(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、移動するシート表面を除電するための装置として、シートの幅をまたぐように複数の電極針を配置した棒状の除電装置が知られている。
この種の除電装置として特許文献1に示す除電装置は、シートの搬送方向に直交する方向を長手方向とする絶縁性のケーシング1内に、長板状の基板2を設けたものである。
図8は上記ケーシング1の長手方向に直交する断面図である。基板2の一方の面2aにはその長手方向の両辺に沿ってプラス電圧線3とマイナス電圧線4とがほぼ平行にプリントされている。
また、基板2には両側のプラス,マイナス電圧線3,4間の中心線上において、複数の電極針5が、一定の間隔を保って一直線状に配置されている。各電極針5は、図示のように基板2を貫通する導電性のブッシュ6を介して基板の面2aに対して直交して固定されている。
【0003】
上記のように一列に配置されたブッシュ6は、プラス電圧線3とマイナス電圧線4に対し、それぞれ図示しない抵抗素子を介し、かつ配列順にしたがいプラス,マイナス交互に接続されている。すなわち、一直線上で隣り合う電極針5,5同士は、逆極性の電圧線に接続されることになる。
また、上記ケーシング1内には、絶縁性の樹脂7が充填され、この樹脂7によって基板2が固定され、上記電極針5の先端は、ケーシング1の開口部1aの中央で、樹脂7から突出している。
上記のように電極針5と接続されたプラス,マイナス電圧線3,4はそれぞれ、直流高電圧電源のプラス,マイナスの出力端子と接続される。そして、各電圧線3,4に高電圧が印加されると、隣り合うプラス,マイナスの電極針5,5間で放電が発生し、この放電によって生成されたイオンが帯電物体の除電に寄与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図8に示す従来の除電装置は、電極針5が、両辺に沿ったプラス,マイナス電圧線3,4がプリントされた基板の面2aに直交して起立しているため、基板2を埋設したケーシング1の幅W1は基板2の幅に依存してしまう。
また、上記基板2の幅方向の両端に、プラス,マイナス電圧線3,4が形成されているため、これらプラス,マイナス電圧線3,4間あるいは、プラス,マイナス電圧線3,4と電極針5との間で放電が発生しないようにするため、プラス電圧線3とマイナス電圧線4との距離をある程度大きく維持する必要があり、基板2の幅を小さくするのには限界があった。
そして、基板2の幅を小さくできなければ、ケーシング1の幅W1を小さくすることもできない。つまり、ケーシング1の幅W1を小さくすることは難しかった。
なお、上記ケーシング1の幅W1とは、ケーシング1の長手方向と直交し、かつ電極針5の軸線と直交する方向の寸法である。
【0006】
上記ケーシング1の幅W1が大きくなれば、狭い場所での取り付け作業ができないだけでなく、ケーシング1を所定の位置に取り付けた後に他の設備を近づけることもできない。
そのため、除電装置の棒状のケーシング1を狭い隙間に取り付けて用いることができないという問題があった。
この発明の目的は、ケーシングの幅を小さくできて、取付け場所の自由度が高い除電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、ケーシングに充填した絶縁性樹脂に埋設される長板状の基板に、この基板の長手方向に沿って一直線状に配置され、その先端を上記絶縁性樹脂から同一方向に突出させた複数の電極針を備え、上記基板に、直流高圧電源のプラスの出力端子に接続されるプラス電圧線と、直流高圧電源のマイナスの出力端子に接続されるマイナス電圧線とをプリントし、上記直線状に配置された電極針に対し、その配列順序にしたがって交互にプラス電圧線とマイナス電圧線とを接続し、隣り合う電極針間で放電を発生させる構成にした除電装置を前提とする。
上記除電装置を前提とし、第1の発明は、上記基板の長方形の断面において長辺側となる一対の対向面をプリント面とし、一方のプリント面に上記プラス電圧線を設け、他方のプリント面に上記マイナス電圧線を設けるとともに、上記複数の電極針は、その軸線を上記プリント面に沿わせ、
上記一対のプリント面間である基板の厚み内に固定されるとともに、その先端を上記プリント面の長手方向に直交する方向へ突出させたことを特徴とする。
【0010】
第
2の発明は、
上記基板の長方形の断面において長辺側となる一対の対向面をプリント面とし、一方のプリント面に上記プラス電圧線を設け、他方のプリント面に上記マイナス電圧線を設けるとともに、上記複数の電極針は、その軸線を上記プリント面に沿わせ、その先端を上記プリント面の長手方向に直交する方向へ突出させ、上記基板に、上記ケーシングを他の設備に固定するための固定用部材を挿通させる固定用孔を複数貫通させるとともに、上記ケーシングの外面に上記固定用孔の位置を示す孔位置マークを設けたことを特徴とする。
【0011】
第
4の発明は、上記固定用孔を、上記基板の長手方向に沿った一直線上であって、隣り合う電極針の中央位置に形成するとともに、上記固定用孔が並んだ直線に対応する直線を、上記孔位置マークとして形成したことを特徴とする。
【0012】
第
5の発明は、
上記ケーシングにおいて上記一対のプリント面と対向する一対の側壁間の中央に、上記複数の電極針の先端を位置させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、ケーシングの側壁間の距離である幅を、基板のプリント面の大きさにかかわりなく、小さくできる。そのため、狭い隙間にも取り付けて用いることができる。つまり、除電装置の設置個所の選択の自由度が上がる。
しかも、基板の厚み中心と電極針の中心とが一致しているので、ケーシングの一対の側壁間の中心に基板を設けることによって電極針をケーシングの中央に位置させることができる。
【0016】
第
2の発明によれば、ねじ部材などの固定用部材を基板に設けた固定用孔に挿通して、ケーシングを直接、他の設備に固定することができる。そのため、ケーシングの外部に、特別に固定用の治具を設けなくてもよい。固定用の治具を必要としないため、幅の狭いケーシングのメリットを存分に活かして、狭い個所へ設置が可能になる。
また、孔位置マークによってケーシングの外から固定用孔の位置が分かるので、ケーシング外から、基板にプリントされた電圧線などを破損しないで、ねじ部材などを挿通するための貫通孔を形成することができる。
【0017】
第
3の発明によれば、固定用孔の孔位置を特定する際に、電極針の位置を利用するようにしたので、ケーシングの外面に設ける孔位置マークはケーシングの長手方向に沿った1本の直線で足りるようなった。
上記のような直線状の孔位置マークは、ケーシングを引き抜き成形で成形する際に、ケーシングと同時に形成することができる。そのため、上記孔位置マークを形成するための別工程を設ける必要ない。
【0018】
第
4の発明によれば、
基板を挟んだ両側のケーシングの側壁と、電極針の先端との距離が等しくなる。そのため、電極針と側壁との距離を、放電が起こりにくい必要最小限の距離に保てば、ケーシングの側壁に向かう放電を起こりにくくできる。電極針が、いずれか一方の側壁に近い場合には、近い方の側壁に向かう放電が発生しやすくなり、ケーシングがダメージを受けるだけでなく、放電が不安定になってしまうが、この発明によれば、そのようなことがない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜6に示すこの発明の第1実施形態は、
図1,2に示す基板8を
図3に示すケーシング9内に設けたものである。
図1は、基板8の一方のプリント面8aを、
図2には上記プリント面8aの裏面となるもう一方のプリント面8bを示している。
また、ケーシング9は、一対の側壁9a,9bと幅W2の底面9cとを備え、9cと対向する側を開口部9dとした断面がコの字状の絶縁性樹脂の部材である。そして、その長手方向両端を、図示しない端末部材で封鎖するようにしている。
また、両側面9a,9bの外面には、後で説明する孔位置マークとしての線状溝9e,9fが形成されている。
【0021】
図1,2に示す上記基板8には、長手方向に沿った一方の長辺に、等間隔の切欠き8cを設け、各切欠き8c内にプラス用の電極針12aを支持するための導電性のブッシュ13aと、マイナス用の電極針12bを支持するための導電性のブッシュ13bの基端を固定している。
このとき、図示のように、上記ブッシュ13a,13bの軸線が、基板8のプリント面8a,8bに沿い、互いに平行に固定されているので、電極針12a,12bの軸線も、上記プリント面8a,8bに沿って互いに平行に固定されることになる。
また、これらブッシュ13a,13bは、同一方向に向いた上記電極針12a,12bの先端を基板8の厚みの中心に一致させるようにしている(
図4参照)。
【0022】
なお、上記プラス用の電極針12aとマイナス用の電極針12bとは同じ部材であり、上記プラス用のブッシュ13aとマイナス用のブッシュ13bとは同じ部材である。これらの部材は、後で説明するプラス電圧線11に接続されるものをプラス用、マイナス電圧線19に接続されるものをマイナス用としている。
なお、上記プリント面8a,8bは、
図4に示す基板8の長方形の断面において長辺側となる一対の対向面である。
【0023】
図1に示す上記プリント面8aには、図中、上記ブッシュ13a,13bの右隣となる位置に、接続線11a,11bをプリントするとともに、これら接続線11a,11bには上記ブッシュ13a,13bを半田で接続している。
また、上記接続線11a,11bの先端には、スルーホールを備え、電流制限抵抗15の一方のリード線を接続するための一方の抵抗用接点14a,14bを形成している。
さらに、上記一方の抵抗用接点14a,14bの右隣には、上記電流制限抵抗15を設けるための切欠き8dを形成している。
そして、切欠き8dを介して上記一方の抵抗用接点14a,14bと対向する位置に、上記電流制限用抵抗15の他方のリード線を接続するための他方の抵抗用接点16a,16bを交互に設けている。これら他方の抵抗用接点16a,16bそれぞれの中心にもスルーホールが形成されている。
【0024】
そして、上記一方の抵抗用接点14aと他方の抵抗用接点16aとの間、一方の抵抗用接点14bと他方の抵抗用接点16bとの間に、上記電流制限抵抗15を接続している。
上記電流制限抵抗15は、直流高電圧が印加された各電極針12a,12bに大電流が流れる危険を回避するために設けられている。
なお、上記切欠き8dを形成したのは、その中に上記電流制限抵抗15を設けることによって電流制限抵抗15の基板8の厚みからはみ出す部分を少なくするためである。これにより、基板8に、電流制限抵抗15を実装しても基板8の厚み方向のサイズを小さくできる。
【0025】
また、プリント面8a上で、上記抵抗用接点16aは、全て上記プラス電圧線11と接続されている。
そのため、基板8の長手方向に沿って設けられた複数のプラス用の電極針12aは、ブッシュ13a、接続線11a及び電流制限抵抗15を介してプラス電圧線11に接続される。
したがって、プリント面8aの端部に位置する半田用パターン10に、図示しない直流高圧電源のプラスの出力端子を接続すれば、全てのプラス用の電極針12aにプラスの高電圧を印加することができる。
【0026】
また、プリント面8aには、マイナス用の電極針12bに接続された電流制限抵抗15を接続した他方の抵抗用接点16bに接続された接続線11cと、この接続線11cに接続された半田用パターン17がプリントされている。この半田用パターン17にはスルーホール18を備えている。
さらに、上記半田用パターン17の、基板8の長手方向における位置を、上記プラス電圧線11の途中に設けた半田用パターン10の位置に一致させている。
【0027】
図2には、上記プリント面8aの裏面側のプリント面8bを示している。
この
図2では、スルーホール18や、スルーホールを備えている接点14a,14b,16a,16bには、プリント面8aと同一符号を付すとともに、上記切欠き8c及び切欠き8dの符号は省略している。
上記プリント面8bには、マイナス電圧線19がプリントされている。
上記マイナス電圧線19は、他方の抵抗用接点16bとスルーホール18との間に形成されている。
【0028】
上記抵抗用接点16bは、上記したようにスルーホール18を備え、反対側のプリント面8a側で、電流制限抵抗15、接続線11cを介して上記半田用パターン17に接続されている。この半田用パターン17にはスルーホール18が形成され、このスルーホール18はプリント面8b側で上記マイナス電圧線19が接続されている。
そのため、プリント面8b側では、上記マイナス電圧線19は分断されているように見えるが、実際には、上記
図1のプリント面8a側で、上記半田用パターン17を介して電気的に接続されている。
【0029】
また、上記他方の抵抗用接点16bは、
図1に示すプリント面8a側で、上記電流制限抵抗15、一方の抵抗用接点14b及び接続線11bを介してマイナス用の電極針12bに接続されている。
そこで、
図2のプリント面8b上のマイナス電圧線19は、プリント面8aの半田用パターン17を介して連続し、このマイナス電圧線19に、上記電流制限抵抗15を介して接続された全てのマイナス用の電極針12bが直列に接続されることになる。
したがって、上記プリント面8aの端部に位置する半田用パターン17に、図示しない直流高圧電源のマイナスの出力端子を接続すれば、全てのマイナス用の電極針12bにマイナスの高電圧を印加することができる。
【0030】
さらに、この基板8には、両プリント面8a,8bのプラス,マイナス電圧線11,19などのプリント部分に干渉しない位置に、
図5,6に示すスペーサ20を取り付けるための取付孔8eが形成されている。この取付孔8eは、図示のように大径部と小径部とが連続したダルマ状の孔である。
上記取付孔8eに取り付けるスペーサ20は、絶縁性樹脂製の部品で、板状の本体部20aに、この本体部20aから突出した鉤状の底面支持部20b及びフック部20cを備えている。このようなスペーサ20は、次のようにして上記基板8の取付孔8eに取り付けられる。
【0031】
図5に示すように、上記スペーサ20の本体部20aを一方のプリント面8a側に位置させ、上記底面支持部20bで基板8を挟むようにしながら、フック部20cを上記取付孔8eの大径部に挿入する。取付孔8eの大径部に、フック部20bを挿入したら、
図6に示すようにスペーサ20全体を取付孔8eの小径側へ移動させる。すると、上記フック部20bが取付孔8eの小径部に一致して固定される。
そして、上記底面支持部20bやフック部20cにおいて、プリント面8b側に突出した部分の寸法と、プリント面8a側の本体部20aの厚みとを同等にするとともに、上記基板8をケーシング9内に収容したとき、スペーサ20がケーシング9の対向する側壁9a,9bに接触するようにしている。
【0032】
なお、
図1では、上記取付孔8eに固定されたスペーサ20を二点鎖線で示している。ここでは、スペーサ20を1つしか示していないが、スペーサ20は、全ての取付孔8eにそれぞれ取り付けてもよいし、いくつか選択した取付孔8eのみに取り付けるようにしてもよい。
さらに、上記本体部20aの外側面には凹凸を形成して、このスペーサ20を取り付けた上記基板8をケーシング9に収容したとき、本体部20a表面の凹部とケーシング9の側壁9aとの間に隙間ができるようにしている。この隙間に、ケーシング9に充填した絶縁性樹脂21が入り込むことで、スペーサ20の位置をより安定させることができる。
【0033】
上記のようにスペーサ20を取り付けた基板8を
図3に示すケーシング9内に収容し、絶縁性樹脂21を充填して固化させている(
図4参照)が、このとき、上記スペーサ20によって基板8の位置が、ケーシング9の幅W2の中央に保たれている。したがって、上記電極針12a,12bの先端が、ケーシング9の両側壁9a,9bから等距離に位置することになる。
そのため、上記プラス用の電極針12aにプラスの高電圧を印加し、マイナス用の電極針12bにマイナスの高電圧を印加したとき、電極針12a,12bの先端から、一方の側壁9aあるいはもう一方の側壁9bへの放電が起こりにくく、隣り合う電極針12aと12bとの間で発生する安定した放電状態が維持される。
また、スペーサ20の底面支持部20bで支持された基板8と、ケーシング9の底面9cとの間には隙間が形成され、この隙間にも絶縁性樹脂21が入り込む。
【0034】
この第1実施形態では、電極針12a,12bがその軸線を基板8のプリント面8a,8bに沿うように設けられているため、電極針12a,12bを設けた基板8を収容するケーシングの幅W2を基板8の厚みとプリント面8a,8bを覆う絶縁性樹脂21の厚み分だけにすることができる。
図8に示す従来のように、電極針5を基板2に直交させて設けた場合のケーシングの幅W1と比べて、幅W2を大幅に小さくすることができる。
そのため、このケーシング9を狭い隙間に取り付けることができる。
【0035】
また、上記基板8には、やはり、プリント面8a,8bのプリント部分に干渉しない位置に、この第1実施形態の除電装置を他の設備に固定するための複数の固定用孔8fを形成している。
上記固定用孔8fは、この第1実施形態のケーシング9を他の設備などに取り付ける際に、ねじ部材など固定用部材を挿通させるための孔である。このような固定用孔8fに、ケーシング9の側壁9a,9bの外側から、ねじ部材を貫通させれば、ケーシング9を目的の位置に直接固定することができる。
【0036】
このように、ケーシング9の外部から基板8に形成された固定用孔8fにねじ部材などを挿通させてケーシング9を直接固定することができれば、ブラケットなどの固定用治具が不要になる。固定用治具を用いると、その分取付けスペースが大きく必要なってしまい、ケーシング9の幅W2を小さくできたことによるメリットが減殺されてしまうこともある。
しかし、上記固定用孔8fを利用して、ケーシング9を他の設備に固定することができれば、幅W2を小さくしたメリットを十分に活かすことができる。
【0037】
また、この第1実施形態では、上記固定用孔8fを、基板8の長手方向に沿った1本の直線S(
図2参照)上であって、隣り合う電極針12aと12bとの中央位置に形成している。そして、ケーシング9の側壁9a,9bの外面には上記直線Sに対応する位置に上記した線状溝9e,9fを形成している。
上記固定用孔8fの位置を、上記のように、上記直線S上であって、隣り合う電極針12a,12b間の中央に決めているので、ケーシング9の外部から上記固定用孔8fが目視できなくても、上記電極針12a,12bの位置と、上記線状溝9e,9fとから、上記固定用孔8fの位置を特定し、そこにねじ部材などを挿通させることができる。
固定用孔8fの位置が外から正確に特定できれば、ねじ部材などによってプリント面8a,8b上にプリントされた電圧線11,19などのプリント部分を損傷することもない。
【0038】
さらに、上記線状溝9e,9fはケーシング9の長手方向に沿っているため、ケーシング9を押し出し成形で形成する際に、この線状溝9e、9fを同時に形成することができる。したがって、孔位置マークとしての線状溝9e,9fを形成するための別工程を必要としない。
ただし、押し出し成形で形成できる孔位置マークとしては、線状溝ではなく線状突部でもよい。
また、孔位置マークは、例えば、シールを貼ったり描いたりするなど、別工程で形成されるようなものでもよい。
【0039】
この第1実施形態の上記基板8は、上記半田用パターン10,10間及び半導体パターン17,17間構成を一単位として、この単位を複数連続させた構成を備えている。この単位の繰り返し数や基板8の長さは、除電対象に応じて設定すればよい。
また、複数の基板8を、上記半田用パターン10や17で連結して用いることもできるし、上記半田用パターン10,17の中央をカットして、基板8の長さを短くすることもできる。
【0040】
図7に示す第2実施形態は、ケーシング9の側壁9a,9bの外側にこの発明の気体供給パイプであるエアパイプ22,23を設けたものである。その他の構成は、上記第1実施形態と同じである。したがって、第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態と同じ符号を用いるとともに、同様の構成についての説明は省略する。
エアパイプ22,23は、
図7に示すように、ケーシング9の側壁9a,9bの外側に設けた角パイプである。このエアパイプ22,23は絶縁樹脂製で、ケーシング9に接着剤で固定されている。
そして、上記エアパイプ22,23の両端は、図示しない閉鎖部材で閉鎖されるとともに、図示しないエア供給源が接続されている。
【0041】
また、上記エアパイプ22,23においてケーシング9の開口部9d側の側面には、上記電極針12a,12bの軸線に沿ってエアを噴出させるための噴出口としての小孔22a,23aを、上記エアパイプ22,23の軸線に沿って複数形成している。
したがって、上記エアパイプ22,23にエアを供給すれば、小孔22a,23aからの噴出エアによって、電極針12a,12b間の放電によって生成されたイオンが除電対象に向かって搬送される。上記噴出エアによって、イオンが除電対象の近くまで搬送されれば、より確実な除電ができる。
【0042】
この第2実施形態では、上記エアパイプ22,23を接着剤でケーシング9に固定接着しているが、エアパイプ22,23の取付け方法はどのようなものでもよいし、上記エアパイプ22,23を、ケーシング9と一体成形してもよい。
また、上記噴出口も小孔22a,23aの代わりに、パイプの軸線に沿ったスリットを形成してもよい。
さらに、エアパイプも角パイプに限らないが、
図7のように角パイプを用いれば、ケーシング9の幅W2方向の寸法を小さくしながら、エア流量を確保することができる。