公開):ACY−1215
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、選択的なHDAC阻害活性を有する新規化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、高い選択性のHDAC阻害活性を有する新規化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩を含有する薬剤学的組成物を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、これらの製造方法を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、癌、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経学的疾患、又は神経変性疾患などを含むHDAC活性と関連する疾患の治療のために、前記化合物を含有する薬剤学的組成物を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、癌、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経学的疾患、又は神経変性疾患などのHDAC媒介疾患の治療のための薬剤の製造における、これらの用途を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、前記化合物を含有する薬剤学的組成物の治療学的に有効な量の投与を含む、癌、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経学的疾患、又は神経変性疾患などのHDAC媒介疾患の治療方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、HDAC阻害活性を有する新規化合物を発見し、これをヒストンデアセチラーゼ(Histone deacetylase)媒介疾患の抑制又は治療に用いることにより、本発明を完成した。
【0020】
新規HDAC阻害剤
前記目的を解決するために、本発明では、下記化学式Iの化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩を提供する。
【化1】
【0021】
前記化学式Iにおいて、Xは、
【化2】
【0022】
からなる群より選択されるヘテロ環状アルキルであり;
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してC又はNであり、Z及びWの少なくとも一つは、Nであり、
a、b、c、及びdは、それぞれ独立して、1、2、又は3であり、
3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである)
Yは、C又はNであり;
A及びBは、それぞれ独立して、−C1−C4アルキル、−C6−C10アリール、−C3−C12ヘテロアリール、−C3−C10シクロアルキル、−C2−C10ヘテロシクロアルキル、又は−C3−C10シクロアルケニルであり
(ここで、−C1−C4アルキルの一つ以上の水素は、−OH又はハロゲンで置換されていてもよく、−C6−C10アリール、−C3−C12ヘテロアリール、−C3−C10シクロアルキル、−C2−C10ヘテロシクロアルキル、及び−C3−C10シクロアルケニルは、それぞれ非置換されるか、又は一つ以上の水素が任意に−OH、−C1−C4アルキル、−OC1−C4アルキル、−CF3、又はハロゲンで置換されていてもよい);
Qは、C=O又はSO2であり;
1は、−H又は−C1−C4アルキルであり;
2は、−H、−OH、−C1−C4アルキル、−C1−C4アルキルヒドロキシ、ハロゲン、又は何でもなく(null)(ここで、YがCであるとき、R2は−H、−OH、−C1−C4アルキル、又は−C1−C4アルキルヒドロキシであり、YがNであるとき、R2は、何でもない(null));そして
nは、1、2、3、又は4である。
【0023】
本発明の一実施態様によると、Xは、
【化3】
であり;
【0024】
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してC又はNであり、Z及びWの少なくとも一つは、Nであり、
a、b、c、及びdは、それぞれ独立して、1、2、又は3であり;
3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである)
Yは、C又はNであり;
A及びBは、それぞれ独立して、−C1−C4アルキル、−C6−C10アリール、又は−C3−C12ヘテロアリールであり(ここで、−C1−C4アルキルの一つ以上の水素は、−OH又はハロゲンで置換されていてもよく、−C6−C10アリール又は−C3−C12ヘテロアリールは、それぞれ非置換されるか、又は一つ以上の水素が任意に−OH、−C1−C4アルキル、−OC1−C4アルキル、−CF3、又はハロゲンで置換されていてもよい);
Qは、C=O又はSO2であり;
1は、−H又は−C1−C4アルキルであり;
2は、−H、−OH、ハロゲン、又は何でもなく(null)(ここで、YがCであるとき、R2は、−H、−OH、又はハロゲンであり、YがNであるとき、R2は、何でもない(null));そして
nは、1、2、3、又は4であってもよい。
【0025】
本発明の別の実施態様によると、Xは、
【化4】
であり;
【0026】
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立して、C又はNであり、Z及びWの少なくとも一つは、Nであり、
3及びR4は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである)
Yは、C又はNであり;
A及びBは、それぞれ独立して、−C1−C4アルキル、−C6−C10アリール、又は−C3−C12ヘテロアリールであり(ここで、−C1−C4アルキルの一つ以上の水素は、−OH又はハロゲンで置換されていてもよく、−C6−C10アリール又は−C3−C12ヘテロアリールは、それぞれ非置換されるか、又は一つ以上の水素が任意に−OH、−C1−C4アルキル、−OC1−C4アルキル、−CF3、又はハロゲンで置換されていてもよい);
Qは、C=Oであり;
1は、−H又は−C1−C4アルキルであり;
2は、−H、−OH、ハロゲン、又は何でもなく(null)(ここで、YがCであるとき、R2は、−H、−OH、又はハロゲンであり、YがNであるとき、R2は、何でもない(null));そして
nは、3であってもよい。
【0027】
本発明の化学式Iで表される化合物は、以下の表1〜表3の通りである:
【表1】
【表2】
【表3】
【0028】
本発明において、表1〜表3に記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩は、化合物1102、1124、1188、1189、1190、1209、1221、1224、1241、及び1243からなる群より選択されるものが好ましく、より好ましくは、化合物1102、1124、1188、及び1209からなる群より選択されるものである。
【0029】
本発明において、薬剤学的に許容可能な塩は、医薬業界で通常用いられる塩を意味し、例えば、カルシウム、カリウム、ナトリウム、及びマグネシウムなどで製造された無機イオン塩、塩酸、硝酸、リン酸、臭素酸、ヨウ素酸、過塩素酸、及び硫酸などで製造された無機酸塩、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、プロピオン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グルクロン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、カルボン酸、バニル酸、ヨウ化水素酸などで製造された有機酸塩、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びナフタレンスルホン酸などで製造されたスルホン酸塩、グリシン、アルギニン、リジンなどで製造されたアミノ酸塩、及びトリメチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア、ピリジン、ピコリンなどで製造されたアミン塩などがあるが、列挙したこれらの塩により、本発明で意味する塩の種類が限定されるものではない。
【0030】
前記化学式Iの化合物は、1つ以上の非対称炭素を含有していてもよく、これにより、ラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、部分立体異性体の混合物、及びそれぞれの部分立体異性体として存在してもよい。これらの異性体は、従来の技術、例えば、化学式Iの化合物は、カラムクロマトグラフィー又はHPLCなどの分割により分離が可能である。又は、化学式Iの化合物のそれぞれの立体異性体は、公知の配列の光学的に純粋な出発物質及び/又は試薬を用いて立体特異的に合成してもよい。
【0031】
新規HDAC阻害化合物を含有する組成物、その用途、及びこれを用いた治療方法
本発明は、下記化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩を有効成分として含有するヒストンデアセチラーゼ(Histone deacetylase)媒介疾患を予防又は治療する薬剤学的組成物を提供する。
【0032】
【化5】
1、R2、A、B、X、Y、Q、及びnは、前記定義の通りである。
【0033】
ヒストンデアセチラーゼ媒介疾患の例としては、悪性腫瘍疾患である癌などの細胞増殖性疾患;クローン病、潰瘍性大腸炎、又は炎症性腸疾患などの炎症性疾患;ハンチントン病、ダウン症候群、エドワーズ症候群、又はパトウ症候群などの常染色体優性遺伝疾患;糖尿病、ニーマン・ピック病、ゴーシェ病、フェニルケトン尿症、ウィルソン病、嚢胞性線維症、肝線維症、腎線維症、肺線維症、又は皮膚線維症などの線維症といった遺伝的要因による代謝疾患;喘息、リウマチ様疾患、エリテマトーデス、乾癬、乾癬性関節炎、多発性硬化症、ベーチェット病、又は臓器移植後の拒絶反応などの自己免疫疾患;脳卒中、又は多発性嚢胞腎などの急性慢性神経疾患;心臓肥大などの肥大;うっ血性心不全、又は出血性心不全などの心不全;緑内障、ドライアイ、乾性黄斑変性症、湿性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、又はぶどう膜炎などの眼疾患;筋萎縮性側索硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、脊髄性筋萎縮症、又はアルツハイマー病などの神経変性疾患が挙げられ、その他にも、HDAC酵素の異常機能に起因よる症状と疾患を含む。
【0034】
前記薬剤学的に許容可能な塩は、本発明の化学式Iで表される化合物の薬剤学的に許容可能な塩で説明した通りである。
【0035】
本発明の薬剤学的組成物は、投与のために、前記化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩に加え、薬剤学的に許容可能な担体を1種以上さらに含んでいてもよい。薬剤学的に許容可能な担体は、生理食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝生理食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール、及びこれらの成分のうち2成分以上を混合したものを用いてもよく、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液、静菌剤など、別の通常の添加剤を添加してもよい。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤、及び潤滑剤をさらに添加して、水溶液、懸濁液、乳濁液などの注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒、又は錠剤に製剤化してもよい。したがって、本発明の組成物は、パッチ剤、液剤、丸薬、カプセル、顆粒、錠剤、坐剤等であってもよい。これらの製剤は、それぞれの疾患及び/又は成分によって、当業界で製剤化のために使われる通常の方法又はRemington’s Pharmaceutical Science(最近版),Mack Publishing Company,Easton PAに開示されている方法により製剤化してもよい。
【0036】
本発明の組成物は、所望の方法に応じて、経口投与するか、又は非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、又は局所に適用)してもよく、投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率、及び疾患の重症度などによってその範囲は様々である。本発明の化学式Iの誘導体化合物の1日あたりの投与量は、約1〜500mg/kgであり、好ましくは5〜100mg/kgであり、一日一回〜数回に分けて投与してもよい。
【0037】
本発明の前記医薬組成物は、前記化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩のほか、同一又は類似の薬効を示す有効成分を1種以上さらに含んでいてもよい。
【0038】
本発明は、前記化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩の治療学的に有効な量の投与を含むヒストンデアセチラーゼ媒介疾患を予防又は治療する方法を提供する。
【0039】
本発明で使われる「治療学的に有効な量」という用語は、ヒストンデアセチラーゼ媒介疾患の予防又は治療に有効な前記化学式Iで表される化合物の量を意味する。
【0040】
また、本発明は、前記化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩の有効量を、ヒトを含む哺乳類に投与してヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害する方法を提供する。
【0041】
本発明のヒストンデアセチラーゼ媒介疾患の予防又は治療方法は、前記化学式Iで表される化合物を投与することにより、兆候発現前に病気そのものを扱うだけでなく、その兆候を阻害したり避けたりすることも含む。疾患の管理において、特定の活性成分の予防的又は治療学的容量は、病気又は状態の性質(nature)と重症度、及び活性成分が投与される経路によって様々である。容量及び頻度は、個々の患者の年齢、体重、及び反応によって様々である。適切な用量・用法は、これらの因子を考慮することを当然とするこの分野の通常の知識を有する者によって容易に選択されることができる。また、本発明のヒストンデアセチラーゼ媒介疾患の予防又は治療方法は、前記化学式Iで表される化合物とともに疾患の治療に役立つ活性製剤の治療学的に有効な量をさらに投与することを含んでいてもよく、前記化学式Iの化合物に加えてさらなる活性製剤を使用することにより、相乗効果又は相加効果を得ることができる。
【0042】
さらに本発明は、HDAC媒介疾患の治療のための薬剤の製造における、前記化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩の用途を提供しようとする。薬剤の製造のための前記化学式Iで表される化合物には、薬剤学的に許容される補助剤、希釈剤、担体などを混合してもよく、他の活性製剤とともに複合製剤として製造されることにより、相乗作用を有することができる。
【0043】
本発明の用途、組成物、治療方法で述べられた事項は、互いに矛盾しない限り、同様に適用される。
【0044】
新規HDAC阻害化合物の製造方法
本発明は、化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩の製造方法を提供する。これらの製造方法を下記反応式1〜10で説明する。
【0045】
【化6】
【0046】
前記[反応式1]に図示されているように、化学式1−1を、メチル6−アミノヘキサノエートヒドロクロリド、メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド、又はメチル8−アミノオクタンノエートヒドロクロリド(化学式1−2)とウレア反応を行い、化学式1−3を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1102、1240、及び1257を合成する。
【0047】
また、メチル7−アミノヘプタノエートが導入された化学式1−3とヨードメタンとを反応させて化学式1−4を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1213を合成する。
【0048】
【化7】
【0049】
前記[反応式2]に図示されているように、化学式2−1をメチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(化学式1−2)とウレア反応を行い、化学式2−2を合成した後、4M塩酸溶液と反応させ、アミノ保護基(Boc)を除去した化学式2−5を合成する。化学式2−3を塩化チオニルと反応させて化学式2−4を合成した後、化学式2−5と置換反応を行い、化学式2−6を合成する。水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1223、1224、1647、及び1648を合成する。
【0050】
【化8】
【0051】
前記[反応式3]に図示されているように、化学式3−1を水素化ホウ素ナトリウムと還元反応を行い化学式3−2を合成した後、塩化メタンスルホニルと反応させて化学式3−3の合成する。化学式2−5と置換反応を行い化学式3−4を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1222を合成する。
【0052】
【化9】
【0053】
前記[反応式4]に図示されているように、化学式4−1を(2S,6R)−2,6−ジメチルピペラジン(式4−2)と置換反応を行い化学式4−3を合成した後、メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリドとウレア反応を行い、化学式4−4を合成する。水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1188を合成する。
【0054】
また、化学式4−1とA−Boc化合物とを反応させた後、4M塩酸溶液で保護基(Boc)を除去し、化学式4−6を合成する。化学式1−2とウレア反応を行い化学式4−7を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1189、1190、1763、及び1764を合成する。
【0055】
【化10】
【0056】
前記[反応式5]に図示されているように、化学式5−1を(クロロメチレン)ジベンゼン(化学式4−1)と置換反応を行い化学式5−2を合成した後、水酸化リチウム(LiOH)で加水分解反応を行い化学式5−3を合成する。メチル6−アミノヘキサノエートヒドロクロリド、メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド、又はメチル8−アミノオクタノエートヒドロクロリドとアミド結合反応によって化学式5−4を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1209、1316、及び1317を合成する。
【0057】
また、メチル7−アミノヘプタノエートが導入された化学式5−4を、ヨードメタンと反応させて化学式5−5を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1256を合成する。
【0058】
【化11】
【0059】
前記[反応式6]に図示されているように、化学式6−1とアニリンとの還元アミノ化反応によって化学式6−2を合成した後、Buckwald反応を行い化学式6−3を合成する。化学式6−3を4M塩酸溶液と反応させてアミノ保護基(Boc)を除去した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と反応させ、化学式6−5を合成する。メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(化学式1−2)とウレア反応を行い化学式6−6を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1221、1719、1726、及び1734を合成する。
【0060】
【化12】
【0061】
前記[反応式7]に図示されているように、化学式7−1を4−ニトロフェニルカルボノクロリデート(化学式7−2)と反応させて化学式7−3を合成した後、メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(化学式1−2)と置換反応を行い化学式7−4を合成する。水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1124を合成する。
【0062】
また、化学式7−1は、メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(化学式1−2)とウレア反応を行い化学式7−4を合成した後、ジエチルアミノスルファートリフルオリド(DAST)と反応させて化学式7−5を合成する。水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1649を合成する。
【0063】
【化13】
【0064】
前記[反応式8]に図示されているように、化学式8−1をトリフルオロメタンスルホン酸メチル(化学式8−2)と反応させ化学式8−3を合成する。ジフェニル(ピペリジン−4−イル)メタノール(化学式7−1)と反応させて化学式8−4を合成した後、トリフルオロメタンスルホン酸メチル(化学式8−2)と反応させ化学式8−5を合成する。メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(化学式1−2)と反応させて化学式8−6を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1210を合成する。
【0065】
【化14】
【0066】
前記[反応式9]に図示されているように、化学式2−5とアセトフェノンとの還元アミノ化(reductive amination)反応を行って化学式9−2を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1241を合成する。
【0067】
【化15】
【0068】
前記[反応式10]に図示されているように、化学式10−1とアセトフェノンとの還元アミノ化(reductive amination)反応を行って化学式10−2を合成した後、水酸化リチウム(LiOH)で加水分解反応を行い化学式10−3を合成する。メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリドとのアミド結合反応によって化学式10−4を合成した後、水酸化カリウム(KOH)、メタノール、ヒドロキシルアミン水溶液を加え、室温で反応させることにより、最終化合物1243を合成する。
【発明の効果】
【0069】
本発明の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩は、選択的にHDACを阻害することができ、ヒストンデアセチラーゼ(Histone deacetylase)媒介疾患の予防又は治療に著しく優れている。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1図1は、補助剤(adjuvant)誘発関節炎モデルにおいて、化合物1102の投与による関節炎改善効果を確認した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記実施例は、本発明をより理解しやすくするために提供するものであって、これら実施例により本発明の内容が限定されるものではない。
【0072】
以下に記載の試薬及び溶媒は、特に記載のない限り、Sigma−Aldrich,TCIから購入したものであり、HPLCは、Waters e2695を、カラムクロマトグラフィー用シリカゲルは、Merck(230〜400mesh)を用いた。1H−NMRデータは、Bruker400MHzを用いて測定し、Mass Spectrumは、Agilent 1100seriesを用いた。
【0073】
実施例1:化合物1102の合成
ステップ1:メチル7−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式1−3)の合成
【化16】
【0074】
1−ベンズヒドリルピペラジン(0.200g、0.793mmol)、メチル7−アミノヘプタノエート(0.151g、0.951mmol)、トリホスゲン(0.118g、0.396mmol)、及びDIPEA(0.415mL、2.378mmol)を室温で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(Waters、C18;1%ギ酸(メタン酸)水溶液/アセトニトリル=100%〜20%)で精製し、SPEカートリッジ(PL−HCO3 resin)に通過させて濃縮し、所望の化学式1−3(0.075g、21.6%)を淡黄色オイルとして得た。
【0075】
ステップ2:4−ベンズヒドリル−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1102)の合成
【化17】
【0076】
ステップ1で製造された化学式1−3(0.075g、0.171mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.210mL、3.428mmol)、及び水酸化カリウム(0.096g、1.714mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で30分間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1102(0.047g、62.5%)を黄色固体として得た。
【0077】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.39 (brs, 1H), 7.42 (d, 4H, J = 7.2 Hz), 7.29 (t, 4H, J = 7.5 Hz), 7.18 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 6.40 (t, 1H, J = 5.3 Hz), 4.28 (s, 1H), 3.27 (s, 4H), 2.98 - 2.93 (m, 2H), 2.08 (s, 4H), 1.89 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.44 - 1.43 (m, 2H), 1.34 - 1.33 (m, 2H), 1.20 (s, 4H); MS (ESI) m/z 439.6 (M+ + H).
【0078】
実施例2:化合物1124の合成
ステップ1:4−ニトロフェニル4−(ヒドロキシジフェニルメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化学式7−3)の合成
【化18】
【0079】
ジフェニル(ピペリジン−4−イル)メタノール(0.100g、0.374mmol)とトリエチルアミン(0.104mL、0.748mmol)を0℃で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液にクロロギ酸4−ニトロフェニル(0.083g、0.411mmol)を加え、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜20%)で精製及び濃縮し、所望の化学式7−3(0.152g、94.0%)を無色オイルとして得た。
【0080】
ステップ2:メチル7−(4−(ヒドロキシジフェニルメチル)ピペリジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式7−4)の合成
【化19】
【0081】
ステップ1で製造された化学式7−3(0.152g、0.351mmol)、メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.280g、1.757mmol)、及び炭酸カリウム(0.097g、0.703mmol)を室温でN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶かした溶液を100℃で17時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%〜40%)で精製及び濃縮し、所望の化学式7−4(0.075g、39.4%)をオレンジ色オイルとして得た。
【0082】
ステップ3:N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−4−(ヒドロキシジフェニルメチル)ピペリジン−1−カルボキサミド(化合物1124)の合成
【化20】
【0083】
ステップ2で製造された化学式7−4(0.075g、0.166mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.203mL、3.314mmol)、及び水酸化カリウム(0.093g、1.657mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。析出した固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、所望の化合物1124(0.007g、9.3%)を白色固体として得た。
【0084】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.36 (brs, 1H), 7.52 (d, 4H, J = 7.6 Hz), 7.27 (t, 4H, J = 7.7 Hz), 7.13 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 6.30 (t, 1H, J = 5.3 Hz), 5.32 (brs, 1H), 3.94 (d, 2H, J = 13.4 Hz), 2.99 - 2.94 (m, 2H), 2.67 - 2.58 (m, 3H), 1.91 (t, 2 H, J = 7.4 Hz), 1.48 - 1.46 (m, 2H), 1.35 - 1.34 (m, 2H), 1.30 - 1.25 (m, 6H).
【0085】
実施例3:化合物1188の合成
ステップ1:(3S,5R)−1−ベンズヒドリル−3,5−ジメチルピペラジン(化学式4−3)の合成
【化21】
【0086】
(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジン(1.000g、8.757mmol)、(クロロメチレン)ジベンゼン(3.550g、17.515mmol)、及び炭酸カリウム(6.052g、43.787mmol)を室温でN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶かした溶液を、同じ温度で17時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;メタノール/塩化メチレン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化学式4−3(0.798g、32.5%)を白色固体として得た。
【0087】
ステップ2:メチル7−((2S,6R)−4−ベンズヒドリル−2,6−ジメチルピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式4−4)の合成
【化22】
【0088】
トリホスゲン(0.159g、0.535mmol)とジイソプロピルアミン(0.561mL、3.210mmol)を0℃で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液にメチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.251g、1.284mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物に、ステップ1で製造された化学式4−3(0.300g、1.070mmol)を加え、同じ温度で30分間さらに撹拌した。反応混合物に水を注ぎ塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜30%)で精製及び濃縮し、所望の化学式4−4(0.212g、42.6%)を白色固体として得た。
【0089】
ステップ3:(2S,6R)−4−ベンズヒドリル−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1188)の合成
【化23】
【0090】
ステップ2で製造された化学式4−4(0.100g、0.215mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.263mL、4.295mmol)、及び水酸化カリウム(0.121g、2.148mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1188(0.099g、98.8%)を白色固体として得た。
【0091】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.51 (d, 4H, J = 7.5 Hz), 7.30 (t, 4H, J = 7.6 Hz), 7.19 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 6.23 (t, 1H, J = 5.3 Hz), 4.23 (s, 1H), 3.94 (brs, 2H), 3.03 - 2.98 (m, 2H), 2.60 (d, 2H, J = 10.9 Hz), 1.96 - 1.90 (m, 4H), 1.46 - 1.45 (m, 2H), 1.38 - 1.36 (m, 2H), 1.26 - 1.22 (m, 10H).
【0092】
実施例4:化合物1189の合成
ステップ1:tert−ブチル(R)−4−ベンズヒドリル−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(化学式4−5)の合成
【化24】
【0093】
(R)−tert−ブチル2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.000g、4.993mmol)、(クロロメチレン)ジベンゼン(2.024g、9.986mmol)、及び炭酸カリウム(3.450g、24.965mmol)を室温でN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶かした溶液を80℃で17時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化合物4−5(0.813g、44.4%)を白色固体として得た。
【0094】
ステップ2:(R)−1−ベンズヒドリル−3−メチルピペラジン(化学式4−6)の合成
【化25】
【0095】
ステップ1で製造された化学式4−5(0.813g、2.218mmol)を室温で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に塩酸(4.00Mジオキサン溶液、5.546mL、22.183mmol)を加え、同じ温度で17時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、所望の化学式4−6(0.590g、99.8%)を白色固体として得た。
【0096】
ステップ3:メチル(R)−7−(4−ベンズヒドリル−2−メチルピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式4−7)の合成
【化26】
【0097】
トリホスゲン(0.167g、0.563mmol)とDIPEA(1.180mL、6.757mmol)を0℃で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液にメチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.264g、1.351mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物にステップ2で製造された化学式4−6(0.300g、1.126mmol)を加え、同じ温度で30分間さらに撹拌した。反応混合物に水を注ぎ塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜30%)で精製及び濃縮した後、得られた物質を再びクロマトグラフィー法(Waters、C18;1%ギ酸(メタン酸)水溶液/アセトニトリル=75%〜5%)で精製し、SPEカートリッジ(PL−HCO3 resin)に通過させて濃縮し、所望の化学式4−7(0.106g、20.8%)を得た。
【0098】
ステップ4:(R)−4−ベンズヒドリル−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−2−メチルピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1189)の合成
【化27】
【0099】
ステップ3で製造された化学式4−7(0.100g、0.221mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.271mL、4.429mmol)、及び水酸化カリウム(0.124g、2.214mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1189(0.099g、98.8%)を白色固体として得た。
【0100】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.42 (brs, 2H), 7.45 (t, 4H, J = 6.3 Hz), 7.30 (t, 4H, J = 7.6 Hz), 7.19 (t, 2H, J = 6.8 Hz), 6.36 - 6.34 (m, 1H), 4.23 (s, 1H), 4.04 (brs, 1H), 3.62 (d, 1H, J = 12.4 Hz), 3.01 - 2.93 (m, 3H), 2.67 (d, 1H, J = 9.6 Hz), 2.60 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 1.95 (dd, 1H, J = 11.0, 3.0 Hz), 1.88 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.78 (t, 1H, J = 10.1 Hz), 1.44 - 1.43 (m, 2H), 1.36 - 1.35 (m, 2H), 1.20 - 1.18 (m, 7H).
【0101】
実施例5:化合物1190の合成
ステップ1:tert −ブチル(S)−4−ベンズヒドリル−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(化学式4−5)の合成
【化28】
【0102】
(S)−tert−ブチル2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.000g、4.993mmol)、(クロロメチレン)ジベンゼン(2.024g、9.986mmol)、及び炭酸カリウム(3.450g、24.965mmol)を室温でN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶かした溶液を80℃で17時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去した後、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化合物4−5(0.742g、40.5%)を白色固体として得た。
【0103】
ステップ2:(S)−1−ベンズヒドリル−3−メチルピペラジン(化学式4−6)の合成
【化29】
【0104】
ステップ1で製造された化学式4−5(0.742g、2.025mmol)を室温で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に塩酸(4.00Mジオキサン溶液、5.061mL、20.246mmol)を加え、同じ温度で17時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.530g、98.3%、白色固体)。
【0105】
ステップ3:メチル(S)−7−(4−ベンズヒドリル−2−メチルピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式4−7)の合成
【化30】
【0106】
トリホスゲン(0.111g、0.375mmol)とDIPEA(0.582g、4.505mmol)を0℃で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液にメチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.176g、0.901mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物にステップ2で製造された化学式4−6(0.200g、0.751mmol)を加え、同じ温度で30分間さらに撹拌した。反応混合物に水を注ぎ塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去した後、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜30%)で精製及び濃縮し、所望の化学式4−7(0.213g、62.8%)を淡黄色オイルとして得た。
【0107】
ステップ4:(S)−4−ベンズヒドリル−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−2−メチルピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1190)の合成
【化31】
【0108】
ステップ3で製造された化学式4−7(0.100g、0.221mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.271mL、4.429mmol)、及び水酸化カリウム(0.124g、2.214mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1190(0.093g、92.8%)を淡いオレンジ色の固体として得た。
【0109】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.43 (brs, 2H), 7.45 (t, 4H, J = 6.3 Hz), 7.30 (t, 4H, J = 7.6 Hz), 6.35 (t, 1H, J = 5.5 Hz), 4.23 (s, 1H), 4.04 (brs, 1H), 3.62 (d, 1H, J = 12.6 Hz), 3.03 - 2.92 (m, 3H), 2.67 (d, 1H, J = 10.6 Hz), 2.60 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 1.95 (dd, 1H, J = 11.1, 3.1 Hz), 1.88 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 1.80 - 1.75 (m, 1H), 1.45 - 1.43 (m, 2H), 1.36 - 1.34 (m, 2H), 1.20 - 1.18 (m, 7H).
【0110】
実施例6:化合物1209の合成
ステップ1:エチル1−ベンズヒドリルピペリジン−4−カルボキシレート(化学式5−2)の合成
【化32】
【0111】
エチルピペリジン−4−カルボキシレート(3.000g、19.083mmol)、(クロロメチレン)ジベンゼン(5.802g、28.624mmol)、及び炭酸カリウム(13.187g、95.414mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)に溶かした溶液を室温で17時間攪拌し、80℃で3時間さらに攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜15%)で精製及び濃縮し、所望の化学式5−2(1.410g、22.8%)を無色オイルとして得た。
【0112】
ステップ2:1−ベンズヒドリルピペリジン−4−カルボン酸(化学式5−3)の合成
【化33】
【0113】
ステップ1で製造された化学式5−2(1.410g、4.360mmol)とLiOH(0.209g、8.719mmol)を室温でメタノール(10mL)/水(5mL)に溶かした溶液を60℃で17時間撹拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、1N塩酸水溶液を加えて中和し、減圧下で溶媒を除去した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(1.300g、101.0%、白色固体)。
【0114】
ステップ3:メチル7−(1−ベンズヒドリルピペリジン−4−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式5−4)の合成
【化34】
【0115】
ステップ2で製造された化学式5−3(1.500g、5.078mmol)、メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(1.988g、10.156mmol)、EDC(1.947g、10.156mmol)、HBOt(1.372g、10.156mmol)、及びジイソプロピルアミン(4.435mL、25.391mmol)を室温で塩化メチレン(30mL)に溶かした溶液を、同じ温度で17時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜40%)で精製及び濃縮し、所望の化学式5−4(1.810g、81.6%)を無色オイルとして得た。
【0116】
ステップ4:1−ベンズヒドリル−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペリジン−4−カルボキサミド(化合物1209)の合成
【化35】
【0117】
ステップ3で製造された化学式5−4(1.000g、2.290mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、2.802mL、45.809mmol)、及び水酸化カリウム(1.285g、22.904mmol)を0℃でメタノール(15mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。さらなる精製過程を経ずに、所望の化合物1209(1.000g、99.8%)を淡いオレンジ 色の固体として得た。
【0118】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (t, 1H, J = 5.4 Hz), 7.40 (d, 4H, J = 7.3 Hz), 7.27 (t, 4H, J = 7.5 Hz), 7.16 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.25 (s, 1H), 2.98 (q, 2H, J = 6.4 Hz), 2.79 (d, 2H, J = 11.0 Hz), 2.09 − 2.02 (m, 1H), 1.89 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.77 (t, 2H, J = 9.8 Hz), 1.66 − 1.59 (m, 4H), 1.45 − 1.39 (m, 2H), 1.34 − 1.32 (m, 2H), 1.29 − 1.27 (m, 4H); MS (ESI) m/z 438.2 (M+ + H).
【0119】
実施例7:化合物1210の合成
ステップ1:1−((1H−イミダゾール−1−イル)スルホニル)−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロメタンスルホネート(化学式8−3)の合成
【化36】
【0120】
1,1’−スルホニルビス(1H−イミダゾール)(5.000g、25.227mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸メチル(2.855mL、25.227mmol)を室温で塩化メチレン(100mL)に溶かした溶液を、同じ温度で3時間撹拌した。析出した固体を濾過し、乾燥して、所望の化学式8−3(5.160g、45.3%)を淡黄色固体として得た。
【0121】
ステップ2:(1−((1H−イミダゾール−1−イル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)ジフェニルメタノール(化学式8−4)の合成
【化37】
【0122】
ジフェニル(ピペリジン−4−イル)メタノール(1.000g、3.740mmol)とステップ1で製造された化学式8−3(2.033g、5.610mmol)を室温でアセトニトリル(20mL)に溶かした溶液を、同じ温度で17時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜40%)で精製及び濃縮し、所望の化学式8−4(0.487g、32.8%)を白色固体として得た。
【0123】
ステップ3:(1−((3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム−1−イル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)ジフェニルメタノールトリフルオロメタンスルホネート(化学式8−5)の合成
【化38】
【0124】
ステップ2で製造された化学式8−4(0.487g、1.225mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸メチル(0.146mL、1.286mmol)を0℃で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液を、室温で2時間攪拌した。析出した固体を濾過して、塩化メチレンで洗浄し、乾燥して、所望の化学式8−5(0.670g、97.4%)を白色固体として得た。
【0125】
ステップ4:メチル7−((4−(ヒドロキシジフェニルメチル)ピペリジン)−1−スルホンアミド)ヘプタノエート(化学式8−6)の合成
【化39】
【0126】
ステップ3で製造された化学式8−5(0.504g、0.897mmol)とメチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.228g、1.167mmol)を80℃でアセトニトリル(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で12時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%〜60%)で精製及び濃縮し、所望の化学式8−6(0.147g、33.5%)を白色固体として得た。
【0127】
ステップ5:N−ヒドロキシ−7−((4−(ヒドロキシジフェニルメチル)ピペリジン)−1−スルホンアミド)ヘプタンアミド(化合物1210)の合成
【化40】
【0128】
ステップ4で製造された化学式8−6(0.150g、0.307mmol)、水酸化カリウム(0.172g、3.070mmol)、及びヒドロキシアミン(50.00% solution、0.188mL、3.070mmol)を室温でメタノール(1mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、所望の化合物1210(0.067g、44.6%)を白色固体として得た。
【0129】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.34 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 7.52 (d, 4H, J = 7.4 Hz), 7.26 (t, 4H, J = 7.6 Hz), 7.12 (m, 3H), 3.46 (m, 2H), 2.82 (m, 2H), 2.63 (m, 3H), 1.93 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.48 - 1.22 (m, 13H); MS (ESI) m/z 490.6 (M+ + H).
【0130】
実施例8:化合物1213の合成
ステップ1:メチル7−(4−ベンズヒドリル−N−メチルピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式1−4)の合成
【化41】
【0131】
メチル7−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(0.100g、0.229mmol)と水素化ナトリウム(60.00%、0.046g、1.143mmol)を0℃でN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)に溶かした溶液にヨードメタン(0.071mL、1.143mmol)を加え、同じ温度で10分間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%〜40%)で精製及び濃縮し、所望の化学式1−4(0.097g、94.0%)を無色オイルとして得た。
【0132】
ステップ2:4−ベンズヒドリル−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−N−メチルピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1213)の合成
【化42】
【0133】
ステップ1で製造された化学式1−4(0.097g、0.215mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.263mL、4.296mmol)、及び水酸化カリウム(0.121g、2.148mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去した後、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、所望の化合物1213(0.010g、10.3%)を白色固体として得た。
【0134】
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.44 (d, 4H, J = 7.4 Hz), 7.27 (t, 4H, J = 7.5 Hz), 7.17 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.26 (s, 1H), 3.24 - 3.22 (m, 4H), 3.17 (t, 2H, J = 7.2 Hz), 2.81 (s, 3H), 2.41 - 2.38 (m, 4H), 2.07 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 1.62 - 1.52 (m, 4H), 1.33 - 1.24 (m, 4H); MS (ESI) m/z 453.4 (M+ + H).
【0135】
実施例9:化合物1221の合成
ステップ1:N,N−ジフェニルピペリジン−4−アミンヒドロクロリド(化学式6−4)の合成
【化43】
【0136】
tert−ブチル4−(ジフェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.000g、2.837mmol)を室温で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に塩酸(4.00M 1,4−ジオキサン溶液、3.546mL、14.185mmol)を加え、同じ温度で17時間攪拌した。析出した固体を濾過し、塩化メチレンで洗浄し、乾燥して、所望の化学式6−4(0.800g、97.6%)を白色固体として得た。
【0137】
ステップ2:N,N−ジフェニルピペリジン−4−アミン(化学式6−5)の合成
【化44】
【0138】
ステップ1で製造された化学式6−4(0.600g、2.077mmol)を室温で水(5mL)に溶かした溶液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.496g、94.6%、無色オイル)。
【0139】
ステップ3:メチル7−(−4−(ジフェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式6−6)の合成
【化45】
【0140】
ステップ2で製造された化学式6−5(0.100g、0.396mmol)、メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.078g、0.396mmol)、トリホスゲン(0.059g、0.198mmol)、及びDIPEA(0.415mL、2.378mmol)を0℃で塩化メチレン(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間攪拌した後、0℃で反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加え、10分間攪拌して反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%〜60%)で精製及び濃縮し、所望の化学式6−6(0.096g、55.4%)を淡黄色オイルとして得た。
【0141】
ステップ4:4−(ジフェニルアミノ)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペリジン−1−カルボキサミド(化合物1221)の合成
【化46】
【0142】
ステップ3で製造された化学式6−6(0.096g、0.219mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.268mL、4.388mmol)、及び水酸化カリウム(0.123g、2.194mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)と塩化メチレン(5mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1221(0.076g、79.0%)を白色固体として得た。
【0143】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.27 (t, 4H, J = 7.8 Hz), 6.97 (t, 2H, J = 7.2 Hz), 6.79 (d, 4H, J = 7.8 Hz), 6.35 (t, 1H, J = 5.4 Hz), 4.10 - 4.04 (m, 1H), 3.97 (d, 2H, J = 13.1 Hz), 2.90 (q, 2H, J = 6.4 Hz), 2.78 (t, 2H, J = 12.5 Hz), 1.90 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.84 (d, 2H, J = 12.5 Hz), 1.46 - 1.39 (m, 2H), 1.31 - 1.27 (m, 2H), 1.17 - 1.10 (m, 4H), 1.08 - 1.01 (m, 2H).
【0144】
実施例10:化合物1222の合成
ステップ1:ジ(ピリジン−2−イル)メタノール(化学式3−2)の合成
【化47】
【0145】
ジ(ピリジン−2−イル)メタンオン(2.000g、10.858mmol)を0℃でメタノール(20mL)に溶かした溶液にNaBH4(0.452g、11.944mmol)を加え、同じ温度で1時間攪拌した後、0℃で反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加え、10分間攪拌して反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、所望の化学式3−2(2.000g、98.9%)を赤色オイルとして得た。
【0146】
ステップ2:ジ(ピリジン−2−イル)メチルメタンスルホネート(化学式3−3)の合成
【化48】
【0147】
ステップ1で製造された化学式3−2(1.000g、5.370mmol)、塩化メタンスルホニル(0.623mL、8.055mmol)、及びトリエチルアミン(2.246mL、16.111mmol)を0℃で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜30%)で精製及び濃縮し、所望の化学式3−3(0.670g、47.2%)をピンク色固体として得た。
【0148】
ステップ3:メチル7−(4−(ジ(ピリジン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式3−4)の合成
【化49】
【0149】
ステップ2で製造された化学式3−3(0.258g、0.975mmol)、化学式2−5(0.200g、0.650mmol)、及び炭酸カリウム(0.449g、3.249mmol)を室温でN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)に溶かした溶液を80℃で17時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;メタノール/塩化メチレン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化学式3−4(0.255g、89.3%)をオレンジ色オイルとして得た。
【0150】
ステップ4:4−(ジ(ピリジン−2−イル)メチル)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1222)の合成
【化50】
【0151】
ステップ3で製造された化学式3−4(0.255g、0.580mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.710mL、11.603mmol)、及び水酸化カリウム(0.326g、5.801mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(Waters、C18;1%ギ酸(メタン酸)水溶液/アセトニトリル水溶液=70%〜5%)で精製し、SPEカートリッジ(PL−HCO3 resin)に通過させて濃縮し、所望の化合物1222(0.051g、20.0%)を白色固体として得た。
【0152】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.46 (dt, 2H, J = 4.8, 0.8 Hz), 7.77 (td, 2H, J = 7.7, 1.7 Hz), 7.62 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 7.25 - 7.22 (m, 2H), 6.40 (t, 1H, J = 5.2 Hz), 4.64 (s, 1H), 3.28 - 3.27 (m, 4H), 2.96 (q, 2H, J = 6.6 Hz), 2.25 (t, 4H, J = 4.7 Hz), 1.92 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.48 - 1.43 (m, 2H), 1.35 - 1.33 (m, 2H), 1.21 - 1.20 (m, 4H).
【0153】
実施例11:化合物1223の合成
ステップ1:tert−ブチル4−((7−メトキシ−7−オキソヘプチル)カルバモイル)ピペラジン−1−カルボキシレート(化学式2−2)の合成
【化51】
【0154】
トリホスゲン(4.780g、16.107mmol)とジイソプロピルアミン(16.879mL、96.644mmol)を0℃で塩化メチレン(100mL)に溶かした溶液にメチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(6.304g、32.215mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物にtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(6.000g、32.215mmol)を加え、同じ温度で1時間さらに攪拌した後、0℃で反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を加え、10分間攪拌して反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、80gカートリッジ;メタノール/塩化メチレン=0%〜5%)で精製及び濃縮し、所望の化学式2−2(3.430g、28.7%)を淡黄色オイルとして得た。
【0155】
ステップ2:メチル7−(ピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエートヒドロクロリド(化学式2−5)の合成
【化52】
【0156】
ステップ1で製造された化学式2−2(3.430g、9.233mmol)を室温で塩化メチレン(50mL)に溶かした溶液に塩酸(4.00Mジオキサン溶液、11.542mL、46.167mmol)を加え、同じ温度で17時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物に酢酸エチル(50mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して、酢酸エチルで洗浄し、乾燥して、所望の化学式2−5(2.300g、80.9%)を白色固体として得た。
【0157】
ステップ3:4,4’−(クロロメチレン)ビス(フルオロベンゼン)(化学式2−4)の合成
【化53】
【0158】
ビス(4−フルオロフェニル)メタノール(5.000g、22.706mmol)を塩化メチレン(50mL)に溶かした溶液を室温で4時間撹拌し、塩化チオニル(1.812mL、24.976mmol)を加え、40℃で2時間さらに攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、所望の化学式2−4(5.350g、98.7%)をオレンジ色オイルとして得た。
【0159】
ステップ4:メチル7−(4−(ビス(4−フルオロフェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式2−6)の合成
【化54】
【0160】
ステップ3で製造された化学式2−4(0.233g、0.975mmol)、メチル7−(ピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエートヒドロクロリド(0.200g、0.650mmol)、及び炭酸カリウム(0.449g、3.249mmol)を室温でN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)に溶かした溶液を80℃で17時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;メタノール/塩化メチレン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化学式2−6(0.101g、32.8%)を淡褐色オイルとして得た。
【0161】
ステップ5:4−(ビス(4−フルオロフェニル)メチル)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1223)の合成
【化55】
【0162】
ステップ4で製造された化学式2−6(0.101g、0.213mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.261mL、4.266mmol)、及び水酸化カリウム(0.120g、2.133mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(Waters、C18;1%ギ酸(メタン酸)水溶液/アセトニトリル=70%〜5%)で精製し、SPEカートリッジ(PL−HCO3 resin)に通過させて濃縮し、所望の化合物1223(0.002g、2.0%)を白色固体として得た。
【0163】
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.48 - 7.44 (m, 4H), 7.04 (t, 4H, J = 8.8 Hz), 6.44 (t, 1H, J = 5.3 Hz), 4.31 (s, 1H), 3.39 (t, 4H, J = 5.0 Hz), 3.16 - 3.12 (m, 2H), 2.36 (t, 4H, J = 5.0 Hz), 2.09 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 1.64 - 1.61 (m, 2H), 1.51 - 1.48 (m, 2H), 1.35 - 1.33 (m, 4H); MS (ESI) m/z 475.3 (M+ + H).
【0164】
実施例12:化合物1224の合成
ステップ1:4,4’−(クロロメチレン)ビス(クロロベンゼン)(化学式2−4)の合成
【化56】
【0165】
ビス(4−クロロフェニル)メタノール(10.000g、39.507mmol)を0℃で塩化メチレン(100mL)に溶かした溶液に塩化チオニル(3.153mL、43.458mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、所望の化学式2−4の化合物(10.700g、99.7%)を白色固体として得た。
【0166】
ステップ2:メチル7−(4−(ビス(4−クロロフェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式2−6)の合成
【化57】
【0167】
ステップ1で製造された化学式2−4(0.265g、0.975mmol)、化学式2−5(0.200g、0.650mmol)、及び炭酸カリウム(0.449g、3.249mmol)を室温でN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)に溶かした溶液を80℃で17時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;メタノール/塩化メチレン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化学式2−6(0.271g、82.4%)を淡黄色オイルとして得た。
【0168】
ステップ3:4−(ビス(4−クロロフェニル)メチル)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1224)の合成
【化58】
【0169】
ステップ2で製造された化学式2−6(0.271g、0.535mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.655mL、10.702mmol)、及び水酸化カリウム(0.300g、5.351mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(Waters、C18;1%ギ酸(メタン酸)水溶液/アセトニトリル=70%〜5%)で精製し、SPEカートリッジ(PL−HCO3 resin)に通過させて濃縮し、所望の化合物1224(0.035g、12.9%)を白色固体として得た。
【0170】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.34 (brs, 1H), 8.69 (brs, 1H), 7.43 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.37 (d, 4H, J = 8.4 Hz), 6.41 (t, 1H, J = 5.3 Hz), 4.40 (s, 1H), 3.28 - 3.27 (m, 4H), 2.96 (q, 2H, J = 6.4 Hz), 2.22 - 2.21 (m, 4H), 1.92 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 1.48 - 1.44 (m, 2H), 1.37 - 1.35 (m, 2H), 1.24 - 1.21 (m, 4H); MS (ESI) m/z 507.4 (M+ + H).
【0171】
実施例13:化合物1240の合成
ステップ1:メチル8−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−カルボキサミド)オクタノエート(化学式1−3)の合成
【化59】
【0172】
トリホスゲン(0.118g、0.396mmol)とジイソプロピルアミン(0.830mL、4.755mmol)を0℃で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液にメチル8−アミノオクタノエートヒドロクロリド(0.166g、0.793mmol)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に出発物質(0.200g、0.793mmol)を加え、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去した後、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%〜70%)で精製及び濃縮し、所望の化学式1−3(0.158g、44.1%)を淡黄色固体として得た。
【0173】
ステップ2:4−ベンズヒドリル−N−(8−(ヒドロキシアミノ)−8−オキソエチル)ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1240)の合成
【化60】
【0174】
ステップ1で製造された化学式1−3(0.158g、0.350mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.428mL、6.997mmol)、及び水酸化カリウム(0.196g、3.499mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で30分間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1240(0.074g、46.7%)を白色固体として得た。
【0175】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.49 (brs, 2H), 7.43 (d, 4H, J = 7.5Hz), 7.30 (t, 4H, J = 7.6 Hz), 7.19 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 6.42 (t, 1H, J = 5.2 Hz), 4.29 (s, 1H), 3.28 - 3.27 (m, 4H), 2.97 (q, 2H, J = 6.4 Hz), 2.23-2.22 (m, 4H), 1.90 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.47-1.44 (m, 2H), 1.37 - 1.34 (m, 2H), 1.22 (brs, 4H); MS (ESI) m/z 453.6 (M+ + H).
【0176】
実施例14:化合物1241の合成
ステップ1:メチル7−(4−(1−フェニルエチル)ピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式9−2)の合成
【化61】
【0177】
化学式2−5(0.150g、0.553mmol)とアセトフェノン(0.100g、0.829mmol)を塩化メチレン(3mL)に溶かした溶液を室温で10分間攪拌し、NaBH(OAc)3(0.234g、1.106mmol)を加え、同じ温度で17時間さらに攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;メタノール/塩化メチレン=0%〜5%)で精製及び濃縮し、所望の化学式9−2(0.038g、18.3%)を無色オイルとして得た。
【0178】
ステップ2:N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−4−(1−フェニルエチル)ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1241)の合成
【化62】
【0179】
ステップ1で製造された化学式9−2(0.038g、0.101mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.124mL、2.024mmol)、及び水酸化カリウム(0.057g、1.012mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で30分間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。さらなる精製を加えずに所望の化合物1241(0.013g、34.1%)を淡いオレンジ色の固体として得た。
【0180】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.32 - 7.30 (m, 4H), 7.26 - 7.23 (m, 1H), 3.71 - 3.34 (m, 5H), 3.11 (t, 2 H, J = 7.1 Hz), 2.50 - 2.45 (m, 2H), 2.37 - 2.32 (m, 2H), 2.05 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 1.61 - 1.56 (m, 2H), 1.49 - 1.44 (m, 2H), 1.37 (d, 3H, J = 7.6 Hz), 1.33 - 1.29 (m, 4H); MS (ESI) m/z 477.2 (M+ + H).
【0181】
実施例15:化合物1243の合成
ステップ1:エチル1−(1−フェニルエチル)ピペリジン−4−カルボキシレート(化学式10−2)の合成
【化63】
【0182】
アセトフェノン(1.050g、8.739mmol)とエチルピペリジン−4−カルボキシレート(1.751mL、11.361mmol)を室温で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液にSTAB(2.408g、11.361mmol)を加え、同じ温度で12時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜50%)で精製及び濃縮し、所望の化学式10−2(0.700g、30.6%)を無色オイルとして得た。
【0183】
ステップ2:1−(1−フェニルエチル)ピペリジン−4−カルボン酸(化学式10−3)の合成
【化64】
【0184】
ステップ1で製造された化学式10−2(0.700g、2.678mmol)とLiOH(0.096g、4.017mmol)を40℃でメタノール(3mL)/水(1mL)に溶かした溶液を、同じ温度で5時間撹拌して温度を室温に下げた後、0℃で反応混合物に1M HClを加え、10分間攪拌して反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.500g、69.2%、白色泡状固体)。
【0185】
ステップ3:メチル7−(1−(1−フェニルエチル)ピペリジン−4−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式10−4)の合成
【化65】
【0186】
ステップ2で製造された化学式10−3(0.300g、1.286mmol)、メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.503g、2.572mmol)、EDC(0.493g、2.572mmol)、HOBt(0.347g、2.572mmol)、及びジイソプロピルアミン(1.123mL、6.429mmol)を室温で塩化メチレン(4mL)/N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)に溶かした溶液を、同じ温度で17時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;メタノール/塩化メチレン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化学式10−4(0.122g、25.3%)を褐色オイルとして得た。
【0187】
ステップ4:N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−1−(1−フェニルエチル)ピペリジン−4−カルボキサミド(化合物1243)の合成
【化66】
【0188】
ステップ3で製造された化学式10−4(0.122g、0.326mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.398mL、6.515mmol)、及び水酸化カリウム(0.183g、3.257mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で30分間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。さらなる精製を加えずに所望の化合物1243(0.074g、60.5%)をオレンジ色個体として得た。
【0189】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.19 (brs, 1H), 8.71 (brs, 1H), 7.64 (t, 1H, J = 5.6 Hz), 7.32 - 7.27 (m, 4H), 7.23 - 7.20 (m, 1H), 3.40 - 3.37 (m, 1H), 3.00 - 2.95 (m, 3H); MS (ESI) m/z 376.3 (M+ + H).
【0190】
実施例16:化合物1256の合成
ステップ1:メチル7−(1−ベンズヒドリル−N−メチルピペリジン−4−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式5−5)の合成
【化67】
【0191】
メチル7−(1−ベンズヒドリルピペリジン−4−カルボキサミド)ヘプタノエート(0.200g、0.458mmol)と水素化ナトリウム(60.00%、0.092g、2.290mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶かした溶液を室温で10分間攪拌し、ヨードメタン(0.143mL、2.290mmol)を加え、同じ温度で17時間さらに攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%〜70%)で精製及び濃縮し、所望の化学式5−5(0.089g、43.1%)を淡黄色オイルとして得た。
【0192】
ステップ2:1−ベンズヒドリル−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−N−メチルピペリジン−4−カルボキサミド(化合物1256)の合成
【化68】
【0193】
ステップ1で製造された化学式5−5(0.089g、0.198mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.242mL、3.950mmol)、及び水酸化カリウム(0.111g、1.975mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。さらなる精製を加えずに所望の化合物1256(0.089g、99.8%)を白色固体として得た。
【0194】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.50 (brs, 2H), 7.40 (d, 4H, J = 7.2 Hz), 7.29 (t, 4H, J = 7.6 Hz), 7.18 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.30 (s, 1H), 3.23 (q, 2H, J = 7.5 Hz), 2.94 (s, 2H), 2.81 (d, 2H, J = 11.4 Hz), 2.76 (s, 1H), 1.91 - 1.83 (m, 4H), 1.69 - 1.53 (m, 4H), 1.46 - 1.37 (m, 4H), 1.24 - 1.19 (m, 4H); MS (ESI) m/z 452.6 (M+ + H).
【0195】
実施例17:化合物1257の合成
ステップ1:メチル6−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−カルボキサミド)ヘキサノエート(化学式1−3)の合成
【化69】
【0196】
トリホスゲン(0.294g、0.991mmol)とジイソプロピルアミン(2.076mL、11.888mmol)を0℃で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に、メチル6−アミノヘキサノエートヒドロクロリド(0.360g、1.981mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物に1−ベンズヒドリルピペラジン(0.500g、1.981mmol)を加え、同じ温度で1時間さらに撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜40%)で精製及び濃縮し、所望の化学式1−3(0.320g、38.1%)を黄色オイルとして得た。
【0197】
ステップ2:4−ベンズヒドリル−N−(6−(ヒドロキシアミノ)−6−オキソヘキシル)ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1257)の合成
【化70】
【0198】
ステップ1で製造された化学式1−3(0.200g、0.472mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.578mL、9.444mmol)、及び水酸化カリウム(0.265g、4.722mmol)を室温でメタノール(5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。さらなる精製を加えずに所望の化合物1257(0.049g、24.4%)を淡黄色固体として得た。
【0199】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.43 (d, 4H, J = 7.2 Hz), 7.30 (t, 4H, J = 7.6 Hz), 7.19 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 6.42 (t, 1H, J = 5.4 Hz), 4.29 (s, 1H), 3.27 (t, 4H, J = 4.5 Hz), 2.96 (q, 2H, J = 6.4 Hz), 2.23 (t, 4H, J = 4.6 Hz), 1.90 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 1.47 - 1.44 (m, 2H), 1.38 - 1.34 (m, 2H), 1.20 - 1.16 (m, 2H); MS (ESI) m/z 425.5 (M+ + H).
【0200】
実施例18:化合物1316の合成
ステップ1:メチル6−(1−ベンズヒドリルピペリジン−4−カルボキサミド)ヘキサノエート(化学式5−4)の合成
【化71】
【0201】
化学式5−3(0.300g、1.016mmol)、メチル6−アミノヘキサノエートヒドロクロリド(0.369g、2.031mmol)、EDC(0.389g、2.031mmol)、HOBt(0.274g、2.031mmol)、及びジイソプロピルアミン(0.887mL、5.078mmol)を室温で塩化メチレン(3mL)/N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で17時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン= 0%〜30%)で精製及び濃縮し、所望の化学式5−4(0.161g、37.5%)を淡黄色オイルとして得た。
【0202】
ステップ2:1−ベンズヒドリル−N−(6−(ヒドロキシアミノ)−6−オキソヘキシル)ピペリジン−4−カルボキサミド(化合物1316)の合成
【化72】
【0203】
ステップ1で製造された化学式5−4(0.161g、0.381mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.466mL、7.620mmol)、及び水酸化カリウム(0.214g、3.810mmol)を室温でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。さらなる精製を加えずに所望の化合物1316(0.056g、34.7%)を白色固体として得た。
【0204】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ10.33 (brs, 1H), 8.66 (brs, 1H), 7.70 (t, 1H, J = 5.6 Hz), 7.41 (d, 4H, J = 7.4 Hz), 7.17 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 4.26 (s, 2H), 2.99 ~ 2.28 (m, 2H), 2.80 (d, 2H, J = 11.5 Hz), 2.09 ~ 2.02 (m, 1H), 1.91 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 1.80 ~ 1.75 (m, 2H), 1.68 ~ 1.59 (m, 4H).
【0205】
実施例19:化合物1317の合成
ステップ1:メチル8−(1−ベンズヒドリルピペリジン−4−カルボキサミド)オクタノエート(化学式5−4)の合成
【化73】
【0206】
化学式5−3(0.300g、1.016mmol)、メチル8−アミノオクタノエートヒドロクロリド(0.426g、2.031mmol)、EDC(0.389g、2.031mmol)、HOBt(0.274g、2.031mmol)、及びジイソプロピルアミン(0.887mL、5.078mmol)を室温で塩化メチレン(3mL)/N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で17時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜30%)で精製及び濃縮し、所望の化学式5−4(0.220g、49.6%)を無色オイルとして得た。
【0207】
ステップ2:1−ベンズヒドリル−N−(8−(ヒドロキシアミノ)−8−オキソエチル)ピペリジン−4−カルボキサミド(化合物1317)の合成
【化74】
【0208】
ステップ1で製造された化学式5−4(0.220g、0.488mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.597mL、9.764mmol)、及び水酸化カリウム(0.274g、4.882mmol)を室温でメタノール(5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1317(0.189g、85.7%)を白色固体として得た。
【0209】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.46 (brs, 2H), 7.73 (t, 1H, J = 5.3 Hz), 7.41 (d, 4H, J = 8.0 Hz), 7.28 (t, 4H, J = 7.5 Hz), 7.17 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.26 (s, 1H), 2.99 (q, 2H, J = 6.4 Hz), 2.80 (d, 2H, J = 11.1 Hz), 2.10 - 2.04 (m, 1H), 1.87 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.78 (t, 2H, J = 10.0 Hz), 1.67 - 1.56 (m, 4H), 1.46 - 1.42 (m, 2H), 1.36 - 1.33 (m, 2H), 1.21 (brs, 6H).
【0210】
実施例20:化合物1647の合成
ステップ1:2,2’−(クロロメチレン)ビス(フルオロベンゼン)(化学式2−4)の合成
【化75】
【0211】
ビス(2−フルオロフェニル)メタノール(0.500g、2.270mmol)とトリエチルアミン(0.348mL、2.498mmol)を室温で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液に塩化メタンスルホニル(0.193mL、2.498mmol )を加え、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去した後、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜5%)で精製及び濃縮し、所望の化学式2−4の化合物(0.290g、53.5%)を無色オイルとして得た。
【0212】
ステップ2:メチル7−(4−(ビス(2−フルオロフェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式2−6)の合成
【化76】
【0213】
ステップ1で製造された化学式2−4の化合物(0.448g、1.877mmol)、メチル7−(ピペラジン−1−イル)ヘプタノエートヒドロクロリド(0.746g、2.816mmol)、及び炭酸カリウム(1.297g、9.386mmol)を80℃でN,N−ジメチルホルムアミド(8mL)に溶かした溶液を、同じ温度で16時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜60%)で精製及び濃縮し、所望の化学式2−6の化合物(0.170g、19.1%)を明るい黄色の固体として得た。
【0214】
ステップ3:4−(ビス(2−フルオロフェニル)メチル)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1647)の合成
【化77】
【0215】
ステップ2で製造された化学式2−6の化合物(0.200g、0.422mmol)とヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.258mL、4.223mmol)を0℃でメタノール(5mL)に溶かした溶液を、室温で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物にメタノール(10mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(90mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して、水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1647(0.200g、99.8%)を白色固体として得た。
【0216】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.59 - 7.55 (m, 2H), 7.31 - 7.26 (m, 2H), 7.23 - 7.19 (m, 2H), 7.16 - 7.11 (m, 2H), 6.42 (t, 1H, J = 5.5 Hz), 4.96 (s, 1H), 3.29 - 3.28 (m, 4H), 2.99 - 2.94 (m, 2H), 2.28 - 2.26 (m, 4H), 1.93 - 1.89 (m, 2H), 1.47 - 1.43 (m, 2H), 1.37 - 1.33 (m, 2H), 1.19 - 1.20 (m, 4H); MS (ESI) m/z 475.4 (M+ + H).
【0217】
実施例21:化合物1648の合成
ステップ1:3,3’−(クロロメチレン)ビス(フルオロベンゼン)(化学式2−4)の合成
【化78】
【0218】
ビス(3−フルオロフェニル)メタノール(1.000g、4.541mmol)とトリエチルアミン(0.696mL、4.995mmol)を室温で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に塩化メタンスルホニル(0.387mL、4.995mmol)を加え、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去した後、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜5%)で精製及び濃縮し、所望の化学式2−4の化合物(0.670g、61.8%)を無色オイルとして得た。
【0219】
ステップ2:7−(4−(ビス(3−フルオロフェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式2−6)の合成
【化79】
【0220】
ステップ1で製造された化学式2−4の化合物(0.670g、2.807mmol)、メチル7−(ピペラジン−1−イル)ヘプタノエートヒドロクロリド(1.115g、4.211mmol)、及び炭酸カリウム(1.940g、14.037mmol)を80℃でN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶かした溶液を、同じ温度で16時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、24gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜50%)で精製及び濃縮し、所望の化学式2−6の化合物(0.294g、22.1%)を白色固体として得た。
【0221】
ステップ3:4−(ビス(3−フルオロフェニル)メチル)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物1648)の合成
【化80】
【0222】
ステップ2で製造された化学式2−6の化合物(0.100g、0.211mmol)とヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.129mL、2.112mmol)を0℃でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、室温で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物にメタノール(10mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(90mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1648(0.097g、97.1%)を白色固体として得た。
【0223】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.34 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 7.38 - 7.33 (m, 2H), 7.28 - 7.25 (m, 4H), 7.06 - 7.01 (m, 2H), 6.40 (t, 1H, J = 5.5 Hz), 4.41 (s, 1H), 3.29 - 3.27 (m, 4H), 2.99 - 2.94 (m, 2H), 2.24 - 2.22 (m, 4H), 1.93 - 1.90 (m, 2H), 1.47 - 1.44 (m, 2H), 1.37 - 1.33 (m, 2H), 1.21 - 1.20 (m, 4H); MS (ESI) m/z 475.4 (M+ + H).
【0224】
実施例22:化合物1649の合成
ステップ1:メチル7−(4−(ヒドロキシジフェニルメチル)ピペリジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式7−4)の合成
【化81】
【0225】
メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.366g、1.870mmol)とトリホスゲン(0.277g、0.935mmol)を0℃で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.977mL、5.610mmol)を加え、1時間攪拌した。反応混合物にジフェニル(ピペリジン−4−イル)メタノール(0.500g、1.870mmol)を加え、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去した後、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜50%)で精製及び濃縮し、所望の化学式7−4の化合物(0.609g、71.9%)を無色オイルとして得た。
【0226】
ステップ2:メチル7−(4−(フルオロジフェニルメチル)ピペリジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式7−5)の合成
【化82】
【0227】
ステップ2で製造された化学式7−4の化合物(0.300g、0.663mmol)を0℃で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液にジエチルアミノスルファートリフルオリド(DAST、0.114mL、0.862mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物と水溶液層を除去した後、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜50%)で精製及び濃縮し、所望の化学式7−5の化合物(0.143g、47.5%)を白色固体として得た。
【0228】
ステップ3:4−(フルオロジフェニルメチル)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペリジン−1−カルボキサミド(化合物1649)の合成
【化83】
【0229】
ステップ2で製造された化学式7−5の化合物(0.140g、0.308mmol)とヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.188mL、3.080mmol)を0℃でメタノール(3mL)に溶かした溶液を、室温で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物にメタノール(10mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(90mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過して、水で洗浄し、乾燥して、所望の化合物1649(0.122g、87.0%)を白色固体として得た。
【0230】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.49 - 7.47 (m, 4H), 7.37 - 7.33 (m, 4H), 7.26 - 7.22 (m, 2H), 6.36 (t, 1H, J = 5.5 Hz), 3.95 - 3.92 (m, 2H), 2.98 - 2.79 (m, 3H), 2.65 - 2.59 (m, 2H), 1.93 - 1.89 (m, 2H), 1.47 - 1.44 (m, 2H), 1.36 - 1.33 (m, 2H), 1.29 - 1.20 (m, 8H); MS (ESI) m/z 456.6 (M+ + H).
【0231】
実施例23:化合物1719の合成
ステップ1:tert−ブチル4−(フェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(化学式6−2)の合成
【化84】
【0232】
tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(5.000g、25.094mmol)、アニリン(2.749mL、30.113mmol)、及び酢酸(2.155mL、37.641mmol)を室温で塩化メチレン(50mL)に溶かした溶液に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム (5.850g、27.604mmol)を加え、同じ温度で16時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物に酢酸エチル(100mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、所望の化学式6−2の化合物(4.640g、66.9%)を白色固体として得た。
【0233】
ステップ2:tert−ブチル4−((3−フルオロフェニル)(フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(化学式6−3)の合成
【化85】
【0234】
ステップ1で製造された化学式6−2の化合物(0.500g、1.809mmol)、1−フルオロ−3−ヨードベンゼン(0.422g、1.900mmol)、酢酸パラジウム(II、0.016g、0.072mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.051g、0.081mmol)、及びカリウムtert−ブトキシド(0.254g、2.261mmol)を110℃でトルエン(5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で16時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物をセライトパッドで濾過して固体を除去したろ液に飽和塩化ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化学式6−3の化合物(0.292g、43.6%)を黄色固体として得た。
【0235】
ステップ3:N−(3−フルオロフェニル)−N−フェニルピペリジン−4−アミンヒドロクロリド(化学式6−4)の合成
【化86】
【0236】
ステップ2で製造された化学式6−3の化合物(0.285g、0.769mmol)を室温で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に塩化水素(4.00 M solution in dioxane、0.962mL、3.846mmol)を加え、同じ温度で16時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.212g、89.8%、黄色固体)。
【0237】
ステップ4:メチル7−(4−((3−フルオロフェニル)(フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式6−6)の合成
【化87】
【0238】
メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.135g、0.691mmol)とトリホスゲン(0.103g、0.345mmol)を0℃で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.361mL、2.073mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物にステップ3で製造された化学式6−4の化合物(0.212g、0.691mmol)を加え、室温で3時間さらに撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜50%)で精製及び濃縮し、所望の化学式6−6の化合物(0.219g、69.6%)を無色オイルとして得た。
【0239】
ステップ5:4−((3−フルオロフェニル)(フェニル)アミノ)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペリジン−1−カルボキサミド(化合物1719)の合成
【化88】
【0240】
ステップ4で製造された化学式6−6の化合物(0.219g、0.481mmol)、ヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.294mL、4.807mmol)、及び水酸化カリウム(0.270g、4.807mmol)を0℃でメタノール(5mL)に溶かした溶液を、室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物にメタノール(1mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、所望の化合物1719(0.196g、89.3%)を白色固体として得た。
【0241】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.44 - 7.42 (m, 2H), 7.32 - 7.28 (m, 1H), 7.16 - 7.10 (m, 1H), 7.05 - 7.03 (m, 2H), 6.51 - 6.46 (m, 1H), 6.37 - 6.32 (m, 3H), 4.10 - 4.08 (m, 1H), 3.97 - 3.94 (m, 2H), 2.92 - 2.87 (m, 2H), 2.83 - 2.77 (m, 2H), 1.92 - 1.88 (m, 2H), 1.85 - 1.52 (m, 2H), 1.45 - 1.41 (m, 2H), 1.30 - 1.27 (m, 2H), 1.16 - 1.08 (m, 4H), 1.06 - 1.00 (m, 2H); MS (ESI) m/z 457.5 (M+ + H).
【0242】
実施例24:化合物1726の合成
ステップ1:tert−ブチル4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(化学式6−3)の合成
【化89】
【0243】
tert−ブチル4−(フェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.000g、3.618mmol)、1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.033g、3.799mmol)、酢酸パラジウム(II、0.032g、0.145mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.101g、0.163mmol)、及びカリウムtert−ブトキシド(0.507g、4.523mmol)を110℃でトルエン(5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で16時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物をセライトパッドで濾過して固体を除去したろ液に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化学式6−3の化合物(0.040g、2.9%)を褐色オイルとして得た。
【0244】
ステップ2:N−フェニル−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−4−アミンヒドロクロリド(化学式6−4)の合成
【化90】
【0245】
ステップ1で製造された化学式6−3の化合物(0.890g、2.494mmol)を室温で塩化メチレン(20mL)に溶かした溶液に塩酸(4.00M solution、3.118mL、12.471mmol)を加え、同じ温度で16時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.890g、100.0%、黄色固体)。
【0246】
ステップ3:メチル7−(4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式6−6)の合成
【化91】
【0247】
メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.219g、1.121mmol)とトリホスゲン(0.166g、0.561mmol)を0℃で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.586mL、3.363mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物にステップ2で製造された化学式6−4の化合物(0.400g、1.121mmol)を加え、室温で3時間さらに撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜50%)で精製及び濃縮し、所望の化学式6−6の化合物(0.277g、48.9%)を無色オイルとして得た。
【0248】
ステップ4:N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド(化合物1726)の合成
【化92】
【0249】
ステップ3で製造された化学式6−6の化合物(0.170g、0.336mmol)とヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.205mL、3.356mmol)を室温でメタノール(5mL)に溶かした溶液に水酸化カリウム(0.188g、3.356mmol)を加え、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、析出した固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、所望の化合物1726(0.139g、81.8%)を白色固体として得た。
【0250】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.33 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 7.21 - 7.16 (m, 4H), 6.97 - 6.93 (m, 2H), 6.84 - 6.80 (m, 1H), 6.67 - 6.65 (m, 2H), 6.36 - 6.34 (m, 1H), 4.07 - 4.02 (m, 1H), 3.98 - 3.95 (m, 2H), 2.93 - 2.88 (m, 2H), 2.81 - 2.75 (m, 2H), 1.93 - 1.89 (m, 2H), 1.85 - 1.82 (m, 2H), 1.45 - 1.43 (m, 2H), 1.31 - 1.27 (m, 2H), 1.18 - 1.15 (m, 4H), 1.05 - 1.01 (m, 2H); MS (ESI) m/z 457.5 (M+ + H).
【0251】
実施例25:化合物1734の合成
ステップ1:tert−ブチル4−((4−フルオロフェニル)(フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(化学式6−3)の合成
【化93】
【0252】
tert−ブチル4−(フェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.820g、2.967mmol)、1−フルオロ−4−ヨードベンゼン(0.358mL、3.115mmol)、酢酸パラジウム(II、0.027g、0.119mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.083g、0.134mmol)、及びカリウムtert−ブトキシド(0.416g、3.709mmol)を110℃でトルエン(5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で16時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物をセライトパッドで濾過して固体を除去したろ液に水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜10%)で精製及び濃縮し、所望の化学式6−3の化合物(0.352g、32.0%)を明るい黄色の固体として得た。
【0253】
ステップ2:N−(4−フルオロフェニル)−N−フェニルピペリジン−4−アミンヒドロクロリド(化学式6−4)の合成
【化94】
【0254】
ステップ1で製造された化学式6−3の化合物(0.340g、0.918mmol)と塩酸(4.00M solution、1.147mL、4.589mmol)を室温で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.281g、99.8%、黄色固体)。
【0255】
ステップ3:メチル7−(4−((4−フルオロフェニル)(フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式6−6)の合成
【化95】
【0256】
メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.179g、0.913mmol)とトリホスゲン(0.135g、0.456mmol)を0℃で塩化メチレン(10mL)に溶かした溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.477mL、2.738mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物にステップ2で製造された化学式6−4の化合物(0.280g、0.913 mmol)を加え、室温で3時間さらに撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%〜50%)で精製及び濃縮し、所望の化学式6−6の化合物(0.185g、44.5%)を無色オイルとして得た。
【0257】
ステップ4:4−((4−フルオロフェニル)(フェニル)アミノ)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピペリジン−1−カルボキサミド(化合物1734)の合成
【化96】
【0258】
ステップ3で製造された化学式6−6の化合物(0.260g、0.569mmol)とヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.348mL、5.695mmol)を0℃でメタノール(5mL)に溶かした溶液を、室温で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、析出した固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、所望の化合物1734(0.185g、71.2%)を白色固体として得た。
【0259】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.33 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 7.21 - 7.16 (m, 4H), 6.97 - 6.93 (m, 2H), 6.84 - 6.80 (m, 1H), 6.67 - 6.65 (m, 2H), 6.36 - 6.34 (m, 1H), 4.07 - 4.02 (m, 1H), 3.98 - 3.95 (m, 2H), 2.93 - 2.88 (m, 2H), 2.81 - 2.75 (m, 2H), 1.93 - 1.89 (m, 2H), 1.85 - 1.82 (m, 2H), 1.45 - 1.43 (m, 2H), 1.31 - 1.27 (m, 2H), 1.18 - 1.15 (m, 4H), 1.05 - 1.01 (m, 2H); MS (ESI) m/z 457.5 (M+ + H).
【0260】
実施例26:化合物1763の合成
ステップ1:tert−ブチル7−ベンズヒドリル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレート(化学式4−5)の合成
【化97】
【0261】
(クロロメチレン)ジベンゼン(0.439mL、2.467mmol)、t ert−ブチル2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレート(0.614g、2.714mmol)、及び炭酸カリウム(1.705g、12.335mmol)を80℃でN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶かした溶液を、同じ温度で16時間攪拌した後、温度を室温に下げ反応を終了した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物に酢酸エチル(100mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥して、所望の化学式4−5の化合物(0.411g、42.4%)を白色固体として得た。
【0262】
ステップ2:7−ベンズヒドリル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナンヒドロクロリド(化学式4−6)の合成
【化98】
【0263】
ステップ1で製造された化学式4−5の化合物(0.411g、1.047mmol)を室温で塩化メチレン(8mL)に溶かした溶液に塩酸(4.00M solution in dioxane、1.309mL、5.235mmol)を加え、同じ温度で16時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.344g、99.9%、白色固体)。
【0264】
ステップ3:メチル6−(7−ベンズヒドリル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキサミド)ヘキサノエート(化学式4−7)の合成
【化99】
【0265】
メチル6−アミノヘキサノエートヒドロクロリド(0.100g、0.549mmol)とトリホスゲン(0.078g、0.261mmol)を0℃で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.273mL、1.569mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物にステップ2で製造された化学式4−6の化合物(0.172g、0.523mmol)を加え、室温で3時間さらに撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;メタノール/塩化メチレン=0%〜3%)で精製及び濃縮し、所望の化学式4−7の化合物(0.148g、61.0%)を明るい赤色の個体として得た。
【0266】
ステップ4:7−ベンズヒドリル−N−(6−(ヒドロキシアミノ)−6−オキソヘキシル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキサミド(化合物1763)の合成
【化100】
【0267】
ステップ3で製造された化学式4−7の化合物(0.148g、0.319mmol)とヒドロキシルアミン(50.00%水溶液、0.195mL、3.192mmol)を室温でメタノール(5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物にメタノール(1mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥した後、得られた物質を25℃で酢酸エチル(10mL)で再結晶し、濾過して得られた固体をヘキサンで洗浄し、乾燥して、所望の化合物1763(0.044g、29.7%)を白色固体として得た。
【0268】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.40 - 7.38 (m, 4H), 7.29 - 7.25 (m, 4H), 7.18 - 7.14 (m, 2H), 6.18 - 6.17 (m, 1H), 4.26 (s, 1H), 3.42 - 3.33 (m, 4H), 2.91 - 2.90 (m, 2H), 2.20 - 2.19 (m, 4H), 1.85 - 1.82 (m, 2H), 1.65 - 1.64 (m, 4H), 1.43 - 1.40 (m, 2H), 1.33 - 1.30 (m, 2H), 1.19 - 1.15 (m, 2H); MS (ESI) m/z 465.3 (M+ + H).
【0269】
実施例27:化合物1764の合成
ステップ1:メチル7−(7−ベンズヒドリル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキサミド)ヘプタノエート(化学式4−7)の合成
【化101】
【0270】
メチル7−アミノヘプタノエートヒドロクロリド(0.107g、0.549mmol)とトリホスゲン(0.078g、0.261mmol)を0℃で塩化メチレン(5mL)に溶かした溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.273mL、1.569mmol)を加え、同じ温度で撹拌した。反応混合物に実施例26のステップ2で製造された化学式4−6の化合物(0.172g、0.523mmol)を加え、室温で3時間さらに撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO2、4gカートリッジ;メタノール/塩化メチレン=0%〜3%)で精製及び濃縮し、所望の化学式4−7の化合物(0.136g、54.4%)を明るい赤色の個体として得た。
【0271】
ステップ2:7−ベンズヒドリル−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキサミド(化合物1764)の合成
【化102】
【0272】
ステップ1で製造された化学式4−7の化合物(0.136g、0.285mmol)とヒドロキシルアミン(50.00%、0.188g、2.847mmol)を室温でメタノール(5mL)に溶かした溶液を、同じ温度で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、濃縮物にメタノール(1mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を入れて撹拌し、析出した固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥した後、得られた物質を25℃で酢酸エチル(10mL)で再結晶し、濾過して得られた固体をヘキサンで洗浄し、乾燥して、化合物1764(0.021g、15.4%)を白色固体として得た。
【0273】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.40 - 7.38 (m, 4H), 7.29 - 7.25 (m, 4H), 7.18 - 7.14 (m, 2H), 6.16 (t, 1H, J = 5.5 Hz), 4.26 (s, 1H), 3.42 - 3.41 (m, 4H), 2.92 - 2.88 (m, 2H), 2.19 - 2.18 (m, 4H), 1.88 - 1.84 (m, 2H), 1.65 - 1.64 (m, 4H), 1.43 - 1.42 (m, 2H), 1.32 - 1.31 (m, 2H), 1.19 - 1.18 (m, 4H); MS (ESI) m/z 479.6 (M+ + H).
本発明の化合物の活性の測定及び分析プロトコル
<実験例1> HDAC酵素活性の阻害の確認(in vitro)
選択的HDAC6阻害剤が、副作用の原因となるHDAC1阻害の選択性のために重要であるため、これを確認するためにHDAC1/6酵素の選択性と細胞選択性(HDAC1:Histone acetylation/HDAC6:Tubulin acetylation)を調べた。
1.実験方法
HDAC1 Fluorimetric Drug Discovery Assay Kit(Enzolifesciences:BML−AK511)とHDAC6 human recombinant(Calbiochem:382180)を利用して、試験物質のHDAC酵素阻害能を測定した。HDAC1 assayの場合、100、1000、10000nM濃度で処理し、HDAC6 assayの場合、0.1、1、10、100、1000nM濃度で処理した。試料処理後、37℃で60分間反応させ、Developerを処理し、37℃で30分間反応させた後、FlexStatin3(Molecular device)を利用して、fluorescence intensity(Ex390、Em460)を測定した。
【0274】
2.実験結果
その結果を表4に示した。
【表4】
【0275】
前記表4に示したように、対照化合物ACY−1215は、HDAC6が0.01uM、HDAC1が0.48uMで48倍の選択性を有し、化合物1102は、HDAC6が0.004uM、HDAC1が3.84uMで960倍の選択性を、化合物1124は、HDAC6が0.024uM、HDAC1が4.09uMで170倍の選択性を、化合物1209は、HDAC6が0.006uM、HDAC1が1.16uMで193倍の選択性を示すなど、本発明の新規誘導体は優れたHDAC1/6酵素選択性を示した。
【0276】
<実験例2>補助剤誘発の関節炎モデルにおける化合物1102の効能
1.実験方法
Complete Freund’s adjuvant(Chondrex)を100ulずつLewisラットの尾に皮内注射して、関節炎を惹起した。誘発する前日から体重に基づいて群を分け、薬物をそれぞれの濃度に合わせて、1日1回経口投与して評価した。
【0277】
Clinical scoreとbody weightは、最初の薬物投与日から一週間に2回測定した。Clinical scoreは0〜4点に分けており、合計clinical scoreは、ラットそれぞれの足を評価した後、合算することにより評価した(正常:0、最も深刻な浮腫:16)。
【0278】
2.実験結果
実験結果は、図1に示した。関節炎モデルにおける薬効は、関節の深刻な浮腫の程度で評価しており、浮腫の程度がひどいほどスコアが高いものとなっている。
【0279】
図1に示したように、上記の結果を見ると、薬物処理をしていない群(Vehicle)の場合、重度の浮腫が、9〜11点であり、化合物1102を1mg/kgを投与した群では、6〜8点、10mg/kgを投与した群では4〜6点、50mg/kgを投与した群では、1〜3点であり、関節炎の症状が改善されたことが分かる。

本発明は以下の態様を含む。
[項1]
下記化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩:
【化103】
前記化学式 Iにおいて、Xは、
【化104】
からなる群より選択されるヘテロ環状 アルキルであり;
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してC又はNであり、Z及びWの少なくとも一つは、Nであり、
a、b、c、及びdは、それぞれ独立して、1、2又は3であり、
3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである) Yは、C又はNであり;
A及びBは、それぞれ独立して、−C1−C4アルキル、−C6−C10アリール、−C3−C12ヘテロアリール、−C3−C10シクロアルキル、−C2−C10ヘテロシクロアルキル、又は−C3−C10シクロアルケニルであり(ここで、−C1−C4アルキルの一つ以上の水素は、−OH又はハロゲンで置換されていてもよく、−C6−C10アリール、−C3−C12ヘテロアリール、−C3−C10シクロアルキル、−C2−C10ヘテロシクロアルキル、及び−C3−C10シクロアルケニルは、それぞれ非置換されるか、又は一つ以上の水素が任意に−OH、−C1−C4アルキル、−OC1−C4アルキル、−CF3、又はハロゲンで置換されていてもよい);
Qは、C=O又はSO2であり;
1は、−H又は−C1−C4アルキルであり;
R2は、−H、−OH、−C1−C4アルキル、−C1−C4アルキルヒドロキシ、ハロゲン、又は何でもなく(null)(ここで、YがCであるとき、R2は、−H、−OH、−C1−C4アルキル、又は−C1−C4アルキルヒドロキシであり、YがNであるとき、R2は、何でもない(null));そして
nは1、2、3、又は4である。
[項2]
Xは、
【化105】
であり;
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してC又はNであり、Z及びWの少なくとも一つは、Nであり、
a、b、c、及びdは、それぞれ独立して、1、2、又は3であり;
3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである) Yは、C又はNであり;
A及びBは、それぞれ独立して、−C1−C4アルキル、−C6−C10アリール、又は−C3−C12ヘテロアリールであり(ここで、−C1−C4アルキルの一つ以上の水素は、−OH又はハロゲンで置換されていてもよく、−C6−C10アリール又は−C3−C12ヘテロアリールは、それぞれ非置換されるか、又は一つ以上の水素が任意に−OH、−C1−C4アルキル、−OC1−C4アルキル、−CF3、又はハロゲンで置換されていてもよい); Qは、C=O又はSO2であり;
1は、−H又は−C1−C4アルキルであり;
2は、−H、−OH、ハロゲン、又は何でもなく(null)(ここで、YがCであるとき、R2は、−H、−OH、又はハロゲンであり、YがNであるとき、R2は、何でもない(null));そして
nは1、2、3、又は4である;ことを特徴とする、項1に記載の化学式Iで示される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩。
[項3]
Xは、
【化106】
であり;
(ここで、Z及びWは、それぞれ独立してC又はNであり、Z及びWの少なくとも一つは、Nであり、
3及びR4は、それぞれ独立して、−H又は−C1−C4アルキルである)
Yは、C又はNであり;
A及びBは、それぞれ独立して、−C1−C4アルキル、−C6−C10アリール、又は−C3−C12ヘテロアリールであり(ここで、−C1−C4アルキルの一つ以上の水素は、−OH又はハロゲンで置換されていてもよく、−C6−C10アリール又は−C3−C12ヘテロアリールは、それぞれ非置換されるか、又は一つ以上の水素が任意に−OH、−C1−C4アルキル、−OC1−C4アルキル、−CF3、又はハロゲンで置換されていてもよい); Qは、C=Oであり;
1は、−H又は−C1−C4アルキルであり;
R2は、−H、−OH、ハロゲン、又は何でもなく(null)(ここで、YがCであるとき、R2は、−H、−OH、又はハロゲンであり、YがNであるとき、R2は、何でもない(null));そして
nは、3である;
であることを特徴とする、項2に記載の化学式Iで示される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩。
[項4]
前記化学式Iで表される化合物は、下記表に記載の化合物であることを特徴とする、項1に記載の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩:
【化107】
[項5]
前記化学式Iで表される化合物は、下記表に記載の化合物であることを特徴とする、項4に記載の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩:
【化108】
[項6]
項1から項5のいずれか1項に記載の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩を有効成分として含有する、ヒストンデアセチラーゼ媒介疾患の予防又は治療のための薬剤学的組成物。
[項7]
前記ヒストンデアセチラーゼ媒介疾患は、細胞増殖性疾患、炎症性疾患、常染色体優性遺伝疾患、遺伝的要因による代謝疾患、自己免疫疾患、急性慢性神経疾患、肥大、心不全、眼疾患、又は神経変性疾患であることを特徴とする、項6に記載の薬剤学的組成物。
[項8]
項1から項5のいずれか1項に記載の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩の治療学的に有効な量の投与を含む、ヒストンデアセチラーゼ媒介疾患の治療方法。
[項9]
ヒストンデアセチラーゼ媒介疾患の治療のための薬剤の製造における、項1から項5のいずれか1項に記載の化学式Iで表される化合物、その光学異性体、又はその薬剤学的に許容可能な塩の使用。
図1