(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記印字タイミングから画像検出部によって補正画像が検出されるまでに変化する変数は、副走査方向におけるライン数である請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記変数、及び該変数の理論値に基づいて、前記各書込み部材によって静電潜像が形成される印字タイミングのずれ量を算出し、所定の書込み部材によって静電潜像が形成される印字タイミングを基準にして、他の書込み部材によって静電潜像が形成される印字タイミングを前記ずれ量だけ補正する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、電子写真方式の画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
【0014】
図2は本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0015】
図において、10はプリンタであり、該プリンタ10には、特色としてのホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各色の現像剤像としてのトナー像を形成するためのイメージドラムユニット(IDユニット)、すなわち、画像形成ユニット12W、12Y、12M、12C、12Bkが、プリンタ10の本体、すなわち、装置本体に対して着脱自在に配設される。なお、画像形成ユニット12W、12Y、12M、12C、12Bkは同じ構造を有するので、図においては画像形成ユニット12Wについてだけ各部材に符号を付与して、詳細に説明する。
【0016】
前記プリンタ10においては、媒体としての、かつ、第1の転写媒体としての用紙Pの幅方向において複数の、本実施の形態においては、左右の二つの画像が形成され、二つの画像が繋ぎ合わせられて一つの画像が形成されるようになっている。
【0017】
そのために、各画像形成ユニット12W、12Y、12M、12C、12Bkは、回転自在に配設された像担持体としての感光体ドラム15を備え、該各感光体ドラム15の上方に、感光体ドラム15と対向させて、露光装置としての、かつ、第1、第2の書込み部材としての複数の、本実施の形態においては、二つのLEDヘッド(印字ヘッド)20、21が、主走査方向において千鳥構成で、すなわち、互いに一部を感光体ドラム15の軸方向において重複(オーバラップ)させてずらし、かつ、副走査方向において互いに隣接させて配設され、それぞれ、所定の印字タイミングで感光体ドラム15を露光することによって感光体ドラム15の表面に潜像としての静電潜像を形成する。
【0018】
各画像形成ユニット12W、12Y、12M、12C、12Bkは、前記感光体ドラム15、帯電装置としての帯電ローラ16、現像剤担持体としての現像ローラ18、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ17、現像剤収容部としてのトナーカートリッジ14、第1のクリーニング部材としてのプレート状のクリーニングブレード19等を備え、前記帯電ローラ16及び現像ローラ18は感光体ドラム15と当接させて、トナー供給ローラ17は現像ローラ18と当接させて回転自在に配設され、画像形成用の駆動部としての図示されないIDモータを正方向に駆動することによって回転させられる。なお、トナー供給ローラ17及び現像ローラ18によって現像器が構成される。
【0019】
前記帯電ローラ16は、帯電用の負の極性の電圧が印加されることによって、感光体ドラム15の表面を一様に負の極性に帯電させる。
【0020】
また、前記現像ローラ18は、現像用の負の極性の電圧が印加されることによって、感光体ドラム15に現像剤としてのトナーを付着させ、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を現像し、トナー像を形成する。前記トナー供給ローラ17は、前記現像ローラ18の回転方向と同じ回転方向に回転させられ、静電潜像の現像が行われている間に、現像ローラ18にトナーを供給するとともに、現像ローラ18との摩擦によってトナーを負の極性に摩擦帯電させる。
【0021】
そして、前記トナーカートリッジ14は、画像形成ユニット12W、12Y、12M、12C、12Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設され、トナー供給ローラ17に供給されるトナーを収容する。
【0022】
前記クリーニングブレード19は、先端を感光体ドラム15に当接させて配設され、トナー像が、後述される第2の転写媒体としての中間転写ベルト30に転写された後に感光体ドラム15の表面に残留するトナー、すなわち、残留トナーを掻き落とすことによって除去する。
【0023】
前記各画像形成ユニット12W、12Y、12M、12C、12Bkの下方には、各色のトナー像を中間転写ベルト30に順次重ねて転写し、カラーのトナー像を形成するための一次転写用の第1の転写ユニットu1、及び中間転写ベルト30に形成されたカラーのトナー像を用紙Pに転写するための二次転写用の第2の転写ユニットu2が配設される。
【0024】
前記第1の転写ユニットu1は、一次転写用の第1のローラとしての駆動ローラ22、一次転写用の第2のローラとしての従動ローラ23、一次転写用の第3のローラとしてのバックアップローラ24、前記駆動ローラ22、従動ローラ23及びバックアップローラ24によって張設されたベルト部材としての中間転写ベルト30、該中間転写ベルト30を介して各感光体ドラム15と対向させて回転自在に配設された一次転写用の転写部材としての転写ローラ25、前記中間転写ベルト30を介して前記従動ローラ23と対向させて配設された第1のクリーニング装置31、前記中間転写ベルト30における媒体搬送路Rt1と対向する下面に配設され、後述される補正画像としての補正パターンPt1、Pt2(
図3)を検出するための画像検出部としての光学センサ55等を備える。前記駆動ローラ22は、後述されるベルト走行用の駆動部としてのベルト走行モータ73(
図1)を駆動することによって回転させられる。前記補正パターンPt1、Pt2は、LEDヘッド20、21の装置本体への取付誤差、取付け部材の緩み等によって、静電潜像が形成される印字タイミングにずれが生じた場合に印字タイミングを調整するために、前記中間転写ベルト30に形成される。なお、中間転写ベルト30は、例えば、高抵抗の半導電性プラスチックフィルムから成るエンドレスベルトであり、従動ローラ23の回転に伴って矢印A方向に走行させられる。
【0025】
また、前記第1のクリーニング装置31は、先端を中間転写ベルト30に当接させて配設され、中間転写ベルト30上に形成されたトナー像のトナー等の付着物を掻き落とすことによって除去する第2のクリーニング部材としてのプレート状のクリーニングブレード40、及び掻き落とされた付着物を収容するクリーナ容器26を備える。
【0026】
さらに、前記光学センサ55は、図示されない発光部及び受光部を備え、発光部から中間転写ベルト30に向けて発光させられ、中間転写ベルト30上の補正パターンPt1、Pt2を照射し、反射した光が受光部によって受光されることにより、補正パターンPt1、Pt2を検出する。
【0027】
そして、前記第2の転写ユニットu2は、二次転写用のローラとしての前記バックアップローラ24、前記中間転写ベルト30を介して前記バックアップローラ24と対向させて回転自在に配設された二次転写用の転写部材としての転写ローラ50、該転写ローラ50と対向させて配設された第2のクリーニング装置32等を備える。前記転写ローラ50は、例えば、金属製のシャフト、及びシャフトの外周に形成され、導電性を有するゴム材から成るゴム層を備え、シャフトがプリンタ10の筐体Csに接地させられる。
【0028】
前記第2のクリーニング装置32は、前記転写ローラ50と当接させて回転自在に配設された金属製のローラから成り、転写ローラ50に付着したトナー等の付着物を擦り取る第3のクリーニング部材としてクリーニングローラ33、先端をクリーニングローラ33に当接させて配設され、クリーニングローラ33に付着したトナー等の付着物を掻き落とすことによって除去する第4のクリーニング部材としてのプレート状のクリーニングブレード34、及び掻き落とされた付着物を収容するクリーナ容器35を備える。
【0029】
そして、前記第1、第2の転写ユニットu1、u2の下方、すなわち、プリンタ10の底部には、用紙Pを積載した状態で収容する媒体収容部としての用紙カセット51が装置本体に対して着脱自在に配設され、用紙カセット51の前端部に、用紙カセット51内の用紙Pを1枚ずつ媒体搬送路Rt1に繰り出す繰出部材としてのホッピングローラ36が配設される。
【0030】
前記媒体搬送路Rt1には、用紙カセット51から繰り出された用紙Pを搬送し、所定のタイミングで中間転写ベルト30と転写ローラ50との接触部(ニップ部)に送るために、レジストローラ対Tr1、及び該レジストローラ対Tr1より下流側に配設された搬送ローラ対Tr2、Tr3が配設される。該搬送ローラ対Tr2、Tr3間に、用紙Pの有無を検出する媒体位置センサとしてのセンサ45が配設される。
【0031】
また、第1、第2の転写ユニットu1、u2の側方には、用紙Pに転写されたカラーのトナー像を、用紙Pに定着させ、カラー画像を形成するための定着装置としての定着器60が配設される。
【0032】
該定着器60は、内臓された図示されない加熱体としてのヒータによって用紙P上のカラーのトナー像のトナーを加熱し、溶融させる第1の定着ローラとしての加熱ローラ61、及び溶融させられたトナーを加圧することによって用紙Pに浸透させる第2の定着ローラとしての加圧ローラ62を備える。前記加熱ローラ61の表面の近傍に、加熱ローラ61の温度を検出する温度検出器としてのサーミスタ63が配設される。
【0033】
そして、前記媒体搬送路Rt1における定着器60より下流側に、カラー画像が形成された用紙Pをプリンタ10外へ排出するための排出ローラ41が配設される。
【0034】
次に、プリンタ10の動作について説明する。
【0035】
各画像形成ユニット12W、12Y、12M、12C、12Bkにおいて、帯電ローラ16に帯電用の負の極性の電圧が印加され、感光体ドラム15の表面が一様に負の極性に帯電させられ、前記LEDヘッド20、21が、感光体ドラム15の上方において、感光体ドラム15に画像データに基づいて所定の印字タイミングで選択的に光を照射すると、画像データに対応する静電潜像が感光体ドラム15の表面に形成される。
【0036】
そして、現像ローラ18に負の極性の電圧が印加され、感光体ドラム15にトナーが付着させられると、前記静電潜像がトナーによって現像され、感光体ドラム15の表面にトナー像が形成される。前記トナー供給ローラ17は、トナーカートリッジ14から供給されたトナーを受け、静電潜像の現像が行われている間に現像ローラ18にトナーを供給するとともに、そのときの攪拌動作によってトナーを負の極性に摩擦帯電させる。
【0037】
各画像形成ユニット12W、12Y、12M、12C、12Bkにおいて感光体ドラム15の表面に形成された各色のトナー像は、感光体ドラム15と転写ローラ25との間を走行させられる中間転写ベルト30に順次重ねて転写され、中間転写ベルト30上にカラーのトナー像が形成される。前記クリーニングブレード19は、トナー像が中間転写ベルト30に転写された後に感光体ドラム15の表面に残留したトナー、すなわち、残留トナーを掻き落とすことによって除去する。
【0038】
なお、用紙Pに所定のカラー画像を形成する場合、LEDヘッド20によって形成される画像部分、すなわち、左の画像と、LEDヘッド21によって形成される画像部分、すなわち、右の画像とを、主走査方向において繋ぎ合わせることによって、一つの画像が形成されるようになっているので、LEDヘッド20が静電潜像を形成する印字タイミングと、LEDヘッド21が静電潜像を形成する印字タイミングとがずらされ、各静電潜像を現像することによって形成されたトナー像が、異なる印字タイミングで中間転写ベルト30の同じ部分に転写される。
【0039】
一方、用紙カセット51からホッピングローラ36によって媒体搬送路Rt1に繰り出された用紙Pは、レジストローラ対Tr1によって一時的に停止させられた後、所定のタイミングで搬送ローラ対Tr2、Tr3によって中間転写ベルト30と転写ローラ50との接触部に送られる。このとき、中間転写ベルト30上のカラーのトナー像が用紙Pに転写され、カラーのトナー像が転写された用紙Pは定着器60に送られ、該定着器60においてカラーのトナー像が用紙Pに定着させられ、カラー画像になる。
【0040】
ところで、本実施の形態のように、前記LEDヘッド20、21によって左右の二つの画像が形成され、二つの画像が繋ぎ合わせられて一つの画像が形成されるようになっている場合、左右の画像にずれが生じると、画像品位が低下してしまう。
【0041】
そこで、本実施の形態においては、プリンタ10の操作者が、左右の二つの画像にずれが生じたときに、各画像形成ユニット12W、12Y、12M、12C、12BkにおいてLEDヘッド20、21が静電潜像を形成する印字タイミングを調整することによって、画像のずれをなくすことができるようになっている。
【0042】
次に、プリンタ10の制御装置の動作について説明する。
【0043】
図1は本発明の実施の形態におけるプリンタの制御装置を示す制御ブロック図、
図3は本実施の形態における中間転写ベルトを展開したときのLEDヘッド、補正パターン及び光学センサの関係を示す図である。なお、本実施の形態においては、左右の画像にずれが生じたときに、ブラックの画像形成ユニットBkにおいてLEDヘッド20、21の印字タイミングを調整する場合について説明する。
【0044】
図において、20、21はLEDヘッド、55は光学センサ、71は制御部、72は制御部71に内蔵され、副走査方向におけるライン数を計数する計数部としてのカウンタ、73はベルト走行モータ、75はプリンタ10の筐体Csに配設された操作部、76は記憶装置としてのメモリであり、該メモリ76に補正データとしての補正パターンデータDa1、Da2が記録される。
【0045】
図3に示されるように、中間転写ベルト30の走行方向である矢印A方向に向かって、前記LEDヘッド20は右側に、前記LEDヘッド21は左側に、主走査方向において互いに一部を重複させて配設される。
【0046】
左右の二つの画像にずれが生じると、操作者は、前記操作部75を操作し、補正パターンの形成を指示する。
【0047】
これにより、制御部71は、メモリ76から補正パターンデータDa1、Da2を読み出し、LEDヘッド20に補正パターンデータDa1を送り、LEDヘッド20におけるLEDヘッド21と重複する領域Ar1で中間転写ベルト30に補正パターンPt1を形成し、LEDヘッド21に補正パターンデータDa2を送り、LEDヘッド21におけるLEDヘッド20と重複する領域Ar1で、補正パターンPt1より下流側に補正パターンPt2を形成する。本実施の形態において、補正パターンPt1は、主走査方向に延在させて、互いに平行に所定のピッチで形成された3本の画像要素としての線m1〜m3から成り、補正パターンPt2は、主走査方向に延在させて、互いに平行に所定のピッチで形成された3本の画像要素としての線n1〜n3から成る。
【0048】
前記補正パターンPt1、Pt2は、光学センサ55によって検出される。そして、LEDヘッド20、21によって静電潜像が形成される印字タイミング、及び補正パターンPt1、Pt2が中間転写ベルト30の走行に伴って光学センサ55に到達し、光学センサ55によって補正パターンPt1、Pt2が検出されるタイミングに基づいて印字タイミングが調整される。
【0049】
次に、補正パターンPt1、Pt2の形成と光学センサ55のセンサ出力との関係について説明する。
【0050】
図4は本発明の実施の形態における制御装置の動作を説明するためのタイムチャートである。なお、副走査方向に中間転写ベルト30を移動させたときに変化するライン数を、時間を表す変数とする。また、本実施の形態において、前記ライン数は、LEDヘッド20によって静電潜像が形成される印字タイミングであるタイミングt0から時間が経過するのに伴って、時間に比例して変化し、前記カウンタ72によって計数される。
【0051】
この場合、制御部71は、タイミングt0、t2で補正パターンPt1、Pt2の静電潜像が形成されてから光学センサ55によって補正パターンPt1、Pt2が検出されるまでに変化するライン数、及び該ライン数の理論値に基づいて、前記LEDヘッド20、21が各静電潜像を形成するタイミングt0、t2を調整する。なお、ライン数の理論値は、プリンタ10の各部材の寸法、仕様等によって決まる。
【0052】
まず、制御部71は、タイミングt0でメモリ76から補正パターンデータDa1を読み出し、LEDヘッド20に送り、LEDヘッド20によって静電潜像を形成するとともに、現像ローラ18によって中間転写ベルト30に補正パターンPt1を形成する。この間、補正パターンデータDa1は、304〔Line〕の画像出力区間q1においてオンにされ、304〔Line〕の画像非出力区間q2においてオフにされ、オン・オフが3回繰り返される。続いて、制御部71がタイミングt1でベルト走行モータ73を駆動すると、駆動ローラ22が回転させられ、中間転写ベルト30が走行させられる。それに伴って、光学センサ55は、タイミングt1で中間転写ベルト30を検出し、ベルト検出出力Qbを生成する。
【0053】
続いて、制御部71は、印字タイミングであるタイミングt0から、ライン数が理論値で600〔Line〕になるタイミングt2でメモリ76から補正パターンデータDa2を読み出し、LEDヘッド21に送り、LEDヘッド21によって静電潜像を形成するとともに、現像ローラ18によって中間転写ベルト30に補正パターンPt2を形成する。この間、補正パターンデータDa2は、補正パターンデータDa1と同様に、304〔Line〕の画像出力区間q1においてオンにされ、304〔Line〕の画像非出力区間q2においてオフにされ、オン・オフが3回繰り返される。
【0054】
その後、タイミングt0で中間転写ベルト30への補正パターンPt1の形成が開始されてから、光学センサ55によって補正パターンPt1が検出されるまでのライン数が理論値で15380〔Line〕になるタイミングt3の前後(本実施の形態においてはタイミングt3の後)において、実際に光学センサ55によって補正パターンPt1が検出されると、光学センサ55のセンサ出力は、前記線m1〜m3が検出されるたびに低くなる。
【0055】
続いて、タイミングt2で中間転写ベルト30への補正パターンPt2の形成が開始されてから、光学センサ55によって補正パターンPt2が検出されるまでのライン数が理論値で15980〔Line〕になるタイミングt4の前後(本実施の形態においてはタイミングt4の後)で、実際に光学センサ55によって補正パターンPt2が検出されると、光学センサ55のセンサ出力は、前記線n1〜n3が検出されるたびに低くなる。
【0056】
そこで、制御部71は、補正パターンPt1、Pt2が実際に検出されるタイミングを取得するために、ライン数が理論値で15380〔Line〕になるタイミングt3より所定のライン数だけ、本実施の形態においては、1681〔Line〕だけ前の、線m1を検出する前の光学センサ55のベルト検出出力Qbを読み込み、タイミングt3より所定のライン数だけ、本実施の形態においては、1361〔Line〕だけ後の、線m1を検出した後の光学センサ55のパターン検出出力Qkを読み込み、ベルト検出出力Qb及びパターン検出出力Qkを使用して、光学センサ55のセンサ出力が画像出力区間q1のものであるか、画像非出力区間q2のものであるかを判断するための閾値Vth
Vth=(Qk+Qb)/2
を算出する。
【0057】
なお、ライン数の1681〔Line〕及び1361〔Line〕の値は、タイミングt3より前において、確実にベルト検出出力Qbを読み込めるように、また、タイミングt3より後において、確実にパターン検出出力Qkを読み込めるように設定される。
【0058】
続いて、制御部71は、前記閾値Vthを使用して、補正パターンPt1が検出される区間をブロック1〜4に分割する。すなわち、制御部71は、光学センサ55のセンサ出力がタイミングu1で閾値Vthより大きくなり、線m1が検出されなくなってから、光学センサ55のセンサ出力がタイミングu2で閾値Vthより小さくなり、線m2が検出されるまでの区間をブロック1とし、光学センサ55のセンサ出力がタイミングu2で閾値Vthより小さくなり、線m2が検出されてから、光学センサ55のセンサ出力がタイミングu3で閾値Vthより大きくなり、線m2が検出されなくなるまでの区間をブロック2とし、光学センサ55のセンサ出力がタイミングu3で閾値Vthより大きくなり、線m2が検出されなくなってから、光学センサ55のセンサ出力がタイミングu4で閾値Vthより小さくなり、線m3が検出されるまでの区間をブロック3とし、光学センサ55のセンサ出力がタイミングu4で閾値Vthより小さくなり、線m3が検出されてから、光学センサ55のセンサ出力がタイミングu5で閾値Vthより大きくなるまでの区間をブロック4とする。そして、タイミングt3からタイミングu1〜u5までの区間の長さをそれぞれLL1〜LL5としたとき、タイミングu1、u2はブロック1の前端及び後端であり、タイミングu2、u3はブロック2の前端及び後端であり、タイミングu3、u4はブロック3の前端及び後端であり、タイミングu4、u5はブロック4の前端及び後端であるので、制御部71は、各ブロック1〜4の中央のライン数ML1〜ML4
ML1=(LL1+LL2)/2
ML2=(LL2+LL3)/2
ML3=(LL3+LL4)/2
ML4=(LL4+LL5)/2
を算出することができる。
【0059】
タイミングt3からの各ブロック1〜4の中央のライン数ML1〜ML4は理論値で、それぞれ、456〔Line〕、760〔Line〕、1064〔Line〕、1368〔Line〕であるので、制御部71は、各ブロック1〜4の中央の算出されたライン数ML1〜ML4の理論値に対するずれ量BL1〜BL4
BL1=(LL1+LL2)/2−456〔Line〕
BL2=(LL2+LL3)/2−760〔Line〕
BL3=(LL3+LL4)/2−1064〔Line〕
BL4=(LL4+LL5)/2−1368〔Line〕
を算出することができる。
【0060】
したがって、制御部71は、ずれ量BL1〜BL4の平均値AVBL
AVBL=(BL1+BL2+BL3+BL4)/4
によって、補正パターンPt1が形成される理論上のタイミングと実際に形成されるタイミングとのずれZL
ZL=AVBL
=(BL1+BL2+BL3+BL4)/4 を算出することができる。
【0061】
同様に、制御部71は、前記閾値Vthを使用して、補正パターンPt2が検出される区間をブロック1〜4に分割する。すなわち、光学センサ55のセンサ出力がタイミングv1で閾値Vthより大きくなり、線n1が検出されなくなってから、光学センサ55のセンサ出力がタイミングv2で閾値Vthより小さくなり、線n2が検出されるまでの区間をブロック1とし、光学センサ55のセンサ出力がタイミングv2で閾値Vthより小さくなり、線n2が検出されてから、光学センサ55のセンサ出力がタイミングv3で閾値Vthより大きくなり、線n2が検出されなくなるまでの区間をブロック2とし、光学センサ55のセンサ出力がタイミングv3で閾値Vthより大きくなり、線n2が検出されなくなってから、光学センサ55のセンサ出力がタイミングv4で閾値Vthより小さくなり、線n3が検出されるまでの区間をブロック3とし、光学センサ55のセンサ出力がタイミングv4で閾値Vthより小さくなり、線n3が検出されてから、光学センサ55のセンサ出力がタイミングv5で閾値Vthより大きくなるまでの区間をブロック4とする。
【0062】
そして、タイミングt4からタイミングv1〜v5までの区間の長さをそれぞれLR1〜LR5としたとき、タイミングv1、v2はブロック1の前端及び後端であり、タイミングv2、v3はブロック2の前端及び後端であり、タイミングv3、v4はブロック3の前端及び後端であり、タイミングv4、v5はブロック4の前端及び後端であるので、前記制御部71は、各ブロック1〜4の中央のライン数MR1〜MR4
MR1=(LR1+LR2)/2
MR2=(LR2+LR3)/2
MR3=(LR3+LR4)/2
MR4=(LR4+LR5)/2
を算出することができる。
【0063】
タイミングt4からの各ブロック1〜4の中央のライン数MR1〜MR4は理論値で、それぞれ、456〔Line〕、760〔Line〕、1064〔Line〕、1368〔Line〕であるので、制御部71は、各ブロック1〜4の中央のライン数MR1〜MR4の理論値に対するずれ量BR1〜BR4
BR1=(LR1+LR2)/2−456〔Line〕
BR2=(LR2+LR3)/2−760〔Line〕
BR3=(LR3+LR4)/2−1064〔Line〕
BR4=(LR4+LR5)/2−1368〔Line〕
を算出することができる。
【0064】
したがって、制御部71は、ずれ量BR1〜BR4の平均値AVBR
AVBR=(BR1+BR2+BR3+BR4)/4 によって、補正パターンPt2が形成される理論上のタイミングと実際に形成されるタイミングとのずれZL
ZL=AVBR
=(BR1+BR2+BR3+BR4)/4 を算出することができる。
【0065】
本実施の形態においては、LEDヘッド20が、画像のずれを調整する際の基準の印字ヘッドとされるので、補正パターンPt1、Pt2のずれZL、ZRに基づいて、LEDヘッド21によって静電潜像が形成される印字タイミングを、補正量ΔZ
ΔZ=ZL−ZR
で補正することによって、副走査方向における画像のずれをなくすことができる。
【0066】
このように、本実施の形態においては、LEDヘッド20、21によって各静電潜像が形成される印字タイミングを調整するために、補正パターンデータDa1、Da2に基づいて形成された各現像剤像が補正パターンPt1、Pt2として中間転写ベルト30上に形成され、光学センサ55によって補正パターンPt1、Pt2が検出され、そして、制御部71によって、前記印字タイミングで補正パターンデータDa1、Da2に基づいて静電潜像が形成されてから光学センサ55によって補正パターンPt1、Pt2が検出されるまでに変化するライン数、及び該ライン数の理論値に基づいて印字タイミングが調整されるので、補正パターンPt1、Pt2を簡素化することができる。
【0067】
したがって、印字タイミングを容易に調整することができるとともに、中間転写ベルト30に補正パターンPt1、Pt2を短時間で形成することができるので、印字を行うことができないシステムダウン時間を短くすることができる。
【0068】
本実施の形態においては、プリンタ10において二つのLEDヘッド20、21を使用して一つの画像を形成するようになっているが、三つ以上のLEDヘッドを使用して一つの画像を形成することができる。その場合、所定のLEDヘッドによって静電潜像が形成される印字タイミングが基準にされ、他のLEDヘッドによって静電潜像が形成される印字タイミングが調整される。
【0069】
また、本実施の形態においては、左右の二つの画像にずれが生じたときに、操作者が操作部75を操作し、補正パターンの形成を指示するようになっているが、操作者が、プリンタ10の電源を投入したとき、プリンタ10のカバーを開いた後に閉じたとき等に、制御部71が補正パターンの形成を指示するようにすることができる。
【0070】
そして、本実施の形態においては、カラーのプリンタ10について説明しているが、本発明を、単色のプリンタに適用することができ、さらに、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0071】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。