特許第6508086号(P6508086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6508086
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】コンベヤ装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/32 20060101AFI20190422BHJP
   B65G 47/38 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   B65G17/32 Z
   B65G47/38
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-29437(P2016-29437)
(22)【出願日】2016年2月19日
(65)【公開番号】特開2017-145122(P2017-145122A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤尾 義彦
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−016553(JP,A)
【文献】 特表2002−520239(JP,A)
【文献】 実開昭63−175612(JP,U)
【文献】 国際公開第2015/052144(WO,A1)
【文献】 米国特許第06360868(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00−17/48
B65G 47/34−47/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送するためのコンベヤ装置であって、前記物品の搬送経路に沿って直列に並んで走行する複数の走行ユニットと、物品を支持するための物品支持面を有する複数の物品支持体であり且つそれぞれが前記走行ユニットの各々によって前記搬送経路上を走行させられる物品支持体と、を有するコンベヤ装置において、
前記搬送経路内で前後に隣接する前記物品支持体同士の間に生じる隙間を塞ぐための間隙補完部材が前記物品支持体のそれぞれに対応して設けられており、
平衡状態からの変位に応じて復元力を生じさせる復元力部材が前記間隙補完部材のそれぞれに対応して設けられており、前記復元力部材が生じさせる復元力によって前記間隙補完部材が前記物品支持体の下方から付勢され、
前記間隙補完部材は対応する前記物品支持体に対して付勢されることによって前記物品支持体と当接した状態を維持すること
を特徴とするコンベヤ装置。
【請求項2】
1つの間隙補完部材に対応して復元力部材が複数設けられており、複数の前記復元力部材のうち少なくとも2つは搬送経路に交差する方向内で互いに離間した位置に配置されていること
を特徴とする請求項に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
物品を搬送するためのコンベヤ装置であって、前記物品の搬送経路に沿って直列に並んで走行する複数の走行ユニットと、物品を支持するための物品支持面を有する複数の物品支持体であり且つそれぞれが前記走行ユニットの各々によって前記搬送経路上を走行させられる物品支持体と、を有するコンベヤ装置において、
前記搬送経路内で前後に隣接する前記物品支持体同士の間に生じる隙間を塞ぐための間隙補完部材が前記物品支持体のそれぞれに対応して設けられており、
間隙補完部材が弾性を有する材料で形成されており、前記間隙補完部材は自身の弾性によって物品支持体に対して付勢され
前記間隙補完部材は対応する前記物品支持体に対して付勢されることによって前記物品支持体と当接した状態を維持すること
を特徴とするコンベヤ装置。
【請求項4】
間隙補完部材が、自身の対応する物品支持体に搬送経路内で隣接する物品支持体を走行させる走行ユニットに支持されていること
を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項5】
走行ユニットのそれぞれが、自身が走行させている物品支持体を搬送経路に沿って延びる支持体傾倒軸周りに傾倒させることによって物品支持面を搬送経路の左右へ向けて水平面から傾斜させることが可能な傾倒ユニットを備えており、
前記走行ユニットに支持されている間隙補完部材が、前記支持体傾倒軸と同軸方向に延びる間隙補完部材傾倒軸体周りで傾倒自在に軸支されていること
を特徴とする請求項に記載のコンベヤ装置。
【請求項6】
間隙補完部材のそれぞれに、搬送方向と交差する方向に延びる上下揺動軸体が取り付けられており、前記間隙補完部材は前記上下揺動軸体を軸心として上下に揺動することが可能であること
を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項7】
物品を搬送するためのコンベヤ装置であって、前記物品の搬送経路に沿って直列に並んで走行する複数の走行ユニットと、物品を支持するための物品支持面を有する複数の物品支持体であり且つそれぞれが前記走行ユニットの各々によって前記搬送経路上を走行させられる物品支持体と、を有するコンベヤ装置において、
前記搬送経路内で前後に隣接する前記物品支持体同士の間に生じる隙間を塞ぐための間隙補完部材が前記物品支持体のそれぞれに対応して設けられており、
前記間隙補完部材は対応する前記物品支持体に対して付勢されることによって前記物品支持体と当接した状態を維持し、
前記間隙補完部材が、自身の対応する物品支持体に搬送経路内で隣接する物品支持体を走行させる走行ユニットに支持されており、
前記走行ユニットのそれぞれが、自身が走行させている物品支持体を搬送経路に沿って延びる支持体傾倒軸周りに傾倒させることによって物品支持面を搬送経路の左右へ向けて水平面から傾斜させることが可能な傾倒ユニットを備えており、
前記走行ユニットに支持されている間隙補完部材が、前記支持体傾倒軸と同軸方向に延びる間隙補完部材傾倒軸体周りで傾倒自在に軸支されていること
を特徴とするコンベヤ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送するためのコンベヤ装置に関するものであり、特に、トレイなどの物品支持体の上に物品が載置された状態で搬送を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
空港において乗客の荷物を空港内の荷物受け渡しエリアから各乗客の搭乗予定の飛行機の貨物積み込みエリアへと搬送する場合など、複数の物品を出発地からそれぞれの目的地へと搬送する必要がある設備においては、搬送経路上に並んで走行するトレイ(物品支持体)のそれぞれに各物品を載置し、各トレイは載置された物品に対応する位置において傾倒する(搬送方向に対して左右に傾く)ことによって、搬送経路に沿って配置され各目的地へ繋がるシュートへと各物品を払い出す、という動作を行うコンベヤ装置が採用されることがある。
【0003】
上述のコンベヤ装置においては、隣接する物品支持体同士の間、すなわちトレイとトレイとの間に隙間が存在するため、この隙間に荷物(物品)の一部分(鞄の肩掛け紐など)が落ち込んだり挟みこまれたりするおそれがある。これを防ぐため、特許文献1に記載されているように、隙間(ギャップ)をカバーするためのカバー部材が用意されることがある。
【0004】
特許文献1に記載されているカバー部材は、ピボット・ピンを介して物品支持部材(トレイ)の下方に直接連結されているため、物品支持部材が傾倒する際にはカバー部材も共に傾倒することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2002−520239号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているカバー部材は物品支持部材に直接連結されているため、物品支持部材とカバー部材との鉛直方向の距離を調節することができない。そのため、仮に搬送経路の直線部を走行する場合には物品支持部材とカバー部材とが鉛直方向に隙間なく接触していたとしても、物品支持部材の傾倒を行うときにはカバー部材の左右で物品支持部材との距離が異なってしまう場合がある。
【0007】
例えば物品支持部材が搬送方向に対して右側へ傾倒する際、物品支持部材の右側は下方に位置するカバー部材に近づく方向に移動することになるためカバー部材との隙間は生じないが、左側はカバー部材から遠ざかる方向に移動することになるため、カバー部材との隙間が生じてしまうおそれがある。特にカーブ部を走行している場合において物品支持部材の傾倒を行うときには遠心力の影響もあるためカバー部材と物品支持部材との間の隙間がさらに大きくなってしまうおそれがある。そして、カバー部材と物品支持部材との間に隙間が生じてしまうと、この隙間に前述の荷物(物品)の一部分が入り込んでしまう可能性がある。
【0008】
そこで、本発明においては、搬送経路上に並ぶ複数の物品支持体同士の間を塞ぐ間隙補完部材について、物品支持体の動きに対する間隙補完部材の動きの追随性を良くして、間隙補完部材と物品支持体との間に隙間が生じないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係るコンベヤ装置は、物品を搬送するためのコンベヤ装置であって、前記物品の搬送経路に沿って直列に並んで走行する複数の走行ユニットと、物品を支持するための物品支持面を有する複数の物品支持体であり且つそれぞれが前記走行ユニットの各々によって前記搬送経路上を走行させられる物品支持体と、を有するコンベヤ装置において、前記搬送経路内で前後に隣接する前記物品支持体同士の間に生じる隙間を塞ぐための間隙補完部材が前記物品支持体のそれぞれに対応して設けられており、平衡状態からの変位に応じて復元力を生じさせる復元力部材が間隙補完部材のそれぞれに対応して設けられており、前記復元力部材が生じさせる復元力によって前記間隙補完部材が物品支持体の下方から付勢され、前記間隙補完部材は対応する前記物品支持体に対して付勢されることによって前記物品支持体と当接した状態を維持することを特徴とする。
この構成によれば、物品支持体の姿勢や走行状況に関わらず間隙補完部材が常に物品支持体へと付勢されることになる。
【0010】
また、この構成によれば、間隙補完部材の材質に関わらず物品支持体への付勢を行うことができる。また下方から付勢することにより、間隙補完部材の上へ物品が載ってしまってもその物品の重量を支えることができる。
【0011】
また、本発明に係るコンベヤ装置は、上記構成に加えて、1つの間隙補完部材に対応して復元力部材が複数設けられており、複数の前記復元力部材のうち少なくとも2つは搬送経路に交差する方向内で互いに離間した位置に配置されているようにしてもよい。
この構成によれば、2点以上の位置で付勢を行うことにより、間隙補完部材全体に均等に付勢力が印加されるようにできる。そのため、(特に搬送方向と交差する幅方向に)不均等な付勢力がかけられることに起因して間隙補完部材に不均等な撓みが生じてしまうことを防ぐことができる。
【0012】
また、本発明に係るコンベヤ装置は、物品を搬送するためのコンベヤ装置であって、前記物品の搬送経路に沿って直列に並んで走行する複数の走行ユニットと、物品を支持するための物品支持面を有する複数の物品支持体であり且つそれぞれが前記走行ユニットの各々によって前記搬送経路上を走行させられる物品支持体と、を有するコンベヤ装置において、前記搬送経路内で前後に隣接する前記物品支持体同士の間に生じる隙間を塞ぐための間隙補完部材が前記物品支持体のそれぞれに対応して設けられており、間隙補完部材が弾性を有する材料で形成されており、前記間隙補完部材は自身の弾性によって物品支持体に対して付勢され、前記間隙補完部材は対応する前記物品支持体に対して付勢されることによって前記物品支持体と当接した状態を維持するものであってもよい。
この構成によれば、復元力部材がなくとも付勢を行うことが可能なので、コンベヤ装置の部品点数を削減したり、組立工程を簡略化できたりする。
【0013】
また、本発明に係るコンベヤ装置は、上記構成に加えて、間隙補完部材が、自身の対応する物品支持体に搬送経路内で隣接する物品支持体を走行させる走行ユニットに支持されているようにしてもよい。
この構成によれば、間隙補完部材を支持する走行ユニットがその間隙補完部材に対応する物品支持体の走行ユニットではなくそれに隣接する物品支持体の走行ユニットとなるため、特定の物品支持体について見た場合、その物品支持体およびその隣の物品支持体との間に生じる隙間を、隣の物品支持体側に支持された間隙補完部材によって塞ぐこととなる。そのため、隣接する物品支持体同士の走行状況が互いに相違した場合、例えばカーブ部の走行時などにおいて間隙補完部材が隣の物品支持体から離れてしまうことがなく、物品支持体同士の間の隙間を物品支持体の走行状況に関わらず確実に塞ぐことができる。
【0014】
また、本発明に係るコンベヤ装置は、上記構成に加えて、走行ユニットのそれぞれが、自身が走行させている物品支持体を搬送経路に沿って延びる支持体傾倒軸周りに傾倒させることによって物品支持面を搬送経路の左右へ向けて水平面から傾斜させることが可能な傾倒ユニットを備えており、前記走行ユニットに支持されている間隙補完部材が、前記支持体傾倒軸と同軸方向に延びる間隙補完部材傾倒軸体周りで傾倒自在に軸支されているようにしてもよい。
この構成によれば、物品支持体と間隙補完部材とで傾倒運動の中心となる軸が同軸となるため、物品支持体が傾倒した際に、それに対応する間隙補完部材はその物品支持体と同等の軌跡で傾倒運動を行うことができ、傾倒時の追従性が良くなる。
【0015】
また、本発明に係るコンベヤ装置は、上記構成に加えて、間隙補完部材のそれぞれに、搬送方向と交差する方向に延びる上下揺動軸体が取り付けられており、前記間隙補完部材は前記上下揺動軸体を中心として上下に揺動することが可能であるようにしてもよい。
この構成によれば、物品支持体の搬送経路が上下動(昇り・降り)を含むものである場合に、物品支持体の上下動に合わせて間隙補完部材が上下に揺動することでその物品支持体の上下動に追随することができるため、上下動の際にも間隙補完部材と物品支持体との間に隙間が生じることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るコンベヤ装置によれば、物品支持体の姿勢が変化してもその変化に追随して間隙補完部材の姿勢も変化することになり、間隙補完部材が物品支持体に対して当接した状態が、物品支持体の姿勢や走行状態に関わらず維持され続ける。そのため、搬送経路の全域において物品の一部が物品支持体同士の隙間に落ち込むことを防ぐことができ、また物品支持体が傾倒する場合にも物品支持体が隙間へと挟みこまれることが防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態の一例としてのコンベヤ装置の一部を示す斜視図。
図2】同実施形態のコンベヤ装置の側面図。
図3】同実施形態のコンベヤ装置のプレート支持部を示す平面図。
図4】同実施形態のコンベヤ装置のインフィルプレートとトレイを示す図2のA−A矢視断面図。
図5】同実施形態のコンベヤ装置の走行ユニット周りの様子を下側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[コンベヤ装置の概略構造]
図1に、本発明の実施形態の一例としてのコンベヤ装置10の一部を示す。このコンベヤ装置10においては搬送対象となる物品12が物品支持体としてのトレイ14に載置された状態で搬送方向Wに向けて搬送が行われる。このトレイ14は図1に示す通り搬送方向Wに沿って直列に複数並べられており、これらのそれぞれがその物品支持面14a上に物品12を支持できるようになっている。
【0019】
トレイ14は図1中に仮想線で示すように搬送方向Wに対して左右に傾倒することができ(図1では左に傾倒した様子のみを示す)、これによりトレイ14の物品支持面14aを水平面から傾斜させて、載置されている物品12を搬送方向Wに沿って複数配設されたシュート18のいずれかへと払い出すことができる。この複数のシュート18はそれぞれ複数の目的地のいずれかへと繋がっており、コンベヤ装置10の動作は、トレイ14上の物品12がその物品12と対応する目的地へと繋がるシュート18に対して払い出されるように制御される。
【0020】
また、搬送方向Wに沿って前後に並ぶ(隣接する)2つのトレイ14同士の間に生じる隙間を塞ぐように、間隙補完部材としてのインフィルプレート16が各トレイ14に対応して設けられており、これによりトレイ14同士の間の隙間に物品12の一部分または全体が落ち込んでしまうことが防がれている。このインフィルプレート16は、対応するトレイ14が傾倒する際にはそのトレイ14と共に傾倒する。
【0021】
[走行ユニット]
図2に、コンベヤ装置10を側方から見た様子を示す。図示のようにトレイ14は走行ユニット20に支持されており、この走行ユニット20は搬送経路に沿って敷設されたレール(図2には図示せず)に沿って走行する。走行ユニット20全体はその長手方向が搬送方向Wに沿う概ね長矩形平板状の形状となっており、搬送方向Wに沿って前後に並ぶ(隣接する)走行ユニット20同士は連結器22によって連結されている。この連結器22の詳細はここでは図示しないが、連結された走行ユニット20本体同士がこの連結器22を中心として互いに上下左右に旋回できるようになっている。これにより、走行ユニット20が搬送経路内のカーブ部や昇り降り部を走行する場合にもその搬送経路の形状に沿って一連の走行ユニット20が走行できるようになっている。
【0022】
また、走行ユニット20は傾倒部24を介してトレイ14を支持している。この傾倒部24は、鉛直方向に延びてトレイ14を支持しているトレイ支持材25をモータ26などの駆動力によって搬送方向Wと平行な傾倒軸P周りに回転させることによって、トレイ14の物品支持面14aが水平面から傾斜するようにトレイ14を傾倒させることができる。
【0023】
[プレート支持部]
さらに走行ユニット20の搬送方向W前方側には、インフィルプレート16を支持するプレート支持部30が設けられている。このプレート支持部30は走行ユニット20に支持されるプレート傾倒シャフト32(間隙補完部材傾倒軸体)と、そのプレート傾倒シャフト32に接続されたプレート支持材34を備えている。
【0024】
プレート傾倒シャフト32はその軸方向が搬送方向Wに沿う長尺部材である。この、プレート傾倒シャフト32の延びる方向は、トレイ14の傾倒軸Pと同軸になっている。また、このプレート傾倒シャフト32はその軸方向周りに回転自在となっている。インフィルプレート16が傾倒する場合には、その傾倒に伴ってプレート支持材34およびプレート傾倒シャフト32が、共にプレート傾倒シャフト32の軸方向周りに回転する。
【0025】
プレート支持材34はプレート傾倒シャフト32に接続されて鉛直上方に延びる鉛直部34aと、その鉛直部34aから搬送方向W前方側に延びる前方延長部34bとを有する。そして、鉛直部34aの上端部かつ前方延長部34bの後端部に、搬送方向Wの左右方向に延びる揺動軸を形成する揺動バー38が支持されている。さらに、前方延長部34bの前方側には、鉛直上方に延びるスプリング36が支持されている。インフィルプレート16は、これら揺動バー38およびスプリング36に下方から支持されている。
【0026】
[インフィルプレート]
インフィルプレート16は例えば射出成型された合成樹脂により形成することができる。その寸法については、図3の平面図に破線で示すように、プレート支持部30に支持されているインフィルプレート16は幅方向(搬送方向Wと交差する方向)にはトレイ14と同程度の寸法を有しており、搬送方向Wに沿う前後方向にはトレイ14同士の隙間よりも長い寸法を有している。前後方向の寸法が隙間よりも長いことにより、インフィルプレート16は後方側のトレイ14(図中右側の実線で示すトレイ14)の前端から前方側のトレイ14(図中左側の仮想線で示すトレイ14)の後部下方にまでわたって広がることになり、隙間を前後方向に漏れなく塞ぐことができるようになっている。
【0027】
なお、一連のトレイ14がカーブ部を走行する場合には図中右端に示すようにトレイ14の進行方向とインフィルプレート16の進行方向が交差するため、トレイ14とインフィルプレート16とが鉛直方向に重なっている領域の大きさが、直線部走行時と比べて、幅方向左右のうち一方側(ここでは右側)は小さく、他方側(ここでは左側)は大きくなる。この場合にも隙間を漏れなく塞ぐことができるように、インフィルプレート16の幅方向左右部は幅方向中央部と比べて前後方向寸法が長く形成されている。
【0028】
図2のA−A矢視断面図である図4および図5の斜視図に示すように、インフィルプレート16の前方側の下方がスプリング36によって下方から付勢されている。さらに、インフィルプレート16の後方側の下方には揺動バー38と嵌り合う寸法に形成された溝や穴などのバー嵌合部38a(ここでは穴)が設けられており、このバー嵌合部38aに嵌め込まれる揺動バー38は前述の通りプレート支持部30に支持されている。インフィルプレート16はこの揺動バー38の軸心を中心として鉛直方向上下に揺動可能となっている。
【0029】
[スプリング]
プレート支持材34の前方延長部34bは図3図5に示すように前方側に向けて左右2方向に枝分かれしており、枝分かれした2つの前方延長部34bのそれぞれが前端部においてスプリング36を支持している。このため、2つのスプリング36の配置は、インフィルプレート16の下方かつ幅方向に離間した2箇所の位置においてスプリング36がそれぞれインフィルプレート16の前方部を支持するようになっている。
【0030】
復元力部材としてのスプリング36は、その平衡状態(外力が加わっていない状態)における長さよりも伸ばされたり縮められたりする(変位させられる)と、自身の弾性により平衡状態へ復元しようとする力、すなわち復元力を生じさせる。平衡状態におけるスプリング36の長さは、図2に示すプレート支持部30がスプリングを支える位置(具体的にはプレート支持材34の前方延長部34b上面)からトレイ14下面までの距離よりも長く設計されている。そのため、スプリング16は平衡状態よりも縮められていることとなり、トレイ14に向けて上方へと伸びようとする。上方へ伸びようとするスプリング16は、プレート支持部30とトレイ14との間に位置しているインフィルプレート36を上方へと押し上げる。これにより、インフィルプレート16は自身と対応する物品支持体である前方側のトレイ14に対して付勢される。
【0031】
インフィルプレート16がトレイ14へ向けて付勢されているため、インフィルプレート16はトレイ14の動きに追随することとなる。例えば図4に仮想線で示すように、トレイ14が左右方向(ここでは紙面左側、進行方向に対しては右側)に傾倒するとき、トレイ14のうち水平面から下方へ移動する部分(紙面左側)はインフィルプレート16を下方へ押し下げる一方で、水平面から上方へ移動する部分(紙面右側)はインフィルプレート16よりも上方へ離れようとする。しかし紙面右側のスプリング36の弾性力によってインフィルプレート16がトレイ14へと付勢されているため、離れていこうとするトレイ14の動きに対してインフィルプレート16はトレイ14に接触したまま追随し傾倒することができる。この結果、トレイ14が傾倒してもインフィルプレート16とトレイ14との距離は左右方向全体にわたって傾倒前の均一な状態に保たれる。つまりインフィルプレート16とトレイ14とが幅方向の左右全体にわたって接触した状態が保たれることなり、インフィルプレート16とトレイ14との間に隙間が生じることはない。同様に、走行ユニット20およびトレイ14が搬送経路内のカーブ部を走行している状況下においても、スプリング36がインフィルプレート16を常にトレイ14へ向けて付勢するので、インフィルプレート16とトレイ14との間に隙間が生じることはない。
【0032】
このように、本実施形態のコンベヤ装置10においては、間隙補完部材としてのインフィルプレート16が、復元力部材としてのスプリング36によって物品支持体としてのトレイ14へ向けて付勢されているため、トレイ14の姿勢や走行状態(傾倒しているか否か、カーブ部を走行しているか否か)に関わらず、常にインフィルプレート16がトレイ14との間に隙間を生じることなく接触した状態を保つことができる。このため、前後方向に隣接するトレイ14同士の間の隙間に物品12が落下してしまう事態を防ぐことができる。
【0033】
またスプリング36によってインフィルプレート16が下方から付勢を行っているため、物品12がインフィルプレート16上に載ってしまったとしてもその重量を安定して支えることができる。
【0034】
さらに、2つのスプリング36が幅方向に離間した2つの位置でそれぞれインフィルプレート16を付勢するので、インフィルプレート16は幅方向に安定して支持されることになる。スプリング36からインフィルプレート16が受ける付勢の力は、スプリング36とインフィルプレート16とが接触している位置で最も強く、その位置から離れるほど弱くなるが、複数のスプリング36が幅方向の離れた位置に設けられているため、インフィルプレート16が複数のスプリング36から受ける力の合計は、インフィルプレート16のどの箇所においてもほぼ均一化され、インフィルプレート16の特定箇所のみに強い負荷がかかってしまうことはない。つまり、インフィルプレート16の幅方向にわたって不均等な付勢力が加わることがないので、スプリング36からの力を受けることによって生じるインフィルプレート16の撓みが、幅方向にわたって不均等になることはない。
また、例えばインフィルプレート16の左方側がトレイ14から下方へと離れようとするときには、左方側のスプリング36が下方へ押し縮められるので、左方側のスプリング36が発生させている、上方へ向けてトレイ14を押し返す弾性力が強化される。そのため、インフィルプレート16の左方側は、左方側のスプリング36の弾性力によってトレイ14へと強く付勢されることになり、結果的にトレイ14から離れることがない。一方、右側のスプリング36は、このときには押し縮められないので、インフィルプレート16の右方側に加える力を強めることはない。このように、スプリング36が複数設けられているため、インフィルプレート16のうち、トレイ14から離れようとする箇所のみがトレイ14へと押し返されるとともに、それ以外の箇所が受ける力は強められないことになる。よって、インフィルプレート16はその全体が常にトレイ14へと接触した状態になると共に、必要以上の負荷を受けることはなく、安定して支持された状態が保たれる。
【0035】
また、図2図5に示されているように、走行ユニット20はトレイ14を支持しつつ走行させ、かつインフィルプレート16を支持しているが、一つの走行ユニット20についてみると、その走行ユニット20によって支持されているインフィルプレート16がスプリング36によって付勢されている対象のトレイ14(インフィルプレート16に対応するトレイ14)と、その走行ユニット20が走行させているトレイ14とは、別々のトレイ14となっている。具体的には、インフィルプレート16に対応するトレイ14は、そのインフィルプレート16を支持している走行ユニット20が走行させているトレイ14よりも一つ前方側の(搬送経路内で隣接する)トレイ14となっている。
【0036】
このため、インフィルプレート16は、前方側のトレイ14と後方側のトレイ14との間に生じる隙間を、後方側のトレイ14の姿勢に応じて塞ぐことができる。例えば図3の図中右側に示すように、カーブ部などにおいて前方側のトレイ14と後方側のトレイ14とで互いの進行方向が一直線になっていない(交差している)状況では、前方側のトレイ14の平面視姿勢と後方側のトレイ14の平面視姿勢とが異なってしまう。しかし、インフィルプレート16は後方側のトレイ14(を支持している走行ユニット20)と共に走行することになるため、後方側のトレイ14から離れることはない。さらにインフィルプレート16は前述の通り前後方向に長い寸法を有しているため、インフィルプレート16は後方側のトレイ14の前方側に広がるように配置されていることになる。よって図3の図中右側に示すような、前方側のトレイ14の平面視姿勢と後方側のトレイ14の平面視姿勢とが異なっているという、隣接するトレイ14同士の走行状況が互いに相違している状態においても、インフィルプレート16が後方側のトレイ14の前方側から、前方側のトレイ14の後方側にわたって広がっていることには変わりなく、インフィルプレート16はトレイ14同士の間の隙間をトレイ14の走行状況に関わらず確実に塞ぐことができる。
【0037】
また、図2に示すように、インフィルプレート16はプレート支持材34に支持され、このプレート支持材34はプレート傾倒シャフト32に接続されているため、インフィルプレート16がトレイ14の傾倒に追随して傾倒する際には、インフィルプレート16はプレート傾倒シャフト32の軸方向周りに傾倒する。ここで、トレイ14が走行経路のうち直進部を走行する場合には、プレート傾倒シャフト32の延びる方向(軸方向)はトレイ14の傾倒軸Pと同軸になっているため、インフィルプレート16の傾倒運動とトレイ14の傾倒運動とは、その運動中心軸が同軸となる。したって、図4に仮想線で示すように、インフィルプレート16の傾倒運動の運動軌跡は、トレイ14の傾倒運動の運動軌跡と同等(同心円を描く軌跡)となる。よってインフィルプレート16が傾倒する際には、トレイ14から大きく離れることがなく、トレイ14に良く追従して傾倒することになる。
なお、トレイ14が走行経路のうちカーブ部を走行する場合には、前方側のトレイ14の進行方向と後方側のトレイ14の進行方向との間には、カーブの曲率に応じた角度が生じる。よって、前方側に位置するトレイ14の傾倒軸Pの向きと、後方側に位置するプレート傾倒シャフト32の軸方向とは同軸ではなく、異なる向きとなる。しかしこの場合にも、後方側に位置するインフィルプレート16はそれと対応する(前方側に位置する)トレイ14へ向けて付勢されている。そのため、トレイ14がカーブ部において傾倒しても、その傾倒を生じさせる力(傾倒部24が発生させる力)はスプリング36を介してインフィルプレート16へと伝達される。したがってカーブ部においてトレイ14が傾倒する場合、インフィルプレート16の運動軌跡は、トレイ14の運動軌跡と同心円ではないものの、左右方向への傾倒角度についてはトレイ14の傾倒角度と同等になり、インフィルプレート16はトレイ14に接触したまま追随し傾倒することができる。
ここで、カーブ部においてトレイ14が傾倒する場合には、インフィルプレート16の運動軌跡がトレイ14の運動軌跡と同心円でないために、トレイ14からインフィルプレート16へ及ぼそうとする力が幅方向の左側と右側とで異なる強さとなる。具体例としては、進行方向に対して左側に曲がるカーブ部において左側に傾倒する場合(カーブ内側へ傾倒する場合)には、トレイ14のうち下方へ移動することになる左側はインフィルプレート16を強く押し下げようとし、上方へ移動することになる右側はインフィルプレート16から少しだけ離れようとする。このようにトレイ14がインフィルプレート16に伝えようとする力は幅方向の左側と右側とで異なるが、トレイ14から伝わる力はスプリング36を介してインフィルプレート16へ伝えられるため、左側と右側との力の違いはスプリング36の弾性によって吸収される。つまり、左側のスプリング36は大きく縮み、右側のスプリングはトレイ14が水平状態のときより少し伸びる。もしも従来技術のようにインフィルプレート16(カバー部材)がトレイ14(物品支持部材)に直接連結されていると、インフィルプレート16はトレイ14から大きく離れることができないので、幅方向の左右で大きく異なる力が加わると、その力の差を逃すように変形することができず、ねじられて破損してしまうおそれがある。しかし本実施形態においては、左右の力の差はトレイ14をねじるようには作用せず、スプリング36の伸縮量を左右で異ならせるように作用する。つまり、本実施形態においてはインフィルプレート16がトレイ14に直接連結されていないため、インフィルプレート16は左右にかかる力の差に応じて、スプリング36を押し縮める量または引き伸ばす量(伸縮量)を左右で変化させることができる。よって本実施形態においてはカーブ部での傾倒の際に、インフィルプレート16へ掛けられようとする左右の力の差を、スプリング36の伸縮量の違いという形で逃すことができ、インフィルプレート16が破損するおそれがない。
【0038】
さらに、図2図5に示すように、インフィルプレート16には揺動バー38が取り付けられているため、インフィルプレート16に鉛直方向の力が作用する際には、インフィルプレート16は揺動バー38の軸心を中心として鉛直方向上下に揺動することになる。このため、トレイ14の全体が上下動してその上下動にインフィルプレート16が追随する場合、インフィルプレート16全体が上下動するのではなく、揺動バー38を中心とした上下揺動が行われることになる。例えば、トレイ14の搬送経路に上り坂や下り坂などの高さ変動部が含まれている場合、その高さ変動部をトレイ14が通過すると、トレイ14全体が鉛直方向上下に移動することになる。このとき、インフィルプレート16のうちトレイ14と直接接触している前方側の箇所がトレイ14の上下動に合わせて上下動し、場合によってはインフィルプレート16の前方側の箇所と走行ユニット20との間の距離が変化することになるが、インフィルプレート16の後方側、揺動バー38が取り付けられている箇所と走行ユニット20との間の距離は変化しない。したがって、例えば下り坂において前方側のトレイ14が後方側のトレイ14よりも下方へ移動した場合、インフィルプレート16の前方側の箇所は前方側のトレイ14に追随して下方へ移動するとともに、インフィルプレート16の後方側の箇所は後方側のトレイ14と同程度の高さに保たれる。もしもインフィルプレート16の前後方向全体が前方側のトレイ14に追随して下方へと移動すると、インフィルプレート16と後方側のトレイ14との間に、鉛直方向の隙間が生じてしまう可能性があるが、インフィルプレート16の後方側が後方側のトレイ14と同程度の高さに保たれているならば、そのような鉛直方向の隙間が生じてしまうことはない。このように、インフィルプレート16が揺動バー38を中心として鉛直方向上下に揺動するため、トレイ14の上下動の際にも、インフィルプレート16とトレイ14との間に隙間が生じることが防がれる。
【0039】
以上のように、本実施形態のコンベヤ装置10によれば、インフィルプレート16はトレイ14の動きに対して良い追随性を持って動くことになるので、トレイ14が傾倒したり、上下動したりする際にも、インフィルプレート16とトレイ14との間に隙間が生じることがない。
【0040】
また本実施形態においてはトレイ14の様々な運動状況に対してインフィルプレート16が良く追随する。そのため、走行経路のカーブ部や上下動部など、従来であればその位置でトレイ14を傾倒させるとインフィルプレート16が十分に追随できず前後のトレイ14間に被搬送物12の一部が落ち込んでしまうおそれがあった位置においても、トレイ14を傾倒させることが可能となる。そのため、図1示すようなシュート18を、トレイ14の走行経路内の様々な位置に配置することが可能となる。よって、コンベヤ装置10のレイアウト自由度が高くなる。また様々な位置にシュート18を配置することが可能であるので、目的地へ繋がるシュート18の配置数を多くすることができる。すなわち、より多くの種類の目的地に対応する被搬送物12をコンベヤ装置10によって処理することが可能となる。
【0041】
なお、本実施形態においては、図3に示すようにスプリング36を幅方向に2つ設けているが、トレイ14およびインフィルプレート16の大きさや形状に応じて、3つ以上設けてもよい。トレイ14およびインフィルプレート16が非常に大きい場合、スプリング36が2つだけではスプリング36の弾性力によってインフィルプレート16にかかる負荷がインフィルプレート16全体で均等にならない可能性があるが、スプリング36の数を増やすことにより、インフィルプレート16全体での負荷を均等化することができる。またトレイ14およびインフィルプレート16が小さいならば、スプリング36が1つだけであってもインフィルプレート16全体にかかる負荷がそれほど不均等にはならないため、例えばインフィルプレート16の幅方向中央の下方にスプリング36を1つだけ配置するようにして、部品点数を低減するようにしてもよい。
【0042】
また本実施形態においては、インフィルプレート16をトレイ14へと付勢する付勢部材として、図5に示すようなスプリング36を用いているが、これはインフィルプレート16を常にトレイ14へと向けて押し付けるものであればよく、例えばゴム柱やエアシリンダなど、外力が加わっていない状態(平衡状態)からの変位に応じて、平衡状態へと復元しようとする復元力を生じる復元力部材をスプリング36の代わりに用いてもよい。スプリング36以外の復元力部材を用いる場合でも、インフィルプレート16がトレイ14へと押し付けられる方向に復元力が作用するように復元力部材を配置しておけば、トレイ14の動きに応じてインフィルプレート16が追随して動く構造とすることができる。
【0043】
また本実施形態においては、図2に示すようにプレート傾倒シャフト32をトレイ14の傾倒軸Pと同軸になるよう配置しているが、インフィルプレート16の左右傾倒軸は、トレイ14との間に隙間を生じることなくインフィルプレート16がトレイ14の傾倒に追随して傾倒できるように配置されていればよく、トレイ14の傾倒軸Pと完全に同軸でなくともよい。例えばプレート傾倒シャフト32がトレイ14の傾倒軸Pと平行かつ傾倒軸Pよりも上方または下方に配置されていたとしても、インフィルプレート16はトレイ14の傾倒に追随して左右に傾倒することが可能である。
【0044】
また本実施形態においては、図2図5に示すようにインフィルプレート16が揺動バー38を中心として上下に揺動するようにしているが、搬送経路が平坦部のみでトレイ14が大きく上下動しないのであれば、インフィルプレート16をスプリング36のみで支持する構造として、インフィルプレート16の全体がトレイ14に追随して上下動するようにしてもよい。
【0045】
また本実施形態においては、図2図5に示すようにインフィルプレート16の下方にスプリング36を配置することによってインフィルプレート16をトレイ14に対して付勢しているが、スプリング36を配置する代わりに、インフィルプレート16を例えばゴムのような弾性を有する材料で形成することによって、インフィルプレート16が、インフィルプレート16自身の弾性によってトレイ14に対して付勢されるようにしてもよい。このようにすれば、スプリング36を配置せずともインフィルプレート16のみでトレイ14に対する付勢を行えることとなるので、スプリング36を調達する必要がなくなり、コンベヤ装置10を構成する部品の種類数が少なくなる。そのため、部材調達コストが低減され、また保守用に保管しておくべき予備部品の数も減らすことができる。またスプリング36を配置する手間が必要なくなるので、コンベヤ装置10の組立工程を簡略化できる。したがって、コンベヤ装置10を構築するにあたっての導入コスト、および保守コストを低減することができる。またこの場合には、インフィルプレート16の前方部をトレイ14の上方に配置して、インフィルプレート16がトレイ14の上方からトレイ14へ向けて押し付くようにしてもよい。インフィルプレート16自身の弾性によってトレイに押し付くのであれば、スプリング36のような付勢用の部材をインフィルプレート16の周りに配置しなくてよいので、トレイ14の上方にインフィルプレート16が被さっていても、トレイ14上に物品を載置することがインフィルプレート16以外の部材によって妨げられることはない。
【符号の説明】
【0046】
10 コンベヤ装置
14 トレイ
16 インフィルプレート
20 走行ユニット
22 連結器
24 傾倒部
36 スプリング
38 揺動バー
図1
図2
図3
図4
図5