特許第6509076号(P6509076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509076
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】ブラスト装置
(51)【国際特許分類】
   B24C 9/00 20060101AFI20190422BHJP
【FI】
   B24C9/00 B
   B24C9/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-165566(P2015-165566)
(22)【出願日】2015年8月25日
(65)【公開番号】特開2017-42854(P2017-42854A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2018年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】515234130
【氏名又は名称】株式会社イヤマトータルブリッジサポート
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】山本 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮
(72)【発明者】
【氏名】亀岡 泰行
【審査官】 須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−025917(JP,U)
【文献】 特開2008−307675(JP,A)
【文献】 国際公開第98/054071(WO,A1)
【文献】 特開平11−207624(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第2006−0027393(KR,A)
【文献】 特開平06−063867(JP,A)
【文献】 特開2003−305650(JP,A)
【文献】 特開2012−016651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研掃材を噴出するための噴出用ホースと連通する供給口をタンク下部に備え、該研掃材を貯留する貯留タンクと、
該貯留タンクの供給口から供給された研掃材を、圧縮空気により前記噴出用ホースを介して噴出させるエア供給手段と、
前記噴出用ホースから噴出された使用済みの研掃材と該噴出により生じた粉塵とを、吸引用ホースを介して吸引する吸引手段と、
該吸引用ホースで吸引された使用済みの研掃材と粉塵とを分別する分別手段と、該分別手段の下方に設けられ、分別された研掃材を貯留する回収材貯留域とをタンク内部に備え、前記貯留タンクの上部に設けられた連通口を介して該貯留タンクと回収材貯留域とが連通された回収タンクと
を備えたブラスト装置において、
前記回収タンクは、
前記吸引用ホースと連通され、該吸引用ホースにより吸引された使用済みの研掃材および粉塵を該回収タンク内の上部空域へ流入させる吸引口と、
該回収タンク内の上部空域と連通され、前記分別手段により分別された粉塵が排出される排出口とを備え、
前記吸引手段は、
前記排出口を介して回収タンク内の上部空域に負圧を生じさせることにより、吸引用ホースを介して使用済みの研掃材と粉塵とを吸引し、且つ該排出口を介して該回収タンク外へ該粉塵を排出するように設けられ、
前記分別手段は、
前記回収タンク内の上部空域に、前記吸引口と対向するように配設され、該吸引口から流入した使用済みの研掃材および粉塵が衝突する衝突板を備え、
該衝突板への衝突により、該衝突板の下方の回収材貯留域に落下させる使用済みの研掃材と、前記吸引手段により前記排出口から排出される粉塵とに分別するものであり、
さらに、前記貯留タンクの連通口を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置とに位置変換可能に設けられた開閉弁と、
前記貯留タンクの内圧を、前記開閉弁を開放位置で保持させる常圧と、該開閉弁を閉鎖位置で保持させる高圧とに変換するものであって、該内圧を常圧とすることで、該開閉弁を開放位置で保持させて、前記回収タンクの回収材貯留域から該貯留タンクへ研掃材を流入可能とする一方、該内圧を高圧とすることで、該開閉弁を閉鎖位置で保持させて、該回収材貯留域から該貯留タンクへ研掃材を流入不能とする内圧変換手段と、
該貯留タンクに貯留された研掃材の貯留量を検知する貯留量検知手段と、
該貯留量検知手段により検知した研掃材の貯留量を報知する貯留量報知手段と、
前記回収タンクの回収材貯留域に貯留された使用済み研掃材の貯留量を検知する回収量検知手段と、
前記吸引手段による研掃材および粉塵の吸引中に、該回収量検知手段により検知した該研掃材の貯留量が所定の上限量に達すると、該吸引手段による吸引を強制的に停止する強制停止手段と
を備えていることを特徴とするブラスト装置。
【請求項2】
回収タンクは、
その内部の、衝突板の下方に、研掃材を通過可能とし且つ該研掃材よりも大きな回収物を通過不能とする網目状のスクリーンを備えていることを特徴とする請求項1に記載のブラスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁などの屋外の構造物の塗装を除去する作業に用いられるブラスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁などの屋外の構造物は、その外表面に塗装が施されており、耐候性を向上させている。しかし、長期に亘って屋外にあるため、汚れ、錆、塗膜の劣化などが生じる。そのため、定期的に、古い塗装を除去して新しい塗装を施す保全作業が行われる。この保全作業にあって、古い塗装の除去作業には、一般的にブラスト作業が行われる。ブラスト作業は、研掃材を噴出することにより、古い塗装を除去できると共に、素地を粗面化して下地処理を行うことができる。こうしたブラスト作業では、噴出した研掃材や除去した塗膜の粉塵などが飛散することから、これらを回収する必要がある。
【0003】
上記のブラスト作業に適用されるブラスト装置として、例えば特許文献1の構成が提案されている。かかる構成は、噴出した研掃材と粉塵とを吸引し、該研掃材と粉塵とを分別し、該研掃材を再利用するようにしたものである。このブラスト装置は、研掃材を貯留する貯留タンクと、使用済みの研掃材と粉塵とを回収する回収タンクとを備え、該回収タンク内で、該研掃材と粉塵とを分別する。そして、分別した研掃材を貯留タンクへ送る。このように研掃材を循環させることにより、連続してブラスト作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−207624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したように、使用済みの研掃材と粉塵とを回収して分別し、該研掃材を再利用する従来構成にあって、ブラスト作業を効率的に行うためには、貯留タンク内に研掃材を安定供給すること、使用済みの研掃材と粉塵との分別を安定して行うこと等が必要である。ここで、例えば、連続して研掃材を噴出することで貯留タンク内に研掃材が無くなると、実質的にブラスト作業が強制中断され、作業効率が低減する。一方、装置の特性や分別手段の特性などによって、使用済みの研掃材と粉塵との分別が不安定となる場合があり、この場合に該研掃材と粉塵とが混ざってしまうと、機器の故障や作業効率の低減などの問題が生ずる。こうした問題の解決手段については、上述した従来鋼製に何ら開示されていないことから、該問題の発生を抑制でき、効率的に作業を行い得る構成が希求されていた。
【0006】
本発明は、ブラスト作業と、研掃材や粉塵を回収する作業とを安定かつ効率的に行い得るブラスト装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、研掃材を噴出するための噴出用ホースと連通する供給口をタンク下部に備え、該研掃材を貯留する貯留タンクと、該貯留タンクの供給口から供給された研掃材を、圧縮空気により前記噴出用ホースを介して噴出させるエア供給手段と、前記噴出用ホースから噴出された使用済みの研掃材と該噴出により生じた粉塵とを、吸引用ホースを介して吸引する吸引手段と、該吸引用ホースで吸引された使用済みの研掃材と粉塵とを分別する分別手段と、該分別手段の下方に設けられ、分別された研掃材を貯留する回収材貯留域とをタンク内部に備え、前記前記貯留タンクの上部に設けられた連通口を介して該貯留タンクと回収材貯留域とが連通された回収タンクとを備えたブラスト装置において、前記回収タンクは、前記吸引用ホースと連通され、該吸引用ホースにより吸引された使用済みの研掃材および粉塵を該回収タンク内の上部空域へ流入させる吸引口と、該回収タンク内の上部空域と連通され、前記分別手段により分別された粉塵が排出される排出口とを備え、前記吸引手段は、前記排出口を介して回収タンク内の上部空域に負圧を生じさせることにより、吸引用ホースを介して使用済みの研掃材と粉塵とを吸引し、且つ該排出口を介して該回収タンク外へ該粉塵を排出するように設けられ、前記分別手段は、前記回収タンク内の上部空域に、前記吸引口と対向するように配設され、該吸引口から流入した使用済みの研掃材および粉塵が衝突する衝突板を備え、該衝突板への衝突により、該衝突板の下方の回収材貯留域に落下させる使用済みの研掃材と、前記吸引手段により前記排出口から排出される粉塵とに分別するものであり、さらに、前記貯留タンクの連通口を開放する開放位置と閉鎖する閉鎖位置とに位置変換可能に設けられた開閉弁と、前記貯留タンクの内圧を、前記開閉弁を開放位置で保持させる常圧と、該開閉弁を閉鎖位置で保持させる高圧とに変換するものであって、該内圧を常圧とすることで、該開閉弁を開放位置で保持させて、前記回収タンクの回収材貯留域から該貯留タンクへ研掃材を流入可能とする一方、該内圧を高圧とすることで、該開閉弁を閉鎖位置で保持させて、該回収材貯留域から該貯留タンクへ研掃材を流入不能とする内圧変換手段と、該貯留タンクに貯留された研掃材の貯留量を検知する貯留量検知手段と、該貯留量検知手段により検知した研掃材の貯留量を報知する貯留量報知手段と、前記回収タンクの回収材貯留域に貯留された使用済み研掃材の貯留量を検知する回収量検知手段と、前記吸引手段による研掃材および粉塵の吸引中に、該回収量検知手段により検知した該研掃材の貯留量が所定の上限量に達すると、該吸引手段による吸引を強制的に停止する強制停止手段とを備えていることを特徴とするブラスト装置である。
【0008】
かかる構成にあっては、吸引用ホースを介して回収タンク内に回収された使用済みの研掃材と粉塵とを、衝突板に衝突させることによって、該衝突直前まで該研掃材と粉塵とが有していたエネルギーを、急激に且つ著しく低減させ、比較的重量のある該研掃材を落下させると共に、比較的軽量な該粉塵を該回収タンクの上部空域で舞い上がらせる。これにより、研掃材を、衝突板の下方に設けられた回収材貯留域に貯留すると共に、粉塵を、排出口から排出することができ、該研掃材と粉塵とを確実に分別できる。
一方、本発明の構成は、貯留タンク内の研掃材を噴出用ホースを介して噴出する際に、貯留タンクの内圧を高圧として開閉弁を閉鎖位置に保持する。これにより、貯留タンク内の研掃材を供給口を介して安定供給できることから、ブラスト作業を安定して行うことができる。
【0009】
ブラスト作業と並行して、使用済みの研掃材と粉塵とを回収(吸引)する作業(以下、回収作業という)を実行する場合には、開閉弁が閉鎖位置で保持されていることから、上記のように分別された研掃材が回収タンクの回収材貯留域に貯留していく。
ここで、本発明の構成のように、回収し分別した研掃材を回収タンク内に貯留する構成の場合には、該回収タンク内の研掃材を貯留タンクへ流出しなければ、回収作業に伴って該回収タンク内に貯留される研掃材の貯留量が増加していく。こうした貯留量の増加に従って、回収タンク内では、研掃材が貯留されていない上部の空域の容積が序々に減少する。そして、仮に、回収タンク内で貯留可能な上限量が設定されていない場合には、研掃材の貯留量が該上限量を越えて回収タンク内の上部空域までに達すると、該上部空域に生じる負圧が増大して、研掃材までも、粉塵と同様に排出口から排出されてしまう。これでは、実質的に研掃材と粉塵とを分別できないことになる。さらに、研掃材が排出口から排出されると、吸引手段の故障が発生したり、該研掃材が粉塵等の廃棄物に混ざるために該廃棄物の量が増大してしまう。こうした問題は、回収タンク内で、研掃材と粉塵との分別が安定して実行できないことに基づく。そして、こうした問題は、作業効率の低下につながる。
本発明の構成は、衝突板を備えた分別手段で発生し得る前述の問題を、回収量検知手段と強制停止手段とを備えることで解決できる。すなわち、回収材貯留域に貯留された研掃材の貯留量が上限量を超えると、吸引手段による吸引を強制的に停止することから、研掃材が排出口から排出してしまうことを防止できる。これにより、前述した吸引手段の故障や廃棄物の増大という問題の発生を防止できる。ここで、研掃材の貯留量が上限量を越えた場合には、回収作業が強制的に中断されてしまうものの、研掃材と粉塵との分別が不安定となることで生ずる前記問題を防止できれば、回収作業を安定して実行でき、作業効率も高い。尚、前記の上限量としては、回収材貯留域に貯留された研掃材が排出口から排出せず且つ可及的に多くの該研掃材が貯留される量として、適宜設定できる。少なくとも、貯留された研掃材が、衝突板よりも下方となるように、上限量を設定することを要する。また、吸引手段による吸引の強制停止としては、該吸引手段自体の吸引を停止することだけでなく、吸引用ホースを介した吸引を停止することも含む。
【0010】
さらに、本発明の構成は、貯留量検知手段と貯留量報知手段とを備えることから、作業者が貯留タンク内における研掃材の貯留量を容易かつ正確に知り得る。これにより、連続してブラスト作業を行う際に、前記貯留量を確認できることから、ブラスト作業中に研掃材の貯留量が無くなることで強制的に作業を中断しなけらばならない状況を、回避できる。すなわち、貯留タンク内の貯留量が無くなる前に、作業都合に合わせてブラスト作業を一端停止し、回避タンクの回収材貯留域から研掃材を補充できる。これにより、ブラスト作業を効率的に継続して行うことができる。尚、貯留タンクは、上記のようにブラスト作業の際に内圧を掛けることから、圧力容器として設計されている。そのため、従来の、貯留量検知手段や貯留報知手段を備えていない構成の場合には、研掃材の貯留量を作業者の経験によって判断することしかできないという問題があった。こうした問題も、本発明の構成では解決できる。
【0011】
上述した本発明のブラスト装置にあって、回収タンクは、その内部の、衝突板の下方に、研掃材を通過可能とし且つ該研掃材よりも大きな回収物を通過不能とする網目状のスクリーンを備えている構成が提案される。
【0012】
かかる構成によれば、使用済みの研掃材や粉塵を吸引する際に、該研掃材よりも大きな塊状の回収物を回収しても、該回収物が貯留タンクへ流入してしまうことを防止できる。これにより、貯留タンク内へ研掃材のみを補充できる。このように本構成は、比較的大きな回収物を回収してしまった場合に、該回収物を分別することができるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のブラスト装置は、上述したように、回収量検知手段と強制停止手段とを備えることによって、衝突板を用いた分別手段による使用済みの研掃材と粉塵との分別を安定して行うことができるため、両者が混ざってしまうことで生ずる問題を解決できる。また、貯留量検知手段と貯留量報知手段とを備えることから、貯留タンクにおける研掃材の貯留量を作業者が容易かつ正確に知得でき、これに基づいて該貯留タンクに研掃材を安定して供給可能である。したがって、本発明の構成によれば、ブラスト作業と回収作業とを効率的に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施例のブラスト装置1を示す正面図である。
図2】ブラスト装置1の構造を示す概略説明図である。
図3】貯留タンク11と回収タンク12とを示す部分断面図である。
図4】操作表示部62の正面図である。
図5】(a)ブラスト作業を開始した状態と、(b)該ブラスト作業と回収作業とを並行して実行中の状態とを示す説明図である。
図6】(a)貯留タンク11内の研掃材の貯留量が低下した状態と、(b)ブラスト作業を中断して研掃材を補充する状態とを示す説明図である。
図7】(a)回収タンク12内の研掃材の貯留量が上限量に達した状態と、(b)吸引作業を強制停止して貯留タンク11へ研掃材を流下させる状態とを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明にかかる実施例のブラスト装置1を、添付図面を用いて説明する。
本実施例のブラスト装置1は、橋梁などの鋼製の構造物やコンクリート製の構造物を保全する作業で用いられてるものであり、該構造物の外表面(被研掃面)に研掃材を噴出し、噴出した研掃材を回収して再利用するという、所謂循環式のものである。
【0016】
ブラスト装置1は、図1,2のように、噴出装置2、コンプレッサ3、バキューム装置4、および操作制御盤5を備えた構成である。噴出装置2は、噴出する研掃材を貯留する貯留タンク11と、使用済みの研掃材を回収する回収タンク12とを備え、該貯留タンク11の直上に回収タンク12が設けられており、両者が連通されている。貯留タンク11は、図3のように、円筒形の直胴部11aと、該直胴部11aの下端に連成された逆円錐形の下部鏡部11bと、該直胴部11aの上端に連成された皿形の上部鏡部11cとから構成された圧力容器である。そして、下部鏡部11bの下端中央部位に、研掃材を流出するための供給口15が形成され、上部鏡部11cの中央部位に、タンク内部に研掃材を流入するための連通口16が形成されている。供給口15には、図示しないバルブ等を介して接続継手14が接続されており、該接続継手14の継手部14aに噴出用ホース7が接続される。また、接続継手14の接続部14bには、図示しない高圧ホースやエアバルブ、ヘッダ管17等を介してコンプレッサ3が接続されており、該コンプレッサ3から圧縮空気が接続継手14を介して噴出用ホース7に送られる。噴出装置2は、貯留タンク11の供給口15から供給される研掃材を、コンプレッサ3から送られた圧縮空気により、噴出用ホース7の先端開口から噴出する(図2参照)。尚、コンプレッサ3の、圧縮空気の出力(圧力)を制御することにより、噴出用ホース7から噴出する研掃材の強さを、用途に合わせて調整できる。このコンプレッサ3には、従来から使用されている構成のものを適用できるため、その詳細については省略する。
【0017】
ここで、本実施例にあっては、図2のように、二個の接続継手14が並設されており、各接続継手14に供給口15を介して貯留タンク11から研掃材を供給可能となっている(図1,3では一方のみを記載し、他方を省略した)。そして、各接続継手14の接続部14bに、ヘッダ管17が連通され、各接続継手14の継手部14aに噴出用ホース7が夫々接続される。このように本実施例の構成では、同時並行して、二つの噴出用ホース7から研掃材を噴出可能である。尚、当然ながら、一方の接続継手14にのみ噴出用ホース7を接続し、該一方の接続継手14のみに圧縮空気を送ることもできる。
【0018】
貯留タンク11の内部には、図3のように、連通口16を閉鎖する閉鎖位置(図5参照)と、該連通口16を開放する開放位置(図6(b)参照)とに昇降動可能な山型の開閉弁18が配設されている。この開閉弁18は、圧供給管19の先端部に昇降動可能に支持されており、該圧供給管19は、貯留タンク11の外部へ延出されて、上記のヘッダ管17に接続されている。圧供給管19と開閉弁18との間には隙間(図示せず)が設けられており、該隙間を介してヘッダ管17から圧送された空気が貯留タンク11内に流出する。この圧供給管19に、上記のコンプレッサ3からヘッダ管17を介して空気が圧送されると、開閉弁18が開放位置から閉鎖位置へ昇動して連通口16を閉鎖すると共に、貯留タンク11内に空気が流入することで該貯留タンク11の内圧を上昇させる。ここで、圧供給管19へ圧送する空気の量を制御することにより、該貯留タンク11の内圧を制御できると共に、開閉弁18を閉鎖位置で保持できる。本実施例では、貯留タンク11の内圧を、常圧よりも高い所定の高圧(例えば、0.7MPa)まで上昇し、該高圧で維持できるように制御している。また、貯留タンク11は、内圧を減圧するための減圧弁(図示せず)を備えている。貯留タンク11の内圧を前記高圧に維持した状態で、コンプレッサ3からの空気の圧送を停止して、減圧弁を開放することによって、該貯留タンク11の内圧を常圧に戻すと共に、開閉弁18が閉鎖位置から開放位置へ降動する。尚、この減圧弁は、後述する操作制御盤61の排気スイッチのON操作により作動制御される。
【0019】
さらに、貯留タンク11には、その直同部11aに、上下方向に並んで、三個の貯留量検知センサ21a〜21cが配設されている。本実施例の貯留量検知センサ21a〜21cは、静電容量式のレベルセンサにより構成されている。各貯留量検知センサ21a〜21cは、夫々を配設した高さ位置まで、研掃材の貯留量が達すると、これを検知して所定の検知信号を出力する。これら三個の貯留量検知センサ21a〜21cの検知により、貯留タンク11における研掃材の貯留量を三段階で検知可能である。
【0020】
また、上記した回収タンク12は、貯留タンク11に連結されている。回収タンク12は、円筒形の直胴部12aと、該直胴部12aの下端に連成されたすり鉢状の鏡部12bと、直胴部12aの上部開口を閉鎖する蓋部12cとから構成されている。回収タンク12は、その鏡部12bの下部が、貯留タンク11の上部鏡部11cの内側に収容されて、該貯留タンク11と接合されている。そして、回収タンク12の内部は、貯留タンク11の内部と、該貯留タンク11の連通口16を介して連通される。
【0021】
回収タンク12の直胴部12aには、吸引用ホース8の基端部が接続される吸引接続管部23と、バキューム装置4に接続される集塵用ホース31が接続される排出接続管部24とが設けられている。回収タンク12は、吸引用ホース8により吸引された使用済みの研掃材や粉塵等を回収し、該研掃材と粉塵とを分別し、分別した研掃材を貯留し且つ粉塵を集塵用ホース31を介してバキューム装置4へ排出するものである。この回収タンク12は、本発明の要部に係り詳細は後述する。
【0022】
一方、上記のバキューム装置4は、図1,2のように、サイクロン41、集塵機42、および真空ポンプ43とを備える。サイクロン41には、上記の集塵用ホース31が接続されると共に、集塵機42と連通する集塵管46が接続されている。サイクロン41では、集塵用ホース31を介して回収タンク12から流入した粉塵を、遠心力により大小サイズで分級するものである。そして、分級された大きいサイズの粉塵が、サイクロン41の下部に設けたダスト室47に溜まり、該ダスト室47のダスト取出口(図示せず)から排出される。一方、サイクロン41により分級された小さいサイズの粉塵は、前記の集塵管46を介して集塵機42に流入する。集塵機42では、集塵管46から流入した粉塵のみを集塵する。本実施例の集塵機42は、その内部に、複数の集塵用フィルター(図示せず)と、該集塵用フィルターに付着した粉塵を払い落とす除去手段とを備える。そして、集塵用フィルターにより集塵されて除去手段により払い落とされた粉塵は、集塵機42の下部に溜まり、図示しないダスト取出口から排出される。また、集塵機42には、図示しない逆止弁を介して真空ポンプ43が接続されており、該真空ポンプ43により、該集塵機42による粉塵除去後の空気が吸引される。真空ポンプ43は、集塵機42、サイクロン41、および回収タンク12の順で直列状に接続されており、これら各内部に負圧を発生させることで、吸引用ホース8の先端開口から、回収タンク12,サイクロン41、集塵機42の順に吸引する。尚、サイクロン41、集塵機42、および真空ポンプ43には、従前の構成のものを適用可能であることから、その詳細については省略する。
【0023】
さらに、バキューム装置4の側方には、操作制御盤61が配設されている。操作制御盤61は、図示しない主電源、噴出装置2、コンプレッサ3、およびバキューム装置4を接続する配電盤と、作業者により操作される操作表示部62とを備える。この配電盤には、上記した貯留タンク11に配設された貯留量検知センサ21a〜21cも接続されており、各貯留量検知センサ21a〜21cからの信号が入力される。操作表示部62には、図4のように、貯留タンク11内を加圧する加圧スイッチ71、該貯留タンク11内の圧力を排気する排気スイッチ72、真空ポンプ43による吸引作動を開始する吸引開始スイッチ73、該吸引作動を停止する吸引停止スイッチ74などの、作業者により操作される各種スイッチと、電源の入力を報知する電源ランプ80、貯留タンク11内の研削材の貯留量を報知する三個の貯留報知ランプ81a〜81c、ブラスト作業中であることを示す作業ランプ83、後述する回収タンク12内における研掃材の貯留量が上限量に達したことを知らせる満杯ランプ85などの各種ランプとが、夫々配設されている。ここで、三個の貯留報知ランプ81a〜81cは、上記した貯留量検知センサ21a〜21cに夫々対応しており、各貯留量検知センサ21a〜21cからの信号に応じてランプの点灯または消灯が制御される。そのため、貯留報知ランプの点灯または消灯により、作業者は、貯留タンク11における研掃材の貯留量を知得できる。
【0024】
また、上記の操作制御盤61には、噴出用ホース7に沿って配されたケーブル(図示せず)を介して、ブラスト作業者用のコントローラ65が接続される。このコントローラ65は、噴出用ホース7の先端部分を使って作業するブラスト作業者により操作されるものであり、ブラスト作業を開始するブラストスイッチ、該ブラスト作業を停止する停止スイッチ、上記の操作制御盤61を操作する作業者に所定の合図を送るスイッチなどの、各種スイッチが設けられている。さらに、上記した操作制御盤61で加圧スイッチがON状態であることを示すランプ等も配設されている。また、操作制御盤61には、吸引用ホース8に沿って配されたケーブル(図示せず)を介して、吸引作業者用のコントローラ66が接続されている。このコントローラ66は、真空ポンプ43による吸引作動を開始する吸引スイッチ、該吸引作動を停止する停止スイッチ、上記の操作制御盤61を操作する作業者に所定の合図を送るスイッチなどの、各種スイッチが設けられている。さらに、真空ポンプ43の強制停止を報知するランプ等も配設されている。
【0025】
次に、上述した回収タンク12について詳述する。
回収タンク12は、上述したように、その上部に、吸引接続管部23と排出接続管部24とが配設されている。図3のように、吸引接続管部23は、斜め上方へ傾斜するように設けられており、回収タンク12内の上部空域20aで斜め上向きに開口する吸引口23aを備えている。排出接続管部24は、回収タンク12内の上部空域20aで上向きに開口する排出口24aを備えている。さらに、回収タンク12内には、蓋部12cに取り付けられた衝突板25が配設されている。この衝突板25は、前記吸引口23aから所定間隔をおいて、該吸引口23aと対向するように斜めに設けられている。
【0026】
回収タンク12の上部空域20aは、吸引口23aと排出口24aとを連通する空域であり、上述した真空ポンプ43の作動により負圧が生ずる。この負圧により、吸引用ホース8の先端開口から使用済みの研掃材や粉塵が吸い込まれ、吸引口23aから回収タンク12の上部空域20aに流入する。こうして流入した研掃材や粉塵は、衝突板25に衝突し、前記吸引により有していたエネルギーが急激かつ著しく減少することから、比較的重量のある研掃材は、回収タンク12内を落下する一方、比較的軽量な粉塵は、該回収タンク12の上部空域20aに舞い上がる(図5(b)参照)。そして、この粉塵は、回収タンク12の上部空域20aに開口する排出口24aに吸い込まれて、該回収タンク12外へ排出される。こうして、回収タンク12内に回収された使用済みの研掃材と粉塵とを分別し、粉塵が上記したサイクロン41へ送られる。
【0027】
また、回収タンク12内には、上記の衝突板25の下方に、研掃材を通過可能とし且つ該研掃材よりも大きいサイズの塊状の回収物を通過不能とする網状のスクリーン26が振動可能に配設されている。このスクリーン26は、研掃材よりもサイズの大きい回収物を、吸引用ホース8で吸引してしまった場合でも、該回収物が研掃材に混入してしまうことを防止するためのものである。さらに、このスクリーン26は、図示しない振動モータに接続されており、該振動モータを作動して振動されることにより、該スクリーン26上に留まった研掃材を、該スクリーン26の下方へ落とすことができるようにしている。
【0028】
回収タンク12内は、上記の上部空域20aの下方空域により、研掃材を貯留する回収材貯留域20bが構成される。この回収材貯留域20bは、回収タンク12の下部開口を介して貯留タンク11の連通口16と連通し、該連通口16を介して該貯留タンク11内と連通されている。そのため、上記した開閉弁18が開放位置にある場合には、回収タンク12に回収された使用済みの研掃材が貯留タンク11内へ流下し(図6(b)参照)、該開閉弁18が閉鎖位置にある場合には、回収材貯留域20bに該研掃材が貯留する(図6(a)参照)。すなわち、本実施例の構成では、貯留タンク11内の研掃材を使用してブラスト作業する場合、開閉弁18が閉鎖位置で保持されることから、回収タンク12内に回収された研掃材は、回収材貯留域20bに貯まる(図6(a)参照)。そして、ブラスト作業を停止して、開閉弁18を開放位置とすると、回収材貯留域20bに貯まった研掃材を、貯留タンク11内に流下できる(図6(b)参照)。そのため、研掃材を噴出するブラスト作業中では、回収した研掃材を使用することができず、一旦ブラスト作業を中断して研掃材を補給することが必要である。
【0029】
また、回収タンク12には、その内部に貯まった研掃材の貯留量を検知する回収量検知センサ28が配設されている。この回収量検知センサ28は、上述した貯留量検知センサ21a〜21cと同じ静電容量式のレベルセンサである。回収量検知センサ28は、回収タンク12内における研掃材の貯留量の上限量を検知するためのものであり、該上限量に達した研掃材を検知する位置(以下、上限位置という)に配設されている(図7(a)参照)。この上限位置は、回収タンク12に貯留された研掃材が上記の排出口24aから排出されない位置に設定されている。詳述すると、回収タンク12内における研掃材の貯留量が増加するに従って、該回収タンク12で研掃材を貯留していない上部の空域が減少することから、これに伴って上部空域20aに生ずる負圧が増加していく。そして、貯留された研掃材が前記上限位置を越えると、回収タンク12内の上部空域20aに生じている負圧によって、該研掃材が吸い上げられて、上記の排出口24aから排出されてしまう虞がある。尚ここで、上限位置は、該上限位置を越えると直ぐに研掃材が排出口24aから排出してしまう最上限位置よりも若干低い位置に設定されており、ある程度の余裕を持たせている。
【0030】
回収量検知センサ28は、上記した操作制御盤61の配電盤に接続されており、研掃材の貯留量が上記の上限量に達すると、これを検知して所定の検知信号を、該操作制御盤61に送信する。操作制御盤61では、回収量検知センサ28から前記検知信号を受信すると、真空ポンプ43による吸引作動を強制的に作動停止させるように制御する。これにより、回収タンク12から研掃材や塊状の回収物などがサイクロン41や集塵機42に流入してしまうことを防止し、該サイクロン41や集塵機42が故障することを抑制する。また、操作制御盤61の操作表示部62には、図4のように、回収量検知センサ28から上限量に達したことを報知する回収満杯ランプ85が配設されており、該上限量に達したことを示す前記の検知信号を受信すると、該ランプを点灯させる。尚、こうして吸引作動が強制的に作動停止されると、研掃材の貯留量が上限量よりも少なくなるまで(回収量検知センサ28からの検知信号が停止するまで)、作動を再開不能としている。
【0031】
尚、こうした実施例のブラスト装置1にあって、圧縮空気を送るコンプレッサ3により、本発明にかかるエア供給手段が構成され、バキューム装置4(真空ポンプ43)により、本発明にかかる吸引手段が構成されている。また、回収タンク12内に配設された衝突板25に研掃材と粉塵とを衝突させて、落下する該研掃材と該回収タンク12の上部空域20aに舞い上がる粉塵とを分別する構成が、本発明にかかる分別手段である。また、コンプレッサ3、ヘッダ管17、圧供給管19、および図示しない減圧弁とにより、本発明にかかる内圧変換手段が実現されてている。また、貯留量検知センサ21a〜21cにより、本発明にかかる貯留量検知手段が実現され、操作制御盤61の操作表示部に配設された三個の貯留報知ランプ81a〜81cにより、本発明にかかる貯留量報知手段が実現されている。さらに、回収量検知センサ28により、本発明にかかる回収量検知手段が実現され、操作制御盤61の、吸引作動を強制停止する制御回路により、本発明にかかる強制停止手段が実現されている。
【0032】
次に、上述のブラスト装置1によるブラスト作業と回収作業とを説明する。
例えば、鋼製の橋梁を保全作業する際に、ブラスト装置1を使用して古い塗装の除去作業を行うとする。本実施例のブラスト装置1は、噴出装置2やバキューム装置4等が比較的コンパクトに設計されていることから、トラック等の荷台に載せて現場に移送して、該荷台に載せたままの状態で使用することが可能である。尚、作業現場では、操作制御盤61を操作する作業者、噴出用ホース7を使ってブラスト作業を実施するブラスト作業者、吸引用ホース8を使って回収作業を実施する回収作業者により、ブラスト装置1が操作される。
【0033】
作業現場では、噴出用ホース7、吸引用ホース8、集塵用ホース31等の各種ホースや、コントローラ65,66のケーブル等の各種ケーブルなどを接続し、各種バルブの開閉を確認する。そして、主電源をONにする。さらに、回収タンク12の蓋部12cを開けて、研掃材を投入し、連通口16を介して該回収タンク12から貯留タンク11内に研掃材を貯留する。貯留タンク11内に十分に研掃材を貯留すると、該貯留タンク11の全ての貯留量検知センサ21a〜21cにより検知され、検知信号が操作制御盤61へ送信されることから、該操作制御盤61の操作表示部62で貯留報知ランプ81a〜81cが点灯する。例えば、図5(a)のように、研掃材の貯留量が、最も高い位置に配設した貯留量検知センサ21aを越えている場合には、全ての貯留量検知センサ21a〜21cから検知信号が出力され、操作表示部62の全ての貯留報知ランプ81a〜81cが点灯する。
【0034】
ブラスト作業を行う場合には、コンプレッサ3を起動し、操作制御盤61の加圧スイッチ71をON操作することで、貯留タンク11内の開閉弁18が開放位置から閉鎖位置に昇動して連通口16を閉鎖すると共に、該貯留タンク11の内圧を上昇し、所定の高圧に保持する。ブラスト作業者は、ブラスト作業する場所で、噴出用ホース7の先端部分を持って被研掃面(橋梁などの外表面)に向け、コントローラ65のブラストスイッチをONにする。これに伴って、貯留タンク11の供給口14から供給された研掃材が圧縮空気により圧送され、噴出用ホース7の先端開口から噴出してブラスト作業を実施できる。ブラスト作業中は、図5(a)のように、貯留タンク11の内圧が前記高圧に保持されることから、該貯留タンク11内の研掃材が供給口15から安定供給され、ブラスト作業を安定して行うことができる。
【0035】
ブラスト作業中は、図5のように、貯留タンク11内の研掃材が序々に減少する。こうして減少する研掃材の貯留量を、各貯留量検知センサ21a〜21cにより検知できる。すなわち、研掃材の貯留量が、最も高い位置の貯留量検知センサ21aの高さ位置よりも下回ると、該貯留量検知センサ21aによる検知信号が停止し、操作表示部62の該貯留量検知センサ21aに対応する貯留報知ランプ81aを消灯する。同様に、研掃材の貯留量が二番目の貯留量検知センサ21bの高さ位置よりも下回ると、これに対応する貯留報知ランプ81bが消灯し、さらに最も低い位置の貯留量検知センサ21cの高さ位置を貯留量が下回ると、これに対応する貯留報知ランプ81cが消灯する。このように研掃材の貯留量が減少していくに従って、順次、貯留報知ランプ81a〜81cが消灯していくことから、操作制御盤61を操作する作業者は、貯留タンク11内の研掃材の貯留量を正確に知得できる。これにより、図6(a)のように貯留タンク11内の研掃材の貯留量が少なくなると、操作制御盤61を操作する作業者は、ブラスト作業者に合図を送り、ブラストスイッチをOFFにしてブラスト作業を中断する。そして、操作表示部62の排気スイッチをON操作することで、圧供給管19への空気の圧送を停止して貯留タンク11の内圧を減圧し、開閉弁18を開閉位置へ降動させる。これにより、図6(b)のように、回収タンク12を介して研掃材を補充できる。そして、十分に研掃材を貯留すると、ブラスト作業を再開する。
【0036】
一方、ブラスト作業に使用した研掃材や該ブラスト作業で生じた粉塵(古い塗膜や錆など)を回収する回収作業を行う場合には、真空ポンプ43を起動する。その後、回収作業者が、吸引用ホース8の先端部を持って、コントローラ66の吸引スイッチをON操作することにより、該吸引用ホース8の先端開口から、使用済みの研掃材や粉塵を吸引する。さらに、回収タンク12の振動モータ27を作動させ、該回収タンク12内のスクリーン26を振動させる。
【0037】
吸引用ホース8により吸引された使用済みの研掃材と粉塵とは、図5(b)および図6(a)のように、回収タンク12の吸引口23aから該回収タンク12内の上部空域20aに流入して、衝突板25に衝突する。この衝突により、研掃材と粉塵とが有していたエネルギーは急激かつ著しく減少し、比較的重い研掃材や回収物は、衝突板25の下方へ落下し、比較的軽い粉塵は上部空域20aに舞い上がる。そして、比較的軽い粉塵は、回収タンク12の上部空域20aに生じている負圧により排出口24aに引き付けられ、該排出口24aから排出されてバキューム装置4のサイクロン41へ送られる。一方、比較的重い研掃材は、スクリーン26の網目を通過し、該研掃材より大きい塊状の回収物は、該スクリーン26を通過できずに、スクリーン26上に留まる。ここで、スクリーン26は振動していることから、順次落下する研掃材は、該スクリーン26を通過できる。このように回収タンク12の内部で、吸引用ホース8で吸引された研掃材、比較的重い回収物、粉塵を分別する。
【0038】
こうした回収作業を、ブラスト作業を実行していない状態で行う場合には、貯留タンク11の開閉弁18を開放位置で保持することで、回収した研掃材を該貯留タンク11内へ順次貯めていくことができる。一方、ブラスト作業と並行して回収作業を行う場合には、開閉弁18が閉鎖位置に保持されることから、回収した研掃材が、回収タンク12内の回収材貯留域20bに貯留されていく(図5(b)、図6(a)参照)。そして、図7(a)のように、回収タンク12内に貯まった研掃材の貯留量が、所定の上限量に達すると、回収量検知センサ28により検知されて、検知信号が操作制御盤61に送信される。これに伴って、操作制御盤61では、吸引作業を強制的に停止し、吸引用ホース8からの吸引作動を強制停止する。これにより回収作業が強制的に中断され、研掃材や回収物が回収タンク12からバキューム装置4へ送られてしまうことを防止できる。そのため、バキューム装置4が、研掃材や回収物を吸引することで故障が発生することを防止できる。さらに、研掃材や回収物などにより、サイクロン41等で廃棄物が増大することを抑制できる。
【0039】
回収作業が強制的に中断された場合には、ブラスト作業を中断して、貯留タンク11の内圧を減圧することで、図7(b)のように、回収タンク12内の研掃材を貯留タンク11内へ流下させる。こうして、使用済みの研掃材を貯留タンク11内に補充する。回収タンク12に貯まった研掃材を貯留タンク11へ流下させれば、該回収タンク12での研掃材の貯留量が減少することから、ブラスト作業や回収作業を再び行うことができる。
【0040】
また、回収タンク12内の研掃材の貯留量が上限量に達する前に、回収作業とブラスト作業とを中断し、該回収タンク12から貯留タンク11へ研掃材を補充することもできる(図6参照)。このように、使用済みの研掃材を回収して貯留し、適当なタイミングでブラスト作業と回収作業とを中断して該研掃材を貯留タンク11へ補充することにより、該ブラスト作業と回収作業とを断続的に行うことが可能である。
【0041】
このように本実施例のブラスト装置1は、貯留タンク11内の研掃材の貯留量を作業者が容易かつ正確に知得でき、適切なタイミングで且つ必要に応じて該研掃材の補充を行うことができることから、ブラスト作業を安定して行うことができ、作業効率に優れる。また、回収タンク12内に回収された研掃材の貯留量が上限量に達すると、吸引作動を強制停止することから、該上限量を越えることで研掃材と粉塵とを正確に分別できなくなる状態を回避でき、衝突板25の使用による研掃材と粉塵との分別が正確かつ安定して行われ得る。尚仮りに、研掃材と粉塵との分別が不安定となると、研掃材が粉塵と一緒にバキューム装置4へ送られ、バキューム装置4の故障が発生したり、廃棄物も増大するという問題が生じ得る。この場合には、故障の修理や廃棄物の処理に多大な労力と時間とを費やすこととなり、回収作業を安定して実施できず、ブラスト作業にも影響を及ぼすことから、該回収作業やブラスト作業の作業効率が著しく低減してしまう。これに対して、本実施例の構成では、前記のように分別を正確かつ安定して実行できるため、回収作業を安定して実施することができ、作業効率にも優れる。
したがって、本実施例のブラスト装置1によれば、ブラスト作業と回収作業とを安定して実行でき、高い作業効率を発揮できる。
【0042】
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。例えば、操作制御盤の操作表示部を、タッチパネル式の液晶表示器により構成することもできる。
【符号の説明】
【0043】
1 ブラスト装置
7 噴出用ホース
8 吸引用ホース
11 貯留タンク
12 回収タンク
15 供給口
16 連通口
18 開閉弁
20b 回収材貯留域
23a 吸引口
24a 排出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7