(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【0020】
[実施例1]
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。
前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右及び外枠下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。
前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。発射された遊技球は、遊技盤1の遊技領域3を流下する。
【0021】
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0022】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
【0023】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
【0024】
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
【0025】
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0026】
パチンコ機50の裏面は
図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(
図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0027】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図5では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0028】
このパチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0029】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
【0030】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留記憶表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19及び普通図柄保留記憶表示装置8の点灯を制御する。
【0031】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(
図5では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0032】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出センサ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出センサ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0033】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0034】
また、払出制御装置81は遊技球等貸出装置接続端子24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、遊技球等貸出装置接続端子24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0035】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0036】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0037】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0038】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。無論、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信の構成でもよい。また、サブ統合制御装置83に演出図柄制御装置82の機能を統合して1つのサブ統合制御装置とする構成でもよい。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御する。
【0039】
次に、主制御装置80が、メインルーチンとして行う各処理を
図5に従って説明する。
図5に示すフローチャートは、主制御装置80のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施形態では、S10〜S65までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。
【0040】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0041】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S15)、残余処理に移行する。
【0042】
正常割り込みとの肯定判断がなされると、まず初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「4798」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「4798」までの4799個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0043】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「4798」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「4798」までの4799個の整数を繰り返し昇順に作成する。
なお、大当り決定用乱数が1週(1巡)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1週(1巡)すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。
【0044】
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0045】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「299」の300個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は低確率状態(通常状態)時は「7」のみ、高確率状態時は「0」〜「296」となっている。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0046】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、低確率状態(以降、通常状態ともいう)時で変動時間短縮機能未作動時、及び高確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、低確率状態(通常状態)時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。なお、上記、変動時間短縮機能とは、本実施例の時短(機能)に相当する。
【0047】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0048】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数(数値データ)が取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12それぞれ4個までとしており、第1保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11に入賞又は第2保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0049】
続いて、大当りか否かを判定する当否抽選手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理については後述する。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
【0050】
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0051】
なお、各出力処理(S60)では、本発明の要部としての普通電動(普電)役物ソレノイド12bに対しても出力処理を行うことによって、第2始動口12の閉状態から開状態への変化態様や、開放回数、および開放時間の制御を可能としている。また、本発明の開放延長状態や非開放延長状態の実行に係る制御も可能としている。
【0052】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0053】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性はなくなる。なお、本実施形態においては、大当り決定用乱数の更新は初期値乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0054】
図6に示す始動入賞確認処理では、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留記憶表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留記憶表示装置18の点灯数を増やすこともなくS115へ移行する。
【0055】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS115に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S115:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留記憶表示装置19の点灯数を1増加させる(S125)。既に4個の第2保留記憶があれば(S120:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留記憶表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)も、本処理を終了する。
図6の始動入賞確認処理は、
図5の入賞確認処理(S50)の1モジュールとして構成される。
【0056】
次に、上述したS55の当否判定処理(
図5参照)について、
図7乃至
図11を参照して説明する。
図7に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを判断する(S150)。S150の判定が否定判断で(S150:no)、特別図柄が変動中でなく(S155:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S160:no)、
図8のS200に移行し、第2保留記憶(上記、S125による保留記憶)があるか否かを判断する(S200)。この保留記憶があれば(S200:yes)、第2保留記憶をデクリメントし(S205)、S220に進む。第2保留記憶がなければ(S200:no)、第1保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S210)。第1保留記憶があれば(S210:yes)、第1保留記憶をデクリメントし(S215)、S220に進む。
【0057】
S220では、第2保留記憶(S215から移行した場合は第1保留記憶)の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率状態(以降、確変状態ともいう)であることを意味する。
肯定判断であれば(S220:yes)、転落抽選処理(S225)を行い、転落抽選に落選した場合(S230:no)は、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し(S231)、
図9の処理に移行する。
転落抽選に当選した場合(S230:yes)は、確変フラグを0にし(S235)、転落当選コマンド送信処理(S240)へと移行する。主制御装置80の転落当選コマンド送信処理は、サブ統合制御装置83に転落抽選に当選した旨のコマンドを送信する処理となっている。その後、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合し(S245)、
図9の処理に移行する。なお、S220で確変フラグがセットされていない場合(S220:no)、すなわち低確率状態は、S245に直行する。なお、本実施例の転落抽選の当選確率は1/100となっている。
このように、第1始動口11、第2始動口12への入球に起因して発生(抽出)した数値データ(大当り決定用乱数)に基づき、大当りとするか否かの当否抽選を、通常テーブルによる低確率にて行う(S245)か、または確変テーブルによる高確率にて行う(S231)。
【0058】
本実施例の弾球遊技機においては、大当り遊技終了後に確変状態及び開放延長状態へと移行した場合、
図8の転落抽選処理(S225)による抽選に当選することなく、開放延長状態での特別図柄の変動回数が、普通電動役物の開放延長が終了する特別図柄の変動回数(時短回数)に達した場合には、開放延長状態は終了となる。
また、
図8の転落抽選処理(S225)による抽選に当選し、開放延長状態中の特別図柄の変動回数が、設定された時短回数(
図16)に達した場合には、その後通常遊技状態及び非開放延長状態となる。
図8の転落抽選処理(S225)による抽選に当選し、開放延長状態中の特別図柄の変動回数が、設定された時短回数(
図16)に達していない場合には、その後通常遊技状態で、設定された時短回数に達するまで開放延長状態が継続する構成となっている。
【0059】
図9のS250では大当りか否かを判定し(S250)、大当りであると判定された場合には(S250:yes)、大当り図柄決定用乱数によって大当り特別図柄を決定する(S255)。その後、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S260)、時短回数決定処理(S265)に移行する。S265の時短回数決定処理では、S255の処理で決定した大当り特別図柄に応じて、当該大当り特別図柄に基づく大当り遊技終了後に移行する開放延長状態での特別図柄の変動回数(時短回数)を決定する処理となっている。
【0060】
図10を用いて、時短回数決定処理(S265)について詳しく説明する。
先ず、S255の処理で決定した大当り特別図柄が、大当り図柄Aであるか否かを判定する(S266)。大当り図柄Aであると判定された場合は(S266:yes)、第1時短回数決定処理(S267)にて、大当り遊技終了後の時短回数を80回と決定する(
図16)。その後、リターンとなる。また、大当り図柄Aではないと判定された場合は(S266:no)、大当り図柄Bであるか否かを判定する(S268)。大当り図柄Bであると判定された場合には(S267:yes)、第2時短回数決定処理(S269)にて、大当り遊技終了の時短回数を40回と決定し(
図16)、リターンとなる。また、大当り図柄Bではないと判定された場合には(S268:no)、大当り図柄Cに該当する(
図16)。大当り図柄Cに該当する場合は、第3時短回数決定処理(S270)にて、大当り遊技終了後の時短回数を20回と決定し(
図16)、リターンとなる。
【0061】
図9へと戻る。時短回数決定処理(S265)が終了した後、大当り設定処理へと移行する(S275)。その後、S295に移行する。大当り設定処理で決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や普通電動役物12の開放延長の有無等など)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間等)を取得する処理である。
特に、本実施例の大当り設定処理では(S275)、S265において大当り特別図柄により決定された大当り遊技終了後に付与される時短回数、現在のパチンコ機50の遊技状態が確変状態又は通常の遊技状態か、非開放延長状態又は開放延長状態か否かによって、大当り遊技終了後の開放延長状態の開放延長期間の情報や、大当り遊技終了後の開放延長状態に移行するか否かの情報を取得する。
【0062】
S250にて、ハズレであると判定された場合(S250:no)、ハズレ図柄を決定し(S280)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S285)。こうしてS285により変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行ない(S290)、S295へと移行する。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
【0063】
S295では、S275又はS290で設定した上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に送信(S295)し、特別遊技処理を実行する。
【0064】
図7へと戻る。
図7のS155において特別図柄が変動中(S155:yes)と判定された場合には、
図11のS300に移行し、図柄変動時間(S260又はS285の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判断する。経過していれば(S300:yes)、確定図柄表示設定処理(S305)を行い、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示か否かを判定する(S310)。大当りになる表示であれば(S310:yes)、確変フラグがセットされているか否かを判定し(S315)、肯定判断なら確変フラグをクリア(S320)して時短フラグがセットされているか否かを判定する(S325)。なお、確変フラグがセットされていない場合(S315:no)はS325に直行する。
【0065】
時短フラグがセットされている場合(S325:yes)は時短フラグをクリア(S330)してS335に移行する。なお、時短フラグがセットされていない場合(S325:no)はS335に直行する。条件装置作動開始処理(S335)により、大当りフラグをセットする。そして役物連続作動装置を作動させ(S340)、大当り開始演出処理(S345)にて、サブ統合制御装置83に大当り開始コマンドを送信してから特別遊技処理に移行する。
【0066】
大当り遊技開始処理(S345)で、大当り開始コマンドを主制御装置80から受信すると、サブ統合制御装置83は大当り用の音声及びランプの演出を開始し、また演出図柄制御装置82に大当り開始コマンドを送る。大当り開始コマンドを受信した演出図柄制御装置82は、演出図柄表示装置6を制御して大当り開始演出(いわゆるファンファーレ画面)を表示させる。
【0067】
確定表示させた特別図柄が大当りにならない表示(つまり外れ)のときは(S310:no)、確変フラグが1か否かを判断する(S350)。確変フラグ=1であれば(S355:yes)、確変回数カウンタのカウント値から1減算して記憶し、記憶されている確変回数カウンタの値が0か否かを判定して(S355)、このカウンタの値が0であれば(S355:yes)、確変フラグを0にして(S360)、S365に進む。S365で確変フラグが1でない(S365:no)、または確変回数カウンタが0ではない場合(S355:no)はS365に直行する。
【0068】
S365では時短フラグが1か否かを判断する。時短フラグが1であれば(S365:yes)、時短回数カウンタのカウント値から1減算して記憶し、記憶されている時短回数カウンタの値が0であるか否かを判定して(S370)、このカウンタの値が0であれば(S370:yes)、時短フラグを0にして(S375)、S380に移行する。また、時短フラグが1でない(S365:no)、または時短回数カウンタが0ではない場合(S365:no)はS380に直行する。S380では状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、現在のパチンコ機50の状態(確変の有無、時短の有無など)をサブ制御装置83に伝達する。その後、特別遊技処理に移行する。
【0069】
図7のS160において確定図柄が表示中(S160:yes)と判定された場合には、
図12の確定図柄表示設定で設定された確定図柄表示時間を経過したか否かを判断する(S400)。経過していれば(S400:yes)、確定図柄表示終了処理(S405)により特別図柄表示装置9,10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、またサブ統合制御装置83経由で演出図柄制御装置82に指示して、装飾図柄の確定表示を終了させる。こうして確定図柄の表示が終了されるか、または確定図柄の表示時間が経過していないと判定された場合(S405:no)には、特別遊技処理に移行する。
【0070】
次に、
図13乃至
図15を用いて、特別遊技処理について説明する。
図13に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S450)。役物連続作動装置が作動中なら(S450:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S455)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S455:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S455)。インターバル中でもない場合は(S460:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S465)。これも否定判断の場合は(S465:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S470)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S470:yes)、大入賞口開放処理(S475)を行なって本処理を終了(リターン)する。なお、役物連続作動装置が作動していない場合(S450:no)又は大当り開始演出時間が経過していない場合には(S470:no)、そのまま特別遊技処理は終了となる。
【0071】
S455で大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S455:yes)、
図14のS500に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S500:yes)にはS510に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして、大当りインターバル処理(S515)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S500:no)にはS505に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は、各ラウンドの最大開放時間は前述のように28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S505:yes)には、S510に合流し、終了していない場合(S505:no)は特別遊技処理を終了する。
【0072】
S460でインターバル中であると判定された場合は(S460:yes)、
図14のS520に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S520:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S525)。最終ラウンドであれば(S525:yes)、大当り終了演出処理(S530)にてサブ統合装置53に大当り終了コマンドを送信し、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S525:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S535)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S520:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。
【0073】
図13のS465で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S465:yes)、
図15のS550に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S550:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S555)、条件装置の作動を停止する(S560)。そして、S275で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S565)。確変に移行する場合は(S565:yes)、確変回数を設定し(S570)、確変フラグを1に設定し(S575)、S580に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合は(S565:no)、そのままS580に移行する。
なお、確変回数は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率(当否抽選に係る抽選確率)が向上する。
【0074】
S580では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S580:yes)は、時短回数を設定し(S585)、時短フラグを1に設定し(S590)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S595)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S597)して特別遊技処理を終了する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長(以下、単に開放延長ともいう)機能をセットする。
なお、上述した当否判定処理のS255にて、大当り図柄決定用乱数による抽選によって特別図柄の種別(大当り遊技終了後に付与される時短回数20回、40回、80回)を決定し、該決定した特別図柄の種別に基づいて、大当り遊技終了の時短回数に係る情報を時短回数決定処理(S265)にて設定する。
図9の大当り設定処理(S275)で取得された情報に基づいて、
図15に示す時短回数設定処理(S585)にて、大当り図柄の種別と当否抽選時の内部状態(高確率状態か低確率状態か、また開放延長状態か非開放延長状態か)に応じた時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S580:no)はS595に直行する。
【0075】
ここで、パチンコ機50の仕様を
図16に示す。パチンコ機50の大当り確率は第1特別図柄、第2特別図柄とも低確率状態(通常の遊技状態)で1/400、高確率状態(確変状態)で1/40である。確変突入率70%である。また、本発明の開放延長状態を実行する期間として、大当り図柄Aに基づく大当り遊技の場合、当該大当り遊技終了後に付与される開放延長状態での特別図柄の変動回数(時短回数)は、80回となる。また、大当り図柄Bに基づく大当り遊技の場合、当該大当り遊技終了後に付与される開放延長状態での特別図柄の変動回数(時短回数)は、40回となる。大当り図柄Cに基づく大当り遊技の場合、当該大当り遊技終了後に付与される開放延長状態での特別図柄の変動回数(時短回数)は20回となる。転落抽選の確率は前述の通り1/100である。
賞球は第1始動口11、第2始動口12とも3個、大入賞口14が15個、その他の入賞口が10個となっている。また大入賞口14に10個入賞すると大入賞口14は閉鎖される。普通図柄の当り確率は通常時で1/300、時短中は1/1.0101となっている。普通電動役物12の開放時間は、通常時は0.2秒の開放を1回だけ、時短中は1秒間の開放を3回行なう。
【0076】
本実施例では、大当り図柄(大当り図柄A、B、C)に応じて、時短回数を
図9の時短回数決定処理(S265)にて決定し、
図15の時短回数設定処理(S585)にて大当り遊技終了後の時短回数に設定する構成としている。時短回数を大当り図柄に応じて決定するだけでなく、確変回数も大当り図柄に応じて決定する構成も考えられる。例えば、
図9の特別図柄当否判定処理のフローチャートに確変回数決定処理を設け、確変回数決定処理によって決定し、
図15の確変回数設定処理(S570)にて大当り遊技終了後の確変回数を設定する構成にすることが考えられる。その場合は高確率遊技状態の終了条件が変動回数と転落抽選による当選の2つとなる。高確率遊技状態で変動できる上限が定められているので、所定変動回数以上に変動すれば高確率遊技状態は確実に終了しているため、安心して遊技を止めたり、無駄な期待を持ち続けることなく遊技を進行することができる。
【0077】
本実施例における時短とは、普通図柄の当り確率が1/300から1/1.0101に上昇し、第2始動口12(普通電動役物)の開放態様が0.2秒の開放を1回だけの状態(非開放延長状態)から1秒間の開放を3回実行する状態(開放延長状態)に変化し、更に特別図柄は、相対的に短い変動時間が選択される状態である。本発明の開放延長状態は、時短(状態)になると、これに併せて移行されるようになっている。
【0078】
図17(a)を用いて、サブ統合制御装置83が実行する時短回数カウンタ値の設定処理について説明する。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信された大当り終了コマンドを受信したか否かを判定する(S600)。大当り終了コマンドを受信した場合は(S600:yes)、時短回数カウンタ値設定処理(S605)へと移行する。
なお、時短回数カウンタ値設定処理(S605)では、主制御装置80の状態指定コマンド送信処理(S597)から送信された状態指定コマンドから、大当り遊技終了後に移行する開放延長状態での特別図柄の変動回数(時短回数)が20回、40回、80回の何れかに該当するか否かを判定し、判定した結果に基づいて、時短回数をカウンタ値にセットする構成となっている。
また、大当り終了コマンドを受信していない場合は(S600:no)、そのままリターンとなる。
【0079】
次に、
図17(b)を用いて、サブ統合制御装置83が実行するカウンタ値減算実行処理について説明する。
図17(a)のS605において、時短回数カウンタ値をセットしたサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S610)。特図変動開始コマンドを受信した場合は(S610:yes)、時短回数カウンタ値から1を減算する(S615)。なお、特図変動開始コマンドを受信していない場合は(S610:no)、そのままリターンとなる。
【0080】
図18を用いて、サブ統合制御装置83が実行する時短回数表示実行処理について説明する。
先ず、
図17(a)のS605において、時短回数カウンタ値をセットしたサブ統合制御装置83は、主制御装置80から転落当選コマンドを受信したか否かを判定する(S650)。転落当選コマンドを受信した場合は(S650:yes)、演出図柄表示装置6上に、現在の残り時短回数を表示する(S655)。S655の処理後、リターンとなる。なお、時短回数表示処理(S655)では、
図17(a)の時短回数カウンタ値設定処理でセットした時短回数(
図16に示す時短回数20回、40回、80回のうち、いずれかの時短回数)から、
図17(b)のカウンタ値減算処理(S615)にて減算した残りの時短回数を演出図柄表示装置6上に表示する構成となっている(
図21)。なお、転落当選コマンドを受信していない場合は(S650:no)、そのまま終了となる。
【0081】
図19から
図21を用いて、演出図柄表示装置6上で実行される演出態様の一例について説明する。
【0082】
図19は、通常状態中での、特別図柄(第1特別図柄)に対応する演出図柄の演出態様の一例を示す。
図19(a)に示すように演出図柄表示装置6は、特別図柄(第1特別図柄)に対応する演出図柄が表示される。変動中の左演出図柄91、中演出図柄92、右演出図柄93が表示されている。また、演出キャラクタ94「熊の達吉」が表示されている。
【0083】
図19(b)に示すように、左演出図柄91が「7」で停止し、右演出図柄92が「7」で停止し、中演出図柄93が変動中であるため、リーチ中であることを遊技者に報知している。
【0084】
その後、
図19(c)に示すように、左演出図柄91が「7」、中演出図柄92が「7」、右演出図柄93が「7」で停止しており、遊技者に大当りであることを報知している。
【0085】
図20は、確変状態及び開放延長状態(達吉チャンスタイム)における特別図柄に対応する演出図柄の演出態様の一例を示す。
図20(a)に示す演出図柄表示装置6上には、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に対応する演出図柄が表示される。変動中の左演出図柄91、中演出図柄92、右演出図柄93が表示されている。演出図柄の上方に位置する符号95が示す表示には、「達吉チャンスタイムスタート」となっている。この符号95が示す表示により、遊技者に確変状態及び開放延長状態へと移行したことを報知している。
【0086】
その後、
図20(b)に示す演出表示装置6上には、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に対応する演出図柄の左演出図柄91が「7」で停止し、右演出図柄92が「7」で停止し、中演出図柄93が変動中であるため、リーチ中であることを遊技者に報知している。
【0087】
その後、
図20(c)に示すように、左演出図柄91が「7」、中演出図柄92が「7」、右演出図柄93が「7」で停止しており、遊技者に大当りであることを報知している。また、演出図柄表示装置6の下方の符号96が示す表示には、「おめでとう!大当り♪」と表示されている。
【0088】
図21は、確変状態及び開放延長状態(達吉チャンス)において、
図8のS225にて転落抽選に当選したときに、開放延長状態に移行してから特別図柄の変動回数が時短回数未満であった場合に、演出図柄表示装置6に表示される特別図柄に対応する演出図柄の演出態様の一例を示す。
図21に示す演出図柄表示装置6には、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に対応する演出図柄が表示されている。左演出図柄91の下方には、演出キャラクタ94が表示されている。演出キャラクタ94の右方の符号97が示す表示には、「達吉チャンスタイム終了まで、残り10回」と表示されている。この符号97が示す表示にある「残り10回」というのが、開放延長状態での残りの特別図柄の変動回数(残りの時短回数)を示している(
図18のS655)。
【0089】
以上の弾球遊技機によれば、
図9のS260により決定された大当りを示す図柄(大当り図柄A、B、C)に応じて、
図9の時短回数決定処理(S265)によって3種類の時短回数(20回、40回、80回)のうちから時短回数から決定される。しかし、大当り遊技終了後に確変状態及び開放延長状態へと移行しても、演出図柄表示装置6上に時短回数が表示されない構成となっているため、遊技者は開放延長状態がいつまで継続するかが分からない。
図8の転落抽選処理(S225)による抽選に当選したときに、開放延長状態へ移行してからの特別図柄の変動回数(例えば、10回)が、設定された時短回数(例えば、20回)に達していない場合は、開放延長状態へ移行してからの特別図柄変動回数(10回)から設定された時短回数(20回)までの残りの時短回数(
図21では10回)を演出図柄表示装置6に表示する構成となっているため(
図21)、遊技者は
図8の転落抽選処理(S225)による抽選に当選したことを報知されるだけでなく、当選することにより時短回数が何回に設定されていたかを開放延長状態が終了を待たずに知ることが出来ることから、転落抽選処理(S225)による抽選に当選したことによる遊技者の落胆を少なくすることが可能となる。
さらに、
図9のS255によって決定された大当りを示す図柄が大当り図柄A、B、Cのいずれかに該当するかによって、大当り遊技終了後に付与される時短回数が異なること及び
図8の転落抽選処理(S225)による抽選に当選するか分からないことによって、演出図柄表示装置6に表示される残り時短回数に違いが生じる。これにより、大当り遊技が発生する可能性が低い通常状態で、残りの時短回数内に大当り遊技を発生させることが出来るか否かの緊張感を、従来の転落抽選機能を備えた弾球遊技機よりも遊技者に与えることができ、遊技を楽しませることができる。
【0090】
ここで、実施例1の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
第1始動口11が、本発明の「第1始動口」に相当し、第2始動口12が、本発明の「第2始動口」に相当し、
図7から
図11の特別図柄当否判定処理が、本発明の「当否判定処理」に相当し、
図9のS255及びS280の処理が、本発明の「図柄決定手段」に相当し、
図13から
図15の特別遊技処理が、本発明の「大当り遊技実行手段」に相当し、サブ統合制御装置83が、本発明の「演出制御手段」に相当し、
図15のS565からS575の処理が、本発明の「確率変動機能」に相当し、
図15のS580からS590の処理が、本発明の「開放延長機能」に相当し、
図8のS225の処理が、本発明の「転落抽選手段」に相当し、
図9のS265の処理が、本発明の「回数決定手段」に相当する。
【0091】
[実施例2]
本発明の実施例2について
図22を用いて説明する。なお、本実施例は実施例と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
【0092】
図22を用いて、
図8で説明した実施例1の特別図柄当否判定処理とは異なる特別図柄当否判定処理について、説明する。
実施例1と同様に、実施例2の主制御装置80が、特別電動役物が作動中ではないと判断して(S150:no)、特別図柄が変動中でなく(S155:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S160:no)、
図22のS700に移行する。
図22に示すように、第2保留記憶(上記、S125による保留記憶)があるか否かを判断する(S700)。この保留記憶があれば(S700:yes)、第2保留記憶をデクリメントし(S705)、S720に進む。第2保留記憶がなければ(S700:no)、第1保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S710)。第1保留記憶があれば(S710:yes)、第1保留記憶をデクリメントし(S715)、S720に進む。
【0093】
S720では、第2保留記憶(S215から移行した場合は第1保留記憶)の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率状態であることを意味する。
肯定判断であれば(S720:yes)、転落抽選処理(S725)を行い、転落抽選に落選した場合(S730:no)は、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し(S765)、
図9のS250に移行する。
転落抽選に当選した場合は(S730:yes)、確変フラグを0にし(S735)、転落当選コマンド送信処理(S740)へと移行する。その後、S745へと移行する。なお、主制御装置80に係る転落当選コマンド送信処理(S740)は、サブ統合制御装置83に転落抽選に当選した旨のコマンドを送信する処理となっている。
確変フラグがセットされていないと判定さえた場合には(S720:no)、そのままS745へと移行する。
【0094】
S745では、時短フラグが1にセットされているか否かを判定する(S745)。時短フラグが1にセットされている場合は(S745:yes)、開放延長状態に移行していからの特別図柄の変動回数が、設定された時短回数(
図16に示す時短回数80回、40回及び20回のうち、いずれかの時短回数)に達したか否かを判定する。設定された時短回数に達した場合には(S750:yes)、時短フラグを0にし(S755)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合し(S760)、
図9の処理に移行する。なお、時短フラグが1にセットされていない場合(S745:no)及び時短回数が所定回数に達していない場合は(S750:no)、そのままS760へと移行する。
【0095】
実施例2の弾球遊技機は、実施例1とは異なり、大当り遊技終了後、確変状態及び開放延長状態に移行してから、
図22の転落抽選処理(S725)により抽選に当選するまでの間、開放延長状態での特別図柄の変動回数が、
図9の時短回数決定処理(S265)によって決定された時短回数に達したとしても、開放延長状態が継続する構成となっている。
なお、転落抽選処理(S725)により抽選に当選し、かつ開放延長状態での特別図柄の変動回数が、設定された時短回数(
図16)以上であった場合には、通常遊技状態及び非開放延長状態へと移行することになる。
なお、転落抽選処理(S725)により抽選に当選し、かつ開放延長状態での特別図柄の変動回数が、設定された時短回数未満であった場合には(
図16)、通常遊技状態及び特別図柄の変動回数が、時短回数決定処理(
図9のS265)で決定された時短回数に達するまで、開放延長状態のままである。
【0096】
以上の弾球遊技機によれば、
図9の時短回数設定処理(S265)により決定された大当り図柄(
図16)に応じて、大当り遊技終了後の時短回数を3種類の時短回数(
図16)のいずれから決定され、
図15の時短回数設定処理(S585)によって時短回数が設定される構成となっているため、大当り図柄に応じて付与される時短回数が異なる。さらに、上述したように、
図22の転落抽選処理(S725)による抽選に当選するまで、開放延長状態が継続される構成となっているため、遊技者はいつまで開放延長状態が継続するのかわからない楽しみを与えることが可能となる。
また、転落抽選処理による抽選に当選したときに、開放延長状態での特別図柄の変動回数が、設定された時短回数未満の場合は、演出図柄表示装置6に残り時短回数を表示することで、遊技者に転落抽選処理による抽選に当選したことを告知し、転落抽選処理による抽選に当選したときに、開放延長状態での特別図柄の変動回数が、設定された時短回数以上であった場合は、開放延長状態が終了したことで、転落抽選処理による抽選に当選したことを知ることができるため、遊技者は遊技中の弾球遊技機の正確な遊技状態を把握しながら、遊技を行うことができる。
【0097】
ここで、実施例2の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
図22のS725の処理が、本発明の「転落抽選手段」に相当する。
【0098】
[実施例3]
本発明の実施例3について説明する。なお、本実施例は実施例1及び実施例2と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
実施例1の
図18の時短回数表示実行処理では、時短回数表示処理(S655)によって、
図17のS605で設定した時短回数のカウンタ値(
図16に示す時短回数80回、40回及び20回のうち、いずれかの時短回数)から、大当り遊技終了後に開放延長状態へと移行してからの特別図柄変動回数を減算し、サブ統合制御装置83が主制御装置80から転落当選コマンドを受信すると、残り時短回数を演出図柄表示装置6に表示する構成について説明した。
【0099】
実施例3の時短回数表示実行処理では、実施例1及び実施例2とは異なり、転落抽選処理による抽選に当選したとき、現在の残り時短回数が端数を含む回数であった場合(例えば、残り時短回数14回)、端数を含まない規定残り時短回数(例えば、10回)になるまで、演出図柄表示装置6上に残りの時短回数を表示しない構成となっている。なお、本実施例の規定残り時短回数は、10回、20回、30回、40回、50回、60回、70回と予め複数の回数が設けられている。
なお、実施例3の時短回数表示実行処理は、転落抽選処理による抽選に当選したとき、現在の残り時短回数が一桁であった場合(例えば、7回)は、演出図柄表示装置6上に残り時短回数を表示する構成とする。しかし、これに限定されるものではなく、転落抽選処理による抽選に当選したとき、現在の残り時短回数が一桁であった場合には、演出図柄表示装置6に残り時短回数を表示しない構成にしてもよい。
【0100】
図23を用いて、実施例3の演出図柄表示装置6上で実行される演出態様の一例について説明する。
図23(a)は、確変状態及び開放延長状態(達吉チャンスタイム)に、演出図柄表示装置6で表示される演出表示を示している。左演出図柄91、中演出図柄92及び右演出図柄93は、全て変動している。そして、演出図柄表示装置6の右下方には、演出キャラクタ94「熊の達吉」が表示されている。
そして、
図8のS230において転落抽選に当選し、大当り遊技終了後に開放延長状態へと移行してからの特別図柄変動回数が、設定された時短回数未満である場合は、残りの時短回数が端数を含むか否かを判定し、端数を含む回数であった場合(本図例の場合、残り時短回数14回)には、演出図柄表示装置6には表示しない。
そして、残り時短回数が端数を含まない規定残り時短回数(本図例の場合、残り時短回数10回)となった場合には、
図23(b)の符号97が示す表示のように、「達吉チャンスタイム終了まで、残り10回」と表示する構成となっている。本図例では示していないが、演出図柄表示装置6上に残り時短回数が表示されてからは、特別図柄の変動回数に応じて、演出図柄表示装置6に表示されている時短回数が減算していく構成となっている。
【0101】
以上の弾球遊技機によれば、例えば、大当り遊技終了後に付与された時短回数が20回であった場合に、転落抽選処理による抽選に当選したとき、開放延長状態へと移行してから、変動した特別図柄変動回数6回であった場合には、残りの時短回数は14回となる。残りの時短回数は端数(4)を含んでいるため、演出図柄表示装置6には表示されず、特別図柄の変動回数が10回に達すると、端数を含むことのない規定の時短回数(10回)となり、演出図柄表示装置6に残りの時短回数が表示され(
図23(b))、遊技者としては確変状態から通常状態に移行後、時短回数が新たに付与されたかのように見せることができる。
【0102】
ここで、実施例3の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
規定残り時短回数が、本発明の「予め定められた複数の回数」に相当する。
【0103】
[実施例4]
本発明の実施例4について
図24から
図27を用いて説明する。なお、本実施例は、実施例2と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
【0104】
実施例4の弾球遊技機は、実施例2と同様に、大当り遊技終了後、確変状態及び開放延長状態に移行して、
図22の転落抽選処理(S725)により抽選に当選するまでの間、
図9の時短回数決定処理(S265)によって決定された時短回数にかかわらず開放延長状態が継続する構成となっている。また、転落抽選処理(S725)により抽選に当選し、かつ開放延長状態に移行してからの特別図柄の変動回数が、設定された時短回数(
図16)以上であった場合には、通常遊技状態及び非開放延長状態へと移行する。
なお、転落抽選処理(S725)による抽選に当選し、かつ開放延長状態での特別図柄の変動回数が、設定された時短回数未満であった場合には(
図16)、通常遊技状態へと移行し、特別図柄の変動回数が時短回数決定処理(
図9のS265)で決定された時短回数に達するまで、開放延長状態が継続する。
【0105】
実施例2のパチンコ機50は、確変状態及び開放延長状態中に、転落抽選に当選すると、開放延長状態に移行してからの特別図柄変動回数が、設定された時短回数(
図16に示す時短回数80回、40回及び20回のうち、いずれかの時短回数)未満の場合は、
図21に示すように、演出図柄表示装置6上に、残り時短回数を表示する構成となっていたが、実施例4のパチンコ機50では、確変状態及び開放延長状態中に、当否判定の結果から大当り又はハズレとなるか、転落抽選に当選するが、開放延長状態は継続して、当否判定の結果はハズレとなるか、転落抽選に当選し、開放延長状態も終了して当否判定の結果はハズレとなるかを演出図柄表示装置6で表示するバトル演出によって、遊技者に報知する構成となっている。
【0106】
図24から
図27を用いて、パチンコ機50の演出図柄表示装置6で表示されるバトル演出について説明する。
先ず、
図24を用いて、確変状態及び開放延長状態中に、特別図柄で大当りを示す図柄で確定表示される場合に、演出図柄表示装置6で表示されるバトル演出表示の一例について説明する。
本実施例では、確変状態及び開放延長状態中に、大当りとなるリーチ演出が表示されると(
図20(b))、
図24(a)に示す演出表示へと移行することになる。
【0107】
図24(a)に示すように、演出図柄表示装置6上には演出キャラクタ98と演出キャラクタ99が表示されている。演出キャラクタ98の上方には、演出図柄が表示されている。左演出図柄91及び右演出図柄93は「7」で停止し、中演出図柄が変動していることから、リーチ中であることを示している。
そして、
図24(a)に示した演出表示から、
図24(b)に示す演出表示へと移行すると、演出キャラクタ98が演出キャラクタ99に対して蹴りを放ち、
図24(c)へと移行する。そして、
図24(c)に示すように、演出キャラクタ98が演出キャラクタ99に、勝利した演出となっている。演出キャラクタ98の上方の符号96に示す表示には、「おめでとう!大当り」と示されている。符号96に示す表示の左方には、演出図柄が表示されており、左演出図柄91、中演出図柄92及び右演出図柄93が「7」で停止しているため、大当りとなったことを遊技者に報知している。
【0108】
次に、
図25を用いて、確変状態及び開放延長状態中に、特別図柄がハズレ図柄で確定表示される場合に、演出図柄表示装置6で表示されるバトル演出表示の一例について説明する。本実施例では、確変状態及び開放延長状態中に、リーチ演出が表示されると、
図25(a)に示す演出表示へと移行することになる。
【0109】
図25(a)に示すように、演出図柄表示装置6上には演出キャラクタ98と演出キャラクタ99が表示されている。演出キャラクタ98の上方には、演出図柄が表示されている。左演出図柄91及び右演出図柄93は「7」で停止し、中演出図柄が変動していることから、リーチ中であることを示している。なお、
図25(a)に示す演出表示中では、演出キャラクタ98及び演出キャラクタ99が対等に対決している。
図25(a)に示した演出表示から、
図25(b)に示す演出表示へと移行すると、演出キャラクタ98及び演出キャラクタ99が互いに激しい攻防を繰り返し、
図25(c)へと移行することになる。そして、
図25(c)に示すように、演出キャラクタ98のほうが優勢な状態で、引き分けとなる。
図25(c)の右上方の左演出図柄91及び右演出図柄93が「7」で停止し、中演出図柄92が「6」で停止していることから、ハズレであったことを遊技者に報知している。
【0110】
次に、
図26を用いて、確変状態及び開放延長状態中に、
図22のS730において転落抽選に当選するが、開放延長状態での特別図柄変動回数は設定された時短回数未満で、特別図柄がハズレ図柄で確定表示される場合に、演出図柄表示装置6で表示されるバトル演出の一例について説明する。
本実施例では、リーチ演出が表示されると、
図26(a)に示す演出表示へと移行することになる。
【0111】
図26(a)に示すように、演出図柄表示装置6上には演出キャラクタ98と演出キャラクタ99が表示されている。演出キャラクタ98の上方には、演出図柄が表示されている。左演出図柄91及び右演出図柄93は「7」で停止し、中演出図柄が変動していることから、リーチ中であることを示している。なお、
図26(a)に示す演出表示中では、演出キャラクタ98及び演出キャラクタ99が対等に対決している。
図26(a)に示した演出表示から、演出キャラクタ98及び演出キャラクタ99が互いに激しい攻防を繰り返し、
図26(b)に示す演出表示へと移行する。そして、
図25(b)に表示されているように、演出キャラクタ99が演出キャラクタ98に対して蹴りを放つと、
図26(c)に示す演出表示へと移行する。そして、
図26(c)に示すように、演出キャラクタ98にとって劣勢な状態で引き分けとなる。
図26(c)の右上方の左演出図柄91及び右演出図柄93が「7」で停止し、中演出図柄92が「6」で停止していることから、ハズレであったことを遊技者に報知している。
【0112】
図27を用いて、確変状態及び開放延長状態中に、
図22のS730において転落抽選に当選し、開放延長状態に移行してからの特別図柄変動回数が設定された時短回数以上であり、特別図柄がハズレ図柄で確定表示される場合に、演出図柄表示装置6で表示されるバトル演出の一例について説明する。本実施例では、リーチ演出が表示されると、
図27(a)に示す演出表示へと移行することになる。
【0113】
図27(a)に示すように、演出図柄表示装置6上には演出キャラクタ98と演出キャラクタ99が表示されている。演出キャラクタ98の上方には、演出図柄が表示されている。左演出図柄91及び右演出図柄93は「7」で停止し、中演出図柄が変動していることから、リーチ中であることを示している。
その後、
図27(b)に示す演出表示へと移行する。そして、
図27(b)に表示されているように、演出キャラクタ99が演出キャラクタ98に対して蹴りを放ち、演出キャラクタ98が致命的なダメージを受けると、
図27(c)へと移行する。そして、
図27(c)に示すように、演出キャラクタ98が演出キャラクタ99に負けてしまう。
図27(c)の右上方の左演出図柄91及び右演出図柄93が「7」で停止し、中演出図柄92が「6」で停止していることから、ハズレであったことを遊技者に報知している。
【0114】
以上の弾球遊技機によれば、確変状態及び開放延長状態中に、演出図柄表示装置6上に、
図20(b)に示すリーチ演出が表示されてから、大当り図柄で確定表示される場合には
図24に示す演出表示例、単にハズレ図柄で確定表示される場合には
図25に示す演出表示例、転落抽選処理による抽選に当選し、開放延長状態は継続されるが、ハズレ図柄で確定表示される場合には
図26に示す演出表示例、転落抽選処理による抽選に当選し、開放延長状態も終了して、ハズレ図柄で確定表示される場合には、
図27に示す演出表示例へと移行するため、遊技者は確変状態及び開放延長状態中に、
図20(b)に示すリーチ演出が表示されると、その後
図24から
図27に示した演出例のうち、どの演出例へと移行するのかという期待や不安を感じることで、高い緊張感を持ってリーチ演出を楽しむことができる。
【0115】
実施例4では、確変状態及び開放延長状態中に、特別図柄で大当りを示す図柄で確定表示されたか否か、転落抽選に当選したか否か及び開放延長状態が終了したか否かを演出図柄表示装置6で表示されるバトルリーチによる演出表示によって遊技者に報知する構成となっているが、実施例4で説明した演出表示は演出態様の一例に限定されることなく、他の演出態様でもよい。
例えば、特別図柄で大当りを示す図柄で確定表示されたことを勝利、成功、完成、達成等で結果を示し、遊技者に転落抽選に当選し、かつ開放延長状態が終了して、ハズレを示す図柄で確定表示されることを敗北、失敗、未完成、未達成等で結果を示し、単に特別図柄でハズレを示す図柄で確定表示されたこと又は、転落抽選に当選したが開放延長状態は継続して、ハズレを示す図柄で確定表示されたことを引き分け、継続、維持で結果を示すことができる演出態様であればよい。例えば、ミニゲーム演出やミッション演出などを用いて、遊技者に報知するリーチ演出にすることが考えられる。
【0116】
また、本実施例では説明していないが、
図22の転落抽選処理(S725)による転落抽選に当選するが、大当り図柄で確定表示されることもあり得るため、その場合には、
図24で示したバトルリーチによる演出とは異なるバトルリーチ演出が演出図柄表示装置6に表示される構成にしてもよい。
【0117】
ここで、実施例4の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
図24の特別図柄に対応する演出図柄の演出態様の一例が、本発明の「第1演出態様」に相当し、
図25の特別図柄に対応する演出図柄の演出態様の一例が、本発明の「第2演出態様」に相当し、
図26の特別図柄に対応する演出図柄の演出態様の一例が、本発明の「第3演出態様」に相当し、
図27の特別図柄に対応する演出図柄の演出態様の一例が、本発明の「第4演出態様」に相当する。