(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6508918
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】送風機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/58 20060101AFI20190422BHJP
F04D 25/08 20060101ALI20190422BHJP
F04D 29/32 20060101ALI20190422BHJP
F04D 29/52 20060101ALI20190422BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20190422BHJP
H05B 6/02 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
F04D29/58 R
F04D25/08 303
F04D29/32 J
F04D29/52 E
H02K7/14 A
H05B6/02 B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-227427(P2014-227427)
(22)【出願日】2014年11月7日
(65)【公開番号】特開2016-89774(P2016-89774A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106944
【氏名又は名称】シナノケンシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 敦士
(72)【発明者】
【氏名】武井 良一
(72)【発明者】
【氏名】林部 敬
【審査官】
原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−019236(JP,A)
【文献】
実開昭63−051200(JP,U)
【文献】
実開昭49−142306(JP,U)
【文献】
特開平10−169599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/58
F04D 25/08
F04D 29/32
F04D 29/52
H02K 7/14
H05B 6/02
F04D 29/58
F04D 25/08
F04D 29/32
F04D 29/52
H02K 7/14
H05B 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機であって、
駆動源と、
前記駆動源の回転軸に連繋して回転駆動される複数の羽根を有するファンと、
前記駆動源側に取り付けられた取付部の貫通孔を貫通する前記回転軸の周囲に環状の磁石ホルダに複数のタブレット状永久磁石がN極とS極が交互に周方向で等間隔に保持され、対向する前記ファンに向かって磁界を発生させる磁界発生部と、
前記磁界発生部に近接して対向配置され、前記ファンの背面側に複数のコイルが周方向に一体に組み付けられたコイルユニットと、
前記ファンを構成する各羽根の露出面のうち少なくとも表面側若しくは背面側を覆って一体に組み付けられ、前記コイルユニットの各コイルと電気的に接続された発熱体と、を具備し、
前記磁界発生部より発生した磁束に前記各コイルが鎖交した状態で、前記駆動源を駆動して前記ファンとともに前記コイルユニットを回転させることで、前記各コイルに誘起された誘導電圧を電源として前記発熱体に通電して発熱させることにより前記ファン全体が加温されることを特徴とする送風機。
【請求項2】
冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機であって、
駆動源と、
前記駆動源の回転軸に連繋して回転駆動される複数の羽根を有するファンと、
前記駆動源側に取り付けられた取付部前方に所定方向に巻かれた複数の電磁コイルが周方向で等間隔に保持され、前記電磁コイルへの通電により対向する前記ファンに向かってN極とS極の電磁石が交互に形成されて磁界を発生させる磁界発生部と、
前記磁界発生部に近接して対向配置され、前記ファンの背面側に複数のコイルが周方向に一体に組み付けられたコイルユニットと、
前記ファンを構成する各羽根の露出面のうち少なくとも表面側若しくは背面側を覆って一体に組み付けられ、前記コイルユニットの各コイルと電気的に接続された発熱体と、を具備し、
前記磁界発生部より発生した磁束に前記各コイルが鎖交した状態で、前記駆動源を駆動して前記ファンとともに前記コイルユニットを回転させることで、前記各コイルに誘起された誘導電圧を電源として前記発熱体に通電して発熱させることにより前記ファン全体が加温されることを特徴とする送風機。
【請求項3】
前記ファンは、熱伝導性の高い樹脂若しくは金属製のファンが用いられる請求項1又は請求項2記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばショーケース、業務用冷蔵庫、輸送トラックなどの冷凍冷蔵装置に用いられる送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から冷凍冷蔵装置に用いられる冷却システムは、圧縮機により蒸気化した冷媒が圧縮されて高圧気体として凝縮器(熱交換部)へ送り込まれる。凝縮器では、送風ファンによって送風されることで冷媒が放熱して高圧液化し、該高圧液化した冷媒が膨張弁により減圧されて蒸発器(熱交換部)へ送り込まれる。蒸発器では、送風ファンによって送風されることで冷媒が蒸発潜熱を排気より吸熱して蒸気化し、蒸発圧力調整弁で低圧気体となって再度圧縮器へ回収されるサイクルを繰り返す。
【0003】
このとき蒸発器では熱交換器を通じて冷媒が吸熱して、排気が冷やされるため、排気中に含まれる水分が、蒸発器や送風ファンに霜となって付着する。蒸発器に霜が付着すると、冷却効率が低下し、送風ファンに霜が付着すると、送風効率が低下する。
よって、蒸発器及び送風ファンの近傍にヒータを設けて、周囲の温度を一時的にあげる除霜運転を行うことで冷却効率を回復させている。
【0004】
例えば、当初は圧縮器の動作を停止状態で自然除霜を行い、着霜量が多い場合には加熱除霜を行う冷却冷蔵庫が提案されている(特許文献1参照)。或いは除霜負荷が少ないときは冷気送風により庫内空気熱源により除霜を行い、除霜負荷が大きくなると除霜ヒータにより除霜を行う冷凍冷蔵庫が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−52878号公報
【特許文献2】特開平8−285440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1及び2に示す冷蔵庫では、蒸発器及び送風ファンの除霜を行うために、ヒータを広範囲に設置する必要があり、製品コストや消費電力が嵩む。
また、ショーケースなどの冷凍冷蔵装置は、庫内を冷却することが目的であり、ヒータの設置及び除霜運転は可能な限り抑えたいという要求があった。
更には、ファンの除霜を行う場合、ファンの外周縁部など熱が伝わり難い部分が存在するため、ファン全体を温めることで着霜を防止するのが望ましい。
【0007】
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、冷凍冷蔵装置において格別な電源を設けることなくファン全体が効率良く発熱して加温することで除霜を行い装置コストや無駄な消費電力の発生を抑えた送風機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機であって、駆動源と、前記駆動源の回転軸に連繋して回転駆動される複数の羽根を有するファンと、前記駆動源側に取り付けられた取付部
の貫通孔を貫通する前記回転軸の周囲に環状の磁石ホルダに複数のタブレット状永久磁石がN極とS極が交互に周方向で等間隔に保持され、対向する前記ファンに向かって磁界を発生させる磁界発生部と、前記磁界発生部に近接して対向配置され、前記ファン
の背面側に複数のコイルが周方向に一体に組み付けられたコイルユニットと、前記ファンを構成する各羽根の露出面のうち少なくとも表面側若しくは背面側を覆って一体に組み付けられ、前記コイルユニットの各コイルと電気的に接続された発熱体と、を具備し、前記磁界発生部より発生した磁束に前記各コイルが鎖交した状態で、前記駆動源を駆動して前記ファンとともに前記コイルユニットを回転させることで、前記各コイルに誘起された誘導電圧を電源として前記発熱体に通電して発熱させることにより前記ファン全体が加温されることを特徴とする。
【0009】
磁界発生部のN極からS極に向かう磁束に対向配置された複数のコイルが鎖交した状態で駆動源を起動してファンを回転駆動させると、コイルユニットがファンと一体となって回転し、各コイルに誘起された誘導電圧を電源として発熱体に通電して発熱させることによりファン全体を加温することができる。特に、ファン外周縁部など熱が伝わり難い部位にも発熱体により加温することができるので、部分的な着霜を防止することができる。 よって、冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機のファン全体を格別な電源を設けることなく効率良く発熱して除霜を行うことで装置コストや無駄な消費電力の発生を抑えることができる。
【0010】
また、冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機であって、駆動源と、前記駆動源の回転軸に連繋して回転駆動される複数の羽根を有するファンと、前記駆動源側に取り付けられた取付部
前方に所定方向に巻かれた複数の電磁コイルが周方向で等間隔に保持され、前記電磁コイルへの通電により対向する前記ファンに向かって
N極とS極の電磁石が交互に形成されて磁界を発生させる磁界発生部と、前記磁界発生部に近接して対向配置され、前記ファン
の背面側に複数のコイルが周方向に一体に組み付けられたコイルユニットと、前記ファンを構成する各羽根
の露出面のうち少なくとも表面側若しくは背面側を覆って一体に組み付けられ、前記コイルユニットの各コイルと電気的に接続された発熱体と、を具備し、前記磁界発生部より発生した磁束に前記各コイルが鎖交した状態で、前記駆動源を駆動して前記ファンとともに前記コイルユニットを回転させることで、前記各コイルに誘起された誘導電圧を電源として前記発熱体に通電して発熱させることにより前記ファン全体が加温されるようにしてもよい。これにより、各コイルに誘起された誘導電圧を電源として発熱体に通電して発熱させることでファン全体を効率良く加温することができる。
【0011】
前記ファンは、熱伝導性の高い樹脂若しくは金属製のファンが用いられるのが望ましい。これにより発熱体に通電して発生した熱エネルギーを羽根全体にわたって効率良く熱伝導させて温めることができるので、冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機の除霜効果を高めることができる。
【0012】
前記磁界発生部の磁束作用面には、永久磁石がN極とS極が交互に周回して配置されていてもよいし、複数の電磁コイルが環状に配置されていてもよい。
いずれによっても、磁界発生部と近接して対向配置される複数のコイルと鎖交する磁束を発生させることができる。尚、磁界発生部に永久磁石を用いる場合には、タブレット状の磁石であってもよいし、環状に連続する永久磁石或いは円盤状の永久磁石などであってもよい。また、電磁コイルは通電方向が同じで巻方向が時計回り方向と反時計回り方向のコイルを組み合わせて設けてもよいし、巻方向が同一のコイルを用いて通電方向が交互に切り替わるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
上述したように冷凍冷蔵装置において格別な電源を設けることなくファン全体が効率良く発熱して加温することで除霜を行い装置コストや無駄な消費電力の発生を抑えた送風機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】送風機の背面図、左側面図、平面図、斜視図及びファンを取り外した分解斜視図である。
【
図4】磁界発生部とコイルユニットを含むファン部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る送風機の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。先ず、一例として冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機を想定して説明する。
図1(A)〜(E)において、送風機1は以下の構成を有している。
設置面に設置されるベース台2に支柱3が起立して組み付けられている。支柱3の上端には、モータ取付フランジ4が一体に組み付けられている。モータ取付フランジ4は、例えばL型の板金が用いられる。モータ取付フランジ4は、取付壁4aを支柱3の上端にねじ5によって固定される(
図1(E)参照)。
【0016】
また、
図2に示すように、モータ6(駆動源)は、水平方向に配置される取付壁4aから起立形成された起立壁4bの背面側に一体に組み付けられる。モータ6は、そのモータ軸(駆動軸)6aを起立壁4bの中央に設けられた貫通孔4cに挿通させてモータ軸側端面を起立壁4bの背面側に位置合わせし、ねじ7をねじ孔4eに挿通させてモータ6の前面側に設けられたねじ孔6bにねじ嵌合させて固定される(
図2参照)。モータ6のモータ軸6aの先端近傍には、複数の羽根(例えば4枚羽根)を有するファン8が一体に組み付けられる。ファン8は、熱伝導性の高い樹脂若しくは金属製のファン(アルミファン等)が用いられるのが望ましいが、後述する発熱体20を備えているため必ずしも熱伝導性や金属製に限定はされない。ファン8は、中心孔8a(
図3参照)にモータ軸6aを挿通させて、前面側からファンボス9をモータ軸6aにねじ嵌合することで一体に組み付けられる(
図1(B)(C)(D)参照)。
【0017】
また、
図1(C)に示すように、モータ取付フランジ4の起立壁4b(取付部)の前面側(モータ6とファン8との間)には、磁界を発生させる磁界発生部10が一体に組付けられている。
図2に示すように、タブレット状の永久磁石10cは磁束作用面がN極とS極とで交互に配置され、環状の磁石ホルダ10dに周方向に等間隔で保持される。磁石ホルダ10dの永久磁石10cを保持する磁束作用面は開口して永久磁石10cが露出するようになっている。磁界発生部10は、ヨーク取付板10aにヨーク10bを重ね合わせ、タブレット状の永久磁石10cが保持された環状の磁石ホルダ10dをヨーク取付板10aと組み合わせて、ねじ11を磁石ホルダ10dのねじ孔10e、ヨーク10bのねじ孔10f及びヨーク取付板10aのねじ孔10gを挿通して起立壁4bのねじ孔4fにねじ嵌合させてモータ取付フランジ4の起立壁4bの前面側に一体に組み付けられる。また、この磁束発生部10は起立壁4bの背面側からねじ12をねじ孔4dを挿通してヨーク取付板10aのねじ孔10hにねじ嵌合させて起立壁4bの両面から組み付けられる。ヨーク取付板10aとしては、例えばアルミ材が用いられ、ヨーク10bとしては磁束通路となる磁性材(例えば鉄板)が用いられる。尚、モータ6の外ケースが鉄等の磁性材であれば、永久磁石10cをモータ6の端面或いは周面に直接吸着固定してもよい。
【0018】
また、
図3に示すように、ファン8の背面側にはコイルユニット13が磁界発生部10に対向配置されて一体に組み付けられる。複数のコイル14はコイルホルダ15の周方向に配列されて、コイルホルダ15に前方に向かって複数突設された突起15aを、ファン8の平板部分に設けられた挿入孔8bに挿入して一体に組み付けられる。また、ファン8の背面側には、4枚設けられた各羽根8cを覆って発熱体20が各々一体に組み付けられている。各発熱体20はコイルユニット13の各コイル14と電気的に接続されている。 よって、モータ6を駆動してファン8とともにコイルユニット13を回転させることで、各コイル14に誘起された誘導電圧を電源として発熱体20に通電して発熱させることができる。発熱体20としては、PTC(Positive Temperature Coefficient)面状発熱ヒータ(例えばフィルムヒータ等)或いは電熱線ヒータ等様々なものが用いられる。尚、コイル14は、コイルホルダ15に収納されることなく、発熱体20と共にファン8に直接組み付けられていてもよい。また、発熱体20は、ファン8の各羽根8cの露出面を覆って設けられていればよく、ファン8の背面側ではなく表面側に設けられていてもよく或いはファン8の両面側に設けられていてもよい。更にはコイル14に接続する発熱体20をファン8の内部に埋設(例えば熱伝導性の高い樹脂によりインサート成形)されていてもよい。
【0019】
モータ取付フランジ4(起立壁4b)に固定された磁界発生部10とファン8に固定されたコイルユニット13とが近接して対向配置された状態の水平断面を
図4に示す。
図4の矢印に示すように、永久磁石10cのN極から発生した磁束は隣設する永久磁石10cのS極に進入するような磁界が形成される。このとき、コイルホルダ15は、磁界発生部10と近接して対向配置されているので、常時磁束がコイル14と鎖交した状態にある。
【0020】
モータ6を起動してファン8を回転駆動することでファン8と一体となってコイルユニット13も回転する。これにより、磁界発生部10より発生した磁束に各コイル14が鎖交しながら回転することで、各コイル14に誘起された誘導電圧を電源として発熱体20に通電して発熱させることによりファン8全体を加温することができる。特に、ファン8の羽根8cの外周縁部など熱が伝わり難い部位にも発熱体20の発熱により加温することができるので、部分的な着霜を防止することができる。よって、冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機1のファン8全体が格別な電源を設けることなく効率良く発熱して除霜を行うことで装置コストや無駄な消費電力の発生を抑えることができる。
【0021】
実験によれば、羽根外径φ150mm程度のアルミ製ファン8を用い、磁束発生部10に外形φ7mm厚さ2mm程度のタブレット状の希土類永久磁石10cを16個配置した磁束発生部10を用い、モータ駆動電圧10Vでモータ6をモータ回転数5300rpmで90秒間回転させたところ、5℃〜8℃程度のファン8の温度上昇が認められた。
よって、冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機1のファン8全体が格別な電源を設けることなく自ら発熱して除霜を行うことで、装置コストや無駄な消費電力の発生を抑えることができる。
【0022】
次に、送風機の他例について
図5及び
図6を参照して説明する。
前述した実施例では、磁界発生部10として永久磁石10cを用いたが、通電用の電磁コイルを用いて磁界を発生させるようにしてもよい。ファン8の背面側に設けられたコイルユニット13(
図5参照)については前述した実施例と同様であるので、説明を援用するものとする。
【0023】
図5において、磁界発生部10は、モータ6が取り付けられたモータ取付フランジ4の起立壁4bの前方に組み付けられる。具体的には、
図6において、モータ取付フランジ4の起立壁4bには環状のコイル取付板16を介して通電用の電磁コイル17が一体に組み付けられる。電磁コイル17は、環状のヨーク18に、時計回り方向及び反時計回り方向に巻かれた電磁コイル17が周方向に交互に等間隔で配置されている。電磁コイル17に通電すると、磁束作用面にN極及びS極の電磁石が交互に形成されて、コイルユニット13の各コイル14と鎖交する磁界が形成される(
図4参照)。尚、電磁コイル17は、同じ向きに巻かれていてもよい。この場合には、1つおきに電流方向を逆向きに流れるように切り替える必要がある。
【0024】
コイル取付板16は、モータ取付フランジ4の起立壁4bの前面に突設された突起4gをガイド孔16aに挿入して位置合わせして重ね合わせ、ねじ19をヨーク18のねじ孔18a及びコイル取付板16のねじ孔16bを挿通して起立壁4bのねじ孔4fにねじ嵌合することで一体に組み付けられる。モータ6は、モータ軸6aを起立壁4bの中央に設けられた貫通孔4cに挿通させてモータ軸側端面を起立壁4bの背面側に位置合わせし、ねじ7をねじ孔4eに挿通させてモータ6のモータ軸側端面に設けられたねじ孔6bにねじ嵌合させて固定される。
【0025】
上記構成によっても、磁界発生部10と対向配置される複数のコイル14と鎖交する磁束を発生させることができる。ファン8は、熱伝導性の高い樹脂若しくは金属製のファンが用いられる。これにより各コイル14に誘起された誘導電圧を電源として発熱体20に通電して発熱させることによりファン8全体が格別な電源を設けることなく効率良く発熱して加温することができるので、冷凍冷蔵装置の蒸発器に配置される送風機1の除霜効果を高めることができる。
【0026】
尚、駆動源であるモータ6は、ブラシ付きモータであってもブラシレスモータであっても、或いはAC同期モータであってもよい。
また、磁石ホルダ10cに周方向に配置される永久磁石10cやヨーク18に周方向に配置される電磁コイル17、更にはこれらに対向配置されるコイルホルダ15に保持されるコイル14は、周方向に1列配置に限らず複数列に配置してもよい。
また、永久磁石10cはタブレット状の磁石に限らず、N極とS極が隣接して円環状に連続する環状の永久磁石或いは円盤状の永久磁石であってもよい。
また、発熱体20に代えてLED素子をコイル14に接続することで、ファン8を発光させることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 送風機 2 ベース台 3 支柱 4 モータ取付フランジ 4a 取付壁 4b 起立壁 4c 貫通孔 4d,4e,4f,6b,10e,10f,10g, 16b,18b ねじ孔 4g 突起 5,7,11,12,19 ねじ 6 モータ 6a モータ軸 6b ケース端面 8 ファン 8a,18a 中心孔 8b 挿入孔 8c 羽根 9 ファンボス 10 磁界発生部 10a ヨーク取付板 10b,18 ヨーク 10c 永久磁石 10d 磁石ホルダ 13 コイルユニット 14 コイル 15 コイルホルダ 15a 突起 16 コイル取付板 16a ガイド孔 17 電磁コイル 18 取付板 20 発熱体