(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6507505
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】嵌合キャップ及びその嵌合構造を有する容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/12 20060101AFI20190422BHJP
B65D 41/17 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
B65D47/12 300
B65D41/17
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-144849(P2014-144849)
(22)【出願日】2014年7月15日
(65)【公開番号】特開2016-20225(P2016-20225A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2017年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】和田 潔
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−178251(JP,U)
【文献】
特開2010−023908(JP,A)
【文献】
実開昭63−052759(JP,U)
【文献】
実開昭55−170262(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/12
B65D 41/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器口部を覆う口栓と、この口栓をさらに覆い、着脱可能なオーバーキャップとで構成される嵌合キャップにおいて、
口栓は、容器本体の注出口先端を覆う口栓天板と口栓側壁からなり、
口栓天板は内容物を注出するノズル部を有し、
口栓側壁とオーバーキャップ内壁との間で、一方に縦方向で断面が変化する縦リブを複数有し、この縦リブが高さが下に行くに従って高くなるように傾斜しているものであり、かつ、他方に突起を有し、この突起の表面が球面の一部の形状を有しており、
縦リブの注出側の全周囲に、横リブを有し、
突起が縦リブと縦リブとの間に挿嵌されることを特徴とする嵌合キャップ。
【請求項2】
縦リブは嵌合方向に対し、傾斜して断面が増大する傾斜面あるいは傾斜した稜線を有することを特徴とする請求項1に記載の嵌合キャップ。
【請求項3】
容器と、この容器の口部を覆い、着脱可能なオーバーキャップとで構成されるオーバーキャップ付き容器において、
容器口部側壁とオーバーキャップ内壁との間で、一方に縦方向で断面が変化する縦リブを複数有し、この縦リブが高さが下に行くに従って高くなるように傾斜しているものであり、かつ、他方に突起を有し、この突起の表面が球面の一部の形状を有しており、
縦リブの注出側の全周囲に、横リブを有し、
突起が縦リブと縦リブとの間に挿嵌されることを特徴とするオーバーキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体や粉体、気体などを収納する容器に用いられるキャップであって、その注出する口先にオーバーキャップで覆う嵌合キャップ、及びその嵌合構造を有する容器に関する。
さらにくわしくは、主に、ドレッシング、ヘアスプレー、へアムースなどを入れる容器のオーバーキャップを有するキャップであって、容易に着脱して、開口、閉鎖可能な嵌合キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
オーバーキャップを有する容器は、通常、オーバーキャップが弾性を有し、その弾性で口部周囲の突起を越えて挿嵌する仕組みになっている。その為、単にオーバーキャップを押すだけで、容易に嵌合させることが出来る。
しかしながら、これを開口する場合、オーバーキャップの剛性があって、簡単に挿嵌する突起を広げにくい。特に、オーバーキャップを回転させて開口しようとしても、空回りするだけで外れない為、開かないと判断した消費者によるクレームが多数発生していた。
【0003】
上記問題に対し、文献1では、ノズル筒を横向きに延出させたノズルヘッドを上端に突出位置させた容器本体と、前記ノズルヘッド全体を覆って容器本体の上端部に上方から着脱自在に嵌合組付きする、筒壁を有する有頂筒形状のオーバーキャップとから成り、該オーバーキャップを、前記容器本体への装着状態で、前記筒壁の内周面の一部である平滑な密接内面に、前記ノズル筒のノズル口端面が圧接する構成とし、該ノズル口端面を、前記ノズル筒の先端に組付けられた高弾性で密着性に優れた材料製のノズル口片で形成すると共に、前記オーバーキャップの着脱方向と平行もしくは少し上向き傾斜した姿勢の平滑面としたオーバーキャップ付き吐出容器を提案している。
しかし、このような工夫をしても、回転はしにくくなるが、特にオーバーキャップを開けやすさは変化せず、開けにくくなる問題が残っていた。
【0004】
さらに、回転させることで容易に外れるオーバーキャップとして、文献2で、容器頭部に押下げ操作されるように突設された噴射ヘッドを包囲するカバーキャップ基部に、噴射ヘッドを上方からカバーするカバーキャップ本体が着脱自在に装着される噴射ヘッド用カバーキャップにおいて、
カバーキャップ基部が、上方へ向かうのに伴って外径を段差状に小さくする第1及び第2の環状の周面部を備えると共に、この第1の周面部に、一方の回転方向に向けて徐々に下降するように傾斜し、かつカバーキャップ本体の基端部分の肉厚よりも薄い厚み分だけ突出した複数のガイド部を間欠的に形成し、また前記基端部分の内周面に、前記第1の周面部に接面し、かつ前記ガイド部に沿って滑動する従動部がそれぞれ突設され、
前記カバーキャップ本体の下端を前記第1の周面部の下端に位置する突出面に着座させるように、前記従動部が前記ガイド部を滑動して下降した状態で、前記ガイド部から離反するように前記一方の回転方向に回転操作された前記従動部を拘束するストッパ部が、前記ガイド部の背後にそれぞれ形成され、
前記第2の周面部における隣合うガイド部間の上方領域に、係止爪がそれぞれ突設されると共に、前記カバーキャップ本体の内周面における前記従動部の上方領域に、前記従動部が前記ストッパ部で拘束された状態で前記係止爪により抜止めされる被係止爪が、前記第2の周面部に向けてそれぞれ突出されたことを特徴とする噴射ヘッド用カバーキャップを提案している。
このオーバーキャップは多条ネジの変形で、そのままオーバーキャップを引き上げようとしても、係止爪に従動部が当たり、容易に外れないようになっているが、カバーキャップ
を回転させると、ストッパ部の傾斜面に沿って従動部が持ち上げられ、係止爪のない隙間から外れるようにしている。
しかし、この方法は、係止爪と係止爪との隙間を従動部がすり抜けるようにするので、高齢者や幼児などでは開閉が難しく、結果的に開けにくい問題がつきまとってしまう問題が残ってしまった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4817169号公報
【特許文献2】特許第4133363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、上下方向に外そうとしても外れないが、わずかに回転させながら引き上げることで、容易に外すことが可能で、閉める時も単に押圧するだけで嵌合可能なオーバーキャップを有する容器を得る事が本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る嵌合キャップは、 容器口部を覆う口栓と、この口栓をさらに覆い、着脱可能なオーバーキャップとで構成される嵌合キャップにおいて、
口栓は、容器本体の注出口先端を覆う口栓天板と口栓側壁からなり、
口栓天板は内容物を注出するノズル部を有し、
口栓側壁とオーバーキャップ内壁との間で、一方に縦方向で断面が変化する縦リブを複
数有し、この縦リブが高さが下に行くに従って高くなるように傾斜しているものであり、かつ、他方に突起を有し、この突起の表面が球面の一部の形状を有しており、
縦リブの注出側の全周囲に、横リブを有し、
突起が縦リブと縦リブとの間に挿嵌されることを特徴とする嵌合キャップである。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る嵌合キャップは、縦リブは嵌合方向に対し、傾斜して断面が増大する傾斜面あるいは傾斜した稜線を有することを特徴とする請求項1に記載の嵌合キャップである。
【0011】
また、本発明の
請求項3に係る容器は、容器と、この容器の口部を覆い、着脱可能なオーバーキャップとで構成されるオーバーキャップ付き容器において、
容器口部側壁とオーバーキャップ内壁との間で、一方に縦方向で断面が変化する縦リブを複数有し、この縦リブが高さが下に行くに従って高くなるように傾斜しているものであり、かつ、他方に突起を有し、この突起の表面が球面の一部の形状を有しており、
縦リブの注出側の全周囲に、横リブを有し、
突起が縦リブと縦リブとの間に挿嵌されることを特徴とするオーバーキャップ付き容器である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の嵌合キャップは、単にオーバーキャップを押圧するだけで閉めることができるだけではなく、オーバーキャップを回転方向に力を掛けながら引き上げることで、容易に外すことができる。
この為、簡単、かつ、確実に、瞬時に開閉可能なので、消費者にとってストレスがなく容器を開閉できる。
さらに、円筒形のオーバーキャップであっても可能でデザイン的にも自由度が取れる。
その為、均一な容器の肉厚が可能であり、容器を構成する樹脂を最低限に落としやすく、環境に対してもやさしい容器が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の嵌合キャップにおける口栓とオーバーキャップとの嵌合状態を示す縦断面図である。
【
図2】本発明の嵌合キャップに使用される口栓の外観図である。
【
図3】本発明の嵌合キャップの縦リブ形状の例を示す部分斜視図である。
【
図4】本発明の嵌合キャップの縦リブ形状の他の例を示す部分斜視図である。
【
図5】本発明の嵌合キャップのオーバーキャップにおける突起形状の例を示す部分斜視図である。
【
図6】本発明の口栓とオーバーキャップとが嵌合している嵌合部の一例の横断面図である。
【
図7】本発明の口栓とオーバーキャップとが嵌合している嵌合部の別の例を示す横断面図である。
【
図8】本発明の口栓に対し、オーバーキャップを回転させ、外す工程における嵌合部の横断面図である。
【
図9】本発明の嵌合キャップにおいて、口栓に突起、オーバーキャップに縦リブを設けた例で、口栓とオーバーキャップとが嵌合している嵌合部の横断面図である。
【
図10】本発明の嵌合キャップにおいて、口栓に突起、オーバーキャップに縦リブを設け、さらにキャップ横リブを排出側に設けた例の縦断面図と嵌合部の拡大断面図である。
【
図11】本発明の嵌合キャップにおいて、口栓に突起、オーバーキャップに縦リブを設け、さらにキャップ横リブを容器側に設けた例の縦断面図と嵌合部の拡大断面図である。
【
図12】本発明の口栓とオーバーキャップとが嵌合している嵌合部の縦リブが少ないタイプの横断面図である。
【
図13】本発明の嵌合キャップの口栓外形形状を有し、口元がオーバーキャップと嵌合する容器の一例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の嵌合キャップにおける実施の形態例について、図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の嵌合キャップにおける口栓1とオーバーキャップ2、及び容器3との嵌合状態を示す縦断面図である。
本発明の嵌合キャップが使用される容器3は、主としてポリエチレンやポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いたブロー成形容器や射出延伸ブロー成形容器、あるいは射出ブロー容器である。
容器3の口部先端端面は口栓コンタクトリング13が圧接し、口部先端近傍の内面は口栓インナーリング14が圧接して、内容物の漏れを防いでいる。
また、口部外側には外周に飛び飛びで非連続状態の凹部31があって、口栓1にも非連続の凸部18があって、それらが嵌合し、容器3に口栓1が取り付けられている。飛び飛びで非連続になった凹部31と非連続の凸部18とにより、どこまでも回転してしまわないで、オーバーキャップ2を回転した時に、口栓1が変角せずに、一定の角度位置で留まると同時に、縦リブ16断面の変化に応じて上方へ寄り、横リブ17と縦リブ16を同時に越えて、蓋が外れる仕組みになっている。
口栓1は、口栓天板12とその天板周縁から下側に延びる口栓側壁15からなっている。口栓天板12外側には、内容物を注出するノズル部11を有し、内容物を注出しやすいようになっている。又、口栓天板12の内側には口栓コンタクトリング13や口栓インナーリング14が設けられ、内容物の漏れを防止している。
口栓側壁15外側には、注出方向4に対し縦方向に沿って、断面が変化する縦リブ16が複数設けられている。また、縦リブ16の注出側全周囲に横リブ17が設けられている。さらに、口栓側壁15内側には、飛び飛びで非連続状態の凸部18が設けられている。
オーバーキャップ2は、キャップ天板21とキャップ側壁22とからなり、キャップ側壁
22の内側には突起23が設けられ、口栓1の縦リブ16や横リブ17と嵌合し、オーバーキャップ2を固定することができる。
また、キャップ天板21の内面にはキャップインナーリング24が設けられ、ノズル部11に当接し、内容物の漏れを防止している。
【0015】
図2は、口栓1の一例における斜視図で、口栓1は口栓天板12とその天板周縁から下側に延びる口栓側壁15からなっている。
口栓天板12外側には、内容物を注出するノズル部11を有し、中央にあって高く伸びているので、内容物を注出しやすいようになっている。
口栓側壁15外側には、注出方向に対し縦方向に沿って、断面が変化する縦リブ16が複数設けられている。また、縦リブ16の注出側全周囲に横リブ17が設けられている。
【0016】
図3、
図4は、本発明の嵌合キャップの縦リブ形状の例を示す部分斜視図である。
図3−1は縦リブ16の断面が四角形で、高さが下に行くに従って高く傾斜していて、嵌合方向5に対し断面が大きくなっている例(縦リブ161)である。
図3−2は縦リブ16の断面が四角形で、幅が下に行くに従って広く傾斜していて、嵌合方向5に対し断面が大きくなっている例(縦リブ162)である。この為、縦リブ16間の隙間は下に行くに従って狭くなっている。
図3−3は縦リブ16の断面が三角形で、稜線が下に行くに従って高くなり、高さも幅も高く広くなって傾斜し、嵌合方向5に対し断面が大きくなっている例(縦リブ163)である。この場合も、縦リブ16間の隙間は下に行くに従って狭くなっている。
図4−1は縦リブ16の断面が台形で、高さと底辺が下に行くに従って高く長く傾斜していて、嵌合方向5に対し断面が大きくなっている例(縦リブ164)である。この場合も、縦リブ16間の隙間は下に行くに従って狭くなっている。最下端部分は幅が下がり、断面が小さくなっているが、この部分は突起23と嵌合に使用しない部分である。
図4−2は縦リブ16の断面が円形を切った形で、高さが下に行くに従って高く傾斜していて、嵌合方向5に対し断面が大きくなっている例(縦リブ165)である。最下端部分は断面が小さくなっているが、この部分は突起23と嵌合に使用しない部分である。
【0017】
図5は、本発明の嵌合キャップの突起形状の例を示す部分斜視図である。
オーバーキャップ2の突起23は、突起23表面が厚み方向で極大値を有する2.5次元曲面としている。その為、この突起23は、縦リブ16と横リブ17との間の隙間にはまり込んで、オーバーキャップ2が口栓1に嵌合する役目を果たすものである。
図5−1の球形突起231は球面の一部の形状を有するもので、形状が単純で、しかも縦リブ16と縦リブ16との隙間に入りやすい形状である。しかも単純な形状の為、成形金型の加工も容易で、成形での金型からエジェクトする時の負荷も少なく、形状を保てる例である。
図5−2は変形球形突起232で、球形よりも嵌合をきつく、しっかり固定できるように、嵌合方向に対し、上側を小さな曲率で、下方を大きな曲率になるような突起になっている。
図5−3は変形ピラミッド形突起233である。ピラミッド先端は丸くしていて、曲率を設け、金型から抜け易く、かつ、嵌合し易い形状にしている。縦リブ16及び突起23は、上述のような形態に限定されるものではなく、オーバーキャップを開栓方向に回転することで、突起23が横リブ17に近寄りながら縦リブ16と横リブ17を抵抗の最も小さくなる位置で乗り越える形状であれば良い。
【0018】
図1の矢印で示した口栓1とオーバーキャップ2とが嵌合している嵌合部を、
図6に横断面図で示した。
口栓1の縦リブ16は台形の断面で、オーバーキャップ2の突起23は球形の一部を切り取った形状の断面で、その嵌合部分は、縦リブ16の側面と突起の球面が当接している。
図7は、
図6の口栓1とオーバーキャップ2とが嵌合において、突起23の数を半分に減らしたものである。突起の位置が円周方向で均等にすれば、突起23は少なくとも3箇所以上あれば、口栓1とオーバーキャップ2とのセンター位置がずれないで嵌合できる。突起23の数は少なくするほうが嵌合しやすいので、あまり多くしない方が好ましい。
【0019】
図8は口栓1に対し、オーバーキャップ2を左右どちらかに回転させ、突起23が縦リブ16に乗り上げた状態の横断面図である。このように突起23の形状を利用して、突起23を縦リブ16に乗り上げさせることで、オーバーキャップの嵌合部が広がり、この広がった状態でオーバーキャップを引き上げたり傾かせば、外すことができる。
この場合は、回転させる力が伝え易いように、オーバーキャップ2のキャップ側壁22にローレットを設けておくことが好ましい。また、引き上げ易いように、オーバーキャップの天板側外周にフランジやリブを設けておくことが好ましい。
【0020】
さらに、嵌合部が
図9の横断面図のように、縦リブと突起を逆にして、オーバーキャップ2にキャップ縦リブ26を設け、口栓1に口栓突起19を設けても良い。
図10−1に、この
図9の縦リブと突起を逆にした嵌合キャップにおける縦断面図、
図10−2にその嵌合状態を拡大縦断面図で示した。
嵌合状態は同じように、口栓突起19が2本のキャップ縦リブ26とキャップ横リブ28との隙間に嵌まり込むように嵌合する。
嵌合するには、単に上からオーバーキャップ2を押し込むだけで閉めることが出来る。開ける時にも、オーバーキャップ2を左右どちらかに回しながら、オーバーキャップを引っ張ったり傾けて開ける。
その為、オーバーキャップ外周にローレット27や鍔、又はフランジ25を設けることが好ましい。
【0021】
図11は、
図10のオーバーキャップ2の縦リブと横リブの位置を逆さにした構造で、口栓突起190が2本のキャップ縦リブ260とキャップ横リブ280との隙間に挿嵌した嵌合状態である。
図11−1に縦断面図、
図11−2にその嵌合状態を拡大縦断面図で示した。
図10に比べ、強固に嵌合する構造になっている。
【0022】
また、
図12のように、オーバーキャップ2の突起23を減らさないで、口栓1の縦リブ16の本数を減らしたものであっても同じような感触が得られる。その場合も縦リブ16は3本以上をできるだけ均等に設けることが好ましい。
【0023】
以上のように、口栓1、オーバーキャップ2、容器3のセットでも良いが、
図13のように、口栓1と容器3が一体になった容器であってもかまわない。この場合には、容器の口栓部分は射出成形で製造することが好ましいので、射出ブロー成形機や射出延伸ブロー成形機で成形する。
【0024】
本発明の嵌合キャップの口栓1を製造するには、主として射出成形で成形する。
口栓1を製造する材料としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンとポリプロピレンの共重合樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、などを使用する。
射出成形に用いる金型は、2プレート型でも3プレート型でもかまわないが、横リブ17があるので、スライドも必要である。横リブ17の形状や本数によっては、3方スライドや4方スライドにする必要がある。
【0025】
本発明の嵌合キャップのオーバーキャップ2を製造するには、主として射出成形で成形する。
オーバーキャップ2を製造する材料としては、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ア
クリロニトリル樹脂、アクリロスチレン樹脂、ポリエチレンとポリプロピレンの共重合樹脂、ポリスチレン樹脂などを使用する。
射出成形に用いる金型は2プレート型でも3プレート型でもかまわない。フランジをつけない場合には、エジェクトはストリッパープレート方式が良い。突起23が抜けにくい形状の場合は、コアを周方向に分割してカムでスライドする分割コアタイプのコアを用いた射出成形金型を用いてもよい。
【0026】
本発明の容器3を製造するには、主としてダイレクトブロー成形機や射出ブロー成形機、延伸ブロー成形機で成形する。ただ、口栓と容器が一体になった容器の場合には射出ブロー成形機や射出延伸ブロー成形機で製造することが好ましい。
容器を製造する材料としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンとポリプロピレンの共重合樹脂、ポリプロピレン、アクリロニトリル樹脂、などを使用する。
【0027】
本発明は以上のようなもので、単にオーバーキャップを押圧するだけで閉めることができるだけではなく、オーバーキャップを左右どちらでも回転方向に力を掛けて回転させながら引き上げることで、容易に外すことができる。
この為、簡単、かつ、確実に、瞬時に開閉可能で、消費者にとってストレスがなく容器を開閉できる。
さらに、通常の射出成形機やブロー成形機があれば製造可能なので、生産しやすく、デザイン的にも自由度が取れるなどの他、均一な容器の肉厚が可能で、環境に対してもやさしい容器ができるなど、本発明のメリットは大きい。
【符号の説明】
【0028】
1・・・・・・・・・口栓
11・・・・・・・・ノズル部
12・・・・・・・・口栓天板
13・・・・・・・・コンタクトリング
14・・・・・・・・インナーリング
15・・・・・・・・口栓側壁
16・・・・・・・・縦リブ
161,162,163、164,165・・・縦リブ(形状例)
17・・・・・・・・横リブ
18・・・・・・・・凸部
19・・・・・・・・口栓突起
190・・・・・・・口栓突起(逆当て)
2・・・・・・・・・オーバーキャップ
21・・・・・・・・キャップ天板
22・・・・・・・・キャップ側壁
23・・・・・・・・突起
231・・・・・・・球状突起
232・・・・・・・変形球状突起
233・・・・・・・変形ピラミッド形突起
24・・・・・・・・キャップインナーリング
25・・・・・・・・フランジ
26・・・・・・・・キャップ縦リブ
260・・・・・・・キャップ縦リブ(逆当て)
27・・・・・・・・ローレット
28・・・・・・・・キャップ横リブ
280・・・・・・・キャップ横リブ(逆当て)
3・・・・・・・・・容器
31・・・・・・・・凹部
4・・・・・・・・・注出方向
5・・・・・・・・・嵌合方向