特許第6509282号(P6509282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニング インコーポレイテッドの特許一覧

特許6509282デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法
<>
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000013
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000014
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000015
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000016
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000017
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000018
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000019
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000020
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000021
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000022
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000023
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000024
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000025
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000026
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000027
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000028
  • 特許6509282-デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法 図000029
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509282
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】デューテロキシルドープ石英ガラス、このガラスを有する光学部材及びリソグラフィシステム並びにこのガラスの作成方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/06 20060101AFI20190422BHJP
   C03B 8/02 20060101ALI20190422BHJP
   G02B 1/00 20060101ALI20190422BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   C03C3/06
   C03B8/02 A
   C03B8/02 J
   C03B8/02 K
   C03B8/02 N
   G02B1/00
   G03F7/20 521
   G03F7/20 502
【請求項の数】19
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2017-122986(P2017-122986)
(22)【出願日】2017年6月23日
(62)【分割の表示】特願2012-287644(P2012-287644)の分割
【原出願日】2006年11月1日
(65)【公開番号】特開2017-186254(P2017-186254A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2017年7月24日
(31)【優先権主張番号】60/734,527
(32)【優先日】2005年11月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/348,956
(32)【優先日】2006年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/583,619
(32)【優先日】2006年10月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(72)【発明者】
【氏名】ダナ シー ブックバインダー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード エム フィアッコ
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ ノイキルヒ
【審査官】 吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/082800(WO,A1)
【文献】 特表2005−503316(JP,A)
【文献】 特表2000−506117(JP,A)
【文献】 特開平10−218627(JP,A)
【文献】 特表2001−500631(JP,A)
【文献】 特開2004−018317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 3/06
C03B 8/02 − 8/04
C03B 20/00
G03F 1/60
H01L 21/027
G02B 1/00
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができる、OD及び、必要に応じて、OHと、100ppbよりも少ないナトリウムとを含有する、ODドープ合成石英ガラス材料において、
n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が0.5より高く、
波長193nmにおいて少なくとも99.00%/cmの内部透過率を有することを特徴とする合成石英ガラス材料。
【請求項2】
前記n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が0.8より高いことを特徴とする請求項1に記載の合成石英ガラス材料。
【請求項3】
前記n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が0.9より高いことを特徴とする請求項1に記載の合成石英ガラス材料。
【請求項4】
前記n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が0.95より高いことを特徴とする請求項1に記載の合成石英ガラス材料。
【請求項5】
,HD,D及び/またはこれらの混合物を含有する、[H],[HD]及び[D]の総合計が0.5×1015〜5×1019分子/cmの範囲にあることを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の合成石英ガラス材料。
【請求項6】
193nmで動作し、70μJ・cm−2・パルス−1のフルーエンス及び25nsのパルス長を有するレーザビームの100億(1×1010)パルスを受けたときに、633nmで測定して、−1.0nm/cmと1.0nm/cmの間のレーザ誘起波面歪曲(LIWFD)を示すことを特徴とする請求項1から5いずれか1項に記載の合成石英ガラス材料。
【請求項7】
193nmのエキシマーレーザの200億(2×1010)以下の数のパルスを受けたときに示す、633nmで測定した、規格化波面歪曲L633が、−1.0≦L633≦1.0であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の合成石英ガラス材料。
【請求項8】
193nmのエキシマーレーザの200億(2×1010)以下の数のパルスを受けたときに示す、193nmで測定した、規格化波面歪曲L193が、−1.0≦L193≦1.0であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の合成石英ガラス材料。
【請求項9】
前記ガラスが、40μJ・cm−2・パルス−1のフルーエンス及び25nsのパルス長を有する193nmの直線偏光パルスレーザビームを2×1010パルス受けた後に、633nmで測定して、0.04nm/cmより小さい偏光誘起複屈折を示すことを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の合成石英ガラス材料。
【請求項10】
300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができるODドープ合成石英ガラス材料を作成するためのプロセスにおいて、
(A)複数のシリカ含有粒子を有する粒子プリフォームを提供する工程、
(B)必要に応じて、前記粒子プリフォームを純化及び/または乾燥する工程、
(C)必要に応じて、前記粒子プリフォームにドーパントをさらにドープする工程、
(D)前記粒子プリフォームを高温で固結して緻密ガラスにする工程、及び
(E)必要に応じて、前記工程(D)で得られた前記固結ガラスをH,HD及び/またはDの存在の下で処理する工程、
を含み、
前記工程(A),(B),(C),(D)及び(E)の内の少なくとも1つにおいて、得られる石英ガラスがOD及び、必要に応じて、OHを含有して、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が0.5より高くなるように、ODが前記ガラスに導入されるかまたは前記ガラス内に形成され、かつ、得られる石英ガラスが、100ppbよりも少ないナトリウムを含有し、波長193nmにおいて少なくとも99.00%/cmの内部透過率を有する、
ことを特徴とするプロセス。
【請求項11】
前記n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が0.8より高くされることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が0.9より高くされることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
前記n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が0.95より高くされることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項14】
前記工程(A),(B),(C)及び(D)の内の少なくとも1つにおいて、ODが前記ガラスに導入されるかまたは前記ガラス内に形成されることを特徴とする請求項10から13いずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記工程(A)が、
(A1)複数の粒子を提供する工程、及び
(A2)回転している支持表面上に前記粒子を堆積させて前記粒子プリフォームを形成する工程、
を含むことを特徴とする請求項10から13いずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記工程(A)が、
(A(i))シリカを含有するゾル−ゲルを形成する工程、及び
(A(ii))前記ゾル−ゲルから前記粒子プリフォームを形成する工程、
を含むことを特徴とする請求項10から13いずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記工程(B)が行われ、そのような工程が、F,Cl,Br,ハロゲン含有化合物,CO,CO及びこれらの同等な混合気から選ばれる少なくとも1つの純化/乾燥剤を含有する雰囲気内で行われることを特徴とする請求項10から13いずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記工程(C)が行われ、前記工程(C)において、OHからODへの交換が行われることを特徴とする請求項10から13いずれか1項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記工程(D)の結果として得られる前記緻密ガラスがOHを含有し、
前記工程(E)が行われ、
前記工程(E)において、前記ガラスが、前記緻密ガラス内の所望の[OH]及び[OD]を得るための前記ガラス内のH/D交換を行うため、D,HD及び/またはHを含有する雰囲気内で処理される、
ことを特徴とする請求項10から13いずれか1項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成石英ガラス材料、そのようなガラス材料を有する光学素子及び光学装置並びにそのようなガラス材料の作成方法に関する。特に、本発明は、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置の光学素子に用いることができる合成石英ガラス材料、そのようなガラス材料からなる光学素子、そのような光学素子を備えるリソグラフィシステム、そのようなガラス材料を作成するためのプロセス及びそのようなプロセスで作成されるスートプリフォームに関する。本発明は、例えば、深UV及び真空UVリソグラフィ装置、特に直線偏光UV光が用いられる浸漬リソグラフィに関わるリソグラフィ装置に用いられる光学素子のための合成石英ガラスの作成に、有用である。
【背景技術】
【0002】
工業的に実施されているように、レンズ、プリズム、フィルタ、フォトマスク、リフレクタ、エタロンプレート及び窓のような石英ガラス光学部材は大量生産炉で製造されたバルク石英ガラス塊から作製されている。大量生産炉で製造されたバルク石英ガラス塊は、技術上、プリフォーム、ブールまたはインゴットとして知られている。ブールまたはインゴットからブランクが切り出され、ブランクからのガラス片の、切断工程、研磨工程及び/またはコーティング工程を含めることができるが、これらには限定されない、製造工程を利用して、ガラスブランクから完成光学部材が作製される。これらの光学部材の多くは、約360nmないしさらに短い波長を有する紫外光、例えば、エキシマーレーザビームまたは何か他の紫外レーザビームにさらされる環境で用いられる、様々な装置で用いられる。光学部材は、高密度集積回路を作成するためのレーザ露光リソグラフィ装置、レーザ発生装置、医用装置、核融合装置、あるいは大パワー紫外レーザビームを用いる何か別の装置を含む、様々な装置に組み込まれる。
【0003】
レーザの光子エネルギー、パルスエネルギー及びパルスレートが高くなるにつれて、そのようなレーザとともに用いられる光学部材がさらされるエネルギーレベルが高くなる。石英ガラスは、その優れた光学特性及び耐光誘起損傷強度によって、そのようなレーザベース光学システムにおける光学部材のために選ばれる材料として広く用いられるようになっている。
【0004】
レーザ技術は進歩して短波長の高エネルギー紫外スペクトル領域に入り、その効果はレーザでつくられる光の周波数が高くなる(波長が短くなる)ことである。約248nm,193nm,157nm及びさらに短い波長で動作するレーザを含むが、これらには限定されない、UV及び深UV(DUV)及び真空UV波長範囲で動作する短波長レーザが特に注目される。エキシマーレーザシステムは微細リソグラフィ用途に普及しており、波長を短くすることによって集積回路及びマイクロチップの製造における最高解像度、したがって線密度を高めることが可能になり、よって縮小された最小寸法を有する回路の製造が可能になる。波長が短くなる(周波数が高くなる)ことの直接の物理的結果は光子エネルギーが高くなることである。そのような光学システムにおいて、石英ガラス光学系は高照射レベルに長時間さらされ、この結果、光学部材の光学特性の劣化が生じ得る。
【0005】
そのような光誘起劣化は、光透過レベルを低下させ、ガラスを変色させ、屈折率を変え、密度を変え、ガラスの吸収レベルを高めることによって、石英ガラス光学系の光学特性及び性能に悪影響を与える。長年にわたり、石英ガラスの耐光損傷強度を向上させるための多くの方法が提案されてきた。火炎加水分解、CVDスート再融解プロセス、プラズマCVDプロセス、石英結晶粉末の電気融解のような方法及びその他の方法によって作成された高純度石英ガラスは様々な度合いでレーザ損傷を受け易いことが一般に知られている。
【0006】
石英ガラスが非偏光または円偏光UVレーザビームにさらされると、通常は露光ビームの周縁領域において、レーザ損傷によって生じる歪により追加の複屈折(誘起縁端複屈折)が発生するが、光ビームの中心領域では、誘起複屈折は通常は無視できる。最近、石英材料に対するレーザ損傷の新しい現象が観察された。石英ガラスが直線偏光深UVレーザビームにさらされると、誘起縁端複屈折に加え、ガラスの露光領域の中心に複屈折(偏光誘起複屈折すなわちPIB)がさらに誘起される。誘起複屈折、特に偏光誘起複屈折は、レンズ系の開口数を拡大するために最終レンズ素子とウエハの間の隙間を液体が満たす、浸漬リソグラフィシステムに対して特に問題となる。そのような浸漬リソグラフィシステムでは、UV光の偏光状態が、望ましくは直線偏光に、制御される必要がある。ガラスの誘起複屈折はUV光の偏光状態を変え、位相コントラスト及びシステム解像度を低下させる。したがって、深UV及び真空UV浸漬リソグラフィシステムに対しては、レンズ素子の作成に用いられるガラス材料が、低光誘起波面歪曲(LIWFD)及び高透過率に加えて、直線偏光または楕円偏光UV光にさらされたときに、低誘起複屈折損傷、特に低偏光誘起複屈折を有することが極めて望ましい。
【0007】
したがって、とりわけ、低レベルの偏光誘起複屈折、低レベルの光誘起波面歪曲及び高レベルの初期内部透過率を有する、合成石英材料及びその作成方法が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、低レベルの偏光誘起複屈折、低レベルの光誘起波面歪曲及び高レベルの初期内部透過率を有する、合成石英材料及びその作成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
リソグラフィ用途に用いるための合成石英ガラスに対する上記課題は、本発明によって決される。
【0010】
本発明の第1の態様にしたがえば、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができる、OD及び、必要に応じて、OHを含有し、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が2×10-4より高い、ODドープ合成石英ガラスが提供される。
【0011】
本発明の第1の態様の一実施形態において、ガラスは重量で約500ppmより少ないOH及び0.15〜1400ppmのODを含有する。
【0012】
本発明の第1の態様の別の実施形態において、ガラスは重量で約150ppmより少ないOH及び約0.1〜1400ppmのODを含有する。
【0013】
本発明の第1の態様のまた別の実施形態において、ガラスは重量で約20ppmより少ないOH及び約0.01〜1400ppmのODを含有する。
【0014】
本発明の第1の態様のさらに別の実施形態において、ガラスは重量で約20ppmより少ないOH及び約0.01〜300ppmの範囲のODを含有する。
【0015】
本発明の第1の態様のさらに別の実施形態において、ガラスは重量で約20ppmより少ないOH及び約0.01〜150ppmの範囲のODを含有する。
【0016】
本発明の第1の態様のまた別の実施形態において、ガラスは重量で約1ppmより少ないOH及び約0.01〜150ppmの範囲のODを含有する。
【0017】
本発明の第2の態様は、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができる、上で要約して説明され、以下で詳細に説明される、本発明のODドープ合成石英ガラスからなる光学部材である。いくつかの実施形態において、光学部材は、光学部材の本体の少なくとも一部を照射光が通過する、屈折光学部材である。別のいくつかの実施形態において、光学部材は、光学部材の表面の少なくとも一部上で照射光が反射される、反射光学部材である。
【0018】
本発明の第3の態様は、上で要約して説明され、以下で詳細に説明される、本発明の光学部材を備えるリソグラフィシステムである。いくつかの実施形態において、リソグラフィシステムは浸漬リソグラフィシステムである。本リソグラフィシステムは、約248nm,193nmないしさらに短い波長で動作することができる。
【0019】
本発明の第4の態様は、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができるODドープ合成石英ガラス材料を作成するための、
(I)複数のシリカ含有粒子を提供する工程、
(II)粒子がその場で固結して透明ガラス材料になるように、高温の支持堆積面上に複数の粒子を堆積させる工程、
を含み、
得られる石英ガラスがOD及び、必要に応じて、OHを含有し、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が2×10-4より高く、いくつかの実施形態においては約0.1より高いことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約0.3より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.5より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.8より高く、いくつかのまた別の実施形態においては約0.9より高くなるように、工程(I)においては提供される複数の粒子がD含有粒子であり、及び/または工程(II)においては堆積及び固結がD含有雰囲気で行われる、
プロセスである。
【0020】
本出願の発明の第5の態様は、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができるODドープ合成石英ガラス材料を作成するための、
(A)複数のシリカ含有粒子を有する粒子プリフォームを提供する工程、
(B)必要に応じて、粒子プリフォームを純化及び/または乾燥する工程、
(C)必要に応じて、粒子プリフォームにドーパントをさらにドープする工程、
(D)高温で粒子プリフォームを固結して緻密ガラスにする工程、及び
(E)必要に応じて、工程(D)で得られた固結ガラスをH,HD及び/またはDの存在下で処理する工程、
を含み、
工程(A),(B),(C),(D)及び(E)の内の少なくとも1つにおいて、ODがガラスに導入されるかまたはガラス内に形成される、
プロセスである。
【0021】
本発明の第6の態様は、ODドープ合成石英ガラスを作成するための、
(a)複数のODドープシリカ含有粒子を提供する工程、及び
(b)透明ガラスを得るために高温で粒子を溶融する工程、
を含むプロセスである。
【0022】
本発明の第7の態様は、上で概略的に説明され、以下で詳細に説明される、本発明のプロセス中に形成される粒子プリフォームである。
【0023】
本発明の第8の態様は、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができるODドープ合成石英ガラスを作成するための、
(a)OHを含有する固結石英ガラスを提供する工程、
(b)ガラス内の所望の[OH]及び[OD]を得るためにH/D交換を行うため、D,H及び/またはHDを含有する雰囲気内で固結ガラスを処理する工程、
を含むプロセスである。
【0024】
本発明のODドープ合成石英ガラスには、実質的にODドープされていない従来の石英ガラスに比較して、193nmにおけるような、約300nmより短いある波長において、光学性能が高いという利点を有する。
【0025】
本発明のさらなる特徴及び利点は以下の詳細な説明に述べられ、当業者には、記述及び添付される特許請求の範囲に、また添付図面にも、説明されるように本発明を実施することによって、ある程度は、容易に明らかになるか、または認められるであろう。
【0026】
上述の全般的説明及び以下の詳細な説明は本発明の例示に過ぎず、特許請求されるような本発明の本質及び特徴を理解するための概要または枠組みの提供が目的とされていることは当然である。
【0027】
添付図面は本発明のさらなる理解を提供するために含められ、本明細書に組み入れられて、本明細書の一部をなす。
【0028】
本明細書に用いられるように、術語「D含有化合物」は、重水素原子(Dで表される、HまたはD)及び、必要に応じて、水素原子(Hで表される、H)を含有し、n(D)/(n(D)+n(H))比がDの自然同位元素存在比より高い、化合物または元素物質を意味する。ここで、n(D)はD含有化合物分子内のD原子の総数であり、n(H)はD含有化合物分子内のH原子の総数である。したがって、D含有化合物の例には、D,DH,CD,CDH,DO,DHO等があるが、これらには限定されない。本明細書で用いられるように、術語「D含有」は、元素物質、化合物、材料または雰囲気のn(D)/(n(D)+n(H))比がDの自然同位元素存在比より高いことを意味する。
【0029】
本明細書に用いられるように、術語「ヒドロキシル」またはOHは、それぞれが酸素原子及び水素原子(H)からなる成分または成分基を意味する。酸素原子は、16O,17Oまたは18Oあるいはこれらのいずれかの比の混合物とすることができる。本明細書で用いられるように、n(OH)は材料内のOH成分の総数を意味する。
【0030】
本明細書で用いられるように、術語「デューテロキシル(deuteroxyl)」またはODはそれぞれが酸素原子及び重水素原子(D)からなる成分または成分基を意味する。酸素原子は、16O,17Oまたは18Oあるいはこれらのいずれかの比の混合物とすることができる。本明細書で用いられるように、n(OD)は材料内のOD成分の総数を意味する。
【0031】
本出願明細書において、2つの術語「ヒドロキシルドープ」及び「OHドープ」は互換で用いられる。ヒドロキシルドープ材料またはOHドープ材料は、OH成分及び、必要に応じて、OD成分を含有する材料であって、材料のn(OH)/(n(OD)+n(OH))比がHの自然同位元素存在比以上の材料を意味する。この点に関する限り、全てのOH成分が実質的にH及びDの自然同位元素比にあるHO及びDOからなる天然水から生じている材料はOHドープと見なされる。
【0032】
本出願明細書において、2つの術語「デューテロキシルドープ」または「ODドープ」は互換で用いられる。デューテロキシルドープ材料またはODドープ材料は、OD成分及び、必要に応じて、OH成分を含有する材料であって、材料のn(OD)/(n(OD)+n(OH))比がDの自然同位元素存在比より高い材料を意味する。
【0033】
本出願明細書において、OYはOHまたはODを意味し、あるいは、特に指定されなければ、いずれをも意味する。Y-Y'はDまたはHを意味し、あるいは、特に指定されなければ、HDまたはいずれかの比率のこれらの内の2つまたは3つのいかなる混合物または組合せも意味する。
【0034】
本出願明細書では「Fドープ」により、重量で少なくとも1ppmのフッ素をガラスが含有することを意味する。
【0035】
「約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができる」により、
(i)リソグラフィ装置が意図される機能のための正規の用法で動作している、すなわち、例えば半導体デバイスの作成プロセスにおけるリソグラフィ機能を実施している間に、材料をリソグラフィ照射光の光路に用いることができる、及び
(ii)リソグラフィ照射光を方向転換させるかまたは操作する目的のために材料を光路に用いることができる、
ことを意味する。
【0036】
リソグラフィ技術の当業者にとり、ある波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に材料を用いることができるためには、材料が、所要の組成及び、内部透過率、レーザ誘起波面歪曲、誘起吸収等のような、所要の特性を有するべきであることは当然である。リソグラフィ技術の当業者にとり、製造業者に対し、及び社会全体として(すなわち、可能であれば環境への負の影響を小さくして)、妥当な低コストで材料を作成できることが一般に望ましいことも当然である。
【0037】
一般に、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができるためには、約248nmにおける石英ガラスの内部透過率が少なくとも99.00%/cmであることが望ましい。いくつかの用途、特に約193nmで動作する半導体IC作成のためのリソグラフィ用途にでは、約193nmにおける石英ガラスの内部透過率が少なくとも99.00%/cmであることが極めて望ましい。
【0038】
一般に、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができるためには、石英ガラスのナトリウム濃度が重量で約100ppmより低く、いくつかの実施形態においては約50ppmより低く、いくつかの別の実施形態においては約10ppmより低いことが望ましい。約248nmまたは約193nmのような、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができるためには、石英ガラスのナトリウム濃度が重量で約500ppbより低く、いくつかの実施形態においては約100ppbより低く、いくつかの実施形態においては約50ppbより低く、いくつかの実施形態においては約10ppbより低いことが望ましい。
【0039】
仮想温度は凍結ガラス構造が平衡にあるであろう温度である。Si-O-Si結合角は仮想温度の関数である。Si-O-Si種の赤外吸収波長、すなわち周波数は結合角によって変化する。したがって、赤外吸収を用いて近似仮想温度を決定することができる。仮想温度と吸収周波数の間の経験的関係式は、アガーウォル(Agarwal)等,「石英ガラスの仮想温度を決定するための簡単なIR分光法(A Simple IR spectroscopic method for determining fictive temperature of silica glasses)」,Journal of Non-crystalline Solids,1995年,第185巻,p.191のように、従来技術で与えられている。歪んだ環構造に関連するシリカ欠陥の散乱周波数を用いて仮想温度を決定するためにラマン散乱を用いることもできる。
【0040】
本明細書で用いられるように、術語「偏光誘起複屈折」は、露光前のガラスの初期複屈折を減じた、ある時間後または、パルスレーザビームが用いられれば、あるレーザパルス数後の、ガラスの一様露光領域の中心部分において測定された複屈折レベルのピーク値を意味する。本出願明細書で特許請求されるような偏光誘起複屈折はその大きさ(絶対値)である。本出願明細書では、石英ガラスの偏光誘起複屈折レベルの定量化のためにガラスを露光する場合、与えられたフルーエンス及びパルス長をもつ、直径が約3mmの、ほぼ193nmにおける直線偏光パルスレーザビームがガラス試料の固定領域に向けられる。あるパルス数後に露光領域の中心部分における複屈折が測定される。測定された中心部複屈折からガラスの初期複屈折を差し引くことによって、偏光誘起複屈折値が計算される。
【0041】
本明細書で用いられるように、術語「誘起縁端複屈折」は、露光前のガラスの初期複屈折を減じた、ある時間後または、パルスレーザビームが用いられれば、あるレーザパルス数後の、ガラスの露光領域の外側であるが露光領域に接している周縁部分(すなわち、光強度が公称値からゼロに変わる、アパーチャにちょうど接する領域)において測定された複屈折のピーク値を意味する。本出願明細書では、石英ガラスの誘起縁端複屈折は、与えられたフルーエンス及びパルス長をもつ、直径が約3mmの、ほぼ193nmにおける直線偏光パルスレーザビームがある時間または与えられたパルス数にわたってガラス試料の固定領域に向けられた後に、測定される。周縁部分において測定された複屈折のピーク値からガラスの初期複屈折を差し引くことによって、誘起縁端複屈折値が計算される。
【0042】
本明細書で用いられるように、術語「低偏光誘起複屈折」は、フルーエンスが約40μJ・cm−2・パルス−1でパルス長が約25nsの、約193nmにおける直線偏光パルスレーザビームの5×10パルスがかけられた後に約633nmで測定された、0.1nm/cm以下の偏光誘起複屈折を意味する。
【0043】
本明細書で用いられるように、「規格化偏光誘起複屈折」は測定された偏光誘起複屈折から、下式:
【0044】
【数1】
【0045】
にしたがって計算される。ここで、PIB(N)は規格化偏光誘起複屈折であり、PIB(M)は約633nmで測定したnm/cmを単位とする偏光誘起複屈折測定値の大きさ(すなわち、その符号にかかわらない絶対値)であり、Nは10億(10)パルスを単位とするパルス数であり、Fはガラスが露光される直線偏光ArFレーザのmJ・cm−2・パルス−1を単位とするフルーエンスである。例えば、フルーエンスが40μJ・cm−2・パルス−1のArFレーザに2×1010パルスにわたって露光された結果の、測定されたPIB(M)の大きさが0.2nm/cmであるガラス試料について、PIB(N)は下式:
【0046】
【数2】
【0047】
のように計算される。
【0048】
異なるN及びFで同じ試料を測定すると、PIB(N)も異なり得る。N及びFが指定されていない場合、PIB(N)値は平均値である。
【0049】
バルクガラスの光誘起波面歪曲(バルクLIWFD)は従来技術で利用できる方法及び装置を用いて633nmまたは193nmで測定される。パルスArFエキシマーレーザ(約193nm)にかけられたガラスの、633nmで測定された規格化LIWFD(L633)及び193nmで測定された規格化LIWFD(L193)は下式:
【0050】
【数3】
【0051】
及び
【0052】
【数4】
【0053】
にしたがって計算される。ここで、LB633は(ガラスが縮むかまたは膨れるかに依存して「+」または「−」の符号をとり得るであろう)nm/cmを単位とする633nmで測定されたバルクLIWFDであり、LB193は(ガラスが縮むかまたは膨れるかに依存して「+」または「−」の符号をとり得るであろう)nm/cmを単位とする193nmで測定されたバルクLIWFDであり、N’は、LB633またはLB193が測定されるときに試料が露光される直線偏光ArFエキシマーレーザの100万(10)を単位とするパルス数であり、FはmJ・cm−2・パルス−1を単位とするArFエキシマーレーザのフルーエンスであって、τはnsを単位とするArFエキシマーレーザのパルス長である。L633及びL193の値により、異なるN’,F及びτの値における石英ガラスのLIWFD性能の直接比較が可能になる。
【0054】
約193nmにおけるエキシマーレーザへの露光時のガラスの誘起吸収(IA)が本出願明細書に報告される。ガラスの規格化誘起吸収(IA(N))が誘起吸収からさらに計算される。本出願明細書において誘起吸収(IA)の計算は下式:
【0055】
【数5】
【0056】
にしたがって行われる。ここで、Tはレーザ露光前の%/cmで表したガラスの内部透過率であり、Tはレーザ露光後の%/cmで表したガラスの内部透過率である。次いで、下式:
【0057】
【数6】
【0058】
によって規格化誘起吸収IA(N)が計算される。ここで、N’は100万(10)を単位とするパルス数であり、Fは、mJ・cm−2・パルス−1を単位とするガラスが露光されるArFエキシマーレーザのフルーエンスであり、τはnsを単位とするArFレーザのパルス長である。
【0059】
本明細書で用いられるように、術語「屈折率の変化量」または「屈折率変化量」または「Δn」は、約633nm(He-Neレーザ)における干渉法を用いることにより、あらかじめ定められた方向に沿うガラス材料またはガラス光学部材の光軸に垂直な平面内で測定された屈折率の(以下に示されるように、傾き及び並進変位が取り除かれた)最大変化量を意味する。当業者によって一般になされているように、ある方向に沿う屈折率変化量を論じる場合、傾き及び並進変位は差し引かれる。したがって、本出願明細書の意味における(OVDプロセスを用いることで作成された試料における径方向のような)ある方向に沿う屈折率変動量は傾きまたは並進変位を含んでいない。一般に、ガラス光学部材、ガラスブランクまたはガラス材料片の光軸は、大きなクリアアパーチャ面積を有するガラス部材を得るため、測定される屈折率不均一性が最小になる平面(断面)に垂直になるように選ばれる。
【0060】
本明細書に用いられる方法でもある、石英ガラス内の格子間H分子の決定に好ましい方法はラマン散乱である。ラマン分光は、EEV電荷結合素子(CCD)検出器を備える、HORIBA Jobin Yvon Inc.のT64000分光計を用いて得た。分子/cmを単位とする水素分子濃度は、レーザラマンスペクトルにおける、800cm−1におけるシリカ散乱ピーク強度(I800)に対する4135cm−1における水素分子散乱ピークから検出される強度(I4135)の比、すなわちI4135/I800から得た(ブイ・エス・コティムチェンコ(S. V. Khotimchenko)等,Priklandnoi Spektroskopii,1986年,第46巻、第6号,p.987〜997を参照されたい)。さらに詳しくは、ピーク強度は背景に対する、一次または二次のフィッティングを用いてピークの下の面積を積分することによって決定した。本出願明細書におけるガラス内のD及びHD濃度は同様にラマン分光を用いて測定した(例えば、ビー・シュレイダー(B. Schrader)著,「赤外及びラマン分光:方法及び応用(Infrared and Raman Spectroscopy, Methods and Applications)」,VCH, Weinheim, 1995年,ISBN 3-527-26446-9;エイチ・コミネ(H. Komine),IEEE Journal of Quantum Electronics,1986年4月,第QE-22巻,第4号を参照されたい)。D濃度は2973cm−1で測定し、HD濃度は3606cm−1で測定した。
【0061】
石英ガラス内のOH基は、2.72μm(3676cm−1),2.21μm(4525cm−1)及び1.38μm(7256cm−1)の近くに特性吸収帯を有する。OHの濃度は3676cm−1吸収帯または4525cm−1吸収帯のピーク高を用いてFTIRで測定した。
【0062】
モル・リットル−1を単位とする、OH濃度cは、ベール−ランバートの法則(Beer-Lambert Law):
【0063】
【数7】
【0064】
から導かれる。ここで、吸光度A=log(T基準/TOH)、T基準は4000cm−1のような非吸収波長の基準位置における試料の透過率、TOHはOH吸収ピーク(シリカについては〜3676cm−1)における試料の透過率であり、εはリットル・モル−1・cm−1を単位とするモル吸光率、cはモル・リットル−1を単位とする濃度、bはcmを単位とする路長(試料厚)であって、
【0065】
【数8】
【0066】
である。
【0067】
重量でのppmを単位とするOHの濃度は、石英ガラスの密度(ほぼ2.2g/cm)及びOHの分子量(ほぼ17g/モル)を用いて、モル・リットル−1を単位とするcから計算した。特定の波長における高純度石英ガラスについての定数εは従来技術において入手できる。
【0068】
石英ガラス内のODの濃度は同様の態様で得た。すなわち、FTIR測定から始めて、ベール−ランバートの法則:
【0069】
【数9】
【0070】
を用いることで計算した。ここで、吸光度A’=log(T’基準/TOD)、T’基準は2780cm−1のような非吸収波長の基準位置における試料の透過率、TODはOD吸収ピーク(シリカについては〜2705cm−1)における試料の透過率であり、ε’はリットル・モル−1・cm−1を単位とするモル吸光率(2705cm−1において57.4リットル・モル−1・cm−1)、c’はモル・リットル−1を単位とする濃度、b’はcmを単位とする路長(試料厚)であって、
【0071】
【数10】
【0072】
である。
【0073】
重量でのppmを単位とするODの濃度は、石英ガラスの密度(ほぼ2.2g/cm)及びODの分子量(ほぼ18g/モル)を用いて、モル・リットル−1を単位とするc’から計算した。特定の波長における高純度石英ガラスについての定数ε’は従来技術において入手できる。
【0074】
本明細書で用いられるように、「粒子プリフォーム」は、ある形状を有し、複数の中実粒子からなる物体を意味する。したがって、本出願明細書における粒子プリフォームは、例えば、火炎加水分解プロセスから得られるシリカスート粒子から実質的になるスートプリフォーム、ゾル−ゲルプロセスから得られる多くのシリカ粒子からなる生地、等とすることができる。
【0075】
本明細書に用いられるように、術語「スートディスペンサー」はあらかじめ形成されたスート粒子を、例えばスプレーすることにより、小出しする装置である。
【0076】
特に初期内部透過率、LIWFD,光誘起吸収、偏光誘起複屈折等に関して、所望の光学特性をもつシリカガラス材料の探索において、本発明の発明者等は思いがけなくも、ODドープ高純度石英ガラスが、OH濃度が同等の無ODドープガラスと同等であり、いくつかの重要な点においてはそれよりも優れている、性能を示すことを見いだした。本発明はこの知見に基づく。
【0077】
(重水素分子)を含有する石英ガラスは,既に従来技術において開示され、研究されている。例えば、ヤマガタ(Yamagata)等への米国特許第5325230(A)号の明細書は、Hと同様に、Dを石英ガラスにドープできることを述べている。しかし、この文献はDドープ石英ガラスの例を与えていない。さらに、この文献は石英ガラスへのODドープに言及していない。さらに、この文献はガラスの光学特性に関する石英ガラスへのDドープの考え得る影響に言及していない。別の例として、ジェイ・イー・シェルビー(J. E. Shelby),「非晶質シリカにおける水素同位元素の分子拡散及び溶解度(Molecular diffusion and solubility of hydrogen isotopes in vitreous silica)」,Journal of Applied Physics,1977年8月,第48巻,第8号は、石英ガラス内のDの拡散及び溶解度を開示している。
【0078】
ディー・エル・フライ(D. L. Fry)等,「石英ガラスにおける水素−重水素交換(Hydrogen-Deuterium Exchange in Fused Silica)」,Journal of The Optical Society of America,1960年12月,第50巻,第12号,p.1321〜1322には、ODドープ石英ガラスが論じられている。この論文では、ODドープ石英ガラスの光学特性への言及はなされていない。この論文はかなり早く発表されていることから、当業者であれば当然、この論文で研究されているガラスは現行の深UV及び真空UVリソグラフィでの使用に必要な組成及び光学特性を有していないと考えることができる。ジェームズ・イー・シェルビー(James E. Shelby),「非晶質シリカのデューテロキシル含有量の定量的決定(Quantitative Determination of the Deuteroxyl Content of Vitreous Silica)」,Communication of the American Ceramic Society,1987年1月,C-9〜C-10では、ODドープ石英ガラス及びそのようなガラスの特性決定のための方法が開示されている。ジェイ・イー・シェルビー等,「非晶質シリカにおける輻射線誘起同位元素交換(Radiation-induced isotope exchange in vitreous silica)」,Journal of Applied Physics,1979年8月,第50巻,第8号,p.5533〜5535では、γ線にさらされたときのシリカとDの反応による石英ガラス内のODの形成が研究されている。
【0079】
上記文献はいずれも、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いることができる合成石英ガラス材料に言及していない。上記文献はいずれも、UVリソグラフィ用途に対する合成石英ガラスへのODまたはDドープの望ましさを開示または示唆していない。上記文献のほとんどがかなり早く発表されていることから、当業者には、上記文献で研究された実際のDまたはODドープ石英ガラス試料が、約248nmまたは193nmにおけるような、深UVまたは真空UVリソグラフィ用途での使用に、特に初期内部透過率,LIWFD,偏光誘起複屈折,誘起吸収等に関して、必要な組成及び特性を有していないと考えるに足る理由がある。
【0080】
本発明はほとんど、約193nmにおける微細リソグラフィに関して説明される。しかし、約248nmにおけるリソグラフィ、約157nmにおけるリソグラフィ、i線リソグラフィ、g線リソグラフィ、レーザ発生装置、リソグラフィ検査装置等を含むがこれらには限定されない、別の用途に及び別の用途のために、本発明の材料を用い得ることは当然である。
【0081】
本発明の発明者等は、300nmより短波長のUVリソグラフィ用途に用いることができる、ODドープ合成石英ガラスを作成した。上述したように、発明者等は、思いがけなくも、ODをドープしたリソグラフィ用合成石英ガラス、特にn(OD)/(n(OD)+n(OH))比が高いODドープ合成石英ガラスが、OH及びODの総濃度([OH]+[OD])が実質的に同じレベルの無ODドープ石英ガラスより優れた光学特性を有する傾向をもつことを見いだした。
【0082】
さらに、発明者等は、思いがけなくも、ODドープ高純度石英ガラスが、対応するOHドープ高純度石英ガラスに優る、改善された光誘起吸収(IA)を示すことを見いだした。図16のデータはこの改善を示す。上で説明したように計算した、193nmにおける規格化誘起吸収(規格化IA,IA(N)で表される)としてデータをプロットした。
【0083】
同時係属の、ともに譲渡された、名称を「低偏光誘起複屈折をもつ合成シリカ、その作成方法及びそれを有するリソグラフィ装置(SYNTHETIC SILICA HAVING LOW POLARIZATION-INDUCED BIREFRINGENCE, METHOD OF MAKING SAME AND LITHOGRAPHIC DEVICE COMPRISING SAME)」とする、2005年9月30日に出願された米国特許出願第11/241075号(現在は、米国特許出願公開第2006/0137399A1号として公開されている)の明細書には、合成石英ガラス材料における偏光誘起複屈折現象が開示され、研究されている。この明細書の内容はその全体が本明細書に参照として含まれる。この特許出願明細書の実施例において研究されている石英ガラス材料は実質的にOHドープ石英ガラスであった。この明細書では、「とりわけ、ガラス内のOH濃度がガラスの偏光誘起複屈折に影響する主要な要因である。一般に、他の全ての条件が等しいままであれば、OHレベルが高くなるほどガラスの偏光誘起複屈折は高くなる。したがって、発明者等は、石英ガラスにおいて低レベルの偏光複屈折を達成するためには、ガラス内のOH濃度が重量で500ppmより低く、好ましくは300ppmより低く、さらに好ましくは100ppmより低く、なお一層好ましくは50ppmより低く、最も好ましくは20ppmより低いことが望ましい。」と述べられている。
【0084】
いずれの特定の理論にも束縛されるつもりはなくまたその必要もなしに、発明者等は、OH及び/またはODを含有する石英ガラスにおける偏光誘起複屈折の機構の説明を、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が高められた石英ガラスにおける低められた偏光誘起複屈折を説明する機構とともに、以下に提示する。説明は本出願明細書の図1〜3に簡略に示される。これらの3つの図において、YはHまたはDを表し、水素結合は破線で示される。
【0085】
Journal of Non-Crystalline Solids,2000年,第261巻,p.186〜194の、題名を「高純度石英ガラス内のヒドロキシル基(Hydroxyl Groups in High-Purity Silica Glass)」とする1999年論文にSiO内の様々なタイプのOH結合が説明されている。発明者等は実質的に同様の態様でODがSiOガラス網状構造内で結合すると予想している。図1はOH及び/またはODを含有する石英ガラス内において発生する偏光誘起複屈折を少なくともある程度は解明する目的で提案される機構を簡略に示す。化学構造式(F1)及び(F2)はそれぞれUV光露光前及び後の石英ガラスの部分構造を表す。初め、UV光露光前は、Si-OY結合はSiO網状構造内でランダムに配置され、いくつかの水素結合が形成されていると考えられる。UV光露光は-OY(または-Y)結合の運動を可能にするに十分な活性化エネルギーを与えることができる(その他の波長は十分な吸収があれば影響を与えることができる)。光が直線偏光であれば、光の偏光方向に揃う結合が活性化されて運動することができ、この結果、先に存在していた水素結合の切断及び/または新たな水素結合の形成がおこり、よって、試料に偏光誘起複屈折(PIB)損傷が生じる。試料内のSiOYが多いほど、PIB損傷は大きくなる。発明者等はシリカ内のppmOY量に対するほぼ線型の応答を予想している。
【0086】
図2は、偏光誘起複屈折現象におそらく関わり得る、図1の態様とは若干異なる態様の光化学反応を簡略に示す。図1におけるように、機構には、露光前に部分ガラス網状構造(F3)に既に存在していたいくつかの水素結合の切断及び露光後の部分ガラス網状構造(F4)における新しい水素結合の形成が関与する。光反応の反応速度k(Y)は、図の原子YがH及びDであるときに、それぞれk(H)及びk(D)である。発明者等は、DとHの間のかなりの質量差(ほぼ2倍の違い)により、反応速度k(D)はk(H)よりかなり低いと仮定している。したがって、ガラス内のOYの総量のような、その他の条件が全て同じままであれば、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が高い石英ガラスほど、偏光誘起複屈折は低くなると考えられる。
【0087】
さらに、図3において、発明者等は、直線偏光または楕円偏光のUV照射光への露光の結果としてのLIWFD及び偏光誘起複屈折のいずれをも説明しようとして別の機構を提案する。この提案される機構は基本的に、水素結合及び共有結合のいずれの切断及び形成も含む2段階反応である。第1段階である、反応速度がk(Y)の光分解反応は、露光前の部分構造(F5)における共有結合b(Si-O結合)の切断及びおそらくは水素結合aの切断に関わる。この第1段階の逆反応の反応速度はk’(Y)である。反応速度がk(Y)の、第2段階には、中間構造(F6)における結合c(O-Y結合)の切断、新しい結合d(Si-O結合)及びe(Y-O)結合の形成、及びおそらくは露光後部分構造(F7)における新しい水素結合fの形成が関わる。(F5)は(F7)ほど開いていない密な構造であるから、反応の結果露光領域の密度変化が生じ、よってLIWFDが生じる。k(D)<k(H)及び/またはk(D)<k(H)と仮定されている。したがって、実質的に同じレベルの総OY濃度において、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が高い石英ガラスほど、偏光誘起複屈折が低くなり、LIWFDも低くなると考えられる。この仮定に基づけば、酸素原子の17O及び18Oの比率が高いOY成分(OD及び/またはOH)がドープされた石英ガラスほど、偏光誘起複屈折のレベルが低くなり、LIWFDのレベルも低くなると考えられる。いくつかの用途では、ガラスの作成に水素の別の同位元素であるトリチウム(T)原子を用いて、OTドープガラスを形成することが可能であり得る。
【0088】
図4は、OH/OD含有シリカの誘起吸収及び、ガラス内のほぼ同じレベルの総[OD]+[OH]における様々なn(OD)/(n(OD)+n(OH))比での誘起吸収の度合いの違いを少なくともある程度説明する。高エネルギー光子への曝露によるガラス内のSi-O結合の光分解の結果、いずれもが深UV及び/または真空UVにおいて吸収を示すと考えられる、E’中心(Si・)及びSi-O・が形成され得るであろうことが知られている。E’中心の吸収は約215nmに中心ピークがあり、約193nmまで広がる。本図の簡略な図示によれば、構造(F8)から構造(F9)への光分解反応で生成されるE’中心及びSi-O・中心はある程度逆行可能である。したがって、いくらかの吸収中心は構造(F9)から構造(F8)への逆反応によって自動的に修復されるであろう。構造(F9)から構造(F10)への網状構造内反応は結果として構造(F9)におけるE’中心及びSi-O・よりも間隔が大きいE’中心及びSi-O・を生じさせ、それらの間の結合反応をより困難にし、したがってE’及びSi-O・をもつ構造を比較的安定にし、よって吸収を誘起すると仮定される。ガラス網状構造内に構造(10)が多くなるほど、吸収中心は益々安定になり、したがって誘起吸収は益々高くなる。k”(H)>k”(D)であると考えられる。したがって、同じレベルの総[OD]+[OH]においては、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が高い石英ガラス内ほど、形成される、とりわけ構造緩和等により一層安定である、構造(10)が少なくなる。これは、[OD]+[OH]レベルが実質的に同じであれば、高いn(OD)/(n(OD)+n(OH))比でドープされた石英ガラスほど、本発明のODドープ石英ガラスから発明者等によって観察されたように、誘起吸収のレベルが低くなる傾向をもつ理由を説明する。
【0089】
図5は、ガラスにドープされた水素分子(Y-Y’)のガラスの誘起吸収への効果を説明する機構の簡略な図示である。水素分子はE’及びSi-O・色中心と反応してSi-Y’及びSi-OYを形成する。
【0090】
本発明のODドープ石英ガラスは約300nmより短波長でのリソグラフィに用いることができる。約365nmでのi線リソグラフィにおけるような、より長波長で動作するリソグラフィ装置に用いることもできる。いくつかの好ましい実施形態において、本発明のODドープ石英ガラスは約248nmで動作する乾式リソグラフィ装置で利用されるUV照射光の光路における屈折レンズ素子として用いることができる。いくつかの好ましい実施形態において、本発明のODドープ石英ガラスは約248nmで動作する浸漬リソグラフィ装置に利用されるUV照射光の光路における屈折レンズ素子として用いるに必要な組成及び特性を有する。いくつかの別の好ましい実施形態において、本発明のODドープ石英ガラスは約193nmで動作する乾式リソグラフィ装置で利用されるUV照射光の光路における屈折レンズ素子として用いることができる。いくつかの好ましい実施形態において、本発明のODドープ石英ガラスは約193nmで動作する浸漬リソグラフィ装置に利用されるUV照射光の光路における屈折レンズ素子として用いるに必要な組成及び特性を有する。リソグラフィ技術の当業者には、これらの用途においてレンズ素子として用いられるべき石英ガラスに対し、UV透過率、誘起吸収に関するUV劣化、光誘起波面歪曲(LIWFD)、屈折率一様性、仮想温度、複屈折、光誘起複屈折のような光学性能に関する厳酷な要件が満たされなければならないことがわかっている。これらの必要な光学性能と、OHの濃度及び分布、ハロゲンの濃度及び分布、アルカリ金属の濃度及び分布、遷移金属の濃度及び分布等に関する、ガラスの組成の間の関係を論じている文献が豊富にある。上に論じたように、全く思いがけない態様で、発明者等はODがドープされた高純度石英ガラスが、とりわけ、直線偏光光にさらされたときの偏光誘起複屈折において優れた性能を有することを見いだした。したがって、本発明のガラス、特に高いOD比でドープされたガラスは、浸漬リソグラフィ技術に有利に用いることができる。もちろん、ODドープ石英ガラスは真空UV及びX線のスペクトルで動作する反射リソグラフィにおけるレンズ素子のための材料として用いることができる。そのような用途はガラスの他の物理特性について特別な要件を有する。
【0091】
重水素原子(D)の自然同位元素存在比はモルで約1.15×10-4である。本発明のODドープ石英ガラスのn(D)/(n(D)+n(H))比は約2×10−4より高く、したがってDの自然同位元素存在比より高い。本発明の合成石英ガラス材料は実質的に無OHとすることできる。しかし、本発明の範囲内で、ガラスがあるレベルのOHを含有することはあり得る。いずれにしても、ガラスのn(OD)/(n(OD)+n(OH))比は、本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの好ましい実施形態においては約0.05より高く、いくつかの実施形態においては約0.1より高いことが好ましく、いくつかの実施形態においては約0.2より高いことが好ましく、いくつかの実施形態においては約0.3より高いことが好ましく、いくつかの実施形態においては約0.4より高いことが好ましく、いくつかの実施形態においては約0.5より高いことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約0.8より高いことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約0.90より高いことが好ましく、いくつかの別の好ましい実施形態においては約0.95より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.99より高いことが好ましい。発明者等は、スート-トゥ-ガラス(soot-to-glass)法を用いることにより[OD]レベルが様々な高純度合成石英ガラスが得られることを実証した。n(D)/(n(D)+n(H))が99.9%より高い高同位元素純度DOを、本発明のプロセスの1つとして以下で説明される、本発明のスート-トゥ-ガラス法に用いることができ、n(OD)/(n(OD)+n(OH))が99%より高い合成石英ガラスを作成するために用いることができる。通常のHOを様々な比率で用いれば、n(OD)/(n(OD)+n(OH))レベルが様々な合成石英ガラスを作成することができる。
【0092】
本発明のODドープ合成石英ガラスにおいて、OD成分内及び、必要に応じて、OH成分内の酸素原子は、それぞれが自然同位元素存在比にある16O,17O及び18Oとすることができる。これらの3つの同位元素の自然同位元素存在比はそれぞれ、モルで、99.757%,0.038%及び0.205%である。先に説明したように、いくつかの好ましい実施形態において、本発明の石英ガラスは、それぞれの自然同位元素存在比より高いパーセンテージの17O及び18O、特に18O(安定同位元素)を含有することができる。
【0093】
本発明のODドープ石英ガラスのOH濃度は、重量で、いくつかの実施形態においては約600ppmより低く、いくつかの好ましい実施形態においては約160ppmより低いことが好ましく、いくつかの別の好ましい実施形態においては約50ppmより低く、いくつかの別の実施形態においては約20ppmより低いことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約1ppmより低いことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約0.1ppmより低いことがなお好ましい。
【0094】
本発明のODドープ合成石英ガラスのOD濃度は、重量で、いくつかの実施形態においては約1400ppmより低く、いくつかの好ましい実施形態においては約1000ppmより低く、いくつかの好ましい実施形態においては約800ppmより低く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約500ppmより低く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約300ppmより低く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約150ppmより低く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約50ppmより低く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約20ppmより低く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約1ppmより低く、いくつかの実施形態においては約0.1〜1400ppmの範囲にあり、いくつかの別の実施形態においては約0.1〜1000ppmの範囲にあり、いくつかの実施形態においては約0.1〜800ppmの範囲にあり、いくつかの別の実施形態においては約0.1〜500ppmの間であり、いくつかの別の実施形態においては約0.01〜150ppmの範囲にあり、いくつかの別の実施形態においては約0.01〜50ppmの範囲にあり、いくつかの別の実施形態においては約0.10〜20ppmの範囲にある。
【0095】
本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスは、重量で、約500ppmより少ないOH及び0.15〜1400ppmのODを含有する。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスは、重量で、約150ppmより少ないOH及び0.1〜1400ppmのODを含有する。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの別の実施形態において、ガラスは、重量で、約20ppmより少ないOH及び0.01〜1400ppmのODを含有する。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの別の実施形態において、ガラスは、重量で、約20ppmより少ないOH及び0.01〜300ppmのODを含有する。
【0096】
本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスの様々な場所におけるOHの濃度[OH]に対するODの濃度[OD]の比、すなわち[OD]/[OH]は実質的に一定である。「実質的に一定の比」は、測定された最大比(R最大)と最小比(R最小)の間の差が関係式:2(R最大−R最小)/(R最大+R最小)≦0.1を満たすことを意味する。いくつかの実施形態において、2(R最大−R最小)/(R最大+R最小)≦0.05である。
【0097】
本発明のODドープ合成石英ガラスは、ガラスの光軸に実質的に垂直な平面内で測定して、重量で、いくつかの実施形態において約10ppmより小さく、いくつかの実施形態においては約5ppmより小さく、いくつかの別の実施形態においては約2ppmより小さく、いくつかの別の実施形態においては約1ppmより小さく、いくつかの別の実施形態においては約0.1ppmより小さい、[OD]変動を有する。本発明のODドープ合成石英ガラスは、ガラスの光軸に実質的に垂直な平面内で測定して、重量で、いくつかの実施形態においては約10ppmより小さく、いくつかの実施形態においては約5ppmより小さく、いくつかの別の実施形態においては約2ppmより小さく、いくつかの別の実施形態においては約1ppmより小さい、[OH]変動を、この段落で説明した[OD]変動に加えて、あるいはそのような[OD]変動はなくとも、有する。
【0098】
本発明のODドープ合成石英ガラスはOD及びOH以外のドーパントを実質的に含有しない。しかし、本発明のODドープ合成石英ガラスが、Al,F,Cl及びTiのような、ドーパントを含んでいてもさしつかえない。Tiを含有する本発明のODドープ合成石英ガラスには、真空UV及びX線のスペクトルで動作する反射リソグラフィ技術に用いられる反射光学素子のような、特に温度変化に対して高い寸法安定性が要求される、反射光学素子のための基板に用いることができる点で有利である。Fがドープされた本発明のODドープ合成石英ガラスは、重量で、例えば1000ppmより少量のフッ素を含有することができ、フッ素含有量は、いくつかの実施形態においては約500ppmより少なく、いくつかの別の実施形態においては約300ppmより少なく、いくつかの別の実施形態においては約100ppmより少なく、いくつかの実施形態においては約50ppmより少なく、いくつかの別の実施形態においては約10ppmより少ない。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスは、重量で約150ppmより少ないOH,重量で約0.1〜1400ppmのOD及び重量で約1〜500ppmのFを含有する。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの別の実施形態において、ガラスは、重量で、約20ppmより少ないOH,約0.01〜1400ppmのOD及び約1〜500ppmのFを含有する。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの別の実施形態において、ガラスは、重量で、約20ppmより少ないOH,約0.01〜300ppmのOD及び約1〜500ppmのFを含有する。
【0099】
ODドープ合成石英ガラスには、H分子、HD分子及び/またはD分子をドープすることができる。本発明のODドープ合成石英ガラスは、総量で、いくつかの好ましい実施形態においては1×1015〜1×1019分子/cmの範囲にあり、いくつかの実施形態においては約5×1015分子/cmより多く、いくつかの実施形態においては約1×1016分子/cmより多く、いくつかの好ましい実施形態においては約5×1018分子/cmより少なく、いくつかの別の好ましい実施形態においては約5×1017分子/cmより少なく、いくつかの別の好ましい実施形態においては約1×1017分子/cmより少なく、いくつかの別の好ましい実施形態においては約1×1016〜1×1017分子/cmの範囲にある、[H],[HD]及び[D]の濃度を有する。本発明のODドープ合成石英ガラスの(2n(H)+n(HD))/2(n(H)+n(HD)+n(D))比は、いくつかの好ましい実施形態においては0.1より高く、いくつかの好ましい実施形態においては約0.3より高く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約0.5より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.7より高く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約0.9より高い。いくつかの好ましい実施形態において、ガラスの(2n(H)+n(HD))/2(n(H)+n(HD)+n(D))比は、モルで、実質的にHの自然同位元素存在比である。ガラスの(2n(D)+n(HD))/2(n(H)+n(HD)+n(D))比は、いくつかの別の好ましい実施形態においては0.1より高く、いくつかの好ましい実施形態においては約0.3より高く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約0.5より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.7より高く、いくつかの別の好ましい実施形態においては約0.9より高い。いくつかの好ましい実施形態において、ガラスの(2n(D)+n(HD))/2(n(H)+n(HD)+n(D))比は、モルで、実質的にDの自然同位元素存在比である。
【0100】
本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスの様々な場所における[D]/[H]比,R’は実質的に一定である。「実質的に一定の比」は測定された最大比(R’最大)と最小比(R’最小)の間の差が関係式:2(R’最大−R’最小)/(R’最大+R’最小)≦0.1を満たすことを意味する。いくつかの実施形態において、2(R’最大−R’最小)/(R’最大+R’最小)≦0.05である。
【0101】
本発明のODドープ合成石英ガラスの、少なくとも1つの方向に垂直な平面内で測定したOH及びODの濃度([OH]+[OD])の変動量は、いくつかの実施形態においては約50ppmより小さく、いくつかの実施形態においては約30ppmより小さいことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約20ppmより小さいことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約10ppmより小さく、いくつかの別の実施形態においては約1ppmより小さいことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約0.1ppmより小さいことが好ましい。
【0102】
本発明のODドープ石英ガラスのCl濃度は、いくつかの実施形態においては約100ppmより低く、いくつかの実施形態においては約50ppmより低く、いくつかの実施形態においては約10ppmより低い。
【0103】
アルカリ金属、アルカリ土類金属及び遷移金属が石英ガラスの透過特性に有害であり得ることが知られている。例えば、ピー・シー・シュルツ(P. C. Schultz)、「非晶質シリカ内の遷移元素の光吸収(Optical Absorption of the Transition Elements in Vitreous Silica)」,Journal of The American Ceramic Society,1974年7月,第57巻,第7号,P.309〜313;名称を「純石英ガラス、炉及び方法(Pure Fused Silica, Furnace and Method)」とするコーニング社(Corning Incorporated)への米国特許第6174509B1号の明細書;名称を「石英ガラス生産のための方法及び炉(Methods and Furnaces for Fused Silica Production)」とするコーニング社への米国特許第6698248B2号の明細書を参照されたい。米国特許第6174509B1号明細書は、耐火物内の汚染金属イオンと反応するハロゲン含有ガスに耐火物の少なくとも一部がさらされる、耐火炉内で溶融シリカ粒子を収集することによって作成された物品を開示している。米国特許第6174609号明細書に開示されているように、ジルコン耐火物の改善により、石英ガラス品におけるナトリウムイオン汚染の影響が軽減された。しかし、ナトリウムだけでなくその他の汚染物も炉耐火物内に存在することが見いだされた。そのような汚染物には、アルカリ土類金属及び、鉄、チタン及び鉛のような、遷移金属、アルミニウム、リン及びイオウがある。米国特許第6698248B2号明細書は、内部透過率が高い石英ガラス部材を生産するための方法及び装置を開示している。開示されるような方法及び炉は、193nmにおける内部透過率が少なくとも99.65%/cmの石英ガラスを生産することができた。この文献においては、「微細リソグラフィ市場で用いられる次世代の石英ガラスには、99.65%/cmを上回り、好ましくは99.75%/cmを上回る、ArF(193nm)内部透過率が求められるであろう。上述した標準製造プロセスは内部透過率が99.5%/cmの石英ガラスレンズブランクを一貫して生産できる。UV透過率に主要な影響を有する金属汚染物の低減が、透過率がさらに高い石英ガラスの生産に主要な役割を果たした。ナトリウム、カリウム及び鉄のような金属の効果は、数10ppbレベルにおいて明らかである。ガラス均質性を犠牲にせずに透過率が99.65%/cmの石英ガラスを作成できる標準プロセスの能力が実証されたが、レンズブランクを大量に生産するに必要な量に関しては未だしであり、生産プロセスのための基盤として役立つには一貫性に欠ける。したがって、193nmにおける内部透過率が99.65%/cm以上の、好ましくは99.75%/cmより高い、石英ガラスの一貫した大量生産が可能な方法及び装置を提供することが望ましいであろう。」と述べられていた。しかし、これらの文献で論じられている石英ガラスは全てOH含有ガラスであり、無ODドープガラスであることに注意すべきである。
【0104】
高純度合成石英ガラス材料が、KrF及びArFリソグラフィ装置における屈折部材として用いるためのような、UVの注目する波長において十分な透過特性(例えば、吸収、誘起吸収、フルーエンス依存透過率、複屈折、光誘起複屈折、LIWFD等)を有するためには、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び遷移金属のレベルが極めて低くなければならないことも知られている。複数の酸化状態を有するいくつかの金属は1つの酸化状態において他の酸化状態におけるより強い吸収を生じ得る。したがって、本発明のODドープ石英ガラスが含有するいかなるアルカリ金属も、いかなるアルカリ土類金属も、またいかなる遷移金属も、重量で、いくつかの実施形態においては100ppmより少なく、いくつかの実施形態においては約50ppmより少なく、いくつかの実施形態においては約10ppmより少なく、いくつかの実施形態においては1ppmより少ないことが好ましく、いくつかの実施形態においては500ppbより少ないことが好ましく、いくつかの実施形態においては約300ppbより少なく、いくつかの実施形態においては約100ppbより少なく、いくつかの実施形態においては50ppbより少なく、いくつかの実施形態においては約20ppbより少ないことが好ましく、いくつかの実施形態においては約10ppbより少ないことが好ましい。全ての金属の中では、ナトリウムが、事実上遍在し、取扱過程でガラスに導入され得ることから、ガラス組成から低減することが最も困難な金属の1つである。ナトリウムはまた、高温において、特に800℃以上で、固結ガラス及びスートプリフォーム内に異常に速く拡散する。それにもかかわらず、約248nmまたは193nmのような、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置において屈折光学素子として用いられ得る能力をガラスが有するためには、ガラスが含有するナトリウムは、重量で、約100ppbより少ないことが一般に望ましく、いくつかの実施形態においては約50ppbより少なく、いくつかの実施形態においては30ppbより少なく、(約193nmで動作するリソグラフィ装置で使用するためのような)いくつかの実施形態においては約10ppbより少なく、いくつかの実施形態においては5ppbより少ないことが望ましい。発明者等は、ナトリウムレベルがそのように低いODドープ高純度石英ガラスを作成した。いくつかの実施形態においては、ガラスが含有するいかなる遷移金属も2ppbより少ない。いくつかの実施形態においては、ガラスが含有するいかなる遷移金属も1ppbより少ない。いくつかの実施形態においては、ガラスが含有するいかなる遷移金属も0.5ppbより少ない。特にArFレーザリソグラフィ装置において屈折光学部材としてガラスが用いられるためには、ガラスが含有する以下の全ての酸化状態にある個々の元素、Ti(例えば、+2,+4),V(例えば、+5,+4),Cr(例えば、+6,+3),Mn(例えば、+6,+4,+2),Fe(例えば、+3,+2),Co(例えば、+3,+2),Ni(例えば+2),Cu(例えば、+2,+1),Zn(例えば+2),Ge(例えば、+4,+2),Zr(例えば+4),Ag(例えば+1),Cd(例えば+1),Sn(例えば、+4,+2),Pb(例えば、+4,+2),Bi(例えば、+5,+3)及びU(例えば、+6,+3)、のいずれの濃度も、重量で、いくつかの実施形態においては2ppbより少ないことが好ましく、いくつかの実施形態においては1ppbより少ないことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては0.5ppbより少なく、いくつかの実施形態においては0.1ppbより少ない。もちろん、(0状態にある)元素金属は一般にガラスの透過特性に有害である。本発明のODドープ合成石英ガラスが含有する、全ての酸化状態にあるいずれかの及び全ての金属は合せて、重量で、いくつかの実施形態においては100ppmより少なく、いくつかの実施形態においては約50ppmより少なく、いくつかの実施形態においては約10ppmより少なく、いくつかの実施形態においては1ppmより少ないことが好ましく、いくつかの実施形態においては500ppbより少ないことが好ましく、いくつかの実施形態においては約300ppbより少なく、いくつかの実施形態において約100ppbより少なく、いくつかの実施形態において約50ppbより少なく、いくつかの実施形態においては30ppbより少ないことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては10ppbより少ないことが好ましい。OHドープリソグラフィ用石英ガラス及びFドープリソグラフィ用石英ガラスについても、そのような元素は同様の低いレベルにあることが望ましい。
【0105】
ほぼ193nmで動作し、フルーエンスがほぼ70μJ/(cm・パルス)でパルス長がほぼ25nsのレーザビームの100億(1010)パルスにさらされたときの、本発明のODドープ合成石英ガラスが示す光誘起波面歪曲(LIWFD)は、633nmで測定して、いくつかの好ましい実施形態においては−0.1〜0.1nm/cmの範囲にあり、いくつかの好ましい実施形態では−0.5〜0.5nm/cmの範囲にあり、いくつかの別の好ましい実施形態では約0〜1nm/cmの範囲にあり、いくつかの別の好ましい実施形態では約0〜0.5nm/cmの範囲にある。
【0106】
約193nmのエキシマーレーザの約200億(2×1010)以下の数のパルスにさらされたときの、上述したLIWFD特性に加えて、またはそのようなLIWFD特性にかかわらず、約633nmで測定した、本発明のODドープ合成石英ガラスが示す規格化波面歪曲L633は、いくつかの実施形態においては−1.0<L633≦1.0であり、いくつかの実施形態においては−0.5≦L633≦1.0であり、いくつかの実施形態においては−0.1≦L633≦1.0であり、いくつかの実施形態においては0≦L633≦1.0であり、いくつかの好ましい実施形態においては0≦L633≦0.5であり、いくつかの別の好ましい実施形態においては0≦L633≦0.4であり、いくつかの別の実施形態においては0≦L633≦0.3であることが好ましい。
【0107】
約193nmのエキシマーレーザの約200億(2×1010)以下の数のパルスにさらされたときの、上述したLIWFD及びL633特性に加えて、またはそのようなLIWFD及びL633特性にかかわらず、約193nmで測定した、本発明のODドープ合成石英ガラスが示す規格化波面歪曲L193は、いくつかの実施形態においては−1.0<L193≦1.0であり、いくつかの実施形態においては−0.5≦L193≦1.0であり、いくつかの実施形態において−0.1≦L193≦1.0であり、いくつかの実施形態においては0≦L193≦1.0であり、いくつかの実施形態においては0≦L193≦0.5であることが好ましく、いくつかの実施形態においては0≦L193≦0.4であることが好ましく、いくつかの別の実施形態においては0≦L193≦0.3であることが好ましい。
【0108】
フルーエンスが約40μJ・cm−2・パルス−1でパルス長が約25nsの、約193nmの直線偏光パルスレーザビームの5×10パルスにさらされた後に、約633nmで測定した、本発明のODドープ合成石英ガラスが示す偏光誘起複屈折(絶対値)は、いくつかの実施形態においては約1nm/cmより小さく、いくつかの実施形態においては0.1nm/cmより小さいことが好ましい。フルーエンスが約40μJ・cm−2・パルス−1でパルス長が約25nsの、約193nmの直線偏光パルスレーザビームの1×1010パルスにさらされた後に、約633nmで測定した、本発明のODドープ合成石英ガラスが示す偏光誘起複屈折(絶対値)は、いくつかの実施形態においては約1nm/cmより小さく、いくつかの実施形態においては0.1nm/cmより小さいことが好ましい。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスは、フルーエンスが約40μJ・cm−2・パルス−1でパルス長が約25nsの、約193nmの直線偏光パルスレーザビームの2×1010パルスにさらされた後に、約633nmで測定して、約0.1nm/cmより小さい偏光誘起複屈折(絶対値)を示す。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスは、フルーエンスが約40μJ・cm−2・パルス−1でパルス長が約25nsの、約193nmの直線偏光パルスレーザビームの2×1010パルスにさらされた後に、約633nmで測定して、約0.04nm/cmより小さい偏光誘起複屈折(絶対値)を示す。本発明の合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスは、フルーエンスが約40μJ・cm−2・パルス−1でパルス長が約25nsの、約193nmの直線偏光パルスレーザビームの2×1010パルスにさらされた後に、約633nmで測定して、約0.001nm/cmより大きい偏光誘起複屈折(絶対値)を示す。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスは、フルーエンスが約40μJ・cm−2・パルス−1でパルス長が約25nsの、約193nmの直線偏光パルスレーザビームの2×1010パルスにさらされた後に、約633nmで測定して、約0.01nm/cmより大きい偏光誘起複屈折(絶対値)を示す。
【0109】
約193nmの直線偏光エキシマーレーザパルスの約200億(2×1010)以下の数のパルスにさらされたときに、本発明のODドープ合成石英ガラスが示す規格化偏光誘起複屈折は、いくつかの実施形態においては10より小さく、いくつかの実施形態においては5より小さい。
【0110】
本発明のODドープ石英ガラスが、フルーエンスが約200μJ・cm−2・パルス−1でパルス長が約25nsの、約193nmの直線偏光パルスレーザビームの2×10パルスにさらされた後に、示す偏光誘起複屈折は、約633mで測定して、いくつかの実施形態においては約0.04nm/cmより小さく、いくつかの実施形態においては約0.02nm/cmより小さく、フルーエンスが約200μJ・cm−2・パルス−1でパルス長が約25nsの、約193nmの直線偏光パルスレーザビームの5×10パルスにさらされた後に、示す偏光誘起複屈折は、約633mで測定して、いくつかの実施形態において約0.02nm/cmより小さい。
【0111】
約193nmの直線偏光エキシマーレーザパルスの約20億(2×10)以下の数のパルスにさらされたときに、本発明のODドープ石英ガラスが示す規格化偏光誘起複屈折は、いくつかの実施形態においては2より小さく、いくつかの実施形態においては1より小さく、いくつかの実施形態においては0.5より小さい。約193nmのエキシマーレーザパルスの約50億(5×10)以下の数のパルスにさらされたときに、ガラスが示す規格化偏光誘起複屈折は、いくつかの実施形態においては2より小さく、いくつかの実施形態においては1より小さく、いくつかの実施形態においては0.5より小さい。約193nmのエキシマーレーザパルスの約80億(8×10)以下の数のパルスにさらされたときに、ガラスが示す規格化偏光誘起複屈折は、いくつかの実施形態においては2より小さく、いくつかの実施形態においては1より小さく、いくつかの実施形態においては0.5より小さい。
【0112】
本発明のODドープ合成石英ガラスが約193nmにおいて示す初期内部透過率は、いくつかの実施形態においては少なくとも99.00%/cmであり、いくつかの実施形態においては少なくとも99.50%/cmであることが望ましく、いくつかの実施形態においては少なくとも99.65%/cmであることが望ましく、いくつかの実施形態においては少なくとも99.75%/cmであることが好ましく、いくつかの別の実施形態においては少なくとも99.80%/cmであることが好ましい。
【0113】
本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの実施形態において、ガラスは約1150℃より低い仮想温度を示す。本発明のODドープ合成石英ガラスのいくつかの別の実施形態において、ガラスは約1000℃より低い仮想温度を示す。本発明のガラスのいくつかの実施形態において、ガラスは約800℃より高い仮想温度を示す。
【0114】
本発明のODドープ合成石英ガラスが示す少なくとも1つの方向に垂直な平面内で測定された屈折率変化量は、いくつかの実施形態においては約10ppmより小さく、いくつかの実施形態においては約5ppmより小さいことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約2ppmより小さいことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約1ppmより小さいことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては約0.5ppmより小さいことが好ましい。
【0115】
本発明の別の態様は、上で全般的にまた詳細に説明され、いかに例示される、本発明のODドープ合成石英ガラス材料からなる光学ガラス部材である。本光学ガラス部材は約300nmより短い波長を有する照射光の光路に有利に用いられるが、本発明のガラス部材は、可視スペクトルまたは赤外スペクトルのような、より長い波長を有する照射光の光路に用いることができる。本発明のODドープガラスは、OHが望ましくなく、ODは受け入れられる、いくつかの赤外用途での使用に特に有利である。本発明のそのようなガラス部材の非限定的例には、屈折レンズ素子として使用するための光学部材、スパッタターゲット等を含めることができるが、これらには限定されない。屈折レンズ素子は、例えば、リソグラフィスキャナ及びステッパ機器、レーザ発生器、レーザエタロン、リソグラフィ検査装置等に用いることができる。本発明のODドープガラス光学部材は、その改善された耐レーザ損傷強度により、高フルーエンス照射光をともなう装置に特に適している。
【0116】
本発明のまた別の態様は本発明の光学部材を少なくとも1つ備えるリソグラフィシステムである。本リソグラフィシステムは、少なくとも1つのレンズ素子を液体に触れさせる、浸漬システムであることが有利である。浸漬リソグラフィシステムは通常、直線偏光照射光を用いる。高い耐偏光誘起複屈折損傷強度により、本発明のODドープ合成石英ガラス部材はそのようなリソグラフィシステムに特に適する。上述したような、本発明のODドープガラス材料の優れた性能により、本発明のODドープガラス材料は、約248nm,193nm及び157nmにおけるような、約300nmより短波長で動作する従来の乾式リソグラフィ装置に用いることができる。
【0117】
本発明のODドープ合成石英ガラス材料は、いくつかを挙げれば、ダイレクト-トゥ-ガラス(direct-to-glass)法、スート-トゥ-ガラス法及びゾルゲルプロセスのような、様々な方法を用いることによって作成することができる。一般に、本発明のODドープ石英ガラスは、(i)シリカを作成するためのD交換出発材料またはD富化出発材料の利用、(ii)富D環境における石英ガラスの作成、または(iii)石英ガラスへのODドーピングによって作成することができる。
【0118】
発明者等が考える第1の方法はダイレクト-トゥ-ガラス法である。概括的にいえば、このプロセスは、
(I)複数のシリカ含有粒子を提供する工程、
(II)粒子がその場で固結して透明ガラス材料になるように高温において支持堆積表面に複数の粒子を堆積させる工程、
を含み、ここで、
工程(II)において、堆積及び固結は、得られる石英ガラスがOD及び、必要に応じて、OHを含有し、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が約2×10-4より高くなるように、D含有雰囲気で行われ、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比は、いくつかの実施形態においては約0.05より高いことが好ましく、いくつかの実施形態においては約0.1より高いことが好ましく、いくつかの別の実施形においては約0.3より高く、いくつかの別の実施形においては約0.5より高く、いくつかの別の実施形においては約0.8より高く、さらにまた別の実施形態においては約0.9より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.95より高い。
【0119】
工程(I)において、複数のシリカ含有粒子は、(SiClのような)ハロゲン化シリコンまたは有機シリコン化合物のような、シリコンを含有する少なくとも1つの前駆化合物の火炎加水分解によって提供することができる。有機シリコン化合物の非限定的例として、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)を挙げることができる。前駆化合物は(D含有OMCTSのように)Dをその自然同位元素比より高いレベルで含有することができ、この場合、粒子自体が通常は作成された時点でODドープされている。あるいは、前駆化合物はDをその自然同位元素存在比をこえないレベルで含有し得るが、添加DOまたはCD,CDH,CD,D,HD等のような、D含有化合物を燃料として燃やすことによりつくられるDOを含有する雰囲気のような、Dをその自然同位元素比より高いレベルで含有する雰囲気において前駆化合物に火炎加水分解を受けさせることができる。シリコン含有粒子はあらかじめ作成しておくことができ、あるいは、工程(II)において粒子が堆積されて固結される炉と同じ炉内でその場で作成することができる。シリコン含有粒子があらかじめ作成される場合、粒子は工程(I)においてスートディスペンサーによって提供されることができ、支持堆積表面にスプレーされて、固結させられる。あらかじめ作成された粒子がD含有粒子であれば、あらかじめ作成された粒子のODレベル及び最終固結ガラスの所望のODレベルに依存して、Dを含有しているかまたはしていない環境において工程(II)を行うことができる。あらかじめ作成された粒子がD含有粒子でなければ、固結ガラスにODを導入するために、工程(II)は(DOまたはDガスあるいはこれらの組合せが存在しているような)D含有環境において行われるべきである。本発明のODドープ石英ガラスを作成するためのこのダイレクト-トゥ-ガラス法はプラズマアシストプロセスとすることができる。粒子がつくられる雰囲気及び工程(II)が行われる雰囲気のn(D)/(n(D)+n(H))比を調節することにより、ODが所望のレベルでドープされている最終ODドープガラスを作成することができる。
【0120】
本発明の高純度ODドープ石英ガラスの作成に適合させることができる、ダイレクト-トゥ-ガラス法を用いることによって高純度石英ガラス材料を作成するための装置及びプロセスに関する文献は豊富にある。例えば、工程(II)における支持堆積表面は水平回転テーブルの実質的に平坦な堆積面であることが極めて望ましい。一般に、深UV及び真空UVリソグラフィ装置に用いるためのODドープ石英ガラスを得るためには、ガラスは極めて清浄な環境において高純度の原材料及び処理剤を用いることで作成されるべきであり、所望の特性に有害な金属による汚染を避けるために注意が払われるべきである。高純度の出発材料及びスート(及び対応する固結ガラス)を作成するための装置及び/または微量金属を除去するための、例えばClまたはCl+COによる、スート(及びスートを固結するために用いられる装置)の純化によって、低金属不純物が得られる。しかし、通常の無ODドープ高純度石英ガラスの作成における場合のように、望ましい場合には、ダイレクト-トゥ-ガラス炉においてODドープ合成石英ガラス材料に、F,Al,Ti等のような、様々なドーパントをドープすることも可能である。工程(I)において粒子があらかじめ作成されている場合、粒子は実質的に同じ組成を有することができ、あるいは相異なる組成を有することができる(例えば、ドーパントを含有するいくらかの粒子及び実質的にドーパントを含有しない粒子を混合して、工程(I)において提供することができる)。
【0121】
工程(II)で作成された固結ガラスは、さらに、
(III) 工程(II)で得られた固結ガラスを、H及び/またはHD及び/またはDを含有する雰囲気内で処理する工程、
を受けることができる。
【0122】
工程(III)の目的は、固結ガラス内の水素分子(H,HD及び/またはD)のレベルを所望のレベルに調節することである。所望のレベルでガラスにドープされた水素分子は材料の光学性能を向上させることができる。そのような水素処理は約600℃より低温で行われることが望ましい。いくつかの場合には、水素処理が約600℃より高温で行われることが望ましいこともある。一般に、水素処理は約1000℃より低温で行われることが望ましい。一般に、工程(III)の処理時間及び温度は、処理されたガラス内のH,HD及びDの濃度の総合計が約0.5×1015〜約5×1019分子/cmの範囲にあり、いくつかの実施形態においては好ましく約0.5×1015〜約5×1018分子/cmの範囲にあり、いくつかの別の実施形態においては好ましくは約1×1015〜約1×1018分子/cmの範囲にあり、いくつかの実施形態においては好ましくは約0.5×1016〜約5×1018分子/cmの範囲にあり、いくつかの別の実施形態においては好ましくは約1×1016〜約1×1018分子/cmの範囲にあるように、選ばれることが望ましい。いくつかの実施形態においては、工程(III)の雰囲気がD含有雰囲気である、すなわち雰囲気がDの自然同位元素存在比より高い(2n(D)+n(HD))/2(n(H)+n(D)+n(HD))比を有することが望ましい。工程(III)の後、ガラスの様々な場所における[D]/[H]比は実質的に一定である、すなわちD及びHの分布プロファイルが(濃度は異なっているかもしれないが)実質的に同じであることも望ましい。しかし、コストを下げるため、工程(III)において、雰囲気が実質的にDを含有しない、すなわち、雰囲気の(2n(H)+n(HD))/2(n(H)+n(D)+n(HD))比がHの自然同位元素存在比より高いかまたはそれにほぼ等しいことが望ましいこともあり得る。
【0123】
本明細書では「パーティクル-トゥ-ガラス(particle-to-glass)」と称される、本発明のODドープ合成石英ガラスを作成するための本発明の別の方法は、多孔質粒子プリフォームの形成を含む。本方法は、
(A)複数のシリカ含有粒子を有する粒子プリフォームを提供する工程、
(B)必要に応じて、粒子プリフォームを純化及び/または乾燥する工程、
(C)必要に応じて、粒子プリフォームにさらにドーパントをドープする工程、
(D)ガラスを緻密化するために高温で粒子プリフォームを固結する工程、及び
(E)必要に応じて、工程(D)で得られた固結ガラスをH,HD及びDの存在の下で処理する工程、
を含み、
工程(A),(B),(C),(D)及び(E)の内の少なくとも1つにおいて、ODがガラスに導入されるかまたはガラス内に形成される。一般に、工程(A),(B),(C)及び(D)の内の1つにおいてODがガラスに導入されることが好ましい。
【0124】
このプロセスの一実施形態において、工程(A)は、
(A1)複数の粒子を提供する工程、及び
(A2)支持表面上に粒子を堆積させて粒子プリフォームを形成する工程、
を含む。いくつかの実施形態において支持表面は回転していることが好ましい。
【0125】
工程(A1)において、粒子は、(A1.1)プラズマアシストプロセスとすることができる、少なくとも1つの(ハロゲン化シリコン(例えばSiCl)または有機シリコン化合物のような)シリコン含有前駆化合物の火炎加水分解、または(A1.2)プラズマアシストプロセスとすることができる、スートディスペンサー、あるいは(A1.3)その他のプラズマアシストプロセスによって、提供することができ、有機シリコン化合物の例として、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)を挙げることができる。本出願明細書において、工程(A1.1)をともなうパーティクル-トゥ-ガラスプロセスは「スート-トゥ-ガラス」プロセスと称される。通常の無ODドープ高純度石英ガラスを作成するためのスート-トゥ-ガラスプロセスは、例えば、2005年6月8日に出願され、現在は米国特許出願公開第2006/0137398号として公開されている、同時係属の、ともに譲渡された、名称を「屈折率一様性が高い石英ガラス及びその作成方法(HIGH REFRACTIVE INDEX HOMOGENEITY FUSED SILICA GLASS AND METHOD OF MAKING SAME)」とする、米国特許出願第11/148764号の明細書に説明されている。この明細書の該当部分は本明細書に参照として含まれる。
【0126】
工程(A1.1)によって提供される粒子は、ODドープ粒子かまたは無ODドープ粒子とすることができる。D含有化合物が火炎加水分解プロセスに用いられる場合、提供される粒子は通常ODドープ粒子である。工程(A1.1)の火炎加水分解プロセスの雰囲気がDOを含有していれば、そのようにして提供される粒子は通常ODドープ粒子である。
【0127】
工程(A2)は、(A2.1)外付け法、(A2.2)内付け法、(A2.3)軸付け法、(A2.4)平面堆積法、等のような様々な方法で行うことができる。本発明のODドープ合成石英ガラスの作成に適合させることができる、通常の無ODドープシリカ含有ガラスを作成するためのこれらの方法を説明している文献は豊富にある。
【0128】
工程(A)において、
(A(i))シリカを含有するゾル−ゲルを形成する工程、及び
(A(ii))ゾル−ゲルから粒子プリフォームを形成する工程、
を含む、ゾルゲルプロセスを粒子プリフォームを作成するために用いることができる。
【0129】
工程(A(i))は、少なくとも1つのD含有化合物の存在の下で、または少なくとも1つのD含有化合物から、行うことができる。特に、工程(A(i))はDOの存在の下で行うことができる。例えば、液体DO内における(シロキサンのような)シリコン含有前駆化合物の加水分解によってゾル−ゲルを作成することができる。したがって、工程(A)において作成される粒子プリフォームはODドープシリカ粒子を有する。本発明のODドープ合成石英ガラスの作成に適合させることができる、ゾル−ゲルプロセスによるシリカからなる無ODドープガラスを作成するための方法を説明している文献は豊富にある。一般に、ゾル−ゲルプロセスは、シリカのゾル−ゲルを作成するための水性媒質内での(シラン、シロキサンまたはポリシロキサンのような)シリコン含有前駆化合物の加水分解の工程を含む。次いで、ゾルゲルを注型して生地にすることができ、生地は本出願明細書の意味において粒子プリフォームの形態である。生地はある程度乾燥されてから、以降の工程(B)〜(E)において処理される。
【0130】
火炎加水分解及びゾル−ゲルプロセスによって作成された粒子プリフォームは、望ましくないほどの多量のOH及びODを含有し得る。ゾル−ゲルプロセスで作成された粒子プリフォームはかなりの量のHO及び/またはDOを含有することさえあり得る。H及び/またはDを含有する燃料(例えば、H,D,CH,CDH等)及び/またはH及び/またはDを含有する前駆化合物(例えばOMCTS)の燃焼をともなう上述の火炎加水分解法(IVD,OVD,VAD,PD)で作成された(一般にスートプリフォームと呼ばれる)粒子プリフォームは一般に、スート粒子内にOH基及びOD基を有する。多くの用途に対し、プリフォーム内のそのような量のOH及び/またはODは、意図される目的には望ましくないほど高いレベルのOH及び/またはODを固結ガラスにもたらすであろう。例えば、UV及び深UVリソグラフィ装置に用いられる光学部材に用いるための高純度石英ガラスには、総濃度が、500ppmより低く、いくつかの実施形態においては300ppmより低いことが好ましく、いくつかの実施形態においては約150ppmより低いことが好ましく、いくつかの実施形態においては約50ppmより低いことが好ましい、OH及びODを含有するガラスのような、低OH/ODガラスが望ましいことが、発明者等には当然のことである。
【0131】
そのような、HO,DO,OH及び/またはODのレベルが望ましくないほど高い粒子プリフォームに対しては、必要に応じて追加のドーパントをドープする前及び固結させて緻密ガラスにする前に、OH及び/またはODの濃度を所望のレベルまで下げるために少なくとも乾燥させることが望ましい。固結ガラス内の最終のOH及び/またはODの濃度を制御するためには、粒子プリフォームのOH及び/またはODの総濃度が、重量で、約50ppmより低く、いくつかの実施形態においては好ましくは約10ppmより低く、いくつの別の実施形態においては好ましくは約1ppmより低く、いくつの別の実施形態においては好ましくは約0.01ppmより低くなるように、乾燥されることが多くの場合望ましい。粒子プリフォームが含有するOH及び/またはODの総濃度が重量で約1ppmより低い場合に、粒子プリフォームは本出願明細書の目的にとって実質的に乾燥していると見なされる。
【0132】
粒子プリフォーム内のHO,DO,OH及び/またはODを低減するため、He,Ar,N等を含むがこれらには限定されない、乾燥不活性ガスのような乾燥剤を、500℃より高く、いくつかの実施形態においては約800℃より高いような高温で用いることができる。CO,CO等も同様に乾燥剤として用いることができる。COはシリカ粒子と反応してガラスに欠陥を生じさせ得る。そのような欠陥は以下に説明されるように修復することができる。好ましい乾燥剤は、F,Cl,Br,ハロゲン化合物,CO,CO及びこれらの同等な混合気である。ハロゲン化合物は、HX,COX,SOX,CX及びSXから選ばれることが好ましく、XはF,Cl,Br及びこれらの組合せから選ばれる。最も好ましい乾燥剤は、COを含むかまたは含まない、Cl及びBr及びこれらの混合気である。
【0133】
工程(A)で提供されるような粒子プリフォームは汚染物、特に有害な金属イオンを、許容できないほど多量に含有し得る。これは、ゾル−ゲルプロセスが粒子プリフォームの作成に用いられた場合に特にあてはまる。ゾル−ゲルプロセスで作成された粒子プリフォームは一般に、深UVスペクトル及び真空UVスペクトルにおけるガラスの光学性能に有害な、Fe,Na等を高レベルで含有する。ガラスが固結されて汚染物が固結ガラスに組み込まれてしまうと、汚染物の除去は困難になる。したがって、必要であれば、プリフォームの固結の前に汚染物の濃度が所望のレベルまで下がるように、固結前に粒子プリフォームを純化にかけることが極めて望ましい。
【0134】
粒子プリフォームからHO,DO,OD及び/またはOHを除去するための乾燥剤の多くは汚染物除去機能も有する。そのような乾燥剤は、乾燥プロセスに用いられるときに、同時に粒子プリフォームを純化するためにはたらくことができる。したがって、有利なことには乾燥及び純化を同時に行うことができる。あるいは、望ましければ、これらの2つの異なる機能を達成するために相異なる作用物質を用いることができる。好ましい純化剤にはCl,F,Br,ハロゲン含有化合物,CO,CO等及びこれらの混合気及び組合せがあるが、これらには限定されない。ハロゲン含有化合物はHX,COX,SOX,CX及びSX等とすることができ、XはF,Cl,Br及びこれらの組合せから選ばれる。最も好ましい乾燥剤は、COを含むかまたは含まない、Cl及びBr及びこれらの同等の混合気である。
【0135】
粒子プリフォームは、工程(D)における固化の前に、工程(C)においてさらにドープすることができる。固結ガラスへのドーパントのドーピングは困難であるが、粒子プリフォームのドーピングは制御されて態様で行い得ることも、一般にわかっている。よって、乾燥/純化工程(B)の有無にかかわらず、OD,OH,F,Cl等のようなドーパントを粒子プリフォームにさらにドープすることができる。ドーピング過程を促進するには、500℃より高く、いくつかの実施形態においては800℃より高いような、高温におけるドーピングが望ましい。ドーピング温度、ドーピング雰囲気内のドーパントの濃度及びドーピング時間を制御することにより、粒子プリフォーム内の所望のドーパントの最終濃度、したがって最終固結ガラス内の所望のドーパントの濃度を制御することができる。粒子プリフォームにFをドープするためには、HF,DF,COF,SOF,CF及びSFのようなF含有化合物を用いることができる。したがって、乾燥及び/または純化工程(B)中に、Fのドーピングを行うことができる。粒子プリフォームにClをドープするためには、Cl及び、HCl,COCl,SOCl及びCClのような、Cl含有化合物を用いることができる。したがって、乾燥及び/または純化工程(B)中に、Clのドーピングを行うことができる。すなわち、工程(B)及び(C)は少なくともある程度同時に行うことができる。
【0136】
本発明の目的には、上述したように、多くの用途に対して固結ガラス内のOH及び/またはODの濃度を制御することが極めて望ましい。これは望ましくは工程(B)及び/または(C)においてなされ得る。例えば、工程(B)において、実質的にOH及び/またはODが存在しないレベルまで粒子プリフォームを乾燥及び純化することができる。続いて、工程(C)において、最終固結ODドープガラスが所望のOD及び/またはOHの濃度を有するように、乾燥された粒子プリフォームに制御可能な態様でOH及び/またはODが所望のレベルまでドープされる。ドーピングは、500℃より高く、いくつかの実施形態においては800℃より高いような、高温で実施されることが望ましい。適切なドーピング時間、ドーピング温度、ドーピング雰囲気内のドーパントの濃度を選ぶことにより、固結ガラス内の、OD及び/またはOH、及びその他のドーパント、の最終濃度を制御できるだけでなく、それらの一様な分布を達成することもできる。粒子プリフォームにOD及び/またはOHをドープするために、OD含有化合物及び/またはOH含有化合物をドーピン不雰囲気において様々な分圧で用いることができる。例えば、粒子プリフォームにODをドープするため、ドーピング雰囲気は、D,HD,DO,CHOD,COD,CHCOOD及びその他のOD含有化合物を含有することができる。ドーピング雰囲気にD及び/またはHDが存在する場合に、D及び/またはHDはSiOガラスと反応して、ガラス内にSi-OD及び/またはSi-OHを生成することができる。粒子プリフォームにOHをドープするため、ドーピング雰囲気は、H,HD,HO,CHOH,COH,CHCOOH及びその他のOH含有化合物を含有することができる。同様に、ドーピング雰囲気にH及び/またはHDが存在する場合に、D及び/またはHDはSiOガラスと反応して、ガラス内にSi-OH及び/またはSi-ODを生成することができる。水素ガス(D,DH及び/またはH)とSiOの間の反応が石英ガラスに酸素欠乏サイトの形成をおこさせ得ることが知られている。したがって、以下に説明されるように、ドーピング雰囲気内のドーピング剤として水素ガスが用いられる場合には、欠陥を修復するため、粒子プリフォームを固結して緻密ガラスにする前に、またはその間に、粒子プリフォームを酸化性雰囲気内で処理することが望ましい。ドーピング雰囲気内のドーピング剤としてDO及び/またはHOが用いられる場合には、DO及び/またはHOは、ドーピング環境に入るときにDO及び/またはHOとして供給することができ、あるいは、例えば環境内に別々に供給されるD/HとOの間の反応によって、その場で形成することができる。最終固結ガラスにおいて所望の[OD]/[OH]比を達成するため、ドーピング工程(C)において、所望の分圧を有するOD含有化合物及びOH含有化合物を含有するようにドーピング雰囲気を調節することができる。粒子プリフォームに対して最も好ましいODドーピング剤はDOである。同位元素純度がモルで99.9%より高いDOが市販されている。粒子プリフォームに対して最も好ましいOHドーピング剤はHOである。実質的に乾燥しているプリフォープにドープする場合、最終ガラスにおいて所望のOD及びOHの濃度を得るに望ましいDO分圧及びHO分圧を有するようにドーピング雰囲気を調節することができる。OHをあるレベルで含有する粒子プリフォームにODをドープする場合、OD含有化合物、例えばDO、のような、D含有化合物を含有するドーピング雰囲気内で、粒子プリフォーム内の所望の量のOHがODで交換されるように、十分な時間をかけて処理することができる。ドーピング雰囲気内のOD含有化合物とOH含有化合物の分圧比、ドーピング温度及びドーピング時間を制御することによって、この態様でも[OD]及び[OH]が所望のレベルのガラスを得ることができる。粒子プリフォームが工程(C)以前にある量のODを含有しており、工程(C)において、最終ガラスにおける所望のOD及びOHの濃度を達成するためだけにOHがドープされるかまたはOHで交換されることも、本発明の範囲内にある。約0.02より高く、いくつかの実施形態においては約0.05より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.1より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.3より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.5より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.9より高く、いくつかの別の実施形態においては約0.95より高い、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比を達成することができる。
【0137】
ドーピング雰囲気は、ドーピング化合物に加えて、O及び不活性ガスを含有することができる。OH及びODのドーピングは通常、約500℃より高く、いくつかの実施形態においては約800℃より高いような、高温で行われるから、H,D,HD,O,HO及びDOは一般に、化学平衡及び動的因子によって決定される量で存在する。工程(B)及び/または(C)は、炭化水素、D含有炭化水素等のような、H及びDとは別の還元性ガスの存在の下で行うことができる。
【0138】
シリカを有する粒子プリフォームが工程(B)及び/または(C)におけるように高温において還元性雰囲気内で処理されると、ガラス内に酸素欠乏欠陥が発生し得ることが知られている。そのような欠陥は、約248nm及び193nmのような、深UV及び真空UVにおける透過特性に特に有害である。したがって、工程(B)及び(C)の後に、工程(C(A))において粒子プリフォームを酸化性雰囲気内で処理することが極めて望ましい。酸化性雰囲気内の酸化剤は、例えば、O,O,DO,HO等とすることができる。
【0139】
本発明のプロセスの工程(D)において、粒子プリフォームは固結されて緻密石英ガラスになる。工程(C)及び(D)は、粒子プリフォームが固結されて緻密ガラスになる間に少なくともある程度のドーピングが行われるという意味で、少なくともある程度同時に行うことができる。上述した工程(C(A))及び工程(D)は、工程(D)の少なくとも一部において、ガラス内の酸素欠乏欠陥の少なくともある程度が酸化されて修復されるという意味で、少なくともある程度同時に行うことができる。工程(D)において、粒子プリフォームは、粒子が焼結されて緻密ガラスになる、1000℃より高いことが望ましく、いくつかの実施形態においては1200℃より高く、いくつかの実施形態においては約1400℃より高い、高温まで加熱される。固結工程(D)中の昇温速度は、OH,OD,F等のようなドーパントの一様な分布が達成されるような態様で、制御することができる。工程(D)は、He,Ar,N等のような不活性ガスを含有する固結雰囲気内で行うことができる。固結雰囲気はさらにO及び/またはDO及び/またはHOを所望のレベルで含有することができる。O,DO及び/またはHOはガラス内の酸素欠乏サイトを酸化して修復するためにはたらくことができる。高[OD]ガラスが望まれる場合は、固結雰囲気はHO及びHDOを実質的に含有しない雰囲気とすることができる。固結雰囲気はさらにH,D,HD等を含有することができる。しかし、上述したように、高温におけるそのような還元性ガスの石英ガラスとの反応はガラス内の欠陥の形成をもたらし得る。[OH]及び/または[OD]が高いガラスは、H,HD及び/またはDを含有する雰囲気のような、還元性雰囲気において高温で処理されると、[OH]及び[OD]が低いガラスよりも欠陥が少なくなる傾向をもつと発明者等は考えている。
【0140】
本発明のこのプロセスの工程(E)は、H,HD及び/またはD分子を含有する水素ドーピング雰囲気による固結ガラスへの水素ドーピング工程を含む。水素ドーピング雰囲気は、水素添加温度が、約500℃より低いような、比較的低温の場合は特に、ODが高パーセンテージでドープされたガラスに対してさえも、D及びHDを実質的に含有しない雰囲気とすることができる。いくつかの実施形態において、ODが高パーセンテージでドープされたガラスに対しては、水素ドーピング温度が500℃より高い場合に、水素ドーピング雰囲気はHD及びHを実質的に含有していない雰囲気であることが望ましい。いずれにせよ、約500℃より低温において石英ガラスに添加する場合、HまたはDの添加はガラスの[OH]及び[OD]を認められるほどには変えないことがわかった。水素ドーピングは、有利なことには、約600℃より低温(冷添加)で行うかまたは、過程を促進するために、約600℃より高温(熱添加)で行うことができる。しかし、水素ドーピングは通常は1000℃より低温で行われる。拡散の法則により、ガラス内の同じ添加水素レベルに達するには、冷添加の方が、時間が長くかかる傾向がある。いずれにせよ、ある種の石英ガラスの作成、深UV及び真空UVリソグラフィ装置における屈折レンズ素子に用いるための、比較的含有水分が少ない(例えば、[OD]+[OH]<100ppmの)石英ガラスの作成では特に、冷添加が、固結ガラスに発生する欠陥が少なくなる傾向があるから、好ましい。
【0141】
上述したように、同時係属の、ともに譲渡された、(2005年9月30日に出願され、現在は米国特許出願公開第2006/0137399A1号として公開されている、名称を「低偏光誘起複屈折を有する合成シリカ、その作成方法及びそれを備えるリソグラフィ装置(SYNTHETIC SILICA HAVING LOW POLARIZATION-INDUCED BIREFRIGENCE, METHOD OF MAKING SAME AND LITHOGRAPHIC DEVICE COMPRISING SAME)」とし、その該当部分が本明細書に参照として含まれる)米国特許出願第11/241075号の明細書には、無ODドープ石英ガラスの偏光誘起複屈折は[OH]が高くなるほど悪化する傾向があることを述べている。この特許出願明細書には、偏光誘起複屈折の大きさがOHドープ石英ガラスの[OH]にほぼ比例することも述べられている。したがって、無ODドープ合成石英ガラスについて、偏光誘起複屈折性能が許容できるためには、一般に、500ppmより低く、いくつかの実施形態においては160ppmより低いことが好ましく、いくつかの別の実施形態においては50ppmより低い、[OH]を有することが好ましい。しかし、全く思いがけない態様で、発明者等は、ODドープ石英ガラス、特に実質的に無OHの石英ガラスが、[OH]が同等の無ODドープ石英ガラスに比較してかなり小さい偏光誘起複屈折値を有する傾向があることを見いだした。OHを実質的に含有していないいくつかのODドープガラス試料において、約200μJ・cm−2・パルス−1の193nm直線偏光エキシマーレーザのパルスに80億(8×10)パルスをかけた後であっても、偏光誘起複屈折は実質的にゼロであることが見いだされた。したがって、発明者等は、本発明のODドープ高純度合成石英ガラス、特にOHを実質的に欠いているODドープ高純度合成石英ガラスは、1000ppmまでないし1000ppmをこえる高[OD]を有していても、極めて小さい偏光誘起複屈折を示すであろうと考えている。
【0142】
別の、同時係属の、ともに譲渡された、(2005年10月26日に出願され、名称を「低フルーエンス依存透過率を有する合成シリカ及びその作成方法(SYNTHETIC SILICA WITH LOW FLUENCE-DEPENDENT-TRANSMISSION AND METHOD OF MAKING SAME)」とし、その該当部分が本明細書に参照として含まれる)米国特許出願第11/261005号の明細書において、無ODドープ高純度合成石英ガラスに対し、フルーエンス依存透過率(FDT)及びLIWFDの観点から、[OH]≦160ppmの無ODドープ石英ガラスについて、好ましくは、H添加が約600℃より低温で行われるべきであることが見いだされている。[OH]≦160ppmであるような無ODドープ石英ガラスにおいて、熱添加はFDT及びLIWFDを悪化させ得ることが示されている。ただし、[OH]≧500ppmであるOHドープ石英ガラスについては、熱添加がFDT及びLIWFD性能を冷添加よりも大きく変えることはないことも示されている。
【0143】
したがって、発明者等は、本発明のODドープ合成石英ガラス、特に、[OD]が1000ppmまでないしこれを上回っていても、実質的に[OH]を含有しないODドープ合成石英ガラスは、水素を熱添加して、許容できる偏光誘起複屈折性能を有し、FDT及びLIWFD特性が悪化しない、ガラスを得ることができると考えている。したがって、高[OD]石英ガラス、少なくとも、実質的に無OHの石英ガラスは、[OH]が同等の無ODドープ石英ガラスは用いることができない用途に、使用可能であり得る。そのような高[OD]ガラスは、一般に冷添加が必要である、無ODドープ、低[OH]ガラスに比較して、熱添加が可能であるから、かなり高い効率及び速度で作成することができる。
【0144】
本発明のODドープ合成石英ガラスを作成する別の方法は、
(a)複数のODドープシリカ含有粒子を提供する工程、及び
(b)透明ガラスを得るために高温で粒子を溶融する工程、
を含む。
【0145】
このプロセスの工程(a)は、
(a1)複数のシリカ含有粒子を生成する工程、
(a2)必要に応じて、粒子を純化及び/または乾燥する工程、
(a3)必要に応じて、D含有化合物少なくとも1つ含有する雰囲気内で粒子にドーピングする工程、及び
(a4)必要に応じて、粒子内の酸素欠乏サイトを少なくともある程度修復するための酸化性雰囲気内で粒子を処理する工程、
を含み、
工程(a1),(a2),(a3)及び(a4)の内の少なくとも1つにおいて、OD成分が粒子に導入される。
【0146】
工程(a1)において、シリカ含有粒子は、ガラスを形成するために粒子プリフォームが、最終的に、溶融される代りに固結されるパーティクル-トゥ-ガラスプロセスに関連して上述したように、火炎加水分解プロセスまたはゾル−ゲルプロセスによって生成することができる。
【0147】
工程(a2)において、純化及び/乾燥は、ガラスを形成するために粒子プリフォームが、最終的に、溶融される代りに固結されるパーティクル-トゥ-ガラスプロセスに関連して上述したように、必要に応じて変更を加えて、行うことができる。高純度出発材料及びスート(及び対応する固結ガラス)を作成するため及び/または、微量金属を除去するために、例えばClまたはCl+COで、スート(及びスートを固結するために用いられる装置)を純化するための装置によって、低金属不純物レベルを得ることができる。
【0148】
工程(a3)において、ドーピングは、ガラスを形成するために粒子プリフォームが、最終的に、溶融される代りに固結されるパーティクル-トゥ-ガラスプロセスに関連して上述したように、必要に応じて変更を加えて、行うことができる。
【0149】
工程(a4)において、処理は、ガラスを形成するために粒子プリフォームが、最終的に、溶融される代りに固結されるパーティクル-トゥ-ガラスプロセスに関連して上述したように、必要に応じて変更を加えて、行うことができる。
【0150】
工程(b)において、ガラスは、1500℃より高く、いくつかの実施形態においては約1800℃より高く、いくつかの実施形態においては約2000℃であるような、ガラスが溶解する温度に加熱される。溶融ガラスは、最終ガラスにおいて一様性の高い組成及び特性を得るために、溶融時にさらに均質化することができる。均質化が行われる場合、溶融されるガラス粒子は実質的に同じ組成を有するか、または相異なる組成を有することができる。例えば、粒子は[OH]及び[OD]が相異なる粒子の混和物とすることができる。均質化すれば、得られる最終ガラスは一様な[OH]及び/または[OD]を有する。
【0151】
同様に固結ガラスの均質化も行うことができる。すなわち、本発明の固結ODドープ合成石英ガラスまたはその混合物は、作成方法にかかわらず、ガラスが溶融し、均質化して、一様な組成及び特性を有するガラスを形成する、約1500℃より高く、いくつかの実施形態においては約1800℃より高いような、高温に加熱することができる。
【0152】
均質化に際して、最終の、冷却された、固結ガラスは、ガラスを形成するために粒子プリフォームが、最終的に、溶融される代りに固結されるパーティクル-トゥ-ガラスプロセスに関連して上述したように、必要に応じて変更を加えて、水素分子をさらにドープすることができる。
【0153】
OH及び/またはODを含有する、固結された、緻密石英ガラスを、緻密ガラスにおいて所望のレベルのn(OD)/(n(OD)+n(OH))比を達成するために、例えば600℃より高く、いくつかの実施形態においては約800℃より高く、いくつかの実施形態においては1000℃もの高さの、高温において、H,D及び/またはHDを含有する雰囲気内でH/D交換を行うことによって、本発明のODドープ石英ガラス材料を作成することが可能である。緻密ガラスは、ダイレクト-トゥ-ガラスプロセスで作成することができ、あるいは上述したスート-トゥ-ガラスプロセスまたはゾルゲルプロセスで作成することができる。(例えば、重量で約1000ppmのOHを含有し、ODは実質的に含有しない、米国ニューヨーク州コーニング(Corning)のコーニング社(Corning Incorporated)で製造された、Corning HPFS(登録商標)ガラス製品コード7980(商標)が代表的な)無D含有材料から出発して無D含有環境における従来のダイレクト-トゥ-ガラスプロセスで作成されたOHドープガラスのような、実質的にODを含有していない緻密ガラスに対して、約900℃のような高温で十分な時間をかけてガラスにD添加を行うことによって、n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が様々なODドープガラスを作成することができる。n(OD)/(n(OD)+n(OH))比が0.5より高く、いくつかの実施形態においては約0.8より高く、いくつかの実施形態においては約0.9より高いような、[OH]が極めて低いガラスを成功裏に作成することができる。
【0154】
本発明の合成石英ガラス材料はさらに処理して、約248nm,193nmないしさらに短波長のような、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置のリソグラフィ照射光の光路に用いるための光学部材にすることができる。本光学部材は様々な幾何学的形状及び寸法をとることができる。本光学部材は低フルーエンス照射光路及び高フルーエンス照射光路に用いることができる。したがって、本発明の石英ガラスに基づく光学部材を作成するためのプロセスはガラス材料を作成するための本発明のプロセスと本発明のガラス材料を処理する追加の工程の組合せとすることができる。上述したように、ODドープ合成石英ガラスは既に研究され、開示されているが、発明者等が知る限りは、約300nmより短波長で動作するリソグラフィ装置の照射光路の光学部材に用いることができるODドープ合成シリカガラスを開示している文献はなく、まして、約193nmのような波長において思いがけない光学性能を有するODドープ合成石英ガラスを開示している文献は全くない。上に論じた従来技術の文献に開示されている実施例の材料は、本発明の材料の光学性能すなわち約300nmより短波長のリソグラフィ用途に必要な光学性能を有していないと考えられる。
【0155】
以下の非限定的例によって本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0156】
実施例1a
本実施例においては、同時係属の、ともに譲渡された、名称を「屈折率一様性が高い石英ガラス及びその作成方法(HIGH REFRACTIVE INDEX HOMOGENEITY FUSED SILICA GKASS AND METHOD OF MAKING SAME)」とする、2005年6月8日に出願され、現在は米国特許出願公開第2006/0137398A1号として公開されている、米国特許出願第11/148764号の明細書に説明されるようなスート-トゥ-ガラスプロセスを用いることで、ODドープ石英ガラスを作成した。上記明細書の該当部分は本明細書に参照として含まれる。詳しくは、Si含有前駆化合物であるオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)の火炎加水分解によって得られた複数のスート粒子を回転しているマンドレル表面に堆積させることによってシリカスートプリフォームを形成した。このようにして作成したスートプリフォームはOHドープスートプリフォームであった。続いて、ODドープスートを得るため、プリフォームをほぼ1100℃に設定された固結炉に入れ、2.5%の酸素を含むヘリウムに液体DOを通してバブリングさせて固結炉に6時間通すことにより、同位元素純度が99.9+%のDOでD/H交換して、ODをドープした。次いで、炉温をほぼ1400℃に上げることによってDO含有ヘリウム雰囲気内でODドーププリフォームを焼結して、固結ODドープ石英ガラスにした。固結に続いて、石英ガラスを約1100℃の窒素パージ均熱オーブン内に約24時間おき、25℃/時間より低い冷却速度で850℃まで冷却し、次いで室温まで冷却した(この石英ガラスは表Iの試料C,D及びFに用いた)。デューテロキシルドーピングは成功し、固結ガラスは重量で約130ppmのOD及び1ppmより少ないOHを含有していた。ガラスの径方向に沿って[OD]及び[OH]を測定し、図6に提示した。これらの試料が有するナトリウムは重量で10ppbより少なく、総アルカリ金属は合計して重量で10ppbより少なく、アルカリ土類金属は重量で10ppbより少なく、Fe,Cr及びNiは重量で1ppbより少ないことがわかった。
【0157】
実施例1b
本実施例においては、実施例1aに説明されるようなスート-トゥ-ガラスプロセスを用いることで、ODドープ石英ガラスを作成した。このようにして作成したスートプリフォームはOHドープスートプリフォームであった。続いて、ODドープスートを得るため、プリフォームをほぼ1100℃に設定された固結炉に入れ、2.5%の酸素を含むヘリウムに液体DOを通してバブリングさせて固結炉に6時間通すことにより、同位元素純度が99.9+%のDOでD/H交換して、ODをドープした。次いで、炉温をほぼ1400℃に上げることによってDO含有ヘリウム雰囲気内でODドープスートプリフォームを焼結して、固結ODドープ石英ガラスにした。固結に続いて、石英ガラスを1100℃の窒素パージ均熱オーブン内に24時間おき、25℃/時間より低い冷却速度で850℃まで冷却し、次いで室温まで冷却した(この石英ガラスは表Iに示される試料Hに用いた)。デューテロキシルドーピングは成功し、固結ガラスは重量で約70ppmのOD及び1ppmより少ないOHを含有していた。ガラスの径方向に沿って[OD]及び[OH]を測定し、図12に提示した。これらの材料の試料H及びGについて測定した仮想温度はそれぞれ1126℃及び1032℃であった。これらの試料が有するナトリウムは重量で10ppbより少なく、アルカリ金属は合計して重量で10ppbより少なく、総アルカリ金属は合計して重量で10ppbより少なく、アルカリ土類金属は重量で10ppbより少なく、Fe,Cr及びNiは重量で1ppbより少ないことがわかった。
【0158】
実施例1c
本実施例においては、実施例1aに説明されるようなスート-トゥ-ガラスプロセスを用いることで、ODドープ石英ガラスを作成した。このようにして作成したスートプリフォームはOHドープスートプリフォームであった。このスートプリフォームを1100℃に設定された固結炉に入れ、体積で1.6%のCl及び体積で0.3%のCOを含むヘリウムを流して4時間処理した。このプロセスはスートプリフォームからOH及び微量金属の全てを除去するために用いた。次いで、DOを入れたバブラーを通して体積で2.5%のOを含むヘリウムを流すことによってスートプリフォームをDO及びOに1100℃で8時間さらした。このプロセスにより、塩素が全て除去され、前工程で還元されたシリカのいずれもが再酸化された。こうしてODドープスートプリフォームを作成した。次いで、炉温をほぼ1400℃に上げることによりDO含有ヘリウム雰囲気内でスートプリフォームを焼結して、固結ODドープ石英ガラスにした。固結に続いて、ODドープシリカを1100℃の窒素パージ均熱オーブン内に24時間おき、25℃/時間より低い冷却速度で850℃まで冷却し、次いで室温まで冷却した。デューテロキシルドーピングは成功し、固結ガラスは重量で約220ppmのOD及び約8ppmのOHを含有していた。ガラスの径方向に沿って[OD]及び[OH]を測定し、図17に提示した。このODドープ石英ガラスの試料に、約425℃でHを約3×1016分子/cmまで後添加した。この材料について測定した仮想温度は1085℃であった。この試料の193nmにおける内部透過率は99.66%/cmであった。この試料が有するClは重量で10ppmより少なく、ナトリウムは重量で10ppbより少なく、総アルカリ金属は合計して重量で10ppbより少なく、総アルカリ土類元素は重量で10ppbより少なく、鉄、クロムまたはニッケルは重量で1ppbより少なかった。
【0159】
実施例2
本実施例においては、同時係属の、ともに譲渡された、米国特許出願第11/148764号(米国特許出願公開第2006/0137398A1号)の明細書に説明されるようなスート-トゥ-ガラスプロセスを用いることでODドープ石英ガラスを作成した。詳しくは、Si含有前駆化合物の火炎加水分解によって得られた複数のスート粒子を回転しているマンドレル表面に堆積させることによってシリカスートプリフォームを形成した。このようにして作成したスートプリフォームはOHドープスートプリフォームであった。続いて、実施例1aで説明した態様と同様な態様で、固結プロセス中にヘリウムに液体DOを通してバブリングさせて固結炉に通すことにより同位元素純度が99.9+%のDOである程度D/H交換し、ODドープした。デューテロキシルドーピングは成功し、固結ガラスは重量で約40〜50ppmのOD及び約10ppmのOHを含有していた。ガラスの径方向に沿って[OD]及び[OH]を測定し、図7に提示した。径方向の場所が変われば[OD]及び[OH]はいずれも変わるが、[OD]/[OH]比は実質的に一定のままであることが注目される。このことはスートプリフォーム内のOH基が実質的に同じ比率でOD基に交換されたことを示す。
【0160】
実施例3
OHドープ石英ガラス及びODドープ石英ガラスの全ての試料を、HまたはDの添加前に実施例1bで説明した態様と同様の態様でアニールし、HまたはDの添加後に測定した、それぞれの試料に対応する仮想温度を表Iに示す。実施例1a,1b及び1cのODドープ石英ガラスの試料には、375℃でHまたはDを約4×1016分子/cmまで後添加した。同時係属の、ともに譲渡された、米国特許出願第11/148764号(米国特許出願公開第2006/0137398号)の明細書に説明されるようなスート-トゥ-ガラスプロセスを用いることで作成したODドープ石英ガラスに、375℃でHまたはDを約4×1016分子/cmないし6×1016分子/cmまで添加した。FTIRの結果は、ガラス内の[OH]及び[OD]のレベルがHまたはD添加プロセスでは変化しないことを示した。繰返しレートが4kHz、フルーエンスが200μJ・cm−2・パルス−1、パルス長が25nsの直線偏光193nmArFエキシマーレーザで数100万パルスにわたりガラスを露光した。次いで、露光試料の特性を、偏光誘起複屈折、規格化偏光誘起複屈折(PIB(N))、193nmで測定した規格化LIWFD(L193)及び633nmで測定した規格化LIWFD(L633)並びに規格化誘起吸収(IA(N))について決定した。それぞれ、図8,9,10,11,12,13,14,15及び16にデータを提示してある。試料A,B,C,D,E,F,G,H,J,K及びLが含有するナトリウムは重量で10ppbより少なく、アルカリ金属は合計して重量で10ppbより少なく、アルカリ土類金属は合計して重量で10ppbより少なく、Fe,CrまたはNiは重量で1ppbより少ないことがわかった。試料A,B,C,D,F及びHの193nmにおける内部透過率は約99.78%/cmであった。試料E,G,H,K及びLの内部透過率は約99.74%/cmであることがわかった。また、試料Jの193nmにおける内部透過率は約99.70%/cmであることがわかった。試料A,B,C,D,E,F,G,H,J,K及びLは下の表Iに挙げられる組成を有する。
【0161】
【表1】
【0162】
図8及び13において、横軸はN(P)・Fを表し、ここでN(P)は100万を単位とするパルス数であり、FはmJ・cm−2・パルス−1を単位とする直線偏光193nmエキシマーレーザパルスのフルーエンスである。これらの図は、全く驚くべき態様で、ODドープ試料(試料C,D,F,G及びH)が様々なN(P)・Fにおいてかなり小さなバルク偏光誘起複屈折測定値(PIB(M))を実際に示すことを明らかに示している。図9及び14に与えられる規格化偏光誘起複屈折値は、ODドープガラス試料の偏光誘起複屈折の大きさは同等のレベルでOHがドープされているガラスよりもかなり小さいという結論をさらに強固にしている。これらの図のデータは、偏光誘起複屈折に関してODドープ石英ガラスがOHドープ石英ガラスより優れた性能を有することを明らかに示している。さらに驚くべきことには、80億(8×10)パルスにわたって測定した試料CのPIB(M)及びPIB(N)のデータは、約20億(2×10)及び50億(2〜5×10)のパルスにわたって、OHドープ試料A及びBの偏光誘起複屈折がかなり大きくなるのとは対照的に、偏光誘起複屈折が実質的に変化していないことを示す。
【0163】
図10,11および15の試料A,B,C,D及びEの規格化LIWFDデータは、思いがけなくも、ODドープ/無OH石英ガラスのLIWFD性能がOD及びOHの濃度が同等である場合のOHドープガラスより優れていることを示す。さらに、ODの濃度は等価であるが仮想温度(T)が低い方の石英ガラス試料ではLIWFDが小さくなる(すなわち、LIWFDに関してより優れた性能を有する)こともわかった。
【0164】
上で簡単に述べたように、図16に示される規格化誘起吸収(IA(N))データは、193nmにおける直線偏光光の露光量が同じ場合に、本発明のODドープ石英ガラスは本発明のODドープガラスの[OD]と同等の[OH]を有するOHドープガラスよりかなり低いレベルの誘起吸収を示すことを明らかに示している。これは全く思いがけないことであった。
【0165】
実施例4
本実施例においては、OHドープ石英ガラスをD/H交換することでODドープ石英ガラスを作成した。OHドープ石英ガラスには、米国特許第6698248B2号の明細書に説明されているようなダイレクト-トゥ-ガラスプロセスを用いることで作成されたコーニング社ガラス製品コード7980を用いた。試験したガラスが含有するOHはほぼ1000ppmであり、ナトリウムは10ppbより少なく、総アルカリは10ppbより少なく、総アルカリ土類元素は10ppbより少なく、鉄、クロムまたはニッケルは1ppbより少なかった。D/H交換は、10mm×25mm×200mmの試料を清浄な石英マッフルに入れて、試料を99.9+%のDOにバブリングさせて通した5.4%のDを含むN内で30日間900℃に加熱することで達成し、重量でほぼ1000ppmのOD及び重量で20ppmより少ないOHを含有し、さらなる金属汚染物はない、ODドープ石英ガラスを得た。
【0166】
本実施例は、OHドープ石英ガラスのD/H交換によって本発明のODドープ石英ガラスを作成できることを示す。
【0167】
本発明の範囲及び精神を逸脱することなく様々な改変及び変更が本発明になされ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、本発明の改変及び変形が添付される特許請求項及びそれらの等価物の範囲に入れば、本発明はそれらの改変及び変形を包含するとされる。
【図面の簡単な説明】
【0168】
図1】OH及び/またはOD成分を含有する石英ガラスにおける偏光誘起複屈折を少なくともある程度説明する、提案される機構の略図である
図2】OH及び/またはOD成分を含有する石英ガラスにおける偏光誘起複屈折及びn(OD)/(n(OD)+n(OH))比が異なるガラス間の偏光誘起複屈折のレベルに関する差を少なくともある程度説明する、提案される機構の略図である
図3】OH及び/またはOD成分を含有する石英ガラスにおける偏光誘起複屈折及び光誘起波面歪曲(LIWFD)並びにn(OD)/(n(OD)+n(OH))比が異なるガラス間の偏光誘起複屈折及びLIWFDのレベルに関する差を少なくともある程度説明する、提案される機構の略図である
図4】OH及び/またはOD成分を含有する石英ガラスにおける誘起吸収(IA)及びn(OD)/(n(OD)+n(OH))比が異なるガラス間の誘起吸収のレベルに関する差を少なくともある程度説明する、提案される機構の略図である
図5】OH及び/またはOD成分を含有する石英ガラスにおける誘起吸収及び誘起吸収低減におけるドープされた水素分子(H,D及び/またはHD)の効果を少なくともある程度説明する、提案される機構の略図である
図6】本発明のODドープ石英ガラスを作成するための本発明のプロセスの一実施形態にしたがって作成された固結石英ガラス試料のOH濃度([OH])プロファイル及びOD濃度([OD])プロファイルを示すグラフである
図7】本発明のODドープ石英ガラスを作成するための本発明のプロセスの一実施形態にしたがって作成された固結ODドープ石英ガラスの[OH]プロファイル及び[OD]プロファイルを示すグラフである
図8】N(P)・Fの関数としての、様々なレベルのH分子またはD分子を有する、一連の本発明のODドープ石英ガラス試料及び一連のOHドープ石英ガラス試料の、633nmで測定した、偏光誘起複屈折を示すグラフであり、ここで、Fはフルーエンスであり、N(P)は波長が約193nmのパルスレーザビームのパルス数であって、ガラス試料はフルーエンスが約200μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ25nsのパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光された
図9】波長が約193nmのパルスレーザビームのパルス数の関数としての、図8と同じ試料の規格化偏光誘起複屈折を示すグラフであり、ガラス試料はフルーエンスが約200μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ25nsのパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光された
図10】波長が約193nmのパルスレーザビームのパルス数の関数としての、上の図8に提示した試料と同じ一連の本発明のODドープ石英ガラス試料及び同じ一連のOHドープ石英ガラス試料の、633nmで測定した、規格化LIWFDを示すグラフであり、ガラス試料はフルーエンスが約200μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ25nsパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光された
図11】波長が約193nmのパルスレーザビームのパルス数の関数としての、上の図8に提示した試料と同じ一連の本発明のODドープ石英ガラス試料及び同じ一連のOHドープ石英ガラス試料の、193nmで測定した、規格化LIWFDを示すグラフであり、ガラス試料はフルーエンスが約200μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ25nsパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光された
図12】本発明のODドープ石英ガラスを作成するための本発明のプロセスの一実施形態にしたがって作成された固結石英ガラス試料のOH濃度([OH])プロファイル及びOD濃度([OD])プロファイルである
図13】波長が約193nmのパルスレーザビームのパルス数の関数としての、様々なレベルのH分子を有する、一連の本発明のODドープ石英ガラス試料及び一連のOHドープ石英ガラス試料の、633nmで測定した、偏光誘起複屈折を示すグラフであって、ガラス試料G,H,J及びKはフルーエンスが600μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ21nsのパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光され、ガラス試料F及びLはフルーエンスが200μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ25nsパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光された
図14】波長が約193nmのパルスレーザビームのパルス数の関数としての、様々なレベルのH分子を有する、一連の本発明のODドープ石英ガラス試料及び一連のOHドープ石英ガラス試料の、規格化偏光誘起複屈折を示すグラフであって、ガラス試料G,H,J及びKはフルーエンスが600μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ21nsのパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光され、ガラス試料F及びLはフルーエンスが200μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ25nsパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光された
図15】波長が約193nmのパルスレーザビームのパルス数の関数としての、上の図14に提示した試料と同じ一連の本発明のODドープ石英ガラス試料及び同じ一連のOHドープ石英ガラス試料G,H,J及びKの、633nmで測定した、規格化LIWFDを示すグラフであり、ガラス試料はフルーエンスが600μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ21nsのパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光された
図16】波長が約193nmのパルスレーザビームのパルス数の関数としての、上の図14に提示した試料と同じ一連の本発明のODドープ石英ガラス試料及び同じ一連のOHドープ石英ガラス試料G,H,J及びKの、193nmで測定した、規格化誘起吸収、すなわち規格化IAを示すグラフであり、ガラス試料はフルーエンスが600μJ・cm−2・パルス−1でパルス長がほぼ21nsのパルスに約4kHzのパルス繰返し数で露光された
図17】本発明のODドープ石英ガラスを作成するための本発明のプロセスの一実施形態にしたがって作成された固結石英ガラス試料のOH濃度([OH])プロファイル及びOD濃度([OD])プロファイルを示すグラフである
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17