(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、単にユーザの呼気中のアルコール濃度を測定しただけでは、当該ユーザが実際にどのような状態であったのかは不明である。例えば、各人の酔い方には(飲酒量が同じであったとしても)個人差があり、また、どのように飲酒したかによっても酔い方が異なる場合がある。
そこで、本発明は、ユーザの状態の変化を当該ユーザの過去の生体情報の変化に基づいて報知することを可能にする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ユーザの状態を示す生体情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された生体情報のある期間における変化を付加情報と関連付けて記録する記録部と、前記取得部により新たに取得された生体情報の変化が前記記録部により記録された生体情報の変化と共通の傾向を示す場合に、当該生体情報と関連付けて記録された付加情報に応じた情報を出力するように制御する出力制御部とを備える情報処理装置を提供する。
【0006】
前記付加情報は、前記生体情報が得られた後に前記ユーザにより入力された情報であってもよい。
前記情報処理装置は、所定のタイミングで前記ユーザに前記付加情報の入力を促すユーザインタフェース部を備えてもよい。
前記付加情報は、前記生体情報が得られたときの前記ユーザの位置に関連する情報であってもよい。
前記記録部は、前記取得部により取得された生体情報の変化が特定のパターンを示した場合に、当該パターンと前記付加情報とを記録してもよい。
前記出力制御部は、前記ユーザの体調の維持又は向上に資する情報を出力してもよい。
前記生体情報は、前記ユーザの呼気ガス、皮膚ガス又は体液のアルコール濃度を表す情報であってもよい。
【0007】
また、本発明は、前記情報処理装置と、前記生体情報を測定するセンサとを備える行動支援システムを提供する。
【0008】
また、本発明は、情報処理装置において、ユーザの状態を示す生体情報を取得する第1ステップと、前記第1ステップにおいて取得された生体情報のある期間における変化を付加情報と関連付けて記録する第2ステップと、前記第1ステップの後に新たに取得された生体情報の変化が前記第2ステップにおいて記録された生体情報の変化と共通の傾向を示す場合に、当該生体情報と関連付けて記録された付加情報に応じた情報を出力するように制御する第3ステップとを実行する行動支援方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、コンピュータに、ユーザの状態を示す生体情報を取得する第1ステップと、前記第1ステップにおいて取得された生体情報のある期間における変化を付加情報と関連付けて記録する第2ステップと、前記第1ステップの後に新たに取得された生体情報の変化が前記第2ステップにおいて記録された生体情報の変化と共通の傾向を示す場合に、当該生体情報と関連付けて記録された付加情報に応じた情報を出力するように制御する第3ステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの状態の変化を当該ユーザの生体情報の変化に基づいて報知することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施例]
図1は、本発明の一実施例である行動支援システム10の全体構成を示すブロック図である。行動支援システム10は、ウェアラブルセンサ100とユーザ端末200とを含んで構成される。
【0013】
行動支援システム10は、生体情報に基づいてユーザの行動を支援するための情報処理システムである。本発明において、生体情報とは、生体(ここではユーザ)の状態を示す情報をいう。生体情報は、典型的には、生体を直接測定し、又は生体に由来する物質を測定することにより得られる情報である。生体に由来する物質とは、呼気ガス、皮膚ガス(皮膚表面から放出されるガス)、血液、汗、唾液、涙液などであるが、ここに列挙したものに限定されない。生体情報は、例えば、このような物質に含まれる特定の成分の量や割合を示す情報である。
【0014】
生体情報の具体例としては、生体ガス(呼気ガス又は皮膚ガス)に含まれるアルコール(特にエタノール)、アセトン、イソプレン、アンモニア、水素、メタン、一酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、硫化水素、メチルカプタン、ホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン、ノニナールなどの濃度を挙げることができる。また、生体情報は、体温、心拍数、血圧値、血糖値、発汗量などを含み得る。ただし、本実施例における生体情報は、生体ガスに含まれるアルコールの濃度(以下単に「アルコール濃度」という。)であるとする。
【0015】
本実施例において、行動支援システム10は、ユーザのアルコールの摂取による体調や気分の変化を生体情報とともに記録し、記録した情報を用いてユーザに注意を喚起することができるように構成されている。具体的には、行動支援システム10は、過度の飲酒などによってユーザが体調を崩したときの生体情報の変化を記録し、その後、生体情報が体調を崩したときと同様に変化すると判断した場合にユーザに注意を喚起する、というように動作するものである。
【0016】
ウェアラブルセンサ100は、生体情報を測定するための通信機器である。ウェアラブルセンサ100は、人体の所定の部位に装着できるように構成され、当該部位においてアルコール濃度を測定する。なお、生体ガスの成分を測定するセンサには、周知のセンサを用いることが可能である。ウェアラブルセンサ100は、測定した生体情報をユーザ端末200に送信する。なお、ウェアラブルセンサ100は、ユーザの日常生活の妨げにならないように、できるだけ小型であることが望ましい。あるいは、ウェアラブルセンサ100は、メガネ型などのウェアラブルデバイスに内蔵されたり、衣服に埋め込まれたりといったように、ユーザが身に付けるものに組み込まれていてもよい。
【0017】
ユーザ端末200は、ウェアラブルセンサ100と通信可能な通信機器であり、本発明に係る情報処理装置の一例である。ユーザ端末200は、例えば、スマートフォンやタブレット端末であるが、これらに限定されるものではなく、表示機能及び通信機能を有する携帯音楽プレーヤや携帯ゲーム機であってもよい。
【0018】
図2は、ユーザ端末200のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、入力部240と、出力部250とを備える。なお、ユーザ端末200は、
図2に示す構成のほかに、ユーザの注意を喚起するための通知手段としてバイブレータやLED(Light Emitting Diode)ライトを備えてもよく、また、GPS(Global Positioning System)などの測位機能を用いてユーザの位置を特定できるように構成されてもよい。
【0019】
制御部210は、ユーザ端末200の各部の動作を制御する手段である。制御部210は、CPU(Central Processing Unit)、アプリケーションプロセッサなどの演算処理装置とメモリ(主記憶装置)とを備え、プログラムを実行することによってユーザ端末200の各部の動作を制御する。
【0020】
記憶部220は、データを記憶する手段である。記憶部220は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶媒体を備え、この記憶媒体にデータを記憶する。記憶部220は、制御部210に用いられるデータ(プログラムなど)を記憶することができる。なお、記憶部220は、いわゆるメモリカードのような着脱可能な記憶媒体を含んでもよい。
【0021】
通信部230は、ウェアラブルセンサ100とデータを送受信する手段である。通信部230は、通信チップやアンテナを備え、ウェアラブルセンサ100との通信方式に応じた変調及び復調を行ってデータを送受信する。ウェアラブルセンサ100との通信方式としては、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)などが考えられる。なお、通信部230は、ウェアラブルセンサ100と有線接続してもよいし、インターネットなどのネットワークを介してデータを送受信してもよい。
【0022】
入力部240は、情報を入力する手段である。入力部240は、例えば、キーパッドやタッチスクリーンディスプレイのセンサ部である。なお、ここでいう入力は、ユーザが手で行うものに限定されず、音声入力などであってもよい。すなわち、入力部240は、マイクロホンを含んでもよい。
【0023】
出力部250は、情報を出力する手段である。出力部250は、例えば、液晶ディスプレイやスピーカを含む。また、出力部250は、上述したタッチスクリーンディスプレイのように入力部240と一体に構成されてもよい。
【0024】
図3は、ユーザ端末200の機能的構成を示すブロック図である。ユーザ端末200は、所定のプログラムを実行することにより、第1取得部201、第2取得部202、UI(User Interface)部203、記録部204、パターンDB(database)205、比較部206及び出力制御部207を実現することができる。
【0025】
第1取得部201は、生体情報を取得する手段である。第1取得部201は、通信部230を介して、ウェアラブルセンサ100から生体情報を取得する。一方、第2取得部202は、付加情報を取得する手段である。付加情報は、ユーザの入力に基づいて生体情報とともに記録される情報である。付加情報は、例えば、ユーザがソーシャルメディア(ブログ、SNS(Social Networking Service)など)に投稿したメッセージに基づいて生成される。また、付加情報は、いわゆるライフログであってもよい。ここにおいて、ライフログとは、ユーザの生活や行為を電子的に記録したものをいう。ライフログは、例えば、運動、移動、食事などの記録を含み得る。ライフログは、ユーザが自ら入力するものであってもよいし、ユーザ端末200によって自動的に(すなわちユーザの入力によらずに)記録されるものであってもよい。
【0026】
UI部203は、ユーザインタフェースを提供し、ユーザとの間で情報をやり取りする手段である。UI部203は、ユーザの入力を受け付けるとともに、ユーザに通知すべき情報を出力(表示等)する。また、UI部203は、所定のタイミングでユーザに付加情報の入力を促すように構成されてもよい。
【0027】
記録部204は、生体情報及び付加情報を記録する手段である。本実施例において、記録部204は、所定の期間における生体情報の変化を示すデータを記録する。このデータのことを、以下においては「パターンデータ」という。記録部204は、パターンデータを付加情報と関連付けて記録する。
【0028】
パターンDB205は、パターンデータと付加情報の組み合わせを複数記憶したデータベースである。すなわち、パターンDB205には、ユーザの過去の生体情報が記録されている。パターンDB205に記録されたパターンデータは、比較部206によって参照される。
【0029】
比較部206は、生体情報を比較する手段である。比較部206は、第1取得部201により取得され、記録部204に記録される前の生体情報と、記録部204に既に記録されている生体情報(すなわちパターンデータ)とを比較し、新たに取得された生体情報の変化と共通の傾向を示すパターンデータがあるか否かを判断する。
【0030】
出力制御部207は、情報の出力を制御する手段である。特に、出力制御部207は、比較部206による比較結果に応じた情報の出力を制御する。出力制御部207は、新たに取得された生体情報の変化と共通の傾向を示すパターンデータがある場合には、当該パターンデータと関連付けてパターンDB205に記録されている付加情報に応じた情報を出力するように制御を行う。この場合において出力される情報は、付加情報を用いて生成されるが、付加情報そのものであってもよい。
【0031】
行動支援システム10の構成は、以上のとおりである。ユーザは、このような構成の行動支援システム10を用いることにより、生体情報が過去のある期間と同様に変化した場合に、その旨を知ることができるようになる。上述したように、本実施例における生体情報は、アルコール濃度である。したがって、本実施例においては、ユーザは、過去に飲酒によって気分や体調を害し、そのときと同じように変化する生体情報が測定された場合に、飲酒に対する注意を喚起するメッセージを受け取ることができる。
【0032】
ユーザ端末200は、ユーザへの通知を実現するために、以下に示す記録処理と比較処理とを実行する。これらの処理は、生体情報が測定されている間、継続的に並列して実行される。
【0033】
図4は、記録処理の一例を示すフローチャートである。この記録処理において、ユーザ端末200の制御部210は、ウェアラブルセンサ100により送信された生体情報を逐次取得する(ステップSa1)。次いで、制御部210は、生体情報の変化が特定の特徴的なパターンを示しているか否かを判断する(ステップSa2)。例えば、制御部210は、所定の時間内にアルコール濃度が所定の閾値以上変化(上下動)した場合に、特定のパターンを示したと判断する。
【0034】
生体情報の変化が特定のパターンを示した場合(ステップSa2:YES)、制御部210は、付加情報を取得する(ステップSa3)。制御部110は、例えば、生体情報が特定のパターンで変化してから所定の時間内にユーザがソーシャルメディアにメッセージを投稿した場合に、当該メッセージの一部又は全部を付加情報として用いる。ここでいうメッセージは、例えば、「二日酔いで気持ち悪い」といったように、生体情報の変化に関連するユーザの気分や感情を表すものが想定されている。制御部210は、投稿されたメッセージに対して構文解析などの自然言語処理を実行し、当該メッセージから特定の語句を抽出して付加情報としてもよい。
【0035】
また、制御部210は、付加情報の入力をユーザに促してもよい。例えば、制御部210は、生体情報の変化が特定のパターンを示した場合に「今の気分はどうですか?」といった質問をユーザに行う。このとき、制御部210は、「良い」、「悪い」、「普通」といった選択肢を提示し、ユーザに選択肢のいずれかを選ばせてもよい。このような場合、制御部210は、ユーザが特定の選択肢(例えば「悪い」)を選択した場合のパターンデータのみを記録してもよい。また、制御部210は、ユーザが選んだ選択肢に基づいて、より詳細な情報を得るための質問を行ってもよい。
【0036】
付加情報を取得したら、制御部210は、取得した一連の生体情報(すなわち、特定のパターンを示す生体情報の一群)をパターンデータとして記憶部220に記録する(ステップSa4)。このとき、制御部210は、取得した付加情報を当該パターンデータと関連付けて記録する。
【0037】
なお、制御部210は、生体情報の変化が特定のパターンを示さない場合には(ステップSa2:NO)、パターンデータを記録せずに生体情報の取得を続行する。すなわち、本実施例においては、生体情報が常に記録されるのではなく、特定の条件を満たした場合にのみ記録される。ただし、制御部210は、生体情報を常時記録してもよい。
【0038】
図5は、比較処理の一例を示すフローチャートである。この比較処理において、制御部210は、ウェアラブルセンサ100により送信された生体情報を逐次取得する(ステップSb1)。この処理は、記録処理のステップSa1と共通の処理である。制御部210は、生体情報を取得したら、記憶部220に記憶されているパターンデータと比較を行う(ステップSb2)。制御部210は、直近の所定期間(例えば、30分間)に測定された生体情報をパターンデータと比較する。なお、制御部210は、パターンデータが記憶部220に複数記憶されている場合には、複数のパターンデータのそれぞれと比較を行う。
【0039】
ここで、制御部210は、直近の生体情報の変化がパターンデータと共通の傾向を示すか否かを判断する(ステップSb3)。直近の生体情報の変化がパターンデータと共通の傾向を示す場合(ステップSb3:YES)、制御部210は、その共通するパターンデータに関連付けられた付加情報を参照してメッセージを生成及び出力する(ステップSb4)。一方、生体情報の変化がパターンデータと共通の傾向を示さない場合(ステップSb3:NO)、制御部210は、メッセージを出力せずにステップSb1以降の処理を繰り返す。
【0040】
なお、生体情報の変化がパターンデータと共通の傾向を示す場合とは、双方の生体情報の変化が完全に一致することを要するものではなく、一定のレベル以上に類似すれば足りるものとする。
【0041】
図6は、本実施例の動作の一例を示す模式図である。ここにおいて、曲線C1は直近の生体情報の変化を示し、曲線C2は曲線C1と共通の傾向を示すパターンデータを示している。この例に示すように、パターンデータと比較される生体情報は、当該パターンデータと同じ期間分である必要はなく、一部の期間分でよい。すなわち、制御部210は、曲線C1で示すように生体情報が変化した場合に、曲線C2が測定された場合と同様の変化が生じると予測してメッセージを出力する。
【0042】
図7は、付加情報とメッセージの一例を示す図である。例えば、
図6の曲線C2で示すパターンデータが得られたときに、ユーザが「二日酔い」というキーワードを含むメッセージをソーシャルメディアに投稿していたとする。この場合、制御部210は、「二日酔い」というキーワードをパターンデータと関連付けて記録する。このような場合に出力されるメッセージは、例えば、「過去の傾向から、このまま飲み続けると『二日酔い』になります。注意してください。」といったものである。あるいは、制御部210は、付加情報を含むことなく、単に「飲みすぎに注意!」といったあらかじめ決められたメッセージ(定型文)を出力してもよい。
【0043】
また、制御部210は、ユーザの体調の維持又は向上に資する情報をメッセージとして出力してもよい。例えば、制御部210は、アルコールの分解を促進する効能を有する商品の情報(広告)を表示したり、当該商品を購入できる店舗を案内したりしてもよい。制御部210は、このようなメッセージを複数出力してもよい。
【0044】
さらに、制御部210は、このようなメッセージが実際に役に立ったか否かをユーザに問い合わせてもよい。例えば、制御部210は、メッセージの出力後、適当なタイミング(例えば1日後)において、「情報はお役に立ちましたか?」といったメッセージを表示し、ユーザに回答(「はい」又は「いいえ」)の入力を促す。制御部210は、複数の商品の情報を表示した場合には、当該複数の商品のそれぞれについて回答を入力させてもよい。制御部210は、ユーザから得られた回答をその後に出力するメッセージに反映させてもよい。例えば、制御部210は、ユーザの回答が肯定的であった商品の情報を優先的に表示してもよい。
【0045】
以上のとおり、本実施例の行動支援システム10によれば、ユーザの状態の変化を当該ユーザの過去の生体情報の変化に基づいて報知することが可能であり、当該ユーザの状態が望ましくない方向に変化することを抑制するようにユーザの行動を支援することが可能である。ユーザは、自身の過去の経験に基づいたメッセージを得ることができるため、生体情報の変化に対する個人差(耐性など)の影響を少なくすることが可能である。
【0046】
[変形例]
上述した実施例は、本発明の実施の一態様である。本発明は、この実施例の態様に限らず、以下に示す他の態様でも実施することが可能である。なお、以下に示す変形例は、必要に応じて、各々を適宜組み合わせることも可能である。
【0047】
(1)心拍数や生体ガス中のアセトンの濃度には、運動負荷との相関が認められる。これを利用して、ユーザ端末200は、心拍数や生体ガス中のアセトンの濃度に基づいて運動負荷を判定し、判定結果に応じた通知(過剰な運動に対する警告など)を行うようにしてもよい。このような場合、付加情報としては、筋肉痛になったことや怪我をしたことなどが記録される。
【0048】
(2)付加情報は、診療情報を含んでもよい。ここにおいて、診療情報とは、ユーザの既往歴や治療・投薬の内容などを記録した情報をいい、電子カルテともいう。例えば、ユーザ端末200は、生体情報の変化が特徴的なパターンを示した場合において、医師によって風邪であると診断されたとき、診療情報を付加情報として記録する。
【0049】
また、付加情報は、音声入力によって得られてもよい。この場合、ユーザ端末200は、ユーザの入力音声を解析し、所定のキーワードを認識するよう構成される。例えば、ユーザ端末200は、アルコール濃度の変化が特定のパターンを示した場合において、ユーザの入力音声から「気持ち悪い」、「苦しい」といったキーワードを認識したとき、酩酊状態であると判定し、このキーワードを付加情報として記録してもよい。なお、ユーザ端末200は、キーワードを(1回ではなく)所定の回数認識した場合に酩酊状態であると判定してもよい。
【0050】
(3)付加情報は、関連付けられるパターンデータが測定された位置に関連する情報を含んでもよい。このような情報としては、測位機能によって得られる位置情報(緯度・経度など)のほか、当該位置にある店舗や施設の情報が考えられる。ユーザ端末200は、ユーザにメッセージを通知するときにこれらの情報を含めてもよい。このようにすれば、ユーザが自らの体調等が変化した場所についての情報も得ることができるため、そのときの状況をより思い出しやすくすることが可能である。あるいは、ユーザ端末200は、位置情報に応じたメッセージを通知してもよい。例えば、ユーザ端末200は、居酒屋において(飲酒によって)生体情報が変化した場合には、飲酒に関するメッセージ(飲酒を控える旨の警告など)を通知する一方で、運動施設において(運動によって)生体情報が変化した場合には、運動に関するメッセージ(適度な運動を行うためのアドバイスなど)を通知するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザの位置(場所)により適したメッセージを通知することが可能になり、メッセージを場所に応じてカスタマイズすることが可能になる。
【0051】
(4)本発明において、生体情報の測定対象と情報の通知対象は同一である必要はない。したがって、本発明は、人間以外の生体を測定対象としてもよい。例えば、本発明は、ペットや家畜の生体情報を測定し、測定結果に応じた情報を飼い主に通知するように構成されてもよい。
【0052】
(5)本発明は、上述したウェアラブルセンサ100とユーザ端末200を一体にした構成でも実施可能である。また、本発明は、上述したユーザ端末200の一部の構成要素を別の装置が備える構成でも実施可能である。例えば、本発明は、スマートフォン等の第1の装置と、当該装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置等の第2の装置とを備え、
図3に示した構成を第1の装置と第2の装置とによって実現してもよい。具体的には、本発明は、第1の装置が第1取得部201、第2取得部202、UI部203、記録部204及び出力制御部207を備え、第2の装置がパターンDB205及び比較部206を備える構成とすることも可能である。
【0053】
また、本発明は、情報処理装置のほか、情報処理装置を含む行動支援システム、コンピュータ(CPU等)を情報処理装置として機能させるためのプログラム、ユーザの行動を支援する方法などの形態でも提供可能である。また、このプログラムは、光ディスクなどの記録媒体に記録した形態や、インターネットなどのネットワークを介して所定の装置にダウンロードされ、これをインストールすることで利用可能になる形態などでも提供可能である。