(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6507273
(24)【登録日】2019年4月5日
(45)【発行日】2019年4月24日
(54)【発明の名称】永久磁石埋込型電動機のためのロータ及びそれを用いた電動機
(51)【国際特許分類】
H02K 1/27 20060101AFI20190415BHJP
H02K 21/14 20060101ALI20190415BHJP
H02K 1/22 20060101ALI20190415BHJP
【FI】
H02K1/27 501M
H02K1/27 501A
H02K1/27 501K
H02K21/14 M
H02K1/22 A
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-566324(P2017-566324)
(86)(22)【出願日】2016年12月16日
(65)【公表番号】特表2018-518935(P2018-518935A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】KR2016014839
(87)【国際公開番号】WO2017105147
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2017年12月21日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0181794
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0185435
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513214000
【氏名又は名称】ハノン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ホ チョン ギル
(72)【発明者】
【氏名】ベク チャン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ソ ボン キュン
【審査官】
若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−273258(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/059768(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0062815(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0204666(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
H02K 1/22
H02K 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に回転軸が固定されており、複数個の磁石挿入孔が円周方向に沿って離隔して形成されるロータコアと、
前記複数個の磁石挿入孔毎に、半径方向外側に行くに従って互いに離隔するようにV字状にそれぞれ挿入される複数対の永久磁石と、
前記ロータコアの前記磁石挿入孔と前記回転軸が固定される回転軸孔との間に円周方向に沿って貫通形成される複数のリベット孔と、
前記ロータコアの前記磁石挿入孔と前記回転軸が固定される回転軸孔との間に円周方向に沿って貫通形成される複数の重量軽減孔と、を含み、
前記複数個の磁石挿入孔のそれぞれは、互いに対向する一対の内側辺を含み、
前記それぞれの磁石挿入孔の内部空間を前記一対の内側辺から互いに向かってそれぞれ突出するように拡張させるバリア孔がさらに形成され、
前記複数の重量軽減孔は、前記複数のリベット孔の中心を繋ぐ円と交差するように形成され、
前記各磁石挿入孔の対称軸の延長線が前記各リベット孔の中心を通るように位置することを特徴とする、永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項2】
中央に回転軸が固定されており、複数個の磁石挿入孔が円周方向に沿って離隔して形成されるロータコアと、
前記複数個の磁石挿入孔毎に、半径方向外側に行くに従って互いに離隔するようにV字状にそれぞれ挿入される複数対の永久磁石と、
前記ロータコアの前記磁石挿入孔と前記回転軸が固定される回転軸孔との間に円周方向に沿って貫通形成される複数のリベット孔と、
前記ロータコアの前記磁石挿入孔と前記回転軸が固定される回転軸孔との間に円周方向に沿って貫通形成される複数の重量軽減孔と、を含み、
前記複数個の磁石挿入孔のそれぞれは、互いに対向する一対の内側辺を含み、
前記それぞれの磁石挿入孔の内部空間を前記一対の内側辺から互いに向かってそれぞれ突出するように拡張させるバリア孔がさらに形成され、
前記複数の重量軽減孔は、前記複数のリベット孔の中心を繋ぐ円と交差するように形成され、
前記複数の重量軽減孔は、隣接した一対の前記磁石挿入孔の間の間隔の中心と前記回転軸孔の中心とを繋ぐ直線を基準として対称であることを特徴とする、永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項3】
前記バリア孔は円弧状に延びることを特徴とする、請求項1又は2に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項4】
前記磁石挿入孔はそれぞれ「V」字状を有するように形成されており、前記バリア孔は、磁石挿入孔の中心に向かって円周方向に沿って延びることを特徴とする、請求項3に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項5】
前記バリア孔の両端部と前記ロータコアの中心とをそれぞれ連結した2つの線が成す角度が12°〜14°であることを特徴とする、請求項4に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項6】
前記バリア孔は、1.1mm〜1.5mmの長さを有することを特徴とする、請求項4に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項7】
前記バリア孔は、0.4mm以上の厚さを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項8】
前記複数のリベット孔と前記複数の重量軽減孔は、各内側端部が、前記ロータコアの中心から15.9mm離れた部分よりも半径方向の外側に形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項9】
前記複数のリベット孔と前記複数の重量軽減孔は、各外側端部が、前記ロータコアの中心から20.1mm離れた部分よりも半径方向の内側に形成されることを特徴とする、請求項8に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項10】
前記複数のリベット孔は円形の形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項11】
前記複数の重量軽減孔は、隣接した一対の前記磁石挿入孔の間の間隔の中心と前記回転軸孔の中心とを繋ぐ直線を基準として対称であることを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項12】
前記各重量軽減孔は、内側端部と外側端部が、前記回転軸孔の中心を基準とする円の一部として形成され、前記内側端部と外側端部を連結する両側端部は、各側端部が対向する前記リベット孔の中心を基準とする円の一部として形成されることを特徴とする、請求項2又は11に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項13】
前記外側端部は前記内側端部に比べて長さがより長く形成され、前記両側端部は長さが等しいことを特徴とする、請求項12に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項14】
前記重量軽減孔の両側端部は、各側端部が対向する前記リベット孔の中心から8mm以上離隔して形成されることを特徴とする、請求項13に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項15】
前記磁石挿入孔は8個であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータ。
【請求項16】
ハウジングと、
前記ハウジング内に固定される固定子と、
前記固定子内に回転可能に取り付けられる請求項1又は2に記載の永久磁石埋込型電動機用ロータと、を含むことを特徴とする、永久磁石埋込型電動機。
【請求項17】
前記固定子は12個のスロットを含み、前記ロータは8個の極を含むことを特徴とする、請求項16に記載の永久磁石埋込型電動機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石埋込型電動機のためのロータ及びそれを用いた電動機に関し、より詳細には、ロータの内部に永久磁石が埋め込まれた形態のロータ及びそれを含む電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、整流子とブラシの機械的接触式の問題点を考慮して、半導体素子を用いた電子スイッチング方式のいわゆるブラシレスDCモータ(Brushless DC Motor:BLDCモータ)が広く用いられており、ブラシレスDCモータは、固定子と回転子の配置構造によって内転型(interior rotor type)と外転型(exterior rotor type)に区別され得る。
【0003】
前記内転型モータには、円筒状の永久磁石の中心にシャフトを挿入した回転子や、電気鋼板を積層した回転子コアの中心にシャフトを挿入し、回転子コアに複数の永久磁石を挿入した、いわゆるIPMタイプの永久磁石挿入式回転子が用いられている。
【0004】
最近は、高効率モータとして、マグネットトルクの他にリラクタンストルクを用いた永久磁石埋込型モータ(以下、IPMモータ)が用いられている。リラクタンストルクとは、d軸インダクタンス(Ld)とq軸インダクタンス(Lq)の突極性を利用して発生させる力のことであって、そのために、永久磁石をV字状に配置する場合が多い。
【0005】
かかる永久磁石埋込型モータに用いられるロータの一例が
図1に示されている。
図1を参照すると、前記ロータは、電動圧縮機の駆動部などに活用可能であって、内側方向に突出したティースと、ティースに巻回されたコイルと、を備える固定子の内側に配置されるものである。前記ロータ10は、複数枚の電気鋼板を積層して形成したロータコア12を含み、前記ロータコア12の外周側に隣接して略「V」字状を成すように配置される複数対の永久磁石が前記ロータコア12内に埋め込まれた形態で固定される。
【0006】
そして、前記ロータコア12の略中央部には、駆動軸が挿入及び固定されるための駆動軸孔20が備えられており、前記駆動軸孔20を中心として、複数個の永久磁石挿入孔30が固定子側に向かって開けられているV字状に一定の間隔で形成されている。前記駆動軸孔20と前記永久磁石挿入孔30との間のロータコア部分12は、磁束が通る通路の役割とともに、駆動軸の回転力を支持する役割を担う。
【0007】
一方、上記のような電動機において、トルク及び効率を増大させるために磁石量を増加させたり、固定子コアとの空隙を減少させたりする過程で、コギングトルクが増加するという問題があった。このようにコギングトルクが増加すると、騒音が増加するだけでなく、モータの制御も困難となるという問題がある。
【0008】
また、前記駆動軸孔20には駆動軸が密着された状態で圧入結合され、前記永久磁石挿入孔30にも永久磁石が挿入孔を閉鎖するように複数の永久磁石が設けられるため、前記ロータ10には、熱が放出されるための通路がなく、モータが過熱される恐れがあるという問題がある。
【0009】
さらに、近年は、コストを低減し、且つ回転力を向上させるために、前記ロータ10の重量を軽量化する必要性が生じた。
しかし、それに応じて、前記ロータコア部分12に所かまわず通孔を形成すると、前記駆動軸を支持するための支持力が減少されて回転が不安定となり、磁束が通ることを妨害して磁束が弱くなり得るという問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の欠点を克服するためになされたものであって、ロータの変更を最小化しながらも、コギングトルクを低減することができる永久磁石埋込型電動機のためのロータを提供することを技術的課題とする。
【0011】
また、本発明は、軽量化及びコスト低減が可能であり、モータの冷却効率が向上した永久磁石埋込型電動機のためのロータを提供することを技術的課題とする。
【0012】
さらに、本発明は、上記のようなロータを備えた電動機を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような技術的課題を解決するための本発明の一実施形態によると、中央に回転軸が固定されており、複数個の磁石挿入孔が円周方向に沿って離隔して形成されるロータコアと、前記複数個の磁石挿入孔毎に、半径方向外側に行くに従って互いに離隔するようにV字状にそれぞれ挿入される複数対の永久磁石と、を含み、前記複数個の磁石挿入孔のそれぞれは、互いに対向する一対の内側辺を含み、前記それぞれの磁石挿入孔の内部空間を前記一対の内側辺からそれぞれ突出するように拡張させるバリア孔がさらに形成されることを特徴とする、永久磁石埋込型電動機用ロータが提供される。
【0014】
本発明の上記の側面では、磁石挿入孔の空間を拡張させることで、永久磁石によって発生した磁束が固定子に伝達されることを制限し、コギングトルクの発生が最小化されるようにしている。すなわち、コギングトルクは、永久磁石が固定子を引っ張りながらロータの回転を断続的にするものであるという点に着目して、永久磁石のうち、固定子に与える影響が最も大きい地点に磁束を制限するバリア孔を形成したのである。これにより、コギングトルクを従来に比べて低減することが可能となる。
【0015】
ここで、前記バリア孔は任意の形状を有することができるが、磁束をより均一に遮断するように円弧状に延びることができる。
【0016】
また、前記磁石挿入孔はそれぞれ「V」字状を有するように形成されており、前記バリア孔は、磁石挿入孔の中心に向かって円周方向に沿って延びることができる。
【0017】
また、前記バリア孔の両端部と前記ロータコアの中心とをそれぞれ連結した2つの線が成す角度が12°〜14°であることができる。
【0018】
また、前記バリア孔は、1.1mm〜1.5mmの長さを有することができる。
【0019】
また、前記バリア孔は、0.4mm以上の厚さを有することができる。
【0020】
また、前記ロータコアの前記磁石挿入孔と前記回転軸が固定される回転軸孔との間に円周方向に沿って貫通形成される複数のリベット孔と、前記ロータコアの前記磁石挿入孔と前記回転軸が固定される回転軸孔との間に円周方向に沿って貫通形成される複数の重量軽減孔と、をさらに含むことができる。
【0021】
本発明の上記の側面では、ロータコアの中央に形成される回転軸孔と、ロータコアの円周方向に沿って形成される磁石挿入孔との間に、積層形成されるロータコアを結合させるリベットが貫通するためのリベット孔及び/または不要なロータコアの重量部分を無くすための重量軽減孔を形成することで、前記リベット孔と前記重量軽減孔が、冷媒が通る流路の役割を担う。これにより、モータの冷却効率性が増大するとともに、軽量化及びコスト低減が可能となる。
【0022】
前記複数の重量軽減孔は、前記複数のリベット孔の中心を繋ぐ円と交差するように形成されることができる。
【0023】
前記複数のリベット孔と前記複数の重量軽減孔は、各内側端部が、前記ロータコアの中心から15.9mm離れた部分よりも半径方向の外側に形成されることができる。
【0024】
前記複数のリベット孔と前記複数の重量軽減孔は、各外側端部が、前記ロータコアの中心から20.1mm離れた部分よりも半径方向の内側に形成されることができる。
【0025】
前記複数のリベット孔は円形の形状を有し、前記各磁石挿入孔の対称軸の延長線が前記各リベット孔の中心を通るように位置することができる。
【0026】
前記複数の重量軽減孔は、隣接した一対の前記磁石挿入孔の間の間隔の中心と前記回転軸孔の中心とを繋ぐ直線を基準として対称であることができる。
【0027】
前記各重量軽減孔は、内側端部と外側端部が、前記回転軸孔の中心を基準とする円の一部として形成され、前記内側端部と外側端部を連結する両側端部は、各側端部が対向する前記リベット孔の中心を基準とする円の一部として形成されることができる。
【0028】
前記外側端部は前記内側端部に比べて長さがより長く形成され、前記両側端部は長さが等しいことができる。
【0029】
前記重量軽減孔の両側端部は、各側端部が対向する前記リベット孔の中心から8mm以上離隔して形成されることができる。
【0030】
前記磁石挿入孔は8個であることを特徴とする。
【0031】
本発明の他の実施形態によると、ハウジングと、前記ハウジング内に固定される固定子と、前記固定子内に回転可能に取り付けられるロータと、を含み、前記ロータは、上述のロータの何れか1つであることを特徴とする、永久磁石埋込型電動機が提供される。
【0032】
ここで、前記固定子は12個のスロットを含み、前記ロータは8個の極を含むことができる。
【発明の効果】
【0033】
上記のような構成を有する本発明の側面によると、磁石挿入孔の内側壁面にバリア孔を形成するだけで、従来に比べてコギングトルクを低減することができる。
【0034】
また、磁石の最外殻側からバリア孔を形成することにより、バリア孔の大きさを小さくし、剛性や効率などへの影響を最小化しながらも、従来に比べて半分程度にコギングトルクを低減することができる。
【0035】
さらに、ロータコアの磁石挿入孔と回転軸孔との間に円周方向に貫通形成される複数のリベット孔及び複数の重量軽減孔を含むことで、ロータの重量を軽量化するとともに、コストを低減することができる効果がある。
【0036】
また、前記複数のリベット孔と前記複数の重量軽減孔が、冷媒が通る流路の役割を担うため、モータの冷却効率性が増大することができる。
【0037】
本発明の効果は上記の効果に限定されず、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】従来の一般的な永久磁石埋込型電動機用ロータを示した平面図である。
【
図2】本発明による永久磁石埋込型電動機の一実施形態を概略的に示した平面図である。
【
図3】
図2において、ロータの端部付近を拡大して示した平面図である。
【
図4】従来の永久磁石埋込型電動機用ロータにおけるコギングトルクを測定したグラフである。
【
図5】
図3に示されたロータにおけるコギングトルクを測定したグラフである。
【
図6】
図2において、バリア孔の長さによるコギングトルクとトルクリップルの変化を示したグラフである。
【
図7】
図2に示されたロータを温度を変化させて15000rpmで作動させた場合における応力分布を示した図である。
【
図8】
図2において、ロータを分離して示した平面図である。
【
図9】
図8のA部分を拡大して示した平面図である。
【
図10】
図9に示されたロータの位置による磁束密度を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下では、添付図面を参照して、本発明による永久磁石埋込型電動機用ロータの実施形態について詳細に説明する。
【0040】
また、後述の用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これは、使用者、運用者の意図または慣例によって変わり得る。下記の実施形態は、本発明の権利範囲を限定するためのものではなく、本発明の請求範囲に提示された構成要素の例示的な事項に過ぎない。
【0041】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略しており、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素には同一の参照符号を付す。明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」としたときに、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに備え得るということを意味する。
【0042】
図2は本発明による永久磁石埋込型電動機の一実施形態を概略的に示した平面図であり、
図3は
図2においてロータの端部付近を拡大して示した平面図であり、
図4は従来の永久磁石埋込型電動機用ロータにおけるコギングトルクを測定したグラフであり、
図5は
図3に示されたロータにおけるコギングトルクを測定したグラフであり、
図6は
図2においてバリア孔の長さによるコギングトルクとトルクリップルの変化を示したグラフであり、
図7は
図2に示されたロータを温度を変化させて15000rpmで作動させた場合における応力分布を示した図であり、
図8は
図2においてロータを分離して示した平面図であり、
図9は
図8のA部分を拡大して示した平面図であり、
図10は
図9に示されたロータの位置による磁束密度を示した図である。
【0043】
図2を参照すると、本発明による永久磁石埋込型電動機の一実施形態は、ハウジング(不図示)と、前記ハウジングの内部に固定される固定子50と、前記固定子内で回転可能に支持されるロータ100と、を含む。
【0044】
前記固定子50は、内部が貫通されたリング状を有する複数枚の板材を積層した形態を有しており、圧入などの方式により前記ハウジングの内部に固定されることができる。前記固定子は、半径方向内側に突出するように形成される複数個のティース52と、前記ティースに巻回されたコイル54と、を備える。
【0045】
前記固定子50の内部にロータ100が設けられる。前記ロータ100は、固定子に巻回されたコイルに電流が流れることによって発生する電磁気力を受けて回転するように、複数の永久磁石110を含んでいる。また、前記ロータ100の中央には、回転軸200がロータ100とともに一体に回転するように固定される。
【0046】
ここで、前記固定子に形成されたティース52は総12個からなり、それに応じて、前記ティース52の間に形成されるスロットも12個からなる。また、前記ロータ100には、後述の磁石挿入孔が総8個形成されている。すなわち、前記実施形態に開示された電動機は、いわゆる8極12スロット電動機であるが、本発明が必ずしもこれに限定されるものではない。
【0047】
次に、
図3を参照して、前記ロータについてより詳細に説明する。
図2及び
図3に示されたように、前記ロータ100は、前記固定子と同様に複数枚の電気鋼板が積層されて形成されるロータコア102を備える。前記ロータコア102は、上述の回転軸220及び永久磁石110を支持するとともに、ロータ100の全体的な形態を構成する。
【0048】
前記ロータコア102の略中央には、前記回転軸220が挿入結合される回転軸孔200が形成されており、最外殻側には、上述の永久磁石110が少なくとも1つ以上挿入されている。ここで、前記永久磁石110は、永久磁石が挿入されることができるように略「V」字状に形成される永久磁石挿入孔103の内部に挿入されて固定される。具体的に、前記永久磁石挿入孔103は、半径方向外側に行くに従って互いに離隔する、すなわち、前記固定子50と対向する側に向かって開けられたV字状を成しており、前記V字状の永久磁石挿入孔103には一対の永久磁石110が挿入される。
【0049】
この際、前記永久磁石挿入孔103は、前記ロータコア102の外側円周方向に沿って8個が一定の間隔で配置されることが好ましい。
【0050】
前記永久磁石挿入孔103は、半径方向外側に行くに従って互いに遠くなる一対の内側辺104を含む。前記一対の内側辺104は、ロータコア102を挟んで互いに対向するように配置されており、略鈍角の角度を有してV字状に配置されることができる。
【0051】
前記内側辺104と対向する一対の外側辺には外側固定突起105及び内側固定突起106が形成される。前記内側及び外側固定突起105、106は、それらの間で前記永久磁石110が挿入される空間を定義する。すなわち、前記永久磁石110の両端部がそれぞれ前記内側及び外側固定突起105、106と接して、前記永久磁石挿入孔の長さ方向における永久磁石の移動が阻止される。これにより、前記永久磁石が前記永久磁石挿入孔内で安定して支持されることができる。
【0052】
一方、前記永久磁石110の半径方向外側端部には2つの空間が形成されるが、前記内側辺104から遠い側には、略三角形の断面を有する空間部107が形成される。そして、前記空間部107と連結され、且つ前記内側辺104から突出するバリア孔108がさらに形成される。
【0053】
前記空間部107及び前記バリア孔108は、前記永久磁石挿入孔103と一体に形成される空間であって、前記永久磁石110が挿入された状態で、永久磁石の半径方向外側端部を基準として命名したものである。前記空間部107及びバリア孔108は、上述のように空き空間となっているため、永久磁石から発生する磁束が伝達される磁路を形成することができない。これにより、永久磁石の端部から生成された磁束が上述の固定子に与える影響が最小化される。
【0054】
具体的に、前記空間部107は、永久磁石の一側端部から発生する磁束を遮断する役割を主に担い、前記バリア孔108は、永久磁石の一側端部と隣接した側面から発生する磁束を遮断する役割を主に担う。
【0055】
本発明者らの研究の結果、コギングトルクを引き起こす重要因子の1つとして、永久磁石の端部から発生した磁束が固定子に影響を与え、ロータの回転を妨害するということが分かった。したがって、上記のように、永久磁石110の端部とその側面にそれぞれ磁路を遮断する空間部107及びバリア孔108を形成することで、コギングトルクを著しく低減することができる。
【0056】
一方、前記バリア孔108は、前記内側辺104から互いに向かって突出する任意の形状を有する空間部として形成されることができる。示された例において、前記バリア孔108は、前記永久磁石挿入孔103の最外殻側端部から円周方向に沿って互いに向かって延びる円弧状を有するように形成される。
【0057】
ここで、前記バリア孔108の長さL、幅d1、及びロータコアの外側端部からの距離d2は、前記バリア孔108の形状だけでなく、バリア孔によるコギングトルク、トルクリップル、及びロータコアの剛性にも影響する。
【0058】
先ず、前記バリア孔108の幅d1はできるだけ小さいほど好ましい。前記幅d1が小さいほど、剛性の低下量が最小化されるためである。しかし、加工の限界により、前記幅d1の最小値は0.4mmとする。
【0059】
前記バリア孔108の長さLは、ロータの剛性、コギングトルク、及びトルクリップルなどに影響する主要因子の1つである。示された例において、前記バリア孔108の長さは1.5mmであり、バリア孔の長さが長いほどコギングトルクは減少するが、剛性が低下し、トルクリップルが増加する様相を示す。
【0060】
図6は、前記長さLの変化によるコギングトルク及びトルクリップルの大きさの変化を示したグラフである。
図6に示されたように、コギングトルクは前記長さLが長いほど減少する傾向を示す。しかし、トルクリップルは、逆に前記長さLが長いほど増加する傾向を示す。ここで、1.1mm〜1.5mmの区間では、コギングトルクが持続的に減少するが、トルクリップルは一定に維持されることが分かる。したがって、前記グラフによると、前記長さLが1.5mmである際に、トルクリップルの増加をある程度抑えながらも、コギングトルクは著しく低減することができることを確認することができる。
【0061】
一方、前記長さLは他の形態でも表現することができる。すなわち、前記バリア孔の両端部と、前記ロータの中心から半径方向外側に距離D(ここでは0.98mm)だけ離れた地点とを繋ぐ2つの線の角度θによっても前記長さLを表現することができ、示された例において、前記角度θは12°〜14°の範囲にあることが好ましい。ここで、前記地点は、前記ロータの中心と、2つの永久磁石の間の中心とを連結した直線上に置かれている。
【0062】
そして、前記バリア孔の半径方向外側面と前記ロータコアの外周面との間の距離d2は0.4mmとすることができる。前記距離d2も小さいほど好ましいが、前記バリア孔の半径方向外側面と前記ロータコアの外周面との間の部分は、ロータが高速で回転する過程で前記磁石に加えられる遠心力を支持する部分であるため、過度に小さい場合には、永久磁石を安定して固定できない恐れがる。このような点から、前記距離d2は0.4mmとすることができる。
【0063】
図4は、前記バリア孔108のないロータを有する電動機におけるコギングトルクを測定した結果を示したグラフであり、
図5は、
図2に示されたロータを有する電動機におけるコギングトルクを測定した結果を示したグラフである。
図4及び
図5において、縦軸はコギングトルクの大きさを示し、横軸はそれぞれのコギングトルクをテストした周期に対応する値である。すなわち、横軸は、テストステップ(step)の数を示したものであって、前記
図4及び
図5に示されたグラフは、テスト時に出力される電力の1周期を193個のステップに分割し、それぞれのステップで出力されるコギングトルクを表示したものである。
【0064】
図示されたように、従来の電動機では、略0.80Nm程度のコギングトルクが発生しているのに対し、前記実施形態では、その半分以下である0.30Nmのコギングトルクが発生していることを確認することができる。すなわち、既存の永久磁石挿入孔の内側辺に1.5mm程度の孔を形成したことにより、コギングトルクを半分以下に低減することができるのである。
【0065】
剛性の側面でも、
図7に示されたように、前記
図2のロータをそれぞれ25℃、40℃、60℃、100℃、140℃、及び180℃で1500RPMの回転速度で運転した結果、温度にかかわらず前記バリア孔が位置した部分での応力が最も大きいことを確認することができる。但し、前記バリア孔のない半径方向の最外殻部分の応力とは、大きい差がないことも確認することができる。
【0066】
すなわち、上記のように、バリア孔をさらに形成しても、ロータコアの剛性に与える影響は微小であることが分かる。
【0067】
また、
図8に示されたように、前記ロータコア102の前記永久磁石挿入孔103と前記回転軸孔200との間には、円周方向に沿って複数のリベット孔400及び重量軽減孔500が貫通形成されることができる。
【0068】
具体的に、前記複数のリベット孔400は、前記永久磁石挿入孔103と前記回転軸孔200との間に周方向に貫通形成され、前記永久磁石挿入孔103の数と同様に8個が一定の間隔で配置されることが好ましい。
【0069】
ロータは、複数の薄いディスク形態のロータコア部材が積層されて形成されるものであって、前記複数のリベット孔400に貫通して結合される複数のリベット420は、前記積層されたロータコア部材が1つのロータを成すように結合させる役割を担って、容易に組み立てられるようにする。
【0070】
前記複数のリベット孔400の形状は円形であることが好ましく、円形の他に、四角形、台形であってもよい。前記各リベット孔400は、前記各永久磁石挿入孔103の対称軸の延長線aが前記各リベット孔400の中心を通るように位置する。
【0071】
V字状の永久磁石の間のロータコアの部分は、磁束が流れる通路の役割を担うため、リベット孔を形成すると磁束に抵抗がかかることになる。したがって、前記回転軸孔200と前記永久磁石挿入孔103との間において、ロータコア空間部の磁路が形成されない部分にリベット孔を形成すべきである。
【0072】
したがって、前記複数のリベット孔400は、内側端部が、前記ロータコア102の中心、すなわち、前記回転軸孔200の中心から15.9mm離れた部分よりも半径方向の外側に形成され、外側端部が、前記回転軸孔200の中心から20.1mm離れた部分よりも半径方向の内側に形成される。
【0073】
これは、ロータの位置による磁束密度を示した
図10を参照すると、磁束密度が低い区間に該当するためである。
図10を参照すると、磁束密度が最も低い区間は前記回転軸孔200の周辺に現れており、次に磁束密度が低い区間は前記回転軸孔200と永久磁石挿入孔103との間のロータコアの部分に現れており、前記永久磁石挿入孔103の周辺では磁束密度が高く現れていることが分かる。
【0074】
しかし、磁束密度が最も低く形成される前記回転軸孔200の周辺に複数のリベット孔を形成する場合、回転軸を支持する支持力が弱くなってロータの回転が不安定となる。したがって、前記複数のリベット孔400の内側端部と外側端部の範囲が限定されたように、磁束密度が低くて磁束が通ることを妨害せず、且つ回転軸を十分に支持可能な部分にリベット孔を形成することが好ましい。したがって、リベット孔の形成によってロータの性能及び効率の損失が発生しない。
【0075】
図9を参照すると、本発明の一実施形態による永久磁石埋込型電動機用ロータの複数のリベット孔400は、前記回転軸孔200の中心から半径方向に18mm程度離れた部分に各リベット孔400の中心が位置しており、4.15mmの直径を有する円形に形成されている。
【0076】
前記複数の重量軽減孔500は、前記永久磁石挿入孔103と前記回転軸孔200との間に周方向に貫通形成されており、前記複数のリベット孔400の中心を繋ぐ円と交差するように形成される。前記複数の重量軽減孔500は、前記各リベット孔400の間毎に形成され、前記複数のリベット孔400と等しい数で形成される。したがって、8個の重量軽減孔が一定の間隔で形成されることが好ましい。
【0077】
前記複数の重量軽減孔500は、隣接した一対の前記永久磁石挿入孔103の間の間隔の中心と、前記回転軸孔200の中心とを繋ぐ直線bを基準として対称に配置されることが好ましい。
【0078】
これは、V字状の永久磁石の間のロータコアの部分は、磁束が流れる通路の役割を担うため、重量軽減孔を形成すると磁束に抵抗がかかるためである。したがって、前記複数のリベット孔の間の空間部の磁路が形成されない部分に重量軽減孔を形成すべきである。
したがって、前記複数の重量軽減孔500は、内側端部が、前記ロータコア102の中心、すなわち、前記回転軸孔200の中心から15.9mm離れた部分よりも半径方向の外側に形成され、外側端部が、前記回転軸孔200の中心から20.1mm離れた部分よりも半径方向の内側に形成される。
【0079】
これは、同様に、ロータの位置による磁束密度を示した
図10を参照すると、磁束密度が低い区間に該当するためである。
図10を参照すると、磁束密度が最も低い区間は前記回転軸孔200の周辺に現れており、次に磁束密度が低い区間は前記回転軸孔200と永久磁石挿入孔103との間のロータコアの部分に現れており、前記永久磁石挿入孔103の周辺では磁束密度が高く現れていることが分かる。
【0080】
しかし、磁束密度が最も低く形成される前記回転軸孔200の周辺に複数の重量軽減孔500を形成する場合、回転軸を支持する支持力が弱くなってロータの回転が不安定となる。したがって、前記複数の重量軽減孔500の内側端部と外側端部の範囲が限定されたように、磁束密度が低くて磁束が通ることを妨害せず、且つ回転軸を十分に支持可能な部分に重量軽減孔を形成することが好ましい。したがって、重量軽減孔の形成によってロータの性能及び効率の損失が発生しない。
【0081】
また、前記複数の重量軽減孔500の形成によってロータの軽量化が可能であり、前記各重量軽減孔が冷媒の通る流路の役割を担うため、モータの冷却効率性も向上する。
【0082】
図9を参照すると、本発明の一実施形態による永久磁石埋込型電動機用ロータの複数の重量軽減孔500は、前記回転軸孔200の中心から半径方向に18mm程度離れた部分に各重量軽減孔500の中心が位置しており、詳細な形状は以下で説明する。
【0083】
前記各重量軽減孔500は、全ての辺が円の一部として構成された台形の形状を有することが好ましい。このような構成によると、ロータの剛性を維持した状態で、磁路を妨害しない区間を最大限用いて軽量化することができる。しかし、これに限定されるものではなく、前記ロータの形状及び大きさによって、円形、四角形、三角形などの如何なる形状に変更されてもよい。
【0084】
前記各重量軽減孔500は、内側端部502と外側端部501が前記回転軸孔200の中心を基準とする円の一部として形成され、前記内側端部502と外側端部501を連結する両側端部503、504は、各側端部が対向するリベット孔の中心を基準とする円の一部として形成される。
【0085】
これにより、前記各重量軽減孔の外側端部501、内側端部502、及び回転軸孔200は、何れも同心円上に位置することになる。前記各重量軽減孔の内側端部502と前記回転軸孔200との間の間隔は、何れの部分でも一定に維持されることができ、これによって、ロータの剛性が一定に維持される。
【0086】
また、前記各重量軽減孔の両側端部503、504と、各側端部が対向するリベット孔400との間の間隔が何れの部分でも一定に維持されるため、ロータの剛性が一定に維持されることができる。
【0087】
前記外側端部501は前記内側端部502に比べて長さがより長く形成され、前記両側端部503、504は長さが等しく形成されることができる。また、前記重量軽減孔の両側端部503、504は、各側端部が対向するリベット孔400の中心から半径方向に8mm以上離隔して位置することが好ましい。これは、前記両側端部503、504が、各側端部が対向するリベット孔400の中心から半径方向に8mm以内に位置すると、各リベット孔400と重量軽減孔500との間のロータコア部分の厚さが薄くなって磁束が通ることができず、全体的な支持力及び耐久性が弱くなるためである。
【0088】
図9を参照すると、本発明の一実施形態による永久磁石埋込型電動機用ロータの複数の各重量軽減孔500は、内側端部502が、前記回転軸孔200の中心を基準として直径31.85mmの円の一部として形成され、外側端部501は、前記回転軸孔200の中心を基準として直径40.15mmの円の一部として形成される。また、両側端部503、504は、各側端部が対向するリベット孔の中心を基準として直径8mmの円の一部として形成され、8mmだけ離隔して形成される。
【0089】
以上のように、本発明の実施形態によると、既存の永久磁石挿入孔の内側辺に1.5mm程度の孔を形成することで、コギングトルクを半分以下に低減させることが可能であるとともに、電動機の騒音を改善する効果も提供することができる。
【0090】
さらに、ロータコア上の所定領域に複数の孔を形成することで、軽量化及びコスト低減が可能であるだけでなく、冷媒が通る流路の役割を担って、冷却効率が向上する効果も提供することができる。
【0091】
本発明は、上述の特定の実施形態及び説明に限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく様々な変形実施が可能であり、そのような変形は本発明の保護範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、永久磁石埋込型電動機のためのロータ及びそれを用いた電動機に関し、より詳細には、ロータの内部に永久磁石が埋め込まれた形態のロータ及びそれを含む電動機に関する。