(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0010】
図1は、本実施形態に係るシーソー式スイッチ装置の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係るシーソー式スイッチ装置1は、例えば車室内のルームランプを点灯及び消灯等するためのスイッチ装置であって、シーソースイッチノブ10と、可動接点部材20と、シーソースイッチノブ10に一体に又は螺子等で取り付けられて設けられた保持部材30と、複数の固定接点部材40とを備えている。
【0011】
シーソースイッチノブ10は、回転軸Aを中心に揺動操作可能な絶縁性の樹脂部材であり、上面11の側方に片寄った部位11a,11bを押圧することにより揺動操作可能となっている。なお、シーソー式スイッチ装置1がルームランプ用のスイッチ装置として用いられる場合、スイッチ装置が天井に設けられる関係上、
図1において上面11は鉛直下側を向くこととなる。
【0012】
可動接点部材20は、保持部材30を介してシーソースイッチノブ10に対して保持され、シーソースイッチノブ10の揺動操作に応じて回転軸Aを中心とする回転方向に動作可能な導電性部材(金属部材)である。このような可動接点部材20は、基部21と脚部22とからなっている。基部21は保持部材30に取り付けられており、脚部22は複数の固定接点部材40と接触する部位である。この脚部22は、基部21から回転軸Aの延在方向に二股に広がる形状となっている。
【0013】
保持部材30は、回転軸A方向に肉厚となる肉厚部31と、回転軸A方向に肉薄となる肉薄部32とを備えており、シーソースイッチノブ10側が肉厚部31となっており、肉厚部31の下側に肉薄部32が一体となって形成されている。肉薄部32の厚みは、肉厚部31の厚みの約半分となっている。
【0014】
複数の固定接点部材40は、回転方向に動作可能な可動接点部材20(特に脚部22)のそれぞれの動作位置に対応して設けられた導電性の金属プレートである。本実施形態において複数の固定接点部材40は第1〜第4固定接点部材41〜44にて構成されている。
【0015】
第1及び第2固定接点部材41,42と、第3及び第4固定接点部材43,44とは、スイッチ移動空間Sを挟んで対向配置されている。スイッチ移動空間Sは、二股に広がる脚部22が内側に弾性変形させられて配置される空間である。上記の可動接点部材20(脚部22)は、このスイッチ移動空間S内を、回転軸Aを中心に回動させられることとなる。
【0016】
次に、
図1に示した可動接点部材20及び複数の固定接点部材40の詳細を説明する。
【0017】
図2は、
図1に示した可動接点部材20を示す拡大図であって、(a)は回転軸方向から見たときの平面図であり、(b)は側方から見た場合の側面図である。なお、
図2(b)に示す可動接点部材20は、スイッチ移動空間S内に配置されて、脚部22が回転軸Aの延在方向内側に弾性変形させられた状態を図示している。
【0018】
図2(a)及び
図2(b)に示す可動接点部材20は、金属プレートを打ち抜き、押圧や折り曲げ等の加工を行うことによって製造されるものである。このような可動接点部材20の基部21は平面視して矩形状となっており、側方に離間した2つの貫通孔21aが形成されている。可動接点部材20は、この貫通孔21aを介して螺子止めされることで、
図1に示すように保持部材30の肉薄部32に固定されるようになっている。
【0019】
脚部22は、基部21から回転軸Aの延在方向外側に二股に広がる2本の導電性部材であって、スイッチ移動空間S内に配置させられた場合に、上に凸となる略U字形状となっている。より詳細に説明すると、脚部22は、基部21から二股に広がって延びる第1脚部22aと、第1脚部の延びる方向よりも内側に折り曲げられた第2脚部22bとから構成されている。
【0020】
より詳細に説明すると、可動接点部材20は、基部21と第1脚部22aとの接続部分において、U字内側から外側に向けて押圧加工が施されて、外側に凸となる突出部22cが形成されている。さらに、第2脚部22bについても、U字先端側において、U字内側から外側に向けて押圧加工が施されて、外側に凸となる突出部22dが形成されている。
【0021】
脚部22は、点Bにおいて折り曲げられ、点Bから基部21側が第1脚部22aとなっており、点Bよりも先端側が第2脚部22bとなっている。より詳細に説明すると、このような脚部22は、上記の突出部22c,22dを考慮しない場合において、すなわち、
図2(a)の太線で示す端部のみを側面視した場合において、折り曲げ箇所は点Bのみの一点となっており、このような点Bから基部21側が第1脚部22aとなっており、第2脚部22bは、この第1脚部22aの延在方向よりも内側に折り曲げられたものとなっている。
【0022】
加えて、第2脚部22bは、回転軸Aの延在方向外側に突設する略半球面となる球部22eを有している。この球部22eは、第2脚部22bの突出部22dに対して、さらに内側から外側に向けて押圧加工が施されて、外側に凸となる部位である。
【0023】
なお、第2脚部22bは、その先端が点Bを含む平面(上下方向及び側方を含む平面)よりも内側に位置するようになっていてもよい。この場合において、上記平面に対する第2脚部22bの角度は、上記平面に対する第1脚部22aの角度よりも小さくされる。
【0024】
図3は、
図1に示した複数の固定接点部材40を示す拡大斜視図である。上記したように、複数の固定接点部材40は第1〜第4固定接点部材41〜44によって構成されている。それぞれの固定接点部材41〜44は、平面方向(回転軸Aと側方とを含む平面の延在方向)に延びる平面プレート41a〜44aと、平面プレート41a〜44aから垂直(回転軸Aと直交する平面方向)に立ち上げられた垂直プレート41b〜44bとによって構成されている。
【0025】
平面プレート41a〜44aには、それぞれ1つ以上の貫通孔41c〜44cが形成されており、この貫通孔41c〜44cを介してハウジングに螺子止めされる構成となっている。また、第1垂直プレート41bには、2つの穴部41d,41eが形成されると共に、2つの穴部41d,41eの間に1つの山部41fが形成されている。第2垂直プレート42bには、1つの穴部42dが形成されている。なお、第1垂直プレート41bと第2垂直プレート42bとは同一平面上に位置している。
【0026】
また、第3垂直プレート43bには、1つの穴部43dが形成されている。第4垂直プレート44bには、2つの穴部44d,44eが形成されると共に、2つの穴部44d,44eの間に1つの山部44fが形成されている。なお、第3垂直プレート43bと第4垂直プレート44bとは同一平面上に位置している。
【0027】
本実施形態において可動接点部材20は、3つの動作位置を取り得るように構成されており、第1動作位置において可動接点部材20の2つの球部22eは、第1垂直プレート41bの第1穴部41dと、第3垂直プレート43bの穴部43dに嵌るようになっている。また、第2動作位置において2つの球部22eは、第1垂直プレート41bの第2穴部41eと、第4垂直プレート44bの第1穴部44dに嵌るようになっている。さらに、第3動作位置において2つの球部22eは、第2垂直プレート42bの穴部42dと、第4垂直プレート44bの第2穴部44eに嵌るようになっている。
【0028】
複数の固定接点部材40は、このような可動接点部材20の動作位置に応じて電気接続のルートが決定するように、動作位置に対応して設けられている。
【0029】
図4は、
図3に示した第1及び第2垂直プレート41b,42bの詳細を示す図であり、(a)は平面図を示し、(b)は断面図を示している。なお、第3及び第4垂直プレート43b、44bについては図示を省略するが、第3垂直プレート43bは第2垂直プレート42bの詳細と同様の構成であり、第4垂直プレート44bは第1垂直プレート41bの詳細と同様の構成となっている。
【0030】
図4(a)に示すように、第1及び第2垂直プレート41b,42bの複数の穴部41d,41e,42dは、回転軸Aを中心とする1つの円C上に並んで配置されている(同心円状に並んで配置されている)。特に、
図4(a)に示す円Cは、シーソースイッチノブ10を操作したときにおける球部22eの回転軌跡と一致している。また、
図4(a)からも明らかなように、各穴部41d,41e,42dは、回転軸Aを中心として放射方向に延びた長孔となっている。
【0031】
加えて、第1垂直プレート41bの第1及び第2穴部41d,41eの間には、山部41fが形成されている。すなわち、山部41fは、第1動作位置と第2動作位置との間に配置されているといえる。このような山部41fは、第1垂直プレート41bに対して外側から内側に向けて押圧加工することにより突設する部位となっている。このため、第2脚部22bが第1動作位置から第2動作位置に移動する際、及び第2動作位置から第1動作位置に移動する際には、第2脚部22bが山部41fに摺動しつつより内側に弾性変形することにより乗り越えることとなる。このような山部41fは、その稜線RLが回転軸Aを中心とする放射方向に延びて形成されている。
【0032】
また、
図4(b)に示すように、球部22eが第2穴部41eに嵌った場合(他の穴部41d,42dに嵌るときも同じ)、球部22eの先端Tは、第1垂直プレート41bの内側面IPよりも外側に突出する。このため、本実施形態においては、操作時に回転軸Aの延在方向に距離L1分(当該延在方向に先端Tから稜線RLまでの距離分)の節度感を得ることができる。なお、穴部41d,41e,42dが存在しない場合には、操作時において回転軸Aの延在方向に距離L2分(当該延在方向に内側面IPから稜線RLまでの距離分)の節度感しか得られないこととなる。特に、山部41fを押圧加工にて形成する場合、山部41fの高さが垂直プレート41bの厚み程度を超えてしまうと、山部41fが破断してしまう可能性が高まる。このため、穴部41d,41e,42dが存在しない場合には、山部41fの高さに制限がある関係上、節度感が小さくなってしまい、適切な節度感を得られない可能性がある。しかし、穴部41d,41e,42dを設けると共に、第2脚部22bに球部22eを形成することで、球部22eの先端Tが内側面IPよりも外側に突出することとなり、より大きな節度感を得ることができる。
【0033】
次に、
図1、
図5及び
図6を参照して説明する。
図5は、ハウジングの一部を示す斜視図である。なお、以下の説明においては、ハウジングの一部を、ハウジング50と符号を付して説明するが、ハウジング50は、複数の固定接点部材40の下側にも位置している。すなわち、ハウジング50は、複数の固定接点部材40と螺子止めされて、複数の固定接点部材40を保持する機能についても有することはいうまでもない。
【0034】
まず、
図1に示すように、保持部材30は、回転軸Aの外側方向に突出する2つの当てリブ33を備えている。当てリブ33は、それぞれが肉厚部31から立設する半円柱状の柱部33aと、柱部33aから更に回転軸Aの外側方向に突出する円弧状の円弧部材33bと、円弧部材33bの内側に設けられる肉厚の壁部33cとからなっている。
【0035】
このような当てリブ33は、円弧部材33bの先端(回転軸Aの外側方向の端面)が、
図5に示すハウジング50に接触又は近接するようになっている。
図6は、円弧部材33bを示す正面図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示している。
図6(a)に示すように、円弧部材33bは、回転軸Aに対して同心円状に連続して設けられる部材となっている。この円弧部材33bは、可動接点部材20の最大ストローク角度θmax以上の角度分の円弧を有する。本実施形態において最大ストローク角度θmaxとは、第1動作位置から第3動作位置までの回動角度であり、可動接点部材20が最も離れる動作位置間を移動するのに要する回転角度である。
【0036】
また、
図6(b)に示すように、円弧部材33bは、回転軸Aに対して同心円状に点在して設けられるものであってもよい。
図6(b)に示す例において円弧部材33bは、第1〜第5円柱突起33b1〜33b5から構成されており、これらの円柱突起33b1〜33b5が回転軸Aを中心とする円状に設けられている。このような
図6(b)に示す円弧部材33bについても、可動接点部材20の最大ストローク角度θmax以上の角度分の円弧を有する。すなわち、円弧の一端に位置する第1円柱突起33b1から、円弧の他端に位置する第5円柱突起33b5に至るまでの角度が、最大ストローク角度θmax以上となっている。
【0037】
また、
図6(a)及び
図6(b)の双方に示すように、円弧部材33bは、回転軸Aに対する上下方向の突出距離を比較すると、上距離L
UPが下距離L
UNよりも短くなっている。
【0038】
このような円弧部材33bが、
図5に示すハウジング50のガイド溝Gに挿入されることとなる。
図5に示すように、ハウジング50は、側方に離間して設けられる第1及び第2部材51,52と、この部材51,52間に設けられる第3部材53とを備え、これらによって囲まれる空間部がガイド溝Gとして機能する。
【0039】
詳細に第1及び第2部材51,52は、略直方体形状の部材の1つの角部が切り取られた形状となっており、角部が切り取られて形成された切り欠き部51a,52aが互いに対向するように、且つ、上向きとなるように配置されている。
【0040】
また、第3部材53は、第1及び第2部材51,52の間、且つ、やや上側に配置されており、下向きの突起53aが形成されている。円弧部材33bがガイド溝Gに挿入された状態において壁部33cは、この突起53aに接することとなり、突起53aは当てリブ33の回転を支える支点として機能する。
【0041】
このような円弧部材33bとハウジング50のガイド溝Gとの協働によって、当てリブ33は回動することとなる。このため、回転軸A上に設けられる回転軸部材を要することなく、可動接点部材20を回転動作させることができる。
【0042】
次に、本実施形態に係る作用を説明する。まず、本実施形態に係るシーソー式スイッチ装置1は、可動接点部材20の2本の脚部22が、対向配置される複数の固定接点部材40の間のスイッチ移動空間Sに挿入配置される。このとき、2本の脚部22は、内側に弾性変形させられてスイッチ移動空間Sに挿入される。これにより、2本の脚部22は、側面視して上に凸となる略U字形状となり、各動作位置においては球部22eが穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eに押圧されるように嵌り込むこととなる。
【0043】
ここで、保持部材30やハウジング50の形成時における各部材33,51〜53のバラツキや、基部21の肉薄部32に対する取付時の誤差等によって、可動接点部材20が複数の固定接点部材40に対して通常時(例えば公差ゼロ)よりも上下にずれて取り付けられることがある。このため、複数の固定接点部材40に対する可動接点部材20の脚部22の押圧力が変化してしまう。しかし、本実施形態では、脚部22は、点Bにおいて折り曲げられ、第2脚部22bの複数の固定接点部材40(特に垂直プレート41b〜44b)に対する傾斜角が、第1脚部22aよりも緩やかとなるため、上下のズレに対して押圧力の変化を小さくし、操作感が変化してしまうことを抑制することができる。
【0044】
また、上記傾斜角が緩やかとなる関係上、3つの動作位置に応じて複数の固定接点部材40に対する脚部22の押圧力の変化量も小さくなるため、同様に操作感が変化してしまうことを抑制することができる。
【0045】
なお、本実施形態において可動接点部材20は球部22eを有すると共に、複数の固定接点部材40は、それぞれ動作位置において球部22eの略半球面が嵌り込む回転軸Aの同心円状に並んだ複数の穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eを有する。このため、可動接点部材20の接点となる球部22eに対して、複数の固定接点部材40の接点となる複数の穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eが同心円状に並ぶことで、それぞれ動作位置に応じて複数の固定接点部材40に対する脚部22の押圧力が変化することはなく、操作感が変化してしまうことを一層抑制する。
【0046】
加えて、複数の穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eが同心円状に並んでおり、球部22eは可動接点部材20のそれぞれの動作位置に応じて穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eに嵌り込むこととなる。ここで、本実施形態に係る穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eは、回転軸Aを中心として放射方向に延びた長孔であるが、その長孔の幅は球部22eの直径よりも小さくなっている。このため、
図4(b)に示すように、球部22eは、穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eの穴内側壁における2つの角部Dで接触することとなり、2点接触を維持でき、接触不良となってしまう可能性を軽減している。特に、複数の穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eは、回転軸Aを中心に放射方向に延びた長孔であるため、寸法公差等の影響により、弾性変形する脚部22の伸び縮み方向の変位(すなわち上記放射方向の変位)に応じて球部22eが穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eに入り難くなり、接触不良が生じ易くなることも防止している。
【0047】
また、山部41f,44fは、垂直プレート41b,44bの一部が内側に突設するように押圧加工されて形成されている。このため、山部41f,44fはその高さに制限がある。一方で、脚部22は球部22eを有し、複数の固定接点部材40は球部22eの略半球面が嵌り込む複数の穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eを有する。このため、球部22eが穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eに嵌り込むことで、球部22eの先端Tは穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eを介して垂直プレート41b,44bの内側面IPよりも外側に突出することとなる。よって、球部22eは山部41f,44fを乗り越える際に、その先端Tが山部の頂点(稜線RL)から内側面IPまでの距離L2分の節度感を得ることができる。
【0048】
特に、山部41f,44fは、その稜線RLが回転軸Aを中心に放射方向に延びているため、スイッチ操作に応じて脚部22に形成された球部22eは稜線RLに対して垂直方向から接触して乗り越えることとなり、稜線RLに対する接触角度が異なることにより節度感が変化してしまうことを防止することとなる。すなわち、稜線RLが上下方向に延びている場合、第1動作位置から第2動作位置、第2動作位置から第3動作位置への移動に際して、稜線RLに対する球部22eの接触角度が異なるため、節度感が変わってしまうことがあるが、本実施形態ではこれを防止している。
【0049】
さらに、保持部材30には回転軸Aの外側方向に突出してその先端がハウジング50に接触又は近接する当てリブ33が設けられているため、ねじれ方向の力が加わったとしても、当てリブ33がハウジング50に接触してこの力を抑えることとなり、例えばユーザ操作等によってねじれの力が加わった場合の、ねじれ方向のガタを抑えることができる。
【0050】
特に、
図2(a)に示すように本実施形態に係る可動接点部材20は、側方に位置がずれて二股の脚部22が設けられているため、脚部22の複数の固定接点部材40に対する押圧によって、常時ねじれの力が加わる状態となる。このため、当てリブ33によって常時加わるねじれの力を抑える効果もある。
【0051】
また、当てリブ33は、回転軸Aに対して同心円状に連続又は点在する円弧状の円弧部材33bを有し、ハウジング50は、円弧部材33bが合致する共に回転軸Aを中心にした円弧部材33bの回動をガイドするガイド溝Gを有する。このため、回転軸Aに対して同心円状の円弧部材33bとガイド溝Gとを利用してシーソースイッチノブ10を揺動可能とすることができ、回転軸A上に配置される軸部材を備える必要がなく、揺動操作を可能とすることとなる。
【0052】
また、円弧部材33bは可動接点部材20の最大ストローク角度θmax以上の角度分の円弧を有するため、シーソースイッチノブ10の揺動操作によって移動する移動領域の全域に亘って、円弧部材33bとガイド溝Gとを利用して可動接点部材20の回動をガイドすることとなる。
【0053】
さらに、円弧部材33bは、回転軸Aに対する上下方向の突出距離を比較すると、上距離L
UPが下距離L
UNよりも短くなっている。このため、ハウジング50の隙間等から回転軸A付近を視認した場合に、回転軸A上の部材が無いことから、このような部材が視認されないことはもとより、円弧部材33bについても奥まって配置されることから視認され難くなり、意匠性の向上を図ることとなる。
【0054】
このようにして、本実施形態に係るシーソー式スイッチ装置1によれば、保持部材30は回転軸Aの外側方向に突出してその先端がハウジング50に接触又は近接する当てリブ33を有するため、ねじれ方向の力が加わったとしても、当てリブ33がハウジング50に接触してこの力を抑えることとなり、ねじれ方向のガタを抑えることができる。
【0055】
また、当てリブ33は、回転軸Aに対して同心円状に連続又は点在する円弧状の円弧部材33bを有し、ハウジング50は、円弧部材33bが合致する共に回転軸Aを中心にした円弧部材33bの回動をガイドするガイド溝Gを有する。このため、回転軸Aに対して同心円状の円弧部材33bとガイド溝Gとを利用してシーソースイッチノブ10を揺動可能とすることができ、回転軸A上に配置される軸部材を備える必要がなく、揺動操作を可能とし、且つガタを抑えることができる。
【0056】
また、円弧部材33bは、可動接点部材20の最大ストローク角度θmax以上の角度分の円弧を有するため、シーソースイッチノブ10の揺動操作によって移動する移動領域の全域に亘って、円弧部材33bとガイド溝Gとを利用して可動接点部材20の回動をガイドすることができる。
【0057】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0058】
例えば本実施形態に係るシーソー式スイッチ装置1は、可動接点部材20に球部22eを備え、複数の固定接点部材40に複数の穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eを備えるものに限らず、例えば、複数の穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eに代えて、凹み部を採用するなど、接点構造については適宜変更可能である。
【0059】
さらに、複数の穴部41d,41e,42d,43d,44d,44eの穴形状や、山部41f,44fの稜線RLの向き等についても適宜変更可能であり、複数の固定接点部材40についても垂直プレート41b〜44bを備えるものに限られない。また、垂直プレート41b〜44bについては平面プレート41a〜44aに対して垂直であるものに限らず、例えば80度に立設するものなど、回転軸Aに対して交差する板部材であってもよい。
【0060】
また、上記実施形態において第1脚部22aと第2脚部22bとは点Bを介して連続しているが、これに限らず、第1脚部22aと第2脚部22bとの間に、第3、第4脚部が介在していてもよい。