【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの目的は、独立請求項1に記載のオプトエレクトロニクス部品用の変換素子を製造するための方法によって、達成される。
【0005】
本発明の有利な実施形態および発展形態は、従属請求項の主題である。
【0006】
少なくとも1つの実施形態では、オプトエレクトロニクス部品用の変換素子を製造するための方法は、下記のステップ:
A) pH値が2未満の酸性媒体を用意するステップと、
B) 酸性媒体に、変換材料を添加するステップと、
C) ステップB)で得られた混合物に、粘度が2〜10000ポアズのシリケート溶液を、ステップC)における添加中のpH値が2よりも小さくなるように添加し、変換材料、およびマトリックス材料としての二酸化ケイ素を含む沈殿物を得るステップと、
D) 沈殿物を分離するステップと、
E) 沈殿物を、pH値が2未満の洗浄媒体で洗浄するステップと、
F) 沈殿物を硬化して、変換素子を製造するステップと
を含む。
【0007】
この方法によって製造された変換素子は、オプトエレクトロニクス部品の動作中に、オプトエレクトロニクス半導体チップから放出された放射線を吸収し、かつその放射線を、波長が変化した放射線に、特により長い波長の放射線に変換する目的で、特に設計される。特に、変換された放射線の波長または波長極大は、可視領域にある。
【0008】
少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品は発光ダイオードであり、略してLEDである。次いでオプトエレクトロニクス部品は、好ましくは、青色光、緑色光、赤色光、または白色光を放出することができる。
【0009】
少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品は、半導体チップを含む。半導体チップは、半導体積層構造を含む。半導体積層構造は、従来のpn−接合部および/または単一または複数の量子井戸構造を備えた活性層を有することができる。半導体チップの半導体積層構造は、好ましくはIII−V族化合物半導体材料をベースにする。半導体材料は、好ましくは、Al
nIn
1−n−mGa
mNなどの窒化物化合物半導体材料あるいはリン化物化合物半導体材料Al
nIn
1−n−mGa
mPである(式中、それぞれの場合に、0≦n≦1、0≦m≦1、およびn+m≦1である)。半導体材料は、同じくAl
xGa
1−xAs(式中、0≦x≦1)とすることができる。この場合、半導体積層体は、ドーパントおよび追加の成分を有することができる。しかし、単純化するために、半導体積層構造の結晶格子の必須成分のみに、たとえこれらを少量のその他の物質で部分的に置き換えかつ/または補うことができるとしても、Al、As、Ga、In、N、またはPのように名を付ける。
【0010】
半導体チップの動作中、電磁放射が活性層内で発生する。放射線の波長または波長極大は、好ましくは紫外および/または可視および/またはIRスペクトル領域にあり、特に420nm〜800nm、例えば440nm〜480nmの波長である。
【0011】
本明細書に記述される方法は、特にステップA)〜F)を有する。特に、方法ステップA)〜F)は前記順序で行われる。さらに、特に方法ステップF)の前に、追加の方法ステップH)を実施することができる。方法ステップF)の後、追加の方法ステップG)および/またはI)を実施することができる。
【0012】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、pH値が2未満の酸性媒体を用意する、方法ステップA)を含む。
【0013】
少なくとも1つの実施形態によれば、酸性媒体は、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、クロロスルホン酸、塩化スルホリル、過塩素酸、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0014】
少なくとも1つの実施形態によれば、酸性媒体は、濃縮または希釈形態で存在することができる。ここでかつ以下において、濃縮形態は、酸性媒体が、水を添加することなく存在することを意味する。例えば、濃縮形態の硫酸は、硫酸の濃度が94〜96%であることを意味する。希釈酸性媒体は、以下において、水が酸性媒体に添加されることを意味する。これは、例えば、94〜96%の硫酸などの濃縮媒体に、水を添加することによって、希硫酸などの希釈酸性媒体を生成できることによって実施することができる。特に、希釈酸性媒体のpHは2未満である。
【0015】
特に、酸性媒体の規定度は様々であってよい。例えば塩酸の規定度は、2N〜14Nにすることができ、例えば塩酸の規定度は、3N〜6Nにすることができる。リン酸の規定度は、2〜59N、例えば4〜20Nにすることができる。硝酸の規定度は、1〜24N、例えば1〜15Nにすることができる。硫酸の規定度は、1〜37N、例えば2〜10Nにすることができる。特に硫酸は、酸性媒体として使用される。
【0016】
少なくとも1つの実施形態によれば、酸性媒体はさらに水を含む。特に水は、蒸留水または脱イオン水である。
【0017】
少なくとも1つの実施形態によれば、酸性媒体のpH値は2未満である。特に酸性媒体のpH値は、1.5未満であり、特に1未満であり、好ましくは0.5未満である。
pH値は、電位差測定を用いてまたはイオン感応性電界効果トランジスタによってまたは指示染料の反応によって、決定することができる。特にpH値は、pH計を用いて決定することができる。
【0018】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、変換材料を酸性媒体に添加するステップB)を含む。変換材料は、(Y,Lu,Gd,Tb)
3(Al
1−xGa
x)
5O
12、(Ba,Sr,Ca)Si
2O
2N
2、(Ba,Sr,Ca)
2SiO
4、(Ba,Sr,Ca)
2Si
5N
8、(Sr,Ca)AlSiN
3・Si
2N
2O、(Sr,Ca)AlSiN
3、およびCa
8Mg(SiO
4)
4Cl
2からなる群から選択することができる。
【0019】
少なくとも1つの実施形態によれば、変換素子は、層として形成される。特に、変換素子の層厚は40μm〜60μmであり、例えば50μmである。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、変換材料は粒子として形成される。特に、変換材料の平均粒径は、5〜30μm、特に10〜30μm、好ましくは15〜30μmである。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法ステップB)において、変換材料は酸性媒体中に均質に分散する。この分散は、例えば撹拌または振盪によって行うことができる。
【0022】
少なくとも1つの実施形態によれば、散乱粒子を追加としてステップB)で分散させることができる。電磁放射を反射しかつ/または散乱させるように設計された任意の材料が、散乱粒子として適切である。例えば、二酸化チタンおよび/またはAl
2O
3で作製された散乱粒子を分散させることができる。特に、散乱粒子の平均直径は、0.5μm〜1μmを含む。
【0023】
少なくとも1つの実施形態によれば、変換材料の割合は、マトリックス材料の50重量%〜60重量%であり、例えば55〜57重量%である。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、ステップB)で得られた混合物に、粘度が2〜10000ポアズのシリケート溶液を、ステップC)における添加中のpH値が2よりも小さくなるように添加し、変換材料、およびマトリックス材料としての二酸化ケイ素を含む沈殿物が得られる、ステップC)を含む。
【0025】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップC)のシリケート溶液は、水ガラスの溶液であり、特にソーダ水ガラス、カリウム水ガラス、またはリチウム水ガラスの溶液である。
【0026】
Na
2Oおよび/またはK
2Oなどのアルカリ酸化物の割合が異なるアルカリシリケートを、以下において水ガラスと呼ぶ。例えば、SiO
2の含量が36〜37wt%でありNa
2Oの含量が17.8〜18.4wt%であり、20℃での粘度が約600ポアズである高濃度の水ガラスを、ナトリウム水ガラスと呼ぶことができる。シリケート溶液は、種々の製造業者から得ることができ、例えばVan Baerle Chemische Fabrik社から得ることができる。シリケート溶液は、例えば国際公開第2010/037702号により当業者に公知であり、したがってこの時点でさらに説明しない。
【0027】
シリケート溶液の粘度は、特に、2〜10000ポアズ、好ましくは3〜5000ポアズ、特に好ましくは4〜1000ポアズ、特に非常に好ましくは4〜800ポアズ、特に非常に好ましくは4〜100ポアズ、特に好ましくは5〜50ポアズである。粘度は、落球式粘度計を用いて決定することができる。
【0028】
ステップC)において、シリケート溶液を、変換材料と酸性媒体との混合物に添加する。特に、pH値はいつでも、即ちステップC)での添加中の全体を通して、2未満であり、特に1.5未満であり、特に1未満であり、好ましくは0.5未満である。
【0029】
少なくとも1つの実施形態によれば、シリケート溶液は、液滴の形で、変換材料と酸性媒体との混合物に添加される。例えば、シリケート溶液の滴下は、噴霧ユニット、液滴発生器、造粒プレートを用いて行うことができる。これらの方法は、当業者に公知であり、したがってここではより詳細に説明しない。シリケート溶液を液滴の形で添加することにより、容易に濾過可能な沈殿物を得ることができる。
【0030】
沈殿物は、詳細には懸濁液である。沈殿物は、マトリックス材料としての二酸化ケイ素、および変換材料を含有する。
【0031】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法ステップC)は、20〜95℃の温度で、好ましくは30〜90℃、例えば40〜80℃で実施される。特に、ステップC)の温度は、この温度で保たれる。
【0032】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、沈殿物を分離するステップD)を含む。言い換えれば、沈殿物は、混合物の残りの成分から分離される。沈殿物の濾過可能性に応じて、この分離は、当業者に公知の濾過技法によって実施することができる。例えば沈殿は、フィルタ・プレスまたはロータリ・フィルタを用いて行うことができる。あるいは沈殿物は、沈殿物の液体成分を遠心分離することによってかつ/またはデカンテーションすることによって、得ることもできる。
【0033】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、洗浄媒体で沈殿物を洗浄するステップE)を含み、この洗浄媒体のpH値は2未満であり、特にpH値は1.5未満または1未満または0.5未満である。ステップA)で既に述べた酸性媒体を、洗浄媒体として使用することができる。
【0034】
あるいは、キレート試薬を洗浄媒体として添加することができる。
【0035】
少なくとも1つの実施形態によれば、過酸化物で作製された指示薬を、ステップA)からD)の少なくとも1つ、特にステップA)で添加することができる。指示薬は、特に色の変化を示し、したがって沈殿物の沈殿の完全性を示す。特に、この色の変化は、LEDベースで生じるのではなく材料ベースで生じることができる。
【0036】
特に、過酸化物はチタン−(IV)−イオンを含む。特に、チタンを含有する過酸化水素またはパーオキシ二硫酸カリウムは、指示薬−(IV)−イオンとして使用される。チタン−(IV)−イオンは、酸性条件下で黄−橙に着色された彩色を有する。精製の程度は、例えばステップE)での洗浄中、混合物の黄−橙に着色された彩色によって決定することができる。pH値が2より高くても、得られる沈殿物上にチタンが僅かに堆積ししたがって非常に頑固な不純物になるので、沈殿物の清浄化の程度は制御することができる。
【0037】
方法ステップE)は、指示薬の黄−橙に着色された彩色が視覚的に示されなくなるまで実施することができる。
【0038】
あるいは、またはさらに、方法ステップE)は、蒸留水または脱イオン水の洗浄媒体を用いて実施することもできる。特に、濾液、即ち洗浄懸濁液の伝導率が9μS/cm以下になるまで、好ましくは5μS/cm以下になるまで洗浄される。伝導率は、伝導率測定デバイスを用いて決定することができる。
【0039】
方法ステップE)は、好ましくは15〜100℃の温度で実施することができる。
【0040】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、沈殿物を硬化して変換素子を製造する方法ステップF)を含む。
【0041】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップF)での硬化は、気流を用いて実施する。さらに、方法ステップF)での硬化は、加圧下で実施することができる。圧力は、プレス機によって加えることができる。圧力は、例えば80〜150bar、例えば100barにすることができる。気流は、気体の蒸気、例えば水蒸気とすることができる。気流との、および任意選択で加圧下での、沈殿物の接触は、変換素子の硬化および凝固をもたらす。
【0042】
あるいは、またはさらに、方法ステップは、変化材料およびマトリックス材料からなる層系が製造されるように、数回実施することもできる。特に、色位置がさらに設定される。
【0043】
さらに、ステップF)の前に、沈殿物を型に移すことができる。特に沈殿物は、型に移されるとき、ゲル状である。
【0044】
型の形状は、任意にすることができる。例えば平面視では、型の形状を、表面積が例えば1mm
2、2mm
2、もしくは750μm
2の長方形に、または棒状にすることができる。型は、沈殿物が内部に導入されるキャビティを有することができる。キャビティは、穴を有することができる。特に、ステップF)で生成された水などの副生成物は、穴を通して除去される。
【0045】
少なくとも1つの実施形態によれば、型はスクリーンを有する。その結果、気流は変換素子に完全に浸透することができ、水性成分が変換素子から除去することができ、したがって変換素子を完全に硬化することができる。
【0046】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップF)の前に、追加のステップH)を実施し、ステップE)の後に、洗浄された沈殿物を、噴霧コーティングを用いてオプトエレクトロニクス半導体チップ上に付着させる。特に、沈殿物の粘度は、プロセス粘度に対して調節される。
【0047】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、ステップF)の後に追加のステップG)を含み、変換素子をオプトエレクトロニクス半導体チップに付着させる。特に変換素子は、即ち事前製作された本体として、いわゆるピックアンドプレース・プロセスにおいて半導体チップの放射出口領域上に配置構成される。この付着は直接または間接的に行うことができ、即ち直接的な機械的および/または電気的接触で、あるいは間接的な機械的または電気的接触で行うことができる。間接的な電気的または機械的接触の場合、他の層、例えば接着層を、変換素子とオプトエレクトロニクス半導体チップとの間に配置構成する。
【0048】
特に、変換素子には鋭い縁部がある。言い換えると、変換素子は多角形であり、例えば立方形であり、それらの縁部では、1つの直方体面からその他の直方体面への移行部に丸みがない。特に変換素子の側面は、半導体チップの側面に対し、放射出口領域の平面図において形がぴったりと合うように配置構成される。
【0049】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップF)の後、追加のステップI)が実施され、変換素子が研削される。したがって変換素子の光出力を増大させることができる。
【0050】
ここに記述される方法によれば、内部に変換材料が分散された、二酸化ケイ素で作製された非常に清浄で高純度のマトリックス材料を有する変換素子を提供することができる。特に変換材料は、マトリックス材料中に均質に分布している。変換材料と組み合わせた沈殿物の沈殿により、特に代替の変換素子を提供することができる。変換素子は、費用効果のある、かつ信頼性ある手法で製造することもできる。さらに、変換素子はエイジングに供されない。さらに任意の蛍光体、または蛍光体の混合物を、変換素子中に分散させることができる。変換素子の形状は、柔軟にすることができる。
【0051】
本発明はさらに、変換素子に関する。変換素子は、オプトエレクトロニクス部品用変換素子を製造するための、記述される方法を使用して、好ましくは製造される。このことは、変換素子を製造するための方法に関して開示された特徴全てが、部品に関しても開示されることを意味し、その逆も同様である。
【0052】
変換素子は、特に、上述の材料から選択することができる変換材料を含む。さらに変換素子は、二酸化ケイ素で作製されたマトリックス材料を有する。二酸化ケイ素は特に高純度二酸化ケイ素である。ここでかつ以下において言及される高純度二酸化ケイ素は、二酸化ケイ素中の不純物の含量が非常に低いことによって特徴付けられる。特に、二酸化ケイ素中のアルミニウムの割合は、1ppm未満である。あるいは、またはさらに、二酸化ケイ素中のホウ素の割合が0.1ppm未満である。あるいは、またはさらに、二酸化ケイ素中のカルシウムの割合が0.3ppm未満である。あるいは、またはさらに、二酸化ケイ素中の鉄の割合が0.6ppm未満である。あるいは、またはさらに、二酸化ケイ素中のニッケルの割合が、0.5ppm未満である。あるいは、またはさらに、二酸化ケイ素中のリンの割合が0.1ppm未満である。あるいは、またはさらに、チタンの割合が1ppm以下である。あるいは、またはさらに、亜鉛の割合が0.3ppm以下である。特に、ナトリウムおよびカリウムを含む二酸化ケイ素中の不純物の合計は、5ppm未満になり、好ましくは4ppm未満、特に好ましくは0.5〜3ppmであり、または1〜3ppmである。
【0053】
本発明はさらに、オプトエレクトロニクス部品に関する。オプトエレクトロニクス部品は、好ましくは上述の変換素子を含む。このことは、変換素子を製造するための方法に関して開示された全ての特徴および実施形態は、変換素子に関しても開示されることを意味し、その逆も同様である。
【0054】
少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス部品はオプトエレクトロニクス半導体チップを含む。変換素子は、オプトエレクトロニクス半導体チップの出射側に配置構成される。オプトエレクトロニクス半導体チップおよび変換素子は、例えばシリコーンで作製されたポッティングに特に埋め込まれる。ポッティングは、例えば二酸化チタンで作製された散乱粒子をさらに含むことができる。さらにオプトエレクトロニクス半導体チップは、キャリアまたは基板上に配置構成することができる。キャリアまたは基板は、例えばシリコン・ウェハとすることができる。
【0055】
本発明はさらに、オプトエレクトロニクス部品を製造するための方法に関する。方法は、好ましくはオプトエレクトロニクス部品を製造する。このことは、変換素子を製造するための方法に関して記述された特徴、変換素子および/またはオプトエレクトロニクス部品に関して開示された特徴および実施形態の全てが、オプトエレクトロニクス部品を製造するための方法に関しても開示されることを意味し、その逆も同様である。
【0056】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、下記のステップ:
a) キャリアまたは基板を用意するステップと、
b) 基板またはキャリアに、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップを付着させるステップと、
c) それぞれのオプトエレクトロニクス半導体チップに、変換素子を付着させるステップと、
d) 任意選択で、複数のオプトエレクトロニクス半導体チップを分離するステップと
を含む。
【0057】
特に、ステップc)の前または後で、それぞれのオプトエレクトロニクス半導体チップをポッティングで封止することができる。ポッティングは、シリコーンで作製することができ、内部に散乱粒子をさらに分散させることができる。
【0058】
少なくとも1つの実施形態によれば、付着された変換素子は、温度および/または電磁放射に対して耐性がある。
【0059】
本発明者らは、変換素子を製造するための、ここに記述される方法が、単純なマトリックス材料を使用して費用効果のある変換素子を製造できることを理解した。本質的な方法の特徴は、マトリックス材料、特に二酸化ケイ素と、種々の方法ステップ中でマトリックス材料および変換材料が内部に位置付けられる反応媒体と、のpH値の制御である。特定の理論に拘泥するものではないが、本発明者らは、非常に低いpH値によって、理想的には遊離負電荷SiO基が二酸化ケイ素表面に存在せず、干渉金属イオンに結合することができるという見解である。非常に低いpH値で、表面は均等に正に帯電し、したがって金属陽イオンがシリカ表面から跳ね返されるようになる。次いで金属イオンが、pHが非常に低い限りにおいて洗い出される場合、金属イオンがマトリックス材料の表面に蓄積されるのを防止することができる。シリカ表面に正電荷がある場合、ケイ酸粒子が互いに結合しかつそれによって内部に不純物が堆積される可能性があるキャビティが形成されることが、防止される。このように方法は、キレート試薬および/またはイオン交換カラムを使用せずに実施することができる。さらに、焼成ステップを必要としない。変換素子を製造するための方法は、このように、より容易でありかつより費用効果がある。
【0060】
他の利点、有利な実施形態、および発展形態は、図と併せて以下に記述される例示的な実施形態から明らかにされよう。