特許第6508313号(P6508313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マツダ株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000002
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000003
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000004
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000005
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000006
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000007
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000008
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000009
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000010
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000011
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000012
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000013
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000014
  • 特許6508313-車両用ドアハンドル取付構造 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6508313
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】車両用ドアハンドル取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20190422BHJP
   B60R 13/04 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   B60J5/10 H
   B60J5/10 Z
   B60R13/04 Z
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-240884(P2017-240884)
(22)【出願日】2017年12月15日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】森脇 利英
(72)【発明者】
【氏名】古川 敬俊
(72)【発明者】
【氏名】朴 吉友
(72)【発明者】
【氏名】二関 隆
【審査官】 宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102009025087(DE,A1)
【文献】 特開2014−210529(JP,A)
【文献】 特開2005−76363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/10
B60R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ドアのアウタパネルの表側に取り付けられると共に、前記アウタパネルに設けられた開口部に配置される連結部を有する装飾部材と、
前記装飾部材に取り付けられたドアハンドルと、
前記アウタパネルの裏側から前記連結部に連結され、前記装飾部材との間で前記アウタパネルを狭持するブラケットとを備えた
車両用ドアハンドル取付構造。
【請求項2】
前記装飾部材は、装飾部材本体と、前記装飾部材本体の裏側に取り付けられると共に前記ドアハンドルを支持するハウジングとを有し、
前記ハウジングは、前記装飾部材の裏面に固定された裏側ケース部と、前記裏側ケース部の表側から裏側に凹状に設けられ、前記ドアハンドルが収容配置された収容凹部とを有し、
前記収容凹部は、前記裏側ケース部の裏側に突出して、前記連結部を構成している
請求項1に記載の車両用ドアハンドル取付構造。
【請求項3】
前記装飾部材の外周縁部が前記アウタパネルの表側に重なり、
前記ブラケットは、前記アウタパネルの裏側から前記装飾部材の前記外周縁部に重なる狭持部を有し、
前記装飾部材の前記外周縁部と前記ブラケットの前記狭持部とで前記アウタパネルが狭持された
請求項1又は請求項2に記載の車両用ドアハンドル取付構造。
【請求項4】
前記アウタパネルの表面には、前記装飾部材が取り付けられる段差凹部が形成され、前記段差凹部の段差周壁部は、外周側に傾斜しており、
前記装飾部材の前記外周縁部が前記段差凹部の前記段差周壁部に表側から重なり、
前記ブラケットの前記狭持部が前記段差凹部の前記段差周壁部に裏側から重なる
請求項3に記載の車両用ドアハンドル取付構造。
【請求項5】
前記装飾部材の前記連結部は、前記開口部を挿通して前記アウタパネルの裏側に張り出し、
前記ブラケットは、
前記連結部を被覆するように前記連結部に連結された被覆部と、
前記被覆部の外周縁部に設けられた前記狭持部と、
前記被覆部と前記狭持部とで形成された凹角部に設けられた補強リブとを有する
請求項3又は請求項4に記載の車両用ドアハンドル取付構造。
【請求項6】
前記ブラケットの内周面には、排水溝が設けられ、
前記排水溝は、前記被覆部から前記狭持部に跨って設けられ、前記狭持部の先端部で開放すると共に、前記ブラケットの外側に突出して前記補強リブを構成している
請求項5に記載の車両用ドアハンドル取付構造。
【請求項7】
前記ブラケットは、前記装飾部材のうち、前記装飾部材の前記アウタパネルへの取付部以外の部分に重なるように設けられた
請求項1から請求項6のうちの一項に記載の車両用ドアハンドル取付構造。
【請求項8】
前記装飾部材は、前記ドアハンドルの横幅と略同幅のマスコットであり、
前記ドアハンドルは、電気式ドアスイッチを有する
請求項1から請求項7のうちの一項に記載の車両用ドアハンドル取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両ドア(例えばバックドア)の外表面に装飾部材が取り付けられ、その装飾部材にドアハンドルが取り付けられた車両用ドアハンドル取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の車両用ドアハンドル取付構造では、バックドアの外表面に取り付けられた装飾部材(例えばガーニッシュ)をドアハンドルとして利用するために、その装飾部材の裏側にドアハンドルが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−172572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、バックドアの外表面に取り付けられた装飾部材の裏側にドアハンドルが取り付けられて、装飾部材がドアハンドルとして利用される場合は、ドアハンドル操作時に装飾部材に荷重が掛かるため、装飾部材は、バックドアに強固に固定される必要がある。
【0005】
通常、装飾部材がドアハンドルとして利用される場合、装飾部材とバックドアとの固定は、ボルト及びナットで行われる。このため、装飾部材が幅広である場合は、装飾部材においてバックドアへの固定箇所を多数確保できるため、装飾部材はバックドアに強固に固定され得る。
【0006】
しかし、例えばマスコットのように装飾部材が幅狭である場合は、装飾部材においてバックドアとの固定箇所を多数確保できない。例えば、装飾部材の上部に固定箇所を数箇所しか確保できない。このため、装飾部材をバックドアに強固に固定できない。この結果、バックドアに対する装飾部材の取付剛性を十分に確保できない。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題点を鑑みて、装飾部材が幅狭である場合でも、車両ドアに対する装飾部材の取付剛性を十分に確保できる車両用ドアハンドル取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、車両ドアのアウタパネルの表側に取り付けられると共に、前記アウタパネルに設けられた開口部に配置される連結部を有する装飾部材と、前記装飾部材に取り付けられたドアハンドルと、前記アウタパネルの裏側から前記連結部に連結され、前記装飾部材との間で前記アウタパネルを狭持するブラケットとを備えた車両用ドアハンドル取付構造である。
【0009】
この構成によれば、車両ドアのアウタパネルに取り付けられた装飾部材にドアハンドルが取り付けられるため、装飾部材をドアハンドルとして兼用できる。また、装飾部材の連結部がアウタパネルの開口部に配置され、その連結部に対して、アウタパネルの裏側からブラケットが連結され、ブラケットと装飾部材との間でアウタパネルが狭持されるため、この狭持によって、装飾部材をアウタパネルに強固に固定できる。この結果、装飾部材が幅狭であるために、ボルト及びナット等の固定用部品によるアウタパネルとの固定箇所が多数確保できない場合でも、アウタパネル(即ち車両ドア)に対する装飾部材の取付剛性を十分に確保できる。
【0010】
この発明の態様として、前記装飾部材は、装飾部材本体と、前記装飾部材本体の裏側に取り付けられると共に前記ドアハンドルを支持するハウジングとを有し、前記ハウジングは、前記装飾部材の裏面に固定された裏側ケース部と、前記裏側ケース部の表側から裏側に凹状に設けられ、前記ドアハンドルが収容配置された収容凹部とを有し、前記収容凹部は、前記裏側ケース部の裏側に突出して、前記連結部を構成してもよい。
この構成によれば、装飾部材におけるドアハンドル配置用の収容凹部が上記の連結部として兼用されるため、連結部を別に設ける必要がない分、装飾部材を小型化できる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記装飾部材の外周縁部が前記アウタパネルの表側に重なり、前記ブラケットは、前記アウタパネルの裏側から前記装飾部材の前記外周縁部に重なる狭持部を有し、前記装飾部材の前記外周縁部と前記ブラケットの前記狭持部とで前記アウタパネルが狭持されてもよい。
【0012】
この構成によれば、装飾部材の外周縁部が、ブラケットとの間でアウタパネルを狭持するため、安定性良く、装飾部材とブラケットとの間でアウタパネルを狭持させることができる。また、装飾部材の外周縁部を利用して狭持するため、狭持範囲を比較的広くでき、これによっても、安定性良く、装飾部材とブラケットとの間でアウタパネルを狭持させることができる。
【0013】
また、この発明の態様として、前記アウタパネルの表面には、前記装飾部材が取り付けられる段差凹部が形成され、前記段差凹部の段差周壁部は、外周側に傾斜しており、前記装飾部材の前記外周縁部が前記段差凹部の前記段差周壁部に表側から重なり、前記ブラケットの前記狭持部が前記段差凹部の前記段差周壁部に裏側から重なってもよい。
【0014】
この構成によれば、装飾部材とブラケットとの間で狭持される狭持部分として、装飾部材取付用の段差凹部における外周側に傾斜した段差周壁部を利用するため、比較的広範囲な部分を狭持部分として利用できる。また、上記の狭持部分として利用される段差周壁部は、外側に傾斜しているため、装飾部材とブラケットとによる狭持がアウタパネルの主面方向にずれることを抑制できる。
【0015】
また、この発明の態様として、前記装飾部材の前記連結部は、前記開口部を挿通して前記アウタパネルの裏側に張り出し、前記ブラケットは、前記連結部を被覆するように前記連結部に連結された被覆部と、前記被覆部の外周縁部に設けられた前記狭持部と、前記被覆部と前記狭持部とで形成された凹角部に設けられた補強リブとを有してもよい。
この構成によれば、ブラケットの被覆部と狭持部との凹角部に補強リブが設けられるため、ブラケットに対する狭持部の剛性を向上できる。この結果、ブラケットと装飾部材との間の狭持を強固にできる。
【0016】
また、この発明の態様として、前記ブラケットの内周面には、排水溝が設けられ、前記排水溝は、前記被覆部から前記狭持部に跨って設けられ、前記狭持部の先端部で開放すると共に、前記ブラケットの外側に突出して前記補強リブを構成していてもよい。
この構成によれば、ブラケットの内周面に排水溝が設けられているため、ブラケット内に進入した水分(例えば水滴)をブラケットの外側に効果的に排水できる。また、排水溝は、上記の補強リブを構成するため、上記の補強リブとしても兼用できる。
【0017】
また、この発明の態様として、前記ブラケットは、前記装飾部材のうち、前記装飾部材の前記アウタパネルへの取付部以外の部分に重なるように設けられてもよい。
この構成によれば、ブラケットは、装飾部材のうち、アウタパネルへの取付部以外の部分に重なるように設けられるため、ブラケットと装飾部材とによる狭持部分を、装飾部材のアウタパネルへの取付部と重ならないように分散配置できる。この結果、装飾部材の全体に亘って均等に、アウタパネルに対する装飾部材の取付剛性を確保できる。また、ブラケットは、装飾部材の裏側全体に重ならないため、ブラケットを小型化できる。
【0018】
また、この発明の態様として、前記装飾部材は、前記ドアハンドルの横幅と略同幅のマスコットであり、前記ドアハンドルは、電気式ドアスイッチを有してもよい。
この構成によれば、マスコット(即ち比較的幅狭の装飾部材)をアウタパネルに高剛性で固定できる。また、ドアハンドルは、電気式ドアスイッチを有するため、マスコットの小型化に寄与できる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、装飾部材が幅狭である場合でも、車両ドアに対する装飾部材の取付剛性を十分に確保できる車両用ドアハンドル取付構造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の実施形態に係る車両用ドアハンドル取付構造が適用された車両後部を示す正面図。
図2】車両ドアの外表面に設けられた装飾部材を下側から見た斜視図。
図3】(a)は、車両用ドアハンドル取付構造をアウタパネルの裏側から見た斜視図、(b)は、車両用ドアハンドル取付構造をアウタパネルの裏側から見た正面図。
図4】車両用ドアハンドル取付構造を後側から見た分解斜視図。
図5】車両用ドアハンドル取付構造を前側から見た分解斜視図。
図6】(a)は、装飾部材がアウタパネルの開口部に配置された状態をアウタパネルの裏側から見た斜視図、(b)は、装飾部材がアウタパネルの開口部に配置された状態をアウタパネルの裏側から見た正面図。
図7】ブラケットを表側(正面側)から見た斜視図。
図8図3(b)のA−A断面図。
図9図3(b)のB−B断面図。
図10図3(b)のC−C断面図。
図11図3(b)のD−D断面図。
図12図6(b)のE−E断面図。
図13図6(b)のF−F断面図。
図14図6(b)のG−G断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1図14を参照して、この発明の一実施形態を説明する。
<概要>
図1は、この実施形態に係る車両用ドアハンドル取付構造1が適用された車両2の後部を示す正面図であり、図2は、車両ドア(例えばバックドア)3の外表面に設けられた装飾部材5を下側から見た斜視図であり、図3(a)(b)はそれぞれ、車両用ドアハンドル取付構造1をアウタパネル31の裏側から見た斜視図及び正面図である。
【0022】
図1に示すように、車両用ドアハンドル取付構造1は、車両2の後部の荷室開口部2aを開閉する車両ドア3のドアハンドル4に適用されている。ドアハンドル4は、車両ドア3の外表面に設けられた装飾部材5と兼用される形で設けられている。
【0023】
より詳細には、車両2は、例えばワゴン車又はハッチバック車である。車両2の後部の内部には、荷室が設けられている。車両2の後部には、上記の荷室に連通した荷室開口部2aが設けられると共に、荷室開口部2aを開閉する車両ドア3が設けられている。車両ドア3は、例えば跳ね上げ式のドアであり、その上辺部が荷室開口部2aの上辺部に回動可能に設けられることで、車両ドア3の上辺部付近を回動軸Lとして上下に回動可能になっている。
【0024】
車両ドア3は、その外表面を構成するアウタパネル31を備えている。アウタパネル31の外表面には、装飾部材5が設けられている。装飾部材5は、例えば、シンボルマーク等が表示されたマスコット(即ち比較的幅狭の装飾部材)として構成されている。装飾部材5は、例えば、正面視横長楕円状に形成されると共に、やや厚みを有しており、アウタパネル31の外表面から張り出している。
【0025】
図2に示すように、装飾部材5の内部には、車両ドア3の開閉を操作するためのドアハンドル4が収容された収容空間が設けられている。装飾部材5の下端部には、その収容空間に通した開口部5aが設けられている。従って、利用者は、装飾部材5の下端開口部5aから装飾部材5の内部に指を挿入してドアハンドル4を操作することで、車両ドア3を解錠することができる。そして、利用者は、装飾部材5を持って車両ドア3を上側に回動させることで、車両ドア3を開けることができる。
【0026】
図3(a)(b)に示すように、装飾部材5は、固定用部品7(例えば固定用ボルト521g及びナットN1)及び固定用部品8(例えば固定用ピン521h)でアウタパネル31に固定されている。また、装飾部材5の裏側には、アウタパネル31を挟んでブラケット9が配置されている。ブラケット9は、連結用部品10(例えば連結用ボルト522d及びナットN2)で、アウタパネル31を挟んで装飾部材5に連結されている。この連結により、装飾部材5とブラケット9とでアウタパネル31が狭持され、この狭持によっても、装飾部材5は、アウタパネル31に固定されている。
【0027】
<詳細構成>
図3図14を参照して、車両用ドアハンドル取付構造1(即ちアウタパネル31、装飾部材5、ブラケット9、及び、ドアハンドル4)について詳細に説明する。図4及び図5はそれぞれ、車両用ドアハンドル取付構造1を後側及び前側から見た分解斜視図であり、図6(a)(b)は、装飾部材5がアウタパネル31の開口部312に配置された状態をアウタパネル31の裏側から見た斜視図及び正面図であり、図7は、ブラケット9を表側(即ち正面側)から見た斜視図であり、図8図11はそれぞれ、図3(b)のA−A断面図、B−B断面図、C−C断面図及びD−D断面図であり、図12図14はそれぞれ、図6(b)のE−E断面図、F−F断面図、G−G断面図である。
【0028】
<アウタパネル31>
図6及び図13に示すように、アウタパネル31には、装飾部材5が取り付けられる段差凹部311と、装飾部材5の後述のハウジング52が配置される開口部312と、装飾部材5を固定するための固定用部品7,8が挿通される貫通孔313(図9参照),314(図11参照)とが設けられている。
【0029】
段差凹部311の外形輪郭は、装飾部材5の後述の装飾部材本体51の外形輪郭と同形同大(例えば正面視略楕円状)に形成されている。段差凹部311は、アウタパネル31の外表面31aに対して凹状に形成されると共に、アウタパネル31の裏面31bに対して凸状にしている。
【0030】
段差凹部311は、平坦な底壁部311aと、底壁部311aの外周縁部の全周に亘って立設された段差周壁部311bとを備えている。
底壁部311aは、例えば略楕円状に形成されている。段差周壁部311bは、例えば略楕円環状に形成されており、段差周壁部311bの先端部側(即ちアウタパネル31の表側)に行くに連れて段差周壁部311bの外周側に向かって傾斜している。
【0031】
底壁部311aの下半部には、装飾部材5の後述の連結部522が配置される開口部312が設けられている。開口部312は、例えば底壁部311aの下半部全体を開口するように設けられている。底壁部311aの上半部には、装飾部材5を固定するための各貫通孔313,314が設けられている。貫通孔313は、底壁部311aの上半部における横幅方向の中央付近に、例えば、左右に並べて2つ設けられている。貫通孔314は、底壁部311aの上半部における横幅方向の両側(即ち2つの貫通孔313の左右両側)に、例えば、1つずつ計2つ設けられている。
【0032】
図4及び図5に示すように、車両用ドアハンドル取付構造1は、上述の通り、アウタパネル31の段差凹部311の表側に取り付けられる装飾部材5と、アウタパネル31の裏側から装飾部材5に連結され、装飾部材5との間でアウタパネル31を狭持するブラケット9と、装飾部材5に設けられたドアハンドル4とを備えている。装飾部材5及びブラケット9はそれぞれ、例えば樹脂(例えばプラスチック)で形成されている。
【0033】
<装飾部材5>
図4及び図5に示すように、装飾部材5は、シンボルマーク等が表記された装飾部材本体51と、ドアハンドル4が収容配置されたハウジング52とを備えている。
【0034】
<装飾部材本体51>
図4及び図5に示すように、装飾部材本体51は、外装ケース511と、ドアハンドル4及びハウジング52が固定される固定用基板512と、外装ケース511とアウタパネル31との隙間に配置される弾性部材513とを備えている。
【0035】
外装ケース511は、例えば正面視略楕円形の底浅皿状に形成されており、底壁部511aと、底壁部511aの外周縁部から底壁部511aの裏側に向かって立設された外周壁部511bとを備えている。
【0036】
底壁部511aは、例えば正面視略楕円形の板状に形成されている。底壁部511aの外表面511dには、シンボルマーク511cが表記されている(図5参照)。シンボルマーク511cは、例えば、底壁部511aの外表面511dに対して凸出状に設けられている。シンボルマーク511cは、例えば、底壁部511aとは別部材(例えば樹脂又は金属)で形成されており、底壁部511aの裏側からのビス固定又は接着材で、底壁部511aに固定されている。
【0037】
底壁部511aの裏面511eには、固定用基板512及びハウジング52の位置決め用の位置決め突起部511fと、ハウジング52の固定用の固定用ボス部511gと、ハウジング52の後述の係合部521aが係合する被係合部511hとが設けられている(図4参照)。
【0038】
位置決め突起部511fは、例えば棒状に形成され、例えば底壁部511aの上部の左右両側に立設されている(図11参照)。固定用ボス部511gは、例えば円筒状に形成されており、その先端面には、ハウジング52を固定するためのビスB1が螺入される穴部511g1が設けられている(図12参照)。固定用ボス部511gは、例えば底壁部511aの上下方向中央の左右両側に立設されている。被係合部511hは、下面開放の横長の箱形に形成され、被係合部511hの車両後方側の側面が底壁部511aと一体化される形で底壁部511aに設けられている(図8参照)。
【0039】
外周壁部511bは、その基端側(即ち底壁部511a側)からその先端側に行くに連れてその外周側に向かうように、傾斜している。また、外周壁部511bは、上側周壁部511b1、下側周壁部511b2、左側周壁部511b3及び右側周壁部511b4が環状に連結して構成されている。上側周壁部511b1の高さ(即ち上側周壁部511b1の先端基端方向の長さ)は、比較的低く形成され、下側周壁部511b2の高さは、比較的高く形成され、左側周壁部511b3及び右側周壁部511b4の高さは、上側周壁部511b1側から下側周壁部511b2側に行くに連れて漸次高くなるように形成されている(図5参照)。
【0040】
下側周壁部511b2には、上記の開口部5aが設けられている。開口部5aは、例えば下側周壁部511b2の略全体に設けられると共に、例えば横長矩形状に設けられている(図2参照)。上記のように下側周壁部511b2が比較的高く形成されていることで、開口部5aが十分な大きさ(即ち車両ドア3の開操作時に利用者の指が開口部5aに入り易く、且つ車両ドア3を開けるときに開口部5aの周縁部を把持し易い大きさ)に形成されている。
【0041】
固定用基板512は、例えば平面視略矩形の板状に形成されると共に、外装ケース511の底壁部511aの輪郭に内接する程度の大きさに形成されている。固定用基板512は、その裏側が外装ケース511の底壁部511aの裏側に対向した状態で、ビス固定又は接着材で、底壁部511aに固定されている。固定用基板512の下端部は、外装ケース511の底壁部511aの下端部(即ち開口部5aの上端部)付近まで延設されている。
【0042】
固定用基板512には、外装ケース511の位置決め用の貫通孔512aと、ハウジング52の位置決め用の位置決め用ボス部512bと、ハウジング52の固定用の固定用ボス部512cと、ハウジング52の固定用の固定用片部512dと、ドアハンドル4の固定用の固定用被係止部512eと、ドアハンドル4と外装ケース511の開口部5aとの間の隙間を埋める隙間埋め用壁部512fが設けられている(図4参照)。
【0043】
貫通孔512aは、例えば、固定用基板512における上部側の左右両側の位置(即ち各位置決め突起部511fに対応する位置)に貫通状に設けられている(図11参照)。この貫通孔512aに、外装ケース511の位置決め突起部511fが遊嵌されることで、外装ケース511と固定用基板512との間の相対的な位置が概略的に位置決めされる。
【0044】
位置決め用ボス部512bは、例えば、略半円形の柱状に形成されており、固定用基板512の表面における上下方向中央部の左右両側の位置(例えば貫通孔512aの下側)に立設されている(図11参照)。位置決め用ボス部512bの先端面には、穴部512b1が設けられている。この穴部512b1に、ハウジング52の後述の位置決め用突起部521dが嵌挿される。これにより、固定用基板512とハウジング52との間の相対的な位置が位置決めされる。
【0045】
固定用ボス部512cは、例えば、略半円形の柱状に形成されており、固定用基板512の表面における上部側の横幅方向の中央に立設されている(図8参照)。固定用ボス部512cの先端面には、ハウジング52を固定するためのビスB2が螺入される穴部512c1が設けられている。
【0046】
固定用片部512dは、例えば、固定用基板512の表面における下部の左右両側から固定用片部512dの表面の正面側に向かって立設されており、その先端側半分が固定用基板512の左右両側に張り出すように屈曲されている(図14参照)。固定用片部512dの先端側半分は、例えば、外装ケース511の固定用ボス部511gの下側に配置されている(図12参照)。固定用片部512dの先端側半分には、ハウジング52を固定するためのビスB3が螺入される穴部512d1が設けられている。
【0047】
固定用被係止部512eは、例えば、固定用基板512の表面の下部において、横幅方向に並んで2つ設けられている。固定用被係止部512eは、固定用基板512の表面に立設された一対の係止用壁部512e1を有している(図14参照)。各係止用壁部512e1は、互いに間隔を空けて上下方向に延設されている。各係止用壁部512e1の対向側面には、ドアハンドル4の後述の係止部42cが係止する被係止溝512e2が設けられている。被係止溝512e2は、上下方向に延びると共に係止用壁部512e1の上端面で開放している。ドアハンドル4の係止部42cが、一対の係止用壁部512e1の上側から被係止溝512e2に挿入されることで、ドアハンドル4が固定用基板512に固定される。
【0048】
隙間埋め用壁部512fは、固定用基板512の表面の下端部に立設された中央壁部512f1と、中央壁部512f1の左右両側に張り出した左右両側壁部512f2とを有している。中央壁部512f1は、外装ケース511の開口部5aの上辺部とドアハンドル4との間の隙間を埋めている(図8参照)。左右両側壁部512f2は、開口部5aの左右両辺部とドアハンドル4との間の隙間を埋めている(図2参照)。
【0049】
弾性部材513は、外周壁部511bの内周面を被覆すると共に、外周壁部511bの先端面を被覆している(図8及び図13参照)。弾性部材513の先端部(即ち外周壁部511bの先端面を被覆する部分)がアウタパネル31の外表面に当接することで、外部からの水分がアウタパネル31の開口部312を通って車体内部に侵入することが抑制される。なお、外周壁部511bの先端面では、弾性部材513は、外周壁部511bの厚さ方向の内側半分だけに設けられている。これにより、弾性部材513が装飾部材5の外側から視認され難くなっている。
【0050】
<ハウジング52>
図4及び図5に示すように、ハウジング52は、装飾部材本体51の裏側に固定される裏側ケース部521と、裏側ケース部521に設けられ、ドアハンドル4が収容配置された収容凹部522と、ゴム製の弾性部材523と、ウレタン製の弾性部材524とを有している。
【0051】
裏側ケース部521は、装飾部材本体51の外周輪郭と略同形同大の底浅皿状に形成されると共に、アウタパネル31の段差凹部311に嵌合可能な形に形成されている。裏側ケース部521は、底壁部5211と、底壁部5211の外周縁部から装飾部材本体51側に立設された外周壁部5212とを備えている。底壁部5211は、段差凹部311の底壁部311aに嵌合する部分であり、外周壁部5212は、段差凹部311の段差周壁部311bに嵌合する部分である。
【0052】
底壁部5211は、アウタパネル31の段差凹部311の底壁部311aと略同形同大(例えば正面視略楕円形)の板状に形成されている。底壁部5211には、上記の収容凹部522が設けられている。
【0053】
ゴム製の弾性部材523は、帯状に形成されており、外周壁部5212の外周面の先端側周縁部における周方向全体のうちの下半部分(即ちアウタパネル31の開口部312の下半部分に重なる部分)に沿って設けられている。弾性部材523の先端部は、外周壁部5212の先端部から突出して外周壁部5212の外側に傾斜しており、アウタパネル31の表面に当接する(図8参照)。この当接によって、外部からの水分が、アウタパネル31の開口部312とハウジング52との隙間から開口部312を通って車体内部に侵入することが抑制される。なお、外周壁部5212の外周面における弾性部材523が設けられる部分は、段差状に凹んでいる。これにより、外周壁部5212の外周面と弾性部材523の外表面とが面一になっている。
【0054】
ウレタン製の弾性部材524は、無端帯状に形成されており、外周壁部5212の外周面の先端側周縁部の周方向全体に亘って設けられている。弾性部材524は、アウタパネル31の表面に当接する(図8参照)。この当接によって、外部からの水分が、アウタパネル31の開口部312とハウジング52との隙間から開口部312を通って車体内部に侵入することが抑制される。
【0055】
弾性部材524のうち、周方向の下半部分(即ち開口部312の下半部分に重なる部分)524aは、弾性部材523の先端部の後側に配置されている(図8参照)。これにより、外部からの水分が、弾性部材523の先端部で減圧され、弾性部材524の下半部分524aでほぼ完全に止水される。また、弾性部材524のうち、周方向の上半部分(即ち開口部312の上半部分に重なる部分)524bは、外装ケース511の弾性部材513の後側に配置されている(図8参照)。これにより、外部からの水分が、弾性部材513で減圧され、弾性部材524の上半部分524bでほぼ完全に止水される。なお、弾性部材524は、ハウジング52とアウタパネル31との間の緩衝材としても機能している。
【0056】
収容凹部522は、底壁部5211の下半部において、裏側ケース部521の表側(装飾部材本体51側)から裏側(アウタパネル31側)に凹状に設けられており、裏側ケース部521の裏側に突出している。この突出部分(即ち収容凹部522)は、アウタパネル31の開口部312に配置されてアウタパネル31の裏側に突出されて、ブラケット9との連結部として機能する。以下、連結部522とも記載する。収容凹部522は、正面開放の略直方体形の箱状に形成されている。収容凹部522の開放面は、裏側ケース部521の底壁部5211の下半部において、裏側ケース部521の内部に連通するように、連結されている。
【0057】
収容凹部522には、ドアハンドル4を固定するためのビスB5が挿通される貫通孔522a(図11参照)と、収容凹部522に収容配置されたドアハンドル4の配線43が引き出される開口部522b(図8参照)と、配線43が固定されるフック部522c(図6参照)と、ブラケット9と連結するための連結用ボルト522d(図10参照)が設けられている。
【0058】
貫通孔522aは、例えば、収容凹部522の上側周壁部の左右両側に設けられている。開口部522bは、例えば、収容凹部522の上側周壁部の中央に設けられている。フック部522cは、例えば、収容凹部522の上側周壁部の開口部522bの付近に設けられている。
【0059】
連結用ボルト522dは、収容凹部522の底部において、収容凹部522の裏側に突出するように、立設されている。より詳細には、収容凹部522の底部において、上部に2つ、下部に1つ、計3つ設けられている。連結用ボルト522dは、ネジ部522d1と、ネジ部522d1の基端に設けられた頭部と522d2と、ネジ部522d1において頭部522d2と間隔を空けて設けられたフランジ部522d3とを備えている。フランジ部522d3は、例えば円板状に形成され、ネジ部522d1の外周方向に張り出している(図10参照)。
【0060】
収容凹部522の底部の外側主面には、連結用ボルト522dを固定するための固定部522eが設けられている(図6及び図10参照)。固定部522eは、一辺が開放した略U字形の周壁部として形成されている。上記の周壁部の内周面には、係止溝522fが周方向に沿って凹状に設けられている。係止溝522fの両端部は、上記の周壁部の両端面で開放している。
【0061】
連結用ボルト522dの頭部522d2が、上記の周壁部の開放辺側から上記の周壁部の内部に挿入され、頭部522d2の周縁部が係止溝522fに係止されることで、連結用ボルト522dが収容凹部522の底部に固定される。また、この固定状態では、連結用ボルト522dのネジ部522d1が収容凹部522の裏側に突出し、連結用ボルト522dの頭部522d2とフランジ部522d3との間に上記の周壁部が挟まれている。
【0062】
裏側ケース部521には、外装ケース511を位置決めするための係合部521a及び位置決め用貫通孔521bと、外装ケース511を固定するためのビスB1が螺入される固定用貫通孔521cとが設けられている(図5参照)。
【0063】
係合部521aは、外装ケース511の被係合部511hに係合する部分である(図8参照)。係合部521aは、裏側ケース部521の外周壁部5212の内周面の上部(即ち被係合部511hに対応する箇所)に設けられている。係合部521aは、外周壁部5212の内周面から裏側ケース部521の表側に向かって立設されており、係合部521aの先端側半分は、上側に屈曲されている。係合部521aの先端側半分が被係合部511hの開放下面に挿入されることで、係合部521aが被係合部511hに係合する。この係合により、ハウジング52と外装ケース511との間の相対的な位置が位置決めされる。
【0064】
位置決め用貫通孔521bは、外装ケース511の位置決め突起部511fが嵌挿する孔部である(図11参照)。裏側ケース部521の底壁部5211の表面における上部の左右両側(即ち位置決め突起部511fに対応する箇所)には、有底筒状のボス部521b1が凸状に設けられており、ボス部521b1の先端面に、位置決め用貫通孔521bが設けられている。この位置決め用貫通孔521bに位置決め突起部511fが嵌挿されることによっても、ハウジング52と外装ケース511との間の相対的な位置が位置決めされる。
【0065】
固定用貫通孔521cは、ハウジング52を外装ケース511の固定用ボス部511gに固定するためのビスB1が挿通される孔である(図13参照)。固定用貫通孔521cは、裏側ケース部521の底壁部5211の上下方向中央の左右両側(即ち固定用ボス部511gに対応する箇所)に設けられている。ビスB1が、ハウジング52の裏側から固定用貫通孔521cを挿通して固定用ボス部511gの穴部511g1に螺入されることで、ハウジング52が外装ケース511に固定される。
【0066】
このように、位置決め部(即ち係合部521a及び位置決め用貫通孔521b)が裏側ケース部521(即ちハウジング52)に設けられると共に、対応する位置決め部(即ち被係合部511h及び位置決め突起部511f)が外装ケース511に設けられている。このため、外装ケース511の上記の位置決め部が裏側ケース部521の上記の位置決め部に位置決めされた状態で、ビスB1で外装ケース511が裏側ケース部521に固定されることで、容易に、ハウジング52が外装ケース511に位置決め状態で固定される。
【0067】
また、裏側ケース部521には、固定用基板512を位置決めするための位置決め用突起部521dと、固定用基板512を固定するための固定用貫通孔521e,521fとが設けられている(図5参照)。
【0068】
位置決め用突起部521dは、固定用基板512の位置決め用ボス部512bの穴部512b1に嵌挿される突起部である(図11参照)。位置決め用突起部521dは、裏側ケース部521の底壁部5211の表面の左右両側に立設されている。位置決め用突起部521dは、例えば、位置決め用貫通孔521bの下側に設けられている。位置決め用突起部521dが固定用基板512の穴部512b1に嵌挿されることで、ハウジング52と固定用基板512との間の相対的な位置が位置決めされる。
【0069】
固定用貫通孔521eは、固定用基板512の固定用ボス部512cの穴部512c1に螺入されるビスB2が挿入される貫通孔である(図8参照)。固定用貫通孔521eは、裏側ケース部521の底壁部5211の表面の上部の横幅方向中央(即ち固定用ボス部512cに対応する箇所)に設けられている。ビスB2がハウジング52の裏側から固定用貫通孔521eを挿通して固定用ボス部512cの穴部512c1に螺入されることで、ハウジング52が固定用基板512に固定される。
【0070】
固定用貫通孔521fは、固定用基板512の固定用片部512dの穴部512d1に螺入されるビスB3が挿入される貫通孔である(図14参照)。固定用貫通孔521fは、裏側ケース部521の外周壁部5212の左右両端部(即ち固定用片部512dの穴部512d1に対応する箇所)に設けられている。固定用貫通孔521fは、例えば、固定用貫通孔521cの下側に設けられている。ビスB3がハウジング52の裏側から固定用貫通孔521fを挿通して固定用片部512dの穴部512d1に螺入されることで、ハウジング52が固定用基板512に固定される。
【0071】
このように、位置決め部(即ち位置決め用突起部521d)が裏側ケース部521(即ちハウジング52)に設けられると共に、対応する位置決め部(即ち位置決め用ボス部512b)が固定用基板512に設けられている。このため、外装ケース511の上記の位置決め部が固定用基板512の上記の位置決め部に位置決めされた状態で、ビスB2,B3で外装ケース511が固定用基板512に固定されることで、容易に、外装ケース511が固定用基板512に位置決め状態で固定される。
【0072】
また、裏側ケース部521には、アウタパネル31を固定するための固定用ボルト521g及び固定用ピン521hが設けられている(図4参照)。
【0073】
固定用ボルト521gは、裏側ケース部521の裏面(即ちアウタパネル31側の主面)の上部に、例えば、横方向に並んで2つ立設されている。固定用ボルト521gは、ネジ部521g1と、ネジ部521g1の基端に設けられた頭部と521g2と、ネジ部521g1における頭部521g2の下側に間隔を空けて設けられたフランジ部521g3とを備えている(図9参照)。フランジ部521g3は、例えば円板状に形成され、ネジ部521g1の外周方向に張り出している。
【0074】
固定用ボルト521gが裏側ケース部521の裏面に設けられた状態では、頭部521g2は、裏側ケース部521の内部に埋め込まれている。フランジ部521g3は、裏側ケース部521の裏面に当接している。ネジ部521g1は、裏側ケース部521の裏面に立設されている。
【0075】
固定用ボルト521gのネジ部521g1がアウタパネル31の表側からアウタパネル31の貫通孔313に挿通された状態で、ナットN1がアウタパネル31の裏側からネジ部521g1に螺合されて、フランジ部521g3とナットN1との間でアウタパネル31が狭持されることで、裏側ケース部521(即ち装飾部材5)がアウタパネル31に固定される(図9参照)。
【0076】
固定用ピン521hは、裏側ケース部521の裏面(即ちアウタパネル31側の主面)の上部に、例えば、横方向に並んで2つ立設されている。固定用ピン521hは、例えば、2つの固定用ボルト521gの左右両側に設けられている。固定用ピン521hは、ピン本体521h1と、固定用係止部品521h2とを備えている(図11参照)。ピン本体521h1は、棒状に形成され、裏側ケース部521の裏面に立設され、裏側ケース部521と一体形成されている。固定用係止部品521h2は、樹脂素材で形成されており、ピン本体521h1の外周に装着される内側筒部521h3と、アウタパネル31の貫通孔314に係止される外側筒部521h4とを備えている。
【0077】
外側筒部521h4は、内側筒部521h3と間隔を空けて内側筒部521h3の外周側に同心状に配置されている。外側筒部521h4の先端部と内側筒部521h3の先端部とは、互いに連結されている。外側筒部521h4には、係止凸部521h5と、フランジ部521h6とが設けられている。係止凸部521h5は、略三角形状に形成され、外側筒部521h4の外周面において外側筒部521h4の軸方向に沿って設けられている。フランジ部521h6は、外側筒部521h4の基端部に周設され、外側筒部521h4の外周側に張り出している。
【0078】
固定用係止部品521h2がピン本体521h1の外周に装着された状態で、固定用係止部品521h2がアウタパネル31の貫通孔314に圧入されることで、貫通孔314の周縁部が、固定用係止部品521h2の係止凸部521h5とフランジ部521h6との間に挟まる。この挟まりによっても、裏側ケース部521(即ち装飾部材5)がアウタパネル31に固定される。
【0079】
<ドアハンドル4>
図5及び図8に示すように、ドアハンドル4は、利用者の指による車両ドア3のロック解除操作を検知するものであり、利用者の指によるロック解除操作を検知する電気式ドアスイッチ41(図8参照)と、電気式ドアスイッチ41を収容するケース42とを備えている。ドアハンドル4は、装飾部材5の横幅と略同じ(より詳細には少し小さい)横幅である。
【0080】
ケース42は、例えば樹脂で形成されると共に略直方体形の箱状に形成されている。ケース42の上下幅は、ハウジング52の収容凹部522の開放面の上下幅の略半分の幅であり、ケース42の横幅は、収容凹部522の横幅と略同じであり、ケース42の奥行き幅(即ち車両前後方向の幅)は、収容凹部522の深さと略同じである。即ち、ケース42は、収容凹部522の上半分に嵌合可能に形成されている。
【0081】
ケース42の下面は、例えば、収容凹部522の奧側から開放面側に向かって下側に傾斜している(図8参照)。ケース42の下面には、開口部42aが設けられると共に、開口部42aを塞ぐようにゴムシート42bが設けられている。ケース42の内部には、開口部42aの裏側に配置するように、電気式ドアスイッチ41が収容配置されている。即ち、利用者は、指で、ゴムシート42bを介して電気式ドアスイッチ41をオン操作することで、ロック解除操作を行うことができる。
【0082】
ケース42には、固定用基板512の固定用被係止部512eに係止される係止部42c(図5及び図14参照)と、ケース42をハウジング52の収容凹部522の上壁部に固定するためのビスB5が螺入される貫通孔42d(図11参照)とが設けられている。
【0083】
係止部42cは、ケース42の表側(即ち固定用基板512側)の側面において、例えば横方向に並んで2つ設けられている(図14参照)。係止部42cは、一対の係止爪42c1として形成されている。一対の係止爪42c1は、ケース42の表側側面において、ケース42の横幅方向に互いに間隔を空けて立設されている。各係止爪42c1の先端部には、爪部42c2が設けられている。各係止爪42c1の爪部42c2は、一対の係止爪42c1の対向方向に突出している。一対の係止爪42c1は、ケース42の上下方向に幅広に形成されている。
【0084】
係止部42cは、固定用基板512の固定用被係止部512eに対して、上側から下側にスライドさせながら係止される。即ち、一対の係止爪42c1の各爪部42c2が、固定用被係止部512eの一対の係止用壁部512e1の各被係止溝512e2に上側から挿入されることで、係止部42cが固定用被係止部512eに係止する。この係止によって、ドアハンドル4が固定用基板512(従って装飾部材5)に固定される。
【0085】
貫通孔42dは、ケース42の上壁部の左右両側(即ちハウジング52の貫通孔522aに対応する箇所)に設けられている(図11参照)。ビスB5が収容凹部522の外側から貫通孔522aを挿通して貫通孔42dに螺入されることで、ドアハンドル4がハウジング52の収容凹部522の上壁部に収容固定される。従って、ドアハンドル4は、ビスB5による固定と、上記の係止部42cと固定用被係止部512eとの係止とで収容凹部522の内部の上壁部に収容固定される。この収容固定状態では、ドアハンドル4の配線43は、収容凹部522の開口部522bからハウジング52の外側に引き出され、フック部522cで固定されている(図4及び図8参照)。
【0086】
<ブラケット9>
図4図5及び図7に示すように、ブラケット9は、ハウジング52の収容凹部(連結部)522を裏側から被覆する被覆部91と、被覆部91の外周縁部に設けられた狭持部92と、狭持部92を補強する補強リブ93と、狭持部92とアウタパネル31との間の緩衝材として機能する弾性部材94とを備えている。
【0087】
被覆部91は、例えば略直方体形で正面開放の箱状に形成されており、内部にハウジング52の収容凹部522が収容可能である。被覆部91は、例えば、収容凹部522の外周に嵌合可能な形に形成されている。
【0088】
被覆部91は、収容凹部522の連結用ボルト522dが挿通される貫通孔91aと、ドアハンドル4の配線43が配索される凹状配索路91bと、ドアハンドル4の配線43が挿通される配索用開口部91cとが設けられている。
【0089】
貫通孔91aは、被覆部91の背壁部において、例えば、上部に横方向に並んで2つ、下部の中央に1つ、計3つ設けられている。即ち、装飾部材5の3つの連結用ボルト522dに対応する箇所に設けられている。凹状配索路91bは、被覆部91の上壁部の内面において、その横幅方向の中央に設けられると共に上壁部の基端部側から先端部側に延設され、先端部で開放されている。
【0090】
被覆部91の内部に、アウタパネル31の開口部312から突出された収容凹部(即ち連結部)522が収容されることで、被覆部91が収容凹部522の略全体を被覆する(図10参照)。この被覆状態で、収容凹部522の各連結用ボルト522dは、被覆部91の各貫通孔91aに挿通している。各連結用ボルト522dにナットN2が螺合されることで、ナットN2と連結用ボルト522dのフランジ部522d3との間で連結部522が狭持される。この狭持により、被覆部91(従ってブラケット9)が連結部522に連結される。この連結状態では、ドアハンドル4の配線43が被覆部91の凹状配索路91bを通って被覆部91の配索用開口部91cを通ってブラケット9の外側に引き出されている(図8参照)。
【0091】
狭持部92は、装飾部材5のハウジング52の外周壁部5212との間でアウタパネル31の段差周壁部311bを狭持する部分である(図8参照)。狭持部92は、被覆部91の外周縁部のうち、上側縁部を除く、左右両側縁部及び下側縁部に亘って設けられている。即ち、狭持部92は、被覆部91の外周縁部のうち、ハウジング52の外周壁部と重なる部分(即ち左右両側縁部及び下側縁部)だけに設けられている。狭持部92は、被覆部91の外周縁部から被覆部91の外周側に張り出すと共に、狭持部92の外周側ほど被覆部91の正面側に向かって傾斜している。
【0092】
上記のように、被覆部91がハウジング52の連結部522に連結されることで、狭持部92は、ハウジング52の外周壁部5212との間でアウタパネル31の段差周壁部311bを狭持する。この狭持により、装飾部材5がアウタパネル31の段差凹部311に固定される。
【0093】
このように、装飾部材5は、その上半部が固定用ボルト521g及び固定用ピン521hでアウタパネル31に固定されると共に、その下半部がハウジング52の外周壁部5212とブラケット9の狭持部92とによるアウタパネル31の狭持でアウタパネル31に固定されることで、段差凹部311に固定される。
【0094】
狭持部92の内周面は、その長手方向に沿って略凹曲面状に形成されている。狭持部92の略凹曲面状の内周面のうちの底面部には、排水溝92aが設けられている。排水溝92aは、狭持部92の基端部側から先端部側に延びており、排水溝92aの基端部側(即ち被覆部91の内周面)及び先端部側で開放している。これにより、被覆部91の内部に進入した水分が排水溝92aを流れて排水溝92aの開放先端部から被覆部91の外側に排水される。排水溝92aは、断面略U字形又は略V字形に形成されており、狭持部92の内周面に対して凹状に形成されると共に狭持部92の外周面に対して突出している。
【0095】
狭持部92と被覆部91とで形成された凹角部には、上記の補強リブ93が設けられている。補強リブ93は、例えば側面視略三角形状に形成されており、狭持部92と被覆部91とに跨って設けられている。補強リブ93は、狭持部92の長手方向に沿って間隔を空けて複数設けられている。複数の補強リブ93のうち、被覆部91の左右両側面に配置された補強リブ93は、板状に形成され、被覆部91の下面側に配置された補強リブ93は、上記の排水溝92aによって構成されている。
【0096】
弾性部材94は、例えばウレタンで形成されており、狭持部92とアウタパネル31の段差周壁部311bとの間に介在して緩衝材として機能する。弾性部材94は、帯状に形成されており、狭持部92の内周面の先端側縁部に沿って設けられている。
【0097】
<主要な効果>
以上、この実施形態に係る車両用ドアハンドル取付構造1によれば、車両ドア(例えばバックドア)3のアウタパネル31の表側に取り付けられると共に、アウタパネル31に設けられた開口部312に配置される連結部522を有する装飾部材5と、装飾部材5に取り付けられたドアハンドル4と、アウタパネル31の裏側から連結部522に連結され、装飾部材5との間でアウタパネル31を狭持するブラケット9とを備えた車両用ドアハンドル取付構造である。
【0098】
この構成によれば、車両ドア3のアウタパネル31に取り付けられた装飾部材5にドアハンドル4が取り付けられるため、装飾部材5をドアハンドル4として兼用できる。また、装飾部材5の連結部522がアウタパネル31の開口部312に配置され、その連結部522に対して、アウタパネル31の裏側からブラケット9が連結され、ブラケット9と装飾部材5との間でアウタパネル31が狭持されるため、この狭持によって、装飾部材5をアウタパネル31に強固に固定できる。この結果、装飾部材5が幅狭であるために、ボルト及びナット等の固定用部品によるアウタパネル31との固定箇所が多数確保できない場合でも、アウタパネル31(即ち車両ドア3)に対する装飾部材5の取付剛性を十分に確保できる。
【0099】
この発明の態様として、装飾部材5は、装飾部材本体51と、装飾部材本体51の裏側に取り付けられると共にドアハンドル4を支持するハウジング52とを有し、ハウジング52は、装飾部材5の裏面に固定された裏側ケース部521と、裏側ケース部521の表側から裏側に凹状に設けられ、ドアハンドル4が収容配置された収容凹部とを有し、収容凹部522は、裏側ケース部521の裏側に突出して、連結部522を構成してもよい。
この構成によれば、装飾部材5におけるドアハンドル4の配置用の収容凹部522が上記の連結部522として兼用されるため、連結部522を別に設ける必要がない分、装飾部材5を小型化できる。
【0100】
また、この発明の態様として、装飾部材5の外周縁部(例えば外周壁部5212)がアウタパネル31の表側に重なり、ブラケット9は、アウタパネル31の裏側から装飾部材5の外周縁部に重なる狭持部92を有し、装飾部材5の外周縁部とブラケット9の狭持部92とでアウタパネル31が狭持されてもよい。
【0101】
この構成によれば、装飾部材5の外周縁部が、ブラケット9の間でアウタパネル31を狭持するため、安定性良く、装飾部材5とブラケット9との間でアウタパネル31を狭持させることができる。また、装飾部材5の外周縁部を利用して狭持するため、狭持範囲を比較的広くでき、これによっても、安定性良く、装飾部材5とブラケット9との間でアウタパネル31を狭持させることができる。
【0102】
また、この発明の態様として、アウタパネル31の表面には、装飾部材5が取り付けられる段差凹部311が形成され、段差凹部311の段差周壁部311bは、外周側に傾斜しており、装飾部材5の外周縁部(例えば外周壁部5212)が段差凹部311の段差周壁部311bに表側から重なり、ブラケット9の狭持部92が段差凹部311の段差周壁部311bに裏側から重なってもよい。
【0103】
この構成によれば、装飾部材5とブラケット9との間で狭持される狭持部分として、装飾部材5の取付用の段差凹部311における外周側に傾斜した段差周壁部311bを利用するため、比較的広範囲な部分を狭持部92分として利用できる。また、上記の狭持部分として利用される段差周壁部311bは、外側に傾斜しているため、装飾部材5とブラケット9とによる狭持がアウタパネル31の主面方向にずれることを抑制できる。
【0104】
また、この発明の態様として、装飾部材5の連結部522は、開口部312を挿通してアウタパネル31の裏側に張り出し、ブラケット9は、連結部522を被覆するように連結部522に連結された被覆部91と、被覆部91の外周縁部に設けられた狭持部92と、被覆部91と狭持部92とで形成された凹角部に設けられた補強リブ93とを有してもよい。
この構成によれば、ブラケット9の被覆部91と狭持部92との凹角部に補強リブ93が設けられるため、ブラケット9に対する狭持部92の剛性を向上できる。この結果、ブラケット9と装飾部材5との間の狭持を強固にできる。
【0105】
また、この発明の態様として、ブラケット9の内周面には、排水溝92aが設けられ、排水溝92aは、被覆部91から狭持部92に跨って設けられ、狭持部92の先端部で開放すると共に、ブラケット9の外側に突出して補強リブ93を構成していてもよい。
この構成によれば、ブラケット9の内周面に排水溝92aが設けられているため、ブラケット9内に進入した水分(例えば水滴)をブラケット9の外側に効果的に排水できる。また、排水溝92aは、上記の補強リブ93を構成するため、上記の補強リブ93としても兼用できる。
【0106】
また、この発明の態様として、ブラケット9は、装飾部材5のうち、装飾部材5のアウタパネル31への取付部(例えば装飾部材5の上半部)以外の部分に重なるように設けられてもよい。
この構成によれば、ブラケット9は、装飾部材5のうち、アウタパネル31への取付部(例えば装飾部材5の上半部)以外の部分(例えば装飾部材5の下半部)に重なるように設けられるため、ブラケット9と装飾部材5とによる狭持部92分を、装飾部材5のアウタパネル31への取付部と重ならないように分散配置できる。この結果、装飾部材5の全体に亘って均等に、アウタパネル31に対する装飾部材5の取付剛性を確保できる。また、ブラケット9は、装飾部材5の裏側全体に重ならないため、ブラケット9を小型化できる。
【0107】
また、この発明の態様として、装飾部材5は、ドアハンドル4の横幅と略同幅(より詳細には少し大きめ)のマスコットであり、ドアハンドル4は、電気式ドアスイッチを有してもよい。
この構成によれば、マスコット(即ち比較的幅狭の装飾部材5)をアウタパネル31に高剛性で固定できる。また、ドアハンドル4は、電気式ドアスイッチを有するため、マスコットの小型化に寄与できる。
【0108】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0109】
1…車両用ドアハンドル取付構造
3…車両ドア
4…ドアハンドル
5…装飾部材
9…ブラケット
31…アウタパネル
51…装飾部材本体
52…ハウジング
91…被覆部
92…狭持部
92a…排水溝
93…補強リブ
311…段差凹部
311b…段差周壁部
312…開口部
521…裏側ケース部
522…収容凹部(連結部)
5212…外周壁部(装飾部材の外周縁部)
【要約】
【課題】装飾部材が幅狭である場合でも、車両ドアに対する装飾部材の取付剛性を十分に確保できる車両用ドアハンドル取付構造を提供する。
【解決手段】この発明の車両用ドアハンドル取付構造1は、車両ドア3のアウタパネル31の表側に取り付けられると共に、アウタパネル31に設けられた開口部312に配置される連結部522を有する装飾部材5と、装飾部材5に取り付けられたドアハンドル4と、アウタパネル31の裏側から連結部522に連結され、装飾部材5との間でアウタパネル31を狭持するブラケット9とを備える。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14