特許第6509082号(P6509082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大阪瓦斯株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000002
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000003
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000004
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000005
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000006
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000007
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000008
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000009
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000010
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000011
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000012
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000013
  • 特許6509082-コ−ジェネレーションシステム 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509082
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】コ−ジェネレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/00 20060101AFI20190422BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   F24D3/00 M
   F24H1/00 631C
   F24D3/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-175086(P2015-175086)
(22)【出願日】2015年9月4日
(65)【公開番号】特開2017-48995(P2017-48995A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】早川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】柴田 善隆
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸司
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−207914(JP,A)
【文献】 特開2014−095488(JP,A)
【文献】 特開2014−095489(JP,A)
【文献】 特開2014−142117(JP,A)
【文献】 特開2016−205751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/00
F24H 1/00,1/18−1/20,
F24H 4/00−4/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された設定暖房熱媒温度に熱媒を加熱し、加熱された熱媒を暖房用の熱媒循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機と、
電力と熱とを発生する熱電併給部と、
前記熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、
貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、
前記冷却水循環路を通流する冷却水と、前記湯水循環路を通流する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器と、
運転を制御する制御部を備えたコージェネレーションシステムであって、
前記暖房放熱器の通流後且つ前記熱源機の通流前の前記熱媒循環路の熱媒の一部又は全部を通流する熱媒バイパス路と、
前記熱電併給部の通流後且つ前記排熱回収熱交換器の通流前の前記冷却水循環路の冷却水と、前記熱媒バイパス路を通流する熱媒とを熱交換する暖房用熱交換器を備え、
前記制御部が、前記冷却水循環路に冷却水を循環する冷却水循環制御を実行している状態で、前記冷却水が中温もしくは高温状態の時には、前記熱媒循環路の熱媒と前記熱媒バイパス路の熱媒が合流した下流側の熱媒合流温度が前記設定暖房熱媒温度になるように、前記熱媒バイパス路への熱媒配分流量を制御する熱媒配分流量制御を実行すると共に、前記冷却水が高温状態の時には、前記排熱回収熱交換器を通流した湯水が貯湯目標温度になるように、前記排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量を制御する湯水流量制御を実行するコージェネレーションシステム。
【請求項2】
前記制御部が、前記冷却水循環路に冷却水を循環する冷却水循環制御を実行している状態で、前記冷却水が低温状態の時には、前記熱媒バイパス路への熱媒配分流量を零に制御する熱媒配分流量制御を実行する請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項3】
予め設定された設定暖房熱媒温度に熱媒を加熱し、加熱された熱媒を暖房用の熱媒循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機と、
電力と熱とを発生する熱電併給部と、
前記熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、
貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、
前記冷却水循環路を通流する冷却水と、前記湯水循環路を通流する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器と、
運転を制御する制御部を備えたコージェネレーションシステムであって、
前記熱電併給部の通流後且つ前記排熱回収熱交換器の通流前の前記冷却水循環路の冷却水の一部又は全部を通流する冷却水バイパス路と、
前記暖房放熱器の通流後且つ前記熱源機の通流前の前記熱媒循環路の熱媒と、前記冷却水バイパス路を通流する冷却水とを熱交換する暖房用熱交換器を備え、
前記制御部が、前記冷却水循環路に冷却水を循環する冷却水循環制御を実行している状態で、前記冷却水が中温もしくは高温状態の時には、前記暖房用熱交換器を通流した熱媒の温度が前記設定暖房熱媒温度になるように、前記冷却水バイパス路への冷却水配分流量を制御する冷却水配分流量制御を実行すると共に、前記冷却水が高温状態の時には、前記排熱回収熱交換器を通流した湯水が貯湯目標温度になるように、前記排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量を制御する湯水流量制御を実行するコージェネレーションシステム。
【請求項4】
前記制御部が、前記冷却水循環路に冷却水を循環する冷却水循環制御を実行している状態で、前記冷却水が低温状態の時には、前記冷却水バイパス路への冷却水配分流量を零に制御する冷却水配分流量制御を実行する請求項3に記載のコージェネレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定された設定暖房熱媒温度に熱媒を加熱し、加熱された熱媒を暖房用の熱媒循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機と、電力と熱とを発生する熱電併給部と、熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、冷却水循環路を通流する冷却水と湯水循環路を通流する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器と、運転を制御する制御部を備えたコージェネレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コージェネレーションシステムは、通常、ガスエンジンにて駆動される発電装置(以下、エンジン駆動発電機と略称する場合がある)や、燃料電池等から構成される熱電併給部を備え、当該熱電併給部で発電を行ったときに発生する熱を利用して湯水を加熱し、当該加熱された湯水を貯湯タンクに貯留するように構成されている。
説明を追加すると、コージェネレーションシステムとして、熱電併給部にて発生する熱を回収した冷却水を循環する冷却水循環路と、貯湯タンクの下部の湯水を取り出して貯湯タンクの上部へ戻す湯水循環路と、冷却水循環路を循環する冷却水と湯水循環路を循環する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器と、冷却水循環路に冷却水を循環する冷却水ポンプと、湯水循環路に湯水を循環させる湯水ポンプを備えたものが知られている。
尚、湯水循環路には、湯水循環路において貯湯タンクをバイパスする状態で湯水を循環可能な湯水バイパス路が設けられていると共に、当該湯水循環路と湯水バイパス路の接続部に、貯湯タンクの側と湯水バイパス路の側とを通流する湯水の流量割合を調整可能な三方弁が設けられており、当該三方弁により流量割合を調整する形態で、貯湯タンクへの貯留される湯水の温度を、目標の貯湯温度へ制御するように構成されている。
当該構成においては、貯湯タンクへ熱電併給部で発生した熱を貯留する場合、熱電併給部を駆動させている状態で、冷却水ポンプを働かせて冷却水循環路へ冷却水を循環させると共に、湯水ポンプを働かせて湯水循環路に湯水を循環させて、排熱回収熱交換器で冷却水の保有する排熱を湯水の側へ回収する形態で、貯湯運転を実行する。
【0003】
更に、特許文献1に開示の技術では、コージェネレーションシステムに、床暖房設備等の暖房放熱器へ熱媒を循環する熱媒循環路と、当該熱媒循環路を循環する熱媒を圧送する熱媒ポンプと、熱媒循環路を循環する熱媒を加熱する熱源機を備えたものが知られている。
説明を追加すると、当該特許文献1に開示の技術では、排熱回収熱交換器の通流後且つ熱電併給部の通流前の冷却水循環路を循環する冷却水と熱媒循環路を通流する熱媒とを熱交換する暖房用熱交換器が設けられており、暖房用熱交換器にて加熱されると共に熱源機にて加熱された後の熱媒が暖房放熱器へ通流する形態で、暖房運転が実行される。
さらに、当該特許文献1に開示の技術においては、暖房運転の一形態として、湯水ポンプを働かせることで、湯水循環路に湯水を循環させ、排熱回収熱交換器にて排熱の一部を回収して、貯湯タンクへ貯湯すると共に、排熱の残部を暖房の用に供する運転である、排熱の一部を蓄熱する暖房運転(暖房運転と貯湯運転とを並列に実行する運転)を実行可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−142117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示の技術にあっては、その〔0066〕段落に示されているように、貯湯運転時には、湯水循環路で貯湯タンクへ流入する前の湯水温度(所謂、貯湯温度)が75℃となるように、上述した三方弁の開度を制御して、排熱回収熱交換器の上流側に再循環される湯水の割合を制御して、貯湯動作を行っており、排熱の一部を蓄熱する暖房運転時には、その〔0076〕〜〔0077〕段落に示されるように、暖房用熱交換器の熱媒の出温度が目標温度となるように、排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量を制御して、貯湯動作を行っている。
このような制御形態にあっては、暖房運転の有無により貯湯動作のための制御が異なる上、暖房運転中でも熱媒の流量が零になることがあるため、熱媒の流量の有無を検出する必要があり、制御において取得しなければいけない情報が多く、構成が複雑になると共に、制御も複雑になるという問題があった。
また、暖房用熱交換器は、排熱回収熱交換器の通流後且つ熱電併給部の通流前の冷却水循環路を循環する冷却水と熱媒循環路を通流する熱媒とを熱交換するように設けられているため、排熱の一部を蓄熱する暖房運転(暖房運転と貯湯運転とを並列に実行する運転)にあっては、排熱回収熱交換器で回収する回収熱量は、暖房負荷を考慮しながら調整する必要があり、貯湯運転(排熱回収に係る運転)の制御が複雑なため、改善が望まれていた。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、暖房運転の有無や、熱媒の流量の有無に応じて切り換える必要のない簡易な構成、且つ簡易な制御で貯湯動作を実行できるコージェネレーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためのコージェネレーションシステムは、
予め設定された設定暖房熱媒温度に熱媒を加熱し、加熱された熱媒を暖房用の熱媒循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機と、
電力と熱とを発生する熱電併給部と、
前記熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、
貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、
前記冷却水循環路を通流する冷却水と、前記湯水循環路を通流する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器と、
運転を制御する制御部を備えたコージェネレーションシステムであって、その特徴構成は、
前記暖房放熱器の通流後且つ前記熱源機の通流前の前記熱媒循環路の熱媒の一部又は全部を通流する熱媒バイパス路と、
前記熱電併給部の通流後且つ前記排熱回収熱交換器の通流前の前記冷却水循環路の冷却水と、前記熱媒バイパス路を通流する熱媒とを熱交換する暖房用熱交換器を備え、
前記制御部が、前記冷却水循環路に冷却水を循環する冷却水循環制御を実行している状態で、前記冷却水が中温もしくは高温状態の時には、前記熱媒循環路の熱媒と前記熱媒バイパス路の熱媒が合流した下流側の熱媒合流温度が前記設定暖房熱媒温度になるように、前記熱媒バイパス路への熱媒配分流量を制御する熱媒配分流量制御を実行すると共に、前記冷却水が高温状態の時には、前記排熱回収熱交換器を通流した湯水が貯湯目標温度になるように、前記排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量を制御する湯水流量制御を実行する点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、熱媒バイパス路への熱媒配分流量を制御する熱媒配分流量制御においては、熱媒循環路の熱媒合流温度をパラメータとし、湯水の流量を制御する湯水流量制御においては、湯水循環路の排熱回収熱交換器を通流した湯水の温度をパラメータとして制御を実行するから、暖房運転の有無や熱媒の流量の有無に係る情報を取得する必要がなく、構成を簡易にできる。更に、暖房運転の有無や熱媒の流量の有無によって、湯水流量制御を切り換える必要がないから、暖房運転の実行中及び停止中の双方における貯湯制御を、簡易な制御で実現できる。
説明を追加すると、上記特徴構成に係る制御によれば、暖房運転の有無や熱媒流量の有無に関わらず、制御部は、冷却水が中温もしくは高温状態になれば、熱媒合流温度が設定暖房熱媒温度になるように熱媒バイパス路への熱媒配分流量を制御して、設定暖房熱媒温度の熱媒を暖房放熱器へ導いて適切に暖房運転を実行できる。しかも、冷却水が高温で、排熱が十分にある場合には、排熱の一部を貯湯タンクへ貯留できる。
更に、上記特徴構成にあっては、暖房用熱交換器を、熱電併給部の通流後且つ排熱回収熱交換器の通流前の冷却水と、熱媒バイパス路を通流する熱媒とを熱交換する形態で備えているから、冷却水が高温状態にあり、暖房運転と貯湯運転とが同時に実行される場合にも、複雑な制御を行うことなく、排熱を暖房に優先して使用して、排熱の残りを貯湯に用いることができ、貯湯制御の簡素化を図ることができる。
以上の発明により、暖房運転の有無や、熱媒の流量の有無に応じて切り換える必要のない簡易な構成、且つ簡易な制御で貯湯動作を実行できるコージェネレーションシステムを実現できる。
【0009】
コージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記制御部が、前記冷却水循環路に冷却水を循環する冷却水循環制御を実行している状態で、前記冷却水が低温状態の時には、前記熱媒バイパス路への熱媒配分流量を零に制御する熱媒配分流量制御を実行する点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、冷却水が低温状態にあるときには、熱電併給部への冷却水の戻り温度を、例えば、熱電併給部に必要な下限温度以上の温度に迅速に設定でき、熱電併給部の保護を良好に図ることができる。
【0011】
上記目的を達成するためのコージェネレーションシステムは、
予め設定された設定暖房熱媒温度に熱媒を加熱し、加熱された熱媒を暖房用の熱媒循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機と、
電力と熱とを発生する熱電併給部と、
前記熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、
貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、
前記冷却水循環路を通流する冷却水と、前記湯水循環路を通流する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器と、
運転を制御する制御部を備えたコージェネレーションシステムであって、その特徴構成は、
前記熱電併給部の通流後且つ前記排熱回収熱交換器の通流前の前記冷却水循環路の冷却水の一部又は全部を通流する冷却水バイパス路と、
前記暖房放熱器の通流後且つ前記熱源機の通流前の前記熱媒循環路の熱媒と、前記冷却水バイパス路を通流する冷却水とを熱交換する暖房用熱交換器を備え、
前記制御部が、前記冷却水循環路に冷却水を循環する冷却水循環制御を実行している状態で、前記冷却水が中温もしくは高温状態の時には、前記暖房用熱交換器を通流した熱媒の温度が前記設定暖房熱媒温度になるように、前記冷却水バイパス路への冷却水配分流量を制御する冷却水配分流量制御を実行すると共に、前記冷却水が高温状態の時には、前記排熱回収熱交換器を通流した湯水が貯湯目標温度になるように、前記排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量を制御する湯水流量制御を実行する点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、冷却水バイパス路への冷却水配分流量を制御する冷却水配分流量制御においては、暖房用熱交換器を通流した熱媒の温度をパラメータとし、湯水の流量を制御する湯水流量制御においては、湯水循環路の排熱回収熱交換器を通流した湯水の温度をパラメータとして制御を実行するから、暖房運転の有無や熱媒の流量の有無に係る情報を取得する必要がなく、構成を簡易にできる。更に、暖房運転の有無や熱媒の流量の有無によって、湯水流量制御を切り換える必要がないから、暖房運転の実行中及び停止中の双方における貯湯制御を、簡易な制御で実現できる。
説明を追加すると、上記特徴構成に係る制御によれば、暖房運転の有無や熱媒流量の有無に関わらず、制御部は、冷却水が中温もしくは高温状態になれば、暖房用熱交換器を通流した熱媒の温度が設定暖房熱媒温度になるように冷却水バイパス路への冷却水配分流量を制御して、設定暖房熱媒温度の熱媒を暖房放熱器へ導いて適切に暖房運転を実行できる。しかも、冷却水が高温で、排熱が十分にある場合には、排熱の一部を貯湯タンクへ貯留できる。
更に、上記特徴構成にあっては、暖房用熱交換器を、熱電併給部の通流後且つ排熱回収熱交換器の通流前の冷却水バイパス路を通流する冷却水と、熱媒循環路を通流する熱媒とを熱交換する形態で備えているから、冷却水が高温状態にあり、暖房運転と貯湯運転とが同時に実行される場合にも、複雑な制御を行うことなく、排熱を暖房に優先して使用して、排熱の残りを貯湯に用いることができ、貯湯制御の簡素化を図ることができる。
以上の発明により、暖房運転の有無や、熱媒の流量の有無に応じて切り換える必要のない簡易な構成、且つ簡易な制御で貯湯動作を実行できるコージェネレーションシステムを実現できる。
【0013】
コージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記制御部が、前記冷却水循環路に冷却水を循環する冷却水循環制御を実行している状態で、前記冷却水が低温状態の時には、前記冷却水バイパス路への冷却水配分流量を零に制御する冷却水配分流量制御を実行する点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、冷却水が低温状態にあるときには、熱電併給部への冷却水の戻り温度を、例えば、熱電併給部に必要な下限温度以上の温度に迅速に設定でき、熱電併給部の保護を良好に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】コージェネレーションシステム、及び熱源機の主要構成を示す概略構成図
図2】第1実施形態での給湯運転時の湯水通流状態を示す図
図3】第1実施形態での貯湯運転時の湯水循環状態、及び冷却水循環状態を示す図
図4】第1実施形態での排熱を蓄熱しない暖房運転時の冷却水循環状態、及び熱媒循環状態を示す図
図5】第1実施形態での排熱の一部を蓄熱する暖房運転時の湯水循環状態、冷却水循環状態、及び熱媒循環状態を示す図
図6】第1実施形態での冷却水温度判定に係る制御フロー図
図7】第1実施形態での暖房運転に係る制御フロー図
図8】第1実施形態での貯湯運転に係る制御フロー図
図9】第2実施形態での給湯運転時の湯水通流状態を示す図
図10】第2実施形態での貯湯運転時の湯水循環状態、及び冷却水循環状態を示す図
図11】第2実施形態での排熱を蓄熱しない暖房運転時の冷却水循環状態、及び熱媒循環状態を示す図
図12】第2実施形態での排熱の一部を蓄熱する暖房運転時の湯水循環状態、冷却水循環状態、及び熱媒循環状態を示す図
図13】第2実施形態での暖房運転に係る制御フロー図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係るコージェネレーションシステム100は、暖房運転の有無や、熱媒Hの流量の有無に応じて切り換える必要のない簡易な構成、且つ簡易な制御で貯湯動作が実行可能なものに関する。
以下、当該コージェネレーションシステム100は、予め設定された設定暖房熱媒温度に熱媒を加熱し、加熱された熱媒を暖房用循環路34(熱媒循環路に含まれる概念)にて暖房放熱器33へ導く暖房運転を実行する熱源機10を備えたものであるので、以下、まず、当該熱源機10について説明をした後、コージェネレーションシステム本体40について説明する。
【0017】
<第1実施形態>
〔熱源機〕
熱源機10は、図1に示すように、詳細については後述するが、一般的な給湯暖房器として構成され、上水道から熱源機側入水部20aを介して供給された湯水Wを、予め設定された設定給湯温度に加熱して給湯栓30に供給する、所謂給湯運転を行うと共に、暖房放熱器33へ加熱した熱媒Hを循環させる暖房用循環路34(熱媒循環路に含まれる概念)を通流する熱媒Hを加熱する暖房運転を行うものである。
外部インターフェースとしては、上水管路20の一端側に設けられ外部から湯水Wを当該上水管路20に取り込む熱源機側入水部20a、同上水管路20の他端側に設けられ当該上水管路20の湯水Wを外部に吐出する熱源機側出水部20b、熱媒流路16の熱媒Hを外部から受け入れる熱源機側熱媒受入部16a、同熱媒流路16の熱媒Hを外部へ吐出する熱源機側熱媒吐出部16b、及び、天然ガス系都市ガスである燃料ガスGを取り込む燃料ガス供給部14、等が設けられている。
熱源機側出水部20bは、給湯栓30に接続されることで、当該熱源機側出水部20bから吐出された湯水Wが給湯栓30に供給される。
また、熱源機側熱媒受入部16a及び熱源機側熱媒吐出部16bは、温水床暖房パネルなどの暖房放熱器33との間に設けられた暖房用循環路34を循環する熱媒Hを取込又は吐出する形態で、当該暖房用循環路34に接続される。当該暖房用循環路34は、熱源機側熱媒吐出部16bから吐出された熱媒Hの全量のうち、所定流量が、往きヘッダ31を介して暖房用循環路34に設けられた暖房放熱器33に供給され、一方、暖房放熱器33を通流した熱媒Hが、戻りヘッダ32を通流し、当該戻りヘッダ32を通流した熱媒Hの全量をコージェネレーションシステム本体40へ導く本体側熱媒流路104(熱媒循環路に含まれる概念)を通流して、熱源機側熱媒受入部16aに戻すように配設されている。
【0018】
熱源機10には、後述するバーナ11a,12aの作動を制御したり、その他の弁やポンプなどの各種補機の運転を制御したりするコンピュータからなる熱源機側制御部25が設けられている。
熱源機側制御部25は、住居内に設置されたリモコン27との間で通信部26を介して通信可能に構成されており、この構成により、リモコン27から給湯時の設定給湯温度や暖房運転の開始及び停止を操作することができる。また、この通信部26は、後述するコージェネレーションシステム本体40側の通信部96との間でも、無線又は有線での双方向の通信が可能に構成されている。
【0019】
熱源機10は、熱源機側入水部20aに取り込んで熱源機側出水部20bから吐出される湯水Wを加熱するための給湯用加熱部11と、熱源機側熱媒受入部16aに取り込んで熱源機側熱媒吐出部16bから吐出される熱媒Hを加熱するための暖房用加熱部12とを有する。
給湯用加熱部11は、調整弁11cを介して供給される燃料ガスGをファン13により供給される燃焼用空気により燃焼させるバーナ11aと、当該バーナ11aから排出される高温の燃焼ガスとの熱交換により上水管路20を通流する湯水Wを加熱する給湯熱交換器11bとを有して構成されている。
一方、暖房用加熱部12は、調整弁12cを介して供給される燃料ガスGをファン13により供給される燃焼用空気により燃焼させるバーナ12aと、当該バーナ12aから排出される高温の燃焼ガスとの熱交換により熱媒流路16を通流する熱媒Hを加熱する暖房熱交換器12bとを有して構成されている。
【0020】
また、上水管路20には、熱源機側入水部20aから取り込んだ湯水Wの温度(以下「熱源機側入水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する第3温度センサ21と、熱源機側出水部20bから吐出する湯水Wの温度(以下「熱源機側出水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する第4温度センサ22と、湯水Wの通流を検出する通水スイッチ23とが配置されている。
一方、熱媒流路16には、熱源機側熱媒受入部16aから取り込んだ熱媒Hの温度(以下「熱源機側入熱媒温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する第1温度センサ17と、熱源機側熱媒吐出部16bから吐出する熱媒Hの温度(以下「熱源機側出熱媒温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する第2温度センサ18と、熱媒Hを送出する熱媒ポンプ19とが配置されている。
【0021】
このような構成により、熱源機側制御部25は、熱源機側入水部20aから供給された湯水Wを予めリモコン27で設定された設定給湯温度に加熱して給湯栓30に供給する給湯運転や、暖房運転時において暖房放熱器33との間に設けられた暖房用循環路34を循環する熱媒Hを予め設定された目標温度に加熱する暖房運転を実行できる。以下に、給湯運転と暖房運転との詳細について説明を加える。
【0022】
(給湯運転)
給湯運転は、上水管路20に配置された通水スイッチ23により給湯栓30の開栓による湯水Wの流通を検知している状態において、第3温度センサ21で検出される熱源機側入水温度が設定給湯温度未満である場合に、バーナ11aで燃料ガスGを燃焼させる形態で実行される。また、この給湯運転では、第4温度センサ22で検出される熱源機側出水温度が設定給湯温度になるように、バーナ11aでの燃焼量が、燃料ガスGの供給量を調整する調整弁11cの開度制御により調整される。
従って、給湯栓30を開栓した場合には、適宜給湯運転が実行されて、その給湯栓30には設定給湯温度の湯水Wが供給されることになる。
【0023】
更に、上水管路20には、給湯熱交換器11bの上流側と下流側とを接続する形態でバイパス調整弁24が設けられている。
給湯運転では、上述のように調整弁11cの開度制御により、ガスの流量を制御しバーナ11aでの燃焼量を調整することに加えて、バイパス調整弁24を開度制御して、バイパス流量を細かく制御することにより、給湯の出湯温度をより正確に設定温度に制御する。
【0024】
(暖房運転)
暖房運転は、リモコン27において暖房運転の開始ボタンが押操作されて熱媒流路16に配置された熱媒ポンプ19の作動が開始され、熱媒流路16に熱媒Hが通流している状態で、第1温度センサ17で検出される熱源機側入熱媒温度が目標温度未満である場合に、バーナ12aで燃料ガスGを燃焼させる形態で実行される。尚、当該暖房運転では、第2温度センサ18で検出される熱源機側出熱媒温度が目標温度になるように、バーナ12aの燃焼状態が、燃料ガスGの流量制御を実行可能であると共に、燃料ガスGの供給開始・供給停止状態を切り替え可能な調整弁12cの開度制御により調整される。
【0025】
〔コージェネレーションシステム本体〕
次に、コージェネレーションシステム本体40について、図2〜5に基づいて説明する。
尚、図2〜5は、コージェネレーションシステム本体40の各種運転状態を示すものであるが、湯水W、冷却水C,又は熱媒Hの流体が通流している配管を太実線で表示し、当該流体が通流していない配管を細実線で表示している。
尚、このコージェネレーションシステム本体40は、外部インターフェースとして、上水道から湯水W(上水)を取り込む本体側入水部80a、湯水Wを熱源機10側へ吐出する本体側出水部78a、貯湯タンク90の排水を行う排水弁75、熱源機10側から暖房用熱媒Hを取り込む本体側熱媒受入部58a、熱源機10側へ同熱媒Hを吐出する本体側熱媒吐出部58bなどが設けられている。
更に、当該コージェネレーションシステム本体40側に設けられた熱電併給部41並びに弁やポンプなどの各種補機の運転を制御するコンピュータからなる本体側制御部95(制御部の一例)が設けられている。この本体側制御部95は、通信部96を介して、熱源機10側の通信部26との間で無線又は有線での双方向通信を行ったり、外部に設けた表示部(図示省略)に運転状態などの所定の表示を行ったりするための通信を行うように構成されている。
具体的には、詳細については後述するが、熱源機10の通信部26からコージェネレーションシステム本体40の通信部96に対しては、熱源機10側で設定された設定給湯温度や暖房運転の目標温度が出力される。
【0026】
コージェネレーションシステム本体40は、エンジン駆動式発電機などのような電力と熱とを発生する熱電併給部41を備え、発生した電力は適宜インバータ等を用いて商用電力と連系する形態で外部の電力負荷等に供給される。また、熱電併給部41が発生した熱は湯水Wの加熱に利用され、かかる加熱された湯水Wを貯留する貯湯タンク90が設けられている。
【0027】
熱電併給部41は、内部に設けられた冷却水ジャケット(図示省略)を通流する冷却水Cにより冷却される構造を有し、その冷却水Cが循環する冷却水循環路42が設けられている。
冷却水循環路42には、冷却水Cの循環方向に沿って、冷却水Cを送り出す冷却水ポンプ46、冷却水の通流を断続可能な電磁弁47、熱電併給部41における冷却水ジャケット(図示省略)、当該冷却水ジャケットから吐出された冷却水Cの温度を検出する第6温度センサ50、暖房用熱交換器56、排熱回収熱交換器55、及び冷却水Cを一時的に蓄えるバッファタンク51が、記載の順で配置されている。
バッファタンク51には、一時的に貯留される冷却水Cの温度を検出する第5温度センサ49が設けられている。また、本体側入水部80aに供給された湯水Wが、湯水補充流路105及び電磁弁52を介して適宜冷却水Cとしてバッファタンク51に補充される。
また、排熱回収熱交換器55の下流側でバッファタンク51の上流側には、冷却水Cの温度を検出する第8温度センサ54が設けられている。
【0028】
排熱回収熱交換器55は、冷却水循環路42を通流する冷却水Cと加熱貯湯循環路60を通流する湯水Wとの間で熱交換を行うように構成されている。一方、暖房用熱交換器56は、冷却水循環路42を通流する冷却水Cと本体側熱媒流路104を通流する熱媒Hとの間で熱交換を行うように構成されている。
即ち、熱電併給部41において熱を発生している状態で、冷却水ポンプ46を作動させて、冷却水循環路42に冷却水Cを循環させると、熱電併給部41を通流して加熱された冷却水Cが、暖房用熱交換器56及び排熱回収熱交換器55を通流することで熱媒H及び湯水Wとの間で熱交換を行い、再び熱電併給部41に供給されることになる。
【0029】
貯湯タンク90は、下部90bに湯水Wが供給され上部90aから本体側出水部78aに湯水Wが取り出される密閉式タンクとして構成されている。また、貯湯タンク90の下部90bから取り出した湯水Wを、熱電併給部41が発生した熱で加熱するべく排熱回収熱交換器55に通流させて、貯湯タンク90の上部90aに戻す形態で、湯水Wを循環させる加熱貯湯循環路60が設けられている。
この加熱貯湯循環路60は、貯湯タンク90の下部90bに対しては、当該下部90bに接続された底部管路72に対して三方弁73を介して接続されており、一方、貯湯タンク90の上部90aに対しては、当該上部90aに接続された上部管路66に対して比例弁65を介して接続されている。
【0030】
この加熱貯湯循環路60には、湯水Wの流通方向に沿って、三方弁73、湯水Wを送り出す湯水ポンプ61、排熱回収熱交換器55、当該排熱回収熱交換器55を通流した後の湯水Wの温度を検出する第9温度センサ63、同湯水Wの流量を検出する循環流量センサ62、貯湯タンク90の上部90aに流入する湯水Wの温度(以下「貯湯温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する第10温度センサ64、比例弁65、及び、貯湯タンク90が、記載の順で配置されている。
【0031】
また、貯湯タンク90の上部90aに接続された上部管路66は、湯水三方調整弁77及び出湯管路78を介して本体側出水部78aに接続されており、その湯水三方調整弁77の上流側には、貯湯タンク90の上部90aから上部管路66に取り出された湯水Wの温度を検出する第11温度センサ76が設けられている。尚、このタンク取出湯水温度の検出は、第11温度センサ76の代わりに、貯湯タンク90の上下方向に分散配置した複数の第14温度センサ91のうち最上部に設けられた第15温度センサ91aで行っても構わない。
また、この湯水三方調整弁77には、本体側入水部80aに通じる給水管路82が接続されている。更に、出湯管路78と給水管路82とは、バイパス管路86により接続されており、このバイパス管路86には、湯水Wの通流を断続可能な電磁弁87が配置されている。
即ち、上記湯水三方調整弁77は、貯湯タンク90の上部90aから本体側出水部78aに供給される湯水Wに対し、混合比調整を伴って、給水管路82から供給される湯水Wを混合可能な混合部として機能する。
尚、出湯管路78のバイパス管路86との接続部の下流側には、湯水Wの通流方向に沿って、湯水Wの流量を検出する流量センサ79、本体側出水部78aから吐出される湯水Wの温度を検出する第12温度センサ81が、記載の順に配置されている。
一方、給水管路82のバイパス管路86との接続部の上流側には、湯水Wの通流方向に沿って、湯水Wの圧力を調整する減圧弁84、本体側入水部80aに供給された湯水Wの温度を検出する第13温度センサ85、湯水Wの逆流を阻止する逆止弁83が、記載の順に配置されている。
【0032】
また、給水管路82は、貯湯タンク90の下部90bに接続された底部管路72の三方弁73に対して逆止弁89を介して接続されており、この構成により、貯湯タンク90では、上部90aから湯水Wが取り出されると同時に、下部90bから湯水Wが、給水管路82、三方弁73、及び底部管路72を介して供給されることになる。
これまで説明してきたように、加熱貯湯循環路60が、湯水循環路として働く。
【0033】
暖房用循環路34に関し説明を加えると、暖房用循環路34は、戻りヘッダ32を通流した熱媒Hの全量をコージェネレーションシステム本体40へ導く本体側熱媒流路104(熱媒循環路に含まれる概念)を有する。
説明を追加すると、本体側熱媒流路104は、本体側熱媒受入部58a及び本体側熱媒吐出部58bを介して、コージェネレーションシステム本体40の筐体内に配設され、暖房放熱器33(戻りヘッダ32)の通流後且つ熱源機10の通流前の筐体内本体側熱媒流路104a(熱媒循環路に含まれる概念)に接続されていると共に、筐体内本体側熱媒流路104aを通流する熱媒Hの一部又は全部を暖房用熱交換器56の側へバイパスする熱媒バイパス路104bとを有する。そして、当該筐体内本体側熱媒流路104aの側と、熱媒バイパス路104bの側への熱媒Hの配分流量を調整可能な、熱媒三方調整弁113が設けられている。
筐体内本体側熱媒流路104aには、筐体内本体側熱媒流路104aと熱媒バイパス路104bの双方を通流した熱媒が合流する部位の下流側の熱媒温度である熱媒合流温度を検出する第16温度センサ102bが設けられている。
詳細については後述するが、本体側制御部95は、熱媒三方調整弁113により、筐体内本体側熱媒流路104aの側と熱媒バイパス路104bの側への熱媒Hの配分流量を調整する形態で、熱媒配分流量制御を実行するように構成されている。
ここで、当該第1実施形態に係るコージェネレーションシステム本体40にあっては、その筐体内に熱媒Hを圧送する熱媒ポンプを備えておらず、熱源機10の内部に設けられる熱媒ポンプ19の吐出圧力にて熱媒が循環される。
【0034】
以上のような構成により、当該第1実施形態に係るコージェネレーションシステム100は、以下に示す、給湯制御を実行することにより実現される給湯運転と、冷却水循環制御、冷却水温度判定、湯水流量制御、及び熱媒配分流量制御を実行することにより実現される貯湯運転及び暖房運転とを実行可能に構成されている。
具体的には、本体側制御部95が、冷却水循環路42に冷却水Cを循環する冷却水循環制御を実行している状態で、冷却水Cが中温もしくは高温状態の時には、本体側熱媒流路104aの熱媒Hと熱媒バイパス路104bの熱媒Hが合流した下流側の熱媒合流温度(第16温度センサ102bにて検出される温度)が設定暖房熱媒温度になるように、熱媒バイパス路104bへの熱媒配分流量を制御する熱媒配分流量制御を実行すると共に、冷却水Cが高温状態の時には、排熱回収熱交換器55を通流した湯水が貯湯目標温度になるように、排熱回収熱交換器55を通流する湯水の流量を制御する湯水流量制御を実行する。
【0035】
ここで、暖房運転には、熱源機側出熱媒温度の目標温度が高温である高温暖房運転と、当該目標温度が低温である低温暖房運転とがあり、更に、低温暖房運転には、ホットダッシュ運転、通常低温暖房運転、床暖房低負荷運転があり、夫々の運転における目標温度は、異なる温度となっており、上述の設定暖房熱媒温度は当該目標温度に対応する温度である。
以下では、給湯運転を実現するための給湯制御につき説明した後、貯湯運転及び暖房運転を実現するための冷却水循環制御、冷却水温度判定、湯水流量制御、及び熱媒配分流量制御について説明する。
【0036】
(給湯制御)
図2に示すように、給湯制御は、給湯栓30が開栓されることで熱源機10の熱源機側出水部20bから給湯栓30へ湯水Wが供給され、それに伴って本体側出水部78aから熱源機側入水部20aへ湯水Wが供給され、それに伴って出湯管路78に配置された流量センサ79で湯水Wの通流が検知された状態で実行される。
かかる給湯制御では、貯湯タンク90の上層の比較的高温の湯水Wが、上部90aから上部管路66に取り出されて、湯水三方調整弁77を介して出湯管路78に供給される。
更に、この給湯制御では、一旦、目標出水温度を、熱源機10側から入力を受け付けた設定給湯温度と等しい温度又は同設定給湯温度よりも放熱分を考慮した若干高めの温度に決定した状態で、湯水三方調整弁77の開度が制御される。
すなわち、第11温度センサ76で検出されるタンク取出湯水温度が目標出水温度以上である場合には、湯水三方調整弁77において適当な湯水Wが混合されることで、目標出水温度の湯水Wが得られ、その湯水Wが熱源機10の熱源機側入水部20aに供給されることになる。
熱源機10においては、熱源機側入水温度が設定給湯温度以上であれば、その湯水Wを再加熱する必要がないために、熱源機10で加熱されることなく、この設定給湯温度の湯水Wがそのまま給湯栓30に供給されることになる。
【0037】
一方、第11温度センサ76で検出されるタンク取出湯水温度が目標出水温度未満である場合には、目標出水温度を設定給湯温度よりも十分に低い温度(例えば30℃)に設定して、湯水三方調整弁77を介して供給される湯水Wの量を増加させ、本体側出水部78aから低く設定された目標出水温度の湯水Wを吐出するようにする。
以上の給湯制御が実行される形態で給湯運転が実現される。
【0038】
(冷却水循環制御)
冷却水循環制御は、冷却水循環路42を循環する冷却水Cの循環状態を制御するものである。当該冷却水循環制御は、本体側制御部95が、冷却水循環路42に一定流量(例えば、5L/min)で冷却水Cが循環するように、冷却水ポンプ46の回転数を制御する。当該冷却水循環制御は、熱電併給部41の運転と連動する形態で実行される。
【0039】
(冷却水温度判定)
本体側制御部95は、上述の冷却水循環制御が実行されている状態で、図6に示す冷却水温度判定に係る制御フローに基づいて、冷却水Cの温度判定を実行する。
本体側制御部95は、初期値として、冷却水温度に「低温」を設定(♯101)した後、熱電併給部41の運転中は、以下の♯102〜#109の温度判定を繰り返し実行する。
本体側制御部95は、冷却水温度が「低温」に設定されており、且つ第5温度センサ49の検出温度が66℃(低温側の中温判定閾値)を超える場合(#102)、冷却水温度に「中温」を設定する(#103)。そうでない場合、何もしない(#104へ)。
本体側制御部95は、冷却水温度が「中温」に設定されており、且つ第5温度センサ49の検出温度が63℃(低温判定閾値)未満の場合(#104)、冷却水温度に「低温」を設定する(#105)。そうでない場合、何もしない(#106へ)。
本体側制御部95は、冷却水温度が「中温」に設定されており、且つ第5温度センサ49の検出温度が73℃(高温判定閾値)を超える場合(#106)、冷却水温度に「高温」を設定する(#107)。そうでない場合、何もしない(#108へ)。
本体側制御部95は、冷却水温度が「高温」に設定されており、且つ第5温度センサ49の検出温度が70℃(高温側の中温判定閾値)未満の場合(#108)、冷却水温度に「中温」を設定する(#109)。そうでない場合、何もしない(#102へ)。
【0040】
本体側制御部95は、上述の冷却水温度判定にて判定された冷却水温度に基づいて、以下の暖房運転に係る制御、及び貯湯運転に係る制御を実行する。
(暖房運転に係る制御)
熱電併給部41の運転中は、図7の制御フローに示すように、以下の♯201〜#204の判定制御が繰り返し実行される。本体側制御部95は、冷却水循環制御が実行されている状態で、リモコン27にて暖房運転がONにされ、且つ冷却水温度が「中温」又は「高温」に設定されている場合(#201)、本体側熱媒流路104の熱媒合流温度(第16温度センサ102bの検出温度)が設定暖房熱媒温度となるように、熱媒三方調整弁113の開度を制御(#202)し、そうでない場合、何もしない(#203へ)。因みに、当該#201、#202の制御では、本体側制御部95は、熱媒三方調整弁113の熱媒バイパス路104b側の開度(目標位置)は、以下の〔式1〕に従って制御される。
【0041】
目標位置=現在位置+A(設定暖房熱媒温度−熱媒合流温度)・・・・〔式1〕
【0042】
ここで、Aは正の定数であるとする。当該〔式1〕では、目標位置が大きいほど、熱媒三方調整弁113の熱媒バイパス路104b側の開度は開き側へ制御される。
【0043】
本体側制御部95は、リモコン27にて暖房運転がOFFにされているか、又は冷却水温度が「低温」である場合(#203)、熱媒三方調整弁113の暖房用熱交換器56側の開度を全閉に制御(#204)し、そうでない場合、何もしない(#201へ)。
上述した#201〜#204の制御が、熱媒流量配分制御に相当する。
【0044】
(貯湯運転に係る制御)
熱電併給部41の運転中は、図8の制御フローに示すように、以下の♯301〜#304の判定制御が繰り返し実行される。本体側制御部95は、冷却水循環制御が実行されている状態で、冷却水温度が「高温」である場合(#301)、第9温度センサ63の検出温度が貯湯目標温度(例えば、75℃)となるように、湯水ポンプ61の回転数を制御(#302)し、そうでない場合、何もしない(#303へ)。
因みに、本体側制御部95は、上記#301〜#302の制御において、湯水ポンプ61の目標回転数(即ち、排熱回収熱交換器55を通流する湯水の流量に比例する値)を、以下の〔式2〕に従って制御する。
【0045】
目標回転数=現在回転数+B(排熱回収熱交換器を通流した湯水温度−貯湯目標温度)・・・〔式2〕
ここで、Bは正の定数であるとする。
【0046】
本体側制御部95は、冷却水温度が「低温」又は「中温」である場合、湯水ポンプ61を停止(#304)し、そうでない場合、何もしない(#301へ)。
上述した#301〜#304の制御が、湯水流量制御に相当する。
【0047】
因みに、当該第1実施形態において、上述した貯湯運転のみが実行されている場合の冷却水C及び湯水Wの通流状態が、図3に示す状態であり、上述した暖房運転のみが実行されている場合の冷却水C及び熱媒Hの通流状態が、図4に示す状態であり、上述した貯湯運転と暖房運転との双方が実行されている場合の冷却水C、湯水W、及び熱媒Hの通流状態が、図5に示す状態である。
【0048】
<第2実施形態>
当該第2実施形態に係るコージェネレーションシステム100にあっては、第1実施形態のコージェネレーションシステム100に対し、暖房用熱交換器56に関連する冷却水循環路42、暖房用循環路34に係る構成が異なると共に、及び暖房運転において熱媒配分流量制御に替えて冷却水配分流量制御を実行する点が異なる。
以下では、当該差異点に関連する構成、及び制御に重点をおいて説明することとし、その他の構成については第1実施形態と同一の符号を付して、その説明を割愛する。
【0049】
第2実施形態に係る暖房用循環路34では、上記第1実施形態と同様に、戻りヘッダ32を通流した熱媒Hの全量をコージェネレーションシステム本体40へ導く本体側熱媒流路104を有するのであるが、当該本体側熱媒流路104には、第1実施形態の如く、熱媒バイパス路104b及び熱媒三方調整弁113を設ける構成を採用していない。
即ち、当該第2実施形態にあっては、本体側熱媒流路104を通流する熱媒Hの全量が暖房用熱交換器56を通流することとなる。本体側熱媒流路104には、暖房用熱交換器56の通流後で熱源機10の通流前の熱媒Hの温度を検出する第16温度センサ102bを備えている。
因みに、当該第2実施形態に係るコージェネレーションシステム100においても、コージェネレーションシステム本体40の筐体内に熱媒Hを圧送する熱媒ポンプは設けられておらず、熱源機10の内部に設けられる熱媒ポンプ19の吐出圧力にて熱媒が循環される。
【0050】
冷却水循環路42には、冷却水Cの循環方向に沿って、冷却水Cを送り出す冷却水ポンプ46、冷却水の通流を断続可能な電磁弁47、熱電併給部41における冷却水ジャケット(図示省略)、当該冷却水ジャケットから吐出された冷却水Cの温度を検出する第6温度センサ50、排熱回収熱交換器55、及び冷却水Cを一時的に蓄えるバッファタンク51が、記載の順で配置されている。
更に、冷却水循環路42における熱電併給部41の通流後で、且つ排熱回収熱交換器55の通流前の冷却水Cの一部又は全部を通流する冷却水バイパス路36(冷却水バイパス路の一例)が設けられている。
更に、当該冷却水バイパス路36には、当該冷却水バイパス路36を通流する冷却水と、暖房放熱器33の通流後(戻りヘッダ32の通流後)かつ熱源機10の通流前の本体側熱媒流路104の熱媒Hとを熱交換する暖房用熱交換器56が設けられていると共に、冷却水Cの流れ方向で下流側での冷却水循環路42との接続部位に、冷却水バイパス路36側を通流する冷却水Cの流量と、冷却水循環路42側を通流する冷却水Cの流量との割合を調整をする冷却水三方調整弁35が設けられている。尚、第1実施形態と同様に、バッファタンク51には、一時的に貯留される冷却水Cの温度を検出する第5温度センサ49が設けられている。
【0051】
更に、当該第2実施形態のコージェネレーションシステム100にあっては、第1実施形態のコージェネレーションシステム100に比して、暖房運転に係る制御が異なっており、他の制御については同一である。以下、図13の制御フローに基づいて、暖房運転に係る制御について説明する。
【0052】
(暖房運転に係る制御)
熱電併給部41の運転中は、以下の♯401〜#404の判定制御が繰り返し実行される。本体側制御部95は、冷却水循環制御が実行されている状態で、リモコン27にて暖房運転がONにされ、且つ冷却水温度が「中温」又は「高温」に設定されている場合(#401)、暖房用熱交換器56を通流した熱媒温度(第16温度センサ102bの検出温度)が設定暖房熱媒温度となるように、冷却水三方調整弁35の開度を制御(#402)し、そうでない場合、何もしない(#403へ)。因みに、当該#401、#402の制御では、本体側制御部95は、冷却水三方調整弁35の冷却水バイパス路36側の開度(目標位置)は、以下の〔式3〕に従って制御される。
【0053】
目標位置=現在位置+C(設定暖房熱媒温度−暖房用熱交換器を通流した熱媒温度)・・・・〔式3〕
【0054】
ここで、Cは正の定数であるとする。当該〔式3〕では、目標位置が大きいほど、冷却水三方調整弁35の冷却水バイパス路36側の開度は開き側へ制御される。
【0055】
本体側制御部95は、リモコン27にて暖房運転がOFFにされているか、又は冷却水温度が「低温」である場合(#403)、冷却水三方調整弁35の暖房用熱交換器56側(冷却水バイパス路36側)の開度を全閉に制御(#404)し、そうでない場合、何もしない(#401へ)。
【0056】
上述した#401〜#404の制御が、冷却水流量配分制御に相当する。
因みに、当該第2実施形態において、上述した貯湯運転のみが実行されている場合の冷却水C及び湯水Wの通流状態が、図10に示す状態であり、上述した暖房運転のみが実行されている場合の冷却水C及び熱媒Hの通流状態が、図11に示す状態であり、上述した貯湯運転と暖房運転との双方が実行されている場合の冷却水C、湯水W、及び熱媒Hの通流状態が、図12に示す状態である。
【0057】
<別実施形態>
(1)上記実施形態においては、冷却水温度判定に関し、バッファタンク51に設けられる第5温度センサ49の検出温度に基づいて、冷却水温度判定を実行する例を示した。
しかしながら、冷却水温度判定では、排熱回収熱交換器55を通流後で熱電併給部41を通流前の冷却水Cの温度を検出する第8温度センサ54の検出温度に基づいて、冷却水温度判定を実行するように構成しても構わない。
【0058】
(2)上記第1実施形態の暖房運転に係る#203、#204の制御において、暖房運転がOFFの場合には、放熱ロスを低減するべく、熱媒三方調整弁113の暖房用熱交換器56側の開度を全閉に制御したが、別に全閉に制御しなくても構わない。
同様に、上記第2実施形態の暖房運転に係る制御の#403、#404において、暖房運転がOFFの場合には、放熱ロスを低減するべく、冷却水三方調整弁35の暖房用熱交換器56側の開度を全閉に制御したが、別に全閉に制御しなくても構わない。
【0059】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のコージェネレーションシステムは、暖房運転の有無や、熱媒の流量の有無に応じて切り換える必要のない簡易な構成、且つ簡易な制御で貯湯動作を実行できるコージェネレーションシステムとして、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
10 :熱源機
33 :暖房放熱器
34 :暖房用循環路
36 :冷却水バイパス路
41 :熱電併給部
42 :冷却水循環路
55 :排熱回収熱交換器
56 :暖房用熱交換器
90 :貯湯タンク
95 :本体側制御部
100 :コージェネレーションシステム
104 :本体側熱媒流路
104a :筐体内本体側熱媒流路
104b :熱媒バイパス路
C :冷却水
H :熱媒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13